JP2019125646A - 基板処理装置及び基板処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板に付着する残渣を確実に除去して、その後の処理への影響を低減することが可能であり、さらに、基板から残渣が飛散して周囲の環境を汚染することを防止する。【解決手段】基板処理装置1は、支持体10と、基板40と、支持体10と基板40との間に介在する反応層20とを備える積層体50に対して、光を照射することで反応層20を変質させる光照射ユニット2と、基板40を、支持体10から剥離させる剥離ユニット3と、支持体10から剥離された基板40を液体により洗浄する第1洗浄ユニット4と、支持体10から剥離された基板40をプラズマにより処理する第2洗浄ユニット5と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、基板処理装置及び基板処理方法に関する。
近年、電子装置を製造する方法の一例として、いわゆるファンアウト型PLP(Fan-out Panel Level Package)技術と呼ばれる手法が知られている。ファンアウト型PLP技術では、例えば、ウエハ又はガラス板などの支持体に、光の吸収又は加熱により変質する反応層を形成し、その上に電子部品を有する基板を積層して積層体を形成する。その後、反応層に光又は熱を加えて支持体から基板を分離させ、基板を洗浄してから、基板を電子部品ごとに切断して電子装置を得ている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−3748号公報
上記のファンアウト型PLP技術では、積層体の反応層に光又は熱を加えて基板を支持体から剥離するが、その際に反応層の残渣が基板に付着していることがある。この残渣は、反応層が光又は熱により変質しており、溶剤による洗浄を行っても除去することが困難な場合がある。残渣が付着したままにすると、残渣によってその後の処理に影響を与える場合がある。また、残渣が付着した状態で基板を他の場所に搬送すると、残渣が基板表面から飛散し、周囲の環境を汚染してしまう場合がある。
本発明は、基板に付着する残渣を確実に除去して、その後の処理への影響を低減することが可能であり、さらに、基板から残渣が飛散して周囲の環境を汚染することを防止することが可能な基板処理装置及び基板処理方法を提供することを目的とする。
本発明の第1態様では、支持体と、基板と、前記支持体と基板との間に介在する反応層とを備える積層体に対して、光を照射することで前記反応層を変質させる光照射ユニットと、前記基板を、前記支持体から剥離させる剥離ユニットと、前記支持体から剥離された前記基板を液体により洗浄する第1洗浄ユニットと、前記支持体から剥離された前記基板をプラズマにより処理する第2洗浄ユニットと、を備える、基板処理装置が提供される。
本発明の第2態様では、支持体と、基板と、前記支持体と基板との間に介在する反応層とを備える積層体に対して光を照射することで前記反応層を変質させる光照射工程と、前記基板を、前記支持体から剥離させる剥離工程と、前記支持体から剥離された前記基板を液体により洗浄する液体洗浄工程と、前記支持体から剥離された前記基板をプラズマにより処理するプラズマ洗浄工程と、を含む、基板処理方法が提供される。
本発明によれば、第1洗浄ユニットによる液体洗浄工程、及び第2洗浄ユニット基板によるプラズマ洗浄工程によって、基板に付着する残渣を確実に除去することにより、その後の処理への影響を低減することができ、さらに、基板から残渣が飛散して周囲の環境を汚染することを防止することができる。
第1実施形態に関する基板処理装置の一例を機能ブロックで示す図である。 基板処理装置で処理される積層体の一例を示し、(A)は接着層を含む積層体の図、(B)は接着層を含まない積層体の図である。 積層体を保持する保持具の一例を示し、(A)は積層体を保持した保持具の斜視図、(B)は(A)のA−A線に沿った断面図である。 実施形態に関する基板処理方法の一例を示すフローチャートである。 光照射ユニット及び光照射工程の一例を示し、(A)は積層体の全面に光を照射する場合の図、(B)は積層体に対して光を走査する場合の図である。 剥離ユニット及び剥離工程の一例を示し、(A)は支持体を剥離する前の図、(B)は支持体を剥離した後の図である。 第1洗浄ユニット及び液体洗浄工程の一例を示し、(A)は液体により基板を洗浄している状態の図、(B)は液体洗浄工程後の基板を示す図である。 図7に続いて、第2洗浄ユニット及びプラズマ洗浄工程の一例を示し、(A)はプラズマにより基板を洗浄している状態の図、(B)はプラズマ洗浄工程後の基板を示す図である。 第3洗浄ユニット及び液体洗浄工程の一例を示し、(A)は液体により基板を洗浄している状態の図、(B)は液体洗浄工程後の基板を示す図である。 図9に続いて、第2洗浄ユニット及びプラズマ洗浄工程の他の例を示し、(A)はプラズマにより基板を洗浄している状態の図、(B)はプラズマ洗浄工程後の基板を示す図である。 図10に続いて、第1洗浄ユニット及び液体洗浄工程の他の例を示し、(A)は液体により基板を洗浄している状態の図、(B)は液体洗浄工程後の基板を示す図である。 第2洗浄ユニット及びプラズマ洗浄工程の他の例を示し、(A)はプラズマにより基板を洗浄している状態の図、(B)はプラズマ洗浄工程後の基板を示す図である。 図12に続いて、第1洗浄ユニット及び液体洗浄工程の他の例を示し、(A)は液体により基板を洗浄している状態の図、(B)は液体洗浄工程後の基板を示す図である。 液体洗浄工程及びプラズマ洗浄工程後の基板の他の例を示す図である。 図14に続いて、第2洗浄ユニット及びプラズマ洗浄工程の他の例を示し、(A)はプラズマにより基板を洗浄している状態の図、(B)はプラズマ洗浄工程後の基板を示す図である。 基板処理装置の各ユニットの配置の一例を示す図である。 実施形態に関する基板処理方法の他の例を示すフローチャートである。 光照射ユニット及び光照射工程の他の例を示し、(A)は積層体の全面に光を照射する場合の図、(B)は積層体に対して光を走査する場合の図である。 剥離ユニット及び剥離工程の他の例を示し、(A)は支持体を剥離する前の図、(B)は支持体をした後の図である。 第3洗浄ユニット及び液体洗浄工程の他の例を示し、(A)は液体により基板を洗浄している状態の図、(B)は液体洗浄工程後の基板を示す図である。 図20に続いて、第2洗浄ユニット及びプラズマ洗浄工程の他の例を示し、(A)はプラズマにより基板を洗浄している状態の図、(B)はプラズマ洗浄工程後の基板を示す図である。 (A)は液体洗浄工程及びプラズマ洗浄工程後の基板の他の例を示す図、(B)は(A)に続いて、液体により基板を洗浄している状態の図である。 基板処理装置の各ユニットの配置の他の例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面においては、各構成をわかりやすくするために、一部を強調して、あるいは一部を簡略化して表している部分があり、実際の構造又は形状、縮尺等と異なっている場合がある。
<基板処理装置>
図1は、第1実施形態に関する基板処理装置1の一例を機能ブロックで示す図である。図1に示す基板処理装置1は、積層体50に対して各種の処理を行い、基板40を形成する。積層体50は、支持体10と、反応層20と、接着層30と、基板40とを備えている。なお、図示しないが、積層体50から分離された支持体10は、基板処理装置1から適宜取り出されてもよいし、基板処理装置1内において所定枚数に達するまで保管された後にまとめて基板処理装置1から取り出されてもよい。図1に示すように、基板処理装置1は、光照射ユニット2と、剥離ユニット3と、第1洗浄ユニット4と、第2洗浄ユニット5と、第3洗浄ユニット6と、搬送ユニット7とを備えている。
光照射ユニット2は、積層体50に対して、光を照射することで反応層20を変質させる。光照射ユニット2は、例えば、積層体50を載置する不図示の載置台と、反応層20を変質させることが可能な波長の光を照射する不図示の照射装置とを有する。この照射装置からの光は、積層体50の支持体10側から照射されてもよいし、積層体50の基板40側から照射されてもよい。照射装置に備える光源、及びこの光源から出射する光の詳細については後述する。また、照射装置からの光が、積層体50の支持体10側及び基板40側の双方から照射されてもよい。また、照射装置からの光の照射は、スポット光を走査する手法、あるいは積層体50の全面に光を照射する手法、積層体50の一部に光を照射しつつ光の照射部分をステップしてずらしていく手法のいずれであってもよい。
光照射ユニット2は、基板処理装置1内において、例えば、光照射ユニット2専用のチャンバ内に収容されて配置されている。このチャンバにより、照射装置から出射した光が基板処理装置1内においてチャンバ外に漏れるのを防止できる。
剥離ユニット3は、基板40を支持体10から剥離させる。剥離ユニット3には、上記した光照射ユニット2により反応層20が変質した状態の積層体50が搬入される。剥離ユニット3は、例えば、積層体50を固定する不図示の固定台と、支持体10を吸着する不図示の吸着装置とを有する。剥離ユニット3は、支持体10を上側として積層体50を固定台に固定し、その状態で吸着装置を支持体10に吸着させて引き上げること、あるいは固定台を下降させることで、支持体10を基板40から剥離する。
第1洗浄ユニット4は、支持体10から剥離された基板40を液体により洗浄する。第1洗浄ユニット4は、液体洗浄装置である。第1洗浄ユニット4は、例えば、基板40を載置する不図示の載置台と、この載置台に載置された基板40に対して液体を供給する不図示の液体供給装置と、基板40を洗浄した液体を排出する不図示の排出部とを有する。第1洗浄ユニット4は、支持体10から剥離された基板40に付着している接着層30を液体により除去する。
第1洗浄ユニット4において用いられる液体は、炭化水素系有機溶媒、含窒素系有機溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒から選ばれる1種以上を含む。炭化水素系有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、メチルオクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン等の直鎖状の炭化水素;炭素数4から15の分岐鎖状の炭化水素;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ナフタレン、デカヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン等の環状炭化水素;p−メンタン、o−メンタン、m−メンタン、ジフェニルメンタン、1,4−テルピン、1,8−テルピン、ボルナン、ノルボルナン、ピナン、ツジャン、カラン、ロンギホレン、ゲラニオール、ネロール、リナロール、シトラール、シトロネロール、メントール、イソメントール、ネオメントール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオール、テルピネン−1−オール、テルピネン−4−オール、ジヒドロターピニルアセテート、1,4−シネオール、1,8−シネオール、ボルネオール、カルボン、ヨノン、ツヨン、カンファー、d−リモネン、l−リモネン、ジペンテン等のテルペン系溶剤;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル等の芳香族系有機溶媒である。含窒素系有機溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドン、N−N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド結合を有する溶媒である。エーテル系溶媒としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、又はジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物;ジオキサンのような環式エーテル類;前記多価アルコール類又は前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテル又はモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体である。エステル系溶媒としては、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類である。
その他、入手容易性の高い溶媒としては、東京応化工業株式会社製TZNR(登録商標)−HCシンナー等を用いることができる。
第1洗浄ユニット4は、基板処理装置1内において、例えば、第1洗浄ユニット4専用のチャンバ内に収容されて配置されている。このチャンバにより、液体供給装置から供給された液体が基板処理装置1内においてチャンバ外に漏れるのを防止できる。
第2洗浄ユニット5は、支持体10から剥離された基板40をプラズマにより処理する。第2洗浄ユニット5は、プラズマ洗浄装置である。第2洗浄ユニット5は、例えば、基板40を載置する不図示の載置台と、プラズマを発生させる不図示のプラズマ発生装置とを有する。載置台に載置された基板40に対してプラズマ発生装置により発生させたプラズマをあてることにより、上記した光照射ユニット2により変質した反応層20の残渣を除去する。第2洗浄ユニット5は、例えば、酸素プラズマにより基板40を処理する。なお、第2洗浄ユニット5は、酸素プラズマに代えて、N,NH,CF等のガスを用いたプラズマを用いたものであってもよい。
第2洗浄ユニット5は、基板処理装置1内において、例えば、第2洗浄ユニット5専用のチャンバ内に収容されて配置されている。このチャンバにより、プラズマ洗浄装置で発生させたプラズマが基板処理装置1内においてチャンバ外に漏れるのを防止できる。
第3洗浄ユニット6は、支持体10から剥離された基板40を液体により洗浄する。第3洗浄ユニット6は、液体洗浄装置である。第3洗浄ユニット6は、例えば、基板40を載置する不図示の載置台と、この載置台に載置された基板40に対して液体を供給する不図示の液体供給装置と、基板40を洗浄した液体を排出する不図示の排出部とを有する。第3洗浄ユニット6は、支持体10から剥離された基板40に付着している反応層20の変質部分(後述の変質層20a)を液体により洗い流して除去する。第3洗浄ユニット6において用いられる液体は、炭化水素系有機溶媒、含窒素系有機溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒から選ばれる1種以上を含む。炭化水素系有機溶媒、含窒素系有機溶媒、エーテル系溶媒、又はエステル系溶媒は、第1洗浄ユニット4において用いられる液体と同様である。また、第3洗浄ユニット6において用いられる液体は、水であってもよい。
第3洗浄ユニット6は、基板処理装置1内において、例えば、第3洗浄ユニット6専用のチャンバ内に収容されて配置されている。このチャンバにより、液体供給装置から供給された液体が基板処理装置1内においてチャンバ外に漏れるのを防止できる。
上記した剥離ユニット3、第1洗浄ユニット4、第2洗浄ユニット5、及び第3洗浄ユニット6は、複数のパネルにより形成された同一の空間内に配置される。この空間内には、支持体10又は支持体10から剥離された基板40を搬送する搬送ユニット7が配置される。搬送ユニット7は、搬送装置7aを有する。搬送装置7aは、例えば、積層体50又は基板40を保持する不図示の保持部と、基板処理装置1内に敷設されたガイド等に沿って走行する走行部とを有する。これら保持部及び走行部は、不図示の駆動装置によって駆動される。搬送装置7aは、基板処理装置1に搬入された積層体50を光照射ユニット2に搬送する。また、搬送装置7aは、光照射ユニット2により光が照射された積層体50を剥離ユニット3に搬送する。また、搬送装置7aは、剥離ユニット3により支持体10を分離した後の基板40を、第1洗浄ユニット4、第2洗浄ユニット5、及び第3洗浄ユニット6の間で搬送する。また、搬送装置7aは、剥離ユニット3により分離された支持体10を搬送してもよい。
なお、上記した各ユニットの動作については、後述する基板処理方法においても説明している。
<積層体>
基板処理装置1によって処理される積層体50について説明する。図2は、基板処理装置1で処理される積層体の一例を示し、図2(A)は接着層30を含む積層体50の図、図2(B)は接着層30を含まない積層体50Aの図である。すなわち、図2(A)に示す積層体50は、支持体10と、反応層20と、接着層30と、基板40とを備える。また、図2(B)に示す積層体50Aは、支持体10と、反応層20と、基板40とを備える。
基板処理装置1は、例えば、積層体50、50Aを形成する積層体形成ユニットを含んでもよいし、この積層体形成ユニットに接続されて配置されてもよい。積層体形成ユニットは、例えば、支持体10上に反応層20を形成する反応層形成装置と、反応層20上に接着層30を形成する接着層形成装置と、接着層30上又は反応層20上に電子部品41を配置してモールド42を形成する基板形成装置と、を含む。以下では上記した積層体形成ユニットの各部で用いられる要素について説明する。
(支持体)
支持体10は、例えば、厚さが50〜500μmの円形状又はほぼ円形状の半導体ウエハが用いられる。半導体ウエハの厚さは任意である。また、支持体10は、半導体ウエハに代えて、例えば、厚さが500〜1500μmのガラス板などが用いられてもよい。支持体10は、円形状又はほぼ円形状であることに限定されず、例えば、矩形状、楕円形状、多角形状など、他の形状であってもよい。
(反応層)
反応層20は、例えば光を吸収することによって変質する材料から形成される。本実施形態において、反応層20が変質するとは、反応層20がわずかな外力を受けて破壊され得る状態、又は反応層20と接する層との接着力が低下した状態にさせることをいう。反応層20は、光を吸収して変質することにより、変質する前に比べて、強度又は支持体10に対する接着性が低下する。このため、変質後の反応層20は、わずかな外力を加える(例えば、支持体10を持ち上げるなど)こと等により、破壊され又は支持体10から剥離する。
反応層20の変質は、吸収した光のエネルギーによる(発熱性又は非発熱性の)分解、架橋、立体配置の変化又は官能基の解離(そして、これらにともなう反応層20の硬化、脱ガス、収縮又は膨張)等であり得る。反応層20の変質は、反応層20を構成する材料による光の吸収の結果として生じる。よって、反応層20の変質の種類は、反応層20を構成する材料の種類に応じて変化し得る。また、反応層20は、光を吸収することによって変質する材料に限定されない。例えば、光によらずに与えられた熱を吸収することによって変質する材料、あるいは、他の溶剤等によって変質する材料であってもよい。
反応層20の厚さは、例えば、0.05〜50μmであることがより好ましく、0.3〜1μmであることがさらに好ましい。反応層20の厚さが0.05〜50μmの範囲内に収まっていれば、短時間の光の照射及び低エネルギーの光の照射、あるいは短時間の加熱、溶剤への短時間の浸漬などによって、反応層20に所望の変質を生じさせることができる。また、反応層20の厚さは、生産性の観点から1μm以下の範囲内に収まっていることが特に好ましい。
以下、吸収した光のエネルギーにより変質する反応層20について説明する。反応層20は、光を吸収する構造を有する材料のみから形成されていることが好ましいが、本質的な特性を損なわない範囲において、光を吸収する構造を有していない材料を添加して、反応層20を形成してもよい。また、反応層20における接着層30に対向する側の面が平坦である(凹凸が形成されていない)ことが好ましく、これにより、接着層30の形成が容易に行なえ、かつ貼り付け時においても均一に貼り付けることが可能となる。
反応層20は、レーザから照射される光を吸収することによって変質するものであってもよい。すなわち、反応層20を変質させるために反応層20に照射される光(上記した光照射ユニット2の照射装置から出射する光)は、レーザから照射されたものであってもよい。反応層20に照射する光を発射するレーザの例としては、YAGレーザ、ルビーレーザ、ガラスレーザ、YVOレーザ、LDレーザ、ファイバーレーザ等の固体レーザ、色素レーザ等の液体レーザ、COレーザ、エキシマレーザ、Arレーザ、He−Neレーザ等の気体レーザ、半導体レーザ、自由電子レーザ等のレーザ光、又は、非レーザ光等が挙げられる。反応層20に照射する光を発射するレーザは、反応層20を構成している材料に応じて適宜選択することが可能であり、反応層20を構成する材料を変質させ得る波長の光を照射するレーザを選択すればよい。
(フルオロカーボン)
反応層20は、フルオロカーボンからなっていてもよい。反応層20は、フルオロカーボンによって構成されることにより、光を吸収することによって変質するようになっており、その結果として、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失う。よって、わずかな外力を加える(例えば、支持体10を持ち上げる等)ことによって、反応層20が破壊されて、支持体10と基板40とを分離し易くすることができる。反応層20を構成するフルオロカーボンは、プラズマCVD(化学気相堆積)法によって好適に成膜することができる。
フルオロカーボンは、その種類によって固有の範囲の波長を有する光を吸収する。反応層20に用いたフルオロカーボンが吸収する範囲の波長の光を光照射ユニット2において反応層20に照射することにより、フルオロカーボンを好適に変質させ得る。なお、反応層20における光の吸収率は80%以上であることが好ましい。
反応層20に照射する光としては、フルオロカーボンが吸収可能な波長に応じて、例えば、YAGレーザ、ルビーレーザ、ガラスレーザ、YVO4レーザ、LDレーザ、ファイバーレーザ等の固体レーザ、色素レーザ等の液体レーザ、COレーザ、エキシマレーザ、Arレーザ、He−Neレーザ等の気体レーザ、半導体レーザ、自由電子レーザ等のレーザ光、又は、非レーザ光を適宜用いればよい。フルオロカーボンを変質させ得る波長としては、これに限定されるものではないが、例えば、波長が600nm以下の範囲のものを用いることができる。
(光吸収性を有している構造をその繰り返し単位に含んでいる重合体)
反応層20は、光吸収性を有している構造をその繰り返し単位に含んでいる重合体を含有していてもよい。該重合体は、光照射ユニット2において光の照射を受けて変質する。該重合体の変質は、上記構造が照射された光を吸収することによって生じる。反応層20は、重合体の変質の結果として、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失っている。よって、わずかな外力を加える(例えば、支持体10を持ち上げる等)ことによって、反応層20が破壊されて、支持体10と基板40とを分離し易くすることができる。
光吸収性を有している上記構造は、光を吸収して、繰り返し単位として該構造を含んでいる重合体を変質させる化学構造である。該構造は、例えば、置換若しくは非置換のベンゼン環、縮合環又は複素環からなる共役π電子系を含んでいる原子団である。より詳細には、該構造は、カルド構造、又は上記重合体の側鎖に存在するベンゾフェノン構造、ジフェニルスルフォキシド構造、ジフェニルスルホン構造(ビスフェニルスルホン構造)、ジフェニル構造若しくはジフェニルアミン構造であり得る。
上記構造が上記重合体の側鎖に存在する場合、該構造は以下の式によって表され得る。
Figure 2019125646
(式中、Rはそれぞれ独立して、アルキル基、アリール基、ハロゲン、水酸基、ケトン基、スルホキシド基、スルホン基又はN(R)(R)基であり(ここで、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である)、Zは、存在しないか、又は−CO−、−SO−、−SO−若しくは−NH−であり、nは0又は1〜5の整数である。)
また、上記重合体は、例えば、以下の式のうち、(a)〜(d)の何れかによって表される繰り返し単位を含んでいるか、(e)によって表されるか、又は(f)の構造をその主鎖に含んでいる。
Figure 2019125646
(式中、lは1以上の整数であり、mは0又は1〜2の整数であり、Xは、(a)〜(e)において上記の化学式[化1]に示した式のいずれかであり、(f)において上記の[化1]に示した式のいずれかであるか、又は存在せず、Y及びYはそれぞれ独立して、−CO−又は−SO−である。lは好ましくは10以下の整数である。)
上記の化学式[化1]に示されるベンゼン環、縮合環及び複素環の例としては、フェニル、置換フェニル、ベンジル、置換ベンジル、ナフタレン、置換ナフタレン、アントラセン、置換アントラセン、アントラキノン、置換アントラキノン、アクリジン、置換アクリジン、アゾベンゼン、置換アゾベンゼン、フルオレン、置換フルオレン、フルオレノン、置換フルオリレノン、カルバゾール、置換カルバゾール、N−アルキルカルバゾール、ジベンゾフラン、置換ジベンゾフラン、フェナンスレン、置換フェナンスレン、ピレン及び置換ピレンが挙げられる。例示した置換基がさらに置換基を有している場合、その置換基は、例えば、アルキル、アリール、ハロゲン原子、アルコキシ、ニトロ、アルデヒド、シアノ、アミド、ジアルキルアミノ、スルホンアミド、イミド、カルボン酸、カルボン酸エステル、スルホン酸、スルホン酸エステル、アルキルアミノ及びアリールアミノから選択される。
上記の化学式[化1]に示される置換基のうち、フェニル基を2つ有している5番目の置換基であって、Zが−SO−である場合の例としては、ビス(2,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5‐ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,6‐ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4‐ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3‐ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(2‐ヒドロキシフェニル)スルホン、及びビス(3,5‐ジメチル‐4‐ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられる。
上記の化学式[化1]に示される置換基のうち、フェニル基を2つ有している5番目の置換基であって、Zが−SO−である場合の例としては、ビス(2,3‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(5‐クロロ‐2,3‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,4‐ジヒドロキシ‐6‐メチルフェニル)スルホキシド、ビス(5‐クロロ‐2,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,5‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3,5‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,3,4‐トリヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,3,4‐トリヒドロキシ‐6‐メチルフェニル)‐スルホキシド、ビス(5‐クロロ‐2,3,4‐トリヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,4,6‐トリヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(5‐クロロ‐2,4,6‐トリヒドロキシフェニル)スルホキシド等が挙げられる。
上記の化学式[化1]に示される置換基のうち、フェニル基を2つ有している5番目の置換基であって、Zが−C(=O)−である場合の例としては、2,4‐ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4‐トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’‐テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,5,6’‐テトラヒドロキシベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐4‐オクトキシベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐4‐ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’‐ジヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン、2,6‐ジヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン、2,2’‐ジヒドロキシ‐4,4’‐ジメトキシベンゾフェノン、4‐アミノ‐2’‐ヒドロキシベンゾフェノン、4‐ジメチルアミノ‐2’‐ヒドロキシベンゾフェノン、4‐ジエチルアミノ‐2’‐ヒドロキシベンゾフェノン、4‐ジメチルアミノ‐4’‐メトキシ‐2’‐ヒドロキシベンゾフェノン、4‐ジメチルアミノ‐2’,4’‐ジヒドロキシベンゾフェノン、及び4‐ジメチルアミノ‐3’,4’‐ジヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
上記構造が上記重合体の側鎖に存在している場合、上記構造を含んでいる繰り返し単位の、上記重合体に占める割合は、反応層20の光の透過率が0.001%以上、10%以下になる範囲内にある。該割合がこのような範囲に収まるように重合体が調製されていれば、反応層20が十分に光を吸収して、確実かつ迅速に変質し得る。すなわち、積層体50からの支持体10の除去(あるいは分離、剥離)が容易であり、該除去に必要な光の照射時間を短縮させることができる。
上記構造は、その種類の選択によって、所望の範囲の波長を有している光を吸収することができる。例えば、上記構造が吸収可能な光の波長は、100nm以上、2,000nm以下の範囲内であることがより好ましい。この範囲内のうち、上記構造が吸収可能な光の波長は、より短波長側であり、例えば、100nm以上、500nm以下の範囲内である。例えば、上記構造は、好ましくはおよそ300nm以上、370nm以下の範囲内の波長を有している紫外光を吸収することによって、該構造を含んでいる重合体を変質させ得る。
上記構造が吸収可能な光は、例えば、高圧水銀ランプ(波長:254nm以上、436nm以下)、KrFエキシマレーザ(波長:248nm)、ArFエキシマレーザ(波長:193nm)、F2エキシマレーザ(波長:157nm)、XeClレーザ(波長:308nm)、XeFレーザ(波長:351nm)若しくは固体UVレーザ(波長:355nm)から発せられる光、又はg線(波長:436nm)、h線(波長:405nm)若しくはi線(波長:365nm)等である。
上述した反応層20は、繰り返し単位として上記構造を含んでいる重合体を含有しているが、反応層20はさらに、上記重合体以外の成分を含み得る。該成分としては、フィラー、可塑剤、及び支持体10の剥離性を向上し得る成分等が挙げられる。これらの成分は、上記構造による光の吸収、及び重合体の変質を妨げないか、又は促進する、従来公知の物質又は材料から適宜選択される。
(無機物)
反応層20は、無機物からなっていてもよい。反応層20は、無機物によって構成されることにより、光を吸収することによって変質するようになっており、その結果として、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失う。よって、わずかな外力を加える(例えば、支持体10を持ち上げる等)ことによって、反応層20が破壊されて、支持体10と基板40とを分離し易くすることができる。
上記無機物は、光を吸収することによって変質する構成であればよく、例えば、金属、金属化合物及びカーボンからなる群より選択される1種類以上の無機物を好適に用いることができる。金属化合物とは、金属原子を含む化合物を指し、例えば、金属酸化物、金属窒化物であり得る。このような無機物の例示としては、これに限定されるものではないが、金、銀、銅、鉄、ニッケル、アルミニウム、チタン、クロム、SiO、SiN、Si、TiN、及びカーボンからなる群より選ばれる1種類以上の無機物が挙げられる。なお、カーボンとは炭素の同素体も含まれ得る概念であり、例えば、ダイヤモンド、フラーレン、ダイヤモンドライクカーボン、カーボンナノチューブ等であり得る。
上記無機物は、その種類によって固有の範囲の波長を有する光を吸収する。反応層20に用いた無機物が吸収する範囲の波長の光を分離層に照射することにより、上記無機物を好適に変質させ得る。
光照射ユニット2において、無機物からなる反応層20に照射する光としては、上記無機物が吸収可能な波長に応じて、例えば、YAGレーザ、ルビーレーザ、ガラスレーザ、YVOレーザ、LDレーザ、ファイバーレーザ等の固体レーザ、色素レーザ等の液体レーザ、COレーザ、エキシマレーザ、Arレーザ、He−Neレーザ等の気体レーザ、半導体レーザ、自由電子レーザ等のレーザ光、又は、非レーザ光を適宜用いればよい。
無機物からなる反応層20は、例えばスパッタ、化学蒸着(CVD)、メッキ、プラズマCVD、スピンコート等の公知の技術により、支持体10上に形成され得る。無機物からなる反応層20の厚さは特に限定されず、使用する光を十分に吸収し得る膜厚であればよいが、例えば、0.05μm以上、10μm以下の範囲内の膜厚とすることがより好ましい。また、反応層20を構成する無機物からなる無機膜(例えば、金属膜)の両面又は片面に予め接着剤を塗布し、支持体10及び基板40に貼り付けてもよい。
なお、反応層20として金属膜を使用する場合には、反応層20の膜質、レーザ光源の種類、レーザ出力等の条件によっては、レーザの反射や膜への帯電等が起こり得る。そのため、反射防止膜や帯電防止膜を反応層20の上下又はどちらか一方に設けることで、それらの対策を図ることが好ましい。
(赤外線吸収性の構造を有する化合物)
反応層20は、赤外線吸収性の構造を有する化合物によって形成されていてもよい。該化合物は、赤外線を吸収することにより変質する。反応層20は、化合物の変質の結果として、赤外線の照射を受ける前の強度又は接着性を失っている。よって、わずかな外力を加える(例えば、支持体を持ち上げる等)ことによって、反応層20が破壊されて、支持体10と基板40とを分離し易くすることができる。
赤外線吸収性を有している構造、又は赤外線吸収性を有している構造を含む化合物としては、例えば、アルカン、アルケン(ビニル、トランス、シス、ビニリデン、三置換、四置換、共役、クムレン、環式)、アルキン(一置換、二置換)、単環式芳香族(ベンゼン、一置換、二置換、三置換)、アルコール及びフェノール類(自由OH、分子内水素結合、分子間水素結合、飽和第二級、飽和第三級、不飽和第二級、不飽和第三級)、アセタール、ケタール、脂肪族エーテル、芳香族エーテル、ビニルエーテル、オキシラン環エーテル、過酸化物エーテル、ケトン、ジアルキルカルボニル、芳香族カルボニル、1,3−ジケトンのエノール、o−ヒドロキシアリールケトン、ジアルキルアルデヒド、芳香族アルデヒド、カルボン酸(二量体、カルボン酸アニオン)、ギ酸エステル、酢酸エステル、共役エステル、非共役エステル、芳香族エステル、ラクトン(β−、γ−、δ−)、脂肪族酸塩化物、芳香族酸塩化物、酸無水物(共役、非共役、環式、非環式)、第一級アミド、第二級アミド、ラクタム、第一級アミン(脂肪族、芳香族)、第二級アミン(脂肪族、芳香族)、第三級アミン(脂肪族、芳香族)、第一級アミン塩、第二級アミン塩、第三級アミン塩、アンモニウムイオン、脂肪族ニトリル、芳香族ニトリル、カルボジイミド、脂肪族イソニトリル、芳香族イソニトリル、イソシアン酸エステル、チオシアン酸エステル、脂肪族イソチオシアン酸エステル、芳香族イソチオシアン酸エステル、脂肪族ニトロ化合物、芳香族ニトロ化合物、ニトロアミン、ニトロソアミン、硝酸エステル、亜硝酸エステル、ニトロソ結合(脂肪族、芳香族、単量体、二量体)、メルカプタン及びチオフェノール及びチオール酸等の硫黄化合物、チオカルボニル基、スルホキシド、スルホン、塩化スルホニル、第一級スルホンアミド、第二級スルホンアミド、硫酸エステル、炭素−ハロゲン結合、Si−A結合(Aは、H、C、O又はハロゲン)、P−A結合(Aは、H、C又はO)、又はTi−O結合であり得る。
上記炭素−ハロゲン結合を含む構造としては、例えば、−CHCl、−CHBr、−CHI、−CF−、−CF、−CH=CF、−CF=CF、フッ化アリール、及び塩化アリール等が挙げられる。
上記Si−A結合を含む構造としては、SiH、SiH、SiH、Si−CH、Si−CH−、Si−C、SiO−脂肪族、Si−OCH、Si−OCHCH、Si−OC、Si−O−Si、Si−OH、SiF、SiF、及びSiF等が挙げられる。Si−A結合を含む構造としては、特に、シロキサン骨格及びシルセスキオキサン骨格を形成していることが好ましい。
上記P−A結合を含む構造としては、PH、PH、P−CH、P−CH−、P−C、A −P−O(Aは脂肪族又は芳香族)、(AO)−P−O(Aはアルキル)、P−OCH、P−OCHCH、P−OC、P−O−P、P−OH、及びO=P−OH等が挙げられる。
上記構造は、その種類の選択によって、所望の範囲の波長を有している赤外線を吸収することができる。具体的には、上記構造が吸収可能な赤外線の波長は、例えば1μm以上、20μm以下の範囲内であり、2μm以上、15μm以下の範囲内をより好適に吸収することができる。さらに、上記構造がSi−O結合、Si−C結合及びTi−O結合である場合には、9μm以上、11μm以下の範囲内であり得る。なお、各構造が吸収できる赤外線の波長は当業者であれば容易に理解することができる。例えば、各構造における吸収帯として、非特許文献:SILVERSTEIN・BASSLER・MORRILL著「有機化合物のスペクトルによる同定法(第5版)−MS、IR、NMR、UVの併用−」(1992年発行)第146頁〜第151頁の記載を参照することができる。
反応層20の形成に用いられる、赤外線吸収性の構造を有する化合物としては、上述のような構造を有している化合物のうち、塗布のために溶媒に溶解することができ、固化されて固層を形成することができるものであれば、特に限定されるものではない。しかしながら、反応層20における化合物を効果的に変質させ、支持体10と基板40との分離を容易にするには、反応層20における赤外線の吸収が大きいこと、すなわち、光照射ユニット2により反応層20に赤外線を照射したときの赤外線の透過率が低いことが好ましい。具体的には、反応層20における赤外線の透過率が90%より低いことが好ましく、赤外線の透過率が80%より低いことがより好ましい。
一例を挙げて説明すれば、シロキサン骨格を有する化合物としては、例えば、下記の化学式[化3]で表される繰り返し単位及び下記の化学式[化4]で表される繰り返し単位の共重合体である樹脂、あるいは下記の化学式[化4]で表される繰り返し単位及びアクリル系化合物由来の繰り返し単位の共重合体である樹脂を用いることができる。
Figure 2019125646
Figure 2019125646
(上記の化学式[化4]中、Rは、水素、炭素数10以下のアルキル基、又は炭素数10以下のアルコキシ基である。)
中でも、シロキサン骨格を有する化合物としては、上記の化学式[化3]で表される繰り返し単位及び下記の化学式[化5]で表される繰り返し単位の共重合体であるt−ブチルスチレン(TBST)−ジメチルシロキサン共重合体がより好ましく、上記の化学式[化3]で表される繰り返し単位及び下記の化学式[化5]で表される繰り返し単位を1:1で含む、TBST−ジメチルシロキサン共重合体がさらに好ましい。
Figure 2019125646
また、シルセスキオキサン骨格を有する化合物としては、例えば、下記の化学式[化6]で表される繰り返し単位及び下記の化学式[化7]で表される繰り返し単位の共重合体である樹脂を用いることができる。
Figure 2019125646
Figure 2019125646
(上記の化学式[化6]中、Rは、水素又は炭素数1以上、10以下のアルキル基であり、上記の化学式[化7]中、Rは、炭素数1以上、10以下のアルキル基、又はフェニル基である。)
シルセスキオキサン骨格を有する化合物としては、このほかにも、特開2007−258663号公報(2007年10月4日公開)、特開2010−120901号公報(2010年6月3日公開)、特開2009−263316号公報(2009年11月12日公開)及び特開2009−263596号公報(2009年11月12日公開)において開示されている各シルセスキオキサン樹脂を好適に利用することができる。
中でも、シルセスキオキサン骨格を有する化合物としては、下記の化学式[化8]で表される繰り返し単位及び下記の化学式[化9]で表される繰り返し単位の共重合体がより好ましく、下記の化学式[化8]で表される繰り返し単位及び下記の化学式[化9]で表される繰り返し単位を7:3で含む共重合体がさらに好ましい。
Figure 2019125646
Figure 2019125646
シルセスキオキサン骨格を有する重合体としては、ランダム構造、ラダー構造、及び籠型構造があり得るが、何れの構造であってもよい。
また、Ti−O結合を含む化合物としては、例えば、(i)テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、及びチタニウム−i−プロポキシオクチレングリコレート等のアルコキシチタン;(ii)ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、及びプロパンジオキシチタンビス(エチルアセトアセテート)等のキレートチタン;(iii)i−CO−[−Ti(O−i−C−O−]−i−C、及びn−CO−[−Ti(O−n−C−O−]−n−C等のチタンポリマー;(iv)トリ−n−ブトキシチタンモノステアレート、チタニウムステアレート、ジ−i−プロポキシチタンジイソステアレート、及び(2−n−ブトキシカルボニルベンゾイルオキシ)トリブトキシチタン等のアシレートチタン;(v)ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタン等の水溶性チタン化合物等が挙げられる。
中でも、Ti−O結合を含む化合物としては、ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタン(Ti(OC[OCN(COH))が好ましい。
上述した反応層20は、赤外線吸収性の構造を有する化合物を含有しているが、反応層20はさらに、上記化合物以外の成分を含み得る。該成分としては、フィラー、可塑剤、及び支持体10の剥離性を向上し得る成分等が挙げられる。これらの成分は、上記構造による赤外線の吸収、及び化合物の変質を妨げないか、又は促進する、従来公知の物質又は材料から適宜選択される。
(赤外線吸収物質)
反応層20は、赤外線吸収物質を含有していてもよい。反応層20は、赤外線吸収物質を含有して構成されることにより、光を吸収することによって変質するようになっており、その結果として、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失う。よって、わずかな外力を加える(例えば、支持体10を持ち上げる等)ことによって、反応層20が破壊されて、支持体10と基板40とを分離し易くすることができる。
赤外線吸収物質は、赤外線を吸収することによって変質する構成であればよく、例えば、カーボンブラック、鉄粒子、又はアルミニウム粒子を好適に用いることができる。赤外線吸収物質は、その種類によって固有の範囲の波長を有する光を吸収する。反応層20に用いた赤外線吸収物質が吸収する範囲の波長の光を光照射ユニット2において反応層20に照射することにより、赤外線吸収物質を好適に変質させ得る。
反応層20は、上記の材料を含む液状体を支持体10のうち一方の面(反応層形成面)110に配置させることで形成させる。例えば、支持体10を塗布装置などのステージ上に載置して、液状体を吐出するスリットノズルと支持体10とを相対的に移動させつつ、スリットノズルから液状体を反応層形成面110に吐出させる。これにより、支持体10の反応層形成面110の全面に反応層20が形成される。なお、反応層20の塗布方法としては、上記のようなスリットノズル法に限定されず、例えば、スピンコート法、ディッピング法、ローラーブレード法、ドクターブレード法、スプレー法による塗布法等で行ってもよい。
(接着層)
接着層30に含有される樹脂としては、接着性を備えたものであればよく、例えば、炭化水素樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、マレイミド系樹脂、エラストマー樹脂等、又はこれらを組み合わせたもの等が挙げられる。
接着剤のガラス転移温度(Tg)は、上記樹脂の種類や分子量、及び接着剤への可塑剤等の配合物によって変化する。上記接着剤に含有される樹脂の種類や分子量は、基板及び支持体の種類に応じて適宜選択することができるが、接着剤に使用する樹脂のTgは−60℃以上、200℃以下の範囲内が好ましく、−25℃以上、150℃以下の範囲内がより好ましい。接着剤に使用する樹脂のTgが−60℃以上、200℃以下の範囲内であることによって、冷却に過剰なエネルギーを要することなく、好適に接着層30の接着力を低下させることができる。また、接着層30のTgは、適宜、可塑剤や低重合度の樹脂等を配合することによって調整してもよい。ガラス転移温度(Tg)は、例えば、公知の示差走査熱量測定装置(DSC)を用いて測定することができる。
(炭化水素樹脂)
炭化水素樹脂は、炭化水素骨格を有し、単量体組成物を重合してなる樹脂である。炭化水素樹脂として、シクロオレフィン系ポリマー(以下、「樹脂(A)」ということがある)、並びに、テルペン樹脂、ロジン系樹脂及び石油樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂(以下、「樹脂(B)」ということがある)等が挙げられるが、これに限定されない。
樹脂(A)としては、シクロオレフィン系モノマーを含む単量体成分を重合してなる樹脂であってもよい。具体的には、シクロオレフィン系モノマーを含む単量体成分の開環(共)重合体、シクロオレフィン系モノマーを含む単量体成分を付加(共)重合させた樹脂等が挙げられる。
樹脂(A)を構成する単量体成分に含まれる前記シクロオレフィン系モノマーとしては、例えば、ノルボルネン、ノルボルナジエン等の二環体、ジシクロペンタジエン、ジヒドロキシペンタジエン等の三環体、テトラシクロドデセン等の四環体、シクロペンタジエン三量体等の五環体、テトラシクロペンタジエン等の七環体、又はこれら多環体のアルキル(メチル、エチル、プロピル、ブチル等)置換体、アルケニル(ビニル等)置換体、アルキリデン(エチリデン等)置換体、アリール(フェニル、トリル、ナフチル等)置換体等が挙げられる。これらの中でも特に、ノルボルネン、テトラシクロドデセン、又はこれらのアルキル置換体からなる群より選ばれるノルボルネン系モノマーが好ましい。
樹脂(A)を構成する単量体成分は、上述したシクロオレフィン系モノマーと共重合可能な他のモノマーを含有していてもよく、例えば、アルケンモノマーを含有することが好ましい。アルケンモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ヘキセン、α−オレフィン等が挙げられる。アルケンモノマーは、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。
また、樹脂(A)を構成する単量体成分として、シクロオレフィンモノマーを含有することが、高耐熱性(低い熱分解、熱重量減少性)の観点から好ましい。樹脂(A)を構成する単量体成分全体に対するシクロオレフィンモノマーの割合は、5モル%以上であることが好ましく、10モル%以上であることがより好ましく、20モル%以上であることがさらに好ましい。また、樹脂(A)を構成する単量体成分全体に対するシクロオレフィンモノマーの割合は、特に限定されないが、溶解性及び溶液での経時安定性の観点からは80モル%以下であることが好ましく、70モル%以下であることがより好ましい。
また、樹脂(A)を構成する単量体成分として、直鎖状又は分岐鎖状のアルケンモノマーを含有してもよい。樹脂(A)を構成する単量体成分全体に対するアルケンモノマーの割合は、溶解性及び柔軟性の観点からは10〜90モル%であることが好ましく、20〜85モル%であることがより好ましく、30〜80モル%であることがさらに好ましい。
なお、樹脂(A)は、例えば、シクロオレフィン系モノマーとアルケンモノマーとからなる単量体成分を重合させてなる樹脂のように、極性基を有していない樹脂であることが、高温下でのガスの発生を抑制する上で好ましい。
単量体成分を重合するときの重合方法や重合条件等については、特に制限はなく、常法に従い適宜設定すればよい。
樹脂(A)として用いることのできる市販品としては、例えば、ポリプラスチックス株式会社製の「TOPAS」、三井化学株式会社製の「APEL」、日本ゼオン株式会社製の「ZEONOR」及び「ZEONEX」、JSR株式会社製の「ARTON」等が挙げられる。
樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、60℃以上であることが好ましく、70℃以上であることが特に好ましい。樹脂(A)のガラス転移温度が60℃以上であると、積層体が高温環境に曝されたときに接着層30の軟化をさらに抑制することができる。
樹脂(B)は、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂及び石油樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂である。具体的には、テルペン系樹脂としては、例えば、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、水添テルペンフェノール樹脂等が挙げられる。ロジン系樹脂としては、例えば、ロジン、ロジンエステル、水添ロジン、水添ロジンエステル、重合ロジン、重合ロジンエステル、変性ロジン等が挙げられる。石油樹脂としては、例えば、脂肪族又は芳香族石油樹脂、水添石油樹脂、変性石油樹脂、脂環族石油樹脂、クマロン・インデン石油樹脂等が挙げられる。これらの中でも、水添テルペン樹脂、水添石油樹脂がより好ましい。
樹脂(B)の軟化点は特に限定されないが、80〜160℃であることが好ましい。樹脂(B)の軟化点が80℃以上であると、積層体が高温環境に曝されたときに軟化することを抑制することができ、接着不良を生じない。一方、樹脂(B)の軟化点が160℃以下であると、積層体を剥離するときの剥離速度が良好なものとなる。
樹脂(B)の重量平均分子量は特に限定されないが、300〜3,000であることが好ましい。樹脂(B)の重量平均分子量が300以上であると、耐熱性が充分なものとなり、高温環境下において脱ガス量が少なくなる。一方、樹脂(B)の重量平均分子量が3,000以下であると、積層体を剥離するときの剥離速度が良好なものとなる。なお、本実施形態における樹脂(B)の重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の分子量を意味するものである。
なお、樹脂として、樹脂(A)と樹脂(B)とを混合したものを用いてもよい。混合することにより、耐熱性及び剥離速度が良好なものとなる。例えば、樹脂(A)と樹脂(B)との混合割合としては、(A):(B)=80:20〜55:45(質量比)であることが、剥離速度、高温環境時の熱耐性、及び柔軟性に優れるので好ましい。
(アクリル−スチレン系樹脂)
アクリル−スチレン系樹脂としては、例えば、スチレン又はスチレンの誘導体と、(メタ)アクリル酸エステル等とを単量体として用いて重合した樹脂が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステル、脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステル、芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、炭素数15〜20のアルキル基を有するアクリル系長鎖アルキルエステル、炭素数1〜14のアルキル基を有するアクリル系アルキルエステル等が挙げられる。アクリル系長鎖アルキルエステルとしては、アルキル基がn−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基等であるアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルが挙げられる。なお、当該アルキル基は、分岐状であってもよい。
炭素数1〜14のアルキル基を有するアクリル系アルキルエステルとしては、既存のアクリル系接着剤に用いられている公知のアクリル系アルキルエステルが挙げられる。例えば、アルキル基が、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、ドデシル基、ラウリル基、トリデシル基等からなるアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルが挙げられる。
脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、イソボルニルメタアクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートがより好ましい。
芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されるものではないが、芳香族環としては、例えばフェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェノキシメチル基、フェノキシエチル基等が挙げられる。また、芳香族環は、炭素数1〜5の鎖状又は分岐状のアルキル基を有していてもよい。具体的には、フェノキシエチルアクリレートが好ましい。
(マレイミド系樹脂)
マレイミド系樹脂としては、例えば、単量体として、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−sec−ブチルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド、N−n−ペンチルマレイミド、N−n−ヘキシルマレイミド、N−n−へプチルマレイミド、N−n−オクチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ステアリルマレイミド等のアルキル基を有するマレイミド、N−シクロプロピルマレイミド、N−シクロブチルマレイミド、N−シクロペンチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−シクロヘプチルマレイミド、N−シクロオクチルマレイミド等の脂肪族炭化水素基を有するマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−m−メチルフェニルマレイミド、N−o−メチルフェニルマレイミド、N−p−メチルフェニルマレイミド等のアリール基を有する芳香族マレイミド等を重合して得られた樹脂が挙げられる。
例えば、下記の化学式[化10]で表される繰り返し単位及び下記の化学式[化11]で表される繰り返し単位の共重合体であるシクロオレフィンコポリマーを接着成分の樹脂として用いることができる。
Figure 2019125646
Figure 2019125646
(上記の化学式[化11]中、nは0又は1〜3の整数である。)
このようなシクロオレフィンコポリマーとしては、APL 8008T、APL 8009T、及びAPL 6013T(全て三井化学株式会社製)等を使用することができる。
(エラストマー)
エラストマーは、主鎖の構成単位としてスチレン単位を含んでいることが好ましく、当該「スチレン単位」は置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルコキシアルキル基、アセトキシ基、カルボキシル基等が挙げられる。また、当該スチレン単位の含有量が14重量%以上、50重量%以下の範囲内であることがより好ましい。さらに、エラストマーは、重量平均分子量が10,000以上、200,000以下の範囲内であることが好ましい。
スチレン単位の含有量が14重量%以上、50重量%以下の範囲内であり、エラストマーの重量平均分子量が10,000以上、200,000以下の範囲内であれば、後述する炭化水素系の溶剤に容易に溶解するので、より容易かつ迅速に接着層30を除去することができる。また、スチレン単位の含有量及び重量平均分子量が上記の範囲内であることにより、ウエハがレジストリソグラフィー工程に供されるときに曝されるレジスト溶剤(例えばPGMEA、PGME等)、酸(フッ化水素酸等)、アルカリ(TMAH等)に対して優れた耐性を発揮する。
なお、エラストマーには、上述した(メタ)アクリル酸エステルをさらに混合してもよい。
また、スチレン単位の含有量は、より好ましくは17重量%以上であり、また、より好ましくは40重量%以下である。
重量平均分子量のより好ましい範囲は20,000以上であり、また、より好ましい範囲は150,000以下である。
エラストマーとしては、スチレン単位の含有量が14重量%以上、50重量%以下の範囲内であり、エラストマーの重量平均分子量が10,000以上、200,000以下の範囲内であれば、種々のエラストマーを用いることができる。例えば、ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)ブロックコポリマー(SEP)、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SBBS)、及び、これらの水添物、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー)(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SEEPS)、スチレンブロックが反応架橋型のスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SeptonV9461(株式会社クラレ製))、スチレンブロックが反応架橋型のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(反応性のポリスチレン系ハードブロックを有する、SeptonV9827(株式会社クラレ製))等であって、スチレン単位の含有量及び重量平均分子量が上述の範囲内であるものを用いることができる。
また、エラストマーの中でも水添物がより好ましい。水添物であれば熱に対する安定性が向上し、分解や重合等の変質が起こりにくい。また、炭化水素系溶剤への溶解性及びレジスト溶剤への耐性の観点からもより好ましい。
また、エラストマーの中でも両端がスチレンのブロック重合体であるものがより好ましい。熱安定性の高いスチレンを両末端にブロックすることでより高い耐熱性を示すからである。
より具体的には、エラストマーは、スチレン及び共役ジエンのブロックコポリマーの水添物であることがより好ましい。熱に対する安定性が向上し、分解や重合等の変質が起こりにくい。また、熱安定性の高いスチレンを両末端にブロックすることでより高い耐熱性を示す。さらに、炭化水素系溶剤への溶解性及びレジスト溶剤への耐性の観点からもより好ましい。
接着層30を構成する接着剤に含まれるエラストマーとして用いられ得る市販品としては、例えば、株式会社クラレ製「セプトン(商品名)」、株式会社クラレ製「ハイブラー(商品名)」、旭化成株式会社製「タフテック(商品名)」、JSR株式会社製「ダイナロン(商品名)」等が挙げられる。
接着層30を構成する接着剤に含まれるエラストマーの含有量としては、例えば、接着剤組成物全量を100重量部として、50重量部以上、99重量部以下の範囲内が好ましく、60重量部以上、99重量部以下の範囲内がより好ましく、70重量部以上、95重量部以下の範囲内が最も好ましい。これら範囲内にすることにより、耐熱性を維持しつつ、ウエハと支持体とを好適に貼り合わせることができる。
また、エラストマーは、複数の種類を混合してもよい。つまり、接着層30を構成する接着剤は複数の種類のエラストマーを含んでいてもよい。複数の種類のエラストマーのうち少なくとも一つが、主鎖の構成単位としてスチレン単位を含んでいればよい。また、複数の種類のエラストマーのうち少なくとも一つが、スチレン単位の含有量が14重量%以上、50重量%以下の範囲内である、又は、重量平均分子量が10,000以上、200,000以下の範囲内であれば、本発明の範疇である。また、接着層30を構成する接着剤において、複数の種類のエラストマーを含む場合、混合した結果、スチレン単位の含有量が上記の範囲内となるように調整してもよい。例えば、スチレン単位の含有量が30重量%である株式会社クラレ製のセプトン(商品名)のSepton4033と、スチレン単位の含有量が13重量%であるセプトン(商品名)のSepton2063とを重量比1対1で混合すると、接着剤に含まれるエラストマー全体に対するスチレン含有量は21〜22重量%となり、従って14重量%以上となる。また、例えば、スチレン単位が10重量%のものと60重量%のものとを重量比1対1で混合すると35重量%となり、上記の範囲内となる。本発明はこのような形態でもよい。また、接着層30を構成する接着剤に含まれる複数の種類のエラストマーは、全て上記の範囲内でスチレン単位を含み、かつ、上記の範囲内の重量平均分子量であることが最も好ましい。
なお、光硬化性樹脂(例えば、UV硬化性樹脂)以外の樹脂を用いて接着層30を形成することが好ましい。光硬化性樹脂以外の樹脂を用いることで、接着層30の剥離又は除去の後に、基板40の微小な凹凸の周辺に残渣が残ることを防ぐことができる。特に、接着層30を構成する接着剤としては、あらゆる溶剤に溶解するものではなく、特定の溶剤に溶解するものが好ましい。これは、基板40に物理的な力を加えることなく、接着層30を溶剤に溶解させることによって除去可能なためである。接着層30の除去に際して、強度が低下した基板40からでさえ、基板40を破損させたり、変形させたりせずに、容易に接着層30を除去することができる。
(希釈溶剤)
接着層30を形成するときに使用する希釈溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、メチルオクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン等の直鎖状の炭化水素、炭素数4から15の分岐状の炭化水素、例えば、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ナフタレン、デカヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン等の環状炭化水素、p−メンタン、o−メンタン、m−メンタン、ジフェニルメンタン、1,4−テルピン、1,8−テルピン、ボルナン、ノルボルナン、ピナン、ツジャン、カラン、ロンギホレン、ゲラニオール、ネロール、リナロール、シトラール、シトロネロール、メントール、イソメントール、ネオメントール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオール、テルピネン−1−オール、テルピネン−4−オール、ジヒドロターピニルアセテート、1,4−シネオール、1,8−シネオール、ボルネオール、カルボン、ヨノン、ツヨン、カンファー、d−リモネン、l−リモネン、ジペンテン等のテルペン系溶剤;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン(CH)、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、又はジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類又は前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテル又はモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体(これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい);ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル等の芳香族系有機溶剤等を挙げることができる。
(その他の成分)
接着層30を構成する接着剤は、本質的な特性を損なわない範囲において、混和性のある他の物質をさらに含んでいてもよい。例えば、接着剤の性能を改良するための付加的樹脂、可塑剤、接着補助剤、安定剤、着色剤、熱重合禁止剤及び界面活性剤等、慣用されている各種添加剤をさらに用いることができる。
接着層30は、上記の材料を含む液状体を反応層20上に配置させることで形成させる。例えば、支持体10を塗布装置などのステージ上に載置して、液状体を吐出するスリットノズルと支持体10とを相対的に移動させつつ、スリットノズルから液状体を反応層20上に吐出させる。これにより、反応層20上の全面に接着層30が形成される。なお、接着層30の塗布方法としては、上記のようなスリットノズル法に限定されず、例えば、スピンコート法、ディッピング法、ローラーブレード法、ドクターブレード法、スプレー法による塗布法等で行ってもよい。また、接着層30を反応層20上に塗布した後、加熱等により乾燥させてもよい。
(基板)
基板40は、電子部品41と、モールド42とを有する。電子部品41は、例えば、半導体等を用いて形成されたチップ等を含む。図2(A)に示す積層体50では、電子部品41は、接着層30上に配置される。また、図2(B)に示す積層体50Aでは、電子部品41は、反応層20上に配置される。
モールド42は、電子部品41を保持する。図2(A)に示す積層体50では、モールド42は、電子部品41を含む接着層30の基板形成面130の全面を覆うように形成される。また、図2(B)に示す積層体50Aでは、モールド42は、電子部品41を含む反応層20の基板形成面120の全面を覆うように形成される。モールド42により、電子部品41がモールド42に埋まった状態で保持される。なお、モールド42は、電子部品41の一部(例えば上面)を露出させるように形成されてもよい。また、モールド42は、例えば反応層20を変質させる光を透過可能な材料を用いて形成されてもよい。このような材料としては、例えばガラス、シリコン、アクリル樹脂等が挙げられる。なお、基板40は、電子部品41が配置されなくてもよい。電子部品41が配置されない場合、例えば、接着層30上には単にモールド42が形成されてもよいし、このモールド42に再配線された電子回路が形成されてもよい。すなわち、形成される基板40には、電子部品41を含まなくてもよい。
基板40を製造する場合、まず、接着層30上に複数の電子部品41が配置される。電子部品41の配置数は任意である。図2(A)に示す積層体50の場合では、電子部品41は、接着層30により接着されて固定される。その後、電子部品41を含む接着層30の全面を覆うようにモールド42を形成する。図2(B)に示す積層体50Aでは、反応層20上に複数の電子部品41が配置される。その後、電子部品41を含む反応層20の全面を覆うようにモールド42を形成する。
なお、電子部品41がモールド42に埋まった状態からモールド42の一部を研削等により除去することにより、電子部品41の一部(例えば上面)を露出させることができる。また、基板40は、電子部品41を配置する単一の層であることに限定されない。例えば、電子部品41を配置するモールド42上に、さらに電子部品41を配置してモールド42を形成してもよい。このような電子部品41を配置する層が2以上積層されてもよい。また、積層された電子部品41間は、パターニング手法等により形成された配線等により電気的に接続されてもよい。
<保持具>
図3は、上記のように構成された積層体50、50A(又は基板40)を保持する保持具の一例を示し、図3(A)は積層体50、50Aを保持した保持具の斜視図、図3(B)は図3(A)のA−A線に沿った断面図である。図3においては、保持具60が積層体50を保持する場合の例として示しており、積層体50Aであっても同様である。また、保持具60は、積層体50、50Aから支持体10を剥離した基板40が保持される。なお、基板40を保持する保持具60の形態については、図6(B)において示されている。
保持具60は、例えば、剥離ユニット3において、基板40側を貼り付けた状態で積層体50を保持し、剥離ユニット3での処理により、積層体50から支持体10を剥離した後の基板40を保持する。保持具60は、例えば、剥離ユニット3以降の基板40の処理及び搬送において用いられる。保持具60への積層体50又は基板40の保持(貼り付け)は、剥離ユニット3が行ってもよいし、剥離ユニット3以外の光照射ユニット2等が行ってもよい。また、積層体50から支持体10を剥離するための専用のユニットを備えていてもよい。この専用のユニットは、基板処理装置1に含まれてもよい。
また、積層体50は、例えば、保持具60に保持された状態で基板処理装置1に搬送されてもよい。すなわち、保持具60に積層体50を保持させる専用のユニットは、基板処理装置1とは別に配置されてもよい。保持具60は、図3(A)及び図3(B)に示すように、フィルム61と、リング62とを有する。フィルム61は、樹脂等の弾性変形可能な材料を用いて形成される。フィルム61は、例えばリング62の外周形状に合わせるように円板状に形成される。
リング62は、円環状であり、樹脂、金属等の剛性の高い材料を用いて形成される。リング62は、フィルム61の面61aに接着剤等により貼り付けられた状態で固定され、フィルム61から容易に外れないようにしている。また、積層体50は、フィルム61の面61aのうち、リング62で囲まれた領域のほぼ中央に接着剤等により貼り付けられた状態で保持される。積層体50は、基板40側がフィルム61の面61aに貼り付けられる。ここで使用される接着剤は、例えば、フィルム61から基板40を剥離可能な接着力を持つものが適用される。
積層体50から支持体10を剥離した後の基板40は、積層体50と比べて薄くなり、かつ、支持体10の剛性がなくなっているので、各種処理中あるいは搬送中に割れ等の破損が生じる可能性がある。従って、積層体50から支持体10を剥離する剥離ユニット3において、支持体10の剥離前に予め積層体50を保持具60に保持させ、この状態で支持体10を基板10から剥離することにより、基板40を保持具60に保持させ、基板40の破損等を防止することができる。なお、積層体50から支持体10を基板40から剥離した後に、この基板40を保持具60に貼り付けてもよい。基板40は、剛性が高い保持具60のリング62に囲まれ、さらに、弾性変形可能なフィルム61に支持されるので、その後の処理又は搬送において衝撃又は振動などが緩和され、破損等が生じるのを回避できる。また、各種処理又は搬送では、保持具60を把持等すればよいので、アーム等が基板40に直接接触することを回避できる。
なお、基板40(積層体50)は、図3に示すような保持具60により保持されることに限定されない。例えば、基板40は、基板処理装置1において保持具等に保持されずにそのまま第1洗浄ユニット4、第2洗浄ユニット5、又は第3洗浄ユニット6で処理されてもよいし、剥離ユニット3から搬送ユニット7により搬送されてもよい。また、基板処理装置1から基板40が搬出される際、基板40は、保持具60に保持された状態で、例えば、ケース等に収容されて搬出されてもよいし、保持具60が外された状態で搬出されてもよい。
<積層体50に対する基板処理方法>
次に、本実施形態に係る基板処理方法について説明する。図4は、実施形態に関する基板処理方法の一例を示すフローチャートである。この基板処理方法は、基板処理装置1において行う。図4に示すように、基板処理方法は、光照射工程S10と、剥離工程S20と、基板洗浄工程S30とを含む。光照射工程S10、剥離工程S20、及び基板洗浄工程S30の各工程は、基板処理装置1において行う。以下の例では、まず、接着層30を含む積層体50(図2(A)参照)を例に挙げて説明する。
(光照射工程)
光照射工程S10は、積層体50に対して、光を照射することで反応層20を変質させる。光照射工程S10は、基板処理装置1の光照射ユニット2において行う。図5は、光照射ユニット2及び光照射工程S10の一例を示し、図5(A)は、積層体50の全面に光を照射する場合の図、図5(B)は積層体50に対して光を走査する場合の図である。なお、光照射ユニット2への積層体50の搬送は、搬送ユニット7により行う。
図5(A)に示すように、光照射ユニット2は、載置台2aに載置された積層体50に対して、基板40と反対側から、つまり支持体10の底面10bから反応層20に対して、照射装置2aにより光Lを照射する。照射装置2aは、上記したように、反応層20を変質させることが可能な波長の光Lを照射する。光照射工程S10により、反応層20が変質して変質層(あるいは変質部)20aが形成される(図6(A)等参照)。変質層20aは、強度又は支持体10に対する接着力が反応層20と比べて低下している。なお、図5(A)に示すように、変質層20aは、深さ方向の全体にわたって形成される必要はなく、反応層20のうち少なくとも支持体10に接している領域に形成されていればよい。図5(A)では、反応層20のうち支持体10に接する一部の領域に変質層20aが形成される場合の例を示している。
照射装置2aは、積層体50の全面に光Lを照射するように、不図示の光学素子を備えている。照射装置2aは、反応層20の全面に対して光Lを照射可能な構成とすることができるが、これに限定されない。例えば、照射装置2aは、積層体50の全面ではなく、積層体50の全面に対して数分の1などの面積に光Lを照射し、光Lの照射位置をステップさせて積層体50の全面に光Lを照射する手法が用いられてもよい。また、図5(B)に示すように、例えば、積層体50の表面に光Lとしてスポット光を照射可能な照射装置2bが用いられてもよい。照射装置2bは、スポット光である光Lと積層体50とを相対的に移動させることにより、反応層20の全面にわたって光Lを走査して照射することができる。図5(B)では、照射装置2bを揺動させることにより光Lを走査する構成を例に挙げているが、この構成に限定されない。例えば、照射装置2bは、光Lをスライドさせて走査する構成であってもよいし、ガルバノミラー等の光学素子を用いることにより光Lを走査する構成であってもよい。
光照射工程S10を行った後、反応層20に変質層20aが形成された積層体50を、搬送ユニット7の搬送装置7aにより、光照射ユニット2から剥離ユニット3に搬送する搬送工程を行う。剥離ユニット3では、搬送装置7aにより搬送された積層体50を図3に示す保持具60に保持させる。例えば、積層体50は、予め剥離ユニット3の固定台3bに配置された保持具60上に搬送装置7aにより搬送され、搬送装置7aによって保持具60に載置されることによりフィルム61に貼り付けられてもよい。
(剥離工程)
剥離工程S20は、基板40を支持体10から剥離させる。剥離工程S20は、基板処理装置1の剥離ユニット3において行う。図6は、剥離ユニット3及び剥離工程の一例を示し、図6(A)は支持体10を剥離する前の図、図6(B)は支持体10を剥離した後の図である。
剥離工程S20では、まず、剥離ユニット3に配置された固定台3bに保持具60を真空吸着等により固定する。保持具60には積層体50が貼り付けられているため、積層体50は、固定台3bに保持された状態となる。保持具60を固定した後、図6(A)に示すように、支持体10のうち反応層形成面110とは反対側の底面10bを吸着装置3aにより真空吸着する。この状態で吸着装置3aを上方に移動させることにより、図6(B)に示すように、反応層20を分離面として、基板40から支持体10が持ち上げられる。反応層20内の変質層20aは、光Lの照射により強度が低下しており、あるいは接着力が低下しており、吸着装置3aの上方への移動により、容易に破壊され、あるいは接着面が容易に剥がれることになる。これにより、支持体10は、基板40から容易に剥離される。剥離工程S20により、支持体10が積層体50の反応層20から剥離される。
剥離工程S20を行った後、支持体10が剥離された基板40は、保持具60に保持されたまま、搬送ユニット7の搬送装置7aにより、剥離ユニット3から第1洗浄ユニット4、第2洗浄ユニット5又は第3洗浄ユニット6に搬送する搬送工程を行う。
(基板洗浄工程)
基板洗浄工程S30は、液体洗浄工程及びプラズマ洗浄工程を含む。液体洗浄工程は、支持体10から剥離された基板40を液体により洗浄する。プラズマ洗浄工程は、支持体10から剥離された基板40をプラズマにより処理する。基板洗浄工程S30では、液体洗浄工程とプラズマ洗浄工程とを所定の順序で行うことができる。具体的には、基板洗浄工程S30は、以下のラインAからラインDのいずれかの工程を行うことができる。ラインAは、液体洗浄工程S31を行い、次にプラズマ洗浄工程S32を行う場合である。ラインBは、液体洗浄工程S33を行い、次にプラズマ洗浄工程S34を行い、次に液体洗浄工程S35を行う。ラインCは、プラズマ洗浄工程S36を行い、次に液体洗浄工程S37を行う。ラインDは、プラズマ洗浄工程S38を行い、次に液体洗浄工程S39を行い、次にプラズマ洗浄工程S40を行う。以下、ラインAからラインDを順に説明する。
(ラインA)
ラインAでは、液体洗浄工程S31を行った後、プラズマ洗浄工程S32を行う。ラインAの各工程を行う場合、剥離工程S20を行った後の搬送工程において、支持体10が剥離された基板40を、搬送ユニット7の搬送装置7aにより、剥離ユニット3から第1洗浄ユニット4に搬送する。基板40を第1洗浄ユニット4に搬送した後、第1洗浄ユニット4において液体洗浄工程S31を行う。図7は、第1洗浄ユニット4及び液体洗浄工程S31の一例を示し、図7(A)は液体により基板40を洗浄している状態の図、図7(B)は液体洗浄工程S31後の基板40を示す図である。
図7(A)に示すように、液体洗浄工程S31では、まず、リング62を所定高さに保持した状態で、持ち上げ装置4aによりフィルム61の下方から基板40を持ち上げて、リング62に対して基板40が上方に突出した状態とする。この場合、リング62の上部を支持部4bにより支持することにより、基板40を容易にリング62の上方に突出させることができる。フィルム61は、弾性変形して延びた状態となる。なお、基板40を所定高さに保持した状態でリング62を支持部4bで下方に押すことにより、図7(A)に示す状態としてもよい。また、液体洗浄工程S31及び第1洗浄ユニット4において、リング62に対して基板40を持ち上げるか否かは任意であり、リング62に対して基板40を持ち上げずに処理を行ってもよい。
続いて、基板40が持ち上がった状態で、洗浄液ノズル4cから洗浄液R1を反応層20に対して吐出する。洗浄液R1としては、上記したように、例えば、反応層20及び接着層30を溶解させる炭化水素系有機溶媒、含窒素系有機溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒から選ばれる1種以上の溶媒を用いることができる。洗浄液ノズル4cから吐出された洗浄液R1は、反応層20及び接着層30を溶解しながらフィルム61側に流れ、リング62から落下する。リング62から落下した洗浄液R1は、不図示の回収部により回収される。
洗浄液R1により、反応層20のうち変質していない部分、及び接着層30が溶解されて除去される。また、反応層20のうち変質層20aは、洗浄液R1には溶解しないが、洗浄液R1によって流されて大半が基板40上から除去される。なお、洗浄液ノズル4cから、反応層20を溶解させる洗浄液R1aと接着層30を溶解させる洗浄液R1bとを切り替えて吐出させてもよい。この場合、先ず、反応層20を溶解させる洗浄液R1aを吐出した後に、接着層30を溶解させる洗浄液R1bを吐出させてもよい。また、接着層30を溶解させる洗浄液R1bのみを洗浄液ノズル4cから吐出させてもよい。この場合、接着層30が洗浄液R1bにより溶解されることで、接着層30上の反応層20も洗浄液R1bの流れによって基板40上から除去される。
液体洗浄工程S31を行った後の基板40には、例えば、図7(B)に示すように、変質層20a(反応層20)の一部が流されずに残る場合がある。そこで、液体洗浄工程S31を行った後の搬送工程において、基板40を第2洗浄ユニット5に搬送する。基板40を第2洗浄ユニット5に搬送した後、第2洗浄ユニット5において、基板40に対してプラズマ洗浄工程S32を行う。プラズマ洗浄工程S32では、基板40上に残った変質層20a(反応層20)の一部を除去する。
図8は、第2洗浄ユニット5及びプラズマ洗浄工程S32の一例を示し、図8(A)はプラズマにより基板40を洗浄している状態の図、図8(B)はプラズマ洗浄工程後の基板40を示す図である。図8(A)に示すように、プラズマ洗浄工程S32は、保持具60をステージ5bに載置した状態で、基板40上の空間に不図示のプラズマ発生装置からプラズマ5aを発生させる。プラズマ5aは、例えば、酸素プラズマである。このプラズマ5aにより、図8(B)に示すように、基板40に残った変質層20a(反応層20)の一部が処理され、基板40上から除去される。ラインAでは、このようにして基板40が処理される。
(ラインB)
ラインBでは、液体洗浄工程S33を行い、プラズマ洗浄工程S34を行った後、液体洗浄工程S35を行う。ラインBの各工程を行う場合には、剥離工程S20を行った後の搬送工程において、支持体10が剥離された基板40を、搬送ユニット7の搬送装置7aにより、剥離ユニット3から第3洗浄ユニット6に搬送する。液体洗浄工程S33は、第3洗浄ユニット6において行う。図9は、第3洗浄ユニット6及び液体洗浄工程S33の一例を示し、図9(A)は液体により基板40を洗浄している状態の図、図9(B)は液体洗浄工程S33後の基板40を示す図である。
図9(A)に示すように、液体洗浄工程S33では、ラインAの液体洗浄工程S31と同様、リング62の上部側を支持部6bにより所定高さに支持し、持ち上げ装置6aによりフィルム61の下方から基板40を持ち上げて、リング62に対して基板40が上方に突出した状態とする。なお、基板40を所定高さに保持した状態でリング62を支持部6bで下方に押すことにより、図9(A)に示す状態としてもよい。また、液体洗浄工程S33及び第3洗浄ユニット6において、リング62に対して基板40を持ち上げるか否かは任意であり、リング62に対して基板40を持ち上げずに処理を行ってもよい。
続いて、基板40が持ち上がった状態で、洗浄液ノズル6cから洗浄液R2を反応層20に対して吐出する。洗浄液R2は、反応層20のうち変質層20aを反応層20上から流すことを目的として用いられる。洗浄液R2としては、例えば、上記した洗浄液R1と同様の液体の他に水等が用いられてもよい。洗浄液ノズル6cから吐出された洗浄液R2は、反応層20を流れてフィルム61側に落下する。この洗浄液R2により、図9(B)に示すように、反応層20のうち変質層20aが流されて除去され、反応層20の変質していない部分が接着層30上に残った状態となる。
液体洗浄工程S33の後、搬送工程において、搬送装置7aにより基板40を第3洗浄ユニット6から第2洗浄ユニット5に搬送する。基板40を第2洗浄ユニット5に搬送した後、第2洗浄ユニット5においてプラズマ洗浄工程S34を行う。図10は、第2洗浄ユニット5及びプラズマ洗浄工程S34の他の例を示し、図10(A)はプラズマ5aにより基板40を洗浄している状態の図、図10(B)はプラズマ洗浄工程S34後の基板40を示す図である。
図10(A)に示すように、プラズマ洗浄工程S34は、保持具60をステージ5bに載置した状態で、接着層30上の空間に不図示のプラズマ発生装置からプラズマ5aを発生させる。プラズマ5aは、例えば、酸素プラズマである。このプラズマ5aにより、図10(B)に示すように、接着層30上に残った反応層20の変質していない部分が処理され、基板40上から除去される。なお、反応層20をプラズマ5aで処理する際に生じる粉体20bがわずかに接着層30上に残る場合もある。
プラズマ洗浄工程S34を行った後、搬送工程において、搬送装置7aにより基板40を第2洗浄ユニット5から第1洗浄ユニット4に搬送する。基板40を第1洗浄ユニット4に搬送した後、第1洗浄ユニット4では、液体洗浄工程S35を行う。図11は、第1洗浄ユニット4及び液体洗浄工程S35の他の例を示し、図11(A)は液体により基板40を洗浄している状態の図、図11(B)は液体洗浄工程S35後の基板40を示す図である。
図11(A)に示すように、液体洗浄工程S35では、上記した液体洗浄工程S33と同様、リング62の上部側を支持部4bにより所定高さに支持し、持ち上げ装置4aによりフィルム61の下方から基板40を持ち上げて、リング62に対して基板40が上方に突出した状態とする。なお、基板40を所定高さに保持した状態でリング62を支持部6bで下方に押すことにより、図11(A)に示す状態としてもよい。また、液体洗浄工程S35及び第1洗浄ユニット4において、リング62に対して基板40を持ち上げるか否かは任意であり、リング62に対して基板40を持ち上げずに処理を行ってもよい。
続いて、基板40が持ち上がった状態で、洗浄液ノズル4cから洗浄液R3を接着層30に対して吐出する。洗浄液R3としては、上記したように、接着層30を溶解することが可能な有機溶剤等を用いることができる。洗浄液ノズル4cから吐出された洗浄液R3は、接着層30上を流れてフィルム61側に落下する。洗浄液R3により、図11(B)に示すように、接着層30が溶解されて除去される。また、洗浄液R3により、接着層30の除去に伴って、接着層30上に残った反応層20の粉体20bが流されて除去される。ラインBでは、このようにして基板40が処理される。
(ラインC)
ラインCでは、プラズマ洗浄工程S36を行った後、液体洗浄工程S37を行う。ラインCの各工程を行う場合、剥離工程S20を行った後の搬送工程において、支持体10が剥離された基板40を、搬送ユニット7の搬送装置7aにより、剥離ユニット3から第2洗浄ユニット5に搬送する。基板40を第2洗浄ユニット5に搬送した後、第2洗浄ユニット5においてプラズマ洗浄工程S36を行う。図12は、第2洗浄ユニット5及びプラズマ洗浄工程S36の他の例を示し、図12(A)はプラズマ5aにより基板40を洗浄している状態の図、図12(B)はプラズマ洗浄工程S36後の基板40を示す図である。
図12(A)に示すように、プラズマ洗浄工程S36は、ラインBにおけるプラズマ洗浄工程S34と同様、保持具60をステージ5bに載置した状態で、接着層30上の空間に不図示のプラズマ発生装置からプラズマ5aを発生させる。プラズマ5aは、例えば、酸素プラズマである。このプラズマ5aにより、図12(B)に示すように、反応層20の一部が処理され、基板40上から除去される。なお、反応層20又は変質層20aの粉体20bがわずかに接着層30上に残る場合もある。
プラズマ洗浄工程S36を行った後、搬送工程において、搬送装置7aにより基板40を第2洗浄ユニット5から第1洗浄ユニット4に搬送する。基板40を第1洗浄ユニット4に搬送した後、第1洗浄ユニット4では、液体洗浄工程S37を行う。図13は、第1洗浄ユニット4及び液体洗浄工程S37の他の例を示し、図13(A)は液体により基板40を洗浄している状態の図、図13(B)は液体洗浄工程S37後の基板40を示す図である。
図13(A)に示すように、液体洗浄工程S37では、上記した液体洗浄工程S37と同様、リング62の上部を支持部4bにより所定高さに支持し、持ち上げ装置4aによりフィルム61の下方から基板40を持ち上げて、リング62に対して基板40が上方に突出した状態とする。なお、基板40を所定高さに保持した状態でリング62を支持部6bで下方に押すことにより、図13(A)に示す状態としてもよい。また、液体洗浄工程S37及び第1洗浄ユニット4において、リング62に対して基板40を持ち上げるか否かは任意であり、リング62に対して基板40を持ち上げずに処理を行ってもよい。
続いて、基板40が持ち上がった状態で、洗浄液ノズル4cから洗浄液R4を接着層30に対して吐出する。洗浄液R4は、上記したように、接着層30を溶解することが可能な炭化水素系有機溶媒、含窒素系有機溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒から選ばれる1種以上の溶媒を用いることができる。洗浄液ノズル4cから吐出された洗浄液R4は、接着層30上を流れてフィルム61側に落下する。洗浄液R4により、図13(B)に示すように、接着層30が溶解されて除去される。また、洗浄液R4により、接着層30の除去に伴って、接着層30上に残った反応層20又は変質層20aの粉体20bが流されて除去される。ラインCでは、このようにして基板40が処理される。
(ラインD)
ラインDでは、プラズマ洗浄工程S38を行い、液体洗浄工程S39を行った後、プラズマ洗浄工程S40を行う。ラインDの各工程を行う場合、剥離工程S20を行った後の搬送工程において、支持体10が剥離された基板40を、搬送ユニット7の搬送装置7aにより、剥離ユニット3から第2洗浄ユニット5に搬送する。基板40を第2洗浄ユニット5に搬送した後、第2洗浄ユニット5においてプラズマ洗浄工程S38を行う。プラズマ洗浄工程S38は、ラインCにおけるプラズマ洗浄工程S36と同様に、保持具60をステージ5bに載置した状態で、接着層30上の空間にプラズマ5aを発生させる(図12(A)参照)。このプラズマ5aにより、反応層20の一部が処理され、基板40上から除去される(図12(B)参照)。
プラズマ洗浄工程S38を行った後、搬送工程において、搬送装置7aにより基板40を第2洗浄ユニット5から第1洗浄ユニット4に搬送する。基板40を第1洗浄ユニット4に搬送した後、第1洗浄ユニット4において液体洗浄工程S39を行う。液体洗浄工程S39では、ラインCにおける液体洗浄工程S37と同様に、リング62の上部を支持部4bにより支持し、持ち上げ装置4aによりフィルム61の下方から基板40を持ち上げて、リング62に対して基板40が上方に突出した状態とする(図13(A)参照)。
続いて、基板40が持ち上がった状態で、洗浄液ノズル4cから洗浄液R4と同一の洗浄液を接着層30に対して吐出する。洗浄液ノズル4cから吐出された洗浄液R4は、接着層30上を流れてフィルム61側に落下する。洗浄液により、接着層30が溶解されて除去される(図13(B)参照)。また、洗浄液R4により、接着層30の除去に伴って、接着層30上に残った反応層20又は変質層20aの粉体20bが流されて除去される。
図14は、ラインDにおいて、プラズマ洗浄工程S38及び液体洗浄工程S39を行った後の基板40の他の例を示す図である。図14に示すように、プラズマ洗浄工程S38及び液体洗浄工程S39を行った後、反応層20又は変質層20aの粉体20bがわずかに基板40上に残る場合もある。そこで、液体洗浄工程S39を行った後、搬送工程において、基板40を第2洗浄ユニット5に搬送する。基板40を第2洗浄ユニット5に搬送した後、第2洗浄ユニット5において、基板40に対してプラズマ洗浄工程S40を行う。図15は、第2洗浄ユニット5及びプラズマ洗浄工程S40の他の例を示し、図15(A)はプラズマにより基板40を洗浄している状態の図、図15(B)はプラズマ洗浄工程S40後の基板40を示す図である。
図15(A)に示すように、プラズマ洗浄工程S40は、プラズマ洗浄工程S38と同様、保持具60をステージ5bに載置した状態で、接着層30上の空間に不図示のプラズマ発生装置からプラズマ5aを発生させる。プラズマ5aは、例えば、酸素プラズマである。このプラズマ5aにより、図15(B)に示すように、接着層30上に残った反応層20又は変質層20aの粉体20bが処理され、基板40上から除去される。ラインDでは、このようにして基板40が形成される。
以上のように、本実施形態に係る基板処理装置1及び基板処理方法によれば、第1洗浄ユニット4による液体洗浄工程S31、S33、S35、S37、S39、及び第2洗浄ユニット5によるプラズマ洗浄工程S32、S34、S36、S38、S40によって、基板40に残っている反応層20又は変質層20a(残渣)を確実に除去することにより、その後の処理への影響を低減することができ、さらに、基板40から残渣が飛散して周囲の環境を汚染することを防止することができる。
<積層体50を処理する基板処理装置のユニットの配置>
図16は、基板処理装置1の各ユニットの配置の一例を示す図である。図16では、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。このXYZ座標系において、鉛直方向をZ方向とし、水平方向をX方向及びY方向とする。また、X、Y、Z方向の各方向について、矢印が指す方向を+方向(例えば、+X方向)と称し、その反対方向を−方向(例えば、−X方向)と称する。図16に示す基板処理装置1は、接着層30を含む積層体50を処理する。基板処理装置1は、上述した光照射ユニット2と、剥離ユニット3と、第1洗浄ユニット4と、第2洗浄ユニット5と、第3洗浄ユニット6と、搬送ユニット7とを有する。また、基板処理装置1は、複数の積層体50又は基板40を収容する容器(例えば、FOUPなど)を載置するロードポート8と、積層体50又は基板40を搬出入又は一時保管するロードポート9とを有する。
基板処理装置1は、平面視において一方向(Y方向)に長い長方形状である。基板処理装置1内において、+X側には、+Y方向に向けて、剥離ユニット3、光照射ユニット2、第1洗浄ユニット4、及び第2洗浄ユニット5が配置される。また、基板処理装置1内において、−X側には、+Y方向に向けて、第3洗浄ユニット6及び第2洗浄ユニット5が配置される。光照射ユニット2は、基板処理装置1内の+X側において、平面視で剥離ユニット3と第1洗浄ユニット4とに挟まれて配置される。第1洗浄ユニット4は、基板処理装置1内の+X側において、平面視で光照射ユニット2と第2洗浄ユニット5とに挟まれて配置される。
また、図16に示す基板処理装置1は、第2洗浄ユニット5を2台配置している。この場合、例えば、プラズマ洗浄工程に時間がかかる場合に、2台の第2洗浄ユニット5を交互に用いることにより、処理効率を向上できる。また、2台の第2洗浄ユニット5の一方をメインとして用い、他方をメインの故障時等に用いるサブとして用いてもよい。
基板処理装置1において、−Y側には、ロードポート8、9が配置されている。ロードポート8、9は、基板処理装置1の−Y側において、X方向に並んで配置されている。搬送ユニット7は、積層体50又は基板40を搬送する搬送装置7aと、搬送装置7aの移動経路である搬送路7bとを有する。搬送装置7aは、搬送路7bに設けられた不図示のレール等により、各ユニットの間、又はロードポート8、9と各ユニットとの間を移動可能となっている。搬送装置7aは、積層体50又は基板40を保持可能な不図示のアームを有する。搬送路7bは、基板処理装置1内において、−Y側でX方向に設けられ、+X側のユニットの列と−X側のユニットの列との間でY方向に設けられている。搬送路7bは、T型に形成されている。搬送装置7aは、搬送路7bを移動することにより、各ユニットの間、又はロードポート8、9と各ユニットとの間で積層体50又は基板40の受け渡しを行う。
このように構成された基板処理装置1によれば、搬送ユニット7により積層体50又は基板40を各ユニットに効率よく搬送するので、上記した光照射工程S10、剥離工程S20、及び基板洗浄工程S30の各工程を効率よく行うことができる。また、基板洗浄工程S30においては、液体洗浄工程S31、S33、S35、S37、S39と、プラズマ洗浄工程S32、S34、S36、S38、S40と、を効率よく行うことができる。また、基板処理装置1において、領域CONは、制御基盤等が収容される領域である。
<積層体50Aに対する基板処理方法>
次に、接着層30を含まない積層体50Aについての基板処理方法を説明する。図17は、実施形態に関する基板処理方法の他の例を示すフローチャートである。この基板処理方法は、積層体50と同様に、基板処理装置1において行う。図17に示すように、接着層30を含まない積層体50Aについての基板処理方法は、光照射工程S50と、剥離工程S60と、液体洗浄工程S70と、プラズマ洗浄工程S80とを含む。なお、プラズマ洗浄工程S80の後、液体洗浄工程S90を行ってもよい。
(光照射工程)
光照射工程S50は、積層体50Aに対して、光を照射することで反応層20を変質させる。光照射工程S50は、基板処理装置1の光照射ユニット2において行う。図18は、光照射ユニット2及び光照射工程S50の一例を示し、図18(A)は積層体50Aの全面に光を照射する場合の図、図18(B)は積層体50Aに対して光を走査する場合の図である。なお、光照射ユニット2への積層体50Aの搬送は、搬送ユニット7により行う。
図18(A)に示すように、光照射ユニット2は、上記した積層体50に対する光照射工程S10と同様に、載置台2aに載置された積層体50Aに対して、基板40と反対側から、つまり支持体10の底面10bから反応層20に対して、照射装置2aにより光Lを照射する。光Lについては、上記した光照射工程S10と同様である。光照射工程S50により、反応層20が変質して変質層(あるいは変質部)20aが形成される。変質層20aについては、上記した光照射工程S10と同様に、強度又は支持体10に対する接着力が反応層20と比べて低下している。なお、図18(A)に示すように、変質層20aは、深さ方向の全体にわたって形成される必要はなく、反応層20のうち支持体10に接する一部の領域に形成されていればよい。図18(A)では、反応層20のうち支持体10に接する一部の領域に変質層20aが形成される場合の例を示している。
光照射ユニット2の構成については、上記と同様であるため、説明を簡略化するが、図18(A)に示すように、照射装置2aにより積層体50の全面に光Lを照射してもよいし、図18(B)に示すように、照射装置2bによりスポット光である光Lを走査して照射してもよい光照射工程S50を行った後、反応層20に変質層20aが形成された積層体50Aを、搬送ユニット7の搬送装置7aにより、光照射ユニット2から剥離ユニット3に搬送する搬送工程を行う。剥離ユニット3では、搬送装置7aにより搬送された積層体50Aを図3に示す保持具60に保持させる。例えば、積層体50Aは、予め剥離ユニット3の固定台3bに配置された保持具60上に搬送装置7aにより搬送され、搬送装置7aによって保持具60に載置されることによりフィルム61に貼り付けられてもよい。
(剥離工程)
剥離工程S60は、基板40を支持体10から剥離させる。剥離工程S60は、基板処理装置1の剥離ユニット3において行う。図19は、剥離ユニット3及び剥離工程S60の一例を示し、図19(A)は支持体10を剥離する前の図、図19(B)は支持体10を剥離した後の図である。
剥離工程S60では、まず、剥離ユニット3に配置された固定台3bに保持具60を真空吸着等により固定する。保持具60には積層体50Aが貼り付けられているため、積層体50Aは、固定台3bに保持された状態となる。保持具60を固定した後、図19(A)に示すように、支持体10のうち反応層形成面110とは反対側の底面10bを吸着装置3aにより吸着する。この状態で吸着装置3aを上方に移動させることにより、図19(B)に示すように、反応層20を分離面として、基板40から支持体10が持ち上げられる。上記したように、反応層20内の変質層20aは、光Lの照射により強度が低下しており、あるいは接着力が低下しており、吸着装置3aの上方への移動により、容易に破壊され、あるいは接着面が容易に剥がれることになる。これにより、支持体10は、基板40から容易に剥離される。剥離工程S60により、支持体10が積層体50Aの反応層20から剥離される。
剥離工程S50を行った後、支持体10が剥離された基板40は、保持具60に保持されたまま、搬送ユニット7の搬送装置7aにより、剥離ユニット3から第3洗浄ユニット6に搬送する搬送工程を行う。
(液体洗浄工程)
基板40を第3洗浄ユニット6に搬送した後、第3洗浄ユニット6において液体洗浄工程S70を行う。図20は、第3洗浄ユニット6及び液体洗浄工程S70の一例を示し、図20(A)は液体により基板40を洗浄している状態の図、図20(B)は液体洗浄工程S70後の基板40を示す図である。
図20(A)に示すように、液体洗浄工程S70では、上記した積層体50に対する液体洗浄工程S33と同様に、リング62の上部側を支持部6bにより所定高さに支持し、持ち上げ装置6aによりフィルム61の下方から基板40を持ち上げて、リング62に対して基板40が上方に突出した状態とする。なお、基板40を所定高さに保持した状態でリング62を支持部6bで下方に押すことにより、図20(A)に示す状態としてもよい。また、液体洗浄工程S70及び第3洗浄ユニット6において、リング62に対して基板40を持ち上げるか否かは任意であり、リング62に対して基板40を持ち上げずに処理を行ってもよい。
続いて、基板40が持ち上がった状態で、洗浄液ノズル6cから洗浄液R5を反応層20に対して吐出する。洗浄液R5は、反応層20のうち変質層20aを反応層20上から流すことを目的として用いられる。洗浄液R5としては、例えば、上記した洗浄液R2と同様に、水等が用いられてもよい。洗浄液ノズル6cから吐出された洗浄液R5は、反応層20を流れてフィルム61側に落下する。この洗浄液R5により、図20(B)に示すように、反応層20のうち変質層20aが流されて除去され、反応層20の変質していない部分が基板40上に残った状態となる。液体洗浄工程S70の後、搬送工程において、搬送装置7aによりた基板40を第3洗浄ユニット6から第2洗浄ユニット5に搬送する。
(プラズマ洗浄工程)
基板40を第2洗浄ユニット5に搬送した後、第2洗浄ユニット5においてプラズマ洗浄工程S80を行う。プラズマ洗浄工程S80は、第2洗浄ユニット5において行う。図21は、第2洗浄ユニット5及びプラズマ洗浄工程S80の他の例を示し、図21(A)はプラズマ5aにより基板40を洗浄している状態の図、図21(B)はプラズマ洗浄工程S80後の基板40を示す図である。
図21(A)に示すように、プラズマ洗浄工程S80は、保持具60をステージ5bに載置した状態で、反応層20上の空間に不図示のプラズマ発生装置からプラズマ5aを発生させる。プラズマ5aは、例えば、酸素プラズマである。このプラズマ5aにより、図21(B)に示すように、基板40上に残った反応層20の変質していない部分が処理され、基板40上から除去される。
図22(A)は、液体洗浄工程S70及びプラズマ洗浄工程S80を行った後の基板40の他の例を示す図である。図22(A)に示すように、プラズマ洗浄工程S80を行った後、反応層20の粉体20bがわずかに基板40上に残る場合もある。そこで、プラズマ洗浄工程S80を行った後、搬送工程において、搬送装置7aにより基板40を第2洗浄ユニット5から第3洗浄ユニット6に搬送し、第3洗浄ユニット6において液体洗浄工程S90を行ってもよい。
(液体洗浄工程)
図22(B)は、図22(A)に示す基板40を液体により洗浄している状態の図である。図22(B)に示すように、液体洗浄工程S90では、上記した液体洗浄工程S70と同様、リング62の上部側を支持部6bにより所定高さに支持し、持ち上げ装置6aによりフィルム61の下方から基板40を持ち上げて、リング62に対して基板40が上方に突出した状態とする。なお、基板40を所定高さに保持した状態でリング62を支持部6bで下方に押すことにより、図22(B)に示す状態としてもよい。また、液体洗浄工程S90及び第3洗浄ユニット6において、リング62に対して基板40を持ち上げるか否かは任意であり、リング62に対して基板40を持ち上げずに処理を行ってもよい。
続いて、基板40が持ち上がった状態で、洗浄液ノズル6cから洗浄液R6を接着層30に対して吐出する。洗浄液R5は、基板40に残った粉体20bを基板40上から流すことを目的として用いられる。洗浄液R6としては、上記した洗浄液R5と同様に、水等が用いられてもよい。洗浄液ノズル6cから吐出された洗浄液R6は、基板40上を流れてフィルム61側に落下する。この洗浄液R6により、基板40上に残った粉体20bが流されて除去される。このようにして基板40が形成される。なお、液体洗浄工程S90を行うか否かは任意であり、液体洗浄工程S90を行わなくてもよい。
以上のように、本実施形態に係る基板処理装置1及び基板処理方法によれば、第3洗浄ユニット6による液体洗浄工程S70、S90、及び第2洗浄ユニット5によるプラズマ洗浄工程S80によって、基板40に残っている反応層20又は変質層20a(残渣)を確実に除去することにより、その後の処理への影響を低減することができ、さらに、基板40から残渣が飛散して周囲の環境を汚染することを防止することができる。
<積層体50Aを処理する基板処理装置のユニットの配置>
図23は、基板処理装置1Aの各ユニットの配置の一例を示す図である。図23では、図16と同様のXYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。接着層30を含まない積層体50Aを処理する場合、図16に示す基板処理装置1を用いてもよいが、積層体50Aには接着層30がないため、接着層30を除去するための第1洗浄ユニット4が不要である。従って、積層体50Aを処理する場合、図23に示す基板処理装置1Aを用いることもできる。図23に示す基板処理装置1Aは、接着層30を含まない積層体50Aを処理する。基板処理装置1Aは、上述した光照射ユニット2と、剥離ユニット3と、第2洗浄ユニット5と、第3洗浄ユニット6と、搬送ユニット7とを有する。また、基板処理装置1は、複数の積層体50又は基板40を収容する容器を載置するロードポート8と、積層体50又は基板40を搬出入又は一時保管するロードポート9とを有する。
基板処理装置1Aは、平面視において一方向(Y方向)に長い長方形状である。基板処理装置1A内において、+X側には、+Y方向に向けて、剥離ユニット3、光照射ユニット2、及び第2洗浄ユニット5が配置される。また、基板処理装置1A内において、−X側には、第3洗浄ユニット6が配置される。光照射ユニット2は、平面視で剥離ユニット3と第2洗浄ユニット5とに挟まれて配置される。
基板処理装置1Aにおいて、ロードポート8、9については、図16に示す基板処理装置1と同様であり、説明を省略する。搬送ユニット7は、積層体50A又は基板40を搬送する搬送装置7aと、搬送装置7aの移動経路である搬送路7bとを有する。搬送装置7aは、搬送路7bに設けられた不図示のレール等により、各ユニットの間、又はロードポート8、9と各ユニットとの間を移動可能となっている。搬送装置7aは、積層体50A又は基板40を保持可能な不図示のアームを有する。搬送路7bは、基板処理装置1A内において、−Y側でX方向に設けられ、+X側のユニットの列と−X側のユニットの列との間でY方向に設けられている。搬送路7bは、T型に形成されている。搬送装置7aは、搬送路7bを移動することにより、各ユニットの間、又はロードポート8、9と各ユニットとの間で積層体50又は基板40の受け渡しを行う。
このように構成された基板処理装置1Aによれば、搬送ユニット7により積層体50A又は基板40を各ユニットに効率よく搬送するので、上記した光照射工程S50、剥離工程S60、液体洗浄工程S70、プラズマ洗浄工程S80、及び液体洗浄工程S90の各工程を効率よく行うことができる。また、基板処理装置1Aにおいて、領域CONは、制御基盤等が収容される領域である。
以上、実施形態及び実施例について説明したが、本発明は、上述した説明に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、基板40は電子部品41ごとに切断されるが、このような切断ユニットを上記した基板処理装置1、1Aが含んでいてもよいし、切断ユニットが基板処理装置1、1Aに接続されて配置されていてもよい。
R1、R2、R3、R4、R5、R6・・・洗浄液
1、1A・・・基板処理装置
2・・・光照射ユニット
2a、2b・・・照射装置
3・・・剥離ユニット
3a・・・吸着装置
4・・・第1洗浄ユニット
5・・・第2洗浄ユニット
6・・・第3洗浄ユニット
7・・・搬送ユニット
7a・・・搬送装置
8、9・・・ロードポート
10・・・支持体
20・・・反応層
20a・・・変質層
30・・・接着層
40・・・基板
50、50A・・・積層体
60・・・保持具

Claims (15)

  1. 支持体と、基板と、前記支持体と基板との間に介在する反応層とを備える積層体に対して、光を照射することで前記反応層を変質させる光照射ユニットと、
    前記基板を、前記支持体から剥離させる剥離ユニットと、
    前記支持体から剥離された前記基板を液体により洗浄する第1洗浄ユニットと、
    前記支持体から剥離された前記基板をプラズマにより処理する第2洗浄ユニットと、を備える、基板処理装置。
  2. 前記積層体は、前記反応層と前記基板との間にさらに接着層を有しており、
    前記第1洗浄ユニットは、前記支持体から剥離された前記基板に付着している前記接着層を液体により除去する、請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記第1洗浄ユニットにおいて用いられる前記液体は、炭化水素系有機溶媒、含窒素系有機溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒から選ばれる1種以上を含む、請求項1又は請求項2に記載の基板処理装置。
  4. 前記第2洗浄ユニットは、酸素プラズマにより前記基板を処理する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  5. 前記第1洗浄ユニット、前記第2洗浄ユニット、及び前記剥離ユニットは、複数のパネルにより形成された同一の空間内に配置される、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  6. 前記空間内に、前記支持体又は前記支持体から剥離された前記基板を搬送する搬送装置を備える、請求項5に記載の基板処理装置。
  7. 支持体と、基板と、前記支持体と基板との間に介在する反応層とを備える積層体に対して光を照射することで前記反応層を変質させる光照射工程と、
    前記基板を、前記支持体から剥離させる剥離工程と、
    前記支持体から剥離された前記基板を液体により洗浄する液体洗浄工程と、
    前記支持体から剥離された前記基板をプラズマにより処理するプラズマ洗浄工程と、を含む、基板処理方法。
  8. 前記液体洗浄工程において用いられる前記液体は、炭化水素系有機溶媒、含窒素系有機溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒から選ばれる1種以上を含む、請求項7に記載の基板処理方法。
  9. 前記プラズマ洗浄工程は、酸素プラズマにより前記基板を処理する、請求項7又は請求項8に記載の基板処理方法。
  10. 前記支持体から剥離された前記基板に対して、前記液体洗浄工程を行った後に前記プラズマ洗浄工程を行う、請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  11. 前記支持体から剥離された前記基板に対して、前記プラズマ洗浄工程を行った後に前記液体洗浄工程を行う、請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  12. 前記プラズマ洗浄工程を行った後に行われる前記液体洗浄工程とは別に、前記プラズマ洗浄工程の前に、さらに1以上の液体洗浄工程を行う、請求項11に記載の基板処理方法。
  13. 前記プラズマ洗浄工程前に行われる前記液体洗浄工程において用いられる前記液体は、炭化水素系有機溶媒、含窒素系有機溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒から選ばれる1種以上を含む、請求項12に記載の基板処理方法。
  14. 前記積層体は、前記反応層と前記基板との間にさらに接着層を有している、請求項7から請求項13のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  15. 前記液体洗浄工程、前記プラズマ洗浄工程、及び前記剥離工程のそれぞれの工程間に、前記支持体又は前記支持体から剥離された前記基板を搬送する搬送工程を含む、請求項7から請求項14のいずれか一項に記載の基板処理方法。
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