JP2017202979A - ハロゲン化含フッ素有機化合物の製造方法 - Google Patents

ハロゲン化含フッ素有機化合物の製造方法 Download PDF

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淳 白井
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寿美 石原
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Yosuke Kishikawa
洋介 岸川
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Abstract

【課題】本発明は、ハロゲン化含フッ素有機化合物の製造方法の提供を課題とする。【解決手段】式(1):RA−CFBr−RB(1)[式中、RAは、水素原子、又は置換基(但し、ハロゲン原子を除く。)を表し、及びRBは、水素原子、又は置換基を表すか、或いはRA、及びRBは、これらが隣接する炭素原子と一緒になって、1個以上の置換基を有していてもよい環を形成していてもよい。]で表されるハロゲン化含フッ素有機化合物の製造方法であって、式(2):RA−CFCl−RB(2)[式中の記号は前記と同意義を表す。]で表されるハロゲン化含フッ素有機化合物の塩素原子を臭素原子に置き換える工程Aを含む製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ハロゲン化含フッ素有機化合物の製造方法等、特に、1級炭素、又は2級炭素に、フッ素原子、及び臭素原子が結合しているハロゲン化含フッ素有機化合物の製造方法等に関する。
含フッ素有機化合物は、C−F結合エネルギーの大きさ、C−F結合の分極の小ささ、及びC−F結合が有する双極性モーメント等に起因して、他の化合物とは異なる、非常にユニークな性質を有する。このユニークな性質により、含フッ素有機化合物は、その構造、及び特性に応じて、樹脂、ゴム、塗料、フィルム、撥水撥油剤、液晶、染料、及び生理活性物質、並びにそれらの原料等の非常に様々な用途に用いられている。
このため、従来、様々な含フッ素有機化合物の合成方法の開発に多大な努力が払われている。
なかでも、ハロゲン化含フッ素有機化合物は、様々な含フッ素有機化合物の合成中間体として極めて有用である。
したがって、ハロゲン化含フッ素有機化合物(例、臭化含フッ素有機化合物、ヨウ化含フッ素有機化合物)の新規の合成方法の開発が常に求められている。
ハロゲン化含フッ素有機化合物(例、臭化含フッ素有機化合物、ヨウ化含フッ素有機化合物)の製造方法としては、例えば、安価で手に入りやすい塩化フッ素有機化合物の塩素原子を臭素原子に変換する方法が考えられる。
このように塩素原子を臭素原子に変換する方法として、一般的には、臭化アルミニウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、又は臭化カルシウムを用いる方法がある(例えば、非特許文献1)。
ところで、ハロゲン化含フッ素有機化合物の製造方法として、非特許文献2、及び非特許文献3には、塩素原子をヨウ素原子に置き換えるハロゲン交換反応が開示されている。
M Yonovich-Weiss, Synthesis, January 1984 J. A. Miller et al., Tetrahedron Letters, No. 31, pp 2691-2694, 1974 J. A. Miller et al., J. C. S Perkin I, pp 416-420, 1979
本発明者らは、前記非特許文献2及び3の方法に従って、1級炭素にフッ素原子、及びヨウ素原子が結合しているハロゲン化含フッ素有機化合物の合成を試みた。
しかし、当該ハロゲン化含フッ素有機化合物は得られなかった。この結果は、後記実施例において提示する。
したがって、本発明は、新たな、ハロゲン化含フッ素有機化合物の製造方法、特に、1級炭素、又は2級炭素に、フッ素原子、及び臭素原子が結合しているハロゲン化含フッ素有機化合物の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、
式(1):
−CFBr−R (1)
[式中、
は、水素原子、又は置換基(但し、ハロゲン原子を除く。)を表し、及び
は、水素原子、又は置換基を表すか、或いは
、及びRは、これらが隣接する炭素原子と一緒になって、1個以上の置換基を有していてもよい環を形成していてもよい。]
で表されるハロゲン化含フッ素有機化合物が、
式(2):
−CFCl−R (2)
[式中の記号は前記と同意義を表す。]
で表されるハロゲン化含フッ素有機化合物の塩素原子を臭素原子に置き換える工程Aを含む製造方法
によって、製造できることを見出し、及びかかる知見に基づいて本発明を完成させた。
本発明は、次の態様を含む。
項1.
式(1):
−CFBr−R (1)
[式中、
は、水素原子、又は置換基(但し、ハロゲン原子を除く。)を表し、及び
は、水素原子、又は置換基を表すか、或いは
、及びRは、これらが隣接する炭素原子と一緒になって、1個以上の置換基を有していてもよい環を形成していてもよい。]
で表されるハロゲン化含フッ素有機化合物の製造方法であって、
式(2):
−CFCl−R (2)
[式中の記号は前記と同意義を表す。]
で表されるハロゲン化含フッ素有機化合物の塩素原子を臭素原子に置き換える工程Aを含む製造方法。
項2.
は、水素原子、又は有機基であり、及び
は、水素原子、ハロゲン原子、又は有機基である、
項1に記載の製造方法。
項3.
は、
水素原子、
1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基、
1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基、
−NR
−OR、
−SR、
−P(=O)R
−C(=O)R、
−C(=O)OR、
−O−C(=O)R、
−C(=S)OR、又は
−O−C(=S)R
(当該式中、Rは、独立して、水素原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。)
である、項1に記載の製造方法。
項4.
は、
水素原子、
ハロゲン原子、
1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基、
1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基、
−NR
−OR、
−SR、又は
−P(=O)R
−C(=O)R、
−C(=O)OR、
−O−C(=O)R、
−C(=S)OR、又は
−O−C(=S)R
(当該式中、Rは、独立して、水素原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。)
である、項1に記載の製造方法。
項5.
は、
水素原子、
1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基、
1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基、
−NR
−OR、
−SR、
−P(=O)R
−C(=O)R、
−C(=O)OR、
−O−C(=O)R、
−C(=S)OR、又は
−O−C(=S)Rであり;及び
は、
水素原子、
ハロゲン原子、
1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基、
1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基、
−NR
−OR、
−SR、又は
−P(=O)R2、
−C(=O)R、
−C(=O)OR、
−O−C(=O)R、
−C(=S)OR、又は
−O−C(=S)R
(当該式中、Rは、独立して、水素原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。)
である、項1に記載の製造方法。
項6.
は、式:
−C(−R)(−R)−
[式中、
は、水素原子、又は1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、
は、水素原子、又は1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、及び
は、水素原子、又は1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。]
で表される基であり、及び
は、水素原子、ハロゲン原子、又は1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基である、項1に記載の製造方法。
項7.
は、水素原子、アリール基、フルオロアルキル基、又はアルキル基であり、
は、水素原子であり、
は、水素原子であり、及び
は、塩素原子、又は臭素原子である。
項6に記載の製造方法。
項8.
式(1)中のRは、臭素原子であり、及び
式(2)中のRは、臭素原子、又は塩素原子である、
項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
項9.
工程Aが、前記式(2)で表される化合物を、触媒の存在下で、金属ハロゲン化物(当該ハロゲン化物は少なくとも1個の臭素原子を有する。)、及び臭素(Br)からなる群より選択される1種以上の臭素化剤と反応させる工程である、項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
項10.
前記臭素化剤が、式:MX[式中、Mは、第1族元素、又は第2族元素を表し、Xは、ハロゲン原子を表し、及びnは数を表す。n個のXのうち少なくとも1個は臭素原子である。]で表される化合物である項9に記載の製造方法。
項11.
前記触媒が、クローム触媒、マンガン触媒、鉄触媒、コバルト触媒、ニッケル触媒、亜鉛触媒、水銀触媒、鉛触媒、アルミニウム触媒、ホウ素触媒及び銅触媒からなる群より選択される1種以上の触媒である項9、又は10に記載の製造方法。
項12.
前記触媒が、鉄触媒である項11に記載の製造方法。
本発明によれば、安全性の高い、ハロゲン化含フッ素有機化合物の製造方法等、特に、1級炭素、又は2級炭素に、フッ素原子、及び臭素原子が結合しているハロゲン化含フッ素有機化合物の製造方法が提供される。
用語
本明細書中の記号及び略号は、特に限定のない限り、本明細書の文脈に沿い、本発明が属する技術分野において通常用いられる意味に理解できる。
本明細書中、語句「含有する」は、語句「から本質的になる」、及び語句「からなる」を包含することを意図して用いられる。
特に限定されない限り、本明細書中に記載されている工程、処理、又は操作は、室温で実施され得る。
本明細書中、室温は、10〜40℃の範囲内の温度を意味する。
本明細書中、「有機基」は炭素を含有する基を意味する。
本明細書中、「有機基」の例は、
1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基、
1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基、
−NR(当該式中、Rは、各出現において独立して、水素原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。)、
−OR(当該式中、Rは、水素原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。)、
−SR(当該式中、Rは、水素原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。)、及び
−P(=O)R(当該式中、Rは、各出現において独立して、水素原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。)
を包含する。
これらの「有機基」の各例における置換基の例は、それぞれ、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシ基、及びカルボキシ基を包含する。
本明細書中、表記「Cn−m」(ここで、n、及びmは、同一又は異なって、数を表す。)は、当業者が通常理解する通り、炭素数がn以上、且つm以下であることを表す。
本明細書中、「炭化水素基」の例は、アリール基、及び脂肪族炭化水素基を包含する。
本明細書中、特に断りのない限り、「アリール基」は、単環性、2環性、3環性、又は4環性であることができる。
本明細書中、特に断りのない限り、「アリール基」は、C6−18アリール基であることができる。
本明細書中、「アリール基」の例は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−ビフェニル、3−ビフェニル、4−ビフェニル、及び2−アンスリルを包含する。
本明細書中、特に断りのない限り、「複素環基」(及び置換基中の複素環部分)は、非芳香族複素環基、または芳香族複素環基(すなわち、ヘテロアリール基)である。
本明細書中、特に断りのない限り、「複素環基」は、単環性、2環性、又は3環性であってよい。
本明細書中、特に断りのない限り、「複素環基」は、例えば、環構成原子として、炭素原子に加えて酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する複素環基等である。
本明細書中、特に断りのない限り、「非芳香族複素環基」は、飽和、又は不飽和であってよい。
本明細書中、特に断りのない限り、「非芳香族複素環基」としては、例えば、3〜14員非芳香族複素環基が挙げられ、その具体例としては、例えば、テトラヒドロフリル、オキサゾリジニル、イミダゾリニル(例、1−イミダゾリニル、2−イミダゾリニル、4−イミダゾリニル)、アジリジニル(例、1−アジリジニル、2−アジリジニル)、アゼチジニル(例、1−アゼチジニル、2−アゼチジニル)、ピロリジニル(例、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル)、ピペリジニル(例、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル)、アゼパニル(例、1−アゼパニル、2−アゼパニル、3−アゼパニル、4−アゼパニル)、アゾカニル(例、1−アゾカニル、2−アゾカニル、3−アゾカニル、4−アゾカニル)、ピペラジニル(例、1,4−ピペラジン−1−イル、1,4−ピペラジン−2−イル)、ジアゼピニル(例、1,4−ジアゼピン−1−イル、1,4−ジアゼピン−2−イル、1,4−ジアゼピン−5−イル、1,4−ジアゼピン−6−イル)、ジアゾカニル(例、1,4−ジアゾカン−1−イル、1,4−ジアゾカン−2−イル、1,4−ジアゾカン−5−イル、1,4−ジアゾカン−6−イル、1,5−ジアゾカン−1−イル、1,5−ジアゾカン−2−イル、1,5−ジアゾカン−3−イル)、テトラヒドロピラニル(例、テトラヒドロピラン−4−イル)、モルホリニル(例、4−モルホリニル)、チオモルホリニル(例、4−チオモルホリニル)、2−オキサゾリジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラニル、及びジヒドロキノリル等が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「ヘテロアリール基」は、例えば、単環性、2環性、又は3環性、又は4環性の、5〜18員のヘテロアリール基であることができる。
本明細書中、特に断りのない限り、「ヘテロアリール基」は、例えば、環構成原子として、炭素原子に加えて酸素原子、硫黄原子、及び窒素原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有するヘテロアリール基である。当該「ヘテロアリール基」の炭素数は、例えば、3〜17であることができる。
本明細書中、特に断りのない限り、「ヘテロアリール基」は、「単環性ヘテロアリール基」、及び「芳香族縮合複素環基」を包含する。
本明細書中、特に断りのない限り、「単環性ヘテロアリール基」としては、例えば、ピロリル(例、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル)、フリル(例、2−フリル、3−フリル)、チエニル(例、2−チエニル、3−チエニル)、ピラゾリル(例、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル)、イミダゾリル(例、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル)、イソオキサゾリル(例、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル)、オキサゾリル(例、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル)、イソチアゾリル(例、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル)、チアゾリル(例、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、トリアゾリル(例、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル)、オキサジアゾリル(例、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)、チアジアゾリル(例、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル)、テトラゾリル、ピリジル(例、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピリダジニル(例、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル)、ピリミジニル(例、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル)、ピラジニル等が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「芳香族縮合複素環基」としては、例えば、イソインドリル(例、1−イソインドリル、2−イソインドリル、3−イソインドリル、4−イソインドリル、5−イソインドリル、6−イソインドリル、7−イソインドリル)、インドリル(例、1−インドリル、2−インドリル、3−インドリル、4−インドリル、5−インドリル、6−インドリル、7−インドリル)、ベンゾ[b]フラニル(例、2−ベンゾ[b]フラニル、3−ベンゾ[b]フラニル、4−ベンゾ[b]フラニル、5−ベンゾ[b]フラニル、6−ベンゾ[b]フラニル、7−ベンゾ[b]フラニル)、ベンゾ[c]フラニル(例、1−ベンゾ[c]フラニル、4−ベンゾ[c]フラニル、5−ベンゾ[c]フラニル)、ベンゾ[b]チエニル、(例、2−ベンゾ[b]チエニル、3−ベンゾ[b]チエニル、4−ベンゾ[b]チエニル、5−ベンゾ[b]チエニル、6−ベンゾ[b]チエニル、7−ベンゾ[b]チエニル)、ベンゾ[c]チエニル(例、1−ベンゾ[c]チエニル、4−ベンゾ[c]チエニル、5−ベンゾ[c]チエニル)、インダゾリル(例、1−インダゾリル、2−インダゾリル、3−インダゾリル、4−インダゾリル、5−インダゾリル、6−インダゾリル、7−インダゾリル)、ベンゾイミダゾリル(例、1−ベンゾイミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、4−ベンゾイミダゾリル、5−ベンゾイミダゾリル)、1,2−ベンゾイソオキサゾリル(例、1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル、1,2−ベンゾイソオキサゾール−4−イル、1,2−ベンゾイソオキサゾール−5−イル、1,2−ベンゾイソオキサゾール−6−イル、1,2−ベンゾイソオキサゾール−7−イル)、ベンゾオキサゾリル(例、2−ベンゾオキサゾリル、4−ベンゾオキサゾリル、5−ベンゾオキサゾリル、6−ベンゾオキサゾリル、7−ベンゾオキサゾリル)、1,2−ベンゾイソチアゾリル(例、1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル、1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イル、1,2−ベンゾイソチアゾール−5−イル、1,2−ベンゾイソチアゾール−6−イル、1,2−ベンゾイソチアゾール−7−イル)、ベンゾチアゾリル(例、2−ベンゾチアゾリル、4−ベンゾチアゾリル、5−ベンゾチアゾリル、6−ベンゾチアゾリル、7−ベンゾチアゾリル)、イソキノリル(例、1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル)、キノリル(例、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、8−キノリル)、シンノリニル(例、3−シンノリニル、4−シンノリニル、5−シンノリニル、6−シンノリニル、7−シンノリニル、8−シンノリニル)、フタラジニル(例、1−フタラジニル、4−フタラジニル、5−フタラジニル、6−フタラジニル、7−フタラジニル、8−フタラジニル)、キナゾリニル(例、2−キナゾリニル、4−キナゾリニル、5−キナゾリニル、6−キナゾリニル、7−キナゾリニル、8−キナゾリニル)、キノキサリニル(例、2−キノキサリニル、3−キノキサリニル、5−キノキサリニル、6−キノキサリニル、7−キノキサリニル、8−キノキサリニル)、ピラゾロ[1,5−a]ピリジル(例、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−4−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−5−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)、イミダゾ[1,2−a]ピリジル(例、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−7−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−イル)等が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「脂肪族炭化水素基」は、飽和、又は不飽和の脂肪族炭化水素基であることができる。
本明細書中、「脂肪族炭化水素基」の例は、直鎖状、分枝鎖状、環状、又はこれらの組み合わせの構造を有するアルキル基;直鎖状、分枝鎖状、環状、又はこれらの組み合わせの構造を有するアルケニル基;及び直鎖状、分枝鎖状、環状、又はこれらの組み合わせの構造を有するアルキニル基を包含する。
本明細書中、脂肪族炭化水素基(及びこれに包含されるアルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基等)は、特に断りのない限り、エーテル結合を含んでいてもよい。
本明細書中、「アルキル基」の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、及びオクチル等の、直鎖状又は分枝鎖状のC1−10アルキル基;並びにシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチル等のC3−10シクロアルキル基を包含する。
当業者が理解可能な通り、本明細書中、C1−6アルキル基の例は、前記アルキル基の具体例のうち、炭素数が1〜6であるアルキル基を包含する。
本明細書中、「フルオロアルキル基」は、少なくとも1個の水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基である。
本明細書中、「フルオロアルキル基」が有するフッ素原子の数は、1個以上(例、1〜3個、1〜6個、1〜10個、1個から置換可能な最大数)であることができる。
「フルオロアルキル基」は、パーフルオロアルキル基を包含する。「パーフルオロアルキル基」は、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基である。
本明細書中、「フルオロアルキル基」は、例えば、炭素数1〜10、炭素数1〜6、炭素数1〜4、又は炭素数1〜3のフルオロアルキル基であることができる。
本明細書中、「フルオロアルキル基」は、直鎖状、又は分枝鎖状のフルオロアルキル基であることができる。
本明細書中、「フルオロアルキル基」として、具体的には、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、テトラフルオロプロピル基(例、HCFCFCH−)、ヘキサフルオロプロピル基(例、(CFCH−)、ノナフルオロブチル基、オクタフルオロペンチル基(例、HCFCFCFCFCH−)、及びトリデカフルオロヘキシル基等が挙げられる。
当業者が理解可能な通り、本明細書中、C1−6フルオロアルキル基の例は、前記フルオロアルキル基の具体例のうち、炭素数が1〜6であるフルオロアルキル基を包含する。
本明細書中、「アルケニル基」の例は、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−ヘプテニル、及び1−オクテニル等の、直鎖状又は分枝鎖状のC2−10アルキニル基;シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル等の、C3−10シクロアルケニル基;並びにシクロブタジエニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタジエニル、シクロオクタジエニル、シクロノナジエニル、シクロデカジエニル等の、C4−10シクロアルカジエニル基を包含する。
本明細書中、「アルキニル基」の例は、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、1−ヘプチニル、及び1−オクチニル等の、直鎖状又は分枝鎖状のC2−10アルキニル基;並びにシクロオクチニル基、及びシクロデシニル基等の、C4−10シクロアルキニル基を包含する。
本明細書中、「ハロゲン原子」の例は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子を包含する。
本発明の製造方法は、
式(1):
−CFBr−R (1)
[式中、
は、水素原子、又は置換基(但し、ハロゲン原子を除く。)を表し、及び
は、水素原子、又は置換基を表すか、或いは
、及びRは、これらが隣接する炭素原子と一緒になって、1個以上の置換基を有していてもよい環を形成していてもよい。]
で表されるハロゲン化含フッ素有機化合物の製造方法であって、
式(2):
−CFCl−R (2)
[式中の記号は前記と同意義を表す。]
で表されるハロゲン化含フッ素有機化合物の塩素原子を臭素原子に置き換える工程Aを含む。
で表される置換基、及びRで表される置換基は、それぞれ、H−CFBr−Hについての置換基の意味に理解され得る。
で表される置換基の例は、有機基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシ基、及びカルボキシ基を包含する。
で表される置換基の例は、有機基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシ基、及びカルボキシ基を包含する。
式(1)におけるR、及びRは、それぞれ式(2)におけるR、及びRとは異なっていてもよい。
具体的には、例えば、式(2)におけるRである塩素原子、或いは式(2)におけるRが有する塩素原子が、式(1)では臭素原子に置き換えられていることができる。
とRとが、連結して、1個以上の置換基を有していてもよい環を形成する場合、RとRとが、連結して形成される2価の基は、例えば、(1)Rで表される水素原子、又は置換基(但し、ハロゲン原子を除く。)と、(2)Rで表される水素原子、又は置換基とが、連結して形成される2価の基であることができる。
当該2価基の例は、1個以上の置換基(例、ハロゲン原子)を有してもよいアルキレン鎖(好ましくは、C2−7アルキレン鎖)[例、パーフルオロアルキレン鎖(好ましくは、C2−7アルキレン鎖)]を包含する。
当該「置換基」の好適な例は、それぞれ、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシ基、及びカルボキシ基を包含する。
当該形成された環は、好ましくは3〜8員環、及びより好ましくは3〜6員環であることができる。
当該形成された環は、完全飽和環、又は部分飽和環であることができる。
当該形成された環は、炭素環、又は複素環であることができる。
本発明の好適な一態様においては、Rは、水素原子、又は有機基である。
本発明の好適な一態様においては、Rは、水素原子、ハロゲン原子、又は有機基である。
本発明の好適な一態様においては、
は、水素原子、又は有機基であり、及び
は、水素原子、ハロゲン原子、又は有機基である。
本発明のより好適な一態様においては、
は、
水素原子、
1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基、
1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基、
−NR
−OR、
−SR、
−P(=O)R
−C(=O)R、
−C(=O)OR、
−O−C(=O)R、
−C(=S)OR、又は
−O−C(=S)Rである。
本発明のより好適な一態様においては、
は、
水素原子、
ハロゲン原子、
1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基、
1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基、
−NR
−OR、
−SR、又は
−P(=O)R2、
−C(=O)R、
−C(=O)OR、
−O−C(=O)R、
−C(=S)OR、又は
−O−C(=S)R
(当該式中、Rは、独立して、水素原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。)
である。
本発明の更に好適な一態様においては、
は、
水素原子、
1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基、
1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基、
−NR
−OR、
−SR、
−P(=O)R
−C(=O)R、
−C(=O)OR、
−O−C(=O)R、
−C(=S)OR、又は
−O−C(=S)R
であり;及び
は、
水素原子、
ハロゲン原子、
1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基、
1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基、
−NR
−OR、
−SR、又は
−P(=O)R
−C(=O)R、
−C(=O)OR、
−O−C(=O)R、
−C(=S)OR、又は
−O−C(=S)R
(当該式中、Rは、独立して、水素原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。)
である。
本発明のより更に好適な一態様においては、
は、式:
−C(−R)(−R)−
[式中、
は、水素原子、又は1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、
は、水素原子、又は1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、及び
は、水素原子、又は1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。]
で表される基であり、及び
は、水素原子、ハロゲン原子、又は1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基である。
言い換えると、当該態様は、
式(1):
−C(−R)(−R)−CFBrR (1)
[式中、
は、水素原子、又は1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、
は、水素原子、又は1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、
は、水素原子、又は1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、及び
は、水素原子、ハロゲン原子、又は1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基、を表す。]で表されるハロゲン化含フッ素有機化合物(臭化含フッ素有機化合物)の製造方法であって、
式(2):
−C(−R)(−R)−CFClR (2)
[式中の記号は前記と同意義を表す。]
で表されるハロゲン化含フッ素有機化合物(塩化含フッ素有機化合物)の塩素原子を臭素原子に置き換える工程Aを含む。
式(1)におけるR、R、R、及びRは、それぞれ式(2)におけるR、R、R、及びRとは異なっていてもよい。
具体的には、例えば、式(2)におけるRである塩素原子、或いは式(2)におけるR、R、R、及びRが有する塩素原子が、式(1)では臭素原子に置き換えられていることができる。
、R、及びRで、それぞれ表される「1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」の好適な例は、それぞれ、アリール基(好ましくはフェニル基)、及び脂肪族炭化水素基(好ましくは、C1−6アルキル基)を包含する。
で、表される「1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」の好適な例は、C1−6アルキル基を包含する。
、R、R、及びRで、それぞれ表される「1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基」における「置換基」の好適な例は、それぞれ、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシ基、及びカルボキシ基を包含する。
は、
好ましくは水素原子、アリール基、又は脂肪族炭化水素基[当該脂肪族炭化水素基は1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。]であり、
より好ましくは水素原子、アリール基、フルオロアルキル基(好ましくはC1−6フルオロアルキル基)、又はアルキル基(好ましくはC1−6アルキル基)であり、
更に好ましくは水素原子、フェニル基、C1−6パーフルオロアルキル基、又はC1−6アルキル基であり、
より更に好ましくは水素原子、又はC1−6アルキル基であり、及び
特に好ましくは水素原子である。
は、
好ましくは水素原子、アリール基、又は脂肪族炭化水素基[当該脂肪族炭化水素基は1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。]であり、
より好ましくは水素原子、アリール基、フルオロアルキル基(好ましくはC1−6フルオロアルキル基)、又はアルキル基(好ましくはC1−6アルキル基)であり、
更に好ましくは水素原子、フェニル基、C1−6パーフルオロアルキル基、又はC1−6アルキル基であり、
より更に好ましくは水素原子、又はC1−6アルキル基であり、及び
特に好ましくは水素原子である。
は、
好ましくは水素原子、アリール基、又は脂肪族炭化水素基[当該脂肪族炭化水素基は1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。]であり、
より好ましくは水素原子、アリール基、フルオロアルキル基(好ましくはC1−6フルオロアルキル基)、又はアルキル基(好ましくはC1−6アルキル基)であり、
更に好ましくは水素原子、フェニル基、C1−6パーフルオロアルキル基、又はC1−6アルキル基であり、
より更に好ましくは水素原子、又はC1−6アルキル基であり、及び
特に好ましくは水素原子である。
は、
好ましくは水素原子、ハロゲン原子、又は脂肪族炭化水素基[当該脂肪族炭化水素基は1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。]であり、
より好ましくはハロゲン原子、又は脂肪族炭化水素基であり、
更に好ましくはハロゲン原子、フルオロアルキル基(好ましくはC1−6フルオロアルキル基)、又はアルキル基(好ましくはC1−6アルキル基)であり、
より更に好ましくはハロゲン原子であり、及び
特に好ましくは塩素原子、又は臭素原子である。
本発明の好適な一態様においては、
は、C1−6アルキル基であり、
は、C1−6アルキル基であり、
は、C1−6アルキル基であり、及び
は、塩素原子、又は臭素原子である。
本発明の別の好適な一態様においては、
は、水素原子、アリール基、フルオロアルキル基(好ましくはC1−6フルオロアルキル基)、又はアルキル基(好ましくはC1−6アルキル基)であり、
は、水素原子であり、
は、水素原子であり、及び
は、塩素原子、又は臭素原子である。
本発明の更に別の好適な一態様においては、
は、水素原子であり、
は、水素原子であり、
は、水素原子であり、及び
は、塩素原子、又は臭素原子である。
本発明のまた更に別の好適な一態様においては、
は、水素原子、又はC1−6アルキル基であり、
は、水素原子であり、
は、ハロゲン原子であり、及び
は、塩素原子、又は臭素原子である。
本発明のより好適な一態様においては、
式(1)中のRは、臭素原子であり、及び
式(2)中のRは、臭素原子、又は塩素原子である。
ここで、工程Aの反応により、式(2)で表される化合物の一部(例えば、1〜99モル%)、又は全部におけるRの塩素原子が、臭素原子に置き換わることができる。
本発明の更に好適な一態様においては、
式(1)中のRは、臭素原子であり、及び
式(2)中のRは、塩素原子である。
好ましくは、工程Aは、前記式(2)で表される化合物を、金属ハロゲン化物(当該ハロゲン化物は少なくとも1個の臭素原子を有する。)、及び臭素(Br)からなる群より選択される1種以上の臭素化剤と反応させる工程である。
好ましくは、工程Aの反応は、触媒の存在下で、実施される。
好ましくは、工程Aは、前記式(2)で表される化合物を、触媒の存在下で、前記臭素化剤と反応させる工程である。
前記臭素化剤としての金属ハロゲン化物の例は、式:MX[式中、Mは、第1族元素、第2族元素、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、銀、水銀、ホウ素、リンを表し、Xは、ハロゲン原子を表し、及びnは数を表す。n個のXのうち少なくとも1個は臭素原子である。]で表される化合物を包含する。
前記臭素化剤としての金属ハロゲン化物の好適な例は、式:MX[式中、Mは、第1族元素、又は第2族元素を表し、Xは、ハロゲン原子を表し、及びnは数を表す。n個のXのうち少なくとも1個は臭素原子である。]で表される化合物を包含する。
nで表される数は、Mで表される元素の価数と同じであることができる。
Mで表される元素は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、及びバリウムを包含する。
前記臭素化剤の好適な例は、金属臭化物を包含する。
前記臭素化剤としての金属臭化物の好適な例は、NaBr、及びCaBrを包含する。
前記臭素化剤の使用量は、臭素化剤の種類等に応じて、前記(1)で表される化合物が所望する収率で得られるように適宜設定すればよいが、例えば、臭素化剤として前記ハロゲン化物を用いる場合、前記式(2)で表される化合物の1モルに対して、好ましくは0.3〜20モルの範囲内、0.3〜10モルの範囲内、0.3〜7.0モルの範囲内、又は1.0〜3.0モルであることができる。
臭素化剤として臭素(Br)を用いる場合、前記式(2)で表される化合物の1モルに対して、好ましくは0.1〜20モルの範囲内、0.3〜10モルの範囲内、0.3〜7.0モルの範囲内、又は0.3〜3.0モルであることができる。
前記式:MXで表される化合物である臭素化剤において、Mがアルミニウム、鉄、銅、亜鉛、又は水銀等である場合、当該臭素化剤は、後述する触媒としても用いることができる。
本発明で用いることができる触媒の例は、クローム触媒、マンガン触媒、鉄触媒(例、3価鉄触媒)、コバルト触媒、ニッケル触媒、亜鉛触媒、水銀触媒、鉛触媒、アルミニウム触媒、ホウ素触媒及び銅触媒からなる群より選択される1種以上の触媒を包含する。なかでも好ましい触媒の例は、鉄触媒を包含する。
前記触媒の好適な例は、ハロゲン塩、炭酸塩、又は硫酸塩を包含する。
前記触媒の別の好適な例は、塩素塩を包含する。
前記触媒の更に別の好適な例は、FeClBr3−X(当該式中、Xは0〜3の数である。)を包含する。
前記触媒のより好適な例は、FeCl、及びFeBrを包含する。
前記触媒は、配位子を有してもいてもよい。
当該配位子の例は、ジケトン、ホスフィン、ジアミン、及びビピリジル等を包含する。
当該配位子の具体例は、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン(dppe)、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(dppp)、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(dppb)、2,3−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(dcpe)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(Xantphos)、ビス(2−ジフェニルホスフィノエチル)フェニルホスフィン、及び1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタン(Triphos)等を包含する。
前記触媒は、前記遷移金属が担体に担持されている担持触媒であることができる。このような担持触媒は、触媒を再利用できるので、コストの点で有利である。
当該担体の例としては、例えば、炭素、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ、炭酸バリウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、及びゼオライト等が挙げられる。
前記触媒の使用量は、触媒量であればよいが、具体的には、例えば、前記式(2)の化合物の1モルに対しては、好ましくは0.001〜3モルの範囲内、0.001〜1.0モルの範囲内、0.001〜0.5モル、又は0.01〜0.03モルの範囲内であることができる。
本発明の好適な一態様の工程Aの反応では、その反応系(例、反応液)に添加剤を加えてもよい。このような添加剤としては、例えば、活性炭、アルミナ、シリカゲル、水、及びゼオライト等が挙げられる。当該添加剤は、単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の特に好適な一態様では、前記臭素化剤が、式:MX[式中、Mは、第1族元素、又は第2族元素を表し、Xは、ハロゲン原子を表し、及びnは数を表す。n個のXのうち少なくとも1個は臭素原子である。]で表される化合物であり、且つ
前記触媒が、鉄触媒である。この場合、特に、安価かつ空気中で取り扱いやすく、目的物の収率が高い点で有利である。
工程Aの反応温度は、反応が好適に進行するように適当に設定し得るが、具体的には、好ましくは、例えば、0℃以上、室温以上、40℃以上、50℃以上、70℃以上、90℃以上、又は100℃以上であることができ;及び好ましくは0〜200℃の範囲内、より好ましくは0〜170℃の範囲内、及び更に好ましくは0〜150℃の範囲内であることができる。
工程Aの反応時間は、反応が好適に進行するように適当に設定し得るが、具体的には、好ましくは1〜100時間の範囲内、より好ましくは1〜70時間の範囲内、及び更に好ましくは1〜50時間の範囲内であることができる。
工程Aの反応は、溶媒の存在下、又は不存在下で実施できる。
当該溶媒の例は、石油エーテル、ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−デカン、ベンゼン、及びトルエン等の炭化水素系溶媒を包含する。
当該溶媒は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の製造方法による、前記式(1)で表される化合物の反応収率は、好ましくは10%以上、及びより好ましくは20%以上であることができる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下の実施例において、外温は、概ね反応温度であると推定される。
実施例1
空気中にて、ガラス製容器中で、n-デカン(5 g)に、1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン(5.0 g, 42.8 mmol), NaBr (8.8 g, 85.6 mmol), 及びFeCl3 (136 mg, 0.84 mmol) を加え、外温50℃で46時間攪拌した。得られた反応液をGC 分析したところ、1,1-ジブロモ-1-フルオロエタン (10%), 1-ブロモ-1-クロロ-1-フルオロエタン (51%), 及び1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン (35%) を得たことが確認された。
実施例2
空気中にて、オートクレーブに、1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン(2.5 g, 21.6 mmol), NaBr (4.4 g, 42.8 mmol), 及びFeCl3 (70 mg, 0.43 mmol) を入れ、外温100℃で21時間攪拌した。得られた反応液をGC 分析したところ、1,1-ジブロモ-1-フルオロエタン (5%), 1-ブロモ-1-クロロ-1-フルオロエタン (27%), 及び1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン (60%) を得たことが確認された。
実施例3
空気中にて、オートクレーブに、1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン(2.5 g, 21.6 mmol)、NaBr (4.4 g, 42.8 mmol), 及びFeBr3 (127 mg, 0.43 mmol) を入れ、外温100℃で24時間攪拌した。得られた反応液をGC 分析したところ、1,1-ジブロモ-1-フルオロエタン (6%), 1-ブロモ-1-クロロ-1-フルオロエタン (30%), 及び1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン (61%) を得たことが確認された。
比較例1
空気中にて、ガラス製容器中で、トルエン(2 mL)に、1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン(0.5 g, 4.28 mmol)、NaI (1.28 g, 8.56 mmol), 及びFeCl3 (13.9 mg, 0.086 mmol) を加え、外温50℃で16時間攪拌した。得られた反応液をGC 分析したところ、確認されたのは、原料のみであって、ヨウ素化体は確認されなかった。
比較例2
空気中にて、ガラス製容器中で、トルエン(5 mL)に、1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン(1.0 g, 8.55 mmol), NaI (2.6 g, 17.1 mmol), 及びFeCl3 (28 mg, 0.17 mmol) を加え、室温で24時間攪拌した。得られた反応液をGC 分析したところ、確認されたのは、原料のみであって、ヨウ素化体は確認されなかった。

Claims (12)

  1. 式(1):
    −CFBr−R (1)
    [式中、
    は、水素原子、又は置換基(但し、ハロゲン原子を除く。)を表し、及び
    は、水素原子、又は置換基を表すか、或いは
    、及びRは、これらが隣接する炭素原子と一緒になって、1個以上の置換基を有していてもよい環を形成していてもよい。]
    で表されるハロゲン化含フッ素有機化合物の製造方法であって、
    式(2):
    −CFCl−R (2)
    [式中の記号は前記と同意義を表す。]
    で表されるハロゲン化含フッ素有機化合物の塩素原子を臭素原子に置き換える工程Aを含む製造方法。
  2. は、水素原子、又は有機基であり、及び
    は、水素原子、ハロゲン原子、又は有機基である、
    請求項1に記載の製造方法。
  3. は、
    水素原子、
    1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基、
    1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基、
    −NR
    −OR、
    −SR、
    −P(=O)R
    −C(=O)R、
    −C(=O)OR、
    −O−C(=O)R、
    −C(=S)OR、又は
    −O−C(=S)R
    (当該式中、Rは、独立して、水素原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。)
    である、請求項1に記載の製造方法。
  4. は、
    水素原子、
    ハロゲン原子、
    1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基、
    1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基、
    −NR
    −OR、
    −SR、又は
    −P(=O)R
    −C(=O)R、
    −C(=O)OR、
    −O−C(=O)R、
    −C(=S)OR、又は
    −O−C(=S)R
    (当該式中、Rは、独立して、水素原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。)
    である、請求項1に記載の製造方法。
  5. は、
    水素原子、
    1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基、
    1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基、
    −NR
    −OR、
    −SR、
    −P(=O)R
    −C(=O)R、
    −C(=O)OR、
    −O−C(=O)R、
    −C(=S)OR、又は
    −O−C(=S)Rであり;及び
    は、
    水素原子、
    ハロゲン原子、
    1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基、
    1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基、
    −NR
    −OR、
    −SR、又は
    −P(=O)R2、
    −C(=O)R、
    −C(=O)OR、
    −O−C(=O)R、
    −C(=S)OR、又は
    −O−C(=S)R
    (当該式中、Rは、独立して、水素原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。)
    である、請求項1に記載の製造方法。
  6. は、式:
    −C(−R)(−R)−
    [式中、
    は、水素原子、又は1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、
    は、水素原子、又は1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、及び
    は、水素原子、又は1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。]
    で表される基であり、及び
    は、水素原子、ハロゲン原子、又は1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基である、請求項1に記載の製造方法。
  7. は、水素原子、アリール基、フルオロアルキル基、又はアルキル基であり、
    は、水素原子であり、
    は、水素原子であり、及び
    は、塩素原子、又は臭素原子である。
    請求項6に記載の製造方法。
  8. 式(1)中のRは、臭素原子であり、及び
    式(2)中のRは、臭素原子、又は塩素原子である、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 工程Aが、前記式(2)で表される化合物を、触媒の存在下で、金属ハロゲン化物(当該ハロゲン化物は少なくとも1個の臭素原子を有する。)、及び臭素(Br)からなる群より選択される1種以上の臭素化剤と反応させる工程である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 前記臭素化剤が、式:MX[式中、Mは、第1族元素、又は第2族元素を表し、Xは、ハロゲン原子を表し、及びnは数を表す。n個のXのうち少なくとも1個は臭素原子である。]で表される化合物である請求項9に記載の製造方法。
  11. 前記触媒が、クローム触媒、マンガン触媒、鉄触媒、コバルト触媒、ニッケル触媒、亜鉛触媒、水銀触媒、鉛触媒、アルミニウム触媒、ホウ素触媒及び銅触媒からなる群より選択される1種以上の触媒である請求項9、又は10に記載の製造方法。
  12. 前記触媒が、鉄触媒である請求項11に記載の製造方法。
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