JP2020105163A - フルオロアルコキシドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、非特許文献1には、フッ化カルボニルをフッ化カリウムと反応させることにより、カリウムパーフルオロメトキシドが得られることが記載されている。
特許文献1には、CF3CF2CF2OCH3をトリメチルアミンと反応させることにより、テトラメチルアンモニウム パーフルオロプロポキシドが得られることが記載されている。
特許文献2には、トリフルオロアセチルフロリドをトリス(ジメチルアミノ)スルホニウム ジフルオロトリメチルシリケートと反応させることにより、トリス(ジメチルアミノ)スルホニウム パーフルオロエトキシドが得られることが記載されている。
特許文献1に記載される方法では、原料のCF3CF2CF2OCH3を得るために、例えば、CF3CF2COFをフッ化カリウムと反応させ、該反応により得られた化合物を硫酸ジメチルと反応させる必要があり、工程数が多くなるという問題がある。
特許文献2に記載される方法では、トリス(ジメチルアミノ)スルホニウム ジフルオロトリメチルシリケート等のフッ素化剤が不安定であるという問題がある。
項1.
次式(1):
で表される化合物の製造方法であって、
次式(2):
で表される化合物を、次式(3):
で表される化合物と反応させる工程を含む製造方法。
項2.
各々のR2が、互いに同一又は異なって、アルキル基である、項1に記載の製造方法。
項3.
各々のR2が、互いに同一又は異なって、C1−4アルキル基である、項1又は2に記載の製造方法。
項4.
全てのR2が、メチル基である、項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
項5.
R1が、炭素原子間に酸素原子を含んでいてもよいパーフルオロC1−8アルキル基、又は炭素原子間に酸素原子を含んでいてもよいパーフルオロC1−8アルコキシ基である、項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
項6.
前記反応が、ハロゲン系溶媒、ウレア系溶媒、アミド系溶媒、スルホキシド系溶媒、エステル系溶媒、ニトリル系溶媒、及びエーテル系溶媒からなる群より選択される少なくとも一種の溶媒の存在下で実施される、項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
項7.
前記反応が、ハロゲン系溶媒、アミド系溶媒、ニトリル系溶媒、及びエーテル系溶媒からなる群より選択される少なくとも一種の溶媒の存在下で実施される、項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
項8.
前記反応が、ニトリル系溶媒の存在下で実施される、項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
項9.
次式(1):
で表される化合物、及び次式(4):
で表される化合物を含有する組成物であって、
前記式(1)で表される化合物の含有率(モル比率)は、前記式(1)で表される化合物の含有率及び前記式(4)で表される化合物の含有率の合計を100%としたとき、70%以上である組成物。
項10.
各々のR2が、互いに同一又は異なって、アルキル基であり、及び各々のRbが、互いに同一又は異なって、アルキル基である、項9に記載の組成物。
項11.
各々のR2が、互いに同一又は異なって、C1−4アルキル基であり、及び各々のRbが、互いに同一又は異なって、C1−4アルキル基である、項9又は10に記載の組成物。
項12.
全てのR2が、メチル基であり、及び全てのRbが、メチル基である、項9〜11のいずれか一項に記載の組成物。
項13.
R1が、炭素原子間に酸素原子を含んでいてもよいパーフルオロC1−8アルキル基、又は炭素原子間に酸素原子を含んでいてもよいパーフルオロC1−8アルコキシ基であり、及びRaが、炭素原子間に酸素原子を含んでいてもよいパーフルオロC1−8アルキル基、又は炭素原子間に酸素原子を含んでいてもよいパーフルオロC1−8アルコキシ基である、
項9〜12のいずれか一項に記載の組成物。
項14.
項9〜13のいずれか一項に記載の組成物からなる、フルオロアルコキシ化剤。
項15.
次式(5):
で表される化合物の製造方法であって、
次式(6):
で表される化合物を、次式(7):
で表される化合物と反応させる工程を含む製造方法。
項16.
Q1が、1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基である、項15に記載の製造方法。
項17.
Lが、ハロゲン原子である、項15又は16に記載の製造方法。
項18.
各々のR4が、互いに同一又は異なって、アルキル基である、項15〜17のいずれか一項に記載の製造方法。
項19.
各々のR4が、互いに同一又は異なって、C1−4アルキル基である、項15〜18のいずれか一項に記載の製造方法。
項20.
全てのR4が、メチル基である、項15〜19のいずれか一項に記載の製造方法。
項21.
R3が、炭素原子間に酸素原子を含んでいてもよいパーフルオロC1−8アルキル基、又は炭素原子間に酸素原子を含んでいてもよいパーフルオロC1−8アルコキシ基である、項15〜20のいずれか一項に記載の製造方法。
項22.
前記反応が、温度0〜100℃の範囲内で、1〜24時間の範囲内で実施される、項15〜21のいずれか一項に記載の製造方法。
本開示の後記説明は、実例の実施形態をより具体的に例示する。
本開示のいくつかの箇所では、例示を通してガイダンスが提供され、及びこの例示は、様々な組み合わせにおいて使用できる。
それぞれの場合において、例示の群は、非排他的な、及び代表的な群として機能できる。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願はそのまま引用により本明細書に組み入れられる。
本明細書中の記号及び略号は、特に限定のない限り、本明細書の文脈に沿い、本開示が属する技術分野において通常用いられる意味に理解できる。
本明細書中、語句「含有する」は、語句「から本質的になる」、及び語句「からなる」を包含することを意図して用いられる。
特に限定されない限り、本明細書中に記載されている工程、処理、又は操作は、室温で実施され得る。
本明細書中、室温は、10〜40℃の範囲内の温度を意味することができる。
本明細書中、表記「Cn−m」(ここで、n、及びmは、それぞれ、数である。)は、当業者が通常理解する通り、炭素数がn以上、且つm以下であることを表す。
当該「有機基」としては、例えば、
1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基、
1個以上の置換基を有していてもよい非芳香族複素環基
1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基、
シアノ基、
アルデヒド基、
RO−、
RS−、
RCO−、
RSO2−、
ROCO−、及び
ROSO2−
(これらの式中、Rは、独立して、
1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基、
1個以上の置換基を有していてもよい非芳香族複素環基、又は
1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基である)
が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「アリール基」は、C6−18アリール基であることができる。
本明細書中、特に断りのない限り、「アリール基」としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−ビフェニル、3−ビフェニル、4−ビフェニル、及び2−アンスリルが挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「非芳香族複素環基」は、単環性、2環性、3環性、又は4環性であることができる。
本明細書中、特に断りのない限り、「非芳香族複素環基」は、飽和、又は不飽和であることができる。
本明細書中、特に断りのない限り、「非芳香族複素環基」は、例えば、5〜18員の非芳香族複素環基であることができる。
本明細書中、特に断りのない限り、「非芳香族複素環基」は、例えば、環構成原子として、炭素原子に加えて酸素原子、硫黄原子、及び窒素原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する非芳香族複素環基であることができる。
本明細書中、特に断りのない限り、「非芳香族複素環基」としては、例えば、テトラヒドロフリル、オキサゾリジニル、イミダゾリニル(例:1−イミダゾリニル、2−イミダゾリニル、4−イミダゾリニル)、アジリジニル(例:1−アジリジニル、2−アジリジニル)、ピロリジニル(例:1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル)、ピペリジニル(例:1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル)、アゼパニル(例:1−アゼパニル、2−アゼパニル、3−アゼパニル、4−アゼパニル)、アゾカニル(例:1−アゾカニル、2−アゾカニル、3−アゾカニル、4−アゾカニル)、ピペラジニル(例:1,4−ピペラジン−1−イル、1,4−ピペラジン−2−イル)、ジアゼピニル(例:1,4−ジアゼピン−1−イル、1,4−ジアゼピン−2−イル、1,4−ジアゼピン−5−イル、1,4−ジアゼピン−6−イル)、ジアゾカニル(例:1,4−ジアゾカン−1−イル、1,4−ジアゾカン−2−イル、1,4−ジアゾカン−5−イル、1,4−ジアゾカン−6−イル、1,5−ジアゾカン−1−イル、1,5−ジアゾカン−2−イル、1,5−ジアゾカン−3−イル)、テトラヒドロピラニル(例:テトラヒドロフラン−4−イル)、モルホリニル(例:4−モルホリニル)、チオモルホリニル(例:4−チオモルホリニル)、2−オキサゾリジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラニル、及びジヒドロキノリル等が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「ヘテロアリール基」は、例えば、5〜18員のヘテロアリール基であることができる。
本明細書中、特に断りのない限り、「ヘテロアリール基」は、例えば、環構成原子として、炭素原子に加えて酸素原子、硫黄原子、及び窒素原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有するヘテロアリール基であることができる。
本明細書中、特に断りのない限り、「ヘテロアリール基」は、「単環性ヘテロアリール基」、及び「芳香族縮合複素環基」を包含する。
本明細書中、特に断りのない限り、「単環性へテロアリール基」としては、例えば、ピロリル(例:1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル)、フリル(例:2−フリル、3−フリル)、チエニル(例:2−チエニル、3−チエニル)、ピラゾリル(例:1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル)、イミダゾリル(例:1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル)、イソオキサゾリル(例:3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル)、オキサゾリル(例:2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル)、イソチアゾリル(例:3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル)、チアゾリル(例:2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、トリアゾリル(例:1,2,3−トリアゾール−3−イル、1,2,4−トリアゾール−4−イル)、オキサジアゾリル(例:1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)、チアジアゾリル(例:1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−5−イル)、テトラゾリル、ピリジル(例:2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピリダジニル(例:3−ピリダジニル、4−ピリダジニル)、ピリミジニル(例:2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル)、及びピラジニル等が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「芳香族縮合複素環基」としては、例えば、イソインドリル(例、1−イソインドリル、2−イソインドリル、3−イソインドリル、4−イソインドリル、5−イソインドリル、6−イソインドリル、7−イソインドリル)、インドリル(例、1−インドリル、2−インドリル、3−インドリル、4−インドリル、5−インドリル、6−インドリル、7−インドリル)、ベンゾ[b]フラニル(例、2−ベンゾ[b]フラニル、3−ベンゾ[b]フラニル、4−ベンゾ[b]フラニル、5−ベンゾ[b]フラニル、6−ベンゾ[b]フラニル、7−ベンゾ[b]フラニル)、ベンゾ[c]フラニル(例、1−ベンゾ[c]フラニル、4−ベンゾ[c]フラニル、5−ベンゾ[c]フラニル)、ベンゾ[b]チエニル、(例、2−ベンゾ[b]チエニル、3−ベンゾ[b]チエニル、4−ベンゾ[b]チエニル、5−ベンゾ[b]チエニル、6−ベンゾ[b]チエニル、7−ベンゾ[b]チエニル)、ベンゾ[c]チエニル(例、1−ベンゾ[c]チエニル、4−ベンゾ[c]チエニル、5−ベンゾ[c]チエニル)、インダゾリル(例、1−インダゾリル、2−インダゾリル、3−インダゾリル、4−インダゾリル、5−インダゾリル、6−インダゾリル、7−インダゾリル)、ベンゾイミダゾリル(例、1−ベンゾイミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、4−ベンゾイミダゾリル、5−ベンゾイミダゾリル)、1,2−ベンゾイソオキサゾリル(例、1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル、1,2−ベンゾイソオキサゾール−4−イル、1,2−ベンゾイソオキサゾール−5−イル、1,2−ベンゾイソオキサゾール−6−イル、1,2−ベンゾイソオキサゾール−7−イル)、ベンゾオキサゾリル(例、2−ベンゾオキサゾリル、4−ベンゾオキサゾリル、5−ベンゾオキサゾリル、6−ベンゾオキサゾリル、7−ベンゾオキサゾリル)、1,2−ベンゾイソチアゾリル(例、1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル、1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イル、1,2−ベンゾイソチアゾール−5−イル、1,2−ベンゾイソチアゾール−6−イル、1,2−ベンゾイソチアゾール−7−イル)、ベンゾチアゾリル(例、2−ベンゾチアゾリル、4−ベンゾチアゾリル、5−ベンゾチアゾリル、6−ベンゾチアゾリル、7−ベンゾチアゾリル)、イソキノリル(例、1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル)、キノリル(例、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、8−キノリル)、シンノリニル(例、3−シンノリニル、4−シンノリニル、5−シンノリニル、6−シンノリニル、7−シンノリニル、8−シンノリニル)、フタラジニル(例、1−フタラジニル、4−フタラジニル、5−フタラジニル、6−フタラジニル、7−フタラジニル、8−フタラジニル)、キナゾリニル(例、2−キナゾリニル、4−キナゾリニル、5−キナゾリニル、6−キナゾリニル、7−キナゾリニル、8−キナゾリニル)、キノキサリニル(例、2−キノキサリニル、3−キノキサリニル、5−キノキサリニル、6−キノキサリニル、7−キノキサリニル、8−キノキサリニル)、ピラゾロ[1,5−a]ピリジル(例、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−4−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−5−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)、イミダゾ[1,2−a]ピリジル(例、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−7−イル、及びイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−イル)等が挙げられる。
CF3−、
CH3−CF2−、
CHF2−CH2−、
CF3−CH2−、
CF3−CF2−、
CF3−CF2−CH2−、
CF3−CF2−CF2−、
(CF3)2CF−、
CF3−O−CF2−、
CF3−O−CF(CF3)−、
CF3−CF2−CF2−CF2−、
CF3−CF2−CF(CF3)−CF2−、
CF3−O−CH2−CH2−、
CF3−O−CH(CF3)−CH2−、
CF3−O−CF2−CF2−、
(CF3CF2)(CF2)CF−、
(CF3)3C−、
CF3−CF2−O−CF2−、
CF3−CF2−CF2−CF2−CF2−、
CF3−CF2−O−CF2−CF2−、
CF3−O−CF2−O−CF2−、
CF3−CF2−CF2−CF2−CF2−CF2−、
CF3−CF2−CF2−O−CH2−CF2−、
CF3−CF2−CF2−O−CF2−CF2−、
CF3−CF2−CF2−CF2−CF2−CF2−CF2−、
CF3−CF2−CF2−CF2−CF2−CF2−CF2−CF2−、
CHF2−CF2−CF2−CF2−CF2−CF2−CF2−CH2−
CF3−CF(CF3)−CF2−、
CF3−CF2−CF(CF3)−、
CF3−CF2−CF2−O−CF(CF3)−CF2−
CF3−CF2−CF2−O−CF(CF3)−CF2−O−CF(CF3)−CF2−
CF3−CF2−CF2−O−[CF(CF3)−CF2−O−]2−CF(CF3)−CF2−
等の、直鎖状又は分岐鎖状の、フルオロC1−10アルキル基、フルオロC1−4アルコキシフルオロC1−4アルキル基、又はフルオロC1−4アルコキシフルオロC1−4アルコキシフルオロC1−4アルキル基が挙げられる。
CF3−O−、
CF3−CH2−O−、
CF3−CF2−O−、
CF3−CF2−CF2−O−、
CF3−CF2−CF2−CF2−O−、
CF3−O−CF2−O−、
CF3−O−CF2−CF2−CF2−O−、
CF3−O−CH2−CF2−CF2−O−
CF3−CF2−O−CF2−CF2−O−、
CF3−CF2−CF2−O−CH2−CF2−CF2−O−、
CF3−CF2−CF2−O−CF2−CF2−CF2−O−、
CF3−CF(CF3)−O−、
CF3−CF2−CF(CF3)−O−、
CF3−CF(CF3)−CF(CF3)−O−、
CF3−CF2−CF2−O−CF(CF3)−CF2−O−、
CF3−CF2−CF2−O−[CF(CF3)−CF2−O−]2−O−、
CF3−CF2−CF2−O−[CF(CF3)−CF2−O−]3−O−
等の、直鎖状又は分岐鎖状の、フルオロC1−10アルコキシ基、フルオロC1−4アルコキシフルオロC1−4アルコキシ基が挙げられる。
本開示の次式(1):
で表される化合物の製造方法は、一実施態様において、次式(2):
で表される化合物を、次式(3):
で表される化合物と反応させる工程を含む製造方法である。この方法によれば、金属フリーで熱に安定なフルオロアルコキシドを簡便に製造することができる。
式(3)で表される化合物の使用量の上限は、式(2)で表される化合物1モルに対して、通常、10モル、好ましくは5モル、4モル、3モル、又は2モルであることができる。
式(3)で表される化合物の使用量は、式(2)で表される化合物1モルに対して、通常、0.1〜10モル、好ましくは0.2〜5モル、さらに好ましくは0.5〜2モルの範囲内である。
溶媒の例としては、例えば、
炭化水素溶媒(例:n−ヘキサン等の鎖状炭化水素、ベンゼン、トルエン、p−キシレン等の芳香族炭化水素);
ハロゲン系溶媒(例:ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロアルカン、クロロベンゼン等のハロアレーン);
ニトリル系溶媒(例:アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等の鎖状ニトリル;ベンゾニトリル等の環状ニトリル);
アミド系溶媒[例:カルボン酸アミド(例:ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の鎖状アミド、N−メチルピロリドン等の環状アミド)、リン酸アミド(例:ヘキサメチルリン酸アミド)];
エーテル系溶媒(例:ジエチルエーテル等の鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル);
ウレア系溶媒(例:N,N−ジメチルプロピレンウレア);
エステル系溶媒(例:酢酸エステル);
スルホキシド系溶媒(例:ジメチルスルホキシド);
ニトロ系溶媒(例:ニトロメタン、ニトロベンゼン);
ケトン系溶媒(例:アセトン、メチルエチルケトン);及び
これら2種以上の混合溶媒
等が挙げられる。
溶媒は、好ましくは、ハロゲン系溶媒、ウレア系溶媒、アミド系溶媒、スルホキシド系溶媒、エステル系溶媒、ニトリル系溶媒、エーテル系溶媒、或いはこれら2種以上の混合溶媒であり、より好ましくは、ハロゲン系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、又はエーテル系溶媒、或いはこれら2種以上の混合溶媒であり、さらにより好ましくはニトリル系溶媒である。
反応温度の下限は、例えば、−20℃、好ましくは、−10℃、−5℃、0℃、5℃、10℃、又は15℃であることができる。
反応温度の上限は、例えば、110℃、好ましくは、100℃、90℃、80℃、70℃、60℃、50℃、又は40℃であることができる。
反応温度は、例えば、−20〜110℃、好ましくは0〜70℃、さらに好ましくは15〜40℃の範囲内である。
反応時間は、例えば、0.5〜48時間、好ましくは1〜24時間の範囲内である。
本開示の一実施態様の組成物は、式(1)で表される化合物、及び次式(4):
で表される化合物を含有する組成物である。
から選択される
化合物を包含する。
式(1)で表される化合物の含有率(モル比率)の上限は、式(1)で表される化合物の含有率及び式(4)で表される化合物の含有率の合計を100%としたとき、例えば、99%、98%、97%、96%、又は95%であることができる。
式(1)で表される化合物の含有率(モル比率)は、式(1)で表される化合物の含有率及び式(4)で表される化合物の含有率の合計を100%としたとき、例えば、70〜99%、80〜99%、又は85〜99%の範囲内であることができる。
式(1)で表される化合物の含有率は、19F−NMRスペクトルにおけるδ−20〜ー40ppmのピーク(式(1)で表される化合物に由来するピーク)とδ−112〜−118ppmのピーク(式(4)で表される化合物に由来するピーク)の強度比から計算される値である。
本開示の一実施態様のフルオロアルコキシ化剤は、式(1)で表される化合物、及び式(4)で表される化合物を含有する組成物からなる。フルオロアルコキシ化剤に含まれる組成物は、前記「組成物」で例示されたものから選択することができる。
フルオロアルコキシ化剤は、好ましくは、パーフルオロアルコキシ化剤である。
本開示の次式(5):
で表される化合物の製造方法は、一実施態様において、次式(6):
で表される化合物を、次式(7):
で表される化合物と反応させる工程を含む製造方法である。
から選択される化合物を包含する。
式(6)で表される化合物の使用量の上限は、式(7)で表される化合物1モルに対して、通常、10モル、好ましくは9モル、8モル、7モル、6モル、又は5モルであることができる。
式(6)で表される化合物の使用量は、式(7)で表される化合物1モルに対して、通常、0.5〜10モル、好ましくは0.9〜5モルの範囲内である。
助剤としては、例えば、テトラフルオロホウ酸銀、ヘキサフルオロリン酸銀等が挙げられる。これらの助剤は、単独で又は二種以上組合せて使用することができる。
助剤の使用量は、式(7)で表される化合物1モルに対して、通常、0.1〜10モル、好ましくは0.2〜5モルの範囲内である。
溶媒の例としては、例えば、
炭化水素溶媒(例:n−ヘキサン等の鎖状炭化水素、ベンゼン、トルエン、p−キシレン等の芳香族炭化水素);
ハロゲン系溶媒(例:ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロアルカン、クロロベンゼン等のハロアレーン)、
ニトリル系溶媒(例:アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等の鎖状ニトリル;ベンゾニトリル等の環状ニトリル);
アミド系溶媒[例:カルボン酸アミド(例:ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の鎖状アミド、N−メチルピロリドン等の環状アミド)、リン酸アミド(例:ヘキサメチルリン酸アミド)];
エーテル系溶媒(例:ジエチルエーテル等の鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル);
ウレア系溶媒(例:N,N−ジメチルプロピレンウレア);
エステル系溶媒(例:酢酸エステル);
スルホキシド系溶媒(例:ジメチルスルホキシド);
ニトロ系溶媒(例:ニトロメタン、ニトロベンゼン);
ケトン系溶媒(例:アセトン、メチルエチルケトン);及び
これら2種以上の混合溶媒
等が挙げられる。
溶媒は、好ましくは、ハロゲン系溶媒、ウレア系溶媒、アミド系溶媒、スルホキシド系溶媒、エステル系溶媒、ニトリル系溶媒、エーテル系溶媒、或いはこれら2種以上の混合溶媒であり、より好ましくは、ハロゲン系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、又はエーテル系溶媒、或いはこれら2種以上の混合溶媒であり、さらにより好ましくはニトリル系溶媒である。
反応温度の下限は、例えば、0℃、好ましくは5℃、10℃、又は15℃であることができる。
反応温度の上限は、例えば、100℃、好ましくは95℃、90℃、85℃、又は80℃であることができる。
反応温度は、例えば、0〜100℃、好ましくは15〜80℃の範囲内である。
反応時間は、例えば、0.5〜24時間、好ましくは1〜24時間、さらに好ましくは1〜18時間の範囲内である。
で表される化合物を含む場合がある。
反応生成物において、式(5’)で表される化合物の含有率(モル比率)は、式(5)で表される化合物の含有率及び式(5’)で表される化合物の含有率の合計を100%としたとき、例えば30%以下、好ましくは20%以下、さらに好ましくは15%以下である。なお、式(5’)で表される化合物の含有率は、19F−NMRスペクトルのピーク強度から計算することができる。
前記反応生成物は、慣用の方法、例えば、ろ過、カラムクロマトグラフィー等により精製してもよい。
窒素雰囲気下で、10mL容の耐圧容器に、テトラメチルアンモニウムフロリド 23.8mgをはかりとり、アセトニトリル 1mLを加えた。
当該容器にパーフルオロオクタノイル フルオリド 104mgとアセトニトリル 0.2mLを加えた。
当該容器を室温で30分撹拌した後、19F NMRで解析したところ、標題のアルコキシドがパーフルオロヘプタン酸テトラメチルアンモニウムとの87:13のモル比の混合物で生成していた。
19F NMR(376MHz, CD3CN):δ −34.3(br−s、2F)、−80.4(t、J=9.7Hz、3F)、−120.4(t、J=13.5Hz、2F)、−120.8〜−121.5(m、6F)、−122.0(m、2F)、−125.4(m、2F)ppm.
窒素雰囲気下で、10mL容の耐圧容器に、テトラメチルアンモニウムフロリド 23.8mgをはかりとり、アセトニトリル 1mLを加えた。
当該容器にパーフルオロヘキサノイル フルオリド 79mgとアセトニトリル 0.2mLを加えた。
当該容器を室温で30分撹拌した後、19F NMRで解析したところ、標題のアルコキシドがパーフルオロヘキサン酸テトラメチルアンモニウムとの88:12のモル比の混合物で生成していた。
19F NMR(376MHz, CD3CN):δ −25.5(t、J=8.8Hz、2F)、−80.8(t、J=10.5Hz、2F)、−120.6〜−120.7(m、2F)、−121.6(br−s、2F)、−122.3〜−122.4(m、2F)、−125.7(t、J=13.5Hz、2F)ppm.
窒素雰囲気下で、10mL容の耐圧容器に、テトラメチルアンモニウムフロリド 23.8mgをはかりとり、アセトニトリル 1mLを加えた。
当該容器に2−(ヘプタフルオロプロポキシ)テトラフルオロプロピオニル フルオリド 83mgとアセトニトリル 0.2mLを加えた。
当該容器を室温で30分撹拌した後、19F NMRで解析したところ、標題のアルコキシドがパーフルオロ−2−プロポキシプロパン酸テトラメチルアンモニウムとの84:16のモル比の混合物で生成していた。
19F NMR(376MHz, CD3CN):δ −29.8(br−s、2F)、−79.7(d、J=9.0Hz、3F)、−81.1(t、J=9.0Hz、3F)、−81.7(s、2F)、−129.5(t、J=9.0Hz、2F)、−137.7(t、J=20.3Hz、1F)ppm.
窒素雰囲気下で、10mL容の容器に、テトラメチルアンモニウムフロリド 70mgをはかりとり、アセトニトリル 4mLを加えた。
当該容器にパーフルオロヘプタアシルフルオリド 325mgとアセトニトリル 0.8mLを加えた。
当該容器を室温で30分撹拌した後、ベンジルブロミド 35.7μL、テトラフルオロホウ酸銀 70.1mg、アセトニトリル 0.4mLを加えた。
当該容器を45℃で8時間、加熱した。
当該容器を室温まで冷却した後、容器の内容物をジクロロメタンを用いてセライトでろ過後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製したところ、目的の標題エーテルがベンジルブロミドに対し、52%のモル収率で生成していた。
19FNMR:(376MHz, CDCl3):δ −80.8(t、J=9.0Hz、3F)、−8.47(br−s、2F)、−121.9(br−s、6F)、−122.7(br−s、2F)、−125.1(br−s、2F)、−126.2(br−s、2F)ppm.
窒素雰囲気下で、10mL容の容器に、テトラメチルアンモニウムフロリド 72.6mgをはかりとり、アセトニトリル 2mLを加えた。
当該容器にパーフルオロヘプタアシルフルオリド 325mgとアセトニトリル 0.8mLを加えた。
当該容器を室温で30分撹拌した後、アリルブロミド 25.3μL、テトラフルオロホウ酸銀 70.1mg、アセトニトリル 0.4mLを加えた。
当該容器を45℃で8時間、加熱した。
当該容器を室温まで冷却した後、容器の内容物をジクロロメタンを用いてセライトでろ過後、19F NMRで解析したところ、目的の標題エーテルがアリルブロミドに対し、38%のモル収率で生成していた。
19F NMR(376MHz, CDCl3):δ −80.6(t、J=8.1Hz、3F)、−84.7(br−s、12F)、−122.0(br−s、2F)、−122.6(br−s、2F)、−125.0(br−s、2F)、−126.0(br−s、2F)ppm.
窒素雰囲気下で、10mL容の容器に、テトラメチルアンモニウムフロリド 70mgをはかりとり、アセトニトリル 4mLを加えた。
当該容器にパーフルオロヘプタアシルフルオリド 325mgとアセトニトリル 0.8mLを加えた。
当該容器を室温で30分撹拌した後、ブロモ酢酸エチル 33.2μL、テトラフルオロホウ酸銀 70.1mg、アセトニトリル 0.4mLを加えた。
当該容器を45℃で9時間、加熱した。
当該容器を室温まで冷却した後、容器の内容物をジクロロメタンを用いてセライトでろ過後、19F NMRで解析したところ、目的の標題エーテルがブロモ酢酸エチルに対し、22%のモル収率で生成していた。
19F NMR(376MHz, CDCl3):δ −81.5(t、J=9.0Hz、3F)、−85.5(br−s、2F)、−122.3〜−122.4(m、6F)、−123.2(br−s,2F)、−125.6(br−s、2F)、−126.6(br−s、2F)ppm.
Claims (22)
- 各々のR2が、互いに同一又は異なって、アルキル基である、請求項1に記載の製造方法。
- 各々のR2が、互いに同一又は異なって、C1−4アルキル基である、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 全てのR2が、メチル基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
- R1が、炭素原子間に酸素原子を含んでいてもよいパーフルオロC1−8アルキル基、又は炭素原子間に酸素原子を含んでいてもよいパーフルオロC1−8アルコキシ基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記反応が、ハロゲン系溶媒、ウレア系溶媒、アミド系溶媒、スルホキシド系溶媒、エステル系溶媒、ニトリル系溶媒、及びエーテル系溶媒からなる群より選択される少なくとも一種の溶媒の存在下で実施される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記反応が、ハロゲン系溶媒、アミド系溶媒、ニトリル系溶媒、及びエーテル系溶媒からなる群より選択される少なくとも一種の溶媒の存在下で実施される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記反応が、ニトリル系溶媒の存在下で実施される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
- 次式(1):
で表される化合物、及び次式(4):
で表される化合物を含有する組成物であって、
前記式(1)で表される化合物の含有率(モル比率)は、前記式(1)で表される化合物の含有率及び前記式(4)で表される化合物の含有率の合計を100%としたとき、70%以上である組成物。 - 各々のR2が、互いに同一又は異なって、アルキル基であり、及び各々のRbが、互いに同一又は異なって、アルキル基である、請求項9に記載の組成物。
- 各々のR2が、互いに同一又は異なって、C1−4アルキル基であり、及び各々のRbが、互いに同一又は異なって、C1−4アルキル基である、請求項9又は10に記載の組成物。
- 全てのR2が、メチル基であり、及び全てのRbが、メチル基である、請求項9〜11のいずれか一項に記載の組成物。
- R1が、炭素原子間に酸素原子を含んでいてもよいパーフルオロC1−8アルキル基、又は炭素原子間に酸素原子を含んでいてもよいパーフルオロC1−8アルコキシ基であり、及び
Raが、炭素原子間に酸素原子を含んでいてもよいパーフルオロC1−8アルキル基、又は炭素原子間に酸素原子を含んでいてもよいパーフルオロC1−8アルコキシ基である、請求項9〜12のいずれか一項に記載の組成物。 - 請求項9〜13のいずれか一項に記載の組成物からなる、フルオロアルコキシ化剤。
- Q1が、1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基である、請求項15に記載の製造方法。
- Lが、ハロゲン原子である、請求項15又は16に記載の製造方法。
- 各々のR4が、互いに同一又は異なって、アルキル基である、請求項15〜17のいずれか一項に記載の製造方法。
- 各々のR4が、互いに同一又は異なって、C1−4アルキル基である、請求項15〜18のいずれか一項に記載の製造方法。
- 全てのR4が、メチル基である、請求項15〜19のいずれか一項に記載の製造方法。
- R3が、炭素原子間に酸素原子を含んでいてもよいパーフルオロC1−8アルキル基、又は炭素原子間に酸素原子を含んでいてもよいパーフルオロC1−8アルコキシ基である、請求項15〜20のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記反応が、温度0〜100℃の範囲内で、1〜24時間の範囲内で実施される、請求項15〜21のいずれか一項に記載の製造方法。
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