JP2019172151A - 乗員保護装置 - Google Patents

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千尋 鈴木
小林 正明
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正明 小林
豪 野村
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豪 野村
徳聡 齊藤
Noriaki Saito
徳聡 齊藤
建 庄子
Ken Shoji
建 庄子
圭子 園田
Keiko Sonoda
圭子 園田
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茂 齋藤
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Abstract

【課題】側面衝突時における乗員の車幅方向変位を抑制した乗員保護装置を提供する。【解決手段】乗員Pの臀部及び大腿部Fと当接する座面部210、及び、背もたれ部220を有するシート200を有する車両に設けられる乗員保護装置を、座面部における乗員の膝部側の領域で展開膨張する第1のバッグB1と、座面部における第1のバッグよりも前記乗員の臀部側の領域で展開膨張する第2のバッグB2と、第1のバッグ及び第2のバッグにそれぞれ展開用ガスを供給して展開膨張させる展開用ガス供給装置41,42と、車両の衝突又は衝突の前兆を検出する衝突検出部20とを備え、展開用ガス供給装置は、衝突検出部が側面衝突又はその前兆を検出した場合に、第1のバッグに展開用ガスを供給して展開膨張させるとともに、第2のバッグを未展開状態に維持する構成とする。【選択図】図7

Description

本発明は、自動車等の車両の乗員保護装置に関する。
自動車等の車両において、衝突時に乗員を拘束して傷害を抑制するため、シートベルトや各種エアバッグ等の乗員拘束装置を用いることが知られている。
例えば、ステアリングホイール、インストルメントパネル等から乗員の前方側へ展開する前面衝突エアバッグや、ステアリングコラム下部で展開する膝部保護エアバッグ(ニーバッグ)、シート側部から乗員側方へ展開する側面衝突エアバッグ、サイドドアガラスに沿って展開するカーテンエアバッグなどの各種エアバッグ装置が普及している。
また、衝突時にシートベルトを引き込んで拘束力を高めるシートベルトプリテンショナも広く用いられている。
また、近年、主に前面衝突時に乗員の臀部がシートクッションから前方側に滑り落ちるいわゆるサブマリン現象を防止するため、衝突時にシートクッションの内部で展開膨張し、乗員の臀部を拘束するシートクッションエアバッグ装置が提案されている。
上述したシートクッションエアバッグ装置に関する従来技術として、例えば、特許文献1には、シートクッション部に左右二分割されたエアバッグを設け、車両の前面衝突時に、右左エアバッグが膨張されることで、乗員の前進が臀部下面において阻止され、乗員が拘束保護される乗員保護装置において、検知された乗員の着座位置に応じて右エアバッグ及び左エアバッグの膨張量が制御され、シートクッションへの乗員の着座位置に応じて乗員を適切に保護することが記載されている。
また、特許文献2には、シートクッションに設けられる乗員姿勢制御装置において、側面衝突の方向に応じて乗員の姿勢を制御するため、ニアサイド側面衝突に対しては外側エアバッグを膨張させると共に内側シート支持解除装置を作動させ、車幅方向外側が内側よりも上側に位置する第1側突対応状態とされ、ファーサイド側面衝突に対しては内側エアバッグを膨張させると共に外側シート支持解除装置を作動させ、車幅方向外側が内側よりも下側に位置する第2側突対応状態とされることが記載されている。
特開2006−143045号公報 特開2009−154747号公報
近年、側面衝突時における乗員保護性能を向上することが要望されている。
特に、車幅方向において乗員が着座している側とは反対側から入力を受けるファーサイド側面衝突においては、サイドエアバッグやカーテンエアバッグによる乗員の保護が難しく、乗員の上体が慣性力によって車体に対し入力側に大きく振られることによるニアサイドの乗員や内装部材などとの衝突及び傷害の悪化が問題となる。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、側面衝突時における乗員の車幅方向変位を抑制した乗員保護装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1に係る発明は、乗員の臀部及び大腿部と当接する座面部、及び、前記座面部の後端部近傍から上方へ突出した背もたれ部を有するシートを有する車両に設けられる乗員保護装置であって、前記座面部における前記乗員の膝部側の領域で展開膨張する第1のバッグと、前記座面部における前記第1のバッグよりも前記乗員の臀部側の領域で展開膨張する第2のバッグと、前記第1のバッグ及び前記第2のバッグにそれぞれ展開用ガスを供給して展開膨張させる展開用ガス供給装置と、前記車両の衝突又は衝突の前兆を検出する衝突検出部とを備え、前記展開用ガス供給装置は、前記衝突検出部が側面衝突又はその前兆を検出した場合に、前記第1のバッグに展開用ガスを供給して展開膨張させるとともに、前記第2のバッグを未展開状態に維持することを特徴とする乗員保護装置である。
これによれば、側面衝突時に第2のバッグを未展開状態に維持し、第1のバッグのみを展開膨張させることによって、乗員の大腿部を膝部側が上昇する方向に回動させることができる。
このような大腿部の回動に応じて、乗員の上体が腰部を回転中心として後傾方向に回動し、乗員の背部がシートの背もたれ部に押し付けられて乗員の背部と背もたれ部との間で発生する摩擦力が増大する。
このため、乗員の上体の車幅方向への変位が抑制され、身体の無理な屈曲や車室内の内装部材、他の乗客等との衝突による乗員の傷害を抑制することができる。
請求項2に係る発明は、前記第1のバッグは、展開膨張時に、前記乗員の前記膝部が前記臀部に対して上昇する方向に前記大腿部を回動させるモーメントを発生することを特徴とする請求項1に記載の乗員保護装置である。
これによれば、上述した効果を確実に得ることができる。
請求項3に係る発明は、前記展開用ガス供給装置は、前記衝突検出部が前面衝突又はその前兆を検出した場合に、前記第2のバッグにのみ展開用ガスを供給して展開膨張させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の乗員保護装置である。
請求項4に係る発明は、前記展開用ガス供給装置は、前記衝突検出部が前面衝突又はその前兆を検出した場合に、前記第1のバッグ及び前記第2のバッグに展開用ガスを供給して展開膨張させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の乗員保護装置である。
これらの各発明によれば、前面衝突時においては、第2のバッグを展開膨張させることによって、乗員の身体を全体的に上昇させるとともに臀部の前進を規制し、乗員の身体が車室の下方へ潜り込むいわゆるサブマリン現象を防止し、乗員の傷害を抑制することができる。
以上説明したように、本発明によれば、側面衝突時における乗員の車幅方向変位を抑制した乗員保護装置を提供することができる。
本発明を適用した乗員保護装置の実施形態の構成を示すブロック図である。 第1実施形態の乗員保護装置を有する車両の車室前部を側方から見た状態を示す模式図であって、通常状態を示すものである。 図2のIII−III部矢視断面図である。 車両のファーサイド側面衝突時における乗員の挙動の一例を模式的に示す図である。 実施形態の乗員保護装置における衝突時の制御を示すフローチャートである。 実施形態の乗員保護装置を有する車両の車室前部を側方から見た状態を示す模式図であって、前面衝突時の状態を示すものである。 実施形態の乗員保護装置を有する車両の車室前部を側方から見た状態を示す模式図であって、側面衝突時の状態を示すものである。
以下、本発明を適用した乗員保護装置の実施形態について説明する。
実施形態の乗員保護装置は、例えば、乗用車等の自動車の前席(運転席又は助手席)に着座した乗員を保護するものである。
図1は、実施形態の乗員保護装置の構成を示すブロック図である。
図2は、実施形態の乗員保護装置を有する車両の車室前部を側方から見た状態を示す模式図であって、通常状態(衝突又はその前兆が検出されない状態)を示すものである。
図2において、左側が車両前方側を示している。(図6乃至7において同じ)
図3は、図2のIII−III部矢視断面図である。
図1に示すように、乗員保護装置1は、ステレオカメラ装置11、ミリ波レーダ装置12、レーザスキャナ装置13、環境認識ユニット20、乗員保護装置制御ユニット30、第1インフレータ41、第2インフレータ42、ショルダプリテンショナ50、ラッププリテンショナ60、ロッキングタング70等を有する。
ステレオカメラ装置11は、左右一対のカメラ及びステレオ画像処理ユニット等を有する。
左右のカメラは、レンズ群等の光学系や、CMOS等の固体撮像素子及びその駆動装置、画像処理エンジン、入出力インターフェイス等を有する撮像装置である。
カメラは、左右方向に離間した状態で、車両前方に向けて取り付けられている。
カメラは、例えば、ルーフ130の前端部から車室内に吊り下げられ、フロントガラス140越しに自車両前方の画像を撮像するようになっている。
左右カメラがそれぞれ撮像した画像に係るデータは、ステレオ画像処理ユニットに逐次提供されるようになっている。
ステレオ画像処理ユニットは、撮像された画像のデータに公知のステレオ画像処理を施し、自車両に対する被写体の相対位置を算出するとともに、被写体の種類(車両、歩行者、建造物、地形等)を判別する。
ミリ波レーダ装置12は、例えば24GHz帯や79GHz帯のミリ波レーダを用いて、自車両の周囲に存在する物体を検出し、検出された物体の自車両に帯する相対位置、相対速度を判別するものである。
レーザスキャナ装置13は、自車両の周囲をレーザ光で照射し、レーザ光が物体に当たった際の散乱光を利用して、自車両の周囲に存在する物体の位置や形状を三次元的にスキャンする3D LiDARである。
レーザスキャナ装置13は、例えば、自車両の全方位(周囲360°)において物体の形状検出を行うことが可能となっている。
環境認識ユニット20は、ステレオカメラ装置11、ミリ波レーダ装置12、レーザスキャナ装置13による自車両周辺の物体検出結果等を利用して、自車両周辺の環境を認識するものである。
環境認識ユニット20は、ステレオカメラ装置11、ミリ波レーダ装置12、レーザスキャナ装置13が認識した他車両、建築物等のうち、自車両に対する相対位置、相対速度などから、自車両と衝突する可能性が高いリスク対象物を認識する。
環境認識ユニット20は、リスク対象物の自車両に対する相対位置、相対速度(接近速度)などから、リスク対象物と自車両との衝突が不可避であると判定した場合(プリクラッシュ判定が成立した場合)には、そのリスク対象物に関する情報を乗員保護装置制御ユニット30に伝達する。
ここで、リスク対象物に関する情報として、例えば、リスク対象物の種類、衝突予想箇所、衝突エネルギの入力方向、衝突までの予想時間、衝突時の予想相対速度等が挙げられる。
乗員保護装置制御ユニット30は、自車両のリスク対象物(他車両等)との前面衝突の前兆等に応じて、各エアバッグインフレータ41,42、ショルダプリテンショナ50、ラッププリテンショナ60、ロッキングタング70等に対して指令を出し、これらを制御するものである。
乗員保護装置制御ユニット30には、加速度センサ31が接続されている。
加速度センサ31は、例えば、車体における前後方向加速度、及び、車幅方向加速度をそれぞれ検出する加速度ピックアップを有する。
加速度センサ31は、自車両が他車両等のリスク対象物と実際に衝突したことを検出する手段として機能する。
乗員保護装置制御ユニット30は、加速度センサ31、環境認識ユニット20、ステレオカメラ装置11、ミリ波レーダ装置12、レーザスキャナ装置13等と協働し、衝突検出手段として機能する。
乗員保護装置制御ユニット30の機能、動作については、後に詳しく説明する。
第1インフレータ41、第2インフレータ42は、例えば火薬を用いて高温かつ高圧の展開用ガスを発生し、前側エアバッグB1、後側エアバッグB2(図2等参照)の内部にそれぞれ導入してこれらを展開膨張させるものである。
第1インフレータ41、第2インフレータ42は、乗員保護装置制御ユニット30からの指令に応じて展開用ガスの発生を開始する。
第1インフレータ41が発生する展開用ガスは、前側エアバッグB1に導入される。
第2インフレータ42が発生する展開用ガスは、後側エアバッグB2に導入される。
ショルダプリテンショナ50、ラッププリテンショナ60は、後述するシートベルト230のショルダベルト部230S、ラップベルト部230Lにそれぞれ張力を与える牽引装置である。
ロッキングタング70は、シートベルト230の中間部が挿通されるとともに、バックル232に着脱可能に取り付けられる部分であって、後述するロック機能を備えている。
ショルダプリテンショナ50、ラッププリテンショナ60、ロッキングタング70の機能については、後に詳しく説明する。
図2、図3に示すように、車室100は、フロア110、トーボード120、ルーフ130、フロントガラス140、インストルメントパネル150、サイドドア160、センターコンソール170、Bピラー180等を有して構成されている。
車室100は、乗員P等が収容される空間部である。
フロア110は、車室の床面部を構成する部分である。
フロア110は、車室100の下部に実質的に水平方向に沿って配置されている。
図3に示すように、フロア110には、フロアトンネル111が形成されている。
フロアトンネル111は、フロア110の車幅方向中央部を上方へ突出させて形成され、車両前後方向に延在している。
フロアトンネル111の内部(床下側)には、図示しないトランスミッション、プロペラシャフト、エキゾーストパイプ等が収容される。
フロア110には、フロントサイドフレーム112、サイドシル113、シートクロスメンバ114等が接合されている。
フロントサイドフレーム112は、閉断面を有する梁状に形成され、フロアトンネル111の下面部に沿って車両前後方向に延在する構造部材である。
フロントサイドフレーム112は、フロアトンネル111の左右に一対設けられている。
サイドシル113は、閉断面を有する梁状に形成され、フロア110の側端部に沿って車両前後方向に延在する構造部材である。
サイドシル113は、サイドドア160が設けられるドア開口の下縁部を構成する。
シートクロスメンバ114は、フロア110の上面から突出して設けられ、車幅方向に沿って延在する構造部材である。
シートクロスメンバ114の両端部は、フロアトンネル111、サイドシル113にそれぞれ連結されている。
シートクロスメンバ114は、シート200を支持するシートレール211が取り付けられる基部となる。
トーボード120は、車室100の下部における前面部を構成する部分である。
トーボード120は、フロア110の前端部から上方へ立ち上げて形成されている。
トーボード120は、車室100と図示しないエンジンルームとの隔壁として機能する。
ルーフ130は、車室100の天井部分を構成する部分である。
ルーフ130は、車室100の上部に実質的に水平方向に沿って配置されている。
図3に示すように、ルーフ130の左右両端部には、ルーフサイドフレーム131が設けられている。
ルーフサイドフレーム131は、ルーフ130の側端部に沿って前後方向に延在する構造部材である。
ルーフサイドフレーム131の前端部は、フロントガラス140の側端部に沿って配置されるAピラーの上端部と接合される。
ルーフ130の下側には、内装部材であるルーフトリム132が設けられる。
フロントガラス140は、車室100の前部において、乗員Pの上体UBの正面に設けられている。
フロントガラス140は、上端部が下端部に対して後方側となるように後傾して配置されている。
フロントガラス140の上端部は、ルーフ130の前端部に取り付けられている。
フロントガラス140の下端部は、インストルメントパネル150の上端部近傍において、図示しないカウル部に取り付けられている。
インストルメントパネル150は、例えば計器類、空調装置、ナビゲーション装置、グローブボックス等が設けられる内装部材である。
インストルメントパネル150は、トーボード120の上部から後方側(乗員P側)に張り出して形成されている。
サイドドア160は、車室100の側部に設けられ乗員Pの乗降等に用いられる扉状の部材である。
サイドドア160は、アウタパネル161、ドアトリム162、ドアガラス163等を有する。
アウタパネル161は、車体外板の一部を構成する部分であって、例えば鋼板等の金属板をプレス加工して成型されている。
アウタパネル161の内側には、図示しないインナパネルが取り付けられる。
ドアトリム162は、サイドドア160の車室100内側に取り付けられる内装材であって、例えば樹脂系材料等によって形成されている。
ドアガラス163は、アウタパネル161の上端部から上方に突出しかつ昇降可能となっている。
ドアガラス163が閉状態(上限まで上昇した状態)においては、ドアガラス163の上端部は、ルーフサイドフレーム131に近接して配置されている。
センターコンソール170は、車室100内においてフロアトンネル111の上部に設けられた内装部材である。
センターコンソール170は、例えば、樹脂系材料等によって形成され、小物を収容する空間部等が設けられる。
Bピラー180は、ルーフサイドフレーム131とサイドシル113との間にわたして設けられる柱状の部材である。
Bピラー180は、サイドドア160の後端部に沿って配置され、サイドドア160の図示しないラッチ機構と係合するストライカが設けられている。
Bピラー180には、シートベルト230のスリップジョイント233、リトラクタ231、及び、ラッププリテンショナ60が上方側から順次取り付けられている。
車室100内には、前席乗員が着座するシート200が設けられている。
シート200は、図示しないシートレールを介して、前後方向に位置を調節可能な状態でフロア100の上部に固定されている。
シート200は、座面210、シートバック220を有するとともに、シートベルト230が設けられている。
座面210、シートバック220は、例えば金属製の枠状に形成されたフレームに、スプリング及びウレタンフォーム等からなるクッション部を設け、布や皮革等の表皮で覆って構成されている。
座面210は、乗員Pの大腿部Fから臀部までが載置される実質的に平板状の部分である。
座面210において乗員Pと接する上面部は、通常時においては、水平方向にほぼ沿いかつ前端部側が後端部側よりも高くなるようわずかに傾斜している。
座面210は、シートレール211を介して、フロア110のシートクロスメンバ114に取り付けられている。
シートレール211は、フロア110に対して座面210を前後方向に相対変位可能に支持する。
シートバック220は、乗員Pの上体UBの背部を保持する背もたれ部である。
シートバック220は、座面210の後端部近傍から上方へ立ち上げられている。
シートバック220において乗員Pと接する前面部は、上端部が下端部に対して車両後方側となるようにやや後傾している。
座面210及びシートバック220は、例えば金属製の枠体であるシートフレームの内部に、スプリング等の弾性体を配置し、その周囲をウレタンフォーム等で被覆し、表皮部分を構成する織物、編物等の布地や、天然皮革、合成皮革等でカバーして構成されている。
シートベルト230は、布製のウェビングにより乗員Pを拘束するものである。
シートベルト230は、乗員Pの上体UBの前部(胸部)に袈裟掛け状にかけ渡されるショルダベルト部230S、及び、乗員Pの腰部に左右方向にかけ渡されるラップベルト部230Lを有する3点式のものである。
シートベルト230には、上述したショルダプリテンショナ50、ラッププリテンショナ60、ロッキングタング70に加え、リトラクタ231、バックル232、スリップジョイント233等が設けられる。
ショルダベルト部230S、ラップベルト部230Lは、共通のベルト(ウェビング)によって構成され、ロッキングタング70よりもリトラクタ231側がショルダベルト部230S、ラッププリテンショナ60側がラップベルト230Lとなる。
リトラクタ231は、シートベルト230の一方の端部が、巻き上げ可能に取り付けられるものである。
リトラクタ231は、Bピラー180の上下方向における中間部に取り付けられている。
ショルダプリテンショナ50は、リトラクタ231に内蔵されている。
バックル232は、シートベルト230の中間部が挿通されるロッキングタング70が着脱可能に取り付けられるものである。
バックル232は、例えば、シート200の座面210における車幅方向内側かつ後端部近傍において、図示しないシートフレームに取り付けられている。
スリップジョイント233は、リトラクタ231の上方においてBピラー180に取り付けられ、リトラクタ231から上方へ引き出されたシートベルト230の方向を、バックル232側へ転換させるものである。
シートベルト230は、スリップジョイント232を自由に通過可能となっている。
シートベルト230のリトラクタ231側とは反対の端部は、ラッププリテンショナ60に接続されている。
ラッププリテンショナ60は、Bピラー180の下端部近傍に取り付けられている。
ショルダプリテンショナ50及びラッププリテンショナ60は、乗員保護装置制御ユニット30からの指令に応じて、シートベルト230を牽引して張力を付加する機能を備えている。
ショルダプリテンショナ50及びラッププリテンショナ60は、例えば、火薬式のガス発生器が発生するガス圧力を用いてシートベルト230を牽引するガス圧式のアクチュエータを有する。
ロッキングタング70は、シートベルト230のウェビングが挿通された状態で、バックル232に着脱可能に取り付けられる。
シートベルト230のウェビングにおいて、ロッキングタング70よりもスリップジョイント233側の領域がショルダベルト230Sとして機能し、ロッキングタング70よりもラッププリテンショナ60側の領域がラップベルト230Lとして機能する。
ロッキングタング70は、ショルダベルト230Sの領域と、ラップベルト230Lの領域との間で、ウェビングが自由に通過可能な開放状態と、ウェビングの通過が拘束された拘束状態(ロック状態)とを、乗員保護装置制御ユニット30からの指令に応じて切替可能となっている。
シート200の座面210の内部には、前側エアバッグB1(第1のバッグ)、後側エアバッグB2(第2のバッグ)が設けられている。
前側エアバッグB1、後側エアバッグB2は、例えば、ナイロン繊維の織物によって形成された基布パネルを袋状に縫製して形成され、それぞれ第1インフレータ41、第2インフレータ42から展開用ガスを導入されることによって展開膨張するエアバッグ(ガスバッグ)である。
前側エアバッグB1、後側エアバッグB2が展開膨張すると、座面210の上面は、表皮及びウレタンクッションが変形することによって、上方にせり上がるよう変形する。
前側エアバッグB1は、座面210の前縁部近傍に設けられ、乗員Pの左右脚部における膝部の下方で展開膨張するよう配置されている。
後側エアバッグB2は、前側エアバッグB1の車両後方側でありかつ乗員Pの大腿部Fの下方(臀部の直前)で展開膨張するよう配置されている。
図4は、車両のファーサイド側面衝突時における乗員の挙動の一例を模式的に示す図である。
一般に、図4に示すように、車両の右側面部に側面衝突を受け、左側のシート200に乗員Pが着座しているファーサイド側面衝突の場合、衝突による入力によって車体が左側に変位する際に、乗員Pは慣性力によって車体に対して右側に相対変位する。
このとき、乗員の腰部はラップベルト230Lによって拘束され、また、車幅方向に変位した場合であってもセンターコンソール170との干渉によって変位が制限されることから、上体UBが右側(車幅方向内側)に大きく振られることになる。
このような上体UBの揺動が大きいと、それ自体が傷害を発生させるほか、隣席の乗員や車室内装部材との衝突による傷害も懸念される。
そこで、実施形態の乗員保護装置においては、以下説明する制御により、側面衝突時の乗員保護を図っている。
図5は、実施形態の乗員保護装置における衝突時の制御を示すフローチャートである。
以下、ステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS01:前面衝突判定>
乗員保護装置制御ユニット30は、加速度センサ31及び環境認識ユニット20から取得した情報に基づいて、前面衝突(クラッシュ)又はその前兆(プリクラッシュ)が検出されたか否かを判別する。
前面衝突又はその前兆が検出された場合、前面衝突判定を成立させ、ステップS03に進む。
その他の場合は、ステップS02に進む。
<ステップS02:側面衝突判定>
乗員保護装置制御ユニット30は、加速度センサ31及び環境認識ユニット20から取得した情報に基づいて、側面衝突又はその前兆が検出されたか否かを判別する。
側面衝突又はその前兆が検出された場合、側面衝突判定を成立させ、ステップS044に進む。
その他の場合は、一連の処理を終了する。
<ステップS03:前側エアバッグ、後側エアバッグ展開膨張>
乗員保護装置制御ユニット30は、第1インフレータ41、第2インフレータ42を作動させ、前側エアバッグB1、後側エアバッグB2を展開膨張させる。
図6は、実施形態の乗員保護装置を有する車両の車室前部を側方から見た状態を示す模式図であって、前面衝突時の状態を示すものである。
図6に示すように、前側エアバッグB1、後側エアバッグB2を展開膨張させることによって、乗員Pの身体を全体的に上昇させつつ、臀部の前進を後側エアバッグB2によって抑制することにより、乗員Pがシートベルト230の拘束から下半身側に抜け出して車室100内に潜り込む、いわゆるサブマリン現象の発生を防止することができる。
その後、一連の処理を終了する。
<ステップS04:前側エアバッグ展開膨張>
乗員保護装置制御ユニット30は、第1インフレータ41を作動させ、前側エアバッグB1を展開膨張させる。
このとき、後側エアバッグB2は未展開状態に維持される。
図7は、実施形態の乗員保護装置を有する車両の車室前部を側方から見た状態を示す模式図であって、側面衝突時の状態を示すものである。
図7に示すように、後側エアバッグB2を未展開状態に維持し、前側エアバッグB1のみを展開膨張させることにより、前側エアバッグB1は、乗員Pの大腿部Fを膝部側が臀部側に対して上昇する方向に回動させるモーメントを発生させる。
これにより、大腿部Fは回動し、上体UBは、腰部を回転中心として、背部がシートバック220に押し付けられる方向のモーメントを受ける。
乗員Pの背部がシートバック220に押し付けられることにより、乗員Pの背部とシートバック220の表面との摩擦力が増大するとともに、乗員Pの上体UBがシートバック220の側部に設けられる突出部(サイドサポート部)に引っ掛かりやすくなる。
これによって、側面衝突時の上体UBの車幅方向への変位が抑制される。
その後、一連の処理を終了する。
なお、上述した制御に加えて、車両の側面衝突時、前面衝突時に、ショルダプリテンショナ50、ラッププリテンショナ60を作動させ、ショルダベルト230S、ラップベルト230Lを牽引して張力を増大させ、乗員Pのシート200への拘束を強化するようにしてもよい。
このとき、ショルダベルト230S、ラップベルト230Lの張力を個別に制御可能とするために、ロッキングタング70を拘束状態としてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)側面衝突時に後側エアバッグB2を未展開状態に維持し、前側エアバッグB1のみを展開膨張させることによって、乗員Pの大腿部Fを膝部側が上昇する方向に回動させることができる。
このような大腿部Fの回動に応じて、乗員Pの上体UBが腰部を回転中心として後傾方向に回動し、乗員Pの背部がシート200のシートバック220に押し付けられ、乗員Pの背部とシートバック220との間で発生する摩擦力が増大する。
このため、乗員Pの上体UBの車幅方向への変位が抑制され、身体の無理な屈曲や車室100内の内装部材、図示しない他の乗客等との衝突による乗員Pの傷害を抑制することができる。
(2)前面衝突時においては、前側エアバッグB1、後側エアバッグB2をともに展開膨張させることによって、乗員Pの身体が車室100の下方へ潜り込むいわゆるサブマリン現象を防止し、乗員Pの傷害を抑制することができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)乗員保護装置及びこれが搭載される車両の構成は、上述した実施形態に限らず適宜変更することができる。
例えば、第1,第2のバッグ以外に、付加的に他のエアバッグ等を設けることが可能である。
また、衝突又はその前兆を検出するセンサ類の構成も、実施形態には限定されず、適宜変更することができる。
(2)本発明の乗員保護装置による側面衝突時の乗員保護は、サイドエアバッグやカーテンエアバッグ等による乗員の拘束、保護が難しいファーサイド側面衝突において特に有効であるが、ニアサイド側面衝突においても有効である。
(3)実施形態において、乗員保護装置は一例として乗用車の前席に設けられるものであったが、これに限らず、後席(複数列を有する車両における2列目以降)に設けることも可能である。
(4)実施形態において、前面衝突時には前側エアバッグ(第1のバッグ)、後側エアバッグ(第2のバッグ)を展開膨張させているが、これに限らず、前面衝突時には後側エアバッグ(第2のバッグ)にのみ展開用ガスを供給して展開膨張させる構成としてもよい。
この場合にも、サブマリン現象を抑制して乗員の傷害を抑制することが可能である。
1 乗員保護装置 11 ステレオカメラ装置
12 ミリ波レーダ装置 13 レーザスキャナ装置
20 環境認識ユニット 30 乗員保護装置制御ユニット
31 加速度センサ 41 第1インフレータ
42 第2インフレータ 50 ショルダプリテンショナ
60 ラッププリテンショナ 70 ロッキングタング
100 車室 110 フロア
111 フロアトンネル 112 フロントサイドフレーム
113 サイドシル 114 シートクロスメンバ
120 トーボード 130 ルーフ
131 ルーフサイドフレーム 132 ルーフトリム
140 フロントガラス 150 インストルメントパネル
160 サイドドア 161 アウタパネル
162 ドアトリム 163 ドアガラス
170 センターコンソール 180 Bピラー
200 シート 210 座面
211 シートレール 220 シートバック
230 シートベルト 230S ショルダベルト
230L ラップベルト 231 リトラクタ
232 バックル 233 スリップジョイント
B1 前側エアバッグ B2 後側エアバッグ
P 乗員 H 頭部
UB 上体 F 大腿部

Claims (4)

  1. 乗員の臀部及び大腿部と当接する座面部、及び、前記座面部の後端部近傍から上方へ突出した背もたれ部を有するシートを有する車両に設けられる乗員保護装置であって、
    前記座面部における前記乗員の膝部側の領域で展開膨張する第1のバッグと、
    前記座面部における前記第1のバッグよりも前記乗員の臀部側の領域で展開膨張する第2のバッグと、
    前記第1のバッグ及び前記第2のバッグにそれぞれ展開用ガスを供給して展開膨張させる展開用ガス供給装置と、
    前記車両の衝突又は衝突の前兆を検出する衝突検出部と
    を備え、
    前記展開用ガス供給装置は、前記衝突検出部が側面衝突又はその前兆を検出した場合に、前記第1のバッグに展開用ガスを供給して展開膨張させるとともに、前記第2のバッグを未展開状態に維持すること
    を特徴とする乗員保護装置。
  2. 前記第1のバッグは、展開膨張時に、前記乗員の前記膝部が前記臀部に対して上昇する方向に前記大腿部を回動させるモーメントを発生すること
    を特徴とする請求項1に記載の乗員保護装置。
  3. 前記展開用ガス供給装置は、前記衝突検出部が前面衝突又はその前兆を検出した場合に、前記第2のバッグにのみ展開用ガスを供給して展開膨張させること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の乗員保護装置。
  4. 前記展開用ガス供給装置は、前記衝突検出部が前面衝突又はその前兆を検出した場合に、前記第1のバッグ及び前記第2のバッグに展開用ガスを供給して展開膨張させること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の乗員保護装置。
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CN113734089A (zh) * 2021-09-29 2021-12-03 安徽江淮汽车集团股份有限公司 智能驾驶车辆乘员保护控制方法
CN113942469A (zh) * 2020-07-15 2022-01-18 采埃孚汽车科技(上海)有限公司 车辆的气动座椅安全***、控制方法及计算机可读介质

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