JP2017188013A - 生コンクリートの出荷および納入管理方法と出荷および納入管理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】生コンクリートの製造者と工事現場を間接的に結ぶ簡易な構成のシステムにて、工事現場が生コンクリートの出荷から納入までを精度よく管理することのできる、生コンクリートの出荷および納入管理システムと出荷および納入管理方法を提供する。【解決手段】OCRソフトを備えたホストコンピュータ4と、生コンクリートの製造者が有する生コンクリートの納入伝票をスキャニングする第1のスキャン装置1と、スキャニングされた第1の画像データをホストコンピュータ4に送信する第1の通信機2と、工事現場が有する納入伝票をスキャニングする第2のスキャン装置5と、スキャニングされた第2の画像データをホストコンピュータ4に送信する第2の通信機6と、を備え、ホストコンピュータ4では、第1の画像データおよび第2の画像データがそれぞれOCRソフトにて文字変換されて情報データが作成される、生コンクリートの出荷および納入管理システム10である。【選択図】図1
Description
本発明は、生コンクリートの出荷および納入管理方法と出荷および納入管理システムに関するものである。
コンクリート構造物を施工する工事現場においては、コンクリート打設日に、予めその仕様や配合が定められた所定量の生コンクリート(フレッシュコンクリート)が搬送車(ミキサー車)にて予め設定された時刻に随時搬送され、打設に供されている。
通常、生コンクリートの製造者(生コンクリートのプラント工場)に対して、工事現場からコンクリート打設日に所定の仕様で所定量の生コンクリートの搬送が発注されるが、大規模な工事現場では、同じ日に複数の生コンクリート製造者に対して発注がなされることも往々にしてある。そのため、コンクリート打設日においては、複数の製造者からの搬送車が工事現場にて錯綜し得ることから、生コンクリートの納入管理は工事現場にとって極めて煩雑でかつ重要になる。
また、コンクリートの品質管理の観点から、搬送時間が90分を超えないように生コンクリートの出荷から納入までの時間を厳格に管理する必要があることからも、生コンクリートの納入管理の重要性は極めて高い。
ところで、生コンクリートの製造者は、発注された仕様の生コンクリートをプラント工場にて混練製造し、製造された生コンクリートを搬送車に積み込み、指定時刻に工事現場に到着するように搬送車を出発させる。
この搬送車の出発に際し、生コンクリートの製造者においては、JISA5308に規定された納入伝票を作成し、搬送車はこの納入伝票を備えて出発する。
この納入伝票には、工事現場名、搬送車の車番、出荷時刻(生コンクリートの製造者において搬送車に納入された納入時刻)、生コンクリートの出荷量、生コンクリートの仕様(コンクリート種、呼び強度、スランプ、粗骨材の最大寸法、セメント種)や配合(セメント量、水量、細骨材量、粗骨材量、混練材量)などが情報として盛り込まれている。
搬送車が工事現場に到着すると、搬送車の運転手は納入伝票を工事管理者に手渡し、工事管理者は納入伝票の内容を確認するとともに、納入伝票に納入時刻を記載し、納入伝票の控えを受領する。
上記する一連の生コンクリートの出荷から納入までの流れにおいては、納入伝票の情報が偽りなく正しいことを前提としている。すなわち、工事現場から指定された仕様および配合の生コンクリートが、所定の搬送時間内に工事現場に搬送されたという事実は、納入伝票が正しいことを前提としたものである。
したがって、これまでのコンクリート工事においては、納入伝票の情報が正しいことを工事現場サイドが客観的に知り得る術が無かったと言うことができる。
しかしながら、工事現場サイドにおいて、コンクリートの品質管理を生コンクリートの出荷から納入に至るまで正確かつ厳格におこないたいという要請が無かったわけではないものの、このような要請を満たす技術が発案されていなかったのが実情である。
ここで、特許文献1には、生コンクリートの発注者と製造者と運送車と生コンクリートの納入先となる現場とで、共通したフォーマットを有することにより、発注時から製造時、製造時から運送時、運送時から納入時、までの各工程時点での正確な確認を可能とした、生コンクリート誤納防止プログラム及びシステムが開示されている。
具体的には、生コンクリートを中心とした、発注者端末と、製造者端末と、現場端末と、で共有可能なフォーマットをホストコンピュータに蓄積し、各時点でネットワークを介してホストコンピュータへ接続してフォーマットにあるデータと入力するデータとを確認するようにしたものである。ここでは、各端末およびホストコンピュータが、共通の入力手段、演算手段、データ格納手段、出力手段、および接続手段を備えていることを必須の構成としている。
特許文献1に記載の生コンクリート誤納防止プログラム及びシステムによれば、製造者側あるいは現場側にて、正しく納入されるべき生コンクリートの仕様、納入場所(現場)、の一方もしくは両方に不備があった場合に、即座にどの時点で不備があったかが把握でき、したがって生コンクリートの仕様、納入先のいずれか一方の不備を未然に防止でき、現場で誤って生コンクリートを打設する最悪の事態を確実に防ぐことができるとしている。
しかしながら、特許文献1で記載されるシステムでは、生コンクリートの製造者と現場がともに共通の管理システムを備えることを必須としており、したがってこのような技術の具現化は現実的とは言い難い。一般に、一つの工事現場が生コンクリートを発注する生コンクリートの製造者は複数に及ぶことから、工事現場とこれら複数の生コンクリートの製造者が共通の管理システムを個々に備えることは不可能と言ってよい。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、生コンクリートの製造者と工事現場との間で、工事現場が生コンクリートの出荷から納入までを精度よく管理することのできる、生コンクリートの出荷および納入管理方法と出荷および納入管理システムを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による生コンクリートの出荷および納入管理方法は、生コンクリートの製造者が生コンクリートの納入伝票をスキャニングして第1の画像データを作成し、該第1の画像データをOCRソフトを備えたホストコンピュータに送信する第1のステップ、前記ホストコンピュータにおいて、前記OCRソフトにて送信されてきた前記第1の画像データを文字変換し、所定の情報が記載された情報データを作成する第2のステップ、前記生コンクリートの製造者から生コンクリートを積んで出荷した搬送車が工事現場に到着し、該工事現場が納入伝票をスキャニングして第2の画像データを作成し、該第2の画像データを前記ホストコンピュータに送信する第3のステップ、前記ホストコンピュータにおいて、前記OCRソフトにて送信されてきた前記第2の画像データを文字変換し、所定の情報が記載された情報データを作成する第4のステップ、からなるものである。
本発明の生コンクリートの出荷および納入管理方法は、生コンクリートの製造者と工事現場がそれぞれに固有のスキャン装置と通信機を備え、ホストコンピュータにあるOCRソフトに各通信機から画像データを送信して文字変換してテキストデータとされ、所定の情報がテキストデータとして盛り込まれた情報データを作成し、この情報データに基づいて生コンクリートの出荷管理と納入管理をおこなう方法である。
生コンクリートの製造者と工事現場がそれぞれに有するスキャン装置や通信機は、必ずしも共通仕様のものでなくてよい。
ホストコンピュータはたとえばクラウドサーバーにあり、納入伝票に関する画像データから所定の情報を抽出して情報データを作成可能なOCRソフトが格納されている。なお、現状、このようなOCRソフトとしては、帳票OCR(パナソニック社製)などを使用できる。
ホストコンピュータで作成された情報データとしては、コンクリートの製造者から生コンクリートを積んで出荷する搬送車の車番および出荷時刻と、生コンクリートの仕様(配合を含む)および出荷量(以上の情報は生コンクリートの製造者から送信された第1の画像データが文字変換されて抽出された情報)と、生コンクリートが工事現場に納入された納入時刻(以上の情報は工事現場から送信された第2の画像データが文字変換されて抽出された情報)などが含まれている。
なお、納入伝票において、生コンクリートが工事現場に納入された納入時刻は工事現場の管理者が手書きにて記入することになるが、実際に手書きによる文字はOCRソフトにて正しく認識されない可能性がある。そこで、工事現場において第2のスキャン装置にて納入伝票がスキャニングされた際に、第2の画像データの情報(tifデータ)としてスキャニングの時刻が取り込まれることから、このスキャニングの時刻を納入時刻と特定して情報データに盛り込むようにするのがよい。
したがって、工事現場の管理者等は、適宜ホストコンピュータの情報データをタブレット、スマートフォンなどの接続された機器で確認することにより、ある車番の搬送車が積んだ生コンクリートが正しい仕様および出荷量であるか、出荷から工事現場納入までの搬送時間が所定時間内か否かを客観的に特定することができる。
また、ある車番の搬送車が指定時刻を過ぎても現場に到着していない場合に、指定の出発時刻に当該搬送車が生コンクリートの製造者(プラント工場)を出発したか否かを把握することができる。このような場合、必要に応じて工事現場から生コンクリートの製造者に連絡を取り、当該製造者が搬送車と連絡を取り、連絡内容を工事現場に伝達することで、所定の搬送時間に間に合うか否かを可及的速やかに工事現場が判断したり、必要な代替措置を速やかに講じることも可能になる。
また、前記第3のステップにおいて、前記搬送車が現場を退出する退出時刻がさらに前記納入伝票に記入され、前記工事現場にて前記納入伝票をスキャニングして前記第2の画像データを作成し、該第2の画像データを前記ホストコンピュータに送信し、前記第4のステップにおける前記所定の情報が、前記搬送車が現場を退出する退出時刻をさらに含んでいる実施の形態であってもよい。
なお、納入伝票に搬送車が現場を退出する退出時刻を記載し、これをスキャニングしてスキャニング時刻を退出時刻とし、この退出時刻も情報データに含むように構成してもよい。この場合、退出時刻を生コンクリートの打設完了時刻とすることで、工事現場において、生コンクリートが納入された時刻とコンクリートの打設完了時刻をそれぞれスキャニングすることができ、工事現場における生コンクリートの打設管理に供することができる。
生コンクリートが搬送される現場では、搬送されてきた生コンクリートごとに所定の試験(スランプ試験等)を実施して試験結果を集積したり、各コンクリート打設エリア(エリアA,エリアB・・・・など)の打設量の時間変化などを管理する。そこで、現場における生コンクリートの各種試験結果や各コンクリート打設エリアの打設量の時間変化量などを記入したシートを第1のスキャン装置にてスキャニングし、その画像データをホストコンピュータに送信してもよいし、現場内におけるパーソナルコンピュータやタブレットに入力し、生コンクリートの試験結果管理とエリアごとの打設量管理をおこなってもよい。
たとえば、現場のパーソナルコンピュータに生コンクリートの試験結果やエリアごとの打設量の時間変化量などが入力され、蓄積される形態では、時々刻々変化する試験結果やエリアごとの打設量の時間変化量が現場のパーソナルコンピュータ上でグラフや表の形式で随時確認でき、正確かつ迅速なコンクリート管理を実現することができる。より詳細には、パーソナルコンピュータ上で、エリアごとの経時的な打設量を表示したり、全てのエリアの経時的な打設量を同時に表示することができる。同時表示の画面を確認することで、打設の遅れているエリアに優先的に生コンクリートを回す等の措置を講じることが可能になる。
また、本発明は生コンクリートの出荷および納入管理システムにも及ぶものであり、この管理システムは、OCRソフトを備えたホストコンピュータと、生コンクリートの製造者が有する生コンクリートの納入伝票をスキャニングする第1のスキャン装置と、該第1のスキャン装置にてスキャニングされた第1の画像データを前記ホストコンピュータに送信する第1の通信機と、工事現場が有する納入伝票をスキャニングする第2のスキャン装置と、該第2のスキャン装置にてスキャニングされた第2の画像データを前記ホストコンピュータに送信する第2の通信機と、を備え、前記ホストコンピュータでは、送信されてきた前記第1の画像データおよび第2の画像データがそれぞれ前記OCRソフトにて文字変換され、所定の情報が記載された情報データが作成されるものである。
ここで、第1、第2の通信機は、通信手段を備えたパソコン、スマートフォン、タブレット端末など、いずれの形態であってもよい。
いずれの形態であっても、スキャニングされた第1、第2の画像データをホストコンピュータに送信する機能の他、ホストコンピュータで作成された情報データを確認でき、必要に応じて情報データを取り込める機能を有している。
本発明の生コンクリートの出荷および納入管理方法と出荷および納入管理システムによれば、生コンクリートの製造者と工事現場がそれぞれに固有のスキャン装置と通信機を備え、ホストコンピュータにあるOCRソフトに各通信機から画像データを送信して文字変換し、所定の情報が盛り込まれた情報データを作成するようにした簡易な構成のシステムおよび方法により、工事現場が生コンクリートの出荷から納入までを精度よく管理することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の生コンクリートの出荷および納入管理システムと出荷および納入管理方法の実施の形態を説明する。
(生コンクリートの出荷および納入管理システムと出荷および納入管理方法の実施の形態)
図1は本発明の出荷および納入管理システムの実施の形態を示した模式図であり、図2,3はそれぞれ通信機とホストコンピュータの構成を示したブロック図である。また、図4は生コンクリートの製造者においてスキャニングされる納入伝票の一例を示した図であり、図5は工事現場においてスキャニングされる納入伝票の一例を示した図である。
図1は本発明の出荷および納入管理システムの実施の形態を示した模式図であり、図2,3はそれぞれ通信機とホストコンピュータの構成を示したブロック図である。また、図4は生コンクリートの製造者においてスキャニングされる納入伝票の一例を示した図であり、図5は工事現場においてスキャニングされる納入伝票の一例を示した図である。
図示する出荷および納入管理システム10は、OCRソフトを備えたホストコンピュータ4と、生コンクリートの製造者が有する生コンクリートの納入伝票3をスキャニングする第1のスキャン装置1と、第1のスキャン装置1にてスキャニングされた第1の画像データをホストコンピュータ4に送信する(X1方向)第1の通信機2と、工事現場が有する納入伝票7をスキャニングする第2のスキャン装置5と、第2のスキャン装置5にてスキャニングされた第2の画像データをホストコンピュータ4に送信する(X2方向)第2の通信機6と、から大略構成されている。
ホストコンピュータ4はクラウドサーバーにある。また、ホストコンピュータ4に内蔵されているOCRソフトは、納入伝票3,7がスキャニングされてできた画像データ(たとえばtifデータ)を文字変換してテキストデータとし、所定の情報がテキストデータとして盛り込まれた情報データ(たとえばエクセルデータ)を作成する。
ここで、このようなOCRソフトとして、帳票OCR(パナソニック社製)などが適用できる。
生コンクリートの製造者が有する第1の通信機2、工事現場が有する第2の通信機6は、異なる形態の通信機であっても同一の通信機であってもよく、通信手段を備えたパソコン、スマートフォン、タブレット端末などからなる。
また、生コンクリートの製造者が有する第1のスキャン装置1、工事現場が有する第2のスキャン装置5も、異なる形態のスキャン装置であっても同一のスキャン装置であってもよく、たとえば、キャノン社製のCannon DR-P 208IIやCannon DR-P 215IIなどを適用できる。
第1の通信機2と第2の通信機6は、少なくとも図2で示す内部構成を備えている。
すなわち、第1のスキャン装置1や第2のスキャン装置5でスキャニングされた納入伝票3,7に関する第1、第2の画像データを取り込む画像データ取込部と、画像データ取込部で取込まれた画像データをホストコンピュータ4に送信する送信部、ホストコンピュータ4にて作成された情報データを受信する受信部、受信された情報データを表示する表示部、各部の動作を司るCPU、RAM、ROMなどがバスで繋がれた構成を有している。
一方、ホストコンピュータ4はクラウドサーバーにあり、納入伝票3,7に関する第1、第2の画像データから所定の情報を抽出して情報データを作成可能なOCRソフトが格納されている。
たとえば、このようなOCRソフトとしては、帳票OCR(パナソニック社製)などを適用できる。
ホストコンピュータ4の具体的な内部構成は、図3で示すように、第1、第2の画像データを受信する受信部、受信された画像データを文字変換する文字変換部(文字変換部はOCRソフトに内蔵されている)、文字変換されたデータから所定の情報を抽出して情報データを作成する情報データ作成部、情報データを第1の通信機2や第2の通信機6に送信する送信部、各部の動作を司るCPU、RAM、ROMなどがバスで繋がれた構成を有している。
生コンクリートの製造者にて作成される生コンクリートの納入伝票3には、図4で示すような内容が盛り込まれている。
すなわち、工事現場名、搬送車の車番、出荷時刻(生コンクリートの製造者において搬送車に納入された納入時刻)、生コンクリートの出荷量、生コンクリートの仕様(コンクリート種、呼び強度、スランプ、粗骨材の最大寸法、セメント種)や配合(セメント量、水量、細骨材量、粗骨材量、混和剤量)などである。
なお、図4で示す納入伝票3において、「納入時刻」の「発」の欄に記載された時刻は搬送車が生コンクリートの製造者(プラント工場)を出発した時刻である。
生コンクリートの製造者は、図4で示す納入伝票3をスキャニングして第1の画像データを作成し、第1の画像データをホストコンピュータ4に送信する。
一方、生コンクリートの製造者から生コンクリートを積んで出荷した搬送車が工事現場に到着すると、工事現場では工事管理者が生コンクリートが工事現場に納入された納入時刻を手書きにて記入する。図5では、「納入時刻」の「着」の欄に手書きで9時20分が記載されている。
工事現場では、生コンクリートの納入時刻が記載された納入伝票7をスキャニングして第2の画像データを作成し、第2の画像データをホストコンピュータ4に送信する。
このように、生コンクリートが工事現場に納入された納入時刻は工事現場の管理者が手書きにて記入することになるが、実際に手書きによる文字はOCRソフトにて正しく認識されない可能性がある。この点に関しては、工事現場において第2のスキャン装置5にて納入伝票7がスキャニングされた際に、第2の画像データにスキャニングの時刻を画像データとして取り込めることから、このスキャニングの時刻を納入時刻と特定して情報データに盛り込むことができる。
また、工事現場では、生コンクリートの納入時刻の管理に加えて、出荷および納入管理システムを用いて、納入された生コンクリートの打設管理をおこなうことができる。
たとえば、納入時刻が記載された納入伝票7に対して、生コンクリートの打設が完了し、搬送車が工事現場を出発する際に工事管理者がその退出時刻を納入伝票7の所定欄に記載し、これを第2のスキャン装置5にてスキャニングし、スキャニングされた第2の画像データをホストコンピュータ4に送信する。なお、この場合も、スキャニングされた時刻が画像データとして取り込まれ、このスキャニングの時刻を退出時刻と特定して情報データに盛り込むことができる。そして、この退出時刻は生コンクリートの打設完了時刻として使用できる。
ここで、図6はホストコンピュータのOCRソフトにて作成された情報データの一例を示した図である。
情報データには、施工されるコンクリート構造物の部位(床、壁等)ごとに、施工に供された生コンクリートの仕様や配合の他、当該生コンクリートを搬送した搬送車の車番や出荷時刻、工事現場への納入時刻、搬送に要した時刻、さらには、打設完了時刻などが盛り込まれている。ここで、生コンクリートの出荷時刻(図6の納入_発)が1回目スキャン時刻として記入され、現場にて生コンクリートを納入した納入時刻(図6の納入_着)が2回目スキャン時刻として記入され、生コンクリートの打設が完了して生コンクリートの搬送車が現場を退場する時刻(図6の打設完了)が3回目スキャン時刻として記入される。
工事現場の工事管理者等は、出荷および納入管理システム10を用いて適宜必要な情報を確認することができる。
なお、図6で示すように、搬送時間が所定時間を超えた場合にはNG判定を表示し、必要に応じて、ホストコンピュータ4から工事現場が有する第2の通信機6に対して警報メールを送信するのが好ましい。
このように、工事現場では、生コンクリートを積み込んだ搬送車が生コンクリートの製造者から出荷され、工事現場に納入されるまでの間、生コンクリートが指定のものであるか否か、生コンクリートが指定の時刻に出荷され、所定の時間内に工事現場に搬送されたか否かを客観的に特定することが可能になる。
また、工事現場におけるコンクリートの打設管理においても、生コンクリートの納入から打設完了までの時間を客観的に特定することが可能になる。
なお、交通渋滞等の不測の事態の際に、工事現場に生コンクリートが指定時刻に到着できない場合もあり得る。このような場合でも、工事現場では第2の通信機6を介してホストコンピュータ4内における情報データから生コンクリートの出荷時刻を確認することができるため、工事現場では早期に事態を把握することができ、必要な代替措置を速やかに講じることが可能になる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…第1のスキャン装置、2…第1の通信機、3…納入伝票、4…ホストコンピュータ、5…第2のスキャン装置、6…第2の通信機、7…納入伝票、10…出荷および納入管理システム
Claims (6)
- 生コンクリートの製造者が生コンクリートの納入伝票をスキャニングして第1の画像データを作成し、該第1の画像データをOCRソフトを備えたホストコンピュータに送信する第1のステップ、
前記ホストコンピュータにおいて、前記OCRソフトにて送信されてきた前記第1の画像データを文字変換し、所定の情報が記載された情報データを作成する第2のステップ、
前記生コンクリートの製造者から生コンクリートを積んで出荷した搬送車が工事現場に到着し、該工事現場が納入伝票をスキャニングして第2の画像データを作成し、該第2の画像データを前記ホストコンピュータに送信する第3のステップ、
前記ホストコンピュータにおいて、前記OCRソフトにて送信されてきた前記第2の画像データを文字変換し、所定の情報が記載された情報データを作成する第4のステップ、からなる、生コンクリートの出荷および納入管理方法。 - 前記第2のステップにおける前記所定の情報が、前記搬送車の車番および出荷時刻と、生コンクリートの仕様および出荷量を少なくとも含み、
前記第4のステップにおける前記所定の情報が、前記搬送車の車番およびコンクリートが前記工事現場に納入された納入時刻を少なくとも含んでいる、請求項1に記載の生コンクリートの出荷および納入管理方法。 - 前記第3のステップにおいて、前記搬送車が現場を退出する退出時刻がさらに前記納入伝票に記入され、前記工事現場にて前記納入伝票をスキャニングして前記第2の画像データを作成し、該第2の画像データを前記ホストコンピュータに送信し、
前記第4のステップにおける前記所定の情報が、前記搬送車が現場を退出する退出時刻をさらに含んでいる、請求項2に記載の生コンクリートの出荷および納入管理方法。 - OCRソフトを備えたホストコンピュータと、
生コンクリートの製造者が有する生コンクリートの納入伝票をスキャニングする第1のスキャン装置と、該第1のスキャン装置にてスキャニングされた第1の画像データを前記ホストコンピュータに送信する第1の通信機と、
工事現場が有する納入伝票をスキャニングする第2のスキャン装置と、該第2のスキャン装置にてスキャニングされた第2の画像データを前記ホストコンピュータに送信する第2の通信機と、を備え、
前記ホストコンピュータでは、送信されてきた前記第1の画像データおよび第2の画像データがそれぞれ前記OCRソフトにて文字変換され、所定の情報が記載された情報データが作成される、生コンクリートの出荷および納入管理システム。 - 前記所定の情報が、前記生コンクリートの製造者から生コンクリートを積んで出荷する搬送車の車番および出荷時刻と、生コンクリートの仕様および出荷量と、生コンクリートが工事現場に納入された納入時刻と、を少なくとも含んでいる、請求項4に記載の生コンクリートの出荷および納入管理システム。
- 前記所定の情報が、搬送車が現場を退出する退出時刻をさらに含んでいる、請求項5に記載の生コンクリートの出荷および納入管理システム。
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