JP2020014045A - 双方向スイッチ回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】サイリスタを流れる電流の転流先であるIGBT等の自己消弧型半導体素子の電流が飽和しないようにして、転流元のMOSFET等の過電圧破壊を防止した双方向スイッチ回路を提供する。【解決手段】双方向の電流が流れる電路に挿入される双方向スイッチ回路において、サイリスタThaとMOSFETQ2aとを順方向に直列接続してなる第1の単方向スイッチ部Saと、同じくサイリスタThbとMOSFETQ2bとを順方向に直列接続してなる第2の単方向スイッチ部Sbとを逆並列に接続し、この逆並列回路を電路100,100’に直列に接続すると共に、逆並列回路の両端をダイオードブリッジDBの交流入力端子にそれぞれ接続し、ダイオードブリッジDBの直流出力端子間に、第3の単方向スイッチ部Scを構成するIGBT Q1を順方向に接続する。【選択図】図1

Description

本発明は、双方向の電流を通流、遮断可能な双方向スイッチ回路に関し、詳しくは、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)やMOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)等の自己消弧型半導体素子とサイリスタとからなる双方向スイッチ回路に関するものである。
従来より、半導体スイッチング素子の導通損失やスイッチング損失の低減を目的としたスイッチ回路や電力変換装置が、種々提供されている。
例えば、図6は、特許文献1に記載された交流電力調整装置であり、ACは交流電源、Q1a,Q1b,Q1c,Q1dはIGBT、Q2a,Q2b,Q2c,Q2dは各IGBTに並列接続されたMOSFET、Lはリアクトル、Cはコンデンサ、Rは負荷である。ここで、IGBT Q1a,Q1b及びMOSFET Q2a,Q2bにより双方向スイッチSWが構成され、IGBT Q1c,Q1d及びMOSFET Q2c,Q2dにより双方向スイッチSWが構成されている。
この従来技術では、図示されていない制御回路によって双方向スイッチSW,SWをオン・オフさせ、交流電源ACとは異なる振幅の交流電圧を生成して負荷Rに供給する。その際、双方向スイッチSW,SWの両端電圧が所定値以下である場合や軽負荷時にはMOSFETをオン・オフ制御し、双方向スイッチSW,SWの両端電圧が所定値を超える場合や重負荷時にはIGBTをオン・オフ制御することにより、各素子の導通損失やスイッチング損失を低減させている。
次に、図7は特許文献2に記載された整流回路である。
図7において、SW11はMOSFET Q2a,Q2bからなる双方向スイッチ、SW12はMOSFET Q2c,Q2dからなる双方向スイッチ、D〜Dはダイオード、L,Lはリアクトルであり、他の部分については図6と同一の符号を付してある。
この従来技術では、 ダイオードD,D,D,Dにサージ電流の耐量が大きい低速の素子、ダイオードD,Dにサージ電流の耐量が小さい高速の素子を用い、通常動作時には、MOSFET Q2b,Q2dを常時オンさせつつMOSFET Q2a,Q2cを高速スイッチングする。
また、電源投入時や停電後の復電時において、コンデンサCの電圧より交流電源ACの電圧が高くなると、MOSFET Q2b,Q2dをオフし、コンデンサCを流れる突入電流を低速のダイオードD,DまたはD,Dによってバイパスさせる。これにより、MOSFET Q2a,Q2c及びダイオードD,Dに突入電流が流れるのを防止してこれらを保護している。更に、MOSFET Q2b,Q2dに印加される最大電圧はそれぞれダイオードD,Dの順電圧降下に等しい低電圧であるため、MOSFET Q2b,Q2dには低耐圧かつ導通損失の小さい素子を使用可能である。
更に、図8は、特許文献3に記載された力率改善回路(PFC回路)である。図8において、Cはフィルタコンデンサ、DBはダイオードブリッジ、Q31,Q32はMOSFET、Dはファーストリカバリーダイオード、Dは整流ダイオードであり、他の部分については図6,図7と同一の符号を付してある。
この従来技術では、MOSFET Q31のオン・オフにより交流入力電流を交流入力電圧とほぼ同位相の正弦波に維持しつつ、負荷Rに所望の直流電圧を供給する。また、導通損失が少ない整流ダイオードDと低耐圧のMOSFET Q32との直列回路を逆回復損失が少ないファーストリカバリーダイオードDに並列接続し、逆回復発生前の順電流をMOSFET Q32により遮断している。これにより、整流ダイオードDの逆回復を回避すると共に、その低い順電圧降下を利用して損失を低減し、回路全体の高効率化を可能にしている。
一方、本出願人は、導通損失の低減や高速動作を目的とした半導体スイッチとして、自己消弧型半導体素子とサイリスタとを組み合わせた単方向スイッチ(図9(a))及び双方向スイッチ(図9(b))を既に出願している。
図9(a)の単方向スイッチにおいて、Qは高速スイッチングが可能なIGBT、Qは順電圧降下が極めて小さく低耐圧のMOSFET、Thは順電圧降下が小さいサイリスタ、100,100’は通流、遮断するべき双方向の電流が流れる電路を示す。
なお、図9(b)の双方向スイッチは、図9(a)の単方向スイッチを2個、逆並列に接続したものに相当し、Q1a,Q1bはIGBT、Q2a,Q2bはMOSFET、Th,Thはサイリスタである。この双方向スイッチの動作は、以下に述べる単方向スイッチの動作から容易に類推可能であるため、ここでは説明を省略する。
図10は、図9(a)の単方向スイッチの動作を示すタイミングチャートであり、電路100側の電圧の極性が正であるものとする。ここでは、図10の最上段に示すように、単方向スイッチが時刻t〜tの期間だけ導通し、全電流が電路100から単方向スイッチを介して電路100’側に流れる場合の動作を説明する。
まず、単方向スイッチが遮断されている状態から、時刻tでIGBT Qのゲート信号がONするとIGBT Qに電流が流れ、オン遅延時間tdonを経過した時刻tにサイリスタTh及びMOSFET Qのゲート信号がONする。
これにより、IGBT Qには、時刻t〜tの期間、電流が流れ、時刻t以後は、電流がIGBT QからサイリスタThとMOSFET Qとの直列回路に転流する。また、時刻tでMOSFET Qのゲート信号がOFFすると、その後の時刻tにサイリスタThを流れる電流が保持電流以下となり、サイリスタThとMOSFET Qとの直列回路に流れていた電流はIGBT Qに転流する。IGBT Qのゲート信号は、時刻tからオフ遅延時間tdoffを経過した時刻tにOFFするので、IGBT Qには時刻t〜tの期間、電流が流れる。
この先願においては、単方向スイッチの導通時には、主に、順方向電圧降下が小さいサイリスタTh及びMOSFET Qを介して電流を通流させ、その後、MOSFET QをOFFしてIGBT Q側に電流を転流させた後に遮断している。ここで、IGBT Qに電流が流れる期間、すなわち時刻t〜t,t〜tは極めて短く、全電流の大部分は時刻t〜tにわたってサイリスタThとMOSFET Qとの直列回路を流れるため、導通損失を低減することができる。
特に、MOSFET QをOFFするタイミングではIGBT QがONしており、MOSFET Qには数[V]程度の電圧しか印加されないので、MOSFET Qに低耐圧かつ安価な素子を使用することができ、MOSFET QをサイリスタThに直列接続しても導通損失の増加は無視できる程度である。
特開2009−81969号公報([0010]〜[0014]、図1等) 特開2011−135758号公報([0030]〜[0037]、図1等) 特許第6288534号公報([0028]〜[0038]、図1,図2等)
前述の特許文献1に記載された従来技術では、電流がIGBTとMOSFETとの両方に流れるため、導通損失が大きい。これに対し、図9(a),(b)に示した各スイッチでは導通損失の低減が可能である。
ここで、図9(a),(b)におけるサイリスタは、一般に定格の10倍程度の短時間過電流耐量を持っている。一方、サイリスタとの間で電流が転流するIGBTは、図11に示す飽和電流特性のように、定格電流の5倍前後でコレクタ電流が飽和してしまい、コレクタ電流を更に流そうとすると、コレクタ−エミッタ間電圧が上昇して最大で電源電圧相当にまで達することがある。このため、この電流領域で図10に示した如く、IGBT QがONしている状態でMOSFET QをOFFし、サイリスタThの電流をIGBT Q側に転流させる場合、MOSFET Qにはその耐圧を大幅に超える電圧(IGBT Qのコレクタ−エミッタ間電圧)が印加されて過電圧破壊に至る恐れがあった。
そこで、本発明の解決課題は、過電流領域でサイリスタを流れる電流がIGBT等の自己消弧型半導体素子に転流した場合でもその電流が飽和しないようにして転流元の素子が過電圧破壊されるのを防止した双方向スイッチ回路を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、半導体スイッチング素子の動作により双方向の電流を通流、遮断する双方向スイッチ回路であって、前記双方向の電流が流れる電路に挿入される双方向スイッチ回路において、
第1のサイリスタと第1の自己消弧型半導体素子とを順方向に直列接続してなる第1の単方向スイッチ部と、第2のサイリスタと第2の自己消弧型半導体素子とを順方向に直列接続してなる第2の単方向スイッチ部と、を逆並列に接続して逆並列回路を構成し、
前記逆並列回路を前記電路に直列に接続すると共に、
前記逆並列回路の両端をダイオードブリッジの交流入力端子にそれぞれ接続し、前記ダイオードブリッジの直流出力端子間に、第3の単方向スイッチ部を構成する第3の自己消弧型半導体素子を順方向に接続したことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載した双方向スイッチ回路において、前記第3の単方向スイッチ部を、単一の前記第3の自己消弧型半導体素子により構成したことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載した双方向スイッチ回路において、前記第3の単方向スイッチ部を、前記第3の自己消弧型半導体素子を複数、直列に接続して構成したことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載した双方向スイッチ回路において、前記第3の自己消弧型半導体素子に並列にコンデンサを接続したことを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載した双方向スイッチ回路において、前記第1のサイリスタ及び前記第2のサイリスタの短時間許容電流に対して、前記第3の自己消弧型半導体素子の出力電流が飽和しないように前記第3の自己消弧型半導体素子を選定することを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載した双方向スイッチ回路において、前記第1のサイリスタ及び前記第2のサイリスタの連続電流容量に対して、前記第3の自己消弧型半導体素子の連続電流容量がほぼ2倍以上になるように前記第3の自己消弧型半導体素子を選定することを特徴とする。
また、請求項7に係る発明は、請求項1〜6の何れか1項に記載した双方向スイッチ回路において、前記第3の自己消弧型半導体素子がIGBTであることを特徴とする。
更に、請求項8に係る発明は、請求項1〜7の何れか1項に記載した双方向スイッチ回路において、前記第1の自己消弧型半導体素子及び前記第2の自己消弧型半導体素子が低耐圧のMOSFETであることを特徴とする。
本発明によれば、第1,第2のサイリスタの電流がIGBT等の第3の自己消弧型半導体素子に転流した場合でも、この自己消弧型半導体素子の出力電流が飽和しないように電流容量等を考慮することにより、前記サイリスタに直列接続されたMOSFET等の第1,第2の自己消弧型半導体素子が過電圧破壊に至るのを防止することができる。
また、第3の自己消弧型半導体素子に並列にコンデンサを接続すれば、いわゆるソフトスイッチングも可能になる。
本発明の第1実施形態を示す回路図である。 本発明の第1実施形態の動作を示すタイミングチャートである。 本発明の第1実施形態の動作を示す回路図である。 IGBTの逆バイアス安全動作領域の説明図である。 本発明の第2実施形態を示す回路図である。 特許文献1に記載された従来技術の回路図である。 特許文献2に記載された従来技術の回路図である。 特許文献3に記載された従来技術の回路図である。 先願に係る単方向スイッチ回路及び双方向スイッチ回路を示す図である。 先願に係る単方向スイッチ回路の動作を示すタイミングチャートである。 IGBTの飽和電流特性を示す図である。 先願に係る双方向スイッチ回路の変形例を示す図である。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る双方向スイッチ回路を示す回路図である。
この第1実施形態では、図9(b)と同様に、サイリスタThと低耐圧のMOSFET Q2aとを直列接続してなる第1の単方向スイッチ部Sと、サイリスタThと低耐圧のMOSFET Q2bとを直列接続してなる第2の単方向スイッチ部Sとが逆並列に接続され、これらの逆並列回路が電路100,100’の間に挿入されている。
また、電路100,100’(上記逆並列回路の両端)は、ダイオードD〜DからなるダイオードブリッジDBの交流入力端子にそれぞれ接続されている。このダイオードブリッジDBの直流出力端子には、第3の単方向スイッチ部Sを構成するIGBT Qのコレクタ、エミッタがそれぞれ接続され、このIGBT Qに並列にコンデンサCが接続されている。
上述したように、本実施形態に係る双方向スイッチ回路は、電路100,100’に直列に接続されて双方向の電流を通流、遮断するものである。
ここで、IGBT Qは、サイリスタTh,Thの短時間許容電流に対して電流容量が大きい単一の素子を使用するか、または、複数のIGBTを並列に接続することにより、IGBTのコレクタ電流が飽和しないようにすることが必要である。
上述したごとく、サイリスタTh,Thの短時間許容電流に対して電流容量が大きいIGBT Qを使用することは、例えば、サイリスタTh,Thの連続電流容量に対して、2倍以上の連続電流容量を持つIGBT Qを用いることを意味する。言い換えれば、サイリスタTh,Thの短時間過電流を定格電流の10倍とし、IGBT Qの飽和電流を定格電流の10倍として、これらの短時間過電流と飽和電流とが等しくなるような定格電流を有するIGBT、サイリスタをそれぞれ選定すれば良い。
次に、この第1実施形態の動作を、図2〜図4を参照しつつ説明する。
図2は単方向スイッチとしての動作を示すタイミングチャート、図3(a),(b),(c)は図1に電流経路を重ねて表示した回路図、図4はIGBTの逆バイアス安全動作領域を示す図である。
図2において、時刻t11以前と時刻t16以後はスイッチが遮断状態であり、時刻t11〜t16の期間がスイッチの導通状態である。
まず、時刻t11にIGBT Qのゲート信号がONすると、IGBT Qの電流が流れ始める。この時の電路100から電路100’に至る電流経路は、図3(a)に示す通りである。
その後、時刻t12でMOSFET Q2aのゲート信号がONし、更に時刻t13でサイリスタThのゲート信号がONすると、時刻t11からIGBT Qに流れていた電流が時刻t13以後はサイリスタThとMOSFET Q2aとの直列回路に転流する。このため、主な電流経路は図3(b)に示す通りとなる。なお、時刻t13以後もIGBT Qのゲート信号はONのままであるため、IGBT Qにも僅かに電流が流れる。
次いで、サイリスタThのゲート信号がOFFになり、その後の時刻t14でMOSFET Q2aのゲート信号がOFFすることにより、サイリスタThとMOSFET Q2aとの直列回路に流れていた電流は再びIGBT Q側に転流する。なお、時刻t14の直後はサイリスタThとMOSFET Q2aとの直列回路にも僅かに電流が流れるが、大部分の電流は図3(a)の経路に流れる。
その後、時刻t15でIGBT Qのゲート信号をOFFすると、IGBT Qの電流は速やかに減少してほぼ0になる。時刻t15から時刻t16までの期間は、それまでIGBT Qに流れていた電流がコンデンサC側に転流してコンデンサCを充電することにより、電圧Vをほぼ電源電圧まで上昇させる。この時刻t15〜t16における主な電流経路は、図3(c)に示す通りである。
図2のタイミングチャートにおけるTはスイッチの導通開始時にIGBT Qに電流が流れる期間、Tは導通時においてサイリスタThとMOSFET Q2aとの直列回路に電流が流れる期間、Tはスイッチの遮断前にIGBT Qに電流が流れる期間である。期間T,Tは、例えば100[μs]程度の短時間である。
また、図2における電圧Vは電路100に接続された電源(図示せず)の電圧、電圧VはダイオードブリッジDB内のダイオードD,D及びIGBT Qの順電圧降下の合計値、電圧VはサイリスタThとMOSFET Q2aとの順電圧降下の合計値に、それぞれ相当する。
図2において、IGBT Qがターンオフする時刻t15ではコンデンサCが十分に放電されており、その両端電圧すなわち図5における電圧V(=V)は極めて小さいため、IGBT Qはソフトスイッチング動作する。
ここで、図4に示す如く、IGBT Qがターンオフする際に安全に動作可能なコレクタ−エミッタ間電圧とコレクタ電流との関係は、逆バイアス安全動作領域(RBSOA)として知られており、一般的な安全動作領域は、斜線のハッチングを施した角形特性である。すなわち、市販のIGBTの多くは、ターンオフ時の電圧−電流軌跡が定格電圧と定格電流またはその数倍の点を通過しても素子が耐えられるように設計されている。
しかし、本実施形態では、IGBT Qに並列接続されたコンデンサCの作用によるソフトスイッチングを前提としており、最大電圧及び最大電流が同時に印加されないことを保証すれば素子の電圧、電流の耐量を緩和することができ、図4の縦線のハッチング部分のように、逆バイアス安全動作領域の狭い低コストの素子を使用することができる。
なお、コンデンサを用いてIGBTのソフトスイッチングを行う着想は、先願に係る双方向スイッチにも適用可能である。例えば、図12は、図9(b)に示した双方向スイッチにコンデンサCを並列接続した例であり、この回路においても、コンデンサCの作用によりIGBT Q1a,Q1bのソフトスイッチングが可能である。
しかし、図12の回路では、IGBT Q1a,Q1bのターンオフ後もコンデンサCを介して電路100,100’間で交流電流が流れ続けるので、これを防ぐにはコンデンサCの容量値をできるだけ小さくすることが望ましい。これに対し、本実施形態に係る図1の回路では、スイッチが遮断状態となる図2の時刻t16以後はコンデンサCがピーク電圧(電源電圧V)に充電されていて電流が流れないため、コンデンサCの容量値がある程度大きくても問題はない。
本実施形態において、図2に示したようにスイッチを遮断→導通→遮断と動作させる場合、IGBT Qに電流が流れる期間T,Tはごく短い。また、スイッチが連続的に導通する場合には、サイリスタTh,Thのゲート信号は常にONとなるため、期間T,Tはもともと存在しない。つまり、図2における電圧Vに相当するダイオードD,D及びIGBT Qの順電圧降下による損失は定常的に発生するものではないため、効率の低下や発熱を防止することができる。
更に、この実施形態では、電路100,100’からダイオードブリッジDBを介してIGBT Qを接続してあるため、電路100,100’を流れる双方向の電流をダイオードブリッジDBにより整流してIGBT Qに流すことができる。これにより、図9(b)の双方向スイッチ回路に比べて、比較的高価であるIGBTの数が半減するためコストの低減が可能になる。
なお、上述した動作説明は電路100側から電流が流入する場合のものであるが、電路100’側から電流が流入する場合には、図2におけるサイリスタThがThに、MOSFET Q2aがQ2bにそれぞれ置き換わるだけで基本的な動作に変わりはない。
次に、図5は、本発明の第2実施形態を示す回路図である。この第2実施形態は、ダイオードブリッジDBの直流出力端子間に接続される第3の単方向スイッチ部Sが、複数(例えば4個)のIGBT Q1a,Q1b,Q1c,Q1dの直列回路によって構成されている。そして、これらのIGBT Q1a,Q1b,Q1c,Q1dのコレクタ−エミッタ間には、全て同一容量値のコンデンサC,C,C,Cがそれぞれ接続されている。
その他の構成は図1の第1実施形態と同一であるため、詳述を省略する。
この第2実施形態は、双方向スイッチ回路の高耐圧化を考慮したものである。
すなわち、回路を高耐圧化する場合、サイリスタについては高耐圧品を比較的容易に入手可能であるが、IGBTの高耐圧品、例えば、耐圧3.3[kV]以上の素子は高価であり、しかも種類が限られる。このため、比較的安価で入手が容易な耐圧1.2[kV]程度のIGBTを、ダイオードブリッジDBの直流出力端子間に複数、直列接続して第3の単方向スイッチ部Sを構成することにより、所望の耐圧を得るようにした。
また、IGBT Q1a,Q1b,Q1c,Q1dにそれぞれ並列接続されたコンデンサC,C,C,Cは、前述したソフトスイッチングを可能にするだけでなく、ダイオードブリッジDBの直流出力電圧を均等に分圧して各IGBTのコレクタ−エミッタ間電圧を均等化する機能も果たしている。
図1,図5に示した各実施形態では、第3の単方向スイッチ部SまたはSを構成する自己消弧型半導体素子として、IGBT Qまたは Q1a,Q1b,Q1c,Q1dを用いた場合につき説明したが、IGBTの代わりに、バイポーラパワトランジスタやMOSFETを用いる場合にも本発明を適用することができる。
また、第1,第2の単方向スイッチ部S,Sを構成する自己消弧型半導体素子としては、MOSFET Q2a,Q2bの代わりにIGBTを用いても良い。
更に、第1,第2の単方向スイッチ部S,Sを構成するサイリスタTh,Thは何れも単一である必要はなく、複数のサイリスタの直列回路によりそれぞれ構成して高耐圧化を図っても良い。
本発明の双方向スイッチ回路は、例えば無停電電源装置において通常電源とバックアップ用電源とを切り替えるバイパス回路を始めとして、双方向の電流(交流電流)を通流、遮断する各種のスイッチ回路に利用することができる。
,Q1a,Q1b,Q1c,Q1d:IGBT
2a,Q2b:MOSFET
Th,Th:サイリスタ
,S,S,S:単方向スイッチ部
DB:ダイオードブリッジ
,D,D,D:ダイオード
C,C,C,C,C:コンデンサ
100,100’:電路

Claims (8)

  1. 半導体スイッチング素子の動作により双方向の電流を通流、遮断する双方向スイッチ回路であって、前記双方向の電流が流れる電路に挿入される双方向スイッチ回路において、
    第1のサイリスタと第1の自己消弧型半導体素子とを順方向に直列接続してなる第1の単方向スイッチ部と、第2のサイリスタと第2の自己消弧型半導体素子とを順方向に直列接続してなる第2の単方向スイッチ部と、を逆並列に接続して逆並列回路を構成し、
    前記逆並列回路を前記電路に直列に接続すると共に、
    前記逆並列回路の両端をダイオードブリッジの交流入力端子にそれぞれ接続し、前記ダイオードブリッジの直流出力端子間に、第3の単方向スイッチ部を構成する第3の自己消弧型半導体素子を順方向に接続したことを特徴とする双方向スイッチ回路。
  2. 請求項1に記載した双方向スイッチ回路において、
    前記第3の単方向スイッチ部を、単一の前記第3の自己消弧型半導体素子により構成したことを特徴とする双方向スイッチ回路。
  3. 請求項1に記載した双方向スイッチ回路において、
    前記第3の単方向スイッチ部を、前記第3の自己消弧型半導体素子を複数、直列に接続して構成したことを特徴とする双方向スイッチ回路。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載した双方向スイッチ回路において、
    前記第3の自己消弧型半導体素子に並列にコンデンサを接続したことを特徴とする双方向スイッチ回路。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載した双方向スイッチ回路において、
    前記第1のサイリスタ及び前記第2のサイリスタの短時間許容電流に対して、前記第3の自己消弧型半導体素子の出力電流が飽和しないように前記第3の自己消弧型半導体素子を選定することを特徴とする双方向スイッチ回路。
  6. 請求項5に記載した双方向スイッチ回路において、
    前記第1のサイリスタ及び前記第2のサイリスタの連続電流容量に対して、前記第3の自己消弧型半導体素子の連続電流容量がほぼ2倍以上になるように前記第3の自己消弧型半導体素子を選定することを特徴とする双方向スイッチ回路。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載した双方向スイッチ回路において、
    前記第3の自己消弧型半導体素子がIGBTであることを特徴とする双方向スイッチ回路。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載した双方向スイッチ回路において、
    前記第1の自己消弧型半導体素子及び前記第2の自己消弧型半導体素子が低耐圧のMOSFETであることを特徴とする双方向スイッチ回路。
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