JP2020116045A - トイレットロール - Google Patents

トイレットロール Download PDF

Info

Publication number
JP2020116045A
JP2020116045A JP2019008589A JP2019008589A JP2020116045A JP 2020116045 A JP2020116045 A JP 2020116045A JP 2019008589 A JP2019008589 A JP 2019008589A JP 2019008589 A JP2019008589 A JP 2019008589A JP 2020116045 A JP2020116045 A JP 2020116045A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toilet
roll
paper
toilet paper
embossed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019008589A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7208806B2 (ja
Inventor
遥絵 清水
Harue Shimizu
遥絵 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oji Holdings Corp
Original Assignee
Oji Holdings Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Holdings Corp filed Critical Oji Holdings Corp
Priority to JP2019008589A priority Critical patent/JP7208806B2/ja
Publication of JP2020116045A publication Critical patent/JP2020116045A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7208806B2 publication Critical patent/JP7208806B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Sanitary Thin Papers (AREA)

Abstract

【課題】トイレットペーパーの柔らかさを維持可能なトイレットロールを提供する。【解決手段】エンボス加工によりエンボス部が形成された1プライのトイレットペーパー1をロール状としたトイレットロール10であって、トイレットペーパー1の紙厚の実測値をTrとし、トイレットロール10の回転軸Cに直交した切断面において、トイレットペーパー1が占める面積Sを、トイレットロール10に巻かれたトイレットペーパー1の巻長Lで除して得られる算出値をTiとしたときに、実測値Trを算出値Tiで除して得られる復元値が1.00以上である。【選択図】図3

Description

本発明は、1プライのトイレットロールに関するものであり、より詳細には、トイレットペーパーの柔らかさを維持可能なトイレットロールに関する。
従来、紙管にトイレットペーパーを多く巻いて、巻径をできるだけ変えずに使用可能な巻長を長くしたトイレットロール、いわゆるロングロール(以下、単に「ロングロール」ともいう)が広く使用されている。ロングロールから引き出されたトイレットペーパーは、ロングロールではない通常のトイレットロールのものと比較して、巻き固さが強い分、柔らかさが低下するおそれがある。
そこで、トイレットペーパーを構成するシートにエンボス加工を施すことで、シート間に空隙を形成させ、柔らかさの向上を図ったものが、例えば、特許文献1に開示されている。
特開2016−198409号公報
ところで、構成するシートの形状や構造に工夫を施したトイレットペーパーは、その紙厚が厚いものとなり、それをロール状にしたものは、巻径が太くなり、使用可能な巻長も制限される傾向がある。一方、例えば、構成するシートにエンボス加工を施したトイレットペーパーの場合、トイレットロールの巻径を細くするため、トイレットペーパーを紙管に巻き付ける力(つまり巻き固さ)を強くすると、エンボスの形状がくずれ、柔らかさが損なわれるおそれがある。
特許文献1では、トイレットロールのトイレットペーパーの柔らかさを向上させるため、トイレットロールの巻き固さを調整している。しかしながら、依然として、使用可能な巻長の確保、柔らかさの維持、の2つの観点から、トイレットペーパーを構成するシートの最適な形状、構造は改良の余地がある。
本発明の目的は、トイレットペーパーの柔らかさを維持可能なトイレットロールを提供することにある。
本発明によるトイレットロールは、エンボス加工によりエンボス部が形成された1プライのトイレットペーパーをロール状としたトイレットロールであって、前記トイレットペーパーの紙厚の実測値をTrとし、前記トイレットロールの回転軸に直交した切断面において、前記トイレットペーパーが占める面積を、前記トイレットロールに巻かれた前記トイレットペーパーの巻長で除して得られる算出値をTiとしたときに、前記実測値Trを前記算出値Tiで除して得られる復元値が1.00以上であることを特徴とする。
本発明によれば、トイレットペーパーを構成するシートの、柔らかさを向上させる形状、構造が保持されるため、トイレットペーパーの柔らかさを維持することが可能となる。
本発明の第1形態に係るトイレットロールの全体斜視図である。 第1形態に係るトイレットロールから引き出されたトイレットペーパーであって、エンボス加工を施したものについて説明するための図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のIIb−IIb方向断面図である。 第1形態に係るトイレットロールの模式的な断面図である。 本発明の第2形態に係るトイレットロールから引き出されたトイレットペーパーであって、エンボス加工を施したものについて説明するための平面図である。
本発明によるトイレットロールの形態について、図1から図4を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明は本形態の態様に限定されるものではない。
<第1形態>
図1に本発明の第1形態に係るトイレットロール10の全体斜視図を示す。図2は、本形態に係るトイレットロール10から引き出されたトイレットペーパー1について説明するための図であり、図2(a)は平面図、図2(b)は図2(a)のIIb−IIb方向断面図である。図3は、本形態に係るトイレットロール10の模式的な断面図を示す。
本形態に係るトイレットロール10は、1プライのトイレットペーパーが紙管14(巻き芯)に巻かれて構成されている。当該トイレットペーパーを構成するシートには、紙管14に巻かれる前にエンボス加工が施されている。
本形態に係るトイレットロール10から引き出されたトイレットペーパー1は、エンボス加工によりエンボス部11eが形成された連続シート13である。エンボス部11eは、図2(b)に示すように、連続シート13の一方面にエンボス凸部11p、他方面にエンボス凸部11pに対応するエンボス凹部11rが形成されることで構成される。
本発明に係るトイレットペーパーに施されるエンボス部の形状は、ある一定のパターンとなっている。本形態に係るトイレットペーパーに施されるエンボス部11eは、複数のドット状のエンボスeによって構成され、本形態に係るトイレットペーパーに施されるエンボス部11eの形状は、図2(a)に示すように、複数のドット状のエンボスeが斜め格子状に配列されたパターンとなっている。本形態に係るトイレットペーパー1では、図2(b)に示すように、エンボス凹部11rおよびエンボス凸部11pの凹凸形状によって、柔らかくすることが可能となっている。また、本形態に係るトイレットペーパー1では、図2(b)に示すように、エンボス凹部11rの凹部形状によって、液体に接触する面積が広くなり、液体を効率よく吸収することが可能となっている。
本発明の第1形態に係るトイレットペーパーでは、図2(b)に示すように、エンボス凹部11rの深さH1と、エンボス凸部11pの高さH2の、本発明の効果を有効に奏する範囲は、好ましくは0.010mm〜0.120mmであり、より好ましくは0.015mm〜0.120mmである。
また、本発明に係るトイレットペーパーの単位面積当たりの複数のドット状のエンボスeの密度(個数)(またはエンボス凹部11rの密度)は、1個/cm2〜100個/cm2であり、本発明の効果を奏する上でより好ましくは、当該密度の下限は10個/cm2以上であり、より好ましくは、15個/cm2以上であり、更に好ましくは20個/cm2以上である。本発明の効果を奏する上で好ましくは、当該密度の上限は80個/cm2以下であり、より好ましくは、50個/cm2以下であり、更に好ましくは、40個/cm2以下である。
さらに、本発明に係るトイレットペーパーにおいて、1個のドット状のエンボスeの形成された面積(またはエンボス凹部11rの形成された面積)は、0.01mm2〜10.00mm2であり、本発明の効果を奏する上でより好ましくは、当該形成された面積の下限は0.1mm2以上であり、より好ましくは、0.5mm2以上である。本発明の効果を奏する上で好ましくは、当該形成された面積の上限は8.00mm2以下であり、より好ましくは、2.00mm2以下であり、さらに好ましくは0.80mm2以下である。
本発明に係るトイレットペーパーを構成するシートの坪量は、18.0〜22.0g/m2であるのが望ましい。より好ましくは19.0〜21.0g/m2である。なお、坪量は、JIS P 8124 (1998)による。本発明に係るトイレットペーパーは、繊維材料として、トイレットペーパーに適した既知の組成のパルプ繊維が採用されて作製されており、バージンパルプを50〜100質量%含むのが適している。
本実施形態に係るトイレットロール10は、一定の条件(例えば、復元率、復元量に相当するパラメータの下限値など)を充足するように、製造されている。
本実施形態では、トイレットロール10から引き出されたトイレットペーパー1の紙厚は、ISO12625−3に準拠して測定される。このトイレットペーパー1の紙厚の実測値をTrとし、トイレットロール10の回転軸Cに直交した切断面において、トイレットペーパーが占める面積Sを、トイレットロール10に巻かれたトイレットペーパーの巻長Lで除して得られる算出値をTiとしたときに、実測値Trを算出値Tiで除して得られる復元値の下限が1.00以上である。実測値Trを算出値Tiで除して得られる値は、トイレットペーパーの復元力(或いは復元率、復元量)を表すことになる。本発明の効果を奏する上でより好ましくは、復元値の下限は1.10以上であり、さらに好ましくは1.20以上である。本発明の効果を奏する上で好ましくは、復元値の上限は1.80以下であり、より好ましくは、1.45以下である。トイレットペーパー1の紙厚は、ISO12625−3に準拠していれば、様々な公知の測定方法で測定されうる。
トイレットペーパーが占める面積Sは、図3に示すように、紙管14の直径をdとし、トイレットロール10の巻径をDとしたときに、D/2の2乗にπを掛けたものからd/2の2乗にπを掛けたものを引いて得られた値である。
実測値Trを算出値Tiで除して得られる値が1.00以上だと、充分な復元力があるためエンボスの形が安定するため柔らかさが保持されるが、1.00未満だと、充分な復元力がないためにエンボスの形が変形し、エンボスの形がくずれる場合があり柔らかさが保持されないおそれがある。
従来、広く使用されているロングロールから引き出されたトイレットペーパーは、ロングロールではない通常のトイレットロールのものと比較して、巻き固さが強い分、柔らかさが低下するおそれがある。そこで、トイレットペーパーを構成するシートにエンボス加工を施すことで、シート間に空隙を形成させ、柔らかさの向上を図ったものが、例えば、特許文献1に開示されている。
ところで、構成するシートの形状や構造に工夫を施したトイレットペーパーは、その紙厚が厚いものとなり、それをロール状にしたものは、巻径が太くなり、使用可能な巻長も制限される傾向がある。一方、例えば、構成するシートにエンボス加工を施したトイレットペーパーの場合、トイレットロールの巻径を細くするため、トイレットペーパーを紙管に巻き付ける力(つまり巻き固さ)を強くすると、エンボスの形状がくずれ、柔らかさが損なわれるおそれがある。
本形態によれば、トイレットペーパーを構成するシートの、柔らかさを向上させる形状、構造が保持されるため、トイレットペーパーの柔らかさを維持することが可能となる。
また、トイレットペーパーの柔らかさを担保しつつ、巻径をコンパクトにすることが可能となるため、使用可能な巻長を確保することが可能となる。
さらに、後述するように、本発明の第1形態および第2形態によれば、吸水性を維持することができ、肌触り感を向上させることが可能となる。
本形態の効果を有効に発揮する上で好適な範囲としては、トイレットロール10の重量が200g〜250g、トイレットロール10の巻径Dが100mm〜120mm(より好ましくは100〜116mm)、トイレットペーパーの巻長Lが75m〜120m(下限はさらに好ましくは100m以上、上限はさらに好ましくは105m以下)、紙管14の直径dが36mm〜42mm、トイレットペーパー1の紙厚の実測値Trが90μm〜149μmである。トイレットペーパー1のエンボス付与前の原紙の厚みは、トイレットペーパー1の紙厚の実測値Trと同様に、ISO12625−3に準拠して測定され、85μm〜95μmであることが好ましい。
本形態に係るエンボスパターンでは、複数のドット状のエンボスを斜め格子状に配置したシンプルな構成となっているが、本発明の効果を奏する限りにおいて、複数のエンボスパターンで構成されたものであってもよい。
<第2形態>
図4は、本発明の第2形態に係るトイレットロールから引き出されたトイレットペーパーであって、エンボス加工を施したものについて説明するための平面図である。本形態は、第1形態と異なり、複数のドット状のエンボスeが同心円状に配置されるパターンを複数配列したエンボス部11’eを有するものである。本形態に係るトイレットロールを構成する各要素のうち、同様の機能を有するものについては、第1形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
本形態に係るトイレットロールから引き出したトイレットペーパー1’の紙厚についても、第1形態と同様に、ISO12625−3に準拠して測定され、実測値Trを算出値Tiで除して得られる復元値が1.00以上である。この構成により、第1形態と同様に、トイレットペーパーを構成するシートの、柔らかさを向上させる形状、構造が保持されるため、トイレットペーパーの柔らかさを維持することが可能となり、また、トイレットペーパーの柔らかさを担保しつつ、巻径をコンパクトにすることが可能となるため、使用可能な巻長を確保することが可能となる。
<本発明に係るトイレットロールの製造方法>
本発明のトイレットロールの製造方法は、繊維原料を含むスラリーを抄紙し、1プライのトイレットペーパーウェブを得る工程を含む。
スラリーを抄紙する工程の前には、繊維原料を漂白する工程を含んでもよい。漂白工程使用する漂白剤としては、酸素系漂白剤や塩素系漂白剤等の公知の漂白剤を使用することができる。
1プライのトイレットペーパーウェブを得る工程は、繊維原料を含むスラリーを得る工程を含む。スラリーを得る工程においては、繊維原料を叩解する工程を含むことが好ましい。叩解工程においては、例えば、ダブルディスクリファイナー等を用いて叩解処理を施すことができる。叩解処理時には、針葉樹パルプと広葉樹パルプをそれぞれ単独で叩解してもよいし、混合させた後に叩解してもよい。
1プライのトイレットペーパーウェブを得る工程は、繊維原料を含むスラリーを抄紙する工程を含む。抄紙する工程で用いられる抄紙機としては、例えば、サクションブレストフォーマー(円網タイプ、長網タイプ)、ツインワイヤーフォーマー、円網フォーマー(Cラップ、Sラップ)、クレセントフォーマー等の抄紙機を挙げることができる。
抄紙する工程では、トイレットペーパーの長さ方向の湿潤引張強度をTwとし、幅方向の湿潤引張強度をYwとした場合、Tw/Ywが1.30以上2.60以下となるように抄き出し水流速度/ワイヤー速度の比(ジェットワイヤー比(J/W比))を調整することが好ましい。ジェットワイヤー比とは、スラリーの供給速度とワイヤー走行速度の比であり、ジェットワイヤー比が1よりも大きい場合は、スラリーの供給速度がワイヤーの走行速度よりも速く、この場合を「押し地合」という。また、ジェットワイヤー比が1以下の場合は、スラリーの供給速度はワイヤーの走行速度よりも遅く、この場合を「引き地合」という。
抄紙する工程では、網状のワイヤー上に繊維原料を含むスラリーが供給されてパルプの薄層が形成される。その後、プレスパートに向かって移送されながら、パルプの薄層の水分が網の下へ抜かれることでパルプの薄層は脱水される。このような工程を脱水工程と呼ぶこともある。一般に、ワイヤーは、金属またはプラスチック製の網を環にしたものである。
脱水工程の後、湿紙はワイヤーからフェルトへと移動する。フェルトを介してプレスロールで圧力を加えられることにより、湿紙はさらに機械的に搾水される。これを、プレス工程あるいは搾水工程と呼ぶこともある。
抄紙する工程では、例えば、針葉樹パルプと広葉樹パルプを混合したパルプスラリーを抄紙して均一な1つの層として湿紙を形成する方法、もしくは、針葉樹パルプ層と広葉樹パルプ層を抄き合わせて1枚の湿紙を形成する方法などがあるが、いずれの手法を採用してもよい。
抄紙する工程は、搾水工程の後に乾燥工程を含む。乾燥工程は、例えば、湿紙に向かって熱風を吹き付ける工程、もしくは、湿紙をヤンキードライヤーの外周面に圧着させる工程であることが好ましい。ヤンキードライヤーによる乾燥工程では、乾燥された紙をヤンキードライヤーからドクターブレードで掻き取ることにより、ちりめん上の皺を形成させるクレープ処理を行うことが好ましい。
乾燥工程の後には、カレンダー処理工程を含んでもよい。カレンダー処理は、例えば2本の金属ロールによるカレンダー処理、あるいは2本のロールのうち1本を弾性ロールとするソフトカレンダー処理等を挙げることができる。カレンダー処理を行う場合は、カレンダーの線圧が0.1kg/cm以上であることが好ましく、1.0kg/cm以上であることがより好ましく、2.0kg/cm以上であることがより好ましい。また、カレンダーの線圧は、13kg/cm以下であることが好ましく、12kg/cm以下であることがより好ましく、11kg/cm以下であることがさらに好ましい。線圧を上記範囲内とすることにより、トイレットペーパーウェブを所望の厚みと柔らかさに調整することが容易となる。
カレンダー処理工程の後には、原紙巻取り工程が設けられる。原紙巻取り工程では、上記の工程を経て仕上げられたトイレットペーパーウェブ(薄葉紙)が巻取られることで、1プライの原紙巻取が得られる。
原紙巻取り工程の後にも、カレンダー処理工程を含んでもよい。この場合、巻き取られたトイレットペーパーウェブを一度巻き解きながらカレンダー処理を行うことができる。カレンダー処理は、例えば2本の金属ロールによるカレンダー処理、あるいは2本のロールのうち1本を弾性ロールとするソフトカレンダー処理等を挙げることができる。カレンダー処理を行う場合は、カレンダーの線圧が0.1kg/cm以上とすることが好ましく、1.0kg/cmとすることがより好ましく、2.0kg/cm以上であることがより好ましい。また、カレンダーの線圧は、13kg/cm以下とすることが好ましく、12kg/cm以下とすることがより好ましく、11kg/cm以下とすることがさらに好ましい。線圧を上記範囲内とすることにより、トイレットペーパーウェブを所望の厚みと柔らかさに調整することが容易となる。
エンボス加工は、エンボスの付与されたエンボスロールにより加圧することで行う。ヤンキードライヤーによる乾燥工程において、ヤンキードライヤーの外周面に接する側のトイレットペーパーウェブ面にエンボスロールが接するようにエンボス加工を行うことが好ましい。エンボスロールの凸部に対応してトイレットペーパーウェブに凹部が形成される。エンボスロールの押し込み量または押し込み圧を変更することによって、所定のエンボス高さを有するエンボス形状を形成することができる。
エンボス加工工程の後には、再度巻取り工程が設けられる。この巻取り工程においては、所定の製品長を満たすように、所定の長さ分の巻取りを行う。エンボス加工工程によって形成された凹部が外周側となるように巻取りを行うことが好ましい。この巻取り工程は、得られた巻取を所定の幅に断裁し、トイレットロール(トイレットペーパー製品)を得る工程を含む。
<物性の比較評価>
本発明の実施例1から実施例4の各実施例に係るトイレットロールにおいて、物性に係る15個のパラメータについて、比較例1に対する比較評価を行った。その比較評価について、以下の表1に示す。尚、実施例1から実施例4、比較例1は上述した第1形態のようなエンボス構成である。比較例1は上述の第1形態のようなエンボス構成ではあるが、後述するように、Tr/Ti(ISO/理論値、つまり復元値)、伸び、吸水度、肌触り感、等が、実施例1から実施例4と明らかに異なるものとなっていることが、表1から理解される。
Figure 2020116045
<エンボスの高さについて>
表1に記載の「エンボスの高さ」は、エンボス加工前の原紙の紙厚(ISOで測定)と、製品状態の紙厚(ISOで測定)との差を表すものである。すなわち、当該「エンボスの高さ」は、紙厚の実測値Trから原紙の紙厚を引いたときの差を表すものである。ここで、原紙の紙厚は90μm前後とする。
本発明に係るトイレットペーパーに施されたエンボスの形状については、3D形状測定器VR−3200および解析アプリケーションVR−H2A(いずれもキーエンス社製)を用いてエンボスの面積を測定した。測定の手順を下記I〜IVのようにした。
I:3D形状測定器VR−3200を用いて、倍率12倍でエンボス凸部の3D形状を撮影した。
II:解析アプリケーションVR−H2Aの機能を用いて、エンボス凸部の3D形状の全てを対象に基準線を設定した。
III:同解析アプリケーションが備える形状補正ツールのゆがみ修正機能を用いて、エンボス凸部の3D形状の測定データについてゆがみを修正した。
IV:同解析アプリケーションの機能を用いて、基準線より上の部分をエンボス凸部として、エンボス凸部を2次元的(平面的)に見た場合の面積を「エンボス凸部の面積」として算出した。
本発明では、上述の測定方法で測定されるエンボス凸部の面積は、エンボス凹部の面積に対応するものであり、表1では、単に「エンボスの面積」と称している。
<密度について>
表1中の密度について、本発明のトイレットペーパーの密度は、1枚(1プライ)あたりの坪量(g/m2)からトイレットペーパーの紙厚の実測値Tr(μm)を除して得た値(g/cm3)である。本発明の効果を奏する上で好ましくは、トイレットペーパーの密度は0.10g/cm3〜0.21g/cm3であり、より好ましくは0.13g/cm3〜0.21g/cm3である。
<引張強さについて>
表1中の引張強さについて、本発明のトイレットペーパーの長さ方向(縦方向)の引張強さ(N)は、1.1以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましく、1.3以上が更に好ましい。
本明細書におけるトイレットペーパーの引張強度(表1中の引張強さ)は、トイレットペーパーを幅15mm、スパン長100mmにカットしたサンプルを、引張速度50mm/分の条件で測定をし、6回の測定の平均を算出した値である。引張強度の測定には、例えば、横型引張試験機(熊谷理機工業株式会社製)を用いることができる。引張強度の測定は、ISO187に準拠した環境(温度23±1℃、相対湿度50±2%)で行った。
<伸びについて>
表1中の伸びについて、本発明のトイレットペーパーの長さ方向(縦方向)の伸び率(%)は15%以上であることが好ましく、15%〜22%であることがより好ましい。
本明細書におけるトイレットペーパーの伸び率(表1中の伸び)は、トイレットペーパーを幅15mm、スパン長100mmにカットしたサンプルを、引張速度50mm/分の条件で測定し、6回の測定の平均を算出した値である。伸び率の測定は、ISO187に準拠した環境(温度23±1℃、相対湿度50±2%)で行った。
当該伸び率(%)は、以下の式より算出される。
伸び率(%)=試料の伸び量(mm)×100/スパン長(mm)
なお、「引張強さ」、「伸び」については、JIS P 8113に準拠した試験方法で行われうる。
<ソフトネス>
表1中のソフトネスについて、本発明のトイレットペーパーのソフトネスは、14より大きいことが好ましく、15〜19であることがより好ましく、20以上が更に好ましい。なお、「ソフトネス」については、JAPAN TAPPI No.34に準拠した測定方法で測定されうる。
<吸水度について>
表1中の吸水度について、本発明のトイレットペーパーの吸水度は、20より大きいことが好ましく、21〜22であることがより好ましく、23以上が更に好ましい。
なお、表1中の吸水度の測定については、JIS 8141を準用するものである。具体的には、試験片をロール幅方向15mm、ロールの流れ方向に200mmで採取し、ロール流れ方向(縦長)に試験片を固定し、下から15mmまでを水面に浸漬させ、1分後の浸水の到達点(高さ)を計測する。
<肌触り感について>
表1中の肌触り感の評価方法については、50人の評価者に「肌触り感」について、「特に優れている」と感じたものを4点とし、「優れている」と感じたものを3点とし、「良好」と感じたものを2点とし、「劣る」と感じたものを1点として、四段階に評価してもらい、評価点の平均値が1点以上であって1.5点未満であれば「×」とし、1.5点以上であって2.5点未満であれば「△」とし、2.5点以上であって3.5未満であれば「○」とし、3.5以上であって4点以下であれば「◎」とした。
<復元値について>
復元値(Tr/Ti)が1.00以上であれば、吸水度については「22」以上が得られ、肌触り感については「○」以上が得られる。表1に示すように、本発明の実施例1から実施例4に係る復元値はそれぞれ1.25、1.39、1.33、および1.00となっており、実施例1から実施例4の各実施例によれば吸水度については22、23、24、および25がそれぞれ得られ、肌触り感については○、◎、○、および○がそれぞれ得られる。
表1に示すように、本発明の実施例1から実施例4の各実施例に係る復元値は、それぞれ1.00以上となっているため、本発明の実施例1から実施例4の各実施例によれば、吸水性を維持することができ、肌触り感を向上させるという本発明の効果を有効に得られることになる。一方、比較例1については、復元値は1.00未満となっているため、上述した本発明の効果を得られないことになる。
本発明に係るトイレットペーパーの復元値は、トイレットペーパーの「伸び」に影響するものである。当該復元値は、エンボスが復元することを表す値ともいえ、伸縮性が影響している。この伸縮性に効く要因の一つとして、伸び(%)が関係している。表1を参照すると、実施例1から実施例4のトイレットペーパーの「伸び」は、縦方向が16.2%から22.5%の範囲となっている一方、比較例1のトイレットペーパーの「伸び」は、この範囲から逸脱しており、縦方向が15.0%となっている。すなわち、トイレットペーパーの縦方向の「伸び」を上記範囲に設定することによって、復元値が1.00以上の1プライのトイレットロールを製造することが可能となっている。この縦方向の「伸び」は、上記製造工程のうち脱水工程、プレス工程や乾燥工程におけるクレープ処理によって、調整することが可能となっている。
<その他>
本発明は、上述した各実施形態や、随所に述べた変形例に限られることなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で、適宜の変更や変形が可能である。例えば、上記各実施形態またはその変形例に係るトイレットロールは、上述した構造に限定されるわけではない。
上記各形態、各実施例またはその変形例では、実測値Trから算出値Tiを除して得た値を、便宜的に「復元値」としているが、当該復元値は、本発明では、例えば、ロール状にしたときにエンボスの凸部が凹部に入り込んでいて、その後、ロールから引き出して1枚で使用するときに、Tr>Tiとなる場合、つまり、見かけの復元も含まれるものである。
1、1’ トイレットペーパー
10 トイレットロール
11e、11’ e エンボス部
11p エンボス凸部
11r エンボス凹部
13 連続シート
14 紙管
d 紙管の直径
e エンボス
C 回転軸
D トイレットロールの直径
L 巻長
S トイレットペーパーの占める面積
Tr トイレットペーパーの紙厚の実測値
Ti トイレットペーパーの紙厚の算出値

Claims (4)

  1. エンボス加工によりエンボス部が形成された1プライのトイレットペーパーをロール状としたトイレットロールであって、
    前記トイレットペーパーの紙厚の実測値をTrとし、前記トイレットロールの回転軸に直交した切断面において、前記トイレットペーパーが占める面積を、前記トイレットロールに巻かれた前記トイレットペーパーの巻長で除して得られる算出値をTiとしたときに、前記実測値Trを前記算出値Tiで除して得られる復元値が 1.00以上であることを特徴とするトイレットロール。
  2. 前記トイレットロールの巻径は100mm〜120mmであり、前記巻かれた前記トイレットペーパーの巻長は75m〜120mであり、前記トイレットペーパーの1プライあたりの密度は0.10g/cm3〜0.19g/cm3であることを特徴とする請求項1に記載のトイレットロール。
  3. 前記エンボス部は、前記トイレットペーパーの一方面にエンボス凸部、他方面に前記エンボス凸部に対応するエンボス凹部が形成されることで構成され、
    前記エンボス凹部の深さは、0.015mm〜0.120mmであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトイレットロール。
  4. 前記エンボス部は、複数のエンボス凹部によって構成され、
    前記トイレットペーパーの単位面積当たりの前記複数のエンボス凹部の密度は、1個/cm2〜100個/cm2であり、
    1個の前記エンボス凹部の形成された面積が0.01mm2〜10.00mm2であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のトイレットロール。
JP2019008589A 2019-01-22 2019-01-22 トイレットロール Active JP7208806B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019008589A JP7208806B2 (ja) 2019-01-22 2019-01-22 トイレットロール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019008589A JP7208806B2 (ja) 2019-01-22 2019-01-22 トイレットロール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020116045A true JP2020116045A (ja) 2020-08-06
JP7208806B2 JP7208806B2 (ja) 2023-01-19

Family

ID=71891599

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019008589A Active JP7208806B2 (ja) 2019-01-22 2019-01-22 トイレットロール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7208806B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7387541B2 (ja) 2020-06-26 2023-11-28 日本製紙クレシア株式会社 トイレットロール製品

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011104184A (ja) * 2009-11-19 2011-06-02 Oji Nepia Co Ltd ロール状トイレットペーパーの製造方法
JP2013208297A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Daio Paper Corp トイレットペーパーロール及びその製造方法
JP2016202801A (ja) * 2015-04-28 2016-12-08 日本製紙クレシア株式会社 トイレットロール
JP2017064191A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 大王製紙株式会社 トイレットペーパー及びトイレットペーパーの品質評価方法
JP2018061676A (ja) * 2016-10-12 2018-04-19 日本製紙クレシア株式会社 トイレットロール

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011104184A (ja) * 2009-11-19 2011-06-02 Oji Nepia Co Ltd ロール状トイレットペーパーの製造方法
JP2013208297A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Daio Paper Corp トイレットペーパーロール及びその製造方法
JP2016202801A (ja) * 2015-04-28 2016-12-08 日本製紙クレシア株式会社 トイレットロール
JP2017064191A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 大王製紙株式会社 トイレットペーパー及びトイレットペーパーの品質評価方法
JP2018061676A (ja) * 2016-10-12 2018-04-19 日本製紙クレシア株式会社 トイレットロール

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7387541B2 (ja) 2020-06-26 2023-11-28 日本製紙クレシア株式会社 トイレットロール製品

Also Published As

Publication number Publication date
JP7208806B2 (ja) 2023-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6780940B2 (ja) 衛生紙ロール
JP7136251B2 (ja) トイレットペーパー
JP2020116046A (ja) トイレットロール
JP7060045B2 (ja) トイレットロール
JP2017169681A (ja) トイレットペーパー
JP7400792B2 (ja) トイレットペーパー
JP6701927B2 (ja) トイレットペーパー及びトイレットロール
JP7208806B2 (ja) トイレットロール
JP6701499B2 (ja) ペーパータオルのロール体
JP6690395B2 (ja) トイレットペーパー
JP6803997B2 (ja) 衛生紙ロール
JP7040323B2 (ja) キッチンペーパーロールおよびキッチンペーパーロールの製造方法
JP2022082534A (ja) キッチンペーパーロールおよびキッチンペーパー
JP6733412B2 (ja) トイレットロール
JP6686686B2 (ja) トイレットペーパー
JP6649101B2 (ja) タッチローラー、紙乾燥装置及び紙の製造方法
JP7147915B2 (ja) トイレットペーパー及びトイレットロール
JP6819805B1 (ja) 衛生薄葉紙
JP7416184B2 (ja) トイレットロール
JP7349532B2 (ja) トイレットロール
JP7405018B2 (ja) トイレットペーパー
JP6969639B2 (ja) トイレットロール
JP7405017B2 (ja) トイレットペーパー
JP6935628B2 (ja) 産業用ワイパ及びその製造方法
JP2023136404A (ja) トイレットロール

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200903

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20200903

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20201109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210406

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210603

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210907

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211202

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20211202

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20211224

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20220104

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20220225

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20220301

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20220607

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20220712

C13 Notice of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C13

Effective date: 20220802

C302 Record of communication

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C302

Effective date: 20221118

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20221122

C03 Trial/appeal decision taken

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03

Effective date: 20221220

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20221220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230106

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7208806

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150