JP2019172791A - 自動車用内外装部材 - Google Patents

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洋平 一原
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Abstract

【課題】優れた耐熱性、耐衝撃性、耐光性及び耐傷付き性を有する自動車用内外装部材を提供する。【解決手段】特定のポリカーボネート樹脂、アクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル−スチレン系ゴム、ジブチルヒドロキシトルエン、23℃の動粘度が4000〜5500cStであるジフェニルジメチコン、融点が125℃〜130℃であるヒンダードアミン系耐光安定剤、融点が102℃〜106℃であるベンゾトリアゾール系耐光安定剤、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、分子量1100〜1200のヒンダードフェノール系酸化防止剤をそれぞれ所定量有するポリカーボネート樹脂組成物からなる自動車用内外装部材を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、特定のポリカーボネート樹脂、アクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル−スチレン系ゴム、ジブチルヒドロキシトルエン、23℃の動粘度が4000〜5500cStであるジフェニルジメチコン、融点が125℃〜130℃であるヒンダードアミン系耐光安定剤、融点が102℃〜106℃であるベンゾトリアゾール系耐光安定剤、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、及び分子量1100〜1200のヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む熱可塑性樹脂組成物からなる自動車用内外装部材に関する。
従来、芳香族ポリカーボネート樹脂は、優れた耐熱性、耐衝撃性、透明性を有するエンジニアリングプラスチックとして、自動車、OA機器分野などの種々の用途に幅広く使用されている。一方、芳香族ポリカーボネート樹脂は一般的に石油資源から誘導される原料を用いて製造されているが、石油資源の枯渇が危惧されている近年の情勢を考えると、植物などのバイオマス資源から得られる原料を用いたプラスチック成形品の提供が求められている。また、二酸化炭素排出量の増加、蓄積による地球温暖化が、気候変動などをもたらすことが危惧されていることからも、使用後の廃棄処分をしてもカーボンニュートラルな、植物由来モノマーを原料としたプラスチックからのプラスチック成形品の開発が求められており、特に大型成形品の分野においてはその要求は強い。
これに対し、植物由来モノマーを原料とした種々のポリカーボネート樹脂が開発されている。
例えば、植物由来モノマーとしてイソソルビドを使用し、炭酸ジフェニルとのエステル交換により、ポリカーボネート樹脂を得ることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、イソソルビドと他のジヒドロキシ化合物との共重合ポリカーボネートとして、イソソルビドとビスフェノールAを共重合したポリカーボネート樹脂が提案されており(例えば、特許文献2参照)、更に、イソソルビドと脂肪族ジオールとを共重合することにより、イソソルビドからなるホモポリカーボネート樹脂の剛直性を改善する試みがなされている(例えば、特許文献3参照)。
さらにまた、イソソルビドとジヒドロキシ化合物を共重合したポリカーボネート樹脂のうち、2種以上の組成比の異なるポリカーボネート樹脂を混合することで、高い流動性及び耐熱性を有し、射出成形時にフローマーク、タイガーマーク等の成形外観不良が少なく、かつ耐衝撃性が良好な成形品を得られることが知られている(特許文献4参照)。
また、イソソルビドを使用したポリカーボネート樹脂に、ヒンダードアミン系光安定剤を含有したポリカーボネート樹脂組成物から優れた透明性、耐光性、色相を有する成形品が得られることが記載されている(特許文献5参照)。
英国特許第1079686号明細書 特開昭56−55425号公報 国際公開第04/111106号パンフレット 特開2014−208800号公報 国際公開第2011/118768号パンフレット
しかしながら、自動車用内外装部材については、耐熱性、耐衝撃性、耐光性に加え、耐傷付き性のさらなる改良が必要となっていた。したがって、特許文献4及び5に記載された成形品についても、自動車用内外装部材として使用する際には、優れた耐熱性、耐衝撃性、耐光性を有するとともに耐傷付き性の改良が要求されていた。
すなわち、本発明の目的は上記従来の課題を解決し、優れた耐熱性、耐衝撃性、耐光性及び耐傷付き性を有する自動車用内外装部材を提供することにある。
本発明者らが検討を行った結果、特定のポリカーボネート樹脂、アクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル−スチレン系ゴム、ジブチルヒドロキシトルエン、23℃の動粘度が4000〜5500cStであるジフェニルジメチコン、融点が125℃〜130℃であるヒンダードアミン系耐光安定剤、融点が102℃〜106℃であるベンゾトリアゾール系耐光安定剤、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト及び分子量1100〜1200のヒンダードフェノール系酸化防止剤を含むポリカーボネート樹脂組成物が、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1]ポリカーボネート樹脂及びアクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル−スチレン系ゴムを有するポリカーボネート樹脂組成物からなる自動車用内外装部材であり、下記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位(構成単位(1))とシクロヘキサンジメタノールに由来する構成単位(CHDM単位)からなり共重合比率が異なる複数のカーボネート共重合体の溶融混合体であり、上記ポリカーボネート樹脂組成物中の構成単位(1)とCHDM単位とのモル比の含有比率が、67/33〜69/31(モル比)であり、上記ポリカーボネート樹脂組成物中、ポリカーボネート樹脂及びアクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル−スチレン系ゴムの合計100重量部に対し、アクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル−スチレン系ゴムを4.0〜6.0重量部含有し、さらに下記成分(A)〜成分(F)をそれぞれ、上記のポリカーボネート樹脂及びアクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル−スチレン系ゴムの合計100重量部に対し、下記の含有量含む自動車用内外装部材。
・成分(A)…ジブチルヒドロキシトルエン:0.001〜0.015重量部。
・成分(B)…23℃の動粘度が4000〜5500cStであるジフェニルジメチコン:0.05〜0.31重量部。
・成分(C)…融点が125℃〜130℃であるヒンダードアミン系耐光安定剤:0.05〜0.21重量部。
・成分(D)…融点が102℃〜106℃であるベンゾトリアゾール系耐光安定剤:0.05〜0.31重量部。
・成分(E)…トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト:0.049〜0.051重量部。
・成分(F)…分子量1100〜1200のヒンダードフェノール系酸化防止剤:0.09〜0.11重量部。
Figure 2019172791
[2]上記成分(B)の屈折率が、1.49〜1.51であるジフェニルジメチコンを含む[1]に記載の自動車用内外装部材。
[3]上記成分(C)は、複数のピペリジン構造を有するヒンダードアミン系耐光安定剤である[1]又は[2]に記載の自動車用内外装部材。
[4]上記成分(C)のヒンダードアミン系耐光安定剤が有する複数のピペリジン構造は、1つのアルカン鎖にエステル結合により連結されている[3]に記載の自動車用内外装部材。
本発明によれば、特定の熱可塑性樹脂組成物を用いるので、優れた耐熱性、耐衝撃性、耐光性及び耐傷付き性を有する自動車用内外装部材を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することが出来る。また、本発明において、「重量%」と「質量%」、「重量ppm」と「質量ppm」、及び「重量部」と「質量部」は、それぞれ同義である。
この発明は、特定の成分を所定量含有するポリカーボネート樹脂組成物からなる自動車用内外装部材に係る発明である。
[ポリカーボネート樹脂組成物]
上記ポリカーボネート樹脂組成物は、特定のポリカーボネート樹脂、アクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル−スチレン系ゴム(以下、「BA−MA−Sゴム」と称する場合がある。)、ジブチルヒドロキシトルエン((A)成分)、23℃の動粘度が4000〜5500cStであるジフェニルジメチコン((B)成分)、融点が125℃〜130℃であるヒンダードアミン系耐光安定剤((C)成分)、融点が102℃〜106℃であるベンゾトリアゾール系耐光安定剤((D)成分)、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト((E)成分)及び分子量1100〜1200のヒンダードフェノール系酸化防止剤((F)成分)を含む熱可塑性樹脂組成物を所定量ずつ含む熱可塑性樹脂組成物である。
[ポリカーボネート樹脂]
本発明のポリカーボネート樹脂は、複数のカーボネート共重合体を溶融混合した溶融混合体である。
このポリカーボネート樹脂を構成する複数のカーボネート共重合体は、いずれも、2種以上のジヒドロキシ化合物に由来する構成単位から構成されたカーボネート共重合体、すなわち、これらの2種以上のジヒドロキシ化合物を少なくとも用いて重合することで得られるカーボネート共重合体である。
この2種以上のジヒドロキシ化合物に由来する構成単位のうち、下記の2種のジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を少なくとも必須構成単位として、上記の複数のカーボネート共重合体の全てに有する。
上記の必須構成単位の1つは、ジヒドロキシ化合物として、下記の一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位(以下、「構成単位(1)」と称する場合がある。)であり、もう1つは、シクロヘキサンジメタノールに由来する構成単位(以下、「CHDM単位」と称する場合がある。)である。
そして、上記ポリカーボネート樹脂は、上記ポリオール成分の共重合比率、具体的には、構成単位(1)と、CHDM単位との共重合比率の異なる複数のカーボネート共重合体を溶融混合した混合体である。
Figure 2019172791
<式(1)で表されるジヒドロキシ化合物>
上記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物としては、立体異性体の関係にある、イソソルビド(ISB)、イソマンニド、イソイデットが挙げられる。
これら式(1)で表されるジヒドロキシ化合物は、1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
これらの式(1)で表されるジヒドロキシ化合物のうち、資源として豊富に存在し、容易に入手可能であり、種々のデンプンから製造されるソルビトールを脱水縮合して得られるイソソルビドが、入手及び製造のし易さ、光学特性、成形性の面から最も好ましい。
なお、以下において、「構成単位(1)」を「ISB単位」と称する場合がある。
<シクロヘキサンジメタノール>
上記シクロヘキサンジメタノールとしては、具体的には、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
<炭酸ジエステル>
上記のカーボネート共重合体は、一般に用いられる重合方法で製造することができ、その重合方法は、ホスゲンを用いた界面重合法、炭酸ジエステルとエステル交換反応させる溶融重合法のいずれの方法でもよいが、重合触媒の存在下に、ジヒドロキシ化合物を、より環境への毒性の低い炭酸ジエステルと反応させる溶融重合法が好ましい。
この場合、上記カーボネート共重合体は、上記の一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物及びシクロヘキサンジメタノールを少なくとも含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとをエステル交換反応させる溶融重合法により得ることができる。
用いられる炭酸ジエステルとしては、通常、下記式(2)で表されるものが挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
Figure 2019172791
上記式(2)において、A及びAは、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の炭素数1〜18の脂肪族基、又は、置換若しくは無置換の芳香族基である。
上記式(2)で表される炭酸ジエステルとしては、例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート及びジ−t−ブチルカーボネート等が例示されるが、好ましくはジフェニルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネートであり、特に好ましくはジフェニルカーボネートである。なお、炭酸ジエステルは、塩化物イオンなどの不純物を含む場合があり、これらの不純物は重合反応を阻害したり、得られるカーボネート共重合体の色相を悪化させたりする場合があるため、必要に応じて、蒸留などにより精製したものを使用することが好ましい。
炭酸ジエステルは、溶融重合に使用した全ジヒドロキシ化合物に対して、0.90〜1.20のモル比率で用いることが好ましく、0.95〜1.10のモル比率で用いることがより好ましく、0.96〜1.10のモル比率で用いることがさらにより好ましく、特に好ましくは、0.98〜1.04のモル比率で用いることがよい。
このモル比率が0.90より小さくなると、製造されたカーボネート共重合体の末端ヒドロキシル基が増加して、ポリマーの熱安定性が悪化し、ポリカーボネート樹脂組成物を成形する際に着色を招いたり、エステル交換反応の速度が低下したり、所望の高分子量体が得られない可能性がある。
また、このモル比率が1.20より大きくなると、同一条件下ではエステル交換反応の速度が低下し、所望とする分子量のカーボネート共重合体の製造が困難となるばかりか、製造されたカーボネート共重合体中の残存炭酸ジエステル量が増加し、この残存炭酸ジエステルが、成形時、或いは成形品の臭気の原因となり好ましくない場合があり、重合反応時の熱履歴を増大させ、結果的に得られたポリカーボネート樹脂の色相や耐光性を悪化させる可能性がある。
更には、全ジヒドロキシ化合物に対する、炭酸ジエステルのモル比率が増大すると、得られるカーボネート共重合体中の残存炭酸ジエステル量が増加し、これらが紫外線を吸収してカーボネート共重合体の耐光性を悪化させる場合があり、好ましくない。本発明のポリカーボネート樹脂に残存する炭酸ジエステルの濃度は、好ましくは200重量ppm以下、更に好ましくは100重量ppm以下、特に好ましくは60重量ppm以下、中でも30重量ppm以下が好適である。ただし、現実的にカーボネート共重合体は未反応の炭酸ジエステルを含むことがあり、ポリカーボネート樹脂中の未反応の炭酸ジエステル濃度の下限値は通常1重量ppmである。
<エステル交換反応触媒>
本発明のカーボネート共重合体は、上述のように構成単位(1)を有するジヒドロキシ化合物及びシクロヘキサンジメタノールとを含むジヒドロキシ化合物と上記式(2)で表される炭酸ジエステルをエステル交換反応させて製造することができる。より詳細には、エステル交換反応させ、副生するモノヒドロキシ化合物等を系外に除去することによって得られる。この場合、通常、エステル交換反応触媒の存在下でエステル交換反応により溶融重合を行う。
本発明のカーボネート共重合体の製造時に使用し得るエステル交換反応触媒(以下、「触媒」と称する場合がある)としては、例えば長周期型周期表(Nomenclature of Inorganic Chemistry IUPAC Recommendations 2005)における1族又は2族(以下、単に「1族」、「2族」と表記する。)の金属化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物が挙げられる。これらの中でも、好ましくは1族金属化合物及び/又は2族金属化合物が使用される。
1族金属化合物及び/又は2族金属化合物と共に、補助的に、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物を併用することも可能であるが、1族金属化合物及び/又は2族金属化合物のみを使用することが特に好ましい。
また、1族金属化合物及び/又は2族金属化合物の形態としては通常、水酸化物、又は炭酸塩、カルボン酸塩、フェノール塩といった塩の形態で用いられるが、入手のし易さ、取扱いの容易さから、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩が好ましく、色相と重合活性の観点からは酢酸塩が好ましい。
1族金属化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸セシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸セシウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素セシウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、フェニル化ホウ素カリウム、フェニル化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ素セシウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸セシウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、リン酸水素2セシウム、フェニルリン酸2ナトリウム、フェニルリン酸2カリウム、フェニルリン酸2リチウム、フェニルリン酸2セシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウムのアルコレート、フェノレート、ビスフェノールAの2ナトリウム塩、2カリウム塩、2リチウム塩、2セシウム塩等が挙げられ、中でもセシウム化合物、リチウム化合物が好ましい。
2族金属化合物としては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム等が挙げられ、中でもマグネシウム化合物、カルシウム化合物、バリウム化合物が好ましく、マグネシウム化合物及び/又はカルシウム化合物が更に好ましい。
塩基性ホウ素化合物としては、例えば、テトラメチルホウ素、テトラエチルホウ素、テトラプロピルホウ素、テトラブチルホウ素、トリメチルエチルホウ素、トリメチルベンジルホウ素、トリメチルフェニルホウ素、トリエチルメチルホウ素、トリエチルベンジルホウ素、トリエチルフェニルホウ素、トリブチルベンジルホウ素、トリブチルフェニルホウ素、テトラフェニルホウ素、ベンジルトリフェニルホウ素、メチルトリフェニルホウ素、ブチルトリフェニルホウ素等のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、マグネシウム塩、あるいはストロンチウム塩等が挙げられる。
塩基性リン化合物としては、例えば、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、あるいは四級ホスホニウム塩等が挙げられる。
塩基性アンモニウム化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
アミン系化合物としては、例えば、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキノリン等が挙げられる。
上記の中でも、2族金属化合物及びリチウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属化合物を触媒として用いるのが、得られるポリカーボネート樹脂の透明性、色相、耐光性等の種々の物性を優れたものとするために好ましい。
また、上記カーボネート共重合体の透明性、色相、耐光性を特に優れたものとするために、触媒が、マグネシウム化合物、カルシウム化合物、バリウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属化合物であるのが好ましく、マグネシウム化合物及びカルシウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属化合物であるのが好ましい。
上記触媒の使用量は、1族金属化合物及び/又は2族金属化合物の場合、反応に供する全ジヒドロキシ化合物1モルに対して、金属換算量として、好ましくは0.1〜300μモル、より好ましくは0.1〜100μモル、さらに好ましくは0.5〜50μモル、更により好ましくは1〜25μモルの範囲内である。
上記の中でも2族金属からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属を含む化合物を用いる場合、金属換算量として、反応に供する全ジヒドロキシ化合物1モル当たり、好ましくは0.1μモル以上、更に好ましくは0.5μモル以上、特に好ましくは0.7μモル以上とする。また上限としては、好ましくは20μモル、更に好ましくは10μモル、特に好ましくは3μモル、最も好ましくは2.0μモルである。
触媒の使用量が少なすぎると、所望の分子量のカーボネート共重合体を製造するのに必要な重合活性が得られず、充分な破壊エネルギーが得られない可能性がある。一方、触媒の使用量が多すぎると、得られるカーボネート共重合体の色相が悪化するだけでなく、副生成物が発生したりして流動性の低下やゲルの発生が多くなり、脆性破壊の起因となる場合があり、目標とする品質のカーボネート共重合体の製造が困難になる可能性がある。
<カーボネート共重合体の製造方法>
上記カーボネート共重合体は、上記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物及びシクロヘキサンジメタノールとを含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとをエステル交換反応により溶融重合させることによって得られるが、原料であるジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルは、エステル交換反応前に均一に混合することが好ましい。
混合の温度は通常80℃以上、好ましくは90℃以上であり、その上限は通常250℃以下、好ましくは200℃以下、更に好ましくは150℃以下である。中でも100℃以上120℃以下が好適である。混合の温度が低すぎると溶解速度が遅かったり、溶解度が不足する可能性があり、しばしば固化等の不具合を招き、混合の温度が高すぎるとジヒドロキシ化合物の熱劣化を招く場合があり、結果的に得られるポリカーボネート樹脂の色相が悪化し、耐光性に悪影響を及ぼす可能性がある。
上記カーボネート共重合体は、触媒を用いて、複数の反応器を用いて多段階で溶融重合させて製造することが好ましい。
反応の形式は、バッチ式、連続式、あるいはバッチ式と連続式の組み合わせのいずれの方法でもよい。
更には、留出するモノマーの量を抑制するために、重合反応器に還流冷却器を用いることは有効であり、特に未反応モノマー成分が多い重合初期の反応器でその効果は大きい。
重合速度を適切に維持し、モノマーの留出を抑制しながら、最終的に得られるポリカーボネート樹脂(カーボネート共重合体の混合体)の色相や熱安定性、耐光性等を損なわないようにするためには、前述の触媒の種類と量の選定が重要である。
上記カーボネート共重合体の製造にあたっては、上記反応器が2つ以上であれば、その反応器中で、更に条件の異なる反応段階を複数持たせる、連続的に温度・圧力を変えていく、などしてもよい。
上記カーボネート共重合体の製造において、触媒は原料調製槽、原料貯槽に添加することもできるし、反応器に直接添加することもできるが、供給の安定性、溶融重合の制御の観点からは、反応器に供給される前の原料ラインの途中に触媒供給ラインを設置し、好ましくは水溶液で供給する。
重合条件としては、重合初期においては、相対的に低温、低真空でプレポリマーを得、重合後期においては相対的に高温、高真空で所定の値まで分子量を上昇させることが好ましいが、各分子量段階でのジャケット温度と内温、反応系内の圧力を適切に選択することが、得られるポリカーボネート樹脂の色相や耐光性の観点から重要である。例えば、重合反応が所定の値に到達する前に温度、圧力のどちらか一方でも早く変化させすぎると、未反応のモノマーが留出し、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルのモル比を狂わせ、重合速度の低下を招いたり、所定の分子量や末端基を持つポリマーが得られなかったりして結果的に本発明の目的を達成することができない可能性がある。
エステル交換反応の温度は、低すぎると生産性の低下や製品への熱履歴の増大を招き、高すぎるとモノマーの揮散を招くだけでなく、カーボネート共重合体の分解や着色を助長する可能性がある。
上記カーボネート共重合体の製造において、上記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物及びシクロヘキサンジメタノールを含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを触媒の存在下、エステル交換反応させる方法は、通常、2段階以上の多段工程で実施される。
エステル交換反応温度が過度に高いと、成形品としたときに色相が悪化し、脆性破壊しやすい可能性がある。エステル交換反応温度が過度に低いと、目標とする分子量が上がらず、また、分子量分布が広くなり、衝撃強度が劣る場合がある。また、エステル交換反応の滞留時間が過度に長いと、脆性破壊しやすい場合がある。滞留時間が過度に短いと、目標とする分子量が上がらず衝撃強度が劣る場合がある。
また、1族金属、中でもリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、特にはナトリウム、カリウム、セシウムは、使用する触媒からのみではなく、原料や反応装置から混入する場合があるが、これらの金属がポリカーボネート樹脂中に多く含まれると色相に悪影響を及ぼす可能性があるため、本発明のポリカーボネート樹脂中のこれらの化合物の合計の含有量は、少ない方が好ましく、ポリカーボネート樹脂中の金属量として、通常1重量ppm以下、好ましくは0.8重量ppm以下、より好ましくは0.7重量ppm以下である。
なお、ポリカーボネート樹脂(カーボネート共重合体混合体)中の金属量は、従来公知の種々の方法により測定可能であるが、湿式灰化等の方法でポリカーボネート樹脂中の金属を回収した後、原子発光、原子吸光、Inductively Coupled Plasma(ICP)等の方法を使用して測定することが出来る。
本発明のカーボネート共重合体は、上述の通り溶融重合後、通常、冷却固化させ、回転式カッター等でペレット化される。
ペレット化の方法は限定されるものではないが、例えば、最終重合反応器からポリカーボネート樹脂を溶融状態で抜き出し、ストランドの形態で冷却固化させてペレット化させる方法、最終重合反応器から溶融状態で一軸又は二軸の押出機に樹脂を供給し、溶融押出しした後、冷却固化させてペレット化させる方法、又は、最終重合反応器から溶融状態で抜き出し、ストランドの形態で冷却固化させて一旦ペレット化させた後に、再度一軸又は二軸の押出機に樹脂を供給し、溶融押出しした後、冷却固化させてペレット化させる方法等が挙げられる。
その際、押出機中で、残存モノマーの減圧脱揮や、通常知られている、熱安定剤、中和剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、潤滑剤、可塑剤、相溶化剤、難燃剤等を添加、混練することも出来る。
また、このようにして製造されたカーボネート共重合体には、成形時等における分子量の低下や色相の悪化を防止するために熱安定剤の1種又は2種以上が配合されていてもよい。
かかる熱安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸が挙げられる。
かかる熱安定剤は、溶融重合時に添加した添加量に加えて更に追加で配合することができる。即ち、適当量の亜リン酸化合物やリン酸化合物を配合して、ポリカーボネート樹脂を得た後に、後に記載する配合方法で、更に亜リン酸化合物を配合すると、重合時の透明性の低下、着色、及び耐熱性の低下を回避して、更に多くの熱安定剤を配合でき、色相の悪化の防止が可能となる。
これらの熱安定剤の含有量は、カーボネート共重合体100重量部に対して、0.0001〜1重量部が好ましく、0.0005〜0.5重量部がより好ましく、0.001〜0.2重量部が更に好ましい。
<ポリカーボネート樹脂(又はカーボネート共重合体)の物性>
本発明のポリカーボネート樹脂(又はカーボネート共重合体)の好ましい物性について、以下に示す。
(ガラス転移温度)
本発明のポリカーボネート樹脂(又はカーボネート共重合体)のガラス転移温度(Tg)は、145℃未満である。この範囲を超えてポリカーボネート樹脂(又はカーボネート共重合体)のガラス転移温度が高すぎる場合には、着色し易くなり、衝撃強度を向上させることが困難になるおそれがある。また、この場合には、成形時において金型表面の形状を成形品に転写させる際に、金型温度を高く設定する必要がある。そのため、選択できる温度調節機が制限されてしまったり、金型表面の転写性が悪化したりするおそれがある。
本発明のポリカーボネート樹脂(又はカーボネート共重合体)のガラス転移温度は、より好ましくは140℃未満、さらに好ましくは135℃未満である。
また、本発明のポリカーボネート樹脂(又はカーボネート共重合体)のガラス転移温度は通常90℃以上であり、好ましくは95℃以上である。
本発明のポリカーボネート樹脂(又はカーボネート共重合体)のガラス転移温度を145℃未満とする方法としては、ポリカーボネート樹脂(又はカーボネート共重合体)中の構成単位(1)の割合を少なくしたり、ポリカーボネート樹脂(又はカーボネート共重合体)の製造に用いるジヒドロキシ化合物として、耐熱性の低い脂環式ジヒドロキシ化合物を選定したり、ポリカーボネート樹脂(又はカーボネート共重合体)中のビスフェノール化合物等の芳香族系ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位の割合を少なくしたりする方法等が挙げられる。
なお、本発明のポリカーボネート樹脂(又はカーボネート共重合体)のガラス転移温度は、後述の実施例に記載の方法で測定されたものである。
(還元粘度)
本発明のポリカーボネート樹脂(又はカーボネート共重合体)の重合度は、溶媒としてフェノールと1,1,2,2,−テトラクロロエタンの重量比1:1の混合溶媒を用い、ポリカーボネート樹脂濃度を1.00g/dlに精密に調整し、温度30.0℃±0.1℃で測定した還元粘度(以下、単に「還元粘度」と記す場合がある。)として、好ましくは0.40dl/g以上、更に好ましくは0.42dl/g以上、特に好ましくは0.45dl/g以上であるが、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の用途によっては、0.60dl/g以上、更には0.85dl/g以上のものが好適に用いられる場合がある。また、本発明のポリカーボネート樹脂(又はカーボネート共重合体)の還元粘度は、好ましくは2.0dl/g以下、更に好ましくは1.7dl/g以下、特に好ましくは1.4dl/g以下である。ポリカーボネート樹脂(又はカーボネート共重合体)の還元粘度が過度に低いと、機械的強度が弱くなる場合があり、ポリカーボネート樹脂(又はカーボネート共重合体)の還元粘度が過度に高いと、成形する際の流動性が低下し、サイクル特性を低下させ、成形品の歪みが大きくなり熱により変形し易い傾向がある。
[ポリカーボネート樹脂の製造(カーボネート共重合体の混合)]
本発明のポリカーボネート樹脂は、共重合比率が異なる複数のカーボネート共重合体を溶融混合したものである。この溶融混合の温度としては、溶融押出口の樹脂温度として、235℃〜245℃がよく、238℃〜242℃が好ましい。この範囲とすることにより、ポリカーボネート樹脂の着色や熱劣化あるいはヤケを抑制し、衝撃強度が高い良好なポリカーボネート樹脂混合物を得ることができる。
この共重合比率の異なる複数のカーボネート共重合体のそれぞれの共重合比率の範囲や、複数のポリカーボネート共重合体の混合比率は、混合後に得られるポリカーボネート樹脂混合物の共重合比率(異なるカーボネート共重合体を混合比率で平均した共重合比率)が、所定の範囲を満たす条件で適宜選択される。この混合後に得られるポリカーボネート樹脂混合物の共重合比率としては、構成単位(1)とCHDM単位の合計量(モル数)に対する構成単位(1)の量(モル数)は、67モル%以上であり、好ましくは、67.5モル%以上である。さらにその上限は、69モル%以下であり、好ましくは68.5モル%以下である。また、上記合計量(モル数)に対するCHDM単位の量(モル数)は、31モル%以上であり、好ましくは31.5モル%以上である。さらに、その上限は、33モル%以下であり、32.5モル%以下である。
上記合計量(モル数)に対する構成単位(1)の量が67モル%より少ない(上記合計量(モル数)に対するCHDM単位の量が33モル%より多い)と、耐熱性が低下するという問題点を生じる場合がある。一方、上記合計量(モル数)に対する構成単位(1)の量が69モル%より多い(上記合計量(モル数)に対するCHDM単位の量が31モル%より少ない)と、耐衝撃性が低下するという問題点を生じる場合がある。
[アクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル−スチレン系ゴム(BA−MA−Sゴム)]
上記ポリカーボネート樹脂組成物は、上記のポリカーボネート樹脂に、アクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル−スチレン系ゴムが含有される。本明細書中においては、「アクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル−スチレン系ゴム」のことを以下、適宜、「BA−MA−Sゴム」と称する。
BA−MA−Sゴムとしては、通常、ゴム成分と呼ばれる重合体成分をコア層とし、これと共重合可能な単量体成分をシェル層としてグラフト共重合したコア・シェル型グラフト共重合体が好ましい。つまり、BA−MA−Sゴムは、重合体成分からなるコア層と、コア層を覆うシェル層とを有することが好ましく、シェル層は、コア層の重合体と共重合可能な単量体成分を含有し、この単量体成分はコア層の重合体とグラフト共重合していることが好ましい。
コア・シェル型グラフト共重合体の製造方法は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などのいずれの方法であってもよい。共重合の方式は一段グラフトでも多段グラフトであってもよい。コア・シェル型グラフト共重合体のようなBA−MA−Sゴムとしては、通常、市販品を使用することができる。市販品としては、特に制限されないが、例えば以下のものが挙げられる。
例えば、カネカ(株)製、商品名カネエースM−590、三菱レイヨン(株)製、商品名メタブレンメタブレンW−341、W−377、メタブレンW−341、三菱レイヨン(株)製、商品名アクリペットIR377、IR441、IR491などが挙げられる。これらの中でも、屈折率が高く、耐熱性が高いことから、カネカ(株)製、商品名カネエースM−590が最も好ましい。
シェル層を構成する、コア層の重合体成分とグラフト共重合可能な単量体成分は、(メタ)アクリル酸エステル化合物であり、具体的には、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチルである。ここで、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」と「メタクリル」とを総称するものである。
コア・シェル型グラフト共重合体において、アクリル酸ブチル−スチレン共重合体成分を40重量%以上含有するものが好ましく、60重量%以上含有するものがさらに好ましい。また、(メタ)アクリル酸エステル成分は、10重量%以上含有するものが好ましい。ここで、コア・シェル型グラフト共重合体において、「アクリル酸ブチル−スチレン共重合体」部分がコア層に相当する。
コア・シェル型グラフト共重合体等のBA−MA−Sゴムは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上述のポリカーボネート樹脂組成物中、ポリカーボネート樹脂とアクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル−スチレン系ゴムの合計を100重量部としたときのアクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル−スチレン系ゴム(BA−MA−Sゴム)の配合量は4.0重量部以上がよく、4.5重量部以上が好ましい。また、配合量の上限は、6.0重量部がよく、5.55重量部が好ましい。上記範囲を超える場合には、耐熱性が低下し、自動車用内外装部材の用途として耐熱性が不十分になるという問題点を生じる場合がある。また、この場合には、自動車用内外装部材の外観が悪くなるおそれがある。
[ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法]
ポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂、上記BA−MA−Sゴム、及び後述する添加剤を溶融混合することにより製造することができる。
具体的には、まず、押出機を用いて、例えばペレット状の上記した複数種のポリカーボネート共重合体(ポリカーボネート樹脂)とBA−MA−Sゴムと各種添加剤とを混合し、ストランド状に押出す。次いで、押し出された樹脂組成物を回転式カッター等でペレット状にカットする。これにより、例えばペレット状のポリカーボネート樹脂組成物を得ることができる。
<添加剤>
この添加剤としては、上記したとおり、ジブチルヒドロキシトルエン((A)成分)、23℃の動粘度が4000〜5500cStであるジフェニルジメチコン((B)成分)、融点が125℃〜130℃であるヒンダードアミン系耐光安定剤((C)成分)、融点が102℃〜106℃であるベンゾトリアゾール系耐光安定剤((D)成分)、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト((E)成分)及び分子量1100〜1200のヒンダードフェノール系酸化防止剤((F)成分)をあげることができる。
[(A)成分(ジブチルヒドロキシトルエン)]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、(A)成分として、ジブチルヒドロキシトルエンが配合される。これを配合することにより、耐光試験時の分子量低下抑制、すなわち耐光性の向上という特徴を発揮することができる。
本発明のポリカーボネート樹脂及びBA−MA−Sゴムの合計100重量部に対する(A)成分の含有量は、0.001重量部以上がよく、0.003重量部以上が好ましい。上記範囲より少ないと、耐光試験時の分子量低下抑制効果が充分ではないという問題点を生じる場合がある。一方、(A)成分の含有量の上限は、0.015重量部以下がよく、0.011重量部以下が好ましい。上記範囲より多いと、金型付着物が増加するという問題点を生じる場合がある。
[(B)成分(23℃の動粘度が4000〜5500cStであるジフェニルジメチコン)]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、(B)成分として、23℃の動粘度が4000〜5500cStであるジフェニルジメチコンが配合される。これを配合することにより、耐傷付き性が向上し、成形品の使用時に起こりうる擦り傷を防止することができる。また、ジフェニルジメチコンに含有するフェニル基により、樹脂との屈折率差が小さくできることにより、発色性が高くなるため、高品質な外観の成形品を得ることができる。23℃の動粘度が4000〜5500cStであるジフェニルジメチコンは、成形時の離型性の向上効果を有する。そのため、複雑形状の成形品の製造が可能になる。
ポリカーボネート樹脂組成物の成形体の発色性を高めるという観点から、23℃の動粘度が4000〜5500cStであるジフェニルジメチコンは、屈折率が高いことが好ましい。具体的には、23℃の動粘度が4000〜5500cStであるジフェニルジメチコンの屈折率は、1.49以上であることが好ましく、1.495以上であることがより好ましい。屈折率が1.49より大きいと、透明性を向上させるという特徴をより発揮することができる。一方、屈折率の上限は、1.51がよく、1.505が好ましい。屈折率が1.51より小さいと、透明性を向上させるという特徴をより発揮することができる。
本発明のポリカーボネート樹脂混合物と23℃の動粘度が4000〜5500cStであるジフェニルジメチコンとの屈折率の差は、±0.1以内であることが好ましく、±0.05以内であることがより好ましく、±0.01以内であることがさらに好ましい。屈折率の差を上記範囲内に調整することにより、透明性がより向上し、さらに着色時の鮮映性を向上させることができる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物中、ポリカーボネート樹脂及びBA−MA−Sゴムの合計100重量部に対する(B)成分の含有量は、0.05重量部以上がよく、0.06重量部以上が好ましい。0.05重量部より少ないと、耐光試験時の分子量低下抑制効果が充分ではないという問題点を生じる場合がある。一方、(B)成分の含有量の上限は、0.31重量部がよく、0.30重量部が好ましい。0.31重量部より多いと、金型付着物が増加するという問題点を生じる場合がある。
[(C)成分(所定の融点を有するヒンダードアミン系耐光安定剤)]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、(C)成分として、所定の融点を有するヒンダードアミン系耐光安定剤が配合される。これを配合することにより、耐光試験時の分子量低下抑制という特徴を発揮することができる。
上記のヒンダードアミン系耐光安定剤の融点は、125℃以上が必須で、127℃以上が好ましい。125℃より低いと、耐光性能が悪くなるという問題点を有する場合がある。一方、融点の上限は、130℃以下がよく、129℃以下が好ましい。130℃より高いと、樹脂組成物としての相溶性が悪くなるという問題点を有する場合がある。
融点が125〜130℃であるヒンダードアミン系耐光安定剤としては、窒素が環式構造の一部となっている構造を有するものが好ましく、ピペリジン構造を有するものであることがより好ましい。ここで規定するピペリジン構造には、飽和6員環状のアミン構造となっていれば如何なる構造であっても構わず、ピペリジン構造の一部が置換基により置換されているものも含む。該ピペリジン構造が有していてもよい置換基としては、炭素数4以下のアルキル基があげられ、特にはメチル基が好ましい。アミン化合物としては、更には、ピペリジン構造を複数有する化合物が好ましく、ピペリジン構造を複数有する場合、それらのピペリジン構造が1つのアルカン鎖にエステル構造により連結されている化合物が好ましい。このようなヒンダードアミン系耐光安定剤の具体例として、特に下記式(3)で表される化合物があげられる。
Figure 2019172791
本発明のポリカーボネート樹脂及びBA−MA−Sゴムの合計100重量部に対する(C)成分の含有量は、0.05重量部以上がよく、0.06重量部以上が好ましい。0.05重量部より少ないと、耐光試験時の分子量低下抑制効果が充分でないという問題点を生じる場合がある。一方、(C)成分の含有量の上限は、0.21重量部以下がよく、0.20重量部以下が好ましい。0.21重量部より多いと、金型付着物が増加するという問題点を生じる場合がある。
[(D)成分(所定の融点を有するベンゾトリアゾール系耐光安定剤}}
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、(D)成分として、所定の融点を有するベンゾトリアゾール系耐光安定剤が配合される。これを配合することにより、耐光試験時の分子量低下抑制という特徴を発揮することができる。
上記のベンゾトリアゾール系耐光安定剤の融点は、102℃以上が必須で、103℃以上が好ましい。102℃より低いと、耐光性能が低くなるという問題点を有する場合がある。一方、融点の上限は、106℃以下がよく、104℃以下が好ましい。106℃より高いと、実曝時の耐光性能が発揮されにくくなるという問題点を有する場合がある。
融点が102〜106℃のベンゾトリアゾール系耐光安定剤のより具体的な例としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールなどが挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂及びBA−MA−Sゴムの合計100重量部に対する(D)成分の配合量は、0.05重量部以上がよく、0.06重量部以上が好ましい。0.05重量部より少ないと、耐光試験時の分子量低下抑制効果が充分でないという問題点を生じる場合がある。一方、(D)成分の含有量の上限は、0.31重量部以下がよく、0.30重量部以下が好ましい。0.31重量部より多いと、金型付着物が増加するという問題点を生じる場合がある。
[(E)成分(トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト)]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、(E)成分として、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトが配合される。
この(E)成分の配合量は、本発明のポリカーボネート樹脂及びBA−MA−Sゴムの合計100重量部に対して、0.049重量部以上がよく、0.0495重量部以上が好ましい。上記範囲以上配合されると、耐面衝撃性、耐衝撃性の改良効果が向上しやすいために好ましい。一方、(E)成分の配合量の上限は、0.051重量部以下がよく、0.050重量部以下が好ましい。上記範囲以下だと、この発明に係る自動車用内外装部材である成形品の外観や耐熱性の観点で好ましい。
[(F)成分(特定のヒンダードフェノール系酸化防止剤)]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、(F)成分として、特定の分子量を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤が含有される。
上記のヒンダードフェノール系酸化防止剤の分子量は、1100以上は必須で、1120以上が好ましい。1100より小さいと、酸化劣化防止効果が低いという問題点を有する場合がある。一方、分子量の上限は、1200がよく、1180が好ましい。1200より大きいと、樹脂組成物としての相溶性が悪いという問題点を有する場合がある。
この分子量1100〜1200のヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等の化合物が挙げられる。
(F)成分の配合量は、本発明のポリカーボネート樹脂及びBA−MA−Sゴムの合計100重量部に対して、0.09重量部以上がよく、0.094重量部以上が好ましく、0.096重量部以上がより好ましい。上記範囲以上配合されると、耐面衝撃性、耐衝撃性の改良効果が向上しやすいために好ましい。一方、(F)成分の配合量の上限は、0.11重量部以下がよく、0.108重量部以下が好ましく、0.106重量部以下がより好ましい。上記範囲以下だと、この発明に係る自動車用内外装部材である成形品の外観の観点で好ましい。
[配合方法]
上記の複数種のポリカーボネート共重合体、上記BA−MA−Sゴム、(A)成分〜(F)成分の混合方法としては、例えばタンブラー、V型ブレンダー、スーパーミキサー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押出機等で混合・混練する方法、或いは、例えば塩化メチレン等の共通の良溶媒に溶解させた状態で混合する溶液ブレンド方法等があるが、これは特に限定されるものではなく、通常用いられるブレンド方法であればどのような方法を用いてもよい。
具体的には、例えばペレット状の上記のポリカーボネート共重合体と各種成分を押出機を用いて混合し、ストランド状に押出し、回転式カッター等でペレット状にカットすることにより本発明の熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
こうして得られる本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、各成分が混合され、直接に、或いは溶融押出機で一旦ペレット状にしてから、押出成形法、射出成形法、圧縮成形法等の通常知られている成形方法で、所望形状に成形することができる。
〔ポリカーボネート樹脂成形品〕
本発明のポリカーボネート樹脂組成物を成形することにより、本発明の自動車用内外装部材を得ることができる。
好ましくは、本発明の自動車用内外装部材は、射出成形法により成形されたものである。
この場合には、複雑な形状の本発明の自動車用内外装部材が作成可能となる。
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。まず、評価方法について説明する。
[評価方法]
(1)シャルピー衝撃強さ
ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを、熱風乾燥機を用いて、90℃で6時間乾燥した。次に、乾燥し乾燥したポリカーボネート樹脂組成物から射出成形機(東芝機械(株)製EC−75SX)を用いて、機械物性用ISO試験片を成形した。上記で得られた機械物性用ISO試験片について、ISO179−1:2010に記載した方法でノッチ付シャルピー衝撃試験を実施した。この値が高いほど耐衝撃性が高いことを示す。
(2)耐光性試験(ΔE
乾燥したポリカーボネート樹脂組成物から射出成形機(東芝機械(株)製EC−75SX)を用いて、100mm×100mm×2mmtのシートを成形した。アトラス社製キセノン耐光性試験機Ci4000を用いて、JISD0205に準拠し、ブラックパネル温度89℃、相対湿度50%の条件下、キセノンアーク灯を用い、波長範囲が300〜400nm、試料面放射強度が100W/mでソーダライムガラスのアウターガラスフィルター及びボロシリケートガラスのインナーフィルターを介し、積算照射強度200MJ/mまで試験を行った。JIS Z 8722に記載の方法で、日本電色工業(株)製 SE−2000を使用し、D65/10光源反射法にて照射処理後のLを測定し、試験前の値からΔEを求めた。
(3)耐摩耗試験
表面性測定機(新東科学株式会社製、形式:トライボギア TYPE-14)を用い、ティシュ(日本製紙クレシア社製フラワーボックス)を3回折り畳んで、摩耗子(底面の投影面積20mm×20mm)に取り付け、上記(2)と同様にして成形したシート(100mm×100mm×2mmt)の表面に荷重9.8N、ストローク50mm、3000mm/分の速度で200往復させた後、JIS Z 8722に記載の方法で、コニカミノルタジャパン株式会社製 CM−5を使用し、D65/10°光源反射法にて、傷表面のLを測定し、摩耗試験前後のL変化率を評価した。この値が小さいほど、耐傷付き性に優れることを示す。
(4)総合判定
シャルピー衝撃強度10kJ/m以上、耐光性試験後のΔEが1.2未満かつ耐摩耗試験前後のL変化率が200以下の場合を○、それ以外を×とした。
[原材料]
<ポリカーボネート樹脂用材料>
・D7340R・・・イソソルバイドポリカーボネート(ISB/CHDM=70/30(モル比))、三菱ケミカル(株)製。
・D5360R・・・イソソルバイドポリカーボネート(ISB/CHDM=50/50(モル比))、三菱ケミカル(株)製。
<BA−MA−Sゴム>
・M−590・・・アクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル−スチレン系ゴム、(株)カネカ製。
<(A)成分>
・BHT・・・ジブチルヒドロキシトルエン、(株)APIコーポレーション製。
<(B)成分>
・KF54−HV・・・シリコーンオイル(ジフェニルジメチコン)、信越化学(株)製、屈折率 1.503、23℃の動粘度 5000cSt
<(C)成分>
・LA−57・・・下記式(3)で示されるHALS(ヒンダードアミン系耐光安定剤)、(株)ADEKA製、融点:130℃。
Figure 2019172791
・チヌビン770DF・・・下記式(4)で示されるHALS(ヒンダードアミン系耐光安定剤)、チバガイギー(株)製、融点:84℃。
Figure 2019172791
<(D)成分>
・Seesorb709・・・2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、(株)シプロ化成製、融点:104℃。
<(E)成分>
・AS2112・・・トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、(株)ADEKA製。
<(F)成分>
・Irganox1010・・・ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、BASF社製、分子量:1176。
(実施例1)
表1に示すポリカーボネート共重合体及びBA−MA−Sゴム(アクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル−スチレン系ゴム)を用い、表1に示す(A)〜(F)の各成分を配合し、さらに、Solvent Red 179、Solvent Green 3、Solvent Blue 97を混合し、ポリカーボネート樹脂組成物のL値が1.0となるようにした。その後、2軸押出機を用いて、回転式カッターでペレット化した。得られたポリカーボネート樹脂組成物について、上記の方法によりノッチ付きシャルピー衝撃強度、耐光性試験後のΔE、耐摩耗試験前後のL変化率を測定・評価した。その結果を表1に示す。
(比較例1)
表1に示すポリカーボネート共重合体のペレットを用い、表1に示すポリカーボネート樹脂組成物配合で各成分を配合した以外は、実施例1と同様に行い、ポリカーボネート樹脂組成物の製造と評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
表1に示すポリカーボネート共重合体のペレットを用い、表1に示すポリカーボネート樹脂組成物配合で各成分を配合した以外は、実施例1と同様に行い、ポリカーボネート樹脂組成物の製造と評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
表1に示すポリカーボネート共重合体のペレットを用い、表1に示すポリカーボネート樹脂組成物配合で各成分を配合した以外は、実施例1と同様に行い、ポリカーボネート樹脂組成物の製造と評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2019172791

Claims (4)

  1. ポリカーボネート樹脂及びアクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル−スチレン系ゴムを有するポリカーボネート樹脂組成物からなる自動車用内外装部材であり、
    下記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位(構成単位(1))とシクロヘキサンジメタノールに由来する構成単位(CHDM単位)からなり共重合比率が異なる複数のカーボネート共重合体の溶融混合体であり、
    上記ポリカーボネート樹脂組成物中の構成単位(1)とCHDM単位とのモル比の含有比率が、67/33〜69/31(モル比)であり、
    上記ポリカーボネート樹脂組成物中、ポリカーボネート樹脂及びアクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル−スチレン系ゴムの合計100重量部に対し、アクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル−スチレン系ゴムを4.0〜6.0重量部含有し、
    さらに下記成分(A)〜成分(F)をそれぞれ、上記のポリカーボネート樹脂及びアクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル−スチレン系ゴムの合計100重量部に対し、下記の含有量含む自動車用内外装部材。
    ・成分(A)…ジブチルヒドロキシトルエン:0.001〜0.015重量部。
    ・成分(B)…23℃の動粘度が4000〜5500cStであるジフェニルジメチコン:0.05〜0.31重量部。
    ・成分(C)…融点が125℃〜130℃であるヒンダードアミン系耐光安定剤:0.05〜0.21重量部。
    ・成分(D)…融点が102℃〜106℃であるベンゾトリアゾール系耐光安定剤:0.05〜0.31重量部。
    ・成分(E)…トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト:0.049〜0.051重量部。
    ・成分(F)…分子量1100〜1200のヒンダードフェノール系酸化防止剤:0.09〜0.11重量部。
    Figure 2019172791
  2. 上記成分(B)の屈折率が、1.49〜1.51であるジフェニルジメチコンを含む請求項1に記載の自動車用内外装部材。
  3. 上記成分(C)は、複数のピペリジン構造を有するヒンダードアミン系耐光安定剤である請求項1又は2に記載の自動車用内外装部材。
  4. 上記成分(C)のヒンダードアミン系耐光安定剤が有する複数のピペリジン構造は、1つのアルカン鎖にエステル結合により連結されている請求項3に記載の自動車用内外装部材。
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