JP2023532303A - Atr阻害剤およびその使用 - Google Patents
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Abstract
本開示は、ATRキナーゼの阻害剤として有用な新規化合物、ならびにこれらの化合物を含む医薬組成物およびこれらの化合物または医薬組成物の投与による処置の方法に関する。【選択図】なし
Description
本開示は、全般的に、ATR阻害剤として有用な新規化合物、ならびにこれらの化合物を含む医薬組成物およびこれらの化合物または医薬組成物の投与による処置の方法に関する。
ATR(FRAP関連タンパク質〔FRAP-Related protein〕1;FRP1、MEC1、SCKL、SECKL1としても知られる)プロテインキナーゼは、ゲノムの修復および維持ならびにその安定性に関与するタンパク質の、PI3-キナーゼ様キナーゼ(PIKK)ファミリーのメンバーである。それは複製細胞の生存能力に必須であり、S期の間に活性化されて、複製起点の発火を調節し、損傷された複製フォークを修復する。したがって、ATR阻害剤は、がん処置における効率よい方法である可能性を有する。
ATR阻害剤に関して進展があったが、当該技術分野には、ATRに対する阻害活性を有する改善された医薬を開発する強い必要性が依然として存在する。
本開示は、ATRプロテインキナーゼを阻害することが可能である、その立体異性体、薬学的に許容される塩、互変異性体、およびプロドラッグを含む化合物を提供する。がんなどの種々の疾患または障害の処置のためのそのような化合物の使用の方法も提供される。
一態様では、本開示は、式(I)を有する化合物:
(式中
環Aは、存在しないか、3~6員のシクロアルキル、5~6員のヘテロシクリル、または5~6員のヘテロアリールであり;
Vは、直接結合、カルボニル、または1つもしくは複数のRcにより任意選択で置換されているアルキルであり;
WおよびLは、各々独立して、直接結合、-O-、-S-、または-N(Ra)-であり;
R1は、アルキル、シアノ、-S(O)2CH3、または-S(O)(NH)CH3であり;
R2は、水素、ハロゲン、または1つもしくは複数のRbにより任意選択で置換されているアルキルであり;
環Bは
R5は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、およびハロアルキルからなる群から選択され;
Raは、水素またはアルキルであり;
Rbは、ヒドロキシルまたはハロゲンであり;
Rcは、ヒドロキシル、ハロゲン、またはアルキルであり;
nは、0、1、2、または3である)
を提供する。
一部の実施形態では、本開示は、式(II)または式(III)を有する化合物:
一部の実施形態では、本開示は、以下からなる群から選択される式を有する化合物:
Uは、OまたはNHであり;
Vは、直接結合、カルボニル、または1つもしくは複数のRcにより任意選択で置換されているアルキルであり;
WおよびLは、各々独立して、-N(Ra)-であり;
R1はアルキルであり;
R2は、水素、ハロゲン、または1つもしくは複数のRbにより置換されているアルキルであり;
R5は、水素またはアルキルであり;
Raは、水素またはアルキルであり;
Rbは、ヒドロキシルまたはハロゲンであり;かつ
Rcは、ヒドロキシル、ハロゲン、またはアルキルである)
を提供する。
一部の実施形態では、本開示は、式(V)を有する化合物:
(式中
環Aは、存在しないか、3~6員のシクロアルキル、5~6員のヘテロシクリル、または5~6員のヘテロアリールであり;
Qは、直接結合または1つもしくはまたは複数のRdにより任意選択で置換されているアルキルであり;
Lは、-O-、-S-、または-N(Ra)-であり;
環Bは
Raは、水素またはアルキルであり;
Rdは、ヒドロキシル、ハロゲン、またはアルキルであり;
R1は、シアノ、ヒドロキシル、ハロゲン、-S(O)2CH3、および-S(O)(NH)CH3からなる群から選択され;
R5は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、およびハロアルキルからなる群から選択され;
nは、0、1、2、または3である)
を提供する。
別の態様では、本開示は、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
さらなる態様では、本開示は、がんを処置する方法であって、有効量の本開示の化合物もしくはその薬学的に許容される塩または本開示の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。
さらなる態様では、本開示は、がんの予防または処置における医薬の製造における、本開示の化合物もしくはその薬学的に許容される塩または本開示の医薬組成物の使用を提供する。
さらなる態様では、本開示は、がんの処置における使用のための、本開示の化合物もしくはその薬学的に許容される塩または本開示の医薬組成物を提供する。
さらなる態様では、本開示は、それを必要とする対象におけるATRキナーゼを阻害する方法であって、有効量の本開示の化合物もしくはその薬学的に許容される塩または本開示の医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。
ここで、本開示の特定の実施形態が詳細に参照され、その例は添付の構造および式に示されている。本開示は列挙された実施形態と併せて説明されるが、それらが、本開示をそれらの実施形態に限定することを意図しないことが理解されるであろう。それどころか、本開示は、特許請求の範囲により定義されている本開示の範囲内に含まれ得る、すべての代替物、修正物、および均等物を包含するものとする。当業者は、本開示の実践において使用することができる、本明細書に記載のものに類似するかまたは均等な多数の方法および材料を認識するであろう。本開示は、記載されている方法および材料には決して限定されない。組み込まれた文献および類似の材料のうちの1つまたは複数が、非限定的に、定義された用語、用語の用法、記載される技術などを含む本出願と異なるか、または矛盾する場合、本出願が優先する。本開示に引用されるすべての文献、特許、特許出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
明確にするために、別々の実施形態の文脈において記載されている本開示のある特定の特性は、単一の実施形態において組合せで提供することができることも諒解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈において記載されている本開示の様々な特性も、別々にまたは任意の好適な部分的組合せで提供することができる。明細書および添付される特許請求の範囲に使用される通り、単数形「1つの〔a〕」、「1つの〔an〕」、および「前記〔the〕」が、文脈により別途明確に示されない限り、その複数形を含むことに留意すべきである。そのため、例えば、「化合物」への言及は、複数の化合物を含む。
定義
特定の官能基および化学用語の定義を、以下により詳細に記載する。本開示の目的のために、化学元素は、元素周期表、CAS版、Handbook of Chemistry and Physics、第75版内表紙に従って特定され、特定の官能基は、一般的に、それにおいて記載されているように定義される。加えて、有機化学、ならびに特定の官能部分および反応性の一般原則は、その各々の全体の内容が本明細書において参照により組み込まれる、Organic Chemistry,Thomas Sorrell、第2版、University Science Books,Sausalito、2006年;Smith and March March’s Advanced Organic Chemistry、第6版、John Wiley & Sons,Inc.、New York、2007年;Larock、Comprehensive Organic Transformations、第3版、VCH Publishers,Inc.、New York、2018年;Carruthers、Some Modern Methods of Organic Synthesis、第4版、Cambridge University Press、Cambridge、2004年に記載されている。
特定の官能基および化学用語の定義を、以下により詳細に記載する。本開示の目的のために、化学元素は、元素周期表、CAS版、Handbook of Chemistry and Physics、第75版内表紙に従って特定され、特定の官能基は、一般的に、それにおいて記載されているように定義される。加えて、有機化学、ならびに特定の官能部分および反応性の一般原則は、その各々の全体の内容が本明細書において参照により組み込まれる、Organic Chemistry,Thomas Sorrell、第2版、University Science Books,Sausalito、2006年;Smith and March March’s Advanced Organic Chemistry、第6版、John Wiley & Sons,Inc.、New York、2007年;Larock、Comprehensive Organic Transformations、第3版、VCH Publishers,Inc.、New York、2018年;Carruthers、Some Modern Methods of Organic Synthesis、第4版、Cambridge University Press、Cambridge、2004年に記載されている。
本開示の様々な場所で、連結置換基が記載されている。構造が明らかに連結基を要する場合、その基について列挙されたマーカッシュ変数が連結基であると理解される。例えば、構造が連結基を要し、その変数についてのマーカッシュ群の定義が「アルキル」と列挙する場合、「アルキル」が連結アルキレン基を示すことが理解される。
置換基への結合が、環中の2つの原子を結ぶ結合を横断するように示される場合、そのような置換基は、環中の任意の原子と結合することができる。置換基が、そのような置換基が所与の式の化合物の残りと結合する原子を示すことなく列挙される場合、そのような置換基は、そのような式中の任意の原子を介して結合することができる。置換基および/または可変要素の組合せが許容されるが、それはそのような組合せが安定な化合物を生じる場合のみである。
任意の変数(例えばRi)が、化合物の任意の成分または式中で1回を超えて生じる場合、各出現でのその定義は、他のすべての出現でのその定義とは独立している。よって、例えば、基が0~2個のRi部分と置換されているように示される場合、基は最大2つのRi部分と任意選択で置換され得、各出現でのRiは、Riの定義から独立して選択される。また、置換基および/または可変要素の組合せが許容されるが、それはそのような組合せが安定な化合物を生じる場合のみである。
本明細書において使用される場合、「Ci~j」という用語は、炭素原子数の範囲を示し、ここでiおよびjは整数であり、炭素原子数の範囲は端点(すなわちiおよびj)およびその間の各整数の点を含み、jはiよりも大きい。例えば、C1~6は、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子および6個の炭素原子を含む、1~6個の炭素原子の範囲を示す。一部の実施形態では、「C1~12」という用語は、1個~12個、特に1個~10個、特に1個~8個、特に1個~6個、特に1個~5個、特に1個~4個、特に1個~3個または特に1個~2個の炭素原子を示す。
本明細書において使用される場合、「アルキル」という用語は、別の用語の一部であろうと独立して使用されようと、以下に記載される1つまたは複数の置換基により、独立して、任意選択で置換され得る飽和の直鎖または分岐鎖炭化水素基を指す。「Ci~jアルキル」という用語は、i個~j個の炭素原子を有するアルキルを指す。一部の実施形態では、アルキル基は1個~10個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルキル基は1個~9個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルキル基は、1個~8個の炭素原子、1個~7個の炭素原子、1個~6個の炭素原子、1個~5個の炭素原子、1個~4個の炭素原子、1個~3個の炭素原子または1個~2個の炭素原子を含有する。「C1~10アルキル」の例には、限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルおよびデシルが挙げられる。「C1~6アルキル」の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-メチル-2-ブチル、3-メチル-2-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-1-ブチル、1-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル、3-メチル-3-ペンチル、2-メチル-3-ペンチル、2,3-ジメチル-2-ブチル、3,3-ジメチル-2-ブチル等である。
本明細書において使用される場合、「アルケニル」という用語は、別の用語の一部としてか、または独立して使用されるかのいずれかで、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有し、本明細書において記載されている1つまたは複数の置換基と任意選択で独立して置換されていてもよく、「シス」および「トランス」配向、または代わりに「E」および「Z」配向を有する基を含む、直鎖または分岐鎖の炭化水素基を指す。一部の実施形態では、アルケニル基は2個~12個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルケニル基は2個~11個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルケニル基は、2個~11個の炭素原子、2個~10個の炭素原子、2個~9個の炭素原子、2個~8個の炭素原子、2個~7個の炭素原子、2個~6個の炭素原子、2個~5個の炭素原子、2個~4個の炭素原子、2個~3個の炭素原子を含有し、一部の実施形態では、アルケニル基は2個の炭素原子を含有する。アルケニル基の例には、限定されるものではないが、エチレニル(ethylenyl)(またはビニル)、プロペニル(アリル)、ブテニル、ペンテニル、1-メチル-2ブテン-1-イル、5-ヘキセニル等が挙げられる。
本明細書において使用される場合、「アルキニル」という用語は、別の用語の一部としてか、または独立して使用されるかのいずれかで、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有し、本明細書において記載されている1つまたは複数の置換基と任意選択で独立して置換されていてもよい、直鎖または分岐鎖の炭化水素基を指す。一部の実施形態では、アルケニル基は2個~12個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルケニル基は2個~11個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルケニル基は、2個~11個の炭素原子、2個~10個の炭素原子、2個~9個の炭素原子、2個~8個の炭素原子、2個~7個の炭素原子、2個~6個の炭素原子、2個~5個の炭素原子、2個~4個の炭素原子、2個~3個の炭素原子を含有し、一部の実施形態では、アルキニル基は2個の炭素原子を含有する。アルキニル基の例には、限定されるものではないが、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル等が挙げられる。
本明細書において使用される場合、「シクロアルキル」という用語は、別の用語の一部であろうと独立して使用されようと、全環原子が炭素であり、少なくとも3つの環形成炭素原子を含む一価の非芳香族の飽和または部分不飽和の単環式および多環式環系を指す。一部の実施形態では、シクロアルキルは、3個~12個の環形成炭素原子、3個~10個の環形成炭素原子、3個~9個の環形成炭素原子、3個~8個の環形成炭素原子、3個~7個の環形成炭素原子、3個~6個の環形成炭素原子、3個~5個の環形成炭素原子、4個~12個の環形成炭素原子、4個~10個の環形成炭素原子、4個~9個の環形成炭素原子、4個~8個の環形成炭素原子、4個~7個の環形成炭素原子、4個~6個の環形成炭素原子、4個~5個の環形成炭素原子を含有し得る。シクロアルキル基は、飽和または部分的に不飽和であってもよい。シクロアルキル基は、置換されていてもよい。一部の実施形態では、シクロアルキル基は、飽和環状アルキル基であり得る。一部の実施形態では、シクロアルキル基は、その環系中に少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む部分不飽和環状アルキル基であり得る。一部の実施形態では、シクロアルキル基は、単環式でも多環式でもあり得る。単環式シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1-シクロペンタ-1-エニル、1-シクロペンタ-2-エニル、1-シクロペンタ-3-エニル、シクロヘキシル、1-シクロヘキサ-1-エニル、1-シクロヘキサ-2-エニル、1-シクロヘキサ-3-エニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシルおよびシクロドデシルが挙げられるが、これらに限定されない。多環式シクロアルキル基の例には、アダマンチル、ノルボルニル、フルオレニル、スピロ-ペンタジエニル、スピロ[3.6]-デカニル、ビシクロ[1,1,1]ペンテニル、ビシクロ[2,2,1]ヘプテニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において使用される場合、「シアノ」という用語は-CNを指す。
本明細書において使用される場合、「ハロゲン」という用語は、フッ素(またはフルオロ)、塩素(またはクロロ)、臭素(またはブロモ)およびヨウ素(またはヨード)から選択される原子を指す。
本明細書において使用される場合、「ハロアルキル」という用語は、上記で定義された1つまたは複数のハロゲンにより置換されている上記で定義されたアルキルを指す。ハロアルキルの例には、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1,2-ジフルオロエチル、3-ブロモ-2-フルオロプロピル、1,2-ジブロモエチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において使用される場合、「ヘテロ原子」という用語は、窒素、酸素、硫黄、またはリンを指し、窒素または硫黄のあらゆる酸化された形態および塩基性窒素のあらゆる四級化された形態(N-オキシドを含む)を含む。
本明細書において使用される場合、「ヘテロアリール」という用語は、別の用語の一部としてか、または独立して使用されるかのいずれかで、炭素原子に加えて1つまたは複数のヘテロ原子を有するアリール基を指す。ヘテロアリール基は単環式であり得る。単環ヘテロアリールの例には、限定されるものではないが、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾール、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、ベンゾフラニルおよびプテリジニルが挙げられる。ヘテロアリール基は、ヘテロ芳香族環が1つまたは複数のアリール、脂環式、またはヘテロシクリル環に縮合しており、結合の基または点がヘテロ芳香族環上にある多環式基も含む。多環式ヘテロアリールの例には、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリル、イソキノリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H-キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において使用される場合、「ヘテロシクリル」という用語は、1つまたは複数の環原子が、酸素、硫黄、窒素、リン等から独立して選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子が炭素であり、1つまたは複数の環原子が、1つまたは複数の置換基と任意選択で独立して置換されていてもよい、飽和または部分的に不飽和のカルボシクリル基を指す。一部の実施形態では、ヘテロシクリルは飽和ヘテロシクリルである。一部の実施形態では、ヘテロシクリルは、その環系中に1つまたは複数の二重結合を有する部分的に不飽和ヘテロシクリルである。一部の実施形態では、ヘテロシクリルは、炭素、窒素または硫黄の任意の酸化形態、および塩基性窒素の任意の四級化形態を含有してもよい。「ヘテロシクリル」は、ヘテロシクリル基が、飽和、部分的に不飽和または完全飽和の(すなわち芳香族)炭素環または複素環と縮合している基も含む。ヘテロシクリル基は、可能である場合、炭素結合していてもよく、または窒素結合していてもよい。一部の実施形態では、複素環は炭素結合している。一部の実施形態では、複素環は窒素結合している。例えば、ピロールに由来する基は、ピロール-1-イル(窒素結合)またはピロール-3-イル(炭素結合)であり得る。さらに、イミダゾールに由来する基は、イミダゾール-1-イル(窒素結合)またはイミダゾール-3-イル(炭素結合)であり得る。
一部の実施形態では、「3~12員のヘテロシクリル」という用語は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1個~3個のヘテロ原子を有する3~12員の飽和または部分的に不飽和の単環または多環複素環式環系を指す。縮合、スピロおよび架橋環系も、この定義の範囲内に含まれる。単環式ヘテロシクリルの例には、オキセタニル、1,1-ジオキソチエタニルピロリジル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ピロリル、フラニル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピペリジル、ピペラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、ピリドニル、ピリミドニル、ピラジノニル、ピリミドニル、ピリダゾニル、ピロリジニル、トリアジノニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。縮合ヘテロシクリルの例には、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、キノキサリニル、キノリジニル、キナゾリニル、アザインドリジニル、プテリジニル、クロメニル、イソクロメニル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、インダゾリル、プリニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェナントリジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジニル、[1,2,3]トリアゾロ[4,3-a]ピリジニル基などのフェニル縮合環またはピリジニル縮合環などが挙げられるが、これらに限定されない。スピロヘテロシクリルの例には、限定されるものではないが、スピロピラニル、スピロオキサジニル等が挙げられる。架橋ヘテロシクリルの例には、限定されるものではないが、モルファニル(morphanyl)、ヘキサメチレンテトラミニル(hexamethylenetetraminyl)、3-アザ-ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン、1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクタン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)等が挙げられる。
本明細書において使用される場合、「ヒドロキシル」という用語は、-OHを指す。
本明細書において使用される場合、「部分的に不飽和の」という用語は、少なくとも1つの二重または三重結合を含む基を指す。「部分的に不飽和の」という用語は、複数の不飽和の部位を有する環を包含することが意図されるが、芳香族(すなわち完全飽和の)部分を含むことは意図されない。
本明細書において使用される場合、「置換された」という用語は、「任意選択で」という用語が前にあろうとなかろうと、指定された部分の1つまたは複数の水素が、好適な置換基により置き換えられていることを意味する。「置換」または「と置換されている」は、そのような置換が、置換された原子の許可された原子価に従い、置換が、例えば転位、環化、脱離等による変形を自発的に受けない安定または化学的に実現可能な化合物を生じるという、暗黙の条件を含むことが理解されるであろう。特に断りのない限り、「任意選択で置換されている」基は、基の各置換可能な位置での好適な置換を有することができ、任意の所与の構造中の1つを超える位置が特定の基から選択された1つを超える置換基と置換され得る場合、置換基は、各位置で同じであっても異なっていてもよい。適切な場合、置換基はそれ自身置換されることができることが、当業者により理解されるであろう。「置換されていない」と具体的に示されない限り、本明細書における化学的部分への参照は置換されたバリアントを含むことを理解される。例えば、「アリール」基または部分への参照は、置換されたおよび置換されていないバリアントの両方を暗に含む。
化合物
本開示は、式(I)の新規な化合物およびその薬学的に許容される塩、化合物を製造する合成方法、それらを含む医薬組成物、ならびに開示された化合物の種々の使用を提供する。
本開示は、式(I)の新規な化合物およびその薬学的に許容される塩、化合物を製造する合成方法、それらを含む医薬組成物、ならびに開示された化合物の種々の使用を提供する。
一態様では、本開示は、式(I)を有する化合物:
(式中
環Aは、存在しないか、3~6員のシクロアルキル、5~6員のヘテロシクリル、または5~6員のヘテロアリールであり;
Vは、直接結合、カルボニル、または1つもしくは複数のRcにより任意選択で置換されているアルキルであり;
WおよびLは、各々独立して、直接結合、-O-、-S-、または-N(Ra)-であり;
R1は、アルキル、シアノ、-S(O)2CH3、または-S(O)(NH)CH3であり;
R2は、水素、ハロゲン、または1つもしくは複数のRbにより任意選択で置換されているアルキルであり;
環Bは
R5は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、およびハロアルキルからなる群から選択され;
Raは、水素またはアルキルであり;
Rbは、ヒドロキシルまたはハロゲンであり;
Rcは、ヒドロキシル、ハロゲン、またはアルキルであり;
nは、0、1、2、または3である)
を提供する。
一部の実施形態では、Vは直接結合である。
一部の実施形態では、Vはカルボニルである。
一部の実施形態では、Vは、1つまたは複数のRcにより任意選択で置換されているアルキルである。ある特定の実施形態では、Vは、C1~6アルキル、C1~5アルキル、C1~4アルキル、またはC1~3アルキルである。
一部の実施形態では、環Aは存在しない。
一部の実施形態では、環Aは3~6員のシクロアルキルである。
ある特定の実施形態では、環Aはシクロプロピルである。ある特定の実施形態では、環Aは
ある特定の実施形態では、環Aはシクロペンチルである。ある特定の実施形態では、環Aは
ある特定の実施形態では、環Aはシクロヘキシルである。ある特定の実施形態では、環Aは
一部の実施形態では、環Aは5~6員のヘテロシクリルである。
ある特定の実施形態では、環Aは、少なくとも1個の窒素原子を含む5員のヘテロシクリルである。ある特定の実施形態では、環Aは、少なくとも2個の窒素原子を含む5員のヘテロシクリルである。ある特定の実施形態では、環Aは、2個の窒素原子を含む5員のヘテロシクリルである。
一部の実施形態では、環Aはピラゾリルである。
ある特定の実施形態では、環Aは6員ヘテロシクリルである。
一部の実施形態では、環Aはテトラヒドロピラニルである。
一部の実施形態では、環Aは5~6員のヘテロアリールである。
ある特定の実施形態では、環Aは、少なくとも1個の窒素原子を含む5~6員のヘテロアリールである。
ある特定の実施形態では、環Aは、少なくとも1個の窒素原子を含む5員のヘテロアリールである。ある特定の実施形態では、環Aは、少なくとも1個の窒素原子およびO、N、またはSから選択されるさらなるヘテロ原子を含む5員のヘテロアリールである。ある特定の実施形態では、環Aは、チアゾリル、トリアゾリル、またはイソオキサゾリルである。
ある特定の実施形態では、環Aは、少なくとも1個の窒素原子を含む6員のヘテロアリールである。ある特定の実施形態では、環Aは、少なくとも1個の窒素原子およびO、N、またはSから選択されるさらなるヘテロ原子を含む6員のヘテロアリールである。ある特定の実施形態では、環Aはピリジルである。
一部の実施形態では、Wは直接結合である。
一部の実施形態では、Wは-N(Ra)-である。
ある特定の実施形態では、Wは-N(Ra)-であり、Raは水素である。
ある特定の実施形態では、Wは-N(Ra)-であり、Raはアルキルである。ある特定の実施形態では、Wは-N(Ra)-であり、RaはC1~3アルキルである。ある特定の実施形態では、Wは-N(Ra)-であり、Raはメチルである。
一部の実施形態では、環Aは、3~6員のシクロアルキル、5~6員のヘテロシクリル、または5~6員のヘテロアリールであり、Wは直接結合である。
一部の実施形態では、環Aは存在せず、Wは-N(Ra)-である。
一部の実施形態では、環Aは存在せず、Wは-N(Ra)-であり、Raは水素である。
ある特定の実施形態では、環Aは存在せず、Wは-N(Ra)-であり、Raはアルキルである。ある特定の実施形態では、環Aは存在せず、Wは-N(Ra)-であり、RaはC1~3アルキルである。ある特定の実施形態では、環Aは存在せず、Wは-N(Ra)-であり、Raはメチルである。
一部の実施形態では、環Aは存在せず、Wは直接結合である。
一部の実施形態では、R1はアルキルである。
一部の実施形態では、R1はC1~3アルキルである。
一部の実施形態では、R1はシアノである。
一部の実施形態では、R1はヒドロキシルである。
一部の実施形態では、R1は-S(O)2CH3でる。
一部の実施形態では、R1は-S(O)(NH)CH3である。
一部の実施形態では、環Aは存在せず、R1は、シアノまたは-S(O)2CH3である。
一部の実施形態では、環Aは、3~6員のシクロアルキル、5~6員のヘテロシクリル、または5~6員のヘテロアリールであり、R1は、アルキル、ヒドロキシル、-S(O)2CH3、または-S(O)(NH)CH3である。
一部の実施形態では、環Aは、シクロプロピル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、チアゾリル、ピリジル、またはイソオキサゾリルであり、R1は、-S(O)2CH3または-S(O)(NH)CH3である。
一部の実施形態では、環Aはシクロプロピルであり、R1は、-S(O)2CH3または-S(O)(NH)CH3である。一部の実施形態では、環Aは
ある特定の実施形態では、環Aはシクロプロピルであり、R1は、-S(O)2CH3または-S(O)(NH)CH3であり、nは1である。ある特定の実施形態では、環Aは
ある特定の実施形態では、環Aはシクロプロピルであり、Wは直接結合であり、R1は、-S(O)2CH3または-S(O)(NH)CH3であり、nは1である。ある特定の実施形態では、環Aは
一部の実施形態では、
一部の実施形態では、環Aはシクロペンチルであり、R1はシアノである。ある特定の実施形態では、環Aは
ある特定の実施形態では、環Aはシクロペンチルであり、Wは直接結合であり、R1はシアノであり、nは1である。ある特定の実施形態では、環Aは
一部の実施形態では、
一部の実施形態では、環Aはシクロヘキシルであり、R1はシアノである。ある特定の実施形態では、環Aは
ある特定の実施形態では、環Aはシクロペンチルであり、Wは直接結合であり、R1はシアノであり、nは1である。ある特定の実施形態では、環Aは
一部の実施形態では、
一部の実施形態では、環Aは5員のヘテロシクリルであり、R1はアルキルである。
一部の実施形態では、環Aは、ピラゾリル、イソオキサゾリル、またはトリアゾリルであり、R1はC1~3アルキルである。
一部の実施形態では、環Aは、ピラゾリル、イソオキサゾリル、またはトリアゾリルであり、R1はメチルである。ある特定の実施形態では、環Aは、ピラゾリル、イソオキサゾリル、またはトリアゾリルであり、R1はメチルであり、nは2である。
一部の実施形態では、環Aは、ピラゾリル、イソオキサゾリル、またはトリアゾリルであり、Wは直接結合であり、R1はメチルである。ある特定の実施形態では、環Aは、ピラゾリル、イソオキサゾリル、またはトリアゾリルであり、Wは直接結合であり、R1はメチルであり、nは2である。
一部の実施形態では、
一部の実施形態では、環Aは5~6員のヘテロアリールであり、R1は-S(O)2CH3である。
ある特定の実施形態では、環Aは、チアゾリルまたはピリジルであり、R1は-S(O)2CH3である。ある特定の実施形態では、環Aは、チアゾリルまたはピリジルであり、R1は-S(O)2CH3であり、nは1である。
ある特定の実施形態では、環Aは、チアゾリルまたはピリジルであり、Wは直接結合であり、R1は-S(O)2CH3である。ある特定の実施形態では、環Aは、チアゾリルまたはピリジルであり、Wは直接結合であり、R1は-S(O)2CH3であり、nは1である。
一部の実施形態では、
一部の実施形態では、Lは結合である。
一部の実施形態では、Lは-O-である。
一部の実施形態では、Lは-S-である。
一部の実施形態では、Lは-N(Ra)-である。
ある特定の実施形態では、Raは水素である。
ある特定の実施形態では、RaはC1~3アルキルである。
一部の実施形態では、環Bは
一部の実施形態では、Lは、-O-、-S-、または-N(Ra)-であり、環Bは
ある特定の実施形態では、Lは-O-であり、環Bは
ある特定の実施形態では、Lは-S-であり、環Bは
ある特定の実施形態では、Lは-N(Ra)-であり、Raは水素であり、環Bは
ある特定の実施形態では、Lは-N(Ra)-であり、Raは水素であり、環Bは
一部の実施形態では、R2は水素である。
一部の実施形態では、R2はハロゲンである。ある特定の実施形態では、R2は、フルオロ、クロロ、またはブロモである。ある特定の実施形態では、R2はフルオロである。
一部の実施形態では、R2は、1つまたは複数のRbにより置換されているアルキルである。ある特定の実施形態では、R2は、1つまたは複数のRbにより置換されているC1~3アルキルである。
一部の実施形態では、R2は、1つまたは複数のRbにより置換されているアルキルであり、Rbは、ヒドロキシルまたはフルオロである。ある特定の実施形態では、R2は、1つまたは複数のRbにより置換されているC1~3アルキルであり、Rbは、ヒドロキシルまたはフルオロである。
一部の実施形態では、R2は、-CH2OHまたは-CH2Fである。
一部の実施形態では、本開示は、式(II)または式(III)を有する化合物:
を提供する。
一部の実施形態では、本開示は、以下からなる群から選択される式を有する化合物:
(式中
Uは、OまたはNHであり;
Vは、直接結合、カルボニル、または1つもしくは複数のRcにより任意選択で置換されているアルキルであり;
WおよびLは、各々独立して、-O-、-S-、または-N(Ra)-であり;
R1はアルキルであり;
R2は、水素、ハロゲン、または1つもしくは複数のRbにより置換されているアルキルであり;
R3はハロゲンであり;
R5は、水素またはアルキルであり;
Raは、水素またはアルキルであり;
Rbは、ヒドロキシルまたはハロゲンであり;かつ
Rcは、ヒドロキシル、ハロゲン、またはアルキルである)
を提供する。
一部の実施形態では、本開示は、以下からなる群から選択される式を有する化合物:
さらなる態様では、本開示は、式(V)を有する化合物:
(式中
環Aは、存在しないか、3~6員のシクロアルキル、5~6員のヘテロシクリル、または5~6員のヘテロアリールであり;
Qは、直接結合または1つもしくはまたは複数のRdにより任意選択で置換されているアルキルであり;
Lは、-O-、-S-、または-N(Ra)-であり;
環Bは
Rdは、水素またはアルキルであり;
Rdは、ヒドロキシル、ハロゲン、またはアルキルであり;
R1は、シアノ、ヒドロキシル、ハロゲン、-S(O)2CH3、および-S(O)(NH)CH3からなる群から選択され;
R5は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、およびハロアルキルからなる群から選択され;
nは、0、1、2、または3である)
を提供する。
一部の実施形態では、Qは直接結合である。
一部の実施形態では、Qはアルキルである。ある特定の実施形態では、Qは、C1~6アルキル、C1~5アルキル、C1~4アルキル、またはC1~3アルキルである。
一部の実施形態では、環Aは3~6員のシクロアルキルである。ある特定の実施形態では、環Aはシクロプロピルである。ある特定の実施形態では、環Aは
一部の実施形態では、環Aは存在しない。
一部の実施形態では、環Aは5~6員のヘテロシクリルである。ある特定の実施形態では、環Aはテトラヒドロピラニルである。ある特定の実施形態では、環Aは
一部の実施形態では、Qはアルキルであり、環Aは存在しない。
一部の実施形態では、Qは直接結合であり、環Aは、3~6員のシクロアルキルまたは5~6員のヘテロシクリルである。
一部の実施形態では、R1は、-S(O)2CH3または-S(O)(NH)CH3である。
一部の実施形態では、R1は、シアノ、ヒドロキシル、またはハロゲンである。
一部の実施形態では、環Aは、存在しないか、3~6員のシクロアルキルまたは5~6員のヘテロシクリルであり、R1は、-S(O)2CH3または-S(O)(NH)CH3である。
一部の実施形態では、環Aは、存在しないか、または3~6員のシクロアルキルであり、R1は、シアノ、ヒドロキシル、またはハロゲンである。
一部の実施形態では、Lは-O-である。
一部の実施形態では、Lは-S-である。
一部の実施形態では、Lは-N(Ra)-であり、Raは水素である。
一部の実施形態では、環Bは
一部の実施形態では、R5は、水素またはアルキルである。
一部の実施形態では、本開示は、以下からなる群から選択される式を有する化合物:
例示的な本開示の化合物は、以下の表1に述べられている。
本明細書において提供されている化合物は、一般式および具体的な化合物の両方を参照して記載される。加えて、本開示の化合物は、すべて本開示の範囲内であるプロドラッグ、ソフトドラッグ、活性代謝誘導体(活性代謝物)、およびそれらの薬学的に許容される塩を含むがこれらに限定されない、いくつかの異なる形態または誘導体で存在し得る。
本明細書において使用される場合、「プロドラッグ」という用語は、生理学的条件下で代謝される場合または加溶媒分解により変換される場合に所望の活性化合物を生じる、化合物またはその薬学的に許容される塩を指す。プロドラッグには、制限なしに、活性化合物のエステル、アミド、カルバメート、カーボネート、ウレイド、溶媒和物または水和物が挙げられる。典型的に、プロドラッグは不活性であるか、または活性化合物よりも活性が低いが、1つまたは複数の有利な操作、投与および/または代謝特性を提供することができる。例えば、いくつかのプロドラッグは活性化合物のエステルであり、代謝の間、エステル基は切断されて活性な薬物を生じる。また、いくつかのプロドラッグは酵素的に活性化され、活性化合物、またはさらなる化学反応の際に活性化合物を生じる化合物を生じる。プロドラッグは、単一のステップでプロドラッグ形態から活性な形態になることがあり、またはこれら自体が活性を有し得るかもしくは不活性であり得る1つまたは複数の中間体形態を有することがある。プロドラッグの調製および使用は、そのすべてが全体を参照により本明細書に組み込まれる、T.Higuchi and V.Stella,“Pro-drugs as Novel Delivery Systems”,the A.C.S.Symposium Seriesの14巻に、Bioreversible Carriers in Drug Design,ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987に;Prodrugs:Challenges and Rewards,ed.V.Stella,R.Borchardt,M.Hageman,R.Oliyai,H.Maag,J.Tilley,Springer-Verlag New York,2007において議論されている。
本明細書において使用される場合、「ソフトドラッグ」という用語は、薬理作用を発揮するが、活性が限定された時間であるように分解して不活性代謝分解物になる化合物を指す。例えば、参照により本明細書に全体が本明細書に組み込まれる“Soft drugs:Principles and methods for the design of safe drugs”,Nicholas Bodor,Medicinal Research Reviews,Vol.4,No.4,449-469,1984を参照されたい。
本明細書において使用される場合、「代謝産物」、例えば活性代謝物という用語は、上記のようなプロドラッグと重複する。よって、そのような代謝産物は薬理学的に活性な化合物であるか、または、対象の身体内の代謝過程から生じる誘導体である薬理学に活性な化合物へとさらに代謝される化合物である。例えば、そのような代謝産物は、投与された化合物または塩またはプロドラッグの酸化、還元、加水分解、アミド化、脱アミド、エステル化、エステル分解、酵素切断等から生じることができる。これらのうち、活性代謝物は、そのような薬理学的に活性な誘導体化合物である。プロドラッグについては、プロドラッグ化合物は一般的に不活性であるか、または代謝産物よりも活性が低い。活性代謝物については、親化合物は、活性化合物または不活性なプロドラッグのいずれかであり得る。
プロドラッグおよび活性代謝物は、当該技術分野において公知の慣習的な技術を使用して特定することができる。例えば、Bertoliniら、1997年、J Med Chem40巻:2011~2016頁;Shanら、J Pharm Sci86巻:756~757頁;Bagshawe、1995年、DrugDev Res34巻:220~230頁;Wermuth、上記を参照されたい。
本明細書において使用される場合、「薬学的に許容される」という用語は、物質または組成物が、製剤を含む他の成分、および/またはそれを用いて処置されている対象と、化学的および/または毒性学的に適合性であることを示す。
本明細書において使用される場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、特に断りのない限り、特定の化合物の遊離酸および塩基の生物学的有効性を保持し、生物学的にまたは他の点で所望されないものではない、塩を含む。企図された薬学的に許容される塩形態には、限定されるものではないが、モノ、ビス、トリス、テトラキス等が挙げられる。薬学的に許容される塩は、これらが投与される量および濃度においては非毒性である。そのような塩の調製は、化合物の物理的特徴を、その生理学的効果の発揮を妨げることなく変更することにより、薬理学的使用を促進することができる。物理的特性の有用な変更には、経粘膜投与を促進するために融点を低下させること、および薬物のより高濃度の投与を促進するために溶解度を増大させることが挙げられる。
薬学的に許容される塩には、酸付加塩、例えば硫酸塩、塩化物、塩酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リン酸塩、スルファミン酸塩、酢酸、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩およびキナ酸塩を含有するものが挙げられる。薬学的に許容される塩は、酸、例えば塩酸、マレイン酸、硫酸、リン酸、スルファミン酸、酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、マロン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、フマル酸およびキナ酸から得ることができる。
薬学的に許容される塩には、酸性官能基、例えばカルボン酸またはフェノールが存在する場合、塩基付加塩、例えばベンザチン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、t-ブチルアミン、エチレンジアミン、メグルミン、プロカイン、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウム、アルキルアミンおよび亜鉛を含有するものも挙げられる。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第19版、Mack Publishing Co.、 Easton、PA、2巻、1457頁、1995年;StahlおよびWermuthによる“Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use”、Wiley-VCH、Weinheim、Germany、2002年を参照されたい。そのような塩は、適切な対応する塩基を使用して調製することができる。
薬学的に許容される塩は、標準技術により調製することができる。化合物の遊離塩基形態は、好適な溶媒、例えば適切な酸を含有する水性または水性アルコール溶液中に溶解し、次に溶液を蒸発させることにより単離することができる。よって、特定の化合物が塩基である場合、所望の薬学的に許容される塩は、当該技術分野において利用可能な任意の好適な方法、例えば無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等を用いた、または有機酸、例えば酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、ピラノシジル酸(pyranosidyl acid)、例えばグルクロン酸またはガラクツロン酸、アルファ-ヒドロキシ酸、例えばクエン酸または酒石酸、アミノ酸、例えばアスパラギン酸またはグルタミン酸、芳香族酸、例えば安息香酸またはケイ皮酸、スルホン酸、例えばp-トルエンスルホン酸またはエタンスルホン酸等を用いた遊離塩基の処理により、調製することができる。
同様に、特定の化合物が酸である場合、所望の薬学的に許容される塩は、任意の好適な方法、例えば無機または有機塩基、例えばアミン(一級、二級または三級)、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物等を用いた遊離酸の処理により、調製することができる。好適な塩の代表的な例には、アミノ酸、例えばL-グリシン、L-リシンおよびL-アルギニン、アンモニア、一級、二級または三級アミン、および環状アミン、例えばヒドロキシエチルピロリドン、ピペリジン、モルホリンまたはピペラジンに由来する有機塩、およびナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウムおよびリチウムに由来する無機塩が挙げられる。
本開示の化合物は、非溶媒和形態、溶媒和形態(例えば水和形態)および固体形態(例えば、結晶または多形体形態)で存在することができ、本開示は、すべてのそのような形態を包含することが意図されることが理解される。
本明細書において使用される場合、「溶媒和物」または「溶媒和形態」という用語は、化学量または非化学量のいずれかの溶媒を含有する溶媒付加形態を指す。いくつかの化合物は、一定モル比の溶媒分子を結晶性固相に捕捉し、これによって溶媒和物を形成する傾向を有する。溶媒が水である場合、形成される溶媒和物は水和物であり、溶媒がアルコールである場合、形成される溶媒和物はアルコラートである。水和物は、1モル以上の水と、物質のうちの1つとの組合せにより形成され、ここで水はそのH2Oとしての分子状態を保持する。溶媒和物を形成する溶媒の例は、限定されるものではないが、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸およびエタノールアミンが挙げられる。
本明細書において使用される場合、「結晶形態」、「結晶性形態」、「多形体形態」および「多形体」という用語は、互換的に使用することができ、化合物(またはその塩もしくは溶媒和物)が異なる結晶充填配列(crystal packing arrangement)で結晶化することができ、そのすべてが同じ元素組成を有する結晶構造を意味する。異なる結晶形態は、通常、異なるX線回折パターン、赤外スペクトル、融点、密度、硬度、結晶形状、光学的および電気的特性、安定性および溶解度を有する。再結晶溶媒、結晶化速度、貯蔵温度および他の因子により、1つの結晶形態が優勢となることがある。化合物の結晶多形体は、異なる条件下での再結晶により調製することができる。
本開示の化合物は、置換基選択により1つまたは複数の不斉中心を含み得て、そのため種々の立体異性形態、例えば、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマーで存在し得る。例えば、本明細書において提供されている化合物は不斉炭素中心を有し得て、そのため、本明細書において提供されている化合物は、炭素不斉中心で(R)または(S)の立体配置を有し得る。したがって、本開示の化合物は、個別のエナンチオマー、ジアステレオマー、または幾何異性体の形態でも、立体異性体の混合物の形態でもあり得る。
本明細書において使用される場合、「エナンチオマー」という用語は、重ね合わせることができない互いの鏡像である、化合物の2つの立体異性体を指す。「ジアステレオマー」という用語は、互いに鏡像ではない光学異性体の対を指す。ジアステレオマーは異なる物理的特性、例えば融点、沸点、スペクトル特性および反応性を有する。
特定のエナンチオマーが好ましい場合、一部の実施形態では、これは対のエナンチオマーを実質的に有さずに提供されることがあり、「光学的に濃縮された」と称されることもある。「光学的に濃縮された」は、本明細書において使用される場合、化合物が有意により大きな割合の1つのエナンチオマーで構成されることを意味する。ある特定の実施形態では、化合物は、少なくとも約90重量%の好ましいエナンチオマーで構成される。他の実施形態では、化合物は、少なくとも約95重量%、98重量%または99重量%の好ましいエナンチオマーで構成される。好ましいエナンチオマーは、当業者に公知である任意の方法により、例えば、クロマトグラフィーもしくは結晶化により、合成のための立体化学的に均一な出発物質の使用により、または立体選択的合成により、ラセミ混合物から単離され得る。任意選択で、誘導体化は、立体異性体の分離前に実施できる。立体異性体の混合物の分離は、本明細書において提供されている化合物の合成の間の中間ステップで実施でき、または、それは、最終的なラセミ生成物に対して実施できる。絶対立体化学は、必要な場合、既知の配置のステレオジェニック中心を含む試薬により誘導体化された結晶性生成物または結晶性中間体のX線結晶学により決定され得る。あるいは、絶対立体化学は、振動円二色性(VCD)分光法分析により決定され得る。例えば、Jacquesら、Enantiomers,Racemates and Resolutions(Wiley Interscience、New York、1981年);Wilen,S.H.ら、Tetrahedron33巻:2725頁(1977年);Eliel,E.L.Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw-Hill、NY、1962年);Wilen,S.H.Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions 268頁(E.L.Eliel編、Univ.of Notre Dame Press、Notre Dame、IN1972年)を参照されたい。
一部の実施形態では、ジアステレオマーの混合物、例えば60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上のジアステレオマーの一方を含む、例えば51%以上のジアステレオマーの一方により濃縮されたジアステレオマーの混合物が提供される。
一部の実施形態では、本明細書において提供されている化合物は、特に指定のない限り、ZまたはE異性体のいずれかとして存在することができる1つまたは複数の二重結合を有し得る。本開示は加えて、化合物を、他の異性体を実質的に有しない個別の異性体としてか、あるいは様々な異性体の混合物、例えばエナンチオマーのラセミ混合物として、包含する。
本開示の化合物は、異なる互変異性体形態でも存在することがあり、すべてのそのような形態は本開示の範囲内に包含される。「互変異性体」または「互変異性体形態」という用語は、低いエネルギー障壁により相互変換可能である、異なるエネルギーの構造異性体を指す。例えば、プロトン互変異性体(プロトトロピー互変異性体(prototropic tautomers)としても公知)には、プロトンの移動による相互変換、例えばケト-エノール、アミド-イミド酸、ラクタム-ラクチム、イミン-エナミン異性化、およびプロトンが複素環系の2つ以上の位置を占めることがある環状形態(例えば1H-および3H-イミダゾール、1H-、2H-および4H-1,2,4-トリアゾール、1H-および2H-イソインドール、ならびに1H-および2H-ピラゾール)が挙げられる。原子価互変異性体には、結合電子の一部の再編成による相互変換が挙げられる。互変異性体は、平衡であるか、または適切な置換により1つの形態へと立体的に固定されていることがある。名称または構造により1つの特定の互変異性体形態として特定されている本開示の化合物は、特に指定のない限り、他の互変異性体形態を含むことが意図される。
本開示は、化合物中の原子のすべての同位体を含むことが意図される。元素の同位体は、同じ原子番号を有するが異なる質量数を有する原子を含む。例えば、特に指定のない限り、本開示の化合物中の水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素は、非限定的に、1H、2H、3H、11C、12C、13C、14C、14N、15N、16O、17O、18O、31P、32P、32S、33S、34S、36S、17F、18F、19F、35Cl、37Cl、79Br、81Br、124I、127I、および131Iなどのそれらの同位元素も含むものとする。一部の実施形態では、水素は、プロチウム、重水素およびトリチウムを含む。一部の実施形態では、炭素は12Cおよび13Cを含む。
化合物の合成
本明細書において提供される化合物の合成は、その薬学的に許容される塩を含め、実施例中の合成スキームにおいて例示される。本明細書において提供される化合物は、任意の公知の有機合成技術を使用して調製することができ、無数の可能な合成経路のいずれかに従って合成することができ、よって、これらのスキームは例示のみのものであり、本明細書において提供される化合物を調製するために使用することができる他の可能な方法を限定することを意味しない。加えて、スキーム中のステップはより良好な例示のためのものであり、適切に変更することができる。実施例中の化合物の実施形態は、調査および規制当局への提出の可能性の目的のために合成された。
本明細書において提供される化合物の合成は、その薬学的に許容される塩を含め、実施例中の合成スキームにおいて例示される。本明細書において提供される化合物は、任意の公知の有機合成技術を使用して調製することができ、無数の可能な合成経路のいずれかに従って合成することができ、よって、これらのスキームは例示のみのものであり、本明細書において提供される化合物を調製するために使用することができる他の可能な方法を限定することを意味しない。加えて、スキーム中のステップはより良好な例示のためのものであり、適切に変更することができる。実施例中の化合物の実施形態は、調査および規制当局への提出の可能性の目的のために合成された。
本開示の化合物を調製するための反応は、有機合成の当業者により容易に選択することができる、好適な溶媒中で実行することができる。好適な溶媒は、反応が行われる温度、例えば溶媒の凍結温度から溶媒の沸騰温度までの範囲にわたることができる温度で、出発材料(反応物)、中間体または生成物と実質的に非反応性であることができる。所定の反応は、1種の溶媒または1種を超える溶媒の混合物中で行うことができる。特定の反応ステップに依存して、特定の反応ステップについての好適な溶媒は、当業者により選択することができる。
本開示の化合物の調製は、様々な化学基の保護および脱保護を伴い得る。保護および脱保護の必要性、ならびに適切な保護基の選択は、当業者により容易に決定することができる。保護基の化学的性質は、例えば、すべて参照により全体が本明細書に組み込まれる、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd Ed.,Wiley & Sons,Inc.,New York(1999)に、P.Kocienski,Protecting Groups,Georg Thieme Verlag,2003に、およびPeter G.M.Wuts,Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis,5thEdition,Wiley,2014において見出すことができる。
反応は、当該技術分野において公知の任意の好適な方法に従ってモニタリングすることができる。例えば、生成物の形成は、分光学的方法、例えば核磁気共鳴分光法(例えば1Hまたは13C)、赤外分光法、分光光度法(例えば紫外可視)もしくは質量分析法により、またはクロマトグラフ法、例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、液体クロマトグラフィー質量分析法(LCMS)もしくは薄層クロマトグラフィー(TLC)により、モニタリングすることができる。化合物は、当業者により、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(“Preparative LC-MS Purification:Improved Compound Specific Method Optimization” Karl F.Blom、Brian Glass、Richard Sparks、Andrew P.Combs J.Combi.Chem.2004年、6巻(6号)、874~883頁、本明細書においてその全体を参照により組み込まれる)および順相シリカゲルクロマトグラフィーを含む様々な方法により精製することができる。
本開示の公知の出発物質は、当該技術分野に公知である方法を使用することにより、またはそれに従って合成することも、商業的供給業者から購入することもできる。特に記載がない限り、分析グレードの溶媒および市販の試薬はさらに精製しないで使用された。
特に指定のない限り、本開示の反応はすべて、窒素もしくはアルゴンの陽圧下で、または無水溶媒中で乾燥管と共に実施され、反応フラスコは、典型的には、シリンジによる基質および試薬の導入のためにゴムのセプタムを備えていた。ガラス器具は、炉乾燥および/または加熱乾燥された。
例示目的のために、以下の実施例の項は、本開示の化合物ならびに重要な中間体を調製する合成経路を示す。当業者は、本発明の化合物を合成するために他の合成経路を使用することができることを諒解するであろう。特定の出発材料および試薬がスキーム中に描写され、以下で議論されるが、様々な誘導体および/または反応条件を生成するために、他の出発材料および試薬を容易に代替することができる。加えて、以下に記載される方法により調製される化合物の多くは、本開示に照らして、当業者に周知の従来の化学を使用してさらに修飾することができる。
医薬組成物
さらなる態様では、1種または複数の本開示の分子もしくは化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物が提供される。
さらなる態様では、1種または複数の本開示の分子もしくは化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物が提供される。
別の態様では、1種または複数の本開示の分子もしくは化合物またはその薬学的に許容される塩、および少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
本明細書において使用される場合、「医薬組成物」という用語は、対象への投与に好適な形態の、本開示の分子または化合物を含む製剤を指す。
本明細書において使用される場合、「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、全般的に安全で、非毒性、かつ生物学的にも他の面でも望ましくないことがない、医薬組成物を調製するのに有用である賦形剤を意味し、獣医学的使用ならびにヒトの医薬的使用に許容される賦形剤を含む。本明細書において使用される「薬学的に許容される賦形剤」は、1種および2種以上のそのような賦形剤の両方を含む。「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、「薬学的に許容される担体」および「薬学的に許容される希釈剤」も包含する。
使用される特定の賦形剤は、本開示の化合物が適用される手段および目的に依存するだろう。溶媒は、一般的に、ヒトを含む哺乳動物に投与されるのに安全であると当業者により認識される溶媒に基づいて選択される。一般に、安全な溶媒は、水などの非毒性水性溶媒および水に可溶性または混和性である他の非毒性溶媒である。好適な水性溶媒には、水、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400、PEG300)など、およびこれらの混合物が挙げられる。
一部の実施形態では、好適な賦形剤は、リン酸塩、クエン酸塩、および他の有機酸などの緩衝剤;アスコルビン酸およびメチオニンを含む酸化防止剤;保存剤(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;ヘキサメトニウムクロリド;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチルもしくはベンジルアルコール;メチルもしくはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;およびm-クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、もしくは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、もしくはリジンなどのアミノ酸;グルコース、マンノース、もしくはデキストリンを含む単糖、二糖、および他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロース、もしくはソルビトールなどの糖;ナトリウムなどの塩を形成する対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質複合体);ならびに/またはTWEEN(商標)、PLURONIC(商標)、もしくはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤を含み得る。
一部の実施形態では、好適な賦形剤は、1種または複数の安定剤、界面活性剤、湿潤剤、滑沢剤、乳化剤、懸濁剤、保存剤、酸化防止剤、不透明化剤〔opaquing agents〕、流動促進剤、処理助剤、着色剤、甘味剤、芳香剤、着香剤、および薬物(すなわち本開示の化合物またはその医薬組成物)の美しい体裁を与えるか、または医薬製品(すなわち医薬)の製造を助ける他の公知の添加剤を含み得る。医薬品活性成分は、また、例えば、コアセルベーション技術により、もしくは界面重合により調製されたマイクロカプセル、例えば、各々、ヒロドキシメチルセルロースもしくはゼラチン-マイクロカプセルおよびポリ-(メチルメタクリレート)マイクロカプセル中に、コロイド状薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミンマイクロスフィア、マイクロエマルション、ナノ粒子、およびナノカプセル)中に、またはマクロエマルション中に封入され得る。そのような技術は、Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980)に開示されている。「リポソーム」は、ヒトを含む哺乳動物への薬物(本明細書に開示される化合物および任意選択で化学療法剤など)の送達に有用である様々な種類の脂質、リン脂質、および/または界面活性剤から構成された小ベシクルである。リポソームの成分は、通常、生体膜の脂質配置に類似な二重層形成に配置されている。
本明細書において提供される医薬組成物は、ヒトを含むがそれに限定されない対象に組成物が投与されることを可能にするあらゆる形態であり得、意図される投与経路と適合性があるように製剤され得る。
種々の経路が、本明細書において提供される医薬組成物のために企図され、したがって、本明細書において提供される医薬組成物は、意図される投与経路に応じて、バルクでも、単位剤形でも供給され得る。例えば、経口、口腔内、および舌下投与のためには、粉末、懸濁剤、顆粒、錠剤、丸剤、カプセル剤、ジェルキャップ剤、およびカプレット剤が固体剤形として許容され得て、エマルション、シロップ、エリキシル剤、懸濁剤、および溶液が液体剤形として許容され得る。注射投与のためには、エマルションおよび懸濁剤が液体剤形として許容され得て、適切な溶液による復元に好適な粉末が固体剤形として許容され得る。吸入投与のためには、溶液、スプレー、ドライパウダー剤、およびエアゾール剤が許容される剤形であり得る。外用(口腔内および舌下を含む)または経皮投与のためには、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、およびパッチが許容される剤形であり得る。膣内投与のためには、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム、およびスプレーが許容される剤形であり得る。
単位剤形の組成物中の活性成分の量は、治療有効量であり、関与する特定の処置に従って変わる。本明細書において使用される場合、「治療有効量」という用語は、特定された疾患もしくは状態を処置し、改善し、もしくは予防するか、または検出可能な治療効果もしくは阻害効果を示す、分子、化合物、または分子もしくは化合物を含む組成物の量を指す。効果は、当該技術分野に公知である任意のアッセイ方法により検出できる。対象にとっての正確な有効量は、対象の体重、体格、および健康状態;状態の性質および程度;投与速度;投与のために選択された治療法または治療法の組合せ;ならびに処方医師の判断によるだろう。ある状況での治療有効量は、臨床医の技量および判断内にある定型的な実験により決定できる。
一部の実施形態では、本開示の医薬組成物は、経口投与用の製剤の形態であり得る。
ある特定の実施形態では、本開示の医薬組成物は、錠剤製剤の形態であり得る。錠剤製剤のための好適な薬学的に許容される賦形剤には、例えば、ラクトース、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、または炭酸カルシウムなどの不活性な希釈剤、トウモロコシデンプンまたはアルギン酸〔algenic acid〕などの造粒および崩壊剤;デンプンなどの結合剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルクなどの滑沢剤;p-ヒドロキシ安息香酸エチルまたはプロピルなどの保存剤、ならびにアスコルビン酸などの酸化防止剤が挙げられる。錠剤製剤は、被覆されないことも、消化管内でのそれらの崩壊および活性成分のその後の吸収を調節するためか、またはそれらの安定性および/もしくは外観を改善するために、いずれにしても当該技術分野に周知である従来のコーティング剤および手順を使用して被覆されることもある。
ある特定の実施形態では、本開示の医薬組成物は、活性成分が不活性な固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、もしくはカオリンと混合されているハードゼラチンカプセル、または活性成分が水もしくは落花生油、流動パラフィン、もしくはオリーブ油などの油と混合されているソフトゼラチンカプセルの形態であり得る。
ある特定の実施形態では、本開示の医薬組成物は水性懸濁剤の形態であり得、それらは一般的に、微細粉末状形態の活性成分を、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル-ピロリドン、トラガカントゴム、およびアラビアゴムなどの1種または複数の懸濁剤;レシチンまたはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えばポリオキシエチレンステアレート〔polyoxethylene stearate〕)、もしくはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、もしくはエチレンオキシドと、脂肪酸とヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートなど、もしくはエチレンオキシドと、脂肪酸とヘキシトール無水物から誘導された部分エステルとの縮合生成物、例えばポリエチレンソルビタンモノオレエートなどの分散または湿潤剤と共に含む。水性懸濁剤は、1種または複数の保存剤(p-ヒドロキシ安息香酸エチルまたはプロピルなど、酸化防止剤(アスコルビン酸など)、着色剤、着香剤、および/または甘味剤(スクロース、サッカリン、またはアスパルテームなど)も含み得る。
ある特定の実施形態では、本開示の医薬組成物は、一般的に、植物油(落花生油、オリーブ油、ゴマ油、またはヤシ油など)中または鉱油(流動パラフィンなど)中に懸濁された活性成分を含む油性懸濁剤の形態であり得る。油性懸濁剤は、蜜蝋、固形パラフィン、またはセチルアルコールなどの増粘剤も含み得る。上述のものなどの甘味剤および着香剤が、味のよい経口調合物を与えるために加えられ得る。これらの組成物は、アスコルビン酸などの酸化防止剤の添加により保存され得る。
ある特定の実施形態では、本開示の医薬組成物は、水中油型エマルションの形態であり得る。油相は、オリーブ油もしくは落花生油などの植物油、もしくは、例えば流動パラフィンなどの鉱油、またはこれらのいずれかの混合物であり得る。好適な乳化剤は、例えば、アラビアゴムまたはトラガカントゴムなどの天然のゴム、大豆、レシチンなどの天然のホスファチド、脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導されたエステルまたは部分エステル(例えばソルビタンモノオレエート)、ならびに、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートなど、前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物であり得る。エマルションは、甘味剤、着香剤、および保存剤も含み得る。
ある特定の実施形態では、本明細書において提供される医薬組成物は、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、アスパルテーム、もしくはスクロースなどの甘味剤、粘滑剤、保存剤、着香剤、および/または着色剤を含み得る、シロップおよびエリキシル剤の形態であり得る。
一部の実施形態では、本開示の医薬組成物は、注射投与のための製剤の形態であり得る。
ある特定の実施形態では、本開示の医薬組成物は、滅菌された注射用の水性または油性懸濁剤などの滅菌された注射用調合物の形態であり得る。この懸濁剤は、上述された好適な分散または湿潤剤および懸濁剤を使用して、公知の技術に従って製剤され得る。滅菌された注射用調合物は、1,3-ブタンジオール中の溶液など、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の、滅菌された注射用溶液または懸濁剤であることも、凍結乾燥粉末として調製されることもある。利用され得る、許容されるビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンゲル液、および等張性塩化ナトリウム液がある。さらに、滅菌された不揮発油は、従来、溶媒または懸濁媒体として利用され得る。この目的で、合成のモノ-またはジグリセリドを含む、任意の刺激のない不揮発油が利用され得る。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が、同様に、注射剤の調製に使用され得る。
一部の実施形態では、本開示の医薬組成物は、吸入投与のための製剤の形態であり得る。
ある特定の実施形態では、本開示の医薬組成物は、任意の適切な溶媒ならびに任意選択で、非限定的に安定剤、抗微生物剤、酸化防止剤、pH調整剤、界面活性剤、バイオアベイラビリティ調節剤、およびこれらの組合せなどの他の化合物を含む水性および非水性(例えば、フルオロカーボン噴射剤中)エアゾール剤の形態であり得る。担体および安定剤は、特定の化合物の要件により変わるが、典型的には、非イオン性界面活性剤(Tween、Pluronic、またはポリエチレングリコール)、血清アルブミンのような無害のタンパク質、ソルビタンエステル、オレイン酸、レシチン、グリシンなどのアミノ酸、緩衝剤、塩、糖、または糖アルコールを含む。
一部の実施形態では、本開示の医薬組成物は、外用または経皮投与用の製剤の形態であり得る。
ある特定の実施形態では、本明細書において提供される医薬組成物は、クリーム、軟膏、ゲル、および水性または油性の溶液または懸濁剤の形態であり得、それらは、一般的に、活性成分を、動植物脂肪、油、蝋、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、および酸化亜鉛、またはこれらの混合物などの従来の、外用的に許容できる賦形剤と共に製剤することにより得られ得る。
ある特定の実施形態では、本明細書において提供される医薬組成物は、当業者に周知である経皮皮膚パッチの形態で製剤され得る。
上述のそのような代表的な剤形の他に、薬学的に許容される賦形剤および担体は、一般的に当業者に公知であり、そのため本開示に含まれる。そのような賦形剤および担体は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる“Remingtons Pharmaceutical Sciences” Mack Pub.Co.,New Jersey(1991)に、“Remington:The Science and Practice of Pharmacy”,Ed.University of the Sciences in Philadelphia,21stEdition,LWW(2005)において記載されている。
一部の実施形態では、本開示の医薬組成物は、単一剤形として製剤できる。単一剤形中の本明細書において提供されている化合物の量は、処置される対象および特定の投与様式により変わるだろう。
一部の実施形態では、本開示の医薬組成物は、0.001~1000mg/kg体重/日、例えば、0.01~800mg/kg体重/日、0.01~700mg/kg体重/日、0.01~600mg/kg体重/日、0.01~500mg/kg体重/日、0.01~400mg/kg体重/日、0.01~300mg/kg体重/日、0.1~200mg/kg体重/日、0.1~150mg/kg体重/日、0.1~100mg/kg体重/日、0.5~100mg/kg体重/日、0.5~80mg/kg体重/日、0.5~60mg/kg体重/日、0.5~50mg/kg体重/日、1~50mg/kg体重/日、1~45mg/kg体重/日、1~40mg/kg体重/日、1~35mg/kg体重/日、1~30mg/kg体重/日、1~25mg/kg体重/日の用量の本明細書において提供されている化合物またはその薬学的に許容される塩が投与できるように製剤できる。いくつかの場合では、上記範囲の下限未満の用量段階が充分すぎることもある一方で、他の場合では、さらに多い投与量が、そのような多い投与量が、最初に、1日を通した投与のためにいくつかの少ない投与量に分割されるという条件で、有害な副作用を全く起こさずに利用され得る。投与経路および投与計画のさらなる情報には、参照により本明細書に明確に組み込まれるComprehensive Medicinal Chemistry(Corwin Hansch;Chairman of Editorial Board),Pergamon Press 1990の5巻の25.3章を参照されたい。
一部の実施形態では、本開示の医薬組成物は、短時間作用型、速放型、長時間作用型、および徐放型として製剤できる。したがって、本開示の医薬製剤は、制御放出または緩徐放出用にも製剤できる。
さらなる態様では、1種または複数の本開示の分子もしくは化合物またはその薬学的に許容される塩および獣医学的担体を含む獣医学的組成物も提供される。獣医学的担体は組成物を投与する目的に有用である材料であり、その他の点で不活性であるか、または獣医学的分野において許容され、活性成分と適合性がある固体、液体、または気体材料であり得る。これらの獣医学的組成物は、非経口的、経口的、または任意の他の所望の経路により投与され得る。
医薬組成物または獣医学的組成物は、薬物を投与するのに使用される方法によって、種々の方法で包装され得る。例えば、流通のための物品は、その中に適切な形態の組成物が置かれている容器を含み得る。好適な容器は当業者に周知であり、ボトル(プラスチックおよびガラス)、サシェ、アンプル、プラスチック袋、金属シリンダーなどの材料を含む。容器は、包装の内容物への無分別なアクセスを防ぐ不正開封防止組立体〔tamper-proof assemblage〕も含み得る。さらに、容器の上には、容器の内容物を記載しているラベルが置かれている。ラベルは、適切な警告も含み得る。組成物は、また、ユニットドーズまたはマルチドーズ容器、例えば密封されたアンプルおよびバイアルに包装され得て、使用の直前に注射のために滅菌された液体担体、例えば水を加えるだけでよいフリーズドライ〔freeze-dried〕(凍結乾燥〔lyophilized〕)状態で保存され得る。処方箋に応じた注射液および懸濁液は、先に記載された種類の滅菌された粉末、顆粒、および錠剤から調製される。
さらなる態様では、第1の活性成分としての1種もしくは複数の本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩および第2の活性成分を含む医薬組成物も提供される。
一部の実施形態では、第2の活性成分は、第2の活性成分と本明細書において提供される化合物が互いに悪影響を与えないように、本明細書において提供される化合物と相補的な活性を有する。そのような成分は、好適には、意図される目的に有効であるような量で組み合わせて存在する。
一部の実施形態では、第2の活性成分は下記を含み得る:
(i)腫瘍内科で使用される抗増殖剤/抗新生物剤およびそれらの組合せ、例えば、アルキル化剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、およびニトロソウレア);代謝産物拮抗物質(例えば、5-フロオロウラシルおよびテガフールのようなフルオロピリミジン、ラルチトレキセド、メトトレキサート、シトシンアラビノシド、ヒドロキシウレア、ならびにゲムシタビンなどの抗葉酸剤);抗腫瘍抗生物質(例えば、アドリアマイシンのようなアントラサイクリン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン-C、ダクチノマイシン、およびミトラマイシン);抗有糸***剤(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、およびビノレルビンのようなビンカアルカロイドならびにパクリタキセルおよびタキソテールのようなタキソイド);およびトポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシドおよびテニポシドのようなエピポドフィロトキシン、アムサクリン、トポテカン、およびカンプトテシン);
(ii)細胞増殖抑制剤、例えば、抗エストロゲン剤(例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、およびイオドキシフェン)、エストロゲン受容体ダウンレギュレーター(例えばフルベストラント)、抗アンドロゲン剤(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、および酢酸シプロテロン)、LHRHアンタゴニストまたはLHRHアゴニスト(例えば、ゴセレリン、リュープロレリン、およびブセレリン)、黄体ホルモン物質(例えば酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、ボラゾール、およびエキセメスタンとして)、およびフィナステリドなどの5a-レダクターゼの阻害剤;
(iii)抗浸潤剤(例えば、4-(6-クロロ-2,3-メチレンジオキシアニリノ)-7-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ]-5-テトラヒドロピラン-4-イルオキシキナゾリン(AZD0530)およびN-(2-クロロ-6-メチルフェニル)-2-{6-[4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル]-2-メチルピリミジン-4-イルアミノ}チアゾール-5-カルボキサミド(ダサチニブ、BMS-354825)のようなc-Srcキナーゼファミリー阻害剤ならびにマリマスタットおよびウロキナーゼプラスミノゲン活性化因子受容体機能の阻害剤のようなメタロプロテイナーゼ阻害剤);
(iv)成長因子機能の阻害剤:例えば、そのような阻害剤には、成長因子抗体および成長因子受容体抗体(例えば、抗erbB2抗体トラスツズマブ[Herceptin(商標)]および抗erbBl抗体セツキシマブ[C225])がある;そのような阻害剤には、例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、上皮成長因子ファミリーの阻害剤(例えば、N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-メトキシ-6-(3-モルホリノプロポキシ)キナゾリン-4-アミン(ゲフィチニブ、ZD1839)、N-(3-エチニルフェニル)-6,7-ビス(2-メトキシエトキシ)キナゾリン-4-アミン(エルロチニブ、OSI-774)および6-アクリルアミド-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(3-モルホリノプロポキシ)キナゾリン-4-アミン(CI1033)などのEGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤ならびにラパチニブなどのerbB2チロシンキナーゼ阻害剤)、肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤、イマチニブなどの血小板由来成長因子ファミリーの阻害剤、セリン/スレオニンキナーゼの阻害剤(例えば、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤などのRas/Rafシグナリング阻害剤、例えばソラフェニブ(BAY43-9006))ならびにMEKおよび/またはAktキナーゼによる細胞シグナリングの阻害剤もある;
(v)血管内皮細胞成長因子の作用を阻害するものなどの抗血管新生剤[例えば、抗血管内皮細胞成長因子抗体ベバシズマブ(Avastin(商標))ならびにVEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、4-(4-ブロモ-2-フルオロアニリノ)-6-メトキシ-7-(1-メチルピペリジン-4-イルメトキシ)キナゾリン(ZD6474;WO01/32651内の実施例2)、4-(4-フルオロ-2-メチルインドール-5-イルオキシ)-6-メトキシ-7-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)キナゾリン(AZD2171;WO00/47212内の実施例240)、バタラニブ(PTK787;WO98/35985)およびSU11248(スニチニブ;WO01/60814)、および他の機構により作用する化合物(例えば、リノミド、インテグリンανβ3機能の阻害剤、およびアンギオスタチン)];
(vi)コンブレタスタチンA4ならびに国際特許出願WO99/02166、WO00/40529、WO00/41669、WO01/92224、WO02/04434、およびWO02/08213に開示されている化合物などの血管損傷剤〔vascular damaging agents〕;
(vii)ISIS2503、抗-rasアンチセンス剤などのアンチセンス療法;
(viii)遺伝子治療手法、例えば、異常なp53または異常なBRCA1もしくはBRCA2などの異常な遺伝子を置き換える手法、GDEPT(遺伝子指向性酵素プロドラッグ療法)手法、例えば、シトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼ、または細菌ニトロレダクターゼ酵素を使用するもの、および多剤耐性遺伝子治療など、化学療法または放射線療法に対する患者忍容性を増加させる手法;ならびに
(ix)免疫治療手法、例えば、インターロイキン2、インターロイキン4、または顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子などのサイトカインによるトランスフェクションなど、患者腫瘍細胞の免疫原性を増加させるex-vivoおよびin-vivo手法、T細胞アネルギーを減少させる手法、サイトカインをトランスフェクトした樹状細胞などのトランスフェクトされた免疫細胞を使用する手法、サイトカインをトランスフェクトした腫瘍細胞系を使用する手法、ならびに抗イディオタイプ抗体を使用する手法。
(i)腫瘍内科で使用される抗増殖剤/抗新生物剤およびそれらの組合せ、例えば、アルキル化剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、およびニトロソウレア);代謝産物拮抗物質(例えば、5-フロオロウラシルおよびテガフールのようなフルオロピリミジン、ラルチトレキセド、メトトレキサート、シトシンアラビノシド、ヒドロキシウレア、ならびにゲムシタビンなどの抗葉酸剤);抗腫瘍抗生物質(例えば、アドリアマイシンのようなアントラサイクリン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン-C、ダクチノマイシン、およびミトラマイシン);抗有糸***剤(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、およびビノレルビンのようなビンカアルカロイドならびにパクリタキセルおよびタキソテールのようなタキソイド);およびトポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシドおよびテニポシドのようなエピポドフィロトキシン、アムサクリン、トポテカン、およびカンプトテシン);
(ii)細胞増殖抑制剤、例えば、抗エストロゲン剤(例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、およびイオドキシフェン)、エストロゲン受容体ダウンレギュレーター(例えばフルベストラント)、抗アンドロゲン剤(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、および酢酸シプロテロン)、LHRHアンタゴニストまたはLHRHアゴニスト(例えば、ゴセレリン、リュープロレリン、およびブセレリン)、黄体ホルモン物質(例えば酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、ボラゾール、およびエキセメスタンとして)、およびフィナステリドなどの5a-レダクターゼの阻害剤;
(iii)抗浸潤剤(例えば、4-(6-クロロ-2,3-メチレンジオキシアニリノ)-7-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ]-5-テトラヒドロピラン-4-イルオキシキナゾリン(AZD0530)およびN-(2-クロロ-6-メチルフェニル)-2-{6-[4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル]-2-メチルピリミジン-4-イルアミノ}チアゾール-5-カルボキサミド(ダサチニブ、BMS-354825)のようなc-Srcキナーゼファミリー阻害剤ならびにマリマスタットおよびウロキナーゼプラスミノゲン活性化因子受容体機能の阻害剤のようなメタロプロテイナーゼ阻害剤);
(iv)成長因子機能の阻害剤:例えば、そのような阻害剤には、成長因子抗体および成長因子受容体抗体(例えば、抗erbB2抗体トラスツズマブ[Herceptin(商標)]および抗erbBl抗体セツキシマブ[C225])がある;そのような阻害剤には、例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、上皮成長因子ファミリーの阻害剤(例えば、N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-メトキシ-6-(3-モルホリノプロポキシ)キナゾリン-4-アミン(ゲフィチニブ、ZD1839)、N-(3-エチニルフェニル)-6,7-ビス(2-メトキシエトキシ)キナゾリン-4-アミン(エルロチニブ、OSI-774)および6-アクリルアミド-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(3-モルホリノプロポキシ)キナゾリン-4-アミン(CI1033)などのEGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤ならびにラパチニブなどのerbB2チロシンキナーゼ阻害剤)、肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤、イマチニブなどの血小板由来成長因子ファミリーの阻害剤、セリン/スレオニンキナーゼの阻害剤(例えば、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤などのRas/Rafシグナリング阻害剤、例えばソラフェニブ(BAY43-9006))ならびにMEKおよび/またはAktキナーゼによる細胞シグナリングの阻害剤もある;
(v)血管内皮細胞成長因子の作用を阻害するものなどの抗血管新生剤[例えば、抗血管内皮細胞成長因子抗体ベバシズマブ(Avastin(商標))ならびにVEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、4-(4-ブロモ-2-フルオロアニリノ)-6-メトキシ-7-(1-メチルピペリジン-4-イルメトキシ)キナゾリン(ZD6474;WO01/32651内の実施例2)、4-(4-フルオロ-2-メチルインドール-5-イルオキシ)-6-メトキシ-7-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)キナゾリン(AZD2171;WO00/47212内の実施例240)、バタラニブ(PTK787;WO98/35985)およびSU11248(スニチニブ;WO01/60814)、および他の機構により作用する化合物(例えば、リノミド、インテグリンανβ3機能の阻害剤、およびアンギオスタチン)];
(vi)コンブレタスタチンA4ならびに国際特許出願WO99/02166、WO00/40529、WO00/41669、WO01/92224、WO02/04434、およびWO02/08213に開示されている化合物などの血管損傷剤〔vascular damaging agents〕;
(vii)ISIS2503、抗-rasアンチセンス剤などのアンチセンス療法;
(viii)遺伝子治療手法、例えば、異常なp53または異常なBRCA1もしくはBRCA2などの異常な遺伝子を置き換える手法、GDEPT(遺伝子指向性酵素プロドラッグ療法)手法、例えば、シトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼ、または細菌ニトロレダクターゼ酵素を使用するもの、および多剤耐性遺伝子治療など、化学療法または放射線療法に対する患者忍容性を増加させる手法;ならびに
(ix)免疫治療手法、例えば、インターロイキン2、インターロイキン4、または顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子などのサイトカインによるトランスフェクションなど、患者腫瘍細胞の免疫原性を増加させるex-vivoおよびin-vivo手法、T細胞アネルギーを減少させる手法、サイトカインをトランスフェクトした樹状細胞などのトランスフェクトされた免疫細胞を使用する手法、サイトカインをトランスフェクトした腫瘍細胞系を使用する手法、ならびに抗イディオタイプ抗体を使用する手法。
疾患の処置の方法
一態様では、本開示は、ATRキナーゼを阻害することが可能である式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。式(I)の化合物の阻害性は、本明細書に述べられる試験手順を使用して示され得る。
一態様では、本開示は、ATRキナーゼを阻害することが可能である式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。式(I)の化合物の阻害性は、本明細書に述べられる試験手順を使用して示され得る。
したがって、式(I)の化合物は、ATRキナーゼにより媒介される、対象における状態または疾患の処置(治療的または予防的)に使用され得る。
本明細書において使用される場合、「対象」は、ヒトおよび非ヒト動物を指す。非ヒト動物の例には、全脊椎動物、例えば、非ヒト霊長類(特に高等霊長類)、イヌ、齧歯動物(例えば、マウスまたはラット)、モルモット、ネコなどの哺乳動物および鳥類、両生類、爬虫類などの非哺乳動物が挙げられる。好ましい実施形態では、対象はヒトである。別の実施形態では、対象は、実験動物または疾患モデルとして好適な動物である。
一部の実施形態では、式(I)の化合物は抗腫瘍剤として使用できる。一部の実施形態では、式(I)の化合物は、固形および/または液性腫瘍疾患の抑制および/または処置において、抗増殖剤、アポトーシス剤、および/または抗浸潤剤として使用できる。ある特定の実施形態では、式(I)の化合物は、ATRの阻害に感受性がある腫瘍の予防または処置に有用である。ある特定の実施形態では、式(I)の化合物は、ATRにより単独にまたは一部分媒介される腫瘍の予防または処置に有用である。
一部の実施形態では、式(I)の化合物は、がんなどの悪性疾患を含む増殖性疾患ならびに炎症性疾患、閉塞性気道疾患、免疫疾患、または心血管疾患などの非悪性疾患の処置に有用である。
一部の実施形態では、式(I)の化合物は、例えば、白血病、多発性骨髄腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(マントル細胞リンパ腫を含む)などのリンパ腫、および骨髄異形成症候群などの血液系悪性腫瘍、ならびに、また、乳がん、肺がん(非小細胞肺がん(NSCL)、小細胞肺がん(SCLC)、扁平上皮がん)、子宮内膜がん、グリオーマ、胚芽異形成神経上皮腫瘍、多形膠芽細胞腫、混合性神経膠腫、髄芽腫、網膜芽細胞腫、神経芽細胞腫、胚細胞腫、および奇形腫などの中枢神経系の腫瘍、胃がん、食道〔oesophagal〕がん、肝細胞(肝臓)癌、胆管癌、結腸および直腸がん、小腸のがん、膵臓がんなどの消化管のがん、メラノーマ(特に転移性メラノーマ)などの皮膚のがん、甲状腺がん、頭頸部のがん、ならびに唾液腺、前立腺、精巣、卵巣、子宮頸部、子宮、外陰部、膀胱、腎臓(腎細胞がん、明細胞および腎オンコサイトーマを含む)のがん、扁平上皮がん、骨肉腫、軟骨肉腫、平滑筋肉腫、軟部組織肉腫、ユーイング肉腫、消化管間質腫瘍(GIST)、カポジ肉腫などの肉腫、ならびに横紋筋肉腫および神経芽細胞腫などの小児がんなどの固形腫瘍およびそれらの転移などであるがこれらに限定されないがんの処置に有用である。
一部の実施形態では、式(I)の化合物は、例えば、アレルギー、アルツハイマー病、急性散在性脳脊髄炎、アジソン病、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、喘息、アテローム性動脈硬化、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性溶血性および血小板減少性状態、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患、水疱性類天疱瘡、セリアック病、シャーガス病、慢性閉塞性肺疾患、慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、チャーグ・ストラウス症候群、クローン病、皮膚筋炎、1型糖尿病、子宮内膜症、グッドパスチャー症候群(ならびに関連する糸球体腎炎および肺出血)、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本病、化膿性汗腺炎、特発性血小板減少性紫斑病、間質性膀胱炎、過敏性腸症候群、紅斑性狼蒼、限局性強皮症、多発性硬化症、重症筋無力症、ナルコレプシー、神経性筋強直症、パーキンソン病、尋常性天疱瘡、悪性貧血、多発筋炎、原発性胆汁性肝硬変、乾癬、乾癬性関節炎、関節リウマチ、統合失調症、敗血症ショック、強皮症、シェーグレン病、全身性エリテマトーデス(および関連する糸球体腎炎)、側頭動脈炎、組織移植片拒絶、および移植された臓器の超急性拒絶、血管炎(ANCA関連および他の血管炎)、白斑、およびウェゲナー肉芽腫症などであるがこれらに限定されない自己免疫および/または炎症性疾患の処置に有用である。
本明細書において使用される場合、「療法」という用語は、疾患の症状の1つ、いくつか、もしくはすべてを完全もしくは一部分和らげるか、または根源的な病状を正すか、もしくは補い、それにより有益もしくは所望の臨床結果を達成するために疾患に対処するという、その通常の意味を有するものとする。本開示の目的には、有益または所望の臨床結果には、検出可能であろうと検出不能であろうと、症状の緩和、疾患の程度の減弱、疾患の安定した(すなわち悪化しない)状態、疾患進行の遅延または緩徐化、病状の改善または軽減、および寛解(部分的であろうと全体であろうと)が挙げられるが、これらに限定されない。「療法」は、それを受けない場合の期待される生存期間と比べて長い生存期間も意味し得る。療法を必要とする人々には、状態または疾患を既に有する人々ならびに状態もしくは疾患を有する傾向がある人々または状態もしくは疾患が予防されるべき人々が挙げられる。「療法」という用語は、そうでないという具体的な指示がない限り予防も包含する。「治療的」および「治療上」という用語は、対応する方法で解釈されるべきである。
本明細書において使用される場合、「予防」または「予防的」という用語は、その通常の意味を有するものとし、疾患の発生を防ぐ一次予防および疾患が既に発生し、患者が一時的または永久に疾患の増悪もしくは悪化または疾患と関連する新たな症状の発症から守られる二次予防を含む。
「処置」という用語は、「療法」と同義に使用される。同様に、「処置する」という用語は、「療法を利用すること」とみなすことができ、この場合、「療法」は本明細書に定義される通りである。
さらなる態様では、本開示は、療法に使用するための、例えば、ATRキナーゼと関連する療法に使用するための、本開示の化合物もしくはその薬学的に許容される塩または本開示の医薬組成物の使用を提供する。
さらなる態様では、本開示は、がんを処置するための医薬の製造における、本開示の化合物もしくはその薬学的に許容される塩または本開示の医薬組成物の使用を提供する。
さらなる態様では、本開示は、がんを処置するための医薬の製造における、本開示の化合物もしくはその薬学的に許容される塩または本開示の医薬組成物の使用を提供する。
別の態様では、本開示は、がんの処置に使用するための、本開示の化合物もしくはその薬学的に許容される塩または本開示の医薬組成物を提供する。
一部の実施形態では、式(I)の化合物は、他の生物学的な活性成分(第2の、および異なる抗新生物剤などがあるがこれらに限定されない)および非薬物療法(手術または放射線処置などがあるがこれらに限定されない)とさらに組み合わせて使用できる。例えば、式(I)の化合物は、他の薬学的に活性な化合物、または非薬物療法、好ましくは式(I)の化合物の作用を増大させることが可能である化合物と組み合わせて使用できる。式(I)の化合物は、他の療法と同時にも(単一の調合物または別な調合物として)、連続的にも投与できる。一般に、併用療法は、療法の単一のサイクルまたはコースの間に2種以上の薬物/処置の投与を想定する。
一部の実施形態では、式(I)の化合物は、腫瘍学の分野の広範囲の治療的処置を包含する従来の化学療法剤の1種または複数と組み合わせて使用される。これらの薬剤は、腫瘍を縮小させ、手術後に残された残存がん細胞を破壊し、寛解を誘導し、寛解を維持し、かつ/またはがんもしくはその処置に関連する症状を緩和する目的で、疾患の種々のステージで投与される。
一部の実施形態では、式(I)の化合物は、種々の病状に関与するプロテインキナーゼを調節する1種または複数の標的化抗がん剤と組み合わせて使用される。
一部の実施形態では、式(I)の化合物は、非キナーゼ生物学的標的、経路、またはプロセスを調節する1種または複数の標的化抗がん剤と組み合わせて使用される。
一部の実施形態では、式(I)の化合物は、遺伝子治療、RNAiがん療法、化学保護剤〔chemoprotective agents〕(例えば、アミフォスチン〔amfostine〕、メスナ、およびデクスラゾキサン)、薬物抗体コンジュゲート(例えば、ブレンツキシマブベドチン、イブリツモマブチウキセタン〔tioxetan〕)、インターロイキン-2、がんワクチン(例えば、シプリューセル-T)またはモノクローナル抗体(例えば、ベバシズマブ、アレムツズマブ、リツキシマブ、トラスツズマブなど)などのがん免疫療法が挙げられるが、これらに限定されない他の抗がん剤の1種または複数と組み合わせて使用される。
一部の実施形態では、式(I)の化合物は、NSAID、非特異的およびCOX-2特異的シクロオキシゲナーゼ〔cyclooxgenase〕酵素阻害剤、金化合物、コルチコステロイド、メトトレキサート、腫瘍壊死因子(TNF)受容体アンタゴニスト、免疫抑制剤、およびメトトレキサートを含むがこれらに限定されない1種または複数の抗炎症剤と組み合わせて使用される。
一部の実施形態では、式(I)の化合物は、放射線療法または手術と組み合わせて使用される。放射線は、通常、体内で(がん部位の近くへの放射性物質の移植)または光子(X線またはガンマ線)もしくは粒子放射線を利用する機械から、外部から送達される。併用療法が放射線処置をさらに含む場合、放射線処置は、治療剤と放射線処置の組合せの共同作用〔co-action〕から得られる有益な効果が達成される限り、任意の好適な時間で実施され得る。
したがって、さらなる態様では、本開示は、それを必要とする対象におけるATRキナーゼと関連する疾患を処置する方法であって、有効量の本開示の化合物もしくはその薬学的に許容される塩または本開示の医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。
説明の目的で、以下の実施例が含まれる。しかし、これらの実施例が本開示を限定せず、本開示を実施する方法を示唆することのみが意図されることが理解されるべきである。当業者は、記載される化学反応が、いくつかの本開示の他の化合物を調製するように容易に適応され得て、本開示の化合物を調製する代替方法が本開示の範囲内にあると見なされることを認識するだろう。例えば、本開示による例示されていない化合物の合成は、当業者にとって明らかな改変により、例えば、妨害する基を適切に保護することにより、記載されたもの以外の当該技術分野に公知である他の好適な試薬およびビルディングブロックを使用することにより、かつ/または反応条件の定型的な改変を行うことにより、首尾よく実施され得る。あるいは、本明細書に開示されるか、または当該技術分野に公知である他の反応は、本開示の他の化合物を調製する適用性を有すると認識されるだろう。
[実施例1]
ステップ1:メチル(R)-2-クロロ-6-(3-メチルモルホリノ)イソニコチネート(1-3)
ステップ2.(R)-(2-クロロ-6-(3-メチルモルホリノ)ピリジン-4-イル)メタノール(1-4)
ステップ3.(R)-4-(6-クロロ-4-(クロロメチル)ピリジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(1-5)
ステップ4.(R)-4-(6-クロロ-4-((メチルスルホニル)メチル)ピリジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(1-6)
ステップ5.(R)-4-(6-クロロ-4-(1-(メチルスルホニル)シクロプロピル)ピリジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(1-7)
ステップ6.tert-ブチル(R)-5-((6-(3-メチルモルホリノ)-4-(1-(メチルスルホニル)シクロプロピル)ピリジン-2-イル)アミノ)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(1-9)
ステップ7.(R)-6-(3-メチルモルホリノ)-4-(1-(メチルスルホニル)シクロプロピル)-N-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミン(1)
[実施例2]
ステップ1.(2,6-ジクロロ-3-メチルピリジン-4-イル)メタノール(2-2)
ステップ2.2,6-ジクロロ-4-(クロロメチル)-3-メチルピリジン(2-3)
ステップ3.2,6-ジクロロ-3-メチル-4-((メチルスルホニル)メチル)ピリジンモルホリン(2-4)
ステップ4.(R)-4-(6-クロロ-5-メチル-4-((メチルスルホニル)メチル)ピリジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(2-6)
ステップ5.(R)-4-(6-クロロ-5-メチル-4-(1-(メチルスルホニル)シクロプロピル)ピリジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(2-7)
ステップ6.(R)-3-メチル-6-(3-メチルモルホリノ)-4-(1-(メチルスルホニル)シクロプロピル)-N-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミン(2)
[実施例3]
ステップ1.(R)-3-メチル-N-(3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)-4-(1-(メチルスルホニル)シクロプロピル)ピリジン-2-アミン(3)
[実施例4]
ステップ1.2,6-ジクロロ-4-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン(4-3)
ステップ2.(R)-4-(6-クロロ-4-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(4-5)
ステップ3.tert-ブチル(R)-5-((4-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)アミノ)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(4-7)
ステップ4.(R)-4-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)-N-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミン(4)
[実施例5]
ステップ1.メチル(R)-2-クロロ-6-(3-メチルモルホリノ)ピリミジン-4-カルボキシレート(5-3)
ステップ2.(R)-(2-クロロ-6-(3-メチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)メタノール(5-4)
ステップ3.(R)-4-(2-クロロ-6-(クロロメチル)ピリミジン-4-イル)-3-メチルモルホリン(5-5)
ステップ4.(R)-4-(2-クロロ-6-((メチルスルホニル)メチル)ピリミジン-4-イル)-3-メチルモルホリン(5-6)
ステップ5.(R)-4-(2-クロロ-6-(1-(メチルスルホニル)シクロプロピル)ピリミジン-4-イル)-3-メチルモルホリン(5-7)
ステップ6.tert-ブチル(R)-5-((4-(3-メチルモルホリノ)-6-(1-(メチルスルホニル)シクロプロピル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(5-9)
ステップ7.(R)-4-(3-メチルモルホリノ)-6-(1-(メチルスルホニル)シクロプロピル)-N-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン(5)
[実施例6]
ステップ1.tert-ブチル5-{[4-(1-メタンスルホニルシクロプロピル)-6-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]ピリミジン-2-イル]アミノ}-3-メチル-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(6-2)
LC-MSは、反応が完了したことを示した。反応混合物をEA(40mL)で希釈し、次いで水およびブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(PE:EA=1:1、V/V)により精製して、所望の生成物を得た(130mg、収率:87%)。LC/MS (ESI): m/z 493 [M+H]+.
ステップ2.4-(1-メタンスルホニルシクロプロピル)-N-(3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]ピリミジン-2-アミン(6)
化合物6は、以下のスキームを使用して調製できる:
ステップ1.tert-ブチル3-アミノ-5-メチル-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(6-3)
ステップ2.(R)-tert-ブチル5-メチル-3-((4-(3-メチルモルホリノ)-6-(1-(メチルスルホニル)シクロプロピル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(6-4)
ステップ3.(R)-N-(3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-4-(3-メチルモルホリノ)-6-(1-(メチルスルホニル)シクロプロピル)ピリミジン-2-アミン(6)
[実施例7]
ステップ1.(R)-4-(2-クロロ-6-(2-(メチルスルホニル)プロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-3-メチルモルホリン(7-1)
ステップ2.(R)-4-(3-メチルモルホリノ)-6-(2-(メチルスルホニル)プロパン-2-イル)-N-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン(7)
[実施例8]
ステップ1.(R)-N-(3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-4-(3-メチルモルホリノ)-6-(2-(メチルスルホニル)プロパン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(8)
[実施例9]
ステップ1.(R)-(2-クロロ-6-(3-メチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)メチルメタンスルホネート(9-1)
ステップ2.(R)-2-(2-クロロ-6-(3-メチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)アセトニトリル(9-2)
ステップ3.(R)-1-(2-クロロ-6-(3-メチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)シクロプロパンカルボニトリル(9-3)
ステップ4.(R)-1-(2-((3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)シクロプロパンカルボニトリル(9)
[実施例10]
ステップ1.(R)-2-(2-クロロ-6-(3-メチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)-2-メチルプロパンニトリル(10-1)
ステップ2.(R)-2-メチル-2-(2-((3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)プロパンニトリル(10)
[実施例11]
ステップ1.(R)-4-(2-クロロ-6-(4-(メチルスルホニル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリミジン-4-イル)-3-メチルモルホリン(11-1)
ステップ2.(R)-4-(3-メチルモルホリノ)-6-(4-(メチルスルホニル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-N-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン(11)
[実施例12]
ステップ1.(R)-N-(3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-4-(3-メチルモルホリノ)-6-(4-(メチルスルホニル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリミジン-2-アミン(12)
[実施例13]
ステップ1.(R)-N-(2-クロロ-6-(3-メチルモルホリノ)ピリジン-4-イル)メタンスルホンアミド(13-2)
ステップ2.(R)-N-(2-クロロ-6-(3-メチルモルホリノ)ピリジン-4-イル)-N-メチルメタンスルホンアミド(13-3)
ステップ3.(R)-N-メチル-N-(2-(3-メチルモルホリノ)-6-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-4-イル)メタンスルホンアミド(13-5)
ステップ4.(R)-N-(2-((1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリジン-4-イル)-N-メチルメタンスルホンアミド(13)
[実施例14]
ステップ1.(R)-6-(3-メチルモルホリノ)-4-(1-(メチルスルホニル)シクロプロピル)-N-(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミン(14-1)
ステップ2.(R)-N-メチル-6-(3-メチルモルホリノ)-4-(1-(メチルスルホニル)シクロプロピル)-N-(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミン(14-2)
ステップ3.(R)-N-メチル-6-(3-メチルモルホリノ)-4-(1-(メチルスルホニル)シクロプロピル)-N-(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミン(14)
[実施例15]
ステップ1.2,6-ジクロロ-4-ヨードニコチンアルデヒド(15-2)
ステップ2.2,6-ジクロロ-4-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)ニコチンアルデヒド(15-3)
ステップ3.(R)-2-クロロ-4-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)ニコチンアルデヒド(15-4)
ステップ4.(R)-(2-クロロ-4-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリジン-3-イル)メタノール(15-5)
ステップ5.(R)-(4-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)-2-((1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)メタノール(15-6)
ステップ6.(R)-(2-((1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)-4-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリジン-3-イル)メタノール(15)
[実施例16]
ステップ1.メチル2,6-ジクロロ-4-メチルピリジン-3-カルボキシレート(17-2)
ステップ2.メチル4-(ブロモメチル)-2,6-ジクロロピリジン-3-カルボキシレート(17-3)
ステップ3.メチル2,6-ジクロロ-4-(メタンスルホニルメチル)ピリジン-3-カルボキシレート(17-4)
ステップ4.メチル2-クロロ-4-(メタンスルホニルメチル)-6-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]ピリジン-3-カルボキシレート(17-6)
ステップ5.メチル2-クロロ-4-(1-メタンスルホニルシクロプロピル)-6-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]ピリジン-3-カルボキシレート(17-7)
ステップ6.[2-クロロ-4-(1-メタンスルホニルシクロプロピル)-6-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]ピリジン-3-イル]メタノール(17-8)
ステップ7.(R)-(2-((1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)-6-(3-メチルモルホリノ)-4-(1-(メチルスルホニル)シクロプロピル)ピリジン-3-イル)メタノール(17)
[実施例17]
ステップ1.tert-ブチル5-{[4-(1-メタンスルホニルシクロプロピル)-6-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]ピリジン-2-イル]アミノ}-3-メチル-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(19-2)
ステップ2.4-(1-メタンスルホニルシクロプロピル)-N-(3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]ピリジン-2-アミン(19)
[実施例18]
ステップ1.2,6-ジクロロ-4-ヨード-3-メチルピリジン(20-2)
ステップ2.(R)-4-(6-クロロ-4-ヨード-5-メチルピリジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(20-4)
ステップ3.(R)-4-(6-クロロ-4-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-5-メチルピリジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(20-6)
ステップ4.(R)-4-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-3-メチル-6-(3-メチルモルホリノ)-N-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミン(20)
[実施例19]
ステップ1.(R)-4-(1,4-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-3-メチル-N-(3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリジン-2-アミン(21)
[実施例20]
ステップ1:(R)-4-(4,6-ジクロロピリジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(22-2)
ステップ2:(R)-4-(6-クロロ-4-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(22-3)
ステップ3:(R)-4-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)-N-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミン(22)
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.03 (br s, 1 H) 8.98 (br s, 1 H) 7.55 (br s, 1 H) 6.33 - 6.47 (m, 2 H) 5.99 (s, 1 H) 4.30 (br d, J=5.16 Hz, 1 H) 3.94 (br dd, J=11.12, 3.20 Hz, 1 H) 3.84 (br d, J=11.68 Hz, 1 H) 3.71 - 3.75 (m, 1 H) 3.61 - 3.66 (m, 1 H) 3.45 - 3.52 (m, 1 H) 3.03 - 3.10 (m, 1 H) 2.44 (s, 3 H) 2.25 (s, 3 H) 1.15 (d, J=6.64 Hz, 3 H).
[実施例21]
ステップ1.(3R)-4-(6-クロロ-4-ヨードピリジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(23-3)
ステップ2.(3R)-4-[6-クロロ-4-(ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ピリジン-2-イル]-3-メチルモルホリン(23-5)
ステップ3.4-(ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)-N-(3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]ピリジン-2-アミン(23)
[実施例22]
ステップ1.(R)-2-(2-((1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリジン-4-イル)-2-メチルプロパンニトリル(24)
[実施例23]
ステップ1.2-{2-クロロ-6-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]ピリジン-4-イル}-2-メチルプロパンニトリル(25-2)
ステップ2.tert-ブチル5-{[4-(1-シアノ-1-メチルエチル)-6-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]ピリジン-2-イル]アミノ}-3-メチル-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(25-3)
ステップ3.2-メチル-2-{2-[(3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ]-6-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]ピリジン-4-イル}プロパンニトリル(25)
[実施例24]
ステップ1.(R)-4-(6-クロロ-4-(2-(メチルスルホニル)プロパン-2-イル)ピリジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(26-1)
ステップ2.6-((R)-3-メチルモルホリノ)-4-(2-(メチルスルホニル)プロパン-2-イル)-N-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミン(26-3)
ステップ3.(R)-6-(3-メチルモルホリノ)-4-(2-(メチルスルホニル)プロパン-2-イル)-N-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミン(26)
[実施例25]
ステップ1.tert-ブチル5-{[4-(2-メタンスルホニルプロパン-2-イル)-6-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]ピリジン-2-イル]アミノ}-3-メチル-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(27-1)
ステップ2.4-(2-メタンスルホニルプロパン-2-イル)-N-(3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]ピリジン-2-アミン(27)
[実施例26]
ステップ1.(R)-2-(2-((1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)-2-メチルプロパンニトリル(28)
[実施例27]
ステップ1.2,6-ジクロロ-3-フルオロ-4-ヨードピリジン(33-2)
ステップ2.2,6-ジクロロ-4-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-フルオロピリジン(33-4)
ステップ3.6-クロロ-4-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-フルオロ-N-(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミン(33-6)
ステップ4.(R)-4-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-フルオロ-6-(3-メチルモルホリノ)-N-(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミン(33-8)
ステップ5.(R)-4-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-フルオロ-6-(3-メチルモルホリノ)-N-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミン(33)
[実施例28]
ステップ1.2,6-ジクロロ-3-フルオロイソニコチンアルデヒド(34-3)
ステップ2.(2,6-ジクロロ-3-フルオロピリジン-4-イル)メタノール(34-4)
ステップ3.2,6-ジクロロ-4-(クロロメチル)-3-フルオロピリジン(34-5)
ステップ4.2,6-ジクロロ-3-フルオロ-4-((メチルスルホニル)メチル)ピリジン(34-6)
ステップ5.2,6-ジクロロ-3-フルオロ-4-(1-(メチルスルホニル)シクロプロピル)ピリジン(34-7)
ステップ6.6-クロロ-3-フルオロ-4-(1-(メチルスルホニル)シクロプロピル)-N-(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミン(34-9)
ステップ7.(R)-3-フルオロ-6-(3-メチルモルホリノ)-4-(1-(メチルスルホニル)シクロプロピル)-N-(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミン(34-11)
ステップ8.(R)-3-フルオロ-6-(3-メチルモルホリノ)-4-(1-(メチルスルホニル)シクロプロピル)-N-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミン(34)
[実施例29]
ステップ1.2-{2-クロロ-6-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]ピリジン-4-イル}アセトニトリル(35-1)
ステップ2.1-{2-クロロ-6-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]ピリジン-4-イル}シクロプロパン-1-カルボニトリル(35-2)
ステップ3.tert-ブチル5-{[4-(1-シアノシクロプロピル)-6-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]ピリジン-2-イル]アミノ}-3-メチル-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(35-3)
ステップ4.1-{2-[(3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ]-6-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]ピリジン-4-イル}シクロプロパン-1-カルボニトリル(35)
[実施例30]
ステップ1.(R)-N-(3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)-4-(4-(メチルスルホニル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリジン-2-アミン(36)
[実施例31]
ステップ1.1-{2-クロロ-6-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]ピリジン-4-イル}シクロペンタン-1-カルボニトリル(37-1)
ステップ2.tert-ブチル5-{[4-(1-シアノシクロペンチル)-6-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]ピリジン-2-イル]アミノ}-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(37-2)
ステップ3.1-{2-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]-6-[(1H-ピラゾール-5-イル)アミノ]ピリジン-4-イル}シクロペンタン-1-カルボニトリル(37)
[実施例32]
ステップ1.1-{2-クロロ-6-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]ピリジン-4-イル}シクロヘキサン-1-カルボニトリル(38-1)
ステップ2.tert-ブチル5-{[4-(1-シアノシクロヘキシル)-6-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]ピリジン-2-イル]アミノ}-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(38-2)
ステップ3.1-{2-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]-6-[(1H-ピラゾール-5-イル)アミノ]ピリジン-4-イル}シクロヘキサン-1-カルボニトリル(38)
[実施例33]
ステップ1.(R)-4-(2-クロロ-6-(3-メチルモルホリノ)ピリジン-4-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボニトリル(39-1)
ステップ2.(R)-4-(2-((1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリジン-4-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボニトリル(39)
[実施例34]
ステップ1.(R)-1-(2-クロロ-6-(3-メチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)シクロペンタン-1-カルボニトリル(40-1)
ステップ2.(R)-1-(2-((1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)シクロペンタン-1-カルボニトリル(40)
[実施例35]
ステップ1.(R)-1-(2-クロロ-6-(3-メチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)シクロヘキサン-1-カルボニトリル(41-1)
ステップ2.(R)-1-(2-((1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)シクロヘキサン-1-カルボニトリル(41)
[実施例36]
ステップ1.(R)-4-(2-クロロ-6-(3-メチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボニトリル(42-1)
ステップ2.(R)-4-(2-((1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボニトリル(42)
[実施例37]
ステップ1.1-(2,6-ジクロロピリジン-4-イル)シクロヘキサン-1-オール(43-3)
ステップ2.(R)-1-(2-クロロ-6-(3-メチルモルホリノ)ピリジン-4-イル)シクロヘキサン-1-オール(43-5)
ステップ3.(R)-1-(2-((1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリジン-4-イル)シクロヘキサン-1-オール(43)
[実施例38]
ステップ1.4-ブロモ-2,6-ジクロロピリミジン(44-3)
ステップ2.1-(2,6-ジクロロピリミジン-4-イル)シクロヘキサン-1-オール(44-5)
ステップ3.(R)-1-(2-クロロ-6-(3-メチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)シクロヘキサン-1-オール(44-7)
ステップ4.(R)-1-(2-((1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)-6-(2-メチルピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)シクロヘキサン-1-オール(44)
[実施例39]
ステップ1.(R)-4-(6-クロロ-4-((メチルスルホニル)メチル)ピリジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(45-1)
ステップ2.(R)-4-(6-クロロ-4-(4-(メチルスルホニル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(45-2)
ステップ3.(R)-6-(3-メチルモルホリノ)-4-(4-(メチルスルホニル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-N-(1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミン(45)
[実施例40]
ステップ1:(R)-4-(6-クロロ-4-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(46-2)
ステップ2:tert-ブチル(R)-5-((4-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)アミノ)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(46-3)
ステップ3:(R)-4-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)-N-(3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリジン-2-アミン(46)
[実施例41]
ステップ1.(R)-4-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)-N-(3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリジン-2-アミン(47)
ジオキサン(8mL)中の(R)-4-(6-クロロ-4-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(150mg、0.49mmol)およびtert-ブチル5-アミノ-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(116mg、0.59mmol)に、Cs2CO3(400mg、1.23mmol)およびBrettPhos Pd G3(45mg、0.049mmol)を加えた。混合物にN2を2回満たし、次いで90℃で一晩撹拌した。反応物を水で希釈し、EtOAc(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物を、分取TLC(DCM/MeOH=10/1)により精製して、所望の生成物を得た(30mg、収率16.67%)。LC/MS (ESI) m/z: 369.1 [M+H]+.
ジオキサン(8mL)中の(R)-4-(6-クロロ-4-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(150mg、0.49mmol)およびtert-ブチル5-アミノ-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(116mg、0.59mmol)に、Cs2CO3(400mg、1.23mmol)およびBrettPhos Pd G3(45mg、0.049mmol)を加えた。混合物にN2を2回満たし、次いで90℃で一晩撹拌した。反応物を水で希釈し、EtOAc(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物を、分取TLC(DCM/MeOH=10/1)により精製して、所望の生成物を得た(30mg、収率16.67%)。LC/MS (ESI) m/z: 369.1 [M+H]+.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 11.68 (br s, 1 H) 8.80 (br s, 1 H) 6.52 (br s, 1 H) 6.05 (br s, 1 H) 5.98 (s, 1 H) 4.33 - 4.34 (m, 1 H) 4.29 (br d, J=6.52 Hz, 1 H) 3.93 (br dd, J=11.16, 3.01 Hz, 1 H) 3.82 - 3.88 (m, 1 H) 3.70 - 3.74 (m, 1 H) 3.61 - 3.65 (m, 1 H) 3.48 (td, J=11.72, 2.82 Hz, 1 H) 3.06 (td, J=12.68, 3.64 Hz, 1 H) 2.43 (s, 3 H) 2.25 (s, 3 H) 2.18 (s, 3 H) 1.15 (d, J=6.64 Hz, 3 H).
[実施例42]
生化学的アッセイ
アッセイ1:ATR阻害アッセイ
ATRキナーゼ活性の検出は、基質タンパク質FAM-RAD17(GL、カタログ番号514318、ロット番号P19042-MJ524315)のリン酸化を測定する移動度シフトアッセイ〔Mobility shift assay〕を利用した。アッセイは、Chempartnerで開発され、実施された。すべての試験化合物は、100%DMSOに20mMの濃度で溶解され、次いで化合物を調製し、アッセイを下記のとおり実施した:
1)80μlの20mM化合物を、96ウェルプレート中の40μlの100%DMSOに移す。
2)20μlを、次のウェル中の60μlの100%DMSOに移し、同様に全部で10の濃度に、化合物を連続希釈する。
3)100μlの100%DMSOを、化合物なし対照および酵素なし対照用に、同じ96ウェルプレート中の2つの空のウェルに加える。そのプレートに、ソースプレート〔source plate〕の印をつける。
4)40μlの化合物を、ソースプレートから、中間プレートとしての新たな384ウェルプレートに移す。
5)60nl化合物を、Echoによりアッセイプレートに移す。
6)ATRキナーゼ(Eurofins、カタログ番号14-953、ロット番号D14JP007N)を、キナーゼ系緩衝液(50mM HEPES、pH7.5;0.0015%Brij-35;0.01%Triton)に加えて、2×酵素溶液を調製し、次いで、10μlの2×酵素溶液を、384ウェルアッセイプレートの各ウェルに加え、室温で10分間インキュベートする。
7)FAM-RAD17およびATP(Sigma、カタログ番号A7699-1G、CAS番号987-65-5)を、キナーゼ系緩衝液に加え、2×ペプチド溶液を調製し、次いで10μlをアッセイプレートに加える。
8)28℃で明示された時間インキュベートする。40μlのストップ緩衝液(100mM HEPES、pH7.5;0.015%Brij-35;0.2%Coating Reagent#3;50mM EDTA)に加えて、反応を停止させる。
9)Caliperでデータを収集する。変換値を阻害値に変換する。
阻害パーセント=(最大-変換)/(最大-最低)×100
式中、「最大」はDMSO対照を表し;「最低」は低対照を表す。
XLFit excelアドインバージョン5.4.0.8でデータをフィットさせて、IC50値を得る。使用した式は:
Y=ボトム+(トップ-ボトム)/(1+(IC50/X)^ヒル勾配)
式中、Xは対数に変換されていないフォーマットでの濃度を意味する。
生化学的アッセイ
アッセイ1:ATR阻害アッセイ
ATRキナーゼ活性の検出は、基質タンパク質FAM-RAD17(GL、カタログ番号514318、ロット番号P19042-MJ524315)のリン酸化を測定する移動度シフトアッセイ〔Mobility shift assay〕を利用した。アッセイは、Chempartnerで開発され、実施された。すべての試験化合物は、100%DMSOに20mMの濃度で溶解され、次いで化合物を調製し、アッセイを下記のとおり実施した:
1)80μlの20mM化合物を、96ウェルプレート中の40μlの100%DMSOに移す。
2)20μlを、次のウェル中の60μlの100%DMSOに移し、同様に全部で10の濃度に、化合物を連続希釈する。
3)100μlの100%DMSOを、化合物なし対照および酵素なし対照用に、同じ96ウェルプレート中の2つの空のウェルに加える。そのプレートに、ソースプレート〔source plate〕の印をつける。
4)40μlの化合物を、ソースプレートから、中間プレートとしての新たな384ウェルプレートに移す。
5)60nl化合物を、Echoによりアッセイプレートに移す。
6)ATRキナーゼ(Eurofins、カタログ番号14-953、ロット番号D14JP007N)を、キナーゼ系緩衝液(50mM HEPES、pH7.5;0.0015%Brij-35;0.01%Triton)に加えて、2×酵素溶液を調製し、次いで、10μlの2×酵素溶液を、384ウェルアッセイプレートの各ウェルに加え、室温で10分間インキュベートする。
7)FAM-RAD17およびATP(Sigma、カタログ番号A7699-1G、CAS番号987-65-5)を、キナーゼ系緩衝液に加え、2×ペプチド溶液を調製し、次いで10μlをアッセイプレートに加える。
8)28℃で明示された時間インキュベートする。40μlのストップ緩衝液(100mM HEPES、pH7.5;0.015%Brij-35;0.2%Coating Reagent#3;50mM EDTA)に加えて、反応を停止させる。
9)Caliperでデータを収集する。変換値を阻害値に変換する。
阻害パーセント=(最大-変換)/(最大-最低)×100
式中、「最大」はDMSO対照を表し;「最低」は低対照を表す。
XLFit excelアドインバージョン5.4.0.8でデータをフィットさせて、IC50値を得る。使用した式は:
Y=ボトム+(トップ-ボトム)/(1+(IC50/X)^ヒル勾配)
式中、Xは対数に変換されていないフォーマットでの濃度を意味する。
以下の表2は、例示的な式(I)の化合物のIC50値を列記する。
アッセイ2:腫瘍細胞抗増殖アッセイ(CTGアッセイ)
ヒト大腸がん細胞HT-29(HTB-38)およびLoVo(CCL-229)をCTGアッセイに選択したが、その2種の細胞株は元々アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)から得た。FBSおよび適切な添加剤を基本培地に加えて完全培地を調製し、次いで細胞層を0.25%(w/v)トリプシン-0.038%(w/v)EDTA溶液で手短にすすいで、トリプシン阻害剤を含む血清の痕跡すべてを除去し、その後、適切な体積のトリプシン-EDTA溶液をフラスコに加え、細胞層が分散するまで倒立顕微鏡で細胞を観察し、最後に、適切な体積の完全増殖培地を加え、穏やかなピペット操作により細胞を吸引する。Vi-cell XRにより収集し、計数し、細胞密度を調整し、細胞を、96ウェル不透明壁透明底組織培養処理済みプレートに、CO2インキュベーター中で20~24時間播種した。試験化合物はすべてDMSO中10mMだろう。次いで、化合物を、細胞培地に、3倍段階希釈で加え、最終DMSO濃度は0.5%である。プレートを、96時間5%CO2、37℃でインキュベートする。測定前に、適切な体積のCellTiter-Glo緩衝液を、CellTiter-Glo基質を含む琥珀色のボトルに移して、凍結乾燥された酵素/基質混合物を復元し、穏やかに混合し、これにより、CellTiter-Glo試薬(Promegaカタログ番号G7573)を形成する。プレートおよびその内容物を、およそ30分間室温に平衡化し、次いで100μLのCellTiter-Glo試薬をアッセイプレートに加え、内容物を2分間オービタルシェーカー上で混合し、細胞溶解を誘導し、室温で10分間インキュベートして発光シグナルを安定化させ、最後に、裏面が白色のシール〔white back seal〕を透明底に貼り、ルミネセンスをEnspireで測定する。IC50およびGI50値を、4パラメーターロジスティックモデルY=ボトム+(トップ-ボトム)/(1+(IC50/X)^ヒル勾配)を使用して、XLFitカーブフィッティングソフトウェアにより計算した。
ヒト大腸がん細胞HT-29(HTB-38)およびLoVo(CCL-229)をCTGアッセイに選択したが、その2種の細胞株は元々アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)から得た。FBSおよび適切な添加剤を基本培地に加えて完全培地を調製し、次いで細胞層を0.25%(w/v)トリプシン-0.038%(w/v)EDTA溶液で手短にすすいで、トリプシン阻害剤を含む血清の痕跡すべてを除去し、その後、適切な体積のトリプシン-EDTA溶液をフラスコに加え、細胞層が分散するまで倒立顕微鏡で細胞を観察し、最後に、適切な体積の完全増殖培地を加え、穏やかなピペット操作により細胞を吸引する。Vi-cell XRにより収集し、計数し、細胞密度を調整し、細胞を、96ウェル不透明壁透明底組織培養処理済みプレートに、CO2インキュベーター中で20~24時間播種した。試験化合物はすべてDMSO中10mMだろう。次いで、化合物を、細胞培地に、3倍段階希釈で加え、最終DMSO濃度は0.5%である。プレートを、96時間5%CO2、37℃でインキュベートする。測定前に、適切な体積のCellTiter-Glo緩衝液を、CellTiter-Glo基質を含む琥珀色のボトルに移して、凍結乾燥された酵素/基質混合物を復元し、穏やかに混合し、これにより、CellTiter-Glo試薬(Promegaカタログ番号G7573)を形成する。プレートおよびその内容物を、およそ30分間室温に平衡化し、次いで100μLのCellTiter-Glo試薬をアッセイプレートに加え、内容物を2分間オービタルシェーカー上で混合し、細胞溶解を誘導し、室温で10分間インキュベートして発光シグナルを安定化させ、最後に、裏面が白色のシール〔white back seal〕を透明底に貼り、ルミネセンスをEnspireで測定する。IC50およびGI50値を、4パラメーターロジスティックモデルY=ボトム+(トップ-ボトム)/(1+(IC50/X)^ヒル勾配)を使用して、XLFitカーブフィッティングソフトウェアにより計算した。
以下の表3は、例示的な式(I)の化合物のIC50(Y=50%)値を提供する。
上記の説明は、本開示の原則の例示としてのみ考えられる。さらに、無数の修正および変更が当業者に容易に明らかであるため、これは、本発明を、上記に示すような精密な構成および工程に限定することを望むものではない。したがって、すべての好適な修正および均等物は、以下の特許請求の範囲により定義されるような本発明の範囲内に当てはまると考えられ得る。
Claims (73)
- 式(I)を有する化合物:
(式中
環Aは、存在しないか、3~6員のシクロアルキル、5~6員のヘテロシクリル、または5~6員のヘテロアリールであり;
Vは、直接結合、カルボニル、または1つもしくは複数のRcにより任意選択で置換されているアルキルであり;
WおよびLは、各々独立して、直接結合、-O-、-S-、または-N(Ra)-であり;
R1は、アルキル、シアノ、ヒドロキシル、-S(O)2CH3、または-S(O)(NH)CH3であり;
R2は、水素、ハロゲン、または1つもしくは複数のRbにより任意選択で置換されているアルキルであり;
環Bは
R5は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、およびハロアルキルからなる群から選択され;
Raは、水素またはアルキルであり;
Rbは、ヒドロキシルまたはハロゲンであり;
Rcは、ヒドロキシル、ハロゲン、またはアルキルであり;
nは、0、1、2、または3である)。 - Vが直接結合である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- Vがカルボニルである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- Vが、1つまたは複数のRcにより任意選択で置換されているアルキルである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- 環Aが3~6員のシクロアルキルである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- 環Aが、シクロプロピル、シクロペンチル、またはシクロヘキシル、好ましくは
- 環Aが5~6員のヘテロシクリルである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- 環Aが、ピラゾリルまたはテトラヒドロピラニルである、請求項7に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- 環Aが、5~6員のヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- 環Aが、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、またはイソオキサゾリルである、請求項9に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- 環Aが存在しない、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- Wが直接結合である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- Wが-N(Ra)-である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- 環Aが存在せず、Wが-N(Ra)-である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- Raが、水素またはメチルである、請求項13に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- 環Aが存在せず、Wが直接結合である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- R1がアルキルである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- R1がC1~3アルキルである、請求項17に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- R1が、-S(O)2CH3または-S(O)(NH)CH3である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- R1が、シアノまたはヒドロキシルである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- 環Aが、3~6員のシクロアルキル、5~6員のヘテロシクリル、または5~6員のヘテロアリールであり、R1が、アルキル、ヒドロキシル、-S(O)2CH3、または-S(O)(NH)CH3である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- 環Aが、シクロプロピル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、またはイソオキサゾリルである、請求項21に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- 環Aが5~6員のヘテロシクリルであり、R1がアルキルである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- 環Aが、ピラゾリル、トリアゾリル、またはイソオキサゾリルであり、R1がC1~3アルキルである、請求項23に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- 環Aが、ピラゾリル、トリアゾリル、またはイソオキサゾリルであり、R1がメチルである、請求項23に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- 環Aが存在せず、R1が、シアノまたは-S(O)2CH3である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- Lが結合である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- Lが-O-である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- Lが-S-である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- Lが-N(Ra)-である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- Raが水素である、請求項30に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- 環Bが
- Lが、-O-、-S-、または-N(Ra)-であり、環Bが
- Raが水素である、請求項33に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- R5が、水素またはアルキルである、請求項33に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- R2が水素である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- R2がハロゲンである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- R2がフルオロである、請求項37に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- R2が、1つまたは複数のRbにより置換されているアルキルである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- R2が、1つまたは複数のRbにより置換されているC1~3アルキルである、請求項39に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- R2が、1つまたは複数のRbにより置換されているメチルである、請求項40に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- Rbが、ヒドロキシルまたはフルオロである、請求項41に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- 式(II)または式(III)を有する、請求項1から42のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩:
- 以下からなる群から選択される式を有する、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩:
Uは、OまたはNHであり;
Vは、直接結合、カルボニル、または1つもしくは複数のRcにより任意選択で置換されているアルキルであり;
WおよびLは、各々独立して、-O-、-S-、または-N(Ra)-であり;
R1はアルキルであり;
R2は、水素、ハロゲン、または1つまたは複数のRbにより置換されているアルキルであり;
R5は、水素またはアルキルであり;
Raは、水素またはアルキルであり;
Rbは、ヒドロキシルまたはハロゲンであり;かつ
Rcは、ヒドロキシル、ハロゲン、またはアルキルである)。 - 以下からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物:
- 式(V)を有する化合物:
(式中
環Aは、存在しないか、3~6員のシクロアルキル、5~6員のヘテロシクリル、または5~6員のヘテロアリールであり;
Qは、直接結合または1つもしくはまたは複数のRdにより任意選択で置換されているアルキルであり;
Lは、-O-、-S-、または-N(Ra)-であり;
環Bは
Raは、水素またはアルキルであり;
Rdは、ヒドロキシル、ハロゲン、またはアルキルであり;
R1は、シアノ、ヒドロキシル、ハロゲン、-S(O)2CH3、および-S(O)(NH)CH3からなる群から選択され;
R5は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、およびハロアルキルからなる群から選択され;
nは、0、1、2、または3である)。 - Qが直接結合である、請求項46に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- Qがアルキルである、請求項46に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- QがC1~3アルキルである、請求項48に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- 環Aが3~6員のシクロアルキルである、請求項46に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- 環Aがシクロプロピルである、請求項50に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- 環Aが
- 環Aが存在しない、請求項46に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- 環Aが5~6員のヘテロシクリルである、請求項46に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- 環Aがテトラヒドロピラニルである、請求項46に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- 環Aが
- Qがアルキルであり、環Aが存在しない、請求項46に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- Qが直接結合であり、環Aが、3~6員のシクロアルキルまたは5~6員のヘテロシクリルである、請求項46に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- R1が、-S(O)2CH3または-S(O)(NH)CH3である、請求項46に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- R1が、シアノ、ヒドロキシル、またはハロゲンである、請求項46に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- 環Aが、存在しないか、3~6員のシクロアルキル、または5~6員のヘテロシクリルであり、R1が、-S(O)2CH3または-S(O)(NH)CH3である、請求項46に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- 環Aが、存在しないか、または3~6員のシクロアルキルであり、R1が、シアノ、ヒドロキシル、またはハロゲンである、請求項46に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- Lが-O-である、請求項46に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- Lが-S-である、請求項46に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- Lが-N(Ra)-であり、Raが水素である、請求項46に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- 環Bが
- R5が、水素またはアルキルである、請求項46に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
- 以下からなる群から選択される、請求項46に記載の化合物:
- 請求項1から68のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
- がんを処置する方法であって、有効量の請求項1から68のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩または請求項69に記載の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法。
- がんを処置するための医薬の製造における、請求項1から68のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩または請求項69に記載の医薬組成物の使用。
- がんの処置に使用するための、請求項1から68のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩または請求項69に記載の医薬組成物。
- それを必要とする対象におけるATRキナーゼを阻害する方法であって、有効量の請求項1から68のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩または請求項69に記載の医薬組成物を、前記対象に投与することを含む方法。
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