JP2020055640A - 包装材料及び包装容器 - Google Patents

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靖也 飯尾
Seiya Iio
靖也 飯尾
あゆみ 杉山
Ayumi Sugiyama
あゆみ 杉山
紘基 阿久津
Hiroki Akutsu
紘基 阿久津
有紀 龍田
Yuki Tatsuta
有紀 龍田
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Abstract

【課題】ガスバリア性を有し、且つ環境負荷を低減することができる包装材料を提供する。【解決手段】包装材料は、蒸着フィルムと、蒸着フィルムよりも内側に位置するシーラント層と、を備える。蒸着フィルムは、第1プラスチックフィルムと、酸化アルミニウムを含む透明蒸着層と、ガスバリア性塗布膜と、を有する。第1プラスチックフィルムは、バイオマス由来のポリエステルを含む。透明蒸着層は、遷移領域を含む。遷移領域は、蒸着フィルムをガスバリア性塗布膜側から飛行時間型二次イオン質量分析法を用いてエッチングを行うことで検出される、水酸化アルミニウムに変成する元素結合Al2O4Hのピークの位置と、透明蒸着層と第1プラスチックフィルムとの界面との間の領域である。透明蒸着層の厚みに対する遷移領域の厚みの比率が、5%以上60%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、包装材料及び当該包装材料から構成された包装容器に関する。
従来、飲食品、医薬品、化学品、化粧品、その他等の種々の物品を充填包装するために、種々の包装材料が開発され、提案されている。そのような包装材料においては、包装目的、充填する内容物、包装製品の貯蔵・流通、その他等によって異なるが、包装材料として、種々の物性が要求される。例えば、それらの物性の一つとして、酸素および水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性がある。
従来から、酸素および水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性材料が、種々、開発され、提案されている。例えば、アルミニウム箔、あるいは、ポリ塩化ビニリデン系樹脂のコーティング膜を有するナイロンフィルムあるいはポリエチレンテレフタレ−トフィルム、ポリビニルアルコ−ルフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物フィルム、ポリアクリロニトリル系樹脂フィルム等のガスバリア性材料が、開発され、提案されている。
更に、近年、プラスチック製の基材の上に、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着層を設けた構成からなる透明バリア性フィルム、あるいは、アルミニウム等の金属の蒸着層を設けたバリア性フィルム等も提案されている。例えば、特許文献1は、ナイロンフィルム上に無機酸化物の蒸着層を形成することによってバリア性フィルムを作製することを提案している。
特開2007−303000号公報
近年、循環型社会の構築を求める声の高まりとともに、材料分野においてもエネルギーと同様に化石燃料からの脱却が望まれている。例えば、包装材料の製造にバイオマス由来の原料を用いることにより、化石燃料の使用量を削減することが望まれている。
本発明は、このような課題を効果的に解決し得る包装材料を提供することを目的とする。
本発明は、蒸着フィルムと、前記蒸着フィルムよりも内側に位置するシーラント層と、を備える包装材料であって、前記蒸着フィルムは、延伸された第1プラスチックフィルムと、前記第1プラスチックフィルム上に設けられ、酸化アルミニウムを含む透明蒸着層と、前記透明蒸着層上に設けられたガスバリア性塗布膜と、を有し、前記第1プラスチックフィルムは、バイオマス由来のポリエステルを含み、前記透明蒸着層は、遷移領域を含み、前記遷移領域は、前記蒸着フィルムを前記ガスバリア性塗布膜側から飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)を用いてエッチングを行うことで検出される、水酸化アルミニウムに変成する元素結合Al24Hのピークの位置と、前記透明蒸着層と前記第1プラスチックフィルムとの界面との間の領域であり、前記透明蒸着層の厚みに対する前記遷移領域の厚みの比率が、5%以上60%以下である、包装材料である。
本発明による包装材料は、前記蒸着フィルムと前記シーラント層との間に位置するアンカーコート層を更に備えていてもよい。
本発明による包装材料は、前記蒸着フィルムと前記シーラント層との間に位置する接着樹脂層を更に備えていてもよい。
本発明による包装材料は、前記蒸着フィルムと前記シーラント層との間に位置する接着剤層を更に備えていてもよい。
本発明による包装材料は、前記第1プラスチックフィルムよりも外側に位置する第2プラスチックフィルムを更に備えていてもよい。
本発明による包装材料は、前記第1プラスチックフィルムと前記シーラント層との間に位置する第2プラスチックフィルムを更に備えていてもよい。
本発明は、上記記載の包装材料から構成された包装容器である。
本発明によれば、ガスバリア性を有し、且つ環境負荷を低減することができる包装材料を提供することができる。
実施の形態による包装材料の一例を示す断面図である。 実施の形態による包装材料の一例を示す断面図である。 実施の形態による包装材料の一例を示す断面図である。 実施の形態による包装材料の一例を示す断面図である。 実施の形態による包装材料の一例を示す断面図である。 実施の形態による包装材料の一例を示す断面図である。 透明蒸着層を、飛行時間型二次イオン質量分析計により分析した結果の一例を示す図である。 第1プラスチックフィルムに透明蒸着層を成膜する成膜装置の一例を示す図である。 包装容器の一例を示す正面図である。 包装容器の一例を示す正面図である。 包装容器の一例を示す正面図である。 包装容器の一例を示す正面図である。 包装容器の一例を示す正面図である。 包装容器の一例を示す正面図である。 包装容器の一例を示す断面図である。 包装容器の一例を示す正面図である。 包装材料の剥離強度を測定するためのサンプルを示す断面図である。 包装材料のサンプルの剥離強度を測定する様子を示す図である。 剥離強度を測定するためにサンプルの一部を引っ張る一対のつかみ具の間の間隔に対する引張力の変化を示す図である。 実施例A1〜A3及び参考例A1の測定結果を示す図である。 比較例A1〜A4の測定結果を示す図である。 実施例B1〜B10の包装材料の層構成を示す図である。
<包装材料>
本発明による包装材料を構成する積層体は、蒸着フィルムと、蒸着フィルムよりも内側に位置するシーラント層と、を備える。内側とは、包装材料から形成される包装製品において、包装製品に収容される内容物の側を意味する。また、外側とは、包装製品に収容される内容物から遠ざかる側を意味する。
本発明においては、包装材料を構成する積層体全体で、下記で説明するバイオマス度が、好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上60%以下、さらに好ましくは10%以上60%以下である。バイオマス度が上記範囲であれば、化石燃料の使用量を削減することができ、環境負荷を減らすことができる。
図1は、本発明の実施の形態による包装材料10の一例を示す断面図である。包装材料10は、外側から内側へ順に、蒸着フィルム11と、印刷層18と、アンカーコート層17と、シーラント層12とをこの順に備える。蒸着フィルム11は、外側から内側へ順に、第1プラスチックフィルム111と、透明蒸着層112と、ガスバリア性塗布膜113と、をこの順に有する。第1プラスチックフィルム111が包装材料10の外面10yを構成し、シーラント層12が包装材料10の内面10xを構成している。
本願において、外面とは、包装材料10において最も外側に位置する面であり、内面とは、包装材料10において最も内側に位置する面である。また、本願において、「この順に備える」や「順に積層された」などの記載における「順」という用語は、特に断らない限り、外側から内側に向かう方向における順序を表している。
図2は、本発明の実施の形態による包装材料10の一例を示す断面図である。包装材料10は、蒸着フィルム11と、印刷層18と、アンカーコート層17と、第1接着層13と、シーラント層12とをこの順に備える。蒸着フィルム11は、第1プラスチックフィルム111と、透明蒸着層112と、ガスバリア性塗布膜113と、をこの順に有する。第1プラスチックフィルム111が包装材料10の外面10yを構成し、シーラント層12が包装材料10の内面10xを構成している。
図3は、本発明の実施の形態による包装材料10の一例を示す断面図である。包装材料10は、蒸着フィルム11と、印刷層18と、第1接着層13と、シーラント層12とをこの順に備える。蒸着フィルム11は、第1プラスチックフィルム111と、透明蒸着層112と、ガスバリア性塗布膜113と、をこの順に有する。第1プラスチックフィルム111が包装材料10の外面10yを構成し、シーラント層12が包装材料10の内面10xを構成している。
図4は、本発明の実施の形態による包装材料10の一例を示す断面図である。包装材料10は、第2プラスチックフィルム14と、第2接着層15と、印刷層18と、蒸着フィルム11と、第1接着層13と、シーラント層12とをこの順に備える。蒸着フィルム11は、ガスバリア性塗布膜113と、透明蒸着層112と、第1プラスチックフィルム111と、をこの順に有する。第2プラスチックフィルム14が包装材料10の外面10yを構成し、シーラント層12が包装材料10の内面10xを構成している。
図5は、本発明の実施の形態による包装材料10の一例を示す断面図である。包装材料10は、第2プラスチックフィルム14と、印刷層18と、第2接着層15と、蒸着フィルム11と、第1接着層13と、シーラント層12とをこの順に備える。蒸着フィルム11は、ガスバリア性塗布膜113と、透明蒸着層112と、第1プラスチックフィルム111と、をこの順に有する。第2プラスチックフィルム14が包装材料10の外面10yを構成し、シーラント層12が包装材料10の内面10xを構成している。
図6は、本発明の実施の形態による包装材料10の一例を示す断面図である。包装材料10は、蒸着フィルム11と、印刷層18と、第2接着層15と、第2プラスチックフィルム14と、第1接着層13と、シーラント層12とをこの順に備える。蒸着フィルム11は、第1プラスチックフィルム111と、透明蒸着層112と、ガスバリア性塗布膜113と、をこの順に有する。第1プラスチックフィルム111が包装材料10の外面10yを構成し、シーラント層12が包装材料10の内面10xを構成している。
以下、包装材料10を構成するフィルム及び層について説明する。
[蒸着フィルム]
蒸着フィルム11は、第1プラスチックフィルム111と、第1プラスチックフィルム111上に設けられた透明蒸着層112と、透明蒸着層112上に設けられたガスバリア性塗布膜113と、を有する。以下、各層について説明する。
(第1プラスチックフィルム)
第1プラスチックフィルム111は、所定の方向において延伸されているポリエステルフィルムである。第1プラスチックフィルム111は、所定の一方向において延伸された一軸延伸フィルムであってもよく、所定の二方向において延伸された二軸延伸フィルムであってもよい。第1プラスチックフィルム111の延伸方向は特には限定されない。例えば、第1プラスチックフィルム111は、フィルムの流れ方向(MD)において延伸されていてもよく、流れ方法に直交する横方向(TD)において延伸されていてもよい。
第1プラスチックフィルム111は、バイオマス由来のポリエステル(以下、バイオマスポリエステルとも称する)を含む樹脂組成物である。バイオマスポリエステルは、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルである。第1プラスチックフィルム111の樹脂組成物に含まれるポリエステルの例としては、ポリエチレンテレフタレートを挙げることができる。第1プラスチックフィルム111におけるポリエチレンテレフタレートの含有率は、80質量%以上であってもよく、90質量%以上であってもよく、95質量%以上であってもよい。第1プラスチックフィルム111は、第1プラスチックフィルム111の樹脂組成物全体に対して、例えば50質量%以上95質量%以下のバイオマスポリエステルを含み、好ましくは50質量%以上90質量%以下のバイオマスポリエステルを含む。
バイオマス由来のエチレングリコールは、従来の化石燃料由来のエチレングリコールと化学構造が同じであるため、バイオマス由来のエチレングリコールを用いて合成されたポリエステルフィルムは、従来の化石燃料由来のポリエステルフィルムと機械的特性等の物性面で遜色がない。したがって、第1プラスチックフィルム111およびそれを備える包装材料10は、カーボンニュートラルな材料からなる層を有するため、従来の化石燃料から得られる原料から製造された延伸プラスチックフィルムおよびそれを備える包装材料に比べて、化石燃料の使用量を削減することができ、環境負荷を減らすことができる。
バイオマス由来のエチレングリコールは、サトウキビ、トウモロコシ等のバイオマスを原料として製造されたエタノール(バイオマスエタノール)を原料としたものである。例えば、バイオマスエタノールを、従来公知の方法により、エチレンオキサイドを経由してエチレングリコールを生成する方法等により、バイオマス由来のエチレングリコールを得ることができる。また、市販のバイオマスエチレングリコールを使用してもよく、例えば、インディアグライコール社から市販されているバイオマスエチレングリコールを好適に使用することができる。
ポリエステルのジカルボン酸単位は、化石燃料由来のジカルボン酸を使用する。ジカルボン酸としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、およびそれらの誘導体を使用することができる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸及びイソフタル酸等が挙げられ、芳香族ジカルボン酸の誘導体としては、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステル、具体的には、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル及びブチルエステル等が挙げられる。これらの中でも、テレフタル酸が好ましく、芳香族ジカルボン酸の誘導体としては、ジメチルテレフタレートが好ましい。
第1プラスチックフィルム111を形成する樹脂組成物は、化石燃料由来のポリエステル、化石燃料由来のポリエステル製品のリサイクルポリエステル、バイオマス由来のポリエステル製品のリサイクルポリエステルなどを5質量%以上45質量%以下の割合で1種または2種以上含んでいてもよい。
大気中の二酸化炭素には、14Cが一定割合(105.5pMC)で含まれているため、大気中の二酸化炭素を取り入れて成長する植物、例えばトウモロコシ中の14C含有量も105.5pMC程度であることが知られている。また、化石燃料中には14Cが殆ど含まれていないことも知られている。したがって、ポリエステル中の全炭素原子中に含まれる14Cの割合を測定することにより、バイオマス由来の炭素の割合を算出することができる。
バイオマス由来の原料の比率を表す指標として、バイオマス度を用いることができる。本実施の形態において、「バイオマス度」とは、バイオマス由来成分の重量比率を示すものである。ポリエチレンテレフタレートを例にとると、ポリエチレンテレフタレートは、2炭素原子を含むエチレングリコールと8炭素原子を含むテレフタル酸とがモル比1:1で重合したものであるため、エチレングリコールとしてバイオマス由来のもののみを使用した場合、ポリエチレンテレフタレート中のバイオマス由来成分の重量比率は31.25%であるため、バイオマス度は31.25%となる(バイオマス由来のエチレングリコール由来の分子量/ポリエステルの重合1単位の分子量=60÷192)。
化石燃料由来のポリエステルにおいては、バイオマス由来成分の重量比率が0%であるので、化石燃料由来のポリエステルのバイオマス度は0%となる。本実施の形態において、第1プラスチックフィルム111中のバイオマス度は、カーボンオフセット材料としての効果を発現する上では、5.0%以上であることが好ましく、10.0%以上であることがより好ましい。また、第1プラスチックフィルム111中のバイオマス度は、フィルムの製造工程上の問題や物性面から、30.0%以下であってもよい。
第1プラスチックフィルム111は、上記の樹脂組成物を用いて、例えば、Tダイ法によってフィルム化することにより形成することができる。具体的には、上記した樹脂組成物を乾燥させた後、樹脂組成物の融点以上の温度(Tm)〜Tm+70℃の温度に加熱された溶融押出機に供給して、樹脂組成物を溶融し、例えばTダイなどのダイよりシート状に押出し、押出されたシート状物を回転している冷却ドラムなどで急冷固化することによりフィルムを成形することができる。溶融押出機としては、一軸押出機、二軸押出機、ベント押出機、タンデム押出機等を目的に応じて使用することができる。
上記のようにして得られたフィルムは2軸延伸されていることが好ましい。2軸延伸は従来公知の方法で行うことができる。例えば、上記のようにして冷却ドラム上に押し出されたフィルムを、続いて、ロール加熱、赤外線加熱などで加熱し、縦方向に延伸して縦延伸フィルムとする。この延伸は2個以上のロールの周速差を利用して行うのが好ましい。縦延伸は、通常、50℃以上100℃以下の温度範囲で行われる。また、縦延伸の倍率は、フィルム用途の要求特性にもよるが、2.5倍以上4.2倍以下とするのが好ましい。延伸倍率が2.5倍未満の場合は、フィルムの厚み斑が大きくなり良好なフィルムを得ることが難しい。
縦延伸されたフィルムは、続いて横延伸、熱固定、熱弛緩の各処理工程を順次施して2軸延伸フィルムとなる。横延伸は、通常、50℃以上100℃以下の温度範囲で行われる。横延伸の倍率は、この用途の要求特性にもよるが、2.5倍以上5.0倍以下が好ましい。2.5倍未満の場合はフィルムの厚み斑が大きくなり良好なフィルムが得られにくく、5.0倍を超える場合は製膜中に破断が発生しやすくなる。
横延伸のあと、続いて熱固定処理を行うが、好ましい熱固定の温度範囲は、PETのTg+70〜Tm−10℃である。また、熱固定時間は1秒以上60秒以下が好ましい。さらに熱収縮率の低滅が必要な用途については、必要に応じて熱弛緩処理を行ってもよい。
上記のようにして得られる第1プラスチックフィルム111の厚さは、その用途に応じて任意である。第1プラスチックフィルム111の厚さは、例えば5μm以上であり、8μm以上であってもよい。また、第1プラスチックフィルム111の厚さは、例えば100μm以下であり、50μm以下であってもよく、30μm以下であってもよく、25μm以下であってもよい。第1プラスチックフィルム111の厚さの範囲は、上述の下限の候補値と上限の候補値との任意の組み合わせによって定められ得る。また、フィルムの破断強度は、MD方向で5kgf/mm2以上40kgf/mm2以下、TD方向で5kgf/mm2以上35kgf/mm2以下であり、また、破断伸度は、MD方向で50%以上350%以下、TD方向で50%以上300%以下である。また、150℃の温度環境下に30分放置した時の収縮率は、0.1%以上5%以下である。
(透明蒸着層)
透明蒸着層112は、主成分として酸化アルミニウムを含む無機酸化物の薄膜である。透明蒸着層112は、酸化アルミニウムあるいはアルミニウムの窒化物、炭化物、水酸化物の単独又はその混合物などのアルミニウム化合物を含んでいてもよい。さらに、透明蒸着層112は、アルミニウム化合物を主成分として含み、ケイ素酸化物、ケイ素窒化物、ケイ素酸化窒化物、ケイ素炭化物、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の金属酸化物、またはこれらの金属窒化物、炭化物及びその混合物などを更に含んでいてもよい。
(ガスバリア性塗布膜)
ガスバリア性塗布膜113は、透明蒸着層112を機械的・化学的に保護するとともに、蒸着フィルム11のバリア性を向上させるためのものであり、透明蒸着層112に接するように積層される。ガスバリア性塗布膜113は、金属アルコキシドと水酸基含有水溶性樹脂、及び必要に応じて添加されるシランカップリング剤とを含む樹脂組成物からなるガスバリア性塗布膜用コート剤によって形成される硬化膜である。
前記樹脂組成物中の水酸基含有水溶性樹脂/金属アルコキシドの質量比は、5/95以上、20/80以下が好ましく、8/92以上、15/85以下がより好ましい。上記範囲よりも小さいと、バリア性被覆層のバリア効果が不十分になり易い傾向になり、上記範囲よりも大きいと、バリア性被覆層の剛性と脆性とが大きくなり易くなる。
ガスバリア性塗布膜113の厚みは、100nm以上、800nm以下が好ましい。上記範囲よりも薄いと、ガスバリア性塗布膜113のバリア効果が不十分になり易くなり、上記範囲よりも厚いと、剛性と脆性とが大きくなり易くなる。
金属アルコキシドは、一般式R1nM(OR2)m(ただし、式中、R1、R2は、水素原子または炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。1分子中の複数のR1、R2のそれぞれは、同一であっても、異なっていてもよい。)・・・(I)で表される。
金属アルコキシドのMで表される具体的な金属原子としては、ケイ素、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、スズ、鉛、ボラン、その他等を例示することができ、例えば、MがSi(ケイ素)であるアルコキシシランを使用することが好ましい。
上記一般式(I)において、ORの具体例としては、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−プロポキシ基、ブトキシ基、3−メタクリロキシ基。3−アクリロキシ基、フェノキシ基、等のアルコキシ基またはフェノキシ基等が挙げられる。
上記において、Rの具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、フェニル基、p−スチリル基、3−クロロプロピル基、トリフルオロメチル基、ビニル基、γ−グリシドキシプロピル基、メタクリル基、γ−アミノプロピル基等が挙げられる。
アルコキシシランの具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、フェニルフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン等の各種アルコキシシランやフェノキシシラン等が挙げられる。本実施の形態において、これらのアルコキシシランの縮重合物も使用することができ、具体的には、例えば、ポリテトラメトキシシラン、ポリテトラエトキシシラン等を使用することができる。
シランカップリング剤は、金属アルコキシドと水酸基含有水溶性樹脂による硬化膜の架橋密度を調整して、バリア性及び耐熱水処理性のある膜とするために用いるものである。
シランカップリング剤は、一般式:RnSi(OR)4−n ・・・(II)
(ただし、式中、RおよびRはそれぞれ独立して有機官能基を表し、nは1から3である。)
で表される。
上記一般式(II)中、Rとしては、例えば、アルキル基やアルキレン基等の炭化水素基、エポキシ基、(メタ)アクリロキシ基、ウレイド基、ビニル基、アミノ基、イソシアヌレート基またはイソシアネート基を有する官能基が挙げられる。具体的には、2つまたは3つ存在するRの少なくとも一つは、エポキシ基を有する官能基であることが好ましく、3−グリシドキシプロピル基および2−(3,4エポキシシクロヘキシル)基であることがより好ましい。なお、Rは、それぞれ同一であっても、異なってもよい。
上記一般式(II)中、Rとしては、例えば、炭素数1〜8の有機官能基であり、好ましくは分岐を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基または炭素数3〜7のアルコキシアルキル基である。例えば、炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基等が挙げられる。また、炭素数3〜7のアルコキシアルキル基としては、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、エチルブチルエーテル、メチルsec−ブチルエーテル、エチルsec−ブチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、エチルtert−ブチルエーテル等の直鎖又は分岐鎖状エーテルから1個の水素原子を除いた基等が挙げられる。なお、(OR)は、それぞれ同一であっても、異なってもよい。
上記一般式(II)で表されるシランカップリング剤としては、例えば、n=1の場合、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランおよび3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。n=2の場合、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランおよび3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられ、n=3の場合、3−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ジメチルメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ジメチルエトキシシラン等が挙げられる。
特に、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランおよび3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランを用いたバリア性被覆層の硬化膜の架橋密度は、トリアルコキシシランを用いた系での架橋密度より低くなる。そのため、ガスバリア性及び耐熱水処理性のある膜として優れながら、柔軟性のある硬化膜となり、耐屈曲性にも優れるため、当該バリアフィルムを用いた包装材料はゲルボフレックス試験後でもガスバリア性が劣化し難い。
シランカップリング剤は、n=1、2、3、のものを混合して用いることもでき、その量比及びシランカップリング剤の使用量は、バリア性被覆層の硬化膜の設計により決められる。
水酸基含有水溶性樹脂は、金属アルコキシドと脱水共縮合し得るものであり、ケン化度は、90%以上、100%以下が好ましく、95%以上、100%以下がより好ましく、99%以上、100%以下が更に好ましい。ケン化度が上記範囲よりも小さいと。バリア性被覆層の硬度が低下し易くなる。
水酸基含有水溶性樹脂の具体例としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン・ビニルアルコ一ル共重合体、2官能フェノール化合物と2官能エポキシ化合物との重合体、等が挙げられ、各々を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよく、共重合させて用いてもよい。これらの中で、特に、柔軟性と親和性に優れることから、ポリビニルアルコールが好ましく、ポリビニルアルコール系樹脂が好適である。
具体的には、例えば、ポリ酢酸ビニルをケン化して得られたポリビニルアルコ一ル系樹脂や、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体をケン化して得られたエチレン・ビニルアルコール共重合体を使用することができる。
このようなポリビニルアルコール系樹脂としては、株式会社クラレ製のPVA-124(ケン化度=99%、重合度=2,400)」、日本合成化学工業株式会社製の「ゴーセノールNM−14(ケン化度=99%、重合度=1,400)」等を挙げることができる。
(蒸着フィルムの好ましい構成)
次に、厚み方向における蒸着フィルム11の好ましい構成について、図7を参照して説明する。図7は、蒸着フィルム11のガスバリア性塗布膜113側の表面に対し、Cs(セシウム)イオン銃により一定の速度でソフトエッチングを繰り返しながら、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)を用いて、透明蒸着層112に由来するイオンと、第1プラスチックフィルム111に由来するイオンを測定した結果を示す図である。蒸着フィルム11の透明蒸着層112は、図7に示すグラフ解析図によって特定される遷移領域を含んでいる。
遷移領域とは、蒸着フィルム11をガスバリア性塗布膜113側からTOF−SIMSを用いてエッチングを行うことで検出される、水酸化アルミニウムに変成する元素結合Al24Hのピークの位置T2と、透明蒸着層112と第1プラスチックフィルム111との界面T1との間の領域である。透明蒸着層112と第1プラスチックフィルム111との界面T1は、元素C6のグラフの強度が、第1プラスチックフィルム111における元素C6の強度の半分になる位置として特定される。図7において、符号W1は、遷移領域の厚みを表す。
透明蒸着層112の厚みに対する遷移領域の厚みW1の比率(以下、遷移領域の変成率とも称する)は、5%以上60%以下であることが望ましい。変成率を5%以上60%以下にすることにより、蒸着フィルム11を含む包装材料にボイル処理やレトルト処理などの殺菌処理を施した場合に、水蒸気に対する蒸着フィルム11のバリア性が低下してしまうことを抑制することができる。レトルト処理とは、内容物を包装容器に充填して包装容器を密封した後、包装容器を加圧状態で加熱する処理である。レトルト処理の温度は、例えば120℃以上である。ボイル処理とは、内容物を包装容器に充填して包装容器を密封した後、包装容器を大気圧下で湯煎する処理である。ボイル処理の温度は、例えば90℃以上且つ100℃以下である。なお、遷移領域の変成率が5%以上60%以下である蒸着フィルム11を含む包装材料は、ボイル処理やレトルト処理などの殺菌処理が施されない用途の包装容器で用いられる場合であっても、酸素や水蒸気などのガスに対するバリア性を維持する上で有効に機能し得る。変成率は、30%以下であってもよく、25%以下であってもよく、20%以下であってもよい。また、変成率は、10%以上であってもよく、15%以上であってもよい。変成率の範囲は、上述の下限の候補値と上限の候補値との任意の組み合わせによって定められ得る。
第1プラスチックフィルム111と透明蒸着層112の界面は、熱によって機械的及び化学的なストレスを受ける。従って、密着性やバリア性の低下を抑制するためには、第1プラスチックフィルム111と透明蒸着層112の界面において強固に透明蒸着層112で第1プラスチックフィルム111を被覆することが重要である。
水酸化アルミニウムは、その化学構造によりプラスチックフィルムとの密着性がよく、またそれ自体がネットワークを作り緻密なため、高い水蒸気バリア性を有する。しかし、熱ストレスに対して、水酸化アルミとプラスチックフィルムとの水素結合に基づく結合構造は微視的に崩れやすい。また、水酸化アルミニウムのネットワークに対しても、水分子と水酸化アルミニウムの粒界面の親和性から膜中に浸透しやすい。
本実施の形態では、酸化アルミニウム蒸着膜における水酸化アルミニウムが形成するプラスチックフィルムとの界面における遷移領域を極力狭くするために、元素結合Al24Hに注目し、その存在量を制御することで、熱ストレスによって元素結合Al24Hから発生する水酸化アルミニウムを抑え、相対的に水酸化アルミニウムが少ない酸化アルミニウム膜比率を上げることにより、熱ストレスによる水分子による微視的な蒸着膜破壊、プラスチックフィルムとの界面破壊を抑制することを意図している。それにより従来にない密着性、バリア性を有する蒸着フィルム11を提供することができる。
酸化アルミニウム蒸着膜は、酸素プラズマ前処理されたプラスチックフィルム表面に蒸着膜を成膜することで形成することができる。蒸着膜を成膜する蒸着法としては、物理蒸着法、化学蒸着の中から種々の蒸着法が適用できる。物理蒸着法としては、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、クラスターイオンビーム法からなる群から選ぶことができ、化学蒸着法としては、プラズマCVD法、プラズマ重合法、熱CVD法、触媒反応型CVD法からなる群から選ぶことができる。本実施の形態においては、物理蒸着法の蒸着法が好適である。
図7のグラフを得るための方法の一具体例について説明する。まず、Csを用いて、ガスバリア性塗布膜113の最表面からエッチングを行い、ガスバリア性塗布膜113と透明蒸着層112と第1プラスチックフィルム111等のフィルムとの界面の元素結合及び蒸着膜の元素結合の分析を実施する。これにより、図7に示すグラフを得ることができる。
次に、図7のグラフの解析方法の一具体例について説明する。ここでは、ガスバリア性塗布膜113が酸化ケイ素を含む場合について説明する。
まず、グラフにおいて、ガスバリア性塗布膜113の構成元素であるSiO2(質量数59.96)の強度が、ガスバリア性塗布膜113における強度の半分になる位置を、ガスバリア性塗布膜113と透明蒸着層112の界面として特定する。次に、第1プラスチックフィルム111の構成材料であるC6(質量数72.00)の強度が、第1プラスチックフィルム111における強度の半分になる位置を、第1プラスチックフィルム111と透明蒸着層112の界面として特定する。また、2つの界面の間の、厚み方向における距離を、透明蒸着層112の厚みとして採用する。
次に、測定された元素結合Al24H(質量数118.93)を表すピークを求め、そのピークから界面までを遷移領域とする。ただし、ガスバリア性塗布膜113の成分がAl24H(質量数118.93)と同じ質量数の材料で構成される場合、118.93の波形を分離する必要がある。
ガスバリア性塗布膜113と透明蒸着層112の界面に、反応物AlSiO4と、水酸化物Al24Hとが生じる場合、それらと、第1プラスチックフィルム111と透明蒸着層112の間の界面に存在するAl24Hを分離することができる。このように、波形の分離については、ガスバリア性塗布膜113の材料に応じて適宜対応することができる。
波形分離においては、例えば、TOF−SIMSで得られた、質量数118.93のプロファイルを、Gaussian関数を用いて非線形のカーブフィッティングを行い最小二乗法Levenberg Marquardt アルゴリズムを使用して重複ピークの分離を行うことができる。
[シーラント層]
シーラント層12は、包装材料10の内面10xを構成する、熱可塑性樹脂を含む層である。シーラント層12は、熱可塑性樹脂を他のフィルム上に押し出すことによって形成されてもよく、若しくは、熱可塑性樹脂のフィルムを他のフィルムに貼り合わせることによって形成されてもよい。例えば、図1に示す例において、シーラント層12は、熱可塑性樹脂を、蒸着フィルム11を含むフィルム上に押し出すことによって形成された層である。また、図2〜図6に示す例において、シーラント層12は、熱可塑性樹脂を含むフィルムを、蒸着フィルム11を含むフィルム又は第2プラスチックフィルム14を含むフィルムに貼り合わせることによって形成された層である。
シーラント層12は、バイオマス由来成分を含んでいてもよく、バイオマス由来成分を含んでいなくてもよい。バイオマス由来成分を含む材料によりシーラント層12を形成する場合、シーラント層12は、下記のバイオマスポリオレフィンを用いて形成することができる。また、バイオマス由来成分を含まない材料によりシーラント層12を形成する場合、シーラント層12は、従来公知の化石燃料由来の熱可塑性樹脂を用いて形成することができる。
バイオマスポリオレフィンは、バイオマス由来のエチレン等のオレフィンを含むモノマーの重合体である。原料であるモノマーとしてバイオマス由来のオレフィンを用いているため、重合されてなるポリオレフィンはバイオマス由来となる。なお、ポリオレフィンの原料モノマーは、バイオマス由来のオレフィンを100質量%含むものでなくてもよい。
例えば、バイオマス由来のエチレンは、バイオマス由来のエタノールを原料として製造することができる。特に、植物原料から得られるバイオマス由来の発酵エタノールを用いることが好ましい。植物原料は、特に限定されず、従来公知の植物を用いることができる。例えば、トウモロコシ、サトウキビ、ビート、およびマニオクを挙げることができる。
バイオマス由来の発酵エタノールとは、植物原料より得られる炭素源を含む培養液にエタノールを生産する微生物またはその破砕物由来産物を接触させ、生産した後、精製されたエタノールを指す。培養液からのエタノールの精製は、蒸留、膜分離、および抽出等の従来公知の方法が適用可能である。例えば、ベンゼン、シクロヘキサン等を添加し、共沸させるか、または膜分離等により水分を除去する等の方法が挙げられる。
バイオマスポリオレフィンの原料であるモノマーは、化石燃料由来のエチレンのモノマーおよび/または化石燃料由来のα−オレフィンのモノマーをさらに含んでもよいし、バイオマス由来のα−オレフィンのモノマーをさらに含んでもよい。
上記のα−オレフィンは、炭素数は特に限定されないが、通常、炭素数3〜20のものを用いることができ、ブチレン、ヘキセン、またはオクテンであることが好ましい。ブチレン、ヘキセン、またはオクテンであれば、バイオマス由来の原料であるエチレンの重合により製造することが可能となるからである。また、このようなα−オレフィンを含むことで、重合されてなるポリオレフィンはアルキル基を分岐構造として有するため、単純な直鎖状のものよりも柔軟性に富むものとすることができる。
バイオマスポリオレフィンとしては、ポリエチレンや、エチレンとα−オレフィンの共重合体を単独で用いてもよいし、二種以上混合して用いてもよい。特に、バイオマスポリオレフィンはポリエチレンであることが好ましい。バイオマス由来の原料であるエチレンを用いることで、理論上100%バイオマス由来成分により製造することが可能となるからである。
バイオマスポリオレフィンは、異なるバイオマス度のバイオマスポリオレフィンを2種以上含むものであってもよく、ポリオレフィン樹脂層全体として、バイオマス度が、後述する範囲内であればよい。
バイオマスポリオレフィンは、好ましくは0.91g/cm以上0.93g/cm以下、より好ましくは0.912g/cm以上0.928g/cm以下、さらに好ましくは0.915g/cm以上0.925g/cm以下の密度を有するものである。バイオマスポリオレフィンの密度は、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定される値である。バイオマスポリオレフィンの密度が0.91g/cm以上あれば、バイオマスポリオレフィンを含むポリオレフィン樹脂層の剛性を高めることができ、包装製品の内層として好適に用いることができる。また、バイオマスポリオレフィンの密度が0.93g/cm以下であれば、バイオマスポリオレフィンを含むポリオレフィン樹脂層の透明性や機械的強度を高めることができ、包装製品の内層として好適に用いることができる。
バイオマスポリオレフィンは、0.1g/10分以上10g/10分以下、好ましくは0.2g/10分以上9g/10分以下、より好ましくは1g/10分以上8.5g/10分以下のメルトフローレート(MFR)を有するものである。メルトフローレートとは、JIS K7210−1995に規定された方法において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で、A法により測定される値である。バイオマスポリオレフィンのMFRが0.1g/10分以上であれば、成形加工時の押出負荷を低減することができる。また、バイオマスポリオレフィンのMFRが10g/10分以下であれば、バイオマスポリオレフィンを含むポリオレフィン樹脂層の機械的強度を高めることができる。
好適に使用されるバイオマスポリオレフィンとしては、Braskem社製のバイオマス由来の低密度ポリエチレン(商品名:SBC818、密度:0.918g/cm、MFR:8.1g/10分、バイオマス度95%)、Braskem社製のバイオマス由来の低密度ポリエチレン(商品名:SPB681、密度:0.922g/cm、MFR:3.8g/10分、バイオマス度95%)、Braskem社製のバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレン(商品名:SLL118、密度:0.916g/cm、MFR:1.0g/10分、バイオマス度87%)等が挙げられる。
上記の化石燃料由来の熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体またはアイオノマー等が挙げられる。
シーラント層12は、好ましくは5%以上、より好ましくは5%以上60%以下、さらに好ましくは10%以上60%以下のバイオマス度を有するものである。バイオマス度が上記範囲であれば、化石燃料の使用量を削減することができ、環境負荷を減らすことができる。
シーラント層12は、単層であってもよく、多層であってもよい。シーラント層に上記したようなバイオマスポリオレフィンを使用する場合は、内層、中間層、および外層の3層を備えたシーラント層としてもよい。その場合、中間層を、バイオマスポリオレフィンからなる層、またはバイオマスポリオレフィンと従来公知の化石燃料由来のポリオレフィンとの混合物からなる層とし、内層および外層は、従来公知の化石燃料由来のポリオレフィンとすることが好ましい。
シーラント層12は、好ましくは10μm以上300μm以下、より好ましくは20μm以上200μm以下、さらに好ましくは30μm以上150μm以下の厚さを有する。
[第2プラスチックフィルム]
第2プラスチックフィルム14の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル等、様々なプラスチックを用いることができる。第2プラスチックフィルム14は、バイオマス由来成分を含んでいてもよく、バイオマス由来成分を含んでいなくてもよい。
第2プラスチックフィルム14がバイオマス由来成分を含む場合、第2プラスチックフィルム14は、第1プラスチックフィルム111で説明したバイオマスポリエステルを含んでいてもよく、シーラント層12で説明したバイオマスポリオレフィンを含んでいてもよい。
第2プラスチックフィルム14がバイオマス由来成分を含む場合、第2プラスチックフィルム14中のバイオマス度は、5%以上であり、好ましくは10%以上30%以下であり、より好ましくは15%以上25%以下である。
第2プラスチックフィルム14が、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムや延伸ポリブチレンテレフタレートフィルム等の延伸ポリエステルフィルムを含む場合、第2プラスチックフィルム14の厚みは例えば9μm以上25μm以下である。第2プラスチックフィルム14が、延伸ナイロンフィルムなどの延伸ポリアミドフィルムを含む場合、第2プラスチックフィルム14の厚みは例えば15μm以上25μm以下である。第2プラスチックフィルム14が、延伸ポリプロピレンフィルムを含む場合、第2プラスチックフィルム14の厚みは例えば20μm以上100μm以下である。第2プラスチックフィルム14が、ポリエチレンフィルムを含む場合、第2プラスチックフィルム14の厚みは例えば20μm以上150μm以下である。
[接着層]
第1接着層13は、シーラント層12を含むフィルムと他のフィルムとを接着する層である。図2〜図5に示す例において、第1接着層13は、シーラント層12を含むフィルムと蒸着フィルム11を含むフィルムとを接着する。図6に示す例において、第1接着層13は、シーラント層12を含むフィルムと第2プラスチックフィルム14を含むフィルムとを接着する。なお、シーラント層12が押し出し成形によって蒸着フィルム11を含むフィルム上又は第2プラスチックフィルム14を含むフィルム上に形成される場合、包装材料10は第1接着層13を備えていなくてもよい。例えば、図1に示す例においては、蒸着フィルム11に設けられたアンカーコート層17上にシーラント層12が押し出し成形によって形成されるので、包装材料10は第1接着層13を備えていない。
第2接着層15は、図4〜図6に示すように、第2プラスチックフィルム14を含むフィルムと蒸着フィルム11を含むフィルムとを接着する層である。
第1接着層13及び第2接着層15などの接着層は、接着剤層又は接着樹脂層である。例えば、図2に示す例において、第1接着層13は接着樹脂層である。また、図3に示す例において、第1接着層13は接着剤層である。図4〜図6に示す例において、第1接着層13及び第2接着層15は、接着剤層であってもよく、接着樹脂層であってもよい。以下、接着剤層及び接着樹脂層についてそれぞれ説明する。
接着剤層は、従来公知の方法、例えばドライラミネート法により形成することができる。ドライラミネート法により2層を接着する場合、接着剤層は、積層される側の層の表面に、接着剤を塗布して乾燥させることにより形成される。塗布される接着剤としては、例えば、1液型あるいは2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メタ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、その他などの溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型などの接着剤を用いることができる。2液硬化型の接着剤としては、ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物を用いることができる。上記のラミネート用接着剤のコーティング方法としては、例えば、ダイレクトグラビアロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、リバースロールコート法、フォンテン法、トランスファーロールコート法、その他の方法で塗布することができる。乾燥後の接着剤層は、例えば1μm以上10μm以下、好ましくは2μm以上5μm以下の厚さを有する。
接着剤層は、バイオマス由来成分を含んでいてもよい。例えば、接着剤層がポリオールとイソシアネート化合物との硬化物を含む場合、ポリオールまたはイソシアネート化合物の少なくともいずれかがバイオマス由来成分を含んでいてもよい。これにより、包装材料10のバイオマス度をさらに向上させることができる。
接着樹脂層は、熱可塑性樹脂を含む。接着樹脂層は、従来公知の方法、例えば溶融押出しラミネート法やサンドラミネート法により形成することができる。接着樹脂層に使用できる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、または環状ポリオレフィン系樹脂、またはこれら樹脂を主成分とする共重合樹脂、変性樹脂、または、混合体(アロイでを含む)を用いることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、メタロセン触媒を利用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、エチレン・ポリプロピレンのランダムもしくはブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン・マレイン酸共重合体、アイオノマー樹脂、また、層間の密着性を向上させるために、上記したポリオレフィン系樹脂を、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂などを用いることができる。また、ポリオレフィン樹脂に、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、エステル単量体をグラフト重合、または、共重合した樹脂などを用いることができる。これらの材料は、一種単独または二種以上を組み合わせて使用することができる。環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブテン、ポリノルボネンなどの環状ポリオレフィンなどを用いることができる。これらの樹脂は、単独または複数を組み合せて使用できる。接着樹脂層は、例えば5μm以上50μm以下、好ましくは10μm以上30μm以下の厚さを有する。
なお、上記したポリエチレン系樹脂としては、シーラント層12において説明したバイオマス由来のエチレンをモノマー単位として用いたものを使用してもよい。これにより、包装材料10のバイオマス度をさらに向上させることができる。
[アンカーコート層]
アンカーコート層17は、所定の層又はフィルムの上にアンカーコート剤を塗布して乾燥させることにより形成される層である。アンカーコート層は、アンカーコート層が設けられた所定の層又はフィルムと、所定の層又はフィルムの上に押し出しによって成形される層との間の密着性を高めることができる。乾燥後のアンカーコート層は、例えば0.1μm以上1μm以下、好ましくは0.3μm以上0.5μm以下の厚さを有する。
第1接着層13が接着樹脂層である場合、例えば図2に示すように、蒸着フィルム11に、又は蒸着フィルム11に設けられた印刷層18にアンカーコート層17を設けることができる。これにより、蒸着フィルム11又は印刷層18に対する第1接着層13の密着性を高めることができる。
また、シーラント層12が押し出し成形によって形成される場合、例えば図1に示すように、蒸着フィルム11に、又は蒸着フィルム11に設けられた印刷層18にアンカーコート層17を設けることができる。これにより、蒸着フィルム11又は印刷層18に対するシーラント層12の密着性を高めることができる。
アンカーコート剤としては、耐熱温度が135℃以上である任意の樹脂、例えばビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンイミン等からなるアンカーコート剤が挙げられるが、特に、構造中に2以上のヒドロキシル基を有するポリアクリル系又はポリメタクリル系樹脂(ポリオール)と、硬化剤としてのイソシアネート化合物との硬化物であるアンカーコート剤を、好ましく使用することができる。また、これに添加剤としてシランカップリング剤を併用してもよく、また、硝化綿を、耐熱性を高めるために併用してもよい。
アンカーコート層は、バイオマス由来成分を含んでいてもよい。例えば、アンカーコート層がポリオールとイソシアネート化合物との硬化物を含む場合、ポリオールまたはイソシアネート化合物の少なくともいずれかがバイオマス由来成分を含んでいてもよい。これにより、包装材料10のバイオマス度をさらに向上させることができる。
[印刷層]
印刷層18は、装飾、内容物の表示、賞味期間の表示、製造者、販売者などの表示、その他などの表示や美感の付与のために、文字、数字、絵柄、図形、記号、模様などの所望の任意の印刷模様を形成する層である。印刷層18は、必要に応じて設けることができ、例えば、蒸着フィルム11を含むフィルム又は第2プラスチックフィルム14を含むフィルムに設けることができる。印刷層18は、フィルムの全面に設けてもよく、あるいは一部に設けてもよい。印刷層18は、従来公知の顔料や染料を用いて形成することができ、その形成方法は特に限定されない。
印刷層18は、好ましくは0.1μm以上10μm以下、より好ましくは1μm以上5μm以下、さらに好ましくは1μm以上3μm以下の厚さを有するものである。
印刷層18は、バイオマス由来成分を含んでいてもよい。例えば、印刷層18がポリオールとイソシアネート化合物との硬化物を含む場合、ポリオールまたはイソシアネート化合物の少なくともいずれかがバイオマス由来成分を含んでいてもよい。
<包装材料の製造方法>
次に、包装材料10の製造方法の一例について説明する。まず、蒸着フィルム11を製造する方法の一例について説明する。
(蒸着フィルムの製造工程)
まず、第1プラスチックフィルム111を準備する。続いて、第1プラスチックフィルム111の面上に、酸化アルミニウムを含む透明蒸着層112を成膜する。図7は、成膜装置60の一例を示す図である。以下、成膜装置60及び成膜装置60を用いた成膜方法について説明する。
図7に示すように、成膜装置60においては、減圧チャンバ62内に隔壁85a〜85cが形成されている。該隔壁85a〜85cにより、基材搬送室62A、プラズマ前処理室62B、成膜室62Cが形成され、特に、隔壁と隔壁85a〜85cで囲まれた空間としてプラズマ前処理室62B及び成膜室62Cが形成され、各室は、必要に応じて、さらに内部に排気室が形成される。
プラズマ前処理室62B及びプラズマ前処理室62Bにおけるプラズマ前処理工程について説明する。プラズマ前処理室62B内には、前処理が行われる第1プラスチックフィルム111を搬送し、かつプラズマ処理を可能にするプラズマ前処理ローラー70の一部が基材搬送室62Aに露出するように設けられている。第1プラスチックフィルム111は、巻き取られながらプラズマ前処理室62Bに移動する。
プラズマ前処理室62B及び成膜室62Cは、基材搬送室62Aと接して設けられており、第1プラスチックフィルム111を大気に触れさせないままに移動可能である。また、前処理室62Bと基材搬送室62Aの間は、矩形の穴により接続されており、その矩形の穴を通じてプラズマ前処理ローラー70の一部が基材搬送室62A側に飛び出しており、該搬送室の壁と該前処理ローラー70の間に隙間が開いており、その隙間を通じて第1プラスチックフィルム111が基材搬送室62Aから成膜室62Cへ移動可能である。基材搬送室62Aと成膜室62Cとの間も同様の構造となっており、第1プラスチックフィルム111を大気に触れさせずに移動可能である。
基材搬送室62Aは、成膜ローラー75により再度基材搬送室12Aに移動させられた、片面に蒸着膜が成膜された第1プラスチックフィルム111をロール状に巻き取るため、巻取り手段としての巻き取りローラーが設けられ、蒸着膜を成膜された第1プラスチックフィルム111を巻き取り可能とするようになっている。
酸化アルミニウム蒸着膜を有する蒸着フィルム11を製造する際、前記プラズマ前処理室62Bは、プラズマが生成する空間を他の領域と区分し、対向空間を効率よく真空排気できるように構成されることで、プラズマガス濃度の制御が容易となり、生産性が向上する。その減圧して形成する前処理圧力は、0.1Pa以上100Pa以下程度に設定、維持することができ、特に、酸化アルミニウム蒸着膜の好ましい遷移領域の変成率とするため酸素プラズマ前処理の処理圧力としては、1Pa以上20Pa以下が好ましく、10Pa以下であってもよく、5Pa以下であってもよい。前処理圧力の範囲は、上述の下限の候補値と上限の候補値との任意の組み合わせによって定められ得る。
第1プラスチックフィルム111の搬送速度は、特に限定されないが、生産効率の観点から、少なくとも200〜1000m/minにすることができ、特に、酸化アルミニウム蒸着膜の遷移領域の変成率とするため酸素プラズマ前処理の搬送速度としては、300〜800m/minが好ましい。
プラズマ前処理装置を構成するプラズマ前処理ローラー70は、プラズマ前処理手段によるプラズマ処理時の熱による第1プラスチックフィルム111の収縮や破損を防ぐこと、酸素プラズマPを第1プラスチックフィルム111に対して均一にかつ広範囲に適用することを目的とするものである。前処理ローラー70は、前処理ローラー内を循環させる温度調節媒体の温度を調整することにより、−20℃から100℃の間で、一定温度に調節することが可能であることが好ましい。
プラズマ前処理手段は、プラズマ供給手段及び磁気形成手段を含む。プラズマ前処理手段はプラズマ前処理ローラー70と協働し、第1プラスチックフィルム111表面近傍に酸素プラズマPを閉じ込める。
プラズマ前処理手段は、前処理ローラー70の一部を覆うように設けられている。具体的には、前処理ローラー70の外周近傍の表面に沿ってプラズマ前処理手段を構成するプラズマ供給手段72と磁気形成手段73を配置する。プラズマ供給手段72は、プラズマ原料ガスを供給するプラズマ供給ノズルを含む。磁気形成手段73は、プラズマPの発生を促進するためマグネット等を有する。また、プラズマ前処理手段は、前処理ローラー70との間で電圧が加えられる電極71を有する。なお、図7においては、電極71とプラズマ供給手段72とが別個の部材である例が示されているが、これに限られることはない。図示はしないが、電極71とプラズマ供給手段72とが一体的な部材によって構成されていてもよい。
前処理ローラー70と磁気形成手段73との間に挟まれた空間にプラズマPを発生させ、前処理ローラー70と第1プラスチックフィルム111の表面近傍にプラズマ密度の高い領域を形成することで、第1プラスチックフィルム111の内側の面に酸素プラズマ前処理を施してプラズマ処理面を形成することができる。
プラズマ前処理手段のプラズマ供給手段72は、減圧チャンバ62の外部に設けたプラズマ供給ノズルに接続された原料揮発供給装置68と、該装置から原料ガス供給を供給する原料ガス供給ラインを含む。供給されるプラズマ原料ガスは、酸素単独又は酸素ガスと不活性ガスとの混合ガスが、ガス貯留部から流量制御器を介することでガスの流量を計測しつつ供給される。不活性ガスとしては、アルゴン、ヘリウム、窒素なる群から選ばれる、1種または2種以上の混合ガスが挙げられる。
これら供給されるガスは、必要に応じて所定の比率で混合されて、プラズマ原料ガス単独又はプラズマ形成用混合ガスに形成され、プラズマ供給手段に供給される。その単独又は混合ガスは、プラズマ供給手段のプラズマ供給ノズルに供給され、プラズマ供給ノズルの供給口が開口する前処理ローラー70の外周近傍に供給される。そのノズル開口は前処理ローラー70上の第1プラスチックフィルム111に向けられ、第1プラスチックフィルム111の表面全体に均一に酸素プラズマPを拡散、供給させることが可能となるように配置、構成される。これにより、第1プラスチックフィルム111の大面積の部分に均一なプラズマ前処理を施すことができる。
酸化アルミニウム蒸着膜の遷移領域の変成率を上述のように5%以上60%以下とするため、酸素プラズマ前処理としては、酸素ガスと不活性ガスとの混合比率(酸素ガス/不活性ガス)は、1/1以上が好ましく、3/2.5以上であってもよく、3/2以上であってもよい。また、酸素ガスと前記不活性ガスとの混合比率(酸素ガス/不活性ガス)は、6/1以下が好ましく、3/1以下であってもよく、5/2以下であってもよい。混合比率を1/1以上6/1以下とすることで、プラスチックフィルム基材上での蒸着アルミニウムの膜形成エネルギーが増加し、更に3/2以上5/2以下とすることで、水酸化アルミニウムの形成が基材の界面近傍で形成される、すなわち該遷移領域の変成率が低下する。酸素ガスと前記不活性ガスとの混合比率(酸素ガス/不活性ガス)の範囲は、上述の下限の候補値と上限の候補値との任意の組み合わせによって定められ得る。
電極71は、前処理ローラー70の対向電極として機能する。前処理ローラー70との間に供給される高周波電圧、低周波電圧等による電位差によって供給されたプラズマ原料ガスが励起状態になり、プラズマPが発生し、供給される。
具体的には、電極71は、プラズマ電源としてプラズマ前処理ローラーを設置し、対向電極との間に周波数が10Hzから2.5GHzの交流電圧を印加し、投入電力制御または、インピーダンス制御等を行い、プラズマ前処理ローラー70との間に任意の電圧を印加した状態にすることができるものである。成膜装置60は、第1プラスチックフィルム111の表面物性を物理的ないしは化学的に改質する処理ができる酸素プラズマPを正電位にするバイアス電圧を印加できる電源82を備えている。
単位面積あたりのプラズマ強度は、好ましくは50W・sec/m2以上8000W・sec/m2以下である。50W・sec/m2以下では、プラズマ前処理の効果がみられず、また、8000W・sec/m2以上では、第1プラスチックフィルム111の消耗、破損着色、焼成などプラズマによる第1プラスチックフィルム111の劣化が起きる傾向にある。特に、単位面積あたりのプラズマ強度は、100W・sec/m2以上が好ましい。また、単位面積あたりのプラズマ強度は、1000W・sec/m2以下が好ましく、500W・sec/m2以下であることがより好ましく、300W・sec/m2以下であってもよい。第1プラスチックフィルム111に垂直にバイアス電圧を持ち上記プラズマ強度を与えることにより、安定的に酸化アルミニウム蒸着膜との密着性等を向上させることができる。単位面積あたりのプラズマ強度の範囲は、上述の下限の候補値と上限の候補値との任意の組み合わせによって定められ得る。
磁気形成手段73としては、マグネットケース内に絶縁性スペーサ、ベースプレートが設けられ、このベースプレートにマグネットが設けられたものを用いることができる。マグネットケースに絶縁性シールド板が設けられ、この絶縁性シールド板に電極が取り付けられ得る。マグネットケースと電極は電気的に絶縁されており、マグネットケースを減圧チャンバ62内に設置、固定しても電極は電気的にフローティングレベルとすることが可能である。マグネットを設けることにより、第1プラスチックフィルム111表面近傍での反応性が高くなり、良好なプラズマ前処理面を高速で形成することが可能となる。
好ましくは、マグネットは、第1プラスチックフィルム111の表面位置での磁束密度が10ガウスから10000ガウスになるよう構成されている。第1プラスチックフィルム111表面での磁束密度が10ガウス以上であれば、第1プラスチックフィルム111表面近傍での反応性を十分高めることが可能となり、良好な前処理面を高速で形成することができる。
次に、成膜室62C及び成膜室62Cにおける成膜工程について説明する。成膜装置60は、減圧された成膜室62C内に配置された成膜ローラー75と、成膜ローラー75に対向して配置された蒸着膜成膜手段74のターゲットと、を有する。成膜ローラー75は、プラズマ前処理装置で前処理された第1プラスチックフィルム111の処理面を外側にして第1プラスチックフィルム111を巻きかけて搬送する。成膜工程においては、蒸着膜成膜手段74のターゲットを蒸発させて第1プラスチックフィルム111の表面に酸化アルミニウム膜を成膜する。
蒸着膜成膜手段74は、例えば抵抗加熱方式であり、アルミニウムを蒸発源としてアルミニウムの金属線材を用い、酸素を供給ししてアルミニウム蒸気を酸化しつつ、第1プラスチックフィルム111の表面に酸化アルミニウム蒸着膜を成膜させる。
上記のように成膜される酸化アルミニウムの蒸着膜を含む透明蒸着層112の厚さは、3nm以上が好ましく、8nm以上であってもよく、10nm以上であってもよい。また、透明蒸着層112の厚さは、50nm以下が好ましく、30nm以下であってもよく、20nm以下であってもよく、15nm以下であってもよく、14nm以下であってもよい。透明蒸着層112の厚さの範囲は、上述の下限の候補値と上限の候補値との任意の組み合わせによって定められ得る。この範囲であれば、バリア性を保持することができる。但し、酸化アルミニウムの蒸着膜が非常に薄い場合は、TOF−SIMS測定による遷移領域の変成率の算出が困難になる。
次に、透明蒸着層112の上にガスバリア性塗布膜113を形成する方法について説明する。まず、上記金属アルコキシド、シランカップリング剤、水酸基含有水溶性樹脂、反応促進剤(ゾルゲル法触媒、酸等)、及び溶媒としての水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロパノール等のアルコール等の有機溶媒を混合して、樹脂組成物からなるガスバリア性塗布膜用コート剤を調製する。
次いで、透明蒸着層112の上に、常法により、上記のガスバリア性塗布膜用コート剤を塗布し、乾燥する。この乾燥工程によって、縮合または共縮合反応が更に進行し、塗膜が形成される。第一の塗膜の上に、更に上記塗布操作を繰り返して、2層以上からなる複数の塗膜を形成してもよい。
さらに、20〜200℃、好ましくは50〜180℃の範囲の温度、かつ基材層を構成する樹脂の軟化点以下の温度で、3秒〜10分間加熱処理する。これによって、透明蒸着層112の上に、上記ガスバリア性塗布膜用コート剤からなるガスバリア性塗布膜113を形成することができる。このようにして、第1プラスチックフィルム111、透明蒸着層112及びガスバリア性塗布膜113を有する蒸着フィルム11を作製することができる。
(その他のフィルム又は層の積層工程)
次に、蒸着フィルム11にその他のフィルム又は層を積層して上述の包装材料10を製造する方法について説明する。
図1に示す包装材料10の製造方法の一例について説明する。まず、蒸着フィルム11を準備し、蒸着フィルム11のガスバリア性塗布膜113上に例えばグラビア印刷法によって印刷層18を形成する。続いて、印刷層18上にアンカーコート層17を設ける。その後、溶融押し出しラミネート法により、アンカーコート層17上にシーラント層12を形成する。この場合、シーラント層12は、例えば低密度ポリエチレンを含んでいる。このようにして、図1に示す包装材料10を得ることができる。
次に、図2に示す包装材料10の製造方法の一例について説明する。まず、蒸着フィルム11を準備し、蒸着フィルム11のガスバリア性塗布膜113上に例えばグラビア印刷法によって印刷層18を形成する。続いて、印刷層18上にアンカーコート層17を設ける。また、シーラント層12を構成するフィルムを準備する。その後、サンドラミネート法により、蒸着フィルム11を含むフィルムと、シーラント層12を構成するフィルムとを、接着樹脂層からなる第1接着層13を介して接着する。このようにして、図2に示す包装材料10を得ることができる。
次に、図3に示す包装材料10の製造方法の一例について説明する。まず、蒸着フィルム11を準備し、蒸着フィルム11のガスバリア性塗布膜113上に例えばグラビア印刷法によって印刷層18を形成する。また、シーラント層12を構成するフィルムを準備する。その後、ドライラミネート法により、蒸着フィルム11を含むフィルムと、シーラント層12を構成するフィルムとを、接着剤層からなる第1接着層13を介して接着する。このようにして、図3に示す包装材料10を得ることができる。
次に、図4に示す包装材料10の製造方法の一例について説明する。まず、蒸着フィルム11を準備し、蒸着フィルム11のガスバリア性塗布膜113上に例えばグラビア印刷法によって印刷層18を形成する。また、第2プラスチックフィルム14を準備する。その後、ドライラミネート法により、蒸着フィルム11を含むフィルムと、第2プラスチックフィルム14とを、接着剤層からなる第2接着層15を介して接着する。また、シーラント層12を構成するフィルムを準備する。その後、ドライラミネート法により、蒸着フィルム11及び第2プラスチックフィルム14を含む積層体と、シーラント層12を構成するフィルムとを、接着剤層からなる第1接着層13を介して接着する。このようにして、図4に示す包装材料10を得ることができる。
なお、蒸着フィルム11とシーラント層12を構成するフィルムとを接着した後、蒸着フィルム11及びシーラント層12を含む積層体と第2プラスチックフィルム14とを接着してもよい。
次に、図5に示す包装材料10の製造方法の一例について説明する。まず、第2プラスチックフィルム14を準備し、第2プラスチックフィルム14上に例えばグラビア印刷法によって印刷層18を形成する。また、蒸着フィルム11を準備する。その後、ドライラミネート法により、第2プラスチックフィルム14を含むフィルムと、蒸着フィルム11とを、接着剤層からなる第2接着層15を介して接着する。また、シーラント層12を構成するフィルムを準備する。その後、ドライラミネート法により、第2プラスチックフィルム14及び蒸着フィルム11を含む積層体と、シーラント層12を構成するフィルムとを、接着剤層からなる第1接着層13を介して接着する。このようにして、図5に示す包装材料10を得ることができる。
なお、蒸着フィルム11とシーラント層12を構成するフィルムとを貼り合せた後、蒸着フィルム11及びシーラント層12を含む積層体と第2プラスチックフィルム14とを貼り合せてもよい。
次に、図6に示す包装材料10の製造方法の一例について説明する。まず、蒸着フィルム11を準備し、蒸着フィルム11のガスバリア性塗布膜113上に例えばグラビア印刷法によって印刷層18を形成する。また、第2プラスチックフィルム14を準備する。その後、ドライラミネート法により、蒸着フィルム11を含むフィルムと、第2プラスチックフィルム14とを、接着剤層からなる第2接着層15を介して接着する。また、シーラント層12を構成するフィルムを準備する。その後、ドライラミネート法により、蒸着フィルム11及び第2プラスチックフィルム14を含む積層体と、シーラント層12を構成するフィルムとを、接着剤層からなる第1接着層13を介して接着する。このようにして、図6に示す包装材料10を得ることができる。
なお、第2プラスチックフィルム14とシーラント層12を構成するフィルムとを接着した後、第2プラスチックフィルム14及びシーラント層12を含む積層体と蒸着フィルム11とを接着してもよい。
<包装容器>
包装材料10を用いることによって形成される包装製品の例としては、包装袋、ラミネートチューブ、蓋材、シート成形品等が挙げられる。
包装材料10を備える包装製品は、例えば、飲食品、果汁、ジュ−ス、飲料水、酒、調理食品、水産練り製品、冷凍食品、肉製品、煮物、餅、鍋用スープなどの液体ス−プ、調味料等の各種の飲食料品、液体洗剤、シャンプー、リンス、コンディショナーなどの化粧品、衛生用品、日用品および化成品等の包装として好適に使用することができる。飲食品の具体例としては、コーヒー、コーヒー豆、コーヒー粉末、アイスクリーム、グミ、惣菜、パスタソース、カレー、ゼリー、ベーコン、チョコレート、チョコレートペーストなどを挙げることができる。日用品の具体例としては、脱脂綿、マスク、入浴剤、粉ミルクなどを挙げることができる。また、後述する実施例において例示するように、耐熱性を有するよう構成された包装材料10を備える包装製品は、レトルト処理及びボイル処理などの加熱殺菌処理が施される内容物を収容する用途において使用することができる。なお、レトルト処理とは、内容物を包装製品に充填して包装製品を密封した後、蒸気又は加熱温水を利用して包装製品を加圧状態で加熱する処理である。レトルト処理の温度は、例えば120℃以上である。ボイル処理とは、内容物を包装製品に充填して包装製品を密封した後、包装製品を大気圧下で湯煎する処理である。ボイル処理の温度は、例えば90℃以上且つ100℃以下である。
包装製品の包装袋は、包装材料10を二つ折にするか、又は包装材料10を2枚用意し、表側の包装材料10のシーラント層12と裏側の包装材料10のシーラント層12とを対向させて重ね合わせ、さらにその周辺端部を、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型等のヒートシール形態によりヒートシールして、種々の形態の包装袋を製造することができる。また、表側の包装材料10と裏側の包装材料10との間に、折り返された状態の包装材料10を挿入した状態でヒートシールを行い、ガセット型の包装袋を製造することもできる。なお、包装袋を構成する包装材料10の全てが、本発明による包装材料10でなくてもよい。すなわち、包装袋を構成する包装材料10の少なくとも一部分が、バイオマス由来成分を含む第1プラスチックフィルム111を有する蒸着フィルム11を備える包装材料10であればよく、包装袋を構成する包装材料10のその他の部分が、化石燃料由来の蒸着フィルムを有する包装材料10であってもよい。
ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。
図9は、包装材料10を備える包装容器30が包装袋である例を示す図である。図9に示す包装容器30は、表面を構成する表面フィルム34A、裏面を構成する裏面フィルム34B、及び、下部32を構成する下部フィルム36を備える。下部フィルム36は、折り返し部36fで折り返された状態で、表面フィルム34Aと裏面フィルム34Bとの間に配置されている。このように、図9に示す包装容器30は、下部がガセット部として構成された、自立可能なスタンディングパウチである。
表面フィルム34A、裏面フィルム34B及び下部フィルム36は、内面同士がシール部によって接合されている。図9などの包装容器30の正面図においは、シール部にハッチングが施されている。図9に示すように、シール部は、包装容器30の外縁に沿って延びる外縁シール部を有する。外縁シール部は、下部32に広がる下部シール部32a、及び、一対の側部33に沿って延びる一対の側部シール部33aを含む。なお、内容物が充填される前の状態(内容物が充填されていない状態)の包装容器30においては、図9に示すように、包装容器30の上部31は開口部31bになっている。包装容器30に内容物を収容した後、表面フィルム34Aの内面と裏面フィルム34Bの内面とを上部31において接合することにより、上部シール部が形成されて包装容器30が封止される。
なお、上述の「表面フィルム」、「裏面フィルム」及び「下部フィルム」という用語は、位置関係に応じて各フィルムを区画したものに過ぎず、包装容器30を製造する際の包装材料10の提供方法が、上述の用語によって限定されることはない。例えば、包装容器30は、表面フィルム34Aと裏面フィルム34Bと下部フィルム36が連設された1枚の包装材料10を用いて製造されてもよく、表面フィルム34Aと下部フィルム36が連設された1枚の包装材料10と1枚の裏面フィルム34Bの計2枚の包装材料10を用いて製造されてもよく、1枚の表面フィルム34Aと1枚の裏面フィルム34Bと1枚の下部フィルム36の計3枚の包装材料10を用いて製造されてもよい。
表面フィルム34A、裏面フィルム34B及び下部フィルム36のうちの少なくとも1つは、バイオマス由来成分を含む第1プラスチックフィルム111を有する蒸着フィルム11を備える包装材料10によって構成されている。これにより、従来に比べて化石燃料の使用量を削減することができ、環境負荷を減らすことができる。また、包装材料10の蒸着フィルム11においては、第1プラスチックフィルム111と透明蒸着層112との間の密着性が従来に比べて高められている。このため、従来に比べて包装容器30のバリア性を改善することができる。
図10は、包装材料10を備える包装容器30のその他の例を示す図である。図12に示す包装容器30は、蒸気抜き機構40を更に備える点が異なるのみであり、他の構成は、図9に示す包装容器30と略同一である。図10に示す包装容器30において、図9に示す包装容器30と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図10に示すように、包装容器30は、収容部39に収容された内容物を加熱する際に発生する蒸気を外部に逃がすための蒸気抜き機構40を備える。蒸気抜き機構40は、蒸気の圧力が所定値以上になったときに包装容器30の内部と外部とを連通させて蒸気を逃がすとともに、蒸気抜き機構40以外の箇所から蒸気抜けが生じることを抑制するよう、構成されている。
図10に示す例において、蒸気抜き機構40は、側部シール部33aから包装容器30の内側に向かって突出した蒸気抜きシール部41と、蒸気抜きシール部41によって収容部39から隔離された未シール部42と、を有する。未シール部42は、包装容器30の外部に連通している。電子レンジなどによって加熱されることによって収容部39の圧力が高まると、蒸気抜きシール部41が剥離する。収容部39の蒸気は、蒸気抜きシール部41の剥離部分及び未シール部42を通って包装容器30の外部に抜けることができる。
なお、蒸気抜き機構40の構成が、図10に示す構成に限られることはない。蒸気の圧力が所定値以上になったときに収容部39と包装容器30の外部とを連通させることができる限りにおいて、蒸気抜き機構40の構成は任意である。
図10に示す包装容器30においても、表面フィルム34A、裏面フィルム34B及び下部フィルム36のうちの少なくとも1つは、バイオマス由来成分を含む接着剤層を有する包装材料10によって構成されている。これにより、従来に比べて化石燃料の使用量を削減することができ、環境負荷を減らすことができる。また、包装材料10の蒸着フィルム11においては、第1プラスチックフィルム111と透明蒸着層112との間の密着性が従来に比べて高められている。このため、従来に比べて包装容器30のバリア性を改善することができる。
図11は、包装材料10を備える包装容器30のその他の例を示す図である。図11に示す包装容器30は、注出口部43を更に備える点が異なるのみであり、他の構成は、図9に示す包装容器30と略同一である。図11に示す包装容器30において、図9に示す包装容器30と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図11に示すように、包装容器30の注出口部43は、収容部39に収容された内容物を取り出す際に内容物が通る部分である。この場合、内容物は、流動性を有する液体などである。注出口部43の幅は、収容部39の幅よりも狭い。このため、使用者は、注出口部43を通って包装容器30から注出される内容物の注出方向を精度良く定めることができる。
図11に示す例において、注出口部43は、表面フィルム34A及び裏面フィルム34Bの一部によって構成されている。例えば、注出口部43は、収容部39よりも狭い幅を有する注出口部43を画定するよう表面フィルム34Aと裏面フィルム34Bとを接合する注出口シール部44を含む。このような注出口部43を備える包装容器30は、ボトルに詰め替えられる洗剤、シャンプー、リンスなどの内容物を収容する詰め替えパウチとして好適に使用される。
なお、内容物を適切に注出することができる限りにおいて、注出口部43の構成が、図11に示す構成に限られることはない。例えば、注出口部43は、スパウトなどの、表面フィルム34A及び裏面フィルム34Bとは別の部材であってもよい。
図11に示す包装容器30においても、表面フィルム34A、裏面フィルム34B及び下部フィルム36のうちの少なくとも1つは、バイオマス由来成分を含む接着剤層を有する包装材料10によって構成されている。これにより、従来に比べて化石燃料の使用量を削減することができ、環境負荷を減らすことができる。また、包装材料10の蒸着フィルム11においては、第1プラスチックフィルム111と透明蒸着層112との間の密着性が従来に比べて高められている。このため、従来に比べて包装容器30のバリア性を改善することができる。
図12は、包装材料10を備える包装容器30のその他の例を示す図である。図12に示す包装容器30は、表面フィルム34Aと裏面フィルム34Bとを外縁に沿って3辺で接合することによって形成される三方シールパウチである。なお、上部31には、図9〜図11に示す例の場合と同様に、開口部31bを介して包装容器30に内容物を収容した後に上部シール部が形成される。
図12に示す包装容器30においても、表面フィルム34A及び裏面フィルム34Bのうちの少なくとも1つは、バイオマス由来成分を含む接着剤層を有する包装材料10によって構成されている。これにより、従来に比べて化石燃料の使用量を削減することができ、環境負荷を減らすことができる。また、包装材料10の蒸着フィルム11においては、第1プラスチックフィルム111と透明蒸着層112との間の密着性が従来に比べて高められている。このため、従来に比べて包装容器30のバリア性を改善することができる。
なお、図示はしないが、包装容器30は、表面フィルム34Aと裏面フィルム34Bとを外縁に沿って4辺で接合することによって形成される四方シールパウチであってもよい。また、図13に示すように、包装容器30は、上部31、下部32及び合掌部38において接合されるピローパウチであってもよい。また、図14に示すように、包装容器30は、接合された合掌部38を有するとともに、側部33が折り返し部33fで折り返されたサイドガセットパウチであってもよい。
図15は、包装材料10を備える包装容器30が蓋付容器である例を示す図である。蓋付容器は、絞り成形などのシート成形によって作製された容器本体45と、容器本体45に接合された蓋部46と、を備える。
図15に示す例において、例えば容器本体45は、バイオマス由来成分を含む第1プラスチックフィルム111を有する蒸着フィルム11を備える包装材料10を絞り成形することによって作製される。これにより、従来に比べて化石燃料の使用量を削減することができ、環境負荷を減らすことができる。また、包装材料10の蒸着フィルム11においては、第1プラスチックフィルム111と透明蒸着層112との間の密着性が従来に比べて高められている。このため、従来に比べて容器本体45のバリア性を改善することができる。
また、図15に示す例において、蓋部46が、バイオマス由来成分を含む第1プラスチックフィルム111を有する蒸着フィルム11を備える包装材料10によって形成されていてもよい。これにより、従来に比べて化石燃料の使用量を削減することができ、環境負荷を減らすことができる。また、包装材料10の蒸着フィルム11においては、第1プラスチックフィルム111と透明蒸着層112との間の密着性が従来に比べて高められている。このため、従来に比べて蓋部46のバリア性を改善することができる。
図16は、包装材料10を備える包装容器30がチューブである例を示す図である。チューブは、包装材料10を備えるチューブ本体47と、チューブ本体47に取り付けられたキャップ48と、を備える。
図16に示す例において、チューブ本体47は、バイオマス由来成分を含む第1プラスチックフィルム111を有する蒸着フィルム11を備える包装材料10を筒状に加工することによって作製される。これにより、従来に比べて化石燃料の使用量を削減することができ、環境負荷を減らすことができる。また、包装材料10の蒸着フィルム11においては、第1プラスチックフィルム111と透明蒸着層112との間の密着性が従来に比べて高められている。このため、従来に比べてチューブ本体47のバリア性を改善することができる。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
[実施例A1]
まず、第1プラスチックフィルム111として、厚さ12μmのバイオマス由来のPETフィルムを準備した。バイオマス由来のPETフィルムは、以下の方法により得られたものである。
化石燃料由来のテレフタル酸83質量部とバイオマス由来のエチレングリコール(インディアグライコール社製)62質量部とを、常法の直重方法でエステル化反応を行った後、減圧下において縮重合反応を行い、バイオマス由来のポリエチレンテレフタレートを得た。得られたバイオマス由来のポリエチレンテレフタレートの放射製炭素測定を行ったところ、放射性炭素(C14)測定によるバイオマス度は31.25%であった。
上記のバイオマス由来のポリエチレンテレフタレートを60質量部と、化石燃料由来のポリエチレンテレフタレート30質量部と、化石燃料由来のポリエチレンテレフタレートを含むマスターバッチ10質量部とを押出機に供給し、Tダイよりシート状に押し出し、冷却ロールにて冷却固化させて未延伸シートを得た。次いでこの未延伸シートを、縦方向に延伸した後、横方向に延伸して、厚みが12μmである二軸延伸PETフィルムを得た。得られた二軸延伸PETフィルムのバイオマス度を測定したところ、18.8%であった。
続いて、図7に示す上述の成膜装置60を用いて、上述の二軸延伸PETフィルムからなる第1プラスチックフィルム111の面に酸素プラズマ処理を施した後、酸素プラズマ処理面上に、酸化アルミニウムを含む厚さ12nmの透明蒸着層112を形成した。
(酸素プラズマ前処理条件)
・プラズマ強度:150W・sec/m2
・酸素ガスと不活性ガスとの混合比率:酸素/アルゴン=2/1
・前処理ドラム−プラズマ供給ノズル間印加電圧:340V
・前処理圧力:3.8Pa
(酸化アルミニウム成膜条件)
・真空度:8.1×10-2Pa
・搬送速度:400m/min
・酸素ガス供給量:20000sccm
続いて、透明蒸着層112上にガスバリア性塗布膜113を形成した。具体的には、まず、水385g、イソプロピルアルコール67g及び0.5N塩酸9.1gを混合し、pH2.2に調整した溶液に、金属アルコキシドとしてテトラエトキシシラン175gと、シランカップリング剤としてグリシドキシプロピルトリメトキシシラン9.2gを10℃となるよう冷却しながら混合させて溶液Aを調製した。
水溶性高分子として、ケン価度99%以上の重合度2400のポリビニルアルコール14.7g、水324g、イソプロピルアルコール17gを混合した溶液Bを調製した。A液とB液を重量比6.5:3.5となるよう混合して得られた溶液をガスバリア性塗布膜用コート剤とした。
上記の透明蒸着層112上に、上記で調製したガスバリア性塗布膜用コート剤をスピンコート法によりコーティングした。
その後、180℃で60秒間、オーブンにて加熱処理して、厚さ約400nmのガスバリア性塗布膜113を透明蒸着層112上に形成した。このようにして、第1プラスチックフィルム111、透明蒸着層112及びガスバリア性塗布膜113を有する蒸着フィルム11を得た。
[実施例A2]
透明蒸着層112の厚さを10nmにしたこと以外は、実施例A1の場合と同様にして、第1プラスチックフィルム111上に透明蒸着層112を形成し、透明蒸着層112上にガスバリア性塗布膜113を形成した。このようにして、第1プラスチックフィルム111、透明蒸着層112及びガスバリア性塗布膜113を有する蒸着フィルム11を得た。
[実施例A3]
透明蒸着層112の厚さを14nmにしたこと以外は、実施例A1の場合と同様にして、第1プラスチックフィルム111上に透明蒸着層112を形成し、透明蒸着層112上にガスバリア性塗布膜113を形成した。このようにして、第1プラスチックフィルム111、透明蒸着層112及びガスバリア性塗布膜113を有する蒸着フィルム11を得た。
[参考例A1]
酸素プラズマ処理におけるプラズマ強度を1200W・sec/m2としたこと以外は、実施例A1の場合と同様にして、第1プラスチックフィルム111上に透明蒸着層112を形成し、透明蒸着層112上にガスバリア性塗布膜113を形成した。このようにして、第1プラスチックフィルム111、透明蒸着層112及びガスバリア性塗布膜113を有する蒸着フィルム11を得た。
[比較例A1]
透明蒸着層112の厚さを7nmにしたこと以外は、実施例A1の場合と同様にして、第1プラスチックフィルム111上に透明蒸着層112を形成し、透明蒸着層112上にガスバリア性塗布膜113を形成した。このようにして、第1プラスチックフィルム111、透明蒸着層112及びガスバリア性塗布膜113を有する蒸着フィルム11を得た。
[比較例A2]
酸素プラズマ前処理を行わなかったこと以外は、実施例A1の場合と同様にして、第1プラスチックフィルム111上に透明蒸着層112を形成し、透明蒸着層112上にガスバリア性塗布膜113を形成した。このようにして、第1プラスチックフィルム111、透明蒸着層112及びガスバリア性塗布膜113を有する蒸着フィルム11を得た。
[比較例A3]
酸素プラズマ処理における酸素ガスと不活性ガスとの混合比率を酸素/アルゴン=4/1としたこと以外は、実施例A1の場合と同様にして、第1プラスチックフィルム111上に透明蒸着層112を形成し、透明蒸着層112上にガスバリア性塗布膜113を形成した。このようにして、第1プラスチックフィルム111、透明蒸着層112及びガスバリア性塗布膜113を有する蒸着フィルム11を得た。
[比較例A4]
酸素プラズマ処理における前処理圧力を50Paとしたこと以外は、実施例A1の場合と同様にして、第1プラスチックフィルム111上に透明蒸着層112を形成し、透明蒸着層112上にガスバリア性塗布膜113を形成した。このようにして、第1プラスチックフィルム111、透明蒸着層112及びガスバリア性塗布膜113を有する蒸着フィルム11を得た。
上述の実施例A1〜A3及び比較例A1〜A4の蒸着フィルム11に対して、変成率の測定を行った。また、上述の実施例A1及び参考例A1の蒸着フィルム11に対して、色味の測定を行った。また、上述の実施例A1〜A3及び比較例A1〜A2の蒸着フィルム11を備える包装材料に対して、酸素透過度の測定、水蒸気透過度の測定、及び密着強度の評価を行った。密着強度の評価においては、常態剥離強度及び水付け剥離強度を測定した。
(変成率)
蒸着フィルム11のガスバリア性塗布膜113の表面にCs(セシウム)イオン銃により一定の速度でソフトエッチングを繰り返しながら、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)を用いて、ガスバリア性塗布膜113に由来するイオンと、透明蒸着層112に由来するイオンと、第1プラスチックフィルム111に由来するイオンを測定した。これにより、上述の図7のような、縦軸の単位(intensity)が測定されたイオンの強度であり、横軸の単位(cycle)がエッチングの回数であるグラフを得た。
TOF−SIMSに用いられる飛行時間型二次イオン質量分析計としてはION TOF社製、TOF.SIMS5を用い、下記測定条件で測定を行なった。
(TOFSIMS測定条件)
・一次イオン種類:Bi3++(0.2pA,100μs)、測定面積:150×150μm2
・Et銃種類:Cs(1keV、60nA),Et面積:600×600μm2、Etレート:3sec/Cycle
なお、解析においては、複数ある酸化アルミニウム由来のイオンの中から他の成分由来のイオンと切り分けること、十分な強度を有するものを選択すること及び、特に元素結合Al24Hの濃度分布に近似換算できる深さ分布を得ることが重要になる。これらを考慮し、測定対象となる酸化アルミニウム由来のイオンを測定するためのイオン銃としては、Csイオンを選択した。
Csを用いて、ガスバリア性塗布膜113の最表面からエッチングを行い、ガスバリア性塗布膜113と透明蒸着層112と第1プラスチックフィルム111との界面の元素結合及び蒸着膜の元素結合の分析を実施し、測定された元素および元素結合のグラフを得た。グラフにおいて、ガスバリア性塗布膜113の構成元素であるSiO2(質量数59.96)の強度が、ガスバリア性塗布膜113における強度の半分になる位置を、ガスバリア性塗布膜113と透明蒸着層112の界面として特定した。また、第1プラスチックフィルム111の構成材料であるC6(質量数72.00)の強度が、第1プラスチックフィルム111における強度の半分になる位置を、第1プラスチックフィルム111と透明蒸着層112の界面として特定した。また、2つの界面の間の、厚み方向における距離を、透明蒸着層112の厚みとして採用した。
次に、測定された元素結合Al24H(質量数118.93)を表すピークを求め、そのピークから界面までを遷移領域とした。ただし、ガスバリア性塗布膜113の成分がAl24H(質量数118.93)と同じ質量数の材料で構成される場合、118.93の波形を分離する必要がある。
ガスバリア性塗布膜113と透明蒸着層112の界面に、反応物AlSiO4と、水酸化物Al24Hとが生じる場合、それらと、第1プラスチックフィルム111と透明蒸着層112の間の界面に存在するAl24Hを分離することができる。このように、波形の分離については、ガスバリア性塗布膜113の材料に応じて適宜対応することができる。
波形分離においては、例えば、TOF−SIMSで得られた、質量数118.93のプロファイルを、Gaussian関数を用いて非線形のカーブフィッティングを行い最小二乗法Levenberg Marquardt アルゴリズムを使用して重複ピークの分離を行うことができる。
実施例A1〜A3及び比較例A1〜A4の蒸着フィルム11の透明蒸着層112の変成率を、(遷移領域の厚みW1/透明蒸着層112の厚み)×100(%)として算出した。結果を図20A及び図20Bに示す。
(色味)
分光側色計(コニカミノルタ株式会社製[機種名:CM−700d)を用いて、蒸着フィルム11から作製した測定用のサンプル1枚(第1プラスチックフィルム111/透明蒸着層112/ガスバリア性塗布膜113)のL*a*b*表色系におけるL*値、a*値およびb*値を測定した。結果を図20Aに示す。
(密着強度)
厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(CPPフィルム)と厚さ15μmの延伸ナイロンフィルムとを、2液硬化型ポリウレタン系接着剤を介してドライラミネート法により貼り合わせて、積層体を作製した。また、実施例A1〜A3及び比較例A1〜A2の蒸着フィルム11のガスバリア性塗布膜113側に2液硬化型ポリウレタン系接着剤を塗工し、乾燥処理することにより、ガスバリア性塗布膜113上に接着剤層を形成した。続いて、CPPフィルム及び延伸ナイロンフィルムを含む積層体と、蒸着フィルム11とを、蒸着フィルム11のガスバリア性塗布膜113上の接着剤層を介してドライラミネート法により貼り合わせて、評価用の包装材料(以下、レトルト処理前の評価用の包装材料とも称する)を作製した。包装材料の層構成は、外側から内側へ順に、以下のように表現される。
PETフィルム/透明蒸着層/ガスバリア性塗布膜/接着剤層/延伸ナイロンフィルム/接着剤層/CPPフィルム
〔レトルト処理後の密着性〕
レトルト処理前の評価用の包装材料を用いて、B5サイズの四方シールパウチを作製した。続いて、上部31の開口部31bから四方シールパウチの内部に水100mLを注入した後、上部シール部31aを形成して四方シールパウチを封止した。続いて、四方シールパウチに対して、135℃、40分間の熱水式レトルト処理を施した。以下の説明において、135℃、40分間の熱水式レトルト処理が施されたパウチを構成する包装材料のことを、レトルト処理後の評価用の包装材料とも称する。
続いて、レトルト処理後の評価用の包装材料に層間剥離が発生しているか否かを目視で確認した。結果、実施例A1〜A3及び比較例A1の蒸着フィルム11を備える包装材料においては層間剥離が発生していなかったが、比較例A2の蒸着フィルム11を備える包装材料においては層間剥離が発生していた。
〔レトルト処理後の常態剥離強度〕
レトルト処理後の評価用の包装材料を15mm巾の短冊状にカットして、レトルト処理後の常態剥離強度を測定するためのサンプルを作製した。続いて、サンプルの第1プラスチックフィルム111と透明蒸着層112の間の密着強度を、JIS K6854−2に準拠して測定した。測定器としては、引張試験機(株式会社オリエンテック社製[機種名:テンシロン万能材料試験機])を用いた。
測定においては、まず、図17に示すように、サンプル100の長辺方向の端部から長辺方向に沿って15mmの距離の位置まで、第1プラスチックフィルム111と透明蒸着層112との界面において第1サンプルを剥離させた。続いて、図18に示すようにサンプル100の第1プラスチックフィルム111側と透明蒸着層112側とをそれぞれ測定器のつかみ具81、82で把持し、第1プラスチックフィルム111と透明蒸着層112とがまだ積層されている部分の面方向に対して直交する方向において互いに逆向きに(180°剥離:T字剥離法)、50mm/minの速度で引っ張り、安定領域(図19参照)における引張力の平均値を測定した。引っ張りを開始する際の、つかみ具81,82間の間隔Sは30mmとし、引っ張りを終了する際の、つかみ具81,82間の間隔Sは60mmとした。図19は、つかみ具81,82間の間隔Sに対する引張力の変化を示す図である。図19に示すように、間隔Sに対する引張力の変化は、第1領域を経て、第1領域よりも変化率の小さい第2領域(安定領域)に入る。
評価用の包装材料の剥離は、密着強度が最も弱い第1プラスチックフィルム111と透明蒸着層112との間で生じると考えられる。5個のサンプル100について、安定領域における引張力の平均値を測定し、その平均値を評価用の包装材料の常態剥離強度とした。測定時の環境は、温度23℃、相対湿度50%とした。測定結果を図20A及び図20Bに示す。
〔レトルト処理後の水付け剥離強度〕
常態剥離強度の測定の場合と同様にして、レトルト処理後の評価用の包装材料を15mm巾の短冊状にカットして、レトルト処理後の水付け剥離強度を測定するためのサンプルを作製した。続いて、サンプルの第1プラスチックフィルム111と透明蒸着層112の間の密着強度を、JIS K6854−2に準拠して測定した。測定器としては、引張試験機(株式会社オリエンテック社製[機種名:テンシロン万能材料試験機])を用いた。測定においては、第1プラスチックフィルム111と透明蒸着層112とが接合を維持している部分と、第1プラスチックフィルム111と透明蒸着層112とが剥離されている部分との境界部にスポイトで水を滴下した状態で、つかみ具81、82を用いてサンプル100を引っ張った。その他の測定方法及び剥離強度の算出方法は、常態剥離強度の場合と同様である。測定結果を図20A及び図20Bに示す。
(酸素透過度)
密着強度の測定の場合と同様にして、実施例A1〜A3又は比較例A1〜A2の蒸着フィルム11を備える上述の「レトルト処理前の評価用の包装材料」及び「レトルト処理後の評価用の包装材料」を準備した。続いて、評価用の包装材料のそれぞれから、酸素透過度を測定するためのサンプルを作製した。
レトルト処理前の評価用のサンプルとしては、評価用の包装材料に36℃で48時間のエージング処理を施したものを用いた。レトルト処理後の評価用のサンプルとしては、密着強度の測定の場合と同様に、評価用の包装材料から作製した四方シールパウチに水100mLを封入し、四方シールパウチに135℃、40分間の熱水式レトルト処理を施した後、四方シールパウチの片面側の包装材料を切り出すことによって得られるものを用いた。
続いて、実施例A1〜A3及び比較例A1〜A2の5種類の測定サンプルのそれぞれを、第1プラスチックフィルムが酸素供給側となるようにセットして、23℃、90%RH雰囲気下の測定条件で、JIS K 7126 B法に準拠して酸素透過度を測定した。測定器としては、酸素透過度測定装置(モダンコントロール(MOCON)社製〔機種名:オクストラン(OX−TRAN)2/21〕)を用いた。結果を図20A及び図20Bに示す。
(水蒸気透過度)
酸素透過度の測定の場合と同一のサンプルを用いて、水蒸気透過度の測定を行った。具体的には、各測定サンプルを、第1プラスチックフィルムがセンサー側となるようにセットして、40℃、100%RH雰囲気下の測定条件で、JIS K 7126 B法に準拠して水蒸気透過度を測定した。測定器としては、水蒸気透過度測定装置(モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、パーマトラン(PERMATRAN)3/33〕)を用いた。結果を図20A及び図20Bに示す。
図20Aに示すように、実施例A1〜A3の蒸着フィルム11においては、透明蒸着層112の遷移領域の変成率が上述の5%以上60%以下の範囲内であり、具体的には10%以上25%以下の範囲内であった。透明蒸着層112の厚さが増加するにつれて変成率が減少する傾向が見られた。一方、図20Bに示すように、比較例A1〜A2の蒸着フィルム11においては、元素結合Al2O4ピークが小さすぎて分離できなかった為に、遷移領域の変成率が計算できなかった。また、比較例A3〜A4の蒸着フィルム11においては、プラズマ放電が安定せず、プラズマ前処理ができなかったため、遷移領域の変成率が計算できなかった。これらのことから、透明蒸着層112の遷移領域の変成率が5%以上60%以下の範囲内になるように蒸着フィルム11を作製するためには、以下の製造条件I〜IVを全て満たすことが好ましい。
製造条件I
透明蒸着層の厚さが8nm以上である。
製造条件II
酸素プラズマ処理における酸素ガスと不活性ガスとの混合比率が3/2.5以上3/1以下である。
製造条件III
酸素プラズマ処理における前処理圧力が1Pa以上20Pa以下である。
製造条件IV
酸素プラズマ処理におけるプラズマ強度が100W・sec/m2以上500W・sec/m2以下である。
図20Aに示すように、参考例A1の蒸着フィルム11のb*値は、実施例A1の蒸着フィルム11のb*値よりも大きかった。また、参考例A1の蒸着フィルム11においては、第1プラスチックフィルム111が着色している様子が目視で確認された。上述の製造条件I〜IVは、着色を抑制する上でも有用であると考えられる。
図20Aに示すように、実施例A1〜A3の蒸着フィルム11を備える包装材料においては、レトルト処理前及びレトルト処理後のいずれにおいても、酸素透過度が0.3cc/m2/24hr/atm以下であり、水蒸気透過度が0.6g/m2/24hr以下であった。一方、図20Bに示すように、比較例A1〜A2の蒸着フィルム11を備える包装材料のレトルト処理後のサンプルにおいては、酸素透過度が0.8cc/m2/24hr/atm以上であり、水蒸気透過度が1.0g/m2/24hr以上であった。特に、比較例A1の蒸着フィルム11を備える包装材料のレトルト処理後のサンプルにおいては、酸素透過度が1.0cc/m2/24hr/atm以上であり、水蒸気透過度が2.0g/m2/24hr以上であった。これらのことから、透明蒸着層112の遷移領域の変成率が5%以上60%以下の範囲内であることは、酸素や水蒸気などのガスに対するバリア性を維持する上で有効に機能し得ると言える。
図20Aに示すように、実施例A1〜A3の蒸着フィルム11を備える包装材料においては、レトルト処理後に層間剥離が発生していなかった。常態剥離強度は3.0N/15mm以上であり、水付け剥離強度は2.0N/15mm以上であった。一方、図20Bに示すように、比較例A1〜A2の蒸着フィルム11を備える包装材料においては、レトルト処理後に層間剥離が発生していた。これらのことから、透明蒸着層112の遷移領域の変成率が5%以上60%以下の範囲内であることは、蒸着フィルム11を備える包装材料に層間剥離が発生することを抑制する上で有効に機能し得ると言える。
[実施例B1]
蒸着フィルム11として、実施例A1のようにして作製した蒸着フィルム11を準備した。続いて、蒸着フィルム11のガスバリア性塗布膜113上にグラビア印刷法によって印刷層18した。続いて、印刷層18上にアンカーコート層17を形成した。続いて、アンカーコート層17上に溶融状態の低密度ポリエチレンを押し出して、厚み30μmのシーラント層12を形成した。このようにして、図1に示す層構成を有する包装材料10を作製した。
本実施例の包装材料10の層構成は、以下のように表現される。
バイオPET12/蒸着/バリア/印/AC/PE(1)30
「バイオPET」は、バイオマス由来成分を含むPETフィルムを意味する。「蒸着」は、酸化アルミニウム膜を意味する。「バリア」は、ガスバリア性塗布膜を意味する。「印」は、印刷層を意味する。「AC」は、アンカーコート層を意味する。「PE(1)」は、溶融押出しラミネート法により形成されたポリエチレンの層を意味する。数字は、層の厚み(単位はμm)を意味する。
続いて、包装材料10を用いて、図12に示す三方シールパウチ及び図13に示すピローパウチを作製した。三方シールパウチ及びピローパウチには、例えば菓子を収容することができる。
[実施例B2]
実施例B1の場合と同様に、蒸着フィルム11のガスバリア性塗布膜113上に印刷層18を形成し、印刷層18上にアンカーコート層17を形成した。また、蒸着フィルム11を含むフィルムとシーラント層12を構成するフィルムとを、接着樹脂層からなる第1接着層13を介してサンドラミネート法によって貼り合わせた。シーラント層12のフィルムとしては、ポリエチレンフィルム(厚さ30μm)を用いた。第1接着層13の接着樹脂としては、ポリエチレンを用いた。接着樹脂層の厚みは12μmであった。このようにして、図2に示す層構成を有する包装材料10を作製した。
本実施例の包装材料10の層構成は、以下のように表現される。
バイオPET12/蒸着/バリア/印/AC/接着樹脂15/PE(2)30
「接着樹脂」は、接着樹脂層を意味する。「PE(2)」は、ポリエチレンフィルムを意味する。
続いて、包装材料10を用いて、図12に示す三方シールパウチ及び図13に示すピローパウチを作製した。三方シールパウチ及びピローパウチは、食品、トイレタリー、医療・医薬などの用途で使用することができる。
[実施例B3]
実施例B1の場合と同様に、蒸着フィルム11のガスバリア性塗布膜113上に印刷層18を形成した。また、蒸着フィルム11を含むフィルムとシーラント層12を構成するフィルムとを、接着剤層からなる第1接着層13を介してドライラミネート法によって貼り合わせた。シーラント層12のフィルムとしては、無延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ25μm)を用いた。このようにして、図3に示す層構成を有する包装材料10を作製した。
本実施例の包装材料10の層構成は、以下のように表現される。
バイオPET12/蒸着/バリア/印/接着剤/CPP25
「接着剤」は、接着剤層を意味する。「CPP」は、無延伸ポリプロピレンフィルムを意味する。
続いて、包装材料10を用いて、図12に示す三方シールパウチ及び図13に示すピローパウチを作製した。三方シールパウチ及びピローパウチには、チョコレートや米菓子等を収容することができる。
[実施例B4]
シーラント層12としてポリエチレンフィルム(厚さ40μm)を用いたこと以外は、実施例B3の場合と同様にして、包装材料10を作製した。
本実施例の包装材料10の層構成は、以下のように表現される。
バイオPET12/蒸着/バリア/印/接着剤/PE(2)40
続いて、包装材料10を用いて、図13に示すピローパウチ及び図14に示すサイドガセットパウチを作製した。ピローパウチ及びサイドガセットパウチには、ウェットティッシュや漬物等を収容することができる。
[実施例B5]
実施例B1の場合と同様に、蒸着フィルム11のガスバリア性塗布膜113上に印刷層18を形成した。また、蒸着フィルム11を含むフィルムとシーラント層12を構成するフィルムとを、接着剤層からなる第1接着層13を介してドライラミネート法によって貼り合わせた。シーラント層12のフィルムとしては、ポリエチレンフィルム(厚さ30μm)を用いた。また、蒸着フィルム11及びポリエチレンフィルムを有する積層体と、第2プラスチックフィルム14として機能する延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ20μm)とを、接着剤層からなる第2接着層15を介してドライラミネート法によって貼り合わせた。このようにして、図4に示す層構成を有する包装材料10を作製した。なお、蒸着フィルム11においては、透明蒸着層112が第1プラスチックフィルム111の延伸ポリプロピレンフィルム側の面上に位置している。
本実施例の包装材料10の層構成は、以下のように表現される。
OPP20/接着剤/印/バリア/蒸着/バイオPET12/接着剤/PE(2)30
「OPP」は、延伸ポリプロピレンフィルムを意味する。
続いて、包装材料10を用いて、図15に示す蓋付容器の蓋部46を作製した。蓋付容器には、例えばベーコンを収容することができる。
[実施例B6]
第2プラスチックフィルム14としてポリエチレンフィルム(厚さ150μm)を用い、シーラント層12としてポリエチレンフィルム(厚さ150μm)を用いたこと以外は、実施例B5の場合と同様にして、包装材料10を作製した。
本実施例の包装材料10の層構成は、以下のように表現される。
PE(2)150/接着剤/印/バリア/蒸着/バイオPET12/接着剤/PE(2)150
続いて、包装材料10を用いて、図16に示すチューブを作製した。チューブには、例えばチョコレートを収容することができる。
[実施例B7]
第2プラスチックフィルム14として、厚さ15μmの延伸ナイロンフィルムを準備した。また、シーラント層12として、厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルムを準備した。続いて、延伸ナイロンフィルムと無延伸ポリプロピレンフィルムとを、接着剤層からなる第2接着層15を介してドライラミネート法によって貼り合わせた。また、蒸着フィルム11を準備し、蒸着フィルム11のガスバリア性塗布膜113上に印刷層18を形成した。その後、蒸着フィルム11を含むフィルムと、延伸ナイロンフィルム及び無延伸ポリプロピレンフィルムを有する積層体とを、接着剤層からなる第1接着層13を介してドライラミネート法によって貼り合わせた。このようにして、図6に示す層構成を有する包装材料10を作製した。
本実施例の包装材料10の層構成は、以下のように表現される。
バイオPET12/蒸着/バリア/印/接着剤/ナイロン15/接着剤/CPP60
続いて、包装材料10を用いて、図9に示すスタンディングパウチ及び図10に示すレンジ用パウチを作製した。スタンディングパウチ及びレンジ用パウチには、例えば惣菜を収容することができる。
[実施例B8]
シーラント層12として、厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルムを準備した。続いて、無延伸ポリプロピレンフィルムと蒸着フィルム11とを、透明蒸着層112が第1プラスチックフィルム111の面のうちシーラント層12と反対側の面上に位置するように、接着剤層からなる第1接着層13を介してドライラミネート法によって貼り合わせた。また、第2プラスチックフィルム14として、厚さ12μmの延伸PETフィルムを準備し、延伸PETフィルムに印刷層18を形成した。その後、延伸PETフィルムと、蒸着フィルム11及び無延伸ポリプロピレンフィルムを有する積層体とを、接着剤層からなる第2接着層15を介してドライラミネート法によって貼り合わせた。このようにして、図5に示す層構成を有する包装材料10を作製した。
本実施例の包装材料10の層構成は、以下のように表現される。
PET12/印/接着剤/バリア/蒸着/バイオPET12/接着剤/CPP60
続いて、包装材料10を用いて、図9に示すスタンディングパウチ及び図10に示すレンジ用パウチを作製した。スタンディングパウチ及びレンジ用パウチには、例えば惣菜を収容することができる。
[実施例B9]
シーラント層12として、厚さ50μmのポリエチレンフィルムを用いたこと以外は、実施例B7の場合と同様にして、包装材料10を作製した。
本実施例の包装材料10の層構成は、以下のように表現される。
バイオPET12/蒸着/バリア/印/接着剤/ナイロン15/接着剤/PE(2)50
続いて、包装材料10を用いて、図9に示すスタンディングパウチを作製した。スタンディングパウチには、例えば惣菜を収容することができる。
[実施例B10]
シーラント層12として、厚さ120μmのポリエチレンフィルムを用いたこと以外は、実施例B7の場合と同様にして、包装材料10を作製した。
本実施例の包装材料10の層構成は、以下のように表現される。
バイオPET12/蒸着/バリア/印/接着剤/ナイロン15/接着剤/PE(2)120
続いて、包装材料10を用いて、図11に示す詰め替えパウチを作製した。詰め替えパウチには、液体洗剤、シャンプー、リンス、コンディショナー等を収容することができる。
図21に、実施例B1〜B10の包装材料の層構成をまとめて示す。
10 包装材料
11 蒸着フィルム
111 第1プラスチックフィルム
112 透明蒸着層
113 ガスバリア性塗布膜
12 シーラント層
13 第1接着層
14 第2プラスチックフィルム
15 第2接着層
17 アンカーコート層
18 印刷層
30 包装容器
31 上部
32 下部
33 側部
34A 表面フィルム
34B 裏面フィルム
36 下部フィルム
36a 下部シール部
38 合掌部
39 収容部
40 蒸気抜き機構
41 蒸気抜きシール部
42 未シール部
43 注出口部
44 注出口シール部
45 容器本体
46 蓋部
47 チューブ本体
48 キャップ

Claims (7)

  1. 蒸着フィルムと、前記蒸着フィルムよりも内側に位置するシーラント層と、を備える包装材料であって、
    前記蒸着フィルムは、延伸された第1プラスチックフィルムと、前記第1プラスチックフィルム上に設けられ、酸化アルミニウムを含む透明蒸着層と、前記透明蒸着層上に設けられたガスバリア性塗布膜と、を有し、
    前記第1プラスチックフィルムは、バイオマス由来のポリエステルを含み、
    前記透明蒸着層は、遷移領域を含み、
    前記遷移領域は、前記蒸着フィルムを前記ガスバリア性塗布膜側から飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)を用いてエッチングを行うことで検出される、水酸化アルミニウムに変成する元素結合Al24Hのピークの位置と、前記透明蒸着層と前記第1プラスチックフィルムとの界面との間の領域であり、
    前記透明蒸着層の厚みに対する前記遷移領域の厚みの比率が、5%以上60%以下である、包装材料。
  2. 前記蒸着フィルムと前記シーラント層との間に位置するアンカーコート層を更に備える、請求項1に記載の包装材料。
  3. 前記蒸着フィルムと前記シーラント層との間に位置する接着樹脂層を更に備える、請求項1に記載の包装材料。
  4. 前記蒸着フィルムと前記シーラント層との間に位置する接着剤層を更に備える、請求項1に記載の包装材料。
  5. 前記第1プラスチックフィルムよりも外側に位置する第2プラスチックフィルムを更に備える、請求項1に記載の包装材料。
  6. 前記第1プラスチックフィルムと前記シーラント層との間に位置する第2プラスチックフィルムを更に備える、請求項1に記載の包装材料。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の包装材料から構成された包装容器。
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