JP2595635Y2 - 金属積層形ガスケット - Google Patents

金属積層形ガスケット

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JP2595635Y2 JP1992075469U JP7546992U JP2595635Y2 JP 2595635 Y2 JP2595635 Y2 JP 2595635Y2 JP 1992075469 U JP1992075469 U JP 1992075469U JP 7546992 U JP7546992 U JP 7546992U JP 2595635 Y2 JP2595635 Y2 JP 2595635Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、金属積層形ガスケット
に関するものであり、さらに詳しくは、内燃機関のシリ
ンダヘッドガスケットとして用いる金属積層形ガスケッ
トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関のシリンダブロックとシ
リンダヘッドとの間に装着される金属積層形のシリンダ
ヘッドガスケットとして、0.4mm以上の厚い金属板を
含む複数枚の金属板を積層し、燃焼室穴シール部におけ
る積層した金属板のうちの一方の外板の穴縁を折り返し
て、上記厚い金属板を含む他の金属板を挟み込み、その
部分に締め付け時の面圧を集中させるようにしたガスケ
ットは、すでに知られている。この場合、通常、上記外
板の折り返し部分が重ねられる部分において、適宜金属
板の穴縁を切除し、折り返し部の重なりによる積層厚さ
の過大化を抑止するための逃げ部が形成される。
【0003】このようなガスケットにおいて、燃焼室穴
シール部における上記折り返し部分の締め付けにより、
厚い金属板を上記逃げ部内に折曲させ、それによって締
め付け時の面圧を集中させようとすると、その厚い金属
板の折曲のために比較的大きな力を局所的に集中させる
ことになり、締め付け時の面圧に所要の分布をもたせる
ことが困難であるという問題がある。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】本考案の技術的課題
は、厚い金属板を含む複数枚の金属板を積層した上記金
属積層形ガスケットにおいて、燃焼室穴シール部におけ
る積層した金属板のうちの一方の外板の穴縁を折り返し
て他の金属板を挟み込み、その部分における一部の金属
板の穴縁を切除して、折り返し部の重なりによる積層厚
さの過大化を抑止するための逃げ部を形成し、それによ
って、締め付け時の面圧を上記外板の折り返し部分に集
中させるに際し、厚い金属板を上記逃げ部内に折曲させ
るために局所的に集中する力を緩和し、燃焼室穴シール
部の面圧分布を適度に設定することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本考案の金属積層形ガスケットは、厚い金属板を含
む複数の金属板を積層することにより形成し、燃焼室穴
シール部における積層した金属板のうちの一方の外板の
穴縁を折り返して、上記厚い金属板を含む他の金属板を
挟み込み、その部分に締め付け時の面圧を集中させるよ
うにしたガスケットにおいて、上記厚い金属板における
上記外板の折り返し部分が重ねられる側と反対側に位置
する金属板の穴縁を切除して、折り返し部の重なりによ
る積層厚さの過大化を抑止するための逃げ部を形成し、
上記厚い金属板上記折り返し部分が重ねられる部分
逃げ部側へ折曲することにより、締め付け時の面圧を調
整するための段状の折曲部を形成すると共に該折曲部
の段差T1と、上記逃げ部が形成された金属板の厚さT
2と、上記外板における折り返し部分の厚さT3との関
係を、T3≧T2>T1に設定したことを特徴とするも
のである。
【0006】
【作用】上記ガスケットにおいては、厚い金属板におけ
る上記外板の折り返し部分の重ねられる側と反対側に位
置する金属板の穴縁を切除して、折り返し部の重なりに
よる積層厚さの過大化を抑止するための逃げ部を形成
し、締め付け時の面圧を上記外板の折り返し部分に集中
させるに際し、上記厚い金属板上記折り返し部分の重
ねられる部分を逃げ部側へ折曲することにより、段状の
折曲部を予め形成しているので、ガスケットの締め付け
力により厚い金属板を折曲させる場合に比して、局所的
に集中する力が緩和されると共に、厚い金属板のバネ特
性を有効に利用して燃焼室穴シール部の適正な面圧を確
保することができ、しかもその面圧分布を適度に分散さ
せることができる。
【0007】
【実施例】図1ないし図3は、本考案に係る金属積層形
シリンダヘッドガスケットの実施例を示している。この
実施例のガスケットは、厚い金属板を含む複数枚の金属
板を積層することにより形成したもので、具体的には、
金属板により形成した外板1,2と、それらの間に包合
された中板3,4とを備え、特に、中板4は0.4mm以
上の厚い金属板により形成している。このガスケット
は、必要数の燃焼室穴11の他に、水穴12、及びオイ
ル穴13等からなる必要数の流体穴、並びにボルト穴1
4等を適宜設けると共に、それらの燃焼室穴11の内周
縁には燃焼室穴シール部21を設け、また流体穴の内周
縁に流体穴シール部を設けている。
【0008】上記燃焼室穴シール部21においては、図
2及び図3に詳細に示すように、積層した金属板のうち
の一方の外板1の穴縁を折り返し、この折り返し部分1
aによって他の金属板(外板2及び中板3,4)を挟み
込み、それによって、積層した金属板を全体的に止着し
ている。而して、上記厚い金属板(中板4)における上
記外板1の折り返し部分1aが重ねられる側と反対の側
に位置する金属板(中板3)は、折り返し部分1aが重
なる部分の穴縁を切除して、折り返し部の重なりによる
積層厚さの過大化を抑止するための逃げ部3aを形成し
ている。
【0009】また、上記中板4における上記折り返し部
分1aが重ねられる部分に、締め付け時の面圧を調整す
るための上記逃げ部3a側への段状(ハーフビード状)
の折曲部4aを形成している。この折曲部4aにおける
段差T1 は、ガスケットをシリンダブロックに装着して
複数の金属板を締め付けたときの面圧分布を調節するた
めのもので、中板3の厚さをT2 とし、外板1における
折り返し部分1aの厚さをT3 としたとき、T3 ≧T2
>T1になるように設定される。この段差T1 は、燃焼
室穴シール部21における面圧分布を考慮して適切な値
に設定されるものである。なお、上記外板1の折り返し
部には、燃焼室穴の内周に沿うワイヤリング10を内装
し、また外板2においては、中板3の逃げ部3aを設け
た板縁を跨ぐようにビード2aを設けている。
【0010】上記構成を有するガスケットにおいては、
厚い金属板によって構成された中板4における上記外板
1の折り返し部分1aが重ねられる側と反対の側に位置
する中板3の穴縁を切除して、折り返し部の重なりによ
る積層厚さの過大化を抑止するための逃げ部3aを形成
し、締め付け時の面圧を上記外板の折り返し部分1aに
集中させるに際し、上記中板4における折り返し部分1
aが重ねられる部分に逃げ部3a側への段状の折曲部4
aを予め形成している。そのため、ガスケットの締め付
け時に中板4を若干折曲させればよく、平板状の厚い金
属板を折曲させる場合に比して、局所的に集中する力が
緩和されると共に、燃焼室穴シール部21の面圧分布を
適度に分散させることができる。
【0011】
【考案の効果】以上に詳述したように、本考案によれ
ば、厚い金属板を含む複数枚の金属板を積層した上記金
属積層形ガスケットにおいて、燃焼室穴シール部におけ
る積層した金属板のうちの一方の外板の穴縁を折り返し
て他の金属板を挟み込み、その部分における一部の金属
板の穴縁を切除して、折り返し部の重なりによる積層厚
さの過大化を抑止するための逃げ部を形成し、それによ
って、締め付け時の面圧を上記外板の折り返し部分に集
中させるに際し、上記厚い金属板における上記折り返し
部分が重ねられる部分に、締め付け時の面圧を調整する
ための段状の折曲部を形成しているので、該折曲部を設
けていない場合のように、厚い金属板を上記逃げ部内に
折曲させるために局所的に力が集中するようなことがな
く、その力が緩和されると共に適度に分散され、それに
より厚い金属板のバネ特性を有効に利用して燃焼室穴シ
ール部の適正な面圧を確保することができ、しかも、上
記折曲部の折曲の程度によりその面圧分布を適度に設定
することができる。また、上記折曲部を設けてはいるが
実質的に平板状をなす厚い金属板が、上記面圧分布で逃
げ部側へ押圧される際のばね特性を利用するので、該金
属板にへたりが生じにくく、燃焼室穴シール部の耐久性
をも確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る金属積層形ガスケットの実施例を
示す部分平面図である。
【図2】図1におけるA−A位置での要部拡大断面図で
ある。
【図3】図1におけるB−B位置での要部拡大断面図で
ある。
【符号の説明】
1,2 外板、1a 折り返し部分、3,4 中板、3
a 逃げ部、4a 折曲部、11 燃焼室穴、21
燃焼室穴シール部、T1 折曲部の段差、T2 逃げ
部が形成された中板の厚さ、T3 外板における折り返
し部分の厚さ。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚い金属板を含む複数校の金属板を積層す
    ることにより形成し、燃焼室穴シール部における積層し
    た金属板のうちの一方の外板の穴縁を折り返して、上記
    厚い金属板を含む他の金属板を挟み込み、その部分に締
    め付け時の面圧を集中させるようにしたガスケットにお
    いて、 上記厚い金属板における上記外板の折り返し部分が重ね
    られる側と反対側に位置する金属板の穴縁を切除して、
    折り返し部の重なりによる積層厚さの過大化を抑止する
    ための逃げ部を形成し、 上記厚い金属板上記折り返し部分が重ねられる部分
    逃げ部側へ折曲することにより、締め付け時の面圧を調
    整するための段状の折曲部を形成すると共に上記折曲部の段差T1と、上記逃げ部が形成された金属
    板の厚さT2と、上記外板における折り返し部分の厚さ
    T3との関係を、 T3≧T2>T1 に設定した、 ことを特徴とする金属積層形ガスケット。
JP1992075469U 1992-10-06 1992-10-06 金属積層形ガスケット Expired - Lifetime JP2595635Y2 (ja)

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