JP5920697B2 - 卵含有組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、卵含有組成物及びその製造方法に関する。
家庭やレストラン、屋台等で提供されるカツ丼や親子丼、オムレツ等の卵料理は、卵の卵白部分や卵黄部分が完全に凝固されずに半熟感を呈することで、需要者の食欲がよりそそられるものとなる。また、卵の半熟感を呈する料理は、そのような料理を食する際の食感にも優れ、手作り感を十分に味わうことができる。このような半熟感を呈する卵料理の調理に際しては、鍋等で食材を加熱するときに卵を加熱し過ぎず、適度な加熱に留めることが特に重要である。
一方で近年、家庭等で手軽に卵料理を食することができるように、熱湯等によって加熱するだけで食することができる、所謂レトルト食品が広く流通している。また、袋詰め時に低温殺菌を行い、需要者への提供時に袋から取り出して調理(加熱)を行う調理用加工食品も流通している。例えばカツ丼を需要者に提供する場合、袋に充填された液卵や割卵を鍋等に入れ、当該液卵(又は割卵)とカツとを鍋で約70℃程度で加熱して調理し、需要者に提供することになる。
このような調理用加工食品としての卵加工品(卵含有組成物)として、例えば特許文献1には、有機酸モノグリセライド、HLB8以上のポリグリセリン脂肪酸エステル、HLB8以上のショ糖脂肪酸エステルから選ばれた1種以上の乳化剤を含有する卵加工品が記載されている。また、例えば特許文献2には、凝固性卵加工品と卵蛋白変性温度に加熱しても凝固しない卵加工品を含有する卵加工食品が記載されている。
特開2005−6616号公報 特開2003−38127号公報
前記したように、従来においては、液卵を含有する調理用加工食品(卵含有組成物)は、提供時に加熱し、卵を凝固させることで手作り感を呈する料理が需要者に提供されている。そのため、調理時(加熱時)には、調理用加工食品を所定の温度(卵が凝固する温度)程度にまで加熱するための加熱手段が通常必要になる。従って、例えば屋台や屋外でのイベント会場等の、電気コンロや火力等の加熱手段を利用しにくい環境での調理が難しいという課題がある。
また、例えばレストラン、屋内の飲食店等、加熱手段が比較的容易に利用可能な環境であっても、調理に際して加熱工程を要するため、調理が依然として煩雑であるという課題もある。さらには、調理者が調理する時の加熱温度や加熱時間によって液卵の凝固の程度が異なり、調理者によって提供する食品の外観や食感が異なることがあるという課題がある。
本発明は前記課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、外観等に優れた卵食品を需要者に容易に提供可能な卵含有組成物及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決するべく鋭意検討した結果、以下のようにすることにより前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明の要旨は、ゲル状塊体の擬似卵白と、ゲル状塊体の擬似卵黄と、玉子とじと、を含み、前記擬似卵白及び前記擬似卵黄はそれぞれ独立して、ゲル化剤と、増粘剤と、を含む組成物であり、前記ゲル化剤はキサンタンガムとローカストビーンガムとジェランガムとの混合製剤であり、前記増粘剤はキサンタンガムであり、前記擬似卵白に含まれる増粘剤の濃度は、前記組成物に対して0.4質量%であり、前記擬似卵白に含まれるゲル化剤の量は、前記擬似卵白に含まれる増粘剤の含有量の2.75倍以上3倍以下であり、前記擬似卵黄に含まれる増粘剤の濃度は、前記組成物に対して0.4質量%であり、前記擬似卵黄に含まれるゲル化剤の量は、前記擬似卵黄に含まれる増粘剤の含有量の3倍であることを特徴とする、卵含有組成物に関する。その他の解決手段は、発明を実施するための形態において後記する。
本発明によれば、外観等に優れた卵食品を需要者に容易に提供可能な卵含有組成物及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(本実施形態)を説明する。
[1.卵含有組成物]
本実施形態の卵含有組成物は、ゲル状塊体の擬似卵白と、ゲル状塊体の擬似卵黄と、玉子とじと、を含む。そして、前記擬似卵白及び前記擬似卵黄はそれぞれ独立して、ゲル化剤と、増粘剤と、を含む。具体的な濃度としては、前記擬似卵白に含まれる増粘剤の濃度は、前記組成物に対して0.4質量%以上であり、前記擬似卵白に含まれるゲル化剤の量は、前記擬似卵白に含まれる増粘剤の含有量の2.5倍より多い量である。
また、前記擬似卵黄に含まれる増粘剤の濃度は、前記組成物に対して0.4質量%以上である前記擬似卵黄に含まれるゲル化剤の濃度は、前記擬似卵黄に含まれる増粘剤の含有量の3倍以上である。また、本実施形態の卵含有組成物に含まれるゲル化剤はキサンタンガムを含むものである。
[1−1.擬似卵白]
本実施形態の卵含有組成物に含まれる擬似卵白(本実施形態の擬似卵白)は、ゲル状の塊体として含まれる。また、本実施形態の擬似卵白は、前記のように増粘剤及びゲル化剤を含む。そして、それらの濃度としては、増粘剤が卵含有組成物の全量に対して0.4質料%以上であり、ゲル化剤は増粘剤含有量の2.5倍より多い量である。即ち、(ゲル化剤含有量)>2.5×(増粘剤含有量)である。
(形態)
本実施形態の擬似卵白の形態は、前記のようにゲル状の塊体であるが、このようなゲルの物性は任意である。ただし、本実施形態の卵含有組成物の殺菌時(卵含有組成物製造中の殺菌時)には分散せず、加熱時に融解することにより良好な外観や食感(具体的には、擬似卵白と擬似卵黄とが融解することにより奏する半熟感)を保つことができるという観点から、分散しない程度の粘度を有し、ゲルの融点(即ち擬似卵白の融点)としては、70℃以上であることが好ましい。
また、塊体の大きさも特に制限されないが、擬似卵白の量が少なすぎると加熱時に融解した擬似卵白量が少なくなりすぎ良好な外観にならないことがある。また、擬似卵白の量が多すぎると相対的に玉子とじ(後記する。)の量が少なくなりすぎるため、卵の風味が低下する可能性がある。従って、これらの観点に基づいて塊体の大きさを適宜設定すればよく、例えばメッシュ孔5mm〜30mmの篩に供して得られる塊体を用いることができる。
また、ゲル状の擬似卵白の粘度も特に制限されない。ただし、粘度が小さすぎる場合、加熱前に玉子とじと擬似卵白とが一様になり、加熱調理後の外観が損なわれる可能性がある。また、粘度が大きすぎる場合、擬似卵白を融解させるために時間がかかりすぎ、加熱時の時間が過剰なものとなる可能性がある。
(増粘剤)
本実施形態の擬似卵白は増粘剤を含む。その濃度は、卵含有組成物の全体に対し、0.4質量%以上である。増粘剤の含有量が少なすぎる場合、加熱後の擬似卵白の外観が損なわれる可能性がある。
増粘剤の種類は特に制限されないが、具体的には例えば、キサンタンガム等が挙げられ、中でもキサンタンガムが好ましい。なお、増粘剤は1種が単独で用いられてもよく、2種以上が任意の比率及び組み合わせで用いられてもよい。
(ゲル化剤)
本実施形態の擬似卵白はゲル化剤を含む。また、当該ゲル化剤は、キサンタンガムを含む。卵含有組成物におけるゲル化剤の濃度は、前記した増粘剤の含有量の2.5倍より多い量である。ただし、ゲル化剤の含有量が少なすぎる場合、擬似卵白の前記形態を維持することが困難になる可能性がある。
また、ゲル化剤に含まれるキサンタンガム以外の成分としては特に制限されない。このような成分の具体例としては、ローカストビーンガム、ジェランガム、カラギナン、アルギン酸のカルシウム塩等が挙げられ、中でもこれらを用いることが好ましく、特にはローカストビーンガム及びジェランガムがより好ましい。なお、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
本実施形態の擬似卵白は、他にも任意の成分を含んでもよい。このような任意の成分としては、例えば、糖、着色剤等が挙げられる。
(糖)
本実施形態の擬似卵白は糖を含むことが好ましい。糖の含有量は特に制限されないが、好ましくは擬似卵白の全体に対して2質量%以上5質量%以下である。糖の含有量が少なすぎる場合、加熱後に形態を維持することが困難となる可能性がある。また、糖の含有量が多すぎる場合、加熱後の卵含有組成物を食した際の甘みが過度に強くなる可能性がある。
糖の具体的な種類としては、寒天及び澱粉以外であれば特に制限されないが、例えば単糖、二糖、オリゴ糖、多糖等が挙げられ、中でも二糖類が好ましい。より具体的には、例えばトレハロース、スクロース、マルトース等が挙げられ、中でもトレハロースが好ましい。なお、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
(着色剤)
本実施形態の擬似卵白は、着色剤として油脂加工品を含むことが好ましい。油脂加工品の含有量は特に制限されないが、擬似卵白の全体に対して3質量%以上5質量%以下であることが好ましい。油脂加工品の含有量が少なすぎる場合、卵含有組成物を加熱後に、半熟感を呈する白色の擬似卵白部分を形成することが困難になる可能性があり、多すぎる場合、擬似卵白の色合いが過度に強くなり、加熱後の卵料理の外観を損なう可能性がある。
油脂加工品の具体的な種類に特に制限は無く、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
(その他の添加剤)
前記のもののほかにも、例えばグリシン、メチルセルロース、乳酸カルシウム、酢酸(具体的には、例えば食酢等)、澱粉、寒天等が挙げられる。添加剤は1種が単独で含まれてもよく、2種以上が任意の比率及び組み合わせで含まれてもよい。また、その他の添加剤の含有量も本発明の効果を著しく損なわない限り任意であり、適宜設定すればよい。
[1−2.擬似卵黄]
本実施形態の卵含有組成物に含まれる擬似卵黄(本実施形態の擬似卵黄)は、ゲル状の塊体として含まれる。また、本実施形態の擬似卵黄は、前記のように、増粘剤及びゲル化剤を含む。擬似卵黄の形態、並びに、増粘剤及びゲル化剤の性質や具体的な種類、その他の添加剤の具体的な種類等については、[1−1.擬似卵白]において説明した内容と同様であるため、その説明を省略する。
ただし、本実施形態の擬似卵黄は、増粘剤を、卵含有組成物の全体に対して0.4質量%以上の濃度で含む。増粘剤の含有量が少なすぎる場合、加熱後の擬似卵黄の外観が損なわれる可能性がある。
また、本実施形態の擬似卵黄は、ゲル化剤を、前記した増粘剤含有量の3倍以上の量で含む。もしゲル化剤の含有量が少なすぎる場合、擬似卵黄の前記形態を維持することが困難になる可能性がある。
さらに、本実施形態の擬似卵黄は、着色剤としてカロチンを含むことが好ましい。カロチンの含有量は特に制限されないが、擬似卵黄の全体に対して、0.01質量%以上0.04質量%以下であることが好ましい。着色剤としてのカロチンを前記の含有量で含むことにより、擬似卵黄と周囲の玉子とじとの間に、適度な色調の差を生じさせることができる。そのため、このような擬似卵黄を含む卵含有組成物によれば、よりいっそうの半熟感を視覚に訴えることができる。
[1−3.玉子とじ]
本実施形態の卵含有組成物に含まれる玉子とじは、液卵(割卵して得られる白身及び黄身の混合物)を出汁(タレ)中で加熱して凝固させたものである。このような凝固は、例えば、卵黄液及び卵白液を別々に調製して出汁中で攪拌しながら加熱したり、白身及び黄身が十分に懸濁したもの(白身及び黄身が一様に混合している状態。所謂「全卵」)を出汁中で攪拌しながら加熱したりすることで行われる。従って、本実施形態の卵含有組成物に含まれる玉子とじは、白身及び黄身が完全に凝固した状態である。そのため、卵含有組成物を加熱した場合は勿論、水流等で解凍した場合にも、需要者に提供される料理に含まれる玉子とじ部分は完全に凝固した状態になっている。
玉子とじの形態としては特に制限されないが、通常は、ヒダ状の玉子とじとなる。ヒダ状の玉子は、加熱した湯に液卵を流し入れ、凝固させて固体の玉子を得る。このような形態の玉子とじを本実施形態の卵含有組成物に含有させることで、需要者に対し、外観に優れた卵含有料理を提供することができる。
[1−4.含有割合]
前記のように、本実施形態の卵含有組成物は、擬似卵白と擬似卵黄と玉子とじとを含むものである。これらの含有割合に特に制限は無いが、卵含有組成物の全体に対して、擬似卵白の含有量は10質量%以上22質量%以下、また、擬似卵黄の含有量は10質量%以上22質量%以下とし、残部を玉子とじとすることが好ましい。このような比率にすることで、加熱後の外観を特に優れたものとすることができる。
[2.卵含有組成物の製造方法]
本実施形態の卵含有組成物の製造方法は特に制限されず、任意の方法によって本実施形態の卵含有組成物を製造することができる。ただし、(1)擬似卵白及び擬似卵黄をそれぞれ粉砕して塊状とした後、該塊状の前記擬似卵白及び前記擬似卵黄と、前記のようにして製造した玉子とじとを混合する工程(粉砕混合工程)、と、(2)前記擬似卵白と前記擬似卵黄と前記玉子とじとの混合物に対して、60℃以上85℃以下の温度で熱処理を行う工程(熱処理工程)、とを少なくとも有することが好ましい。以下、これらの工程について説明する。
(粉砕混合工程)
[1.卵含有組成物]において説明した成分を有する「擬似卵白」及び「擬似卵黄」を任意の方法で調製した後、玉子とじとともに本工程に供する。なお、擬似卵白及び擬似卵黄の調製方法の具体例については後記する。調製された擬似卵白及び擬似卵黄は、通常は、各成分が収容された容器の形状(例えば板状、円柱状等)となっている。従って、このような形状を有する擬似卵白及び擬似卵黄を、それぞれ粉砕することになる。
具体的な粉砕の方法は特に制限されず、所望の形状となるようにそれぞれ粉砕できれば任意の方法により行うことができる。例えば、5mm〜30mmのメッシュ孔を有する篩に擬似卵白及び擬似卵黄をそれぞれ供することにより、好適な大きさを有するゲル状塊体を得ることができる。具体的には、玉子とじとともに混合や攪拌しても、玉子とじと同化するほど粉々に小さくならない程度の大きさとすることができる。
そして、このようにして得られたゲル状塊体の擬似卵白及び擬似卵黄と、玉子とじとをそれぞれ所望の含有割合となるように混合することにより、ゲル状塊体の擬似卵白及び擬似卵黄と固体の玉子とじとが混合された混合物を得ることができる。
(熱処理工程)
本工程においては、前記粉砕混合を経て得られた混合物に対して、60℃以上85℃以下の温度で熱処理を行って殺菌を行う。加熱時間は特に制限されないが、通常は前記の温度で10分〜30分間程度行われる。例えば、85℃で30分間、擬似卵黄、擬似卵白及び玉子とじを加熱殺菌した場合でも、擬似卵黄や擬似卵白は溶解して玉子とじと一体化することがない。また、擬似卵黄や擬似卵白が溶解して玉子とじに分散することもない。従って、加熱時の温度が低すぎる場合、混合物の殺菌が不十分になる可能性があり、高すぎる場合、玉子とじの風味が低下したり、擬似卵白や擬似卵黄が融解したりする可能性がある。
また、熱処理工程は、連続式で行ってもよく、バッチ式で行ってもよい。前記混合物に対して連続式で熱処理を行う場合、前記の時間よりも短い時間で殺菌処理を行うことができる。
(その他の工程)
前記の粉砕混合工程及び熱処理工程の他にも、任意の工程を行うことができる。具体的には、例えば前記熱処理工程前に前記混合物を袋等に充填する工程を設け、袋等に充填された混合物に対して熱処理(即ち殺菌処理)を施すことができる。また、熱処理工程後の混合物が袋等に充填されたまま冷却及び冷凍する工程等を設けたりすることもできる。熱処理工程後の混合物をそのまま冷凍することにより、長期保存することができる。なお、冷凍時の温度は特に制限されず、通常は−20℃程度である。
このようにして冷凍保存された卵含有組成物は、加熱時に擬似卵白及び擬似卵黄部分は融解して粘性を有するようになる。一方で玉子とじ部分は固体のままである。従って、加熱された卵含有組成物は卵の半熟感を呈し、外観及び食感に優れた卵含有食品として需要者に提供することができる。また、水流や自然解凍等の液卵が通常凝固する温度まで加熱できない場合であっても、本実施形態の卵含有組成物は予め凝固した玉子とじが含まれているため、需要者に対して外観及び食感に優れた卵含有食品を気軽に提供できるようになる。
なお、前記したように、擬似卵白及び擬似卵黄の具体的な調製方法は特に制限されず、例えば各成分を水に懸濁後、加熱攪拌して各成分を溶解させ、得られた溶液を冷却することにより調製することができる。
以下、実施例を挙げて本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。
(擬似卵白の調製)
ゲル化剤、増粘剤及び着色料として以下のものを用い、擬似卵白を調製した。
・ゲル化剤
ゲル化剤A ローカストビーンガム・キサンタンガム・ジェランガムの混合製剤
ゲル化剤B アルギン酸とカルシウム塩との混合製剤
ゲル化剤C カラギナン・ローカストビーンガムの混合製剤
ゲル化剤D セルロース・ローカストビーンガム・ペクチン等の混合製剤
ゲル化剤E ジェランガム製剤
・増粘剤 キサンタンガム
・着色料 カロチン
以上の材料を表1に示す割合で混合して加熱し一様に溶解させた後、冷蔵することにより、ゲル状の板状擬似卵白を調製した。
Figure 0005920697
※ 単位は全て「g(グラム)」である。
得られた擬似卵白の様子を目視にて確認した(目視A;その結果は、表3及び表4を参照しながら後記する。以下、同じ。)。そして、得られた擬似卵白を20mmのメッシュ孔径を有する篩に供して粉砕し、ゲル状塊体の擬似卵白を調製した。その後、ゲル状塊体の擬似卵白を、玉子とじ濃度が30質量%となるように鶏由来玉子とじ(そぼろ状に粉砕済み)と混合し、擬似卵白と玉子とじとの混合物を調製した。得られた混合物について、擬似卵白が玉子とじと同化していないか目視にて確認した(目視B)。
また、擬似卵白の場合と同様にして、表2に示す割合で混合して擬似卵黄と玉子とじとの混合物を調製した。2回の目視(目視A及び目視B)についても同様に行った。
Figure 0005920697
※ 単位は全て「g(グラム)」である。
調製した、擬似卵白と玉子とじとの混合物、並びに、擬似卵黄と玉子とじとの混合物について、85℃で30分間加熱殺菌を行った後、擬似卵白及び擬似卵黄がそれぞれ玉子とじに分散していないかを目視にて確認した(目視C)。
加熱殺菌後のそれぞれの混合物を冷却し、−20℃で完全に冷凍し、その後解凍した。そして、解凍後の混合物について、擬似卵白及び擬似卵黄の変性が生じていないか目視にて確認した(目視D)。また、解凍後の混合物について、目視にて状態を確認した(目視E)。
以上の目視A〜Eの結果を、表3(擬似卵白を含む混合物)及び表4(擬似卵黄を含む混合物)に示す。
Figure 0005920697
Figure 0005920697
なお、表3及び表4中、目視A〜Eの各項目の記号は、以下の意味である。
・目視A ○はゲル化した。×はゲル化しなかった。△は柔らかいゲルであった。
・目視B ○はほぼ砕けなかった。×は粉々になった。△は中間程度であった。
・目視C ○は分散なく、ゲル状態を留めていた。×は分散した。
・目視D ○は冷凍変性なし。×は離水等の物性変化があった。
・目視E ○は良好な外観だった。×は半熟状に見えなかった(外観が良くなかった)。
また、表3及び表4中、「−」は実験をしていないことを表す。
表3及び表4に示すように、擬似卵白についての実施例1、並びに、擬似卵黄についての実施例1は、全ての目視試験で良好な結果を示した。また、擬似卵白についての実施例2においても、目視Bではやや砕けていた(中間程度であった)が、それ以外は良好な結果であった。
一方で、ゲル化剤にキサンタンガムを含まず、かつ、ゲル化剤濃度及び増粘剤濃度が本実施形態で特定する範囲に含まれない各比較例では、目視によって不良な点が認められた。特に、擬似卵白についての比較例6〜8、並びに、擬似卵黄についての比較例9及び10では、目視B以外の項目は全て良好であった。しかしながら、目視B、即ち、玉子とじに擬似卵白若しくは擬似卵黄を混合した際、擬似卵白及び擬似卵黄のいずれも、粉々に粉砕されてしまった。
従って、擬似卵白に関しては、増粘剤の濃度は全量に対して0.4質量%以上とし、ゲル化剤量は増粘剤の含有量の2.5倍より多い量とすることがよいことがわかった。また、擬似卵黄に関しては、増粘剤の濃度は全量に対して0.4質量%以上とし、ゲル化剤量は増粘剤の含有量の3倍以上とすることがよいことがわかった。
そして、本実施形態の擬似卵白及び擬似卵黄を用いれば、加熱手段(電気コンロや火力等)が無い場合でも、水流や自然解凍等によって冷凍された卵含有組成物を解凍し、卵の半熟感を呈する等の外観に優れた卵料理を、需要者に容易に提供することができる。しかも、卵含有組成物には、既に凝固した卵が含まれているため、調理者によらず、優れた外観を呈する卵料理を提供することができる。
なお、本実施例は擬似卵白及び擬似卵黄について独立して行っているが、擬似卵白及び擬似卵黄はいずれも玉子とじ中で同様の挙動を示すため、擬似卵白、擬似卵黄及び玉子とじを含む本実施形態の卵含有組成物においても同様の結果が示される。

Claims (5)

  1. ゲル状塊体の擬似卵白と、ゲル状塊体の擬似卵黄と、玉子とじと、を含み、前記擬似卵白及び前記擬似卵黄はそれぞれ独立して、ゲル化剤と、増粘剤と、を含む組成物であり、
    前記ゲル化剤はキサンタンガムとローカストビーンガムとジェランガムとの混合製剤であり
    前記増粘剤はキサンタンガムであり、
    前記擬似卵白に含まれる増粘剤の濃度は、前記組成物に対して0.4質量%であり、
    前記擬似卵白に含まれるゲル化剤の量は、前記擬似卵白に含まれる増粘剤の含有量の2.75倍以上3倍以下であり
    前記擬似卵黄に含まれる増粘剤の濃度は、前記組成物に対して0.4質量%であり、
    前記擬似卵黄に含まれるゲル化剤のは、前記擬似卵黄に含まれる増粘剤の含有量の3倍である
    ことを特徴とする、卵含有組成物。
  2. 前記擬似卵白に含まれるゲル化剤の量は、前記擬似卵白に含まれる増粘剤の含有量の3倍である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の卵含有組成物。
  3. 前記擬似卵白及び前記擬似卵黄の含有量はそれぞれ独立して、前記組成物に対して10質量%以上22質量%以下である
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の卵含有組成物。
  4. 請求項1〜の何れか1項に記載の卵含有組成物を製造する方法であって、
    前記組成物に対して、60℃以上85℃以下の温度で熱処理を行う工程を有する
    ことを特徴とする、卵含有組成物の製造方法。
  5. 擬似卵白及び擬似卵黄をそれぞれ粉砕して塊状とした後、該塊状の前記擬似卵白及び前記擬似卵黄を前記玉子とじに混合する工程を有する
    ことを特徴とする、請求項に記載の卵含有組成物の製造方法。
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