JP4882508B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機薄膜のエレクトロルミネッセンス(以下、ELと略す)現象を利用した有機EL素子および有機EL素子の製造方法および表示装置に関するものである。
有機EL素子は、陽極としての電極と、陰極としての電極との間に、少なくともエレクトロルミネッセンス現象を呈する有機発光層を挟持してなる構造を有し、電極間に電圧が印加されると、有機発光層に正孔と電子が注入され、この正孔と電子とが有機発光層で再結合することにより、有機発光層が発光する自発光型の素子である。
さらに、発光効率を増大させるなどの目的から、陽極と有機発光層との間に正孔注入層、正孔輸送層、又は、及び、有機発光層と陰極との間に電子輸送層、電子注入層などが適宜選択して設けられている。そして、有機発光層とこれら正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層などを合わせて有機発光媒体層と呼ばれている。
これら有機発光媒体層の各層は、低分子系材料若しくは高分子系材料からなるが、低分子系材料としては、例えば、正孔注入層に銅フタロシアニン(CuPc)、正孔輸送層にN,N’―ジフェニル ―N,N’―ビス(3―メチルフェニル)―1,1’―ビフェニル―4,4’ジアミン(TPD)、有機発光層にトリス(8―キノリノール)アルミニウム(Alq3)、電子輸送層に2―(4―ビフェニリル)―5―(4―tert―ブチル―フェニル)―1,3,4,―オキサジゾール(PBD)、電子注入層にフッ化リチウム(LiF)などが用いられている。
これら低分子系材料よりなる有機発光媒体層の各層は、一般に0.1から200nm程度の厚みで、抵抗加熱方式などの真空蒸着法やスパッタ法などの真空中のドライプロセスによって成膜されている。
そして、低分子系材料は種類が豊富で、その組み合わせによって発光効率や発光輝度、寿命などの向上が期待されている。
一方、高分子系材料としては、例えば、有機発光層に、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾールなどの高分子中に低分子の発光色素を溶解させたものや、ポリフェニレンビニレン誘導体(以下、PPVと略す)、ポリアルキルフルオレン誘導体(以下、PAFと略す)等の高分子蛍光体、希土類金属系等の高分子燐光体が用いられている。
これら高分子系材料は一般に、溶剤に溶解または分散され、塗布や印刷などのウエットプロセスを用いて、1から100nm程度の厚みで成膜されている。
ウエットプロセスを用いた場合、真空蒸着法などの真空中のドライプロセスを用いた場合に比べ、大気中で成膜が可能、設備が安価である、大型化が容易である、短時間に効率よく成膜可能である、などの利点がある。
また、高分子系材料を用いて成膜した有機薄膜は結晶化や凝集が起こりにくく、さらには他層のピンホールや異物を被覆するため、短絡やダークスポットなどの不良を防ぐことができる利点もある。
これらのことから、真空中で低分子系材料を用いてドライプロセスで形成した有機発光媒体層と、大気中で高分子系材料を用いてウエットプロセスで形成した有機発光媒体層をうまく組み合わせ、積層することは、高発光効率、高発光輝度、長寿命、かつ欠陥のない任意の大きさの有機EL素子を効率よく製造することが可能であるため、非常に有効な手段である。
しかし、大気中で形成した有機発光媒体層上に、真空中で形成した有機発光媒体層を積層した場合、大気中で形成した有機発光媒体層表面に吸着したOやO、HOなどの劣化要因因子が、真空中で形成された有機発光媒体層材料と反応し、発光効率や発光輝度、寿命などの表示特性が低下するといった問題が生じるものがある。
即ち、真空中のドライプロセスのみで有機発光媒体層を積層した場合には、各層の表面に吸着する劣化要因因子の量は少なく、影響は小さいが、ウエットプロセスによって大気中で成膜を行った後、別の有機発光媒体層を真空中のドライプロセスによって積層した場合には、ウエットプロセスにより有機発光媒体層表面に吸着した劣化要因因子が、ドライプロセスにより積層された有機発光媒体層材料と反応し、表示特性の低下を引き起こす場合がある。
特に、電子注入層を、アルカリ土類金属を用いて、真空中のドライプロセスで成膜する場合、アルカリ土類金属は劣化要因因子と反応しやすいため、劣化要因因子が吸着した有機発光媒体層表面に成膜されると、組成が変化し、実質的なアルカリ土類金属部の膜厚が変化してしまう。その結果、所望のエネルギー準位の層が得られず、電子の移動が妨げられてしまい、電流密度が低下し、発光効率及び発光輝度が低下してしまうという問題が生じる。
このような、OやO、HOなどの劣化要因因子が及ぼす問題に対しては、例えば、特許文献1において、不活性ガス雰囲気下でウエットプロセスを行う方法が報告されている。
しかしながらこの方法では、大型の表示装置をウエットプロセスで製造する場合には、大掛かりな不活性雰囲気装置を導入する必要があるため、コストがかかり、作業効率や精度の低下が生じるなどの問題がある。
また、特許文献2において、誘電体有機バリア層を設けることが提案されているが、バリア層に有機材料を用いた場合、バリア層上に、真空中のドライプロセスで有機発光媒体層を形成した際には、バリア層の有機材料の一部が分解してしまい、バリア機能が低下してしまう、という問題がある。
特開2002−352954号公報 特表2005−510851号公報
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、劣化要因因子の影響が防止された高発光効率、高発光輝度、長寿命、かつ欠陥が無い有機EL素子を提供することを目的とする。また、劣化要因因子の影響が防止された高発光効率、高発光輝度、長寿命、かつ欠陥が無い有機EL素子を効率よく安価に製造することができる製造方法を提供することを目的とする。さらには、劣化要因因子の影響が防止された高発光効率、高発光輝度、長寿命、かつ欠陥が無い安価な表示装置を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、第1電極と、前記第1電極に対向するように設けられた第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の間に少なくとも有機発光層を含む2層以上の有機発光媒体層とを具備した有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
前記有機発光層を形成する工程は、前記第1電極上に、少なくとも1層の有機発光層の材料からなる塗布液が収容されたインクタンクからインクチャンバーに該塗布液を供給し、該インクチャンバーからアニロックスロールに前記塗布液を供給し、該アニロックスロールから凸版の凸部に前記塗布液を供給し、該凸部から前記塗布液を前記第1電極上に供給する工程、からなり、
次に、ドライプロセスにより前記有機発光層上にSiOx、SiO 、SiNx、Si 、AlF 、MnF 、Ag、Cr、Cu、Ge、Ir、Ni、Os、Pd、Pt、Re、Rh、Ru、Se、Si、Te、Wのいずれかからなるバリア層を形成する工程と、
次に、前記バリア層上にアルカリ土類金属、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属の塩からなる電子注入層を真空中で形成する工程と、
を行うことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
本発明によれば、有機発光媒体層の層間に無機バリア層を設けることにより、高発光効率、高発光輝度、長寿命、かつ欠陥が無い有機EL素子及び表示装置を提供することができる。
さらには、無機バリア層が、劣化要因因子と反応しにくい酸化物、窒化物、フッ化物からなる絶縁体または半導体、若しくは、仕事関数が4.0eV以上の金属からなることで、より効果的に有機発光媒体層の劣化を防止でき、より高発光効率、高発光輝度、長寿命、かつ欠陥が無い有機EL素子及び表示装置を提供することができる。無機バリア層が金属からなる場合、仕事関数が4.0eV以上の酸化されにくい金属を用いると、より効果的に、劣化要因因子との反応を防止することができる。
さらには、バリアの効果を十分に得られ、正孔または電子の移動を妨げない0.1nm以上1.0nm以下の無機バリア層を用いることにより、発光を阻害することなく劣化要因因子との反応を防ぐことができ、さらに高発光効率、高発光輝度、長寿命、かつ欠陥が無い有機EL素子及び表示装置を提供することができる。
また、少なくとも1層の有機発光媒体層を大気中で形成した後に、バリア層を形成してから、別の有機発光媒体層を真空中で形成することにより、高発光効率、高発光輝度、長寿命、かつ欠陥が無い有機EL素子を効率よく安価に製造できる製造方法を提供することができるとともに、高発光効率、高発光輝度、長寿命、かつ欠陥が無い有機EL素子及び表示装置を提供することができる。
バリア層に、無機バリア層を用いると、バリア層上に、真空中のドライプロセスで有機発光媒体層を形成した際の、バリア材料の分解によるバリア機能の低下が防止された有機EL素子を製造することができ、より高発光効率、高発光輝度、長寿命、かつ欠陥が無い有機EL素子及び表示装置を提供することができる。
さらには、バリア層が、劣化要因因子と反応しにくい酸化物、窒化物、フッ化物からなる絶縁体または半導体、若しくは、仕事関数が4.0eV以上の金属からなることで、より効果的に有機発光媒体層の劣化を防止でき、より高発光効率、高発光輝度、長寿命、かつ欠陥が無い有機EL素子を製造することができ、高発光効率、高発光輝度、長寿命、かつ欠陥が無い有機EL素子及び表示装置を提供することができる。バリア層が金属からなる場合、仕事関数が4.0eV以上の酸化されにくい金属を用いると、より効果的に、劣化要因因子との反応を防止することができる。
さらには、バリアの効果を十分に得られ、正孔または電子の移動を妨げない0.1nm以上1.0nm以下のバリア層を用いることにより、発光を阻害することなく劣化要因因子との反応を防ぐことができ、さらに高発光効率、高発光輝度、長寿命、かつ欠陥が無い有機EL素子を製造することができ、高発光効率、高発光輝度、長寿命、かつ欠陥が無い有機EL素子及び表示装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態の説明において参照する図面は、本発明の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さ、寸法等は、実際のものとは異なる。また、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1に、本発明の有機EL素子の一例を示す。図1は、断面の模式図である。
基板101側が表示側である場合、基板101には、透光性があり、ある程度の強度がある基材を使用することができる。例えば、ガラス基板やプラスチック製のフィルムまたはシートを用いることができ、0.2から1.0mmの薄いガラス基板を用いれば、バリア性が非常に高い薄型の有機EL素子を得ることができる。
第1電極102には、透明または半透明の電極を形成することのできる導電性物質を好適に使用することができる。
第1電極102が陽極である場合、例えば、インジウムと錫の複合酸化物(以下、ITOと略す)、インジウムと亜鉛の複合酸化物(以下、IZOと略す)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、亜鉛アルミニウム複合酸化物等が挙げられる。
低抵抗であること、耐溶剤性があること、透明性が高い等からITOを好ましく用いることができ、前記基板101上に蒸着またはスパッタリング法などにより成膜することができる。
また、オクチル酸インジウムやアセトンインジウムなどの前駆体を基板101上に塗布後、熱分解により酸化物を形成する塗布熱分解法等により形成することもできる。あるいは、金属としてアルミニウム、金、銀等の金属を半透明状に蒸着することもできる。あるいはポリアニリン等の有機半導体も用いることができる。
上記、第1電極102は、必要に応じてエッチング等によりパターニングを行うことができる。また、UV処理、プラズマ処理などにより表面の活性化を行うこともできる。
有機発光媒体層103は、複数の機能層のいずれかより選択され、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層、絶縁層等が挙げられる。
十分な発光効率及び発光輝度、寿命を得る為には、そのうち少なくとも有機発光層と他の1層以上の機能層を積層した構造が好ましい。
そして、積層された有機発光媒体層の層間に無機バリア層104を設けることにより、無機バリア層104より前に設けられた有機発光媒体層表面に吸着した劣化要因因子による、無機バリア層104より後に設けられた有機発光媒体層の劣化を防ぐことができる。
図1においては、正孔注入層103a、正孔輸送層103b、有機発光層103c、電子注入層103dの4層が有機発光媒体層103として選択され、積層されているが、層構成は任意に選択することが出来る。
また、図1においては、無機バリア層104は有機発光層103cと電子注入層103dの間に挟持されているが、任意の層間に挟持することが出来る。さらには、複数のバリア層を複数の層間に挟持することもできる。
図2に、無機バリア層104が正孔輸送層103bと有機発光層103cの間に挟持された例、図3に、無機バリア層104が正孔注入層103aと正孔輸送層103bの間と、有機発光層103cと電子注入層103dの間に挟持された例を示す。
正孔注入層および正孔輸送層に用いる正孔注入性材料および正孔輸送性材料としては、一般に正孔輸送材料として用いられているものを好適に使用することができ、例えば、低分子系材料としては銅フタロシアニンやその誘導体、1,1―ビス(4―ジ―p―トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’―ジフェニル ―N,N’―ビス(3―メチルフェニル)―1,1’―ビフェニル―4,4’ジアミン(TPD)、トリフェニルアミン誘導体等の芳香族アミン系などが挙げられ、真空中での真空蒸着法等のドライプロセスにより成膜が可能である。
また、これらの材料をトルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルアニソール、ジメチルアニソール、安息香酸エチル、安息香酸メチル、メシチレン、テトラリン、アミルベンゼン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノール、水等の単独または混合溶媒に溶解または分散させて正孔注入塗布液および正孔輸送塗布液として用いれば、大気中でのウエットプロセスにより成膜が可能である。
また、高分子系材料としては、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール、ポリ(3,4―エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物やPPV誘導体、PAF誘導体等が挙げられる。これら正孔注入性材料および正孔輸送性材料はトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノール、水等の単独または混合溶媒に溶解または分散させて正孔注入塗布液および正孔輸送塗布液とし、大気中でのウエットプロセスによる成膜が可能である。
有機発光層に用いる有機発光体としては、一般に有機発光材料として用いられているものを好適に使用することができ、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’―ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’―ジアリール置換ピロロピロール系等、一重項状態から発光可能な公知の蛍光性低分子系材料や、希土類金属錯体系の三重項状態から発光可能な公知の燐光性低分子系材料が挙げられ、これらは真空中の真空蒸着法等のドライプロセスで成膜が可能である。
また、これらの材料をトルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルアニソール、ジメチルアニソール、安息香酸エチル、安息香酸メチル、メシチレン、テトラリン、アミルベンゼン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノール、水等の単独または混合溶媒に溶解または分散させて有機発光塗布液として用いれば、大気中のウエットプロセスによる成膜が可能である。
また、高分子系材料としては、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’―ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’―ジアリール置換ピロロピロール系等の蛍光性色素をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に溶解させたものや、PPV系やPAF系等の高分子蛍光発光体や、希土類金属錯体を含む高分子燐光発光体などの高分子発光体を用いることができる。
これら高分子系材料はトルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルアニソール、ジメチルアニソール、安息香酸エチル、安息香酸メチル、メシチレン、テトラリン、アミルベンゼン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノール、水等の単独または混合溶媒に溶解または分散させて有機発光塗布液とし大気中のウエットプロセスにより成膜できる。
特にトルエン、キシレン、アニソール、メチルアニソール、ジメチルアニソール、安息香酸エチル、安息香酸メチル、メシチレン、テトラリン、アミルベンゼン等の芳香族系溶媒は高分子系材料の溶解性が良く、扱いも容易であることからより好ましい。
そして、電子注入層には、アルカリ土類金属、フッ化リチウムや酸化リチウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の塩や酸化物等を好適に用いることができ、真空中の真空蒸着等のドライプロセスによる成膜が可能である。
有機発光媒体層の各層の厚みは任意であるが0.1から200nmが好ましい。
一方、無機バリア層に用いるバリア材料としては、劣化要因因子と反応しにくい材料が好ましい。
これを満たす材料として酸化物、窒化物、フッ化物からなる絶縁体または半導体、若しくは仕事関数が4.0eV以上の金属が好適であり、例えば、SiOx、SiO、SiNx、Si、AlF、CaF、MnF、Ag、Cr、Cu、Ge、Ir、Ni、Os、Pd、Pt、Re、Rh、Ru、Se、Si、Te、Wなどの無機バリア層を、真空中の抵抗加熱蒸着法などの真空蒸着法、電子ビーム法、スパッタリング法、プラズマCVD法などのCVD法等のドライプロセスにより成膜可能である。
無機バリア層が金属からなる場合、仕事関数が4.0eV以上の酸化されにくい金属を用いると、効果的に、劣化要因因子との反応を防止することができる。
無機バリア層は厚すぎると正孔や電子の移動を妨げ発光を阻害し、有機発光媒体層本来の特性を得ることができない。また無機バリア層が薄すぎる場合にはバリアの効果を十分に得ることができないため膜厚は0.1nm以上1.0nm以下であることが好ましい。より好ましくは0.2nm以上0.5nm以下である。
第2電極105が陰極の場合には、Mg,Al,Yb等の金属単体、電子注入効率と安定性を両立させることのできる仕事関数の低い金属と安定な金属との合金系、例えば、MgAg,AlLi,CuLi等の合金が使用できる。
陰極の形成方法は材料に応じて、抵抗加熱蒸着法などの真空蒸着法、電子ビーム法、スパッタリング法等を用いることができる。陰極の厚さは、10nmから1000nm程度が好ましい。
図1においては、基板101上に陽極としての電極から積層されているが、陰極としての電極からの積層も適宜可能である。
また、図1においては、基板101側が表示側であるが、基板101側と反対側からの表示も適宜可能である。
そして、少なくとも1層の有機発光媒体層を大気中のウエットプロセスで形成した後に、バリア層を形成してから、別の有機発光媒体層を真空中のドライプロセスで形成することで、高発光効率、高発光輝度、長寿命、かつ欠陥が無い有機EL素子を効率よく安価に製造することができる。
例えば、図1に示したような有機EL素子を製造する場合、基板101側が表示側である場合、基板101には、透光性があり、ある程度の強度がある基材を使用することができる。例えば、ガラス基板やプラスチック製のフィルムまたはシートを用いることができ、0.2から1.0mmの薄いガラス基板を用いれば、バリア性が非常に高い薄型の有機EL素子を製造することができる。
第1電極102には、透明または半透明の電極を形成することのできる導電性物質を好適に使用することができる。
第1電極が陽極である場合、例えば、インジウムと錫の複合酸化物(以下、ITOと略す)、インジウムと亜鉛の複合酸化物(以下、IZOと略す)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、亜鉛アルミニウム複合酸化物等が挙げられる。
低抵抗であること、耐溶剤性があること、透明性が高い等からITOを好ましく用いることができ、前記基板101上に蒸着またはスパッタリング法などにより成膜することができる。
また、オクチル酸インジウムやアセトンインジウムなどの前駆体を基板101上に塗布後、熱分解により酸化物を形成する塗布熱分解法等により形成することもできる。あるいは、金属としてアルミニウム、金、銀等の金属が半透明状に蒸着されたものも用いることができる。あるいはポリアニリン等の有機半導体も用いることができる。
上記、第1電極102は、必要に応じてエッチング等によりパターニングを行うことができる。また、UV処理、プラズマ処理などにより表面の活性化を行うこともできる。
有機発光媒体層103は、複数の機能層のいずれかより選択され、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層、絶縁層等が挙げられる。
十分な発光効率及び発光輝度、寿命を得る為には、そのうち少なくとも有機発光層と他の1層以上の機能層を積層した構造が好ましい。
そして、積層された有機発光媒体層の層間に無機バリア層104などのバリア層を設けることにより、バリア層より前に設けられた有機発光媒体層表面に吸着した劣化要因因子による、バリア層より後に設けられた有機発光媒体層の劣化を防ぐことができる。
図1においては、正孔注入層103a、正孔輸送層103b、有機発光層103c、電子注入層103dの4層が有機発光媒体層103として選択され、積層されているが、層構成は任意に選択することが出来る。
また、図1においては、バリア層は有機発光層103cと電子注入層103dの間に設けられているが、任意の層間に設けることが出来る。さらには、複数のバリア層を複数の層間に設けることもできる。
例えば、図2のように、バリア層を正孔輸送層103bと有機発光層103cの間に設けることができる。また、例えば、図3のように、バリア層を正孔注入層103aと正孔輸送層103bの間と、有機発光層103cと電子注入層103dの間に設けることができる。
正孔注入層および正孔輸送層に用いる正孔注入性材料および正孔輸送性材料としては、一般に正孔輸送材料として用いられているものを好適に使用することができ、例えば、低分子系材料としては銅フタロシアニンやその誘導体、1,1―ビス(4―ジ―p―トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’―ジフェニル ―N,N’―ビス(3―メチルフェニル)―1,1’―ビフェニル―4,4’ジアミン(TPD)、トリフェニルアミン誘導体等の芳香族アミン系などが挙げられ、真空中での真空蒸着法等のドライプロセスにより成膜が可能である。
また、これらの材料をトルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルアニソール、ジメチルアニソール、安息香酸エチル、安息香酸メチル、メシチレン、テトラリン、アミルベンゼン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノール、水等の単独または混合溶媒に溶解または分散させて正孔注入塗布液および正孔輸送塗布液として用いれば、大気中でのウエットプロセスにより成膜が可能である。
また、高分子系材料としては、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール、ポリ(3,4―エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物やPPV誘導体、PAF誘導体等が挙げられる。これら正孔注入性材料および正孔輸送性材料はトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノール、水等の単独または混合溶媒に溶解または分散させて正孔注入塗布液および正孔輸送塗布液とし、大気中でのウエットプロセスによる成膜が可能である。
有機発光層に用いる有機発光体としては、一般に有機発光材料として用いられているものを好適に使用することができ、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’―ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’―ジアリール置換ピロロピロール系等、一重項状態から発光可能な公知の蛍光性低分子系材料や、希土類金属錯体系の三重項状態から発光可能な公知の燐光性低分子系材料が挙げられ、これらは真空中の真空蒸着法等のドライプロセスで成膜が可能である。
また、これらの材料をトルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルアニソール、ジメチルアニソール、安息香酸エチル、安息香酸メチル、メシチレン、テトラリン、アミルベンゼン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノール、水等の単独または混合溶媒に溶解または分散させて有機発光塗布液として用いれば、大気中のウエットプロセスによる成膜が可能である。
また、高分子系材料としては、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’―ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’―ジアリール置換ピロロピロール系等の蛍光性色素をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に溶解させたものや、PPV系やPAF系等の高分子蛍光発光体や、希土類金属錯体を含む高分子燐光発光体などの高分子発光体を用いることができる。
これら高分子系材料はトルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルアニソール、ジメチルアニソール、安息香酸エチル、安息香酸メチル、メシチレン、テトラリン、アミルベンゼン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノール、水等の単独または混合溶媒に溶解または分散させて有機発光塗布液とし大気中のウエットプロセスにより成膜できる。
特にトルエン、キシレン、アニソール、メチルアニソール、ジメチルアニソール、安息香酸エチル、安息香酸メチル、メシチレン、テトラリン、アミルベンゼン等の芳香族系溶媒は高分子系材料の溶解性が良く、扱いも容易であることからより好ましい。
そして、電子注入層には、アルカリ土類金属、フッ化リチウムや酸化リチウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の塩や酸化物等を好適に用いることができ、真空中の真空蒸着等のドライプロセスによる成膜が可能である。
有機発光媒体層の各層の厚みは任意であるが0.1から200nmが好ましい。
一方、バリア層に用いるバリア材料は、好適に用いることができるが、バリア層上に、真空中のドライプロセスで有機発光媒体層を形成した際の、バリア材料の分解によるバリア機能の低下が防止された無機バリア層であることが好ましい。
バリア層に用いるバリア材料としては、劣化要因因子と反応しにくい材料が好ましい。
これを満たす材料として酸化物、窒化物、フッ化物からなる絶縁体または半導体、若しくは仕事関数が4.0eV以上の金属が好適であり、例えば、SiOx、SiO、SiNx、Si、AlF、CaF、MnF、Ag、Cr、Cu、Ge、Ir、Ni、Os、Pd、Pt、Re、Rh、Ru、Se、Si、Te、Wなどのバリア層を、真空中の抵抗加熱蒸着法などの真空蒸着法、電子ビーム法、スパッタリング法、プラズマCVD法などのCVD法等のドライプロセスにより成膜可能である。
バリア層が金属からなる場合、仕事関数が4.0eV以上の酸化されにくい金属を用いると、効果的に、劣化要因因子との反応を防止することができる。
バリア層は厚すぎると正孔や電子の移動を妨げ発光を阻害し、有機発光媒体層本来の特性を得ることができない。またバリア層が薄すぎる場合にはバリアの効果を十分に得ることができないため膜厚は0.1nm以上1.0nm以下であることが好ましい。より好ましくは0.2nm以上0.5nm以下である。
第2電極105が陰極の場合には、Mg,Al,Yb等の金属単体、電子注入効率と安定性を両立させることのできる仕事関数の低い金属と安定な金属との合金系、例えば、MgAg,AlLi,CuLi等の合金が使用できる。
陰極の形成方法は材料に応じて、抵抗加熱蒸着法などの真空蒸着法、電子ビーム法、スパッタリング法を用いることができる。陰極の厚さは、10nmから1000nm程度が好ましい。
図1においては、基板101上に陽極としての電極から積層されているが、陰極としての電極からの積層も適宜可能である。
また、図1においては、基板101側が表示側であるが、基板101側と反対側からの表示も適宜可能である。
上述のウエットプロセスには塗布法、印刷法などがあり、塗布法にはスピンコーター、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター等があるが、これらは直接パターンを形成することが困難であるのに対し、印刷法は容易に直接パターンを形成することができる。
このことから、ウエットプロセスにより有機発光媒体層を成膜する際には、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法などの公知の印刷法を好適に用いることができる。
特に凸版印刷法は、塗布液の粘性特性が良好な粘度範囲で、基材を傷つけることのなく印刷することができ、塗布液材料の利用効率が良い点から有機EL素子の製造に適している。
図4に、本発明の凸版印刷法の一例を示す。図4は、有機発光媒体層の材料からなる塗布液を、電極等が形成された被印刷基板201上にパターン印刷する際の、凸版印刷法の概略を示している。
本凸版印刷法はインクタンク202と、インクチャンバー203と、アニロックスロール204と、凸版が設けられた版205がマウントされた版胴206を有している。インクタンク202には、有機発光媒体層の材料からなる塗布液が収容されており、インクチャンバー203にはインクタンク202より塗布液を送り込むことができる。また、アニロックスロール204はインクチャンバー203の塗布液供給部に接して回転可能に支持されている。
アニロックスロール204の回転に伴い、アニロックスロール表面に供給された塗布液の塗布層204aは均一な膜厚に形成される。この塗布層204aはアニロックスロール204に近接して回転駆動される版胴206にマウントされた版205の凸部に転移する。
また、平台207には、被印刷基板201が版205の凸部による印刷位置にまで図示していない搬送手段によって搬送されるようになっている。そして、版205の凸部にあるインクは被印刷基板201に対して印刷され、必要に応じて乾燥工程を経ることで、被印刷基板201上に、好適に有機発光媒体層を成膜することができる。
凸版が設けられた版205は、公知のものを好適に使用可能であるが、感光性樹脂凸版が好ましい。感光性樹脂凸版は、露光した樹脂版を現像する際に用いる現像液が有機溶剤である溶剤現像タイプのものと現像液が水である水現像タイプのものがあるが、溶剤現像タイプのものは水系のインクに対し耐性を示し、水現像タイプのものは有機溶剤系のインクに耐性を示す。有機発光媒体層の材料からなる塗布液の特性に従い、溶剤現像タイプ、水現像タイプを好適に選ぶことができる。
図1に示した有機EL素子は、例えば、正孔注入層103a、正孔輸送層103b、有機発光層103cを、大気中で凸版印刷法を用い、形成した後、真空中で無機バリア層104を形成してから、真空中で電子注入層103dを形成することで製造することができる。
さらには、正孔注入層103aと正孔輸送層103bを真空中で形成し、有機発光層103cを大気中で凸版印刷法を用い形成した後、真空中で無機バリア層104を形成してから、真空中で電子注入層103dを形成するといったように、真空中での有機発光媒体層の形成と、大気中での有機発光媒体層の形成を好適に組み合わせて製造することも可能である。
次に、本発明の有機EL素子を用いたパッシブマトリックスタイプの表示装置の一例を、図5に示す。図5は、断面の模式図である。
基板301側が表示側の場合、ライン状の透明または半透明の陽極としての第1電極302を好適に形成した後、必要に応じ、隣接する電極間に、例えば、感光性材料を用いて、フォトリソ法等の公知の方法により絶縁層306を形成することができる。
絶縁層306を隣接する電極間に設けることにより、各電極上に塗布される有機発光媒体層の材料からなる塗布液の拡がりを抑えることができる。
絶縁層306を形成する感光性材料としてはポジ型レジスト、ネガ型レジスト等好適に使用することができる。絶縁性を有する材料としては、例えば、ポリイミド系、アクリル樹脂系、ノボラック樹脂系といったものが挙げられる。
また、有機EL素子の表示特性を向上させるため、光遮光性の材料を感光性材料に含有させることもできる。さらには、塗布液の絶縁層への拡がりを防ぐために、撥液性材料を感光性材料に含有させることもできる。
絶縁層306を形成する感光性樹脂はスピンコーター、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター等の塗布方法を用いて塗布することができ、フォトリソ法等によりパターニングすることができる。
スピンコーターを使用した場合、1回の塗布では所望の膜厚の塗布膜を得られないことがあるが、その場合は同様の工程を複数回繰り返すことにより、所望の膜厚を得ることができる。
必要に応じ、形成された絶縁層306をプラズマ洗浄、UV洗浄などの処理を施し、表面を撥液性に調整することもできる。
そして、絶縁層306を形成後、例えば、正孔注入層303a、正孔輸送層303b、有機発光層303cを、大気中で凸版印刷法を用い、成膜した後、バリア層として、真空中で無機バリア層304を形成してから、真空中で電子注入層303dを成膜することができる。
図5においては、有機発光媒体層303は正孔注入層303a、正孔輸送層303b、有機発光層303c、電子注入層303dの4層から成っているが、層構成は任意に選択することが出来る。
また、図5においては、バリア層としての無機バリア層304は有機発光層303cと電子注入層303dの間に挟持されているが、任意の層間に挟持することが出来る。さらには、複数のバリア層を複数の層間に挟持することも可能である。
また、図5においては、正孔注入層303a、正孔輸送層303b、有機発光層303cを大気中で形成したが、正孔注入層303aと正孔輸送層303bを真空中で形成し、有機発光層303cを大気中で凸版印刷法を用い形成した後、バリア層として、真空中で無機バリア層304を形成してから、真空中で電子注入層303dを形成するといったように、真空中での有機発光媒体層の形成と、大気中での有機発光媒体層の形成を好適に組み合わせて製造することも可能である。
そして、第1電極302と直交するように、ライン状の陰極としての第2電極305を好適に形成することができる。
図5においては、基板301上に陽極としての電極から積層されているが、陰極としての電極からの積層も適宜可能である。
また、図5においては、基板301側が表示側であるが、基板301側と反対側からの表示も適宜可能である。
また、図5においては、ライン電極を用いるパッシブマトリックスタイプの駆動方式の表示装置を例示したが、任意のパターン電極を用いたセグメントタイプ、画素電極や薄膜トランジスタを用いたアクティブマトリックスタイプなど、公知の駆動方式を好適に選択可能である。
また、必要に応じて、このように製造した有機EL素子を、外部の酸素や水分から保護する為に、例えば、ガラスキャップと接着剤を用いて密閉封止し、表示装置とすることもできる。さらには、基板が可撓性を有する場合は封止剤と可撓性フィルムを用いて密閉封止し、表示装置とすることもできる。
(実施例1)
まず、厚さが0.7mm、対角1.8インチサイズのガラス基板を基板として用い、この基板上に、陽極材料であるITOを使用し、スパッタ法を用いて真空中でITO膜を形成し、フォトリソ法と酸溶液によるエッチングでITO膜をパターニングしてライン電極を設けた。ラインパターンは、線幅136μm、スペース30μmで、192ライン形成した。
次にライン電極を形成したガラス基板上に、絶縁層材料として、アクリル系のフォトレジスト材料を全面にスピンコートした。スピンコートの条件を150rpmで5秒間回転させた後、500rpmで20秒間回転させ、高さ1.5μmの塗膜を得た。その後、フォトリソ法により、電極間にライン状の絶縁層を形成した。
次に、正孔注入層塗布液として重量濃度1%のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)液を用い、大気中で凸版印刷法にて、絶縁層に挟まれたライン電極上に正孔注入層を形成した。このとき180線/インチのアニロックスロールおよび水現像タイプの感光性樹脂版を使用し、乾燥後膜厚が50nmの正孔注入層を形成した。
次に、正孔輸送材料であるトリフェニルアミン誘導体を、重量濃度が1%になるようにシクロヘキサノールに溶解させた塗布液を用い、大気中で凸版印刷法にて、正孔注入層上に正孔輸送層を形成した。このとき、150線/インチのアニロックスロールおよび水現像タイプの感光性樹脂版を使用し、乾燥後膜厚が30nmの正孔輸送層を形成した。
次に、有機発光材料であるPPV誘導体の重量濃度が1%、キシレン及びアニソールの重量濃度がそれぞれ84%、15%の塗布液を使用し、同じく大気中で凸版印刷法にて、正孔輸送層上に有機発光層を形成した。このとき、200線/インチのアニロックスロールおよび水現像タイプの感光性樹脂版を使用し、乾燥後膜厚が80nmの有機発光層を形成した。
次に、SiHとOを使用し、有機発光層上に、マスクを使用し、真空中でプラズマCVD法により厚さ0.4nmのSiOxのバリア層を形成した。
次に、電子注入材料であるCaを使用し、バリア層上に、マスクを使用し、真空中で真空蒸着法により厚さ5nmの電子注入層を形成した。
最後に、陰極材料であるAlを使用し、ITOで形成された陽極と直交するように、真空中の真空蒸着法により、マスクを使用し、ラインパターンの厚さ150nmの電極を形成した。ラインパターンは、線幅136μm、スペース30μmで、192ライン形成した。そしてガラスキャップと接着剤を用いて密閉封止し、パッシブマトリックスタイプの有機EL素子の表示装置を得た。
本実施の形態で得られたパッシブマトリックスタイプの有機EL素子の表示装置の発光特性を評価したところ、電極同士の短絡がなく選択した画素のみを点灯でき、ムラの無い均一な発光がなされていると同時に、輝度が6Vで160cd/m2、また、初期輝度400cd/m2における輝度半減時間は1600時間の、高発光効率、高発光輝度、長寿命の良好な表示特性を得られた。
(実施例2)
実施例1のバリア層をSiNxに替えて、パッシブマトリックスタイプの有機EL素子の表示装置を作成した。SiNxのバリア層は、SiHとNを使用し、真空蒸着法を用いて厚さ0.4nmのものを形成した。
得られた表示装置の発光特性を評価したところ、電極同士の短絡がなく選択した画素のみを点灯でき、ムラの無い均一な発光がなされていると同時に、輝度が6Vで170cd/m2、また、初期輝度400cd/m2における輝度半減時間は1700時間の、高発光効率、高発光輝度、長寿命の良好な表示特性を得られた。
(実施例3)
実施例1のバリア層をAlFに替えて、パッシブマトリックスタイプの有機EL素子の表示装置を作成した。AlFのバリア層は、真空蒸着法を用いて厚さ0.4nmのものを形成した。
得られた表示装置の発光特性を評価したところ、電極同士の短絡がなく選択した画素のみを点灯でき、ムラの無い均一な発光がなされていると同時に、輝度が6Vで175cd/m2、また、初期輝度400cd/m2における輝度半減時間は1600時間の、高発光効率、高発光輝度、長寿命の良好な表示特性を得られた。
(実施例4)
実施例1のバリア層をPdに替えて、パッシブマトリックスタイプの有機EL素子の表示装置を作成した。Pdのバリア層は、電子ビーム法を用いて厚さ0.4nmのものを形成した。
得られた表示装置の発光特性を評価したところ、電極同士の短絡がなく選択した画素のみを点灯でき、ムラの無い均一な発光がなされていると同時に、輝度が6Vで200cd/m2、また、初期輝度400cd/m2における輝度半減時間は2000時間の、高発光効率、高発光輝度、長寿命の良好な表示特性を得られた。
(比較例1)
実施例1のSiOxのバリア層を設けず、パッシブマトリックスタイプの有機EL素子の表示装置を作成した。
得られた表示装置は、電極同士の短絡がなく選択した画素のみを点灯はできたが、発光ムラが認められた。また輝度は6Vで120cd/m2、初期輝度400cd/m2における輝度半減時間は800時間と、バリア層を設けた実施例1に比較し、低発光効率、低発光輝度で寿命の短い表示特性しか得られなかった。
(比較例2)
実施例1のSiOxのバリア層を、0.05nmの厚さで形成した、パッシブマトリックスタイプの有機EL素子の表示装置を作成した。
得られた表示装置は、電極同士の短絡がなく選択した画素のみを点灯はできたが、バリアの効果が十分に得られず、発光ムラが認めら得た。また輝度は6Vで140cd/m2、初期輝度400cd/m2における輝度半減時間は1000時間と、実施例1と比較し、低発光効率、低発光輝度で寿命の短い表示特性しか得られなかった。
(比較例3)
実施例1のSiOxのバリア層を、1.5nmの厚さで形成した、パッシブマトリックスタイプの有機EL素子の表示装置を作成した。
得られた表示装置は、電極同士の短絡がなく選択した画素のみの点灯ができ、ムラの無い均一な発光がなされていたが、電子の移動が妨げられ、輝度は6Vで130cd/m2、初期輝度400cd/m2における輝度半減時間は1100時間と、実施例1と比較し、低発光効率、低発光輝度で寿命の短い表示特性しか得られなかった。
本発明の有機EL素子の一例を示す説明図である。 本発明の有機EL素子の一例を示す説明図である。 本発明の有機EL素子の一例を示す説明図である。 本発明の凸版印刷法の一例を示す説明図である。 本発明の表示装置の一例を示す説明図である。
符号の説明
101,301:基板
102,302:第1電極
103,303:有機発光媒体層
103a,303a:正孔注入層
103b,303b:正孔輸送層
103c,303c:有機発光層
103d,303d:電子注入層
104:304:無機バリア層
105,305:第2電極
306:絶縁層
201:被印刷基板
202:インキタンク
203:インキチャンバー
204:アニロックスロール
204a:塗布層
205:版
206:版胴
207:平台

Claims (1)

  1. 第1電極と、前記第1電極に対向するように設けられた第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の間に少なくとも有機発光層を含む2層以上の有機発光媒体層とを具備した有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
    前記有機発光層を形成する工程は、前記第1電極上に、少なくとも1層の有機発光層の材料からなる塗布液が収容されたインクタンクからインクチャンバーに該塗布液を供給し、該インクチャンバーからアニロックスロールに前記塗布液を供給し、該アニロックスロールから凸版の凸部に前記塗布液を供給し、該凸部から前記塗布液を前記第1電極上に供給する工程、からなり、
    次に、ドライプロセスにより前記有機発光層上にSiOx、SiO 、SiNx、Si 、AlF 、MnF 、Ag、Cr、Cu、Ge、Ir、Ni、Os、Pd、Pt、Re、Rh、Ru、Se、Si、Te、Wのいずれかからなるバリア層を形成する工程と、
    次に、前記バリア層上にアルカリ土類金属、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属の塩からなる電子注入層を真空中で形成する工程と、
    を行うことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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