JP2019116491A - 1−エチル−7−(2−メチル−6−(1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−3−イル)−3,4−ジヒドロピラジノ[2,3−b]ピラジン−2(1H)−オンの固体形態、その組成物、及びそれらの使用方法 - Google Patents

1−エチル−7−(2−メチル−6−(1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン−3−イル)−3,4−ジヒドロピラジノ[2,3−b]ピラジン−2(1H)−オンの固体形態、その組成物、及びそれらの使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】1-エチル-7-(2-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンの固体形態、その組成物、及び疾患、障害、又は疾病の治療のためのそれらの使用方法の提供。【解決手段】約6.18、21.74、及び26.7°の2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する、式(I)の化合物又はその互変異性体を含む結晶形態。【選択図】図1

Description

本出願は、その各々の内容全体が引用により本明細書中に組み込まれる、2014年4月16
日に出願された米国仮特許出願第61/980,108号の恩典及び2014年5月27日に出願された米
国仮特許出願第62/003,173号の恩典を主張する。
(1.分野)
本明細書に提供されるのは、1-エチル-7-(2-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル
)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンの固体形態、その
組成物、及び疾患、障害、又は疾病の治療のためのそれらの使用方法である。
(2.背景)
固体形態の変化が、数ある重要な医薬特性の中でも特に、加工、製剤化、安定性、及び
バイオアベイラビリティの点で利益又は欠点を提供し得る、種々の物理的及び化学的特性
に影響を及ぼし得るということを考慮すると、医薬化合物の固体形態の同定及び選択は込
み入ったことである。潜在的な医薬固体には、結晶性固体及び非晶質固体が含まれる。非
晶質固体が長い範囲の構造的秩序の欠如を特徴とするのに対し、結晶性固体は構造的周期
性を特徴とする。医薬固体の所望のクラスは、具体的な用途によって決まり;非晶質固体
が、例えば、溶解プロファイルの改善に基づいて選択されることがある一方、結晶性固体
は、例えば、物理的又は化学的安定性などの特性にとって望ましい場合がある(例えば、S
. R. Vippaguntaらの文献、Adv. Drug. Deliv. Rev.,(2001) 48:3-26; L. Yuの文献、Adv
. Drug. Deliv. Rev.,(2001) 48:27-42を参照されたい)。
結晶性であれ、非晶質であれ、医薬化合物の潜在的固体形態は、単一成分固体及び多成
分固体を含む。単一成分固体は、本質的に、他の化合物の非存在下の医薬化合物からなる
。単一成分結晶性材料における多様さは、多形という現象から潜在的に生じ得、その場合
、多数の3次元配置が特定の医薬化合物について存在する(例えば、S. R. Byrnらの文献、
「薬物の固体化学(Solid State Chemistry of Drugs)」、(1999) SSCI, West Lafayette
を参照されたい)。多形を発見することの重要性は、軟ゼラチンカプセルとして製剤化さ
れたHIVプロテアーゼ阻害剤であるリトナビルの事例によって強調された。この製品が販
売されてから約2年後、製剤中の新たな、溶解しにくい多形の予想外の沈殿のために、よ
り一貫性のある製剤を開発することができるまで、市場からのこの製品の撤退が余儀なく
された(S. R. Chemburkarらの文献、Org. Process Res. Dev.,(2000) 4:413-417を参照さ
れたい)。
医薬化合物の潜在的固体形態におけるさらなる多様性は、多成分固体の可能性から生じ
得る。2以上のイオン種を含む結晶性固体は、塩と呼ばれる(例えば、医薬塩のハンドブッ
ク:特性、選択、及び使用(Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection
and Use)、P. H. Stahl及びC. G. Wermuth編(2002), Wiley, Weinheimを参照されたい)。
医薬化合物又はその塩に他の特性改善を提供する可能性があり得るさらなるタイプの多成
分固体としては、例えば、特に、水和物、溶媒和物、共結晶、及び包摂化合物が挙げられ
る(例えば、S. R. Byrnらの文献、「薬物の固体化学」(1999) SSCI, West Lafayetteを参
照されたい)。さらに、多成分結晶形態は多形になりやすい可能性があり得、その場合、
所与の多成分組成物は、複数の3次元結晶性配置で存在し得る。固体形態の発見は、安全
で、効果的で、安定で、かつ市場性のある医薬化合物の開発において非常に重要である。
特に、化合物の結晶性形態が存在するかどうかを事前に予測することは不可能であり、
まして、その調製に成功する方法は言うまでもない(例えば、Braga及びGrepioniの文献(2
005)、「結晶から結晶を作製する:環境に優しい結晶工学の方法及び多形(Making crystal
s from crystals: a green route to crystal engineering and polymorphism」、Chem.
Commun.: 3635-3645(結晶工学に関して、指示があまり正確でない場合及び/又は他の外部
要因がプロセスに影響を及ぼす場合、結果は予測不能となり得る); Jonesらの文献(2006)
、「医薬共結晶:物性強化の新たな方法(Pharmaceutical Cocrystals: An Emerging Appro
ach to Physical Property Enhancement)、MRS Bulletin 31: 875-879(現在、最も単純な
分子であっても、その観測可能な多形の数をコンピュータで予測することは一般に不可能
である); Priceの文献(2004)、「医薬結晶構造及び多形のコンピュータ予測(The computa
tional prediction of pharmaceutical crystal structures and polymorphism)」、Adva
nced Drug Delivery Reviews 56: 301-319(「Price」);並びにBernsteinの文献(2004)、
「結晶構造予測及び多形(Crystal Structure Prediction and Polymorphism)」、ACA Tra
nsactions 39: 14-23(結晶構造を予測する能力をどんな程度であれ自信を持って明言する
ことができるまでには、今なお多くのこと学習し、実践する必要があり、多形形態であれ
ば、なおさらである))。
1-エチル-7-(2-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒ
ドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンという化学名の化合物及びその互変異性体(本
明細書において「化合物1」と総称される)は、その各々の全体が引用により本明細書中に
組み込まれる、2009年10月26日に出願された米国特許出願第12/605,791号、及び国際公開
WO 2010/062571号に開示された。本発明者らは、1-エチル-7-(2-メチル-6-(1H-1,2,4-ト
リアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オ
ンの複数の固体形態を発見した。
本出願の第2節における任意の参考文献の引用又は特定は、該参考文献が本出願の先行
技術であるという承認としてみなされるべきではない。
(3.概要)
本明細書に提供されるのは、1-エチル-7-(2-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル
)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンという名前を有す
る式1の化合物の固体形態及びその互変異性体である:
Figure 2019116491
また本明細書に提供されるのは、式1の化合物の固体形態及びその互変異性体の製剤で
ある。
本明細書に提供される1つの結晶形態は、約6.18、21.74、及び26.7度の2θ角度に特徴
的なX線粉末回折ピークを有する。該X線粉末回折パターンは、約12.34、22.5、及び23.42
度の2θ角度に特徴的なX線粉末回折ピークをさらに含むことができる。該結晶形態は、約
25℃から約300℃に加熱したときに該結晶形態の全質量のうちの約15.5%の全質量損失を
含む熱重量分析サーモグラムを有することができる。該結晶形態は、約25℃から約300℃
に加熱したときに約140℃で最大値を有する約90℃〜約185℃での吸熱を含む単一示差熱分
析サーモグラムを有することができる。該単一示差熱分析サーモグラムは、約264℃で最
大値を有する約240℃〜約285℃の吸熱をさらに含むことができる。該結晶形態は、1,2-エ
タンジオールで溶媒和されたものであることができる。該結晶形態は、1モル当量の1,2-
エタンジオールを含むことができる。該結晶形態は実質的に純粋であることができる。
本明細書に提供されるさらなる結晶形態は、約3.5、9.26、及び18.62度の2θ角度に特
徴的なX線粉末回折ピークを有する。該X線粉末回折パターンは、約7.06、12.66、及び15.
3度の2θ角度に特徴的なX線粉末回折ピークをさらに含むことができる。該結晶形態は、
約25℃から約300℃に加熱したときに該結晶形態の全質量のうちの約12.8%の全質量損失
を含む熱重量分析サーモグラムを有することができる。該結晶形態は、約25℃から約300
℃に加熱したときに約160℃で最大値を有する約110℃〜約175℃での吸熱を含む単一示差
熱分析サーモグラムを有することができる。該単一示差熱分析サーモグラムは、約254℃
で最大値を有する約225℃〜約275℃の吸熱をさらに含むことができる。該結晶形態は、2,
2,2-トリフルオロエタノールで溶媒和されたものであることができる。該結晶形態は、0.
5モル当量の2,2,2-トリフルオロエタノールを含むことができる。該結晶形態は実質的に
純粋であることができる。
本明細書に提供される別の結晶形態は、約10.66、21.94、及び26.26度の2θ角度に特徴
的なX線粉末回折ピークを有する。該X線粉末回折パターンは、約10.14、18.1、及び22.66
度の2θ角度に特徴的なX線粉末回折ピークをさらに含むことができる。該結晶形態は、約
25℃から約300℃に加熱したときに該結晶形態の全質量のうちの約16.4%の全質量損失を
含む熱重量分析サーモグラムを有することができる。該結晶形態は、約25℃から約300℃
に加熱したときに約140℃で最大値を有する約100℃〜約175℃での吸熱を含む単一示差熱
分析サーモグラムを有することができる。該単一示差熱分析サーモグラムは、約258℃で
最大値を有する約235℃〜約275℃の吸熱をさらに含むことができる。該結晶形態は、ジメ
チルスルホキシドで溶媒和されたものであることができる。該結晶形態は、0.8モル当量
のジメチルスルホキシドを含むことができる。該結晶形態は実質的に純粋であることがで
きる。
本明細書に提供されるまた別の結晶形態は、約9.26、11.7、及び26.18度の2θ角度に特
徴的なX線粉末回折ピークを有する。該X線粉末回折パターンは、約7.46、24.26、及び24.
94度の2θ角度に特徴的なX線粉末回折ピークをさらに含むことができる。該結晶形態は、
約25℃から約300℃に加熱したときに該結晶形態の全質量のうちの約9.4%の全質量損失を
含む熱重量分析サーモグラムを有することができる。該結晶形態は、約25℃から約300℃
に加熱したときに約80℃で最大値を有する約50℃〜約140℃での吸熱を含む単一示差熱分
析サーモグラムを有することができる。該単一示差熱分析サーモグラムは、約181℃で最
大値を有する約160℃〜約200℃の発熱をさらに含むことができる。該単一示差熱分析サー
モグラムは、約251℃で最大値を有する約225℃〜約275℃の吸熱をさらに含むことができ
る。該結晶形態は水和されたものであることができる。該結晶形態は、2モル当量の水を
含むことができる。該結晶形態は実質的に純粋であることができる。
さらに本明細書に提供されるのは、化合物1又はその互変異性体を含む非晶質形態であ
る。該非晶質形態は、約188.1℃で最大値を有する約160℃〜約200℃での吸熱を含む示差
走査熱量測定サーモグラムを有する。該非晶質形態は約120℃のガラス転移温度を有する
。該非晶質形態は実質的に純粋であることができる。
本明細書に提供される固体形態は、薬剤として使用することができる。ある実施態様に
おいて、化合物1及びその互変異性体の固体形態は、癌及びキナーゼ経路、例えば、mTOR/
PI3K/Akt経路の阻害によって治療可能又は予防可能な疾患を治療又は予防するのに有用で
ある。本明細書に提供される固体形態は、癌、炎症性疾患、免疫学的疾患、神経変性疾患
、糖尿病、肥満、神経学的障害、加齢関連疾患、心血管疾患、又はキナーゼ経路の阻害に
よって治療可能もしくは予防可能な疾患を治療又は予防する方法で使用することができる
。該方法は、本明細書に提供される結晶形態の有効量を、それを必要としている対象に投
与することを含む。該キナーゼ経路はTORキナーゼ経路である。
化合物1及びその互変異性体の固体形態は、完全奏功、部分奏功、又は安定の固形腫瘍
における治療効果判定基準(例えば、RECIST 1.1)を対象において達成する方法で使用する
ことができる。該方法は、本明細書に提供される結晶形態の有効量を、固形腫瘍を有する
対象に投与することを含む。
化合物1及びその互変異性体の固体形態は、NHLの国際ワークショップ基準(IWC)、多発
性骨髄腫の治療効果判定国際統一基準(IURC)、東部共同腫瘍学グループのパフォーマンス
ステータス(ECOG)、又はGBMの神経腫瘍学治療効果評価(RANO)ワーキンググループを改善
する方法で使用することができる。該方法は、本明細書に提供される結晶形態の有効量を
、それを必要としている対象に投与することを含む。
本実施態様は、非限定的な実施態様を例証することが意図される詳細な説明及び実施例
を参照することによって、より完全に理解することができる。
(4.図面の簡単な説明)
図1は、化合物1の形態1、2、3、4、及び5のX線粉末ディフラクトグラムスタックプロットを示す図である。
図2は、化合物1の形態1のX線粉末ディフラクトグラムプロットを示す図である。
図3は、化合物1の形態1のデジタル画像を示す図である。
図4は、化合物1の形態1の熱重量分析及び単一示差熱分析を示す図である。
図5は、化合物1の形態1の質量分光法と連動した熱重量分析を示す図である。
図6は、化合物1の形態1の質量分析と連動した高速液体クロマトグラフィーを示す図である。
図7は、化合物1の形態1、形態2、及び加速劣化条件(AAC)への曝露後の形態2のX線粉末ディフラクトグラムスタックプロットを示す図である。
図8Aは、化合物1の形態2のデジタル画像を示す図である。
図8Bは、加速劣化条件への曝露後の化合物1の形態2のデジタル画像を示す図である。
図9は、化合物1の形態2の熱重量分析及び単一示差熱分析を示す図である。
図10は、化合物1の形態2の質量分光法と連動した熱重量分析を示す図である。
図11は、化合物1の形態2の質量分析と連動した高速液体クロマトグラフィーを示す図である。
図12は、化合物1の形態1、形態3、及び加速劣化条件(AAC)への曝露後の形態3のX線粉末ディフラクトグラムスタックプロットを示す図である。
図13Aは、化合物1の形態3のデジタル画像を示す図である。
図13Bは、加速劣化条件への曝露後の化合物1の形態3のデジタル画像を示す図である。
図14は、化合物1の形態3の熱重量分析及び単一示差熱分析を示す図である。
図15は、化合物1の形態3の質量分光法と連動した熱重量分析を示す図である。
図16は、化合物1の形態3の質量分析と連動した高速液体クロマトグラフィーを示す図である。
図17は、化合物1の形態1、湿潤固体としての形態4、乾燥固体としての形態4、非晶質形態、及び化合物1の加速劣化条件(AAC)への曝露後の乾燥固体としての形態1と形態4の混合物のX線粉末ディフラクトグラムスタックプロットを示す図である。
図18Aは、湿潤固体としての化合物1の形態4のデジタル画像を示す図である。
図18Bは、乾燥固体としての化合物1の形態4のデジタル画像を示す図である。
図19は、化合物1の形態4の熱重量分析及び単一示差熱分析を示す図である。
図20は、化合物1の形態4の質量分光法と連動した熱重量分析を示す図である。
図21は、化合物1の形態4の質量分析と連動した高速液体クロマトグラフィーを示す図である。
図22は、化合物1の形態1、形態5、及び加速劣化条件(AAC)への曝露後の形態5のX線粉末ディフラクトグラムスタックプロットを示す図である。
図23Aは、化合物1の形態5のデジタル画像を示す図である。
図23Bは、加速劣化条件への曝露後の化合物1の形態5のデジタル画像を示す図である。
図24は、化合物1の形態5の熱重量分析及び単一示差熱分析を示す図である。
図25は、化合物1の形態5の質量分光法と連動した熱重量分析を示す図である。
図26は、化合物1の形態5の質量分析と連動した高速液体クロマトグラフィーを示す図である。
図27は、非晶質化合物1の示差走査熱量測定サーモグラムを示す図である。
図28は、非晶質化合物1のX線粉末ディフラクトグラムを示す図である。
図29は、非晶質化合物1のラマンスペクトルを示す図である。
図30は、非晶質化合物1のプロトン核磁気共鳴スペクトルを示す図である。
図31は、非晶質化合物1の質量分析と連動した高速液体クロマトグラフィーを示す図である。
図32は、そのガラス転移温度の決定のための非晶質化合物1の示差走査熱量測定サーモグラムを示す図である。
(5.詳細な説明)
(5.1 定義)
本明細書で使用される場合、「医薬として許容し得る塩(複数可)」という用語は、無
機酸及び無機塩基並びに有機酸及び有機塩基を含む医薬として許容し得る無毒な酸又は塩
基から調製される塩を指す。好適な医薬として許容し得る塩基付加塩としては、アルミニ
ウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、及び亜鉛から作ら
れる金属塩、又はリジン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリ
ン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N-メチルグルカミン)、及びプ
ロカインから作られる有機塩が挙げられるが、これらに限定されない。好適な無毒な酸と
しては、酢酸、アルギン酸、アントラニル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファ
ースルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、フロ酸、ガラクツロン酸
、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グリコール酸、臭化水素酸、塩酸、イセチ
オン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸
、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリ
ン酸、コハク酸、スルファニル酸、硫酸、酒石酸、及びp-トルエンスルホン酸などの無機
酸及び有機酸が挙げられるが、これらに限定されない。具体的な無毒な酸としては、塩酸
、臭化水素酸、リン酸、硫酸、及びメタンスルホン酸が挙げられる。したがって、具体的
な塩の例としては、塩酸塩及びメシル酸塩が挙げられる。他のものも当技術分野で周知で
ある。例えば、レミントンの医薬品科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)、第18
版、Mack Publishing, Easton PA(1990)、又はレミントン:薬学の科学及び実践(Remingto
n: The Science and Practice of Pharmacy)、第19版、Mack Publishing, Easton PA(199
5)を参照されたい。
化合物1の医薬として許容し得る塩は、従来の及び公知の技法によって、例えば、化合
物1を上に開示されている好適な酸と反応させることによって形成させることができる。
そのような塩は、通常、適温で高収率で形成され、多くの場合、単に化合物を合成の最終
工程における好適な酸性洗浄から単離することによって調製される。塩を形成する酸は、
適当な有機溶媒、又は水性有機溶媒、例えば、アルカノール、ケトン、もしくはエステル
に溶解させることができる。他方、化合物1が遊離塩基形態で所望される場合、それを、
既知の技法に従って、塩基性の最終洗浄工程から単離することができる。例えば、塩酸塩
を調製するための典型的な技法は、化合物1の遊離塩基を好適な溶媒に溶解させ、この溶
液を、分子篩上でのように徹底的に乾燥させた後、その中に塩化水素ガスを通してバブリ
ングすることである。
本明細書で使用される場合、別途示されない限り、「立体異性体」又は「立体異性的に
純粋な」という用語は、その化合物の他の立体異性体を実質的に含まない化合物の1つの
立体異性体を意味する。例えば、1つのキラル中心を有する立体異性的に純粋な化合物は
、該化合物の反対のエナンチオマーを実質的に含まない。2つのキラル中心を有する立体
異性的に純粋な化合物は、該化合物の他のジアステレオマーを実質的に含まない。典型的
な立体異性的に純粋な化合物は、約80重量%超の該化合物の1つの立体異性体及び約20重
量%未満の該化合物の他の立体異性体、約90重量%超の該化合物の1つの立体異性体及び
約10重量%未満の該化合物の他の立体異性体、約95重量%超の該化合物の1つの立体異性
体及び約5重量%未満の該化合物の他の立体異性体、又は約97重量%超の該化合物の1つの
立体異性体及び約3重量%未満の該化合物の他の立体異性体を含む。化合物はキラル中心
を有することができ、かつラセミ化合物、個々のエナンチオマー又はジアステレオマー、
及びこれらの混合物として生じることができる。全てそのような異性体形態は、その混合
物を含め、本明細書に開示される実施態様に含まれる。そのような化合物の立体異性的に
純粋な形態の使用、及びそれらの形態の混合物の使用は、本明細書に開示される実施態様
によって包含される。例えば、等量又は不等量の特定の化合物のエナンチオマーを含む混
合物を本明細書に開示される方法及び組成物で使用することができる。これらの異性体は
、不斉合成するか、又はキラルカラムもしくはキラル分割剤などの標準的な技法を用いて
分割することができる。例えば、Jacques, J.,らの文献、エナンチオマー、ラセミ化合物
、及び分割(Enantiomers, Racemates and Resolutions)(Wiley-Interscience, New York,
1981); Wilen, S. H.らの文献、Tetrahedron 33:2725(1977); Eliel, E. L.の文献、炭
素化合物の立体化学(Stereochemistry of Carbon Compounds)(McGraw-Hill, NY, 1962);
及びWilen, S. H.の文献、分割剤及び光学分割の表(Tables of Resolving Agents and Op
tical Resolutions)、268ページ(E.L. Eliel編、Univ. of Notre Dame Press, Notre Dam
e, IN, 1972)を参照されたい。
化合物は、E異性体及びZ異性体又はこれらの混合物、並びにシス異性体及びトランス異
性体又はこれらの混合物を含むことができることにも留意すべきである。ある実施態様に
おいて、化合物は、シス異性体又はトランス異性体のいずれかとして単離される。他の実
施態様において、化合物は、シス異性体とトランス異性体の混合物である。
「互変異性体」は、互いに平衡状態にある化合物の異性体形態を指す。該異性体形態の
濃度は、該化合物が見出される環境によって決まり、例えば、該化合物が固体であるのか
、又は有機溶液もしくは水溶液中にあるのかに応じて異なり得る。例えば、水溶液中で、
ピラゾールは、以下の異性体形態を示すことができ、これらは、互いの互変異性体と呼ば
れる:
Figure 2019116491
当業者によって容易に理解されるように、多種多様な官能基及び他の構造が互変異性を
示すことができ、化合物1の全ての互変異性体が本発明の範囲内にある。
化合物1が、1以上の原子において非天然の比率の原子同位体を含有することができるこ
とにも留意すべきである。例えば、化合物1は、放射性同位体、例えば、トリチウム(3H)
、もしくは炭素-14(14C)などで放射性標識されていてもよく、又は重水素(2H)、炭素-13(
13C)、もしくは窒素-15(15N)などで同位体濃縮されていてもよい。本明細書で使用される
場合、「アイソトポログ」は、同位体濃縮された化合物である。「同位体濃縮された」と
いう用語は、その原子の天然の同位体組成以外の同位体組成を有する原子を指す。「同位
体濃縮された」は、その原子の天然の同位体組成以外の同位体組成を有する少なくとも1
つの原子を含有する化合物を指すこともできる。「同位体組成」という用語は、所与の原
子についての各々の同位体の存在量を指す。放射性標識された化合物及び同位体濃縮され
た化合物は、治療剤、例えば、癌及び炎症の治療剤、研究試薬、例えば、結合アッセイ試
薬、並びに診断剤、例えば、インビボイメージング剤として有用である。化合物1の全て
の同位体変形物は、放射性であるか否かにかかわらず、本明細書に提供される実施態様の
範囲内に包含されることが意図される。いくつかの実施態様において、化合物1のアイソ
トポログが提供され、例えば、該アイソトポログは、重水素、炭素-13、又は窒素-15濃縮
された化合物1である。
「固体形態」という用語は、主に液体状態でも気体状態でもない物理的形態を指す。本
明細書で使用される場合、別途規定されない限り、化合物1を指すために本明細書で使用
されるときの「固体形態」という用語は、主に液体状態でも気体状態でもない化合物1を
含む物理的形態を指す。固体形態は、結晶性形態、非晶質形態、又はこれらの混合物であ
り得る。ある実施態様において、固体形態は液晶であり得る。ある実施態様において、「
化合物1を含む固体形態」という用語は、化合物1を含む結晶形態、化合物1を含む非晶質
形態、及びこれらの混合物を含む。ある実施態様において、化合物1の固体形態は、形態1
、形態2、形態3、形態4、形態5、非晶質、又はこれらの混合物である。
本明細書で使用される場合、別途規定されない限り、化合物、物質、修飾、材料、成分
、又は生成物を説明するために使用されるときの「結晶性」という用語は、別途規定され
ない限り、該化合物、物質、修飾、材料、成分、又は生成物が、X線回折によって決定し
たとき、実質的に結晶性であることを意味する。例えば、レミントン:薬学の科学及び実
践、第21版、Lippincott, Williams and Wilkins, Baltimore, MD(2005);米国薬局方(Uni
ted State Pharmacopoeia)、第23版、1843-1844(1995)を参照されたい。
「結晶形態」又は「結晶性形態」という用語は、結晶性である固体形態を指す。ある実
施態様において、結晶形態は塩を含む。ある実施態様において、物質の結晶形態は、非晶
質形態及び/又は他の結晶形態を実質的に含まないものであり得る。ある実施態様におい
て、物質の結晶形態は、約1重量%未満、約2重量%未満、約3重量%未満、約4重量%未満
、約5重量%未満、約6重量%未満、約7重量%未満、約8重量%未満、約9重量%未満、約1
0重量%未満、約15重量%未満、約20重量%未満、約25重量%未満、約30重量%未満、約3
5重量%未満、約40重量%未満、約45重量%未満、又は約50重量%未満の1以上の非晶質形
態及び/又は他の結晶形態を含み得る。ある実施態様において物質の結晶形態は、物理的
に及び/又は化学的に純粋であり得る。ある実施態様において、物質の結晶形態は、約99
%、約98%、約97%、約96%、約95%、約94%、約93%、約92%、約91%、又は約90%物
理的に及び/又は化学的に純粋であり得る。
「非晶質」又は「非晶質形態」という用語は、当該の物質、成分、又は生成物が、X線
回折によって決定したとき、実質的に結晶性ではないことを意味する。特に、「非晶質形
態」という用語は、秩序のない固体形態、すなわち、長距離の結晶性秩序を欠く固体形態
を説明するものである。ある実施態様において、物質の非晶質形態は、他の非晶質形態及
び/又は結晶形態を実質的に含まないものであり得る。ある実施態様において、物質の非
晶質形態は、重量ベースで約1重量%未満、約2重量%未満、約3重量%未満、約4重量%未
満、約5重量%未満、約10重量%未満、約15重量%未満、約20重量%未満、約25重量%未
満、約30重量%未満、約35重量%未満、約40重量%未満、約45重量%未満、又は約50重量
%未満の1以上の他の非晶質形態及び/又は結晶形態を含み得る。ある実施態様において、
物質の非晶質形態は、物理的に及び/又は化学的に純粋であり得る。ある実施態様におい
て、物質の非晶質形態は、約99%、約98%、約97%、約96%、約95%、約94%、約93%、
約92%、約91%、又は約90%物理的に及び/又は化学的に純粋である。
本明細書で使用される「治療すること」は、疾患もしくは障害、又は該疾患もしくは障
害と関連する症状の全体的もしくは部分的な緩和、或いは該疾患もしくは障害、又は該疾
患もしくは障害と関連する症状のさらなる進行又は悪化の減速又は停止を意味する。
本明細書で使用される「予防すること」は、疾患又は障害を発生させるリスクがある患
者における、該疾患もしくは障害、又は該疾患もしくは障害と関連する症状の発症、再発
、又は拡散の予防を意味する。
化合物1の固体形態との関連における「有効量」という用語は、一実施態様において、
障害もしくは疾患と関連する症状を全体的もしくは部分的に緩和し又はそれらの症状のさ
らなる進行もしくは悪化を減速もしくは停止させることができる量、或いは別の実施態様
において、本明細書に開示される疾患又は障害、例えば、癌を発生させるリスクがある対
象において、該疾患もしくは障害を予防し又は該疾患もしくは障害に対する予防を提供す
ることができる量を意味する。一実施態様において、化合物1の有効量は、細胞内のキナ
ーゼを、例えば、インビトロ又はインビボなどで阻害する量である。一実施態様において
、該キナーゼは、mTOR、DNA-PK、PI3K、又はこれらの組合せである。いくつかの実施態様
において、化合物1の有効量は、細胞内のキナーゼを、未処理細胞内のキナーゼの活性と
比較して10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は99%阻害する。
例えば、医薬組成物中の化合物1の有効量は、所望の効果を発揮することになるレベルで
あることができ;例えば、経口投与と非経口投与の両方の単位投薬量中、対象の体重1kg当
たり約0.005mgから患者の体重1kg当たり約100mgであることができる。当業者には明らか
であるように、本明細書に開示される化合物1の有効量は、治療されている適応症によっ
て異なり得ることが予想され、例えば、炎症性疾患に罹患しているか又はそのリスクがあ
る患者を治療するための化合物1の有効量は、異なる障害、例えば、癌又は代謝障害に罹
患しているか又はそのリスクがある患者を治療するための化合物1の有効量と比べて異な
る可能性が高いであろう。
「患者」という用語は、限定されないが、ウシ、サル、ウマ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ
、シチメンチョウ、ウズラ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、又はモルモットなど
の動物、一実施態様においては、哺乳動物、別の実施態様においては、ヒトを含む、動物
を含む。
「癌」という用語は、周囲の組織に浸潤し、かつ新しい身体部位に転移することができ
る細胞の増殖を特徴とする様々な悪性新生物のいずれかを指す。良性腫瘍と悪性腫瘍はど
ちらも、それらが発見される組織の種類に従って分類される。例えば、線維腫は、線維性
結合組織の新生物であり、メラノーマは、色素(メラニン)細胞の異常増殖物である。例え
ば、皮膚、気管支、及び胃の上皮組織に由来する悪性腫瘍は、上皮性悪性腫瘍(carcinoma
)と呼ばれる。***、前立腺、及び結腸に見られるような腺上皮組織の悪性腫瘍は、腺癌
として知られる。結合組織、例えば、筋肉、軟骨、リンパ組織、及び骨の悪性増殖物は、
肉腫と呼ばれる。リンパ腫及び白血病は、白血球の中で生じる悪性腫瘍である。転移のプ
ロセスを通じて、身体の他の部位への腫瘍細胞の移動は、最初の出現部位から離れた部位
に新生物を定着させる。骨組織は、全癌症例の約30%で生じる悪性腫瘍の転移の最好発部
位の1つである。悪性腫瘍の中で、肺癌、乳癌、前立腺癌などは、骨に転移する可能性が
高いことが特に知られている。
新生物、癌、腫瘍成長、又は腫瘍細胞成長との関連において、阻害を、とりわけ、原発
性もしくは二次性腫瘍の出現の遅延、原発性もしくは二次性腫瘍の発生の減速、原発性も
しくは二次性腫瘍の発症の減少、疾患の二次的効果の重症度の減速又は減少、腫瘍成長の
停止、及び腫瘍の退行によって評価することができる。極端には、完全な阻害は、本明細
書において予防又は化学予防と称される。この文脈において、「予防」という用語は、臨
床的に明らかな新生物形成の発生を完全に予防すること、又はリスクのある個人において
、前臨床的に明らかな段階の新生物形成の発生を予防することのいずれかを含む。悪性細
胞への形質転換の予防又は前悪性細胞から悪性細胞への進行を停止もしくは逆行させるこ
ともこの定義により包含されるものとする。これは、新生物形成を発生するリスクのある
人々の予防的な治療を含む。
ある実施態様において、リンパ腫の治療は、非ホジキンリンパ腫(NHL)の国際ワークシ
ョップ基準(IWC)(Cheson BD, Pfistner B, Juweid, MEらの文献、悪性リンパ腫の改訂さ
れた治療効果判定基準(Revised Response Criteria for Malignant Lymphoma.)、J. Clin
. Oncol: 2007: (25) 579-586を参照)により、以下に示される治療効果及びエンドポイン
ト定義を用いて評価することできる:
Figure 2019116491
略語: CR、完全寛解; FDG、[18F]フルオロデオキシグルコース; PET、陽電子放出断層撮
影法; CT、コンピュータ断層撮影法; PR、部分寛解; SPD、二方向積和; SD、安定; PD、
進行。
Figure 2019116491
略語: CR:完全寛解; PR:部分寛解。
一実施態様において、リンパ腫のエンドポイントは、臨床的に有益なエビデンスである
。臨床的有益性は、生活の質の改善、又は患者の症状、輸血の必要、頻繁な感染、もしく
は他のパラメータの低減を反映し得る。リンパ腫関連症状の再出現又は増悪までの期間も
、このエンドポイントに利用することできる。
ある実施態様において、CLLの治療は、CLLの国際ワークショップガイドライン(Interna
tional Workshop Guidelines for CLL)(Hallek M, Cheson BD, Catovsky Dらの文献、「
慢性リンパ球性白血病の診断及び治療のためのガイドライン:米国立癌研究所ワーキング
グループの1996年ガイドラインを更新する慢性リンパ球性白血病の国際ワークショップか
らの報告(Guidelines for the diagnosis and treatment of chronic lymphocytic leuke
mia: a report from the International Workshop on Chronic Lymphocytic Leukemia up
dating the National Cancer Institute-Working Group 1996 guidelines)」、Blood, 20
08;(111) 12: 5446-5456)参照)により、その中に示された治療効果及びエンドポイントの
定義、特に、以下のものを用いて評価することができる:
Figure 2019116491
グループAの基準は、腫瘍量を定義し;グループBの基準は造血系(又は骨髄)の機能を定
義する。CR(完全寛解):基準の全てを満たさなければならず、患者は疾病関連の全身症状
がないことが必要である; PR(部分寛解):グループAの基準の少なくとも2つに加えてグル
ープBの基準の1つを満たさなければならない; SDは、進行(PD)が無く、少なくともPRを達
成できないことである; PD:グループA又はグループBの上記基準の少なくとも1つを満たさ
なくてはならない。多数のリンパ節の積和(臨床試験においてCTスキャンにより、又は一
般診療における身体診察により評価)。これらのパラメータは、いくつかの治療効果カテ
ゴリーについては無関係である。
ある実施態様において、多発性骨髄腫の治療は、多発性骨髄腫の治療効果判定国際統一
基準(IURC)(Durie BGM, Harousseau J-L, Miguel JSらの文献、多発性骨髄腫の治療効果
判定国際統一基準(International uniform response criteria for multiple myeloma.)
、Leukemia, 2006;(10) 10: 1-7参照)により、以下に示される治療効果及びエンドポイン
トの定義を用いて評価することができる:
Figure 2019116491
略語:CR、完全奏功; FLC、遊離軽鎖; PR、部分奏功; SD、安定; sCR、厳密完全奏功; V
GPR、極めて良好な部分奏功;a全ての治療効果カテゴリーは、新しい療法の開始前の任意
の時期になされた2つの連続した評価を要する;全てのカテゴリーは、X線撮影試験が実施
される場合、進行性又は新しい骨の病巣の既知のエビデンスが無いことも要する。これら
の治療効果要件を満たすためにはX線撮影試験は必要でない;b反復骨髄生検による確認は
必要でない;cクローン細胞の有無はκ/λ比に基づく。免疫組織化学検査及び/又は免疫蛍
光検査による異常なκ/λ比には、分析用に最低100個の形質細胞を要する。異常なクロー
ンの存在を反映する異常な比は、>4:1又は<1:2のκ/λである。d以下の測定値の少なく
とも1つにより定義される測定可能病変:骨髄形質細胞≧30%;血清Mタンパク質≧1g/dl(≧
10gm/l)[10g/l];尿Mタンパク質≧200mg/24時間;血清FLCアッセイ:関連FLCレベル≧10mg/d
l(≧100mg/l);血清FLC比が異常である場合。
ある実施態様において、癌の治療は、固形腫瘍における治療効果判定基準(RECIST 1.1)
(Thereasse P.らの文献、固形腫瘍の治療に対する効果を判定する新ガイドライン(New Gu
idelines to Evaluate the Response to Treatment in Solid Tumors.)、J. of the Nati
onal Cancer Institute; 2000;(92) 205-216及びEisenhauer E.A., Therasse P., Bogaer
ts J.らの文献、固形腫瘍における新しい治療効果判定基準:改訂版RECISTガイドライン(
第1.1版)(New response evaluation criteria in solid tumours: Revised RECIST guide
line(version 1.1))、European J. Cancer; 2009;(45) 228-247を参照されたい)により評
価することができる。新病変の出現を伴う又は伴わない標的病変又は非標的病変における
腫瘍応答の全ての可能な組合せの総合治療効果は、次の通りである:
Figure 2019116491
CR=完全奏功; PR=部分奏功; SD=安定;及びPD=進行。
標的病変の評価に関して、完全奏功(CR)は、標的病変全ての消失であり、部分奏功(PR)
は、ベースライン長径の和と比較した、標的病変の最長径の和の少なくとも30%の減少で
あり、進行(PD)は、治療開始以降に記録された最小の最長径の和と比較して標的病変の最
長径の和の少なくとも20%の増加又は1以上の新病変の出現であり、安定(SD)は、治療開
始以降の最小の最長径の和と比較して、部分奏功を満たすには十分な縮小でなく、進行を
満たすには十分な増加でもない。
非標的病変の評価に関して、完全奏功(CR)は、非標的病変全ての消失及び腫瘍マーカー
レベルの正常化であり;不完全奏功/安定(SD)は、1以上の非標的病変(複数可)の残存及
び/又は正常限界値を超えた腫瘍マーカーレベルの維持であり、進行(PD)は、1以上の新病
変の出現及び/又は既存の非標的病変の明らかな進行である。
以下に記載される手順、慣例、及び定義は、高悪性度神経膠腫の治療効果判定基準に関
する神経腫瘍学治療効果評価(RANO)ワーキンググループ(Response Assessment for Neuro
-Oncology (RANO) Working Group regarding response criteria for high-grade glioma
s)からの勧告を実施するためのガイドラインを与える(Wen P., Macdonald, DR., Reardon
, DA.らの文献、改訂された高悪性度神経膠腫の治療効果評価基準:神経腫瘍学ワーキング
グループにおける効果評価(Updated response assessment criteria for highgrade glio
mas: Response assessment in neuro-oncology working group.)、J Clin Oncol 2010; 2
8: 1963-1972)。時点効果の基準(Criteria for Time Point Responses)(TPR)のためのRAN
O基準に対する主要な変更点は、グルココルチコイド投与量の変化を定義する操作上の慣
例の追加及び客観的な放射線学評価に集中するための対象の臨床的な増悪成分の除去を含
み得る。ベースラインMRIスキャンは、化合物治療を再開する前の手術後の安静期間の最
後に実施される評価と定義される。ベースラインMRIは、完全奏功(CR)及び部分奏功(PR)
を評価するための基準として使用される。ところが、ベースライン又はその後の評価時に
得られる最小SPD(垂直な径の積和)は、最下点評価と称され、進行を決定するための基準
として使用される。プロトコルに定義されるMRIスキャンに先立つ5日間に、対象は、グル
ココルチコイドを全く服用しないか、安定した投与量のグルココルチコイドを服用するか
のいずれかである。安定した投与量は、MRIスキャンに先立つ連続した5日間の同じ1日量
と定義される。処方されたグルココルチコイド投与量がベースラインスキャン前の5日間
に変更される場合、新しいベースラインスキャンが、上述の基準を満たすグルココルチコ
イド使用とともに要求される。以下の定義が使用される。
測定可能病変:測定可能病変は、2次元的に測定可能なコントラスト増強病変である。最
大の増強腫瘍径(最長径、LDとしても知られる)が測定される。直交する最大の径が同じ画
像で測定される。2次元測定の十字線は交差しなければならず、これらの径の積が計算さ
れる。
最小径:断面が5mmであり1mmのスキップを有するT1-強調画像。測定可能病変の最小LDは
、5mm×5mmに設定される。標的病変として含める及び/又は標的病変として指定するため
には、より大きな径が必要とされ得る。ベースラインの後、測定のための最低要件より小
さくなった標的病変又は2次元測定に適さなくなった標的病変は、5mm未満の各直径に対し
て5mmの初期値で記録される。消失する病変は0mm×0mmと記録される。
多中心病変:多中心である(連続的ではなく)とみなされる病変は、2つ(又はそれより多
く)の病変の間に正常な介在する脳組織がある病変である。分離した増強の中心(foci of
enhancement)である多中心病変では、アプローチは、包含基準を満たす各々の増強する病
変を別々に測定することである。2つ(又はそれより多く)の病変の間に正常な脳組織が全
くない場合、それらは同じ病変とみなされる。
測定不能病変:先に定義された測定可能疾患の基準を満たさない全病変並びに全ての非
増強性病変及び他の真に測定不能な病変は、測定不能病変とみなされる。測定不能病変に
は、指定された最小径未満である(すなわち、5mm×5mm未満である)増強の中心、非増強性
病変(例えば、T1-強調増強画像、T2-強調画像、又は流体減衰反転回復(FLAIR)画像に見ら
れる)、出血性又は顕著な嚢胞性もしくは壊死性病変、及び軟膜腫瘍が含まれる。出血性
病変は、増強性の腫瘍と誤解され得る固有のT1強調過強度をしばしば有し、この理由のた
め、増強前のT1-強調画像が、ベースライン又は間欠期の亜急性出血を除外するために調
査されることがある。
ベースラインでは、病変は次のように分類される:標的病変:5つまでの測定可能病変が
、各々少なくとも10mm×5mmの大きさを有する、対象の疾患を代表する標的病変として選
択され得る;非標的病変:全ての測定不能病変(圧迫所見及びT2/FLAIR所見を含む)及び標的
病変として選択されないあらゆる測定可能病変を含む他の全ての病変。ベースラインでは
、標的病変は、測定可能病変の定義に記載されている通り測定されるものとし、全標的病
変のSPDが決定されるものとする。他の全ての病変の存在が文書化されるものとする。全
ての治療後評価において、標的病変及び非標的病変としての病変のベースライン分類は維
持され、病変は、長期にわたり一定の様式で文書化及び記載される(例えば、同じ順序で
元の文書及びeCRFに記録される)。全ての測定可能病変及び測定不能病変は、変化を解釈
する際の問題を低減するために、試験期間にわたって、ベースラインと同じ技法を利用し
て評価されなければならない(例えば、対象は、同じMRIスキャナーで、又は少なくとも同
じ磁場強度で画像化されなければならない)。各評価で、標的病変が測定され、SPDが計算
される。非標的病変は定性的に評価され、新病変は、存在する場合、別々に文書化される
。各評価で、時点効果は、標的病変、非標的病変、及び新病変について決定される。腫瘍
の進行は、病変の一部のみが評価される場合でも証明され得る。しかしながら、進行が観
察されない限り、全病変が評価される場合にのみ客観的な状態(安定、PR、又はCR)が決定
され得る。
CR及びPRの総合時点効果に対する確認評価は、次に予定されている評価で実施されるが
、スキャンの間隔が28日未満である場合、確認は実施されなくてもよい。確認の必要性を
組み入れた最良の治療効果は、一連の時点から得られることになる。
ある実施態様において、癌の治療は、TORキナーゼ阻害剤による治療の前、その間、及
び/又はその後の、循環血及び/又は腫瘍細胞、及び/又は皮膚生検、又は腫瘍生検/吸引液
におけるS6RP、4E-BP1、AKT、及び/又はDNA-PKのリン酸化の阻害により評価され得る。例
えば、S6RP、4E-BP1、AKT、及び/又はDNA-PKのリン酸化の阻害は、B細胞、T細胞、及び/
又は単球で評価される。他の実施態様において、癌の治療は、DNA損傷経路のバイオマー
カーとしてのpDNA-PK S2056の量の評価によるなど、TORキナーゼ阻害剤治療の前、その間
、及び/又はその後の、皮膚試料及び/又は腫瘍生検/吸引液におけるDNA依存性タンパク質
キナーゼ(DNA-PK)活性の阻害により評価され得る。一実施態様において、皮膚試料はUV光
により照射される。
極端には、完全な阻害は、本明細書において予防又は化学予防と称される。この文脈に
おいて、「予防」という用語は、臨床的に明らかな癌の発生を完全に予防すること又は前
臨床的に明らかな段階の癌の発生を予防することのいずれかを含む。悪性細胞への形質転
換の予防又は前悪性細胞から悪性細胞への進行を停止もしくは逆行させることもこの定義
により包含されるものとする。これは、癌を発生するリスクのある人々の予防的な治療を
含む。
本明細書で使用される場合、別途示されない限り、「実質的に純粋」という用語は、化
合物の多形、すなわち、化合物の結晶形態又は非晶質形態を説明するために使用されると
き、その結晶形態又は非晶質形態を含み、かつ該化合物の他の多形を実質的に含まない、
化合物の結晶形態又は非晶質形態を意味する。
本明細書で使用される場合、別途規定されない限り、「約(about)」及び「約(approxim
ately)」という用語は、組成物又は剤形の成分の用量、量、又は重量パーセントとの関連
において使用されるとき、指定された用量、量、又は重量パーセントから得られる薬理学
的効果と同等の薬理学的効果をもたらすことが当業者によって認識されている用量、量、
又は重量パーセントを意味する。具体的に、この文脈において使用されるときの「約(abo
ut)」及び「約(approximately)」という用語は、指定された用量、量、又は重量パーセン
トの15%以内、より具体的には10%以内、より具体的には5%以内の用量、量、又は重量
パーセントを想定している。
本明細書で使用される場合、別途規定されない限り、「約(about)」及び「約(approxim
ately)」という用語は、特定の固体形態を特徴付けるために提供される数値又は値の範囲
、例えば、具体的な温度もしくは温度範囲、例えば、融解温度、脱水和温度、脱溶媒和温
度、もしくはガラス転移温度を記述したものなど;質量変化、例えば、温度もしくは湿度
の関数としての質量変化など;例えば、質量もしくはパーセンテージを単位とする、溶媒
もしくは水含有量;又はピーク位置、例えば、IRもしくはラマン分光法もしくはXRPDによ
る分析でのものなど;との関連において使用されるとき、該値又は値の範囲が当業者に妥
当であると考えられる程度に逸脱していてもよいが、それでも特定の固体形態を記述して
いることを示す。具体的に、この文脈において使用されるときの「約(about)」及び「約(
approximately)」という用語は、数値又は値の範囲が、特定の実施態様において、列挙さ
れた値又は値の範囲の20%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1.5%、1
%、0.5%、0.25%以内で変動し得ることを示す。例えば、いくつかの実施態様において
、XRPDピーク位置の値は、最大±0.2度の2θだけ変動し得るが、それでも特定のXRPDピー
クを記述している。
(5.2 化合物1)
本明細書に提供される固体形態、製剤、及び使用方法は、1-エチル-7-(2-メチル-6-(1H
-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-
2(1H)-オンという名前を有する化合物1、及び互変異性体に関するものである:
Figure 2019116491
化合物1の互変異性体には、以下のものが含まれる:
Figure 2019116491
化合物1は、当技術分野で公知の試薬及び方法を用いて調製することができ、該方法に
は、その各々の内容全体が引用により本明細書中に組み込まれる、2009年10月26日に出願
された米国特許第8,110,578号;2010年10月25日に出願された米国特許公開出願第2011/013
7028号;及び2013年4月17日に出願された米国仮特許出願第61/813,064号に提供されている
方法が含まれる。
図示された構造とその構造に与えられた名前との間に矛盾がある場合、図示された構造
がより重視されることになることに留意すべきである。さらに、構造又は構造の一部の立
体化学が、例えば、太線又は破線で示されていない場合、該構造又は構造の一部は、その
全ての立体異性体を包含するものと解釈されるべきである。
(5.3 化合物1の固体形態)
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、化合物1又はその互変異性体の固
体形態である。ある実施態様において、該固体形態は結晶性である。ある実施態様におい
て、該固体形態は単一成分固体形態である。ある実施態様において、該固体形態は溶媒和
物である。
任意の特定の理論によって束縛されることを意図するものではないが、特定の固体形態
は、医薬剤形及び治療剤形に適した物理的特性、例えば、安定性、溶解度、及び溶解速度
によって特徴付けられる。さらに、任意の特定の理論によって束縛されることを望むもの
ではないが、特定の固体形態は、固体剤形の製造に好適な特定の固体形態を作製する特定
のプロセス(例えば、産出、濾過、洗浄、乾燥、粉砕、混合、錠剤化、流動性、溶解性、
製剤化、及び凍結乾燥)に影響を及ぼす物理的特性(例えば、密度、圧縮性、硬度、形態、
切断、粘着性、溶解性、吸水、電気特性、熱挙動、固体反応性、物理的安定性、及び化学
的安定性)によって特徴付けられる。そのような特性は、本明細書に記載の及び当技術分
野で公知の、固体状態分析技法(例えば、X線回折、顕微鏡法、分光法、及び熱分析)を含
む、特定の分析化学的技法を用いて決定することができる。
本明細書に提供される固体形態(例えば、化合物1の形態1、形態2、形態3、形態4、形態
5、及び非晶質)は、限定されないが、単結晶X線回折、X線粉末回折(XRPD)、顕微鏡法(例
えば、走査電子顕微鏡法(SEM))、熱分析(例えば、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(T
GA)、及びホットステージ顕微鏡法)、分光法(例えば、赤外線、ラマン、及び固体状態核
磁気共鳴)、単一示差熱分析(SDTA)、質量分光法と連動した高速液体クロマトグラフィー(
HPLC-MS)、単一示差熱分析と連動した熱重量分析(TGA-SDTA)、並びに質量分光法と連動し
た熱重量分析(TGA-MS)を含む、当業者に公知のいくつかの方法を用いて特徴付けることが
できる。本明細書に提供される固体形態の粒径及び粒径分布は、レーザー光散乱技法など
の従来の方法によって決定することができる。
本明細書に提供される固体形態の純度は、薄層クロマトグラフィー(TLC)、ゲル電気泳
動、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、及び質量分析(MS)な
どの標準的な分析法によって決定することができる。
X線粉末回折パターンのピークの数値は、機器毎に又は試料毎に若干異なり得るので、
引用される値は、絶対的なものではなく、±0.2度の2θ(°2θ)などの許容されるばらつ
きを有するものとして解釈されるべきであることを理解すべきである(米国薬局方(United
State Pharmacopoeia)、2228ページ(2003)を参照されたい)。
(5.3.1 化合物1の形態1)
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、化合物1の形態1である。
一実施態様において、形態1は、化合物1の無水形態である。別の実施態様において、化
合物1の形態1は結晶性である。
ある実施態様において、本明細書に提供される固体形態、例えば、形態1は、例えば、X
線粉末回折測定によって示したとき、実質的に結晶性である。一実施態様において、化合
物1の形態1は、概ね図2に示すようなX線粉末回折パターンを有する。一実施態様において
、化合物1の形態1は、図2に示すように、約7.94、9.74、11.94、15.86、17.3、17.86、19
.46、25.14、26.42、27.06、27.98、又は29.38度の2θ角度に、1以上の特徴的なX線粉末
回折ピークを有する。具体的な実施態様において、化合物1の形態1は、約9.74、11.94、1
5.86、17.3、25.14、26.42、27.06、又は27.98度の2θ角度に、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ
、6つ、7つ、又は8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施態様において、化
合物1の形態1は、約9.74、15.86、25.14、又は27.06度の2θ角度に、1つ、2つ、3つ、又
は4つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施態様において、化合物1の形態1は
、表25に示すような1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、又は12の
特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
一実施態様において、化合物1の形態1は、概ね図3に示すようなデジタル画像を有する
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、約25℃から約300℃に加熱したとき
に約268.9℃で最大値を有する約240℃〜約285℃での吸熱事象を含む、図4に示すような単
一示差熱分析(SDTA)サーモグラムを有する化合物1の結晶性形態である(表24参照)。
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、図5に示すような代表的なTGAサーモ
グラムに概ね対応する熱重量分析(TGA)サーモグラフを有する化合物1の結晶性形態である
。ある実施態様において、該結晶性形態は、約20℃から約300℃に加熱したときに、約30
℃〜約250℃で試料の全質量のうちの約0.44%の全質量損失を含むTGAサーモグラムを示す
。したがって、ある実施態様において、該結晶性形態は、約周囲温度から約300℃に加熱
したときに、その全質量の約0.44%を失う。
さらに別の実施態様において、化合物1の形態1は実質的に純粋である。ある実施態様に
おいて、実質的に純粋な化合物1の形態1は、他の固体形態、例えば、非晶質形態を実質的
に含まない。ある実施態様において、実質的に純粋な化合物1の形態1の純度は、約95%以
上純粋、約96%以上純粋、約97%以上純粋、約98%以上純粋、約98.5%以上純粋、約99%
以上純粋、約99.5%以上純粋、又は約99.8%以上純粋である。
(5.3.2 化合物1の形態2)
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、化合物1の形態2である。
ある実施態様において、形態2は、特定の溶媒系、例えば、以下の溶媒又は溶媒の組合
せ:1,2-エタンジオール及びTHFのうちの1つ又は複数を含む溶媒系からの結晶化によって
得られる。ある実施態様において、本明細書に提供される形態2は、スラリー結晶化、蒸
発結晶化、又は熱循環結晶化によって得られる(表23参照)。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、化合物1の形態2を作製する方法で
あって、溶媒中の化合物1の形態1のスラリーを得ること、該スラリーを撹拌すること、固
体を該スラリーから濾過(例えば、遠心分離濾過)によって回収すること、並びに任意に洗
浄すること(例えば、該溶媒で洗浄すること)及び乾燥させることを含む、方法である。あ
る実施態様において、本明細書に提供されるのは、化合物1の形態2を作製する方法であっ
て、1,2-エタンジオール中の化合物1のスラリーを得ること、該スラリーを撹拌すること
、固体を該スラリーから遠心分離濾過によって回収すること、並びに任意に1,2-エタンジ
オールで洗浄すること及び乾燥させることを含む、方法である。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、化合物1の形態2を作製する方法で
あって、化合物1の形態1を溶媒に溶解させて、溶液を生じさせること、形態1が完全には
溶解しない場合、該溶液を濾過すること、及び該溶液を特定の気圧下で蒸発させて、固体
を生じさせることを含む、方法である。ある実施態様において、本明細書に提供されるの
は、化合物1の形態2を作製する方法であって、化合物1の形態1を1,2-エタンジオール/THF
(50/50)に溶解させて、溶液を生じさせること、形態1が完全には溶解しない場合、該溶液
を濾過すること、及び該溶液を200mbarの気圧下で蒸発させて、固体を生じさせることを
含む、方法である。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、化合物1の形態2を作製する方法で
あって、1)溶媒中の化合物1の形態1のスラリーを得ること;2)該スラリーを第1の温度(例
えば、約30℃〜約50℃)まで加熱すること;3)該スラリーを第2の温度(例えば、約-5℃〜約
15℃)に冷却すること;4)該スラリーを該第2の温度で一定期間維持すること;5)該スラリー
を工程1〜5の間撹拌すること;6)工程2〜5を(例えば、6〜10回)反復すること;及び7)該ス
ラリーを濾過して、固体を生じさせることを含む、方法である。ある実施態様において、
本明細書に提供されるのは、化合物1の形態2を作製する方法であって、1)1,2-エタンジオ
ール中の化合物1の形態1のスラリーを得ること;2)該スラリーを約40℃に加熱すること; 3
)該スラリーを約5℃にまで冷却すること;4)該スラリーを約5℃で約30分間維持すること;5
)該スラリーを工程1〜5の間撹拌すること;6)工程2〜5を8回反復すること;及び7)該スラリ
ーを濾過して、固体を生じさせることを含む、方法である。
一実施態様において、形態2は、化合物1の1,2-エタンジオール溶媒和形態である。一実
施態様において、形態2は、化合物1の1,2-エタンジオール一溶媒和形態である。別の実施
態様において、化合物1の形態2は結晶性である。
ある実施態様において、本明細書に提供される固体形態、例えば、形態2は、例えば、X
線粉末回折測定によって示したとき、実質的に結晶性である。一実施態様において、化合
物1の形態2は、概ね図7に示すようなX線粉末回折パターン(真ん中のパターン)を有する。
一実施態様において、化合物1の形態2は、図7に示すように、約6.18、10.02、11.54、12.
34、13.86、18.54、21.74、22.5、23.42、24.54、25.5、26.02、26.7、27.82、28.34、又
は34.14度の2θ角度に、1以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施態様
において、化合物1の形態2は、約6.18、12.34、18.54、21.74、22.5、23.42、26.7、又は
28.34度の2θ角度に、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又は8つの特徴的なX線粉末
回折ピークを有する。別の実施態様において、化合物1の形態2は、約6.18、12.34、21.74
、又は26.7度の2θ角度に、1つ、2つ、3つ、又は4つの特徴的なX線粉末回折ピークを有す
る。別の実施態様において、化合物1の形態2は、表26に示すような1つ、2つ、3つ、4つ、
5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、又は16の特徴的なX線粉末回折ピー
クを有する。
一実施態様において、化合物1の形態2は、概ね図8Aに示すようなデジタル画像を有する
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、図10に示すような代表的なTGAサー
モグラムに概ね対応する熱重量分析(TGA)サーモグラフを有する化合物1の結晶性形態であ
る。ある実施態様において、該結晶性形態は、約25℃から約300℃に加熱したときに約95
℃〜約175℃で試料の全質量のうちの約15.5%の全質量損失を含むTGAサーモグラムを示す
。したがって、ある実施態様において、該結晶性形態は、約周囲温度から約300℃に加熱
したときに、その全質量の約15.5%を失う。ある実施態様において、該結晶性形態は、化
合物1のモル当たり約1モルの1,2-エタンジオールに相当する1モル当量の溶媒を結晶格子
中に含む。化合物1の1,2-エタンジオール一溶媒和物の理論上の1,2-エタンジオール含有
量は15.6重量%であり、観察されるTGA重量損失と一致する。ある実施態様において、該
結晶性形態は、化合物1の1,2-エタンジオール一溶媒和物である。
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、約25℃から約300℃に加熱したとき
に約137℃で最大値を有する約95℃〜約176℃での吸熱事象を含む、図9に示すような単一
示差熱分析(SDTA)サーモグラムを有する化合物1の結晶性形態である(表24参照)。
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、約25℃から約300℃に加熱したとき
に約264℃で最大値を有する約240℃〜約285℃での吸熱事象を含む、図9に示すような単一
示差熱分析(SDTA)サーモグラムを有する化合物1の結晶性形態である(表24参照)。
さらに別の実施態様において、化合物1の形態2は実質的に純粋である。ある実施態様に
おいて、実質的に純粋な化合物1の形態2は、他の固体形態、例えば、非晶質形態を実質的
に含まない。ある実施態様において、実質的に純粋な化合物1の形態2の純度は、約95%以
上純粋、約96%以上純粋、約97%以上純粋、約98%以上純粋、約98.5%以上純粋、約99%
以上純粋、約99.5%以上純粋、又は約99.8%以上純粋である。
(5.3.3 化合物1の形態3)
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、化合物1の形態3である。
ある実施態様において、形態3は、特定の溶媒系、例えば、以下の溶媒又は溶媒の組合
せ:水又はシクロヘキサンのどちらかと組み合わせた2,2,2-トリフルオロエタノール(TFE)
、クロロホルム、及びイソプロパノールとアセトンの溶媒混合物のうちの1つ又は複数を
含む溶媒系からの結晶化によって得られる。ある実施態様において、形態3は、蒸発結晶
化、熱濾過結晶化、蒸気液体拡散結晶化、又は蒸気固体拡散結晶化によって得られる(表2
3参照)。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、化合物1の形態3を作製する方法で
あって、化合物1の形態1を溶媒又は溶媒混合物と混合すること、形態1が完全には溶解し
ない場合、該混合物を濾過して、溶液を生じさせること、及び該溶液を特定の気圧下で蒸
発させて、固体を生じさせることを含む、方法である。ある実施態様において、本明細書
に提供されるのは、化合物1の形態3を作製する方法であって、化合物1の形態1をTFE及び
水の1:1溶液と混合すること、形態1が完全には溶解しない場合、該混合物を濾過して、溶
液を生じさせること、並びに該TFE及び水の溶液を200mbarの気圧下で蒸発させて、固体を
生じさせることを含む、方法である。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、化合物1の形態3を作製する方法で
あって、溶媒中の化合物1の形態1のスラリーを得ること、該スラリーを第1の温度(例えば
、約50℃〜約70℃)に加熱すること、該スラリーを濾過して、溶液を生じさせること、該
溶液を第2の温度(例えば、約15℃〜約35℃)にまで冷却して、固体沈殿物を生じさせるこ
と、及び該固体を回収することを含む、方法である。ある実施態様において、本明細書に
提供されるのは、化合物1の形態3を作製する方法であって、アセトン及びイソプロパノー
ルの1:1溶液中の化合物1の形態1のスラリーを得ること、該スラリーを約60℃に加熱する
こと、該スラリーを濾過して、溶液を生じさせること、該溶液を約25℃にまで冷却して、
固体沈殿物を生じさせること、及び該固体を回収することを含む、方法である。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、化合物1の形態3を作製する方法で
あって、溶媒中の化合物1の形態1の飽和溶液を得ること、貧溶媒を該飽和溶液中に拡散さ
せること、沈殿がある場合、沈殿した固体を回収すること、及び沈殿がない場合、該溶媒
を蒸発させて、固体を回収することを含む、方法である。ある実施態様において、本明細
書に提供されるのは、化合物1の形態3を作製する方法であって、TFE中の化合物1の形態1
の飽和溶液を得ること、シクロヘキサンを該飽和溶液中に拡散させること、沈殿がある場
合、沈殿した固体を回収すること、及び沈殿がない場合、該溶媒を蒸発させて、固体を回
収することを含む、方法である。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、化合物1の形態3を作製する方法で
あって、化合物1の非晶質形態を得ること、溶媒を該化合物1の非晶質形態に一定期間(例
えば、約1週間〜約1カ月間)拡散させること、及び該固体を回収することを含む、方法で
ある。ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、化合物1の形態3を作製する方
法であって、化合物1の形態1を約2時間粉砕することによって化合物1の非晶質形態を得る
こと、クロロホルムを該化合物1の非晶質形態に約2週間拡散させること、及び該固体を回
収することを含む、方法である。
一実施態様において、形態3は、化合物1の2,2,2-トリフルオロエタノール溶媒和形態で
ある。一実施態様において、形態3は、化合物1の2,2,2-トリフルオロエタノール半溶媒和
形態である。別の実施態様において、化合物1の形態3は結晶性である。
一実施態様において、形態3は、化合物1のクロロホルム溶媒和形態である。一実施態様
において、形態3は、化合物1のクロロホルム半溶媒和形態である。
一実施態様において、形態3は、化合物1のアセトン溶媒和形態である。一実施態様にお
いて、形態3は、化合物1のアセトン半溶媒和形態である。
一実施態様において、形態3は、化合物1のイソプロパノール溶媒和形態である。一実施
態様において、形態3は、化合物1のイソプロパノール半溶媒和形態である。
ある実施態様において、本明細書に提供される固体形態(例えば、形態3)は、例えば、X
線粉末回折測定によって示したとき、実質的に結晶性である。一実施態様において、化合
物1の形態3は、概ね図12に示すようなX線粉末回折パターン(真ん中のパターン)を有する
。一実施態様において、化合物1の形態3は、図12に示すように、約3.5、7.06、9.26、10.
5、12.66、15.3、又は18.62度の2θ角度に、1以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する
。別の実施態様において、化合物1の形態3は、約3.5、9.26、15.3、又は18.62度の2θ角
度に、1つ、2つ、3つ、又は4つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施態様に
おいて、化合物1の形態3は、表27に示すような1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、又は7つ
の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
一実施態様において、化合物1の形態3は、概ね図13Aに示すようなデジタル画像を有す
る。
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、図15に示すような代表的な熱重量分
析(TGA)サーモグラムに概ね対応するTGAサーモグラフを有する化合物1の結晶性形態であ
る。ある実施態様において、該結晶性形態は、約25℃から約300℃に加熱したときに約35
℃〜約190℃で試料の全質量のうちの約12.8%の全質量損失を含むTGAサーモグラムを示す
。したがって、ある実施態様において、該結晶性形態は、約周囲温度から約300℃に加熱
したときに、その全質量の約12.8%を失う。ある実施態様において、該結晶性形態は、化
合物1のモル当たり約0.5モルの2,2,2-トリフルオロエタノールに相当する0.5モル当量の
溶媒を結晶格子中に含む。化合物1の2,2,2-トリフルオロエタノール半溶媒和物の理論上
の2,2,2-トリフルオロエタノール含有量は11.5重量%であり、観察されるTGA重量損失と
一致する。ある実施態様において、該結晶性形態は、化合物1の2,2,2-トリフルオロエタ
ノール半溶媒和物である。
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、約25℃から約300℃に加熱したとき
に約149℃で最大値を有する約110℃〜約175℃での吸熱事象を含む、図14に示すような単
一示差熱分析(SDTA)サーモグラムを有する化合物1の結晶性形態である(表24参照)。
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、約25℃から約300℃に加熱したとき
に約254℃で最大値を有する約225℃〜約275℃での図14に示すような吸熱事象を含むSDTA
サーモグラムを有する化合物1の結晶性形態である(表24参照)。
さらに別の実施態様において、化合物1の形態3は実質的に純粋である。ある実施態様に
おいて、実質的に純粋な化合物1の形態3は、他の固体形態、例えば、非晶質形態を実質的
に含まない。ある実施態様において、実質的に純粋な化合物1の形態3の純度は、約95%以
上純粋、約96%以上純粋、約97%以上純粋、約98%以上純粋、約98.5%以上純粋、約99%
以上純粋、約99.5%以上純粋、又は約99.8%以上純粋である。
(5.3.4 化合物1の形態4)
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、化合物1の形態4である。
ある実施態様において、形態4は、特定の溶媒系、例えば、以下の溶媒又は溶媒の組合
せ:ジメチルスルホキシド、水、及びトルエンのうちの1つ又は複数を含む溶媒系からの結
晶化から得られる。ある実施態様において、形態4は、貧溶媒結晶化及び蒸気液体拡散結
晶化によって得られる。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、化合物1の形態4を作製する方法で
あって、化合物1の形態1を溶媒に溶解させること、貧溶媒を添加すること、固体を該溶液
から濾過により回収すること、並びに任意に洗浄すること(例えば、該溶液の同じ比率の
溶媒と貧溶媒の混合物で洗浄すること)及び乾燥させることを含む、方法である。ある実
施態様において、本明細書に提供されるのは、化合物1の形態4を作製する方法であって、
化合物1の形態1をジメチルスルホキシドに溶解させること、水を添加すること、固体を該
溶液から濾過により回収すること、並びに任意に該溶液の同じ比率のジメチルスルホキシ
ドと水の混合物で洗浄すること及び乾燥させることを含む、方法である。ある実施態様に
おいて、本明細書に提供されるのは、化合物1の形態4を作製する方法であって、化合物1
の形態1をジメチルスルホキシドに溶解させること、トルエンを添加すること、固体を該
溶液から濾過により回収すること、並びに任意に該溶液の同じ比率のジメチルスルホキシ
ドとトルエンの混合物で洗浄すること及び乾燥させることを含む、方法である。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、化合物1の形態4を作製する方法で
あって、溶媒中の化合物1の形態1の飽和溶液を得ること、貧溶媒を該飽和溶液中に拡散さ
せること、沈殿がある場合、沈殿した固体を回収すること、及び沈殿がない場合、該溶媒
を蒸発させて、固体を回収することを含む、方法である。ある実施態様において、本明細
書に提供されるのは、化合物1の形態4を作製する方法であって、DMSO中の化合物1の形態1
の飽和溶液を得ること、水を該飽和溶液中に拡散させること、沈殿がある場合、沈殿した
固体を回収すること、及び沈殿がない場合、該溶媒を蒸発させて、固体を回収することを
含む、方法である。
一実施態様において、形態4は、化合物1のジメチルスルホキシド溶媒和形態である。一
実施態様において、形態4は、化合物1の0.8モル当量ジメチルスルホキシド溶媒和形態で
ある。別の実施態様において、化合物1の形態4は結晶性である。
ある実施態様において、本明細書に提供される固体形態、例えば、形態4は、例えば、X
線粉末回折測定によって示したとき、実質的に結晶性である。一実施態様において、化合
物1の形態4は、概ね図17に示すようなX線粉末回折パターン(真ん中のパターン)を有する
。一実施態様において、化合物1の形態4は、図17に示すように、約8.22、10.14、10.66、
14.02、18.1、20.62、21.94、22.66、23.78、24.34、25.42、又は26.26度の2θ角度に、1
以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施態様において、化合物1の形態
4は、約10.14、10.66、18.1、20.62、21.94、22.66、24.34、又は26.26度の2θ角度に、1
つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又は8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別
の実施態様において、化合物1の形態4は、約10.14、10.66、21.94、又は26.26度の2θ角
度に、1つ、2つ、3つ、又は4つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施態様に
おいて、化合物1の形態4は、表28に示すような1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ
、9つ、10、、11、又は12の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
一実施態様において、湿潤固体としての化合物1の形態4は、概ね図18Aに示すようなデ
ジタル画像を有する。一実施態様において、乾燥固体としての化合物1の形態4は、概ね図
18Bに示すようなデジタル画像を有する。
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、図20に示すような代表的なTGAサー
モグラムに概ね対応する熱重量分析(TGA)サーモグラフを有する化合物1の結晶性形態であ
る。ある実施態様において、該結晶性形態は、約25℃から約300℃に加熱したときに約35
℃〜約180℃で試料の全質量のうちの約16.4%の全質量損失を含むTGAサーモグラムを示す
。したがって、ある実施態様において、該結晶性形態は、約周囲温度から約300℃に加熱
したときに、その全質量の約16.4%を失う。ある実施態様において、該結晶性形態は、化
合物1のモル当たり約0.8モルのジメチルスルホキシドに相当する0.8モル当量の溶媒を結
晶格子中に含む。化合物1の0.8モル当量ジメチルスルホキシド溶媒和物の理論上のジメチ
ルスルホキシド含有量は18.9重量%であり、観察されるTGA重量損失と一致する。ある実
施態様において、該結晶性形態は、化合物1の0.8モル当量ジメチルスルホキシド溶媒和物
である。
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、約25℃から約300℃に加熱したとき
に約139℃で最大値を有する約100℃〜約175℃での吸熱事象を含む、図19に示すようなSDT
Aサーモグラムを有する化合物1の結晶性形態である(表24参照)。
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、約25℃から約300℃に加熱したとき
に約258℃で最大値を有する約235℃〜約275℃での吸熱事象を含む、図19に示すようなSDT
Aサーモグラムを有する化合物1の結晶性形態である(表24参照)。
さらに別の実施態様において、化合物1の形態4は実質的に純粋である。ある実施態様に
おいて、実質的に純粋な化合物1の形態4は、他の固体形態、例えば、非晶質形態を実質的
に含まない。ある実施態様において、実質的に純粋な化合物1の形態4の純度は、約95%以
上純粋、約96%以上純粋、約97%以上純粋、約98%以上純粋、約98.5%以上純粋、約99%
以上純粋、約99.5%以上純粋、又は約99.8%以上純粋である。
(5.3.5 化合物1の形態5)
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、化合物1の形態5である。
ある実施態様において、形態5は、特定の溶媒系、例えば、以下の溶媒又は溶媒の組合
せ:THF、水、1,4-ジオキサン、メタノール、及びエタノールのうちの1つ又は複数を含む
溶媒系からの結晶化によって得られる。ある実施態様において、形態5は、熱濾過結晶化
、貧溶媒結晶化、又は蒸発結晶化によって得られる。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、化合物1の形態5を作製する方法で
あって、溶媒中の化合物1の形態1のスラリーを得ること、該スラリーをある温度(例えば
、約50℃〜約70℃)に一定期間(例えば、約10分〜約2時間)加熱すること、該スラリーを濾
過して、溶液を生じさせること、該溶液をある温度(例えば、約10℃〜約35℃)にまで冷却
すること、固体を該溶液から濾過により回収すること、並びに任意に洗浄すること(例え
ば、該溶媒で洗浄すること)及び乾燥させることを含む、方法である。ある実施態様にお
いて、本明細書に提供されるのは、化合物1の形態5を作製する方法であって、THFと水(50
/50)の溶媒混合物中の化合物1の形態1のスラリーを得ること、該スラリーを約60℃で約1
時間加熱すること、該スラリーを濾過して、溶液を生じさせること、該溶液を約25℃にま
で冷却すること、固体を該溶液から濾過により回収すること、並びに任意にTHFと水(50/5
0)の溶媒混合物で洗浄すること及び乾燥させることを含む、方法である。ある実施態様に
おいて、本明細書に提供されるのは、化合物1の形態5を作製する方法であって、メタノー
ルと水(50/50)の溶媒混合物中の化合物1の形態1のスラリーを得ること、該スラリーを約6
0℃で約1時間加熱すること、該スラリーを濾過して、溶液を生じさせること、該溶液を約
25℃にまで冷却すること、固体を該溶液から濾過により回収すること、並びに任意にメタ
ノールと水(50/50)の溶媒混合物で洗浄すること及び乾燥させることを含む、方法である
。ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、化合物1の形態5を作製する方法で
あって、1,4-ジオキサンと水(50/50)の溶媒混合物中の化合物1の形態1のスラリーを得る
こと、該スラリーを約60℃で約1時間加熱すること、該スラリーを濾過して、溶液を生じ
させること、該溶液を約25℃にまで冷却すること、固体を該溶液から濾過により回収する
こと、並びに任意に1,4-ジオキサンと水(50/50)の溶媒混合物で洗浄すること及び乾燥さ
せることを含む、方法である。ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、化合
物1の形態5を作製する方法であって、エタノールと水(50/50)の溶媒混合物中の化合物1の
形態1のスラリーを得ること、該スラリーを約60℃で約1時間加熱すること、該スラリーを
濾過して、溶液を生じさせること、該溶液を約25℃にまで冷却すること、固体を該溶液か
ら濾過により回収すること、並びに任意にエタノールと水(50/50)の溶媒混合物で洗浄す
ること及び乾燥させることを含む、方法である。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、化合物1の形態5を作製する方法で
あって、溶媒中の化合物1の形態1の飽和溶液を得ること、貧溶媒を該飽和溶液中に拡散さ
せること、沈殿がある場合、沈殿した固体を回収すること、及び沈殿がない場合、該溶媒
を蒸発させて、固体を回収することを含む、方法である。ある実施態様において、本明細
書に提供されるのは、化合物1の形態5を作製する方法であって、THF中の化合物1の形態1
の飽和溶液を得ること、水を該飽和溶液中に拡散させること、沈殿がある場合、沈殿した
固体を回収すること、及び沈殿がない場合、該溶媒を蒸発させて、固体を回収することを
含む、方法である。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、化合物1の形態5を作製する方法で
あって、化合物1の形態5を溶媒と混合すること、形態1が完全には溶解しない場合、該混
合物を濾過して、溶液を生じさせること、及び該溶液を特定の気圧下で蒸発させて、固体
を生じさせることを含む、方法である。ある実施態様において、本明細書に提供されるの
は、化合物1の形態5を作製する方法であって、化合物1の形態1をTHF/水(50:50)と混合す
ること、形態1が完全には溶解しない場合、該混合物を濾過して、溶液を生じさせること
、及び該溶液を200mbarの気圧下で蒸発させて、固体を生じさせることを含む、方法であ
る。
一実施態様において、形態5は、化合物1の水和形態である。一実施態様において、形態
5は、化合物1の二水和形態である。別の実施態様において、化合物1の形態5は結晶性であ
る。
ある実施態様において、本明細書に提供される固体形態、例えば、形態5は、例えば、X
線粉末回折測定によって示したとき、実質的に結晶性である。一実施態様において、化合
物1の形態5は、概ね図22に示すようなX線粉末回折パターン(真ん中のパターン)を有する
。一実施態様において、化合物1の形態5は、図22に示すように、約6.02、7.46、9.26、11
.7、12.18、19.78、22.02、23.74、24.26、24.94、26.18、27.06、又は29.86度の2θ角度
に、1以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施態様において、化合物1
の形態5は、約7.46、9.26、11.7、22.02、23.74、24.26、24.94、又は26.18度の2θ角度
に、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又は8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有す
る。別の実施態様において、化合物1の形態5は、約9.26、11.7、24.94、又は26.18度の2
θ角度に、1つ、2つ、3つ、又は4つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施態
様において、化合物1の形態5は、表29に示すような1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ
、8つ、9つ、10、11、12、又は13の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
一実施態様において、化合物1の形態5は、概ね図23Aに示すようなデジタル画像を有す
る。
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、図25に示すような代表的なTGAサー
モグラムに概ね対応する熱重量分析(TGA)サーモグラフを有する化合物1の結晶性形態であ
る。ある実施態様において、該結晶性形態は、約25℃から約300℃に加熱したときに約35
℃〜約240℃で試料の全質量のうちの約9.4%の全質量損失を含むTGAサーモグラムを示す
。したがって、ある実施態様において、該結晶性形態は、約周囲温度から約300℃に加熱
したときに、その全質量の約9.4%を失う。ある実施態様において、該結晶性形態は、化
合物1のモル当たり約2モルの水に相当する2モル当量の溶媒を結晶格子中に含む。化合物1
の二水和物の理論上の水含有量は10.2重量%であり、観察されるTGA重量損失と一致する
。ある実施態様において、該結晶性形態は、化合物1の二水和形態である。
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、約25℃から約300℃に加熱したとき
に約80℃で最大値を有する約50℃〜約140℃での吸熱事象を含む、図24に示すようなSDTA
サーモグラムを有する化合物1の結晶性形態である(表24参照)。
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、約25℃から約300℃に加熱したとき
に約181℃で最大値を有する約160℃〜約200℃での発熱事象を含む、図24に示すようなSDT
Aサーモグラムを有する化合物1の結晶性形態である(表24参照)。
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、約25℃から約300℃に加熱したとき
に約251℃で最大値を有する約225℃〜約275℃での吸熱事象を含む、図24に示すようなSDT
Aサーモグラムを有する化合物1の結晶性形態である(表24参照)。
さらに別の実施態様において、化合物1の形態5は実質的に純粋である。ある実施態様に
おいて、実質的に純粋な化合物1の形態5は、他の固体形態、例えば、非晶質形態を実質的
に含まない。ある実施態様において、実質的に純粋な化合物1の形態5の純度は、約95%以
上純粋、約96%以上純粋、約97%以上純粋、約98%以上純粋、約98.5%以上純粋、約99%
以上純粋、約99.5%以上純粋、又は約99.8%以上純粋である。
(5.3.6 非晶質化合物1)
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、非晶質化合物1である。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、非晶質化合物1を作製する方法で
あって、1)本明細書に提供される化合物1の固体形態のうちの1つの試料の温度を室温で平
衡化させること;2)該試料を第1の速度で第1の温度に加熱すること;3)該試料を一定期間等
温に保持すること;4)該試料を第2の速度で第2の温度に冷却すること;5)該試料を約第3の
速度で第3の温度に加熱すること;及び6)残りの固体を回収することを含む、方法である。
一実施態様において、該試料は化合物1の形態1である。一実施態様において、該第1の温
度は、本明細書に提供される化合物1の固体形態のうちの1つの融点よりも高い。一実施態
様において、該第2の温度は室温よりも低い。別の実施態様において、該第3の温度は、本
明細書に提供される化合物1の非晶質固体形態のガラス転移温度よりも高い。別の実施態
様において、該第1及び第3の速度は約10℃/分であり、第2の速度は約30℃/分であり、互
いに独立している。一実施態様において、該試料を等温に保持する期間は約5分である。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、非晶質化合物1を作製する方法で
あって、1)形態1の試料の温度を約25℃で平衡化させること;2)該試料を約10℃/分の速度
で約275℃に加熱すること;3)該試料を約5分間等温に保持すること;4)該試料を約30℃/分
の速度で約-10℃に冷却すること;5)該試料を約10℃で約10℃/分の速度で約150℃に加熱す
ること;及び6)残りの固体を回収することを含む、方法である。
一実施態様において、非晶質化合物1は、約120℃のガラス転移温度(Tg)を有する。
一実施態様において、非晶質化合物1は、概ね図28に示すようなX線粉末回折パターンを
有する。
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、約25℃から約300℃に加熱したとき
に約188.1℃で最大値を有する約160℃〜約200℃での吸熱事象を含む、図32に示すようなD
SCサーモグラムを有する化合物1の非晶質固体形態である(表32参照)。
さらに別の実施態様において、非晶質化合物1は実質的に純粋である。ある実施態様に
おいて、実質的に純粋な非晶質化合物1は、他の固体形態、例えば、形態1、形態2、形態3
、形態4、又は形態5を実質的に含まない。ある実施態様において、実質的に純粋な非晶質
化合物1の純度は、約95%以上純粋、約96%以上純粋、約97%以上純粋、約98%以上純粋
、約98.5%以上純粋、約99%以上純粋、約99.5%以上純粋、又は約99.8%以上純粋である
(5.4 使用方法)
本明細書に提供される固体形態又は本明細書に提供される様々な固体形態の組合せは、
本明細書に提供される方法で使用することができる。本明細書に提供される固体形態又は
本明細書に提供される様々な固体形態の組合せは、本明細書に提供される全ての疾患、障
害、又は疾病の治療において使用することができる。
本明細書に提供される固体形態は、薬剤として使用するためのものである。
本明細書に提供されるのは、癌を治療又は予防する方法であって、本明細書に提供され
る化合物1の固体形態又はその医薬組成物を、癌を有する患者に投与することを含む、方
法である。
本明細書に提供される固体形態は、癌、炎症性疾患、免疫学的疾患、神経変性疾患、糖
尿病、肥満、神経学的障害、加齢関連疾患、心血管疾患、又はキナーゼ経路の阻害によっ
て治療可能もしくは予防可能な疾患を治療又は予防する方法で使用するためのものである
。該方法は、結晶形態の有効量を、それを必要としている対象に投与することを含む。一
実施態様において、該キナーゼ経路はTORキナーゼ経路である。
いくつかの実施態様において、該癌は、進行性切除不能固形腫瘍、又は血液悪性腫瘍で
ある。例えば、該血液悪性腫瘍は、CLL、NHL、又はMMである。いくつかのそのような実施
態様において、該癌は、標準的な抗癌療法中に進行したか、又は該患者は、標準的な抗癌
療法に耐えることができない。また他の実施態様において、該癌は、それに対する承認さ
れた療法が存在しない癌である。いくつかの実施態様において、該癌は標準療法に抵抗性
である。別の実施態様において、該患者は、標準療法後に再発した。一実施態様において
、該癌は新生物の転移である。
ある実施態様において、該癌は血行性腫瘍である。
ある実施態様において、該癌は、リンパ腫、白血病、又は多発性骨髄腫である。
ある実施態様において、該癌は非ホジキンリンパ腫である。ある実施態様において、該
非ホジキンリンパ腫は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、
急性骨髄性白血病(AML)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、又はALK+未分化大細胞型リンパ腫
である。一実施態様において、該非ホジキンリンパ腫は進行性固形非ホジキンリンパ腫で
ある。一実施態様において、該非ホジキンリンパ腫はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DL
BCL)である。
ある実施態様において、該癌はB細胞リンパ腫である。
ある実施態様において、該B細胞リンパ腫は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキ
ットリンパ腫/白血病、マントル細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞
性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(節外性辺縁帯B細胞リンパ腫及び節性辺縁帯B細胞リンパ腫
を含む)、リンパ形質細胞性リンパ腫/ワルデンシュトレームマクログロブリン血症から選
択されるB細胞非ホジキンリンパ腫である。いくつかの実施態様において、該B細胞リンパ
腫は慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)である。一実施態様において
、該B細胞リンパ腫はワルデンシュトレームマクログロブリン血症である。
一実施態様において、該B細胞非ホジキンリンパ腫は不応性B細胞非ホジキンリンパ腫で
ある。一実施態様において、該B細胞非ホジキンリンパ腫は再発性B細胞非ホジキンリンパ
腫である。
ある実施態様において、該癌はT細胞リンパ腫である。
B細胞障害の慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)は、血液/骨髄転移
(CLL)とリンパ節転移(SLL)の度合いが異なる一連の同じ疾患過程の両端を表す。
別の実施態様において、該癌は、染色体11q22の欠失、ATM発現の消失、IgVHの突然変異
、野生型IgVH、野生型p53/ATM、p53の突然変異、又はp53の機能不全を特徴とするCLLであ
る。
他の実施態様において、該癌は多発性骨髄腫である。
ある実施態様において、該癌は、頭部、頸部、目、口、咽喉、食道、気管支、喉頭、咽
頭、胸部、骨、肺、結腸、直腸、胃、前立腺、膀胱、子宮、子宮頸、***、卵巣、精巣又
は他の生殖器、皮膚、甲状腺、血液、リンパ節、腎臓、肝臓、膵臓、及び脳、又は中枢神
経系の癌である。
他の実施態様において、該癌は固形腫瘍である。ある実施態様において、該固形腫瘍は
、再発性又は不応性の固形腫瘍である。
他の実施態様において、該固形腫瘍は進行性固形腫瘍であることができる。
他の実施態様において、該固形腫瘍は、神経内分泌腫瘍、多形性膠芽腫(GBM)、肝細胞
癌(HCC)、乳癌、結腸直腸癌(CRC)、唾液腺癌、膵癌、腺様嚢胞癌、副腎癌、食道癌、腎臓
癌、平滑筋肉腫、傍神経節腫、頭頸部扁平上皮細胞癌、E-26(ETS)過剰発現去勢抵抗性前
立腺癌、又はE-26(ETS)過剰発現ユーイング肉腫であることができる。
一実施態様において、該固形腫瘍は神経内分泌腫瘍である。ある実施態様において、該
神経内分泌腫瘍は消化管起源の神経内分泌腫瘍である。ある実施態様において、該神経内
分泌腫瘍は非膵臓起源のものである。ある実施態様において、該神経内分泌腫瘍は非膵臓
消化管起源のものである。ある実施態様において、該神経内分泌腫瘍は原発不明のもので
ある。ある実施態様において、該神経内分泌腫瘍は、症候性の内分泌産生腫瘍又は非機能
性腫瘍である。ある実施態様において、該神経内分泌腫瘍は、局所切除不能、中等度転移
性、高分化型、低悪性度(グレード1)、又は中悪性度(グレード2)である。ある実施態様に
おいて、該神経内分泌腫瘍は非消化管起源のものである。一実施態様において、該非消化
管起源の神経内分泌腫瘍はラパマイシン抵抗性である。一実施態様において、該非消化管
起源の神経内分泌腫瘍は、気管支神経内分泌腫瘍、又は横隔膜より上にある器官に起源を
有する神経内分泌腫瘍、例えば、喉頭神経内分泌腫瘍、咽頭神経内分泌腫瘍、もしくは甲
状腺神経内分泌腫瘍である。一実施態様において、該非消化管起源の神経内分泌腫瘍は、
症候性の内分泌産生腫瘍又は非機能性腫瘍である。一実施態様において、該非消化管起源
の神経内分泌腫瘍は、局所切除不能、中等度転移性、高分化型、低悪性度(グレード1)、
又は中悪性度(グレード2)である。
一実施態様において、該固形腫瘍は非小細胞肺癌(NSCLC)である。
別の実施態様において、該固形腫瘍は多形性膠芽腫(GBM)である。
別の実施態様において、該固形腫瘍は肝細胞癌(HCC)である。
別の実施態様において、該固形腫瘍は乳癌である。一実施態様において、該乳癌はホル
モン受容体陽性である。一実施態様において、該乳癌はエストロゲン受容体陽性(ER+、ER
+/Her2、又はER+/Her2+)である。一実施態様において、該乳癌はエストロゲン受容体陰性
(ER-/Her2+)である。一実施態様において、該乳癌は、トリプルネガティブ(TN)(エストロ
ゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)に対応する遺伝子及び/又はタンパク質を発
現せず、かつHer2/neuタンパク質を過剰発現しない乳癌)である。
一実施態様において、該固形腫瘍は進行性固形腫瘍である。
別の実施態様において、該癌は頭頸部扁平上皮細胞癌である。
別の実施態様において、該癌はE-26(ETS)過剰発現去勢抵抗性前立腺癌である。
別の実施態様において、該癌はE-26(ETS)過剰発現ユーイング肉腫である。
別の実施態様において、該癌は、染色体11q22の欠失又は毛細血管拡張性運動失調症変
異(ATM)発現の消失を特徴とする頭頸部扁平上皮細胞癌(HNSCC)である。
別の実施態様において、該癌は、O6-メチルグアニン-DNAメチルトランスフェラーゼ(MG
MT)によるメチル化を特徴とする多形性膠芽腫(GBM)である。
他の実施態様において、該癌は、mTOR、PI3K、又はAktキナーゼ、及びこれらの突然変
異体又はアイソフォームが関係する経路と関連する癌である。本明細書に提供される方法
の範囲内の他の癌には、以下のキナーゼ: PI3Kα、PI3Kβ、PI3Kδ、KDR、GSK3α、GSK3
β、ATM、ATX、ATR、cFMS、及び/又はDNA-PKキナーゼ、並びにこれらの突然変異体又はア
イソフォームの経路と関連するものが含まれる。いくつかの実施態様において、mTOR/PI3
K/Akt経路と関連する癌には、固形腫瘍及び血行性腫瘍、例えば、多発性骨髄腫、マント
ル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、急性骨髄性リンパ腫、濾胞性リンパ
腫、慢性リンパ球性白血病;並びに固形腫瘍、例えば、乳癌、肺癌、子宮内膜癌、卵巣癌
、胃癌、子宮頸癌、及び前立腺癌;膠芽腫;腎臓癌;肝細胞癌;結腸癌;神経内分泌腫瘍;頭頸
部腫瘍;並びに肉腫、例えば、ユーイング肉腫が含まれる。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、完全奏功、部分奏功、又は安定の
固形腫瘍における治療効果判定基準(例えば、RECIST 1.1)を、固形腫瘍を有する患者にお
いて達成する方法であって、本明細書に提供される化合物1の固体形態又はその医薬組成
物を該患者に投与することを含む、方法である。ある実施態様において、本明細書に提供
されるのは、完全奏功、部分奏功、又は安定の米国立癌研究所後援の慢性リンパ球性白血
病に関するワーキンググループ(NCI-WG CLL)を、白血病を有する患者において達成する方
法であって、本明細書に提供される化合物1の固体形態又はその医薬組成物を該患者に投
与することを含む、方法である。ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、完
全奏功、部分奏功、又は安定の前立腺癌ワーキンググループ2(PCWG2)基準を、前立腺癌を
有する患者において達成する方法であって、本明細書に提供される化合物1の固体形態又
はその医薬組成物を該患者に投与することを含む、方法である。ある実施態様において、
本明細書に提供されるのは、完全奏功、部分奏功、又は安定の非ホジキンリンパ腫の国際
ワークショップ基準(IWC)を、非ホジキンリンパ腫を有する患者において達成する方法で
あって、本明細書に提供される化合物1の固体形態又はその医薬組成物を該患者に投与す
ることを含む、方法である。ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、完全奏
功、部分奏功、又は安定の多発性骨髄腫の治療効果判定国際統一基準(IURC)を、多発性骨
髄腫を有する患者において達成する方法であって、本明細書に提供される化合物1の固体
形態又はその医薬組成物を該患者に投与することを含む、方法である。ある実施態様にお
いて、本明細書に提供されるのは、完全奏功、部分奏功、又は安定の多形性膠芽腫の神経
腫瘍学治療効果評価(RANO)ワーキンググループを、多形性膠芽腫を有する患者において達
成する方法であって、本明細書に提供される化合物1の固体形態又はその医薬組成物を該
患者に投与することを含む、方法である。
ある実施態様において、本明細書に提供される固体形態は、完全奏功、部分奏功、又は
安定の固形腫瘍における治療効果判定基準(例えば、RECIST 1.1)を対象において達成する
方法で使用するためのものである。該方法は、有効量の固体形態を、固形腫瘍を有する対
象に投与することを含む。
ある実施態様において、本明細書に提供される固体形態は、NHLの国際ワークショップ
基準(IWC)、多発性骨髄腫の治療効果判定国際統一基準(IURC)、東部共同腫瘍学グループ
のパフォーマンスステータス(ECOG)、又はGBMの神経腫瘍学治療効果評価(RANO)ワーキン
ググループを改善する方法で使用するためのものである。該方法は、有効量の固体形態を
、それを必要としている対象に投与することを含む。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、癌を有する患者の疾患増悪のない
生存を増大させる方法であって、本明細書に提供される化合物1の固体形態又はその医薬
組成物を該患者に投与することを含む、方法である。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、癌を治療する方法であって、本明
細書に提供される化合物1の固体形態又はその医薬組成物を、癌を有する患者に投与する
ことを含み、ここで、該治療が、癌関連悪液質又は疼痛増大などの臨床的進行の予防又は
遅延をもたらす、方法である。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、癌を治療する方法であって
、本明細書に提供される化合物1の固体形態又はその医薬組成物を、癌を有する患者に投
与することを含み、ここで、該治療が、とりわけ、疾患増悪の阻害、無増悪期間(TTP)の
増大、無増悪生存期間(PFS)の増大、及び/又は全生存期間(OS)の増大のうちの1つ又は複
数をもたらす、方法である。
(5.5 医薬組成物)
本明細書に提供される化合物1の固体形態は、有効量の化合物1の固体形態及び医薬とし
て許容し得る担体又はビヒクルを含む医薬組成物の調製に有用である。いくつかの実施態
様において、本明細書に記載の医薬組成物は、経口、非経口、粘膜、経皮、又は局所投与
に好適である。
一実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、化合物1の固体形態及び1以
上の医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含む。一実施態様において、本明細書に提供
される医薬組成物は、化合物1の形態1及び1以上の医薬として許容し得る賦形剤又は担体
を含む。一実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、化合物1の形態2及び
1以上の医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含む。一実施態様において、本明細書に
提供される医薬組成物は、化合物1の形態3及び1以上の医薬として許容し得る賦形剤又は
担体を含む。一実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、化合物1の形態4
及び1以上の医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含む。一実施態様において、本明細
書に提供される医薬組成物は、化合物1の形態5及び1以上の医薬として許容し得る賦形剤
又は担体を含む。一実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、非晶質化合
物1及び1以上の医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含む。一実施態様において、本明
細書に提供される医薬組成物は、以下の固体形態又は固体形態の組合せ:化合物1の形態1
、形態2、形態3、形態4、形態5、及び非晶質形態のうちの1つ又は複数並びに1以上の医薬
として許容し得る賦形剤又は担体を含む。
一実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、化合物1の1以上の固体形態
の互変異性体及び1以上の医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含む。
一実施態様において、医薬として許容し得る賦形剤及び担体は、結合剤、希釈剤、崩壊
剤、及び滑沢剤から選択される。別の実施態様において、医薬として許容し得る賦形剤及
び担体は、1以上の抗酸化剤(例えば、EDTA又はBHT)をさらに含む。
ある実施態様において、結合剤としては、セルロース(例えば、微結晶性セルロース、
例えば、AVICEL(登録商標) PH 101、AVICEL(登録商標) PH112、及びAVICEL(登録商標) PH
102)並びにデンプン(例えば、アルファ化デンプン(STARCH 1500(登録商標)))が挙げられ
るが、これらに限定されない。一実施態様において、結合剤はセルロースである。別の実
施態様において、結合剤は微結晶性セルロースである。また別の実施態様において、結合
剤はAVICEL(登録商標) PH 101である。また別の実施態様において、結合剤はAVICEL(登録
商標) PH 102である。また別の実施態様において、結合剤はデンプンである。また別の実
施態様において、結合剤はアルファ化デンプンである。また別の実施態様において、結合
剤はSTARCH 1500(登録商標)である。
ある実施態様において、希釈剤としては、ラクトース(例えば、ラクトース一水和物(FA
ST FLO(登録商標) 316)及びラクトース無水物)、セルロース(例えば、微結晶性セルロー
ス、例えば、AVICEL(登録商標) PH 101及びAVICEL(登録商標) PH 102)、並びにマンニト
ールが挙げられるが、これらに限定されない。一実施態様において、希釈剤はラクトース
である。別の実施態様において、希釈剤はラクトース一水和物である。また別の実施態様
において、希釈剤はFAST FLO(登録商標) 316である。また別の実施態様において、希釈剤
はラクトース無水物である。また別の実施態様において、希釈剤はセルロースである。ま
た別の実施態様において、希釈剤は微結晶性セルロースである。また別の実施態様におい
て、希釈剤はAVICEL(登録商標) PH 101である。また別の実施態様において、希釈剤はAVI
CEL(登録商標) PH 102)である。
ある実施態様において、崩壊剤としては、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン)及
びカルボキシメチルセルロース(例えば、クロスカルメロースナトリウム、例えば、AC-DI
-SOL(登録商標))及びグリコール酸ナトリウムデンプンが挙げられるが、これらに限定さ
れない。一実施態様において、崩壊剤はデンプンである。別の実施態様において、崩壊剤
はトウモロコシデンプンである。また別の実施態様において、崩壊剤はカルボキシメチル
セルロースである。また別の実施態様において、崩壊剤はクロスカルメロースナトリウム
である。また別の実施態様において、崩壊剤はAC-DI-SOL(登録商標)である。
ある実施態様において、滑沢剤としては、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン)、
ステアリン酸マグネシウム、及びステアリン酸が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施態様において、滑沢剤はデンプンである。別の実施態様において、滑沢剤はトウモ
ロコシデンプンである。また別の実施態様において、滑沢剤はステアリン酸マグネシウム
である。また別の実施態様において、滑沢剤はステアリン酸である。
別の実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、化合物1の固体形態、並
びにカルボキシメチルセルロース、セルロース、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム
、デンプン、及びステアリン酸から各々独立に選択される1以上の医薬として許容し得る
賦形剤又は担体を含む。
一実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、約2.5〜10重量%の化合物1
の固体形態、約70〜90重量%の希釈剤(複数可)/結合剤(複数可)、約1〜5重量%の崩
壊剤(複数可)、及び約0.1〜2重量%の滑沢剤(複数可)を含む。
別の実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、約10重量%の化合物1の
固体形態、約59.85重量%のマンニトール、約25重量%の微結晶性セルロース、約3重量%
のグリコール酸ナトリウムデンプン、約1重量%の二酸化ケイ素、約0.5重量%のステアリ
ン酸、及び約0.65重量%のステアリン酸マグネシウムを含む。
別の実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、約10重量%の化合物1の
固体形態、約59.45重量%のマンニトール、約25重量%の微結晶性セルロース、約3重量%
のグリコール酸ナトリウムデンプン、約1重量%の二酸化ケイ素、約0.5重量%のステアリ
ン酸、約0.4%BHT、及び約0.65重量%のステアリン酸マグネシウムを含む。
別の実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、約10重量%の化合物1の
固体形態、約59.35重量%のマンニトール、約25重量%の微結晶性セルロース、約3重量%
のグリコール酸ナトリウムデンプン、約1重量%の二酸化ケイ素、約0.5重量%のステアリ
ン酸、約0.5%EDTA二ナトリウム、及び約0.65重量%のステアリン酸マグネシウムを含む
別の実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、約10重量%の化合物1の
固体形態、約58.95重量%のマンニトール、約25重量%の微結晶性セルロース、約3重量%
のグリコール酸ナトリウムデンプン、約1重量%の二酸化ケイ素、約0.5重量%のステアリ
ン酸、約0.5%EDTA二ナトリウム、約0.4%BHT、及び約0.65重量%のステアリン酸マグネ
シウムを含む。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、不透明なコーティングを含む医薬
組成物である。理論によって限定されるものではないが、より不透明なコーティングが医
薬品を分解から保護することが分かった。いくつかの実施態様において、該医薬組成物は
、錠剤として製剤化される。いくつかのそのような実施態様において、該錠剤はフィルム
コーティングされている。いくつかの実施態様において、該錠剤は、1〜8%の重量増加ま
でフィルムコーティングされている。他の実施態様において、フィルムコーティングは、
該錠剤の約5重量%である。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、列挙された成分の量を、独立に、
1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、又は25%変化させ
ることができる医薬組成物である。
本明細書に提供される医薬組成物は、単位剤形又は複数剤形で提供することができる。
本明細書で使用される場合の単位剤形は、ヒト及び動物の対象への投与に好適であり、当
技術分野で公知である通りに個別包装された物理的に分離した単位を指す。各々の単位用
量は、所望の治療効果を生み出すのに十分な所定量の有効成分(複数可)を、必要とされ
る医薬担体又は賦形剤とともに含む。単位剤形の例としては、個別包装された錠剤又はカ
プセル剤が挙げられる。単位剤形は、その分数又は倍数単位で投与してもよい。複数剤形
は、分離された単位剤形で投与されるべき単一容器中に包装された複数の同一の単位剤形
である。
別の実施態様において、本明細書に提供されるのは、約0.1mg〜約2000mg、約1mg〜200m
g、約35mg〜約1400mg、約125mg〜約1000mg、約250mg〜約1000mg、もしくは約500mg〜約10
00mgの化合物1の固体形態、又はその固体形態を含む単位投薬製剤である。
特定の実施態様において、本明細書に提供されるのは、約0.1mg、約0.25mg、約0.5mg、
約1mg、約2mg、約2.5mg、約5mg、約7.5mg、約8mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約
30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約60mg、約70mg、約75mg、約100mg、約125mg、
約140mg、約150mg、約175mg、約200mg、約250mg、約280mg、約300mg、約350mg、約400mg
、約500mg、約560mg、約600mg、約700mg、約750mg、約800mg、約1000mg、又は約1400mgの
化合物1の固体形態を含む単位投薬製剤である。特定の実施態様において、本明細書に提
供されるのは、約2.5mg、約5mg、約7.5mg、約8mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約
30mg、約40mg、約45mg、約50mg、約60mg、もしくは約100mgの化合物1の固体形態、又はそ
の互変異性体を含む単位投薬製剤である。特定の実施態様において、本明細書に提供され
るのは、約1mg、約2mg、約5mg、約7.5mg、及び約10mgを含む単位投薬製剤である。
いくつかの実施態様において、化合物1又はその互変異性体を含む単位剤形は、1日1回(
QD)、1日2回(BID)、1日3回、1日4回、又はそれより頻繁に投与することができる。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に提供される組成物を調
製する方法であって:(i)所望量の化合物1の固体形態(例えば、形態1、形態2、形態3、形
態4、形態5、又は非晶質)並びに所望量の賦形剤(例えば、ラクトース一水和物、クロスカ
ルメロースナトリウム及び/又は微結晶性セルロース)を量り分けること;(ii)該化合物1の
固体形態及び該賦形剤を混合又はブレンドすること;(iii)該化合物1の固体形態と賦形剤
の混合物をスクリーン(例えば、25メッシュスクリーン)に通すこと;(iv)該スクリーンに
通した後、該化合物1の固体形態及び該賦形剤を混合又はブレンドすること;(v)所望量の
滑沢剤(例えば、ステアリン酸及びステアリン酸マグネシウム)を量り分けること;(vi)該
滑沢剤をスクリーン(例えば、35メッシュスクリーン)に通すこと;(vii)該化合物1の固体
形態、該賦形剤、及び該滑沢剤を混合又はブレンドすること;(viii)該化合物1の固体形態
と該賦形剤と該滑沢剤の混合物を(例えば、錠剤形態に)圧縮すること;並びに任意に(ix)
その化合物1の固体形態と該賦形剤と該滑沢剤の圧縮混合物をコーティング剤(例えば、Op
adry pink、yellow、又はbeige)でコーティングすることを含む、方法である。ある実施
態様において、本明細書に提供される組成物を調製する方法は、暗所で、黄色光の下で、
又はUV光の非存在下で実施される。
ある実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、実質的に純粋な形態1を
含む、化合物1の形態1を含む。
ある実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、実質的に純粋な形態2を
含む、化合物1の形態2を含む。
ある実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、実質的に純粋な形態3を
含む、化合物1の形態3を含む。
ある実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、実質的に純粋な形態4を
含む、化合物1の形態4を含む。
ある実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、実質的に純粋な形態5を
含む、化合物1の形態5を含む。
ある実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、実質的に純粋な非晶質化
合物1を含む、非晶質化合物1を含む。
(6.実施例)
以下の実施例を、限定ではなく、実例として提示する。以下の略語を説明及び実施例で
使用する:
Figure 2019116491
Figure 2019116491
Figure 2019116491
(6.1 固体形態)
(6.1.1 多形スクリーン)
異なる固体形態が異なる溶媒、温度、及び湿度変化などの様々な条件の下で生成し得る
かどうかを調べるために、化合物1の多形スクリーンを行った。
多形スクリーンで使用した溶媒は、アセトン、アセトニトリル(ACN)、n-ブタノール(n-
BuOH)、無水エタノール(EtOH)、エタノール/水(1:1)、メタノール(MeOH)、2-プロパノー
ル(IPA)、酢酸エチル(EtOAc)、塩化メチレン(DCM)、メチルエチルケトン(MEK)、メチル t
-ブチルエーテル(MTBE)、ヘプタン、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスホ
キシド(dimethyl sufoxide)(DMSO)、N-メチルピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルホルムアミ
ド(DMF)、及び水を含め、HPLC等級又は試薬等級のどちらかであった。
多形スクリーンで生成した全ての固体試料をXRPDにより分析した。XRPD分析を、1.54Å
のCu Kα放射線を用いるCrystallics T2ハイスループットX線粉末回折計で実施した。該
装置に高精度焦点X線管を装備した。X線発生装置の電圧及びアンペア数を、それぞれ、45
kV及び40mAに設定した。発散スリットを4mm及び2mmに設定し、測定スリットを0.5mm及び0
.2mmに設定した。回折される放射線を、ペルチェ冷却Si(Li)固体状態検出器を用いて測定
した。1.5°から41.5°の2θまで、2.40°/分(0.5秒/0.02°のステップ)でのθ-2θ連続
スキャンを使用した。焼結アルミナ標準を用いて、ピーク位置を調べた。
DSC分析をDSC822e装置(Mettler-Toledo GmbH, Switzerland)で行った。インジウムを較
正基準として使用した。約2〜5mgの試料をDSCパンに入れた。該試料を、窒素下、10℃/分
の速度で、300℃の最終温度にまで加熱した。融点を外挿開始温度として報告した。
TGA分析をTA装置Q5000熱重量分析計で行った。シュウ酸カルシウムを性能チェックに使
用した。約5〜20mgの正確に計量された試料をパンの上に置き、TGA加熱炉に入れた。該試
料を、窒素下、10℃/分の速度で、300℃の最終温度にまで加熱した。
TGA/SDTA分析をTGA/SDTA851e装置(Mettler-Toledo GmbH, Switzerland)で行った。TGA/
SDTA851e装置をインジウム及びアルミニウムで温度に関して較正した。試料を100μlのア
ルミニウムるつぼに量り入れ、密閉した。シールに微小な穴を開け、るつぼを、TGAで、1
0℃/分の加熱速度で25℃から300℃に加熱した。乾燥N2ガスをパージに用いた。
試料の形態分析をOlympus顕微鏡で実施した。少量の試料をスライドガラス上のミネラ
ルオイルに分散させて、カバーガラスをかけ、20倍又は50倍の倍率で検分した。
吸湿性を表面測定システムDVSで決定した。通常、2〜10mgの試料サイズをDVS装置の試
料パンに入れ、該試料を、DVS自動収着分析計で、室温で分析した。相対湿度を0%から90
%RHまで10%RHのステップで増大させ、その後、95%RHに増大させた。その後、相対湿度
を同様の様式で低下させて、完全な吸着/脱離サイクルを達成した。選択された水和形態
について、分析を50%RHで開始し、90%RHまで10%RHずつ増大させた。その後、相対湿度
を同様の方法で0%RHまで減少させ、その後、50%RHまで増大させた。
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を表1の条件及び表2の勾配プログラムに従って実施
した。
表1.高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の実験条件
Figure 2019116491
表2.高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の実験勾配プログラム
Figure 2019116491
化合物の完全性は、「注入ピーク」を除くクロマトグラム中の各々のピークの面積と総
ピーク面積とから計算されるピーク面積パーセンテージとして、次のように表される:
Figure 2019116491
対象となる化合物のピーク面積パーセンテージは、試料中の成分の純度の指標として利
用される。
Crystal16(登録商標)多重反応槽 システム(Avantium Technologies)は、16(4×4)本の
標準的なHPLCガラスバイアル(直径11.5mm、平底、容積1.8mL)を収容する。1つのユニット
は、頑健なベンチトップ式装置に入れられた4つの独立に加熱されるアルミニウム反応槽
ブロックからなる。これらのブロックは、ペルチェ素子とクライオスタットの組合せによ
って電気的に加熱及び冷却される。10℃未満の温度で稼働する間の反応槽ブロック及び電
子機器上での水の凝結を防止するために、Crystal16(登録商標)システムは、乾燥パージ
ガス(通常は窒素)の入り口を提供する。操作パラメータを表3に示す。
表3. Crystal16(登録商標)多重反応槽システムの操作パラメータ
Figure 2019116491
(6.1.2 実験及び方法)
(6.1.2.1 溶解度実験:)
スクリーニング溶媒を選択するために及びスクリーンで使用すべき濃度範囲を決定する
ために、定量的な溶解度評価を出発材料の化合物1の形態1に対して行った。15種の溶媒の
セットを解析した。各々の溶媒について、標準的な1.8mlのスクリューキャップバイアル
に、約30mgの出発材料の化合物1の形態1、400μLの溶媒、及び磁気撹拌子を入れた。その
後、これらのバイアルを閉め、撹拌しながら25℃で24時間平衡化させた。得られた混合物
(スラリー)を濾過し(0.5ミクロン)、分離された母液を、較正曲線に従って選択された2つ
の希釈液になるように希釈した。希釈溶液中の化合物1の量をHPLC分析によって決定した
。較正曲線を、0.1%TFAを含む水/アセトニトリル(50:50)中の化合物1の独立に調製され
た2つのストック溶液から得た。
溶解度を決定した後、湿潤固体を回収し、XRPDにより分析した。さらに、残留溶媒を、
真空下、周囲温度で、各々のバイアル(スラリー)から蒸発させた。得られた残渣の全てを
XRPDにより分析して、新たな(結晶性)形態について確認した。
溶解度決定に加えて、化合物1の形態1の15種のスラリー実験を、50℃で24時間、15種の
溶媒(15種の同じ溶媒)で行った。表4は、実験条件をまとめたものである。スラリー時間
の最後に、固体を溶液から遠心分離により分離し、湿式及び乾式回収し、XRPD及びデジタ
ルイメージングにより分析した。
表4:溶解度決定と組み合わせた、30種のスラリー変換実験の実験条件
Figure 2019116491
Figure 2019116491
(6.1.2.2 実行可能性試験)
化合物1による実行可能性試験の実験条件を表5にまとめる。フリーズドライ実験を1.8m
lのバイアル中で行った。約20mgの出発材料をHPLCバイアル中で計量し、5つの異なる溶媒
混合物に溶解させた。出発材料の形態1は、THF/水(90/10又は50/50)及びエタノール/水(9
0/10)に溶解しなかった;したがって、これらの実験試料はフリーズドライさせなかった。
形態1は、TFE及びTFE/水(90/10)に溶解した。これら2つの実験試料を液体窒素中でフリー
ズドライさせ、その後、バイアルをフリーズドライヤー中に24時間置いた。その後、得ら
れた固体を回収し、XRPD及びデジタルイメージングにより分析した。
粉砕実験を、2個のステンレス鋼の粉砕ボールを含むステンレス鋼の粉砕バイアル中で
、30Hzの周波数で行った。実験後、XRPD分析を行って、材料の結晶度を評価した。
表5:形態1に対する実行可能性試験に適用された条件
Figure 2019116491
(6.1.2.3 室温及び様々なRHでの物理的安定性試験)
長期間(例えば、4週間)にわたる物理的安定性試験を規定の相対湿度(0%、50%、75%
、及び100%)のデシケーター中で実施した。規則的な間隔(例えば、3日、1週間、2週間、
3週間、及び4週間)で、材料をXRPDにより分析した。材料が様々な相対湿度レベルの下で
水分子を吸収するかどうかを決定するために、さらに4本の追加のバイアルをデシケータ
ー中に入れて、それらに定期的に計量して戻し、質量の変化を決定した(表7及び表8参照)
。規定の相対湿度に達するようにデシケーター中で使用された材料を表6に示す。
表6:様々な湿度範囲の準備
Figure 2019116491
表7:水分摂取を決定するために使用された4本のバイアルの初期の実験条件
Figure 2019116491
表8: 20の安定性試験の実験条件
Figure 2019116491
(6.1.2.4 多形スクリーニングの実験方法:)
化合物1のスクリーニング実験は、マイクロリットル(μL)スケールでの96種の実験とミ
リリットル(mL)スケールでの125種の実験を含んでいた。以下の10の結晶化手順:冷却蒸発
、蒸発、熱濾過を伴う冷却結晶化、貧溶媒添加を伴う急速結晶化(crash crystallization
)、スラリー変換、蒸気溶液拡散、蒸気固体拡散、熱循環、還流、及び粉砕を適用した。
(μlスケールでの冷却蒸発結晶化実験:)
表9の12種の異なる溶媒及び12種の溶媒混合物並びに表9の4つの温度プロファイルを利
用して、μLスケールでの96種の冷却蒸発実験をウェルプレート中で行った。約4mgの固体
用量の化合物1をマイクロリットルウェルプレートの各々のウェルに入れた。その後、50m
g/mlの濃度に達するように、80μLのスクリーニング溶媒をウェル中に添加した。
各々のウェルが個々に密閉されたプレートをCrystal Breederの中に入れて、表10に記
載されているような温度プロファイルを経させた。温度プロファイルの終了後、プレート
を真空下に置いた。溶媒を200mbar又は5mbarで数日間蒸発させ、XRPD及びデジタルイメー
ジングにより分析した。その後、固体試料を加速劣化条件(40℃/75%RHで2日間)に曝露さ
せ、XRPD及びデジタルイメージングにより再分析した。
表9: μlでの96種の冷却蒸発実験の実験条件
Figure 2019116491
Figure 2019116491
表10: 96種の冷却蒸発実験に利用された温度プロファイル
Figure 2019116491
(6.1.2.5 熱濾過を伴う冷却結晶化:)
熱濾過を伴う結晶化方法は15種の溶媒混合物を含んでいた。超飽和溶液は、スラリー(
表12参照)を60℃で1時間撹拌し、その後、該スラリーを濾過することにより調製した。そ
の後、全ての溶液をCrystal16(登録商標)システムの中に配置して、冷却プロファイルを
経させ、62時間熟成させた(表11参照)。温度プロファイル後に固体が沈殿した場合、該固
体を湿式及び乾式回収し、XRPD及びデジタルイメージングにより分析した。温度プロファ
イル後に固体が見られない実験は、真空下で蒸発するのに任せておいた。得られた乾燥固
体試料をXRPD及びデジタルイメージングにより分析した。全ての固体試料を加速劣化条件
(40℃/75%RHで2日間)に曝露させ、XRPD及びデジタルイメージングにより再分析した。
表11:熱濾過実験に利用された冷却プロファイル
Figure 2019116491
表12:熱濾過実験の実験条件及び結果
Figure 2019116491
(6.1.2.6 貧溶媒結晶化:)
貧溶媒添加を伴う急速結晶化実験のために、選択された溶媒及び11種の異なる貧溶媒(
表14参照)を用いて、15種の異なる結晶化条件を適用した。ストック溶液を各々の溶媒(表
13参照)中で調製した。これらの溶液を化合物1の形態1で飽和させ、24時間平衡化させた
後、濾過した。その後、ストック溶液を実験バイアルに液体投入し、その後、貧溶媒を添
加した。貧溶媒を1:0.25の溶媒対貧溶媒比で各々の溶媒バイアルに添加した。沈殿が生じ
ない場合、この比を1:1又は1:4に増大させ、添加と添加の間の待ち時間を60分間とした。
最後の添加の後、試料を周囲温度で24時間撹拌させておいた。沈殿した固体を母液から分
離し、XRPD及びデジタルイメージングにより湿式及び乾式分析した。沈殿を生じない試料
は真空下に置き、乾燥した固体をXRPD及びデジタルイメージングにより分析した。全ての
固体を加速劣化条件(40℃/75%RHで2日間)に曝露させ、XRPD及びデジタルイメージングに
より再分析した。
表13:貧溶媒添加実験用のストック溶液
Figure 2019116491
表14:貧溶媒添加実験の結果及び実験条件
Figure 2019116491
*A=0.25:1(AS:S)になるように添加した後の沈殿の有無; B=1:1(AS:S)になるように添加
した後の沈殿の有無; C=4:1(AS:S)になるように添加した後の沈殿の有無。
(6.1.2.7 スラリー変換実験:)
約30mgの化合物1の形態1を500μLの試験溶媒に添加することにより、実験を実施した。
得られた混合物を25℃で少なくとも24時間撹拌した。平衡状態に達したとき、飽和した上
澄み溶液を除去した。平衡化によって生じた固体を濾過し、風乾させた後、分析した。
化合物1の形態1を10種の溶媒とともに周囲温度で2週間用いて、合計10種のスラリー実
験を行った(表15参照)。スラリー時間の後、固体を溶液から遠心分離により分離し、湿式
回収し、XRPD及びデジタルイメージングにより分析した。その後、固体を加速劣化条件(4
0℃/75%RHで2日間)に曝露させ、その後、XRPDにより再分析した。
表15:スラリー実験の実験条件
Figure 2019116491
(6.1.2.8 蒸発実験)
化合物1の形態1を表16の15種の異なる溶媒混合物に溶解させることにより、15種の蒸発
実験を行った。出発材料の化合物1の形態1を溶媒中に添加し、出発材料が該溶媒に完全に
は溶解しない場合、混合物を濾過し、その後、透明な溶液を蒸発させた。溶媒を乾燥する
までゆっくりと真空(200mbar又は5mbar)下で蒸発させて、固体を生じさせた。該固体をXR
PD及びデジタルイメージングにより分析した。その後、固体を加速劣化条件(40℃/75%RH
で2日間)に曝露させ、その後、XRPDによる再分析及びデジタルイメージングを行った。
表16:蒸発実験の実験条件
Figure 2019116491
*D=初期温度での全ての出発材料の溶解の有無。
(6.1.2.9 蒸気溶液拡散:)
15回の蒸気溶液拡散実験のために、化合物1の形態1の飽和溶液を溶媒蒸気に室温で2週
間曝露させた。ストック溶液を各々の溶媒中で調製した。これらの溶液を化合物1の形態1
で飽和させ、24時間平衡化させた後、濾過して、1セットの8mlバイアルに入れた。これら
のバイアルを開けた状態で放置し、2mlの貧溶媒(表17参照)を含む閉じた40mlバイアル中
に入れた。2週間後、試料を固体形成について確認した。固体が形成された場合、固体試
料をXRPD及びデジタルイメージングにより湿式分析した。沈殿が生じなかった場合、試料
を真空下に置き、得られた固体試料をXRPD及びデジタルイメージングにより分析した。そ
の後、全ての固体試料を加速劣化条件(40℃/75%RHで2日間)に曝露させ、その後、XRPDに
よる再分析及びデジタルイメージングを行った。
表17:蒸気溶液拡散実験の実験条件
Figure 2019116491
*S=2週間後に形成された固体の有無。
(6.1.2.10 蒸気固体拡散)
15種の蒸気固体拡散実験のために、結晶性化合物1を2時間粉砕することにより、非晶質
化合物1を調製した。非晶質材料を1.8mlバイアルに移し、これを開けた状態で放置し、2m
lの溶媒(表18参照)を含む閉じた40mlバイアル中に入れた。材料を溶媒蒸気に室温で2週間
曝露させた。それ以後、実験物を回収し、XRPD及びデジタルイメージングにより分析した
。その後、全ての固体を加速劣化条件(40℃及び75%RH)に2日間曝露させ、その後、XRPD
による再分析及びデジタルイメージングを行った。
表18:蒸気固体拡散実験の実験条件
Figure 2019116491
*S=2週間後に残った固体の有無。
(6.1.2.11 熱循環実験)
合計15種の化合物1の溶媒スラリーを室温で調製した(表19参照)。混合物をCrystal Bre
ederの中に入れて、次のように温度プロファイルを経させた: a) 40℃に達するまで5℃/
時間の加熱速度で加熱する; b) 5℃に達するまで5℃/時間の冷却速度で冷却する; c) 5℃
で30分間保持する; d)このサイクルを8回反復する;及びe)温度プロファイルの間、300rpm
で撹拌する。
循環プログラムの終了後、固体を液体から分離し、XRPD及びデジタルイメージングによ
り湿式及び乾式分析した。その後、全ての固体を加速劣化条件(40℃/75%RHで2日間)に曝
露させ、その後、XRPDによる再分析及びデジタルイメージングを行った。
表19:熱循環実験の実験条件
Figure 2019116491
*S=8サイクル後に残った固体の有無。
(6.1.2.12 還流実験)
15種の還流実験(表21参照)において、出発材料の化合物1の形態1を1.8mLバイアル中の
選択された溶媒と混合して、スラリーを生じさせた。その後、該スラリーを(選択された
溶媒の対応する沸点をわずかに下回る)一定温度で1週間、その後、5℃で2日間維持した(
表20参照)。
表20:還流実験に対して適用された温度プロファイル(Tプロファイル)
Figure 2019116491
温度プロファイル後、固体をXRPD及びデジタルイメージングにより湿式分析した。その
後、全ての固体を加速劣化条件(40℃/75%RHで2日間)に曝露させ、その後、XRPDによる再
分析及びデジタルイメージングを行った。
表21:還流実験の実験条件
Figure 2019116491
*S=表20のTプロファイル後に残った固体の有無。
(6.1.2.13 粉砕実験)
10種の粉砕実験(表22参照)において、約30mgの化合物1の形態1を、金属製の2個の粉砕
ボールを入れた金属製の粉砕バイアル中で粉砕した。その後、10μlの溶媒を添加した。
試料を30Hzの周波数で1時間粉砕した。
粉砕された固体を回収し、XRPD及びデジタルイメージングにより分析した。その後、固
体を加速劣化条件(40℃/75%RH)に2日間曝露させ、その後、XRPDによる再分析及びデジタ
ルイメージングを行った。
表22:粉砕実験の実験条件
Figure 2019116491
本明細書に提供されるのは、ポリマースクリーンによって同定された5つの結晶性形態
である。形態1は、約268.9℃で融解する安定な無水結晶性形態であることが分かった。化
合物1の1,2-エタンジオール一溶媒和形態である形態2は、少なくとも1,2-エタンジオール
をスラリー変換実験で溶媒として用いたときに調製された。化合物1の2,2,2-トリフルオ
ロトルエン半溶媒和形態である形態3は、TFE/水(50:50)中での少なくとも1つの蒸発実験
から調製された。化合物1の0.8モル当量DMSO溶媒和形態である形態4は、DMSOを溶媒とし
て及び水を貧溶媒として用いることにより、少なくとも貧溶媒結晶化から調製された。化
合物1の二水和形態である形態5は、少なくとも水を結晶化溶媒の一部として用いたときの
熱濾過実験で調製された。新しい固体形態を生成させた実験条件の概要を表23に示す。固
体形態の物理的データの概要を表24に示す。
表23.固体形態の実験条件の概要
Figure 2019116491
表24.化合物1の固体形態の物理的特徴付け
Figure 2019116491
(6.1.2.14 形態1)
化合物1の形態1のXRPDパターン、晶癖、TGA、SDTA、TGA-MS、HPLC、及びMSを図2〜6に
示す。
図2は、化合物1の形態1のXRPDパターンを提供している。化合物1の形態2のX線回折ピー
クのリストを下の表25に提供する。
表25.化合物1の形態1のX線回折ピーク
Figure 2019116491
図3は、化合物1の形態1のデジタル画像である。
図4及び5は、それぞれ、形態1のTGA/SDTAシグナル及びTGA-MSデータを提供している。
図4の形態1のTGAサーモグラムは、25℃から300℃に加熱したときに、顕著な質量損失を
示していない。図4の形態1のSDTAデータは、化合物1の形態1の融点に相当する268.9℃で
の融解事象を示している。
図5の形態1のTGAサーモグラムは、約25℃から約300℃に加熱したときに、約30℃〜約25
0℃で試料の全質量のうちの約0.44%の全質量損失を含む。したがって、形態1は、約周囲
温度から約300℃に加熱したときに、その全質量の約0.44%を失う。これらの観察は、形
態1が無水結晶性物質であることを示唆している。
図6は、形態1のHPLC及びMSデータを提供している。ピーク保持時間は4.9分であり、試
料純度が99.90%(面積%)であることを示している。
(6.1.2.15 形態2)
化合物1の形態2のXRPDパターン、晶癖、TGA、SDTA、TGA-MS、HPLC、及びMSを図7〜11に
示す。形態2は、1,2-エタンジオールを溶媒として用いたときのスラリー変換実験で調製
された。形態2は、加速劣化条件(40℃/75%RHで2日間)の下で安定であるように見える。
図7は、以下のもの:出発材料(化合物1の形態1)、1,2エタンジオール中でのスラリー変
換実験から得られた形態2、及び加速劣化条件(AAC)への曝露後の形態2のXRPDパターン(下
から上)の重合せを提供している。化合物1の形態2のX線回折ピークのリストを下の表26に
提供する。
表26.化合物1の形態2のX線回折ピーク
Figure 2019116491
図8Aは、化合物1の形態2のデジタル画像である。図8Bは、加速劣化条件への曝露後の化
合物1の形態2のデジタル画像である。
図9及び10は、それぞれ、1,2-エタンジオール中でのスラリー変換実験から得られた形
態2のTGA/SDTAシグナル及びTGA-MSデータを提供している。
図9の形態2のTGAサーモグラムは、化合物1の形態2の脱溶媒和であり得る、約137℃で最
大値を有する95〜176℃でのSDTAシグナル中に観察された幅広い吸熱事象に対応する質量
損失を示している。脱溶媒和の後、図9の形態2のSDTAデータは、化合物1の形態1の融点に
相当する264℃での融解事象を示している。
図10の形態2のTGAサーモグラムは、約25℃から約300℃に加熱したときに、約95℃〜約1
75℃で試料の全質量のうちの約15.5%の全質量損失を含む。したがって、形態2は、約周
囲温度から約300℃に加熱したときに、その全質量の約15.5%を失う。この温度データは
、形態2が化合物1のモル当たり約1モルの1,2-エタンジオールに相当する1モル当量の溶媒
を結晶格子中に含有することを示している。化合物1の1,2-エタンジオール一溶媒和物の
理論上の1,2-エタンジオール含有量は15.6重量%であり、観察されるTGA重量損失と一致
する。これらの観察は、形態2が化合物1の1,2-エタンジオール一溶媒和物であることを示
唆している。
図11は、1,2-エタンジオール中でのスラリー変換実験から得られた形態2のHPLC及びMS
データを提供している。ピーク保持時間は4.8分であり、試料純度が100%(面積%)である
ことを示している。
(6.1.2.16 形態3)
化合物1の形態3のXRPDパターン、晶癖、TGA、SDTA、TGA-MS、HPLC、及びMSを図12〜16
に示す。形態3を:水又はシクロヘキサンのいずれかと組み合わせた2,2,2-トリフルオロエ
タノール(TFE)、クロロホルム、及びイソプロパノールとアセトンの溶媒混合物を含む、
種々の結晶化溶媒中で生成させた。形態3の試料の大部分は、黄色っぽい色を示した。さ
らなる分析に使用される試料をTFE/水(50:50)中での蒸発実験で調製した。
図12は、以下のもの:出発材料(化合物1の形態1)、TFE/水(50:50)中での蒸発実験から得
られた形態3、及び加速劣化条件(AAC:40℃/75%RHで2日間)への曝露後の形態3のXRPDパタ
ーン(下から上)の重合せを提供している。化合物1の形態3のX線回折ピークのリストを下
の表27に示す。
表27.化合物1の形態3のX線回折ピーク
Figure 2019116491
図13Aは、化合物1の形態3のデジタル画像である。図13Bは、加速劣化条件への曝露後の
化合物1の形態3のデジタル画像である。
図14及び15は、ぞれぞれ、TFE/水(50:50)中での蒸発実験から得られた形態3のTGA/SDTA
シグナル及びTGA-MSデータを提供している。
図14の形態3のTGAサーモグラムは、形態3の脱溶媒和であり得る、約149℃で最大値を有
する110℃〜175℃でのSDTAシグナル中に観察された幅広い吸熱事象に対応する質量損失を
示している。脱溶媒和の後、図14の形態3のSDTAデータは、出発材料の化合物1の形態1の
融点に相当する254℃での融解事象を示している。無水形態1の融解(Tピーク 264℃)と形
態3の脱溶媒和後の融解(Tピーク 254℃)の温度差は、HPLC分析で観察された部分分解に起
因すると考えることができる。形態3の試料の化学的純度は、図16のHPLCにより91.8%で
あると決定された。
図15の形態3のTGAサーモグラムは、約25℃から約300℃に加熱したときに、約40℃〜約1
90℃で試料の全質量のうちの約12.8%の全質量損失を含む。したがって、形態3は、約周
囲温度から約300℃に加熱したときに、その全質量の約12.8%を失う。この温度データは
、形態3が化合物1のモル当たり約0.5モルの2,2,2-トリフルオロエタノールに相当する0.5
モル当量の溶媒を結晶格子中に含有することを示している。化合物1の2,2,2-トリフルオ
ロエタノール半溶媒和物の理論上の2,2,2-トリフルオロエタノール含有量は11.5重量%で
あり、観察されるTGA重量損失と一致する。これらの観察は、形態3が化合物1の2,2,2-ト
リフルオロエタノール半溶媒和物であることを示唆している。
図16は、TFE/水(50:50)中での蒸発実験から得られた形態3のHPLC及びMSデータを提供し
ている。ピーク保持時間は4.8分であり、試料純度は91.8%(面積%)である。
(6.1.2.17 形態4)
化合物1の形態4のXRPDパターン、晶癖、TGA、SDTA、TGA-MS、HPLC、及びMSを図17〜21
に示す。形態4は、DMSOを溶媒として及び水を貧溶媒として用いる貧溶媒結晶化によって
調製された。形態4は物理的に不安定であり、加速劣化条件に曝露させたとき、形態1又は
形態1と形態4の混合物に変換される。おそらく、長期の安定性条件の後、形態1への完全
変換が生じ得る。
図17は、以下のもの:出発材料、化合物1の形態1; DMSOを溶媒として及び水を貧溶媒と
して用いる貧溶媒実験から得られた湿潤固体としての形態4; DMSOを溶媒として及び水を
貧溶媒として用いる貧溶媒実験から得られた乾燥固体としての形態4;加速劣化条件(AAC:
40℃/75%RHで2日間)への曝露後にDMSOを溶媒として及び水を貧溶媒として用いる貧溶媒
実験から得られた湿潤固体としての化合物1の非晶質形態;加速劣化条件(AAC)への曝露後
に得られた乾燥固体としての形態1と形態4の混合物のXRPDパターン(下から上)の重合せを
提供している。化合物1の形態4のX線回折ピークのリストを下の表28に示す。
表28.化合物1の形態4のX線回折ピーク
Figure 2019116491
図18Aは、DMSOを溶媒として及び水を貧溶媒として用いる貧溶媒実験から得られた湿潤
固体としての化合物1の形態4のデジタル画像である。図18Bは、DMSOを溶媒として及び水
を貧溶媒として用いる貧溶媒実験から得られた乾燥固体としての化合物1の形態4のデジタ
ル画像である。
図19及び20は、それぞれ、DMSOを溶媒として及び水を貧溶媒として用いる貧溶媒実験か
ら得られた形態4のTGA/SDTAシグナル及びTGA-MSデータを提供している。
図19の形態4のTGAサーモグラムは、形態4の脱溶媒和であり得る、約140℃で最大値を有
する100〜175℃でのSDTAシグナル中に観察される幅広い吸熱事象に対応する質量損失を示
している。脱溶媒和後、SDTAは、化合物1の形態1の融点に相当する258℃での融解事象を
示している。無水形態1の融解(Tピーク 264℃)と形態4の脱溶媒和後の融解(Tピーク 258
℃)の温度差は、HPLC分析で観察された部分分解に起因すると考えることができる。形態4
の試料の化学的純度は、図21のHPLCにより93.6%であると決定された。
図20の形態4のTGAサーモグラムは、約25℃から約300℃に加熱したときに、約35℃〜約1
80℃で試料の全質量のうちの約16.4%の全質量損失を含む。したがって、形態4は、約周
囲温度から約300℃に加熱したときに、その全質量の約16.4%を失う。この温度データは
、形態4が化合物1のモル当たり約0.8モルのジメチルスルホキシドに相当する0.8モル当量
の溶媒を結晶格子中に含有することを示している。化合物1の0.8モル当量ジメチルスルホ
キシド溶媒和物の理論上のジメチルスルホキシド含有量は18.9重量%であり、観察される
TGA重量損失と一致する。これらの観察は、形態4が化合物1のジメチルスルホキシド溶媒
和物であることを示唆している。
図21は、DMSOを溶媒として及び水を貧溶媒として用いる貧溶媒実験から得られた形態4
のHPLC及びMSデータを提供している。ピーク保持時間は4.8分であり、試料純度は93.6%(
面積%)である。
(6.1.2.18 形態5)
化合物1の形態5のXRPDパターン、晶癖、TGA、SDTA、TGA-MS、HPLC、及びMSを図22〜26
に示す。形態5は、THF/水(50:50)中での熱濾過実験で調製された。形態5は、加速劣化条
件下で少なくとも2日間安定であるように見える。
図22は、以下のもの:出発材料、化合物1の形態1;化合物1の形態5;及び加速劣化条件(AA
C: 40℃/75%RHで2日間)への曝露後の化合物1の形態5のXRPDパターン(下から上)の重合せ
を提供している。化合物1の形態5のX線回折ピークのリストを下の表29に示す。
表29.化合物1の形態5のX線回折ピーク
Figure 2019116491
図23Aは、化合物1の形態5のデジタル画像である。図23Bは、加速劣化条件への曝露後の
化合物1の形態5のデジタル画像である。
図24及び25は、それぞれ、THF/水(50:50)での熱濾過実験から得られた形態5のTGA/SDTA
シグナル及びTGA-MSデータを提供している。
図24の形態5のTGAサーモグラムは、Tピーク 80℃でのSDTAシグナル中に観察される幅広
い吸熱事象に対応する質量損失を示しており、これは、脱水過程と、それに続く、181℃
での再結晶化及び251℃での形態1の融解に関連する可能性が高い。出発材料の形態1の融
解温度(264℃)と比較した、ここでの形態1の融解温度の大きな相違は、これら2つの固体
の異なる来歴に起因すると考えることができる。形態5は、水を他の溶媒、例えば、THF、
1,4-ジオキサン、メタノール、及びエタノールと組み合わせて使用したときにのみ生成し
たことに留意されたい。室温で2週間の水中でのスラリー実験により、出発材料の形態1の
無水物が生成した。この観察結果は、化合物1の形態1が水にほとんど溶けないという事実
によって説明することができる。出発材料のいくらかの溶解は、有機溶媒(THF、1,4-ジオ
キサン、メタノール、又はエタノール)によってもたらされる形態5の二水和と、その後の
形態5の沈殿を生じさせるのに必要とされる。形態5の試料の化学的純度は図26のHPLCによ
り90.1%であると決定された。
図25の形態5のTGAサーモグラムは、約25℃から約300℃に加熱したときに、約35℃〜約2
40℃で試料の全質量のうちの約9.4%の全質量損失を含む。したがって、形態5は、約周囲
温度から約300℃に加熱したときに、その全質量の約9.4%を失う。この温度データは、形
態5が化合物1のモル当たり約2モルの水に相当する2モル当量の溶媒を結晶格子中に含有す
ることを示している。化合物1の二水和物の理論上の水含有量は10.2重量%であり、観察
されるTGA重量損失と一致する。これらの観察は、形態5が化合物1の二水和形態であるこ
とを示唆している。
図26は、THF/水(50:50)中での熱濾過実験から得られた固体としての形態5のHPLC及びMS
データを提供している。ピーク保持時間は4.8分であり、試料純度は89.9%(面積%)であ
る。
(6.1.2.19 非晶質形態)
非晶質化合物1のDSC、XRPDパターン、ラマンスペクトル、NMR、HPLC、及びMSを図27〜3
2に示す。
非晶質化合物1は、1)形態1の試料の温度を25℃で平衡化させること; 2)該試料を10℃/
分の速度で275℃にまで加熱すること; 3)該試料を5分間等温に保持すること; 4)該試料を
30℃/分の速度で-10℃に冷却すること; 5)該試料を10℃/分の速度で150℃に加熱すること
;及び6)残存する固体を回収することにより調製された。
図27の非晶質化合物1の示差走査熱量測定による熱分析は、非晶質化合物1のガラス転移
温度(Tg)が120℃にあることを示している。
図28は、非晶質化合物1のXRPDパターンを提供している。
図30は、非晶質化合物1のプロトン核磁気共鳴スペクトルを提供している。
図31は、非晶質化合物1のHPLC及びMSデータを提供している。
図32の非晶質化合物1のDSCサーモグラムは、約188.1℃で最大値を有する160〜200℃で
の幅広い吸熱事象を示している。
(6.2 生物学的実施例)
(6.2.1 生化学アッセイ)
TOR HTR-FRETアッセイ。以下は、化合物1の固体形態のTORキナーゼ阻害活性を決定する
ために使用することができるアッセイの例である。化合物1の固体形態をDMSOに溶解させ
、10mMストックとして調製し、実験用に適切に希釈する。試薬を次のように調製する:
「簡易TORバッファー」(高グリセロールTOR画分を希釈するために使用される): 10mM T
ris pH 7.4、100mM NaCl、0.1%Tween-20、1mM DTT。Invitrogen製の組換えTOR酵素(カタ
ログ# PV4753)を0.200μg/mLのアッセイ濃度になるまでこのバッファーに希釈する。
ATP/基質溶液: 0.075mM ATP、12.5mM MnCl2、50mM Hepes、pH 7.4、50mM β-GOP、250n
M Microcystin LR、0.25mM EDTA、5mM DTT、及び3.5μg/mL GST-p70S6。
検出試薬溶液: 50mM HEPES、pH 7.4、0.01%Triton X-100、0.01%BSA、0.1mM EDTA、1
2.7μg/mL Cy5-αGST Amersham(カタログ#PA92002V)、9ng/mL α-リン酸化p70S6(Thr389)
(Cell Signaling マウスモノクローナル#9206L)、627ng/mL α-マウスLance Eu(Perkin
Elmer カタログ#AD0077)。
20μLの簡易TORバッファーに、DMSO中の0.5μLの試験固体形態を添加する。反応を開始
させるために、5μLのATP/基質溶液を20μLの簡易TORバッファー溶液(対照)及び上で調製
された化合物溶液に添加する。5μLの60mM EDTA溶液を添加することにより、アッセイを6
0分後に停止させ;その後、10μLの検出試薬溶液を添加し、混合物を少なくとも2時間静置
させておいた後、LANCE Eu TR-FRET(320nmでの励起及び495/520nmでの放出)を検出するよ
うに設定されたPerkin-Elmer Envision Microplate Readerで読み取る。
(DNA-PKアッセイ)
Promega DNA-PKアッセイキット(カタログ# V7870)に供給されている手順を用いて、DNA
-PKアッセイを行う。DNA-PK酵素は、Promega(Promegaカタログ#V5811)から購入すること
ができる。
(6.3 製剤の例)
化合物1の固体形態を含む特定の製剤を調製し、いくつかの物理的及び化学的特性につ
いて試験する。修飾を行い、その後に得られる製剤も、望ましい物理的及び化学的特性を
保持する製剤が見つかるまで試験する。以下の例は、これらの製剤及びその試験を説明し
たものである。
(試験1:)
23-1試験は、錠剤の物理的特性及び化学的安定性に対する希釈剤、崩壊剤、及び薬物負
荷の効果を評価するものである。製剤組成の例を表30に示す。初期の錠剤開発は、通常の
室内UV光の中で実施される。
表30:様々な錠剤製剤の例示的な製剤組成
Figure 2019116491
(試験2:)
製剤化された製品中の化合物1の固体形態の安定性に対する酸化防止剤(例えば、ブチル
化ヒドロキシルトルエン、BHT)及びキレート化剤(例えば、エデト酸二ナトリウム、Na2-E
DTA)の効果を評価するために、試験を実施する。化合物1の固体形態の安定性に対する剤
形(錠剤対カプセル剤)の影響を評価する。
製剤組成の例を表31に示す。これらのプロセスは全て暗所で実施される。
表31:例示的な製剤組成
Figure 2019116491
(試験3:)
化合物1の錠剤の安定性に対するコーティング及び乾燥剤の影響を調べるために、さら
なる試験を実施することができる。全てのプロセスを黄色光の下で実施して、化合物1の
製剤に対するUV光曝露を妨げることができる。
例示的な製剤組成を表32に提供する。
表32:錠剤の例示的な製剤組成
Figure 2019116491
表33:例示的な錠剤製剤
Figure 2019116491
(錠剤の調製:)
表34〜表39によるブレンドを、次のように調製する。微結晶性セルロースを計量し、側
面が真っ直ぐな琥珀色のガラスジャーに添加する。蓋を閉め、ジャーの内側をコーティン
グするためにジャーを振盪させる。活性成分(化合物1の固体形態)を添加し、Turbulaミキ
サーを用いて46rpmで10分間ブレンドする。このブレンドを25メッシュスクリーンに通し
、Turbulaミキサーを用いて46rpmで10分間再びブレンドする。得られたブレンドを35メッ
シュスクリーンに通す。滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム)を除いて、残りの賦形剤を添
加する。得られた混合物を、Turbulaミキサーを用いて46rpmで10分間ブレンドする。得ら
れたブレンドのうちの6グラムを琥珀色のガラスジャーに添加する。滑沢剤を添加し、Tur
bulaミキサーを用いて46rpmで1分35秒間ブレンドする。低強度の錠剤製剤については、7.
14mmの杵と臼を用いて、140mg錠を調製する。高強度の錠剤製剤については、10.3mmの杵
と臼を用いて、400mg錠を調製する。
表34:例示的な低強度錠剤製剤#1
Figure 2019116491
表35:例示的な低強度錠剤製剤#2
Figure 2019116491
表36:例示的な低強度錠剤製剤#3
Figure 2019116491
表37:例示的な高強度錠剤製剤#1
Figure 2019116491
表38:例示的な高強度錠剤製剤#2
Figure 2019116491
表39:例示的な高強度錠剤製剤#3
Figure 2019116491
上記の製剤を6週間の安定性試験に供する。
本明細書に開示される実施態様は、開示された実施態様のいくつかの態様の実例である
ことが意図される実施例に開示された具体的な実施態様によって範囲が限定されるべきで
はなく、機能的に等価であるいかなる実施態様も本開示によって包含される。実際、本明
細書に示されかつ記載されているものに加えた本明細書に開示される実施態様の様々な修
飾は当業者に明白であり、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図される。
その開示が引用により完全に本明細書中に組み込まれる、いくつかの参考文献が引用さ
れている。
その開示が引用により完全に本明細書中に組み込まれる、いくつかの参考文献が引用されている。
本件出願は、以下の構成の発明を提供する。
(構成1)
約6.18、21.74、及び26.7°の2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する、式(I)の化合物又はその互変異性体を含む結晶形態:
(化1)
Figure 2019116491

(構成2)
約12.34、22.5、及び23.42°の2θにピークをさらに含むX線粉末回折パターンを有する、構成1記載の結晶形態。
(構成3)
約25℃から約300℃に加熱したときに前記結晶形態の全質量のうちの約15.5%の全質量損失を含む熱重量分析サーモグラムを有する、構成1記載の結晶形態。
(構成4)
約25℃から約300℃に加熱したときに約140℃で最大値を有する約90℃〜約185℃での吸熱を含む単一示差熱分析サーモグラムを有する、構成1記載の結晶形態。
(構成5)
前記単一示差熱分析サーモグラムが約264℃で最大値を有する約240℃〜約285℃の吸熱をさらに含む、構成4記載の結晶形態。
(構成6)
1,2-エタンジオールで溶媒和されている、構成1記載の結晶形態。
(構成7)
1モル当量の1,2-エタンジオールを含む、構成6記載の結晶形態。
(構成8)
実質的に純粋である、構成1記載の結晶形態。
(構成9)
約3.5、9.26、及び18.62°の2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する、式(I)の化合物又はその互変異性体を含む結晶形態:
(化2)
Figure 2019116491

(構成10)
約7.06、12.66、及び15.3°の2θにピークをさらに含むX線粉末回折パターンを有する、構成9記載の結晶形態。
(構成11)
約25℃から約300℃に加熱したときに前記結晶形態の全質量のうちの約12.8%の全質量損失を含む熱重量分析サーモグラムを有する、構成9記載の結晶形態。
(構成12)
約25℃から約300℃に加熱したときに約160℃で最大値を有する約110℃〜約175℃での吸熱を含む単一示差熱分析サーモグラムを有する、構成9記載の結晶形態。
(構成13)
前記単一示差熱分析サーモグラムが約254℃で最大値を有する約225℃〜約275℃の吸熱をさらに含む、構成12記載の結晶形態。
(構成14)
2,2,2-トリフルオロエタノールで溶媒和されている、構成9記載の結晶形態。
(構成15)
0.5モル当量の2,2,2-トリフルオロエタノールを含む、構成14記載の結晶形態。
(構成16)
実質的に純粋である、構成9記載の結晶形態。
(構成17)
約10.66、21.94、及び26.26°の2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する、式(I)の化合物又はその互変異性体を含む結晶形態:
(化3)
Figure 2019116491

(構成18)
約10.14、18.1、及び22.66°の2θにピークをさらに含むX線粉末回折パターンを有する、構成17記載の結晶形態。
(構成19)
約25℃から約300℃に加熱したときに前記結晶形態の全質量のうちの約16.4%の全質量損失を含む熱重量分析サーモグラムを有する、構成17記載の結晶形態。
(構成20)
約25℃から約300℃に加熱したときに約140℃で最大値を有する約100℃〜約175℃での吸熱を含む単一示差熱分析サーモグラムを有する、構成17記載の結晶形態。
(構成21)
前記単一示差熱分析サーモグラムが約258℃で最大値を有する約235℃〜約275℃の吸熱をさらに含む、構成20記載の結晶形態。
(構成22)
ジメチルスルホキシドで溶媒和されている、構成17記載の結晶形態。
(構成23)
0.8モル当量のジメチルスルホキシドを含む、構成22記載の結晶形態。
(構成24)
実質的に純粋である、構成17記載の結晶形態。
(構成25)
約9.26、11.7、及び26.18°の2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する、式(I)の化合物又はその互変異性体を含む結晶形態:
(化4)
Figure 2019116491

(構成26)
約7.46、24.26、及び24.94°の2θにピークをさらに含むX線粉末回折パターンを有する、構成25記載の結晶形態。
(構成27)
約25℃から約300℃に加熱したときに前記結晶形態の全質量のうちの約9.4%の全質量損失を含む熱重量分析サーモグラムを有する、構成25記載の結晶形態。
(構成28)
約25℃から約300℃に加熱したときに約80℃で最大値を有する約50℃〜約140℃での吸熱を含む単一示差熱分析サーモグラムを有する、構成25記載の結晶形態。
(構成29)
前記単一示差熱分析サーモグラムが約181℃で最大値を有する約160℃〜約200℃の発熱をさらに含む、構成28記載の結晶形態。
(構成30)
前記単一示差熱分析サーモグラムが約251℃で最大値を有する約225℃〜約275℃の吸熱をさらに含む、構成29記載の結晶形態。
(構成31)
水和されている、構成25記載の結晶形態。
(構成32)
2モル当量の水を含む、構成31記載の結晶形態。
(構成33)
実質的に純粋である、構成25記載の結晶形態。
(構成34)
式(I)の化合物又はその互変異性体を含む非晶質形態:
(化5)
Figure 2019116491

(構成35)
約188.1℃で最大値を有する約160℃〜約200℃の吸熱を含む示差走査熱量測定サーモグラムを有する、構成34記載の非晶質形態。
(構成36)
約120℃のガラス転移温度を有する、構成34記載の非晶質形態。
(構成37)
実質的に純粋である、構成34記載の非晶質形態。
(構成38)
癌、炎症性疾患、免疫学的疾患、神経変性疾患、糖尿病、肥満、神経学的障害、加齢関連疾患、心血管疾患、又はキナーゼ経路の阻害によって治療可能もしくは予防可能な疾患を治療又は予防する方法であって、構成1〜33のいずれか一項記載の結晶形態又は構成34〜37のいずれか一項記載の非晶質形態の有効量を、それを必要としている対象に投与することを含む、前記方法。
(構成39)
前記キナーゼ経路がTORキナーゼ経路である、構成38記載の方法。
(構成40)
完全奏功、部分奏功、又は安定の固形腫瘍における治療効果判定基準(RECIST 1.1)を対象において達成する方法であって、構成1〜33のいずれか一項記載の結晶形態又は構成34〜37のいずれか一項記載の非晶質形態の有効量を、固形腫瘍を有する対象に投与することを含む、前記方法。
(構成41)
NHLの国際ワークショップ基準(IWC)、多発性骨髄腫の治療効果判定国際統一基準(IURC)、東部共同腫瘍学グループのパフォーマンスステータス(ECOG)、又はGBMの神経腫瘍学治療効果評価(RANO)ワーキンググループを改善する方法であって、構成1〜33のいずれか一項記載の結晶形態又は構成34〜37のいずれか一項記載の非晶質形態の有効量を、それを必要としている対象に投与することを含む、前記方法。

Claims (41)

  1. 約6.18、21.74、及び26.7°の2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する、式(I)
    の化合物又はその互変異性体を含む結晶形態:
    Figure 2019116491
  2. 約12.34、22.5、及び23.42°の2θにピークをさらに含むX線粉末回折パターンを有する
    、請求項1記載の結晶形態。
  3. 約25℃から約300℃に加熱したときに前記結晶形態の全質量のうちの約15.5%の全質量
    損失を含む熱重量分析サーモグラムを有する、請求項1記載の結晶形態。
  4. 約25℃から約300℃に加熱したときに約140℃で最大値を有する約90℃〜約185℃での吸
    熱を含む単一示差熱分析サーモグラムを有する、請求項1記載の結晶形態。
  5. 前記単一示差熱分析サーモグラムが約264℃で最大値を有する約240℃〜約285℃の吸熱
    をさらに含む、請求項4記載の結晶形態。
  6. 1,2-エタンジオールで溶媒和されている、請求項1記載の結晶形態。
  7. 1モル当量の1,2-エタンジオールを含む、請求項6記載の結晶形態。
  8. 実質的に純粋である、請求項1記載の結晶形態。
  9. 約3.5、9.26、及び18.62°の2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する、式(I)
    の化合物又はその互変異性体を含む結晶形態:
    Figure 2019116491
  10. 約7.06、12.66、及び15.3°の2θにピークをさらに含むX線粉末回折パターンを有する
    、請求項9記載の結晶形態。
  11. 約25℃から約300℃に加熱したときに前記結晶形態の全質量のうちの約12.8%の全質量
    損失を含む熱重量分析サーモグラムを有する、請求項9記載の結晶形態。
  12. 約25℃から約300℃に加熱したときに約160℃で最大値を有する約110℃〜約175℃での吸
    熱を含む単一示差熱分析サーモグラムを有する、請求項9記載の結晶形態。
  13. 前記単一示差熱分析サーモグラムが約254℃で最大値を有する約225℃〜約275℃の吸熱
    をさらに含む、請求項12記載の結晶形態。
  14. 2,2,2-トリフルオロエタノールで溶媒和されている、請求項9記載の結晶形態。
  15. 0.5モル当量の2,2,2-トリフルオロエタノールを含む、請求項14記載の結晶形態。
  16. 実質的に純粋である、請求項9記載の結晶形態。
  17. 約10.66、21.94、及び26.26°の2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する、式(
    I)の化合物又はその互変異性体を含む結晶形態:
    Figure 2019116491
  18. 約10.14、18.1、及び22.66°の2θにピークをさらに含むX線粉末回折パターンを有する
    、請求項17記載の結晶形態。
  19. 約25℃から約300℃に加熱したときに前記結晶形態の全質量のうちの約16.4%の全質量
    損失を含む熱重量分析サーモグラムを有する、請求項17記載の結晶形態。
  20. 約25℃から約300℃に加熱したときに約140℃で最大値を有する約100℃〜約175℃での吸
    熱を含む単一示差熱分析サーモグラムを有する、請求項17記載の結晶形態。
  21. 前記単一示差熱分析サーモグラムが約258℃で最大値を有する約235℃〜約275℃の吸熱
    をさらに含む、請求項20記載の結晶形態。
  22. ジメチルスルホキシドで溶媒和されている、請求項17記載の結晶形態。
  23. 0.8モル当量のジメチルスルホキシドを含む、請求項22記載の結晶形態。
  24. 実質的に純粋である、請求項17記載の結晶形態。
  25. 約9.26、11.7、及び26.18°の2θにピークを含むX線粉末回折パターンを有する、式(I)
    の化合物又はその互変異性体を含む結晶形態:
    Figure 2019116491
  26. 約7.46、24.26、及び24.94°の2θにピークをさらに含むX線粉末回折パターンを有する
    、請求項25記載の結晶形態。
  27. 約25℃から約300℃に加熱したときに前記結晶形態の全質量のうちの約9.4%の全質量損
    失を含む熱重量分析サーモグラムを有する、請求項25記載の結晶形態。
  28. 約25℃から約300℃に加熱したときに約80℃で最大値を有する約50℃〜約140℃での吸熱
    を含む単一示差熱分析サーモグラムを有する、請求項25記載の結晶形態。
  29. 前記単一示差熱分析サーモグラムが約181℃で最大値を有する約160℃〜約200℃の発熱
    をさらに含む、請求項28記載の結晶形態。
  30. 前記単一示差熱分析サーモグラムが約251℃で最大値を有する約225℃〜約275℃の吸熱
    をさらに含む、請求項29記載の結晶形態。
  31. 水和されている、請求項25記載の結晶形態。
  32. 2モル当量の水を含む、請求項31記載の結晶形態。
  33. 実質的に純粋である、請求項25記載の結晶形態。
  34. 式(I)の化合物又はその互変異性体を含む非晶質形態:
    Figure 2019116491
  35. 約188.1℃で最大値を有する約160℃〜約200℃の吸熱を含む示差走査熱量測定サーモグ
    ラムを有する、請求項34記載の非晶質形態。
  36. 約120℃のガラス転移温度を有する、請求項34記載の非晶質形態。
  37. 実質的に純粋である、請求項34記載の非晶質形態。
  38. 癌、炎症性疾患、免疫学的疾患、神経変性疾患、糖尿病、肥満、神経学的障害、加齢関
    連疾患、心血管疾患、又はキナーゼ経路の阻害によって治療可能もしくは予防可能な疾患
    を治療又は予防する方法であって、請求項1〜33のいずれか一項記載の結晶形態又は請求
    項34〜37のいずれか一項記載の非晶質形態の有効量を、それを必要としている対象に投与
    することを含む、前記方法。
  39. 前記キナーゼ経路がTORキナーゼ経路である、請求項38記載の方法。
  40. 完全奏功、部分奏功、又は安定の固形腫瘍における治療効果判定基準(RECIST 1.1)を対
    象において達成する方法であって、請求項1〜33のいずれか一項記載の結晶形態又は請求
    項34〜37のいずれか一項記載の非晶質形態の有効量を、固形腫瘍を有する対象に投与する
    ことを含む、前記方法。
  41. NHLの国際ワークショップ基準(IWC)、多発性骨髄腫の治療効果判定国際統一基準(IURC)
    、東部共同腫瘍学グループのパフォーマンスステータス(ECOG)、又はGBMの神経腫瘍学治
    療効果評価(RANO)ワーキンググループを改善する方法であって、請求項1〜33のいずれか
    一項記載の結晶形態又は請求項34〜37のいずれか一項記載の非晶質形態の有効量を、それ
    を必要としている対象に投与することを含む、前記方法。
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