JP7244789B2 - 環状カーボネート化合物、及びその製造方法 - Google Patents
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Description
従って、環状カーボネート化合物の、新たな製造方法の提供が、常に求められている。
RXは、水素原子、有機基を表し、
Xは、ハロゲン原子を表し、
Yは、水素原子、又はハロゲン原子を表し、及び
nは、1、又は2の数を表す。]
で表される化合物[本明細書中、化合物(1B)と称する場合がある。]の製造方法であって、
式(2):
RXは、水素原子、有機基を表し、
Xは、ハロゲン原子を表し、
Yは、水素原子、又はハロゲン原子を表し、及び
nは、1、又は2の数を表す。]
で表される化合物[本明細書中、化合物(2)と称する場合がある。]を、
ホスゲンと反応させる工程1を含む、
製造方法、
により前記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
式(1B):
RXは、水素原子、有機基を表し、
Xは、ハロゲン原子を表し、
Yは、水素原子、又はハロゲン原子を表し、及び
nは、1、又は2の数を表す。]
で表される化合物の製造方法であって、
式(2):
RXは、水素原子、有機基を表し、
Xは、ハロゲン原子を表し、
Yは、水素原子、又はハロゲン原子を表し、及び
nは、1、又は2の数を表す。]
で表される化合物を、
ホスゲンと反応させる工程1を含む、
製造方法。
項2.
RXは、水素原子、又は1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基[当該炭化水素基には、-NRo-、=N-、-N=、-O-、-S-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)2-NRo-、-NRo-S(=O)2-、-S(=O)-、-S(=O)-NRo-、及び-NRo-S(=O)-(これらの式中、Roは、独立して、水素原子、又は有機基である。)からなる群より選択される1個以上の部分が挿入されていてもよい。]である項1に記載の製造方法。
項3.
RXは、水素原子、アルキル基、又はフルオロアルキル基である項2に記載の化合物。
項4.
Xは、フッ素原子である項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
項5.
Yは、ハロゲン原子である項1~4のいずれか一項に記載の製造方法。
項6.
ホスゲンは、モノホスゲン、トリホスゲン、又はフルオロホスゲンである、項1~5のいずれか一項に記載の製造方法。
項7.
(1)項1中に記載されている前記式(1B)で表される化合物、及び
(2)式(1D):
R1Dは、アルキル基を表し、及び
nは、1、又は2の数を表す。]
で表される化合物
を含有する組成物。
項8.
項7に記載の組成物の製造方法であって、
(A)2,2-ジアルキル-1,3-ジオキソラン-4-カルボアルデヒド及びその3量体の混合物にフッ素化剤を作用させてフッ素化する工程、及び
(B)工程(A)の生成物を、式:R1D-OH(式中の記号は、前記と同意義を表す。)で表されるアルコールの存在下で、脱アセトニド化する工程を含む、
製造方法。
項9.
前記フッ素化剤が、脱酸素的フッ素化剤である項8に記載の製造方法。
項10.
R1Dが直鎖状又は分枝鎖状のC1-C4アルキルである項8又は9の製造方法。
項11.
4-(ジメトキシメチル)-1,3-ジオキソラン。
本明細書中の記号及び略号は、特に限定のない限り、本明細書の文脈に沿い、本発明が属する技術分野において通常用いられる意味に理解できる。
本明細書中、語句「含有する」は、語句「から本質的になる」、及び語句「からなる」を包含することを意図して用いられる。
特に限定されない限り、本明細書中に記載されている工程、処理、又は操作は、室温で実施され得る。
本明細書中、室温は、10~40℃の範囲内の温度を意味する。
本明細書中、表記「Cn-Cm」(ここで、n、及びmは、数である。)は、当業者が通常理解する通り、炭素数がn以上、且つm以下であることを表す。
1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアルケニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアルキニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルキル基、
1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルケニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルカジエニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、
1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基、
1個以上の置換基を有していてもよい非芳香族複素環基、
1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基、
シアノ基、
アルデヒド基、
RrO-、
RrCO-、
RrSO2-、
RrOCO-、及び
RrOSO2-
(これらの式中、Rrは、独立して、
1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアルケニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアルキニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルキル基、
1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルケニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルカジエニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、
1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基、
1個以上の置換基を有していてもよい非芳香族複素環基、又は
1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基である)
を包含できる。
化学分野の常識に基づいて通常理解される通り、このようにヘテロ原子が挿入された炭化水素基の例は、非芳香族複素環基、及びヘテロアリール基を包含できる。
「1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基」、
「1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基」、
「1個以上の置換基を有していてもよいアルケニル基」、
「1個以上の置換基を有していてもよいアルキニル基」、
「1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルキル基」、
「1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルケニル基」、
「1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルカジエニル基」、
「1個以上の置換基を有していてもよいアリール基」、及び
「1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基」
における「置換基」の例は、それぞれ、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、チオキソ基、スルホ基、スルファモイル基、スルフィナモイル基、及びスルフェナモイル基を包含できる。
当該置換基の数は、1個から置換可能な最大個数の範囲内(例:1個、2個、3個、4個、5個、6個)であることができる。
本明細書中、「フルオロアルキル基」が有するフッ素原子の数は、1個以上(例:1~3個、1~6個、1~12個、1個から置換可能な最大数)であることができる。
「フルオロアルキル基」は、パーフルオロアルキル基を包含する。
「パーフルオロアルキル基」は、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基である。当該パーフルオロアルキル基の具体例は、トリフルオロメチル基(CF3-)、及びペンタフルオロエチル基(C2F5-)を包含する。
本明細書中、「フルオロアルキル基」は、例えば、炭素数1~20、炭素数1~12、炭素数1~6、炭素数1~4、炭素数1~3、炭素数6、炭素数5、炭素数4、炭素数3、炭素数2、又は炭素数1のフルオロアルキル基であることができる。
本明細書中、「フルオロアルキル基」は、直鎖状、又は分枝鎖状のフルオロアルキル基であることができる。
本明細書中、「フルオロアルキル基」として、具体的には、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基(CF3-)、2,2,2-トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基(C2F5-)、テトラフルオロプロピル基(例:HCF2CF2CH2-)、ヘキサフルオロプロピル基(例:(CF3)2CH-)、ノナフルオロブチル基、オクタフルオロペンチル基(例:HCF2CF2CF2CF2CH2-)、及びトリデカフルオロヘキシル基等が挙げられる。
1-イル、2-プロペン-1-イル、イソプロペニル、2-ブテン-1-イル、4-ペンテン-1-イル、及び5-へキセン-1-イル等の、直鎖状又は分枝鎖状の、C2-10アルケニル基を包含できる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「アリール基」は、C6-C18アリール基であることができる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「アリール基」の例は、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、2-ビフェニル、3-ビフェニル、4-ビフェニル、及び2-アンスリルを包含できる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「非芳香族複素環基」は、例えば、環構成原子として、炭素原子に加えて酸素原子、硫黄原子、及び窒素原子から選ばれる1~4個のヘテロ原子を含有する非芳香族複素環基であることができる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「非芳香族複素環基」は、飽和、又は不飽和であることができる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「非芳香族複素環基」の例は、テトラヒドロフリル、オキサゾリジニル、イミダゾリニル(例:1-イミダゾリニル、2-イミダゾリニル、4-イミダゾリニル)、アジリジニル(例:1-アジリジニル、2-アジリジニル)、アゼチジニル(例:1-アゼチジニル、2-アゼチジニル)、ピロリジニル(例:1-ピロリジニル、2-ピロリジニル、3-ピロリジニル)、ピペリジニル(例:1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル)、アゼパニル(例:1-アゼパニル、2-アゼパニル、3-アゼパニル、4-アゼパニル)、アゾカニル(例:1-アゾカニル、2-アゾカニル、3-アゾカニル、4-アゾカニル)、ピペラジニル(例:1,4-ピペラジン-1-イル、1,4-ピペラジン-2-イル)、ジアゼピニル(例:1,4-ジアゼピ
ン-1-イル、1,4-ジアゼピン-2-イル、1,4-ジアゼピン-5-イル、1,4-ジアゼピン-6-イル)、ジアゾカニル(例:1,4-ジアゾカン-1-イル、1,4-ジアゾカン-2-イル、1,4-ジアゾカン-5-イル、1,4-ジアゾカン-6-イル、1,5-ジアゾカン-1-イル、1,5-ジアゾカン-2-イル、1,5-ジアゾカン-3-イル)、テトラヒドロピラニル(例:テトラヒドロピラン-4-イル)、モルホリニル(例:4-モルホリニル)、チオモルホリニル(例:4-チオモルホリニル)、2-オキサゾリジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラニル、及びジヒドロキノリル等を包含できる。
イル、1,2-ベンゾイソチアゾール-4-イル、1,2-ベンゾイソチアゾール-5-イル、1,2-ベンゾイソチアゾール-6-イル、1,2-ベンゾイソチアゾール-7-イル)、ベンゾチアゾリル(例:2-ベンゾチアゾリル、4-ベンゾチアゾリル、5-ベンゾチアゾリル、6-ベンゾチアゾリル、7-ベンゾチアゾリル)、イソキノリル(例:1-イソキノリル、3-イソキノリル、4-イソキノリル、5-イソキノリル)、キノリル(例:2-キノリル、3-キノリル、4-キノリル、5-キノリル、8-キノリル)、シンノリニル(例:3-シンノリニル、4-シンノリニル、5-シンノリニル、6-シンノリニル、7-シンノリニル、8-シンノリニル)、フタラジニル(例:1-フタラジニル、4-フタラジニル、5-フタラジニル、6-フタラジニル、7-フタラジニル、8-フタラジニル)、キナゾリニル(例:2-キナゾリニル、4-キナゾリニル、5-キナゾリニル、6-キナゾリニル、7-キナゾリニル、8-キナゾリニル)、キノキサリニル(例:2-キノキサリニル、3-キノキサリニル、5-キノキサリニル、6-キノキサリニル、7-キノキサリニル、8-キノキサリニル)、ピラゾロ[1,5-a]ピリジル(例:ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-4-イル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)、イミダゾ[1,2-a]ピリジル(例:イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル、イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル、イミダゾ[1,2-a]ピリジン-5-イル、イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル、イミダゾ[1,2-a]ピリジン-7-イル、イミダゾ[1,2-a]ピリジン-8-イル)等を包含できる。
「1個以上の置換基を有していてもよい非芳香族複素環基」、及び
「1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基」
における各「置換基」の例は、1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、チオキソ基、スルホ基、スルファモイル基、スルフィナモイル基、及びスルフェナモイル基を包含できる。
当該置換基の数は、1個から置換可能な最大個数の範囲内(例:1個、2個、3個、4個、5個、6個)であることができる。
本発明の、化合物(1B)の製造方法は、
式(2):
RXは、水素原子、有機基を表し、
Xは、ハロゲン原子を表し、
Yは、水素原子、又はハロゲン原子を表し、及び
nは、1、又は2の数を表す。]
で表される化合物(2)を、
ホスゲンと反応させる工程1を含む。
[当該炭化水素基には、-NRo-、=N-、-N=、-O-、-S-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-C(=O)-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)2-NRo-、-NRo-S(=O)2-、-S(=O)-、-S(=O)-NRo-、及び-NRo-S(=O)-(これらの式中、Roは、独立して、水素原子、又は有機基である。)からなる群より選択される1個以上の部分が挿入されていてもよい。]である。
無置換の炭化水素基
を包含する。
当該RXについての「フルオロアルキル基」の好適な例は、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1~3のフルオロアルキル基[好適な具体例:-CF3、-CF2H、-CFH2、-CH2CF3、-CH2CF2H、-CH2CFH2、-CF2CF3、-CF2CF2H、-CF2CFH2、-CFHCF3、-CFHCF2H、-CFHCFH2、-CH(CF3)2、-CH2C2F5、-CH2CF2CF3、-CH2CF2CF2H、及び-CF2CF2CF3]を包含し;及びより好適な例は、-CH2CF3、及び-CF2CF3を包含する。
F3)である。
Yは、特に好ましくは、フッ素原子である。
RXは、水素原子、又はメチル基であり、
Yは、ハロゲン原子であり、
Xは、ハロゲン原子であり、及び
nは、1、又は2の数である。
RXは、水素原子、又はメチル基であり、
Yは、フッ素原子であり、
Xは、フッ素原子であり、及び
nは、1である。
前記ホスゲン換算においては、トリホスゲン1モルはホスゲン3モルに換算し、ジホスゲン1モルはホスゲン2モルに換算する。
当該求核剤としては、例えば、塩基を使用できる。
当該塩基は、無機塩基、又は有機塩基であることができ、好ましくは有機塩基であることができる。
当該無機塩基の例は、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、及び炭酸水素カリウムを包含する。
当該有機塩基の好適な例は、アミンを包含する。
当該触媒の例は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、及びピリジンを包含する。
当該触媒は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられ得る。
当該触媒の使用量は、前記式(2)の化合物の1モルに対して、好ましくは0.01~100モルの範囲内、より好ましくは0.1~80モルの範囲内、及び更に好ましくは0.5~60モルの範囲内、更に好ましくは1~40モルの範囲内であることができる。
工程1の反応温度の下限は、好ましくは-200℃、より好ましくは-150℃、更に好ましくは-100℃、及びより更に好ましくは-80℃であることができる。
工程1の反応温度は、好ましくは-200~-10℃の範囲内より好ましくは、-150~-20℃の範囲内、更に好ましくは-100℃~-30℃の範囲内、より更に好ましくは、及び特に好ましくは-80~-40℃の範囲内である。
工程1の反応時間の下限は、好ましくは5分間、より好ましくは10分間、及び更に好ましくは15分間であることができる。
工程1の反応時間は、好ましくは5~30分間の範囲内、より好ましくは10~25分間の範囲内、及び更に好ましくは15~20分間の範囲内であることができる。
具体的には、次の条件が好ましい。
前記塩基の量の上限は、前記式(2)で表される化合物の1モルに対して、例えば、好ましくは5モル、より好ましくは4モル、及び更に好ましくは3モルであることができる
。
前記塩基の量の下限は、前記式(2)で表される化合物の1モルに対して、好ましくは0.01モル、より好ましくは0.1モル、及び更に好ましくは0.5モルであることができる。
前記塩基の量は、前記式(2)で表される化合物の1モルに対して、好ましくは0.01~5の範囲内、より好ましくは0.1~4、及び更に好ましくは0.5~3の範囲内であることができる。
当該溶媒の例は、
(1)ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン、及びキシレン等の炭化水素系溶媒;
(2)ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、及び四塩化炭素等の塩素系溶媒;並びに
(3)ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、THF、DME、及びジオキサン等のエーテル系溶媒
を包含する。
当該溶媒は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられ得る。
所望により、未反応原料は、回収、及び再利用が可能である。
本発明は、前記式(1B)で表される化合物、及び前記式(1D)で表される化合物を含有する組成物もまた提供する。
より好ましくは1:99~99:1の範囲内、
更に好ましくは10:90~90:10の範囲内、
より更に好ましくは20:80~80:20の範囲内、及び
特に好ましくは40:60~60:40の範囲内
であることができる。
前記本発明の組成物[すなわち、前記式(1B)で表される化合物、及び前記式(1D)で表される化合物を含有する組成物]は、例えば、
(A)2,2-ジアルキル-1,3-ジオキソラン-4-カルボアルデヒド[以下、カルボアルデヒド化合物と称する場合がある。]及びその3量体の混合物にフッ素化剤を作用させてフッ素化する工程、及び
(B)工程(A)の生成物を、式:R1D-OH(式中の記号は、前記と同意義を表す。)で表されるアルコールの存在下で、脱アセトニド化する工程を含む、
製造方法
によって製造できる。
工程(A)で用いられるカルボアルデヒド化合物の好適な例は、
2,2-ジ(C1-C4アルキル)-1,3-ジオキソラン-4-カルボアルデヒド
を包含し、及び
そのより好適な例は、
2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-カルボアルデヒド
を包含する。
好ましくは0.1:99.9~99.9:0.1の範囲内、
より好ましくは1:99~99:1の範囲内、
更に好ましくは10:90~90:10の範囲内、
より更に好ましくは20:80~80:20の範囲内、及び
特に好ましくは40:60~60:40の範囲内
であることができる。
当該フッ素化剤は、具体的には、四フッ化硫黄(SF4)、ジメチルアミノ硫黄トリフルオリド、ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド、モルホリノ硫黄トリフルオリド、及びビス(2-メトキシエチル)アミノ硫黄トリフルオリドからなる群より選択される1種以上であることができる。
好ましくは1~10モルの範囲内、
より好ましくは1~7モルの範囲内、及び
更に好ましくは1~5モルの範囲内
であることができる。
式:R1D-OHで表されるアルコールの使用量は、
前記カルボアルデヒド化合物及びその3量体(単量体換算)の総量の1モルに対して、
好ましくは2モル以上、及び
より好ましくは5モル以上、
更に好ましくは10モル以上、
であることができる。
また溶媒量使用して反応溶媒としても使用できる。
所望により、未反応原料は、回収、及び再利用が可能である。
本発明の製造方法で製造できる化合物のうち、4-(ジメトキシメチル)-1,3-ジオキソラン-2-オンは、新規化合物である。
すなわち、本発明によれば、当該化合物も提供される。
実施例中、以下の略称を使用する場合がある。
4-(ジフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-オン
3,3-ジフルオロプロパン-1,2-ジオール14.5gに対し、-78℃下に、ジクロロメタン300g、ピリジン40g、及びトリホスゲン15.4gを添加し、及び更に15分間撹拌した。
反応終了後、反応生成液を水洗し、及びカラムクロマトグラフィーによって精製した。
4-(ジフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-オン 1.08gが油状物質として得られた。
分析は1HNMR、及び19FNMRにて行った。
4-(ジフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-オン及び4-(ジメトキシメチル)-1,3-ジオキソラン-2-オンの製造
2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-カルボアルデヒドとその3量体の混合物(10:1)10gに対して、ジクロロメタン200mLを加え、冷却後にDASTの22mLを加えた。
撹拌後に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で処理し、ジクロロメタンで抽出・濃縮を行った。
得られた混合物をメタノール30mLに再溶解し、パラトルエンスルホン酸・1水和物の2.4gを冷却下に加えて撹拌した。
少量のトリエチルアミンで処理し、濾過・濃縮を行った。得られた混合物に対して、ジクロロメタン250mlを加えて再溶解させ、DMF0.1ml、ピリジン40mLを混合し撹拌を行った。窒素置換した後に、-78℃でトリホスゲン15.4gのジクロロメタン50mlの溶液を滴下した。
その溶液を室温に戻して撹拌した後、氷水を加えた。分液後、有機相を10wt%クエン酸水溶液による水洗を3回した後、有機層を乾燥、及び濃縮した。
混合物のカラムクロマトグラフィーによる精製を行い、目的物である4-(ジフルオロ
メチル)-1,3-ジオキソラン-2-オン 2.4g、及び4-(ジメトキシメチル)-1,3-ジオキソラン-2-オン 0.6gを得た。
分析は1HNMR、及び19FNMRにて行った。
(1) 3,3-ジメトキシプロパン-1,2-ジオールの製造
3,3-ジメトキシ-1-プロペン5.1gに水60mlを加え、窒素置換した後に、0℃で0.3Mの過マンガン酸カリウム水溶液150mlを滴下した。
その溶液を室温に戻し、2時間撹拌を行った。
その後、reflux温度で1時間加熱撹拌した。
室温に戻し、ろ過し、ろ液にK2CO3を120g加えた。その後、酢酸エチル50mlで抽出し、その操作を5回行った。有機層を乾燥、濃縮して、目的物2.0gを得た。
分析は1HNMR、及び19FNMRにて行った。
3,3-ジメトキシプロパン-1,2-ジオール2.0gに、ジクロロメタン30ml、DMF0.01ml、及びピリジン3.49gを混合し撹拌を行った。窒素置換した後に、-78℃でトリホスゲン1.74g及びジクロロメタン10mlの溶液を滴下した。その溶液を室温に戻し、氷水を加えた。
分液後、有機相の10wt%クエン酸水溶液による水洗を3回実施した後、有機層を乾燥、及び濃縮して、目的物1.72gを得た。
分析は1HNMR、及び19FNMRにて行った。
Claims (4)
- (1)式(1B):
R X は、水素原子、有機基を表し、
Xは、ハロゲン原子を表し、
Yは、水素原子、又はハロゲン原子を表し、及び
nは、1、又は2の数を表す。]
で表される化合物、及び
(2)式(1D):
R 1D は、アルキル基を表し、及び
nは、1、又は2の数を表す。]
で表される化合物
を含有する組成物の製造方法であって、
(A)2,2-ジアルキル-1,3-ジオキソラン-4-カルボアルデヒド及びその3量体の混合物にフッ素化剤を作用させてフッ素化する工程、及び
(B)工程(A)の生成物を、式:R1D-OH(式中の記号は、前記と同意義を表す。)で表されるアルコールの存在下で、脱アセトニド化する工程を含む、
製造方法。 - 前記フッ素化剤が、脱酸素的フッ素化剤である請求項2に記載の製造方法。
- R1Dが直鎖状又は分枝鎖状のC1-C4アルキルである請求項2又は3の製造方法。
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