JP2020023383A - 無端ベルトと保護シートの積層体及びその形成方法並びに積層体アセンブリ - Google Patents

無端ベルトと保護シートの積層体及びその形成方法並びに積層体アセンブリ Download PDF

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研二 長谷川
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峰人 柳生
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Abstract

【課題】無端ベルトの保護面の保護の信頼性を高め、従来よりも小さいサイズで収容する。【解決手段】積層体4は、無端ベルト1と、無端ベルト1の保護面1Aに沿って無端ベルト1に巻き付けられた第1及び第2の保護シート3とを有し、第1の保護シート2は無端ベルト1と第2の保護シート3との間に位置している。第1の保護シート2は第2の保護シート3より柔らかく、保護面1Aと第1の保護シート2との間の摩擦係数μ1は第1の保護シート2と第2の保護シート3との間の摩擦係数μ2より大きい。【選択図】図5

Description

本発明は、無端ベルトの保護面に沿って保護シートが巻き付けられた無端ベルトと保護シートの積層体とその形成方法、並びに積層体アセンブリに関する。
様々な画像形成装置で、画像形成のために無端ベルトが用いられることがある。特許文献1には、インクジェット方式で形成された記録媒体上の画像あるいは転写体上の画像に接触して、画像中の液体成分を吸収、除去する無端ベルト(液体除去ベルト)が開示されている。特許文献2には、インクジェット方式で形成された画像を記録媒体に転写する無端ベルト(中間転写体ベルト)が開示されている。これらの無端ベルトは磨耗等により経年劣化するため、交換が必要となることがある。これらの無端ベルトは一般に傷つきやすい表面を有していることから、保管、移送などの際には表面の保護が必要となる。特許文献3には、カラーレーザープリンタの中間転写体ベルトの保護方法が開示されている。無端ベルトである中間転写体ベルトの表面がゴム弾性体や発泡スポンジからなる保護シートで覆われ、無端ベルトと保護シートの積層体が形成される。中間転写体ベルトは積層体の形態でカバーに収容される。
特開2017−136838号公報 特開2009−916号公報 特開2001−282075号公報
保護シートは梱包中の変形、移送中の振動などによって、無端ベルトの保護面(保護が必要な無端ベルトの面)からずれることがある。保護シートは、ずれる際に保護面に接触や擦過等による傷を発生させる可能性がある。しかし、特許文献3に記載された構成を用いて、擦過などによって保護面に傷がつくのを防止しようとするとベルトのサイズによっては、箱等に収容した場合に大きなものになってしまい実用性が十分ではない。
本発明は、無端ベルトの保護面の保護の信頼性が高められた、従来よりも小さいサイズで収容ができる無端ベルトと保護シートの積層体を提供することを目的とする。
本発明の積層体は、無端ベルトと、無端ベルトの保護面に沿って無端ベルトに巻き付けられた第1及び第2の保護シートとを有し、第1の保護シートは無端ベルトと第2の保護シートとの間に位置している。第1の保護シートは第2の保護シートより柔らかく、保護面と第1の保護シートとの間の摩擦係数は第1の保護シートと第2の保護シートとの間の摩擦係数より大きい。
第1の保護シートは第2の保護シートより柔らかいため、無端ベルトの複雑な変形に追従し、且つ接触や擦過等による保護面の損傷を生じにくくする。さらに、本発明では、保護面と第1の保護シートとの間の摩擦係数が第1の保護シートと第2の保護シートとの間の摩擦係数より大きくされている。このため、積層体にせん断力が掛かった際に、無端ベルトと保護シートとの間のずれが主に第1の保護シートと第2の保護シートとの間に生じる。従って、本発明によれば無端ベルトの保護面の保護の信頼性が高められた、従来よりも小さいサイズで収容ができる無端ベルトと保護シートの積層体を提供することができる。
本発明が対象とする無端ベルトの適用例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る積層体の斜視図である。 積層体の梱包方法を示す概略ステップ図である。 従来の無端ベルトの梱包箱の一例を示す図である。 無端ベルト〜第1の保護シート〜第2の保護シートの摩擦係数の関係を示す模式図である。 実施例における積層体の作成方法を示す概略ステップ図である。
以下、図面を参照して本発明の無端ベルトと保護シートの積層体の実施形態について説明する。図1は本発明が適用される無端ベルトのいくつかの例を示している。
図1(a)はインクジェットプリンタ20の液体除去ベルト101への本発明の適用例を示している。インクジェットプリンタ20はインク(液体の例)を吐出して記録用紙14上に画像を形成する画像形成装置の一例である。液体除去ベルト101はインクジェットプリンタ20において、中間転写体ローラ12に形成された画像から余分な液体成分を除去する液体除去部材であり、本発明における無端ベルト1の一例である。記録用紙14は中間転写体ローラ12と受けローラ13との間を搬送される。中間転写体ローラ12には記録ヘッド11からインク(液体の例)が吐出され、中間転写体ローラ12に吐出された後、無端化された液体除去ベルト101により余分な液体成分が除去されたインクが記録用紙14に転写される。液体除去ベルト101は加圧部21によって中間転写体ローラ12に押し付けられている。液体除去ベルト101は複数のローラ22に掛け回され、張力印加ローラ23によって張力を付与されている。余分な液体成分を除去した液体除去ベルト101はクリーニングモジュール(図示せず)で洗浄され、循環回転する。
図1(b)はインクジェットプリンタ30の中間転写体ベルト201への本発明の適用例を示している。インクジェットプリンタ30はインク(液体の例)を吐出して記録用紙14(記録媒体の例)上に画像を形成する画像形成装置の一例である。中間転写体ベルト201はインクジェットプリンタ30において、インクが吐出されるとともに吐出されたインクを記録用紙14に転写する中間転写体であり、本発明における無端ベルト1の一例である。記録用紙14は搬送ローラ15と転写加圧ローラ31との間を搬送される。中間転写体ベルト201は複数のローラ22と転写加圧ローラ31に掛け回されている。中間転写体ベルト201には記録ヘッド11からインクが吐出され、中間転写体ベルト201に吐出されたインクは乾燥ヒータ16で乾燥された後、記録用紙14に転写される。転写後に中間転写体ベルト201の表面に残存したインクはクリーニングモジュール32で除去され、循環回転する。図示は省略するが、本発明が適用される無端ベルトの他の例として電子写真に用いられる感光体ベルトなども挙げられる。
このような無端ベルト1は、特に大量の印刷を行う産業用プリンタに使用される場合、摩耗等の経年劣化の影響を受けやすい。従って、所定の性能を維持するためには、無端ベルト1を消耗品として定期的に交換する必要が生じる。そのため、プリンタ本体とは別に、無端ベルト1を単体で梱包し輸送する必要がある。無端ベルト1の裏面1B(内側面)(図2参照)は所定の張力に耐える強度を確保するための強度部材、基材等からなり、硬い物質との接触や擦過等に対して鈍感であるため保護の必要性は低い。これに対し、無端ベルト1の外側面は記録用紙やインクに接する面であり、その損傷は印字画像の欠陥に結びつくため、保護の必要性が高い。以下の説明では無端ベルト1の外側面を保護面1A(図2参照)という。保護面1Aは一般に損傷が生じやすい。例えば図1(a)に示す液体除去ベルト101では、保護面1Aを形成する表面層はPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)という柔らかい材質で形成され、且つ微細な多孔質を備えている。このため、硬い物質との接触や擦過等に対して極めて敏感であり、容易に損傷する。また、無端ベルト1は複数のローラに掛け回されて循環回転するため、ベルトを形成するシートは薄く柔軟である必要がある。そのため、無端ベルト1の梱包及び輸送を単体で且つ張力を掛けずに行うと、幅方向に容易に折れ曲がる。折れはベルト表面に損傷を与え、印字画像の欠陥の原因となる。また、無端ベルト1のプリンタ本体への取り付けの際には、複数のローラに掛け回すために複雑な形状に変形させる必要があり、その際にもベルトの折れや保護面1Aの損傷が生じる可能性がある。このため、本実施形態では以下に詳述するように、無端ベルト1を保護シートで保護し、無端ベルト1と保護シートとの積層体の形態で無端ベルト1の保管、移送、取り付けを行う。
図2は本発明の一実施形態に係る、無端ベルト1と保護シート2,3とからなる積層体4の斜視図である。本図では、積層体4を両端が180度で湾曲した単純な状態で示している。積層体4は上述の無端ベルト1と、無端ベルト1の保護面1Aに沿って無端ベルト1に巻き付けられた第1及び第2の保護シート2,3とを有している。第1の保護シート2は無端ベルト1と第2の保護シート3との間に位置している。従って、積層体4の最内周に無端ベルト1が位置し、無端ベルト1の外側に第1の保護シート2が位置し、第1の保護シート2の外側に第2の保護シート3が位置している。無端ベルト1の裏面1Bは保護シートが設けられず、露出されている。第1の保護シート2は、無端ベルト1との間に周方向Cのずれを許容する程度の緩さで巻き付けられている。第2の保護シート3も第1の保護シート2との間に周方向Cのずれを許容する程度の緩さで巻き付けられている。さらに、後述する理由から、第2の保護シート3は第1の保護シート2よりも緩く巻き付けられている。換言すれば、第2の保護シート3の周長から第1の保護シート2の周長を引いた値は、第1の保護シート2の周長から無端ベルト1の周長を引いた値より大きくされている。
第1の保護シート2は、それ自身が無端ベルト1の保護面1Aを傷つけることがないよう柔らかい材質で形成されている。柔らかさは例えばショア硬さで規定することができる。第1の保護シート2は少なくとも第2の保護シート3より柔らかくされている。第1の保護シート2としては、ポリエチレンやポリウレタンなどの柔らかい素材で形成されたシートを用いるのが好ましい。特に、ポリエチレン発泡シート、ポリウレタン発泡シートなどの発泡プラスチックシート、ポリエチレンシートからなり表面に気泡入りの突起部が多数形成された気泡緩衝材は柔らかさに加えて圧力分散性も高く、好適に使用できる。
第2の保護シート3は、幅方向Wの曲げ剛性が第1の保護シート2の幅方向Wの曲げ剛性より大きくされている。第1の保護シート2は柔らかい材質で形成されているため、保護面1Aの接触や擦過等に対する耐性は大きく向上するが、大きな曲げ剛性を確保するのが困難な場合がある。このため、第1の保護シート2だけでは、無端ベルト1の幅方向Wの折れ曲がりを防止することが難しい場合がある。すなわち、無端ベルト1を第1の保護シート2で覆うだけでは、張力が掛かっていない状況で容易に折れ曲がり、折れによる保護面1Aの損傷を防止するのが困難な場合がある。そこで、本実施形態では第1の保護シート2の外側に、さらに第2の保護シート3が重ねられている。第2の保護シート3は、その高い剛性により無端ベルト1の幅方向Wの折れを抑制する支持体として働く。第1の保護シート2が無端ベルト1の保護面1Aを保護しているため、第2の保護シート3は直接無端ベルト1の保護面1Aに触れることはない。そのため第2の保護シート3に硬い材料を使っても問題はなく、第2の保護シート3に高い曲げ剛性を持たせることは容易である。一方、プリンタ本体への装着や後述する梱包の際に、積層体4は周方向Cに複雑に折り曲げられることがある。このため、第2の保護シート3の周方向Cの剛性は低い方が好ましい。このような特性を満足する第2の保護シート3として、蛇腹構造やすだれ構造のシート、幅方向Wの曲げ剛性が高い部分と低い部分が周方向Cに交互に配列したシートなどを挙げることができる。実際的には、一方向の曲げ剛性が低くなるように加工された罫線付プラスチックダンボールや、巻ダンボールと呼ばれるシートを第2の保護シート3の好ましい材料として挙げることができる。第2の保護シート3は1層構成でも構わないが、幅方向Wに曲げ剛性が高く、周方向Cに曲げ剛性が低いという特性を全体として満足すれば、必要に応じて多層から構成されるシートを用いることもできる。
さらに、無端ベルト1、第1の保護シート2、第2の保護シート3からなる積層体4には幅方向Wに繋縛部材5が巻き付けられている。本明細書では繋縛部材5が巻き付けられた積層体4を積層体アセンブリ8という。繋縛部材5は無端ベルト1と第1の保護シート2と第2の保護シート3を幅方向Wに一体化し、幅方向Wにおける互いのずれを制限する。ただし、繋縛部材5は無端ベルト1と第1の保護シート2と第2の保護シート3が幅方向Wに大きくずれない程度のきつさで巻き付けるのが好ましい。また、後述の梱包方法との関係から、繋縛部材5を無端ベルト1と第1の保護シート2と第2の保護シート3が周方向Cに完全に拘束されるようにきつく巻き付けることは好ましくない。繋縛部材5は無端ベルト1と第1の保護シート2との間及び第1の保護シート2と第2の保護シート3との間の周方向Cのずれを許容するきつさで巻き付けるのが好ましい。例えば繋縛部材5は、積層体4の内側に内側コア6A,6B(後述)を挿入して積層体4を持ち上げた際に、積層体4の下側部分で第2の保護シート3が無端ベルト1から大きく離れない(垂れ下がらない)程度のきつさで巻き付けるのが好ましい。
繋縛部材5の材料は特に限定されず、一般的なプラスチックフィルムを用いることができる。繋縛する際はシート状のフィルムを積層体4の周りに幅方向Wに巻き付け、両端部を接着テープなどで固定することができる。繋縛部材5は紐状のものでもよいが、フィルム状のものがより好ましい。フィルム状の繋縛部材5を用いることで、無端ベルト1の端部への応力集中を抑制することができる。繋縛部材5の数は必要に応じて選択可能である。本実施形態では2つの幅広フィルムを概ね積層体4の周長を二分する位置に設置しているが、3以上の幅の細い繋縛部材5を設置することもできる。
図3は積層体4の梱包方法を示す概略ステップ図である。便宜上、図3(a)〜(c)では積層体4を1本の線で示している。まず、図3(a)に示すように、無端ベルト1の内側に第1の内側コア6Aと第2の内側コア6Bを挿入する。第1の内側コア6Aと第2の内側コア6Bは、積層体4の幅方向Wに積層体4の全幅に渡って延びる筒状体である。積層体4には第1及び第2の内側コア6A,6Bによって張力が掛けられている。第1の内側コア6Aと第2の内側コア6Bは積層体4の内周部における周長を二分する位置に設けられる。第1の内側コア6Aと第2の内側コア6Bは無端ベルト1の裏面1Bに接しているため、保護面1Aが影響を受けることはない。次に、図3(b)に示すように、積層体4の外周部に一つの外側コア6Cを設ける。外側コア6Cは積層体4を挟んで第1の内側コア6Aと対向する位置に設けられる。外側コア6Cも積層体4の幅方向Wに積層体4の全幅に渡って延びる筒状体であり、第1及び第2の内側コア6A,6Bと同一の形状及び寸法を有している。次に、図3(c)に示すように、外側コア6Cを第1の内側コア6Aに突き当てながら、第1の内側コア6Aと外側コア6Cの周りに積層体4をロール状に巻き付ける。外側コア6Cは積層体4の外側面と対向するが、無端ベルト1と外側コア6Cとの間に第1の保護シート2と第2の保護シート3が介在しているため、無端ベルト1の保護面1Aは保護される。図3(c)に示す工程では、無端ベルト1、第1の保護シート2、第2の保護シート3の間に、それらの厚さに起因して、周方向Cのずれ(相対変位)が生じる。第1の保護シート2は柔軟で且つ伸縮性があるため、無端ベルト1と第1の保護シート2の間のずれは第1の保護シート2の変形によって吸収される。これに対し、第2の保護シート3は曲げ剛性の確保のため、無端ベルト1や第1の保護シート2と比較して厚みが大きく、さらにその高い剛性のために変形能力が小さい。このため、無端ベルト1と第2の保護シート3との間のずれは予め第2の保護シート3の周長をある程度長くしておくことで吸収する必要がある。本実施形態では、上述のように、第2の保護シート3を第1の保護シート2の外側に巻き付ける際、第2の保護シート3を第1の保護シート2にきっちりと密着させず、ある程度の弛みを持たせている。最終的に、積層体4は図3(d)に示すように巻かれ、その状態で梱包箱7に収容される。
図4は従来の無端ベルト1の梱包方法を示している。図4(a)は無端ベルト1が収容された梱包箱107の平面図、図4(b)は図4(a)のA−A線に沿った断面図である。無端ベルト1は2つの内側コア6A,6Bによって張力を掛けられた状態(図3(a)の状態)で梱包箱107に収容されている。2つのコア6A,6Bの間隔はほぼ無端ベルト1の周長の1/2となっている。無端ベルト1はコア6A,6B以外に接触しておらず且つ張力を掛けられているため、擦過や折れが生じにくい。従って、図4に示す梱包方法は無端ベルト1の保護の観点からは好ましい形態である。しかし、この梱包方法は梱包箱107の寸法を低減することが困難である。例えば産業用高速プリンタの液体除去ベルト101の場合、印字画像から吸収したインクを別の箇所で回収する必要があること、大判印刷に対応する必要があることなどから、幅80cm、長さ3m程度の寸法となることがある。その場合、梱包箱107の平面寸法は幅1m、長さ1.5m程度となる。中間転写体ベルト201についても同様である。これに対し本実施形態では無端ベルト1(梱包箱7)の幅方向Wの寸法は図4に示す例と同等であるが、梱包箱7の平面寸法は25×90cm程度であり、1/6程度に縮小される。これは、梱包箱7のコスト、物流コスト、保管スペースなどに関し大きなメリットとなる。
図5(a)は積層体4の側面図を、図5(b)は5(a)のA部拡大図を示している。積層体4をロール状に巻くとき、すなわち図3(a)の状態から図3(d)の状態まで積層体4を変形させる間に、無端ベルト1、第1の保護シート2、第2の保護シート3は周方向Cに相互にずれる。この際、無端ベルト1と第2の保護シート3との間にせん断力Fが発生する。図5(b)には無端ベルト1と第2の保護シート3との間のせん断力Fを模式的に示している。このせん断力Fは巻きをほどくとき、すなわち図3(d)の状態から図3(a)の状態まで積層体4を変形させる際にも発生する。このため、これらの工程を行う際に無端ベルト1と第1の保護シート2との間で接触や擦過が生じる可能性がある。
本実施形態では、第1の保護シート2は柔軟で且つ変形容易な素材で形成されているため、無端ベルト1の変形に容易に追従する。一方、第2の保護シート3は剛性が高く変形能力が小さいため、第1の保護シート2への追従性が低い。より一般的には、保護面1Aと第1の保護シート2との間の摩擦係数μ1が、第1の保護シート2と第2の保護シート3との間の摩擦係数μ2より大きくされている。摩擦係数については静摩擦係数と動摩擦係数の両者を考慮することが好ましい。すなわち、保護面1Aと第1の保護シート2との間の静摩擦係数と動摩擦係数が、それぞれ、第1の保護シート2と第2の保護シート3との間の静摩擦係数と動摩擦係数より大きくされていることが好ましい。静摩擦係数が大きいほどずれが発生しにくく、動摩擦係数が大きいほどずれた後のずれ量が抑制される。μ1>μ2であるため、図5(c)に示すように、せん断力Fによって生じる保護面1Aと第2の保護シート3との間の周方向Cのずれは主に第1の保護シート2と第2の保護シート3との間で生じる。換言すれば、せん断力Fによって生じる保護面1Aと第2の保護シート3との間の周方向Cのずれは、第1の保護シート2と第2の保護シート3との間の周方向Cのずれによって吸収され、ないし緩和される。無端ベルト1と第1の保護シート2との間の周方向Cのずれは生じないか、生じたとしても小さいものとなり、第1の保護シート2の擦過などによる無端ベルト1の保護面1Aへの影響が軽減される。一方、μ1<μ2である場合は、図5(d)に示すように、周方向Cのずれは主に無端ベルト1と第1の保護シート2との間で生じ、無端ベルト1の保護面1Aに擦過が生じやすくなる。第1の保護シート2は柔軟な素材で形成されているため無端ベルト1の保護面1Aに対する擦過の影響は小さいが、それでも擦過が生じることは無端ベルト1の保護面1Aに損傷を与える要因になる。
せん断力Fが生じる原因としては、運搬時の振動も考えられる。繋縛部材5による拘束はそれほど強くないため、梱包状態で振動に曝される際に、無端ベルト1と第2の保護シート3の間で微小なずれが発生する。しかし、同様のメカニズムにより周方向Cのずれは主に第1の保護シート2と第2の保護シート3との間で生じるため、無端ベルト1の保護面1Aへの影響が軽減される。
また、例えば図4に示す形態で梱包されている無端ベルト1をプリンタ本体に装着する場合、無端ベルト1を梱包箱107から取り出した後には無端ベルト1に加えられていた張力は失われ、無端ベルト1は幅方向に容易に折れる状態になる。さらに、無端ベルト1は図1に示すように複雑な構成のローラに掛けまわす必要がある。しかも、無端ベルト1は、片持ち梁状態のローラの自由端側からローラに軸方向に装着する必要がある。従って、表面が擦過によって傷つき易く折れやすいベルトを、保護面1Aが保護されず且つ折れ防止の支持体もない状態で保護面1Aに損傷を与えることなく装着することは困難である。
一方、本実施形態では以下のようにして無端ベルト1がプリンタ本体に装着される。まず、積層体4をローラの軸方向にローラに沿って滑らせるようにローラに装着する。積層体4は繋縛部材5で拘束されているため、無端ベルト1と第1の保護シート2と第2の保護シート3が互いに大きくずれることはない。そのため、無端ベルト1の保護面1Aが露出して損傷を受ける可能性、及び無端ベルト1の保護面1Aが第1の保護シート2による接触や擦過等で損傷を受ける可能性は小さい。また、無端ベルト1は無張力状態にあるが、第2の保護シート3が支持体の役割を果たすため、ベルトが折れる可能性は小さい。次に、繋縛部材5の手前側を切断するなどの方法で繋縛部材5を積層体4から取り外す。さらに、第1の保護シート2と第2の保護シート3を周方向Cのいずれかの位置で切断し、無端ベルト1を低速で回しながら、第1の保護シート2と第2の保護シート3を無端ベルト1から徐々に分離する。これによって、無端ベルト1の保護面1Aに大きな負荷をかけることなく、第1の保護シート2と第2の保護シート3の取外しが可能となる。
(実施例)
無端ベルト1の一例としてインクジェットプリンタ用の液体除去ベルト101を用意した。ベルトの幅は80cm、周長は2.8mである。液体除去ベルト101は、保護面1Aがポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる孔径10μm以下の多孔質層、裏面1Bがポリフェニルサルファイド(PPS)繊維の不織布からなるシートで形成されている。図6(a)に示すように、液体除去ベルト101の内側に2本のプラスチック製のコア6A,6Bを通し、専用台に載せて張力を掛けた。次に、第1の保護シート2として、厚さ約1mm、幅81cm、長さ3mのポリエチレン(PE)発泡シートを用意し、図6(b)のように無端ベルト1の外周に巻き付けた。次に、第2の保護シート3として、厚さ3mm、幅82cm、長さ3mのポリプロピレン(PP)製罫線付プラスチックダンボールを図6(c)のように第1の保護シート2の外側に巻き、先端部をテープで留めた。この時、後の梱包を考慮して第2の保護シート3は液体除去ベルト101や第1の保護シート2に対して少し弛みがでるように留め、積層体4を形成した。液体除去ベルト101と第1の保護シート2と第2の保護シート3の間の摩擦係数を表1に示す。μ1>μ2の関係になっていることが確認された。
Figure 2020023383
次に、繋縛部材5として、厚さ50μm、幅95cmのポリエチレン(PE)フィルムを図6(d)のように液体除去ベルト101、第1の保護シート2、第2の保護シート3からなる積層体4に幅方向Wに巻き付けた。繋縛部材5の端部は、後で容易に分離できるよう積層体4の一方の端近くでテープ留めした。繋縛部材5は、図6(d)に示すように、ベルト状の積層体4の2か所に巻き付けた。次に液体除去ベルト101の張力を緩め、もう1本のプラスチックコア6cを用意し、図3(d)で示すように積層体4をコア6c,6bの周りにロール状に巻いた。次に積層体4を段ボール製の梱包箱7に入れて図3(d)に示すように梱包し、物流試験を想定した振動試験を実施した。その後開梱し、図3に示す手順を逆に辿り、繋縛部材5、第2の保護シート3、第1の保護シート2を外し、液体除去ベルト101の保護面1Aを観察した。PTFE多孔質層からなる保護面1Aには特に損傷が見られなかった。
また、液体除去ベルト101を梱包状態から開梱し、図1(a)に示す構成のローラシステムに装着した。張力印加ローラ23を退避させて液体除去ベルト101に大きな張力が掛からない状態にした後、繋縛部材5で一体化された積層体4をローラの片側から、ローラシステムのプロファイルに合わせて挿入した。挿入後、繋縛部材5の手前側のテープを除去して端部を開放した。繋縛部材5は一端を引っ張ることで手前側に除去することができた。続いて第2の保護シート3の端部を止めてあるテープを剥離し、第2の保護シート3の端部を開放し、ローラシステムの片側から、ローラシステムをゆっくり回転させた。その回転に合わせて第2の保護シート3、第1の保護シート2の端部を引き、液体除去ベルト101をローラシステムに装着した状態で第1及び第2の保護シート2,3を液体除去ベルト101から分離することができた。このようにして折れを発生させず、保護面1Aを傷つけることなく液体除去ベルト101をローラシステムに装着することが可能であった。
(比較例)
液体除去ベルト101としては実施例と同様のものを用い、図6(a)までは実施例と同様のステップを実行した。次に、実施例のPE発泡シートとPP製罫線付プラスチックダンボールを両面テープで接着した。接着されたPE発泡シートとPP製罫線付プラスチックダンボールを、PE発泡シート側が液体除去ベルト101と接するように液体除去ベルト101の外側に巻き付け、先端をテープ留めして積層体4を形成した。PE発泡シートとPP製罫線付プラスチックダンボールとの間の摩擦係数が非常に大きいため、μ1<μ2の関係になっている。この積層体4を実施例同様にPEフィルムの繋縛部材5で巻き、実施例と同様の方法で梱包を行った。さらに、実施例と同様の振動試験を行い、その後開梱して実施例と同様に液体除去ベルト101の保護面1Aを観察した。液体除去ベルト101の保護面1Aは、表面光沢にむらが生じ、擦れたと思われる箇所と、殆ど変化していない箇所が見られた。擦れたように見える場所を顕微鏡で観察すると、PTFE多孔質層が損傷を受けていることが観察された。比較例では摩擦係数が上記の関係になっている。このため、無端ベルト1と第2の保護シート3との間に発生するずれの殆どが無端ベルト1と第1の保護シート2との間で発生し、無端ベルト1の擦過が生じ、保護面1Aに上記のような損傷が発生したものと考えられる。
1 無端ベルト
1A 無端ベルトの保護面
2 第1の保護シート
3 第2の保護シート
4 積層体

Claims (9)

  1. 無端ベルトと、前記無端ベルトの保護面に沿って前記無端ベルトに巻き付けられた第1及び第2の保護シートとを有し、前記第1の保護シートは前記無端ベルトと前記第2の保護シートとの間に位置し、前記第1の保護シートは前記第2の保護シートより柔らかく、前記保護面と前記第1の保護シートとの間の摩擦係数は、前記第1の保護シートと前記第2の保護シートとの間の摩擦係数より大きい、積層体。
  2. 前記第2の保護シートの幅方向の曲げ剛性が前記第1の保護シートの幅方向の曲げ剛性より大きい、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記無端ベルトは、液体を吐出して記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、前記記録媒体に形成された画像から余分な液体を除去するための液体除去部材である、請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記無端ベルトは、液体を吐出して記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、液体が吐出され、吐出された液体を記録媒体に転写する中間転写体である、請求項1または2に記載の積層体。
  5. 前記第1の保護シートは発泡プラスチックシートまたは気泡緩衝材からなる、請求項1から4のいずれか1項に記載の積層体。
  6. 前記第2の保護シートは罫線付プラスチックダンボールまたは巻ダンボールからなる、請求項1から5のいずれか1項に記載の積層体。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の積層体と、前記積層体に幅方向に巻き付けられた繋縛部材を有し、
    前記繋縛部材は前記無端ベルトと前記第1の保護シートと前記第2の保護シートの前記幅方向のずれを制限するとともに、前記無端ベルトと前記第1の保護シートとの間及び前記第1の保護シートと前記第2の保護シートとの間の周方向のずれを許容する、積層体アセンブリ。
  8. 請求項1から6のいずれか1項に記載の積層体と、
    前記積層体の内周部における周長を二分する位置に設けられ、前記積層体の幅方向に延びる第1及び第2の内側コアと、
    前記積層体の外周部における前記積層体を挟んで前記第1の内側コアと対向する位置に設けられ、前記積層体の幅方向に延びる一つの外側コアと、を有し、
    前記積層体が前記第1の内側コアと前記外側コアの周りに巻き付けられている、積層体アセンブリ。
  9. 無端ベルトの保護面に沿って第1及び第2の保護シートを前記無端ベルトに巻き付け、前記第1の保護シートが前記無端ベルトと前記第2の保護シートとに挟まれた積層体を形成することを有し、
    前記第1の保護シートは前記第2の保護シートより柔らかく、前記保護面と前記第1の保護シートとの間の摩擦係数は、前記第1の保護シートと前記第2の保護シートとの間の摩擦係数より大きい、無端ベルトと保護シートの積層体の形成方法。
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