JP2020126750A - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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清秋 下妻
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博紀 駒▲崎▼
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Tetsuya Hayama
哲矢 羽山
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Abstract

【課題】 判定した油量の結果に応じて、予熱完了報知する予熱完了報知時間を備えることが可能となり、鍋内の油量に対し、余分な加熱時間を与えることなく、素早く予熱が完了したことを報知させて、揚げ物調理を使い易いものとすることができる誘導加熱調理器を提供する。【解決手段】 鍋底温度が設定温度より高い第二温度となるようにインバータを制御し、第二温度に到達するまでの鍋底温度の上昇度合いに基づいて鍋に入っている油量を判定し、判定した油量と設定温度の組み合わせに基づいて、制御温度と予熱完了報知時間を決定し、鍋底温度が制御温度に収束するようにインバータを制御し、鍋底温度が制御温度に収束した後、予熱完了報知時間が経過したときに、予熱完了を報知する誘導加熱調理器。【選択図】 図6

Description

本発明は、トッププレートに載置した鍋の鍋底温度を赤外線センサで検知し、設定した油温となるように火力を制御する誘導加熱調理器に関するものである。
油の温度が適温になるように予熱を行い、予熱完了を事前報知する誘導加熱調理器としては、特許文献1に記載のものが知られている。例えば、この文献の要約書には、「加熱する鍋の材質、形状、及び油量や加熱開始時の温度や油温の違いによるそれぞれの加熱環境に合わせて予熱完了報知時間(La)をそれぞれ決定し、その決定された予熱完了報知時間(La)を元に、ある設定された時間を遡った時点を予熱完了事前報知点(B)とすることで、様々な加熱環境に応じて精度よく予熱完了の事前報知を行うことができる。」と記載されている。
また、特許文献1の請求項1には、被加熱物の温度が上昇から下降に変化する変曲点である最高温度到達点を求めることにより予熱完了報知時間を決定し、決定された時間を遡った時点を予熱完了事前報知点とする、と記載されている。
特開2012−252883号公報
このように、特許文献1においては、油量の多寡に拘わらず、被加熱物(鍋)の底面の最高温度到達点を起点として予熱完了報知時間(La)を決定している。一方で、特許文献1では、被加熱物(鍋)の温度が最高温度から制御温度に収束するまでの時間が、油量や鍋の材質など諸条件に影響されることは考慮されていない。
特許文献1においては、最高温度到達後に被加熱物の温度を下げる制御を行うが、通常、被加熱物の温度を下げる場合、加熱を停止、または弱めることになる。しかしながら、被加熱物の底面温度が最高温度から制御温度に下降するまでの時間の長さは、油量や設定温度等の加熱環境に応じて変動するため、被加熱物の最高温度到達点を起点として予熱完了報知時間(La)を決定する特許文献1の方法では、被加熱物が制御温度に収束する時間と油温が設定温度に収束する時間には誤差が発生しやすい。すなわち、特許文献1の誘導加熱調理器では、被加熱物が制御温度に到達した頃に予熱完了が報知されたにも拘わらず、実際の油温は設定温度に達していないという事態も発生しうる。
そこで、本発明では、油温が設定温度に収束するまでの時間が、通常、少量油の場合は短く、多量油の場合は長いという特性等を踏まえ、揚げもの調理時に、油量に応じた適切なタイミングで予熱完了を報知することができる誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、本体の上面に設けられ、油を入れた鍋を搭載するトッププレートと、該トッププレートの下方に設けられ、前記鍋を誘導加熱する加熱コイルと、該加熱コイルに電力を供給するインバータと、前記鍋の鍋底から放射される赤外線に基づいて鍋底温度を検知する赤外線センサと、前記油の設定温度を入力する入力部と、前記鍋底温度、および、前記設定温度に基づいて、前記インバータが前記加熱コイルに供給する電力を制御する制御装置と、を備え、該制御装置は、前記鍋底温度が前記設定温度より高い第二温度となるように前記インバータを制御し、前記第二温度に到達するまでの前記鍋底温度の上昇度合いに基づいて前記鍋に入っている油量を判定し、判定した油量と前記設定温度の組み合わせに基づいて、制御温度と予熱完了報知時間を決定し、前記鍋底温度が前記制御温度に収束するように前記インバータを制御し、前記鍋底温度が前記制御温度に収束した後、前記予熱完了報知時間が経過したときに、予熱完了を報知する、誘導加熱調理器とした。
本発明の誘導加熱調理器によれば、揚げもの調理時に、油量に応じた適切なタイミングで予熱完了を報知することができる。
一実施例の誘導加熱調理器の外観斜視図。 誘導加熱調理器のトッププレートを除いた上面図。 左右の加熱コイルを主体とした構成を示すブロック図。 反射型フォトインタラプタの説明図。 上面操作部と上面表示部の説明図。 誘導加熱調理器の動作を説明するフローチャート。 量判定時間と油量のデータテーブルの説明図。 設定温度と油量によって決まる制御温度のデータテーブルの説明図。 設定温度と油量によって決まる予熱完了報知時間のデータテーブルの説明図 赤外線センサの検知温度と油の温度との関係を説明する説明図。
以下、本発明の一実施例を図1〜図10を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施例の誘導加熱調理器の外観斜視図である。図1において、誘導加熱調理器の本体1の上面にはトッププレート2が水平に配置されている。
トッププレート2は、耐熱ガラス製の厚さ約4mmのもので構成され、鉄等の磁性体又はアルミ等の非磁性体よりなる鍋30等の調理容器を載置する。
トッププレート2下方で本体1内上部の左右及び中央後部には加熱部を設けている。左右の加熱部には、環状に形成された加熱コイル3が夫々配置されており、トッププレート2に載置された鍋30等を誘導加熱する。中央後の加熱部は加熱コイル3の例を示すが、ラジアントヒータでもよい。
トッププレート2の前面側上面には、夫々の加熱コイル3に対応した上面操作部7(7a,7b,7c)が設けられていて、加熱コイル3の通電状態の設定や操作を行う。また、各上面操作部7a,7b,7cに対応して上面表示部8(8a,8b,8c)が上面操作部7の近傍に設けられており、夫々の加熱コイル3の通電状態等を表示する。上面操作部7、上面表示部8で入力部70を成し、入力部70では加熱する鍋30の温度を設定する。
上面操作部7aは、本体1右側の加熱コイル3の火力等の入力を行い、上面操作部7bは本体1中央後部の加熱コイル3の火力等の入力を行い、上面操作部7cは本体1左側の加熱コイル3の火力等の入力を行う。
本体1の後部右側には、上方に向けて開口した吸気口4が設けられており、本体1内に設けられたファン(図示せず)により、吸気口4から吸気した冷却風を本体1内に設けられた制御基板(図示せず)や加熱コイル3等に流して冷却する。尚、吸気口4は、本体1の前面、下面に設けても良い。また、本体1の後部左側には、本体1内部を冷却した冷却風を排気する排気口5が設けられている。
本体1の前面左部には、魚やピザ等を焼くグリル加熱器6が設けられており、グリル加熱器6は、前面が開口した箱型をしていて、内部の調理庫内にシーズヒータ等の発熱体と内部の温度を検出するグリルサーミスタ(図示せず)が設けられ、前面部はハンドル6aが取り付けられたグリルドア6bにより塞がれている。グリルドア6bは、その裏側に受け皿が取り付けられており、調理庫内に前面開口部から出し入れ自在に収納され、受皿の上に載置された焼網の上に魚やピザ等の食材を載せて調理する。
本体1の前面右部には、本体1へ供給する電源の主電源スイッチ9と、グリル加熱器6の加熱調理条件等を入力する前面操作部10が設けられている。
図2は誘導加熱調理器のトッププレート2を除いた上面図、図3は誘導加熱調理器の左右の加熱コイルを主体とした構成を示すブロック図である。
左右に配設された加熱コイル3は、夫々環状の内側加熱コイル3aと、その外側に環状の隙間3bを設けて配置された環状の外側加熱コイル3cとで構成されている。加熱コイル3に隙間3bを設ける理由は、内側加熱コイル3aと外側加熱コイル3cとで発生する磁束を分散させて鍋30の温度を均一化するためである。なお、各加熱コイル3は隙間3bを設ける構成としたが、特にこれに限定されることはない。例えば内側加熱コイル3aと外側加熱コイル3cを隙間無く巻回した隙間3bの無い加熱コイル3とする構成であってもよい。
加熱コイル3は、図3に示すようにコイルベース13上に設置されている。また、ギャップスペーサー14が、コイルベース13の外周に適宜間隔を保持して設けられ、コイルベース13が複数のバネ(図示せず)によりトッププレート2方向に付勢されることにより、加熱コイル3がトッププレート2に対し略並行となり、かつトッププレート2に載置される鍋30と加熱コイル3とのギャップが一定に保持されるように構成している。
加熱コイル3は、表皮効果を抑制するためリッツ線を採用していて、後述するインバータ100により数十kHzの高周波で数百Vの電圧が印加され、鍋30に対して高周波磁界を印加して鍋30に渦電流を発生させ、鍋30を自己発熱させて加熱する。
左右に配設された加熱コイル3の中心部近傍には、サーミスタで構成された内側温度センサ15aがトッププレート2の下面に密着して設けられており、加熱コイル3の上方に載せられた鍋30の温度をトッププレート2を介して検知する。また、加熱コイル3の隙間3bには、加熱コイル3の中心から等距離で、サーミスタで構成された外側温度センサ15b,15c,15dが設けられ、トッププレート2の下面に密着することにより、加熱コイル3の上方に載せられた鍋30の温度を検知する。なお、外側温度センサ15b,15c,15dは、加熱コイル3の隙間3bに設ける構成としたが、特にこれに限定されることはない。例えば外側加熱コイル3cの外周近傍や、または、内側加熱コイル3aと外側加熱コイル3cを隙間無く巻回した隙間3bの無い加熱コイル3とした構成の外周近傍に設ける構成であってもよい。また、外側温度センサ15b,15c,15dは3個に限定されることはなく、1個又は2個であっても、または、3個以上であってもよい。
左右に配設された加熱コイル3の隙間3bの下方には、鍋30の底面から放射される赤外線をトッププレート2を通して受光し、その受光した赤外線のエネルギーから温度を検知する赤外線センサ17が設けられている。赤外線センサ17は、熱型検出素子を使用し、鍋30から放射される赤外線を検知するセンサである。また、赤外線センサ17には検知する赤外線の視野角を制限するレンズや導光筒等(図示せず)が設けられている。
左右に配設された加熱コイル3の隙間3bには、赤外線センサ17に近接して反射型フォトインタラプタ18がトッププレート2の下面から離れた位置に設けられている。図4は反射型フォトインタラプタ18を説明する図である。図に示すように反射型フォトインタラプタ18は、赤外線発光素子としての赤外線LED18aと、赤外線受光素子としての赤外線フォトトランジスタ18bとを同一プラスチック部材に並べてモールド18cしている。赤外線LED18aの発光面上にはプラスチックでレンズが構成され、細いビームで930nm付近の赤外光を上方に照射する。赤外線フォトトランジスタ18bの受光面上には可視光阻止のプラスチックでレンズが構成され、先の照射赤外光の物体(鍋底面)での反射赤外光を狭い視野角で受光し、その受光量に比例した電流を出力する。この反射型フォトインタラプタ18の出力から、反射率計測回路19でトッププレート2上に置かれた鍋30底面の反射率を計測する。なお、赤外線LED18aの930nm付近の赤外光は、大部分がトッププレート2を通過するが、一部はトッププレート2で反射される。これはトッププレート2の透過率が波長930nmで90%であり、残りの10%の赤外光は反射されるためである。したがって、反射率計測回路19は、トッププレート2上に反射率が既知の鍋30(金属板)を載置したときの反射型フォトインタラプタ18の出力との関係を予め測定し、この関係をテーブルデータあるいは近似式の係数値を記憶しておき、反射率を算出するように構成する。
図5は入力部70の上面操作部7aと上面表示部8aを説明する図である。上面操作部7cと上面表示部8cの内容は、上面操作部7aと上面表示部8aの内容と同じものであるため説明は省略する。上面表示部8aは、表示部81aと表示部81bに分けられ、表示部81aは、火力設定キー72で入力される火力やメニュー設定キー71で入力される調理メニュー等が表示される。表示部81bは、メニュー設定キー71で設定された“揚げもの”や“ステーキ”メニュー等において、鍋30を予熱して鍋30の温度が適温に達した時に使用者に食材の投入タイミングを知らせることができるように「予熱中」と、「適温」の表示を行うことができる。
火力設定キー72で設定できる火力は、“とろ火”キー72a“弱火”キー72b“中火”キー72c“強火”キー72dの4段階に分かれ、必要な火力を一回の操作で入力できるように火力に応じて個別にキーが設けられている。
設定する火力の目安は、最大で12段階の火力が設けられており、各火力と消費電力の関係は、「1」段階は100W相当、「2」段階は200W相当、「3」段階は300W、「4」段階は400W、「5」段階は500W、「6」段階は800W、「7」段階は1.1kW、「8」段階は1.4kW、「9」段階は1.6kW、「10」段階は2kW、「11」段階は2.5kW、「12」段階は3kWである。各段階の数字は表示部81aに火力の目安として表示する数字である。また、4段階の火力表示と12段階表示の関係は、“とろ火”は「1」、“弱火”は「2」「3」「4」「5」、“中火”は「6」「7」「8」、“強火”は「9」「10」「11」「12」となる。
矢印調整キー73は、火力設定キー72で入力できない火力、例えば火力「9」を入力する場合は、まず“中火”キー72cにより火力を「7」に設定し、次に、火力調整UPキー73bを2回押すと、表示部81aに表示されていた火力を示す数字が「7」から「8」、「8」から「9」へと変更され、火力が強火「9」に成ったことを示す。ちなみに、次に矢印調整DOWNキー73aを押すと火力が「9」から「8」と下げることができる。
メニュー設定キー71は、自動調理の“炊飯”や、“揚げもの”,“湯沸し”,“炒めもの”,“ステーキ”等を設定するためのもので、メニュー設定キー71を押すことで表示部81aにメニューが表示され、メニュー設定キー71を押すたびにメニューが切り替わり表示される。これによって使用するメニューを選択する。
メニュー設定キー71で“揚げもの”を選択すると、次に油温を設定する必要があり、その場合矢印調整キー73を操作して140℃〜200℃の7段階の温度を設定することができる。例えばメニュー設定キー71で揚げものを設定し、次に矢印調節キー73で油温を180℃に設定したとき、表示部81aは、図5に示すように「180」の数字と「揚げもの」の文字が表示される。
74は調理の開始や停止するための切・スタートキーである。
次に、図3を用いて、左右の加熱コイル3による鍋30の加熱制御について簡単に説明する。なお、グリル加熱器6の制御、および本体1中央後部の加熱コイル3の制御については説明を省略する。
制御装置118は、上面操作部7aのメニュー設定キー71や火力設定キー72からの火力や矢印調整キー73からの温度の出力信号を受け取る。また、制御装置118は、加熱コイル3の近傍に設けられた内側温度センサ15aと、外側温度センサ15b,15c,15dからの出力信号を受け取る。
加熱コイル3に設けられた赤外線センサ17の出力は、鍋30の赤外線放射率の違いにより、同じ鍋底温度でありながら赤外線センサ17の出力が異なる。そこで、鍋30の放射率の違いによる出力を補正するため、反射型フォトインタラプタ18の出力から、反射率計測回路19で鍋30底の反射率を計測し、制御装置118では赤外線センサ17の出力を得られた反射率で補正して鍋30の温度を検知する。そして、制御装置118は、入力部70と赤外線センサ17の出力や温度センサ15の出力信号に基づいてインバータ100を制御し、加熱コイル3に流れる高周波電流を制御して加熱コイル3に供給する電力を制御し、鍋30を加熱制御する。
以上のように構成された誘導加熱調理器による、揚げ物調理時の動作の詳細を図6から図10を用いて説明する。
揚げ物調理時に、油を入れた鍋30の鍋底温度を赤外線センサ17で検知しながら加熱コイル3に供給する電力を制御し、油温を一定の設定温度Tに保つ制御を行う場合、鍋30に入れた油の量に応じて赤外線センサ17が検知する鍋30の鍋底温度と実際の油温に温度差が生じ、また設定温度に応じても赤外線センサ17の検知する鍋30の鍋底温度と実際の油温に温度差が発生するという問題がある。
そのため、本実施例では、赤外線センサ17で検知した鍋底温度の上昇の度合いに応じて油量を判定し、判定した油量と設定温度の組み合わせに応じて、鍋底温度の目標温度である制御温度Tを補正することで、油温が設定温度Tに略一致するように加熱するものである。以下、図6のフローチャートで全体の流れを説明し、各必要に応じて図7〜図9の表と、図10の具体例より詳細に説明する。
初めに、図7〜図9のテーブルを説明する。
図7は、鍋底温度の上昇の度合いに応じて油量Qを判定するテーブルの一例である。このテーブルは、油を入れた鍋30の加熱時の赤外線センサ17の検知温度を監視し、検知温度が特定の検知温度の区間を通過する時間(以下、通過時間t)と、通過時間tに応じた油量Qの関係を表したものである。ここでは、通過時間tを、量判定時間tJ1,tJ2,tJ3,tJ4の4つに区分している。例えば、量判定時間tJ1は20秒未満、tJ2は20秒以上25秒未満、tJ3は25秒以上30秒未満、tは30秒以上60秒未満である。そして、何れの量判定時間tに該当するかに応じて、油量Qを判定する。量判定時間tを上記の4区分とした場合、判定される油量Qは、例えば、Qは200g以上400g未満、Qは400g以上600g未満、Qは600g以上800g未満、Qは800g以上の4区分である。
図8は、量判定時間tに基づいて判定した油量Qと、使用者が入力部70を用いて設定した設定温度Tの組み合わせから制御温度Tを求めるテーブルの一例である。このテーブルにより制御温度Tが求まると、制御装置118は、赤外線センサ17で検知される鍋底温度が制御温度Tとなるように、インバータ100から加熱コイル3に供給する電力を制御する。なお、制御温度Tは、油量Qが多いほど高い温度を設定する。これは、一般的に、鍋底温度と油温の温度差は、油量と概ね比例関係にあるため、油量が多いほど、実際の油温は鍋底温度よりも低くなるからである。
また、図9は、量判定時間tに基づいて判定した油量Qと、使用者が入力部70を用いて設定した設定温度Tなどを制御する。なお、予熱完了報知時間tは、油量Qが多いほど長い時間を設定する。これは、火力制御が同一である場合、油温を設定温度Tまで上昇させるまでに必要な時間は、油量と概ね比例関係にあるからである。
次に、図6のフローチャートを基に、“揚げもの”調理時の制御の流れについて説明する。なお、この処理の開始前に、使用者は、揚げもの用の鍋30に調理内容に応じた量の油を入れ、本体1右側の加熱コイル3の中央に載置しているものとする。
まず、工程S1では、使用者は、主電源スイッチ9をオンにする。
次に、工程S2では、使用者は、表示部81aを見ながら上面操作部7aのメニュー設定キー71を操作して表示部81aに「揚げもの」を表示させた後、矢印調整キー73を操作して設定温度T(10℃刻みで選択可能な、140℃〜200℃)を入力する。以下では、使用者が、設定温度Tを180℃に設定したものとして説明を進める。この工程を終えると、図5に例示するように、表示部81aには、設定温度T「180」と、メニュー「揚げもの」が表示される。
そして、工程S3で、使用者が切・スタートキー74を操作すると、制御装置118は、設定温度Tに拘わらず、赤外線センサ17で検知される鍋底温度が、設定温度Tの上限200℃より高温の第二温度T(例えば220℃)となるまで、一定の火力(例えば1.5kW)で鍋30を加熱する。これにより、鍋底温度と油温はともに上昇を開始する。
工程S4〜工程S10は、制御装置118が鍋30内の油量Qを判定する工程であり、赤外線センサ17で検知した鍋底温度が、第一温度T(例えば200℃)に到達してから第二温度T(例えば220℃)に到達するまでの通過時間tを制御装置118で計測し、通過時間tに応じた油量Qを判定する工程である。なお、第一温度Tと第二温度Tは、設定温度Tに関係なく定められた固定の温度である。
まず、工程S4では、制御装置118は、鍋底温度が第一温度Tに到達したかを赤外線センサ17で監視する。そして、検知温度が第一温度Tに到達すると、工程S5へ移行し、通過時間tの計測を開始する。
工程S6では、制御装置118は、鍋底温度が第二温度Tに到達したかを赤外線センサ17で監視する。そして、第二温度Tに到達していなければ工程S7へ移行し、第二温度Tに到達すれば工程S9へ移行する。
工程S7では、制御装置118は、計測中の通過時間tが、所定の待機時間t(例えば60秒)を経過したか監視する。そして、待機時間tの経過前は工程S6に戻り、経過後は、工程S8へと移行する。なお、待機時間tは、誘導加熱調理器で加熱できる最大油量(例えば、800g)を加熱した場合に、第一温度Tから第二温度Tまで温度上昇するのに要する最大時間に相当する時間である。
工程S8は、鍋底温度が第二温度Tに到達しなかった場合であっても処理を継続するための工程であり、この場合、制御装置118は、油量Qを最大の区分であるQに設定する。
工程S9では、待機時間tの経過前に鍋底温度が第一温度Tから第二温度Tに上昇した場合に、制御装置118は、それに要した時間を通過時間tとして確定する。
工程S10では、制御装置118は、工程S9で決定した通過時間tに基づいて、その通過時間tが含まれる量判定時間tの区分を決定し、各区分に応じた油量Qを判定する。この工程で用いられるのが、前述の図7のテーブルである。
工程S11では、制御装置118は、工程S2で設定された設定温度Tと、工程S10で判定した油量Qに基づいて、制御温度Tを設定する。この工程で用いられるのが、前述の図8のテーブルである。
工程S12では、制御装置118は、工程S2で設定された設定温度Tと、工程S10で判定した油量Qに基づいて予熱完了報知時間tを設定する。この工程で用いられるのが、前述の図9のテーブルである。
工程S13では、制御装置118は、鍋底の目標温度を、工程S3で設定した第二温度Tから、工程S11で設定した制御温度Tに切り替えて、加熱コイル3に供給する電力を制御し、鍋底温度が制御温度Tの近傍に収束したかを赤外線センサ17で監視する。そして、制御温度Tに収束していなければ工程S13を繰り返し、制御温度Tに到達すれば工程S14へ移行する。
工程S14では、制御装置118は、鍋底温度が制御温度Tに収束した以降の経過時間を測定し、測定した時間が予熱完了報知時間tを経過したかを監視する。そして、完了報知時間tを経過していなければ工程S14を繰り返し、完了報知時間tを経過すれば工程S15へ移行する。
工程S15では、制御装置118は、鍋30内の油温が設定温度Tになったことを使用者に報知して、予熱制御を終了する。なお、予熱制御の終了後は、制御装置118は、赤外線センサ17で検知される鍋底温度が、制御温度Tを維持するように、加熱コイル3への供給電力を制御する。
次に、図10を用いて、使用者が設定した設定温度Tが180℃であり、鍋30内の油量Qが300gである場合を例に、本実施例の揚げもの調理制御を具体的に説明する。この図10において、上グラフは、赤外線センサ17が検知する鍋底温度(実線)と、鍋30内の油温(一点鎖線)の時間変化を示す図であり、下グラフは、加熱コイル3に供給される電力の時間変化を示す図である。
揚げもの調理を開始すると、下グラフに示すように、加熱コイル3には所定の一定電力が供給され、鍋底温度が予め設定された第二温度Tまで急上昇する。この期間に、制御装置118は、赤外線センサ17の検知温度が、第一温度Tから第二温度Tに上昇するまでの時間の長さ(通過時間t)を測定する。なお、第二温度Tに到達するまでの加熱制御は、設定温度Tに拘わらず同様である。
通過時間t(例えば、15秒)が測定されると、制御装置118は、図7に例示したテーブルを用いて、この通過時間t(15秒)を含む量判定時間tJ1を特定し、さらに、この量判定時間tJ1に対応する油量Qを特定する。そして、図8、図9に例示したテーブルを用いて、特定した油量Qと設定温度T(180℃)の組み合わせに対応する、制御温度T(210℃)と予熱完了報知時間t(80秒)を決定する。
そして、制御装置118は、赤外線センサ17が検知する鍋底温度が制御温度T(210℃)に収束したタイミングを起点として、予熱完了報知時間t(80秒)が経過するまで、鍋底温度が制御温度T(210℃)を維持するように加熱コイル3への供給電力を制御する。図10の上グラフから明らかなように、鍋底温度に比べ、油温は遅れて上昇するため、鍋底温度が制御温度T(210℃)に収束した時点では、油温は設定温度T(180℃)に到達しておらず、予熱完了報知時間t(80秒)が経過した頃に設定温度Tに到達する。従って、制御装置118は、予熱完了報知時間tの経過後に表示部81bや音声を用いて予熱完了を報知することで、油温が設定温度T(180℃)に到達したタイミングを使用者に報知することができる。
予熱完了が報知された後も、制御装置118は、鍋底温度が制御温度T(210℃)を維持するように加熱コイル3への供給電力を制御する。これにより、鍋30内の油温も、設定温度T(180℃)を維持することができる。
以上、実施例によれば、鍋30内の油量を判定し、油量と設定温度Tに関連づけされた段階的な予熱完了報知時間tを設定することにより、油量が少なければ短時間、油量が多ければ長時間と、油量に応じた予熱完了報知時間tとすることができる。
また、判定した油量により固定時間である予熱完了報知時間tを設定することから、製品本体への表示や音声、またはスマートフォンなどの携帯端末に製品本体からの情報を転送することにより、加熱開始から比較的早い段階で、調理可能な温度に到達する予熱完了までに必要な時間を使用者に伝えることも可能である。
このように、予熱完了にかかる時間を使用者に伝えるのは、制御温度Tに到達し、予熱完了報知時間tによる制御がはじまった時点となり、加熱開始から比較的早い段階で使用者へ情報を伝えることも可能となる。
1 本体
2 トッププレート
3 加熱コイル
17 赤外線センサ
30 鍋
70 入力部
118 制御装置
通過時間
量判定時間
予熱完了報知時間
設定温度
第一温度
第二温度
制御温度
Q 油量

Claims (5)

  1. 本体の上面に設けられ、油を入れた鍋を搭載するトッププレートと、
    該トッププレートの下方に設けられ、前記鍋を誘導加熱する加熱コイルと、
    該加熱コイルに電力を供給するインバータと、
    前記鍋の鍋底から放射される赤外線に基づいて鍋底温度を検知する赤外線センサと、
    前記油の設定温度を入力する入力部と、
    前記鍋底温度、および、前記設定温度に基づいて、前記インバータが前記加熱コイルに供給する電力を制御する制御装置と、を備え、
    該制御装置は、
    前記鍋底温度が前記設定温度より高い第二温度となるように前記インバータを制御し、
    前記第二温度に到達するまでの前記鍋底温度の上昇度合いに基づいて前記鍋に入っている油量を判定し、
    判定した油量と前記設定温度の組み合わせに基づいて、制御温度と予熱完了報知時間を決定し、
    前記鍋底温度が前記制御温度に収束するように前記インバータを制御し、
    前記鍋底温度が前記制御温度に収束した後、前記予熱完了報知時間が経過したときに、予熱完了を報知する、
    ことを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 請求項1に記載の誘導加熱調理器において、
    前記鍋底温度の上昇度合いは、前記鍋底温度が予め設定された第一温度から第二温度に上昇するまでに要した通過時間の長さであることを特徴とする誘導加熱調理器。
  3. 請求項1に記載の誘導加熱調理器において、
    前記制御温度は、前記設定温度と前記油量の組み合わせに対応する制御温度を規定した制御温度設定テーブルに基づいて決定されることを特徴とする誘導加熱調理器。
  4. 請求項1に記載の誘導加熱調理器において、
    前記予熱完了報知時間は、前記設定温度と前記油量の組み合わせに対応する予熱完了報知時間を規定した予熱完了報知時間設定テーブルに基づいて決定されることを特徴とする誘導加熱調理器。
  5. 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の誘導加熱調理器において、
    前記予熱完了報知時間の経過は、
    前記本体に設けられた表示部、または、携帯端末を介して、視覚的または聴覚的に報知されることを特徴とする誘導加熱調理器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114847763A (zh) * 2021-02-04 2022-08-05 浙江苏泊尔家电制造有限公司 用于烹饪器具的控制方法和烹饪器具

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