JP2809050B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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JP2809050B2
JP2809050B2 JP5164196A JP16419693A JP2809050B2 JP 2809050 B2 JP2809050 B2 JP 2809050B2 JP 5164196 A JP5164196 A JP 5164196A JP 16419693 A JP16419693 A JP 16419693A JP 2809050 B2 JP2809050 B2 JP 2809050B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動変速機の制御装置に
係り、特に、複数の変速段を成立させる摩擦係合装置に
供給する油圧の制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】(a)複数の油圧式摩擦係合装置が選択
的に係合させられることによって複数の変速段が成立さ
せられる自動変速機と、(b)前記複数の油圧式摩擦係
合装置に係合油圧を選択的に作用させる油圧制御回路と
を備え、車速やアクセル操作量(スロットル弁開度)を
パラメータとして予め定められた変速マップ等に従って
変速段が自動的に切り換えられるオートマチック車両が
多用されている。このようなオートマチック車両は、下
り坂等でアクセルをOFF状態としても十分なエンジン
ブレーキ力が得られない場合に車速が更に増加すること
を回避するため、(c)マニュアル操作部材が運転者に
よって切換操作されることにより、前記油圧制御回路を
切り換えて前記自動変速機をエンジンブレーキ作動低速
段へダウンシフトさせるマニュアル変速手段を備えてい
るのが普通である。すなわち、O/DスイッチをOFF
操作したり、シフトレバーをDレンジからSレンジ,L
レンジへ切り換えたりして変速段の切換範囲を制限し、
強制的にダウンシフトを行わせてエンジンブレーキ力を
増大させるのである。自動変速とは別にシフトレバー等
で所望する変速段を任意に選択することが可能なオート
マチック車両においても、同様にマニュアル操作でダウ
ンシフトを行うことができる。
【0003】一方、(d)少なくともアクセルがOFF
状態であることを含む所定の自動エンジンブレーキ制御
条件が成立した場合に、前記油圧制御回路を切り換えて
自動変速機をエンジンブレーキ作動低速段へダウンシフ
トさせる自動エンジンブレーキ制御手段を備えたオート
マチック車両も提案されている。特開平1−19343
6号公報に記載されている変速制御装置はその一例で、
アクセルOFF状態で車速が増加する場合には自動的に
ダウンシフトさせるようになっており、マニュアル操作
でダウンシフトさせる場合に比較して運転操作が容易と
なる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな自動エンジンブレーキ制御によって自動的にダウン
シフトが行われた場合、運転者の意志によりマニュアル
操作でダウンシフトを行う場合に比較して、変速ショッ
クを感じ易く違和感を生じるという問題があった。更
に、自動エンジンブレーキ制御によるダウンシフトは、
道路状況により運転者の判断と一致しないことがある。
例として、降坂路が直線で見通しが良く、前走車との車
間距離が十分に長い場合などには、自動エンジンブレー
キ制御によるダウンシフトは運転者にとって不要なシフ
トと感じさせ、このような場合、運転者は変速ショック
を大きく感じてしまう。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、自動エンジンブレー
キ制御によりエンジンブレーキ作動低速段へダウンシフ
トが行われる際の変速ショックを低減することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めには、自動エンジンブレーキ制御の場合にはマニュア
ル変速の場合よりも緩やかに変速を行うようにすれば良
く、本発明は、図1のクレーム対応図に示すように、
(a)複数の油圧式摩擦係合装置が選択的に係合させら
れることによって複数の変速段が成立させられる自動変
速機と、(b)前記複数の油圧式摩擦係合装置に係合油
圧を選択的に作用させる油圧制御回路と、(c)マニュ
アル操作部材が運転者によって切換操作されることによ
り、前記油圧制御回路を切り換えて前記自動変速機をエ
ンジンブレーキ作動低速段へダウンシフトさせるマニュ
アル変速手段と、(d)少なくともアクセルがOFF状
態であることを含む所定の自動エンジンブレーキ制御条
件が成立した場合に、前記油圧制御回路を切り換えて前
記自動変速機をエンジンブレーキ作動低速段へダウンシ
フトさせる自動エンジンブレーキ制御手段とを備えた自
動変速機の制御装置において、(e)前記自動エンジン
ブレーキ制御手段によるダウンシフトの場合には、その
変速時に前記油圧式摩擦係合装置に作用させられる係合
過渡油圧を、前記マニュアル変速手段によるダウンシフ
トの場合に比べて低圧とする油圧制御手段を設けたこと
を特徴とする。
【0007】
【作用および発明の効果】このような自動変速機の制御
装置においては、油圧制御手段により、自動エンジンブ
レーキ制御手段によるダウンシフトの場合には、その変
速時に油圧式摩擦係合装置に作用させられる係合過渡油
圧が、マニュアル変速手段によるダウンシフトの場合に
比べて低圧とされるため、エンジンブレーキ作動低速段
を成立させる油圧式摩擦係合装置が比較的緩やかに係合
させられる。これにより、自動エンジンブレーキ制御手
段によるダウンシフト時の変速ショックが低減され、走
行フィーリングが向上する。
【0008】一方、このように係合過渡油圧が低圧とさ
れると、変速段の切換りに要する変速時間が長くなる
が、運転者の意志とは無関係に行われる自動エンジンブ
レーキ制御では、マニュアル操作によるダウンシフトの
ような高い応答性は要求されないため、変速時間が多少
長くなっても運転者に違和感を生じさせることはない。
なお、ダウンシフト時にスロットル弁を開き制御するな
どしてエンジン出力を増大させれば、係合過渡油圧が低
くても変速時間を短くすることが可能で、変速時間増大
に起因する油圧式摩擦係合装置の寿命低下を回避でき
る。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0010】図2において、ガソリンエンジン10の燃
焼室12内には、エアクリーナ14,エアフローメータ
16,吸気通路18,スロットル弁20,バイパス通路
22,サージタンク24,インテークマニホルド26,
および吸気弁28を介して空気が吸入されるとともに、
その空気には、インテークマニホルド26に設けられた
燃料噴射弁30から噴射される燃料ガスが混合されるよ
うになっている。エアフローメータ16は吸入空気量を
測定するもので、その吸入空気量を表す信号をエンジン
制御用コンピュータ32に出力する。スロットル弁20
はエンジン10に吸入される空気量を連続的に変化させ
るもので、スロットル制御用コンピュータ35から供給
されるスロットル制御信号DTAに従ってスロットル弁
開度θが制御されるようになっているとともに、そのス
ロットル弁20にはスロットルポジションセンサ36が
設けられて、スロットル弁開度θを表すスロットル弁開
度信号Sθをエンジン制御用コンピュータ32、トラン
スミッション制御用コンピュータ34、およびスロット
ル制御用コンピュータ35に出力する。スロットルポジ
ションセンサ36はアイドルスイッチ機能を備えてお
り、スロットル弁20が略全閉となったこと(θ=θi
)を表すアイドル信号Sθi を上記スロットル弁開度
信号Sθと共に各コンピュータ32,34,35に出力
する。バイパス通路22はスロットル弁20と並列に配
設されているとともに、そのバイパス通路22にはアイ
ドル回転数制御弁38が設けられており、エンジン制御
用コンピュータ32によってアイドル回転数制御弁38
の開度が制御されることにより、スロットル弁20をバ
イパスして流れる空気量が調整されてアイドル時のエン
ジン回転数が制御される。燃料噴射弁30も、エンジン
制御用コンピュータ32によってその噴射タイミングや
噴射量が制御される。なお、上記エアフローメータ16
の上流側には吸入空気の温度を測定する吸気温センサ4
0が設けられ、その吸気温を表す信号をエンジン制御用
コンピュータ32に出力する。
【0011】エンジン10は、吸気弁28,排気弁4
2,ピストン44,および点火プラグ46を備えて構成
されており、点火プラグ46は、エンジン制御用コンピ
ュータ32によって制御されるイグナイタ48からディ
ストリビュータ50を介して供給される高電圧によって
点火火花を発生し、燃焼室12内の混合ガスを爆発させ
てピストン44を上下動させることによりクランク軸を
回転させる。吸気弁28および排気弁42は、クランク
軸の回転に同期して回転駆動されるカムシャフトにより
開閉されるようになっているとともに、エンジン制御用
コンピュータ32によって制御される図示しない可変バ
ルブタイミング機構により、カムシャフトとクランク軸
との回転位相が変更されて開閉タイミングが調整される
ようになっている。そして、燃焼室12内で燃焼した排
気ガスは、排気弁42からエキゾーストマニホルド5
4,排気通路56,触媒装置58を経て大気に排出され
る。エンジン10にはエンジン冷却水温を測定する水温
センサ60が設けられており、そのエンジン冷却水温を
表す信号をエンジン制御用コンピュータ32に出力する
ようになっているとともに、エキゾーストマニホルド5
4には排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサ62
が設けられており、その酸素濃度を表す信号をエンジン
制御用コンピュータ32に出力する。また、ディストリ
ビュータ50にはクランク軸の回転に同期してパルスを
発生する回転角センサ51が設けられており、そのパル
ス信号すなわちエンジン回転速度NEを表すエンジン回
転速度信号SNEをエンジン制御用コンピュータ32お
よびトランスミッション制御用コンピュータ34に出力
する。
【0012】上記エンジン制御用コンピュータ32,ト
ランスミッション制御用コンピュータ34,スロットル
制御用コンピュータ35は、何れもCPU,RAM,R
OM,入出力インタフェース回路,A/Dコンバータ等
を備えて構成されており、RAMの一時記憶機能を利用
しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号
処理を行うもので、トランスミッション制御用コンピュ
ータ34には、上記各信号の他、パターンセレクトスイ
ッチ70から選択パターンを表すパターン信号SP、ブ
レーキランプスイッチ72からブレーキが踏込み操作さ
れたことを表すブレーキ信号SB、オーバードライブス
イッチ74からO/D変速段までの変速許可を表すO/
D信号SO、アクセル操作量センサ76からアクセルペ
ダルの操作量Acを表すアクセル操作量信号SAcがそ
れぞれ供給されるようになっている。アクセル操作量信
号SAcはエンジン制御用コンピュータ32およびスロ
ットル制御用コンピュータ35にも供給される。上記パ
ターンセレクトスイッチ70は、下り坂などで自動的に
エンジンブレーキを増大させる自動エンジンブレーキパ
ターンを少なくとも有するとともに、動力性能を重視し
た変速マップによって自動変速機78の変速制御を行う
パワーパターン、燃費を重視した変速マップによって変
速制御を行うエコノミーパターンなど、予め定められた
複数の走行パターンの中から運転者が好みの走行パター
ンを選択操作するものである。また、ブレーキランプス
イッチ72はブレーキペダルの近傍に配設され、ブレー
キペダルが踏込み操作されたか否かによってON,OF
Fが切り換えられるON−OFFスイッチ等により構成
されている。
【0013】自動変速機78は、例えば図3に示すよう
にトルクコンバータ110,第1変速機112,および
第2変速機114を備えて構成されている。トルクコン
バータ110のポンプ翼車は前記エンジン10のクラン
ク軸118に連結されており、タービン翼車は入力軸1
20を介して第1変速機112のキャリヤ122に連結
されている。第1変速機112は、サンギヤ124,リ
ングギヤ126,およびキャリヤ122に回転可能に配
設されてサンギヤ124,リングギヤ126と噛み合わ
されているプラネタリギヤ128から成る遊星歯車装置
を含んで構成されており、サンギヤ124とキャリヤ1
22との間にはクラッチC0 および一方向クラッチF0
が並列に設けられ、サンギヤ124とハウジング130
との間にはブレーキB0 が設けられている。
【0014】第2変速機114は、サンギヤ132,一
対のリングギヤ134,136,キャリヤ138に回転
可能に配設されてサンギヤ132,リングギヤ134と
噛み合わされているプラネタリギヤ140,およびキャ
リヤ142に回転可能に配設されてサンギヤ132,リ
ングギヤ136と噛み合わされているプラネタリギヤ1
44とから成る複合型の遊星歯車装置を含んで構成され
ており、リングギヤ136と前記第1変速機112のリ
ングギヤ126との間にはクラッチC1 が設けられ、サ
ンギヤ132とリングギヤ126との間にはクラッチC
2 が設けられ、サンギヤ132とハウジング130との
間にはブレーキB1 と、直列に配設された一方向クラッ
チF1 およびブレーキB2 とが並列に設けられ、キャリ
ヤ138とハウジング130との間にはブレーキB3
よび一方向クラッチF2 が並列に設けられている。ま
た、リングギヤ134およびキャリヤ142は出力軸1
46に一体的に連結されており、その出力軸146は差
動歯車装置等を介して駆動輪に連結されている。
【0015】上記クラッチC0 〜C2 およびブレーキB
0 〜B3 (以下、特に区別しない場合にはクラッチC,
ブレーキBという)は、多板式のクラッチやバンドブレ
ーキなど油圧アクチュエータによって係合制御される油
圧式摩擦係合装置であり、その油圧アクチュエータに
は、油圧制御回路150から作動油が供給されるように
なっている。油圧制御回路150は多数の切換バルブ等
を備えており、トランスミッション制御用コンピュータ
34からの信号に従ってソレノイドS1,S2,および
S3の励磁,非励磁がそれぞれ切り換えられることによ
り、油圧回路が切り換えられて上記クラッチCおよびブ
レーキBが選択的に係合制御され、図4に示されている
ように前進4段のうちの何れかの変速段が成立させられ
る。かかる図4におけるソレノイドの欄の「○」印は励
磁を意味し、クラッチおよびブレーキの欄の「○」印は
係合を意味する。
【0016】シフトポジションの「D」,「S」,
「L」は運転席のシフトレバー68(図2参照)の操作
レンジであり、「D(ドライブ)」レンジでは1stか
らO/Dまでの4段で変速制御が行われ、「S(セカン
ド)」レンジでは1stおよび2ndの2段で変速制御
が行われ、「L(ロー)」レンジでは1st変速段に固
定される。但し、「D」レンジでも前記オーバードライ
ブスイッチ74がOFF状態の場合には、1stから3
rdまでの3段で変速制御が行われる。変速比i(=入
力軸120の回転速度NT /出力軸146の回転速度N
O )は、1stで最も大きく、2nd,3rd,O/D
となるに従って小さくなり、3rdの変速比は1.0で
ある。また、「D」レンジでは、3rdおよびO/Dで
エンジンブレーキが作用し、1stおよび2ndでは一
方向クラッチF2 ,F1 の作用によりエンジンブレーキ
が効かないが、括弧書きで示されている(1st),
(2nd)では、それぞれソレノイドS3が励磁される
ことによりブレーキB3 ,B1 が係合させられてエンジ
ンブレーキが作用するようになる。「S」レンジの2n
dおよび「L」レンジの1stでもエンジンブレーキが
作用するようになっている。本実施例では上記3rdと
ソレノイドS3が励磁される2ndおよび1stがエン
ジンブレーキ作動低速段に相当する。
【0017】かかる自動変速機78には、一対の回転速
度センサ80および82が配設されている。回転速度セ
ンサ80は入力軸120すなわちトルクコンバータ11
0のタービン翼車の回転速度NT を検出するもので、回
転速度センサ82は出力軸146の回転速度NO を検出
するものであり、それぞれその回転速度NT ,NO に対
応した周期でパルスを発生するパルス信号、すなわち回
転速度信号SNT ,SNO をトランスミッション制御用
コンピュータ34に出力する。また、油圧制御回路15
0にはニュートラルスタートスイッチ84が配設されて
おり、シフトレバー68の操作によって切り換えられる
マニュアルシフトバルブの位置から前記「D」,
「S」,「L」,「R」等のシフトレンジを検出して、
そのシフトレンジを表すシフトレンジ信号SRをトラン
スミッション制御用コンピュータ34に出力する。油圧
制御回路150にはまた、作動油の油温(A/T油温)
THOを検出する油温センサ86が設けられ、そのA/
T油温THOを表す油温信号STHOをトランスミッシ
ョン制御用コンピュータ34に出力するようになってい
る。なお、上記制御用コンピュータ32,34,35間
では必要な情報が授受されるようになっている。
【0018】そして、上記エンジン制御用コンピュータ
32は、前記吸入空気量やスロットル弁開度θ,エンジ
ン回転速度NE,エンジン10の冷却水温度,吸入空気
温度,排気通路56内の酸素濃度,アクセル操作量Ac
などに応じて、例えば必要なエンジン出力を確保しつつ
燃費や有害排出ガスを低減するように予め定められたデ
ータマップや演算式などに基づいて、前記燃料噴射弁3
0による燃料ガスの噴射量や噴射タイミング、イグナイ
タ48による点火時期、アイドル回転数制御弁38によ
るアイドル回転数、および可変バルブタイミング機構に
よる吸排気弁28,42の開閉タイミングなどを制御す
る。
【0019】トランスミッション制御用コンピュータ3
4は、スロットル弁開度θ,エンジン回転速度NE,パ
ターン信号SPが表す選択パターン,ブレーキ信号SB
が表すブレーキ操作の有無,シフトレンジ信号SRが表
すシフトレンジ,O/D信号SOが表すO/D変速段へ
の変速の可否,アクセル操作量Ac,自動変速機78の
出力軸回転速度NO などに基づいて、ソレノイドS1,
S2,およびS3の励磁,非励磁をそれぞれ切り換える
ことにより自動変速機78の変速段を切換制御するとと
もに、その変速時に前記クラッチCやブレーキBの係合
過渡油圧を制御する。この油圧制御は、油圧制御回路1
50に備えられているライン油圧制御用リニアソレノイ
ドバルブ、前記クラッチC,ブレーキBのアキュムレー
タ背圧制御用リニアソレノイドバルブ、或いはエンジン
ブレーキ用のコーストモジュレータバルブ制御用リニア
ソレノイドバルブなど、変速時にクラッチCやブレーキ
Bの係合過渡油圧を制御できるリニアソレノイドバルブ
のソレノイドS4(図3参照)に供給する励磁電流の大
きさ、すなわちデューティ比を制御することによって行
われる。トランスミッション制御用コンピュータ34は
また、スロットル弁20のスロットル弁開度θをアクセ
ル操作量Acに応じて制御したり、アクセル操作量Ac
が零の場合にスロットル弁開度θを調整してエンジンブ
レーキ力を制御したりするため、スロットル制御用コン
ピュータ35にスロットル指令信号SQを出力するよう
になっている。スロットル制御用コンピュータ35は、
基本的に上記スロットル指令信号SQに従ってスロット
ル弁開度θを制御するためのスロットル制御信号DTA
を出力するようになっている。
【0020】以下、上記トランスミッション制御用コン
ピュータ34による変速制御およびスロットル制御につ
いて、図5および図6のフローチャートを参照しつつ具
体的に説明する。なお、かかる制御は、例えば8〜32
msec程度のサイクルタイムで繰り返し実行される。
【0021】図5のステップS1では、シフトレンジ信
号SRが表すシフトレンジが「D(ドライブ)」である
か否かを判断し、ステップS2では前記パターン信号S
Pが表す走行パターンが「自動エンジンブレーキパター
ン」であるか否かを判断し、ステップS3では前記回転
速度信号SNO が表す出力軸回転速度NO に対応する現
在の車速Vが予め定められた下限車速V1より大きいか
否かを判断し、ステップS4では現在の車速Vが予め定
められた上限車速V2以下か否かを判断し、ステップS
5ではアクセルがOFFすなわちアクセル操作量信号S
Acが表すアクセル操作量Acが略零か否か、具体的に
は検出誤差などを考慮して1.5%程度以下か否かを判
断する。上記下限車速V1および上限車速V2は、自動
でエンジンブレーキ力を増大させる特別な制御を行う車
速範囲を定めたもので、下限車速V1は例えば20km
/h程度に設定され、上限車速V2は例えば110km
/h程度に設定される。
【0022】そして、上記ステップS1〜S5のうち1
つでもNOの場合には、ステップS6において通常の変
速制御を行うとともに、ステップS7においてフラグF
1およびフラグF2をそれぞれ「0」とする。ステップ
S6の通常の変速制御は、図7に示すような変速マップ
から現在の変速段およびアクセル操作量Acに基づいて
シフトアップ車速Vuやシフトダウン車速Vdを求める
とともに、現在の車速Vと上記シフトアップ車速Vuや
シフトダウン車速Vdとを比較し、V>Vuであればア
ップシフトを行い、V≦Vdであればダウンシフトを行
う。上記変速判断は、シフトレバー68の操作レンジや
オーバードライブスイッチ74のON,OFFによって
定まる所定の変速範囲で行われ、ソレノイドS1,S
2,S3の励磁,非励磁を切り換えることによって変速
を実行する。なお、図7のシフトアップ車速Vu,シフ
トダウン車速Vdは、アクセル操作量Acが約40%で
現在の変速段が3rdの場合である。また、現在の変速
段は、ソレノイドS1,S2,S3を励磁する励磁信号
の出力状態から判断される。
【0023】続くステップS8では、アクセル操作量A
cに基づいて予め定められたマップまたは演算式からス
ロットル弁開度TA(Ac)を求め、そのスロットル弁
開度TA(Ac)を目標スロットル弁開度TAに設定す
るとともに、その目標スロットル弁開度TAを表すスロ
ットル指令信号SQをスロットル制御用コンピュータ3
5に出力する。スロットル制御用コンピュータ35は、
フィードバック制御等によりスロットル弁20の実際の
スロットル弁開度θを上記スロットル指令信号SQが表
す目標スロットル弁開度TA、すなわちTA(Ac)と
一致させるように、スロットル制御信号DTAをスロッ
トル弁20に出力する。
【0024】一方、前記ステップS1〜S5の条件を総
て満足する場合に実行するステップS9では、フラグF
1が「1」であるか否かを判断する。ステップS9が最
初に実行される時にはフラグF1が「0」であるため、
次にステップS10を実行してフラグF1を「1」とし
たあと、ステップS11を実行し、前記ステップS8と
同様にアクセル操作量Acに基づくスロットル弁開度T
A(Ac)を目標スロットル弁開度TAに設定する。ま
た、続くステップS12では、その時の車速Vを目標車
速Vmに設定する。ステップS10においてフラグF1
が「1」とされた以後のサイクルではステップS13が
実行され、目標車速Vmから予め定められた一定値Vf
を差し引いた車速(Vm−Vf)とその時の車速Vとを
比較する。V>(Vm−Vf)であれば図6のステップ
S14以下を実行するが、V≦(Vm−Vf)であれば
再び前記ステップS12を実行し、目標車速Vmをその
時の車速Vに変更した後ステップS14以下を実行す
る。上記一定値Vfは、ステップS19のスロットル弁
開度θのフィードバック制御による車速Vの変動を考慮
して、その変動によりステップS13の判断がNOとな
ることはないが、ブレーキの踏込み操作などによって車
速Vが比較的大きく低下した場合にはステップS12で
目標車速Vmが更新されるように定められている。
【0025】図6のステップS14では、前記ブレーキ
信号SBに基づいてブレーキが踏込み操作されているか
否かを判断し、ブレーキOFFすなわち踏込み操作され
ていない場合にはステップS15以下を実行する。ステ
ップS15ではブレーキ操作中を示すフラグF2が
「1」か否か、すなわちステップS14が肯定される前
にブレーキ操作がされていたか否かを判断する。フラグ
F2=1の場合には、ステップS16でフラグF2を
「0」とした後、ステップS17においてその時の車速
Vを目標車速Vmとする。ステップS15においてフラ
グF2が「1」でない場合には、ステップS18におい
てスロットル弁開度θが予め定められた判断値θ1以下
であるか否かを判断する。判断値θ1は1.5%程度以
下の小さな値で、スロットル弁20が略全閉であること
を表すアイドル信号Sθi によって判断するようにして
も良い。そして、θ>θ1の場合、すなわちスロットル
弁20を閉じることによりエンジンブレーキ力を増大さ
せることができる場合には、ステップS19を実行し、
目標車速Vmと現在の車速Vとの偏差に応じて、車速V
を目標車速Vmと略一致させるためのスロットル弁開度
TA1(%)を、よく知られたPID動作などのフィー
ドバック制御の演算式に従って算出し、スロットル弁開
度θをフィードバック制御する。
【0026】スロットル弁20が略全閉となり、上記ス
ロットル制御ではエンジンブレーキ力を増大させること
ができなくなると、前記ステップS18の判断はYES
となり、ステップS20において、エンジンブレーキ力
を増大させるためにエンジン10がオーバーランしない
ことを条件として現在の変速段からエンジンブレーキ作
動低速段(1stまたは2ndの場合はソレノイドS3
がON)へダウンシフトを行う。このステップS20
は、ステップS18の判断がYESの状態が所定時間、
或いは所定サイクル継続した場合に実行され、その間は
ステップS18に続いてステップS19を実行してい
る。次のステップS21においては、ダウンシフトする
変速の種類および現在の車速Vに基づいて、ダウンシフ
トの変速の前後において略同じ駆動力が得られるスロッ
トル弁開度TA2(%)を、例えば図8に示されている
ような予め定められたデータマップからマップ補間によ
り算出する。図8のデータマップは、予め実験的に求め
られた駆動力データに基づいて、ダウンシフト前の変速
段においてスロットル弁20が全閉の時の駆動力(この
場合には制動力として作用する)と同じか少し小さい駆
動力、言い換えればエンジンブレーキ力が同じか少し大
きくなる駆動力が、ダウンシフト後においても得られる
スロットル弁開度TA2(%)を、変速の種類および車
速毎に求めたものである。
【0027】一方、運転者が更に減速を希望してブレー
キが踏込み操作されるとステップS14の判断はNOと
なり、ステップS22を実行して制動時の変速制御を行
う。このステップS22では、エンジン10がオーバー
ランしない範囲で通常(図7に破線で示すダウンシフト
マップ)よりも高車速側でダウンシフトするように変速
の種類毎に予め定められたエンジンブレーキ時のダウン
シフトマップからエンジンブレーキ時のシフトダウン車
速Vedを求め、現在の車速Vと上記シフトダウン車速
Vedとを比較してダウンシフトを判断する。そして、
V≦Vedの場合には現在の変速段からエンジンブレー
キ作動低速段(1stまたは2ndの場合はソレノイド
S3がON)へダウンシフトを行う。以下、ステップS
23ではフラグF2を「1」にするとともに、ステップ
S24においては、前記ステップS8と同様にアクセル
操作量信号SAcが表すアクセル操作量Acに基づいて
スロットル弁開度TA(Ac)を目標スロットル弁開度
TAに設定する。すなわち、アクセル操作量Acが零で
あることから目標スロットル弁開度TAを零とし、その
目標スロットル弁開度TAを表すスロットル指令信号S
Qをスロットル制御用コンピュータ35に出力すること
により、スロットル弁20を全閉としてエンジンブレー
キ力を増大させるのである。
【0028】次に、変速時における前記油圧制御回路1
50の油圧制御、すなわち自動変速機78の変速段を切
り換える際にクラッチCおよびブレーキBの各油圧式摩
擦係合装置に供給される係合過渡油圧の制御について説
明する。
【0029】図9は、この係合過渡油圧の制御を示すフ
ローチャートで、前記ステップS6,S20,またはS
22で変速段が切り換えられる場合に、その変速を表す
フラグなどに基づいて実行される。ステップSA1で
は、スロットル弁開度θおよび変速の種類を読み込み、
ステップSA2においてアクセルがOFF状態、すなわ
ちアクセル操作量信号SAcが表すアクセル操作量Ac
が略零か否かを判断する。アクセルOFFの場合には、
次のステップSA3において、変速の種類がエンジンブ
レーキ作動低速段へのダウンシフトであるか否かを判断
する。アップシフトやエンジンブレーキの作用しない低
速段へのダウンシフト(ソレノイドS3がOFFの2n
d,1stへのダウンシフト)である場合は否定される
が、そうでない場合はステップSA4を実行し、自動エ
ンジンブレーキ制御によるダウンシフト、すなわち前記
ステップS20によるダウンシフトか否かを判断する。
この判断は、例えばステップS20の実行を表すフラグ
などで行うことができる。
【0030】本実施例では、トランスミッション制御用
コンピュータ34による一連の信号処理のうちステップ
S20を実行する部分が自動エンジンブレーキ制御手段
に相当し、ステップS1〜S5,S14,S18の判断
が何れもYESであることが自動エンジンブレーキ制御
条件である。なお、上記自動エンジンブレーキ制御によ
るダウンシフトの中に、ステップS22によるダウンシ
フトを含めることも可能で、その場合にはステップS2
2を実行する部分を含んで自動エンジンブレーキ制御手
段が構成される。
【0031】そして、上記ステップSA2〜SA4の何
れか1つでもNOの場合、すなわち前記ステップS20
の自動エンジンブレーキ制御によるダウンシフト以外の
変速時にはステップSA5で油圧制御を行い、ステップ
S20のダウンシフト時にはステップSA6で油圧制御
を行う。この油圧制御は、変速時におけるクラッチCや
ブレーキBの係合過渡油圧を制御するもので、前記ソレ
ノイドS4に供給する励磁電流のデューティ比を制御す
ることによって行われ、そのデューティ比が変速の種類
およびスロットル弁開度θをパラメータとして予めデー
タマップに設定されている。係合過渡油圧は、デューテ
ィ比が高い程低圧となるように制御される。
【0032】ステップSA5では、通常の自動変速かマ
ニュアル操作によるダウンシフトかに分けて予め設定さ
れた2種類のデータマップに従って油圧制御を行う。マ
ニュアル操作によるダウンシフトは、前記ステップS6
の通常の変速制御で行われるもので、「D」レンジでO
/D変速段の時に前記オーバードライブスイッチ74が
OFF操作された場合の「O/D→3rd」ダウンシフ
トや、「D」レンジから前記「S」レンジ,「L」レン
ジへ、或いは「S」レンジから「L」レンジへシフトレ
バー68が切り換えられた場合の「3rd→2nd」ダ
ウンシフト、「3rd→1st」ダウンシフト、「2n
d→1st」ダウンシフトなどであり、マニュアル操作
によるダウンシフトか通常の自動変速かはフラグなどで
判断できる。トランスミッション制御用コンピュータ3
4によって実行されるステップS6の通常の変速制御の
うち、上記マニュアル操作に従ってダウンシフトを行う
部分は、マニュアル変速手段に相当する。また、上記シ
フトレバー68およびオーバードライブスイッチ74は
マニュアル操作部材に相当する。
【0033】図10は通常の自動変速時、すなわちステ
ップS6による変速のうち上記マニュアル操作によるダ
ウンシフトを除いた変速、およびステップS22による
ダウンシフトの際に用いるデータマップで、図11はマ
ニュアル操作によるダウンシフト時に用いるデータマッ
プであり、何れもスロットル弁開度θが大きい程、すな
わちθ0 からθn に向かうに従ってデューティ比は小さ
くされ、係合過渡油圧が高くなるように定められてい
る。また、図10の通常の自動変速によるダウンシフト
時のデューティ比のうち、スロットル弁開度θが略全閉
のθ0 の時のデューティ比DO30 ,D320 ,・・は、大
きな変速ショックを生じさせることなくクラッチCやブ
レーキBを係合させる係合過渡油圧が得られるように、
図7のアクセル操作量Ac=0の時のシフトダウン車速
や変速比i等を考慮して設定されており、図11のマニ
ュアル操作によるダウンシフト時のデューティ比Dme
O30 ,Dme320 ,・・は、上記デューティ比DO30 ,D
320 ,・・と略同じか少し小さ目、すなわち係合過渡油
圧が少し高くなるように定められている。これは、マニ
ュアル操作によるダウンシフトは運転者の意志によるも
のであるため、運転者の意志と無関係で行われる通常の
自動変速時より高い変速応答性が望まれるとともに、多
少変速ショックが大きくなっても違和感を生じ難いから
である。
【0034】一方、ステップS20のダウンシフト時に
実行するステップSA6では、図12のデータマップに
従って油圧制御を行う。図12のスロットル弁開度θi
は、アイドル信号Sθi が供給される全閉状態を意味し
ており、前記図10,図11のデータマップにおけるス
ロットル弁開度θ0 は、スロットル弁開度θi の状態を
含んでいる。また、この場合のデューティ比DaeO3,D
ae32,Dae21は、図10,図11における同じ変速の種
類のデューティ比DO30 ,・・、DmeO30 ,・・に比較
して大きく、変速時の係合過渡油圧が低くされてクラッ
チCやブレーキBが緩やかに係合させられる。これは、
自動エンジンブレーキ制御によるダウンシフトは、図7
の変速マップによる通常の自動変速のダウンシフトより
高車速側で行われるため、それだけ変速に伴うエンジン
回転速度NEの変化幅が大きく、通常の自動変速時と同
じ係合過渡油圧では大きな変速ショックを生じるためで
あり、また、運転者の意志によりマニュアル操作でダウ
ンシフトする場合に比較して変速ショックを感じ易いた
めである。トランスミッション制御用コンピュータ34
による一連の信号処理のうち上記ステップSA6を実行
する部分は、ソレノイドS4と共に油圧制御手段を構成
している。
【0035】このように、本実施例ではステップS20
による自動エンジンブレーキ制御のダウンシフト時に
は、通常の自動変速時やマニュアル操作によるダウンシ
フト時に比べてクラッチCやブレーキBの係合過渡油圧
が低圧とされるため、変速ショックが軽減されて走行フ
ィーリングが向上する。また、ステップS20のダウン
シフト時には、ステップS21において変速前後のエン
ジンブレーキ力が略等しくなるようにスロットル弁20
が開き制御され、エンジン回転速度NEが速やかに上昇
させられるため、上記のように係合過渡油圧が低くても
短時間で変速が行われ、変速時間増大に起因するクラッ
チCやブレーキBの寿命低下が回避されるとともに、変
速ショックが一層効果的に低減される。
【0036】図13は、車速60km/hで「O/D→
3rd」ダウンシフトが、ステップS20の自動エンジ
ンブレーキ制御で実行された場合と、オーバードライブ
スイッチ74のOFFによるマニュアル操作で実行され
た場合とについて、出力軸トルクおよびエンジン回転速
度NEの変化を調べた結果を示すタイムチャートの一例
である。実線で示す自動エンジンブレーキ制御によるダ
ウンシフトの場合、破線で示すマニュアル操作のダウン
シフトに比較して、出力軸トルクの変動が少ないととも
にエンジン回転速度NEが滑らかに上昇させられ、変速
ショックが小さいことが判る。また、変速時間について
も殆ど差がない。
【0037】次に、本発明の他の実施例について図14
乃至図18を参照しつつ説明する。図14および図15
は、前記図5および図6のフローチャートにおけるステ
ップの一部が異なる態様である。図14においては、前
記ステップS9〜S13およびステップS7に替えてス
テップS30〜S33およびステップS34が設けられ
ており、図15においてはステップS19に替えてステ
ップS35が設けられている。図14のステップS1〜
S5の判断が何れもYESの場合にはステップS30を
実行し、フラグF3が「1」であるか否かを判断する。
当初はフラグF3が「0」であるためステップS31に
おいて基準加速度G1を設定する。この基準加速度G1
は、所定の下り勾配でスロットル弁開度θ=0の場合の
加速度であり、その時の車速Vおよび変速段をパラメー
タとして設定される。ステップS31を実行した後、或
いはフラグF3=1の場合にはステップS30に続いて
ステップS32を実行し、車両の加速度Gが上記基準加
速度G1以上であるか否かを判断する。
【0038】加速度Gは、例えば図16に示すフローチ
ャートに従って前記回転速度センサ82から出力される
回転速度信号SNO の1パルス毎に算出され、先ずステ
ップSG1ではその回転速度信号SNO のパルス周期T
i を算出し、次のステップSG2において前回のパルス
周期Ti-1 を読み込む。そして、ステップSG3では、
(Ti-1 −Ti )/Ti-1 に予め定められた係数fを掛
算して加速度Gを算出するとともに、ステップSG4で
今回のパルス周期Ti をTi-1 として記憶する。そし
て、この加速度Gが前記基準加速度G1以上の場合、す
なわち前記所定の下り勾配より傾斜が大きい場合には、
ステップS33でフラグF3を「1」にするとともに図
15のステップS14以下を実行する。
【0039】図15においては、ステップS14および
S18の判断が何れも肯定されるとステップS20,S
21を実行する一方、ステップS18の判断が否定され
るとステップS35を実行する。ステップS35では、
それまでの目標スロットル弁開度TAから予め定められ
た一定量ΔTAを減算して目標スロットル弁開度TAを
更新し、その新たな目標スロットル弁開度TAを表すス
ロットル指令信号SQをスロットル制御用コンピュータ
35に出力することにより、スロットル弁開度θが一定
量ΔTAだけ小さくなるようにスロットル弁20が制御
され、エンジンブレーキ力がその分だけ増大させられ
る。かかるステップS35のスロットル制御やステップ
S20のダウンシフトでエンジンブレーキ力が増大させ
られることにより、車速Vの増加が抑制され、加速度G
が基準加速度G1より小さくなると前記ステップS32
の判断がNOとなり、その時の変速段およびスロットル
弁開度θが維持される。
【0040】この実施例では、ステップS1〜S5,S
14,S18,S32の判断が何れもYESであること
が、ステップS20でダウンシフトを行うための自動エ
ンジンブレーキ制御条件である。また、この実施例でも
前記実施例と同様に、変速時には図9に示すフローチャ
ートに従って係合過渡油圧が制御される。
【0041】図17は、前記図14および図15のフロ
ーチャートにおけるステップS31およびS32に置き
換えて設けられるステップS36およびS37を示すも
のであり、基準走行抵抗係数S1と実際の走行抵抗係数
Sとを比較し、S≦S1であることを自動エンジンブレ
ーキ制御条件とした態様である。ステップS37の走行
抵抗係数Sは、例えば図18に示すステップSG5によ
り算出されるようになっており、このステップSG5
は、前記図16におけるステップSG3とステップSG
4との間に設けられて実行される。ステップSG5は、
前記加速度Gを平坦路においてスロットル弁開度θ=0
のときの基準加速度G2で除算した値を上記走行抵抗係
数Sとして算出するもので、基準加速度G2は空気抵抗
や転がり抵抗により負の値である一方、加速度Gは下り
勾配の傾斜が大きくなるに従って増大し、エンジンブレ
ーキを考慮すべき状況では正の値となるため、走行抵抗
係数Sは下り勾配の傾斜が大きくなる程小さくなる。上
記基準加速度G2は、車速Vおよび変速段をパラメータ
として予め設定されている。また、ステップS36で設
定される基準走行抵抗係数S1は、所定の下り勾配にお
ける走行抵抗係数、すなわち所定の下り勾配でスロット
ル弁開度θ=0のときの加速度Gを平坦路における基準
加速度G2で除算した値であり、車速Vおよび変速段を
パラメータとして設定されている。したがって、S≦S
1であれば上記所定の下り勾配より傾斜が大きいことを
意味し、その場合には自動エンジンブレーキ制御を開始
する。
【0042】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、本発明は他の態様で実施することもで
きる。
【0043】例えば、前記実施例では、自動エンジンブ
レーキ制御によるダウンシフト時の係合過渡油圧を制御
するデューティ比が図12のデータマップから求められ
ていたが、通常の自動変速時やマニュアル操作によるダ
ウンシフト時のデータマップを所定の演算式により補正
するようにしても良い。
【0044】また、前記実施例では、前進4段の変速段
を有する自動変速機78の場合について説明したが、変
速段の数や、自動エンジンブレーキ制御によるダウンシ
フトの種類は適宜変更され得、例えば前進5段以上の変
速段を有する場合には自動エンジンブレーキ制御で「5
→4」ダウンシフトを行うことも可能である。
【0045】また、前記実施例では、オーバードライブ
スイッチ74の操作によりO/D変速段への変速制限が
行われる場合であったが、オーバードライブスイッチを
備えておらず、シフトレバーによりO/D変速段への変
速制限が為される場合であっても良い。
【0046】また、前記実施例では、マニュアル操作に
よるダウンシフトがソレノイドS1,S2,S3の励
磁、非励磁の切換えにより電気的に行われるようになっ
ていたが、シフトレバー68の操作でマニュアルシフト
バルブが切り換えられることにより、油圧制御回路15
0を機械的に切り換えてダウンシフトさせるようにして
も良い。
【0047】また、前記実施例では、「D」レンジのみ
で自動エンジンブレーキ制御が実行されるようになって
いたが、「S」レンジでも自動エンジンブレーキ制御が
行われるようにすることも可能で、その場合にも本発明
は同様に適用され得る。
【0048】また、前記実施例では、アクセルOFF状
態であることの他に、自動エンジンブレーキ制御パター
ンであること、下限車速V1<車速V≦上限車速V2で
あること、「D」レンジであること、スロットル弁開度
θ≦θ1であること、加速度G≧基準加速度G1である
こと、走行抵抗係数S≦基準走行抵抗係数S1であるこ
とが、自動エンジンブレーキ制御を実行するための条件
として定められていたが、少なくともアクセルOFFを
判断することを含んでいればこれら以外の条件、例えば
加速度Gが予め定められた一定の基準加速度以上である
ことなどの条件が定められても良いし、上記の条件の何
れかを組み合わせたり省略したりしても良い。自動エン
ジンブレーキ制御を開始する条件と解除する条件とを別
々に設定することもできる。
【0049】また、前記実施例では、ステップSA2,
SA3,SA4により自動エンジンブレーキ制御による
ダウンシフトか否かを判断するようになっていたが、ス
テップSA4だけでも判断できる。
【0050】また、前記実施例では、ステップS20の
ダウンシフト時に変速前後の駆動力が略等しくなるよう
にスロットル制御を行っていたが、この場合のスロット
ル弁20の開き量は適宜定められるとともに、スロット
ル弁20が全閉のままでダウンシフトを行うようになっ
ていても良い。
【0051】また、前記第1実施例では、実際の車速V
と目標車速Vmとの偏差に応じてスロットル弁20をフ
ィードバック制御するようになっていたが、例えば車速
Vが目標車速Vmより大きいか小さいかによってスロッ
トル弁開度を所定量ずつ増減するようにしても良い。
【0052】また、前記第1実施例では、アクセルOF
F時やブレーキ解除時の車速Vがそのまま目標車速Vm
とされるようになっていたが、目標車速Vmは完全にそ
のような車速Vと一致させる必要はなく、測定誤差等を
考慮して上記車速Vに所定値を加算或いは減算するなど
して目標車速Vmが設定されるようにしても良いし、運
転者が任意に目標車速Vmを設定したり変更したりでき
るようにすることも可能である。
【0053】また、前記実施例では、ステップS19,
S21でスロットル制御が行われていたが、アイドル回
転数制御弁38を開いたりオルタネータ等のエンジン補
機を利用したりしてエンジン10の出力制御を行うこと
も可能である。
【0054】また、前記実施例では、スロットル弁開度
θが常にスロットル制御用コンピュータ35によって制
御される車両について説明したが、スロットル弁20が
アクセルペダルに機械的に連結されて開閉されるもの
や、アクセルOFF状態時にのみスロットル弁20を自
動で開閉制御する車両にも本発明は適用可能である。
【0055】また、前記実施例ではエンジン制御用コン
ピュータ32,トランスミッション制御用コンピュータ
34,およびスロットル制御用コンピュータ35が別体
に構成されていたが、それ等を単一のコンピュータにて
構成することも可能である。
【0056】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクレーム対応図である。
【図2】本発明の一実施例である自動変速機の制御装置
を備えた車両の自動変速機およびエンジン部分の構成を
説明する図である。
【図3】図2の自動変速機の構成を説明する図である。
【図4】図3の自動変速機の変速段とそれを成立させる
ためのソレノイドの励磁、クラッチおよびブレーキの係
合作動を示す図である。
【図5】図6と共に図2の自動変速機の変速制御および
スロットル制御の作動を説明するフローチャートであ
る。
【図6】図5のフローチャートの続きを示す図である。
【図7】図2の自動変速機の変速段を自動で切り換える
変速マップの一例である。
【図8】図6のステップS21においてスロットル弁開
度TA2を求める際に用いられるデータマップの一例で
ある。
【図9】図2の自動変速機の変速時に摩擦係合装置の係
合過渡油圧を制御する作動を説明するフローチャートで
ある。
【図10】図9のステップSA5において通常の自動変
速時に油圧制御する際のデューティ比を求めるデータマ
ップの一例である。
【図11】図9のステップSA5においてマニュアル操
作によるダウンシフト時に油圧制御する際のデューティ
比を求めるデータマップの一例である。
【図12】図9のステップSA6において自動エンジン
ブレーキ制御によるダウンシフト時に油圧制御する際の
デューティ比を求めるデータマップの一例である。
【図13】自動エンジンブレーキ制御によるダウンシフ
ト時の出力軸トルクおよびエンジン回転速度の変化をマ
ニュアル操作によるダウンシフト時と比較して示すタイ
ムチャートの一例である。
【図14】本発明の他の実施例を説明するためのもの
で、加速度Gに基づく条件を自動エンジンブレーキ制御
条件に加えた態様を図15と共に説明するフローチャー
トである。
【図15】図14のフローチャートの続きを示す図であ
る。
【図16】図14のステップS32で加速度Gを求める
際の具体的内容を説明するフローチャートの一例であ
る。
【図17】図14のステップS31およびS32に置き
換えて設けられるステップを示す図である。
【図18】図17のステップS37における走行抵抗係
数Sを求めるために図16のステップSG3とSG4と
の間に追加して設けられるステップを示す図である。
【符号の説明】
34:トランスミッション制御用コンピュータ 68:シフトレバー(マニュアル操作部材) 74:オーバードライブスイッチ(マニュアル操作部
材) 78:自動変速機 150:油圧制御回路 C0 ,C1 ,C2 :クラッチ(油圧式摩擦係合装置) B0 ,B1 ,B2 ,B3 :ブレーキ(油圧式摩擦係合装
置) ステップS1〜S5,S14,S18,S32,S3
7:自動エンジンブレーキ制御条件 ステップS20:自動エンジンブレーキ制御手段 ステップSA6:油圧制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星屋 一美 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−193436(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/04 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の油圧式摩擦係合装置が選択的に係合
    させられることによって複数の変速段が成立させられる
    自動変速機と、 前記複数の油圧式摩擦係合装置に係合油圧を選択的に作
    用させる油圧制御回路と、 マニュアル操作部材が運転者によって切換操作されるこ
    とにより、前記油圧制御回路を切り換えて前記自動変速
    機をエンジンブレーキ作動低速段へダウンシフトさせる
    マニュアル変速手段と、 少なくともアクセルがOFF状態であることを含む所定
    の自動エンジンブレーキ制御条件が成立した場合に、前
    記油圧制御回路を切り換えて前記自動変速機をエンジン
    ブレーキ作動低速段へダウンシフトさせる自動エンジン
    ブレーキ制御手段とを備えた自動変速機の制御装置にお
    いて、 前記自動エンジンブレーキ制御手段によるダウンシフト
    の場合には、該変速時に前記油圧式摩擦係合装置に作用
    させられる係合過渡油圧を、前記マニュアル変速手段に
    よるダウンシフトの場合に比べて低圧とする油圧制御手
    段を設けたことを特徴とする自動変速機の制御装置。
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