JP2835779B2 - 官能性末端を有するイソブチレン系ポリマーの製造法 - Google Patents

官能性末端を有するイソブチレン系ポリマーの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、官能性末端を有するイソブチレン系ポリマ
ーの製造法に関する。更に詳しくは、本発明は、イソブ
チレンを含有するカチオン重合性モノマーをカチオン重
合させるに際し、特定の開始剤及び金属ハロゲン化物の
存在下で反応させることにより、種々の官能性を有する
基が分子末端に存在するイソブチレン系ポリマーを製造
する方法に関する。
〔従来の技術・発明が解決しようとする課題〕
直鎖状の分子の両末端に水酸基等の官能性基を有する
ポリマーは、該官能性基を用いてポリマー間に結合を形
成させて硬化せしめられるものである。このようなポリ
マーは、テレケリックポリマーと呼ばれ、接着剤、シー
リング剤、コーティング剤等として用いられている。テ
レケリックポリマーの代表例としては分子末端に水酸基
を有するポリエーテルやポリエステル等を挙げることが
でき、これらのポリマーはポリイソシアネート化合物を
用いて硬化せしめられ得る。
このようなテレケリックポリマーの主鎖としてポリイ
ソブチレンを用いる末端官能性ポリマーが提案されてい
る(米国特許第4276394号明細書)。ポリイソブチレン
は元来耐候性、電気絶縁性や誘電特性等の電気特性及び
ガスバリヤー性等に優れており、従ってかかる末端官能
性ポリイソブチレンは種々の新しい用途に用いられるこ
とが期待されている。
前記米国特許第4276394号明細書には、末端官能性イ
ソブチレン系ポリマーは、開始剤及び触媒の存在下にイ
ソブチレンをカチオン重合させるイニファー法と呼ばれ
る方法により製造されることが開示されている。この
際、使用される開示剤は、多官能性開始剤であり、3級
カルボカチオンを生成し得る種々の化合物がイニファー
法で用いられ得ることが記載されている。
イニファー法で通常使用される多官能性開始剤は、3
級カルボカチオンの中でも特に安定であるクミル型のカ
ルボカチオンを生成し得る化合物、具体的には1,4−ビ
ス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン〔以下p−DCC
(p−ジクミルクロライド)と略す。〕のような化合物
に限定されているのが実情である。
しかしながら、このp−DCCを用いた系では、製造を
イメージした場合の現実的な温度である−30℃以上の温
度で重合反応をおこなった場合、インダニル基末端を持
つポリマーが副生するという問題が指摘されている〔Po
lym.Bull.vol3,No.6/7 339(1980)他〕。
インダニル基は、p−DCCにイソブチレン1分子が付
加した状態で環化反応をおこすことにより生成する。
即ち、p−DCCを用いた場合次に示す3種類のものが
生成するものである。
p−DCCには重合開始点が2点あるので、インダニル
基を全く持たないポリマー、インダニル基末端を1個持
つポリマー、及びインダニル基を2個持ったジインダニ
ル化合物が生成する。ジインダニル化合物は再沈等によ
り除くことができるが、インダニル基末端を1個持つポ
リマーを除去することはできないという問題がある。
そこで本発明者らは、重合開始点を1点しか持たない
開始剤を使用すれば、インダニル型の副生成物はポリマ
ーとはならず、容易に除去することができると考えた。
ところで、テレケリックなポリマーを得るためには開
始剤自身が重合活性点を持っていなければならないが、
一般に開始剤としては前記のようにイニファー法で3級
カルボカチオンを生成するp−DCC等が主として用いら
れている。1級や2級のカルボカチオンは3級カルボカ
チオンに比べて不安定だといわれている。即ち、ベンジ
ルクロライドや1−フェニルエチルクロライドの開始能
力が、クミルクロライドに比べて劣るのは、カルボカチ
オンが十分安定でないことによるものと言われている。
〔J.Polym.Sci.Polym.Chem.Ed.15巻,12号、2869(197
7)〕。
一般に、ベンジルクロライド系化合物や、1−フェニ
ルエチルクロライド系化合物は、イソブチレンの重合開
始剤としては適当ではない。
一方、クミルクロライド系の1点開始型開始剤につい
ては、p−ヒドロキシクミルクロライド がすでに報告されている〔Macromolecules,23巻、1238
(1990)〕。しかし、この化合物を開始剤として用いた
場合の有効性については何ら開示されていない。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、前記課題を解決するために、種々の官
能基を持った1点開始型の開始剤について鋭意検討を行
なった。その結果、例えば、 (R′はアルキル基、W′はハロゲン原子を示す)など
のハロゲン化ベンジル化合物のアルキル置換体では開始
剤としての機能を充分に果すことはできないが、芳香環
上に電子供与性の置換基R1O−(R1は水素原子又は1価
の有機基を示す)などを導入することにより、開始剤と
しての機能を有し、かつ種々の官能基を持った1点開始
型の開始剤となり得ることを見い出し、本発明を完成す
るに到った。
即ち、本発明者らは、前記のように従来開始剤として
用いるのが困難なベンジルクロライドや、1−フェニル
エチルクロライド等であっても、その芳香環上に電子供
与性の置換基を導入することによりカチオンを安定化で
きると考え、検討を行なった結果、アルコキシ基、水酸
基等の導入によりこれらの1級及び2級のクロライドが
有効な開始剤となることが明らかとなった。
1級及び2級の1点開始型開始剤を見い出したことに
より、新たに多くの有効な開始剤を得ることができた。
さらにベンジルクロライド系のものについては任意の芳
香族化合物のクロロメチル化により容易に得ることがで
きるというメリットがある。
さらに本発明者らは、種々のエンドキャップ剤を用い
た重合停止末端への官能基の導入反応について検討し
た。その結果、種々の官能基を持ったテレケリックなポ
リマーを得ることに成功した。
即ち、本発明の要旨は、 (1) 開始剤及び金属ハロゲン化物からなる触媒系を
使用してイソブチレンを含有するカチオン重合性モノマ
ーの重合反応を行ない、官能性末端を有するイソブチレ
ン系ポリマーを製造する方法において、前記開始剤とし
て一般式(I): 〔式中、R1は水素原子又は一価の有機基を、Wはハロゲ
ン原子、アルコキシ基、アセトキシ基又は水酸基を示
す。〕 で表される化合物を使用し、かつ前記金属ハロゲン化物
としてBX3、TiX4、SnX4及びSbX5(Xはハロゲン原子を
示す。)からなる群より選ばれた少なくとも一種を使用
することを特徴とする官能性末端を有するイソブチレン
系ポリマーの製造法、 (2) 開始剤及び金属ハロゲン化物からなる触媒系を
使用してイソブチレンを含有するカチオン重合性モノマ
ーの重合反応を行ない、官能性末端を有するイソブチレ
ン系ポリマーを製造する方法において、前記開始剤とし
て一般式(II): 〔式中、R1は水素原子又は一価の有機基を、R2は一価の
有機基を、Wはハロゲン原子、アルコキシ基、アセトキ
シ基又は水酸基を示す。〕 で表される化合物を使用し、かつ前記金属ハロゲン化物
としてBX3、TiX4、SnX4及びSbX5(Xはハロゲン原子を
示す。)からなる群より選ばれた少なくとも一種を使用
することを特徴とする官能性末端を有するイソブチレン
系ポリマーの製造法、 (3) 開始剤及び金属ハロゲン化物からなる触媒系を
使用してイソブチレンを含有するカチオン重合性モノマ
ーの重合反応を行ない、官能性末端を有するイソブチレ
ン系ポリマーを製造する方法において、前記開始剤とし
て一般式(III): 〔式中、R2、R3及びR4は一価の有機基を示し、R2、R3
びR4は同じでも異なっていてもよい。Wはハロゲン原
子、アルコキシ基、アセトキシ基又は水酸基を示す。〕 で表される化合物を使用し、かつ前記金属ハロゲン化物
としてBX3、TiX4、SnX4及びSbX5(Xはハロゲン原子を
示す。)からなる群より選ばれた少なくとも一種を使用
することを特徴とする官能性末端を有するイソブチレン
系ポリマーの製造法、 (4) 請求項(1)〜(3)記載の製造法において、
重合系中にエンドギャップ剤を添加することにより、重
合停止末端に官能基を導入することを特徴とする官能性
末端を有するイソブチレン系ポリマーの製造法、 に関する。
前記一般式(I)〜(III)で表される化合物におい
て、R1、R3としては、具体的には、 等の基を好ましく例示できる。
Wとしては、具体的には 等の基を好ましく例示できる。
このように、前記一般式(I)〜(III)で表わされ
る化合物としては、具体的には、 又はこれらの化合物の芳香環と結合している炭素原子
に結合しているCl基をBr基、I基、メトキシ基、エトキ
シ基、アセトキシ基、水酸基等に置き換えた化合物等を
好ましく例示できる。
これらの化合物は開始剤として使用される成分であ
り、その使用量により、得られるポリマーの分子量をコ
ントロールすることができる。本発明では、前記化合物
を、通常イソブチレンを含有するカチオン重合性モノマ
ーに対して0.01〜20重量%(以下単に「%」と記す)程
度、好ましくは0.1〜10%程度の割合で使用するのがよ
い。
0.01重量%よりも少ないとポリマーの分子量が大きく
なりすぎる。また、20重量%をこえて使用するとポリマ
ーの分子量が小さくなりすぎるので好ましくない。
また、本発明において金属ハロゲン化物としては、一
般式BX3、TiX4、SnX4及びSbX5で表される化合物(Xは
ハロゲン原子を示す。)が挙げられるが、この中でもBC
l3、TiCl4、SnCl4及びSbCl5が好ましく、特にTiCl4及び
SnCl4が好適である。
前記金属ハロゲン化物の使用量は、開始剤のモル数に
対し、0.001〜10倍程度が好ましく、0.1〜5倍程度がよ
り好ましい。
0.001倍よりも少ないとポリマーの収率が低下し、10
倍をこえて使用すると処理するべき廃水量が増えるので
好ましくない。
本明細書において、イソブチレンを含有するカチオン
重合性モノマーとは、イソブチレンのみからなるモノマ
ーに限定されるものではなく、イソブチレンの50%以下
をイソブチレンと共重合し得るカチオン重合性モノマー
で置換したモノマーを意味する。
イソブチレンと共重合し得るカチオン重合性モノマー
としては、例えば炭素数3〜12のオレフィン類、共役ジ
エン類、ビニルエーテル類、芳香族ビニル化合物類、ビ
ニルシラン類、アリルシラン類等が挙げられる。これら
の中でも炭素数3〜12のオレフィン類及び共役ジエン類
が好ましい。
前記イソブチレンと共重合し得るカチオン重合性モノ
マーの具体例としては、例えばプロピレン、1−ブテ
ン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル
−1−ブテン、ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、
ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、ブタジエン、イソプ
レン、シクロペンタジエン、メチルビニルエーテル、エ
チルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、スチ
レン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、モノク
ロロスチレン、ジクロロスチレン、β−ピネン、インデ
ン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシ
ラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメ
トキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジク
ロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメ
チルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジ
シロキサン、トリビニルメチルシラン、テトラビニルシ
ラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチルジクロロ
シラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルジメチル
メトキシシラン、アリルトリメチルシラン、ジアリルジ
クロロシラン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリルジ
メチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメ
チルジメトキシシラン等が挙げられる。これらの中で、
プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、スチレン、ブタ
ジエン、イソプレン、シクロペンタジエン等が好適であ
る。これらイソブチレンと共重合し得るカチオン重合性
モノマーは一種単独でイソブチレンと併用してもよい
し、2種以上で併用してもよい。
本発明において、重合溶媒としては、不活性溶媒であ
る限り従来公知のものを広く使用でき、その具体例とし
ては、例えばクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭
素、クロロエタン、塩化メチレン、1,1−ジクロロエタ
ン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、
1,1,2−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタ
ン、テトラクロロエチレン等の塩素化炭化水素化合物、
n−ヘキサン、ニトロエタン等のニトロ化合物等が挙げ
られる。これらは、一種単独で、又は2種以上混合して
使用され得る。
本発明の製造法を実施するに際しては、1つの容器に
溶媒、開始剤、金属ハロゲン化物等を仕込んだ後モノマ
ーを添加していくバッチ法でもよいし、あるいは溶媒、
モノマー、開始剤、金属ハロゲン化物等をある系内に連
続的に仕込みながら反応させ、更に取出される連続法で
もよい。
本発明の製造法において、重合温度としては、10〜−
130℃程度が好ましく、更に好ましくは−10〜−80℃程
度とするのがよく、重合時間は、通常0.0001〜60分程
度、好ましくは1〜30分程度である。また重合時のモノ
マー濃度としては、0.1〜8モル/程度が好ましく、
0.5〜5モル/程度がより好ましい。
本発明においてエンドギャップ剤とは、イソブチレン
系ポリマーの停止末端(下記イ、ロ又はハの構造を有す
る。)とのフリーデルクラフツ反応を起こし得る全ての
化合物をいう。
即ち、エンドキャップ剤は停止末端より生成する3級
カルボカチオンと反応し得る芳香族系化合物を示す。
エンドキャップ剤としては、通常フェノール類、フェ
ニルエーテル類、非共役ジエン類又はアルキルベンゼン
類が好ましく、具体的には、次のものが好適な例として
挙げられる。
停止末端とエンドギャップ剤とのフリーデルクラフツ
反応は、重合開始前あるいは重合終了後に、重合系中に
エンドキャップ剤を添加することにより行なわれ、これ
により停止末端に種々の官能基を導入することができ、
1ポットでテレケリックなイソブチレン系重合体を得る
ことができる。
重合体系中に添加するエンドキャップ剤の量は、通常
停止末端のモル数に対して0.5〜50倍であり、好ましく
は1〜20倍である。
1ポットで前記重合反応とフリーデルクラフツ反応を
行なう際の溶媒としては、塩化メチレン、四塩化炭素、
クロロホルム、1,1−ジクロロエタン、塩化エチル等の
ハロゲン化炭化水素、トルエン、クロロベンゼン等の芳
香族系化合物、ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベ
ンゼン等のニトロ化合物が好ましく、これらの溶媒は、
1種単独で使用してもよいし、2種以上混合して使用し
てもよい。
また、本発明においては、フリーデルクラフツ反応を
促進するために、種々のルイス酸あるいはプロトン酸を
添加することができる。
ルイス酸としては、AlCl3、SnCl4、TiCl4等が好まし
く、プロトン酸としてはH2SO4,CF3SO3H等が好ましい。
また、1ポットでテレケリックなイソブチレン系重合
体を製造する際には、重合反応を−60℃〜−10℃で行な
った後、フリーデルクラフツ反応を0〜40℃で行なうの
が好ましいが、重合条件によっては、−60〜−10℃で重
合反応を行なうと同時にフリーデルクラフツ反応を完結
させて、テレケリックなイソブチレン系重合体を得るこ
とも可能である。
通常、重合反応は1〜30分程度、フリーデルクラフツ
反応は0.5〜24時間程度行なうのが好ましい。
本発明において、前記カチオン重合性モノマーの重合
反応又は停止末端とエンドキャップ剤との反応の停止
は、特に限定されるものではなく、従来の慣用手段をい
ずれも適用することができる。本発明では、特にメタノ
ール等のアルコール類の添加により反応を停止させるの
が好ましい。
〔発明の効果〕
(1) 一般にベンジルクロライドや、1−フェニルエ
チルクロライドは、クミルクロライドと比較するとイソ
ブチレンの重合開始能力が劣ると言われている。しか
し、本発明者らは、芳香環のパラ位にアルコキシ基、水
酸基等の電子供与性基を導入することによりベンジルク
ロライド系化合物や、1−フェニルエチルクロライド系
の化合物が、有効な開始剤となることを明らかにした。
(2) 本発明の方法を用いることにより、インダニル
基末端を持つポリマーの生成を防ぐことが可能となっ
た。すなわちインダニル基が生成すると重合反応はおき
ず、インダニル化合物は容易に系から除去し得る。
このことにより、より末端官能化率の高い直鎖状のイ
ソブチレン系ポリマーを得ることが可能となった。
(3) 本発明の方法を用いることにより、アリル基、
メタリル基、水酸基、アクリル基、クロル基、シリル基
等の種々の官能基を持った開始剤を用いることが可能と
なった。
(4) 本発明の方法において、イソブチレン系ポリマ
ーの停止末端とエンドキャップ剤とのフリーデルクラフ
ツ反応を行なうことにより、停止末端に種々の官能基を
導入することが可能となった。したがって、本発明の方
法を用いることにより、両末端にアリル基、シリル基、
アクリル基等を持ったテレケリックなイソブチレン系ポ
リマーを得ることが可能となった。
(5) クミルクロライド系の化合物の芳香環に、アリ
ル基、シリル基、又はアクリル基端の置換基を新たに導
入し、これらの化合物が有効な開始剤であることを明ら
かにした。
すなわち、クミルクロライド系の1点開始型開始剤
を、バラエティに富んだものとすることに成功した。
〔実施例〕
以下に実施例を掲げて本発明をより一層明らかにする
が、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものでは
ない。
実施例1 200mlの耐圧ガラス製容器に、三方コックを取付け
て、真空ラインで真空に引きながら重合容器を100℃で
1時間加熱することにより乾燥させ、室温まで冷却後、
三方コックを用いて窒素で常圧に戻した。
その後、三方コックの一方から窒素を流しながら、注
射器を用いてオートクレーブに水素化カルシウム処理に
より乾燥させた重合溶媒である塩化メチレン40mlを導入
した。
更に、p−メトキシベンジルクロライド2ミリモルを
注射器を用いて添加した。
次に、酸化バリウムを充填したカラムを通過させるこ
とにより脱水したイソブチレンが5g入っているニードル
バルブ付耐圧ガラス製液化ガス採取管を三方コックに接
続した後、容器本体を−70℃のドライアイス−アセトン
浴に浸漬し、重合容器内部を攪拌しながら1時間冷却し
た。冷却後、真空ラインにより内部を減圧にした後、ニ
ードルバルブを開け、イソブチレンを耐圧ガラス製液化
ガス採取管から重合容器に導入した。その後、三方コッ
クの一方から窒素を流すことにより常圧に戻し、−30℃
のドライアイス−アセトン浴に浸漬することにより、容
器内の温度を−30℃とした。
次に四塩化スズ10ミリモルを、塩化メチレン20mlで希
釈した溶液(−30℃)を注射器を用いて三方コックから
添加して重合を開始させ、60分経過した時点で、予め−
40℃以下に冷却しておいたメタノールを添加することに
より重合を停止させた。
重合停止後、重合溶液を100mlの飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液と共に振盪した後、有機層を水100mlで2回
洗浄した。有機層を10mlに濃縮し、300mlのアセトン中
にこれを攪拌しながら加えることによりポリマーを沈澱
分離させた。
このようにして得られたポリマーを80mlのn−ヘキサ
ンに溶解させ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過
し、n−ヘキサンを減圧留去することにより、イソブチ
レン系ポリマーを得た。
得られたポリマーの収量より収率を算出すると共に、
n及びw/nをGPC法により、また末端構造を1H−N
MR(300MHz)法により各構造に帰属するプロトンの共鳴
信号の強度を測定、比較することにより求めた。結果を
第1表に示す。
実施例2〜実施例8 p−メトキシベンジルクロライドの代わりに種々の構
造を持った開始剤を2ミリモル用いたこと以外は実施例
1と同様にしてポリマーを製造し評価した。用いた開始
剤及び、重合反応の結果を第1表に併せて示す。
実施例9 重合反応終了後、重合溶液中にアリルフェニルエーテ
ル10ミリモルを添加し、さらに室温で36時間攪拌した後
にメタノールを添加したこと以外は、実施例4と同様に
してポリマーを製造し、評価した。結果を第1表に併せ
て示す。
比較例1〜比較例2 p−メトキシベンジルクロライドの代わりにベンジル
クロライド又はp−メチルベンジルクロライドを2ミリ
モル用いたこと以外は実施例1と同様にしてポリマーを
製造し、評価した。用いた開始剤及び重合反応の結果を
第1表に併せて示す。
第1表の実施例1〜実施例8の結果より、種々の開始
剤から重合反応が進行することが明らかになった。ま
た、実施例9の結果より、テレケリックなポリマーを得
ることができることが明らかとなった。
さらに比較例1〜比較例2より、無置換あるいはアル
キル置換のベンジルクロライドは、開始剤としてはあま
り効率が良くないことを確認することができた。アルコ
キシまたは水酸基を導入することにより、初めてベンジ
ルクロライド系化合物が開始能力を持つに至ったといえ
る。
実施例10〜実施例12 四塩化スズの代わりに、種々のルイス酸を10ミリモル
用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポリマーを製
造し評価した。結果を第2表に示す。
第2表の結果より、p−メトキシベンジルクロライド
が、種々のルイス酸を用いた系での有効な開始剤となる
ことが明らかになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 4/06 - 4/26 C08F 10/10,110/10,210/10 C08F 2/38 CAS ONLINE

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】開始剤及び金属ハロゲン化物からなる触媒
    系を使用してイソブチレンを含有するカチオン重合性モ
    ノマーの重合反応を行ない、官能性末端を有するイソブ
    チレン系ポリマーを製造する方法において、前記開始剤
    として一般式(I): 〔式中、R1は水素原子又は一価の有機基を、Wはハロゲ
    ン原子、アルコキシ基、アセトキシ基又は水酸基を示
    す。〕 で表される化合物を使用し、かつ前記金属ハロゲン化物
    としてBX3、TiX4、SnX4及びSbX5(Xはハロゲン原子を
    示す。)からなる群より選ばれた少なくとも一種を使用
    することを特徴とする官能性末端を有するイソブチレン
    系ポリマーの製造法。
  2. 【請求項2】開始剤及び金属ハロゲン化物からなる触媒
    系を使用してイソブチレンを含有するカチオン重合性モ
    ノマーの重合反応を行ない、官能性末端を有するイソブ
    チレン系ポリマーを製造する方法において、前記開始剤
    として一般式(II): 〔式中、R1は水素原子又は一価の有機基を、R2は一価の
    有機基を、Wはハロゲン原子、アルコキシ基、アセトキ
    シ基又は水酸基を示す。〕 で表される化合物を使用し、かつ前記金属ハロゲン化物
    としてBX3、TiX4、SnX4及びSbX5(Xはハロゲン原子を
    示す。)からなる群より選ばれた少なくとも一種を使用
    することを特徴とする官能性末端を有するイソブチレン
    系ポリマーの製造法。
  3. 【請求項3】開始剤及び金属ハロゲン化物からなる触媒
    系を使用してイソブチレンを含有するカチオン重合性モ
    ノマーの重合反応を行ない、官能性末端を有するイソブ
    チレン系ポリマーを製造する方法において、前記開始剤
    として一般式(III): 〔式中、R2、R3及びR4は一価の有機基を示し、R2、R3
    びR4は同じでも異なっていてもよい。Wはハロゲン原
    子、アルコキシ基、アセトキシ基又は水酸基を示す。〕 で表される化合物を使用し、かつ前記金属ハロゲン化物
    としてBX3、TiX4、SnX4及びSbX5(Xはハロゲン原子を
    示す。)からなる群より選ばれた少なくとも一種を使用
    することを特徴とする官能性末端を有するイソブチレン
    系ポリマーの製造法。
  4. 【請求項4】請求項(1)〜(3)記載の製造法におい
    て、重合系中にエンドキャップ剤を添加することによ
    り、重合停止末端に官能基を導入することを特徴とする
    官能性末端を有するイソブチレン系ポリマーの製造法。
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