JP4322406B2 - 平版印刷版用包装箱及び平版印刷版包装構造 - Google Patents

平版印刷版用包装箱及び平版印刷版包装構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部に平版印刷版を収容して包装するための平版印刷版用包装箱とこの平版印刷版用包装箱を用いた平版印刷版包装構造に関し、さらに詳しくは、収容された平版印刷版を外力から確実に保護可能な平版印刷版用包装箱及び平版印刷版包装構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の製版法(電子写真製版法を含む)では、製版工程の自動化を容易にすべく、感光性印刷版や感熱性印刷板等の平版印刷版が広く用いられている。平版印刷版は、一般にシート状或いはコイル状のアルミニウム板等の支持体に、例えば、砂目立て、陽極酸化、シリケート処理、その他化成処理等の表面処理を単独又は適宜組み合わせて行い、次いで、感光層又は感熱層(これらをまとめて「塗布膜」という)の塗布、乾燥処理を行った後に所望のサイズに切断されることで製造される。この平版印刷版は、露光、現像処理、ガム引き等の製版処理が行われ、印刷機にセットされ、インクが塗布されることで、紙面に文字、画像等が印刷される。
【0003】
これらの平版印刷版(感光性印刷版及び感熱性印刷版)は、いずれも一枚の薄い板状とされているため、角や辺、内部等に傷や変形があると、感光や感熱によって現像した際に像がぼけたり、印刷した際にインクが不均一になる等の問題が生じやすい。
【0004】
そこで、このような傷や変形を防止するために、平版印刷版を外力から保護して包装する段ボール箱が提案されている(特開平10−16946号参照)。
【0005】
図10に示すように、この段ボール箱150は、底面板152の対向する2辺を折り曲げて三角管状体154を形成することで、側面板156や面板158に対する底面板152の直角度を強力に維持し、内容物の重量で形状を崩さないようになっている。
【0006】
また、この段ボール箱150では、収容された平版印刷版の2辺(短辺)の外側に三角筒状体154が位置するため、外力が平版印刷版の短辺側に作用しても、三角筒状体154がこの外力のエネルギーを吸収し、平版印刷版の傷や変形を防止することが可能である。
【0007】
しかし、三角筒状体154は、収容された平版印刷版の短辺に対応する位置(すなわち2辺)にしか設けられておらず、平版印刷版の長辺に対応する位置には、1枚の段ボールが配置されているのみである。従って、この段ボール箱150に平版印刷版を収容して包装した状態で、平版印刷版の長辺側に外力が作用すると、このエネルギーが1枚の段ボールでは吸収しきれず、平版印刷版に傷や変形が生じてしまうことがあり、平版印刷版を確実に保護できない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事実を考慮し、平版印刷版を確実に保護できる平版印刷版用包装箱及び平版印刷版包装構造を得ることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明では、内部に平版印刷版を収容して包装するための平版印刷版用包装箱であって、平版印刷版よりも大きなサイズの底板部と、前記底板部と同一の材料によって底板部の各辺から底板部と一体的に、且つ一定の厚みを有して延出された折り曲げ部を折り曲げて積層され、底板部の上に載せられた平版印刷版の各辺に対応して平版印刷版を取り囲むように配置されることで外力のエネルギーを吸収する折り曲げ積層部と、対向する2つの前記折り曲げ積層部からさらに延出され、前記底板部上で且つ前記折り曲げ積層部の内側に収容された平版印刷版を覆う蓋板部と、を有することを特徴とする。
【0010】
すなわち、この平版印刷版用包装箱では、平版印刷版よりも大きなサイズの底板部上に平版印刷版を載せ、折り曲げ積層部が、平版印刷版の各辺に対応して平版印刷版を取り囲むことで、平版印刷版が包装される。例えば、複数の平版印刷版を収容して包装することもできるため、荷扱いが容易になる。
【0011】
平版印刷版用包装箱は、底板部の上に載せられた平版印刷版の各辺に対応して、平版印刷版を取り囲むように配置された複数の保護部材を有している。従って、外部から外力が作用した場合に、平版印刷版の全ての辺に対応して、外力のエネルギーを吸収でき、包装された平版印刷版を確実に保護できる。しかも、対向する2つの折り曲げ部からさらに延出され、底板部上で且つ折り曲げ積層部の内側に収容された平版印刷版を覆う蓋板部によって、収容された平版印刷版を覆うことができる。底板部と同一の材料によって底板部の各辺から底板部と一体的に、且つ一定の厚みを有して折り曲げ積層部が延出され、さらに折り曲げ積層部から蓋板部が延出されているので、部品点数が少なくなり、平版印刷版用包装箱を組み立てる作業も容易になる。
【0020】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の平版印刷版用包装箱であって、前記折り曲げ積層部同士の突き合せ部に設けられ、平版印刷版用包装箱の外部から内部に向かう直線的な経路を遮る非直線部、を有することを特徴とする。
【0021】
折り曲げ積層部同士の突き合せ部には非直線部が設けられており、平版印刷版用包装箱の外部から内部に向かう直線的な経路を遮っている。一般に光は直進するので、このように平版印刷版用包装箱の外部から内部に向かう直線的な経路が遮られることで、平版印刷版用包装箱の外部の光が平版印刷版用包装箱の内部に浸入することが防止される。これにより、平版印刷版用包装箱に収容され包装された平版印刷版が確実に遮光される。しかも、遮光のための部材を別途必要としないので、低コストで平版印刷版を遮光して包装できる。
【0022】
請求項3に記載の発明では、平版印刷版と、前記平版印刷版を内部に収容して包装する請求項1または請求項2に記載の平版印刷版用包装箱と、を有することを特徴とする。
【0023】
このため、平版印刷版用包装箱に外力が作用した場合に、平版印刷版の全ての辺に対応して、外力のエネルギーを吸収でき、包装された平版印刷版を確実に保護できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1には、本発明の一実施形態の平版印刷版用包装箱30に平版印刷版10の積層束12を収容する過程が示されている。また、図2には、平版印刷版用包装箱30が展開図にて示されている。
【0025】
平版印刷版10は、長方形の板状に形成された薄いアルミニウム製の支持体上に、塗布膜(感光性印刷版の場合には感光層、感熱性印刷版の場合には感熱層)を塗布して形成されている。この塗布膜に、露光、現像処理、ガム引き等の製版処理が行われ、印刷機にセットされ、インクが塗布されることで、紙面に文字、画像等が印刷される。なお、本実施形態の平版印刷版10は、印刷に必要な処理(露光や現像等)が施される前段階のものであり、場合によっては平版印刷版原版あるいは平版印刷版材と称されることもある。
【0026】
平版印刷版10の形状等は特に限定されず、例えば、厚み0.12〜0.5mm、長辺(幅)300〜2050mm、短辺(長さ)200〜1500mmのアルミニウム板の片面に感光層又は感熱層が塗布されたもの等とすることができる。
【0027】
そして、塗布膜を保護する合紙14と平版印刷版10とを交互に厚み方向に重ね合わせ、さらにこの上面及び下面に保護用厚紙22を配置して、平版印刷版10の積層束12が構成されている。なお、保護用厚紙22は、平版印刷版10の向かい合う辺の所定箇所(複数箇所が好ましい)において、粘着テープ等の固定手段で平版印刷版10に固定し、ずれないようにすることが好ましい。
【0028】
1つの積層束12を構成する平版印刷版10の数は特に限定されないが、運搬や保管の効率化の観点等から、例えば10枚〜100枚とすることができる。また、さらに多くの平版印刷版10によって積層束12を構成し、より効率的に(少ない荷扱いの回数で)運搬や保管をできるようにすることも可能である。保護用厚紙22を、平版印刷版10の所定枚数ごとに配置し、より確実に平版印刷版10を保護できるようにしてもよい。また、平版印刷版10の種類によっては、合紙14や保護用厚紙22を省略してもよい。さらに、積層束12を、所定の遮光性及び防湿性を有する内装紙によって内装してもよい。
【0029】
平版印刷版用包装箱30は段ボール製とされており、図2に示す展開図からも分かるように、平版印刷版よりも大きなサイズの底板部32を有している。底板部32の長辺32L及び短辺32Sからは、それぞれ折り曲げ部34、36が延出されている。さらに、長辺側の折り曲げ部34からは、蓋板部38が延出されている。
【0030】
折り曲げ部34、36には、それぞれ底板部32の長辺32L及び短辺32Sと平行な複数の折り曲げ線40が一定間隔をあけて形成されている。折り曲げ部34、36を、これらの折り曲げ線40で谷折り(谷折りする折り曲げ線40を一点鎖線で示す)と山折り(山折りする折り曲げ線40を二点鎖線で示す)を交互に複数回(本実施形態では谷折りを2回、山折りを2回)繰り返すことで、図4(A)及び(B)に示すように、底板部32の上面の周囲(4辺に対応した部分)に、段ボールが積層された折り曲げ積層部42、44が構成される。そして、折り曲げ部34、36の各部分が接着剤等の貼着手段によって貼着され、折り曲げ積層部42、44を構成した状態に維持されている。
【0031】
この状態で、折り曲げ積層部42、44で囲まれた領域内が、積層束12を収容可能な収容部46となっている(換言すれば、この領域内に積層束12を収容できるように、折り曲げ部34、36の形状等が決められている)。また、折り曲げ積層部42が、折り曲げ積層部44と重ならないようにするために、図2に示すように、折り曲げ部34の幅W1は、底板部32の長辺32Lの長さL1よりも短くされている。
【0032】
ここで、長辺32L側の折り曲げ部34からさらに延出された蓋板部38を、図1及び図4(A)に矢印Fで示すように内側に折り曲げると、この蓋板部38によって収容部46を覆うと共に平版印刷版用包装箱30を閉じることができる。これにより、図3に示すように、本発明の平版印刷版包装構造48が構成される。なお、蓋板部38は、本発明に係る収容箱本体を構成する要素であるが、蓋板部38が閉じられる前段階の収容箱本体の収容部46に平版印刷版10の積層束12が収容されると共に、収容された平版印刷版10の積層束12が、蓋板部38によって覆われることになる。
【0033】
なお、それぞれの蓋板部38は、収容部46を覆った状態でその先端が部分的に重なるようになっていてもよいが、本実施形態では、蓋板部38の先端が突き合される(先端どうしが線状に接触する)ように形成している。これにより、必要最小限の面積で収容部46を覆うことを可能にすると共に、収容部46を覆った状態での、上方への盛り上がり(重ね合わさった部分)が生じないようにしている。
【0034】
平版印刷版包装構造48が構成された状態では、蓋板部38どうし或いは蓋板部38と折り曲げ積層部42、44とは、粘着テープ50等の固定手段によって固定されると共に、隙間を通って外部から内部へと不用意に光が入らないように遮光される。さらに、折り曲げ積層部42と折り曲げ積層部44との突き合せ部52に生じた隙間も粘着テープ54によって塞がれ、平版印刷版用包装箱30はさらに確実に遮光される。
【0035】
このような構成とされた第1実施形態の平版印刷版用包装箱30に平版印刷版10の積層束12を収容して包装すると、平版印刷版10の4辺すべての外側に、折り曲げ積層部42又は折り曲げ積層部44が位置していることになる。
【0036】
一般に、平版印刷版(感光性印刷版及び感熱性印刷版)は、一枚の薄い板状とされているため、角や辺、内部等に傷や変形があると、感光や感熱によって現像した際に像がぼけたり、印刷した際にインクが不均一になる等の問題が生じやすい。本実施形態の平版印刷版用包装箱30に平版印刷版10の積層束12を収容して包装することで、上記したように、平版印刷版10の4辺すべての外側に、折り曲げ積層部42又は折り曲げ積層部44が位置しているため、荷扱い時等に外力が作用した場合でも、この外力のエネルギーが折り曲げ積層部42、44の変形や潰れによって吸収され、平版印刷版10の傷や変形が防止される。
【0037】
また、折り曲げ積層部42、44によって、平版印刷版用包装箱30の曲げ剛性が高められており、容易に湾曲しないようになっている。従って、この平版印刷版用包装箱30に収容され包装された平版印刷版10の湾曲も防止される。以上により、平版印刷版10は一定の品質に維持され、現像や印刷への悪影響がなくなる。
【0038】
しかも、折り曲げ積層部42、44は、底板部32から延出された折り曲げ部34、36を折り曲げることで構成できるようになっている。さらに、蓋板部38も折り曲げ部34から延出されている。これらにより、平版印刷版用包装箱30を、一体的な1枚の段ボールで構成できるので、部品点数が少なくなり、平版印刷版用包装箱30の製造コストが低くなる。また、平版印刷版用包装箱30を展開状態から組み立てる作業も容易になる。
【0039】
なお、底板部32の短辺32S側から延出された折り曲げ部36は、折り曲げ部34と異なり蓋板部38が延出されていないため、必ずしも山折りと谷折りとを交互に繰り返して折り曲げ積層部44を構成する必要はない。例えば、図4(C)に示すように、折り曲げ部36を同一方向に折り込んで、渦巻状の折り曲げ積層部56としてもよい。
【0040】
本実施形態の平版印刷版用包装箱30では、折り曲げ部34、36の底板部32からの延出長や折り曲げ回数を調整することで、収容部46の高さを調整することができる。平版印刷版10の積層束12では、平版印刷版10の枚数や平版印刷版10の1枚当たりの厚みの違いによって、積層束12の厚みが異なる場合があるが、このような場合でも、収容部46の高さを積層束12の高さに合わせることで、積層束12を収容部46内に隙間無く収容できる。例えば、上記した例では、図4からも分かるように、収容部46の高さHは、段ボール4枚分の高さとなっている。これに対し、例えば図5(A)〜(C)に示すように、折り曲げ部34の延出長を短くすると共に折り曲げ回数を少なくすることで、収容部46の高さ(折り曲げ積層部42、44、56の高さ)Hを、段ボール2枚分としてもよい。逆に、折り曲げ部34の延出長を長くすると共に折り曲げ回数を多くすることで、収容部46の高さ(折り曲げ積層部42、44、56の高さ)を、段ボール6枚分あるいはそれ以上としてもよい。
【0041】
図6には、本発明の参考例の平版印刷版用包装箱60が示されている。以下、第1実施形態と同一の構成要素、部材等については同一符号を付して説明を省略する。
【0042】
参考例の平版印刷版用包装箱60では、底板部32から折り曲げ部34、36(図2参照)は延出されておらず、これに代えて、底板部32と別体で形成された複数枚の積層板62、64を有している。
【0043】
図7(A)にも示すように、積層板62はいずれも段ボールによって全て同サイズに形成されており、底板部32の長辺32Lに対応した位置に積層され、接着剤等の貼着手段によって貼着されている。同様に、図7(B)に示すように、積層板64もそれぞれ段ボールによって全て同サイズに形成されており、底板部32の短辺32Sに対応した位置に積層され、接着剤等の貼着手段によって貼着されることで、積層部70を構成している。ここで、積層板64は積層板62よりも1枚だけ多く設けられている。
【0044】
また、参考例では、蓋板部38も積層板62と別体で形成されると共に、積層板62と同形状の張り付け板66が延出されている。張り付け板66は、図7(A)から分かるように、最も上の積層板62の上面に貼着されており、積層板62と張り付け板66とで積層部68が構成されている。これにより、積層部68と積層部70とは同じ高さとなり、これら積層部68、70の内側が収容部46となっている。収容部46に平版印刷版10の積層束12を収容した状態で、第1実施形態の平版印刷版用包装箱30と同様、蓋板部38を図6及び図7(A)に矢印Fで示すように内側に折り曲げることで、収容部46を覆うと共に平版印刷版用包装箱60を閉じることができる。蓋板部38どうし或いは蓋板部38と折り曲げ積層部42、44とは、粘着テープ50等の固定手段によって固定される。さらに、積層部68と積層部70との突き合せ部に生じた隙間も粘着テープによって塞がれる。
【0045】
このような構成とされた参考例の平版印刷版用包装箱60においても、第1実施形態の平版印刷版用包装箱30と同様、内部に収容され包装された平版印刷版10(積層束12)の4辺すべての外側に積層部68又は積層部70が位置している。このため、外力が作用した場合にそのエネルギーが積層部68、70の変形や潰れによって吸収され、平版印刷版10の傷や変形が防止される。
【0046】
しかも、参考例の平版印刷版用包装箱60では、第1実施形態の平版印刷版用包装箱30と比較して、収容部46の高さHを調整する自由度が高い。すなわち、第1実施形態の平版印刷版用包装箱30では、底板部32から折り曲げ積層部42を経て蓋板部38に至るまで連続した1枚の段ボールで構成しているため、折り曲げ積層部42を構成する段ボールの積層枚数は必然的に偶数枚となる。これに対し、参考例の平版印刷版用包装箱60では、積層部68、70が、底板部32と別体で形成された積層板62、64を積層することで構成されているので、積層板62、64の積層枚数に制限がない。このため、例えば奇数枚の積層板64を積層して積層部70を構成することもできる。
【0047】
図8には、本発明の第2実施形態の平版印刷版用包装箱80が部分的に拡大して示されている。以下、第1実施形態の平版印刷版用包装箱30と同一の構成要素、部材等については同一符号を付して説明を省略する。
【0048】
第2実施形態の平版印刷版用包装箱80の全体的構成は、第1実施形態の平版印刷版用包装箱30と同一とされているが、折り曲げ積層部42と折り曲げ積層部44との突き合せ部52の構造が、第1実施形態とは異なっている、すなわち、折り曲げ積層部42には、折り曲げ積層部44に向かう凸部82が設けられ、折り曲げ積層部44には、凸部82に対応した凹部84が形成されている。これらの凸部82及び凹部84によって、本発明の非直線部が構成され、突き合せ部52が屈曲した形状となるので、平版印刷版用包装箱80の外部から内部へと向かう直線的な経路が遮られる。光は直進性を有するので、このように突き合せ部52の直線的な経路が遮られていることで、平版印刷版用包装箱80の外部から内部への直接的な光の浸入が防止されている。
【0049】
一般に、感光性印刷版は感光性が高く、僅かな可視光波長帯域の光によって露光されても感光層に変化が生じ、現像した際に像がボケたり、印刷した際にインクが不均一になったりするため、遮光する必要がある。また、感熱性印刷版も、当たる光の熱エネルギーによって感熱層が変質したり、反応進行によって感度変化が起こったりする場合があるため、適度な遮光を行うことが好ましい。このため、第1実施形態では、図3に示すように突き合せ部52に粘着テープ54を貼着したり、必要に応じて積層束12を内装紙で内装し、平版印刷版10を遮光するようにしていたが、第2実施形態の平版印刷版用包装箱80を用いて包装することで、さらに確実に平版印刷版10を遮光することができる。平版印刷版10の種類等によっては、内装紙を省略しても平版印刷版10を確実に遮光できるので、低コストとなる。
【0050】
しかも、折り曲げ積層部42、44の形状を変更するだけで収容された平版印刷版10を遮光でき、平版印刷版10を遮光するための特別な部材を必要としない。このため、平版印刷版用包装箱80を構成する部品点数の増加を伴わず、低コストで平版印刷版用包装箱80を製造することができる。
【0051】
なお、本発明の非直線部としては、突き合せ部52での平版印刷版用包装箱の外部から内部への直線的な経路を遮ることができれば、特に形状は限定されない。例えば、折り曲げ積層部44に凸部を設け、折り曲げ積層部42に凹部を設けてもよい。凸部及び凹部の数も特に限定されない。
【0052】
また、参考例の平版印刷版用包装箱60においても、積層部68に凸部を設けると共に積層部66に凹部を設ける等により、本発明の非直線部を構成し、遮光性を高めることが可能である。
【0053】
上記した各実施形態の折り曲げ積層部42、44及び積層部68,70において、段ボールを積層する方向は上記した方向に限られない。すなわち、上記説明では、積層方向が底板部32の厚み方向(平版印刷版用包装箱30の高さ方向)となるように構成したものを挙げたが、例えば図9(A)及び(B)に示すように、積層方向を、底板部32の面方向としてもよい。このように面方向に積層した場合には 折り曲げ線40の間隔が収容部46の高さHと略一致するので、収容部46の高さを自由に設定できる。
【0054】
また、平版印刷版用包装箱30、60、80の全体的構成も、上記したものに限定されない。
【0055】
平版印刷版用包装箱30、60、80に収容されて包装される平版印刷版10の構成も上記したものに限られない。すなわち、合紙14を用いることなく平版印刷版10のみで積層束12が構成されていてもよいし、平版印刷版10が1枚のみで平版印刷版用包装箱30に収容されて包装されるようになっていてもよい。
【0056】
平版印刷版用包装箱30、60、80を構成する材料も、段ボールだけでなく、特に限定されないが、全体を同一の材料で構成すると、平版印刷版用包装箱30、60、80の廃却時やリサイクル時に、材質の異なる部材別に分離する必要がなくなるので、廃却やリサイクルが容易になる。具体的な材料としては、上記したように、段ボール製とすることで、軽量且つ低コストで平版印刷版用包装箱30、60、80を製造でき、所定の強度及び剛性を容易に得ることも可能となる。段ボール以外では、例えば、厚紙やクラフト紙、紙製のハニカム構造材等を使用することもできる。
【0057】
段ボールを使用する場合には、一定強度を維持する等の観点から、以下の条件を満たすことが好ましい。
【0058】
まず、段ボールの段(フルート)を好ましい順に挙げると、Aフルート、Cフルート、Bフルート、Eフルートである。段ボールの層構成を好ましい順に挙げると、複々両面(AAA等)段ボール、複両面(AA等)段ボール、両面(A等)段ボールである。また、段ボールの表ライナー及び裏ライナーの級を好ましい順に挙げると、AA級、A級、B級、C級であり、表ライナー及び裏ライナーの坪量としては、160(g/m2 )以上440(g/m2 )以下である。段ボールの中しんの種類を好ましい順に挙げると、強化中しん、A級、B級、C級であり、中しんの坪量としては、100(g/m2 )以上280(g/m2 )以下である。
【0059】
段ボールに代えて紙製のハニカム構造材を使用する場合には、上記した段ボールと同様の表ライナー、裏ライナー及び中しんであることが好ましい。
【0060】
さらに、段ボールに代えて厚紙を使用する場合には、坪量が200(g/m2 )以上2000(g/m2 )以下であることが好ましい(なお、段ボール及びハニカム構造材の表ライナー、裏ライナー及び中しんの坪量や、厚紙の坪量は、数値が大きい程強度が高くなる)。
【0061】
合紙14としても、平版印刷版10の塗布膜を確実に保護できれば、その具体的構成は限定されないが、例えば、木材パルプを100%使用した紙や、木材パルプを100%使用せず合成パルプを使用した紙、及びこれらの紙の表面に低密度ポリエチレン層を設けた紙等を使用できる。特に、合成パルプを使用しない紙では、材料コストが低くなるので、低コストで合紙14を製造することができる。より具体的には、漂白クラフトパルプから抄造した坪量20〜60g/m2 、密度0.7〜0.85g/cm3 、水分4〜6%、ベック平滑度10〜800秒、PH4〜6の合紙が挙げられるが、もちろんこれに限定されない。
【0062】
保護用厚紙22としても、平版印刷版を確実に保護できればその具体的構成は限定されないが、例えば、故紙から抄造した坪量200〜1500g/m2 、密度0.7〜0.85g/cm3 、水分4〜8%、ベック平滑度3〜20秒、PH4〜6の保護用厚紙が挙げられる。
【0063】
内装紙を使用して積層束12を内装する場合には、例えば、クラフト紙に所定の厚さのアルミニウム箔等の金属薄膜が低密度ポリエチレン等の樹脂材料によって貼着されたものや、このアルミニウム箔に、厚さ10〜70μmの低密度ポリエチレン層を貼着したもの、さらに、この低密度ポリエチレン層に、所定の厚さの黒ポリエチレンフィルムを貼り合わせて、遮光性及び防湿性を高めたものなどを内装紙として使用できる。また、クラフト紙のみで一定の遮光性及び防湿性を発揮できれば、必ずしも低密度ポリエチレン層や黒ポリエチレンフィルムが貼着されている必要はない。加えて、例えば坪量50〜100g/m2のクラフト紙に防湿層が約10g/m2塗布され、更に遮光層が約10g/m2塗布された故紙回収可能な紙や、黒く着色された樹脂フィルム(例えば厚さ55μmのポリエチレンフィルム等)を使用することもできる。
【0064】
【発明の効果】
本発明では、内部に平版印刷版を収容して包装するための平版印刷版用包装箱であって、平版印刷版よりも大きなサイズの底板部と、前記底板部の各辺から延出された折り曲げ部を折り曲げて積層され、底板部の上に載せられた平版印刷版の各辺に対応して平版印刷版を取り囲むように配置されることで外力のエネルギーを吸収する折り曲げ積層部と、対向する2つの前記折り曲げ積層部からさらに延出され、前記底板部上で且つ前記折り曲げ積層部の内側に収容された平版印刷版を覆う蓋板部と、を有するので、外部から外力が作用した場合に、包装された平版印刷版の全ての辺に対応して、外力のエネルギーを吸収でき、包装された平版印刷版を確実に保護できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の平版印刷版用包装箱に平版印刷版の積層束を収容して包装する状態を示す斜視図である。
【図2】 本発明の第1実施形態の平版印刷版用包装箱を構成する包装箱本体を示す展開図である。
【図3】 本発明の第1実施形態の平版印刷版用包装箱によって平版印刷版の積層束を収容して包装した状態を示す斜視図である。
【図4】 本発明の第1実施形態の平版印刷版用包装箱を示し、(A)は図1のIVA−IVA線断面図、(B)は図1のIVB−IVB線断面図、(C)は折り曲げ積層部の別の例を(B)と同一の断面で示す断面図である。
【図5】 (A)〜(C)は、本発明の第1実施形態の平版印刷版用包装箱において図4の場合よりも収容部の高さを低くした場合を、図4(A)〜(C)にそれぞれ対応して示す断面図である。
【図6】 本発明の参考例の平版印刷版用包装箱に平版印刷版の積層束を収容して包装する状態を示す斜視図である。
【図7】 本発明の参考例の平版印刷版用包装箱を示し、(A)は図6のVIIA−VIIA線断面図、(B)は図6のVIIB−VIIB線断面図である。
【図8】 本発明の第2実施形態の平版印刷版用包装箱を部分的に拡大して示す斜視図である。
【図9】 本発明の平版印刷版用包装箱の積層部の別の例を示し、(A)は図4(A)と同一位置での断面図、(B)は図4(B)と同一位置での断面図である。
【図10】 従来の包装箱を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 平版印刷版
12 積載束
30 平版印刷版用包装箱
32 底板部(包装箱本体)
38 蓋板部(包装箱本体)
34 折り曲げ部(延長部、保護用板材)
36 折り曲げ部(延長部、保護用板材)
42 折り曲げ積層部(保護部材)
44 折り曲げ積層部(保護部材)
48 平版印刷版包装構造
52 突き合せ部
60 平版印刷版用包装箱
62 積層板(保護用板材)
64 積層板(保護用板材)
68 積層部(保護部材)
70 積層部(保護部材)
80 平版印刷版用包装箱
82 凸部(非直線部)
84 凹部(非直線部)

Claims (3)

  1. 内部に平版印刷版を収容して包装するための平版印刷版用包装箱であって、
    平版印刷版よりも大きなサイズの底板部と、
    前記底板部と同一の材料によって底板部の各辺から底板部と一体的に、且つ一定の厚みを有して延出された折り曲げ部を折り曲げて積層され、底板部の上に載せられた平版印刷版の各辺に対応して平版印刷版を取り囲むように配置されることで外力のエネルギーを吸収する折り曲げ積層部と、
    対向する2つの前記折り曲げ積層部からさらに延出され、前記底板部上で且つ前記折り曲げ積層部の内側に収容された平版印刷版を覆う蓋板部と、
    を有することを特徴とする平版印刷版用包装箱。
  2. 請求項1に記載の平版印刷版用包装箱であって、
    前記折り曲げ積層部同士の突き合せ部に設けられ、平版印刷版用包装箱の外部から内部に向かう直線的な経路を遮る非直線部、
    を有することを特徴とする平版印刷版用包装箱。
  3. 平版印刷版と、
    前記平版印刷版を内部に収容して包装する請求項1または請求項2に記載の平版印刷版用包装箱と、
    を有することを特徴とする平版印刷版包装構造。
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