JP2020033238A - ニッケル複合水酸化物の製造方法 - Google Patents

ニッケル複合水酸化物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】初期放電容量などの電池性能を損なうことなく安価にリチウムイオン二次電池用正極活物質を製造する方法を提供する。【解決手段】少なくとも硫酸ニッケルなどのニッケル塩を含む水溶液に中和剤及びアンモニア水溶液などの錯化剤を添加して中和処理することでニッケル複合水酸化物からなる粒子を生成させる晶析工程S1と、該晶析工程S1で生成された該粒子を含むスラリーをフィルターなどの固液分離装置に導入して該粒子を液相分から分離する固液分離工程S2とを含み、該中和剤の少なくとも一部に該液相分を用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、ニッケル複合水酸化物の製造方法に関し、特にリチウムイオン二次電池用の正極活物質の前駆体として使用されるニッケル複合水酸化物の製造方法に関する。
近年、スマートフォンやタブレットパソコンなどの小型情報端末の普及に伴い、高いエネルギー密度を有する小型で軽量な二次電池の需要が高まっている。また、ハイブリット自動車を始めとする電気自動車等の駆動用電源の分野においても、高出力の二次電池の需要が高まっている。二次電池には様々な種類のものが提案されているが、特に、二次電池を構成する負極及び正極の活物質にリチウムの脱離及び挿入が可能な材料を用いたリチウムイオン二次電池が注目されており、中でも、正極材料に層状又はスピネル型のリチウムニッケル複合酸化物を用いたリチウムイオン二次電池は、4V級の高い電圧が得られるうえエネルギー密度が高いため、既に各方面で実用化が進んでいる。
これまでに提案がなされている主な正極材料としては、合成が比較的容易なリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)、コバルトよりも安価な金属であるニッケルを用いたリチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)、マンガンを用いたリチウムマンガン複合酸化物(LiMn)、これらを全て含んだリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)などを挙げることができる。これらのうち、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物は比較的安価なうえ、容量、出力特性、耐久性などのバランスに優れるため、次世代の正極材料として注目されている。
ところで、上記の電池特性に優れた正極材料を得るためには、小粒径で且つ粒径分布が狭い正極活物質を用いることが有効である。その理由は、粒径分布が広い正極活物質を使用した場合、電極内で粒子に印加される電圧が不均一となることに起因して、充放電を繰り返すうちに微細な粒子が選択的に劣化し、放電容量が低下してしまうからである。また、放電容量の劣化が早くなることにより、サイクル特性が低下するからである。上記のリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物からなる正極活物質は、前駆体としてニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を経て製造されるため、正極活物質を小粒径で且つ粒径分布の狭い粒子により構成するためには、その前駆体となるニッケルコバルトマンガン複合水酸化物も、同様に小粒径で且つ粒径分布の狭い粒子により構成することが望ましい。
上記のようにリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物の粒径を調整する技術に関しては、例えば特許文献1に、粒径分布曲線において、累積頻度が50%のときの粒径を意味する平均径D50が3〜15μm、最小粒径が0.5μm以上、最大粒径が50μm以下の粒径分布を有する粒子であり、且つ累積頻度がそれぞれ10%及び90%のときの粒径であるD10及びD90と上記D50との関係式D10/D50が0.60〜0.90であり、D10/D90が0.30〜0.70であるリチウム複合酸化物が開示されており、これにより充放電容量、安全性、サイクル特性、及び出力特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供できると記載されている。
また、前駆体としてのニッケルマンガン複合水酸化物粒子の粒径を調整する技術に関しては、例えば特許文献2に、平均粒径が3〜11μmであり、粒度分布の広がりを示す指標である〔(D90−D10)/平均粒径〕が0.55以下であり、複数の一次粒子が凝集して形成された球状の二次粒子からなるニッケルマンガン複合水酸化物粒子であって、該二次粒子内部と外周部の組成が異なる多層構造となっており、二次粒子の内部の組成より外周部の組成のMn/Ni比を高くする技術が開示されており、これにより活物質のアルカリ度を低減すると共に粒径均一性が高く、且つ適度な粒径を有する正極活物質を作製できると記載されている。
特開2008−147068号公報 特開2012−256435号公報
上記した特許文献1や2に記載の技術によりサイクル特性や放電容量等の電池特性に優れた正極活物質を作製することができると考えられるが、リチウムイオン二次電池の用途が広がるに従って上記の電池特性を損なうことなくより一層安価に製造することが求められている。本発明はこのような情況に鑑みてなされたものであり、初期放電容量などの電池性能を損なうことなく安価にリチウムイオン二次電池用正極活物質を製造する方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るニッケル複合水酸化物の製造方法は、少なくともニッケル塩を含む水溶液に中和剤及び錯化剤を添加して中和処理することでニッケル複合水酸化物からなる粒子を生成させる晶析工程と、前記晶析工程で生成された前記粒子を含むスラリーを固液分離装置に導入して該粒子を液相分から分離する固液分離工程とを含み、前記中和剤の少なくとも一部に前記液相分を用いることを特徴としている。
本発明によれば、電池性能を損なうことなく安価にリチウムイオン二次電池を製造することができる。
本発明の実施形態に係るニッケル複合水酸化物の製造方法のプロセスフロー図である。
1.ニッケル複合水酸化物の製造方法
以下、本発明のニッケル複合水酸化物の製造方法の実施形態として、ニッケルマンガン複合水酸化物の製造方法について図1を参照しながら説明する。この本発明の実施形態のニッケルマンガン複合水酸化物の製造方法は、ニッケル塩及びマンガン塩を少なくとも含む水溶液に中和剤及び錯化剤を添加して中和処理することでニッケルマンガン複合水酸化物からなる粒子を生成させる晶析工程S1と、該晶析工程S1で生成された該粒子を含むスラリーを固液分離装置に導入して該粒子を液相分から分離する固液分離工程S2とを含み、前記中和剤の少なくとも一部に該液相分を用いるものである。
上記の晶析工程S1は、主として核生成反応が生じる核生成工程と、主として粒子成長反応が生じる粒子成長工程とを、例えば反応条件を変えることにより別々に進行させてもよいし、これら核生成工程と粒子成長工程とを実質的に同時並行的に進行させてもよい。前者の核生成工程と粒子成長工程とを別々に進行させる場合は、より狭い粒径分布を有する複合水酸化物粒子を生成できるので好ましい。また、核生成工程及び粒子成長工程にそれぞれ供給する金属塩水溶液の分配比率を調整することにより、より小粒径で且つ高いタップ密度を有する複合水酸化物を得ることができる。以下、晶析工程S1において核生成工程と粒子成長工程とを別々に進行させる場合を例に挙げて詳細に説明する。
(a)原料準備工程
先ず、原料となる金属塩水溶液、アルカリ水溶液、及びアンモニア水溶液をそれぞれ調製する。金属塩水溶液としては、硫酸ニッケルなどのニッケル塩、硫酸マンガンなどのマンガン塩、及び必要に応じてCo、W、Mo、V、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、Nb、Zr及びTaからなる群から選択される1種以上の添加元素の化合物を用意し、これらを所定の配合割合で水に溶解させて金属塩水溶液を調製する。金属化合物である上記のニッケル塩、マンガン塩、及び添加元素化合物は、いずれも水溶性の化合物であるのが好ましく、係る水溶性の化合物としては、硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩などを挙げることができ、例えば硫酸ニッケル、硫酸コバルト、硫酸マンガンなどが好適に用いられる。
なお、上記の所定の配合割合に調製された金属塩水溶液に含まれる各金属元素の物質量比(モル比)が、晶析により生成されるニッケルマンガン複合水酸化物の組成に実質的に一致する。従って、ニッケルマンガン複合水酸化物が所望の組成を有するように、該組成と同じモル比となるように配合した金属元素を水に溶解させることが必要になる。例えば、Ni1/3Co1/3Mn1/3(OH)の組成式を有するニッケルマンガン複合水酸化物を作製する場合は、ニッケル塩、マンガン塩、及びコバルト塩を等モルずつ水に溶解させることになる。
上記の金属塩水溶液の金属塩濃度は、添加した金属化合物の合計で1.0〜2.6mol/Lの範囲内が好ましく、1.5〜2.2mol/Lの範囲内がより好ましい。この金属塩濃度が1mol/L未満では、反応槽あたりの晶析物量が少なくなるために生産性が低下するおそれがある。逆に、金属塩濃度が2.6mol/Lを超えると、常温での飽和濃度を超えるため、結晶が再析出して設備の配管を詰まらせるおそれがある。
なお、上記の複数の金属化合物は、必ずしもそれら全てを含んだ1種類の金属塩水溶液として反応槽に供給する必要はなく、例えば、混合により反応して化合物が生成されるような金属化合物を用いる場合は、個別に金属塩水溶液を調製し、得られた複数種類の金属塩水溶液を所定の割合で同時に反応槽内に供給してもよい。
原料となるアンモニア水溶液は、アンモニウムイオン供給体を含むものであれば特に限定はなく、例えば、アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、フッ化アンモニウムなどを使用することができる。また、反応水溶液のpH調整を行うアルカリ水溶液についても特に限定はなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物水溶液を用いることができる。
上記のアルカリ金属水酸化物を用いる場合は、反応水溶液中に直接供給してもよいが、反応槽内における反応水溶液のpH制御の容易さの観点から、水溶液として反応槽内の反応水溶液に添加することが好ましい。また、アルカリ水溶液を反応槽に添加する方法についても特に限定はなく、反応水溶液を十分に攪拌しながら、定量ポンプなどの流量制御が可能なポンプを用いて反応水溶液のpH値が所定の範囲内に保持されるように添加すればよい。
(b)核生成工程
次に、撹拌機を備えた密閉された反応槽に中和剤としての水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ水溶液、アンモニウムイオン供給体としてのアンモニア水溶液、及び水を装入して撹拌機で混合する。これにより、反応前水溶液を調製する。なお、本発明の実施形態のニッケルマンガン複合水酸化物の製造方法では、反応が完了するまで生成物を回収しない方式のバッチ反応槽を用いるのが好ましい。これにより、オーバーフローによって生成物を回収する一般的な連続晶析装置において生じる成長中の粒子がオーバーフロー液と同時に回収される問題が生じなくなるため、粒径分布が狭く粒径の揃った粒子を生成することができる。
この反応前水溶液は、上記アルカリ水溶液の装入量の調整により液温25℃基準でのpH値を12.0〜14.0の範囲内にするのが好ましく、12.3〜13.5の範囲内にするのがより好ましく、12.5〜13.3の範囲内にするのが最も好ましい。これにより、核の成長を抑制してほぼ核生成のみを生じさせることができ、均質かつ粒径分布の範囲が狭い核を形成することができる。このpH値が14.0を超えると、生成する核が微細になり過ぎ、反応水溶液がゲル化するおそれがある。逆に、このpH値が12.0未満では、核形成と共に核の成長反応が生じるので、核の粒径分布の範囲が広くなり不均質になるおそれがある。
反応前水溶液のアンモニウムイオンの濃度は、アンモニア水溶液の装入量を調整することにより、3〜25g/Lの範囲内にするのが好ましく、5〜20g/Lの範囲内にするのがより好ましい。アンモニアは錯化剤として作用するため、アンモニア濃度が3g/L未満では金属イオンの溶解度を一定に保持することが困難になり、形状及び粒径が整った板状の水酸化物一次粒子が形成されにくくなり、ゲル状の核が生成しやすくなるため粒径分布が広がりやすくなる。
逆に、上記アンモニア濃度が25g/Lを超えると、金属イオンの溶解度が大きくなり過ぎ、反応水溶液中に残存する金属イオン量が増えて、組成のずれなどが起きるおそれがある。また、アンモニア濃度が変動すると金属イオンの溶解度が変動し、均一な水酸化物が形成されにくくなるため、一定値に保持することが好ましい。例えば、アンモニア濃度は、上限と下限の幅を5g/L程度として所望の濃度に保持することが好ましい。
更に、反応前水溶液の温度は、20℃以上が好ましく、30〜60℃の範囲内がより好ましい。この反応液温度が20℃未満の場合、溶解度が低いため核発生が起こりやすく制御が難しくなる。一方、60℃を超えると、アンモニアの揮発が促進されるため、所定のアンモニア濃度を保つために、過剰のアンモニウムイオン供給体を添加しなければならず、コスト高となる。なお、上記の反応槽内の反応前水溶液のpH値及びアンモニウムイオンの濃度は、それぞれ一般的なpH計及びイオンメータによって測定することができる。
この核生成工程の雰囲気は特に限定されないが、反応槽内に不活性ガスを導入することで反応槽内の雰囲気を非酸化性雰囲気にするのが好ましい。具体的には、反応槽内の雰囲気を酸素濃度5体積%以下にするのが好ましく、酸素濃度2体積%以下にするのがより好ましい。この酸素濃度が5体積%より高くなると、生成する核が疎になって粒子密度が低下し、正極活物質の粒子密度が低下するおそれがある。更に、球形度の低い核が生成しやすくなり、後工程の粒子成長工程においても球形度の高い粒子が得られず、充填性が低下するおそれがある。
上記のように非酸化性雰囲気の反応槽内において反応前水溶液の温度、pH値、及びアンモニウムイオン濃度の調整を行った後、この反応前水溶液を攪拌しながら前述した金属塩水溶液を該反応槽内に好ましくは一定の流量で供給する。これにより得られる反応前水溶液と金属塩水溶液との混合液である核生成用水溶液中において、複合水酸化物の微細な核が生成される。このとき、核生成用水溶液のpH値を上記範囲内に調整することで、生成した核はほとんど成長することなく、核の生成が優先的に生じる。
ある程度時間が経過して、核生成用水溶液中に所定量の核が生成した段階で、核生成工程を終了する。所定量の核が生成したか否かの判断は、核生成用水溶液に添加した金属塩の量を測定することにより行うことができる。なお、この核生成工程においては、晶析工程S1の全体で消費する金属塩水溶液中の金属化合物に由来する金属元素の全物質量のうち、0.6〜5.0%を消費するのが好ましく、0.7〜5.0%を消費するのがより好ましく、0.8〜4.5%を消費するのが最も好ましい。
この場合、核生成工程と粒子成長工程とでモル濃度が等しい金属塩水溶液を用いる場合は、該金属塩水溶液の液量を指標として制御することができる。これにより、凝集を抑制しながら、タップ密度の高い小粒径な粒子を得ることができる。また、核生成工程において用いる金属塩水溶液中の金属元素を適切に制御することで、より高い球形度を達成して、その充填性をより高いものとすることができる。
また、核生成工程では、粒子成長工程後にメジアン径D50が1〜7μmの範囲であり且つ球状性の高い粒子を得るため、反応前水溶液の単位体積当たりの撹拌機の所要動力を6.0〜30kW/mの範囲内にするのが好ましく、8〜30kW/mの範囲内にするのがより好ましく、10〜25kW/mの範囲内にするのが最も好ましい。これにより、凝集による粗大粒子の生成が抑制されると共に、一次粒子の成長も適度に調整されて粒子密度自体が向上して、正極活物質において、その充填密度が改善される。
上記の核生成工程における攪拌所要動力が6.0kW/m未満では、生成した核同士が凝集しやすくなり、粒径分布が広くなったり、粗大粒子が生成したりして、粒子成長工程後に得られるニッケルマンガン含有複合水酸化物のメジアン径D50が7μmを超える場合がある。また、凝集すると粒子のモフォロジが崩れ、すなわち球状性が悪化するため、粒子成長工程後の粒子のタップ密度の低下を招く。
逆に、攪拌所要動力が30kW/mを超えると、攪拌による熱の発生のため槽内の核生成反応が不安定となったり、攪拌せん断力がほとんど変化せずに凝集抑制の効果も変わらなくなったりする。更に、安全面の観点からも30kW/mを超えないようにする方が好ましい。粒子成長工程において攪拌所要動力は核生成工程と同様でよいが、ある程度成長させると凝集はほとんど起こらないため、核生成工程よりも小さい攪拌所要動力で反応させても問題はない。
なお、金属塩水溶液の供給による核生成に伴って、核生成用水溶液内のpH値及びアンモニウムイオンの濃度が変化するので、核生成用水溶液に対して、金属塩水溶液と共にアルカリ水溶液やアンモニア水溶液を適宜供給して、核生成用水溶液の液温25℃基準でのpH値を12.0〜14.0の範囲内に、アンモニウムイオンの濃度を3〜25g/Lの範囲内にそれぞれ維持するのが好ましい。なお、pH値の調整は、金属化合物を構成する酸と同種の無機酸を用いてもよく、例えば、金属化合物が硫酸塩の場合は、反応槽への硫酸の添加量で調整することができる。また、核生成用水溶液のpH値の変動幅が設定値に対して上下0.2以内であるのが好ましい。このpH値の変動幅が0.2よりも大きくなると、粒度分布にばらつきが生じやすくなり、粒径分布の範囲の狭い均一なニッケルマンガン含有複合水酸化物が得られにくくなる。
(c)粒子成長工程
上記の核生成工程の終了後、中和剤の供給量を調節することにより核生成用水溶液の液温25℃基準でのpH値を核生成工程の場合よりも0.5〜3.5程度低くすることで、好ましくはpH値を10.5〜12.0の範囲内に、より好ましくは11.0〜12.0の範囲内に調整する。これにより、粒子成長用水溶液を得る。粒子成長用水溶液のpH値を上記範囲内にすることにより、核の生成反応よりも核の成長反応の方が優先して生じるので、粒子成長工程において、粒子成長用水溶液内に新たな核はほとんど生成することなく、核が成長(粒子成長)して、所定の粒径を有するニッケルマンガン含有複合水酸化物が形成される。
このpH値が12.0を超えると、新たに生成される核が多くなって微細な二次粒子が生成するため、粒径分布が良好な水酸化物が得られなくなるおそれがある。逆に、上記pH値が10.5未満では、アンモニアイオンによる溶解度が高く、析出せずに液中に残る金属イオンが増えるため、生産効率が悪化する。
なお、pH値が12の場合は、核生成と核成長の境界条件であるため、反応水溶液中に存在する核の有無により、核生成工程もしくは粒子成長工程のいずれかの条件とすることができる。すなわち、核生成工程のpH値を12より高くして多量に核生成させた後、粒子成長工程でpH値を12とすると、反応水溶液中に多量の核が存在するため、核の成長が優先して起こり、粒径分布が狭く比較的大きな粒径のニッケルマンガン含有複合水酸化物が得られる。
一方、反応水溶液中に核が存在しない状態、すなわち、核生成工程においてpH値を12とした場合、成長する核が存在しないため、核生成が優先して起こり、粒子成長工程のpH値を12より小さくすることで、生成した核が成長して良好なニッケルマンガン含有複合水酸化物が得られる。いずれの場合においても、粒子成長工程のpH値を核生成工程のpH値より低い値で制御すればよく、核生成と粒子成長を明確に分離するためには、粒子成長工程のpH値を核生成工程のpH値より0.5以上低くすることが好ましく、1.0以上低くすることがより好ましい。
粒子成長工程の雰囲気は特に限定されないが、反応槽内に不活性ガスを導入することで反応槽内の雰囲気を非酸化性雰囲気にするのが好ましい。具体的には、反応槽内の雰囲気を酸素濃度5体積%以下にするのが好ましく、酸素濃度2体積%以下にするのがより好ましい。この酸素濃度が5体積%より高くなると、ニッケル、マンガンなどの金属の酸化が進み、疎な粒子になるおそれがある。また、成長後の粒子のモフォロジが崩れ、タップ密度の高い粒子が得られなくなるおそれがある。ここで「モフォロジ」とは、粒子の外形、平均粒径、粒度分布の広がりを示す指標であり、球形度、結晶構造などの粒子の形態、構造に関わる特性である。
上記のように非酸化性雰囲気の反応槽内において粒子成長用水溶液のpH値の調整を行った後、前述した金属塩水溶液の全量から上記核生成工程で用いた液量を差し引いた残りを好ましくは滴下により供給する。なお、ニッケルマンガン含有複合水酸化物が所定の粒径まで成長した時点で該金属塩水溶液の供給を終了してもよい。ここで、生成するニッケルマンガン含有複合水酸化物の粒径は、予備試験により、核生成工程と粒子成長工程のそれぞれの工程における反応水溶液(核生成用水溶液および粒子成長用水溶液)への金属塩の添加量と得られる粒子の粒径との関係を求めておけば、それぞれの工程での金属塩の添加量から容易に判断することができる。なお、この粒子成長工程においても、撹拌機の所要動力を3.0〜25kW/mの範囲内にするのが好ましく、5〜25kW/mの範囲内にするのがより好ましく、6〜20kW/mの範囲内にするのが最も好ましい。
また、核生成工程と同様に、粒子成長工程においても金属塩水溶液の供給による粒子成長の反応に伴って粒子成長用水溶液のpH値及びアンモニウムイオンの濃度が変化するので、粒子成長用水溶液に対して、金属塩水溶液と共に中和剤やアンモニア水溶液を適宜供給して、粒子成長用水溶液の液温25℃基準でのpH値を10.5〜12.0の範囲内に、アンモニウムイオンの濃度を3〜25g/Lの範囲内にそれぞれ維持するのが好ましい。また、核生成工程と同様に、反応槽内の反応水溶液のpH値の変動幅が設定値に対して上下0.2以内であるのが好ましい。このpH値の変動幅が0.2よりも大きくなると、粒度分布にばらつきが生じやすくなり、粒径分布の範囲の狭い均一なニッケルマンガン含有複合水酸化物が得られにくくなる。
本発明の実施形態におけるニッケルマンガン複合水酸化物の製造方法においては、上記核生成工程及び粒子成長工程のどちらか一方、又は両方でのpH調整に用いる中和剤の少なくとも一部に、後述する固液分離工程S2での固液分離により排出される液相分を用いる。これにより、晶析工程S1で使用するアルカリ剤の消費量を削減することができるので、ニッケルマンガン複合水酸化物の製造コストを抑えることができる。なお、上記中和剤の一部を上記液相分で代替する場合は、残りの中和剤は前述した原料準備工程で調製した水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ剤を用いることができる。
(d)固液分離工程
上記の晶析工程S1で生成した粒子を含むスラリーは、次に固液分離工程S2において固液分離装置に導入され、ここで該粒子を含むスラリーを固液分離することで、該粒子が湿潤ケーキの形態で回収される。回収した湿潤ケーキは、好ましくは洗浄液として水を用いてレパルプ洗浄した後、再度固液分離してから大気雰囲気下で乾燥される。これにより、ニッケルマンガン複合水酸化物が得られる。一方、固液分離装置から排出される液相分は、前述したように、晶析工程S1の中和剤として用いる。
上記の固液分離装置には特に限定はなく、フィルタープレス等のろ過装置、遠心分離機、液体サイクロン等の一般的な固液分離装置を用いることができる。上記の中和剤として用いる液相分は、晶析工程S1で添加する全中和剤100容量部のうち10〜80容量部を占めるのが好ましい。この量が10容量部未満では少なすぎてコスト低減効果が得られなくなり、逆に80容量部を超えると晶析工程S1において投入される中和剤液量が増加するため粒子成長工程におけるスラリー濃度が減少し、微粉生成が促進されることでモフォロジが崩れやすくなる。
上記の中和剤として用いる液相分は、アンモニア濃度を5g/L以上25g/L以下であるのが好ましい。上記中和剤として用いる液相分のアンモニア濃度が3g/L未満では金属イオンの溶解度を一定に保持することが困難になり、形状及び粒径が整った板状の水酸化物一次粒子が形成されにくくなり、ゲル状の核が生成しやすくなるため粒径分布が広がりやすくなる。
逆に、上記アンモニア濃度が25g/Lを超えると、金属イオンの溶解度が大きくなり過ぎ、反応水溶液中に残存する金属イオン量が増えて、組成のずれなどが起きるおそれがある。また、アンモニア濃度が変動すると金属イオンの溶解度が変動し、均一な水酸化物が形成されにくくなるため、一定値に保持することが好ましい。例えば、アンモニア濃度は、上限と下限の幅を5g/L程度として所望の濃度に保持することが好ましい。なお、中和剤として用いる液相分のアンモニア濃度が上記範囲を外れる場合は、該液相分を晶析工程S1に戻す前に、調整工程において水で薄めたりアンモニア水溶液を添加したりすればよい。
また、上記の中和剤として用いる液相分は、pH値が10.0以上14.0以下であるのが好ましく、10.5以上12.5以下であるのがより好ましい。このpH値が14.0を超えると、新たに生成される核が多くなって微細な二次粒子が生成するため、粒径分布が良好な水酸化物が得られなくなるおそれがある。逆に、上記pH値が10.0未満では、アンモニアイオンによる溶解度が高く、析出せずに液中に残る金属イオンが増えるため、生産効率が悪化する。
上記固液分離工程S2において、フィルターの損傷等により分離が不十分であった場合、液相中に固相分が混入し、核生成工程及び粒子成長工程における粒度分布の制御が困難になる。そのため、上記の中和剤として用いる液相分は、90度散乱光方式の濁度計で測定して得られる濁度が500mg/L以下であるのが好ましく、150mg/L以下であるのがより好ましい。該液相分の濁度が上記値を超えると核生成工程又は粒子成長工程で生成される粒子の粒径にばらつきが生じやすくなる。なお、中和剤として用いる液相分の濁度が上記の値を超える場合は、該液相分を晶析工程S1に戻す前に、必要に応じて上記フィルターの損傷等を問題を解決してから再び固液分離装置に戻すか、別途フィルターでろ過すればよい。
2.ニッケルマンガン含有複合水酸化物
上記した本発明の実施形態のニッケルマンガン複合水酸化物の製造方法によって作製されるニッケルマンガン複合水酸化物は、一般式:Ni1−a−bMn(OH)2+αで表され、複数の板状あるいは針状の一次粒子が凝集して形成された二次粒子の形態を有している。上記一般式中、Mは、Co、W、Mo、V、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、Nb、Zr及びTaからなる群から選択される1種以上の添加元素であり、0.05≦a≦0.60、0≦b≦0.60、0.30≦(1−a−b)≦0.95である。
この一般式の組成比は、後述する焼成工程の後も維持されるので、最終的に生成される正極活物質の組成比とほぼ一致することになる。なお、上記一般式中のMがCoの場合は特に電池容量及び出力特性において優れた二次電池が得られるので好ましい。また、上記一般式中、αは複合水酸化物に含まれる金属元素の価数に応じて変化する係数であり、−0.5≦α≦0.5である。
次に、上述した前駆体製造方法の一例である、晶析工程S1において核生成工程と粒子成長工程とを別々に進行させた場合に得られるニッケルマンガン複合水酸化物を例に挙げ、その特徴を説明する。上記した本発明の実施形態のニッケルマンガン複合水酸化物の製造方法によって作製されるニッケルマンガン複合水酸化物は、晶析工程S1において核生成工程と粒子成長工程とを別々に進行させ、撹拌動力、温度、アンモニア濃度、pHを上述した範囲に調整することにより、そのメジアン径D50を1〜7μmの範囲内に、より好ましくは2〜6μmの範囲内にすることができる。ここで、メジアン径D50は、粒子数を粒径の小さい方から累積し、累積分布が50体積%となるときの粒径を意味する。正極活物質の前駆体であるニッケルマンガン複合水酸化物のメジアン径をこの範囲に調整することにより、正極活物質のD50を1〜8μmの範囲とすることができる。焼成条件によっては、活物質合成時に粒子同士が焼結凝集することで、前駆体の粒径よりも活物質の粒径が大きくなることがあるものの、前駆体の粒径分布と、それを用いて得られる正極活物質の粒径分布とは相関があるため、所望の電池特性を得ることができる。
この前駆体であるニッケルマンガン含有複合水酸化物のD50が1μm未満であると、正極活物質のD50も小さくなり、二次電池において、正極活物質の充填密度が低下する結果、容積あたりの電池容量が低下する。一方、ニッケルマンガン含有複合水酸化物のD50が7μmを超えると、正極活物質の比表面積が低下して、電解液との界面が減少する結果、二次電池の正極の抵抗が上昇して、その出力特性及びサイクル特性が低下する。
本発明の実施形態のニッケルマンガン複合水酸化物の製造方法によって作製されるニッケルマンガン複合水酸化物は、晶析工程S1において核生成工程と粒子成長工程とを別々に進行させ、撹拌動力、温度、アンモニア濃度、pHを上述した範囲に調整することにより、その粒径分布の広がりを示す指標である〔(D90−D10)/D50〕を0.50以下、好ましくは0.46以下にすることができる。上述のように、前駆体の粒径分布とそれを用いて得られる正極活物質の粒径分布との間に相関があるため、ニッケルマンガン複合水酸化物の粒径分布が広いとき、すなわち、〔(D90−D10)/D50〕が、0.50より大きい場合には、得られる正極活物質の粒径分布も広くなる。その結果、正極活物質において、微細粒子と粗大粒子とが混在することとなり、二次電池の特性上、好ましくない。
具体的には、微細粒子が多く存在する正極活物質を用いて正極を形成した場合、微細粒子の局所的な反応に起因して発熱する可能性があり、電池の安全性が低下すると共に、微細粒子が選択的に劣化するため、二次電池のサイクル特性が悪化してしまう。一方、粗大粒子が多く存在する正極活物質を用いて正極を形成した場合、電解液と正極活物質との反応面積が小さくなるため、反応抵抗の増加により二次電池の電池出力が低下する。
よって、粒径分布の広がりを示す指標である〔(D90−D10)/D50〕を0.50以下となるように上記晶析工程S1の各種パラメータを調整することにより、得られるニッケルマンガン複合水酸化物を前駆体として用いて得られる正極活物質の粒径分布の〔(D90−D10)/D50〕を低減し、その粒径を均一化することができる。このような正極活物質を二次電池の正極材料として用いることにより、二次電池において、高エネルギー密度かつ良好なサイクル特性の両立を達成することができる。上記の指標は、小さいほど正極活物質の粒径分布を狭くすることができるが、現実的な下限は0.1程度である。
なお、粒径分布の広がりを示す指標〔(D90−D10)/D50〕において、D10は、粒子数を粒径の小さい方から累積し、累積頻度が10%となるときの粒径を意味する。同様に、D90は、粒子数を粒径の小さい方から累積し、累積頻度が90%となるときの粒径を意味する。なお、本発明において、D50、D90、D10を求める手段は特に限定されないが、例えば、レーザー光回折散乱式粒度分析計で測定した体積積算値から求めることができる。
本発明の実施形態のニッケルマンガン複合水酸化物の製造方法によって作製されるニッケルマンガン複合水酸化物は、メジアン径D50及び粒径分布の広がりを示す指標である〔(D90−D10)/D50〕を上記範囲に調整することにより、複合水酸化物の比表面積を2.5m/g以上50m/g以下の範囲内に、好ましくは4m/g以上15m/g以下の範囲内にすることができる。比表面積が上記範囲内である場合、複合水酸化物を前駆体として用いた正極活物質の出力特性により優れる。
3.リチウムイオン二次電池用正極活物質
上記した本発明の実施形態のニッケルマンガン複合水酸化物の製造方法によって作製されるニッケルマンガン複合水酸化物を用いて作製される正極活物質は、一般式:LiNi1−a−bMnで表され、層状構造を有する六方晶系の結晶構造を有するリチウムニッケルマンガン複合酸化物であり、式中のMは、Co、W、Mo、V、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、Nb、Zr及びTaから選択される1種以上の元素であり、0.05≦a≦0.60、0≦b≦0.60、0.95≦c≦1.20、0.30≦(1−a−b)≦0.95である。
上記一般式において、リチウムの過剰量cが0.95未満の場合、正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池の充放電容量が低下するおそれがある。更に、反応抵抗が大きくなりやすく、二次電池の出力が低くなるおそれがある。逆に、cの値が大きくなるに応じて充放電容量は増加するが、1.15を超える場合、焼成時に焼結や凝集が発生したり、マンガン酸リチウムなどの異相が形成されたりして、放電容量の低下につながることがある。
前駆体製造方法の一例である、晶析工程S1において核生成工程と粒子成長工程とを別々に進行させた場合に得られるニッケルマンガン複合水酸化物を用いた場合、上記の正極活物質は、メジアン径D50を1〜8μmの範囲内に、好ましくは2〜7μmの範囲内にすることができる。これにより、この正極活物質を正極に用いた二次電池では、正極活物質の比表面積の増加により反応抵抗が低減されることで、質量あたりの電池容量を大きくすることができると共に、高いサイクル特性、高い安全性、高出力などに優れた電池特性が得られる。このメジアン径D50が1μm未満の場合には、正極活物質の充填性が大きく低下し、単位重量あたりの電池容量を高くするのが困難になる。逆に、メジアン径D50が8μmを超えると、充填性は大きく悪化しないものの、サイクル特性の低下や比表面積が低下しやすくなり、電解液との界面が減少することにより、正極の抵抗が上昇して二次電池の出力特性が低下するおそれがある。
上記の正極活物質は、その粒径分布の広がりを示す指標である〔(D90−D10)/D50〕を0.85以下、好ましくは0.60以下にすることができる。これにより、微細粒子や粗大粒子の割合を少なくすることができ、この正極活物質を正極に用いた電池は、安全性に優れ、良好なサイクル特性及び電池出力を有するものとなる。なお、メジアン径D50や、D90、D10は、上述したニッケルマンガン複合水酸化物に用いられているものと同様のものであり、測定も同様にして行うことができる。前記指標は、小さいほど良好な電池特性が得られるが、ニッケルマンガン含有複合水酸化物と同様にその下限は0.1程度である。
粒径分布が広範囲になっている場合、正極活物質に、メジアン径D50に対して粒径が非常に小さい微細粒子や、メジアン径D50に対して非常に粒径の大きい粗大粒子が多く存在することになる。微細粒子が多く存在する正極活物質を用いて正極を形成した場合には、微細粒子の局所的な反応に起因して発熱する可能性があり、安全性が低下すると共に、微細粒子が選択的に劣化するのでサイクル特性が悪化してしまう。一方、粗大粒子が多く存在する正極活物質を用いて正極を形成した場合には、電解液と正極活物質との反応面積が十分に取れず、反応抵抗の増加による電池出力が低下する。
4.リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法
上記の正極活物質の製造方法は、上記平均粒径、粒径分布、粒子構造及び組成となるように正極活物質を製造できるのであれば特に限定はなく、例えば正極活物質の原料となるニッケルマンガン複合水酸化物とリチウム化合物を混合して混合物を形成する混合工程と、混合工程で形成された混合物を焼成する焼成工程とを含む方法で好適に作製することができる。以下、それぞれの工程について説明する。
(a)混合工程
混合工程は、上記固液分離工程で得られたニッケルマンガン複合水酸化物(前駆体)とリチウム化合物とを混合してリチウム混合物を得る工程である。リチウム化合物には炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウム、塩化リチウムなどを選択することができるが、反応性や不純物混入の観点から、炭酸リチウム、水酸化リチウムを用いることが望ましい。リチウム化合物とニッケルマンガン複合水酸化物の混合には、例えばシェーカーミキサーやレーディゲミキサー、ジュリアミキサー、Vブレンダーなどを用いることができ、ニッケルマンガン複合水酸化物の形骸が破壊されない程度で、リチウム化合物とニッケルマンガン複合水酸化物とが十分に混合されればよい。
(b)焼成工程
焼成工程は、前記混合工程で得られたリチウム混合物を熱処理してリチウム遷移金属複合酸化物を作製する。リチウム混合物の熱処理は、酸化性雰囲気中において、750〜1000℃の範囲の焼成温度で、5〜20時間保持して焼成することにより行われる。このとき、2段階で焼成を行ってもよく、1段階目の焼成温度は2段階目の焼成温度より低い温度であればよい。例えば、2段目の焼成温度が900℃であれば、1段目の焼成温度は700〜800℃程度の任意の温度が選択される。
焼成温度は、750〜1000℃、好ましくは780〜950℃の範囲、より好ましくは800〜900℃の範囲とし、保持時間は5〜15時間とすることが好ましい。焼成温度が750℃未満であると、前駆体中へのリチウムの拡散が十分に行われなくなり、余剰のリチウムや未反応の粒子が残ったり、結晶構造が不十分になったりして、十分な電池特性が得られないという問題が生じる。また、焼成温度が1000℃を超えると、形成されたリチウム複合酸化物間で激しく焼結が生じると共に、異常粒成長を生じる可能性がある。異常粒成長が生じると、焼成後の粒子が粗大となってしまい、粒子形態を保持できなくなる可能性がある。その結果、正極活物質を形成したときに、比表面積が低下して正極の抵抗が上昇して電池容量が低下するという問題が生じる。また、カチオンミキシングが生じることで電池特性が低下する可能性がある。
焼成に用いられる炉には特に限定はなく、大気ないしは酸素気流中でリチウム混合物を焼成できるものであればよいが、ガス発生がない電気炉が好ましく、バッチ式あるいは連続式の炉をいずれも用いることができる。焼成によって得られたリチウム複合酸化物は、粒子間の焼結や凝集により粗大な粒子を形成していることがある。このような場合には、解砕により上記焼結や凝集を解消して粒径分布を調整することが好ましい。
5.リチウムイオン二次電池
上記のリチウムイオン二次電池用正極活物質を正極材料として用いた正極を採用することでリチウムイオン二次電池を作製することができる。このリチウムイオン二次電池は、例えばケースと、このケース内に収容された正極、負極、非水系電解液及びセパレータを備えた構造を有している。より具体的にいえば、セパレータを介して正極と負極とを積層させて電極体とし、得られた電極体に非水系電解液を含浸させ、正極の正極集電体と外部に通ずる正極端子との間、及び、負極の負極集電体と外部に通ずる負極端子との間を、それぞれ集電用リードなどを用いて接続し、ケースに密閉することによって作製することができる。以下、係る二次電池を構成する各要素について説明する。
(正極)
正極はシート状の部材であり、上記の正極活物質を含有する正極合材ペーストを、例えば、アルミニウム箔製の集電体の表面に塗布乾燥して形成されている。なお、正極は、使用する電池にあわせて適宜処理される。例えば、目的とする電池に応じて適当な大きさに形成する裁断処理や、電極密度を高めるためにロールプレスなどによる加圧圧縮処理等が行われる。
上記正極合材ペーストは、正極合材に、溶剤を添加して混練して形成されたものである。正極合材は、粉末状になっている本発明の正極活物質と、導電材及び結着剤とを混合して形成されたものである。導電材は、電極に適当な導電性を与えるために添加されるものである。この導電材は、特に限定されないが、例えば、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛および膨張黒鉛など)や、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどのカーボンブラック系材料を用いることができる。
結着剤は、正極活物質粒子をつなぎ止める役割を果たすものである。この正極合材に使用される結着剤は、特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブタジエン、セルロース系樹脂、ポリアクリル酸などを用いることができる。なお、正極合材には、活性炭などを添加してもよく、活性炭などを添加することによって、正極の電気二重層容量を増加させることができる。溶剤は、結着剤を溶解して、正極活物質、導電材及び活性炭などを結着剤中に分散させるものである。この溶剤は特に限定されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶剤を用いることができる。
また、正極合材ペースト中における各物質の混合比は、特に限定されない。例えば、溶剤を除いた正極合材の固形分を100質量部とした場合、一般のリチウムイオン二次電池の正極と同様、正極活物質の含有量を60〜95質量部、導電材の含有量を1〜20質量部、結着剤の含有量を1〜20質量部とすることができる。
(負極)
負極は、銅などの金属箔集電体の表面に、負極合材ペーストを塗布し、乾燥して形成されたシート状の部材である。この負極は、負極合材ペーストを構成する成分やその配合、集電体の素材などは異なるものの、実質的に前記正極と同様の方法によって形成され、正極と同様に、必要に応じて各種処理が行われる。負極合材ペーストは、負極活物質と結着剤とを混合した負極合材に、適当な溶剤を加えてペースト状にしたものである。負極活物質は、例えば、金属リチウムやリチウム合金などのリチウムを含有する物質や、リチウムイオンを吸蔵及び脱離できる吸蔵物質を採用することができる。
吸蔵物質は、特に限定されないが、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、フェノール樹脂などの有機化合物焼成体、及びコークスなどの炭素物質の粉状体を用いることができる。係る吸蔵物質を負極活物質に採用した場合には、正極同様に、結着剤として、PVDFなどの含フッ素樹脂を用いることができ、負極活物質を結着剤中に分散させる溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶剤を用いることができる。
(セパレータ)
セパレータは、正極と負極との間に挟み込んで配置されるものであり、正極と負極とを分離し、電解質を保持する機能を有している。係るセパレータは、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどの薄い膜で、微細な孔を多数有する膜を用いることができるが、上記機能を有するものであれば、特に限定されない。
(非水系電解質)
非水系電解質としては、非水電解液を用いることができる。非水系電解液は、例えば、支持塩としてのリチウム塩を有機溶媒に溶解したものを用いてもよいである。また、非水系電解液として、イオン液体 にリチウム塩が溶解したものを用いてもよい。なお、イオン液体とは、リチウムイオン以外のカチオン及びアニオンから構成され、常温でも液体状を示す塩をいう。
有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート及びトリフルオロプロピレンカーボネートなどの環状カーボネート、また、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート及びジプロピルカーボネートなどの鎖状カーボネート、更に、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン及びジメトキシエタンなどのエーテル化合物、エチルメチルスルホンやブタンスルトンなどの硫黄化合物、リン酸トリエチルやリン酸トリオクチルなどのリン化合物などから選ばれる1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いることができる。
支持塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiN(CFSO)、及びそれらの複合塩などを用いることができる。更に、非水系電解液は、ラジカル捕捉剤、界面活性剤及び難燃剤などを含んでいてもよい。
また、非水系電解質としては、固体電解質を用いてもよい。固体電解質は、高電圧に耐えうる性質を有する。固体電解質としては、 無機固体電解質、有機固体電解質が挙げられる。無機固体電解質として、酸化物系固体電解質、硫化物系固体電解質等が用いられる。
酸化物系固体電解質としては、特に限定されず、酸素(O)を含有し、かつ、リチウムイオン電導性と電子絶縁性とを有するものであれば用いることができる。酸化物系固体電解質としては、例えば、リン酸リチウム(LiPO)、LiPO、LiBO、LiNbO、LiTaO、LiSiO、LiSiO−LiPO、LiSiO−LiVO、LiO−B−P、LiO−SiO、LiO−B−ZnO、Li1+XAlTi2−X(PO)(0≦X≦1)、Li1+XAlGe2−X(PO)(0≦X≦1)、LiTi(PO)、Li3XLa2/3−XTiO(0≦X≦2/3)、LiLaTa12、LiLaZr12、LiBaLaTa12、Li3.6Si0.60.4等が挙げられる。
硫化物系固体電解質としては、特に限定されず、硫黄(S)を含有し、かつ、リチウムイオン電導性と電子絶縁性とを有するものであれば用いることができる。硫化物系固体電解質としては、例えば、LiS−P、LiS−SiS、LiI−LiS−SiS、LiI−LiS−P、LiI−LiS−B、LiPO−LiS−SiS、LiPO−LiS−SiS、LiPO−LiS−SiS、LiI−LiS−P、LiI−LiPO−P等が挙げられる。なお、無機固体系電解質としては、上記以外のものを用いてよく、例えば、LiN、LiI、LiN−LiI−LiOH等を用いてもよい。
有機固体電解質としては、イオン電導性を示す高分子化合物であれば、特に限定されず、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、これらの共重合体などを用いることができる。また、有機固体電解質は、支持塩(リチウム塩)を含んでいてもよい。
(実施例1)
(初回の核生成工程)
図1に示すプロセスフローに沿ってニッケルマンガン複合水酸化物粒子を作製した。具体的には、先ず、撹拌機を備えた有効容量6Lの反応槽内に、その半分まで水を入れて撹拌しながら液温を45℃に調整した後、反応槽内に窒素ガスを流通させて非酸化性雰囲気とした。この反応槽内の水に、アンモニア濃度13g/Lとなるように25質量%アンモニア水を加えると共に、液温25℃基準で槽内の反応液のpH値が12.8となるように25質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えて調整した。
次に、硫酸ニッケル、硫酸マンガン、硫酸コバルトを水に溶かして合計2.0mol/Lの金属塩水溶液を調製した。この金属塩水溶液は、金属元素のモル比が、Ni:Mn:Co=0.55:0.25:0.20となるように上記金属塩の配合割合を調整した。得られた金属塩水溶液を、上記の反応槽内の反応液に12.5ml/分で加えた。同時に、25質量%アンモニア水及び25質量%水酸化ナトリウム水溶液も反応槽内の反応液に一定速度で加えていき、反応液中のアンモニア濃度を上記値に保持した状態で、液温25℃基準でpH値を12.8(核生成pH値)に制御しながら1分36秒間晶析を行って核生成を行った。
(初回の粒子成長工程)
次に、反応液のpH値が液温25℃基準で11.5(粒子成長pH値)になるまで、25質量%水酸化ナトリウム水溶液の供給のみを一時停止した。反応液のpH値が液温25℃基準で11.5に到達した後、25質量%水酸化ナトリウム水溶液の供給を再開し、pH値を11.5に制御したまま、2時間晶析を継続して粒子成長を行った。
(初回の固液分離工程)
上記の粒子成長工程により得た粒子を含むスラリーを、ヌッチェを用いて真空ろ過し、液相分としてのろ液を回収した。回収した液相分は、液温25℃基準のpH値が12.2、アンモニア濃度が11.5g/L、溶解ニッケル濃度が550mg/Lであり、90度散乱光方式の濁度計(東亜DKK社製ポータブル多項目水質計WQC−24)で測定した濁度が120mg/Lであった。
(2回目の核生成工程及び粒子成長工程)
上記の初回の核生成工程と同様にして2回目の核生成を行った後、25質量%水酸化ナトリウム水溶液の一部を上記初回の固液分離工程で得た液相分を用いた以外は上記の初回の粒子成長工程と同様にして2回目の粒子成長工程を行った。具体的には、2回目の粒子成長工程においては、初回の固液分離工程において得た液相分を、反応槽内の反応液に6.5ml/分で加え、pH値を11.5に制御したまま、2時間晶析を継続し粒子成長を行った。この工程において、使用した水酸化ナトリウム水溶液の液量は0.60L、使用した液相分の液量は0.78Lであった。
(2回目の固液分離工程)
上記の初回の固液分離工程と同様にして2回目のろ過を行った。得られた液相分は、液温25℃基準のpH値が12.0、アンモニア濃度が10.9g/L、溶解ニッケル濃度が560mg/L、濁度が133mg/Lであった。一方、固相側の湿潤ケーキは水洗した後、ろ過及び乾燥させて粒子を得た。得られた粒子は、Ni0.55Mn0.25Co0.20(OH)2+α(−0.5≦α≦0.5)で表される複合水酸化物粒子であった。この複合水酸化物粒子の粒度分布を測定したところ、体積平均粒径(Mv)は5.22μmであり、バラつき指数((D90−D10)/平均粒径)は0.46であった。
(正極活物質製造工程)
前記複合水酸化物粒子及び水酸化リチウムをLi/M=1.30となるように秤量、混合し、混合物を形成した。混合は、シェーカーミキサー装置(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製TURBULA TypeT2C)を用いて行った。得られたリチウム混合物を空気(酸素:21容量%)気流中にて915℃で3時間焼成し、更に解砕して正極活物質を得た。得られた正極活物質をCu−Kα線による粉末X線回折で分析したところ、六方晶の層状結晶リチウムニッケルマンガン複合酸化物単相であることが確認された。
(電池評価)
前記正極活物質を使用して形成された正極を有する二次電池について、充放電試験を行ったところ、二次電池の初期充電容量は192.4mAh/g、初期放電容量は175.5mAh/gであった。
(実施例2)
2回目の粒子成長工程において、液相分の添加速度を10.3ml/分としたこと以外は実施例1と同様にして前駆体としてのニッケルマンガン複合水酸化物粒子を作製し、これを用いて正極活物質を作製して同様に評価した。
(実施例3)
2回目の粒子成長工程において、液相分の添加速度を13.3ml/分としたこと以外は実施例1と同様にして前駆体としてのニッケルマンガン複合水酸化物粒子を作製し、これを用いて正極活物質を作製して同様に評価した。
(比較例1)
2回目の粒子成長工程において、液相分を添加せずに25質量%水酸化ナトリウム水溶液のみを用いた以外は実施例1と同様にして前駆体としてのニッケルマンガン複合水酸化物粒子を経て正極活物質を作製し、同様に評価した。この比較例1の評価結果を上記の実施例1〜3の評価結果と共に下記表1に示す。
Figure 2020033238
(評価結果)
上記表1から、実施例1〜3では液相分を添加していない比較例1に比べて粒子成長工程における水酸化ナトリウム水溶液の消費量が約10%程度削減できていることが分かる。また、実施例1〜3で得た活物質の初期充放電容量は、比較例のものとほぼ同等であった。このことから、粒子成長工程のアルカリ剤に晶析工程後の液相分を再利用することで、電池特性を特に損なうことなく二次電池用正極活物質を低コストで製造できることが分かる。
S1 晶析工程
S2 固液分離工程

Claims (4)

  1. 少なくともニッケル塩を含む水溶液に中和剤及び錯化剤を添加して中和処理することでニッケル複合水酸化物からなる粒子を生成させる晶析工程と、前記晶析工程で生成された前記粒子を含むスラリーを固液分離装置に導入して該粒子を液相分から分離する固液分離工程とを含み、前記中和剤の少なくとも一部に前記液相分を用いることを特徴とするニッケル複合水酸化物の製造方法。
  2. 前記錯化剤がアンモニウムイオン供給体であることを特徴とする、請求項1に記載のニッケル複合水酸化物の製造方法。
  3. 前記固液分離工程において得た液相分のアンモニア濃度を5g/L以上25g/L以下に調整する調整工程を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のニッケル複合水酸化物の製造方法。
  4. 前記晶析工程において、前記中和剤の少なくとも一部として添加する前記液相分中の濁度を500mg/L以下に調整することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のニッケル複合水酸化物の製造方法。
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