JP2021022498A - 誘導加熱調理器、および、その加熱方法 - Google Patents

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Hiroki Komazaki
博紀 駒▲崎▼
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悠平 河野
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Yuji Asao
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哲矢 羽山
Tetsuya Hayama
哲矢 羽山
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清秋 下妻
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Abstract

【課題】 揚げ物調理の予熱を、油量と設定温度に応じた最適な予熱時間で終了させることができる誘導加熱調理器の加熱方法を提供する。【解決手段】トッププレートの下方に設置した加熱コイルに電力を供給することで、前記トッププレートに載置した鍋に入れた油を、使用者が設定した設定温度まで予熱する誘導加熱調理器の加熱方法であって、前記鍋の温度が前記設定温度より高い第一制御温度に達するまで、第一電力を前記加熱コイルに供給する第一工程と、該第一工程の終了後に、前記鍋の温度を前記第一制御温度より低い第二制御温度に維持する第二電力を前記加熱コイルに供給するとともに、前記使用者に予熱の終了を報知する第二工程と、該第二工程の終了後に、前記鍋の温度を前記第二制御温度より低い第三制御温度に維持する第三電力を前記加熱コイルに供給する第三工程と、を有する誘導加熱調理器の加熱方法。【選択図】 図7

Description

本発明は、トッププレートに載置した鍋の鍋底温度を赤外線センサで検知し、使用者が設定した油温となるように火力を制御する誘導加熱調理器、および、その加熱方法に関するものである。
特許文献1には、被加熱物に入っている油量を判定し、判定した油量と設定温度に応じて制御温度を変更する事が開示されている。油の温度が安定して使用者に調理を開始して良い報知をして予熱の終了する工程が開示されている(段落0080)。
特開2017−208184号公報
しかしながら、上記の従来技術では、油量が多く油温上昇が遅い場合と油量が少なく油温上昇が早い場合とで、予熱終了判定の開始から予熱終了を使用者に報知するまでの時間が同じである。よって、予熱終了判定の開始から予熱終了を使用者に報知するまでの時間を、油量が多い場合に適した時間に設定すると、油量が少ない場合には必要以上に長い予熱時間となってしまう。一方、油量が少ない場合に適した時間に設定すると、油量が多い場合には加熱不足になってしまう課題がある。
本発明の誘導加熱調理器の加熱方法は上記の問題を解決するためになされたものであり、トッププレートの下方に設置した加熱コイルに電力を供給することで、前記トッププレートに載置した鍋に入れた油を、使用者が設定した設定温度まで予熱するものであって、前記鍋の温度が前記設定温度より高い第一制御温度に達するまで、第一電力を前記加熱コイルに供給する第一工程と、該第一工程の終了後に、前記鍋の温度を前記第一制御温度より低い第二制御温度に維持する第二電力を前記加熱コイルに供給するとともに、前記使用者に予熱の終了を報知する第二工程と、該第二工程の終了後に、前記鍋の温度を前記第二制御温度より低い第三制御温度に維持する第三電力を前記加熱コイルに供給する第三工程と、を有するものである。
本発明の誘導加熱調理器によれば、油量と設定温度に応じて予熱終了判定時間を変更することが可能となり、被加熱物に入れた油の量に対し最適な予熱時間で予熱終了を報知することができる。
一実施例の誘導加熱調理器の外観斜視図。 誘導加熱調理器のトッププレートを除いた上面図。 左右の加熱コイルを主体とした構成を示すブロック図。 反射型フォトインタラプタの説明図。 上面操作部と上面表示部の説明図。 各工程の検知温度、油温、電力の関係を説明する説明図。 第一工程での検知温度、油温、電力の関係を説明する説明図。 誘導加熱調理器の動作を説明するフローチャート。 第一制御温度TC1の設定テーブルの一例。 油量Qの判定テーブルの一例。 第二制御温度TC2の設定テーブルの一例。 予熱終了判定時間tの設定テーブルの一例。 基準時間tTHの設定テーブルの一例。 予熱時間が延長された場合の第二工程の一例。 予熱時間が延長されなかった場合の第二工程の一例。 予熱延長時間tの設定テーブルの一例。 第三制御温度TC2の設定テーブルの一例。
以下、本発明の一実施例を図1〜図15を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施例の誘導加熱調理器の外観斜視図である。図1において、誘導加熱調理器の本体1の上面にはトッププレート2が水平に配置されている。
トッププレート2は、耐熱ガラス製の厚さ約4mmのもので構成され、鉄等の磁性体又はアルミ等の非磁性体よりなる鍋30等の調理容器を載置する。
トッププレート2下方で本体1内上部の左右及び中央後部には加熱部を設けている。左右の加熱部には、環状に形成された加熱コイル3が夫々配置されており、トッププレート2に載置された鍋30等を誘導加熱する。中央後の加熱部は加熱コイル3の例を示すが、ラジアントヒータでもよい。
トッププレート2の前面側上面には、夫々の加熱コイル3に対応した上面操作部7(7a,7b,7c)が設けられていて、加熱コイル3の通電状態の設定や操作を行う。また、各上面操作部に対応して上面表示部8(8a,8b,8c)が上面操作部7a,7b,7cの近傍に設けられており、夫々の加熱コイル3の通電状態等を表示する。上面操作部7、上面表示部8で入力部70を成し、入力部70では加熱する鍋30の温度を設定する。
上面操作部7aは、本体1右側の加熱コイル3の火力等の入力を行い、上面操作部7bは本体1中央後部の加熱コイル3の火力等の入力を行い、上面操作部7cは本体1左側の加熱コイル3の火力等の入力を行う。
本体1の後部右側には、上方に向けて開口した吸気口4が設けられており、本体1内に設けられたファン(図示せず)により、吸気口4から吸気した冷却風を本体1内に設けられた制御基板(図示せず)や加熱コイル3等に流して冷却する。尚、吸気口4は、本体1の前面、下面に設けても良い。また、本体1の後部左側には、本体1内部を冷却した冷却風を排気する排気口5が設けられている。
本体1の前面左部には、魚やピザ等を焼くグリル加熱器6が設けられており、グリル加熱器6は、前面が開口した箱型をしていて、内部の調理庫内にシーズヒータ等の発熱体と内部の温度を検出するグリルサーミスタ(図示せず)が設けられ、前面部はハンドル6aが取り付けられたグリルドア6bにより塞がれている。グリルドア6bは、その裏側に受け皿が取り付けられており、調理庫内に前面開口部から出し入れ自在に収納され、受皿の上に載置された焼網の上に魚やピザ等の食材を載せて調理する。
本体1の前面右部には、本体1へ供給する電源の主電源スイッチ9と、グリル加熱器6の加熱調理条件等を入力する前面操作部10が設けられている。
図2は誘導加熱調理器のトッププレート2を除いた上面図、図3は誘導加熱調理器の左右の加熱コイルを主体とした構成を示すブロック図である。
左右に配設された加熱コイル3は、夫々環状の内側加熱コイル3aと、その外側に環状の隙間3bを設けて配置された環状の外側加熱コイル3cとで構成されている。加熱コイル3に隙間3bを設ける理由は、内側加熱コイル3aと外側加熱コイル3cとで発生する磁束を分散させて鍋30の温度を均一化するためである。なお、各加熱コイル3は隙間3bを設ける構成としたが、特にこれに限定されることはない。例えば内側加熱コイル3aと外側加熱コイル3cを隙間無く巻回した隙間3bの無い加熱コイル3とする構成であってもよい。
加熱コイル3は、図3に示すようにコイルベース13上に設置されている。また、ギャップスペーサー14が、コイルベース13の外周に適宜間隔を保持して設けられ、コイルベース13が複数のバネ(図示せず)によりトッププレート2方向に付勢されることにより、加熱コイル3がトッププレート2に対し略並行となり、かつトッププレート2に載置される鍋30と加熱コイル3とのギャップが一定に保持されるように構成している。
加熱コイル3は、表皮効果を抑制するためリッツ線を採用していて、後述するインバータ100により数十kHzの高周波で数百Vの電圧が印加され、鍋30に対して高周波磁界を印加して鍋30に渦電流を発生させ、鍋30を自己発熱させて加熱する。
左右に配設された加熱コイル3の中心部近傍には、サーミスタで構成された内側温度センサ15aがトッププレート2の下面に密着して設けられており、加熱コイル3の上方に載せられた鍋30の温度を、トッププレート2を介して検知する。また、同様に加熱コイル3の隙間3bには、加熱コイル3の中心から等距離で、サーミスタで構成された外側温度センサ15b,15c,15dが設けられ、トッププレート2の下面に密着することにより、加熱コイル3の上方に載せられた鍋30の温度を検知する。なお、外側温度センサ15b,15c,15dは、加熱コイル3の隙間3bに設ける構成としたが、特にこれに限定されることはない。例えば外側加熱コイル3cの外周近傍や、または、内側加熱コイル3aと外側加熱コイル3cを隙間無く巻回した隙間3bの無い加熱コイル3とした構成の外周近傍に設ける構成であってもよい。また、外側温度センサ15b,15c,15dは3個に限定されることはなく、1個又は2個であっても、または、3個以上であってもよい。
左右に配設された加熱コイル3の隙間3bの下方には、鍋30の底面から放射される赤外線をトッププレート2を通して受光し、その受光した赤外線のエネルギーから温度を検知する赤外線センサ17が設けられている。赤外線センサ17は、熱型検出素子を使用し、鍋30から放射される赤外線を検知するセンサである。また、赤外線センサ17には検知する赤外線の視野角を制限するレンズや導光筒等(図示せず)が設けられている。
左右に配設された加熱コイル3の隙間3bには、赤外線センサ17に近接して反射型フォトインタラプタ18がトッププレート2の下面から離れた位置に設けられている。図4は反射型フォトインタラプタ18を説明する図である。図に示すように反射型フォトインタラプタ18は、赤外線発光素子としての赤外線LED18aと、赤外線受光素子としての赤外線フォトトランジスタ18bとを同一プラスチック部材に並べてモールド18cしている。赤外線LED18aの発光面上にはプラスチックでレンズが構成され、細いビームで930nm付近の赤外光を上方に照射する。赤外線フォトトランジスタ18bの受光面上には可視光阻止のプラスチックでレンズが構成され、先の照射赤外光の物体(鍋底面)での反射赤外光を狭い視野角で受光し、その受光量に比例した電流を出力する。この反射型フォトインタラプタ18の出力から、反射率計測回路19でトッププレート2上に置かれた鍋30底面の反射率を計測する。なお、赤外線LED18aの930nm付近の赤外光は、大部分がトッププレート2を通過するが、一部はトッププレート2で反射される。これはトッププレート2の透過率が波長930nmで90%であり、残りの10%の赤外光は反射されるためである。したがって、反射率計測回路19は、トッププレート2上に反射率が既知の鍋30(金属板)を載置したときの反射型フォトインタラプタ18の出力との関係を予め測定し、この関係をテーブルデータあるいは近似式の係数値を記憶しておき、反射率を算出するように構成する。
図5は入力部70の上面操作部7aと上面表示部8aを説明する図である。上面操作部7cと上面表示部8cの内容は、上面操作部7aと上面表示部8aの内容と同じものであるため説明は省略する。上面表示部8aは、表示部81aと表示部81bに分けられ、表示部81aは、火力設定キー72で入力される火力やメニュー設定キー71で入力される調理メニュー等が表示される。表示部81bは、メニュー設定キー71で設定された“揚げもの”や“ステーキ”メニュー等において、鍋30を予熱して鍋30の温度が適温に達した時に使用者に食材の投入タイミングを知らせることができるように「予熱中」と、「適温」の表示を行うことができる。
火力設定キー72で設定できる火力は、“とろ火”キー72a“弱火”キー72b“中火”キー72c“強火”キー72dの4段階に分かれ、必要な火力を一回の操作で入力できるように火力に応じて個別にキーが設けられている。
設定する火力の目安は、最大で12段階の火力が設けられており、各火力と消費電力の関係は、「1」段階は100W相当、「2」段階は200W相当、「3」段階は300W、「4」段階は400W、「5」段階は500W、「6」段階は800W、「7」段階は1.1kW、「8」段階は1.4kW、「9」段階は1.6kW、「10」段階は2kW、「11」段階は2.5kW、「12」段階は3kWである。各段階の数字は表示部81aに火力の目安として表示する数字である。また、4段階の火力表示と12段階表示の関係は、“とろ火”は「1」、“弱火”は「2」「3」「4」「5」、“中火”は「6」「7」「8」、“強火”は「9」「10」「11」「12」となる。
矢印調整キー73は、火力設定キー72で入力できない火力、例えば火力「9」を入力する場合は、まず“中火”キー72cにより火力を「7」に設定し、次に、火力調整UPキー73bを2回押すと、表示部81aに表示されていた火力を示す数字が「7」から「8」、「8」から「9」へと変更され、火力が強火「9」に成ったことを示す。ちなみに、次に矢印調整DOWNキー73aを押すと火力が「9」から「8」と下げることができる。
メニュー設定キー71は、自動調理の“炊飯”や、“揚げもの”,“湯沸し”,“炒めもの”,“ステーキ”等を設定するためのもので、メニュー設定キー71を押すことで表示部81aにメニューが表示され、メニュー設定キー71を押すたびにメニューが切り替わり表示される。これによって使用するメニューを選択する。
メニュー設定キー71で“揚げもの”を選択すると、次に油温を設定する必要があり、その場合矢印調整キー73を操作して140℃〜200℃の7段階の温度を設定することができる。例えばメニュー設定キー71で揚げものを設定し、次に矢印調節キー73で油温を180℃に設定したとき、表示部81aは、図5に示すように「180」の数字と「揚げもの」の文字が表示される。
74は調理の開始や停止するための切・スタートキーである。
次に、図3を用いて、左右の加熱コイル3による鍋30の加熱制御について簡単に説明する。なお、グリル加熱器6の制御、および本体1中央後部の加熱コイル3の制御については説明を省略する。
制御装置118は、上面操作部7aのメニュー設定キー71や火力設定キー72からの火力や矢印調整キー73からの温度の出力信号を受け取る。また、制御装置118は、加熱コイル3の近傍に設けられた内側温度センサ15aと、外側温度センサ15b,15c,15dからの出力信号を受け取る。
加熱コイル3に設けられた赤外線センサ17の出力は、鍋30の赤外線放射率の違いにより、同じ鍋底温度でありながら赤外線センサ17の出力が異なる。そこで、鍋30の放射率の違いによる出力を補正するため、反射型フォトインタラプタ18の出力から、反射率計測回路19で鍋底の反射率を計測し、制御装置118では赤外線センサ17の出力を得られた反射率で補正して鍋30の温度を検知する。そして、制御装置118は、入力部70と赤外線センサ17の出力や温度センサ15の出力信号に基づいてインバータ100を制御し、加熱コイル3に流れる高周波電流を制御して加熱コイル3に供給する電力を制御し、鍋30を加熱制御する。
以上のように構成された誘導加熱調理器による、揚げ物調理時の動作の詳細を図6Aから図12を用いて説明する。
揚げ物調理時に、油を入れた鍋30の鍋底温度を赤外線センサ17で検知しながら加熱コイル3に供給する電力を制御し、油温を一定の設定温度Tに維持する制御を行う場合、鍋30に入れた油の量(以下、「油量Q」と称する)に応じて赤外線センサ17の検知する鍋30の鍋底の温度と実測した油の温度に温度差が生じ、また設定温度Tに応じても赤外線センサ17の検知する鍋30の鍋底の温度と実測した油の温度に温度差が発生する。
そのため、本実施例では、鍋30に入れた油の温度上昇の度合いに応じて油量Qを判定し、判定した油量Qと設定温度Tに応じて鍋30の温度を制御する制御温度Tを補正して、設定温度Tに油の温度が略一致するように加熱するものである。また、判定した油量Qと設定温度Tに応じて予熱終了判定時間を変更することで、鍋30に入れた油量Qに対し最適な予熱時間で予熱終了を報知するものである。
まず、図6Aを用いて、本実施例の加熱方法を概説する。ここに示すように、本実施例の加熱方法は、第一工程、第二工程、第三工程の三工程に区分される。第一工程は、主に、鍋30内の油温を急上昇させるための工程であり、この工程中に、鍋30内の凡その油量を判定する。第二工程は、主に、鍋30内の油温を緩やかに上昇させるための工程であり、この工程の終了時に、油温が設定温度Tに達したことを使用者に報知する。第三工程は、主に、油温を設定温度T近傍に維持するための工程であり、この工程で使用者は調理を開始する。
次に、図7のフローチャートを基に、使用者が本体1右側の加熱コイル3を使って、揚げものを調理する時の加熱制御の流れについて説明する。なお、図7のステップS1、S2は、図6Aに図示されない前工程に相当し、ステップS3〜S11は、図6Aの第一工程が相当し、ステップS12〜S16は、図6Aの第二工程に相当するものとする。さらに、図7の処理に先立ち、使用者は、揚げもの用の鍋30に調理内容に応じた量の油を入れ、本体1右側の加熱コイル3の中央上方に載置しているものとする。
まず、ステップS1では、使用者は、主電源スイッチ9をオンにする。
次に、ステップS2では、使用者は、表示部81aを見ながら上面操作部7aのメニュー設定キー71を操作して表示部81aに「揚げもの」を表示させた後、矢印調整キー73を操作して設定温度T(10℃刻みで選択可能な、140℃〜200℃)を入力する。以下では、使用者が、設定温度Tを200℃に設定したものとして説明を進める。この工程を終えると、表示部81aには設定温度Tに相当する「200」と、メニュー「揚げもの」が表示される。
ステップS3では、使用者が切・スタートキー74を操作して加熱を開始すると、制御装置118は、図8に例示する第一制御温度TC1設定テーブルに基づいて、第一工程での鍋底の目標温度である第一制御温度TC1を設定する。この第一制御温度TC1は、設定温度Tの上限(例えば200℃)より高い温度(例えば270℃)であり、設定温度Tによらない固定の温度である。なお、第一制御温度TC1を設定温度Tより高くする理由は、本実施例では温度検知に赤外線センサ17を用いるからである。すなわち、鍋底を監視するように配置した赤外線センサ17では、鍋底を介して油温を間接的に検知せざるをえないため、赤外線センサ17の検知温度が設定温度Tとなるように火力を制御しても、実際の油温はそれより20〜30℃低い状態となる。このため、実際の油温を設定温度Tまで上昇させるには、赤外線センサ17の検知温度が設定温度Tより高い第一制御温度TC1となるように火力を制御する必要があるからである。
第一制御温度TC1を設定すると、制御装置118は、加熱コイル3に固定値の大電力(例えば、3.2kW)を供給し、鍋30の加熱を開始する。ここで、固定値の大電力を用いるのは、鍋30の温度を急上昇させ、予熱終了までに要する時間を短縮するためである。
ステップS4〜S10は、制御装置118が鍋30内の油量Qを判定するステップであり、赤外線センサ17で検知した鍋底温度が第一温度T(例えば200℃)から第二温度T(例えば220℃)に上昇するまでの通過時間tを計測し(図6Aの第一工程の詳細を示した図6B参照)、通過時間tに応じた油量Qを判定するステップである。なお、第一温度Tと第二温度Tは、設定温度Tと関係なく設定された固定の温度である。
まず、ステップS4は、制御装置118は、鍋底温度が第一温度Tに到達したかを赤外線センサ17で監視する。そして、検知温度が第一温度Tに到達すると、ステップS5へ移行する。
ステップS5では、制御装置118は、鍋底温度が第一温度Tから第二温度Tに上昇するまでの通過時間tの計測を開始する。
ステップS6では、制御装置118は、鍋底温度が第二温度Tに到達したかを赤外線センサ17で監視する。そして、第二温度Tに到達していなければステップS7へ移行し、第二温度Tに到達すればステップS9へ移行する。
ステップS7では、制御装置118は、計測中の通過時間tが、所定の待機時間t(例えば60秒)を経過したかを監視する。そして、待機時間tの経過前はステップS6に戻り、経過後はステップS8へと移行する。なお、待機時間tは、誘導加熱調理器で加熱できる最大油量(例えば、800g)を加熱した場合に、第一温度Tから第二温度Tまで温度上昇するのに要する最大時間に相当する時間である。
ステップS8は、鍋底温度が第二温度Tに到達しなかった場合であっても処理を継続するためのステップであり、この場合、制御装置118は、油量Qを最大の区分であるQに設定する。
ステップS9では、待機時間tの経過前に鍋底温度が第一温度Tから第二温度Tに上昇した場合に、制御装置118は、それに要した時間を通過時間tとして確定する。
ステップS10では、制御装置118は、ステップS9で決定した通過時間tに基づいて、その通過時間tが含まれる量判定時間tの区分を決定し、各区分に応じた油量Qを判定する。このステップで用いられるのが、図9に例示する油量Q判定テーブルである。
図9に例示する油量Q判定テーブルでは、量判定時間tを、tQ1,tQ2,tQ3,tQ4の4つに区分している。各区分は、例えば、量判定時間tQ1が20秒未満、量判定時間tQ2が20秒以上25秒未満、量判定時間tQ3が25秒以上30秒未満、量判定時間tQ4が30秒以上60秒未満である。そして量判定時間tに対応するように、油量Qを、Q,Q,Q,Qの4つに区分している。例えば、量判定時間tQ1に対応する油量Qは200g以上400g未満、量判定時間tQ2に対応する油量Qは400g以上600g未満、量判定時間tQ3に対応する油量Qは600g以上800g未満、量判定時間tQ4に対応する油量Qは800g以上である。
ステップS11では、制御装置118は、ステップS2で入力された設定温度Tと、ステップS10で判定した油量Qに応じて、第二工程で用いる第二制御温度TC2と予熱終了判定時間tを設定する。このステップで用いられるのが、図10に例示する第二制御温度TC2設定テーブルと、図11に例示する予熱終了判定時間t設定テーブルである。
図10に例示する第二制御温度TC2設定テーブルによれば、設定温度Tを考慮せず、油量Qのみを考慮して第二制御温度TC2を設定する。具体的には、第二制御温度TC2を、油量Qと判定した場合は200℃に、油量Qと判定した場合は220℃に、油量Qと判定した場合は240℃に、油量Qと判定した場合は260℃に設定する。
また、図11に例示する予熱終了判定時間t設定テーブルによれば、設定温度Tと油量Qの組み合わせに応じて、予熱終了判定時間tを設定する。具体的な数値は、図11に例示するとおりであるが、予熱終了判定時間tは、設定温度Tが高いほど長く、かつ、油量Qが多いほど長く設定される。例えば判定した油量QがQ、設定温度Tが200℃の場合、予熱終了判定時間tは220秒となる。
ステップS12では、制御装置118は、鍋底の目標温度である制御温度Tを、ステップS3で設定した第一工程用の第一制御温度TC1(例えば270℃)から、ステップS11で設定した第二工程用の第二制御温度TC2(例えば260℃)に切り替えるとともに、赤外線センサ17が検知した鍋底温度が初めて第二制御温度TC2に到達したときにカウントを開始し、カウントがステップS11で設定した予熱終了判定時間tに到達するまで、鍋底温度を赤外線センサ17で検知しながら鍋30を加熱する。
ここで、第二制御温度TC2は第一制御温度TC1より低い温度であるため、本実施例では、図6Aに示すように、第二制御温度TC2に応じてデューティー比を制御することで、鍋30を加熱する火力を弱めている。なお、第二工程での火力を第一工程での高火力よりも弱めるのは、第一工程の高火力を長時間継続すると、油量Qが少ない場合には、油温の上昇が止まらず、設定温度Tを超過するオーバーシュートの発生の惧れがあり、これを回避するためである。また、第二工程での火力を後述する第三工程での低火力よりも強めているのは、第一工程での高火力をいきなり第三工程での低火力に弱めると、油量Qが多い時に、予熱終了までに要する時間が長くなるので、これを回避するためである。
ステップS13では、制御装置118は、ステップS12の予熱終了判定時間t内に、赤外線センサ17が検知した鍋底温度が第二制御温度TC2を超えた時間の合計(以下、「超過時間」と称する)が、所定の基準時間tTHよりも短いかを判定する。このステップで用いられるのが、図12に例示する基準時間tTH設定テーブルである。図12に例示する基準時間tTH設定テーブルによれば、設定温度Tと油量Qの組み合わせに応じて、基準時間tTHを設定する。具体的な数値は、図12に例示するとおりであるが、基準時間tTHは、設定温度Tが高いほど長く、かつ、油量Qが多いほど長く設定される。
図13Bに例示するように、超過時間が基準時間tTHより長い場合は、予熱終了判定時間t中の鍋30の温度が想定通り上昇し、油温が設定温度Tに到達していると判定し、予熱時間は延長せず、予熱終了を報知するステップS16へ移行する。
一方、図13Aに例示するように、超過時間が基準時間tTHより短い場合は、予熱終了判定時間t中の鍋30の温度が想定よりも低く油温の上昇が遅いため、油温が設定温度Tに未達であると判定し、予熱時間を延長するステップS14へ移行する。例えば、判定した油量QがQ、設定温度Tが200℃の場合、予熱終了判定時間tの220秒間中に鍋底温度が第二制御温度TC2を超えた超過時間が基準時間tTHの75秒よりも短い場合は予熱時間を延長する。
予熱を延長する具体的な状況としては、製品の安全性機能である空焼き保護機能などにより通常時の油温温調機能での火力制御以上に火力が制限された場合や、想定以上の油量Qや熱容量の多い鍋を使用された場合に、予熱終了判定時間t中の鍋30の温度が想定よりも低くなることが考えられる。この場合、油温の上昇も遅いため、予熱終了判定時間t経過時時点では油温が設定温度Tに未達であるため、予熱時間を延長し予熱終了報知時の油温が設定温度Tに到達するように改善する。
ステップS14では、制御装置118は、予熱延長時間tを設定する。このステップで用いられるのが、図14に例示する予熱延長時間t設定テーブルである。図14に例示する予熱延長時間t設定テーブルによれば、設定温度Tと油量Qの組み合わせに応じて、予熱延長時間tを設定する。具体的な数値は、図14に例示するとおりであるが、予熱延長時間tは、設定温度Tが高いほど長く、かつ、油量Qが多いほど長く設定される。例えば判定した油量QがQ、設定温度Tが200℃の場合、予熱延長時間tは40秒となる。
ステップS15では、制御装置118は、図13Aに示すように、予熱終了判定時間tの経過後も、第二制御温度TC2での加熱を更に予熱延長時間tだけ継続する。
ステップS16では、制御装置118は、油温がステップS2で入力された設定温度Tに到達し予熱が終了したことを、使用者に報知する。
以上で説明した、図7のステップS1〜S16により、第一工程では、鍋30内の油量Qを判定し、第二工程では、その油量Qと設定温度Tに応じた第二制御温度TC2と予熱終了判定時間tを用いた制御を行うことで、予熱終了までに要する時間を短縮化することができる。
なお、図15の第三制御温度TC3設定テーブルに示すように、第二工程に続く第三工程でも、設定温度Tと油量Qの組み合わせに応じた第三制御温度TC3が利用される。具体的な数値は、図15に例示するとおりであるが、第三制御温度TC3は、設定温度Tが高いほど長く、かつ、油量Qが多いほど長く設定される。例えば判定した油量QがQ、設定温度Tが200℃の場合、第三制御温度TC3は220℃となる。
ここで、第三制御温度TC3は第二制御温度TC2より低い温度であるため、本実施例では、図6Aに示すように、第三工程では、第二工程よりも小さい電力を利用するとともに、第三制御温度TC3に応じてデューティー比を制御することで、鍋30を加熱する火力を更に弱めている。
以上で説明した、実施例の誘導加熱調理器によれば、第一工程で鍋30内の油量Qを判定し、第二工程で油量Qに応じた第二制御温度TC2に基づいて火力を制御することで、油量Qに関わらず、油温を設定温度T通りの安定した油温にすることが可能で、また、油量Qと設定温度Tに応じて最適な予熱時間とすることできる。
1 本体
2 トッププレート
3 加熱コイル
17 赤外線センサ
30 鍋
70 入力部
118 制御装置
設定温度
制御温度
C1 第一制御温度
C2 第二制御温度
C3 第三制御温度
第一温度
第二温度
通過時間
、tQ1、tQ2、tQ3、tQ4 量判定時間
予熱終了判定時間
TH 基準時間
予熱延長時間
Q、Q、Q、Q、Q 油量

Claims (8)

  1. トッププレートの下方に設置した加熱コイルに電力を供給することで、前記トッププレートに載置した鍋に入れた油を、使用者が設定した設定温度まで予熱する誘導加熱調理器の加熱方法であって、
    前記鍋の温度が前記設定温度より高い第一制御温度に達するまで、第一電力を前記加熱コイルに供給する第一工程と、
    該第一工程の終了後に、前記鍋の温度を前記第一制御温度より低い第二制御温度に維持する第二電力を前記加熱コイルに供給するとともに、前記使用者に予熱の終了を報知する第二工程と、
    該第二工程の終了後に、前記鍋の温度を前記第二制御温度より低い第三制御温度に維持する第三電力を前記加熱コイルに供給する第三工程と、
    を有することを特徴とする誘導加熱調理器の加熱方法。
  2. 請求項1に記載の誘導加熱調理器の加熱方法において、
    前記第一工程では、前記鍋の温度が第一温度から第二温度に上昇するまでの通過時間に応じて前記鍋内の油量を判定し、
    前記第二工程では、前記油量に応じて前記第二制御温度を設定することを特徴とする誘導加熱調理器の加熱方法。
  3. 請求項2に記載の誘導加熱調理器の加熱方法において、
    前記第二工程では、
    前記油量と前記設定温度の組み合わせに応じて設定された予熱終了判定時間の経過時に、前記鍋の温度が前記第二制御温度を超過した超過時間の長さと所定の基準時間を比較し、
    前記超過時間の方が短い場合は、前記第二工程を予熱延長時間だけ更に継続し、
    前記超過時間の方が長い場合は、前記第二工程を終了することを特徴とする誘導加熱調理器の加熱方法。
  4. 請求項3に記載の誘導加熱調理器の加熱方法において、
    前記基準時間は、前記油量と前記設定温度の組み合わせに応じて設定され、
    前記予熱延長時間は、前記油量と前記設定温度の組み合わせに応じて設定されることを特徴とする誘導加熱調理器の加熱方法。
  5. 請求項2から請求項4の何れか一項に記載の誘導加熱調理器の加熱方法において、
    前記第三制御温度は、前記油量と前記設定温度の組み合わせに応じて設定されることを特徴とする誘導加熱調理器の加熱方法。
  6. 請求項2から請求項4の何れか一項に記載の誘導加熱調理器の加熱方法において、
    前記第一工程で用いられる前記第一電力は、一定の電力値の電力であり、
    前記第二工程で用いられる前記第二電力は、前記第二制御温度に応じてデューティー比を制御した、前記第一電力の電力値と同等の電力値の電力であり、
    前記第三工程で用いられる前記第三電力は、前記第三制御温度に応じてデューティー比を制御した、前記第一電力の電力値より低い電力値の電力であることを特徴とする誘導加熱調理器の加熱方法。
  7. 本体と、
    前記本体の上方に設けられ鍋が載置されるトッププレートと、
    該トッププレートの下方に設けられ前記鍋を加熱する加熱コイルと、
    前記鍋から放射される赤外線を検知する赤外線センサと、
    前記鍋を加熱する際の設定温度を入力する設定温度入力部と、
    前記赤外線センサの検知温度に基づいて前記加熱コイルに供給する電力を制御する制御装置と、
    使用者に調理状況を報知する報知部と、を備えた誘導加熱調理器であって、
    前記制御装置は、
    前記検知温度が前記設定温度より高い第一制御温度に達するまで、第一電力を前記加熱コイルに供給する第一工程と、
    該第一工程の終了後に、前記検知温度を前記第一制御温度より低い第二制御温度に維持する第二電力を前記加熱コイルに供給するとともに、前記報知部を介して前記使用者に予熱の終了を報知する第二工程と、
    該第二工程の終了後に、前記検知温度を前記第二制御温度より低い第三制御温度に維持する第三電力を前記加熱コイルに供給する第三工程と、を実行することを特徴とする誘導加熱調理器。
  8. 請求項7に記載の誘導加熱調理器において、
    前記制御装置は、前記第一工程では、前記鍋の温度が第一温度から第二温度に上昇するまでの時間に応じて前記鍋内の油量を判定し、前記第二工程では、前記油量に応じて前記第二制御温度を設定することを特徴とする誘導加熱調理器。
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