JP2560448Y2 - 炊飯器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、鍋内に収容した米と水
を加熱して炊飯をする炊飯器に関する。

【０００２】

【従来の技術】図７に従来の炊飯器を示し、１が炊飯器
本体で、この炊飯器本体１の上端部に支持部として環状
の支持枠２が設けられている。炊飯器本体１内には、有
底筒状の内枠３が設けられ、この内枠３は上端縁にフラ
ンジ４を一体に有し、このフランジ４が前記支持枠２の
内周側の上面に係止され、またこの内枠３の下端部が係
止片５を介して炊飯器本体１に係止されている。

【０００３】内枠３の底部には熱源としての炊飯ヒータ
６およびこの炊飯ヒータ６を制御する温度センサ７が設
けられている。また内枠３内に炊飯用の鍋８が挿脱自在
に収納されている。そしてこの鍋８内に水洗いした所要
量の米と水を収容し、この米と水を前記炊飯ヒータ６で
加熱して炊飯をするものである。炊飯ヒータ６は、鍋８
の底面と内枠３の底面との間の空間部に、その鍋８の底
面と離間して設けられ、この炊飯ヒータ６による輻射熱
で鍋８が加熱される輻射加熱方式となっている。

【０００４】支持枠２の外周は炊飯器本体１の外面側に
露出し、この支持枠２の外周の一部に操作部９が設けら
れている。なお、１０は炊飯器本体１の上端部に回動可
能に枢着された蓋体、１１はこの蓋体１０の下面に取り
付けられ、鍋８の上端の開口部を開閉する内蓋、１２は
蓋体１０の上面に設けられたハンドルである。

【０００５】内枠３はアルミニウムなどの金属で形成さ
れ、この内枠３を支持した支持枠２は合成樹脂で形成さ
れている。内枠３は炊飯ヒータ６を備える関係で高温度
となる。特に、炊飯ヒータ６が鍋８の底面と内枠３の底
面との間の空間部にその鍋８と離間して配置している輻
射加熱式の構成においては、その輻射熱で内枠３が高温
となり、この熱が内枠３の上部のフランジ４に伝導し、
さらに内枠３のフランジ４には鍋８が載置して鍋８から
の熱が活発に伝導し、このため内枠３のフランジ４は相
当高温度の状態となる。したがってこの内枠３のフラン
ジ４と直接接触する支持枠２は充分な耐熱性を有するこ
とが必要で、このため支持枠２は６ナイロンなどの耐熱
性の優れる合成樹脂を用いて形成されている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、６ナイ
ロンなどの耐熱性に優れる合成樹脂は高価であり、また
その色調が限られ、望みの色調を選択することができな
い。このためこのような合成樹脂で支持枠２が形成され
ている従来においては、材料コストが嵩んで高価とな
り、また支持枠２の色調が限られるため、炊飯器本体１
や蓋体１１の色調もそのバランスの上から制限されてし
まい、炊飯器本体１や蓋体１１を種々の色調の望みのデ
ザインとすることが困難な難点がある。

【０００７】本考案はこのような点に着目してなされた
もので、その目的とするところは、材料コストを低減し
て安価に構成でき、かつ望みの色調のデザインの選定が
可能となる炊飯器を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本考案はこのような目的
を達成するために、熱源を備える金属製の内枠を、炊飯
器本体に設けられた支持枠で支持し、この内枠内に炊飯
用の鍋を収納して炊飯をするものにおいて、鍋の上部を
内枠の上部に載置してその鍋を内枠の内部に収納し、前
記支持枠に耐熱性に優れる合成樹脂で形成したスペーサ
ーを設け、このスペーサーを介して内枠と支持枠との間
に隙間を設けて内枠を支持し、前記スペーサーを支持枠
の周形状に沿う円弧状とし、前記鍋の底面と内枠の底面
との間に空間部を設け、この空間部内に鍋の底面と離間
して熱源を設けるようにしたものである。

【０００９】

【作用】内枠の熱はこの内枠と直接接触したスペーサー
に伝導するが、このスペーサーが耐熱性に優れる合成樹
脂で形成されているから、その熱に対して充分に耐えて
軟化したり変形するようなことがなく、またこのスペー
サーにより内枠から支持枠への熱伝導が確実に抑制さ
れ、したがって支持枠を耐熱性の低い合成樹脂で形成す
ることが可能となる。そして耐熱性の低い合成樹脂は安
価であるから、材料コストの低減を図れ、また耐熱性の
低い合成樹脂においては、その色調を種々幅広い範囲で
選ぶことができるから、支持枠の色調を炊飯器本体や蓋
体の色調とのバランスを考慮した種々の色調に選定して
望みのデザインの炊飯器を構成することが可能となる。
そして、耐熱性に優れる合成樹脂製のスペーサーが支持
枠の周形状に沿う円弧状に形成されているから、スペー
サーの支持枠に対する取り付けが安定し、その取り付け
の確実性が増す。

【００１０】

【実施例】以下、本考案の一実施例について図１ないし
図６を参照して説明する。なお、従来の構成と対応する
部分には同一の符号を付してその説明を省略する。

【００１１】支持枠２は耐熱性の低い安価なポリピロピ
レンなどの合成樹脂で形成されている。そしてこの支持
枠２の内周縁部の上面の均等的な例えば三箇所に、耐熱
性に優れる６ナイロンなどの合成樹脂で形成されたスペ
ーサー１５…が設けられている。

【００１２】これらスペーサー１５…は、支持枠２の内
周の周方向に沿う円弧状に形成され、支持枠２の内周縁
部の上面に形成された凹部１６…内に嵌着されている。
これらスペーサー１５…の高さの寸法は凹部１６…の深
さの寸法よりも僅かに大きく、したがってこれらスペー
サー１５…の上面は支持枠２の内周縁部の上面からその
上方に僅かに突出している。そしてこれらスペーサー１
５…の上面に、アルミニウムなどの金属で形成された内
枠３のフランジ４が係止され、これらスペーサー１５…
により内枠３と支持枠２との間に一定の隙間が確保さ
れ、その両者の直接の接触が避けられている。

【００１３】スペーサー１５…はそのほぼ中間部の上面
から支持枠２に亘って螺挿されたねじ１７…により支持
枠２に固定されている。またスペーサー１５…の下面の
両端寄りには突起２０，２０が一体に形成され、これら
突起２０，２０が前記凹部１６の底面に形成された凹溝
２１，２１に嵌合し、これによりスペーサー１５の両端
部の水平方向に対するずれ動きが防止されている。さら
にスペーサー１５の下面の両端寄りには、断面Ｌ状の係
合爪２３，２３が一体に突出形成され、これら係合爪２
３，２３が支持枠２の内周縁部の下面に係合し、この係
合によりスペーサー１５の両端部の上方への浮き上がり
が防止されている。

【００１４】このような構成においては、内枠３の熱が
この内枠３と直接接触したスペーサー１５…に伝導する
が、これらスペーサー１５…が耐熱性に優れる合成樹脂
で形成されているから、その熱に対して充分に耐えて軟
化したり変形するようなことがない。支持枠２は耐熱性
の低い合成樹脂で形成されているが、この支持枠２には
内枠３が直接接触せず、このため内枠３から支持枠２へ
の熱伝導が抑制され、したがって支持枠２が耐熱性の低
い合成樹脂であっても充分耐え得る。

【００１５】そして耐熱性の低い合成樹脂は安価であ
り、したがってこのような合成樹脂で支持枠２が形成さ
れている本考案の炊飯器においては、枠材料コストを低
減して安価に構成することができる。また耐熱性の低い
合成樹脂においては、その色調を種々幅広い範囲で選ぶ
ことができ、このため支持枠２の色調の制限が大幅に緩
和され、したがって支持枠２の色調を炊飯器本体１や蓋
体１１の色調とのバランスを考慮した種々の色調に選定
することができる。また、耐熱性に優れる合成樹脂製の
スペーサー１５…は、支持枠２の周形状に沿う円弧状に
形成されているから、これらスペーサー１５…の支持枠
２に対する取り付けが安定し、その取り付けの確実性が
増す。

【００１６】ところで、一般に炊飯器には 1.0リットル
炊き用と 1.5リットル炊き用とがあり、その仕様に応じ
て支持枠２の内径、内枠３の外径、鍋８の外径の各サイ
ズが異なり、 1.0リットル炊き用ではその各サイズが小
さく、 1.5リットル炊き用ではその各サイズが大きい。

【００１７】ここで、本実施例のスペーサー１５におい
ては、図２に示すように、その外側の曲率の半径Ｒ1
が、 1.0リットル炊き用の場合の支持枠２の内径に対応
する寸法で、その内側の曲率の半径Ｒ2 が、 1.5リット
ル炊き用の場合の内枠３の外径に対応する寸法に設定さ
れている。

【００１８】このようなスペーサー１５であると、この
スペーサー１５をその両者のサイズの炊飯器に共通して
使用することができる。すなわちスペーサー１５の外側
の半径Ｒ1 が小さいサイズの支持枠２を基準にしてその
寸法に対応するように形成されているから、その小さい
サイズの支持枠２への取り付けが可能であることは勿論
のこと、大きいサイズの支持枠２への取り付けも可能と
なる。そしてスペーサー１５の内側の半径Ｒ2 が大きい
サイズの内枠３の外径を基準にしてその寸法に対応する
ように形成されているから、このスペーサー１５が大き
なサイズの支持枠２に取り付けられた場合でも、小さい
サイズの支持枠２に取り付けられた場合のいずれでも、
その内周側には大きいサイズの内枠３でも、小さいサイ
ズの内枠３でも配置させることができ、したがってサイ
ズの異なる炊飯器に共通して使用することが可能とな
る。

【００１９】

【考案の効果】以上述べたように本考案によれば、スペ
ーサーのみを耐熱性に優れる合成樹脂で形成すればよ
く、支持枠の材料としては、耐熱性の低い安価で色調の
選択の制限が緩やかな合成樹脂を用いることができ、し
たがって材料コストを低減して安価な炊飯器を構成で
き、また支持枠の色調を望みの色調に合わせて望みのデ
ザインの炊飯器を構成することができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例による炊飯器の要部の断面
図。

【図２】その炊飯器に用いたスペーサーの平面図。

【図３】図２中のＡ−Ａ線に沿う断面図。

【図４】図２中のＢ−Ｂ線に沿う断面図。

【図５】その炊飯器に用いた支持枠の平面図。

【図６】その炊飯器の全体の断面図。

【図７】従来の炊飯器の断面図。

【符号の説明】

１…炊飯器本体 ２…支持枠 ３…内枠 ６…炊飯ヒータ（熱源） ８…鍋 １５…スペーサー。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 熱源を備える金属製の内枠を、炊飯器本
   体に設けられた支持枠で支持し、この内枠内に炊飯用の
   鍋を収納して炊飯をするものにおいて、鍋の上部を内枠の上部に載置してその鍋を内枠の内部に
   収納し、 前記支持枠に耐熱性に優れる合成樹脂で形成し
   たスペーサーを設け、このスペーサーを介して内枠と支
   持枠との間に隙間を設けて内枠を支持し、前記スペーサ
   ーを支持枠の周形状に沿う円弧状とし、前記鍋の底面と
   内枠の底面との間に空間部を設け、この空間部内に鍋の
   底面と離間して熱源を設けたことを特徴とする炊飯器。