JP2007042311A - 有機el素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
透明電極と対向電極と有機発光層を含む発光媒体層からなり、両電極から有機発光層に電流を流すことにより有機発光層を発光させる有機EL素子において、凸版印刷法を用いて発光媒体層を形成する際に、乾燥工程において除去しにくい高沸点溶媒を用いることなく発光媒体層を形成し、良好な有機EL素子を得ることを課題とする。
【解決手段】
凸版印刷工程中にあるインキまたは印刷される前の被印刷基板に対して微小な液滴からなる液体を付与する工程を設けること、特に、凸版の凸部上にあるインキ、または、アニロックスロール上にあるインキまたは印刷される前の被印刷基板に対して付与する工程を設け、付与する液体をインキ中に含まれる溶媒と同一またはインキ中に含まれる溶媒の少なくとも1つからなるインキとすることにより、上記課題を解決した。
【選択図】図2

Description

本発明は、透明電極と対向電極と有機発光層を含む発光媒体層からなり、両電極から有機発光層に電流を流すことにより有機発光層を発光させる有機EL素子の製造方法に関し、特に、発光媒体層を凸版印刷法により形成する際の製造方法に関するものである。
近年、情報機器の多様化に伴って、従来より使用されているCRTに比べて消費電力や空間占有面積の少ない平面表示素子にニーズが高まり、このような平面表示素子の一つとしてエレクトロルミネッセンス素子(EL素子)が注目されている。
EL素子は、導電性のルミネッセンス材料に電圧を加えることにより励起し、発光させる素子である。ルミネッセンス材料として無機化合物を使用した無機EL素子と、有機化合物を使用した有機EL素子とに分けられる。
無機EL素子を使用した表示装置は早くから一部実用化されてきたが、駆動電圧が高すぎるなどの問題で普及が滞っている。
それに対して、有機EL素子は高い発光効率を示すことから、今後実用化に向けて盛んに研究・開発が行われることが期待される。この有機EL素子の構造は、例えば、ガラス等の透明基板と、この透明基板上に成膜され、錫をドーピングした酸化インジウムなどの透明なホール(正孔)注入電極とホール注入電極上に成膜されたトリフェニルジアミンなどを含むホール輸送層と、ホール輸送層上に積層されたアルミキノリノール錯体などのルミネッセンス材料を含む発光媒体層と、ナトリウムなどの仕事関数の小さな金属電極(電子注入電極)とを基本の構成要素として有する。そして、ホール注入電極と電子注入電極との間に、10ボルト前後の電圧を加えることによって、数百ないし数万cd/mというきわめて高い輝度が得られるという特徴を有している。このような有機EL素子は、とりわけ、カラー表示装置への応用が期待されている。
発光媒体層を形成する方法としては、真空蒸着法といった真空プロセスにより薄膜形成が提案されている。真空プロセスによって薄膜を形成する方法においては、薄膜の膜厚を正確にコントロールできるという利点を有する反面、スループットが悪いという問題がある。また、真空プロセスにおいて薄膜をパターニングする際には、所望のパターンのマスクを用いることが一般的であるが、この方法では基板が大型化すればするほどパターニング精度が出難いという問題がある。
そこで、最近では発光媒体層形成材料を溶媒に溶かしてインキ化し、これをウェットコーティング法、印刷法といったウエットプロセスで薄膜形成する方法が試みられるようになってきている。これらウエットプロセスでの薄膜形成は大気圧下での製膜が可能であり設備コストが安い、という利点がある。
ウェットコーティング法としては、スピンコート法、バーコート法、突出コート法、ディップコート法等があるが、高精細にパターニングしたりRGB3色に塗り分けしたりするためには、これらのウェットコーティング法では難しく、塗り分け・パターニングを得意とする印刷法による薄膜形成が最も有効であると考えられる。
印刷法としては、凹版印刷、凸版印刷、平版印刷、スクリーン印刷等様々な印刷法が挙げられる。凹版印刷の代表であるグラビア印刷は、金属版であり、そのコストが高い、付け替えが容易でない、金属版であるためガラス基板には対応できない、基材に版が触れ傷を作るなどといった問題点がある。スクリーン印刷は、粘度領域的に適さないだけでなく、0.1μmの薄膜を作製することは困難であるといった問題がある。
これに対し、凸版印刷法は有機発光インキの粘度領域的にも適合し、基材を傷にすることもない有機ELに適した印刷法である。凸版印刷法を用いた有機EL素子の作製は、有機EL素子の作製を大幅に高速化できる。また、非常に高価である有機EL発光材料を必要な部分のみに印刷することができる為、材料を必要最低限だけ使えば良いといった特長を持つ。
凸版印刷法とは広義には画線部が凸形状をしている版すなわち凸版を用い、凸版の凸部にインキを供給し、凸部にあるインキを被印刷物に転写、印刷する印刷法である。また、印刷業界ではゴム凸版を用いるものをフレキソ印刷といい、樹脂凸版を用いるものを樹脂凸版印刷と区別して呼んでいる。本発明では両者を特に区別せずに、凸版印刷法と呼ぶこととする。
特許文献1には、有機EL塗液(インク)を用いて印刷法により有機EL層を形成する際に、印刷工程中で生じる塗液の乾燥を防ぐことを目的として、蒸気圧が500Pa以下である溶媒を少なくとも1種類以上含んでいることを特徴とする有機EL用塗液が提案されている。さらに、膜の表面性の観点から、250Pa以下が好ましいとの記載がある。また、2種類以上の溶媒の混合溶液を用いる場合は、印刷法で膜を形成する際の温度における蒸気圧が500Pa以下である溶媒が50wt%以上含有されていることが好ましいとの記載がある。
特開2001−155861号公報
しかしながら、インキに高沸点溶媒を用いた場合、基板に対して有機発光媒体層を形成後、有機発光媒体層中にある高沸点溶媒を除去するのが困難となる。そして、発光媒体層中の溶媒を十分に除去できずに層中に残留溶媒が存在していると、発光強度の低下や素子の劣化が促進されるという問題があった。また、溶媒の除去方法としては加熱乾燥、真空乾燥、真空加熱乾燥等が考えられるが、高沸点溶媒を除去するためには乾燥時に基板を高温で加熱する必要があり、高沸点溶媒を十分に除去しようとした場合、熱により素子が劣化を引き起こしてしまうという問題があった。すなわち、インキに高沸点溶媒を用いた場合、印刷中のインキの乾燥を防ぐことはできるものの、印刷後の溶媒除去の点で大きな問題があった。そこで、本発明では、凸版印刷法を用いて発光媒体層を形成する際に、高沸点溶媒を用いることなく発光媒体層を形成し、良好な有機EL素子を得ることを目的とする。
上記課題を解決するために請求項1に係る発明は、透明電極と対向電極と有機発光層を含む発光媒体層からなり、両電極から有機発光層に電流を流すことにより有機発光層を発光させる有機EL素子であって、発光媒体材料をインキ化し、凸版印刷装置を用いて被印刷基板上に発光媒体層を形成する有機EL素子の製造方法において、凸版印刷工程中の前記インキに対して微小な液滴からなる液体を付与する工程を有することを特徴とする有機EL素子の製造方法とした。
また、請求項2に係る発明は、前記液体を付与する工程が凸版の凸部上にあるインキに対して行われていることを特徴とする請求項1記載の有機EL素子の製造方法とした。
また、請求項3に係る発明は、前記液体を付与する工程が、アニロックスロール上にあるインキに対して行なわれていることを特徴とする請求項1記載の有機EL素子の製造方法とした。
また、請求項4に係る発明は、前記発光媒体材料をインキ化し、凸版印刷装置を用いて被印刷基板上に発光媒体層を形成する有機EL素子の製造方法において、
印刷される前の被印刷基板に対して微小な液滴からなる液体を付与する工程を設けたことを特徴とする有機EL素子の製造方法とした。
また、請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の有機EL素子の製造方法において、インキまたは被印刷基板に付与する液体がインキ中に含まれる溶媒と同一またはインキ中に含まれる溶媒の少なくとも1つからなることを特徴とする有機EL素子の製造方法とした。
また、請求項6に係る発明は、請求項1乃至5に記載のいずれか記載の有機EL素子の製造方法を用いて有機発光層を形成したことを特徴とする有機EL素子とした。
また、請求項7に係る発明は、透明電極と対向電極と有機発光層を含む発光媒体層からなり、両電極から有機発光層に電流を流すことにより有機発光層を発光させる有機EL素子の発光媒体層のいずれか1層を凸版印刷法によって形成するインキにおいて、該インキの溶媒が沸点200℃以下の溶媒からなることを特徴とする凸版印刷用インキとした。
本発明により、発光媒体材料をインキ化する際に低沸点溶媒を使用した際に、インキが凸版印刷中で乾燥することなく、版上にあるインキを被印刷基板上に転写させることが可能となり、フレキソ印刷によるパターン形成を正確におこなうことができた。よって、ムラやカスレの無い有機EL素子を製造することができた。また、低沸点溶媒からなるインキを使用することにより、パターン形成後の乾燥工程において加熱工程をなくす、あるいは、加熱が緩やかな条件でインキ中の溶媒を十分に取り除くことができるので、有機EL素子構成材料の劣化を抑え、発光効率が良い有機EL素子を製造することができた。
本発明の有機EL素子の製造方法は、支持基板上に少なくとも透明電極と単層または複数の層で構成される発光媒体層、対向電極を積層してなる有機EL素子の製造方法であって、前記発光媒体層の少なくとも1層を沸点が200℃以下の溶媒からなるインキを用い、凸版印刷法により発光媒体層を形成するものである。以下、本発明による有機EL素子の一例を図1に基づいて説明する。なお、本発明は図1に示す構成に限定されるものではない。
本発明で用いることのできる支持基板1とは、高分子EL素子製造時に電極及び高分子発光媒体層を保持する役割と、高分子EL素子完成後は、素子の一方の面を封止し、素子構成材料の劣化を防ぐ役割を果たすものである。
このような支持基板1としては、ガラス、金属薄板あるいはプラスチックフィルムが挙げられる。プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート等を用いることができる。
発光媒体層は非常に薄い膜であり、少しの凹凸でもピンホールの原因となるため、発光媒体層積層側には平滑化処理を施すことが好ましい。プラスチック基板のように可撓性のある基板を選択すれば、曲げの可能なフレキシブル高分子EL素子を製造することができる。また、巻き取りながら有機EL素子を製造することもできるので、連続生産が可能となり、コスト的に有利となる。
プラスチックフィルムのように水蒸気透過性のある材料を用いる場合は、耐キズ性、耐反射性、耐酸化性を有する必要がある点から、セラミック蒸着フィルムやポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物等のガスバリア性フィルムを積層してもよい。無機薄膜の蒸着あるいはコーティング等の処理を行うことにより、耐湿性を付与することもできる。
素子の光取出し方向を下面(ボトムエミッション方式)あるいは上下両面(透明有機EL素子)から行う場合は透光性の支持基板を選択することが好ましい。透光性、耐湿性の観点から、ガラス基板が好ましい。
支持基板1上に陽極として透明電極2を形成する。透明電極2としては、透明または半透明の電極を形成することのできる導電性物質なら特に制限はない。具体的にはインジウムと錫の複合酸化物(以下ITOという)を好ましく用いることができる。前記支持基板1上に蒸着またはスパッタリング法により製膜することができる。また、オクチル酸インジウムやアセトンインジウムなどの前駆体を基材上に塗布後、熱分解により酸化物を形成する塗布熱分解法等により形成することもできる。あるいは、アルミニウム、金、銀等の金属が半透明状に蒸着されたものを用いることができる。あるいはポリアニリン等の有機半導体も用いることができる。
上記、透明電極2は、必要に応じてエッチングによりパターニングを行ったり、UV処理、プラズマ処理などにより表面の活性化を行ってもよい。また、光の取出し方向を上面(トップエミッション方式)とする場合は、透明電極は発光媒体層の上部に形成される。
透明電極を形成後、必要に応じて、隣接するパターン化された透明電極の間に、感光性材料を用いたフォトリソ法により絶縁性隔壁6が形成される。絶縁性隔壁6を形成する感光性材料としてはポジ型レジスト、ネガ型レジストのどちらであってもよく、市販のもので構わないが、絶縁性を有する必要がある。隔壁が絶縁性を有さない場合には隔壁を通じで隣り合う画素電極に電流が流れてしまい表示不良が発生してしまう。具体的にはポリイミド系やアクリル樹脂系、ノボラック樹脂系といったものが挙げられる。また、有機EL素子の表示品位を上げる目的で、光遮光性の材料を含有させてもよい。
次に、導電層上に発光媒体層3を形成する。発光媒体層は必要に応じ、有機発光材料を含有する有機発光層以外に正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層を含む積層構造をとることが可能である。なお、発光媒体層に正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層が設けられた場合、これらの層を形成する際にも本発明の製造方法を適用することが可能である。
正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層とは、正孔輸送性及び/若しくは電子ブロック性を有する材料を有する層であり、それぞれ陽極から有機発光媒体層への正孔注入の障壁を下げる、陽極から注入された正孔を陰極の方向へ進める、正孔を通しながらも電子が陽極の方向へ進行するのを妨げる役割を担う層である。正孔ブロック層、電子輸送層とは電子輸送性及び/若しくは正孔ブロック性を有する材料を有する層であり、それぞれ陰極から注入された電子を陽極の方向へ進める。電子を通しながらも正孔が陰極の方向へ進行するのを妨げる役割を担う層である。電子注入層とは電子注入性を有する材料を有する層であり、陰極から有機発光媒体層への電子の注入障壁を下げる役割を担う層である。ここでは、正孔輸送層3aと有機発光層3bからなる発光媒体層を示す。
正孔輸送層3aに用いる正孔輸送材料としては、一般に正孔輸送材料として用いられているものであれば良く、銅フタロシアニンやその誘導体、1,1―ビス(4―ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’―ジフェニル―N,N’−ビス(3−メチルフェニル)―1,1’―ビフェニルー4,4’―ジアミン、N,N’―ジ(1―ナフチル)―N,N’―ジフェニルー1,1’―ビフェニルー4,4’―ジアミン等の芳香族アミン系などの低分子も用いることができるが、中でもポリアニリン、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール、ポリ(3,4―エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物(PEDOT/PSS)等の有機材料が、湿式法による製膜が可能であり、より好ましい。
正孔輸送層形成材料は溶剤に溶解または分散させ正孔輸送インキとし、スリットコーター、スピンコーター、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター等を用いたコーティング法により、基板上に形成されるが、本発明のフレキソ印刷装置により形成することも可能である。また、形成後は乾燥され、正孔輸送層となる。
正孔輸送材料を溶解または分散させる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等の単独またはこれらの混合溶剤などが挙げられる。特に、水またはアルコール類が好適である。
次に、正孔輸送層3a上に有機発光層3bを形成する。有機発光層3bに用いる有機発光材料としては、一般に有機発光材料として用いられているものであれば良く、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’―ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’―ジアリール置換ピロロピロール系等の蛍光性色素をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に溶解させたものや、PPV系やPAF系、ポリパラフェニレン系等の高分子蛍光体を用いることができる。
有機発光材料は溶剤に溶解または分散させ有機発光インキとなり、本発明のフレキソ印刷装置により形成される。
有機発光材料を溶解または分散させる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、アニソール、メシチレン、テトラリン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水、安息香酸メチル、安息香酸エチル等の単独またはこれらの混合溶媒などが挙げられる。特にこれらの中でも、キシレン、アニソール、メシチレンが有機発光材料の溶解性が良く、また、大気圧中での沸点が200℃以下であることから有機発光層形成後の溶媒除去の点で好ましい。
これらの溶剤を用いて、有機発光材料の固形分量が0.8%から2.5wt%になるよう有機発光インキを調整し、さらにはその有機発光インキの粘度が25℃において10mPa・sから70mPa・sの範囲になることが好ましく、また、固形分1.0%から2.0%、粘度15mPa・sから60mPa・sの範囲になることがより好ましい。
また、有機発光インキには必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調製剤、紫外線吸収剤などを添加してもよい。
図2に有機発光材料からなるインキを、被印刷基板24上にパターン印刷する際の凸版印刷装置の概略図を示した。被印刷基板24は支持基板上に少なくとも透明電極と正孔輸送層が形成されている。本製造装置はインクタンク10とインキチャンバー11とアニロックスロール13と凸部が設けられた凸版16がマウントされた版銅18を有している。インキタンク10には、有機発光インキが収容されており、インキチャンバー11にはインキタンク10より有機発光インキが送り込まれるようになっている。アニックスロール13はインキチャンバー12のインキ供給部に接して回転可能に支持されている。
アニックスロール13の回転に伴い、アニックスロール表面に供給されたインキ14はドクター12により不要部分はかきとられ、均一な膜厚に形成される。このインキ14はアニックスロールに近接して回転駆動される版胴18にマウントされた凸版16の凸部に転移する。平台20には、被印刷基板24が凸版16の凸部による印刷位置にまで図示していない搬送手段によって搬送されるようになっている。そして、凸版16の凸部にあるインキは被印刷基板24に対して印刷され、パターン形成される。
凸部が設けられた凸版16は、基材がガラスの場合は金属版は適さず、樹脂版を利用することが望ましい。また、有機発光層を形成する場合、有機発光インキ中に含まれる溶媒は油溶性の有機溶剤であり、この溶剤による凸版の膨潤を防止しパターンの正確な印刷を可能とするためには、親水性の樹脂版を使用することが好ましい。このような凸版としては、例えば、版基材に、水現像性の光硬化型感光性樹脂を塗布し、露光・現像して得られた水現像性樹脂凸版が挙げられる。
微小な液滴からなる液体を付与する工程はインキまたは印刷される前の被印刷基板に対しておこなわれる。図2中の18a、18b、18cに液体付与装置の設置箇所を示した。液体付与装置を用いておこなわれる液体付与工程は、凸版16上にあるインキに対して行なわれることが好ましい(18a)。また、アニロックスロール上にあるインキに対して液体付与をおこなっても良い(18b)また、印刷される前の被印刷基板に対して液体付与をおこなった場合においても、インキに液体を付与した場合と同様の効果を得ることができる(18c)。また、これらは単独ではなく同時におこなっても良い。液体は微小な液滴の状態すなわちミスト状でインキに対して付与される。微小な液滴の形成方法としては、圧をかけながら液体を微小な穴に通過させることにより液滴となるスプレー方式、また、液体を加熱し蒸気とすることによりおこなわれる加熱蒸発方式、液体の液面に対して送風し気化させることによりおこなわれる送風方式が挙げられる。また、これらの組み合わせによっておこなってもよい。さらには、液体を所定の箇所に付与するために送風機構を設けてもよい。
付与する液体としては、沸点が200℃以下のものがよく、またインキに対して相溶性を示す必要がある。好ましくは、インキに含まれる溶媒と同一またはインキ中に含まれる溶媒の少なくとも1つからなる液体である。このようにして液体付与された版上またはアニロックスロール上にあるインキは、インキの乾燥すなわち溶媒の蒸発による粘度の上昇が抑えられる。すわなち、印刷工程においてインキ中の溶媒の蒸発した分を補うことができる。したがって、版から被印刷基板へのインキの転写を安定しておこなうことができ、フレキソ印刷によるパターン形成を正確におこなうことができる。そして、ムラやカスレの無い有機EL素子を得ることができる。
また、これらの液体付与機構(18a、18b、18c)は、省スペース化が可能であり、市販のフレキソ印刷装置に取り付けることができ、低コストで実施可能である。
被印刷基板上に印刷されたインキの乾燥方法としては、加熱しても減圧下にして乾燥してもどちらでもよいが、加熱減圧下で乾燥させ溶剤を除く方がより好ましい。沸点が200℃以下の溶媒及び液体を用いることにより、高温で加熱することなく溶媒及び付与された液体を十分に取り除くことができる。
次に、陰極として対向電極4を形成する。対向電極4としてはMg、Al、Yb等の金属単体を用いたり、発光媒体材料と接する界面にLiやLiF等の化合物を1nm程度はさんで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いる。または、電子注入効率と安定性を両立させるため、仕事関数の低い金属と安定な金属との合金系、例えばMgAg、AlLi、CuLi等の合金が使用できる。陰極の形成方法は材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム法、スパッタリング法を用いることができる。陰極の厚さは、10nmから1000nm程度が望ましい。
最後にこれらの有機EL積層体を、外部の酸素や水分から保護するために、ガラスキャップと接着剤を用いて密閉封止し、有機EL素子を得ることができる。また、透光性基板が可撓性を有する場合は封止剤と可撓性フィルムを用いて密閉封止をおこなう。
支持基板として厚さ0.7mm、100mm四方のガラス基板を用い、陽極(導電層)として800μmピッチ(L/S=700/100)のITOラインを設けた。次いで、逆テーパ形状の陰極(対向電極)分断用隔壁7をITOラインと直交するようにフォトリソグラフィ法によって形成した。
このようにして隔壁を設けた支持基板に対し、正孔輸送材料であるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)の1wt%水分散溶液に、PEDOT/PSSに対して0.5%量の高級アルコール系エーテル型の界面活性剤:エマルゲン105(花王社製、非イオン系)を添加した溶液を、スリットコート法により乾燥後の膜厚が180nmとなるように塗布して正孔輸送層を形成した。
このようにして形成した正孔輸送層上に、高分子発光材料であるポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシロキシ)−1,4−フェニレンビニレン](MEH−PPV)の1.8wt%o−キシレン溶液をフレキソ印刷法により膜厚80nmで形成した。印刷中に膜の乾燥を防ぐために版及びアニロックスロールに対してo−キシレンを噴霧量/表面積=0.005ml/cm2となるようにスプレー方式により噴霧をおこなった。支持基板上にあるインキは減圧下で120℃にて4時間乾燥した。次いで、陰極層6としてMaAgを2元共蒸着により200nmの厚みでパターン形成して、パッシブ駆動型の有機EL素子を作製した。
得られたパッシブ駆動型有機EL素子は、リーク電流が無く選択した画素のみを表示でき印加電圧7.3Vで100cd/m2を示した。
(比較例1)
比較例1として、o−キシレンの噴霧をおこなわなかったこと以外、実施例と同様にして有機発光層の形成をおこなった。その結果、フレキソ印刷装置の版上でインキが乾燥してしまい、版上にあるインキを被印刷基板(支持基板)上に全て転写させることができなかった。
(比較例2)
比較例2として、有機発光材料MEH−PPVの溶剤にo−キシレンの代わりにトリエチルベンゼンを用いたことと、液体噴霧をおこなわなかったこと以外、実施例1と同様にして有機発光層の形成、有機EL素子の作成をおこなった。その結果、得られた有機EL素子は、リーク電流が無く選択した画素のみを発光させることができ、印加電圧9.5Vで100cd/m2を示したが、発光面には非発光箇所(ダークスポット)が確認された。
本発明の有機EL素子の断面図である。 本発明の凸版印刷装置の概略図である。
符号の説明
1 支持基板
2 透明電極(陽極)
3a 正孔輸送層
3b 有機発光層
4 対向電極(陰極)
6 絶縁性隔壁
10 インキタンク
11 インキチャンバー
12 ドクター
13 アニロックスロール
14 インキ
16 凸版
17 版胴
18a、18b、18c 液体付与装置
20 平台
24 被印刷基板

Claims (7)

  1. 透明電極と対向電極と有機発光層を含む発光媒体層からなり、両電極から有機発光層に電流を流すことにより有機発光層を発光させる有機EL素子であって、発光媒体材料をインキ化し、凸版印刷装置を用いて被印刷基板上に発光媒体層を形成する有機EL素子の製造方法において、
    凸版印刷工程中の前記インキに対して微小な液滴からなる液体を付与する工程を有することを特徴とする有機EL素子の製造方法。
  2. 前記液体を付与する工程が、凸版の凸部上にあるインキに対して行われていることを特徴とする請求項1記載の有機EL素子の製造方法。
  3. 前記液体を付与する工程が、アニロックスロール上にあるインキに対して行なわれていることを特徴とする請求項1記載の有機EL素子の製造方法。
  4. 前記発光媒体材料をインキ化し、凸版印刷装置を用いて被印刷基板上に発光媒体層を形成する有機EL素子の製造方法において、
    印刷される前の被印刷基板に対して微小な液滴からなる液体を付与する工程を設けたことを特徴とする有機EL素子の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の有機EL素子の製造方法において、
    インキまたは被印刷基板に付与する液体がインキ中に含まれる溶媒と同一またはインキ中に含まれる溶媒の少なくとも1つからなることを特徴とする有機EL素子の製造方法。
  6. 請求項1乃至5に記載のいずれか記載の有機EL素子の製造方法を用いて有機発光層を形成したことを特徴とする有機EL素子。
  7. 透明電極と対向電極と有機発光層を含む発光媒体層からなり、両電極から有機発光層に電流を流すことにより有機発光層を発光させる有機EL素子の発光媒体層のいずれか1層を凸版印刷法によって形成するインキにおいて、
    該インキの溶媒が沸点200℃以下の溶媒からなることを特徴とする凸版印刷用インキ。
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