JP2011009089A - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】付属鍋以外の鍋でも安全に揚げもの調理ができる誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
【解決手段】上記の課題は、鍋の鍋底が放射する赤外線を受光し鍋底温度を検知する赤外線センサと、鍋の鍋底に向けて赤外線を発光する赤外線発光手段と、鍋の鍋底で反射した赤外線を受光する赤外線受光手段と、赤外線受光手段の出力に基づいて鍋の鍋底の反射率を計測する反射率計測手段と、反射率計測手段で計測した反射率に基づいて、鍋が付属のてんぷら鍋であると判断したときには赤外線センサで検知される鍋底温度が第一の設定温度になるようにインバータを制御して揚げもの調理を行い、鍋が付属のてんぷら鍋以外の鍋であると判断したときには赤外線センサで検知される鍋底温度が第一の設定温度よりも低い第二の設定温度になるようにインバータを制御して揚げもの調理を行う制御手段と、を具備する誘導加熱調理器によって解決される。
【選択図】 図7
【解決手段】上記の課題は、鍋の鍋底が放射する赤外線を受光し鍋底温度を検知する赤外線センサと、鍋の鍋底に向けて赤外線を発光する赤外線発光手段と、鍋の鍋底で反射した赤外線を受光する赤外線受光手段と、赤外線受光手段の出力に基づいて鍋の鍋底の反射率を計測する反射率計測手段と、反射率計測手段で計測した反射率に基づいて、鍋が付属のてんぷら鍋であると判断したときには赤外線センサで検知される鍋底温度が第一の設定温度になるようにインバータを制御して揚げもの調理を行い、鍋が付属のてんぷら鍋以外の鍋であると判断したときには赤外線センサで検知される鍋底温度が第一の設定温度よりも低い第二の設定温度になるようにインバータを制御して揚げもの調理を行う制御手段と、を具備する誘導加熱調理器によって解決される。
【選択図】 図7
Description
本発明は、トッププレート上に載置された鍋の温度をトッププレートを介して検知する温度検知手段を備えた誘導加熱調理器に関するものである。
揚げものモードを備えた誘導加熱調理器として特許文献1や特許文献2に記載されたものが知られている。これらの特許文献では、発火の可能性のある油の温度過昇を防止するため、付属のてんぷら鍋を用いて温度過昇防止制御を高精度に行い、安全に揚げもの調理を行っている。
しかしながら、上記の従来技術の誘導加熱調理器においては、揚げもの調理時には付属のてんぷら鍋を使わなければならず、付属のてんぷら鍋以外の鍋での揚げもの調理は考慮されていないという問題があった。
本発明は、付属鍋以外の鍋でも安全に揚げもの調理ができる誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
上記の課題は、鍋を載置するトッププレートと、該トッププレートの下方に設けられた加熱コイルと、該加熱コイルに電力を供給するインバータと、前記トッププレートの下方に設けられ、前記鍋の鍋底が放射する赤外線を受光し鍋底温度を検知する赤外線センサと、前記トッププレートの下方に設けられ、前記鍋の鍋底に向けて赤外線を発光する赤外線発光手段と、前記トッププレートの下方に設けられ、前記鍋の鍋底で反射した赤外線を受光する赤外線受光手段と、該赤外線受光手段の出力に基づいて前記鍋の鍋底の反射率を計測する反射率計測手段と、該反射率計測手段で計測した反射率に基づいて、前記鍋が付属のてんぷら鍋か、付属のてんぷら鍋以外の鍋かを判断し、前記鍋が付属のてんぷら鍋であると判断したときには前記赤外線センサで検知される鍋底温度が第一の設定温度になるように前記インバータを制御して揚げもの調理を行い、前記鍋が付属のてんぷら鍋以外の鍋であると判断したときには前記赤外線センサで検知される鍋底温度が前記第一の設定温度よりも低い第二の設定温度になるように前記インバータを制御して揚げもの調理を行う制御手段と、を具備する誘導加熱調理器によって解決される。
本発明の誘導加熱調理器によれば、揚げもの調理が誘導加熱調理器に付属するてんぷら鍋で行われているか否かを正確に判定し、付属鍋以外の鍋でも安全に揚げもの調理を行うことができる。
以下、本発明の一実施例について、図1〜図6を参照して説明する。
図1は本発明の実施例を示す誘導加熱調理器の外観斜視図である。図1において、誘導加熱調理器の本体1の上面にはトッププレート2が水平に配置されている。
トッププレート2は、耐熱性の高い結晶化ガラス製の厚さ約4mmのもので構成され、鍋30を載置する。なお、鍋30は鉄等の磁性体又はアルミ等の非磁性体の何れでも用いることができるものとするが、揚げもの調理時により正確な温度制御をできるように付属品のてんぷら鍋が用意されているものとする。この付属品のてんぷら鍋とは、揚げもの調理が失敗無く行えるように材質(鉄,磁性ステンレス)や鍋底の形状,鍋の厚み等を管理したもので、誘導加熱調理器に付属品としてセットで提供され、揚げもの調理のみに使用するものであり、周囲に黒い塗装が施されている。
トッププレート2下方で本体1内上部の左右及び中央後部には、環状に形成された加熱コイル3が夫々配置されており、トッププレート2に載置された鍋30等を誘導加熱する。
トッププレート2の前面側上面には、夫々の加熱コイル3に対応した上面操作部7a,7b,7cが設けられていて、加熱コイル3の通電状態の設定や操作を行う。また、各上面操作部7a,7b,7cに対応して上面表示部8a,8b,8cが上面操作部7a,7b,7cの近傍に設けられており、夫々の加熱コイル3の通電状態等を表示する。
上面操作部7aは、本体1右側の加熱コイル3の火力等の入力を行い、上面操作部7bは本体1中央後部の加熱コイル3の火力等の入力を行い、上面操作部7cは本体1左側の加熱コイル3の火力等の入力を行う。
本体1の後部右側には上方に向けて開口した吸気口4が設けられており、本体1内に設けられたファン(図示せず)により、吸気口4から吸気した冷却風を本体1内に設けられた制御基板(図示せず)や加熱コイル3等に流して冷却する。本体1の後部左側には、本体1内部を冷却した冷却風を排気する排気口5が設けられている。
本体1の前面左部には、魚やピザ等を焼くグリル加熱手段6が設けられており、グリル加熱手段6は、前面が開口した箱型をしていて、内部の調理庫内にシーズヒータ等の発熱体と内部の温度を検出するサーミスタが設けられ、前面部はハンドル6aが取り付けられたグリルドア6bにより塞がれている。グリルドア6bは、その裏側に受け皿が取り付けられており、調理庫内に前面開口部から出し入れ自在に収納され、受皿の上に載置された焼網の上に魚やピザ等の食材を載せて調理する。
本体1の前面右部には、本体1へ供給する電源の主電源スイッチ9と、グリル加熱手段6の加熱調理条件等を入力する前面操作部10が設けられている。前面操作部10は、下方に設けられた回動軸を中心として操作パネル11の上方が前面側に倒れ、操作キー12が上方側に向かって露出する所謂カンガルーポケット形態のものである。
図2は誘導加熱調理器のトッププレート2を除いた上面図、図3は誘導加熱調理器の左右の加熱コイル3を主体とした構成を示すブロック図である。
左右及び中央後部に配設された加熱コイル3は、夫々環状の内側加熱コイル3aと、その外側に環状の隙間3bを設けて配置された環状の外側加熱コイル3cとで構成されている。
加熱コイル3に隙間3bを設ける理由は、内側加熱コイル3aと外側加熱コイル3cとで発生する磁束を分散させて鍋30の温度を均一化するためである。
なお、各加熱コイル3は隙間3bを設ける構成としたが、特にこれに限定されることはない。例えば内側加熱コイル3aと外側加熱コイル3cを隙間無く巻回した隙間3bの無い加熱コイル3とする構成であってもよい。
図3に示すように加熱コイル3は、コイルベース13上に設置されている。また、ギャップスペーサー14が、コイルベース13の外周縁部に取り付けられた支持部材16によりコイルベース13の外周から中心側に向けて適宜間隔を保持して設けられており、コイルベース13が複数のバネ(図示せず)によりトッププレート2方向に付勢されることにより、加熱コイル3がトッププレート2に対し略並行となり、かつ、トッププレート2に載置される鍋30と加熱コイル3とのギャップが一定に保持されている。
加熱コイル3は、表皮効果を抑制するためリッツ線を採用していて、後述するインバータ手段100により数十kHzの高周波で数百Vの電圧が印加され、鍋30に対して高周波磁界を印加して鍋30に渦電流を発生させ、鍋30を自己発熱させて加熱する。
左右に配設された加熱コイル3の中心部近傍には、サーミスタで構成された複数の温度センサ15の中の内側温度センサ15aがトッププレート2の下面に密着して設けられており、加熱コイル3の上方に載せられた鍋30の温度をトッププレート2を介して検知する。
また、同様に加熱コイル3の隙間3bには、加熱コイル3の中心から等距離で、かつ120度の等間隔でサーミスタで構成された外側温度センサ15b,15c,15dがギャップスペーサー14に緩衝材(図示せず)を介して設けられ、トッププレート2の下面に密着することにより、加熱コイル3の上方に載せられた鍋30の温度を検知する。
なお、外側温度センサ15b,15c,15dは、加熱コイル3の隙間3bに設ける構成としたが、特にこれに限定されることはない。例えば外側加熱コイル3cの外周近傍や、または、内側加熱コイル3aと外側加熱コイル3cを隙間無く巻回した隙間3bの無い加熱コイル3とした構成の外周近傍に設ける構成であってもよい。
また、外側温度センサ15b,15c,15dは3個に限定されることはなく、1個又は2個であっても、3個以上であってもよい。
左右に配設された加熱コイル3の中心部近傍の下方には、鍋30の底面から放射される赤外線をトッププレート2を通して受光し、その受光した赤外線のエネルギーから温度を検知する赤外線センサ17が設けられている。
赤外線センサ17は、熱型検出素子を使用した方式のセンサであり、その受光面17aは、内側加熱コイル3aの中心部近傍の位置で、加熱コイル3下方のトッププレート2の下面から約35mm離れた位置に設けられている。
また、受光面17aには検知する赤外線の視野角を制限するレンズや導光筒等(図示せず)が設けられ、図3に示すようにトッププレート2の下面の位置で10φから15φの温度検出スポット17bによって検出するような視野角としている。
左右に配設された加熱コイル3の隙間3bには、反射型フォトインタラプタ18がトッププレート2の下面から離れた位置に設けられている。図4は反射型フォトインタラプタ18を説明する図である。図に示すように反射型フォトインタラプタ18は、赤外線発光手段としての赤外線LED18aと、赤外線受光手段としての赤外線フォトトランジスタ18bとを同一プラスチック部材に並べてモールド18cしている。赤外線LED18aの発光面上にはプラスチックによるレンズが構成され、細いビームの赤外光を上方に照射する。赤外線フォトトランジスタ18bの受光面上には可視光阻止のプラスチックによるレンズが構成され、先の照射赤外光の物体(鍋底面)での反射赤外光を狭い視野角で受光し、その受光量に比例した電流を出力する。なお、ここでは反射型フォトインタラプタ18を赤外線センサ17から離れた位置に設けたが、反射型フォトインタラプタ18と赤外線センサ17を近接させて設けても良く、両者を一体化したパッケージにして設置しても良い。
この反射型フォトインタラプタ18の赤外線フォトトランジスタ18bの出力から、反射率計測手段19でトッププレート2上に置かれた鍋30底面の反射率を計測し、制御手段118に入力する。制御手段118は、誘導加熱調理器に付属するてんぷら鍋の反射率を予め計測して所定値として記憶しており、この所定値の反射率と反射率計測手段19で計測された反射率を比較する。つまり、制御手段118は鍋30底面の反射率に基づいて鍋30が付属のてんぷら鍋であるのか否かを判断することができる。
図5は上面操作部7aと上面表示部8aを説明する図である。なお、上面操作部7cと上面表示部8cの内容は、上面操作部7aと上面表示部8aの内容と同じものであるため説明は省略する。
上面表示部8aは、表示部81aと表示部81bに分けられ、表示部81aは、火力設定手段72で入力される火力やメニュー設定手段71で入力される調理メニュー等が表示される。
表示部81bは、メニュー設定手段71で設定された“揚げもの”や“ステーキ”メニュー等において、鍋30を予熱して鍋30の温度が適温に達した時に使用者に食材の投入タイミングを知らせることができるように「予熱中」と、「適温」の表示を行うことができる。
火力設定手段72で設定できる火力は、“とろ火”キー72a,“弱火”キー72b,“中火”キー72c,“強火”キー72dの四段階に分かれ、必要な火力を一回の操作で入力できるように火力に応じて個別にキーが設けられている。
矢印調整手段73は、火力設定手段72で入力できない火力、例えば“中火”キー72cにより中火に設定した後、さらに中火を上下に微調整する場合に使用する。
メニュー設定手段71は、自動調理の“炊飯”や、“揚げもの”,“湯沸し”,“炒めもの”,“ステーキ”等を設定するためのもので、メニュー設定手段71を押すことで表示部81aにメニューが表示され、メニュー設定手段71を押すたびにメニューが切り替わり表示される。これによって使用するメニューを選択する。
メニュー設定手段71で“揚げもの”を選択すると、次に油温を設定する必要があり、その場合矢印調整手段73を操作して150℃〜200℃の6段階の温度を設定することができる。例えばメニュー設定手段71で揚げものを設定し、次に矢印調節手段73で油温を180℃に設定したとき、表示部81aは、図5に示すように「180」の数字と「揚げもの」の文字が表示される。
74は調理の開始や停止するための切・スタートキーである。
図6はインバータ手段100のブロック図である。左右の加熱コイル3による鍋30の加熱制御について図3,図6のブロック図を用いて説明する。
なお、グリル加熱部6の制御、および本体1中央後部の加熱コイル3の制御については本発明とは直接関係ないので説明を省略する。
制御手段118は、上面操作部7aのメニュー設定手段71や火力設定手段72の出力,加熱コイル3の近傍に設けられた内側温度センサ15aの出力,外側温度センサ15b,15c,15dの出力を入力している。
また、制御手段118は、上面操作部7aの設定内容と、各温度センサ15a,15b,15c,15dの検出温度および赤外線センサ17の検出温度に応じてインバータ手段100を制御し、加熱コイル3に流れる高周波電流を制御して鍋30を加熱制御する。
なお、複数の温度センサ15a,15b,15c,15dや赤外線センサ17を設ける理由は、鍋30の温度を検出するのに鍋30底の変形により温度検出精度が低下するのを防ぐことを目的としており、複数の温度センサ15a,15b,15c,15dや赤外線センサ17の検出する温度の最も高い温度を検出した値を判定用温度として用いる。
インバータ手段100の構成は、図6に示すように、交流電源117を整流手段102で直流電圧に変換し、スイッチング素子103,105の直列体で構成するスイッチング部に接続する。スイッチング素子103,105にはそれぞれ逆並列にダイオード104,106を接続し、スイッチング素子103,105の接続点と直流電圧の基準点間に加熱コイル3と共振コンデンサ107で構成する共振回路部を接続する。また、スイッチング素子103,105にはそれぞれスナバコンデンサ108,109を接続する。
スイッチング素子103,105をそれぞれ排他的に高周波でオンオフすることによって、加熱コイル3と共振コンデンサ107で構成する共振回路部に高周波共振電流を供給し、加熱コイル3近傍に配置した負荷を加熱する。
制御部110は、制御手段118から負荷に印加する目標となる電力レベル指示を入力し、インバータ手段100の出力電力が目標値になるようスイッチング部103,105を制御する。
入力電流変換手段112は交流電源117から入力する電流を検出する検出手段111の出力信号を適切なレベルに変換して制御部110に出力する。
入力電圧検出手段113は交流電源117の電圧を検出し適切なレベルに変換して制御部110に出力する。
インバータ電流検出手段115は共振回路部に流れる電流を検出する検出手段114の出力信号を適切なレベルに変換して制御部110に出力する。
制御部110はこれらの信号を入力し、負荷に投入される電力であるインバータ電力の計算,負荷の状態,加熱の適否等を判断し、スイッチング素子103,105を排他的にオンオフ制御するための信号を出力し、レベル変換部116によってスイッチング素子103,105に対して適切な駆動レベルに変換し、スイッチング素子103,105を駆動する。また、制御部110はこれらの状態を制御手段118に出力する。
以上のように構成された誘導加熱調理器において、使用者が本体1右側の加熱コイル3を使って揚げもの調理する場合を図7のフローチャートを用いて説明する。最初に油を入れた鍋30を本体1右側の加熱コイル3の中央に置き、主電源スイッチ9をオンして電源を入れ(S701)、表示部81aを見ながら上面操作部7aのメニュー設定手段71を操作して「揚げもの」を選択し(S702)、矢印調整キー73を操作して油温を設定する(S703)。揚げもの調理に適した油温は約150〜200℃であるが、ここでは、油温を200℃に設定し、表示部81aには「200」が表示されるものとする。次に、切・スタートキー74を操作して揚げもの調理を開始する(S704)。なお、本実施例は揚げもの調理時の温度制御に関するものであるので、S702で揚げもの調理を選択しなかった場合の説明は省略する。
揚げもの調理を開始すると、反射型フォトインタラプタ18の出力から、反射率計測手段19により鍋30の反射率を計測する(S705)。制御手段118には、付属のてんぷら鍋の反射率を予め所定値として記憶されているので、測定した反射率と記憶された反射率を比較し(S706)、測定した反射率が記憶した反射率を中心とした所定の範囲内であれば付属のてんぷら鍋が使用されていると判定する(S707)。このとき設定温度をT1に設定し(S708)、以後の温度制御を行う。なお、反射率に基づいて付属のてんぷら鍋か否かを判断した場合、実際には付属のてんぷら鍋ではない鍋を付属のてんぷら鍋と判断することもあるが、反射率が同等であれば付属のてんぷら鍋と同様の赤外線放射特性を持っているので、付属のてんぷら鍋と同等の温度制御を行っても問題は生じない。従って、本実施例では、付属のてんぷら鍋以外の鍋であっても、付属のてんぷら鍋と同等の反射率の鍋に対しては、付属のてんぷら鍋と同様の温度制御を行うものとする。
一方、S706において、鍋30の反射率が所定範囲外であれば付属のてんぷら鍋以外の鍋が使用されていると判定する(S709)。このとき設定温度をT2に設定し(S708)、以後の温度制御を行う。なお、設定温度T2は設定温度T1よりも低い温度とする。
次に、図8を用いて設定温度T1やT2を用いた揚げもの調理時の温度制御を詳細に説明する。図8(a),(b)において、破線801,803は設定温度T1のときに赤外線センサ17が観測する鍋底温度であり、実線802,804は設定温度T1のときの鍋内の油温である。また、図8(c)において、破線805は設定温度T2のときに赤外線センサ17が観測する鍋底温度であり、実線806は設定温度T2のときの鍋内の油温である。
まず、図8(a)を用いて、鍋30が付属のてんぷら鍋である場合を説明する。付属のてんぷら鍋を用いた場合、赤外線センサ17によって観測される鍋底温度が約194℃で安定しているときに、鍋30内の油の温度が約200℃で安定することが分かっているものとする。このとき、設定温度T1を194℃に設定し、揚げもの調理を開始する。調理開始時の鍋底温度801は常温(約20℃)であり、鍋内の油の温度802も常温(約20℃)である。揚げもの調理を開始すると鍋底温度801が上昇すると共に、油の温度802も上昇する。そして、鍋底温度801が設定温度T1(194℃)に達したときに、油の温度802は使用者が設定した200℃に達する。この油の温度200℃は使用者が設定した揚げもの調理に適した温度であり、かつ、油の発火の可能性のない安全な温度である。従って、付属のてんぷら鍋を用いた場合には安全に揚げもの調理を行うことができる。
本実施例の誘導加熱調理器では油の温度が安定したときに音声などで適温報知できるようにした。具体的には、鍋底温度801が所定時間(例えば3分間)設定温度T1(194℃)近傍で安定したときに、油の温度802も使用者が設定した設定温度近傍に安定していると判断し適温報知することとした。なお、付属のてんぷら鍋を用いて揚げもの調理を行うときの加熱コイル3の入力電力も図8(a)に示す。ここに示すように、揚げもの調理開始時に最大火力1500W、所定時間経過後に1000W、観測温度の安定後に間歇的な500Wの入力電力を加熱コイル3に与えて所望の油温を維持することとしたが、上述した温度制御を実現できるのであればこのような入力電圧波形に限られない。
次に、図8(b)および(c)を用いて、鍋30が付属のてんぷら鍋以外の鍋である場合を説明する。付属のてんぷら鍋以外の鍋を用いた場合、実際の油の温度と観測される鍋底温度の温度差は、付属のてんぷら鍋を用いた場合の実際の油の温度802と観測される鍋底温度801の温度差よりも大きくなる傾向がある。
まず、図8(b)を用いて、実際の油の温度804と観測される鍋底温度803の温度差が大きい場合に、設定温度T1(194℃)を用いて温度制御を行ったのでは鍋30内の油を過加熱してしまう理由について説明する。大半の鍋において、揚げ物調理を適切に行っている場合、実際の油の温度806と観測される鍋底温度805の温度差は45℃以内に収まるので、以下では、実際の油の温度806と鍋底温度805の温度差が36℃である例を説明する。調理開始時の鍋底温度803は常温(約20℃)であり、鍋内の油の温度804も常温(約20℃)である。揚げもの調理を開始すると鍋底温度803が上昇すると共に、油の温度804も上昇する。そして、鍋底温度803が設定温度T1(194℃)に達したときに、油の温度804は230℃に達する。この油の温度230℃は使用者が設定した200℃を大幅に超える温度である。このように、付属のてんぷら鍋以外の鍋を用いた場合に設定温度T1を用いたのでは鍋30内の油を過加熱するおそれがある。
そこで、付属のてんぷら鍋以外の鍋を用いるときには、設定温度T1(194℃)よりも低い設定温度T2(例えば164℃)を用いるものとする。
図8(c)を用いて、実際の油の温度806と観測される鍋底温度805の温度差が大きい場合(例えば温度差が36℃)に、設定温度T2を用いて鍋30内の油の過加熱を避けることができる理由について説明する。調理開始時の鍋底温度805は常温(約20℃)であり、油の温度806も常温(約20℃)である。揚げもの調理を開始すると鍋底温度805が上昇すると共に、油の温度806も上昇する。そして、鍋底温度805が設定温度T2(164℃)近傍で安定しているときに、油の温度806は200℃近傍で安定する。この油の温度200℃は使用者が設定した揚げもの調理に適した温度であり、かつ、油の発火の可能性のない安全な温度である。従って、設定温度T2を用いることによって、鍋底温度805と油の温度806の温度差が大きい場合であっても安全に揚げもの調理を行うことができる。
次に、実際の油の温度806と観測される鍋底温度805の温度差が小さい場合(例えば温度差が16℃)について説明する。調理開始時の鍋底温度805は常温(約20℃)であり、油の温度806も常温(約20℃)である。揚げもの調理を開始すると鍋底温度805が上昇すると共に、油の温度806も上昇する。そして、鍋底温度805が設定温度T2(164℃)近傍で安定しているときに、油の温度806は180℃近傍で安定する。この油の温度180℃は使用者が設定した設定温度200℃より低い温度であるが、揚げもの調理を行うには十分な温度であり、かつ、油の発火の可能性のない安全な温度である。従って、設定温度T2を用いることによって、鍋底温度805と油の温度806の温度差が小さい場合であっても安全に揚げもの調理を行うことができる。
なお、ここでは、設定温度T2を設定温度T1よりも30℃低い温度に設定したが、この温度差を10〜40℃の範囲で任意に設定しても良い。
以上で説明したように、本実施例の誘導加熱調理器によれば、付属のてんぷら鍋用の設定温度と、付属のてんぷら鍋以外の鍋用の設定温度を異ならせることで、付属のてんぷら鍋を用いた場合であっても、付属のてんぷら鍋以外の鍋を用いた場合であっても、油の過加熱を防止した安全な揚げもの調理を行うことができる。
以上の実施例では、赤外線センサ17で検知する鍋底温度と設定温度T1またはT2を用いてインバータ手段を制御する例を説明したが、サーミスタで構成された温度センサ15で検知する鍋底温度と設定温度T1またはT2を用いてインバータ手段を制御することとしても良い。温度センサ15を用いることによっても、赤外線センサ17を用いた場合と同様に、油の過加熱を防止した安全な揚げ物調理を行うことができる。また、赤外線センサ17を用いた温度制御と、温度センサ15を用いた温度制御を組み合わせても良い。この場合、赤外線センサ17が検知した鍋底温度とサーミスタで構成された温度センサ15が検知した鍋底温度のうち、より高い鍋底温度に基づいて温度制御することで油の過加熱を更に精度良く防止することができる。
2 トッププレート
3 加熱コイル
15 温度センサ
17 赤外線センサ
18a 赤外線LED
18b 赤外線フォトトランジスタ
19 反射率計測手段
71 メニュー設定手段
118 制御手段
3 加熱コイル
15 温度センサ
17 赤外線センサ
18a 赤外線LED
18b 赤外線フォトトランジスタ
19 反射率計測手段
71 メニュー設定手段
118 制御手段
Claims (3)
- 鍋を載置するトッププレートと、
該トッププレートの下方に設けられた加熱コイルと、
該加熱コイルに電力を供給するインバータと、
前記トッププレートの下方に設けられ、前記鍋の鍋底が放射する赤外線を受光し鍋底温度を検知する赤外線センサと、
前記トッププレートの下方に設けられ、前記鍋の鍋底に向けて赤外線を発光する赤外線発光手段と、
前記トッププレートの下方に設けられ、前記鍋の鍋底で反射した赤外線を受光する赤外線受光手段と、
該赤外線受光手段の出力に基づいて前記鍋の鍋底の反射率を計測する反射率計測手段と、
該反射率計測手段で計測した反射率に基づいて、前記鍋が付属のてんぷら鍋か、付属のてんぷら鍋以外の鍋かを判断し、前記鍋が付属のてんぷら鍋であると判断したときには前記赤外線センサで検知される鍋底温度が第一の設定温度になるように前記インバータを制御して揚げもの調理を行い、前記鍋が付属のてんぷら鍋以外の鍋であると判断したときには前記赤外線センサで検知される鍋底温度が前記第一の設定温度よりも低い第二の設定温度になるように前記インバータを制御して揚げもの調理を行う制御手段と、
を具備することを特徴とする誘導加熱調理器。 - 鍋を載置するトッププレートと、
該トッププレートの下方に設けられた加熱コイルと、
該加熱コイルに電力を供給するインバータと、
前記トッププレートの下面に密着して設けられ、前記鍋の鍋底温度を検知するサーミスタと、
前記トッププレートの下方に設けられ、前記鍋の鍋底に向けて赤外線を発光する赤外線発光手段と、
前記トッププレートの下方に設けられ、前記鍋の鍋底で反射した赤外線を受光する赤外線受光手段と、
該赤外線受光手段の出力に基づいて前記鍋の鍋底の反射率を計測する反射率計測手段と、
該反射率計測手段で計測した反射率に基づいて、前記鍋が付属のてんぷら鍋か、付属のてんぷら鍋以外の鍋かを判断し、前記鍋が付属のてんぷら鍋であると判断したときには前記サーミスタで検知される鍋底温度が第一の設定温度になるように前記インバータを制御して揚げもの調理を行い、前記鍋が付属のてんぷら鍋以外の鍋であると判断したときには前記サーミスタで検知される鍋底温度が前記第一の設定温度よりも低い第二の設定温度になるように前記インバータを制御して揚げもの調理を行う制御手段と、
を具備することを特徴とする誘導加熱調理器。 - 請求項1または2に記載の誘導加熱調理器において、
前記第二の設定温度は、前記第一の設定温度よりも、10〜40℃低いことを特徴とする誘導加熱調理器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009151720A JP2011009089A (ja) | 2009-06-26 | 2009-06-26 | 誘導加熱調理器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009151720A JP2011009089A (ja) | 2009-06-26 | 2009-06-26 | 誘導加熱調理器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011009089A true JP2011009089A (ja) | 2011-01-13 |
Family
ID=43565503
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2009151720A Withdrawn JP2011009089A (ja) | 2009-06-26 | 2009-06-26 | 誘導加熱調理器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2011009089A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013137917A (ja) * | 2011-12-28 | 2013-07-11 | Mitsubishi Electric Corp | 誘導加熱調理器 |
CN110207167A (zh) * | 2018-09-17 | 2019-09-06 | 华帝股份有限公司 | 智能燃烧控制方法及进气阀、灶具 |
-
2009
- 2009-06-26 JP JP2009151720A patent/JP2011009089A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20120904 |