JP2933643B2 - 自動車内装部品用積層成形体およびその製造方法 - Google Patents

自動車内装部品用積層成形体およびその製造方法

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JP2933643B2 JP20736789A JP20736789A JP2933643B2 JP 2933643 B2 JP2933643 B2 JP 2933643B2 JP 20736789 A JP20736789 A JP 20736789A JP 20736789 A JP20736789 A JP 20736789A JP 2933643 B2 JP2933643 B2 JP 2933643B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ポリオレフィン系樹脂を主体とする合成樹
脂からなる骨材成形体に他の合成樹脂からなる表皮層を
積層した積層成形体及びその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、立体成形品の表面を合成樹脂の表皮層で保護し
たり、あるいは、化粧、印刷するために、合成樹脂から
なる骨材成形体の表面に同一または他の合成樹脂からな
る表皮層を積層した積層成形体が知られている。
この積層成形体は、合成樹脂シートを射出成形用金型
のキャビティ内面に真空成形により吸引して予備成形
し、その後、キャビティ内に流動可塑化状態にある合成
樹脂を射出充填して得られ、主に自動車の内外装部品、
建材等として広く用いられている。
そして、骨材成形体として、表皮層の材質と親和性が
あって、良好な装着性を持つものが選択され、表皮層と
して例えばポリ塩化ビニル等が用いられた場合、骨材成
形体もポリ塩化ビニルもしくは同種の極性樹脂が用い入
られるのが通例である。
〔発明が解決すべき課題〕
ところで、積層成形体はより経済的な価格で生産さ
れ、販売されることが望ましい。この観点から従来の積
層成形体を検討すると、骨材成形体は表面に露出しない
のであるから、強度や他の物理的特性が著しく劣るもの
でない限りできるだけ安価な材利用で成形することが望
ましい。
この点、安価なポリオレフィン系の樹脂を使用するの
が好適である。一方、表皮層としては、真空成形のしや
すさや、肌触りの良さ、視覚上の美観等を考慮すると、
ABS系樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、及びポリ塩化
ビニル等を用いるのが好適である。
しかし、これらは極性樹脂であり、非極性樹脂である
ポリオレフィン系樹脂とは親和性がなく、表皮層と骨材
成形体との接着強度が弱く、製品としての耐久性に劣る
結果にならざるを得ない。
本発明は、このような問題点を解決するためのもの
で、安価な積層成形体を提供するとともに、その製造方
法を提供することを技術的課題とするものである。
〔課題を解決すべき手段〕
本発明の自動車内装部品用積層成形体は、まずポリ
オレフィン系樹脂を主体とする合成樹脂からなる骨材成
形体の表面にプライマー層を介して表皮層を積層してな
る積層成形体であって、前記プライマー層は、プロピレ
ン含有が50〜75モル%であるとともにX線回析による結
晶化度が2〜20%であるプロピレン−エチレン共重合体
にマレイン酸またはその無水物を0.5〜15重量%グラフ
ト共重合してなる変性重合体でその[η]が0.3以上の
変性重合体を有機溶媒1m3に対して10〜100kg溶解してな
る液を塗布して形成するものであり、前記表皮層は、ポ
リウレタンからなる合成樹脂製表皮フィルムである。
前記骨材成形体はポリオレフィン系樹脂とエチレン・
α−オレフィン系重合体ゴムの部分架橋物とのブレンド
体からなる熱可塑性エラストマーおよび/またはポリプ
ロピレン製のシート状物であり、このシート状をした骨
材成形体に前記プライマー層を介して前記表皮フィルム
を積層して複合シートとしたものを含む概念である。
また、本発明の他の積層成形体は、前記複合シート
を表皮層としてポリオレフィン系樹脂を主に主体とする
合成樹脂からなる骨材成形体の表面に積層したものであ
る。すなわち、表皮層が、前記表皮フィルムを外層と
し、この外層にプライマー層を介してポリオレフィン系
樹脂とエチレン・α−オレフィン系重合体ゴムの部分架
橋物とのブレンド体からなる熱可塑性エラストマーおよ
び/またはポリプロピレンの内層を積層したものであ
る。
そして、必要に応じ、前記表皮層と骨材成形体との
間、前記の場合には表皮層とプライマー層との間に絵
模様を描いた合成樹脂塗料層を介在させてもよい。ま
た、の場合には外装とプライマー層との間に絵模様を
描いた合成樹脂塗料層を介在させてもよい。
次に、本発明の製造方法は次の通りである。
(a)プライマー液をポリウレタンからなる合成樹脂製
表皮フィルムの一面に塗布しておき、この表皮フィルム
を予備加熱した後、前記プライマー液を塗布してない面
をキャビティ内壁面側にして、金型キャビティ内壁面に
この表皮フィルムを吸引密着してから型締めし、その
後、キャビティ内に流動可塑化状態にあるポリオレフィ
ン系樹脂を主体とする合成樹脂を射出充填して成形す
る、自動車内装部品用積層成形体の製造方法。
(b)プライマー液をポリウレタンからなる合成樹脂製
表皮フィルムの一面に塗布しておき、この表皮フィルム
を予備加熱した後、前記プライマー液を塗布してある面
に、押出成形によりポリオレフィン系樹脂とエチレン・
α−オレフィン系重合体ゴムの部分架橋物とのブレンド
体からなる熱可塑性エラストマーおよび/またはポリプ
ロピレン製の溶融シート状物を押し出して積層し、複合
シートを得る自動車内装部品用積層成形体の製造方法。
(c)前記表皮フィルムを外層とし、この外層の内側に
前記プライマー液を塗布して、これにポリオレフィン系
樹脂とエチレン・α−オレフィン系重合体ゴムの部分架
橋物とのブレンド体からなる熱可塑性エラストマーおよ
び/またはポリプロピレンの内層を積層した複合シート
を用意しておき、この複合シートを予備加熱した後、外
層側をキャビティ内壁面側にして、金型キャビティ内壁
面にい吸引密着させてから型締めし、その後、キャビテ
ィ内に流動可塑化状態にあるポリオレフィン系樹脂を主
体とする合成樹脂を射出充填して成形する積層成形体の
製造方法。この方法で用いる複合シートとしては、
(b)の方法で製造したものを好適に使用できる。
(d)前記表皮フィルムの一面に前記プライマー液を塗
布しておき、プライマー液の塗布されていないキャビィ
ティ内壁面側にして、金型キャビティ内壁面にこの表皮
フィルムを吸引密着させてから、この表皮フィルムの密
着したキャビティ内に流動可塑化状態にあるポリオレフ
ィン系樹脂を主体とする合成樹脂を流し込み、その後、
型締めして成形する積層成形体の製造方法。
(e)(c)における複合シートを用意し、この複合シ
ートを予備加熱した後、外層側をキャビティ内壁面側に
して、金型キャビティ内壁面にこの複合シートを吸引密
着させてから、この複合シートの密着したキャビティ内
に流動可塑化状態にあるポリオレフィン系樹脂を主体と
する合成樹脂を流し込み、その後、型締めして成形する
積層成形体の製造方法。
〔作用〕
本発明においては、積層成形体の表皮層としてポリウ
レタンからなる合成樹脂製表皮フィルムを使用したの
で、真空成形がしやすくしわや亀裂等の成形不良が生じ
ない。本発明で表面層として用いる前記表皮フィルム
は、好ましくは強度の面で2軸延伸されたものが好適に
用いられる。また、その厚さは50〜1500μ程度のもので
よい。
そして、前記したプライマー層が介在することで、本
来親和性の良好でない表皮フィルムとポリオレフィン系
合成樹脂製骨材成形体との間の接着強度を向上させる。
また、プライマー層を形成するために塗布されるプラ
イマー液としては、プロピレン含有が50〜75モル%であ
るとともにX線回析による結晶化度が2〜20%であるプ
ロピレン−エチレン共重合体にマレイン酸またはその無
水物を0.5〜15重量%グラフト共重合してなる変性重合
体でその[η]が0.3以上の変性重合体を有機溶媒1m3
対して10〜100kg溶解してなるプライマー液を好適に使
用できる。
このプライマー液において、変性重合体の原料となる
プロピレンエチレン共重合体は、プロピレンとエチレン
のランダム共重合体が好ましく、プロピレン含量は50〜
75モル%、特に好ましくは60〜70モル%の範囲であり、
その分子量は[η](135℃デカリン中)で0.3〜20特に
約0.3〜10が好適範囲である。この範囲の共重合体の結
晶化度は、X線による測定で約2〜20%特に好ましくは
約5〜18%の範囲となる。
プロピレン含有量が50モル%未満では得られる処理液
の耐揮発油性が劣る。また、75モル%を越えると、変性
重合体の有機溶媒への溶解性が低下し、得られる処理液
の付着性も低下する。
プライマー層は骨材成形体と表皮層との接着性、ある
いは複合シートにあって外層と内層の接着性を向上させ
るために設けるものであり、表皮層を形成する合成樹脂
材料と、骨材成形体を形成するポリオレフィン系樹脂を
主体とする構成樹脂材料とのいずれにも、あるいは外層
と内層のいずれにも親和性を有することが選択の条件で
ある。この点、前記プライマー液は表皮層あるいは外層
を形成する前記表皮フィルム、前記熱可塑性エラストマ
ーとの親和性がよい。
次に、骨材成形体を成形するのに用いられるポリオレ
フィン系樹脂を主体とする合成樹脂としては、結晶性、
非晶性を問わず、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチ
ル−1−ペンテンあるいはエチレン、プロピレン1−ブ
テン、4−メチル−ペンテン等のα−オレフィン同士の
ランダムあるいはブロック共重合体等を例示でき、これ
らを単独、もしくは混合して用いることができる。な
お、前記熱可塑性エラストマーも、ポリオレフィン系樹
脂とエチレン・α−オレフィン系重合体ゴムの部分架橋
物とのブレンド体であり、本発明でいう骨材成形体用の
ポリオレフィン系樹脂の概念に包含される。
これらのポリオレフィン系樹脂は必要に応じて、発泡
剤で発泡させたり、あるいは、要求される物性を損なわ
ない範囲で、または、物性をさらに改善する目的で、他
の合成樹脂や、木粉、繊維片、充填剤等を混入してもよ
い。
次に、本発明では表皮層を形成する表皮フィルムの内
側に文字や絵模様を描く合成樹脂塗料層を設けてもよ
い、この場合表皮フィルムは、透明、もしくは半透明で
あることが要求される。合成樹脂塗料は、アクリル、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリウレ
タン等を提示できる。
また、前記した複合シートはそれ自体が本発明でいう
積層成形体に該当するが、この複合シートを用いて、内
層側に接触するよう骨材成形体を成形して、別の積層成
形体を成形することもできる。このとき内層はポリオレ
フィン系樹脂とエチレン・α−オレフィン系重合体ゴム
の部分架橋物とのブレンド体からなる熱可塑性エラスト
マーおよび/またはポリプロピレンからなるため、ポリ
オレフィン系合成樹脂からなる骨材成形体との親和性が
よく、十分な接着強度を得ることができる。
ここで、ポリオレフィン系樹脂とエチレン・α−オレ
フィン系重合体ゴムの部分架橋物とのブレンド体からな
る熱可塑性エラストマーとしては、次のようなものが示
される。
(I)エチレンまたはプロピレンの単独重合体または少
量の他の重合性単量体との共重合体によって代表される
各種ポリオレフィン系樹脂およびエチレンと炭素数3〜
14のα−オレフィンとの2元共重合体ゴムまたはこれに
各種ポリエチレン化合物をさらに共重合させた3元共重
合体ゴムであるエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴ
ムの部分架橋物のブレンド体からなる熱可塑性組成物
(例えば、特公昭53−21021号及び特開昭55−71738号公
報参照)。
(II)ポリオレフィン系樹脂とエチレン・α−オレフィ
ン系共重合体ゴムとのブレンド体を動的に熱処理して得
られた熱可塑性組成物(たとえば、特公昭53−34210
号、特開昭53−149240号公報、及び特開昭53−149241号
公報参照)。
(III)ポリオレフィン系樹脂とエチレン・α−オレフ
ィン系共重合体ゴムとのブレンド体を動的に熱処理して
得られるたのに、さらに、ポリオレフィン系樹脂をブレ
ンドして得られた熱可塑性組成物(たとえば、特開昭53
−145857号公報、及び特開昭54−16554号公報参照)。
(IV)エチレンの単独重合体または少量の他の重合性単
量体との共重合体によって代表されるペルオキシド架橋
型ポリオレフィン系樹脂、プロピレンの単独重合体また
は少量の他の重合性単量体との共重合体によって代表さ
れるペルオキシド非架橋型ポリオレフィン系樹脂及びエ
チレン・α−オレフィン系共重合体ゴムのブレンド体を
動的に熱処理して得られた熱可塑性組成物(たとえば、
特開昭55−71739号公報参照)などである。
これら各種の熱可塑性エラストマーにおいて、ポリオ
レフィン系樹脂とエチレン・α−オレフィン系重合体ゴ
ムの部分架橋物とは、90/10〜10/90、好ましくは80/20
〜20/80の重量比となるようにブレンドして用いられ
る。
ポリオレフィン系樹脂としては、シート成形時の成形
しやすさ、シートの耐傷付き性などの点から、ポリエチ
レン、特に低密度ポリエチレンとポリプロピレンとを10
/90〜70/30の重量比で混合して用いることが好ましい。
また、部分架橋されるべきエチレン・α−オレフィン
系重合体ゴムとしては、主として強度的な理由から、エ
チレンとα−オレフィンとが50/50〜90/10、好ましくは
70/30〜85/15のモル比で、また、ムーニー粘度ML1+4
(121℃)が約20以上、好ましくは約40〜80のものが使
用されることが望ましい。そして、これらのエチレン・
α−オレフィン系重合体ゴムの部分架橋は、一般に熱可
塑性エラストマー100重量部に対し約0.1〜2重量部の有
機ペルオキシドを用いて、動的に熱処理して行われる。
そして、これらの熱可塑性組成物中には、必要に応じ
てポリイソブチレン、ブチルゴムなどによって代表され
るペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム状物質および/
または鉱物油系軟化剤を混合することもできる。
以上のような、熱可塑性エラストマーは柔軟性を有す
るため、PETの外層に内層として裏打ちされることによ
り、成形された複合シートに柔軟性をかもし出す。
また、この複合シートを形成する内層としては、前記
熱可塑性エラストマーの代わりにあるいは前記熱可塑性
エラストマーと混合してポリプロピレンを用いてもよ
い。
前記した(a)(c)の製造方法についてこの方法を
実施する装置について触れながら更に詳細に説明する
と、この装置は第1図(a)から(d)に示したよう
に、少なくとも雌雄一対の射出成形用金型(1,2)を備
えている。そして、雌片1には、キャビティ3内を負圧
化するために真空ポンプ6に接続される空気吸引路7が
形成されている。
まず、前記表皮フィルムの一面にプライマー液を塗布
しておき、あるいは、前記表皮フィルムを外層とし、こ
の外層の内側にプライマー液を塗布して、これにポリオ
レフィン系樹脂とエチレン・α−オレフィン系重合体ゴ
ムの部分架橋物とのブレンド体からなる熱可塑性エラス
トマーおよび/またはポリプロピレンの内層を積層した
複合シートを用意しておく。
プライマー液の塗布はドクターナイフ法、ロールコー
ター法、グラビアコート法、スプレー法等による。
そして、雌雄一対の金型(1,2)が開いた状態で、前
記表皮フィルムにおいてプライマーを塗布していない面
側を、また、複合シートにおいて外層側を雌側のキャビ
ティ内壁面側となるようにして前記表皮フィルムもしく
は複合シート4を雄型1のキャビティ開口部を覆うよう
に展張し、その開口部部分の前記表皮フィルムもしくは
複合シート4に予備加熱装置のヒータ部5を近接させて
予備加熱する。予備加熱温度は、150〜250℃である。予
備加熱の手段としては、ヒータ部5の接近のみならず温
風の吹き付け、加熱ロールの接触等様々な手段によるこ
とができる。
その後、真空ポンプ6による吸引で雌型1キャビティ
3内を負圧化し、そのキャビティ内壁面に前記表皮フィ
ルムもしくは複合シート4を吸引密着させる(第1図
(b))。
その後、ヒータ部5を退避させ、第1図(c)のよう
に、雌雄一対の金型(1,2)を型締めし、射出成形機8
からのキャビテイ3内に流動可塑化状態にあるポリオレ
フィン系樹脂を主体とする合成樹脂を射出充填し、冷却
等により固化した後、製品として取り出す。
なお、製品取り出しのためのトリミングは型締めと同
時に金型(1,2)内で行うことができるので、後工程で
のトリミングは不要である。
次に、前記した(b)の製造方法に用いる装置の一例
を説明すると、この装置は第2図に示したように、前記
熱可塑性エラストマー及び/またはポレプロピレンをシ
ート状に押し出すTダイ押出機31と、プライマー液を塗
布してある前記表皮フィルム34をTダイ押出機31の押し
出し口側に供給する供給装置32と、供給時に前記表皮フ
ィルム34を予め加熱する予備加熱装置33とを備え、さら
に、Tダイ押出機31のダイより押し出された溶融したシ
ート状の前記樹脂と、供給装置32から供給された前記表
皮フィルム34のプライマー塗布面上に重ねた後、これら
を一対のロール35,35で挟持して貼合わせ、引取機36で
引き取るようになっている。
最後に、前記(d)(e)の製造方法について説明す
ると、この場合も、プライマー液塗布済みの表皮フィル
ム、あるいは前記複合シートを用意しておく。ここで
は、前記(b)の方法で製造した複合シートをそのまま
利用できる。
そして、第3図に示したように、雌型1を下にし雄型
2を上にした一対の成形用金型(1,2)を備え、金型
(1,2)を開いた状態で、前記複合シートまたはフィル
ム4を予備加熱装置のヒータ5で予備加熱しつつ、金型
(1,2)間に供給して、前記表皮フィルムを使用する場
合はプライマーを塗布していない面側を、複合シートを
用いる場合は外層側が雌型キャビティ内壁面側となるよ
うにして雌型1のキャビティ開口部を覆うように展張
し、その後、真空ポンプ6による吸引で金型(1,2)の
キャビティ内壁面に前記表皮フィルムもしくは複合シー
ト4を吸引密着させる。
その後、押出機10から流動可塑化状態のポリオレフィ
ン系樹脂を主体とする合成樹脂をキャビティ3内に流し
込んだ後型締めする。型締めをすることで、流動可塑化
状態にあるポリオレフィン系樹脂を主体とする合成樹脂
が金型(1,2)の押圧力によりキャビティ3内に流動充
満するので、その後の冷却等により成形体が固化した
後、製品として取り出す。この場合もトリミングを型締
めと同時に金型(1,2)内で行うことができる。
ここで、流動可塑化状態にあるポリオレフィン系樹脂
を主体とする合成樹脂のキャビティ3への流し込みは、
キャビティ3全域にわたって、均等に流し込むことがで
きるよう、キャビティ3上をX−Y方向に移動可能な注
入ノズル11を設け、この注入ノズル11を予め定めたプロ
グラムの軌跡に従って移動するようにしてキャビティ3
内に流動可塑化状態にあるポリオレフィン系樹脂を主体
とする合成樹脂を注入するとよい。
なお、以上の説明で、流動可塑化状態にあるポリオレ
フィン系樹脂を主体とする合成樹脂とは、例えばスクリ
ュ式押出機で加熱・混練・分散して得た溶融樹脂、溶剤
で流動可塑化状態とした樹脂等である。
また、前記(a)(c)(e)(d)の製造方法にお
いては、前記熱可塑性エラストマー製のシートまたはフ
ィルムをキャビティ内面に吸引密着させて真空成形する
金型と、本発明の積層成形体を成形すべき金型とを別個
に用意し、まず、真空成形用の金型で前記熱可塑性エラ
ストマー製のシートまたはフィルム製の予備成形品を真
空成形し、この予備成形品を成形用金型のキャビティ内
に装着し、その後(a)(c)の方法の場合には成形用
金型を型締めし、そのキャビティ内に流動可塑化状態に
あるポリオレフィン系樹脂を主体とする合成樹脂を射出
充填して成形し、(d)(e)の方法の場合には、真空
成形された前記予備成形品を成形用金型に装着してから
そのキャビティ内に流動可塑化状態にあるポリオレフィ
ン系樹脂を主体とする合成樹脂を流し込み、その後、型
締めして成形するようにしてもよい。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を説明する。
<(a)の製造方法による実施例> まず、ポリオレフィン系樹脂を主体とする合成樹脂か
らなる骨材成形体の表面にプライマー層を介して表皮層
を積層した積層成形体を(a)の製造方法で製造した場
合の実施例、比較例について説明する。
実施に先立ち、下記A、B、C、D4種類のフィルムを
製造してプライマー液を一面に塗布し、以上のフィルム
を予め加熱しておき、第1図で示した装置により、プラ
イマーの塗布されていない面を雌型のキャビティ内壁面
側にして、真空成形により雌型のキャビティ内面に吸引
密着させて絞り加工した後、雄型を閉じこの雄型側より
キャビティ内に射出成形機から溶融樹脂を射出充填し、
固化してフィルムと一体化したところで金型を開いて取
り出し、フィルムと骨材成形体との接着強度等を評価し
た。
(1)まず、ここで用いたフィルムを説明する。
《フィルムA》 2軸に延伸された、厚さ500μ、幅500mmのABSフィル
ムの一面に、プロピレン含量が600モル%であり、X線
回折による結晶化度が10%であるプロピレン−エチレン
共重合体に、マレイン酸またはその無水物を8重量%グ
ラフト共重合してなる変性重合体でその[η]が0.5以
上の変性重合体をトルエン1m3に対し30kg溶解してなる
プライマー液をドクターナイフ法で塗布したもの。プラ
イマー層の厚さは30μであった。
《フィルムB》 2軸延伸された、厚さ500μ、幅550mmのポリウレタン
フィルムにウレタン系塗料で木目模様を印刷し、その印
刷面側に、プロピレン含量が60モル%であり、X線回折
による結晶化度が10%であるプロピレン−エチレン共重
合体に、マレイン酸またはその無水物を8重量%グラフ
ト共重合してなる変性重合体でその[η]が0.5以上の
変性重合体をトルエン1m3に対し30kg溶解してなるプラ
イマー液をドクターナイフ法で塗布したもの。プライマ
ー層の厚さは30μであった。
《フィルムC》 2軸延伸された厚さ500μ、幅550mmのポリアミドフィ
ルムの一面にプロピレン含量が60モル%であり、X線回
折による結晶化度が10%であるプロピレン−エチレン共
重合体に、マレイン酸またはその無水物を8重量%グラ
フト共重合してなる変性重合体でその[η]が0.5以上
の変性重合体をトルエン1m3に対し30kg溶解してなるプ
ライマー液をドクターナイフ法で塗布したもの。プライ
マー層の厚さは30μであった。
《フィルムD》 2軸延伸された厚さ500μ、幅550mmのポリ塩化ビニル
フィルムの一面に、塩素化率60重量%の塩素化ポリプロ
ピレンをトルエンに溶解したプライマー(固形分15%)
を塗布して70℃で乾燥した。塩素化ポリプロピレンの厚
さは10μであった。
《フィルムE》 2軸延伸された厚さ500μ、幅550mmのいずれのプライ
マーも処理しないABSフィルム。
《フィルムF》 厚さ500μ、幅550mmのポリウレタンフィルムにウレタ
ン系塗料で木目模様を印刷したプライマー未処理フィル
ム。
《フィルムG》 2軸延伸した厚さ500μ、幅550mmのプライマーを処理
しないポリアミドフィルム 《フィルムH》 厚さ500μ、幅550mmのプライマーを処理しないポリ塩
化ビニルフィルム。
(2)次に、骨材成形体の成形材料として、次のような
ものを用いた 《成形材料 TPE(1)》 エチレン含有率70モル%、ヨウ素価15、ムーニー粘度
ML1+4(100℃)120のエチレン・プロピレン−エチリ
デンノルボルネン共重合体ゴム(以下、EPDM(1)とい
う)70重量部メルトインデックス(ASTM D−1238−65
T、230℃)13、密度0.91g/cm3のポリプロピレン(以
下、PPという)30重量部、ブチルゴム(エッソ製11R−0
65、不飽和度0.8モル%、以下、11Rと略す)10重量部、
及びパラフィン系プロセスオイル(以下、オイルと略
す)30重量部とをバンバリー・ミキサーにより窒素雰囲
気中、190℃で5分間混練した後、ロールを通しシート
カッターにより角ペレットを製造した。
次に、この角ペレット100重量部と、1,3−ビス(tert
−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン(以下、ペ
ルオシド(A)と略す)0.3重量部、ジビニルベンゼン
(以下、DVBと略す)0.5重量部をヘンシェルミキサーで
撹はん混合した。ついで、このペレットを押出機で窒素
雰囲気下、220℃で押し出し、MFR 3g/10minの熱可塑性
エラストマー(TPE(1))を得た。
《成形材料 TPE(2)》 エチレン含有率78モル%、ヨウ素価10、ムーニー粘度
ML1+4(100℃)160、油展量40重量部のペレット状エ
チレン・プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体
ゴム(以下、EPDM(2)という)60重量部(従って、ED
PM分43重量部オイル分17重量部)、PP40重量部、2,5ジ
メチル−2,5ジ(t−ブチル パーオキシ)ヘキシン−
3(以下、ペルオキシド(B)と略す)0.5重量部をヘ
ンシェルミキサーで撹はん混合した。ついで、この混合
物をワーナー2軸押出機(L/D=43、噛み合タイプ、同
方回転、3条タイプスクリュー)で窒素雰囲気下、220
℃で押し出し、MFR 15g/10minの熱可塑性エラストマー
(TPE(2))を得た。
《成形材料 PP(1)》 メルトインデックス(ASTM D−1238−65T、230℃)
13、密度0.91g/cm3のポリプロピレン。
《成形材料 PP(2)》 微粉タルクを20%含有するMFR 8のポリプロピレ
ン。
《成形材料 PP(3)》 微粉タルクを10%、短繊維グラスファイバー10%を含
有するMFR 5のポリプロピレン。
(3)この実施例において、真空成形条件は次のとおり
である。
ヒーター温度;260℃(両側) 予備加熱時間;45秒 真 空 圧 ;700mmHg (4)また、この実施例における射出成形条件は次のと
おりである。
成 形 機 ;ダイナメルター(明機製作所製) 成形温度 ;220℃ 射出圧力 ;一次圧 1000kg/cm2 二次圧 700kg/cm2 射出速度 ;最大 成形サイクル;90秒/1サイクル ゲ ー ト ;ダイレクトゲート (ランド長さ10mm、幅10mm、厚さ3mm) 成 形 品 ;長さ500mm、幅400mm、厚さ3mm (5)次に、この実施例における積層成形体の評価方法
を説明する。
《サンプル採取方法》 第4図に示したように、前記成形品から、長さ100m
m、幅25mmの剥離試験片20と、長さ100mm、幅100mmのゴ
バン目剥離試験片21とを打ち抜き採取した。
《剥離試験》 前記剥離試験片の端から表皮層のフィルムを剥し、18
0度反転方向に引っ張り速度25mm/minで引っ張って剥離
し、その時の密着速度を評価した。密着強度は剥離荷重
を試験片の幅で除した値で示した。
結果は第1表に示す。但し、フィルムが破損した場合
は「材破」と記した。
《ゴバン目剥離試験》 鋭利なカミソリでフィルム表面を、2mm間隔で11本平
行に、深さ1mmの傷を入れ、さらに、それに直角に11本
平行に同様の傷を入れる。
これにより、2mm四方に切れた桝が100個形成される。
この100個の桝をすべて覆うように、ニチバン株式会社
製のセロテープを張り付け、張り付けたテープを勢いよ
く剥し剥離状態を観察した。剥離状態の評価は、 100個中剥がれずに残った数/100 で表した。100/100は全く剥れなかった状態を示し、0/1
00は全部剥がれた状態を示す。結果は表1に示す。
《比較例》 前記フィルムA〜Dにプライマー液を塗布しないで、
上記と同様に骨材成形体と積層して、剥離試験等を行っ
た。結果は第1表に示す。
<(b)の製造方法による実施例> 次に、前記A〜Dの表皮フィルムのプライマー塗布面
側に前記熱可塑性エラストマーおよび/またはポリプロ
ピレン製のシートを積層し、積層成形体として複合シー
トを得た実施例について説明する。
第2図で示した装置により、まず、先の実施例と同一
のフィルムA〜Dを予備加熱装置33で予め180℃に加熱
しつつ供給し、Tダイ押出機31のダイより溶融樹脂を押
し出し、フィルムA〜Dにおけるプライマーの塗布して
ある面に重ねチルロールで張合わせて複合シートA〜D
を成形し、剥離強度等を測定した。接着強度の試験結果
を第2表に示す。
ここで、押出機から押し出す樹脂としては、前記TPE
(1),(2)、PP(1)〜(3)を用いた。
また、Tダイ押出成形条件は以下のとおりである。
押 出 機 ;東芝製 50mm スクリュー ;フルフライトタイプ L/D ;28 圧 縮 較 ;3.5 ダイ ;コートハンガーダイ 押出温度 ;230℃ <(c)の製造方法による実施例> 前記実施例で得た複合シートA〜Dを用い、この複合
シートA〜Dを予め加熱しておき、雄型を用いて真空成
形を行い成形品を得た。その後、表皮フィルムA〜D側
を雌型のキャビティ内壁面側にして、射出用金型にイン
サートし、雄型を閉じこの雄型側よりキャビティ内に射
出成形機から溶融樹脂を射出充填し、固化してフィルム
と一体化したところで金型を開いて取り出し、複合シー
トと骨材成形体との接着強度等を評価した。骨材成形体
の材質等他の条件は(a)の実施例と同一であった。接
着強度の試験としては、複合シートの厚さより深い切込
みを入れることにより、前記剥離試験及びゴバン目剥離
試験を行った。結果は(a)の実施例(1)〜(9)と
ほぼ同等の結果であった。
<(d)の製造方法による実施例> ポリオレフィン系樹脂を主体とする合成樹脂からなる
骨材成形体の表面にプライマー層を介して表皮フィルム
を積層した積層成形体を(d)の製造方法で製造した場
合の実施例を説明する。
先の実施例と同一の表皮フィルムA〜Dを予め加熱し
ておき、第3図で示した装置によりプライマーの塗布さ
れていない面を雌型のキャビティ内壁面側にして、真空
成形により雌型のキャビティ内壁面に吸引密着させて絞
り加工した後、フィルム上に溶融樹脂を配分よく載せ、
雄型を閉じ溶融樹脂が固化してフィルムと一体化したと
ころで金型を開いて取り出し、フィルムと成形材料の接
着強度を評価した。
(1)真空成形条件は先の実施例と同様である。
(2)骨材成形体の成形材料は、次のようなものであ
る。
TPE(1)、TPE(2)は、先の実施例と同一である。
しかし、PP(1)として、先と異なり、メルトインデ
ックス(ASTM D−1238−65T、230℃)3、密度0.91g/
cm3のポリプロピレンを用いた。
また、PP(2)として、微粉タルクを30%含有するMF
R 2のポリプロピレンを用いた。
さらに、PP(3)として、微粉タルクを15%、短繊維
グラスファイバー15%を含有するMFR 0.7のポリプロピ
レンを用いた。
(3)また、この実施例における成形条件は次の通りで
ある。
成 形 機 ;池貝ISM−300 スクリュー系;50mmφ 樹脂温度 ;230℃ プレス圧力 ;200kg/cm2 成形サイクル;50(sec) 成 形 品 ;長さ500mm、幅500mm、厚さ3mm (4)次に、この実施例における積層成形体の評価方法
を説明する。
前記成形品から、長さ100mm、幅25mmの剥離試験片
と、長さ100mm、幅100mmのゴバン目剥離試験片とを打ち
抜き採取し、剥離試験、ゴバン目剥離試験を先の実施例
と同様に行った。結果は第3表に示す。
<(e)の製造方法の実施例> 前記(b)の実施例で得た複合シートA〜Dを予め加
熱しておき、雄型を用いて真空成形を行い成形品を得
た。その後、表面フィルム側を雌型のキャビティ内壁面
側にして、スタンピン型にインサートし、複合シート上
に溶融樹脂を配分よく載せ、雄型を閉じ溶融樹脂が固化
して複合シートと一体化したところで金型を開いて取り
出し、複合シートと成形材料の接着強度を評価した。
金型に充填する成形材料、その他の条件は(d)の実
施例と同一であった。接着強度の試験として、複合シー
トの厚さより深い切込みを入れることにより、前記剥離
試験及びゴバン目剥離試験を行った。結果は(d)の実
施例(1)〜(9)とほぼ同等の結果であった。
〔発明の効果〕
本発明によれば、骨材成形体としてポリオレフィン系
樹脂を用いたため、安価な積層成形体とすることができ
る。また、前記したプライマー液の塗布で形成されるプ
ライマー層を介してABS系樹脂、ポリアミド、ポリウレ
タン、及びポリ塩化ビニルの表皮フィルムをポリオレフ
ィン系樹脂の骨材成形体に積層したので、十分な接着強
度を得ることができる。
表面フィルムとして、ABS系樹脂、ポリアミド、ポリ
ウレタン、及びポリ塩化ビニルを用いたので、真空成形
しやすく、成形不良のきわめて少ない成形品を得ること
ができる。
しかも、前記熱可塑性エラストマーを表皮フィルムに
積層した複合シートを用い、これをポリオレフィン系樹
脂の骨材成形体に積層した場合、前記表皮フィルム固有
の性質に加えて適度の柔軟性を付与でき、とりわけ自動
車内装部品のように肌触りの重視される成形体に好適に
利用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(d)は製造方法の(a)と(c)とを
示す工程図、第2図は(b)の製造方法に使用する装置
の概略図、第3図は(d)(e)の製造方法に使用する
装置の概略図、第4図はサンプルの採取方法を示した平
面図である。 1,2……金型(雌型1,雄型2)、3……キャビティ、4
……表皮フィルムもしくは複合シート、5……ヒータ
部、6……真空ポンプ、7……空気吸引路、8……射出
成形機、10……押出機、11……注入ノズル、20……剥離
試験片、21……ゴバン目剥離試験片、31……Tダイ押出
機、32……供給装置、33……予備加熱装置、34……表皮
フィルム、35……ロール、36……引取機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29C 45/16 B29C 45/16 45/17 45/17 B32B 27/32 101 B32B 27/32 101 27/40 27/40 B60R 13/04 B60R 13/04 Z // B29K 23:00 75:00 B29L 31:58 (56)参考文献 特開 昭55−48260(JP,A) 特開 昭63−272547(JP,A) 特開 平1−195044(JP,A) 特公 昭63−59383(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B29C 45/00 - 45/84 B29C 39/00 - 39/44 B60R 13/04

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン系樹脂を主体とする合成樹
    脂からなる骨材成形体の表面にプライマー層を介して表
    皮層を積層してなる積層成形体において、前記プライマ
    ー層は、プロピレン含量が50〜75モル%であるとともに
    X線回析による結晶化度が2〜20%であるプロピレン−
    エチレン共重合体にマレイン酸またはその無水物を0.5
    〜15重量%グラフト共重合してなる変性重合体であって
    その[η]が0.3以上の変性重合体を有機溶媒1m3に対し
    て10〜100kg溶解してなる液を塗布して形成するもので
    あり、前記表皮層は、ポリウレタンからなる合成樹脂製
    表皮フィルムであることを特徴とする自動車内装部品用
    積層成形体。
  2. 【請求項2】前記骨材成形体はポリオレフィン系樹脂と
    エチレン・α−オレフィン系重合体ゴムの部分架橋物と
    のブレンド体からなる熱可塑性エラストマーおよび/ま
    たはポリプロピレン製のシート状物であり、このシート
    状をした骨材成形体に前記プライマー層を介して前記表
    皮フィルムを積層して複合シートとしたことを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の自動車内装部品用積層成
    形体。
  3. 【請求項3】前記表皮層とプライマー層との間に絵模様
    を描いた合成樹脂塗料層を介在することを特徴とする特
    許請求の範囲第1項または第2項に記載の自動車内装部
    品用積層成形体。
  4. 【請求項4】プロピレン含量が50〜75モル%であってX
    線回析による結晶化度が2〜20%であるプロピレン−エ
    チレン共重合体にマレイン酸またはその無水物を0.5〜1
    5重量%グラフト共重合してなる変性重合体であってそ
    の[η]が0.3以上の変性重合体を有機溶媒1m3に対して
    10〜100kg溶解してなるプライマー液をポリウレタンか
    らなる合成樹脂製表皮フィルムの一面に塗布しておき、
    この表皮フィルムを予備加熱した後、前記プライマー液
    を塗布してない面をキャビティ内壁面側にして、金型キ
    ャビティ内壁面にこの表皮フィルムを吸引密着させてか
    ら型締めし、その後、キャビティ内に流動可塑化状態に
    あるポリオレフィン系樹脂を主体とする合成樹脂を射出
    充填して成形する自動車内装部品用積層成形体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】プロピレン含量が50〜75モル%であってX
    線回析による結晶化度が2〜20%であるプロピレン−エ
    チレン共重合体にマレイン酸またはその無水物を0.5〜1
    5重量%グラフト共重合してなる変性重合体であってそ
    の[η]が0.3以上の変性重合体を有機溶媒1m3に対して
    10〜100kg溶解してなるプライマー液をポリウレタンか
    らなる合成樹脂製表皮フィルムの一面に塗布しておき、
    この表皮フィルムを予備加熱した後、前記プライマー液
    を塗布してある面に、押出成形によりポリオレフィン系
    樹脂とエチレン・α−オレフィン系重合体ゴムの部分架
    橋物とのブレンド体からなる熱可塑性エラストマーおよ
    び/またはポリプロピレン製の溶融シート状物を押し出
    して積層し、複合シートを得る自動車内装部品用積層成
    形体の製造方法。
  6. 【請求項6】ポリウレタンからなる合成樹脂製表皮フィ
    ルムを外層とし、この外層の内側に、プロプレン含量が
    50〜75モル%であってX線回析による結晶化度が2〜20
    %であるプロピレン−エチレン共重合体にマレイン酸ま
    たはその無水物を0.5〜21重量%グラフト共重合してな
    る変性重合体であってその[η]が0.3以上の変性重合
    体を有機溶媒1m3に対して10〜100kg溶解してなるプライ
    マー液を塗布しておき、これにポリオレフィン系樹脂と
    エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムの部分架橋物
    とのブレンド体からなる熱可塑性エラストマーおよび/
    またはポリプロピレン製の内層を積層してなる複合シー
    トを予備加熱した後、外層をキャビティ内壁面側にし
    て、金型キャビティ内壁面にこの複合シート吸引密着さ
    せてから型締めし、その後、キャビティ内に流動可塑化
    状態にあるポリオレフィン系樹脂を主体とする合成樹脂
    を射出充填して成形する自動車内装部品用積層成形体の
    製造方法。
  7. 【請求項7】ポリウレタンからなる合成樹脂製表皮フィ
    ルムまたは前記複合シートをキャビティ内面に吸引密着
    させて真空成形する金型と、真空成形で得た予備成形品
    をキャビティ内に装着して型締めする成形用金型とは、
    互いに別個のものであり、 真空成形した前記予備成形品を成形用金型に装着してか
    ら型締めし、そのキャビティ内に流動可塑化状態にある
    ポリオレフィン系樹脂を主体とする合成樹脂を射出充填
    して成形することを特徴とする特許請求の範囲第4項ま
    たは第6項に記載の自動車内装部品用積層成形体の製造
    方法。
  8. 【請求項8】プロピレン含量が50〜75モル%であってX
    線回折による結晶化度が2〜20%であるプロピレン−エ
    チレン共重合体にマレイン酸またはその無水物を0.5〜1
    5重量%グラフト共重合してなる変性重合体であってそ
    の[η]が0.3以上の変性重合体を有機溶媒1m3に対し10
    〜100kg溶解してなるプライマー液をポリウレタンから
    なる合成樹脂製表皮フィルムの一面に塗布しておき、こ
    の表皮フィルムを予備加熱した後、プライマー液の塗布
    してない面を雌型のキャビティ内壁面側にして、キャビ
    ティ内壁面に前記表皮フィルムを吸引密着させてから、
    この表皮フィルムの密着したキャビティ内に流動可塑化
    状態にあるポリオレフィン系樹脂を主体とする合成樹脂
    を流し込み、その後、金型を型締めして成形する自動車
    内装部品用積層成形体の製造方法。
  9. 【請求項9】ポリウレタンからなる合成樹脂製表皮フィ
    ルムを外層とし、この外層の内側に、プロピレン含量が
    50〜75モル%であり、X線回折による結晶化度が2〜20
    %であるプロピレン−エチレン共重合体にマレイン酸ま
    たはその無水物を0.5〜15重量%グラフト共重合してな
    る変性重合体であってその[η]が0.3以上の変性重合
    体を有機溶媒1m3に対して10〜100kg溶解してなるプライ
    マー液を塗布しておき、これにポリオレフィン系樹脂と
    エチレン・α−オレフィン系重合体ゴムの部分架橋物と
    のブレンド体からなる熱可塑性エラストマーおよびまた
    はポリプロピレン製の内層を積層してなる複合シートを
    予備加熱した後、外層をキャビティ内壁面側にして、金
    型キャビティ内壁面にこの複合シートを吸引密着させて
    から、この複合シートの密着したキャビティ内に流動可
    塑化状態にあるポリオレフィン系樹脂を主体とする合成
    樹脂を流し込み、その後、型締めして成形する自動車内
    装部品用積層成形体の製造方法。
  10. 【請求項10】前記ポリウレタンからなる合成樹脂製表
    皮フィルムまたは前記複合シートをキャビティ内面に吸
    引密着させて真空成形する金型と、真空成形で得た予備
    成形品をキャビティ内に装着して型締めする成形用金型
    とは、互いに別個のものであり、真空成形された前記予
    備成形品を成形用金型に装着してからそのキャビティ内
    に流動可塑化状態にあるポリオレフィン系樹脂を主体と
    する合成樹脂を流し込み、その後、型締めして成形する
    ことを特徴とする特許請求の範囲第8項または第9項に
    記載の自動車内装部品用積層成形体の製造方法。
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