JP2972387B2 - 新聞用紙の製造方法及び新聞用紙 - Google Patents

新聞用紙の製造方法及び新聞用紙

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新聞用紙の製造におい
て、所定の静的平滑度に仕上げる場合、嵩高で、剛性、
不透明度が高く、また静的平滑度は同一でも動的な平滑
性に優れるため印刷適性(インキ受理性)が向上し、更
に印刷作業性(紙粉、引張り強度等)も向上する新聞用
紙の製造方法および該製造方法で製造する新聞用紙に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の新聞印刷は、凸版輪転印刷からオ
フセット輪転印刷への転換が進み、またカラー化や増頁
化も一層進展しつつある。
【0003】一般に新聞用紙の必要特性には、作業適性
と印刷適性がある。新聞はその速報性から断紙が最も嫌
われ、これに関連するシワ、ダブリなどの作業適性が厳
密に管理される。また印刷適性も、近年の公告重視、カ
ラー化、軽量化の傾向と共にその要求特性も多様化しつ
つある。特に凸版印刷では印刷後不透明度、インキ受理
性が、オフセット印刷では表面強度(紙粉)、インキ受
理性、印刷後不透明度等が問題になる。
【0004】特に紙粉は湿し水を用いるオフセット印刷
時に非常に大きな問題となる。これは主に原紙表面から
取られた微細繊維がインキに混入したり、ブランケット
に堆積して、印刷物にカスレ、汚れなどを発生させる。
またブランケット洗浄、保守など作業性の点でも問題と
なる。従って、このような印刷表面強度の問題を解決す
るため、一般にはゲートロール等の塗工装置でデンプン
を新聞用紙に塗工することで対応されている。
【0005】また、インキ受理性はソフトなブランケッ
トを介するオフセット印刷よりも、直刷りの凸版印刷に
問題となる場合が多いが、これは紙の表面性(平滑度、
印圧下の動的平滑性)や地合い等が影響する。
【0006】新聞用紙の印刷表面強度を上げる抄紙工程
での対策としては、上記の如くデンプン塗工が行われる
が、抄紙工程に欠かせないカレンダーパートは逆に表面
強度を低下させる傾向にある。これはカレンダー処理が
紙を一定の圧力で潰し、繊維間結合を切るためと考えら
れる。特に高い圧力でかつ低水分でカレンダー処理する
ほどその傾向が高い。また低温でカレンダー処理するほ
ど、所定の表面性に紙を仕上げるのに強線圧が必要とな
り、結果として表面強度の低下を招く。また強線圧カレ
ンダー処理によりその他一般の強度特性(引張り強度、
剛性等)も低下することから、新聞用紙の断紙等作業適
性にもマイナスとなる。
【0007】また、インキ受理性を向上させるために新
聞用紙の平滑性を上げようとすると、やはり高線圧でカ
レンダー処理する必要があり上記と同じ問題が発生す
る。また同時に、紙の密度が上がってしまい嵩の低下、
不透明度、剛性の低下につながり、新聞用紙の印刷適
性、作業適性が劣る結果となる。
【0008】以上のような観点から、より低線圧の処理
で表面性を向上させるより好ましいカレンダー処理法と
して、高温ロールによる熱カレンダー処理あるいはカレ
ンダー処理直前に紙表面への水塗布あるいは加熱蒸気の
付与等の方法が考えられる。一般に紙の表面性を向上さ
せるためには、加熱よりも加湿の方が効果が高いとされ
ている(M.Agrouts;Tappi J.66
(10),96(1983))。従って熱カレンダー処
理するよりも加湿してカレンダー処理するほうが、同じ
表面性に紙を仕上げるならば低線圧で良いため、表面強
度の維持には有利と考えられる。また、水塗布による加
湿の場合は、紙の平均水分が最低でも約1.5%以上上
昇してしまい、密度の上昇幅が大きくなりすぎること、
また過度の加湿は逆にカレンダーロールへの紙粉の付着
トラブルも生じること等の問題がある。
【0009】以上より、紙に対して加温と加湿の両作用
をする加熱蒸気を使用し、カレンダー処理することがも
っとも好ましいと考えられる。
【0010】軽度の加熱蒸気を紙に付与した後にカレン
ダー処理する方法は近年開発され、その効果が認められ
ている(特開平2−160993)。但しこれは、塗工
軽量印刷用紙に適用されたものであり、以下の点で本発
明と基本的に異なる。
【0011】(1)本発明に用いた新聞用紙は紙の上に
塗被液を塗工していないため当然表面性状が異なる。従
って、蒸気加湿した場合紙表面の水分、熱に対する可塑
性が異なる。
【0012】(2)本発明では、紙に蒸気を付与した後
のカレンダー処理条件を前記請求項に記述したごとく処
理温度を100〜150℃に限定して初めて、本発明に
記載の品質上の効果が得られることを認めたものである
(特開平2−160993の方法では同じ効果は得られ
ない)。
【0013】また、高耐熱性の樹脂ロールを有するソフ
トカレンダーを用いて初めて上記のような高温条件でカ
レンダー処理することが可能となる。ソフトカレンダー
法は基本的にはオンマシンで(オフマシンの場合もあ
る)金属ロールとソフトロールを組合わせ、少ニップ数
でカレンダー掛けするものであり、ソフトロールとして
耐熱性の高い特殊樹脂を被覆したロールを使用し、金属
ロールを加温型とする方式である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記の
ごとき新聞用紙の有する印刷適性、作業適性の問題を解
決すべく鋭意検討を重ねた結果、加熱蒸気を用いてあら
かじめ紙表面を加湿かつ加熱した後、特定範囲の温度で
カレンダー処理することにより、従来の技術のように静
的平滑度を向上させなくても、印刷適性を向上すること
が可能となり、更に新たな印刷作業性(印刷表面強度、
引張り強度、剛度等)、嵩、不透明度も向上することも
認め、従来にない優れた品質を有する新聞用紙の製造方
法及びその製造方法により得られる新聞用紙を提供する
ものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は新聞用紙の製造
方法において、カレンダー処理直前に低圧で軽度の加熱
蒸気を、紙に平行に噴出させ、紙表面を加湿及び加熱し
た後、100〜150℃範囲内でソフトカレンダー処理
を行うことを特徴とする新聞用紙の製造方法である。
【0016】また本発明は、上記製造方法により得られ
る新聞用紙であり、さらにカレンダー処理後の平滑度
(JAPAN Tappi No5 王研式平滑度試験
器測定値)が、40〜200秒の範囲にある新聞用紙が
代表的である。
【0017】本発明の特徴は、新聞用紙のカレンダー処
理直前に、低圧で軽度の加熱蒸気を紙の表面に付着さ
せ、特定の温度条件でカレンダー処理する点にある。
【0018】蒸気加湿装置については、実機での連続使
用の場合以下のような問題が指摘されている。即ち、
(1)蒸気ドレンが紙面に落下あるいは吹き飛ばされ
る、(2)蒸気が周囲に飛散し、周辺の機器に結露し、
紙に結露水が落下する。(3)蒸気が周辺に漏れ、作業
環境が悪化する等の問題である。
【0019】以上の問題点を解決するために、コアンダ
効果を利用して蒸気を紙に平行かつ対向させて流す装置
が提案された。この利点は、紙と蒸気の接触時間を長く
できること、紙につれまわってくる空気の侵入を防止で
きること、紙の走行安定性が向上することにある。
【0020】本装置の主たるコンセプトは以下の如くで
ある。
【0021】蒸気のもつ熱エネルギーは紙と蒸気の温度
差によって蒸気が紙表面に微粒となって凝縮することに
よってつたえられる。この時、空気が介在すると空気は
断熱材の役目を果たし、熱授受の効率は著しく低下する
とともに、凝縮水は大きな粒子となってしまい、凝縮水
の紙への付着が不均一になってしまい、水分、温度ムラ
が大きくなってしまう。このように操業上の問題点を解
決するとともに熱効率を改善することによりはじめてカ
レンダー前での使用が可能となった。
【0022】従来のカレンダー処理は、約50〜80℃
程度で処理しており、所定の表面性を得るためにはかな
り高い線圧で紙を潰している。同じ表面性をより低線圧
で得、印刷表面強度の低下を最小限に押さえるために
は、紙のごく表層部のみを緻密化することによって表面
性を出す必要がある。この手法としては、紙の表層部の
みを加熱により潰すことによって表面性を発現させるい
わゆる温度勾配カレンダー法が従来から提案されている
(M.F.Gratton et.al.;Pulp
and Paper Can.,88(12),T46
1(1987)等)。
【0023】また別な方法として、紙の表層部のみを加
湿により潰す方法がある。この方法は、加熱か加湿かの
違いだけでその作用機構は基本的に温度勾配カレンダー
法と同じである。即ち、加湿により紙の表層部のみを可
塑化した直後にカレンダー処理することによりカレンダ
ーロール表面を可塑化された紙表面に転写するメカニズ
ムである。
【0024】これらカレンダー法は、従来のカレンダー
法と比較し、同じ密度(嵩)に紙を仕上げた場合には、
より高い表面性が得られることになる。
【0025】本発明者らは、この加湿カレンダー法を鋭
意研究した結果、水シャワーにより加湿する場合は、加
湿量が多くなってしまい(紙の平均水分量として1.5
%以上増加する)、カレンダー処理により表面性は大き
く向上するが、同時に密度の上昇幅が大きくなりすぎて
しまい、所定の紙厚を保持しきれないこと、過度の加湿
により逆に紙粉がカレンダーロールに取られる問題も生
じることを認めた。密度の過度な上昇は紙の表層部だけ
でなく中層部まで水分が浸透してしまったことが原因と
考えられる。
【0026】またこの方法では紙の水分プロファイルの
制御も難しいこと等の問題点があった。また、この場合
紙表面に付着した水がカレンダーロールの温度を下げて
いることもわかった。
【0027】前記のように、紙表面を可塑化するにはカ
レンダーロールの温度はより高温で処理する方が望まし
いが、水シャワーによる加湿方法では、カレンダーロー
ル温度を下げる方向に作用するためにマイナスの効果と
なってしまう。
【0028】以上のような検討から、本発明者等は蒸気
による加湿方法が最良であることを認めた。本発明に用
いる蒸気は高温(100℃以上)であるため、紙表面を
同時に加湿かつ加温して可塑化する。従って、蒸気加湿
直後にカレンダー処理した場合、紙の表層部のみ密度が
増加し、表面性が向上するが、紙中層部は密度が上がら
ず、紙全体としては平均密度がそれほど上がらず、低線
圧の処理で所定の表面性が得られ、印刷表面強度、作業
適性に優れた新聞用紙が得られるのである。
【0029】また従来のカレンダー法の場合と同じ密
度、嵩に紙を仕上げた場合には、高平滑で、インキ受理
性の優れた新聞用紙が得られるのである。
【0030】また、本発明と同様な蒸気によるカレンダ
ー法を用いて、その効果を論じた先行技術(特開平2−
160993)とは以下の点で基本的に異なるものであ
る。まず本発明では、紙に蒸気を付与した後のカレンダ
ー処理条件を前記請求項に記述したごとく、カレンダー
処理温度を100〜150℃に規定したことである。
【0031】上記先行技術では、蒸気加湿によるカレン
ダー処理により、紙の密度上昇および嵩の減少を最小限
に押さえたまま、王研式平滑度(静的平滑度)を向上さ
せることが可能となり、それによって初めて印刷適性の
向上が可能であると論じている。しかし本方法によれ
ば、王研式平滑度が変わらなくても動的平滑度が向上す
るため、印刷適性が向上することが可能となった。
【0032】更に上記先行技術では嵩(密度の逆数)、
剛度、不透明度は低下傾向にあるのに対し、本発明の方
法によれば嵩、不透明度、剛度も向上し、更に新たに印
刷作業性(印刷表面強度、引張り強度)も向上し得るこ
とも認めた。
【0033】これらの理由は、紙の熱、水分に対する可
塑性、紙の熱伝導度、弾性率、紙層構造、弾性ロールの
弾性率等複雑な因子によって、紙の表面性の発現性メカ
ニズムが左右されると考えられるため定かではないが、
おおむね以下の違いが理由として考えられる。
【0034】まず、前記のごとくカレンダー処理温度が
100℃以下で処理した場合は、カレンダーロールの温
度が紙表層部の温度より低いため、あらかじめ蒸気によ
り加熱されたごく表層部の紙の温度が逆に冷やされる結
果となり、紙の表層部のみを可塑化する効果に対してマ
イナス効果となり結果として同じ密度に紙を仕上げても
王研式平滑度は向上しなくなる。
【0035】また、150℃以上の高温で処理すると加
温と蒸気による加湿が過度になってしまい、相乗効果に
より表面性は大きく向上するものの、前記のように極端
に密度が上昇してしまい、結果として嵩、不透明度、剛
度の低下を招く。
【0036】本発明の方法によれば、一つには100℃
以上の高温で処理することにより、同じ王研式平滑度
(静的平滑度)を得るのにより低線圧で処理できるた
め、嵩、不透明度が向上する。また紙に強いしごきを与
えないで済むため、剛度、引張り強度、印刷表面強度が
向上する(100℃以下では全く効果はない)。尚、ソ
フトカレンダーのロールの温度は紙の温度より高く設定
することが好ましい。
【0037】また耐熱、耐圧性に優れた特殊樹脂ロール
を有するソフトカレンダー法を採用して初めて上記のよ
うな高温でカレンダー処理することが可能となる。なぜ
なら、一般的に使用されるスーパーカレンダーの場合に
は、弾性ロールであるコットンロールの内部発熱が大き
く、耐熱、耐圧性に限界があるため、ロールの最高使用
温度は一般に約85℃以下に制限されるためである。ま
た板紙の製造で一般に使用されるグロスカレンダーの場
合には、金属ロール側は100℃以上の高温でも使用さ
れるが、弾性ロールであるゴムロールは、耐久性に著し
く劣るため一般に高速抄紙機、高速コータには適用でき
ない。したがって、耐熱、耐圧性に優れた特殊樹脂ロー
ルを有するソフトカレンダーを採用して初めて高温、高
圧での使用が可能となる。
【0038】本発明の低圧で軽度の加熱蒸気流を紙に噴
出する装置としては、紙と平行に蒸気を噴出する装置、
ノズルから紙表面に一定の角度で噴出する装置などで、
蒸気が紙表面に付着して適度に紙の温度と水分を上昇さ
せる調整ができるものであれば使用できる。
【0039】本発明において使用する蒸気は、低圧で軽
度の加熱蒸気で、紙に付与する場合、使用蒸気圧は1k
g/cm2以下で、蒸気流量が15〜80kg/Hr/
m幅であり、紙水分増加率が0.3〜1.2%の範囲内
で蒸気を付与することが望ましい。その理由は前記のよ
うに蒸気圧が高く、流量も多すぎると、過剰の水分が紙
中層部まで浸透し、カレンダー処理後の嵩を大きく低下
させる。また紙への蒸気付着量が多すぎると塗工紙の場
合塗工層表面がカレンダーロールに取られる問題を生じ
る。逆に蒸気流量が少なすぎると、紙の平滑、光沢ムラ
を発生させる恐れがあり、また加湿、加温の効果が少な
くなり、平滑性、印刷適性の向上効果も少なくなる。
【0040】したがって、適性な水分付与条件として
は、紙水分増加率が0.3〜1.2%の範囲内で蒸気を
付与することが望ましい。
【0041】蒸気塗布後、カレンダーロールニップに入
るまでの時間はできる限り短い方が良く、0.01〜
0.25秒の範囲内が望ましい。これ以上時間が長いと
蒸気粒子が紙中層部に侵入し、カレンダー処理後の嵩を
大きく低下させる。
【0042】また、本研究の結果、使用する弾性ロール
の硬度はショアD87〜93の範囲内にあることが分か
った。
【0043】その理由は明確ではないが、弾性ロールの
硬度がより低い場合には、ニップ幅は広くなり、紙に対
する面圧が大きくなる。この場合には、金属ロールの表
面を紙表面に転写する時間が長くなり、面圧とは逆に線
圧は小さくなるため、紙の光沢発現性は高くなるが、紙
の表層部より若干中層部近くまでの平滑性を測定する王
研式平滑度ではあまり大きな向上として現れない。
【0044】逆に弾性ロール硬度が高い場合には、ニッ
プ幅も狭く、紙にかかる線圧も高いため王研式の平滑度
の向上も大きくなると考えられる。ただしロール硬度が
過度に高いと、異物通過時のロールの傷付きとその復元
性に劣り実用的でなく、品質的にも従来の金属ロール/
金属ロールの組み合わせによるカレンダー法と差がなく
なってしまう。従って適度な硬度範囲の弾性ロールを使
用する必要がある。
【0045】また本発明の新聞用紙は、坪量は40〜5
5g/m2 の範囲で、カレンダー処理後の平滑度(JA
PAN Tappi No5 王研式平滑度試験器測定
値)が、40〜200秒の範囲のものが代表的である。
【0046】さらに本発明の新聞用紙は、サイズ剤、乾
燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、定着剤、歩どまり向上
剤等通常抄紙で用いられる添加剤を必要に応じて含むも
のである。
【0047】以上本発明者等は、紙の表層部のみを可塑
化する手段として加熱あるいは加湿によるカレンダー法
を種々検討を重ねた結果、低圧で軽度の加熱蒸気を新聞
用紙の表面に付与し、紙表面を加湿かつ加熱した後、特
定範囲の温度でソフトカレンダー処理することにより、
従来の技術のように静的平滑度を向上させなくても、印
刷適性を向上することが可能となり、更に新たな印刷作
業性(印刷表面強度、引張り強度、剛度等)、嵩、不透
明度も向上することも認め、従来にない優れた品質を有
する新聞用紙が得られることを認めた。
【0048】
【実施例】本発明の実施例を示す。
【0049】カレンダー処理にチルドロールと樹脂ロー
ルの組み合わせからなる2段のソフトニップを有する2
スタックのソフトカレンダーを用い、各ニップ前に、チ
ルドロールに当たる側の紙表面に蒸気が噴出されるよう
に、加湿装置(相川鉄工株式会社のスチームフォイル)
を設置し下記の実験を行った。
【0050】本実施例及び比較例で使用したソフトカレ
ンダーの詳細は次の通りである。
【0051】 本体メーカー:南千住製作所(株) ロール面長:1050mm 加熱ロール:誘導発熱ジャケットロール(トクデン製) ソフトロール:エラグラスRE(金陽社製)ショアー硬
度D89他実施例1 坪量48g/m2 の新聞用紙に、使用蒸気圧0.8kg
/cm2 、蒸気流量が50kg/Hr/m幅に一定条件
下で蒸気を付与し、0.03秒後に各カレンダーニップ
に入る様にカレンダー処理した。その際、カレンダーロ
ール温度は120℃で処理した。
【0052】比較例1 カレンダーロール温度を70℃でカレンダー処理するこ
と以外はすべて上記実施例1と同条件でカレンダー処理
した。
【0053】比較例2 蒸気をまったく使用せず、カレンダーロール温度を70
℃でカレンダー処理すること以外はすべて上記実施例1
と同条件でカレンダー処理した。
【0054】<品質評価方法>・静的平滑度:JAPA
N Tappi No5王研式平滑度試験器で測定し
た。
【0055】・動的平滑度:パーカプリントサーフ表面
粗さ(PPS)計(野村商事製 PPS−78型)を用
い、μ単位の粗さとして表示する。数値の小さい方が動
的平滑性が高い。
【0056】・印刷表面強度(紙粉):ローランドオフ
セット印刷機を使用し、B4判試料1000枚印刷した
後、ブランケットに堆積した紙粉を採取、定量しmgで
表示した。
【0057】・インキ受理性:凸版印刷機(黒沢印刷精
機性デルマックス印刷機)を用いて印刷後、印刷面のイ
ンキの着肉均一性を5段階評価で視覚判定した。
【0058】・剛性:JIS P−8143に従いクラ
ークこわさ試験機で測定した。
【0059】・引張り強度:JIS P−8114ショ
ッパー型試験器で測定した。
【0060】・不透明度(%):JIS P−8138
に準じて測定した。
【0061】
【0062】
【発明の効果】表から明らかなように、従来の蒸気加湿
カレンダー技術と異なり、紙に蒸気を付与した後のカレ
ンダー処理条件を前記請求項に記述したごとく、カレン
ダー処理温度を100〜150℃に規定してソフトカレ
ンダー処理する本発明の方法により、王研式平滑度が変
わらなくても動的平滑度が向上するため、印刷適性(イ
ンキ受理性)を向上することが可能となる。更に嵩、不
透明度も向上し、新たな印刷作業性(紙粉、剛度、引張
り強度)も向上させ得る。
【0063】従って、本発明の新聞用紙の製造方法によ
り製造された新聞用紙は、従来にない優れた品質特性が
得られ、その製品価値は極めて大なるものがある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 敏雄 山口県岩国市飯田町2丁目8番1号 山 陽国策パルプ株式会社 生産技術研究所 内 (72)発明者 飯森 良文 東京都新宿区上落合1丁目30番6号 山 陽国策パルプ株式会社 商品開発研究所 内 (56)参考文献 特開 平2−160993(JP,A) 特開 昭62−177277(JP,A) 特開 昭62−215097(JP,A) 特開 平4−370293(JP,A) 特公 昭47−38882(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D21H 11/00 - 27/00 D21G 1/00 - 9/00 D21F 7/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 新聞用紙の製造方法において、新聞用紙
    のソフトカレンダー処理直前に、蒸気圧1kg/cm 2
    以下で、蒸気流量が15〜80kg/Hr/mの低圧で
    軽度の加熱蒸気を紙に平行かつ対向させて付与し紙表面
    を加湿及び加熱した後、弾性ロールが硬度ショアD87
    〜93の特殊樹脂ロールであり、かつソフトカレンダー
    の温度が100〜150℃の範囲内でのソフトカレンダ
    ー装置を用いてカレンダー処理を行うことを特徴とする
    新聞用紙の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製造方法により製造され
    た新聞用紙。
  3. 【請求項3】 カレンダー処理後の平滑度(JAPAN
    Tappi No5 王研式平滑度試験器測定値)
    が、40〜200秒の範囲にある請求項2記載の新聞用
    紙。
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