JP2696829B2 - 高屈折率コーテイング膜およびその製造方法 - Google Patents

高屈折率コーテイング膜およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、プラスチック,金属,セラミック,ガラス
等の基材の摩耗性を向上させる光学薄膜およびその製造
方法に関する。 更に詳しくは、プラスチック,金属,セラミック,ガ
ラス等の基材の表面にもうけることにより、耐擦傷性,
耐摩耗性,耐水性,耐薬品性,汚れ防止性,耐熱性,可
染性,耐候性を向上させ、また、基材との屈折率の相異
により導かれる光干渉を発生させるのに有効な高屈折率
コーティング膜およびその製造方法に関する。 〔従来の技術〕 従来、シリコン系のコーティング膜は、耐摩耗性,耐
熱性,耐候性にすぐれ、プラスチック,木材,金属の表
面に施すことにより、基材の特性向上に利用されてきて
おり、金属,プラスチック分野での産業分野での応用は
幅広いものである。この開示技術としては、例えば、米
国特許第3986997号等に記載されたコロイド状シリカと
メチルトリメトキシシランから導かれるハードコート或
いは、特公昭57−2735号等のコロイダルシリカとエポキ
シ系材料から導かれるハードコート、或いは、特公昭55
−29102号等に記載されたアルキルトリアルコキシシラ
ン,オルソオルガノシリケートから導かれるハードコー
ト等がある。 また、これらのハードコートの染色性,可撓性を増す
方法として、特開昭56−161475号同59−102964号,同59
−193969号,58−222160号には、ビス(アルコキシシリ
ル)化合物とコロイド状シリカおよび必要に応じ、シラ
ンカップリング剤よりなるコーティング組成物が開示さ
れている。 また、一方では、ゾルゲル法と呼ばれる方法による耐
摩耗性薄膜の形成も注目される。即ち、代表的な例とし
ては、金属アルコラートを、溶剤存在下、加水分解およ
び必要により予備縮重合させ、塗布後、加熱等により、
熱分解と縮重合を完結させ、非晶質膜を形成するもので
ある。これらの技術の開示例としては、例えば、表面,V
ol.19,No.8,430−437(1981)や、日本レオロジー学会
誌,Vol.14,9(1986)あるいは、Physic of Thin Films,
Vol.5,87−141(1969)やThin Solid Films,Vol.77,129
−139(1981)等がある。この方法の長所は、種々の熱
分解性、あるいは加水分解性金属材料を任意に混合する
ことが出来ることで、その結果として、屈折率を選べる
こと、特にガラスにくらべ高い屈折率の薄膜を得ること
が出来る。 一方、比較的低温で硬化し、プラスチック材料にも応
用出来る高屈折率薄膜用組成物では、開示技術が数少な
いが、屈折率が比較的高い事が予想されるアンチモンゾ
ルを用いたコーティング組成物が特開昭57−168922号
に、また、テトラアルキルジルコニウムを使用する例が
特開昭57−37301号に記載されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし、先述の例のうち、米国特許第3986997号,特
公昭57−2735号,同55−29102号,特開昭56−161475
号,同59−102964号,同59−193969号,同58−222160号
の例では、塗膜の屈折率はすべて、約1.5であり、一般
的な樹脂基材とほぼ同じ屈折率であり本発明における光
学機能膜として問題がある。 また、特開昭57−168922号,同57−37301号のものは
耐水性に劣りまた屈折率が充分高くないという問題点を
有する。 また、表面,Vol.19,No.8,430−437(1981)等に開示
されたゾル・ゲル法と呼ばれる方法では、膜形成に高温
を要し、プラスチック材料の熱変形や、金属基材の場
合、酸化をひきおこす等の問題がある。 そこで、本発明は、これらの問題点を解決するために
鋭意検討し得られたもので、その目的とするところは、
プラスチックあるいは金属等にも形成可能なように、低
温硬化可能であり、かつ、耐摩耗性,耐水性,耐薬品性
等にすぐれた膜において、屈折率が1.5から、1.95まで
任意に設定出来る塗膜を得るものである。 さらには、屈折率を任意に設定することにより容易に
反射防止膜や反射増加膜の形成に応用出来る塗膜を得る
ものである。 さらには、これらの機能を発現する高屈折率コーティ
ング膜の製造法を得るものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明の高屈折率コーティング膜は、 (1)下記Aを5〜90重量%、下記Bを95〜10重量%、
及び下記Cを0〜60重量%含有することを特徴とする。 A:粒径1〜50ミリミクロンの酸化セリウム微粒子。 B:一般式 O(3−a)/2RaSiXSiRaO(3−a)/2 (但し、式中、Rは、炭素数1ないし6の炭化水素基
を表わし、Xは、2ないし40の炭素原子を含む有機基を
表わし、aは、0ないし2の整数を表す。)で表される
単位を有する有機ケイ素化合物。 C:粒径1〜50ミリミクロンのシリカ微粒子。 また、本発明の高屈折率コーティング膜の製造方法
は、 (2)下記A、下記D及び下記Cを含有するコーティン
グ組成物、フローコントロール剤並びに触媒を少なくと
も1重量%の水を含む溶剤に溶解又は分散させてコーテ
ィング剤を製造するコーティング剤製造工程、 前記コーティング剤を基材に塗布するコーティング剤
塗布工程、及び 前記基材上に塗布されたコーティング剤を80〜200℃
の温度で硬化させるコーティング剤硬化工程、を有し、 下記Aを5〜90重量%、下記Bを95〜10重量%、及び
下記Cを0〜60重量%含有する高屈折率コーティング膜
を製造することを特徴とする。 A:粒径1〜50ミリミクロンの酸化セリウム微粒子。 B:一般式 O(3−a)/2RaSiXSiRaO(3−a)/2 (但し、式中、Rは、炭素数1ないし6の炭化水素基
を表わし、Xは、2ないし40の炭素原子を含む有機基を
表わし、aは、0ないし2の整数を表す。)で表される
単位を有する有機ケイ素化合物。 C:粒径1〜50ミリミクロンのシリカ微粒子。 D:一般式 Y(3-a)RaSiXSiRaY(3-a) (但し、式中、Yは、アルコキシル基、アルコキシア
ルコキシル基、アシル基、アルケノキシ基、アシルオキ
シ基、ハロゲン基及び水酸基からなる群より選ばれる脱
離基を表わし、Rは、炭素数1ないし6の炭化水素基を
表わし、Xは、2ないし40の炭素原子を含む有機基を表
わし、aは、0ないし2の整数を表す。)で表される有
機シラン化合物。 次に、コーティング組成物の構成を中心に本発明の高
屈折率コーティング膜およびその製造方法につき更に詳
しく述べる。 屈折率の調整に関しては、酸化セリウムのバルクの屈
折率が約2.2であり、シリカ微粒子あるいは一般式 であるビスシラン化合物は概ね1.5である為、酸化セリ
ウムとシリカ微粒子の組成比を主に変化させることによ
り、コーティング膜の屈折率は、1.50から1.95、実質的
に、1.55から1.85の領域で任意に設定出来る。屈折率
が、1.85以上では、膜の硬さ等、やや変化をきたし、1.
95以上の屈折率を引き出すことは不可能である。 ここで、Aである酸化セリウムは5〜90重量%が可能
な範囲で、5重量%以下では、屈折率調整の効果がな
く、また、90重量%以上では、膜が脆くなる。次に、B
であるビスシラン化合物は95〜10重量が適切であるが、
特にこの使用量は少なくする方がよい。Bが95重量%以
上では膜の硬さが低下し、10重量%以下となると膜の弾
力性が不充分となり剥れおちる。次に、Cであるシリカ
微粒子は、0〜60重量%が適切である。即ち、Cは無く
てもよいが、Aの酸化セリウム微粒子が少ない場合、狙
いの屈折率をさほど高くしない場合、屈折率を引き下げ
る為の勢選剤として添加する。従って、本発明の用途は
目的とする屈折率に対し、A,B,Cの組成比を上記範囲内
で変化させるものである。 本発明の酸化セリウムは、粒径が1〜50ミリミクロン
のものが用いられる。粒径が50ミリミクロン以上である
と膜中で酸化セリウム粒子とシラン系バインダの界面の
反射が可視域に及び、コーティング膜の透明性が損われ
る。また、1ミリミクロン以下ではコーティング膜の耐
水性が劣る傾向にあり、また、より過酷な硬化条件が必
要となる。 酸化セリウムは、一般には、二酸化セリウムの形で、
水あるいは溶剤に分散させたコロイド液が入手し易く、
操作も楽である。しかし、これに限定されず、例えば、
昨今、技術進展の著しい粉砕法あるいは、気相合成法等
により得られたものを分散媒中に均一に分散し用いるこ
とも可能と思われる。 また、シリカ微粒子も酸化セリウム微粒子と同様の理
由で、同様の形態のものを用いることができる。 次に、Bで述べるビスシラン化合物は、コーティング
液に用いる際の原料として、 一般式 で表わされるが、このXの具体例としては、−CH2−, −CH2CH2−,−CH2CH2CH2−, から選ばれる。ここでbは、1ないし4である。また、
Yは、メトキシ,エトキシ,プロポキシ等のアルコキシ
ル基,メトキシメトキシ基等のアルキシアルコキシ基,
クロロ,ブロモ等のハロゲン基や水素,イソプロペノキ
シ基等から選ばれるがこれらは、コーティング組成物調
合時に加水分解あるいは一部が脱水縮合されるため本質
的に、水あるいは触媒の存在下、脱離すれば条件を満た
すと考えられる。 また、ケイ素に直接、Rで示されるメチル,エチル基
等が結合したものも、柔軟性と弾力性を得るために添加
可能である。 これらは、溶液タイプのコーティング液を作成し基材
に塗布し、加熱硬化させてコーティング膜とすることが
一般的で有利である。このために、A,Cは、水または、
アルコール,有機溶剤等に分散させたゾルが望ましく、
適度な安定剤,分散剤等の添加も許容される。また、B
の原料も、溶液中、あるいは無溶剤下、水や酸性水等で
加水分解を行い、予め、脱離基を水酸基に変換しておく
事ができる。これらを混合し、適切な溶剤で希釈して用
いられる。溶剤としては、アルコール類やケトン,エス
テル等が有用である。 これら以外に、塗布性の向上の為の界面活性剤や、シ
ラノール縮重合を促進する為の触媒を添加することも有
用である。これらの例としては、例えば、特開昭56−99
263号等に記載されている酸,有機酸塩,配位化合物や
過塩素酸アンモニウム,過塩素酸マグネシウム等の過塩
素酸塩類,チタンアルコラートや、各種の塩類が挙げら
れる。 本発明の高屈折率コーティング膜の膜厚は、0.1〜30
ミクロンであることが好ましい。また、反射防止あるい
は反射増加膜として用いる場合には、多層膜の光学的な
設計膜厚とすることは云う迄もない。その塗布法として
は、周知の如く、スプレー法,ディピッグ法,スピンナ
ー法,フローコート法,ロールコート法,ハケ塗り法等
により塗布する。 また、A,B及びCのみで染色性が得られるが、更に染
色性を向上させる為に、エポキシ化合物や、ポリエチレ
ングリコール,多価アルコールや多価脂肪酸等を加える
こともできる。 この様にして得られたコーティング組成物は基材に塗
布後、風乾,熱硬化あるいは、活性エネルギー線照射に
よる硬化を行うが、好ましい条件は80℃〜200℃の温風
中にて、縮合反応させるとよい。特に耐熱性の劣る基材
の場合には、80℃〜150℃の間が望ましい。あるいは活
性エネルギー線として遠赤外レーザー等にて、数秒以内
の処理により熱損傷を低くおさえることも考えられる。 以上のようにして調合して得られるコーティング用組
成物は、各種光学用無機ガラスやポリカーボネートをは
じめとして、ポリスチレン,ポリメタクリレート,ポリ
塩化ビニル,ポリエチレンテレフタレート,CR−39
その他スチレンと核置換ハロゲン化ビスフエノール系モ
ノマーとの共重合体、或いはアリル樹脂等、透明なプラ
スチック材料に適用する事により、その効果を発揮す
る。 〔作用〕 本発明は、AおよびCという無機物微粒子と、Bであ
るビスシラン化合物系バインダを含むが、A,BおよびC
は単独では硬さ,耐摩耗性,耐水性,密着性が不充分で
ある。しかし、Aまたは、AおよびCを核として、この
表面あるいは周辺をBの反応基が縮重合し結合形成や埋
めこみの効果により特性が向上したものである。 更にまた、縮合反応基をすべて、シリコン系材料によ
る、Si−O−Si結合としたため、得られる膜の耐光性,
耐久性は向上し、より硬く、より耐薬品性のすぐれた膜
が得られることとなった。 更にまた、屈折率2.2の酸化セリウムと屈折率が約1.5
〜1.46のビシシラン化合物およびシリカ微粒子を混合す
ることにより、任意の高屈折率の膜を得ることができ
た。ここで目的とする屈折率は例えば次式で示される。ここでWAは、Aの重量%、(WB+WC)は、
BとCの合計の重量%、は空隙率を示す。この式に従
い、目的の屈折率を計算して用いる。 〔実施例〕 以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例
中の部は重量部を示す。 実施例1. (1)コーティング液の調合 マグネット式撹拌子を備えたガラス製フラスコ中へ、
水分散二酸化セリウムゾル(固型分30%,平均粒径5ミ
リミクロン)150部を加え、静かに撹拌を行いつつ、イ
ソプロピルアルコール,200部をゆっくり加えたのち、ビ
ス(トリメトキシシリル)エタン60部を徐々に加えた。
次に、0.1規定塩酸水40部を、30分かけて滴下した。つ
づいて、フローコントロール剤少量および酸化防止剤少
量を加えたのち、濾過を行いコーティング液とした。 (2)塗布および硬化 このようにして得られたコーティング液にプラズマ処
理によ、表面を活性化させたポリカーボネート製レンズ
を、浸漬し、ディッピッグ法により塗布を行った。この
時の引上げ速度は200mm/minであった。つぎに、5分間
風乾後、加熱炉にて、100℃で3時間、加熱硬化を行っ
た。このようにして得られたレンズは干渉縞もなく、透
明感のすぐれたものであった。 (3)評価方法と結果 (4)評価試験と結果 得られたレンズは、次に述べる方法で試験を行い評価
した。その結果を第1表に示す。 a) 耐擦傷性:0000スチールウール(商品名“ボン
スター”日本ボンスター(株)製品)を用い200gの荷重
で、1cm×3cm平方の試験ピースの表面を10往復摩擦し、
傷のついた程度を目視で次の段階に分けて評価した。 ランクA:上記範囲に全く傷がつかない。 ランクB:上記範囲内に1〜10本の傷がつく。 ランクC:上記範囲内に10〜約50本の傷がつく。 ランクD:無数の傷がついているが、平滑な表面が残って
いる。 ラングE:表面についた傷の為、表面の平滑さが損われ
る。 b) 耐薬品性;水,アルコール,灯油中に48時間浸漬
し、その表面状態を調べた。また耐酸,耐洗剤性は、0.
1N塩酸および5%キッチンハイター(花王石鹸(株)
製)水溶液に12時間浸漬し、表面状態を調べた。 c) 耐候性;キセノンランプによるフエードメーター
(スガ試験機(株)製)に200時間暴露した後の表面状
態を調べた。 d) 密着性;膜の密着性は、JISD−0202に準じてクロ
スカットテープ試験により行った。 即ち、ナイフを用い、試験片表面に1mm間隔に切れ目
を入れ、1mmのマス目を100個形成させる。次に、その上
へセロファン粘着テープ(商品名“セロテープ”ニチバ
ン(株)製品)を強くおしつけた後、表面から90゜方向
へ一気に引っぱり剥離したのち、膜の残っているマス目
をもって密着性指標とした。 e) 被染色性;分散染料を用い、80℃にて5分間染色
を行い、試験レンズの減光率を測定した。染色液は、1
の純水に、染色剤(商品名“セイコーブラックスグレ
ーD"セイコーエプソン(株)製)および染色助剤(商品
名“セイコープラックス染色助剤”セイコーエプソン
(株)製)を各2gづつ分散溶解させたものを用い、ま
た、減光率は、BPIフォトメーター(BPI Co.Ltd.製)
を用い20%以上の減光率を示した場合を良とした。 f) 屈折率;コーティング液を、シリコンウエハーに
塗布し、硬化後、エリプソメーターにて、塗膜の屈折率
および膜厚を測定した。 実施例2〜4,比較例1 実施例1において、水分散二酸化セリウムゾル150部
のかわりに二酸化セリウムゾル(固型分30%,平均粒径
5ミリミクロン,水性ゾル)および、シリカゾル(固型
分30%,平均粒径10ミリミクロン,水性ゾル)を第2表
の割合に混合すること以外は実施例1と同様に行い、種
々の屈折率の高屈折率コーティング膜を作成した。 特性評価をとりまとめて第1表に示す。 実施例5 実施例1において、ビス(トリメトキシシリル)エタ
ン60部のかわりにビス(メチルジメトキシリル)エタン
60部とエチレングリコールジグリシジルエーテル10部,
過塩素酸マグネシウム0.05部を加えること以外は、実施
例1と同様にしてコーティング液の調合を行った。 このコーティング液を、プラズマ処理を行ったポリス
チレン製パネルに塗布し、90℃で3時間硬化した。この
パネルは干渉縞の発生もなく良好な外観を呈した。 実施例6 反射防止膜の形成 (1)高屈折率コーティング液の調合 実施例1で得られた塗膜25部に、メチルセロソルブ75
部を加え、高屈折率コーティング液とした。 (2)低屈折率コーティング液の調合 比較例1で得られた塗膜25部,ポリエチレングリコー
ルジグリシジルエーテル 2部,メチルセロソルブ75
部,過塩素酸アンモニウム0.1部を加え、低屈折率コー
ティング液とした。 (3)反射防止レンズの形成 アルカリ処理により表面を活性化したポリジエチレン
グリコールジアルリカーボネート製レンズに、まず、高
屈折率コーティング液をスピンナー法にて塗布した。コ
ーティング条件は以下の通りである。 回転数 500rpmで15秒 回転数 3000rpmで40秒 つづいて、1000℃で30分間加熱を行い硬化したのち、
次に低屈折率コーティング液を、先の高屈折率コーティ
ング液と同様の手順により塗布した。 こののち、100℃で30分、更に130℃で2時間加熱を行
い、二層よりなる硬化膜を得た。 このレンズは強い緑の反射を示し、分光測定の結果、
可視域での平均反射率は、4%であり反射防止性を示し
た。尚、生地の反射率は8%であった。 実施例7〜8 実施例1において、ビス(トリメトキシシリル)エタ
ン60部のかわりに第3表に示すバインダ成分を用いるこ
と以外は実施例と同様に行い、高屈折率コーティング膜
を有するポリカーボネート製レンズを得た。これらの評
価を行ったところ、何れも良好な結果が得られた。 〔発明の効果〕 以上、詳述したように、本発明は、高屈折率を有し、
且つ、耐薬品性にすぐれた酸化セリウム微粒子と必要に
応じ加えたシリカ微粒子を、架橋性にすぐれ、また物理
的に化学的な安定なビスシラン化合物と組み合わせたも
のである。そして屈折率を、通常のプラスチック材料に
適した範囲に設定し、また或いは、反射防止膜用の高い
屈折率を得ることを可能とした。すなわち、高屈折率材
料として酸化セリウムを、また低屈折率材料としてシリ
カあるいはビスシラン化合物を本発明で述べた計算式に
よる分量となるよう混合することにより目的とする屈折
率を得るものである。 特に、蒸着法では材料により屈折率が限定されてしま
うのに対し、本発明では計算した狙いの屈折率を得るこ
とができるため、光学的多層膜用途に効果を発揮する。 更には、本発明のコーティング膜はプラスチックや金
属に密着性が優れるため、プラスチックレンズ,フイル
ム,パネル等の光学材料の反射防止膜,反射増加膜,保
護コートとして有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−31802(JP,A) 特開 昭60−262834(JP,A) 特開 昭60−262833(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.下記Aを5〜90重量%、下記Bを95〜10重量%、及
    び下記Cを0〜60重量%含有することを特徴とする高屈
    折率コーティング膜。 A:粒径1〜50ミリミクロンの酸化セリウム微粒子。 B:一般式 O(3−a)/2RaSiXSiRaO(3−a)/2 (但し、式中、Rは、炭素数1ないし6の炭化水素基を
    表わし、Xは、2ないし40の炭素原子を含む有機基を表
    わし、aは、0ないし2の整数を表す。)で表される単
    位を有する有機ケイ素化合物。 C:粒径1〜50ミリミクロンのシリカ微粒子。 2.下記A、下記D及び下記Cを含有するコーティング
    組成物、フローコントロール剤並びに触媒を少なくとも
    1重量%の水を含む溶剤に溶解又は分散させてコーティ
    ング剤を製造するコーティング剤製造工程、 前記コーティング剤を基材に塗布するコーティング剤塗
    布工程、及び 前記基材上に塗布されたコーティング剤を80〜200℃の
    温度で硬化させるコーティング剤硬化工程、を有し、 下記Aを5〜90重量%、下記Bを95〜10重量%、及び下
    記Cを0〜60重量%含有する高屈折率コーティング膜を
    製造することを特徴とする高屈折率コーティング膜の製
    造方法。 A:粒径1〜50ミリミクロンの酸化セリウム微粒子。 B:一般式 O(3−a)/2RaSiXSiRaO(3−a)/2 (但し、式中、Rは、炭素数1ないし6の炭化水素基を
    表わし、Xは、2ないし40の炭素原子を含む有機基を表
    わし、aは、0ないし2の整数を表す。)で表される単
    位を有する有機ケイ素化合物。 C:粒径1〜50ミリミクロンのシリカ微粒子。 D:一般式 Y(3-a)RaSiXSiRaY(3-a) (但し、式中、Yは、アルコキシル基、アルコキシアル
    コキシル基、アシル基、アルケノキシ基、アシルオキシ
    基、ハロゲン基及び水酸基からなる群より選ばれる脱離
    基を表わし、Rは、炭素数1ないし6の炭化水素基を表
    わし、Xは、2ないし40の炭素原子を含む有機基を表わ
    し、aは、0ないし2の整数を表す。)で表される有機
    シラン化合物。
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