JP2885000B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JP2885000B2
JP2885000B2 JP5168642A JP16864293A JP2885000B2 JP 2885000 B2 JP2885000 B2 JP 2885000B2 JP 5168642 A JP5168642 A JP 5168642A JP 16864293 A JP16864293 A JP 16864293A JP 2885000 B2 JP2885000 B2 JP 2885000B2
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康則 中脇
弘淳 遠藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動変速機の変速制御装
置に係り、特に、自動エンジンブレーキ制御から通常の
変速制御に復帰する際の過渡的制御に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】複数の変速段を有する自動変速機と、車
速やアクセル操作量等の所定の変速パラメータに基づい
て予め定められた変速条件に従って自動変速機の変速段
を変更する変速制御手段と、アクセルがOFF状態であ
ることなど予め定められた所定の自動エンジンブレーキ
制御条件が成立したときに、上記変速制御手段による変
速制御に代えて、エンジンブレーキ作動低速段へのダウ
ンシフトを含む自動エンジンブレーキ制御を行う自動エ
ンジンブレーキ制御手段とを備えた自動変速機の変速制
御装置が知られている。例えば特開平1−193436
号公報に開示されている自動エンジンブレーキ制御はそ
の一例で、アクセルOFF状態で且つ車速が基準車速以
上の状態において増速していると判断された場合に、自
動的にエンジンブレーキ作動低速段へダウンシフトさせ
るようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
自動変速機の変速制御装置においては、自動エンジンブ
レーキ制御手段によりエンジンブレーキ作動低速段へダ
ウンシフトされた後、所定の自動エンジンブレーキ制御
条件が成立しなくなって通常の変速制御に復帰したと
き、運転者がブレーキを踏込み操作して車両を減速させ
ようとしていても、通常の変速条件に従ってアップシフ
トが行われることがある。例えば、図9に示す変速マッ
プ(1st,2nd,3rd,O/Dの4変速段用)に
従って通常の変速制御における変速判断が為されるとと
もに、上記自動エンジンブレーキ制御条件として制御下
限車速が20km/h程度以上に設定されている場合、
自動エンジンブレーキ制御により2ndへダウンシフト
された状態で運転者のブレーキ操作により減速し、上記
下限車速以下となって自動エンジンブレーキ制御から通
常の変速制御に復帰するようなとき、変速マップにおい
てはその時点で3rd領域にあることから2→3アップ
シフトが判断される。そして、このアップシフトが行わ
れると変速前に比べてエンジンブレーキ力が減少し、運
転者が減速を要求しているにも拘らずブレーキの踏み増
しを強いられることになって、運転操作性が損なわれる
という不都合があった。また、車速がさらに低下すると
ダウンシフトが行われるため、運転者にビジーシフト感
を感じさせるという別の問題も含んでいる。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、自動エンジンブレー
キ制御から通常の変速制御への復帰時にブレーキ操作中
の場合はアップシフトしないようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めには、通常の変速制御へ復帰する際にブレーキ操作中
の場合には現在の変速段を保持するようにすれば良く、
本発明は、図1のクレーム対応図に示すように、(a)
複数の変速段を有する自動変速機と、(b)所定の変速
パラメータに基づいて予め定められた変速条件に従って
前記自動変速機の変速段を変更する変速制御手段と、
(c)実際の車速が予め定められた判断基準車速を上回
ったときに、前記変速制御手段による変速制御に代え
て、エンジンブレーキ作動低速段へのダウンシフトを含
む自動エンジンブレーキ制御を行う自動エンジンブレー
キ制御手段とを備えた自動変速機の変速制御装置におい
て、(d)ブレーキ操作の有無を検出するブレーキセン
サと、(e)実際の車速が前記判断基準車速以下となっ
たことに基づいて前記自動エンジンブレーキ制御手段に
よる自動エンジンブレーキ制御から前記変速制御手段に
よる変速制御へ復帰する際に、前記ブレーキセンサによ
ってブレーキ操作中であることが検出されている場合に
は、前記変速制御手段により前記変速条件に従って次の
低速段へダウンシフトすることが判定されるまで自動エ
ンジンブレーキ制御中の変速段を保持する復帰制限手段
とを有することを特徴とする。
【0006】
【作用および発明の効果】このような自動変速機の変速
制御装置においては、実際の車速が前記判断基準車速以
下となったことに基づいて自動エンジンブレーキ制御手
段による自動エンジンブレーキ制御から変速制御手段に
よる変速制御へ復帰する際に、ブレーキセンサによって
ブレーキ操作中であることが検出されている場合には、
上記変速制御手段により予め定められた変速条件に従っ
て次の低速段へダウンシフトすることが判定されるまで
は復帰制限手段によって自動エンジンブレーキ制御中
変速段が保持される。すなわち、変速制御手段によって
アップシフト判断が為されても、ブレーキ操作中はその
アップシフトが行われないようにするのである。これに
より、ブレーキ操作中であるにも拘らず変速マップ等の
変速条件に従ってアップシフトが行われ、エンジンブレ
ーキ作用が減少してしまうことが回避され、ブレーキ操
作をしている運転者の意図に合致した制御が行われるよ
うになるとともに、短時間でアップシフトとダウンシフ
トを行うビジーシフトが防止される。
【0007】一方、変速制御手段によるダウンシフトは
許容されるため、その後の再加速や車両が停止した後の
再発進が速やかに行われる。すなわち、アップシフトの
みならずダウンシフトも禁止して現在の変速段を保持し
ていると、その後のアクセル操作時に所定の変速段まで
ダウンシフトさせなければならないため、もたつきやエ
ンジンの空吹き等を生じるのである。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0009】図2において、ガソリンエンジン10の燃
焼室12内には、エアクリーナ14,エアフローメータ
16,吸気通路18,スロットル弁20,バイパス通路
22,サージタンク24,インテークマニホルド26,
および吸気弁28を介して空気が吸入されるとともに、
その空気には、インテークマニホルド26に設けられた
燃料噴射弁30から噴射される燃料ガスが混合されるよ
うになっている。エアフローメータ16は吸入空気量を
測定するもので、その吸入空気量を表す信号をエンジン
制御用コンピュータ32に出力する。スロットル弁20
はエンジン10に吸入される空気量を連続的に変化させ
るもので、スロットル制御用コンピュータ35から供給
されるスロットル制御信号DTAに従ってスロットル弁
開度θが制御されるようになっているとともに、そのス
ロットル弁20にはスロットルポジションセンサ36が
設けられて、スロットル弁開度θを表すスロットル弁開
度信号Sθをエンジン制御用コンピュータ32、トラン
スミッション制御用コンピュータ34、およびスロット
ル制御用コンピュータ35に出力する。スロットルポジ
ションセンサ36はアイドルスイッチ機能を備えてお
り、スロットル弁20が略全閉となったことを表すアイ
ドル信号を上記スロットル弁開度信号Sθと共に各コン
ピュータ32,34,35に出力する。バイパス通路2
2はスロットル弁20と並列に配設されているととも
に、そのバイパス通路22にはアイドル回転数制御弁3
8が設けられており、エンジン制御用コンピュータ32
によってアイドル回転数制御弁38の開度が制御される
ことにより、スロットル弁20をバイパスして流れる空
気量が調整されてアイドル時のエンジン回転数が制御さ
れる。燃料噴射弁30も、エンジン制御用コンピュータ
32によってその噴射タイミングや噴射量が制御され
る。なお、上記エアフローメータ16の上流側には吸入
空気の温度を測定する吸気温センサ40が設けられ、そ
の吸気温を表す信号をエンジン制御用コンピュータ32
に出力する。
【0010】エンジン10は、吸気弁28,排気弁4
2,ピストン44,および点火プラグ46を備えて構成
されており、点火プラグ46は、エンジン制御用コンピ
ュータ32によって制御されるイグナイタ48からディ
ストリビュータ50を介して供給される高電圧によって
点火火花を発生し、燃焼室12内の混合ガスを爆発させ
てピストン44を上下動させることによりクランク軸を
回転させる。吸気弁28および排気弁42は、クランク
軸の回転に同期して回転駆動されるカムシャフトにより
開閉されるようになっているとともに、エンジン制御用
コンピュータ32によって制御される図示しない可変バ
ルブタイミング機構により、カムシャフトとクランク軸
との回転位相が変更されて開閉タイミングが調整される
ようになっている。そして、燃焼室12内で燃焼した排
気ガスは、排気弁42からエキゾーストマニホルド5
4,排気通路56,触媒装置58を経て大気に排出され
る。エンジン10にはエンジン冷却水温を測定する水温
センサ60が設けられており、そのエンジン冷却水温を
表す信号をエンジン制御用コンピュータ32に出力する
ようになっているとともに、エキゾーストマニホルド5
4には排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサ62
が設けられており、その酸素濃度を表す信号をエンジン
制御用コンピュータ32に出力する。また、ディストリ
ビュータ50にはクランク軸の回転に同期してパルスを
発生する回転角センサ51が設けられており、そのパル
ス信号すなわちエンジン回転速度NEを表すエンジン回
転速度信号SNEをエンジン制御用コンピュータ32お
よびトランスミッション制御用コンピュータ34に出力
する。
【0011】上記エンジン制御用コンピュータ32,ト
ランスミッション制御用コンピュータ34,スロットル
制御用コンピュータ35は、何れもCPU,RAM,R
OM,入出力インタフェース回路,A/Dコンバータ等
を備えて構成されており、RAMの一時記憶機能を利用
しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号
処理を行うもので、トランスミッション制御用コンピュ
ータ34には、上記各信号の他、パターンセレクトスイ
ッチ70から選択パターンを表すパターン信号SP、ブ
レーキランプスイッチ72からブレーキが踏込み操作さ
れたことを表すブレーキ信号SB、オーバードライブス
イッチ74からO/D変速段までの変速許可を表すO/
D信号SO、アクセル操作量センサ76からアクセルペ
ダルの操作量Acを表すアクセル操作量信号SAcがそ
れぞれ供給されるようになっている。アクセル操作量信
号SAcはエンジン制御用コンピュータ32およびスロ
ットル制御用コンピュータ35にも供給される。上記パ
ターンセレクトスイッチ70は、下り坂などで自動的に
エンジンブレーキを増大させる自動エンジンブレーキパ
ターンを少なくとも有するとともに、動力性能を重視し
た変速マップによって自動変速機78の変速制御を行う
パワーパターン、燃費を重視した変速マップによって変
速制御を行うエコノミーパターンなど、予め定められた
複数の走行パターンの中から運転者が好みの走行パター
ンを選択操作するものである。また、ブレーキランプス
イッチ72はブレーキペダルの近傍に配設され、運転者
によりブレーキペダルが踏込み操作されたか否かによっ
てON,OFFが切り換えられるON−OFFスイッチ
等により構成されている。
【0012】自動変速機78は、例えば図3に示すよう
にトルクコンバータ110,第1変速機112,および
第2変速機114を備えて構成されている。トルクコン
バータ110のポンプ翼車は前記エンジン10のクラン
ク軸118に連結されており、タービン翼車は入力軸1
20を介して第1変速機112のキャリヤ122に連結
されている。第1変速機112は、サンギヤ124,リ
ングギヤ126,およびキャリヤ122に回転可能に配
設されてサンギヤ124,リングギヤ126と噛み合わ
されているプラネタリギヤ128から成る遊星歯車装置
を含んで構成されており、サンギヤ124とキャリヤ1
22との間にはクラッチC0 および一方向クラッチF0
が並列に設けられ、サンギヤ124とハウジング130
との間にはブレーキB0 が設けられている。
【0013】第2変速機114は、サンギヤ132,一
対のリングギヤ134,136,キャリヤ138に回転
可能に配設されてサンギヤ132,リングギヤ134と
噛み合わされているプラネタリギヤ140,およびキャ
リヤ142に回転可能に配設されてサンギヤ132,リ
ングギヤ136と噛み合わされているプラネタリギヤ1
44とから成る複合型の遊星歯車装置を含んで構成され
ており、リングギヤ136と前記第1変速機112のリ
ングギヤ126との間にはクラッチC1 が設けられ、サ
ンギヤ132とリングギヤ126との間にはクラッチC
2 が設けられ、サンギヤ132とハウジング130との
間にはブレーキB1 と、直列に配設された一方向クラッ
チF1 およびブレーキB2 とが並列に設けられ、キャリ
ヤ138とハウジング130との間にはブレーキB3
よび一方向クラッチF2 が並列に設けられている。ま
た、リングギヤ134およびキャリヤ142は出力軸1
46に一体的に連結されており、その出力軸146は差
動歯車装置等を介して駆動輪に連結されている。
【0014】上記クラッチC0 〜C2 およびブレーキB
0 〜B3 (以下、特に区別しない場合にはクラッチC,
ブレーキBという)は、多板式のクラッチやバンドブレ
ーキなど油圧アクチュエータによって係合制御される油
圧式摩擦係合装置であり、その油圧アクチュエータに
は、油圧制御回路150から作動油が供給されるように
なっている。油圧制御回路150は多数の切換バルブ等
を備えており、トランスミッション制御用コンピュータ
34からの信号に従ってソレノイドS1,S2,および
S3の励磁,非励磁がそれぞれ切り換えられることによ
り、油圧回路が切り換えられて上記クラッチCおよびブ
レーキBが選択的に係合制御され、図4に示されている
ように前進4段のうちの何れかの変速段が成立させられ
る。かかる図4におけるソレノイドの欄の「○」印は励
磁を意味し、クラッチおよびブレーキの欄の「○」印は
係合を意味する。シフトポジションの「D」,「S」,
「L」は運転席のシフトレバーの操作レンジであり、
「D(ドライブ)」レンジでは1stからO/Dまでの
4段で変速制御が行われ、「S(セカンド)」レンジで
は1stおよび2ndの2段で変速制御が行われ、「L
(ロー)」レンジでは1st変速段に固定される。変速
比i(=入力軸120の回転速度NT /出力軸146の
回転速度NO )は、1stで最も大きく、2nd,3r
d,O/Dとなるに従って小さくなり、3rdの変速比
は1.0である。また、「D」レンジでは、3rdおよ
びO/Dでエンジンブレーキが作用し、1stおよび2
ndでは一方向クラッチF2 ,F1 の作用によりエンジ
ンブレーキが効かないが、括弧書きで示されている(1
st),(2nd)では、それぞれソレノイドS3が励
磁されることによりブレーキB3 ,B1 が係合させられ
てエンジンブレーキが作用するようになる。「S」レン
ジの2ndおよび「L」レンジの1stでもエンジンブ
レーキが作用するようになっている。
【0015】かかる自動変速機78には、一対の回転速
度センサ80および82が配設されている。回転速度セ
ンサ80は入力軸120すなわちトルクコンバータ11
0のタービン翼車の回転速度NT を検出するもので、回
転速度センサ82は出力軸146の回転速度NO を検出
するものであり、それぞれその回転速度NT ,NO に対
応した周期でパルスを発生するパルス信号、すなわち回
転速度信号SNT ,SNO をトランスミッション制御用
コンピュータ34に出力する。また、油圧制御回路15
0にはニュートラルスタートスイッチ84が配設されて
おり、シフトレバー操作によって切り換えられるマニュ
アルシフトバルブの位置から前記「D」,「S」,
「L」,「R」等のシフトレンジを検出して、そのシフ
トレンジを表すシフトレンジ信号SRをトランスミッシ
ョン制御用コンピュータ34に出力する。油圧制御回路
150にはまた、作動油の油温(A/T油温)THOを
検出する油温センサ86が設けられ、そのA/T油温T
HOを表す油温信号STHOをトランスミッション制御
用コンピュータ34に出力するようになっている。な
お、上記制御用コンピュータ32,34,35間では必
要な情報が授受されるようになっている。
【0016】そして、上記エンジン制御用コンピュータ
32は、前記吸入空気量やスロットル弁開度θ,エンジ
ン回転速度NE,エンジン10の冷却水温度,吸入空気
温度,排気通路56内の酸素濃度,アクセル操作量Ac
などに応じて、例えば必要なエンジン出力を確保しつつ
燃費や有害排出ガスを低減するように予め定められたデ
ータマップや演算式などに基づいて、前記燃料噴射弁3
0による燃料ガスの噴射量や噴射タイミング、イグナイ
タ48による点火時期、アイドル回転数制御弁38によ
るアイドル回転数、および可変バルブタイミング機構に
よる吸排気弁28,42の開閉タイミングなどを制御す
る。トランスミッション制御用コンピュータ34は、ス
ロットル弁開度θ,エンジン回転速度NE,パターン信
号SPが表す選択パターン,ブレーキ信号SBが表すブ
レーキ操作の有無,O/D信号SOが表すO/D変速段
への変速の可否,アクセル操作量Ac,自動変速機78
の出力軸回転速度NO などに基づいて、ソレノイドS
1,S2,およびS3の励磁,非励磁をそれぞれ切り換
えることにより自動変速機78の変速段を切換制御す
る。トランスミッション制御用コンピュータ34はま
た、スロットル弁20のスロットル弁開度θをアクセル
操作量Acに応じて制御したり、アクセル操作量Acが
零の場合にスロットル弁開度θを調整してエンジンブレ
ーキ力を制御したりするため、スロットル制御用コンピ
ュータ35にスロットル指令信号SQを出力するように
なっている。スロットル制御用コンピュータ35は、基
本的に上記スロットル指令信号SQに従ってスロットル
弁開度θを制御するためのスロットル制御信号DTAを
出力するようになっている。
【0017】以下、上記トランスミッション制御用コン
ピュータ34による変速制御およびスロットル制御につ
いて、図5〜図8のフローチャートを参照しつつ具体的
に説明する。図5および図6のフローチャートは自動変
速機78の変速段を切り換える変速制御に関するもの
で、図7および図8のフローチャートはスロットル制御
に関するものである。なお、かかる制御は、例えば8〜
32msec程度のサイクルタイムで繰り返し実行される。
【0018】図5のステップS1においては、自動エン
ジンブレーキ制御が実行される場合に図8のステップS
E2で「1」とされるフラグF3が「1」であるか否か
を判断し、F3=0の場合はステップS2を実行する。
ステップS2は、自動変速機78の変速段を切り換える
か否かの通常の変速判断を行うもので、図9に示すよう
な変速マップから現在の変速段およびアクセル操作量A
cに基づいてシフトアップ車速Vuやシフトダウン車速
Vdを求めるとともに、前記回転速度信号SNO が表す
出力軸回転速度NO に対応する現在の車速Vと上記シフ
トアップ車速Vuやシフトダウン車速Vdとを比較す
る。図9に例示したシフトアップ車速Vuおよびシフト
ダウン車速Vdは、アクセル操作量Acが約40%で現
在の変速段が3rdの場合である。また、現在の変速段
は、ソレノイドS1,S2,S3を励磁する励磁信号の
出力状態から判断される。そして、V>Vuであればア
ップシフトを、また、V≦Vdであればダウンシフトを
判断し、この判断に従って変速すべき次変速段を設定す
る。
【0019】続くステップS3およびステップS4で
は、それぞれアップシフトかダウンシフトかを判断し、
アップシフトである場合にはステップS5でフラグF1
が「1」とされ、ダウンシフトである場合にはステップ
S6でフラグF2が「1」とされる一方、いずれも否定
された場合にはステップS8においてフラグF1および
フラグF2がそれぞれ「0」とされる。そして、アップ
シフトまたはダウンシフトの何れかである場合は、ステ
ップS7において変速タイミング時間T1が設定され
る。この変速タイミング時間T1は、変速判断が為され
た後実際に変速段を切り換えるために変速出力を行う
(図6のステップS30)までの遅れ時間で、短時間で
複数段の変速が行われること(多重変速)を防止すると
ともに、下り坂でエンジンブレーキを効かせるためにア
クセルペダルが速やかに放された場合にO/D変速段へ
のアップシフト判断が為されても、実際にアップシフト
を行う前にアクセル操作量Acが略零となった時には、
O/D変速段へのアップシフトを禁止するために設けら
れたものである。
【0020】前記ステップS1がYESの場合、すなわ
ち自動エンジンブレーキ制御が実行されてフラグF3が
「1」とされている場合にはステップS9を実行し、フ
ラグF5が「0」か否かを判断する。フラグF5は、自
動エンジンブレーキ制御が実行され且つブレーキが踏み
込まれている場合に図8のステップSE14で「1」と
されるもので、フラグF5=1の場合はステップS12
を実行し、予め定められたエンジンブレーキ時のダウン
シフトマップからエンジンブレーキ時のシフトダウン車
速Vedを求める。このエンジンブレーキ時のダウンシ
フトマップは、エンジン10がオーバーランしない範囲
で通常(図9に破線で示すダウンシフトマップ)よりも
高車速側でダウンシフトするように変速の種類毎に定め
られている。次のステップS13では、現在の車速Vと
上記シフトダウン車速Vedとを比較してダウンシフト
するか否かを判断する。V>VedであればステップS
8を実行して変速判断を終了するが、V≦Vedの場合
には、ステップS14において次変速段として現在の変
速段よりも低速段側の変速段を設定する。ここで設定す
る変速段はエンジンブレーキが作用するもので、2nd
または1stでは図4において括弧付きで示されている
変速段(ソレノイドS3がON)が設定される。その
後、ステップS15においてフラグF2を「1」にす
る。
【0021】自動エンジンブレーキ制御においてブレー
キが踏込み操作されていない場合に実行されるステップ
S10では、フラグF4が「1」か否かを判断する。フ
ラグF4は、エンジンブレーキ力を増大するためにダウ
ンシフトを行う場合に図8のステップSE12で「1」
とされるものであり、F4=0であれば前記ステップS
8を実行して終了するが、F4=1であればステップS
11を実行し、エンジン10がオーバーランしないこと
を条件として次変速段としてエンジンブレーキが作用す
る次の低速段(2ndまたは1stの場合はソレノイド
S3がON)を設定する。上記ステップS11またはS
14において次変速段が設定されると、前記ステップS
7において変速タイミング時間T1が設定される。
【0022】次に、実際に変速段を切り換える図6のフ
ローチャートについて説明する。ステップS20では前
記フラグF1が「1」か否か、すなわちアップシフトの
変速判断が為されたか否かを判断し、フラグF1が
「1」の場合にはステップS21以下の各ステップを実
行するが、そうでない場合にはステップS36を実行す
る。ステップS36ではフラグF2が「1」か否か、す
なわち変速マップに従ってのダウンシフトか否かを判断
し、フラグF2が「1」の場合にはステップS28以下
の各ステップを実行する。フラグF2が「1」でない場
合にはステップS37を実行し、フラグF4が「1」か
否か、すなわちエンジンブレーキ力増大のためのダウン
シフトか否かを判断し、フラグF4が「1」の場合には
ステップS21以下の各ステップを実行するが、そうで
ない場合にはステップS32を実行して終了する。
【0023】ステップS21ではシフトレンジ信号SR
が表すシフトレンジが「D(ドライブ)」であるか否か
を判断し、ステップS22ではアクセルがOFFすなわ
ちアクセル操作量信号SAcが表すアクセル操作量Ac
が略零か否か、具体的には検出誤差などを考慮して1.
5%程度以下か否かを判断し、ステップS23では前記
パターン信号SPが表す走行パターンが「自動エンジン
ブレーキパターン」であるか否かを判断し、ステップS
24では現在の車速Vが予め定められた下限車速V1よ
り大きいか否かを判断し、ステップS25では現在の車
速Vが予め定められた上限車速V2以下か否かを判断
し、ステップS26では前記ステップS2で設定された
次変速段がO/D変速段か否かを判断する。上記下限車
速V1および上限車速V2は、自動でエンジンブレーキ
力を増大させる特別な制御を行う車速範囲を定めたもの
で、下限車速V1は例えば20km/h程度に設定さ
れ、上限車速V2は例えば110km/h程度に設定さ
れる。そして、ステップS21〜S26の判断が総てY
ESの場合には、ステップS27において次変速段を
「3rd」に変更した後ステップS29以下を実行する
が、ステップS21〜S26からステップS24を除い
たうちの1つでもNOの場合には、ステップS28にお
いて上記ステップS27による次変速段の変更を無しと
してステップS29以下を実行する。ステップS26
は、前記ステップS2で設定された次変速段がO/D変
速段か否かを判断するものであるため、ステップS27
で次変速段が「3rd」に変更された後のサイクルでも
判断はYESとなる。なお、ステップS21〜S23の
判断がYESでステップS24の判断がNOの場合は、
ステップS33以下を実行する。
【0024】ステップS29では、タイマTaの計時内
容が前記変速タイミング時間T1以上か否かを判断す
る。変速タイミング時間T1となるまでは上記ステップ
S20以下を繰り返すが、変速タイミング時間T1に達
するとステップS30を実行し、前記ソレノイドS1,
S2,およびS3の励磁,非励磁を切り換えて自動変速
機78の変速段を前記ステップS2,S11,S14に
おいて設定された次変速段、或いはステップS27で変
更された3rd変速段に切り換える。変速後は、ステッ
プS31でフラグF1,F2,F4、およびF6をそれ
ぞれ「0」にするとともに、ステップS32においてタ
イマTaをリセットする。このタイマTaは、ステップ
S2,S11,またはS14で次変速段が設定された後
の経過時間を計測するものである。
【0025】前記ステップS24の判断がNOの場合に
実行するステップS33では、フラグF6が「1」であ
るか否かを判断し、ステップS34では前記ブレーキラ
ンプスイッチ72からのブレーキ信号SBに基づいて、
運転者によりブレーキが踏込み操作されているか否かを
判断する。フラグF6は、自動エンジンブレーキ制御中
において車速Vが前記下限車速V1以下となった場合に
図7のステップSS12において「1」とされるもので
ある。上記ステップS33,S34の判断が何れか一方
でもNOの場合には前記ステップS28以下を実行する
一方、両方の条件を満たす場合にはステップS35を実
行して、アップシフトを示すフラグF1を「0」にす
る。すなわち、自動エンジンブレーキ制御中においてブ
レーキ操作により減速して車速Vが下限車速V1以下と
なり、前記ステップS2の通常の変速判断を行うように
なってアップシフト判断が為されても、そのアップシフ
トを禁止して現在の変速段を保持するのである。
【0026】続いて、自動エンジンブレーキ制御中のス
ロットル制御について説明すると、先ず、図7のステッ
プSS1〜SS5においてシフトレンジ,アクセル操作
量Ac,走行パターン,および車速Vに関し前記ステッ
プS21〜S25と同じ判断を行い、総ての条件を満た
す場合にはステップSS6の自動エンジンブレーキスロ
ットル処理ルーチンを実行する。本実施例では、これ等
のステップSS1〜SS5の判断が何れもYESである
ことが所定の自動エンジンブレーキ制御条件である。
【0027】図8は上記自動エンジンブレーキスロット
ル処理ルーチンの内容の一例を示すフローチャートであ
り、ステップSE1では、フラグF3が「1」であるか
否かを判断する。フラグF3=0の場合には、ステップ
SE2でフラグF3を「1」とするとともに、ステップ
SE3において通常のスロットル制御を行う。フラグF
3が「1」とされることにより、前記図5のステップS
1の判断はYESとなり、ステップS2の通常の変速判
断が禁止されてステップS9以下が実行されるようにな
る。ステップSE3の通常のスロットル制御は、アクセ
ル操作量信号SAcが表すアクセル操作量Acに基づい
て、予め定められたマップまたは演算式からスロットル
弁開度TA(Ac)を求め、そのスロットル弁開度TA
(Ac)を目標スロットル弁開度TAに設定するととも
に、その目標スロットル弁開度TAを表すスロットル指
令信号SQをスロットル制御用コンピュータ35に出力
する。スロットル制御用コンピュータ35は、フィード
バック制御等によりスロットル弁20の実際のスロット
ル弁開度θを上記スロットル指令信号SQが表す目標ス
ロットル弁開度TA、すなわちTA(Ac)と一致させ
るように、スロットル制御信号DTAをスロットル弁2
0に出力する。自動エンジンブレーキ制御では、アクセ
ル操作量Acは略零であるため、スロットル弁20は全
閉とされる。
【0028】続くステップSE4においては、その時の
車速Vを目標車速Vmに設定する。上記ステップSE2
においてフラグF3が「1」とされた以後のサイクルで
はステップSE1に続いてステップSE5が実行され、
目標車速Vmから予め定められた一定値Vfを差し引い
た車速(Vm−Vf)とその時の車速Vとを比較する。
V>(Vm−Vf)であればステップSE6以下を実行
するが、V≦(Vm−Vf)であれば再びステップSE
4を実行し、その時の車速Vに目標車速Vmを変更した
後にステップSE6以下を実行する。上記一定値Vf
は、ステップSE11のスロットル弁開度θのフィード
バック制御による車速Vの変動を考慮して、その変動に
よりステップSE5の判断がNOとなることはないが、
ブレーキの踏込み操作などによって車速Vが比較的大き
く低下した場合にはステップSE4で目標車速Vmが更
新されるように定められている。
【0029】ステップSE6では、前記ブレーキ信号S
Bに基づいてブレーキが踏込み操作されているか否かを
判断し、ブレーキOFFすなわち踏込み操作されていな
い場合にはステップSE7以下を実行するが、運転者が
更に減速を希望してブレーキが踏込み操作されるとステ
ップSE6の判断はNOとなり、ステップSE14およ
びSE15を実行する。ステップSE14ではフラグF
5を「1」とするとともに、ステップSE15では、エ
ンジンブレーキ力を増大させるために目標スロットル弁
開度TAをスロットル弁開度TA(Ac)、すなわち零
とし、その目標スロットル弁開度TAを表すスロットル
指令信号SQをスロットル制御用コンピュータ35に出
力することにより、スロットル弁20を全閉とする。フ
ラグF5が「1」とされることにより、前記図5のステ
ップS9の判断はNOとなり、エンジンブレーキ時のダ
ウンシフトマップに従って変速制御が行われるようにな
る。
【0030】ブレーキOFF時に実行するステップSE
7においては、フラグF5が「1」であるか否かを判断
し、YESであればステップSE8以下を実行する。ス
テップSE8ではフラグF5を「0」とし、ステップS
E9においては、前記ステップSE4と同様に、目標車
速Vmをその時の車速Vに変更する。すなわち、ブレー
キONからOFFへ変わった時点で目標車速Vmを更新
するようになっているのである。フラグF5が「1」で
ない場合に実行されるステップSE10では、スロット
ル弁開度θが予め定められた判断値θ1より小さいか否
かを判断する。判断値θ1は1.5%程度以下の小さな
値で、スロットル弁20が略全閉であることを表すアイ
ドル信号によって判断する。そして、θ>θ1の場合、
すなわちスロットル弁20を閉じることによりエンジン
ブレーキ力を増大させることができる場合には、ステッ
プSE11を実行し、目標車速Vmと現在の車速Vとの
偏差に応じて、車速Vを目標車速Vmと略一致させるた
めのスロットル弁開度TA1(%)を、よく知られたP
ID動作などのフィードバック制御の演算式などに従っ
て算出し、そのスロットル弁開度TA1を目標スロット
ル弁開度TAとする。
【0031】スロットル弁20が略全閉となり、上記ス
テップSE11におけるスロットル制御ではエンジンブ
レーキ力を増大させることが不能となった場合、具体的
にはステップSE10の判断がYESとなり、且つその
状態が所定時間或いは所定サイクル継続した場合には、
ステップSE12で、フラグF4を「1」とし、続いて
ステップSE13を実行する。フラグF4が「1」とさ
れることにより、前記図5のステップS10の判断はY
ESとなり、ステップS11でエンジンブレーキ作用が
得られる次変速段が設定される。ステップSE13で
は、ダウンシフトする変速の種類および現在の車速Vに
基づいて、ダウンシフトの変速の前後において略同じ駆
動力が得られるスロットル弁開度TA2(%)を、例え
ば図10に示されているような予め定められたデータマ
ップからマップ補間により算出するとともに、そのスロ
ットル弁開度TA2を目標スロットル弁開度TAに設定
し、その目標スロットル弁開度TAを表すスロットル指
令信号SQをスロットル制御用コンピュータ35に出力
することにより、スロットル弁20の実際のスロットル
弁開度θがスロットル弁開度TA2となるように制御す
る。図10のデータマップは、予め実験的に求められた
駆動力データに基づいて、ダウンシフト前の変速段にお
いてスロットル弁20が全閉の時の駆動力(この場合に
は負の値であって制動力として作用する)と同じか少し
小さい駆動力、言い換えればエンジンブレーキ力が同じ
か少し大きくなる負の駆動力が、ダウンシフト後におい
ても得られるスロットル弁開度TA2(%)を、変速の
種類および車速毎に求めたものである。
【0032】図7に戻って、ステップSS1〜SS5か
らステップSS4を除いた判断のうちの何れか1つでも
NOの場合には、ステップSS7でフラグF6を「0」
にするとともに、ステップSS8においてフラグF3、
フラグF4、およびフラグF5をそれぞれ「0」にし、
続くステップSS9において前記ステップSE3と同様
に通常のスロットル制御を行い、アクセル操作量Acに
基づいて求めたスロットル弁開度TA(Ac)を目標ス
ロットル弁開度TAに設定し、それを表すスロットル指
令信号SQをスロットル制御用コンピュータ35に出力
する。一方、ステップSS4の判断がNOの場合は、ス
テップSS10以下を実行する。ステップSS10で
は、フラグF6が「1」であるか否かを判断するととも
に、ステップSS11ではフラグF3が「1」であるか
否かを判断する。フラグF6およびフラグF3の何れか
が「1」である場合にはステップSS12を実行し、フ
ラグF6を「1」とした後ステップSS8以下を実行す
る一方、フラグF6およびフラグF3が共に「1」でな
い場合には、前記ステップSS7以下を実行する。
【0033】すなわち、ステップSS6の自動エンジン
ブレーキスロットル処理ルーチンを実行し、フラグF3
が「1」とされている状態において、ブレーキ操作によ
り車速Vが低下し、制御下限車速V1以下となってステ
ップSS4の判断がNOとなった場合には、ステップS
S12でフラグF6を「1」とするのである。したがっ
て、ステップSS8でフラグF3が「0」とされ、図5
のステップS1に続いてステップS2の通常の変速判断
が行われるようになり、そこでアップシフト判断が為さ
れて図6のステップS20〜S24に続いてステップS
33が実行された場合、その判断はYESとなってステ
ップS34を実行する。その時、ブレーキが踏込み操作
されている場合には、ステップS34の判断もYESと
なってアップシフトが禁止され、現在の変速段が維持さ
れる。これにより、例えば、ステップSS6の自動エン
ジンブレーキ制御により2ndへダウンシフトされた状
態で運転者のブレーキ操作により減速して制御下限車速
V1以下となり、自動エンジンブレーキ制御から通常の
変速制御に復帰するようなとき、変速マップにおいて3
rd領域に入ることにより2→3アップシフトが行われ
てエンジンブレーキ力が変速前に比べて減少してしまう
ことが回避される。
【0034】このように、本実施例の変速制御において
は、車速Vが制御下限車速V1以下となって自動エンジ
ンブレーキ制御から通常の変速制御へ復帰する際に、ブ
レーキが踏込み操作されている場合には、ステップS2
でアップシフト判断が為されてもその実行が阻止される
ため、アップシフトによってエンジンブレーキ力が低下
することが回避され、ブレーキ操作を行っている運転者
の意図に合致した制御が行われるようになる。
【0035】一方、車速Vの低下に伴ってステップS2
でダウンシフト判断が為された場合には、図6のステッ
プS36の判断がYESとなってステップS28以下が
実行され、ステップS30でダウンシフトが行われる。
このため、その後にアクセルを踏み込んで再加速を行っ
たり、車両が停止した後において再発進したりするとき
には、途中の変速段に保持されたままの場合のように、
所定の変速段へ一旦ダウンシフトすることによる加速で
のもたつきやエンジン10の空吹き等を生じることがな
い。また、上記のようにブレーキ操作中は、アップシフ
トが禁止されているため、車速Vの低下に伴って短時間
でアップシフトとダウンシフトを行うビジーシフトを生
じることもないのである。
【0036】本実施例では、前記トランスミッション制
御用コンピュータ34による一連の信号処理のうちステ
ップS2,S30を実行する部分が変速制御手段に相当
し、ステップS1,S9〜S14,S30およびステッ
プSS6を実行する部分がスロットル制御用コンピュー
タ35と共に自動エンジンブレーキ制御手段を構成して
いる。また、ステップS33,S34、およびステップ
SS12を実行する部分が復帰制限手段に相当し、ブレ
ーキランプスイッチ72はブレーキセンサに相当する。
【0037】次に、本発明の他の実施例について図11
乃至図13を参照しつつ説明する。図11は、前記図7
のフローチャートにおけるステップの一部が異なる態様
で、前記ステップSS6に替えてステップSS20〜S
S23が設けられている。ステップSS1〜SS5の判
断が何れもYESの場合に実行するステップSS20で
は、フラグF3が「1」であるか否かを判断し、フラグ
F3が「0」の場合はステップSS21において基準加
速度G1を設定する。基準加速度G1は、所定の下り勾
配でスロットル弁開度θ=0の場合の加速度であり、そ
の時の車速Vおよび変速段をパラメータとして設定され
る。ステップSS21を実行した後、或いはフラグF3
=1の場合にはステップSS20に続いてステップSS
22を実行し、車両の加速度Gが上記基準加速G1以上
であるか否かを判断する。
【0038】加速度Gは、例えば図12に示すフローチ
ャートに従って前記回転速度センサ82から出力される
回転速度信号SNO の1パルス毎に算出され、先ずステ
ップSG1においては、その回転速度信号SNO のパル
ス周期Ti を算出し、次のステップSG2において前回
のパルス周期Ti-1 を読み込む。ステップSG3では、
(Ti-1 −Ti )/Ti-1 に予め定められた係数fを掛
算して加速度Gを算出するとともに、ステップSG4で
今回のパルス周期Ti をTi-1 として記憶する。そし
て、この加速度Gが前記基準加速度G1以上の場合、す
なわち前記所定の下り勾配より傾斜が大きい場合には、
ステップSS23の自動エンジンブレーキスロットル処
理ルーチンを実行する。この実施例では、ステップSS
1〜SS5に加えて、ステップSS22の判断がYES
であることが、自動エンジンブレーキ制御条件である。
【0039】図13は、上記ステップSS23の自動エ
ンジンブレーキスロットル処理ルーチンの内容の一例を
示すフローチャートであり、前記図8の制御ルーチンと
は一部が異なっている。ステップSE2でフラグF3を
「1」にした後、ステップSE6でブレーキ操作の有無
を判断し、ブレーキOFFすなわち踏込み操作されてい
ない場合にはステップSE8以下を実行する一方、ブレ
ーキ操作中の場合は前記と同様にステップSE14およ
びSE15を実行する。ステップSE8でフラグF5を
「0」とした後は、ステップSE10でスロットル弁開
度θが前記判断値θ1以下か否かを判断し、θ>θ1の
場合にはステップSE20を実行する。ステップSE2
0では、前回の目標スロットル弁開度TAから予め定め
られた一定量ΔTAを減算して新たな目標スロットル弁
開度TAに更新し、それを表すスロットル指令信号SQ
をスロットル制御用コンピュータ35に出力することに
より、スロットル弁開度θが一定量ΔTAだけ小さくな
るようにスロットル弁20が制御され、エンジンブレー
キ力がその分だけ増大させられる。かかるステップSE
20のスロットル制御でエンジンブレーキ力が増大させ
られることにより、車速Vの増加が抑制され、加速度G
が基準加速度G1より小さくなると前記ステップSS2
2の判断はNOとなり、その時のスロットル弁開度θが
維持される。
【0040】図14は、前記図11のステップSS2
1,SS22に置き換えて設けられるステップSS2
6,SS27を示すものであり、基準走行抵抗係数S1
と実際の走行抵抗係数Sとを比較し、S≦S1であるこ
とを自動エンジンブレーキ制御条件とした態様である。
ステップSS27の走行抵抗係数Sは、例えば図15に
示すステップSG5により算出されるようになってお
り、このステップSG5は、前記図12におけるステッ
プSG3とステップSG4との間に設けられて実行され
る。ステップSG5では、前記加速度Gを平坦路におい
てスロットル弁開度θ=0のときの基準加速度G2で除
算した値を上記走行抵抗係数Sとして算出するもので、
基準加速度G2は空気抵抗や転がり抵抗を受けて負の値
である一方、加速度Gは下り勾配の傾斜が大きくなるに
従って増大し、エンジンブレーキを考慮すべき状況では
正の値となるため、走行抵抗係数Sは下り勾配の傾斜が
大きくなる程小さくなる。上記基準加速度G2は、車速
Vおよび変速段をパラメータとして予め設定されてい
る。また、ステップSS26で設定される基準走行抵抗
係数S1は、所定の下り勾配における走行抵抗係数、す
なわち所定の下り勾配でスロットル弁開度θ=0のとき
の加速度Gを平坦路における基準加速度G2で除算した
値であり、車速Vおよび変速段をパラメータとして設定
されている。したがって、S≦S1であれば上記所定の
下り勾配より傾斜が大きいことを意味し、その場合には
自動エンジンブレーキ制御を開始する。
【0041】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、本発明は他の態様で実施することもで
きる。
【0042】例えば、前記実施例では、ブレーキペダル
の近傍に配設されたブレーキランプスイッチ72がブレ
ーキセンサとして機能していたが、ブレーキ油圧を検出
する油圧センサなど、ブレーキ操作を検出可能な他の検
出手段をブレーキセンサとして配設しても良い。
【0043】また、前記実施例では、図7のステップS
S11でフラグF3が「1」であるか否かの判断により
自動エンジンブレーキ制御から通常の変速制御への復帰
であることを判断していたが、エンジンブレーキ作動低
速段へのダウンシフトが行われたことを他のフラグを用
いるなどして判断し、それを条件としてステップSS1
2においてフラグF6を「1」にするようにしても良
い。
【0044】また、前記実施例では、車速Vが下限車速
V1以下となって自動エンジンブレーキ制御が解除され
る際にフラグF6を「1」とするようになっていたが、
自動エンジンブレーキ制御が解除される場合には常にフ
ラグF6を「1」にするとともに、ステップS2でアッ
プシフト判断が為されてフラグF1が「1」となった場
合には、常にステップS33以下を実行するようにして
ブレーキ操作中のアップシフトを禁止するようにしても
良い。
【0045】また、例えば路面勾配が一定の下り勾配以
上であることを条件として自動エンジンブレーキ制御を
行う場合には、その路面勾配の条件を満たさなくなって
自動エンジンブレーキ制御が解除される際にブレーキ操
作されている時には、車速Vが下限車速V1以下となっ
て自動エンジンブレーキ制御が解除される場合と同様に
アップシフトを禁止することが望ましい。
【0046】また、前記実施例では、アップシフト実行
時にステップS33以下を実行し、フラグF6が「1」
で且つブレーキ操作中の場合にアップシフトを禁止する
ようになっていたが、図5のステップS3がYESの場
合にステップS33,S34を実行し、何れの判断もY
ESの場合にはステップS8へ進むようにしてアップシ
フトを禁止するようにしても良い。フラグF6が「1」
でブレーキ操作中の場合には、アップシフトを行うか否
かの判断そのものを行わないようにすることもできる。
【0047】また、前記実施例では、前進4段の変速段
を有する自動変速機78の場合について説明したが、変
速段の数や、自動エンジンブレーキ制御によるダウンシ
フトの種類は適宜変更され得、例えば前進5段以上の変
速段を有する場合には自動エンジンブレーキ制御で「5
→4」ダウンシフトを行うことも可能である。
【0048】また、前記実施例では、「D」レンジのみ
で自動エンジンブレーキ制御が実行されるようになって
いたが、「S」レンジでも自動エンジンブレーキ制御が
行われるようにすることも可能で、その場合にも本発明
は同様に適用され得る。
【0049】また、前記実施例では、アクセルOFF状
態であること、自動エンジンブレーキ制御パターンであ
ること、下限車速V1<車速V≦上限車速V2であるこ
と、「D」レンジであること、加速度G≧基準加速度G
1であること、走行抵抗係数S≦基準走行抵抗係数S1
であることが、自動エンジンブレーキ制御を実行するた
めの条件として定められていたが、例えば加速度Gが予
め定められた一定の基準加速度以上であること、傾斜角
センサなどで検出される路面勾配が一定の下り勾配以上
であることなど、他の条件が定められても良いし、上記
の条件の何れかを組み合わせたり省略したりしても良
い。自動エンジンブレーキ制御を開始する条件と解除す
る条件とを別々に設定することもできる。
【0050】また、前記実施例では、図8の自動エンジ
ンブレーキスロットル制御ルーチンにおいてステップS
E10の判断が肯定された場合に、ステップSE13に
おいて変速前後の駆動力が略等しくなるようにスロット
ル制御を行っていたが、この場合のスロットル弁20の
開き量は適宜定められるとともに、スロットル弁20が
全閉のままでダウンシフトを行うようになっていても良
い。
【0051】また、前記実施例では、ステップSE1
1,SE13,SE20でスロットル制御が行われてい
たが、アイドル回転数制御弁38を開いたりオルタネー
タ等のエンジン補機を利用したりしてエンジン10の出
力制御を行うことも可能である。
【0052】また、前記第1実施例では、実際の車速V
と目標車速Vmとの偏差に応じてスロットル弁20をフ
ィードバック制御するようになっていたが、例えば車速
Vが目標車速Vmより大きいか小さいかによってスロッ
トル弁開度を所定量ずつ増減するようにしても良い。
【0053】また、前記第1実施例では、アクセルOF
F時やブレーキ解除時の車速Vがそのまま目標車速Vm
とされるようになっていたが、目標車速Vmは完全にそ
のような車速Vと一致させる必要はなく、測定誤差等を
考慮して上記車速Vに所定値を加算或いは減算するなど
して目標車速Vmが設定されるようにしても良いし、運
転者が任意に目標車速Vmを設定したり変更したりでき
るようにすることも可能である。
【0054】また、前記実施例では、スロットル弁開度
θが常にスロットル制御用コンピュータ35によって制
御される車両について説明したが、スロットル弁20が
アクセルペダルに機械的に連結されて開閉されるもの
や、アクセルOFF状態時にのみスロットル弁20を自
動で開閉制御する車両にも本発明は適用可能である。
【0055】また、前記実施例ではエンジン制御用コン
ピュータ32,トランスミッション制御用コンピュータ
34,およびスロットル制御用コンピュータ35が別体
に構成されていたが、それ等を単一のコンピュータにて
構成することも可能である。
【0056】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクレーム対応図である。
【図2】本発明の一実施例である自動変速機の制御装置
を備えた車両の自動変速機およびエンジン部分の構成を
説明する図である。
【図3】図2の自動変速機の構成を説明する図である。
【図4】図3の自動変速機の変速段とそれを成立させる
ためのソレノイドの励磁、クラッチおよびブレーキの係
合作動を示す図である。
【図5】図2の自動変速機の変速段を切り換えるか否か
の変速判断の作動を説明するフローチャートである。
【図6】図2の自動変速機の変速段を切り換える変速制
御の作動を説明するフローチャートである。
【図7】図2のエンジンのスロットル弁開度を制御する
作動を説明するフローチャートである。
【図8】図7のステップSS6における自動エンジンブ
レーキスロットル処理ルーチンの制御内容を説明するフ
ローチャートである。
【図9】図2の自動変速機の変速段を切り換える変速マ
ップの一例である。
【図10】図6のステップSE13においてスロットル
弁開度TA2を求める際に用いられるデータマップの一
例である。
【図11】本発明の他の実施例を説明するためのもの
で、加速度Gに基づく条件を自動エンジンブレーキ制御
条件に加えた態様を説明するフローチャートである。
【図12】図11のステップSS22で加速度Gを求め
る際の具体的内容を説明するフローチャートの一例であ
る。
【図13】図11のステップSS23における自動エン
ジンブレーキスロットル処理ルーチンの制御内容を説明
するフローチャートである。
【図14】図11のステップSS21,SS22に置き
換えて設けられるステップを示す図である。
【図15】図14のステップSS27で走行抵抗係数S
を求めるために、図12のステップSG3とSG4との
間に追加して設けられるステップを示す図である。
【符号の説明】
34:トランスミッション制御用コンピュータ 35:スロットル制御用コンピュータ 72:ブレーキランプスイッチ(ブレーキセンサ) 78:自動変速機 ステップS1,S9〜S14,S30,SS6,SS2
3:自動エンジンブレーキ制御手段 ステップS2,S30:変速制御手段 ステップS33,34,SS12:復帰制限手段 ステップSS1〜SS5,SS22,SS27:自動エ
ンジンブレーキ制御条件
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星屋 一美 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−261547(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の変速段を有する自動変速機と、 所定の変速パラメータに基づいて予め定められた変速条
    件に従って前記自動変速機の変速段を変更する変速制御
    手段と、実際の車速が 予め定められた判断基準車速を上回った
    きに、前記変速制御手段による変速制御に代えて、エン
    ジンブレーキ作動低速段へのダウンシフトを含む自動エ
    ンジンブレーキ制御を行う自動エンジンブレーキ制御手
    段とを備えた自動変速機の変速制御装置において、 ブレーキ操作の有無を検出するブレーキセンサと、実際の車速が前記判断基準車速以下となったことに基づ
    いて 前記自動エンジンブレーキ制御手段による自動エン
    ジンブレーキ制御から前記変速制御手段による変速制御
    へ復帰する際に、前記ブレーキセンサによってブレーキ
    操作中であることが検出されている場合には、前記変速
    制御手段により前記変速条件に従って次の低速段へダウ
    ンシフトすることが判定されるまで自動エンジンブレー
    キ制御中の変速段を保持する復帰制限手段とを有するこ
    とを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
JP5168642A 1993-06-14 1993-06-14 自動変速機の変速制御装置 Expired - Fee Related JP2885000B2 (ja)

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