JP2017183153A - 有機el素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機EL素子として必要な平坦性を有する有機発光層を得ることができる製造方法を実現する。
【解決手段】基板10上に形成された、少なくとも一方が透明または半透明の2つの電極である陽極20および陰極50間に分子量が10万以上13万以下である高分子発光材料を含む有機発光層40を挟持してなる有機EL素子を製造する有機EL素子の製造方法であって、有機発光層40を塗布または、印刷法によって形成し、かつ基板10上への塗布速度または、印刷速度が200mm/s以上250mm/s以下である。
【選択図】図5

Description

本発明は、基材上に形成された2つの電極間に高分子材料を含む有機機能層を挟持してなる有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を製造する有機EL素子の製造方法に関する。
一般に、有機EL素子においては、たとえば基材上に、陽極、有機発光層、陰極を順に積層した構成とされ、陽極または陰極の少なくとも一方を透明電極とすることで、有機発光層の発光を陽極側または陰極側より取り出すようにしている。
そして、従来、この種の有機EL素子の製造方法としては、特許文献1に記載のものが提案されている。この従来の製造方法では、有機発光層を塗布または印刷によって形成しており、印刷の場合における印刷速度は、100mm/s(ミリメートル/秒)とされている。
特開2012−204137号公報
ところで、本発明者等は、有機EL素子の開発を進めるにあたって、有機発光層を構成する高分子発光材料として、分子量が10万以上13万以下のものを採用し、検討を行っている。そして、本発明者等は、上記特許文献1に記載の様な塗布または印刷による成膜方法を、このような分子量の高分子材料を用いた有機発光層の成膜に適用することについて、試作および検討を行った。
しかしながら、上記特許文献1の様な成膜方法では、塗布速度または印刷速度を100mm/sとして成膜が行われるものであり、本発明者等による検討によれば、有機EL素子用の有機発光層としては、平坦性に乏しく、凹凸差の大きな膜形状となってしまうことがわかった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、有機EL素子として必要な平坦性を有する有機発光層を得ることができる製造方法を実現することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、基材(10)上に形成された、少なくとも一方が透明または半透明の2つの電極(20、50)間に分子量が10万以上13万以下である高分子発光材料を含む有機発光層(40)を挟持してなる有機EL素子を製造する有機EL素子の製造方法であって、有機発光層を塗布または、印刷法によって形成し、かつ基材上への塗布速度または、印刷速度が200mm/s以上250mm/s以下であることを特徴とする。
本発明は、本発明者が使用したい分子量が10万以上13万以下である高分子発光材料を含むインクを、塗布または印刷するにあたって、その塗布速度または印刷速度に関する実験検討を行った結果、創出されたものである。
本発明の製造方法によれば、基材上への塗布速度または印刷速度を200mm/s以上250mm/s以下の範囲とすれば、有機EL素子として必要な平坦性を有する有機発光層を得ることができる。ここで、塗布速度、印刷速度とは、塗布または印刷の際に基材上に当該インクが拡がっていく速度を意味する。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本発明の実施形態にかかる有機EL素子における画素構成を概略断面図である。 上記実施形態における画素の配置構成を示す概略平面図である。 上記実施形態の具体例において画素に発生する未塗れをムラとしたときの当該ムラの発生率と印刷速度との関係について評価した結果を示すグラフである。 上記画素における有機発光層の平坦率を模式的に示す図である。 上記具体例において図4に示される平坦率と印刷速度との関係について評価した結果を示すグラフである。 上記具体例における相対輝度の評価結果を示す図表である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各図相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
本実施形態にかかる有機EL素子は、たとえば有機ELディスプレイとして適用されるものであり、その画素G1の構成について、図1、図2(a)を参照して述べる。なお、図2(b)として示してある2個の画素G1は、後述する印刷ムラの評価に関する画素G1の状態「OK(良い例)」および「NG(悪い例)」を示すものである。
図2(a)に示されるように、画素G1は、基材としての基板10上に複数個配置されており、各画素G1の発光を選択的に制御することにより、表示を行うものである。ここでは、画素G1は、図2(a)中の横方向であるX方向にm個、縦方向であるY方向にn個というようにm×n個のマトリクス状に配置されている。
なお、基板10上において、これら各画素G1間には、樹脂や無機物等の絶縁材料よりなる絶縁性のバンク(隔壁)60が設けられている。そして、個々の画素G1は当該バンクに囲まれた領域とされることにより、各画素G1は当該バンクにより区画されている。
図1は、1個の画素G1の断面構成を示しており、図2(a)中の各画素G1は、この図1に示される構成と同じ構成を有するものである。図1に示されるように、画素G1は基板10上に設けられた積層体より構成されており、この積層体は、基板10側から上部電極としての陽極20、バンク60、正孔注入層30、有機発光層40、下部電極としての陰極50が順次積層されてなる。
そして、陽極20または陰極50のいずれか一方または両方を透明または半透明電極とすることで、有機発光層40の発光を、陽極20側または陰極50側もしくは当該両側より取り出すようにしている。ここで、基板10および画素G1を構成する各要素としては、通常の有機EL素子に採用されるものを用いることができる。
基板10は、例えばガラスなどの透明基板であるが、ガラスには限られず、バリア膜付きの樹脂基板や金属基板等、様々なものを用いることができる。
陽極20は、透明または半透明の電極を形成することのできる任意の導電性物質とすることができる。具体的には、酸化物として酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)などが挙げられ、これらは、スパッタなどによって陽極20として形成される。
陽極20を形成後、隣接する陽極パターンの間に有機物、例えば感光性材料を用いて、フォトリソグラフィ法によりバンク60(画素G1の両端)が形成される。さらに詳しくは、感光性樹脂組成物を基板に塗布する工程と、パターン露光、現像、焼成して隔壁パターンを形成する工程を少なくとも有する。
バンク60を形成する感光性材料としてはポジ型レジスト、ネガ型レジストのどちらであってもよく、市販のもので構わないが、絶縁性を有する必要がある。バンクが十分な絶縁性を有さない場合にはバンクを通じて隣り合う画素電極に電流が流れてしまい表示不良が発生してしまう。また、TFTの誤作動により適正な表示ができないことがある。感光性材料としては、具体的にはポリイミド系、アクリル樹脂系、ノボラック樹脂系、フルオレン系といったものが挙げられるがこれに限定するものではない。また、有機ELディスプレイの表示品位を上げる目的で、光遮光性の材料を感光性材料に含有させても良い。
バンク60を形成する感光性樹脂はスピンコーター、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター等の公知の塗布方法を用いて塗布される。次に、パターン露光、現像してバンクパターンを形成する工程では、従来公知の露光、現像方法によりバンク部のパターンを形成できる。また焼成に関してはオーブン、ホットプレート等での従来公知の方法により焼成を行うことができる。
バンク60は、膜厚が0.5μmから5.0μmの範囲にあることが望ましい。バンクの膜厚が低すぎると隣接画素間で正孔輸送層経由でのリーク電流の発生やショートの防止、有機発光材料の混色防止の効果が得られないことがあり注意が必要である。バンク60形成後、正孔注入層30を形成する。
正孔注入層30は、正孔輸送性を有する物質とすることができ、たとえばPEDOT(poly(3,4−ethylenedioxythiophene)の略称)などが挙げられる。正孔注入層30は、たとえばスピンコート法、バーコート法、突出コート法、ディップコート法を用いて一括塗布することができる。
有機発光層40は、本実施形態では、分子量が10万以上13万以下である高分子発光材料を含むものである。この高分子発光材料は、発光性を有する材料であるとともに、望ましくは、電子や正孔(ホール)といったキャリアを輸送する性質を持つもの、すなわちキャリア輸送性材料であることが好ましい。
高分子発光材料としては、例えば、ポリフルオレン(PF)系高分子、ポリフェニレンビニレン(PPV)系高分子、ポリビニルカルバゾール(PVK)系高分子などを用いることができ、蛍光性色素や燐光性色素を前記高分子やポリスチレン系高分子、ポリチオフェン系高分子、ポリメチルメタクリレート系高分子等に分散させたもの等も用いることができる。
このような有機発光層40は、高分子発光材料を以下に例示した有機溶媒に溶解してなるインクを、塗布または印刷することにより形成される。インク組成物の粘度は印刷法によって異なるが、凸版印刷法などインク組成物がアニロックスロールから凸版への転写を考慮し、適した粘度に調整し、インクの粘度は、25℃において2〜120mPa・sとすることが望ましい。2mPa・s以下の場合、画素内ではじきムラが発生しやすく、ムラの原因となる。また、120mPa・s以上の場合、アニロックスロールから凸版へのインクが転写した後、凸版上でインクがレベリングせず、ムラの原因となる。また、本発明の溶液は、粘度及び/又は表面張力を調整するため、添加剤を含有しても良い。該添加剤としては、粘度を高めるための高分子量の化合物(増粘剤)や貧溶媒、粘度を下げるための低分子量の化合物、表面張力を下げるための界面活性剤などを適宜組み合わせて使用することもできる。貧溶媒を増粘剤として用いる場合は、溶液中の固形分に対する貧溶媒を少量添加することで、粘度を高めることができる。この場合、溶液中の固形分が析出しない範囲で溶媒の種類と添加量を選択すればよい。貧溶媒の量は、溶液全体に対して50wt%以下であることが好ましい。
該溶媒としてテトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、s−ブチルベンゼン、アニソール、メチルアニソール、テトラリン、エトキシベンゼン、1−メチルナフタレン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、ビシクロヘキシル、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2− ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。また、これらの有機溶媒は、単独で、又は複数組み合わせて用いることができる。成膜性の観点から、溶媒の沸点は、100℃以上の溶媒であることが好ましい。塗布法としては、スピンコート法、バーコート法、突出コート法、ディップコート法などが挙げられ、印刷法としては、凸版印刷法、オフセット印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷などが挙げられる。
陰極50としては、たとえばAl/Ca(発光層側)、Al/NaF(発光層側)などの積層構造が採用可能であり、これらの積層構造は、例えば真空蒸着法などによって形成することができる。
このように、有機EL素子は、基板10上に形成された2つの電極20、50間に有機発光層40を挟持してなるが、可能ならば、正孔注入層30は省略された構成であってもよい。また、本実施形態の有機EL素子において、陽極20、正孔注入層30および陰極50は、上述のように通常の製造方法により形成される。
しかし、本実施形態において、分子量が10万以上13万以下である高分子発光材料を含む有機発光層40を塗布または印刷によって形成するにあたっては、基板10上への塗布速度または印刷速度を200mm/s以上250mm/s以下の範囲とする必要がある。このことは、有機発光層40の形成における高分子発光材料の分子量と印刷速度との関係について、本発明者が行った実験検討の結果、得られたものである。
次に、この実験検討に関する具体例を紹介することで、本実施形態を、より詳細に述べることとするが、本実施形態は、以下の具体例に限定されるものではない。
[具体例]
本実施形態の具体例では、有機発光層40の形成は、上記した塗布、印刷法のうち、望ましい例として凸版印刷法を用いて行った。ここで、印刷方向は上記図2(a)中のY方向とした。
また、この具体例では、上記図2(a)において、画素G1がX方向に12個、Y方向に9個の合計108個のマトリクス状に配置されたものとした。ここで、Y方向における画素幅Lを37.5μm、Y方向における画素ピッチを74.5μmとした。
まず、基板10としてのガラス基板上に、スパッタ法を用いてITO膜を形成し、フォトリソ法によりITO膜をパターニングして、上記の画素幅Lおよび画素ピッチを有する陽極20を形成した。その上に正孔注入層30として、PEDOTから成る高分子膜をスピンコート法で形成した。
さらに、高分子発光材料をテトラリンに溶解させた有機発光インクを用い、陽極20および正孔注入層30上に、有機発光層40を凸版印刷法で印刷、形成した。このとき、図2(a)に示されるY方向を印刷方向とした。印刷、乾燥後、その上にAl/NaF(発光層側)からなる陰極50を抵抗加熱蒸着法により形成した。
ここで、本例では、本実施形態の高分子発光材料として、分子量が10万5千のもの(以下、単に105kという)、12万6千のもの(以下、単に126kという)を用いた。さらに比較例の高分子発光材料として、分子量が22万5千のもの(以下、単に225kという)、23万5千のもの(以下、単に235kという)を用いた。
なお、これら分子量が異なる材料については、たとえば同種系統の材料において重合度を変える等により、容易に得ることができる。そして、本例では、分子量の異なる各材料について、上記のプロセスを行い、有機EL素子を作成した。
また、高分子発光材料を含むインクの凸版印刷による印刷条件としては、ドクタリング速度:10mm/sにて、印刷速度を100mm/s〜300mm/sの範囲で変えて行った。ここで、印刷方向は、上述のように図2(a)のY方向であるが、印刷速度は、このY方向にインクを塗る速度である。
具体的には印刷速度は、100、150、200、250、275、300mm/sというように変えた。なお、印刷速度:100mm/sは、上記した特許文献1に記載の条件と同様の従来の印刷速度である。
まず、本具体例において、印刷速度と印刷ムラの発生率との関係について述べる。このムラは、上記図2(b)に示したように、1個の画素G1において、画素全体にインクが塗れている場合を問題なし(OK)とし、画素内にインクが塗られていない領域すなわち「未塗れ」が存在する場合をムラ発生(NG)としたものである。
このムラの評価は、画素G1を発光させて画素G1を観察したり、画素G1を蛍光顕微鏡で観察したりする等により行った。そして、上記の108個の画素G1について、ムラの評価を行い、たとえばムラが発生した画素G1がa個あった場合、(a/108)×100(%)をムラ発生率とした。そして、本実施形態の105kと126kの高分子発光材料により有機発光層40を形成する場合について、印刷速度とムラ発生率との関係を調査した。その結果を図3に示す。
図3に示されるように、本実施形態の有機発光層40を凸版印刷で形成する場合、印刷速度が200mm/s未満では、ムラが発生するが、印刷速度の増加に伴い、ムラ発生率が減少していき、200m/s以上では、ほぼムラが発生しないことが確認された。なお、比較例である225k、235kの高分子発光材料の場合、従来の印刷速度である100m/sでもほぼムラが発生しないことが確認された。
次に、本具体例では、上記の108個の各画素G1について有機発光層40の平坦性を調査した。この平坦性については、図4により定義される。図4において、横軸には、上記図2(a)に示した画素幅Lが示されており、縦軸には、有機発光層40の膜厚が示されている。さらに言えば、図4の横軸は、図2(a)中のY方向すなわち印刷方向における画素寸法を示している。
図4では、塗布、または印刷により得られる膜形状を示した。図4に示されるように、画素幅L内にて基準値より10nmまで厚い部分の幅を、平坦な部分である平坦部とし、この平坦部の幅をHとする。そこで、平坦性のパラメータとして、画素幅L内に占める平坦部の幅Hの割合、すなわち、(H/L)×100(%)で表される平坦率を設けた。図4(a)は、画素幅Lと平坦部の幅Hが同じ幅である場合、すなわち平坦率100%の膜形状を表している。それに対し、図4(b)は、画素幅の中央部が最も薄い、いわゆる下凸形状を示し、図4(c)は、画素幅の端部が最も薄く、中央部が端部よりも厚い、いわゆる上凸形状を示す。このような膜形状のプロファイルは、走査型白色干渉計により、確認することができる。
ここで、図4に示されるように、画素幅L内における膜厚の最小値を基準値とする。この基準値の膜厚は、典型的には50nm〜100nm程度のものであり、たとえば80nm程度とされる。
ここで、画素幅L内にて基準値よりも10nm以下にて厚い膜厚であれば、すなわち、基準値との膜厚差が10nm以下であれば、定電流駆動の場合、輝度変化が10%未満に抑えられることが確認されている。輝度変化が10%未満であれば、有機EL素子として実用上、問題無いレベルである。このことは、本実施形態および上記比較例ともに言えること、すなわち、有機発光層40を構成する高分子発光材料の分子量に関係なく、言えることである。
そこで、平坦性のパラメータとして、画素幅L内に占める平坦部の幅Hの割合、すなわち、(H/L)×100(%)で表される平坦率を設けた。そして、本実施形態の105kと126kの高分子発光材料により有機発光層40を形成する場合について、印刷速度と平坦率との関係を調査した。その結果を図5に示す。
図5に示されるように、本実施形態の有機発光層40を凸版印刷で形成する場合、印刷速度が200mm/s以上250mm/s以下の範囲で、70%以上の平坦率を示すことが確認された。ここで、比較例である225k、235kの高分子発光材料の場合においても、従来の印刷速度である100m/sでは、平坦率70%以上が実現されることを確認している。
この平坦率が70%以上であることは、有機EL素子として実用上、良好な輝度が確保されている状態であることを意味する。つまり、本実施形態における105k、126kの高分子発光材料による有機発光層40を形成する場合、印刷速度が200mm/s未満では平坦性がよくないが、印刷速度を200mm/s以上250mm/s以下とすれば、良好な平坦性が実現できると言える。
次に、本具体例においては、本実施形態の有機発光層40と、比較例としての高分子発光材料よりなる有機発光層40と、について、輝度を評価した。その結果を図6に示す。図6では、相対輝度による評価を行っている。ここで、相対輝度は、印刷速度:100mm/sにて形成された比較例としての235kの高分子発光材料よりなる有機発光層40における輝度を、100と規格化している。
図6に示されるように、105kおよび126kの高分子発光材料よりなる本実施形態の有機発光層40においても、印刷速度:200mm/s以上250mm/s以下の範囲で、印刷速度:100mm/sで印刷された225kおよび235kのものと同等の輝度が実現されることが確認された。
なお、上記の具体例では、本実施形態の有機発光層40を構成する分子量が10万以上13万以下の高分子発光材料として、105k、126kのものの例を示したが、これに限定されることなく、分子量が10万以上13万以下のものであれば、上記具体例と同様の結果が得られるものである。
このように、本実施形態によれば、分子量が10万以上13万以下の高分子発光材料を含む有機発光層40を塗布または印刷により形成するにあたって、塗布速度または印刷速度を200mm/s以上250mm/s以下という従来では採用していない範囲としている。そして、これにより、有機EL素子として必要な平坦性を有する有機発光層40を得ることができ、実用上、十分な輝度を実現できるのである。
(他の実施形態)
なお、有機発光層40を構成する高分子発光材料としては、発光性且つキャリア輸送性を有する材料であることが好ましいが、発光性を有するものであれば、キャリア輸送性を有していないものであってもよい。
また、有機EL素子としては、上述のように、基板10上に形成された2つの電極20、50間に有機発光層40を挟持してなるものであればよいが、必要に応じて、上記の正孔注入層30以外にも、通常の有機EL素子に採用される電子注入層、電子輸送層、成功輸送層等の層が挿入された構成であってもよい。
また、有機EL素子としては、マルチカラー表示もしくは単色表示の有機ELディスプレイに適用することに限定するものではない。また、基材としては、当該基材上に電極20、50および有機発光層40を有する積層体が形成できるものであればよく、上記の基板10に限定されるものではなく、その形状も板状に限らず適宜任意のものにできる。
また、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能であり、また、上記各実施形態は、上記の図示例に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
10 基材としての基板
20 陽極
40 有機発光層
50 陰極
60 バンク

Claims (3)

  1. 基材(10)上に形成された、少なくとも一方が透明または半透明の2つの電極(20、50)間に分子量が10万以上13万以下である高分子発光材料を含む有機発光層(40)を挟持してなる有機EL素子を製造する有機EL素子の製造方法であって、
    前記有機発光層を塗布または、印刷法によって形成し、かつ前記基材上への塗布速度または、印刷速度が200mm/s以上250mm/s以下である有機EL素子の製造方法。
  2. 前記高分子発光材料はキャリア輸送性材料である請求項1に記載の有機EL素子の製造方法。
  3. 前記有機発光層を凸版印刷法によって形成する請求項1または2に記載の有機EL素子の製造方法。
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