JP2894543B2 - ジ酸をグリコールで直接エステル化する反応の速度を増加させる方法 - Google Patents

ジ酸をグリコールで直接エステル化する反応の速度を増加させる方法

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JP2894543B2 JP6186860A JP18686094A JP2894543B2 JP 2894543 B2 JP2894543 B2 JP 2894543B2 JP 6186860 A JP6186860 A JP 6186860A JP 18686094 A JP18686094 A JP 18686094A JP 2894543 B2 JP2894543 B2 JP 2894543B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術的分野】或る種の高分子量重合体、例えばポリブ
チレンテレフタレート(PBT)重合体、ポリエチレン
テレフタレート(PET)重合体、およびポリエーテル
エステル共重合体はジ酸、例えばテレフタル酸とグリコ
ール、例えば1,4−ブタンジオールまたはエチレング
リコールとの直接エステル化により得られる生成物から
合成される。直接エステル化反応はこれまで完結するの
に3〜4時間程度の長時間が必要であるとされて来た。
通常高温におけるこのような長時間の反応時間は、長い
処理時間が必要なばかりでなく、時間の増加に伴い副反
応が起こり得るという点で望ましくない。起こる可能性
のある特に望ましくない副反応はヒドロキシブチル末端
基がテトラヒドロフラン(THF)に変わる反応であ
る。ジ酸の酸末端基が1,4−ブタンジオールとエステ
ル化をするとヒドロキシブチル末端基が生じる。従って
ジ酸と1,4−ブタンジオールとの直接エステル化反応
の際に生じるTHFの量を減少させるためには反応時間
を短くすることが望ましい。
【0002】本発明はジ酸とグリコール、特に1,4−
ブタンジオールとの直接エステル化反応の速度を著しく
増加させる方法に関する。更に詳細には本発明は95%
より多いジ酸の酸末端基をグリコール、特に1,4−ブ
タンジオールまたはエチレングリコールと70分以内で
直接エステル化させる方法に関する。さらに直接エステ
ル化反応において使用されるグリコールが1,4−ブタ
ンジオールである場合、本発明によれば該反応中1,4
−ブタンジオールは5%より少ない量しかTHFに変わ
らない方法が提供される。本発明方法の生成物は縮重合
させて高分子量の重合体、例えばPBTまたはPETを
生成することができ、またさらにこれを反応させて他の
型の高分子量重合体、例えばポリエーテルエステル共重
合体にすることができる。
【0003】
【関連する従来法の説明】米国特許第4,680,37
6号には、錫またはチタンを含む触媒を存在させ、テレ
フタル酸を1,4−ブタンジオールで直接エステル化
し、次いで直接エステル化生成物を縮重合させることに
よりPBTを製造する連続法が記載されている。この直
接エステル化反応は圧力をかけ温度225〜260℃に
おいて行わなければならない。1,4−ブタンジオール
対テレフタル酸のモル比は2〜3.8:1である。95
%より多い量のジ酸の酸末端基が大気圧下において70
分以内で直接エステル化される例は示されていない。
【0004】東ドイツ特許第241,826号には、テ
レフタル酸をブタンジオールでエステル化させた後縮重
合を行うことによりPBTを製造する方法が記載されて
いる。記載されたエステル化反応の反応時間は少なくと
も90分であり、THFに変わることにより失われるブ
タンジオールの量は6〜11%と報告されている。
【0005】米国特許第4,049,635号には、テ
トラアルキルチタネート触媒を存在させて1,4−ブタ
ンジオールと少なくとも1種のジアルキルベンゼンジカ
ルボン酸とのエステル交換反応を行い、次いでエステル
交換反応生成物を縮重合させ高分子量の重合体にするポ
リエステルの製造法が記載されている。このエステル交
換反応は75分〜3時間に亙って行われる。
【0006】英国特許明細書第1,320,621号に
は、(1)直接エステル化反応、(2)真空での保持、
および(3)縮重合の3段階から成る繊維生成可能なポ
リ(テトラメチレンテレフタレート)の製造法が記載さ
れている。この直接エステル化反応工程は加圧下におい
て2〜8時間に亙って行われる。
【0007】日本特許公開明細書第76−37187号
には、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールとをエス
テル化し、次いでエステル化生成物を縮重合させてポリ
エステルを製造するポリエステルの製造法が記載されて
いる。
【0008】日本特許公開明細書第87−225521
号には、ジカルボン酸成分とグリコール成分との間のエ
ステル化反応を含むPBTの製造法が記載されている。
1,4−ブタンジオール対テレフタル酸のモル比は1.
5:1を越えてはいけない。上記文献の各々にはジ酸を
エステル化する方法が記載されているが、いずれにも本
発明の特徴は記載されていない。さらに使用されるグリ
コールが1,4−ブタンジオールである場合、反応に使
用された1,4−ブタンジオールが5重量%より少ない
量でしかTHFに変わらない方法は記載されていない。
【0009】
【本発明の要約】本発明はジ酸と1,4−ブタンジオー
ルまたはエチレングリコールとの直接エステル化反応の
速度を増加させる方法に関する。本発明によれば、ジ酸
と1,4−ブタンジオールまたはエチレングリコールの
いずれかとをジオールまたはグリコール対ジ酸の比を少
なくとも2:1として混合し、有機チタン、有機錫およ
び有機ジルコニウム化合物から成る群から選ばれる触媒
をジ酸1モル当たり0.13×10-3〜5.2×10-3
モルの量で存在させて反応させれば、ジ酸の酸末端基の
95%より多くを70分以内、最も好ましくは20分以
内でエステル化させ得ることが見出だされた。1,4−
ブタンジオールを使用する場合、反応温度は大気圧下に
おいて平均180〜245℃の範囲である。エチレング
リコールを使用する場合には、反応温度は大気圧下にお
いて平均190〜200℃の範囲である。加圧下で反応
を行う場合にはこれよりも高い平均反応温度が許容され
る。エチレングリコールが反応に使用する主なグリコー
ル成分の場合、触媒化合物はそのままの形で加えなけれ
ばならない。直接エステル化反応生成物はこれを使用し
て、例えばさらに反応させて高分子量重合体、例えばポ
リエーテルエステル共重合体にするか、或いは縮重合さ
せて高分子量重合体、例えばPBTまたはPETにする
ことができる。
【0010】
【本発明の詳細な説明】本発明はジ酸をグリコール、特
に1,4−ブタンジオールまたはエチレングリコールで
直接エステル化させる速度を増加させ、従って改善する
方法に関する。直接エステル化反応が進行する速度がこ
のように増加することは、起こり得る望ましくない副反
応の量を減少させるために望ましい。例えば使用される
グリコールが1,4−ブタンジオールである場合、起こ
り得る副反応はヒドロキシブチル末端基がTHFに変わ
る反応である。この副反応が起こる程度を減少させ、そ
れによってヒドロキシブチル末端基から生じるTHFの
量を減少させることが望ましい。これに対応して、この
副反応が起こる程度が減少するにつれ、反応から回収さ
れる1,4−ブタンジオールの量は増加する。直接エス
テル化反応生成物は、縮重合させるかまたは他の方法で
処理して高分子量の重合体、例えばPBT、PETまた
はポリエーテルエステル共重合体にすることができるか
ら有用である。
【0011】本発明によればグリコール成分が1,4−
ブタンジオールまたはエチレングリコールである場合、
ジ酸成分とグリコール成分との間の直接エステル化反応
の速度を増加させる方法が提供される。
【0012】さらに詳細には本発明によればジ酸と1,
4−ブタンジオールとの間の直接エステル化反応が、ジ
酸、1,4−ブタンジオールおよび触媒成分を反応温度
で混合した後60分以内、好ましくは30分以内、最も
好ましくは20分以内で「実質的に完結」し、さらにT
HFに変わる1,4−ブタンジオールの量を5重量%よ
り少くする方法が提供される。「実質的に完結する」と
いう言葉はジ酸の酸末端基の95%より多い量がエステ
ル化されることを意味する。本発明に従えば、(a)
1,4−ブタンジオールをジ酸と1,4−ブタンジオー
ル対ジ酸のモル比を少なくとも2:1として混合して反
応混合物をつくり、(b)該反応混合物を約180℃に
加熱し、(c)加熱した反応混合物に有機錫、有機チタ
ンおよび有機ジルコニウム化合物から成る群から選ばれ
る触媒化合物をジ酸1モル当たり0.13×10-3
5.2×10-3モルの割合で添加し、(d)該反応混合
物を大気圧において平均反応温度180〜245℃で、
触媒化合物を反応混合物に添加した時から60分を越え
ない時間の間反応させて直接エステル化されたジ酸生成
物をつくる工程から成ることを特徴とする少なくとも1
種のジ酸と1,4−ブタンジオールとの間の直接エステ
ル化反応の速度を増加させ、ジ酸の酸末端基の95%よ
り多くを直接エステル化する方法が提供される。別法と
して反応混合物をバッチ式でつくり同様な結果を得るこ
とができる。即ちジ酸、1,4−ブタンジオールおよび
触媒を一緒に混合した後に、反応温度範囲に到達させる
ことができる。この場合反応は反応混合物が該温度範囲
に達し該平均温度範囲に保持された時から60分以内に
反応は実質的に完結する。いずれの方法によってもジ酸
末端の95%より多くが60分以内に1,4−ブタンジ
オールによりエステル化される。得られたエステル化生
成物は分離して縮重合させPBTにするか、または標準
的な他の方法で処理して高分子量の重合体にすることが
できる。
【0013】また本発明によればジ酸とエチレングリコ
ールとの間の直接エステル化反応が、触媒をジ酸/エチ
レングリコール反応媒質に添加した後70分以内で「実
質的に完結」する方法が提供される。ここで「実質的に
完結する」という言葉は前記と同じ意味を有する。即ち
ジ酸の酸末端基の95%より多い量がエステル化される
ことを意味する。従って本発明によれば、(a)ジ酸お
よびエチレングリコールをエチレングリコール対ジ酸の
モル比を少なくとも2:1として混合して反応混合物を
つくり、(b)該反応混合物を約180℃に加熱し、
(c)加熱した反応混合物に有機錫、有機チタンおよび
有機ジルコニウム化合物から成る群から選ばれる触媒化
合物をそのままの形でジ酸1モル当たり0.13×10
-3〜5.2×10-3モルの割合で添加し、(d)該反応
混合物を大気圧において平均反応温度190〜200℃
で、触媒化合物を反応混合物に添加した時から70分を
越えない時間の間反応させて直接エステル化されたジ酸
生成物をつくる工程から成ることを特徴とする少なくと
も1種のジ酸とエチレングリコールとの間の直接エステ
ル化反応の速度を増加させ、ジ酸の酸末端基の95%よ
り多くを直接エステル化する方法が提供される。別法と
して反応混合物をバッチ式でつくり同様な結果を得るこ
とができる。即ちジ酸、エチレングリコールおよび触媒
を一緒に混合した後に、反応温度範囲に到達させること
ができる。この場合反応は反応混合物が該温度範囲に達
し該平均温度範囲に保持された時から70分以内に反応
は実質的に完結する。いずれの方法によってもジ酸末端
の95%より多くが70分以内にエチレングリコールに
よりエステル化される。得られたエステル化生成物は分
離して縮重合させPBTにするか、または標準的な他の
方法で処理して高分子量の重合体にすることができる。
【0014】本発明方法に使用されるジ酸成分は脂肪族
または芳香族性のものであることが好ましいが、必ずし
も必要なことではない。適当な芳香族ジ酸成分の例とし
てはイソフタル酸およびテレフタル酸が含まれる。適当
な脂肪族ジ酸成分の例としては、アジピン酸、セバチン
酸およびドデカンジオン酸が含まれる。好適なジ酸成分
はアジピン酸およびテレフタル酸であり、最も好適なも
のはテレフタル酸である。ジ酸成分はまた2種以上の芳
香族ジ酸または2種以上の脂肪族ジ酸の混合物であるこ
とができる。本発明に使用するジ酸成分は市販されてい
るか、または当業界に公知の方法で製造することができ
る。
【0015】ジ酸成分をグリコール成分に溶解させると
ジ酸成分のエステル化が進行すると信じられている。ジ
酸成分の表面積が増加するにつれてこのような溶解は容
易になる。ジ酸成分の表面積を増加させる一つの方法は
ジ酸成分の粒径を減少させる方法である。反応を進行さ
せるためにジ酸成分の粒径を非常に細かくする必要はな
いが、ジ酸成分を磨砕して粒径を小さくすることは有利
である。さらに本発明方法では十分に撹拌してジ酸成分
が反応混合物から沈降しないようにして行われる。
【0016】本発明に使用されるグリコール成分は1,
4−ブタンジオールかエチレングリコールのいずれかで
ある。1,4−ブタンジオールは市販されている。これ
は単独で、または混合物中において1,4−ブタンジオ
ールが優勢成分である限り他のジオールとの混合物とし
て使用することができる。エチレングリコールは市販さ
れたポリマー級の製品である。これも単独で、または混
合物中においてエチレングリコールが優勢成分である限
り他のジオールとの混合物として使用することができ
る。1,4−ブタンジオールおよびエチレングリコール
は両方とも、市販品として得られない場合には、当業界
の専門家に公知の方法で容易に製造することができる。
【0017】本発明方法により直接エステル化反応を進
行させるためには、グリコール成分対ジ酸成分のモル比
は2:1以上、好ましくは4:1〜6:1、最も好まし
くは約5:1である。グリコール対ジ酸のモル比が6:
1より大きい場合、グリコール対ジ酸のモル比が3:1
〜6:1の時と同じ型の結果が得られるが、このように
過剰なグリコールを使用すると、過剰な未反応のグリコ
ールを直接エステル化反応生成物から分離するのに現在
の技術では時間および努力が必要なため実用的ではな
い。
【0018】本発明方法に使用される触媒化合物は有機
チタン、有機錫および有機ジルコニウム化合物から成る
群から選ばれる。適当な触媒化合物の例には、テトラア
ルキルチタネート、特にテトラブチルチタネート、およ
び錫酸アルキルエステル、特に錫酸n−ブチル、並びに
錫酸アルキルの無水物が含まれる。好適な触媒化合物は
テトラブチルチタネートおよび錫酸n−ブチルである。
最も好適な触媒化合物はテトラブチルチタネートであ
る。
【0019】1,4−ブタンジオールが主なグリコール
成分である反応に対しては、触媒化合物は例えば1,4
−ブタンジオールの溶液として加えることができるか、
またはそのまま添加することができる。エチレングリコ
ールが主なグリコール成分である反応に対しては、触媒
化合物はそのまま添加することができる。触媒化合物は
ジ酸成分およびグリコール成分と同時に加えることがで
き、また好ましくはジ酸成分およびグリコール成分を混
合し、これを反応温度または反応温度付近に加熱した後
に加えることができる。本発明方法の工程に加えられる
触媒化合物の量はジ酸成分1モル当たり触媒化合物0.
13×10-3〜5.2×10-3モルの範囲である。この
範囲はジ酸成分1モル当たり触媒化合物0.13×10
-3〜2.6×10-3モルの範囲であることが好ましい。
最も好ましくはジ酸成分1モル当たり触媒化合物0.3
9×10-3〜1.7×10-3モルの範囲である。
【0020】最良の結果を得るためには、グリコール成
分が1,4−ブタンジオールである場合、本発明方法を
行う平均反応温度は大気圧下において180〜245
℃、好ましくは220〜230℃でなければならない。
グリコール成分がエチレングリコールである場合、本発
明方法を行う平均反応温度は大気圧下において190〜
200℃でなければならない。いずれの場合においても
本発明方法を加圧下で行う場合には温度を高くすること
が許される。これにより一般に反応時間を速くすること
ができる。グリコールとして1,4−ブタンジオールを
選び、反応を加圧下で行う場合、反応温度は270℃を
越えないことが推奨される。さらに反応を加圧下で行う
場合、勿論直接エステル化反応中に生成する水を除去す
る手段が備えられていることが有利である。
【0021】本発明方法の反応はいくつかの公知方法に
よって行うことができる。本発明方法を行う好適な方法
はバッチ反応器を使う方法である。このような場合ジ酸
成分およびグリコール成分は撹拌しながら反応温度付近
に加熱したバッチ反応器に同時に加えるか、或いは別法
としてグリコール成分を反応温度付近に加熱したバッチ
反応器に加え、次いでジ酸成分をバッチ反応器に加える
ことが好ましい。触媒化合物は反応成分を最初に加える
時に反応器に加えることができる。好ましくは触媒化合
物はジ酸成分およびグリコール成分を一緒に混合し、反
応温度または反応温度付近に加熱した後に加える。反応
混合物は十分に且つ一定速度で撹拌し、最高の変化率が
得られるようにしなければならない。グリコール成分が
1,4−ブタンジオールである場合、直接エステル化反
応は1時間以内に実質的に完結し、大部分の場合20分
以内に実質的に完結する。グリコール成分がエチレング
リコールである場合、直接エステル化反応は70分以内
に実質的に完結する。
【0022】バッチ反応器で行う場合、直接エステル化
反応が実質的に完結すると、得られた生成物は標準的な
方法で分離することができ、或いはこれを標準的な方法
で他の物質と混合または反応させることができ、または
標準的な方法で縮重合させ高分子量重合体にすることが
できる。例えばジ酸および1,4−ブタンジオールから
つくられた生成物は下記の三つの方法で縮重合させるこ
とができる。 第1の方法においては、直接エステル化
反応生成物を含むものと同じバッチ反応器の中で縮重合
反応を行う。詳細に述べれば反応器の中の温度を少なく
とも235℃、好ましくは250〜260℃に上昇さ
せ、縮重合反応が完了するまでこの温度に保たれる。2
60℃より高い温度は、生成する重合体がこのような温
度で解重合しない場合に限り縮重合反応の温度として許
される。未反応のグリコール成分および縮重合反応中に
生じる実質的にすべてのグリコールを除去するためには
縮重合反応を真空中で行わなければならない。未反応の
グリコール成分および縮重合反応中に生じるグリコール
を除去するために高温が必要な工業的用途においては、
バッチ反応器に、好ましくはバッチ反応器の外側または
それに付随させて、熱交換器、または余分な熱を与え得
る他の付加的な装置を含ませることが有利である。バッ
チ反応器の内部に熱交換器を取り付けると、それから高
分子量重合体を除去することが困難なために不利であ
る。グリコールは公知方法によりバッチ反応器から補集
して回収し、標準的な方法で反応器に循環させて戻すこ
とができる。
【0023】別法として第2の方法においては、縮重合
反応を半連続法により行う。この場合1,4−ブタンジ
オールとジ酸との間の直接エステル化反応生成物をつく
るために前記のバッチ反応器を使用する。直接エステル
化反応の終わりにおいてバッチ反応器の中の全直接エス
テル化反応混合物を温度約100〜150℃で熱交換器
に通し、直接エステル化反応混合物を冷却する。反応混
合物の冷却は、混合物を高温に保った場合起こり得る副
反応、例えばブタンジオールのTHFへの変化を減少さ
せるために必要である。次に冷却された直接エステル化
反応混合物を貯蔵容器、例えばサージタンクに流し込
み、次いでこれを該装置から連続法のために設計された
標準的な装置、例えば拭いフィルム蒸発器に流し出し、
ここで冷却した反応混合物を真空下において少なくとも
235℃、好ましくは250〜260℃に加熱し、反応
混合物を縮重合させて高分子量の重合体にする。未反応
のグリコール成分および縮重合反応中生成するグリコー
ルは縮重合反応中に同時に除去し補集することができ
る。補集したグリコールは任意の公知方法の一つで回収
することができ、標準的な方法により循環させて反応工
程に供給し戻すことができる。
【0024】最後に第3の別法としては、縮重合反応を
連続法により行うことができる。この方法においては成
分(ジ酸、1,4−ブタンジオールおよび触媒)を平均
温度範囲180〜245℃の第1の撹拌式反応器に供給
する。成分を撹拌して直接エステル化反応混合物をつく
る。未反応のジ酸成分および未反応のグリコール成分、
並びに直接エステル化反応生成物を含む直接エステル化
反応混合物を次に第1の撹拌式反応器から平均温度18
0〜245℃の第2の撹拌式反応器に流し、ここで直接
エステル化反応を続ける。第2の撹拌式反応器から出た
直接エステル化反応混合物は必要に応じ第3の反応器に
流し込むことができる。直接エステル化反応は60分よ
り少ない時間で実質的に完結する。直接エステル化反応
が実質的に完結した後、直接エステル化反応混合物を1
種またはそれ以上の例えば拭いフィルム蒸発器に流し込
み、ここで実質的にすべての未反応のグリコール成分を
除去、補集し、必要に応じ直接エステル化生成物を縮重
合させて高分子量重合体にする。補集されたグリコール
は標準的な方法で回収し循環させることができる。本発
明方法においては、このような方法に通常用いられる他
の添加剤、成分、変性剤、例えば酸化防止剤を含ませる
ことができる。
【0025】
【実施例】下記実施例においては、本発明の特定の具体
化例、並びに1個またはそれ以上のパラメータを本発明
の規定範囲外に選んだ対照実験から成る幾つかの対照例
を示す。特記しない限りすべての割合は重量により、す
べての温度は摂氏で表すものとする。通常SI単位で行
われない測定値は必要に応じ変換し丸めを行った。各実
施例の組成物はグリコール成分、ジ酸成分、および大部
分の場合触媒化合物を含んでいる。ジ酸成分は下記のも
のの一つである。
【0026】TPA=市販のテレフタル酸 AA=市販のアジピン酸 グリコール成分は下記のものの一つである。 BDO=1,4−ブタンジオール(工業用、純度は9
9.3%より高い) EG=エチレングリコール(純度は99%より高い) 触媒成分は下記のものの一つである。
【0027】A=ブタンジオール中に5重量%のテトラ
ブチルチタネートを含むもの B=テトラブチルチタネート(そのまま) C=錫酸n−ブチル(そのまま) D=エチレングリコール中に5重量%のテトラブチルチ
タネートを含むもの E=プロピルアルコール中に75重量%のテトラプロピ
ルジルコネートを含むもの 特記しない限りすべての実施例は、縮合器、温度計、撹
拌棒、および溜出物補集フラスコを装着した丸底フラス
コにグリコール成分およびジ酸成分を装入して反応混合
物をつくることにより行った。下記表IAは各実施例に
使用した各成分の量を示す。窒素をゆっくりと流し反応
混合物を酸素から保護した。次いで反応混合物を撹拌
し、油浴中で反応温度付近に加熱する。特記しない限り
触媒化合物は反応温度またはその付近の温度で加えられ
る。各実施例において触媒化合物を加えた特定の温度は
下記表IBに記載されている。触媒化合物を加えた後下
記表IB記載の範囲内に反応温度を保持する。報告され
た温度範囲は特記しない限り各実施例において触媒化合
物を加えた温度を含んでいる。下記表IBにはまた各実
施例における反応混合物の平均温度が記載されている。
この平均値は特記しない限り反応混合物に触媒化合物を
加える温度から始まり油浴をフラスコから取り除いた温
度に至っている。また特記しない限りすべての反応は大
気圧下で行われる。時間はすべて特記しない限り触媒を
反応混合物に加えた時からの時間である。反応中試料を
周期的に反応媒質から抜き取った。各抜き取られた試料
に対して報告された時間は特記しない限り触媒化合物を
反応混合物に加えてからの時間である。
【0028】抜き取られた試料は下記の電圧滴定法によ
り酸性度を試験した。最も近い0.0001gまで秤量
した試料(0.6〜0.7g)を50mlの温かいo−
クレゾール(約100℃)に溶解する。カルボキシル値
が10ミリ当量COOH/kgより小さいと予想される
時は、2.0gの試料を使用した。試料を溶解し、50
mlのo−クレゾールを加え、溶液を室温に冷却する。
数分後塩化リチウム10%のメタノール溶液5mlを加
えた。ブランクの対照物(B)を同様に処理する。エタ
ノール中に0.03Nの水酸化カリウムを含む溶液で滴
定する。ブリンクマン・メトローム(Brinkman
Metrohm)社の636型タイトロ・プロセッサ
ー(Titro Processor)を補助装置とし
てのブリンクマン・メトローム社のE635ドシマット
(Dosimat)および10mlのビューレットと共
に使用した。メトローム社のEA120型ガラス/カロ
メル組み合わせ電極を用い、標準の塩化カリウム水溶液
を塩化リチウムのエタノール溶液で置き換えて使用し
た。酸末端基の濃度は下記式から計算される。
【0029】A=[(C−B)*N*1000]/S ここでA=ミリ当量/kg単位の末端酸性度 C=試料の滴定値(ml) N=水酸化カリウムの規定度 S=試料の重量(g) 1000=g/kgの単位 酸の変化率は下記式で決定される。
【0030】
【数1】
【0031】ここでA=ミリ当量/kg単位の酸性度
(上記で決定したもの) B=グリコール対ジ酸のモル比 MW=分子量 実施例1〜9 種々のグリコール対ジ酸の比におけるジ
酸の直接エステル化および対照例 実施例1〜7.5は本発明方法の種々の実施例であり、
ここでグリコール対ジ酸の比は各実施例で異なってお
り、グリコール成分は1,4−ブタンジオールである。
実施例C1〜C2は対照例である。組成は下記表IAに
記載されている。結果は下記表IIAに報告されてい
る。実施例C1は工程中に触媒化合物を使用しなかった
対照例である。報告された時間は特記しない限り触媒を
反応混合物に加えてからの時間である。60分後にエス
テル化されたジ酸末端基の割合は71.8%であった。
実施例C2においてはグリコール対ジ酸のモル比は1.
5:1であり、60分後にエステル化されたジ酸末端基
の割合は93%であった。実施例1〜5においてはグリ
コール対ジ酸の比は最低の2:1から最高の5:1の間
で変動した。実施例1〜5において触媒化合物は同じで
ある。それぞれの場合僅か30分の反応時間の後に、ジ
酸末端基の95%より多くがエステル化された。実施例
2〜5に対しては僅か20分の反応時間の後にジ酸末端
基の99%より多くがエステル化された。実施例6およ
び7.5においては触媒を変化させた。反応時間60分
以内でジ酸末端基の95%より多くがエステル化され
た。
【0032】実施例8〜9およびC3〜C4はグリコー
ル成分がエチレングリコールである種々の例である。組
成は上記表IAに示されている。結果は下記表IIBに
示されている。実施例C3〜C4において加えた触媒は
テトラブチルチタネートのエチレングリコール溶液であ
る。80分後の酸の変化率は実施例C3では76%、実
施例C4では84%であった。これとは対照的に実施例
8および9では両方共触媒をそのまま加え、ジ酸末端基
の95%より多くが70分以内に変化した。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】 実施例10〜12 2分毎の酸の変化率の測定 実施例10〜12においては2分毎に反応容器から試料
を取り出し、反応の進行を監視した。結果は下記表II
Iに示し、組成は上記表IAに記載した。各実施例にお
いて僅か15分後に95%より高い酸変化率が得られ
た。
【0038】
【表5】
【0039】 実施例4、C5 反応速度に対する温度の効果 実施例4(前に記載したものをここで繰り返した)およ
び実施例C5においては、反応温度を変化させて反応速
度に対する温度の効果を決定した。結果を下記表IVに
報告し、組成は上記表Iに記載した。実施例4において
は平均反応温度は触媒添加時から測定し約231℃であ
った。実施例C5においては平均反応温度は約189℃
であった。その結果平均反応温度が低すぎる場合、平均
反応温度が190〜240℃の範囲内にある場合に比べ
反応は遥かに遅く進行することが示される。
【0040】
【表6】
【0041】実施例13〜15 同様な反応における
異なった時間での酸の変化 実施例13〜15においては同一の組成物について三つ
の反応を行った。この組成物は上記表Iに記載されてい
る。各反応は表Vに記載した時間後に熱を取り除くこと
により停止させた。この時間は触媒を反応混合物に添加
してから氷で反応を中断させるまでの時間として測定し
た。試料を集め試験した。表Vに記載した結果によれ
ば、ジ酸の99%より多くが僅か11分後にエステル化
された。
【0042】
【表7】
【0043】 実施例16 THFに変化したBDOの割合の測定 実施例16A〜Dにおいては、THFに変化したブタン
ジオールの割合を測定した。測定は反応から集められた
溜出物について行った。反応が完結するまで反応全体に
亙り溜出物を補集した。組成物は上記表I記載のとおり
である。結果は下記表VIに示す。THFに変化したB
DOの割合は反応中補集された溜出物について標準的な
ガスクロマトグラフ法で決定した。溜出物は大部分水、
BDOおよびTHFを含んでいた。溜出物に関するガス
クロマトグラフの結果から溜出物中のTHFの割合を決
定した。溜出物中のTHFの割合をTHFのモル数に換
算した。反応容器に最初装入したBDOの重量をBDO
のモル数に換算した。THFに変化したBDOの割合は
下記式で決定される。
【0044】(THFのモル数)/(BDOのモル数)
×100=THFに変化したBDOの% 表VIに示した結果によれば、BDOは5%より少ない
量しかTHFに変化していないことが示された。
【0045】
【表8】
【0046】 実施例17 直接エステル化生成物の縮重合 実施例17においては6.36gのTPAおよび16.
84gのBDOを大気圧下において撹拌容器に装入し
た。成分を撹拌し得られた反応混合物を初期温度約26
8℃の油浴で加熱した。10分後浴温が250℃に達し
た時、0.445mlの触媒を加えた。それから約19
分後、圧力を大気圧から144mmHgに減圧した。さ
らに約56分に亙り圧力を1mmHgに減圧し、触媒を
添加してから約75分後に浴を取り外し窒素で真空を破
って反応を停止させた。得られた生成物は高分子量重合
体であった。重合体の固有粘度は0.50であった。こ
れは重合体0.1gを100mlのm−クレゾールに3
0℃で溶解して測定した。固有粘度0.50は重量平均
分子量約33,300、数平均分子量約16,650に
相当する。本実施例は直接エステル化生成物を縮重合さ
せ高分子量重合体にすることができるを示している。
【0047】本発明の主な特徴及び態様は次の通りであ
る。 1.(a)1,4−ブタンジオールをジ酸と1,4−ブ
タンジオール対ジ酸のモル比を少なくとも2:1として
混合して反応混合物をつくり、(b)該反応混合物を約
180℃に加熱し、(c)加熱した反応混合物に有機
錫、有機チタンおよび有機ジルコニウム化合物から成る
群から選ばれる触媒化合物をジ酸1モル当たり0.13
×10-3〜5.2×10-3モルの割合で添加し、(d)
該反応混合物を大気圧において平均反応温度180〜2
45℃で、触媒化合物を反応混合物に添加した時から6
0分を越えない時間の間反応させて直接エステル化され
たジ酸生成物をつくる工程から成るジ酸の酸末端基の9
5%より多くを直接エステル化する方法。
【0048】2.(a)エチレングリコールをジ酸とエ
チレングリコール対ジ酸のモル比を少なくとも2:1と
して混合して反応混合物をつくり、(b)該反応混合物
を約180℃に加熱し、(c)加熱した反応混合物に有
機錫、有機チタンおよび有機ジルコニウム化合物から成
る群から選ばれる触媒化合物をそのままの形でジ酸1モ
ル当たり0.13×10-3〜5.2×10-3モルの割合
で添加し、(d)該反応混合物を大気圧において平均反
応温度190〜200℃で、触媒化合物を反応混合物に
添加した時から70分を越えない時間の間反応させて直
接エステル化されたジ酸生成物をつくる工程から成るジ
酸の酸末端基の95%より多くを直接エステル化する方
法。
【0049】3.工程(c)の触媒化合物を工程(a)
中に加えて反応混合物をつくる上記第1項記載の方法。
【0050】4.工程(c)の触媒化合物をそのままの
形で工程(a)中に加えて反応混合物をつくる上記第2
項記載の方法。
【0051】5.ジ酸は芳香族ジ酸および脂肪族ジ酸か
ら成る群から選ばれる上記第1項または第2項記載の方
法。
【0052】6.ジ酸はテレフタル酸およびアジピン酸
から成る群から選ばれる上記第1項または第2項記載の
方法。
【0053】7.ジ酸はテレフタル酸である上記第1項
または第2項記載の方法。
【0054】8.触媒化合物はテトラブチルチタネート
または錫酸n−ブチルである上記第1項記載の方法。
【0055】9.触媒化合物はそのままの形のテトラブ
チルチタネートまたは錫酸n−ブチルである上記第2項
記載の方法。
【0056】10.1,4−ブタンジオール対ジ酸の比
は4:1〜6:1の範囲である上記第1項記載の方法。
【0057】11.エチレングリコール対ジ酸の比は
4:1〜6:1の範囲である上記第2項記載の方法。
【0058】12.平均反応温度範囲は220〜230
℃である上記第1項記載の方法。
【0059】13.触媒化合物の添加量はジ酸1モル当
たり0.39×10-3〜1.7×10-3モルである上記
第1項記載の方法。
【0060】14.そのままの形の触媒化合物の添加量
はジ酸1モル当たり0.39×10-3〜1.7×10-3
モルである上記第2項記載の方法。
【0061】15.30分を越えない時間の間反応混合
物を反応させる上記第1項記載の方法。
【0062】16.270℃を越えない温度において圧
力をかけて反応混合物を反応させる上記第1項記載の方
法。
【0063】17.圧力をかけて反応混合物を反応させ
る上記第2項記載の方法。
【0064】18.直接エステル化されたジ酸生成物を
縮重合させて高分子量重合体にする工程をさらに含む上
記第1項または第2項記載の方法。
【0065】19.直接エステル化されたジ酸生成物を
縮重合させてポリエーテルエステル共重合体にする工程
をさらに含む上記第1項または第2項記載の方法。
【0066】20.有機錫、有機チタンおよび有機ジル
コニウム化合物から成る群から選ばれる触媒化合物を存
在させてジ酸をグリコールにより直接エステル化し、得
られた直接エステル化反応生成物を縮重合させる半連続
法において、(a)ジ酸、グリコールおよび触媒化合物
を一緒に混合して反応混合物をつくり、これを少なくと
も180℃の温度に加熱し、(b)ジ酸の酸末端基の9
5%より多くが直接エステル化されるまで反応混合物を
大気圧下において180〜245℃の範囲の平均反応温
度で反応させ、(c)反応した反応混合物を約100〜
150℃の温度において熱交換器に通して該混合物を冷
却し、(d)反応混合物を貯蔵する容量をもち反応混合
物を連続的に溢流させる容器に該冷却した反応混合物を
通し、(e)反応混合物を貯蔵容器から加熱装置へと通
し、ここで該混合物を真空下において少なくとも250
℃に加熱して縮重合させ高分子量重合体にするか、また
は別の縮重合用の容器に通す工程から成る方法。
【0067】21.有機錫、有機チタンおよび有機ジル
コニウム化合物から成る群から選ばれる触媒化合物を存
在させてジ酸をグリコールにより直接エステル化し、得
られた直接エステル化反応生成物を縮重合させる半連続
法において、(a)ジ酸とグリコールとを混合して反応
混合物をつくり、これを180℃近くの温度に加熱し、
バッチ反応器においてこれに触媒化合物を加え、(b)
ジ酸の酸末端基の95%より多くが直接エステル化され
るまで反応混合物を大気圧下において180〜245℃
の範囲の平均反応温度で反応させ、(c)反応した反応
混合物を約100〜150℃の温度において熱交換器に
通して該混合物を冷却し、(d)反応混合物を貯蔵する
容量をもち反応混合物を連続的に溢流させる容器に該冷
却した反応混合物を通し、(e)反応混合物を貯蔵容器
から加熱装置へと通し、ここで該混合物を真空下におい
て少なくとも250℃に加熱して縮重合させ高分子量重
合体にするか、または別の縮重合用の容器に通す工程か
ら成る方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−73020(JP,A) 特開 昭49−110794(JP,A) 特開 昭62−218439(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 69/44 C07C 67/08 C07C 69/82

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機錫、有機チタンおよび有機ジルコニ
    ウム化合物から成る群から選ばれる触媒化合物を存在さ
    せてジ酸をグリコールにより直接エステル化し、得られ
    た直接エステル化反応生成物を縮重合させる半連続法に
    おいて、 (a)バツチ反応器において、ジ酸、グリコールおよび
    触媒化合物を一緒に混合して反応混合物をつくり、これ
    を少なくとも180℃の温度に加熱し、その際にグリコ
    ール対ジ酸のモル比を少なくとも2:1とし、 (b)ジ酸の酸末端基の95%より多くが直接エステル
    化されるまで反応混合物を大気圧下において180〜2
    45℃の範囲の平均反応温度で反応させ、 (c)反応した反応混合物を100〜150℃の温度に
    おいて熱交換器に通して該混合物を冷却し、 (d)反応混合物を貯蔵する容量をもち反応混合物を連
    続的に溢流させる容器に該冷却した反応混合物を通し、 (e)反応混合物を貯蔵容器から加熱装置へと通し、こ
    こで該混合物を真空下において少なくとも250℃に加
    熱して縮重合させ高分子量重合体にするか、または別の
    縮重合用の容器に通す工程を有することを特徴とする方
    法。
  2. 【請求項2】 有機錫、有機チタンおよび有機ジルコニ
    ウム化合物から成る群から選ばれる触媒化合物を存在さ
    せてジ酸をグリコールにより直接エステル化し、得られ
    た直接エステル化反応生成物を縮重合させる半連続法に
    おいて、 (a)バツチ反応器において、ジ酸とグリコールとを混
    合して反応混合物をつくり、これを180℃近くの温度
    加熱し、これに触媒化合物を加え、その際にグリコー
    ル対ジ酸のモル比を少なくとも2:1とし、 (b)ジ酸の酸末端基の95%より多くが直接エステル
    化されるまで反応混合物を大気圧下において180〜2
    45℃の範囲の平均反応温度で反応させ、 (c)反応した反応混合物を100〜150℃の温度に
    おいて熱交換器に通して該混合物を冷却し、 (d)反応混合物を貯蔵する容量をもち反応混合物を連
    続的に溢流させる容器に該冷却した反応混合物を通し、 (e)反応混合物を貯蔵容器から加熱装置へと通し、こ
    こで該混合物を真空下において少なくとも250℃に加
    熱して縮重合させ高分子量重合体にするか、または別の
    縮重合用の容器に通す工程を有することを特徴とする方
    法。
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