JP2018188592A - 発泡樹脂シート、積層シート、及びそれを用いたシール材 - Google Patents

発泡樹脂シート、積層シート、及びそれを用いたシール材 Download PDF

Info

Publication number
JP2018188592A
JP2018188592A JP2017094537A JP2017094537A JP2018188592A JP 2018188592 A JP2018188592 A JP 2018188592A JP 2017094537 A JP2017094537 A JP 2017094537A JP 2017094537 A JP2017094537 A JP 2017094537A JP 2018188592 A JP2018188592 A JP 2018188592A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foamed resin
sheet
mass
resin sheet
polyvinyl chloride
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017094537A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6800807B2 (ja
Inventor
田中 良和
Yoshikazu Tanaka
良和 田中
源樹 八木
Genki Yagi
源樹 八木
真也 奥田
Shinya Okuda
真也 奥田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Diaplus Film Co Ltd
Original Assignee
Diaplus Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Diaplus Film Co Ltd filed Critical Diaplus Film Co Ltd
Priority to JP2017094537A priority Critical patent/JP6800807B2/ja
Publication of JP2018188592A publication Critical patent/JP2018188592A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6800807B2 publication Critical patent/JP6800807B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Sealing Material Composition (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【解決課題】クッション性、加工時の追従性に優れた発泡樹脂シートを提供すること。【解決手段】ポリ塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して、可塑剤(B)55質量部を超え120質量部以下、及び、熱膨張性マイクロカプセル(C)1〜20質量部を含有する樹脂組成物を発泡させてなる発泡樹脂シートであって、25%圧縮応力が0.3〜1.5MPaであることを特徴とする発泡樹脂シート。【選択図】なし

Description

本発明は発泡樹脂シートに関し、詳しくは、クッション性、加工時の追従性に優れた発泡樹脂シート、積層シート、及びそれを用いたシール材に関する。
部品と部品の間を埋めるシール材は、自動車、家電、OA機器、洗面化粧台やキッチンや家具類などの住宅設備、建築資材等、様々な用途分野で使用されている。シール材は一般的に、ポリ塩化ビニル系樹脂やポリオレフィン、EPDM、ポリウレタン、各種熱可塑性エラストマーやゴム等をマトリックス樹脂に用いて、化学発泡や物理発泡により発泡させた発泡シートが基材として用いられ、必要に応じて更に粘着層や機能コート層を設けるなどの方法により機能が付与される。
シール材はその用途によって様々な性能を求められるが、部品など硬い構造物どうしの間を埋める用途の場合、適切なクッション性が基本性能として求められる。自動車などの振動による耐久性が求められる用途ではさらに、クッション性に対する要求は高い。
ポリ塩化ビニル系樹脂は安価で入手しやすく加工も容易なため、発泡樹脂シートのマトリックス樹脂として広く使用されているが、ポリ塩化ビニル系樹脂をマトリックスとした発泡樹脂シートは、EPDMゴムやポリウレタンをマトリックスとして作られたシートと比較して一般的にクッション性に劣る。
ポリ塩化ビニル系樹脂は可塑剤を添加することにより軟質化され、硬さのコントロールが比較的容易であり、非常に柔らかいマトリックスも形成することが可能である。ポリ塩化ビニル系樹脂を発泡させる手段として、熱膨張性マイクロカプセルを添加し、熱により発泡させる方法が知られており、熱膨張性マイクロカプセルは、マトリックスが柔らかくても熱により自己発泡し空孔を形成することができるため、柔軟なポリ塩化ビニル系樹脂の発泡剤として優れているが、一般に熱膨張性マイクロカプセルを用いた発泡シートは、発泡剤を用いたシートに比較して硬く、クッション性に劣る傾向がある。
例えば、特許文献1には、ポリ塩化ビニル系樹脂に、可塑剤、エチレン系樹脂、及び熱膨張性マイクロカプセルを配合した発泡樹脂シートが開示されている。特許文献1のシートは、品質バランスは悪くはないものの、クッション性には課題があり、加工時の追従性においても、もう一段の改良が望まれていた。
特開2016−160414号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、クッション性、加工時の追従性に優れた発泡樹脂シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ポリ塩化ビニル系樹脂に対して、所定量の可塑剤、及び、熱膨張性マイクロカプセルを配合してなる樹脂組成物を発泡させてなる発泡樹脂シートであって、25%圧縮応力が0.3〜1.5MPaであることを特徴とする発泡樹脂シートにより、上記従来技術の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
[1]ポリ塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して、可塑剤(B)55質量部を超え120質量部以下、及び、熱膨張性マイクロカプセル(C)1〜20質量部を含有する樹脂組成物を発泡させてなる発泡樹脂シートであって、25%圧縮応力が0.3〜1.5MPaであることを特徴とする発泡樹脂シート。
[2]前記ポリ塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して、更にエチレン共重合ポリ塩化ビニル樹脂(D)を1〜30質量部含有することを特徴とする[1]に記載の発泡樹脂シート。
[3]応力緩和率が40%以下であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の発泡樹脂シート。
[4」[1]〜[3]のいずれかに記載の発泡樹脂シートからなる層を少なくとも1層含む積層シート。
[5][1]〜[4]のいずれかに記載のシートを用いてなることを特徴とするシール材。
を提供するものである。
本発明によれば、クッション性、加工時の追従性に優れた発泡樹脂シートを得ることができるため、自動車、家電、OA機器、洗面化粧台やキッチンや家具類などの住宅設備、建築資材等の用途のシール材用として好適に用いることができる。
以下、本発明の実施形態の一例としての本発明の発泡樹脂シート(以下、「本発明のシート」とも言う)について説明する。ただし、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
<本発明の発泡樹脂シート>
本発明の発泡樹脂シートは、ポリ塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して、可塑剤(B)55質量部を超え120質量部以下、及び、熱膨張マイクロカプセル(C)1〜20質量部を含有する樹脂組成物(以下、「本発明の発泡樹脂シート用樹脂組成物」とも言う)を発泡させてなるものである。
<ポリ塩化ビニル系樹脂(A)>
本発明に用いるポリ塩化ビニル系樹脂としては、任意の平均重合度のポリ塩化ビニル系樹脂を用いることができる。好ましくは、ポリ塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、600〜3,000である。平均重合度が600以上であれば、十分な機械強度を得ることができる。一方、平均重合度が3,000を超えると、加工性(流動性)の低下が著しくなる割には機械的物性の向上が少なく、実用的でない。
よって、このような観点から、塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、前述の範囲の中でも特に800以上、2,900以下であることがより好ましく、中でも900以上、2,800以下であることがさらに好ましい。
ポリ塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルの単独重合体(「塩化ビニル系単独重合体」と称する)のほか、塩化ビニルと共重合可能な単量体との共重合体(以下、「塩化ビニル系共重合体」と称する)、この塩化ビニル系共重合体以外の重合体に塩化ビニルをグラフト共重合させたグラフト共重合体(以下、「塩化ビニル系グラフト共重合体」と称する)などを挙げることができる。
塩化ビニル系共重合体は、共重合体中の塩化ビニル以外の構成単位の含有量が多くなると機械的特性が低下するため、塩化ビニル系共重合体中に占める塩化ビニルの割合が60〜99質量%であることが好ましい。
なお、塩化ビニル系単独重合体、および、塩化ビニル系共重合体は、任意の方法、例えば乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法などで重合することができる。
ここで、塩化ビニルと共重合可能な単量体としては、分子中に反応性二重結合を有するものであればよい。例えばエチレン、プロピレン、ブチレンなどのα−オレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、ブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸類、アクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸フェニルなどのアクリル酸またはメタクリル酸のエステル類;スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのN−置換マレイミド類などを挙げることができ、これらは単独、または、2種以上の組み合わせで用いることができる。
塩化ビニル系共重合体以外の重合体としては、塩化ビニルをグラフト共重合できるものであればよい。例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル・一酸化炭素共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレート・一酸化炭素共重合体、エチレン・メチルメタクリレート共重合体、エチレン・プロピレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、ポリウレタン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンなどを挙げることができ、これらを単独、または、2種以上の組み合わせで用いることができる。
<可塑剤(B)>
本発明に用いる可塑剤としては、ポリ塩化ビニル系樹脂との相溶性が良好であれば特に限定されることはなく、公知の可塑剤を使用することができる。このような可塑剤としては、例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジシクロヘキシル、テトラヒドロフタル酸エステル、トリクレシルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリ(2−クロロエチル)ホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジ−n−アルキル、ジブチルジグリコールアジペート、アゼライン酸ビス(2−エチルヘキシル)、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシル、フマル酸ジブチル、トリメリット酸トリス−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリアルキルや、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化綿実油、エポキシ化落花生油、エポキシ化紅花油、エポキシ化ブドウ種子油、エポキシ化オリーブ油等のエポキシ化植物油等があげられる。これらは単独で用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。
<可塑剤の含有量>
本発明の発泡樹脂シート用樹脂組成物における可塑剤の含有量は、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、55質量部を超え120質量部以下であり、下限値としては好ましくは60質量部以上、より好ましくは65質量部以上であり、上限値としては好ましくは115質量部以下、より好ましくは110質量部以下である。
可塑剤の含有量が55質量部以上であれば、柔軟性に優れる発泡樹脂シートが得られる。一方、可塑剤の含有量が120質量部以下であれば、製膜時に溶融張力が下がりすぎることによる膜厚の変動を抑制することが可能となる。
<熱膨張性マイクロカプセル(C)>
本発明で使用する熱膨張性マイクロカプセルはアクリロニトリル・メタアクリロニトリル・酢酸ビニル共重合体からなるシェルと、このシェル中に封入されたブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、イソオクタン等の揮発性液体からなるカプセルであり、膨張開始温度が100〜180℃であることが好ましい。膨張を開始する温度を100℃以上とすることで、熱膨張性マイクロカプセルを事前に溶融混練することがある場合であっても、熱膨張性マイクロカプセルの膨張を抑制することができる。また、膨張開始温度を180℃以下とすることで、発泡樹脂シートを加熱成形する際の成形温度において該熱膨張性マイクロカプセルが膨張を開始し、所定の発泡樹脂シートを成形することができる。なお、上記膨張開始温度は、110〜155℃であることがより好ましく、120〜155℃がさらに好ましい。
本発明に使用する熱膨張性マイクロカプセルの市販品の例としては、松本油脂(株)製「マツモトマイクロスフェアー」シリーズ、アクゾノーベル社製「EXPANCEL」シリーズや積水化学工業(株)製「ADVANCELL」シリーズなどが挙げられる。
<熱膨張性マイクロカプセルの含有量>
本発明の発泡樹脂シート用樹脂組成物における熱膨張性マイクロカプセルの含有量は、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して1〜20質量部であり、下限値としては好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上であり、上限値としては18質量部以下、好ましくは15質量部以下である。
熱膨張性マイクロカプセルの含有量を1質量部以上とすることで、発泡樹脂シートの軽量化を図ることが可能となる。一方、熱膨張性マイクロカプセル(C)の含有量を20質量部以下とすることで、機械強度が低下することを抑制することができ、より好ましい外観とすることができる。
<エチレン共重合ポリ塩化ビニル樹脂(D)>
本発明の発泡樹脂シート用樹脂組成物は、更に、α−オレフィン類であるエチレンを塩化ビニルと共重合させた、エチレン共重合ポリ塩化ビニル樹脂を1〜30質量部含有することが好ましい。エチレン共重合ポリ塩化ビニル樹脂を含有することで、ポリ塩化ビニル系樹脂と、熱膨張性マイクロカプセルとの親和性が向上し、溶融加工時におけるプレートアウトの発生を抑制することで外観が特に良好な発泡樹脂シートが得られる。
<エチレン共重合ポリ塩化ビニル樹脂(D)の含有量>
本発明の発泡樹脂シート用樹脂組成物におけるエチレン共重合ポリ塩化ビニル樹脂の含有量は、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して1〜30質量部であることが好ましい。エチレン共重合ポリ塩化ビニル樹脂の含有量を1質量部以上とすることで、ポリ塩化ビニル系樹脂と熱膨張性マイクロカプセルとの親和性をより向上させることが可能となり、熱膨張性マイクロカプセルのプレートアウトを抑制することができる。一方、エチレン共重合ポリ塩化ビニル樹脂の含有量を30質量部以下とすることで、溶融張力が低下し、安定した製膜が困難になることを抑制することができる。
エチレン共重合ポリ塩化ビニル樹脂の含有量の下限は、1.5質量部以上であることがより好ましく、2質量部以上であることがさらに好ましい。また、エチレン共重合ポリ塩化ビニル樹脂の含有量の上限は、28質量部以下であることがより好ましく、25質量部以下であることがさらに好ましい。
<その他の添加剤>
本発明のシートには、上記ポリ塩化ビニル系樹脂、可塑剤、熱膨張性マイクロカプセルに加えて、本発明の効果を損なわない範囲で各種添加剤を添加することができる。例えば、MBS樹脂、ABS樹脂、ブチルアクリレートを主成分とするアクリルゴムなどの衝撃改良剤、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩などの滑剤、あるいは、サリチル酸エステル、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾールなどの紫外線吸収剤や、安定剤、帯電防止剤、抗菌・防カビ剤、顔料、三酸化アンチモン等の難燃助剤、さらには、ポリ塩化ビニル系樹脂以外の樹脂などを添加することもできる。
<本発明のシートの製造方法>
本発明の発泡樹脂シートの製造方法は、特に限定されないが、例えば、各材料を溶融混練して溶融樹脂組成物を得る工程、該溶融樹脂組成物を押出成形する工程、および、成形された溶融樹脂組成物を冷却する工程を有していてもよい。
溶融混練には、単軸押出機、二軸押出機などの公知の混合機を用いることができる。樹脂組成物の溶融温度は、樹脂の種類、混合比率、添加剤の有無や種類に応じて適宜決定されるが、溶融温度の下限は、例えば150℃以上、好ましくは170℃以上であり、また、溶融温度の上限は、例えば220℃以下、好ましくは200℃以下である。かかる溶融温度の範囲内で成形することにより、ポリ塩化ビニル系樹脂の熱劣化を生じることなく、外観良好な発泡樹脂シートを成形することができる。
押出成形では、例えば、Tダイなどの金型を用いて、溶融樹脂組成物を押出成形する。押出成形された溶融樹脂組成物を冷却するには、例えば、冷却されたキャストロールなどの冷却機に、溶融樹脂組成物を接触させ、急冷する。これにより、溶融樹脂組成物が固化され、無延伸シートが得られる。冷却温度は、溶融温度よりも低温であれば限定されないが、冷却温度の上限は、例えば100℃以下、好ましくは、90℃以下であり、また、冷却温度の下限は、例えば0℃以上、好ましくは、10℃以上である。
なお、無延伸シートとは、シートの強度を高める目的で、積極的に延伸しないシートであるが、ここでは、押出成形時に延伸ロールによって2倍未満に延伸されたシートも無延伸シートに含むものとする。
<シート厚み>
本発明の発泡樹脂シートの厚みは、特に限定されることはないが、使用する用途により適宜設定できる。一般的には15mm以下であることが好ましく、10mm以下であることがより好ましく、7mm以下であることが更に好ましい。また、1mm以上であることが好ましく、1.5mm以上であることがより好ましく、2mm以上であることが更に好ましい。
発泡樹脂シートの厚みを上記の範囲とすることで、シートをロール状に巻き取る作業性により優れたものとなり効率的な生産が可能となる。また、物性値をより好ましいものとすることができる。
<層構成>
本発明の発泡樹脂シートは、単層であってもよく、多層であってもよい。
<積層シート>
本発明のもう一つの態様は、本発明の発泡樹脂シートからなる層を少なくとも1層含む積層シートである。本発明の発泡樹脂シートは、表面層あるいは裏面層、中間層いずれに配置することもできるが、本発明においては中間層とすることが好ましい。積層シートとする場合、本発明の発泡樹脂シートからなる層以外の層は、用途や求められる性能等に応じて、適宜選択することができるが、好ましくはポリ塩化ビニル系樹脂を主成分とする層を表面層および/または裏面層に備えた構成とすることができる。
本発明の発泡樹脂シートは、例えば、シート表面における優れた外観性能等の性能が要求される用途に使用する場合などは、表面層にポリ塩化ビニル系樹脂層を設けることで、発泡による外観の不具合を抑制することができる。この場合、特に積層シートの表面層および/または裏面層には、熱膨張性マイクロカプセルを含有しないことがより好ましい。なお、「熱膨張性マイクロカプセルを含有しない」ことには、熱膨張性マイクロカプセルの発泡作用により外観が損なわれない程度のごくわずかな量を含有することも含まれる。なお本発明の発泡樹脂シートと表面層および/または裏面層との間には、さらに必要に応じてプライマー層等を形成してもよい。
さらに本発明の発泡樹脂シートには、耐候性やその他必要な目的に応じて別の樹脂層を設けることもできる。この樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等を積層またはコーティングすることにより形成できる。また、これらの樹脂層には、エンボス加工等の各種加工を施すこともできる。
本発明の発泡樹脂シートを用いて積層シートを製造する方法としては、(1)発泡樹脂シートとその他のフィルム層を予め調製し、その後、発泡樹脂シートとその他のフィルム層を積層する方法、(2)発泡樹脂シートとその他のフィルム層を直接形成させる方法が挙げられる。
(1)の方法の場合は、発泡樹脂シートとその他のフィルム層を押出して加圧ロールによりラミネートする押し出しラミネート法を用いることができる。
(2)の方法の場合は、発泡樹脂シートとその他のフィルム層を、Tダイ押出し成形法等の押出し成形法、インフレーション成形法及びカレンダー成形法等の成形方法により調製することができる。
<見掛け密度>
本発明の発泡樹脂シートは、JIS K7222に基づき測定した見掛け密度が0.10〜1.0g/cmであることが好ましく、0.15〜0.90g/cmであることがより好ましく、0.15〜0.80g/cmであることが更に好ましい。発泡樹脂シートの見かけ密度を0.10g/cm以上とすることで、シートの過剰な強度低下を抑制することができる。一方、発泡樹脂シートの見かけ密度を1.0g/cm以下とすることで、シートの軽量化を図ることができる。
<クッション性>
本発明の発泡樹脂シートは、以下の方法で測定される25%圧縮応力が0.3〜1.5MPaであることが重要である。25%圧縮応力は、シートのクッション性に関する指標となり、25%圧縮応力が0.3MPa以上であれば、形状回復性能の低下を抑制できるため好ましい。また1.5MPa以下であれば、シートが硬くなりすぎてクッション性が低下することもなく、シール材としての使用が困難となることもないため好ましい。
またさらに本発明の発泡樹脂シートは、以下の方法で測定される応力緩和率が40%以下であることが好ましい。応力緩和率もまたシートのクッション性に関する指標となり、応力緩和率が40%以下であれば、長時間荷重を加えた後にでも形状回復が可能となるため好ましい。40%を超えると元の形状に復元しない場合が多くなる。
<引張破断伸度>
本発明の発泡樹脂シートは、JIS K7127に基づき測定した引張破断伸度が150%以上であることが好ましく、200%以上がより好ましく、300%以上がさらに好ましい。引張破断伸度を150%以上とすることで、柔軟性に優れ、加工時の追従性に優れたシートを得ることができる。
<引張弾性率>
本発明の発泡樹脂シートは、JIS K7127に基づき測定した引張弾性率が10MPa以上であることが好ましく、12MPa以上がより好ましく、15MPa以上がさらに好ましい。引張弾性率を10MPa以上とすることで、弾力性と柔軟性のバランスがよくクッション性に優れたシートとなる。
<本発明の発泡樹脂シートの用途>
本発明の発泡樹脂シートは、クッション性、加工時の追従性に優れるため、自動車、家電、OA機器、洗面化粧台やキッチンや家具類などの住宅設備、建築資材等の用途のシール材用として好適に用いることができる。
以下に本発明について実施例を用いて説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
なお、実施例に示す測定値及び評価は次のように行った。実施例では、シートの引き取り(流れ)方向を「縦」方向(又は、MD)、その直角方向を「横」方向(又は、TD)と記載する。
<評価方法>
(1)見掛け密度
得られた発泡樹脂シートについて、JIS K7222に基づき見掛け密度(g/cm)を測定した。
(2)引張弾性率
得られた発泡樹脂シートの縦方向について、測定部分が10mm幅のダンベル試験片を使用し、JIS K7127に基づき、温度23℃、チャック間を40mm、引張速度50mm/minの条件で測定を行い、引張弾性率MPaを算出した。
(3)引張破断強度・引張破断伸度
得られた発泡樹脂シートの縦方向について、測定部分が10mm幅のダンベル試験片を使用し、JIS K7127に基づき、温度23℃、チャック間を40mm、引張速度300mm/minの条件で測定を行い、引張破断強度(MPa)と引張破断伸度(%)を算出した。
(4)25%圧縮応力
得られた発泡樹脂シートを、温度23℃、湿度50%の環境に24時間以上静置した後、シートを30×30mmの大きさに打ち抜き、約10mmの厚さとなるよう複数重ね合せたものをサンプルとし、温度23℃、湿度50%の環境下で、島津製作所社製万能材料試験機AGS−Xにて、サンプル全面を速度50mm/分で平行に圧縮し、元の厚みから25%圧縮させた際の応力を測定した。
(5)応力緩和率
得られた発泡樹脂シートについて、温度23℃、湿度50%の環境下で、島津製作所社製万能材料試験機AGS−Xにて、速度100mm/分で、シートの当初の厚みから50%押し込んだ後、直ちに荷重を除き、1分間放置する。次にシートの当初の厚みの25%押し込み、この時の応力(緩和前応力)を測定する。この状態で20秒間放置した後の応力(緩和後応力)を測定し、以下の式により応力緩和率を算出した。
応力緩和率(%)=(緩和前応力−緩和後応力)/緩和前応力×100
各実施例、比較例で使用した原材料は、下記の通りである。
[使用した材料]
<ポリ塩化ビニル系樹脂(A)>
ポリ塩化ビニル系樹脂(A−1)としては、大洋塩ビ社製、商品名「TH−2500」(平均重合度2500)を使用した。
ポリ塩化ビニル系樹脂(A−2)としては、大洋塩ビ社製、商品名「TH−1000」(平均重合度1050)を使用した。
<可塑剤(B)>
可塑剤(B−1)としては、ジェイプラス社製、商品名「DOP」(フタル酸ジオクチル)を使用した。
可塑剤(B−2)としては、ジェイプラス社製、商品名「DINP」(フタル酸ジイソノニル)を使用した。
<熱膨張性マイクロカプセル(C)>
熱膨張性マイクロカプセル(C−1)としては、アクゾノーベル社製、商品名「EXPANCEL930DU120」(膨張開始温度:122〜132℃)を使用した。
熱膨張性マイクロカプセル(C−2)としては、アクゾノーベル社製、商品名「EXPANCEL951DU120」(膨張開始温度:132〜142℃)を使用した。
<エチレン共重合ポリ塩化ビニル樹脂(D)>
エチレン共重合ポリ塩化ビニル樹脂(D)としては、大洋塩ビ社製、商品名「TE−1050」(平均重合度1050、エチレン含有率1.3質量%)を使用した。
<実施例1〜6、比較例1〜3>
表1に示す配合割合となるように調整した原料を、スーパーミキサーを用いてブレンドした後、得られた混合物を、Tダイを装着したΦ40mm単軸押出機に投入し、樹脂温度180℃で各厚みとなるように押出成形して、実施例、比較例に係る発泡樹脂シートを得た。得られたシートについて、上記評価方法により評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2018188592
実施例1〜6で得られた本発明のシートは、優れたクッション性を有し、加工時の追従性にも優れるものであった。一方、本願発明の要件を満たさない比較例1〜3はいずれもクッション性あるいは加工時の追従性等に劣るものであった。
本発明の発泡樹脂シートは、クッション性、加工時の追従性に優れるため、自動車、家電、OA機器、洗面化粧台やキッチンや家具類などの住宅設備、建築資材等の用途のシール材用として好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. ポリ塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して、可塑剤(B)55質量部を超え120質量部以下、及び、熱膨張性マイクロカプセル(C)1〜20質量部を含有する樹脂組成物を発泡させてなる発泡樹脂シートであって、25%圧縮応力が0.3〜1.5MPaであることを特徴とする発泡樹脂シート。
  2. 前記ポリ塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して、更にエチレン共重合ポリ塩化ビニル樹脂(D)を1〜30質量部含有することを特徴とする請求項1に記載の発泡樹脂シート。
  3. 応力緩和率が40%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡樹脂シート。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の発泡樹脂シートからなる層を少なくとも1層含む積層シート。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のシートを用いてなることを特徴とするシール材。
JP2017094537A 2017-05-11 2017-05-11 発泡樹脂シート、積層シート、及びそれを用いたシール材 Active JP6800807B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017094537A JP6800807B2 (ja) 2017-05-11 2017-05-11 発泡樹脂シート、積層シート、及びそれを用いたシール材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017094537A JP6800807B2 (ja) 2017-05-11 2017-05-11 発泡樹脂シート、積層シート、及びそれを用いたシール材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018188592A true JP2018188592A (ja) 2018-11-29
JP6800807B2 JP6800807B2 (ja) 2020-12-16

Family

ID=64479149

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017094537A Active JP6800807B2 (ja) 2017-05-11 2017-05-11 発泡樹脂シート、積層シート、及びそれを用いたシール材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6800807B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08196309A (ja) * 1995-01-27 1996-08-06 Achilles Corp 発泡スラッシュ成形靴およびその製造法
JP2000290418A (ja) * 1999-04-06 2000-10-17 Asahi Denka Kogyo Kk 発泡成形用塩化ビニル系樹脂組成物
JP2011099024A (ja) * 2009-11-05 2011-05-19 Nippon Polyurethane Ind Co Ltd 粉末状熱可塑性樹脂組成物、並びにそれを用いた二層構造を有するシート状熱可塑性樹脂成形物
JP2012067181A (ja) * 2010-09-22 2012-04-05 Sekisui Chem Co Ltd 熱膨張性マイクロカプセル、樹脂組成物及び発泡シート
JP2016160414A (ja) * 2015-03-05 2016-09-05 ダイヤプラスフィルム株式会社 発泡樹脂シート用樹脂組成物、および、発泡樹脂シート
JP2018035288A (ja) * 2016-09-01 2018-03-08 ダイヤプラスフィルム株式会社 発泡樹脂シート用樹脂組成物、および、発泡樹脂シート

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08196309A (ja) * 1995-01-27 1996-08-06 Achilles Corp 発泡スラッシュ成形靴およびその製造法
JP2000290418A (ja) * 1999-04-06 2000-10-17 Asahi Denka Kogyo Kk 発泡成形用塩化ビニル系樹脂組成物
JP2011099024A (ja) * 2009-11-05 2011-05-19 Nippon Polyurethane Ind Co Ltd 粉末状熱可塑性樹脂組成物、並びにそれを用いた二層構造を有するシート状熱可塑性樹脂成形物
JP2012067181A (ja) * 2010-09-22 2012-04-05 Sekisui Chem Co Ltd 熱膨張性マイクロカプセル、樹脂組成物及び発泡シート
JP2016160414A (ja) * 2015-03-05 2016-09-05 ダイヤプラスフィルム株式会社 発泡樹脂シート用樹脂組成物、および、発泡樹脂シート
JP2018035288A (ja) * 2016-09-01 2018-03-08 ダイヤプラスフィルム株式会社 発泡樹脂シート用樹脂組成物、および、発泡樹脂シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP6800807B2 (ja) 2020-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101188908B1 (ko) 가요성 아크릴 발포체 조성물
CA2650023A1 (en) Rigid polyvinyl chloride polymer compositions having improved impact properties
JPH04361031A (ja) 自動車用内装表皮材
JP6448416B2 (ja) 発泡樹脂シート用樹脂組成物、および、発泡樹脂シート
JP7316265B2 (ja) 低密度フルオロポリマー発泡体
JP6800807B2 (ja) 発泡樹脂シート、積層シート、及びそれを用いたシール材
JP6688194B2 (ja) 発泡樹脂シート用樹脂組成物、および、発泡樹脂シート
JP2009144134A (ja) 発泡成形用熱可塑性樹脂組成物、発泡成形品及び積層品
WO2012090802A1 (ja) 発泡体、面材強化発泡体及び成形体
JPS6092345A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JP6290541B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JPS60133045A (ja) 改良された加工特性を有する成形材料およびこれから製造した耐老化性プラスチツク
JP2002273790A (ja) 耐熱性塩化ビニル樹脂管の製造方法、並びに、耐熱性塩化ビニル樹脂成形体
JP2019151709A (ja) 発泡樹脂シート用樹脂組成物、発泡樹脂シート、積層シート、および、発泡樹脂シートの製造方法
JPH11209547A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JP7359565B2 (ja) 多層シート及びそれを用いた容器
KR100481088B1 (ko) 입체 고발포 피브이씨계 수지 조성물
JP2003128825A (ja) 発泡成形用樹脂組成物及び発泡樹脂成形品
JPH11255990A (ja) 熱可塑性エラストマー樹脂組成物、その押出成形品及び窓枠
JP2023109594A (ja) 発泡塩化ビニル系樹脂シート及びその製造方法
JPS6040148A (ja) 熱可塑性弾性体組成物
JPH06116876A (ja) ビニルレザーの製造方法
JPH11270247A (ja) 窓 枠
JPS63139927A (ja) 軟質押出発泡用塩化ビニル系樹脂組成物
JPS6067551A (ja) 塩化ビニル樹脂系複合材組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201111

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201117

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201125

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6800807

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150