JP2020009756A - リチウムイオン二次電池用正極活物質とその製造方法、リチウムイオン二次電池用正極、及び、リチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用正極活物質とその製造方法、リチウムイオン二次電池用正極、及び、リチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】正極抵抗が非常に低減され、高い出力特性を有する正極活物質とその製造方法を提供する。【解決手段】正極活物質は、複数の一次粒子が凝集した二次粒子から構成された第1のリチウム金属複合酸化物と、リチウムイオン伝導性を有する第1の粒子と、を含む正極活物質であって、正極活物質は、リチウム(Li)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、及び、元素Mを含み、これらの元素の物質量(モル)比が、Li:Ni:Co:M=d1:(1−a−b):a:bで表され、第1の粒子は、リチウムと、酸素と、リチウム及び酸素以外の元素と、を含み、第1の粒子中のリチウム及び酸素以外の元素の量が、正極活物質全体に対して、0.02質量%以上5.2質量%以下であり、第1の粒子の少なくとも一部が、第1のリチウム金属複合酸化物の表面に結合して存在する。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用正極活物質とその製造方法、リチウムイオン二次電池用正極、及び、リチウムイオン二次電池に関する。
近年、スマートフォン、タブレット端末、ノート型パソコンなどの携帯電子機器の普及に伴い、高いエネルギ密度を有する、小型で軽量な二次電池の開発が強く望まれている。また、ハイブリットカーを始めとする電気自動車用の電池として出力特性と充放電サイクル特性が優れた二次電池の開発が強く望まれている。
このような要求を満たす二次電池として、リチウムイオン二次電池がある。このリチウムイオン二次電池は、負極、正極、電解質などで構成され、負極および正極の活物質としては、リチウムを脱離および挿入することの可能な材料が用いられている。なお、電解質としては、支持塩であるリチウム塩を有機溶媒に溶解してなる非水系電解液や、不燃性でイオン伝導性を有する固体電解質などの非水系電解質が用いられている。
このようなリチウムイオン二次電池は、現在、研究および開発が盛んに行われているところであるが、中でも、層状岩塩型またはスピネル型のリチウム遷移金属含有複合酸化物を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池は、4V級の高い電圧が得られるため、高いエネルギ密度を有する電池として実用化が進んでいる。
これまで主に提案されているリチウム遷移金属含有複合酸化物としては、合成が比較的容易なリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)や、コバルトよりも安価なニッケルを用いたリチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)、マンガンを用いたリチウムマンガン複合酸化物(LiMn)などを挙げることができる。
上記正極活物質中でも、近年、熱安定性に優れ、かつ、高容量であるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)が注目されている。リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物は、リチウムコバルト複合酸化物やリチウムニッケル複合酸化物などと同じく層状化合物であり、遷移金属サイトにおいてニッケルと、コバルトと、マンガンとを基本的に組成比1:1:1の割合で含む。
一方、リチウムイオン二次電池として高い性能(高サイクル特性、高容量、高出力)を有する正極を得ることを目的として、上記リチウム金属複合酸化物の表面に、リチウムイオン伝導性を有する、リチウムとニオブを含む複合酸化物を、様々な手法で複合化する技術が提案されている。
例えば、特許文献1では、複数の一次粒子が凝集した二次粒子で構成されたリチウムニッケルマンガン複合酸化物からなる非水系電解質二次電池用正極活物質であって、前記リチウムニッケルマンガン複合酸化物は、一般式(1):LiNi1−a−b−cMnNb2+γ(前記一般式(1)中、Mは、Co、W、Mo、V、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、Zr及びTaから選択される少なくとも1種の元素であり、0.05≦a≦0.60、0≦b≦0.60、0.0003≦c≦0.03、0.95≦d≦1.20、0≦γ≦0.5である。)で表され、前記リチウムニッケルマンガン複合酸化物中のニオブの少なくとも一部が、前記一次粒子に固溶した、非水系電解質二次電池用活物質が提案されている。また、上記正極活物質は、一次粒子表面の少なくとも一部に、リチウムとニオブとを含む化合物が存在してもよいことが記載されている。そして、特許文献1によれば、一次粒子表面に形成されたリチウムニオブ化合物は、得られる二次電池の正極抵抗を低減して、出力特性を向上させるとしている。
例えば、特許文献2では、Li、Ni、Co、Mn及びWを含有する第1の複合酸化物の粒子表面に、Liと、AlまたはNbとの複合酸化物で構成された第2の複合酸化物が存在するリチウムイオン電池用正極活物質が提案されており、Li、Ni、Co、Mn及びWを含有する第1の複合酸化物の粒子表面に、Liと、AlまたはNbとの複合酸化物で構成された第2の複合酸化物が存在するため、優れた電池特性が得られることが示されている。
国際公開第2018/043669号 特開2017−084674号公報
しかしながら、特許文献1〜2に示すような、Li、Ni、Co、Mnを含む複合酸化物の表面に、リチウムとニオブとを含有する複合酸化物が存在するだけでは、二次電池の出力特性を向上させるのに十分ではない。
上記問題に鑑みて、本発明の目的は、リチウムイオン二次電池用正極活物質として用いた場合に、正極抵抗(反応抵抗)が非常に低減され、より高い出力特性を有することができる正極活物質とその製造方法を提供することを目的とする。
発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、リチウム金属複合酸化物の表面にリチウムイオン伝導性を有する第1の粒子が特定の量存在することにより、正極抵抗を非常に低減できることを見出して、本発明を完成した。
本発明の第1の態様によれば、複数の一次粒子が凝集した二次粒子から構成された第1のリチウム金属複合酸化物と、リチウムイオン伝導性を有する第1の粒子と、を含む正極活物質であって、正極活物質は、リチウム(Li)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、及び、元素Mを含み、これらの元素の物質量(モル)比が、Li:Ni:Co:M=d1:(1−a−b):a:b(ただし、0≦a<0.40、0≦b<0.35、a+b<0.40、0.95≦d1≦1.5、Mは、Mn、W、Mo、V、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、Zr、La、及び、Taから選択される少なくとも1種の元素)で表され、第1の粒子は、リチウムと、酸素と、リチウム及び酸素以外の元素と、を含み、第1の粒子中のリチウム及び酸素以外の元素の量が、正極活物質全体に対して、0.01質量%以上4質量%以下であり、第1の粒子の少なくとも一部が、前記第1のリチウム金属複合酸化物の表面と結合して存在する、リチウムイオン二次電池用正極活物質が提供される。
また、第1の粒子の少なくとも一部が、第1のリチウム金属複合酸化物から分離して存在することが好ましい。また、第1の粒子が、リチウムニオブ複合酸化物、リチウムタングステン複合酸化物、リチウムリン複合酸化物、及び、リチウムケイ素複合酸化物からなる群より選択された少なくとも1種を含むことが好ましい。また、第1の粒子が、LiNbO及びLiNbOの少なくとも一方を含むことが好ましい。また、第1の粒子の少なくとも一部は、最長径が0.5μm以上であることが好ましい。
本発明の第2の態様によれば、複数の一次粒子が凝集した二次粒子から構成された第1のリチウム金属複合酸化物と、リチウムイオン伝導性を有する第1の粒子と、を含む正極活物質の製造方法であって、第2のリチウム金属複合酸化物と、リチウムと反応して前記第1の粒子を形成可能な第2の粒子とを、混合することと、前記混合することにより得られた混合物を400℃以上900℃以下の温度で熱処理することと、を備え、第2のリチウム金属複合酸化物は、リチウム(Li)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、及び、元素Mを含み、これらの元素の物質量(モル)比が、Li:Ni:Co:M=d1:(1−a−b):a:b(ただし、0≦a<0.40、0≦b<0.35、a+b<0.40、0.95≦d2≦1.5、Mは、Mn、W、Mo、V、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、Zr、La、及び、Taから選択される少なくとも1種の元素)で表され、第1の粒子は、リチウムと、酸素と、リチウム及び酸素以外の元素と、を含み、第2の粒子は、リチウム及び酸素以外の前記元素を含み、混合物中のリチウム及び酸素以外の前記元素の量が、正極活物質全体に対して0.01質量%以上4質量%以下であり、第1の粒子の少なくとも一部は、前記第1のリチウム金属複合酸化物の表面と結合する、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法が提供される。
また、第2の粒子は、ニオブ、タングステン、リン、及び、ケイ素からなる群より選択された少なくとも一種の元素を含むことが好ましい。また、第2の粒子は、ニオブ酸を含むことが好ましい。また、第2のリチウム金属複合酸化物は、晶析により得られたニッケル、コバルト、及び、マンガンを含む化合物と、リチウム化合物と、を700℃以上1000℃以下の温度で焼成して形成されることが好ましい。
本発明の第3の態様によれば、第1のリチウム金属複合酸化物と、リチウムイオン伝導性を有する第1の粒子と、を含むリチウムイオン二次電池用の正極であって、第1のリチウム金属複合酸化物は、リチウム(Li)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、及び、元素Mを含み、これらの元素の物質量(モル)比が、Li:Ni:Co:M=d3:(1−a−b):a:b(ただし、0≦a<0.40、0≦b<0.35、a+b<0.40、0.95≦d3≦1.5、Mは、Mn、W、Mo、V、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、Zr、La、及び、Taから選択される少なくとも1種の元素)で表され、第1の粒子は、リチウムと、酸素と、リチウム及び酸素以外の元素と、を含み、第1の粒子の一部が、前記第1のリチウム金属複合酸化物の表面と結合して存在し、かつ、第1の粒子の一部が、第1のリチウム金属複合酸化物とは分離して存在する、リチウムイオン二次電池用正極が提供される。
また、第1の粒子が、LiNbO及びLiNbOの少なくとも一方を含むことが好ましい。
本発明の第4の態様によれば、上記の正極活物質を含む正極と、負極と、電解質とを備える、リチウムイオン二次電池が提供される。
本発明の正極活物質は、リチウム金属複合酸化物と、リチウムイオン伝導性を有する第1の粒子とを含むことにより、得られるリチウムイオン二次電池の正極抵抗を非常に低減させることができる。よって、本発明の正極活物質を正極に用いたリチウムイオン二次電池は、出力特性をより向上させることができる。また、本発明の正極活物質の製造方法は、上記の正極活物質を、生産性高く、簡便に製造することができる。
図1(A)は、本実施形態に係る正極活物質の一例を示す図であり、図1(B)は、リチウム金属複合酸化物の構造の一例を示す図である。 図2は、本実施形態に係る正極活物質の製造方法の一例を示す図である。 図3は、本実施形態に係る正極活物質の製造方法の一例を示す図である。 図4は、電池評価に使用したコイン型電池の概略断面図である。 図5は、インピーダンス評価の測定例と解析に使用した等価回路の概略説明図である。 図6は、実施例1〜5及び比較例1〜4で得られた正極活物質の正極抵抗とニオブ量との関係を示したグラフである。 図7は、実施例7〜9及び比較例5〜7で得られた正極活物質の正極抵抗とニオブ量との関係を示したグラフである。 図8は、実施例1で得られた正極活物質のSEMによる反射電子像(COMPO像)を示した図である。 図9は、比較例4で得られた正極活物質のSEMによる反射電子像(COMPO像)を示した図である。
以下、図面を参照して、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極活物質とその製造方法、リチウムイオン二次電池用正極合材ペーストおよびリチウムイオン二次電池について、説明する。また、図面においては、各構成をわかりやすくするために、一部を強調して、あるいは一部を簡略化して表しており、実際の構造または形状、縮尺等が異なっている場合がある。
1.リチウムイオン二次電池用正極活物質
図1(A)は、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用正極活物質の一例を示した模式図である。図1(A)に示すように、本実施形態に係る正極活物質100は、第1のリチウム金属複合酸化物10と、リチウムイオン伝導性を有する第1の粒子20とを含む。
(1)正極活物質(全体)の組成
正極活物質100は、リチウム(Li)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、及び、元素Mを含み、これらの元素の物質量(モル)比が、Li:Ni:Co:M=d1:(1−a−b):a:b:c(ただし、0≦a<0.40、0≦b<0.35、a+b<0.40、0.95≦d1≦1.5、Mは、W、Mo、V、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、Zr、La、及び、Taから選択される少なくとも1種の元素)で表される。なお、後述するように、正極活物質100は、第1の粒子20に由来するニオブも含む。
ニッケル(Ni)は、二次電池の高電位化および高容量化に寄与する元素である。上記モル比において、Niの含有量を示す(1−a−b)の値は、好ましくは0.6を超え、より好ましくは0.65以上0.99以下、さらに好ましくは0.8以上0.95以下である。(1−a−b)の値が0.6を超える場合、高い電池容量を有することができる。
コバルト(Co)は、充放電サイクル特性の向上に寄与する元素である。上記モル比において、Coの含有量を示すaの値は、0以上0.4未満、好ましくは0.05以上0.4未満、好ましくは0.05以上0.4未満、より好ましくは0.1以上0.4未満である。aの値が0.05未満では、Coを含有することによって得られる充放電サイクル特性の向上効果を十分に得ることができない。
添加元素を示すMは、Mn、W、Mo、V、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、Zr、La、及び、Taの中から選択される少なくとも1種の元素である。上記モル比において、Mの含有量を示すbの値は、0≦b<0.35であり、中でも、bが0より大きい場合、熱安定性や出力特性、サイクル特性等を改善することができる。また、Mは、Alを含むことが好ましい。MがAlである場合、bの値は、0.01以上0.1以下である。
上記モル比において、リチウムの含有量を示すd1は、0.95以上1.5以下であることが好ましく、1.0以上1.10以下であることがより好ましい。リチウムのモル比(d1)が0.95未満である場合、リチウム金属複合酸化物の結晶内でリチウムが占めるべき部位が他の元素で占められ、充放電容量が低下することがある。一方、リチウムのモル比が1.5を超える場合、リチウムニッケル複合酸化物と共に充放電に寄与しない余剰分のリチウム化合物が存在することになり、電池抵抗が増大したり、充放電容量が低下したりすることがある。
また、正極活物質100は、ニオブを除く組成として、一般式(1):Lid1Ni1−a−bCo2+α(前記一般式(1)中、Mは、Mn、W、Mo、V、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、Zr、La、及び、Taから選択される少なくとも1種の元素であり、0≦a≦0.40、0≦b<0.35、a+b<0.40、0.95≦d1≦1.5、0≦α≦0.5である。)で表されてもよい。なお、上記一般式(1)中、各元素の好ましい範囲は、上述したモル比と同様の範囲とすることができる。
(2)第1のリチウム金属複合酸化物
図1(B)は、第1のリチウム金属複合酸化物10の一例を示した模式図である。第1のリチウム金属複合酸化物10は、複数の一次粒子1が凝集して形成された二次粒子2から構成される。二次粒子2の形状は、特に限定されず、例えば、中実構造、中空構造、多孔質構造などの構造を有してもよい。ここで、中実構造は、二次粒子2の全体が複数の一次粒子1の凝集体により構成される構造をいい、中空構造は、二次粒子2の内部に1つ又は複数の空間が存在する構造をいう。また、多孔質構造は、二次粒子2の内部に多数の空隙が存在する構造をいう。なお、第1のリチウム金属複合酸化物10は、二次粒子2だけでなく、少数の単独の一次粒子1を含んでもよい。
第1のリチウム金属複合酸化物10の大きさは、特に限定されないが、その体積平均粒径MVが1μm以上30μm以下程度であることが好ましく、3μm以上10μm以下であることがより好ましい。体積平均粒径MVは、例えば、レーザ光回折散乱式粒度分布計で測定した体積積算値から求めることができる。
(3)第1の粒子
第1の粒子20は、リチウムイオン伝導性を有し、かつ、リチウムと、酸素と、リチウム及び酸素以外の元素とを含む粒子であれば特に限定されない。リチウム及び酸素以外の元素としては、特に限定されず、例えば、Nb、W、P、及び、Siからなる群のうち少なくとも1種の元素であってもよい。なお、第1の粒子は、1種類であってもよく、複数種類であってもよい。
第1の粒子20としては、例えば、リチウムニオブ複合酸化物、リチウムタングステン複合酸化物、リチウムリン複合酸化物、及びリチウムケイ素複合酸化物からなる群のうち少なくとも1種を含むのが好ましい。例えば、第1の粒子20としては、LiNbO、LiNbO等のリチウムニオブ複合酸化物、LiWO、Li、LiWO等のリチウムタングステン複合酸化物、LiPO等のリチウムリン複合酸化物、LiSiO等のリチウムケイ素複合酸化物等が挙げられる。これらの中でも、リチウムイオン伝導性を高くする観点から、LiNbO及びLiNbOの少なくとも一方を含むことがより好ましく、LiNbOからなることがさらに好ましい。第1の粒子20がLiNbOを含む場合、より高いリチウムイオン伝導性を有することができる。
第1の粒子20の化合物の組成、化合物種は、後述するICP発光分光分析法、X線回折法(XRD)による分析により評価・同定することができる。なお、第1の粒子20は、非晶質相を含んでいてもよい。非晶質相は、リチウムイオン伝導性に優れ、より電池特性を向上させることがある。
第1の粒子20中のリチウム及び酸素以外の元素の量は、正極活物質100全体に対して、0.02質量%以上5.2質量%以下、好ましくは0.1質量%以上5質量%以下、より好ましくは0.15質量%以上4.5質量%以下含まれる。リチウム及び酸素以外の元素の量が上記範囲である場合、二次電池の反応抵抗(正極抵抗)を低減したり、出力特性を向上させたりすることができる。
また、第1の粒子20がリチウムニオブ複合酸化物である場合、リチウムニオブ複合酸化物中のニオブの量が、正極活物質全体に対して、例えば、2質量%以上4質量%以下であってもよい。ニオブの量が上記範囲である場合、二次電池の正極抵抗(反応抵抗)をより低減し、出力特性をより向上することができる。
正極活物質100において、第1の粒子20の少なくとも一部が、第1のリチウム金属複合酸化物10の表面に、結合(又は、付着)して存在する(図1(A)の20a参照)。第1の粒子20は、第1のリチウム金属複合酸化物10の表面の少なくとも一部に結合して存在していればよく、全体を被覆していてもよく、第1のリチウム金属複合酸化物10の表面の一部に結合していてもよい。第1の粒子20は、後述する熱処理(ステップS20)により、第1のリチウム金属複合酸化物10の表面に結合(付着)することができる。
また、正極活物質100において、第1の粒子20の少なくとも一部が、第1のリチウム金属複合酸化物10から分離して存在することが好ましい(図1(A)の20b参照)。第1のリチウム金属複合酸化物10と結合して存在する第1の粒子20aと、分離して存在する第1の粒子20bとが存在することにより、二次電池の正極を形成した際に、第1のリチウム金属複合酸化物10の粒子間にリチウムイオン伝導パスを形成し、第1のリチウム金属複合酸化物10の粒子間のイオン伝導性を向上させるものと推定される。
第1のリチウム金属複合酸化物10と分離して存在している第1の粒子20bは、第1のリチウム金属複合酸化物10の表面に結合して存在する第1の粒子20aと同じ元素を含むものが好ましく、同一の組成であることがより好ましい。
また、第1の粒子20の大きさは、特に限定されないが、第1の粒子20の少なくとも一部は、最長径が0.5μm以上であることが好ましく、1μm以上であってもよい。また、第1の粒子20の平均粒径は、0.5μm以上であってもよい。第1の粒子20が不定形等の場合、平均粒径とは、走査型電子顕微鏡(SEM)で複数の第1の粒子20を観察した際の平均最長径であってもよい。
2.正極活物質の製造方法
図2は、本実施形態に係る正極活物質の製造方法の一例を示す図である。正極活物質の製造方法は、第2のリチウム金属複合酸化物と、リチウムと反応して第1の粒子を形成可能な第2の粒子とを、混合すること(ステップS10)と、混合して得られた混合物を熱処理すること(ステップS20)と、を備える。この正極活物質の製造方法により、上述した正極活物質100を容易に生産性高く製造することができる。
また、第2のリチウム金属複合酸化物は、図3に示すように、晶析によりニッケル、コバルト、及び、任意に元素Mを含む化合物(以下、単に「ニッケル化合物」ともいう。)を得ること(ステップS1)と、得られたニッケル化合物、及び、リチウム化合物を混合すること(ステップS2)、得られた混合物を焼成すること(ステップS3)と、を備える工程により製造されてもよい。晶析により得られたニッケル化合物を正極活物質の前駆体として用いる場合、より均一な組成を有する正極活物質を得ることができる。なお、上記ニッケル化合物は、水酸化物及び酸化物の一方、又は、両方の形態を含む。以下、本実施形態に係る正極活物質の製造方法の一例について、説明する。
[晶析工程(ステップS1)]
ニッケルを含む化合物(正極活物質の前駆体)は、公知の製造方法により得ることができるが、晶析により得ることが好ましく、晶析の際には、核生成工程と粒子成長工程との2つの工程に分離して行うことがより好ましい。晶析を上記の2つの工程に分離することにより、より均一な粒子径を有し、かつ、粒度分布の狭いニッケル化合物を得ることができる。ニッケル化合物(正極活物質の前駆体)の形態は、焼成後の第2のリチウム金属複合酸化物の形態に引き継がれるため、最終的に得られる正極活物質においても、均一な粒子径を有することができ、サイクル特性などの電池特性を向上させることができる。以下、晶析工程の一例として、核生成段階と粒子成長段階に分離した場合について説明する。
(核生成工程)
まず、ニッケル、コバルト、及び、任意に元素Mを含有する化合物を、所定の割合で水に溶解し、原料水溶液を調整する。元素Mがアルミニウムの場合は、別途、アルミン酸ナトリウムなどを用いて、アルミニウム供給液を作製する。また、反応槽内に、アルカリ水溶液と、アンモニウムイオン供給体を含む水溶液を供給および混合して、液温25℃基準で測定するpH値が12.0以上14.0以下、アンモニウムイオン濃度が3g/L以上25g/L以下である反応前水溶液を調製する。なお、反応前水溶液のpH値はpH計により、アンモニウムイオン濃度はイオンメータにより測定することができる。
次に、この反応前水溶液を撹拌しながら、原料水溶液を供給する。また、元素Mがアルミニウムの場合は、別途、アルミニウム供給液を供給する。これにより、反応槽内には、核生成工程における反応水溶液である核生成用水溶液が形成される。この核生成用水溶液のpH値は上述した範囲にあるので、核生成工程では、核はほとんど成長することなく、核生成が優先的に起こる。なお、核生成工程では、核生成に伴い、核生成用水溶液のpH値およびアンモニウムイオンの濃度は変化するので、アルカリ水溶液およびアンモニア水溶液を適時供給し、反応槽内液のpH値が液温25℃基準でpH12.0以上14.0以下の範囲、かつアンモニウムイオンの濃度が3g/L以上25g/L以下の範囲に維持するように制御する。
(粒子成長工程)
核生成工程終了後、反応槽内の核生成用水溶液のpH値を、液温25℃基準で10.5以上12.0以下に調整し、粒子成長工程における反応水溶液である粒子成長用水溶液を形成する。なお、pH値は、アルカリ水溶液の供給を停止することでも調整可能であるが、粒度分布の狭いニッケル化合物を得るためには、一旦、すべての水溶液の供給を停止してpH値を調整することが好ましい。具体的には、すべての水溶液の供給を停止した後、核生成用水溶液に、原料となる金属化合物を構成する酸と同種の無機酸を供給することにより、pH値を調整することが好ましい。
次に、粒子成長用水溶液を撹拌しながら、原料水溶液を供給する。この際、粒子成長用水溶液のpH値は上述した範囲にあるため、新たな核はほとんど生成せず、核(粒子)成長が進行し、所定の粒径を有するニッケル化合物の粒子が形成される。なお、粒子成長工程においても、粒子成長に伴い、粒子成長用水溶液のpH値およびアンモニウムイオン濃度は変化するので、アルカリ水溶液およびアンモニア水溶液を適時供給し、pH値およびアンモニウムイオン濃度を上記範囲に維持することが必要となる。
なお、核生成工程および粒子成長工程における反応雰囲気は、要求される二次粒子2の構造に応じて適宜調整する。たとえば、核生成工程および粒子成長工程全体を通じて、反応雰囲気を、酸素濃度が5容量%以下の非酸化性雰囲気とした場合に得られるニッケル化合物を焼成すると、中実構造のリチウム遷移金属複合酸化物が得られる。
一方、核生成工程および粒子成長工程の初期における反応雰囲気を、酸素濃度が5容量%を超える酸化性雰囲気とし、粒子成長工程において、反応雰囲気を、酸化性雰囲気から非酸化性雰囲気に切り替えると、得られるニッケル化合物は、微細一次粒子からなる低密度の中心部と、微細一次粒子よりも大きい板状一次粒子からなる高密度の外殻部から構成されたものとなる。このようなニッケル化合物を焼成すると、中空構造を有する第1のリチウム金属複合酸化物10が得られる。
また、核生成工程における反応雰囲気を、非酸化性雰囲気とし、粒子成長工程において、酸化性雰囲気に切り替えた後、再度、非酸化性雰囲気に切り替える反応雰囲気制御を、1回ないし複数回行うことで、低密度層と高密度層が交互に積層した積層構造を備えるニッケル化合物を得られる。このようなニッケル化合物を焼成すると、粒子内部に複数の空隙が分散している多孔質構造を有する第1のリチウム金属複合酸化物10が得られる。
なお、晶析(ステップS1)後に得られたニッケル複合水酸化物(ニッケル化合物)は、酸化焙焼して、水酸化物の少なくとも一部をニッケル複合酸化物としてもよく、すべてをニッケル複合酸化物(ニッケル化合物)としてもよい。
[焼成前の混合工程(ステップS2)]
次いで、得られたニッケル化合物、及び、リチウム化合物を混合する(ステップS2)。焼成前に混合するリチウム化合物は、特にその種類が制限されることはないが、炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウムなどを好適に使用することができる。これらのうち、取り扱いの容易さや品質の安定性を考慮すると、炭酸リチウムまたは水酸化リチウムを用いることが好ましく、炭酸リチウムを用いることがより好ましい。
混合工程(ステップS2)では、混合して得られる混合物中のリチウム以外の金属原子、ニッケル、コバルト、およびその他の元素Mとの原子数の和(Me)と、リチウムの原子数(Li)との比(Li/Me)が、0.95以上1.5以下、好ましくは1.0以上1.5以下、より好ましくは1.0以上1.35以下、さらに好ましくは1.0以上1.2以下となるように、ニッケル化合物とリチウム化合物とを混合する。すなわち、後述する焼成工程(ステップS3)の前後では、Li/Meは変化しないので、混合工程(ステップS2)におけるLi/Meが、目的とする正極活物質100(又は、第2のリチウム金属複合酸化物)のLi/Meとなるように、ニッケル化合物とリチウム化合物とを混合する。
ニッケル化合物とリチウム化合物は、微粉が生じない程度に十分に混合することが好ましい。混合が不十分であると、個々の粒子間でLi/Meにばらつきが生じ、十分な電池特性を得ることができない場合がある。なお、混合には、一般的な混合機を使用することができる。たとえば、シェーカーミキサ、レーディゲミキサ、ジュリアミキサ、Vブレンダなどを用いることができる。
[焼成工程(ステップS3)]
次いで、得られた混合物を焼成して、第2のリチウム金属複合酸化物を得る(ステップS3)。焼成工程に用いられる炉は、特に制限されることはなく、大気ないしは酸素気流中で加熱できるものであればよい。同様に、炉内の雰囲気を均一に保つ観点から、ガス発生のないバッチ式あるいは連続式の電気炉を用いることが好ましい。
焼成工程(ステップS3)における焼成温度は、700℃以上1000℃以下であることが好ましく、730℃以上950℃以下であることがより好ましい。焼成温度が700℃未満である場合、得られる第2のリチウム金属複合酸化物の結晶性が不十分なものとなる恐れがある。一方、焼成温度が1000℃を超える場合、第2のリチウム金属複合酸化物の粒子間で激しく焼結し、異常粒成長が引き起こされ、不定形な粗大粒子の割合が増加することとなる。
焼成工程(ステップS3)における焼成温度での保持時間は、1時間以上10時間以下とすることが好ましく、2時間以上6時間以下とすることがより好ましい。焼成工程(ステップS3)の焼成温度における保持時間が1時間未満である場合、得られる第2のリチウム金属複合酸化物の結晶性が不十分なものとなるおそれがある。
焼成時の雰囲気は、酸化性雰囲気とすることが好ましく、酸素濃度が18容量%以上100容量%以下の雰囲気とすることがより好ましく、上記酸素濃度の酸素と不活性ガスの混合雰囲気とすることが特に好ましい。すなわち、焼成は、大気ないしは酸素気流中で行うことが好ましい。酸素濃度が18容量%未満では、リチウム金属複合酸化物の結晶性が不十分なものとなるおそれがある。
得られた第2のリチウム金属複合酸化物を構成する二次粒子は、凝集または軽度の焼結が生じている場合がある。このような場合には、二次粒子の凝集体または焼結体を解砕することが好ましい。これによって、得られる第2のリチウム金属複合酸化物の平均粒径や粒度分布を好適な範囲に調整することができる。
なお、解砕とは、焼成時に二次粒子間の焼結ネッキングなどにより生じた複数の二次粒子からなる凝集体に、機械的エネルギを投入して、二次粒子自体をほとんど破壊することなく分離させて、凝集体をほぐす操作を意味する。
解砕には、公知の手段を用いることができ、たとえば、ピンミルやハンマーミルなどを使用することができる。なお、この際、二次粒子を破壊しないように解砕力を適切な範囲に調整することが好ましい。
焼成工程(ステップS3)後に得られた第2のリチウム金属複合酸化物は、リチウム(Li)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、及び、元素Mを含み、これらの元素の物質量(モル)比が、Li:Ni:Co:M=d2:(1−a−b):a:b(ただし、0≦a<0.40、0≦b<0.35、a+b<0.40、0.95≦d2≦1.5、Mは、Mn、W、Mo、V、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、Zr、La、及び、Taから選択される少なくとも1種の元素)で表されてもよい。各元素のモル比の好ましい範囲は、上述した第1のリチウム金属複合酸化物と同様である。なお、後述するように、熱処理工程(ステップS20)において、第2のリチウム金属複合酸化物中のリチウムの一部が、第2の粒子と反応することがある。よって、第2のリチウム金属複合酸化物中のリチウムのモル比(d2)は、最終的に得られる第1のリチウム金属複合酸化物中のリチウムのモル比(d3)よりも、第2の粒子と反応する分だけ、多くなるように調製してもよい。
[混合工程(ステップS10)]
次いで、第2のリチウム金属複合酸化物と、リチウムと反応して第1の粒子20を形成可能な第2の粒子とを、混合する(ステップS10)。なお、第2のリチウム金属複合酸化物は、上述のステップS1〜S3の方法以外の方法で得てもよい。
第2の粒子としては、目的とする第1の粒子20に含まれるリチウム及び酸素以外の元素と同様の元素を含む。例えば、第2の粒子は、ニオブ、タングステン、リン、及び、ケイ素からなる群より選択された少なくとも一種の元素を含むことが好ましく、ニオブを含む化合物(ニオブ化合物)であることがより好ましい。また、第2の粒子は、リチウムを含んでもよいし、含まなくてもよいが、第2の粒子がリチウムを含まないことが好ましい。第2の粒子が、リチウムを含まない場合、後述する熱処理工程(ステップS20)において、第2のリチウム金属複合酸化物中の余剰リチウム等と、効率よく反応することができる。なお、本明細書において、リチウムを含まないとは、実質的にリチウムを含まないことをいい、例えば、不純物等として、微量のリチウムを含んでもよく、例えば、1質量%以下のリチウムを含んでもよく、0.1質量%以下のリチウムを含んでもよい。
ニオブ化合物としては、ニオブを含む公知の化合物を用いることができ、例えば、ニオブ酸、酸化ニオブ、硝酸ニオブ、五塩化ニオブ、硝酸ニオブなどを用いることができる。これらの中でも、入手のしやすさや、第1のリチウム金属複合酸化物中への不純物の混入を避けるという観点から、ニオブ酸、酸化ニオブ、又は、これらの混合物が好ましく、ニオブ酸(Nb・nHO)がより好ましい。なお、第1のリチウム金属複合酸化物中に不純物が混入した場合、得られる二次電池の熱安定性や電池容量、サイクル特性の低下を招くことがある。
第2の粒子の混合量は、混合物中のリチウム及び酸素以外の上記元素の量が、得られる正極活物質100全体に対して0.02質量%以上5.2質量%以下、好ましくは0.05質量%以上5質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上4.5質量%以下となるように、混合することができる。
また、第2の粒子は、粒子の形状(固相)で混合されることが好ましい。第2の粒子の平均粒径は、好ましくは0.01μm以上10μm以下であり、より好ましくは0.03μm以上3.0μm以下であり、さらに好ましくは0.05μm以上1.5μm以下である。平均粒径が上記範囲である場合、第2のリチウム金属複合酸化物との反応性が良好となる。また、第2の粒子の平均粒径は、例えば、0.1μm以上であってもよく、0.5μ以上であってもよい。
第2の粒子の平均粒径が0.01μmより小さい場合、粉末の取り扱いが非常に困難になるという問題が生じることがある。一方で、平均粒径が10μmより大きい場合、正極活物質100中に、第2の粒子に含まれるリチウム及び酸素以外の元素(例、Nb)が均一に分布せず、電池特性が向上しないことがある。なお、第2の粒子の平均粒径は、体積平均粒径MVであり、例えば、レーザ光回折散乱式粒度分布計により測定される体積積算値から求めることができる。
第2の粒子は、予め、ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル・ナノジェットミル、ビーズミル、ピンミルなど各種粉砕機を用いて、上記範囲の粒径となるように粉砕してもよい。また、ニオブ化合物は、必要に応じて、乾式分級機や篩がけにより分級してもよい。例えば、篩がけを行い、0.01μmに近い粒子を得ることができる。
第2のリチウム金属複合酸化物と第2の粒子とは、微粉が生じない程度に十分に混合することが好ましい。混合が不十分であると、個々の粒子間で、第2のリチウム金属複合酸化物に由来するリチウムと、第2の粒子との反応性にばらつきが生じ、十分な電池特性を得ることができない場合がある。なお、混合には、一般的な混合機を使用することができる。たとえば、シェーカーミキサ、レーディゲミキサ、ジュリアミキサ、Vブレンダなどを用いることができる。
なお、第2のリチウム金属複合酸化物と第2の粒子以外に、リチウム化合物をさらに混合してもよい。第2の粒子は、後述する熱処理工程(ステップS20)において、第2のリチウム金属複合酸化物中のリチウム(余剰リチウムや、結晶中のリチウム)と反応することができるが、この際、第2のリチウム金属複合酸化物の結晶中のリチウムを過剰に引き抜かれて、電池特性が低下することがある。混合工程(ステップS10)において、さらにリチウム化合物を混合する場合、リチウム化合物が、第2の粒子と反応するリチウム源となり、第2のリチウム金属複合酸化物の結晶中のリチウムを過剰に引き抜かれることを抑制できる。なお、リチウム化合物としては、特に限定されないが、例えば、焼成前の混合工程(ステップS2)に記載されたリチウム化合物を用いることができる。
[熱処理工程(ステップS20)]
次いで、混合して得られた混合物を400℃以上900℃以下の温度で熱処理する(ステップS20)。熱処理(ステップS20)により、第2のリチウム金属複合酸化物や、任意に混合したリチウム化合物に由来するリチウムと、第2の粒子とが反応して、上記の第1の粒子20を形成することができる。
熱処理温度は、400℃以上900℃以下であり、好ましくは500℃以上800℃以下、より好ましくは550℃以上700℃以下である。熱処理温度が上記範囲である場合、リチウムと第2の粒子とが反応して、第1の粒子20を容易に、かつ、正極活物質内に均一に形成することができる。
熱処理時に用いられる炉は、特に制限されることはなく、大気ないしは酸素気流中で加熱できるものであればよい。同様に、炉内の雰囲気を均一に保つ観点から、ガス発生のないバッチ式あるいは連続式の電気炉を用いることが好ましい。
上記の熱処理温度での保持時間は、1時間以上10時間以下とすることが好ましく、2時間以上6時間以下とすることが好ましい。本工程の熱処理温度における保持時間が1時間未満である場合、得られるリチウム金属複合酸化物の結晶性が不十分なものとなるおそれがある。
熱処理(ステップS20)時の雰囲気は、酸化性雰囲気とすることが好ましく、酸素濃度が18容量%〜100容量%の雰囲気とすることがより好ましく、上記酸素濃度の酸素と不活性ガスの混合雰囲気とすることが特に好ましい。すなわち、焼成は、大気又は酸素気流中で行うことが好ましい。酸素濃度が18容量%未満では、リチウム金属複合酸化物の結晶性の低下を招くおそれがある。
3.正極
本実施形態に係る正極は、第1のリチウム金属複合酸化物10と、リチウムイオン伝導性を有する第1の粒子20と、を含み、リチウムイオン二次電池に好適に用いることができる。
第1のリチウム金属複合酸化物10は、例えば、リチウム(Li)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、及び、元素Mを含み、これらの元素の物質量(モル)比が、Li:Ni:Co:M=d3:(1−a−b):a:b(ただし、0≦a<0.40、0≦b<0.35、a+b<0.40、0.95≦d3≦1.5、Mは、W、Mo、V、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、Zr、La、及び、Taから選択される少なくとも1種の元素)で表されてもよい。各元素のモル比の好ましい範囲は、上述した第1のリチウム金属複合酸化物と同様である。なお、前述したように、熱処理工程(ステップS20)において、第2のリチウム金属複合酸化物中のリチウムの一部が、第2の粒子と反応することがある。よって、最終的に得られる第1のリチウム金属複合酸化物中のリチウムのモル比(d3)は、第1のリチウム金属複合酸化物中のリチウムのモル比(d2)よりも、第2の粒子と反応した分だけ、減少してもよい。
また、第1のリチウム金属複合酸化物10、及び、第1の粒子20の好ましい組成や特性は、上記の正極活物質の項目で記載したものと同様である。
本実施形態に係る正極は、第1の粒子20の一部が、第1のリチウム金属複合酸化物10の表面と結合して存在し、かつ、第1の粒子20の一部が、第1のリチウム金属複合酸化物10とは分離して存在することが好ましい。正極において、第1の粒子20が上記のように分布することにより、第1のリチウム金属複合酸化物10の粒子間に好適なリチウムイオン伝導パスを形成すると推測される。
正極の製造方法は、特に限定されないが、例えば、上記の第1のリチウム金属複合酸化物10と、リチウムイオン伝導性を有する第1の粒子20と、を含む正極活物質100を用いて、以下のように製造される。
まず、上記の正極活物質100、導電材および結着剤を混合し、さらに必要に応じて活性炭や、粘度調整などの目的の溶剤を添加し、これを混練して正極合材ペーストを作製する。その際、目的とする二次電池の性能に応じて、正極合材ペースト中のそれぞれの混合比は、適宜、調整することができる。例えば、溶剤を除いた正極合材の固形分を100質量部とした場合、正極活物質の含有量を60質量部以上95質量部以下、導電材の含有量を1質量部以上20質量部以下とし、結着剤の含有量を1質量部以上20質量部以下としてもよい。
導電材としては、特に限定されず、例えば、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛および膨張黒鉛など)や、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどのカーボンブラック系材料を用いることができる。
結着剤は、活物質粒子をつなぎ止める役割を果たすもので、特に限定されず、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブタジエン、セルロース系樹脂およびポリアクリル酸を用いることができる。
必要に応じ、正極活物質、導電材および活性炭を分散させ、結着剤を溶解する溶剤を正極合材に添加してもよい。溶剤としては、具体的には、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶剤を用いることができる。また、正極合材には、電気二重層容量を増加させるために、活性炭を添加してもよい。
得られた正極合材ペーストを、例えば、アルミニウム箔製の集電体の表面に塗布し、乾燥して、溶剤を飛散させる。必要に応じ、電極密度を高めるべく、ロールプレスなどにより加圧することもある。このようにして、シート状の正極を作製することができる。シート状の正極は、目的とする電池に応じて適当な大きさに裁断などをして、電池の作製に供することができる。なお、正極の作製方法は、上記の方法に限られることなく、他の方法によってもよい。
4.リチウムイオン二次電池
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池(以下、「二次電池」ともいう。)は、上述した正極活物質を含む正極と、負極と、電解質とを備える。リチウムイオン二次電池は、従来公知のリチウムイオン二次電池と同様の構成要素により構成されることができ、例えば、正極、負極、及び非水系電解液を備える。また、二次電池は、例えば、正極、負極、及び固体電解質を備えた全固体二次電池であってもよい。以下、正極以外の各構成要素について、説明する。
なお、以下で説明する実施形態は例示に過ぎず、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、本明細書に記載されている実施形態を基に、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。また、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、その用途を特に限定するものではない。
(負極)
負極には、金属リチウムやリチウム合金などを用いてもよく、あるいは、リチウムイオンを吸蔵および脱離できる負極活物質に、結着剤を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状にした負極合材を、銅などの金属箔集電体の表面に塗布し、乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成したものを用いてもよい。
負極活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛およびフェノール樹脂などの有機化合物焼成体、およびコークスなどの炭素物質の粉状体を用いることができる。この場合、負極結着剤としては、正極同様、PVDFなどの含フッ素樹脂を用いることができ、これらの活物質および結着剤を分散させる溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶剤を用いることができる。また、結着剤としては、上記のPVDFなどの有機系バインダー以外にも、スチレンブタンジエンゴムなどの水系バインダーを用いてもよい。また、水系バインダーは、粘度調整剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を用いてもよい。例えば、スチレンブタジエンラテックスを主添加剤とし、粘度調整剤としてCMCを併用する水系バインダーでは、少量での結着力を高めることができる。
(セパレータ)
正極と負極との間には、必要に応じてセパレータを挟み込んで配置する。セパレータは、正極と負極とを分離し、電解質を保持するものであり、ポリエチレンやポリプロピレンなどの薄い膜で、微少な孔を多数有する膜を用いることができる。
(非水系電解質)
非水系電解質としては、非水電解液を用いることができる。非水系電解液は、例えば、支持塩としてのリチウム塩を有機溶媒に溶解したものを用いてもよい。また、非水系電解液として、イオン液体にリチウム塩が溶解したものを用いてもよい。なお、イオン液体とは、リチウムイオン以外のカチオンおよびアニオンから構成され、常温でも液体状を示す塩をいう。
有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートおよびトリフルオロプロピレンカーボネートなどの環状カーボネート、また、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートおよびジプロピルカーボネートなどの鎖状カーボネート、さらに、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランおよびジメトキシエタンなどのエーテル化合物、エチルメチルスルホンやブタンスルトンなどの硫黄化合物、リン酸トリエチルやリン酸トリオクチルなどのリン化合物などから選ばれる1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いることができる。
支持塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiN(CFSO、およびそれらの複合塩などを用いることができる。さらに、非水系電解液は、ラジカル捕捉剤、界面活性剤および難燃剤などを含んでいてもよい。
また、リチウムイオン二次電池が全固体二次電池の場合、非水系電解質としては、固体電解質を用いてもよい。固体電解質は、高電圧に耐えうる性質を有する。固体電解質としては、無機固体電解質、有機固体電解質が挙げられる。
無機固体電解質として、酸化物系固体電解質、硫化物系固体電解質等が用いられる。
酸化物系固体電解質としては、特に限定されず、酸素(O)を含有し、かつ、リチウムイオン伝導性と電子絶縁性とを有するものであれば用いることができる。酸化物系固体電解質としては、例えば、リン酸リチウム(LiPO)、LiPO、LiBO、LiNbO、LiTaO、LiSiO、LiSiO−LiPO、LiSiO−LiVO、LiO−B−P、LiO−SiO、LiO−B−ZnO、Li1+XAlTi2−X(PO(0≦X≦1)、Li1+XAlGe2−X(PO(0≦X≦1)、LiTi(PO、Li3XLa2/3−XTiO(0≦X≦2/3)、LiLaTa12、LiLaZr12、LiBaLaTa12、Li3.6Si0.60.4等が挙げられる。
硫化物系固体電解質としては、特に限定されず、硫黄(S)を含有し、かつ、リチウムイオン伝導性と電子絶縁性とを有するものであれば用いることができる。硫化物系固体電解質としては、例えば、LiS−P、LiS−SiS、LiI−LiS−SiS、LiI−LiS−P、LiI−LiS−B、LiPO−LiS−SiS、LiPO−LiS−SiS、LiPO−LiS−SiS、LiI−LiS−P、LiI−LiPO−P等が挙げられる。
なお、無機固体電解質としては、上記以外のものを用いてよく、例えば、LiN、LiI、LiN−LiI−LiOH等を用いてもよい。
有機固体電解質としては、イオン伝導性を示す高分子化合物であれば、特に限定されず、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、これらの共重合体などを用いることができる。また、有機固体電解質は、支持塩(リチウム塩)を含んでいてもよい。なお、固体電解質を用いる場合は、電解質と正極活物質の接触を確保するため、正極材中にも固体電解質を混合させてもよい。
(電池の形状、構成)
以上のように説明してきた正極、負極、セパレータ、及び非水系電解質や、正極、負極、及び固体電解質で構成される本実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、円筒形や積層形など、種々の形状にすることができる。
非水系電解質として非水系電解液を用いる場合、正極および負極を、セパレータを介して積層させて電極体とし、得られた電極体に、非水系電解液を含浸させ、正極集電体と外部に通ずる正極端子との間、および、負極集電体と外部に通ずる負極端子との間を、集電用リードなどを用いて接続し、電池ケースに密閉して、リチウムイオン二次電池を完成させる。
次に、本発明の一実施形態に係る正極活物質について、実施例により詳しく説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例における正極活物質に含有される金属の分析方法及び正極活物質の各種評価方法は、以下の通りである。
[組成]
正極活物質を酸溶解した後、ICP発光分光分析装置(株式会社島津製作所製、ICPS−8100)で測定した。
[化合物種同定]
正極活物質を粉末X線回折装置(スペクトリス社製、X‘Pert、PROMRD)により評価した。
[正極活物質の電池特性評価]
図6に示す構造の2032型コイン電池CBA(以下、「コイン型電池CBA」ともいう)を使用した。2032型コイン電池CBAの作製方法は、以下の通りである。
まず、正極活物質:52.5mgと、アセチレンブラック:15mgと、PTEE:7.5mgを混合し、100MPaの圧力で、直径11mm、厚さ100μmにプレス成形した後、真空乾燥機中、120℃で12時間乾燥することにより、正極PEを作製した。
次に、この正極PEを用いて2032型コイン電池CBAを、露点が−80℃に管理されたAr雰囲気のグローブボックス内で作製した。この2032型コイン電池CBAの負極NEには、直径17mm、厚さ1mmのリチウム金属を用い、電解液には、1MのLiClOを支持電解質とするエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の等量混合液(富山薬品工業株式会社製)を用いた。また、セパレータSEには、膜厚25μmのポリエチレン多孔膜を用いた。なお、2032型コイン電池CBAは、ガスケットGAを有し、正極缶PCと負極缶NCとでコイン状の電池に組み立てられたものである。
コイン電池CBAを、作製してから24時間程度放置し、開回路電圧OCV(Open Circuit Voltage)が安定した後、正極に対する電流密度を0.1mA/cmとして、カットオフ電圧が4.3Vとなるまで充電し、1時間の休止後、カットオフ電圧が3.0Vになるまで放電した。その後、コイン型電池CBAをSOC20%に相当する電位まで充電して、周波数応答アナライザおよびポテンショガルバノスタット(ソーラトロン製、1255B)を使用して交流インピーダンス法により測定すると、図5に示すナイキストプロットが得られる。このナイキストプロットは、溶液抵抗、負極抵抗とその容量、および、正極抵抗とその容量を示す特性曲線の和として表しているため、このナイキストプロットに基づき等価回路を用いてフィッティング計算を行い、正極抵抗(反応抵抗)の値を算出した。
(実施例1)
(A)晶析工程
[核生成工程]
はじめに、反応槽内に、水を入れて撹拌しながら、槽内温度を40℃に設定した。この際、反応槽内に窒素ガスを約30分流通させ、反応雰囲気を、酸素濃度が2容量%以下の非酸化性雰囲気とした。続いて、反応槽内に、25質量%水酸化ナトリウム水溶液と25質量%アンモニア水を適量供給し、pH値が12.8、アンモニウムイオン濃度が10g/Lとなるように調整することで反応前水溶液を形成した。
次に、硫酸ニッケル、硫酸コバルトを水に溶かして、2mol/Lの原料水溶液を作製した。別途、元素Mをアルミニウムとし、原料となるアルミン酸ナトリウムを水に溶かした後、その溶液に25%水酸化ナトリウム水溶液を、アルミニウムに対するナトリウムのモル比が1.7となるように添加し、2mol/Lのアルミニウム供給液を作製した。さらに、水酸化ナトリウムと、炭酸ナトリウムを、[CO 2−]/[OH]が0.025となるよう、水に溶かしてアルカリ水溶液を作製した。
原料水溶液、アルミニウム供給液、アルカリ水溶液、及び25質量%アンモニア水を、反応前水溶液に一定速度で加え、核生成工程用水溶液を形成し、アンモニウムイオン濃度を10g/Lに保持した状態とし、pHを12.8(核生成工程pH)に制御しつつ、核生成を行った。原料水溶液及びアルミニウム供給体の添加速度は、スラリーの金属元素モル比が、Ni:Co:Al=82:15:3となるように調整した。
[粒子成長工程]
核生成終了後、一旦、すべての水溶液の供給を一旦停止するとともに、硫酸を加えて、pH値が11.6となるように調整することで、粒子成長用水溶液を形成した。pH値が所定の値になったことを確認した後、すべての水溶液の供給を再開し、pHを11.6に制御したまま晶析を継続して、核生成工程で生成した核(粒子)を成長させた。
その後、得られた生成物を、水洗、ろ過、および乾燥させることにより、粉末状のニッケル複合水酸化物(ニッケル化合物)の粒子を得た。なお、元素Mをアルミニウムとする場合、晶析工程で用いるアルミニウム供給液には、アルミン酸ナトリウムと水酸化ナトリウムを含む溶液を使用することが好ましい。それ以外の化合物、例えば、硫酸アルミニウムを用いた場合には、水酸化ニッケルや水酸化コバルトに比べて、水酸化アルミニウムがより低いpHで析出するため、水酸化アルミニウムが単独で析出し易く、粒度分布が狭く粒径が整ったニッケル複合水酸化物(ニッケル化合物)を得ることはできない。
(B)混合、焼成工程
上述のように得られた、ニッケル化合物を、空気(酸素:21容量%)気流中において、700℃で6時間の熱処理を行い、ニッケル複合酸化物(ニッケル化合物)を回収した。さらに、Li/Me=1.025となるように、リチウム化合物である水酸化リチウムを秤量し、回収したニッケル複合酸化物と混合して、リチウム混合物を作製した。なお、混合操作にはシェーカーミキサ装置(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製TURBULA−TypeT2C)を用いた。
次に、作製したリチウム混合物を、酸素(酸素:100容量%)気流中において、500℃で4時間仮焼し、更に730℃で24時間焼成し、冷却後に解砕して、リチウム金属複合酸化物を得た。
このようにして得られたリチウム金属複合酸化物は、凝集または軽度の焼結が生じていた。このため、このリチウム金属複合酸化物を、連続式ミル(IKA製、MF10ベーシック)を用いて解砕した。
(C)第2の粒子(ニオブ化合物)の混合工程
得られたリチウム金属複合酸化物の粉末とニオブ酸粉末(D50粒径:1.0μm)とを混合し、電気炉(東洋製作所製、電気マッフル炉)を用いて、空気(酸素濃度:21容量%)気流中で、650℃の温度で3時間保持することにより、正極活物質を製造した。
(D)正極活物質の評価
[組成]
ICP発光分光分析装置を用いた分析により、この正極活物質は、金属元素のモル比をLi:Ni:Co:Al=1.1:0.82:0.15:0.03のモル比で含有し、Nbを5.2wt%含有することが分かった。
[結晶構造]
得られた正極活物質を、粉末X線回折により評価した。その結果、LiNi0.82Co0.15Al0.03の層状岩塩型に由来するピークと、LiNbO、LiNbOに由来するピークを確認した。得られた正極活物質の評価結果を表1に示す。
[形状観察]
得られた正極活物質を、SEMによる反射電子像(COMPO像)の観察により、確認したところ、図8に示すように、第1のリチウム金属複合酸化物10の表面及び、第1のリチウム金属複合酸化物10から分離した状態で、高輝度の粒子が観測された。反射電子像では、原子番号の大きい元素程、高輝度のコントラストで観測されるため、前述の粉末X線回折の結果と合わせると、高輝度のコントラストで観測されている粒子は、LiNbO、及び/又はLiNbO(第1の粒子20)であると考えられる。
(実施例2)
ニオブ化合物の添加量を、2.70wt%となるようにニオブ酸を混合した以外は、実施例1と同様に正極活物質を作製・評価した。得られた正極活物質の評価結果を表1に示す。また、SEMによる反射電子像(COMPO像)の観察により、確認したところ、リチウム金属複合酸化物の表面及び、リチウム金属複合酸化物から分離した状態で、実施例1と同様に高輝度の粒子が観測され、実施例1と同様にLiNbO及び/又はLiNbO(第1の粒子)が存在すると考えられる。
(実施例3)
ニオブ化合物の添加量を、1.00wt%となるようにニオブ酸を混合した以外は、実施例1と同様に正極活物質を作製・評価した。得られた正極活物質の評価結果を表1に示す。また、得られた正極活物質を、粉末X線回折により評価した。その結果、LiNi0.82Co0.15Al0.03の層状岩塩型に由来するピークと、LiNbOに由来するピークを確認した。また、SEMによる反射電子像(COMPO像)の観察により、確認したところ、リチウム金属複合酸化物の表面及び、リチウム金属複合酸化物から分離した状態で、実施例1と同様に高輝度の粒子が観測され、LiNbO(第1の粒子)が存在すると考えられる。
(実施例4)
ニオブ化合物の添加量を、0.60wt%となるようにニオブ酸を混合した以外は、実施例1と同様に正極活物質を作製・評価した。得られた正極活物質の評価結果を表1に示す。また、SEMによる反射電子像(COMPO像)の観察により、確認したところ、リチウム金属複合酸化物の表面及び、リチウム金属複合酸化物から分離した状態で、実施例1と同様に高輝度の粒子が観測され、実施例3と同様にLiNbO(第1の粒子)が存在すると考えられる。
(実施例5)
ニオブ化合物の添加量を、0.10wt%となるようにニオブ酸を混合した以外は、実施例1と同様に正極活物質を作製・評価した。得られた正極活物質の評価結果を表1に示す。また、SEMによる反射電子像(COMPO像)の観察により、確認したところ、リチウム金属複合酸化物の表面及び、リチウム金属複合酸化物から分離した状態で、実施例1と同様に高輝度の粒子が観測され、実施例3と同様にLiNbO(第1の粒子)が存在すると考えられる。
(実施例6)
ニオブ化合物の添加量を、0.02wt%となるようにニオブ酸を混合した以外は、実施例1と同様に正極活物質を作製・評価した。得られた正極活物質の評価結果を表1に示す。また、SEMによる反射電子像(COMPO像)の観察により、確認したところ、リチウム金属複合酸化物の表面及び、リチウム金属複合酸化物から分離した状態で、実施例1と同様に高輝度の粒子が観測され、実施例3と同様にLiNbO(第1の粒子)が存在すると考えられる。
(実施例7)
原料水溶液及びアルミニウム供給体の添加速度を、スラリーの金属元素モル比が、Ni:Co:Al=92.5:2:5.5となるように調整した以外は、実施例1と同様に正極活物質を作製・評価した。得られた正極活物質の評価結果を表1に示す。また、SEMによる反射電子像(COMPO像)の観察により、確認したところ、リチウム金属複合酸化物の表面及び、リチウム金属複合酸化物から分離した状態で、実施例1と同様に高輝度の粒子が観測され、実施例1と同様にLiNbO及び/又はLiNbO(第1の粒子)が存在すると考えられる。
(実施例8)
ニオブ化合物の添加量を、2.70wt%となるようにニオブ酸を混合した以外は、実施例7と同様に正極活物質を作製・評価した。得られた正極活物質の評価結果を表1に示す。また、SEMによる反射電子像(COMPO像)の観察により、確認したところ、リチウム金属複合酸化物の表面及び、リチウム金属複合酸化物から分離した状態で、実施例1と同様に高輝度の粒子が観測され、実施例1と同様にLiNbO及び/又はLiNbO(第1の粒子)が存在すると考えられる。
(実施例9)
ニオブ化合物の添加量を、0.02wt%となるようにニオブ酸を混合した以外は、実施例7と同様に正極活物質を作製・評価した。得られた正極活物質の評価結果を表1に示す。また、SEMによる反射電子像(COMPO像)の観察により、確認したところ、リチウム金属複合酸化物の表面及び、リチウム金属複合酸化物から分離した状態で、実施例1と同様に高輝度の粒子が観測され、実施例1と同様にLiNbO及び/又はLiNbO(第1の粒子)が存在すると考えられる。
(比較例1)
ニオブ化合物の添加量を、6.4wt%となるようにニオブ酸を混合した以外は、実施例1と同様に正極活物質を作製・評価した。得られた正極活物質の評価結果を表1に示す。また、SEMによる反射電子像(COMPO像)の観察により、確認したところ、リチウム金属複合酸化物の表面及び、リチウム金属複合酸化物から分離した状態で、実施例1と同様に高輝度の粒子が観測された。
(比較例2)
ニオブ化合物の添加量を、5.5wt%となるようにニオブ酸を混合した以外は、実施例1と同様に正極活物質を作製・評価した。得られた正極活物質の評価結果を表1に示す。また、SEMによる反射電子像(COMPO像)の観察により、確認したところ、リチウム金属複合酸化物の表面及び、リチウム金属複合酸化物から分離した状態で、実施例1と同様に高輝度の粒子が観測された。
(比較例3)
ニオブ化合物の添加量を、0.01wt%となるようにニオブ酸を混合した以外は、実施例1と同様に正極活物質を作製・評価した。得られた正極活物質の評価結果を表1に示す。また、SEMによる反射電子像(COMPO像)の観察により、確認したところ、リチウム金属複合酸化物の表面及び、リチウム金属複合酸化物から分離した状態で、実施例1と同様に高輝度の粒子が観測された。
(比較例4)
実施例1において、焼成工程まで実施し、ニオブ化合物の混合、熱処理を行なわなかった以外は、実施例1と同様に正極活物質を作製、評価した。得られた正極活物質の評価結果を表1に示す。また、SEMによる反射電子像(COMPO像)の観察により、確認したところ、図9に示すように、高輝度の粒子は観察されなかった。
(比較例5)
ニオブ化合物の添加量を、6.4wt%となるようにニオブ酸を混合した以外は、実施例7と同様に正極活物質を作製・評価した。得られた正極活物質の評価結果を表1に示す。また、SEMによる反射電子像(COMPO像)の観察により、確認したところ、リチウム金属複合酸化物の表面及び、リチウム金属複合酸化物から分離した状態で、実施例1と同様に高輝度の粒子が観測された。
(比較例6)
ニオブ化合物の添加量を、0.01wt%となるようにニオブ酸を混合した以外は、実施例7と同様に正極活物質を作製・評価した。得られた正極活物質の評価結果を表1に示す。また、SEMによる反射電子像(COMPO像)の観察により、確認したところ、リチウム金属複合酸化物の表面及び、リチウム金属複合酸化物から分離した状態で、実施例1と同様に高輝度の粒子が観測された。
(比較例7)
実施例7において、焼成工程まで実施し、ニオブ化合物の混合、熱処理を行なわなかった以外は、実施例7と同様に正極活物質を作製、評価した。得られた正極活物質の評価結果を表1に示す。また、SEMによる反射電子像(COMPO像)の観察により、確認したところ、高輝度の粒子は観察されなかった。
[評価結果]
表1に示す実施例及び比較例の反応抵抗をニオブ量に対してプロットしたグラフを、図6、図7に示す。
図6、図7のグラフに示されるように、特定量のニオブ化合物を添加した実施例は、反応抵抗が低減し、二次電池の出力特性向上に効果がある。また、比較例4のように、焼成前にニオブ化合物を混合した正極活物質では、明確な粒子形状を有する高輝度の粒子(第1の粒子)が観察されず、実施例と比較して反応抵抗が高くなっていた。なお、比較例4では、ニオブは、主に二次粒子内部に存在すると推定される。このことから、リチウムイオン伝導性を有するニオブ化合物の粒子(第1の粒子)が、リチウム金属複合酸化物の表面に、明確な粒子の形状として存在することにより、反応抵抗が低減されているものと考えられる。
100…正極活物質
10…第1のリチウム金属複合酸化物
1…一次粒子
2…二次粒子
20…第1の粒子
20a…第1の粒子(第1のリチウム金属複合酸化物の表面に存在)
20b…第1の粒子(第1のリチウム金属複合酸化物と分離して存在)
CBA…コイン型電池
PE…正極
NE…負極
GA…ガスケット
PE…正極
NE…負極
SE…セパレータ

Claims (12)

  1. 複数の一次粒子が凝集した二次粒子から構成された第1のリチウム金属複合酸化物と、リチウムイオン伝導性を有する第1の粒子と、を含む正極活物質であって、
    前記正極活物質は、リチウム(Li)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、及び、元素Mを含み、これらの元素の物質量(モル)比が、Li:Ni:Co:M=d1:(1−a−b):a:b(ただし、0≦a<0.40、0≦b<0.35、a+b<0.40、0.95≦d1≦1.5、Mは、Mn、W、Mo、V、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、Zr、La、及び、Taから選択される少なくとも1種の元素)で表され、
    前記第1の粒子は、リチウムと、酸素と、リチウム及び酸素以外の元素と、を含み、
    前記第1の粒子中のリチウム及び酸素以外の元素の量が、正極活物質全体に対して、0.02質量%以上5.2質量%以下であり、
    前記第1の粒子の少なくとも一部が、前記第1のリチウム金属複合酸化物の表面に結合して存在する、
    リチウムイオン二次電池用正極活物質。
  2. 前記第1の粒子の少なくとも一部が、前記第1のリチウム金属複合酸化物から分離して存在する、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
  3. 前記第1の粒子が、リチウムニオブ複合酸化物、リチウムタングステン複合酸化物、リチウムリン複合酸化物、及び、リチウムケイ素複合酸化物からなる群より選択された少なくとも1種を含む、請求項1又は請求項2に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
  4. 前記第1の粒子が、LiNbO及びLiNbOの少なくとも一方を含む、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
  5. 前記第1の粒子の少なくとも一部は、最長径が0.5μm以上である、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
  6. 複数の一次粒子が凝集した二次粒子から構成された第1のリチウム金属複合酸化物と、リチウムイオン伝導性を有する第1の粒子と、を含む正極活物質の製造方法であって、
    第2のリチウム金属複合酸化物と、リチウムと反応して前記第1の粒子を形成可能な第2の粒子とを、混合することと、
    前記混合することにより得られた混合物を400℃以上900℃以下の温度で熱処理することと、を備え、
    前記第2のリチウム金属複合酸化物は、リチウム(Li)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、及び、元素Mを含み、これらの元素の物質量(モル)比が、Li:Ni:Co:M=d1:(1−a−b):a:b(ただし、0≦a<0.40、0≦b<0.35、a+b<0.40、0.95≦d2≦1.5、Mは、Mn、W、Mo、V、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、Zr、La、及び、Taから選択される少なくとも1種の元素)で表され、
    前記第1の粒子は、リチウムと、酸素と、リチウム及び酸素以外の元素と、を含み、
    前記第2の粒子は、リチウム及び酸素以外の前記元素を含み、
    前記混合物中のリチウム及び酸素以外の前記元素の量が、正極活物質全体に対して0.02質量%以上5.2質量%以下であり、
    前記第1の粒子の少なくとも一部は、前記第1のリチウム金属複合酸化物の表面に結合して存在する、
    リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  7. 前記第2の粒子は、ニオブ、タングステン、リン、及び、ケイ素からなる群より選択された少なくとも一種の元素を含む、請求項6に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  8. 前記第2の粒子は、ニオブ酸を含む、請求項6又は請求項7に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  9. 前記第2のリチウム金属複合酸化物は、晶析により得られたニッケル、コバルト、及び、マンガンを含む化合物と、リチウム化合物と、を700℃以上1000℃以下の温度で焼成して形成される、請求項6〜請求項8のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  10. 第1のリチウム金属複合酸化物と、リチウムイオン伝導性を有する第1の粒子と、を含むリチウムイオン二次電池用の正極であって、
    前記第1のリチウム金属複合酸化物は、リチウム(Li)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、及び、元素Mを含み、これらの元素の物質量(モル)比が、Li:Ni:Co:M=d3:(1−a−b):a:b(ただし、0≦a<0.40、0≦b<0.35、a+b<0.40、0.95≦d2≦1.5、Mは、Mn、W、Mo、V、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、Zr、La、及び、Taから選択される少なくとも1種の元素)で表され、
    前記第1の粒子は、リチウムと、酸素と、リチウム及び酸素以外の元素と、を含み、
    前記第1の粒子の一部が、前記第1のリチウム金属複合酸化物の表面と結合して存在し、かつ、前記第1の粒子の一部が、前記第1のリチウム金属複合酸化物とは分離して存在する、リチウムイオン二次電池用正極。
  11. 前記第1の粒子が、LiNbO及びLiNbOの少なくとも一方を含む、請求項10に記載のリチウムイオン二次電池用正極。
  12. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の正極活物質を含む正極と、負極と、電解質とを備える、リチウムイオン二次電池。
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