JP2007167016A - 卵含有食品及びその製造方法 - Google Patents

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Sadaaki Yasuda
定明 安田
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Abstract

【課題】極めて簡便な調理によって安全な半熟状の卵とじ調理品を含む卵含有食品を製造できる卵含有食品の製造方法を提供すること。
【解決手段】本卵含有食品の製造方法は、卵黄、油脂、及び、水分を混合して卵黄ソースを生成する工程(ステップSA−1)と、卵白、油脂、及び、水分を混合して卵白ソースを生成する工程(ステップSA−2)と、生成した卵黄ソースと卵白ソースとを所定の割合で混合して卵ソースを生成する工程と(ステップSA−3)、生成した卵ソースを用いて調理を行う工程(ステップSA−4)とを備える。最終的に生成される卵ソースは、安定的なエマルジョン状態にあり、これを用いることで、半熟卵のふっくら感のある食味及び外観を呈する食品を製造できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、卵含有食品及びその製造方法に関し、特に、スーパーやコンビニエンスストアなどの販売店で提供され、家庭で喫食するのに適した卵含有食品及びその製造方法に関する。
日本では核家族化、個食化、家庭における料理の簡便化などの理由から、惣菜や弁当類などを、スーパーやコンビニエンスストアなどの販売店で購入し、家庭で食べるいわゆる中食(なかしょく)と言われる産業の市場規模が拡大してきており、近年ではその需要の増加から、これら惣菜や弁当類に対する質への要求が高まってきている。従って、例えば親子丼などの卵とじ調理品などを含む卵含有食品の調理においても、レストランや家庭で調理されると同じような食感、すなわち、卵が半熟でやわらかな食感のものが好まれるようになってきている。
このような半熟状の卵とじ調理品を調理するため、従来から様々な方法や装置が提案されているが(例えば、特許文献1参照)、これらに関しては、以下のような幾つかの問題があった。すなわち、
(1)販売店舗内において、半熟状の卵とじ調理品を調理するには、ガス台などの加熱調理機器ととじ鍋などの専用冶具が必要とされ、また、未加熱状態の液卵および具材・調味液をもとに加熱調理を行うことから相応の手間と時間が必要であった。
(2)半熟状の卵とじとするには加熱中心温度を65℃程度にとどめる必要があり、品質的に一定のやわらかさを維持して大量調理するのは困難であった。
(3)一方で、加熱中心温度を65℃程度とすることで卵は半熟状に凝固するが、未加熱卵由来のサルモネラ菌の熱死条件 (70℃1分間保持、または80℃達温) に満たないため、常にサルモネラ中毒の危険が伴っていた。
(4)卵とじ惣菜を大量調理するための専用設備は考案されているが、いずれも多額の設備投資金を要し、メニュー改廃の頻繁な中・外食店への商品供給においては多大なリスクを負うものであった。また専用設備とて前出のサルモネラ危害や調理生産性、品質の安定化の改善に大きく寄与するものではなかった。
(5)前記販売店で調理された卵とじ調理品を、家庭で電子レンジなどで再加熱した場合には、その加熱状況によっては卵が硬くなり過ぎてしまい、食味が落ちていた。
特開2004−337037号公報
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、極めて簡便な調理によって安全な半熟状の卵とじ調理品を含む卵含有食品を製造できるようにした卵含有食品の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、調理後に再加熱を加えてもその半熟状態や食味が維持できる半熟卵とじ調理品を含む卵含有食品を製造することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の卵含有食品の製造方法は、卵黄、油脂、及び、水分を、混合して卵黄ソースを生成する工程と、卵白、油脂、及び、水分を、混合して卵白ソースを生成する工程と、前記生成した卵黄ソースと卵白ソースとを、所定の割合で混合して卵ソースを生成する工程と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2に記載の卵含有食品の製造方法は、全卵、油脂、及び、水分を、混合して全卵ソースを生成する工程と、卵黄、油脂、及び、水分を、混合して卵黄ソースを生成する工程と、卵白、油脂、及び、水分を、混合して卵白ソースを生成する工程と、前記生成した全卵ソース、卵黄ソース、及び、卵白ソースを、所定の割合で混合して卵ソースを生成する工程と、を備えることを特徴とする。
また、請求項3に記載の卵含有食品の製造方法は、卵黄、油脂、及び、水分を、混合して卵黄ソースを生成する工程と、卵白、油脂、及び、水分を、混合して卵白ソースを生成する工程と、前記生成した全卵ソース及び卵黄ソースと、全卵とを、所定の割合で混合して卵ソースを生成する工程と、を備えることを特徴とする。
また、請求項4に記載の卵含有食品の製造方法は、卵黄、油脂、及び、水分を、混合して生成した卵黄ソースと、卵白、油脂、及び、水分を、混合して生成した卵白ソースとを、所定の割合で混合して卵ソースを生成する工程、を備えることを特徴とする。
また、請求項5に記載の卵含有食品の製造方法は、全卵、油脂、及び、水分を、混合して生成した全卵ソースと、卵黄、油脂、及び、水分を、混合して生成した卵黄ソースと、卵白、油脂、及び、水分を、混合して生成した卵白ソースとを、所定の割合で混合して卵ソースを生成する工程、を備えることを特徴とする。
また、請求項6に記載の卵含有食品の製造方法は、卵黄、油脂、及び、水分を、混合して生成した卵黄ソースと、卵白、油脂、及び、水分を、混合して生成した卵白ソースと、全卵とを、所定の割合で混合して卵ソースを生成する工程、を備えることを特徴とする。
また、請求項7に記載の卵含有食品は、卵黄、油脂、及び、水分を、混合して生成した卵黄ソースと、卵白、油脂、及び、水分を、混合して生成した卵白ソースとを、所定の割合で混合してなる卵ソース、を備えることを特徴とする。
また、請求項8に記載の卵含有食品は、全卵、油脂、及び、水分を、混合して生成した全卵ソースと、卵黄、油脂、及び、水分を、混合して生成した卵黄ソースと、卵白、油脂、及び、水分を、混合して生成した卵白ソースとを、所定の割合で混合してなる卵ソース、を備えることを特徴とする。
また、請求項9に記載の卵含有食品は、卵黄、油脂、及び、水分を、混合して生成した卵黄ソースと、卵白、油脂、及び、水分を、混合して生成した卵白ソースと、全卵とを、所定の割合で混合してなる卵ソース、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、極めて簡便な調理方法によって半熟卵とじ調理品が製造できるので、加熱調理機器やとじ鍋などの専用冶具が不要となり、調理時間も極めて短時間にできる。
また、この発明によれば、その原材料となるソースは既に加熱殺菌処理されているので、サルモネラ菌などによる食中毒の問題もなく、品質的に一定のやわらかさを維持して大量の卵とじ調理品を調理することができるようになる。
また、この発明によれば、そのソースの調合の割合に応じて、卵の半熟感を調整できるようになり、消費者の嗜好やその提供される気候や地域環境に応じた品質の半熟卵とじ調理品を提供することができるようになる。
また、この発明によれば、混合されたソースは乳化安定状態にあるので、消費者が家庭の電子レンジなどで再加熱を行った場合においてもその半熟状態および食味が維持される。
また、全卵を混合したこの発明によれば、消費者が家庭の電子レンジなどで再加熱を行うことによって、再加熱の程度に応じて混合した全卵が硬くなる度合いが調整され、これによって、その半熟状態を維持しつつ消費者がその加減を調整できるようになる。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る卵含有食品の製造方法の各実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念を説明した後、〔II〕各実施の形態の具体的内容について説明し、〔III〕最後に、各実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念
まず、各実施の形態に共通の基本的概念について説明する。各実施の形態に係る卵含有食品の製造方法は、食品工場において親子丼などの半熟状の卵とじ調理品を製造するために実施される。本実施の形態により製造された卵とじ調理品は、スーパーやコンビニエンスストアなどの販売店で提供され、家庭で加熱して喫食するのに特に適したものである。もっとも本発明の適用範囲は、このような食品工場における製造に限られず、前記のような販売店やレストランにおける製造に対しても適用可能なことは以下の説明より明らかである。また、卵含有食品としては、親子丼に限られず、玉子丼やオムレツ等、卵成分を含有する全ての食品が該当し得る。
この製造方法の特徴の一つは、全卵から卵黄と卵白とを相互に分離し、これら卵黄と卵白とにそれぞれ所定処理を施して安定的な乳化状態とした後で、これら卵黄と卵白とを所定割合で混合して卵ソースを生成することにある。このように生成される卵ソースは、丁度、半熟卵のふっくら感のある食味と外観を呈している。このように製造された卵ソースを食品調理に使用することで、後に消費者によって再加熱された場合においても、その半熟状態が毀損されることがなく、適度な半熟感を保持した食品を提供できる。すなわち、特に本発明では、全卵をそのまま処理するのではなく、卵黄と卵白とに一旦分離し、これらを個別的に処理した後で、混合するという新規な発想に基づいたものであり、この発想を起点として、さらに詳細な工夫を施すことで、後述するような種々の効果を得るものである。
〔II〕各実施の形態の具体的内容
〔実施の形態1〕
次に、本発明に係る各実施の形態の具体的内容について説明する。まず、実施の形態1について説明する。図1は、本実施の形態1に係る卵含有食品の製造方法のメインフローチャートである。この図1に示すように、本卵含有食品の製造方法は、大きく4つの工程、すなわち、卵黄ソースを生成する工程(ステップSA−1。以下、卵黄ソース生成工程と称する)と、卵白ソースを生成する工程(ステップSA−2。以下、卵白ソース生成工程と称する)と、これら2つのソースを混合して卵ソースを生成する工程(ステップSA−3。以下、卵ソース生成工程と称する)と、生成した卵ソースを用いて調理を行う工程(ステップSA−4。以下、卵調理工程と称する)を備えて構成されている。
(卵黄ソース生成工程)
このうち、卵黄ソース生成工程(ステップSA−1)について詳述する。図2は、卵黄ソース生成工程のフローチャートである。この卵黄ソースの原材料としては、少なくとも、鶏卵から公知の方法で分離した卵黄と、この卵黄を乳化させるために必要な原材料とを用いる。乳化させるために必要な原材料としては、植物性又は動物性の油脂と、清水とを挙げることができる。さらに乳化状態を調整するために、ゲル化剤や乳化剤を添加してもよい。この他の原材料は、最終的に製造する卵調理品によって選択することができ、卵黄ソースの味を調整するためにアミノ酸や塩等の調味料類を用いてもよく、あるいは、卵黄ソースの食味を増すために任意の動物性又は植物性エキスを添加してもよい。
図2の最初の工程では、これらの原材料を、乳化攪拌装置に投入して攪拌する(ステップSB−1)。この工程では、各主原料を十分に混ざり合わせて分散させることで、その中の油脂と水分が卵黄または卵白によって乳化され、安定的なエマルジョンを形成する。次いで、この乳化状態の原材料を加熱し(ステップSB−2)、更に原材料の攪拌を行いながら加熱する(ステップSB−3)。これら加熱の中心温度は、サルモネラ菌や黄色ブドウ球菌の熱死条件を満たす温度、例えば80℃以上とすることが好ましく、これによって、卵白ソースを殺菌処理できる。その後、このように加熱攪拌した後のソースを、搬送及び保管に適したサイズの容器に充填し(ステップSB−4)、この容器を所定時間冷凍庫に保管することで凍結する(ステップSB−5)。このように卵黄ソースを容器に充填して凍結することによって、この卵黄ソースの長期的な保存が可能となる。ただし、卵黄ソースを直ちに次段の卵ソース生成工程で使用する場合には、容器充填処理や凍結処理を省略することができる。これにて卵黄ソース生成工程が終了する。この卵黄ソース生成工程によれば、卵黄を乳化させて安定状態とすることができ、さらにその殺菌や凍結を行なうことで、長期的な保存や運搬が可能になる。
(卵白ソース生成工程)
次に、図1の卵白ソース生成工程(ステップSA−2)について詳述する。ただし、この卵白ソース生成工程は、図2の卵黄ソース生成工程に対して、原材料が違う点を除いて同様に処理できるので、ここでは、その相違点についてのみ説明する。この卵白ソースの原材料としては、少なくとも、鶏卵から公知の方法で分離した卵白と、この卵白を乳化させるために必要な原材料とを用いる。乳化させるために必要な原材料としては、植物性又は動物性の油脂と、清水とを挙げることができる。さらに乳化状態を調整するために、ゲル化剤や乳化剤を添加してもよい。この他の原材料は、最終的に製造する卵調理品によって選択することができ、卵白ソースの味を調整するためにアミノ酸や塩等の調味料類を用いてもよく、あるいは、卵白ソースの食味を増すために任意の動物性又は植物性エキスを添加してもよい。なお、卵黄と卵白では、乳化条件や食味が異なり得るため、この違いに対応して、各原材料の種類や割合を変えてもよい。このような原材料を、図2と同様の処理にて乳化させ、加熱殺菌して、容器に充填して冷凍することで、卵白ソース生成工程が終了する。この卵白ソース生成工程によれば、卵白を乳化させて安定状態とすることができ、さらにその殺菌や凍結を行なうことで、長期的な保存や運搬が可能になる。
(卵ソース生成工程)
次に、図1の卵ソース生成工程(ステップSA−3)について詳述する。図3は、卵ソース生成工程のフローチャートである。まず、卵黄ソース生成工程にて生成した卵黄ソースと、卵白ソース生成工程にて生成した卵白ソースとを、それぞれ独立して解凍する(ステップSC−1、SC−2)。これらソースの解凍方法は任意であるが、例えば、流水に晒しながら解凍する流水解凍法(20℃の流水で数時間から数十時間程度)や、冷蔵庫に入庫する冷蔵庫解凍法(5℃の冷蔵庫で数日間)を採用することができる。
次いで、このようにして解凍した卵黄ソース及び卵白ソースを、所定の比率で攪拌機に投入し、混合攪拌することによって、卵ソースを生成する(ステップSC−3)。この際の具体的な混合比率は、試作や消費者テストを行なうことによって決定することができるが、概略的には、卵黄ソースの比率を多くした場合には、最終製品を固めにすることができ、卵白ソースの比率を多くした場合には、最終製品を柔らかめ(汁気が多く、シズル感が高い状態)にすることができる。すなわち、これら卵黄ソースと卵白ソースとの混合比率を自由に調整することで、最終製品の汁気やシズル感を自由に調整できる。また、卵黄ソース及び卵白ソースは、卵黄ソース生成工程や卵白ソース生成工程で乳化されることによって安定的なエマルジョンとなっており、従って、卵ソース生成工程で生成される卵ソースも、安定的なエマルジョン状態にあるため、最終製品に対して、半熟卵のふっくら感のある食味及び外観を持たせることができる。
その後、生成した卵ソースを、搬送及び保管に適したサイズの容器に充填し(ステップSC−4)、この容器を所定時間冷凍庫に保管することで凍結する(ステップSC−5)。このように卵ソースを容器に充填して凍結することによって、この卵ソースの長期的な保存が可能となる。ただし、卵ソースを直ちに次段の卵調理工程で使用する場合には、容器充填処理や凍結処理を省略することができる。
(卵調理工程)
次に、図1の卵調理工程(ステップSA−4)について詳述する。図4は、卵調理工程のフローチャートである。まず、卵ソース生成工程にて生成した卵ソースを解凍する(ステップSD−1)。この卵ソースの解凍方法は任意であるが、例えば上述した卵黄ソースや卵白ソースと同じ解凍方法を採用することができる。
次いで、解凍された卵ソースを用いて、卵を含有した食品の調理が行われる。例えば、親子丼の調理においては、容器内に盛り付けた米飯上に、加熱調理した鶏肉などの材料を載せ、さらにこの容器に卵ソースを充填することで、調理が完成する(ステップSD−2)。あるいは、加熱調理した材料に卵ソースを混ぜ合わせ、更に加熱調理して、米飯上に掛けるようにしてもよい。そして、最終的な殺菌のために容器を加熱し(ステップSD−3)、この容器を出荷可能な温度に冷却することで(ステップSD−4)、卵調理工程が終了する。なお、これらステップSD−3、SD−4の前後の所定のタイミングで、必要に応じて容器をラッピング等して包装する。このようにして完成された卵含有食品は、コンビニエンスストアやスーパーなどの販売店において販売される。消費者は、家庭又は販売店において電子レンジで再加熱を行い、又はそのままの状態で喫食する。
(実施の形態1の効果)
このように本実施の形態1によれば、卵黄と卵白とを個別的に乳化させることで、これらを個別的に安定的な状態としているので、これらを混ぜ合わせて形成された卵ソースは、さらに加熱されてもその柔らかさやふっくら感を失うことがなく、半熟感のある食味及び外観を保った食品を製造できる。
また、消費者がこれを購入して電子レンジ等にて加熱した場合でも、乳化された卵黄や卵白はそのタンパク質性状を変えることがないので、半熟感のある食味及び外観をほぼそのまま保つことができ、消費者が食品を加熱し過ぎてその商品価値を損なってしまうようなことを防止できる。
しかも、卵黄と卵白とを個別的に乳化させてから混合しているので、これらの混合比率を自由に調整することで、最終製品の汁気やシズル感を自由に調整できる。
さらには、卵の殺菌加熱処理は、最初の卵黄ソース生成工程及び卵白ソース生成工程において既に済んでおり、その先の工程、すなわち卵ソース生成工程及び卵調理工程においては、これを行う必要がないので、サルモネラ菌等による食中毒の危険性を従来にも増して低減できる。
また、卵黄や卵白をその他の原材料と混ぜ合わせるだけで調理できるので、極めて簡易な設備で、一定の品質で大量の調理が可能となる。このため、大規模な専用設備を導入する必要がなくなり、食品製造コストを大幅に低減できる。特に、調理工程に関しては、冷凍された卵ソースを購入して他の素材と混ぜ合わせるだけで調理できるので、食品工場だけでなく、簡易な調理設備を有する販売店舗においても実施可能である。
〔実施の形態2〕
次に、本発明に係る実施の形態2の具体的内容について説明する。この実施の形態2は、卵ソースを生成する原料として、先の実施形態において示した卵黄ソースと卵白ソースに加えて、全卵ソースを含んだ形態である。図5は、本実施の形態2に係る卵含有食品の製造方法のメインフローチャートである。なお、特に説明なき構成及び処理については実施の形態1と同じであり、実施の形態1と略同様の構成及び処理については、必要に応じて、実施の形態1と同一の符号を付してその説明を省略する。
図5に示すように、本卵含有食品の製造方法は、大きく5つの工程、すなわち、卵黄ソース生成工程(ステップSA−1)、卵白ソース生成工程(ステップSA−2)、全卵ソースを生成する工程(ステップSA−5。以下、全卵ソース生成工程と称する)、卵ソース生成工程(ステップSA−6)、及び、卵調理工程(ステップSA−4)を備えて構成されている。このうち、卵黄ソース生成工程(ステップSA−1)、卵白ソース生成工程(ステップSA−2)、及び、卵調理工程(ステップSA−4)は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。
(全卵ソース生成工程)
まず、全卵ソース生成工程(ステップSA−5)について詳述する。ただし、この全卵ソース生成工程は、実施の形態1における図2の卵黄ソース生成工程に対して、原材料が違う点を除いて同様に処理できるので、ここでは、その相違点についてのみ説明する。この全卵ソースの原材料としては、少なくとも、全卵(鶏卵)と、この全卵を乳化させるために必要な原材料とを用いる。乳化させるために必要な原材料としては、植物性又は動物性の油脂と、清水とを挙げることができる。さらに乳化状態を調整するために、ゲル化剤や乳化剤を添加してもよい。この他の原材料は、最終的に製造する卵調理品によって選択することができ、全卵ソースの味を調整するためにアミノ酸や塩等の調味料類を用いてもよく、あるいは、全卵ソースの食味を増すために任意の動物性又は植物性エキスを添加してもよい。なお、卵黄や卵白と、全卵とでは、乳化条件や食味が異なり得るため、この違いに対応して、各原材料の種類や割合を変えてもよい。このような原材料を、図2と同様の処理にて乳化させ、加熱殺菌して、容器に充填して冷凍することで、全卵ソース生成工程が終了する。この全卵ソース生成工程によれば、全卵を乳化させて安定状態とすることができ、さらにその殺菌や凍結を行なうことで、長期的な保存や運搬が可能になる。
(卵ソース生成工程)
次に、図5の卵ソース生成工程(ステップSA−6)について詳述する。図6は、卵ソース生成工程のフローチャートである。ここでは、実施の形態1の卵ソース生成工程と同様に、卵黄ソースの解凍と((ステップSC−1)、卵白ソースの解凍と(ステップSC−2)とを行なうと共に、全卵ソース生成工程で生成した全卵ソースの解凍を行なう(ステップSC−6)。この解凍方法は任意であるが、卵黄ソースや卵白ソースの解凍と同じ方法を採用できる。
その後、このようにして解凍した卵黄ソース、卵白ソース、及び、全卵ソースを、所定の比率で攪拌機に投入し、混合攪拌することによって、卵ソースを生成する(ステップSC−7)。この際の具体的な混合比率は、試作や消費者テストを行なうことによって決定することができるが、概略的には、全卵ソースは、卵全体のベースソースとして用いることができ、この卵の全体量の基本的部分を全卵ソースにてカバーし、汁気やシズル感を調整したい部分についてのみ、卵黄ソースと卵白ソースとを所定の比率で混合する。すなわち、全卵ソースを使用することで、卵の全体量の基本的部分を一層容易に調理できる。また、全卵ソースも、卵黄ソースや卵白ソースと同様に、安定的なエマルジョン状態にあるため、最終製品に対して、半熟卵のふっくら感のある食味及び外観を持たせることができる。
その後、生成した卵ソースを、搬送及び保管に適したサイズの容器に充填し(ステップSC−8)、この容器を所定時間冷凍庫に保管することで凍結する(ステップSC−9)。このように卵ソースを容器に充填して凍結することによって、この卵ソースの長期的な保存が可能となる。
(卵調理工程)
その後、実施の形態1と同様に、卵ソース生成工程にて生成した卵ソースを解凍し、この卵ソースを用いて、卵を含有した食品の調理が行われる。そして、最終的な殺菌のために容器を加熱し、この容器を出荷可能な温度に冷却することで、卵調理工程が終了する。
(実施の形態2の効果)
このように本実施の形態2によれば、卵ソースの生成において、全卵ソースを更に調合しているので、その完成品の卵の状態を更に多様に変えることができるようになる。すなわち、全卵ソースを使用することで、卵の全体量の基本的部分を一層容易に調理できる。また、全卵ソースも、卵黄ソースや卵白ソースと同様に、安定的なエマルジョン状態にあるため、最終製品に対して、半熟卵のふっくら感のある食味及び外観を持たせることができる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(製造方法について)
卵調理工程(ステップSA−4)において、卵黄ソース及び卵白ソースを混合して生成された卵ソースや、さらにこれに全卵ソースを混合して生成された卵ソースに、非乳化状態であって、未加熱又は半熟状に加熱した卵黄、卵白、あるいは、全卵を加えてもよい。この場合、消費者が電子レンジで製品を再加熱する場合において、乳化された部分の状態を変えることなく、非乳化部分の硬さのみを好みに応じて変えることができる。従って、全体としては半熟感を維持しつつ、さらにその硬さを好みに応じて変えることができる卵含有食品を製造できる。
この発明に係る卵含有食品及びその製造方法は、特に、スーパーやコンビニエンスストアなどの販売店で提供され、家庭で加熱して喫食するのに適した卵とじ調理品などの製造に適している。
本実施の形態1に係る卵含有食品の製造方法のメインフローチャートである。 卵黄ソース生成工程のフローチャートである。 卵ソース生成工程のフローチャートである。 卵調理工程のフローチャートである。 本実施の形態2に係る卵含有食品の製造方法のメインフローチャート 卵ソース生成工程のフローチャートである。
符号の説明
SA−1 卵黄ソース生成工程
SA−2 卵白ソース生成工程
SA−3、SA−6 卵ソース生成工程
SA−4 卵調理工程
SA−5 全卵ソース生成工程

Claims (9)

  1. 卵黄、油脂、及び、水分を、混合して卵黄ソースを生成する工程と、
    卵白、油脂、及び、水分を、混合して卵白ソースを生成する工程と、
    前記生成した卵黄ソースと卵白ソースとを、所定の割合で混合して卵ソースを生成する工程と、
    を備えることを特徴とする卵含有食品の製造方法。
  2. 全卵、油脂、及び、水分を、混合して全卵ソースを生成する工程と、
    卵黄、油脂、及び、水分を、混合して卵黄ソースを生成する工程と、
    卵白、油脂、及び、水分を、混合して卵白ソースを生成する工程と、
    前記生成した全卵ソース、卵黄ソース、及び、卵白ソースを、所定の割合で混合して卵ソースを生成する工程と、
    を備えることを特徴とする卵含有食品の製造方法。
  3. 卵黄、油脂、及び、水分を、混合して卵黄ソースを生成する工程と、
    卵白、油脂、及び、水分を、混合して卵白ソースを生成する工程と、
    前記生成した全卵ソース及び卵黄ソースと、全卵とを、所定の割合で混合して卵ソースを生成する工程と、
    を備えることを特徴とする卵含有食品の製造方法。
  4. 卵黄、油脂、及び、水分を、混合して生成した卵黄ソースと、
    卵白、油脂、及び、水分を、混合して生成した卵白ソースとを、
    所定の割合で混合して卵ソースを生成する工程、
    を備えることを特徴とする卵含有食品の製造方法。
  5. 全卵、油脂、及び、水分を、混合して生成した全卵ソースと、
    卵黄、油脂、及び、水分を、混合して生成した卵黄ソースと、
    卵白、油脂、及び、水分を、混合して生成した卵白ソースとを、
    所定の割合で混合して卵ソースを生成する工程、
    を備えることを特徴とする卵含有食品の製造方法。
  6. 卵黄、油脂、及び、水分を、混合して生成した卵黄ソースと、
    卵白、油脂、及び、水分を、混合して生成した卵白ソースと、
    全卵とを、
    所定の割合で混合して卵ソースを生成する工程、
    を備えることを特徴とする卵含有食品の製造方法。
  7. 卵黄、油脂、及び、水分を、混合して生成した卵黄ソースと、
    卵白、油脂、及び、水分を、混合して生成した卵白ソースとを、
    所定の割合で混合してなる卵ソース、
    を備えることを特徴とする卵含有食品。
  8. 全卵、油脂、及び、水分を、混合して生成した全卵ソースと、
    卵黄、油脂、及び、水分を、混合して生成した卵黄ソースと、
    卵白、油脂、及び、水分を、混合して生成した卵白ソースとを、
    所定の割合で混合してなる卵ソース、
    を備えることを特徴とする卵含有食品。
  9. 卵黄、油脂、及び、水分を、混合して生成した卵黄ソースと、
    卵白、油脂、及び、水分を、混合して生成した卵白ソースと、
    全卵とを、
    所定の割合で混合してなる卵ソース、
    を備えることを特徴とする卵含有食品。
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