JP2017036051A - 塗布具 - Google Patents

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Abstract

【課題】内圧上昇や衝撃によって貯留室から溢れ出た液体を一時的に保持するリザーバ領域から、液体を残存させることなく確実に抜き取れるようにすること。【解決手段】貯留室131が貯留する液体(例えばインクIK)を中継部材151の介在によって塗布体111に導く構造中に、気液交換領域EAとリザーバ領域RAとを設ける。気液交換領域EAは、貯留室131から供給されたインクIKを中継部材151よりも弱い力の毛管現象で吸引して保持し、中継部材151に導く。リザーバ領域RAは、気液交換領域EAと連絡する位置で隙間(第2の隙間G2)を開けて中継部材151を囲繞し、貯留室131から押し出されて気液交換領域EAを通過したインクIKを一時的に保持する。【選択図】図1

Description

本発明は、アイライナーなどの化粧用具、サインペンやマーキングペンなどの筆記具、スタンプ、薬剤塗布容器などに適用され、インク、化粧水、香水、薬剤などの各種の液体を生のままの状態で貯留し、塗布できるようにした塗布具に関する。
≪液体を生のままの状態で貯留する種類の塗布具≫
従来、紙や人の肌などの塗布対象物に塗布するインクや化粧水などの液体を中綿などの吸蔵体に吸収させた状態で貯蔵するのではなく、生のままの状態で貯留し、適宜塗布できるようにした塗布具が実用化されている。
この種の塗布具は、吸蔵体に吸収させた状態で保存することができない種類の液体、例えば顔料インクの使用が可能であり、これが大きな利点となっている。
顔料系のインクの優位性は、その発色性の良さにある。例えばアイライナーに顔料系のインクを使用した場合、はっきりした深みのある色彩表現が可能となり、使用者に満足感をもたらす。もちろんアイライナーに限らず、ペンなどの筆記具であっても、顔料系のインクの使用によって鮮やかな発色を楽しむことができることは言うまでもない。
特許文献1、2はいずれも、インクを生のままの状態で貯留し、適宜塗布できるようにした塗布具を開示している。
いずれの文献に記載された塗布具も、筒形のハウジングの内周面に沿って形成した貯留室にインクを貯留しておき、貯留したインクをハウジングの一端に取り付けた塗布体に供給する点で共通性を有している。
相違するのは、貯留室から塗布体にインクを導くための構造である。
特許文献1に記載された塗布具は、「インク流出制御部材18(親水性不織布20b、インク流出孔19、親水性不織布20a)」「超親水性インク流動用繊維束8、12、16」「親水性不織布5」を介して、貯留室(インク室23)に貯留したインクを塗布体(ペン体2)に導く(特許文献1の段落[0021]、図1参照)。
特許文献2に記載された塗布具は、「インキ吸蔵体5」と一体化された「インキ連通部4」を介して、貯留室(インキ収容部1)に貯留したインクを塗布体(塗布体3)に導く(特許文献2の段落[0015]、図1参照)。インキ連通部4(インキ吸蔵体5)は、「インキを吸収しやすく且つ吐き出しやすい、スポンジ又はポリエステルやアクリル、アセテート繊維を集束したいわゆる中綿などを適宜使えばよい」とされている(特許文献2の段落[0014]参照)。
≪液体のボタ落ち防止≫
インクなどの液体を生のままの状態で貯留するようにした塗布具が克服しなければならない課題の一つは、塗布体からの液体の漏洩、いわゆるボタ落ちの防止である。
例えば気温の上昇や筆記時の体温の伝達などを原因として貯留室の内圧が高まった場合、貯留室から液体が溢れ出し、溢れ出した液体が過剰に塗布部に送られてその保持容量を超え、塗布部からボタ落ちしてしまうことがある。
あるいは塗布具に衝撃が加わった場合にも、やはり貯留室から液体が漏れ出し、塗布部に過剰に送られてボタ落ちしてしまうことがある。
そこで液体を生のままの状態で貯留するようにした塗布具では、このような塗布体からの液体の漏洩、いわゆるボタ落ちを防止するための対策が必要になる。
この点、先に紹介した二つの文献には、内圧上昇や衝撃によって貯留室から溢れ出たインクを一時的に保持し、塗布体からの液体の漏洩(ボタ落ち)を防止するようにした発明が記載されている。
特許文献1に記載された発明は、超親水性インク流動用繊維束8、12、16の周囲に中綿7、11、15を設けている。
したがって内圧上昇や衝撃による貯留室(インク室23)からの変則的なインクの漏れ出しが発生すると、中綿7、11、15が漏れ出したインクを吸収して保持し、塗布体(ペン体2)からのインクのボタ落ちを防止する(特許文献1の段落[0023]参照)。
特許文献2に記載された発明の場合、貯留室(インキ収容部1)から溢れ出したインクを吸収して保持する役割を、インキ連通部4と一体化されたインキ吸蔵体5が果たす(特許文献2の段落[0016]参照)。
つまりインキ吸蔵体5はインキ連通部4よりも密度(又は毛管力)が低く設定され、通常時にはインクの吸収が抑制されている。これによりインキ吸蔵体5はインクが空の状態を保つため、貯留室から溢れ出したインクを吸収して一時的に保持するスペースとして機能することになる。
したがって内圧上昇や衝撃による貯留室からの変則的なインクの漏れ出しが発生すると、インキ吸蔵体5が漏れ出したインクを吸収して保持し、塗布体からのインクのボタ落ちを防止する(特許文献2の段落[0016]参照)。
≪一時的に保持した液体の回収≫
このように上記二つの文献に記載された発明によれば、内圧上昇や衝撃によって貯留室からインクが溢れ出した場合、漏れ出たインクを吸収体(特許文献1の「中綿7、11、15」、特許文献2の「インキ吸蔵体5」)に吸収させて一時的に保持するようにしている。
このため吸収体に一時的に保持させたインクを回収する必要性が生ずる。
この点、特許文献1に記載された発明では、中綿7、11、15をテーパー付きのインク保持用部材6、10、14で保持し、塗布体(ペン体2)よりも貯留室(インク室23)側の密度勾配を高く設定している。
したがって一旦は高まった貯留室の内圧が元の状態に戻るに際して、中綿7、11、15に保持されているインクはより密度勾配が高い貯留室の側に引き込まれ、貯留室に回収される(特許文献1の段落[0015]〜[0016]、[0024]参照)。
特許文献2に記載された発明では、一旦は高まった貯留室の内圧が元の状態に戻るに際して、インキ吸蔵体5に吸収されて保持されていたインクは、相対的に密度の高いインキ連通部4に吸引され、貯留室に回収される(特許文献2の段落[0016]参照)。
特開平11−020373号公報 特開2003−226091号公報
特許文献1、2に記載された発明によれば、内圧上昇や衝撃によって貯留室からインクが溢れ出した場合、溢れ出たインクを一時的に保持して塗布体からの漏洩、いわゆるボタ落ちを防止するようにしている。そして一旦は高まった貯留室の内圧が元の状態に戻るに際して、一時的に保持していたインクを貯留室に回収するようにしている。
つまり貯留室から溢れ出したインクを一時的に保持するいわばリザーバ領域とでも呼ぶべき領域を設けておき、毛管現象の強弱を利用して、溢れ出たインクの一時的な保持と回収とを上手く制御しているわけである。
しかしながら特許文献1、2に記載された塗布具では、リザーバ領域を形成するために、繊維束や多孔質材料からなるインキ吸蔵体を用いている。つまり、
・特許文献1は「中綿7、11、15」
・特許文献2は「インキを吸収しやすく且つ吐き出しやすい、スポンジ又はポリエステルやアクリル、アセテート繊維を集束したいわゆる中綿」
をインキ収蔵体として用い、これによってリザーバ領域を形成しているわけである(特許文献1の段落[0023]、特許文献2の段落[0014]参照)。
このためリザーバ領域には、一時的に吸引して保持するインクなどの液体が残存しやすいという問題が発生する。特許文献1、2が紹介する中綿などのインキ吸蔵体は、その構造上、繊維密度(中綿)や孔径(スポンジ)が場所によって一定せず、液体に吸引作用を及ぼす毛管現象の強さが場所ごとに異なるからである。
こうしてリザーバ領域に液体が残存すると、リザーバ領域における液体の保持容量が減少するという望ましくない結果を招来する。
とりわけ顔料インクが用いられる場合には、問題はより一層深刻である。顔料インクは時間の経過と共に溶液から顔料が分離するので、溶液から分離した固体状の顔料がリザーバ領域に残存してしまうからである。こうなるとリザーバ領域を形成するインキ吸蔵体の性能、例えば前述した液体の保持容量や液体に対する毛管現象の作用力が変化してしまう可能性があり、はなはだ不都合である。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、内圧上昇や衝撃によって貯留室から溢れ出た液体を一時的に保持するリザーバ領域から、液体を残存させることなく確実に抜き取れるようにすることを目的とする。
本発明の塗布具は、液体を貯留する貯留室と、供給された液体を毛管現象によって吸引して一面に導く塗布体と、前記塗布体よりも弱い力の毛管現象の作用で当該塗布体に液体を導く棒状の中継部材と、前記貯留室から供給された液体を前記中継部材よりも弱い力の毛管現象で吸引して保持し、前記中継部材に導く気液交換領域と、前記気液交換領域と連絡する位置で隙間を開けて前記中継部材を囲繞し、前記貯留室から押し出されて前記気液交換領域を通過した液体を一時的に保持するリザーバ領域と、を備えることによって上記課題を解決する。
本発明によれば、貯留室から漏れ出した液体を一時的に保持するリザーバ領域を、毛管現象が作用する中継部材との間の隙間によって形成したので、リザーバ領域に一時的な保持されている液体が吸引されて抜き取られるに際して、液体を残存させずに確実に抜き取らせることができ、したがって、液体の保持容量や毛管現象の作用力などのリザーバ領域の性能に変動を生じさせないようにすることができる。
第1の実施の形態を示す塗布具(アイライナー)で、(a)は縦断正面図、(b)は中間栓及び中継部材の(a)におけるA−A線断面図、(c)は中間栓及び中継部材の(a)におけるB−B線断面図。 第2の実施の形態を示す塗布具(アイライナー)の縦断正面図。 第3の実施の形態を示す塗布具(アイライナー)で、(a)は縦断正面図、(b)は中間栓及び中継部材の(a)におけるA−A線断面図、(c)は中間栓及び中継部材の(a)におけるB−B線断面図。 第4の実施の形態を示す塗布具(アイライナー)の縦断正面図。 第5の実施の形態を示す塗布具(アイライナー)で、(a)は縦断正面図、(b)は中間栓及び中継部材の(a)におけるA−A線断面図。 第6の実施の形態を示す塗布具(アイライナー)で、(a)は縦断正面図、(b)は中間栓及び中継部材の(a)におけるA−A線断面図。
本実施の形態の塗布具は、液体としてのインクIK(図1(a)等参照)を生のままの状態で貯留し、適宜アイラインに塗布できるようにしたアイライナー101への各種適用例である。
以下、第1から第6までの実施の形態を順に紹介する。
≪第1の実施の形態≫
第1の実施の形態を図1(a)(b)(c)に基づいて説明する。
図1(a)に示すように、本実施の形態のアイライナー101は、細長い筒状のハウジング102の一端側に塗布体111を取り付け、インクIKを封入する他端側を尾栓103で閉じた構造を有している。
塗布体111は複数本の繊維を集束して圧縮したもので、繊維束の長手方向を軸方向とする断面が真円の棒形状に形成されている。したがって個々の繊維の間に毛管現象を生じさせ、長手方向に液体を移動させる。
このような塗布体111は、後端部分が切り落とされて平坦な連結面111aとされ、先端部分は丸みを帯びた形状に加工されて塗布面111bとされている。塗布面111bは、人の皮膚であるアイライン上にインクIKを塗布する役割を担う。
ハウジング102にはその内部に中間栓121が圧入され、中央付近で固定されている。
これによってハウジング102は後端側、つまり尾栓103の側にインクIKを貯留する貯留室131を形成し、先端側、つまり塗布体111の側にリザーバ室141を形成している。
アイライナー101は、貯留室131に貯留されたインクIKを塗布体111に導く。そのための構造として、中継部材151が設けられている。
中継部材151は、塗布体111と同様に、複数本の繊維を集束して圧縮し、繊維束の長手方向を軸方向とする断面が真円の棒形状に形成したものである。したがって個々の繊維の間に毛管現象を生じさせ、長手方向に液体を移動させる。このような中継部材151は、その後端側を尖った形状の給液部151aとし、先端側を平坦な連結部151bとしている。
そこで本実施の形態では、中継部材151の給液部151aを貯留室131に貯めたインクIKに浸し、連結部151bを塗布体111の連結面111aに接触させることで、中継部材151に働く毛管現象の作用を利用して、貯留室131から塗布体111にインクIKを誘導している。
この場合、毛管現象が作用する力(以下「毛管力」と呼ぶ)は、中継部材151よりも塗布体111の方が強く設定されている。それ故にインクIKは、貯留室131から中継部材151を経由して塗布体111に至る方向に流れる。液体は毛管力が弱い側から強い側に吸引されるからである。
各部の構造をより詳細に説明する。
ハウジング102は、先端部を先窄まりの段状に形成した例えば樹脂成形品であり、先窄まりになった先端部に、塗布体111を取り付けるためのホルダ112を一体に成形している。
ホルダ112は、ハウジング102と同軸上に円筒状の大径部112aと小径部112bとを備えている。大径部112aは小径部112bよりもハウジング102の先端側に配置され、塗布体111を圧入状態で嵌合させる。小径部112bは中継部材151を圧入状態で嵌合させる。
もっとも大径部112aと小径部112bとは内部で連絡しており、大径部112aに保持された塗布体111の連結面111aと小径部112bに保持された中継部材151の連結部151bとは、互いに接触可能になっている。
ハウジング102の内部空間を二分割する中間栓121は、ハウジング102の内周面に圧接する円柱形状に形成された例えば樹脂成形品であり、軸方向に沿って貫通孔122を有している。この貫通孔122は、中間栓121がハウジング102に圧入されて固定された状態で、ハウジング102と同軸上に位置付けられている。
図1(a)に示すように、中間栓121に形成された貫通孔122はテーパー状に形成されており、塗布体111が位置するアイライナー101の先端側から後端側に向けてリニアにすぼまっていく。したがって貫通孔122の孔の大きさは、リザーバ室141に面する部分が最も大きく、貯留室131に面する部分が最も小さく形成されている。
また図1(b)(c)に示すように、貫通孔122はその断面形状が真円状に形成されているわけではなく、中間栓121の軸方向のどの部分においても正六角形形状に形成されている。
ハウジング102の内部において、ホルダ112の小径部112bに保持された中継部材151は、その給液部151aの側を貫通孔122に挿入した状態で中間栓121に保持されている。給液部151aは貫通孔122を貫通し、貯留室131にまで達している。
先に説明したとおり、ホルダ112はハウジング102と同軸上に成形され、中間栓121の貫通孔122もハウジング102と同軸上に位置付けられている。したがってホルダ112と中間栓121とを介してハウジング102に装着された塗布体111及び中継部材151は、ハウジング102と同軸上に位置付けられることになる。
ここで、中間栓121に形成した貫通孔122と中継部材151との間の寸法関係を説明する。
まず貫通孔122において貯留室131に接する最も狭まっている部分は、中継部材151が接触状態で嵌合する寸法に設定されている(図1(b)参照)。したがって中継部材151は、正六角形形状をした貫通孔122の六辺に接触し、貫通孔122との間に六条に分割された隙間Gaを形成する。
次に貫通孔122においてリザーバ室141に接する最も拡がっている部分は、中継部材151が非接触状態で嵌合する寸法に設定されている(図1(c)参照)。このため貫通孔122と中継部材151との間には、単一の隙間Gbが形成される。
このように貫通孔122と中継部材151との間には、中間栓121の全長にわたって隙間Gが形成されることになる。この隙間Gは、貯留室131に面する位置では六条に分割され、リザーバ室141に面する位置では単一になるので、貯留室131に面する位置で六条に分割された隙間Gaは貫通孔122の途中で合流して単一の隙間に統合され、リザーバ室141に面する隙間Gbに至る。
こうして中間栓121の貫通孔122と中継部材151との間に形成された隙間Gは、その全長に渡ってインクIKに毛管現象を生じさせる。ただし六条に分割された隙間Gaは単一の隙間Gbよりも断面積が小さく、しかも貯留室131に面する部分からリザーバ室141に面する部分に向かってテーバー状に拡がっていくので、リザーバ室141に近づくほど毛管力は弱まっていく。
以上のように構成されたアイライナー101は、中間栓121の貫通孔122と中継部材151との間に気液交換領域EAとリザーバ領域RAとを形成し、貯留室131を大気に連絡させる吸気通路161を形成する。
気液交換領域EAは、貯留室131から供給されたインクIKを中継部材151よりも弱い力の毛管現象で吸引する気液交換用の隙間G1(以下「第1の隙間G1」と呼ぶ)に保持し、インクIKを中継部材151に導く領域である。
つまり貯留室131に面する隙間Gaには、毛管現象の作用でインクIKが吸引される。この部分のインクIKは貫通孔122の奥にまで達することはなく、隙間Gaの近傍に保持される。
本実施の形態では、こうして隙間Gaから毛管現象によって吸引されたインクIKを保持する隙間Gを第1の隙間G1と呼び、この第1の隙間G1が形成する領域を気液交換領域EAと呼んでいる。
こうして気液交換領域EAは、例えば綿のような不定形のものではなく、樹脂成形品という形が定まった定形の部材と中継部材151との間に生ずる第1の隙間G1によって形成されている。
リザーバ領域RAは、気液交換領域EAに連絡させて設けられ、第1の隙間G1よりも弱い力の毛管現象を生じさせる隙間G2(以下「第2の隙間G2」と呼ぶ)を開けて中継部材151を囲繞する領域である。
前述したとおり、貯留室131に面する隙間Gaから毛管現象によって吸引されたインクIKは隙間Gaの近傍に留まり、貫通孔122の奥にまで達しない。貫通孔122はテーバー状に形成され、中継部材151との間の隙間Gを徐々に拡げていくために、隙間Gbに近づくほど毛管力が弱くなるからである。本実施の形態では、こうしてインクIKが回り込まない隙間を第2の隙間G2と呼び、この第2の隙間G2が形成する領域をリザーバ領域RAと呼んでいる。
こうしてリザーバ領域RAは、例えば綿のような不定形のものではなく、樹脂成形品という形が定まった定形の部材と中継部材151との間に生ずる第2の隙間G2によって形成されている。
このようなリザーバ領域RAは、何らかの原因、例えば内圧の高まりなどによって貯留室131からインクIKが押し出された場合、押し出されて気液交換領域EAを通過したインクIKを一時的に保持する役割を担う。
したがってアイライナー101は、塗布体111、中継部材151、隙間Gaに連なる気液交換領域EA、そして隙間Gbに連なるリザーバ領域RAの四箇所において毛管現象を生じさせる。
これらの各部における毛管力の強弱関係は、塗布体111に生ずる毛管力をCP1、中継部材151に生ずる毛管力をCP2、気液交換領域EAに生ずる毛管力をCP3、リザーバ領域RAに生ずる毛管力をCP4とすると、
CP1>CP2>CP3>CP4 ・・・・・式1
の関係になる。
吸気通路161について説明する。
貯留室131は、塗布体111においてインクIKが消費されるにしたがい負圧になる。このため負圧になった貯留室131に空気を供給するための仕組みが必要になる。そのために設けられているのが吸気通路161である。
塗布体111においてインクIKが消費されると、まずは第1の隙間G1に保持されているインクIKが中継部材151を介して塗布体111に供給され、気液交換領域EAに保持されていたインクIKが消滅する。毛管現象の作用で液体が移動する場合、液体は最も毛管力が弱い部分から強い部分に移動するからである(上記式1参照)。
そこで本実施の形態は、気液交換領域EAにおいて発生するインクIKの消滅という現象を利用して、気液交換領域EAとこれに連なるリザーバ領域RA及びリザーバ室141とを吸気通路161の一部として利用する。
そして吸気通路161の残りの一部をホルダ112に形成している。つまりホルダ112には、大径部112aの内壁の一部と小径部112bの内壁の一部とに、それぞれ塗布体111と中継部材151との間に隙間を生じさせる通気溝113を形成する。これによってリザーバ室141がホルダ112の先端部から外部につながり、貯留室131を大気に連絡させる吸気通路161が生成される。
作用について説明する。
貯留室131に貯留されているインクIKは、毛管現象の作用で中継部材151に吸引され、互いに接触する連結部151bから連結面111aを介して塗布体111に供給される。塗布体111は中継部材151よりも毛管力が強いため(上記式1参照)、供給されたインクIKを塗布面111bに導く。このとき中継部材151と塗布体111とは、インクIKを含浸して保持した状態になっている。
この際、貯留室131に貯留されているインクIKは、中間栓121の貫通孔122と中継部材151との間の隙間Gaにも吸引され、気液交換領域EAを満たす。したがって吸気通路161は閉じられた状態になっている。
アイライナー101の使用者が塗布体111の塗布面111bをアイラインに当ててインクIKを塗布すると、塗布体111に含浸されていたインクIKが消費され、塗布体111は中継部材151を介して貯留室131からインクIKを吸引する。
これによって貯留室131が負圧になる。
これに対して、塗布体111が貯留室131からインクIKを吸引すると、最も毛管力が弱い気液交換領域EAのインクIKが塗布体111に向けて移送され、気液交換領域EAに保持されていたインクIKが消滅する。すると吸気通路161が開通し、負圧になっている貯留室131が大気を吸引して負圧状態を解消する。
そして塗布体111でのインクIKの消費が停止すると、気液交換領域EAには再びインクIKが満たされる。
このような作用が繰り返されることで、塗布対象物であるアイラインへのインクIKの塗布が行われる。
本実施の形態のように、インクを生の状態のまま貯留し、適宜塗布するようにしたアイライナーにおいては、塗布体からのインクの漏洩、いわゆるボタ落ちの防止が長年の課題になっていた。このようなインクのボタ落ちは、インクを貯留する貯留室の内圧の高まりや、アイライナーに加えられる衝撃を原因として発生する。
本実施の形態のアイライナー101は、このようなインクIKのボタ落ちという現象に対して、二重の防止策を施している。
防止策の一つは、リザーバ領域RAでのインクIKの保持であり、もう一つはリザーバ室141でのインクIKの保持である。
つまり温度上昇などによって貯留室131の内圧が高まったり、ハウジング102に強い衝撃が加わったりすると、貯留室131からインクIKが押し出され、貫通孔122と中継部材151との間の隙間Gに流れ込む。隙間Gに流れ込んだインクIKは気液交換領域EAを通って外部に流れ出そうとする。
これに対して本実施の形態では、貯留室131からインクIKが溢れ出して隙間Gに流れ込んだ場合、リザーバ領域RAでインクIKが一時的に保持される。そしてアイライナー101がどのような角度に傾けられた場合であっても、リザーバ領域RAは毛管現象の作用でインクIKの保持状態を維持する。
もっともリザーバ領域RAの容量を超えるインクIKが隙間Gに流れ込めば、インクIKはリザーバ領域RAから溢れ出してしまうが、こうしてリザーバ領域RAからインクIKが溢れ出したとしても、漏れ出たインクIKをリザーバ室141に流れ込んで保持される。
したがって本実施の形態によれば、内圧変動や衝撃によって貯留室131からインクIKが押し出された場合、インクIKはリザーバ領域RAあるいはリザーバ室141で一時的に保持される。これによって塗布体111からのインクIKのボタ落ちを二重に防止することができる。
ところでリザーバ領域RAあるいはリザーバ室141に一時的に保持されたインクIKについては、その回収が可能である。このようなインクIKの回収について説明する。
まずリザーバ領域RAに保持されたインクIKの回収について説明する。
リザーバ領域RAに保持されているインクIKは、一旦は高まった貯留室131の内圧が元に戻れば、より毛管力が強い気液交換領域EAに吸引され(上記式1参照)、貯留室131に回収される。あるいは塗布体111での塗布動作が行われれば、より毛管力が強い中継部材151に吸引され(上記式1参照)、塗布体111に回収される。
これによってリザーバ領域RAからインクIKが抜き取られ、リザーバ領域RAは初期状態に復帰する。この際、リザーバ領域RAは中継部材151を囲繞する隙間Gによって形成されているので、インクIKを残存させることがない。
したがって本実施の形態によれば、リザーバ領域RAにインクIKが残存した場合の不都合、例えばインクIKの保持容量が減少したり、毛管現象の作用力に変動が生じたりという性能の変動をリザーバ領域RAに生じさせないようにすることができる。
次にリザーバ室141に保持されたインクIKの回収について説明する。
リザーバ室141に保持されたインクIKは、塗布体111が上方を向くようにアイライナー101が傾けられると、リザーバ領域RAの出口に向けて集められる。すると毛管現象の作用でリザーバ領域RAに吸引されていく。
インクIKがリザーバ領域RAに吸引されれば、先に説明したように、貯留室131に回収されるか、あるいは塗布体111に回収される。
本実施の形態によれば、気液交換領域EAは、気液交換用の第1の隙間G1を開けて中継部材151を囲繞する。このため毛管力の強さが安定し、リザーバ領域RAとの間の毛管力の強さの関係(上記式1参照)を安定した状態に保つことができる。
したがって気液交換領域EAとリザーバ領域RAと境界区分について、製品ごとのバラツキを極力少なくすることができる。
この場合、気液交換領域EAは、少なくとも二個以上のN個(本実施の形態では六個)に分割された気液交換用の第1の隙間G1を形成するN箇所(本実施の形態では六箇所)の位置で中継部材151に接触し、中継部材151を位置決めする。
したがって第1の隙間G1の大きさを正確に定めることができ、気液交換領域EAの毛管力のバラツキを極力少なくすることができる。
またリザーバ領域RAも、少なくとも二個以上のN個(本実施の形態では六個)に分割された第2の隙間G2を形成するN箇所(本実施の形態では六箇所)の位置で中継部材151に接触し、中継部材151を位置決めする。
したがって第2の隙間G2の大きさも正確に定めることができ、気液交換領域EAの毛管力のバラツキを極力少なくすることができる。
そして気液交換領域EA及びリザーバ領域RAが共に第1の隙間G1及び第2の隙間G2の大きさを正確に定めることから、気液交換領域EAとリザーバ領域RAとの間の毛管力のバランスを正しく規定することができ、製品ごとのバラツキを極力少なくすることができる。
しかも気液交換領域EAもリザーバ領域RAも、中継部材151に各辺が接触する多角形形状に形成されているので、気液交換領域EA及びリザーバ領域RAを形成する貫通孔122の形状を単純にすることができ、その製造の容易化を図ることができる。
またリザーバ領域RAは、中継部材151を囲繞する内面形状を気液交換領域EAの側からテーパー状に広げて形成されているので、この面からも気液交換領域EA及びリザーバ領域RAを形成する貫通孔122の形状を単純にすることができ、その製造の容易化を図ることができる。
≪第2の実施の形態≫
第2の実施の形態を図2に基づいて説明する。
第1の実施の形態と同一部分は同一の符号で示し、説明も省略する。
図2に示すように、本実施の形態は、リザーバ室141に位置させて、中継部材151に吸収体142を取り付けた。
吸収体142は複数本の繊維をからめた例えば綿によって形成されており、気液交換領域EAよりも弱い毛管力を生じさせる。
このような構成において、リザーバ領域RAの容量を超えるインクIKが隙間Gに流れ込み、リザーバ領域RAからインクIKが溢れ出してリザーバ室141に流出した場合、流出したインクIKは吸収体142に吸収されて保持される。
そして吸収体142に保持されたインクIKは、次に塗布体111で塗布動作が行われた際、毛管力がより強い中継部材151に吸引され(上記式1参照)、塗布体111に供給される。
したがって本実施の形態によれば、リザーバ室141の内部でインクIKが自由に移動してしまうという不安定な状態を解消することができ、塗布体111からのインクIKのボタ落ちをより確実に防止することができる。
≪第3の実施の形態≫
第3の実施の形態を図3(a)(b)(c)に基づいて説明する。
第1の実施の形態と同一部分は同一の符号で示し、説明も省略する。
図3(a)に示すように、本実施の形態は、中間栓121をバルク状のものから肉薄形状のものにし、ハウジング102に対する固定構造物を担う部分と、気液交換領域EA及びリザーバ領域RAを形成する貫通孔122を形成する部分とを分離している。
つまり中間栓121は、同軸上に共に円筒状に形成されて内部で連絡する大径の固定部121aと小径の作用部121bとからなり、固定部121aをハウジング102の内部に圧入し、ハウジング102に対する固定構造物としての役割を担わせている。
固定部121aは貯留室131の側に配置され、貯留室131の一部をも形成している。
作用部121bはリザーバ室141の側に配置され、内部に貫通孔122を形成している。したがって貫通孔122は中継部材151を貫通させ、中継部材151との間に隙間を生じさせる。
中継部材151は貫通孔122を完全に貫通し、その先端部に形成する給液部151aを固定部121aが形成する貯留室131にまで至らせている。
図3(b)(c)に示すように、本実施の形態は、貫通孔122をテーパー状に形成せず、貯留室131に面する側とリザーバ室141に面する側との形状を変えることで、毛管力の強弱を生じさせている。
つまり作用部121bに形成した貫通孔122は、貯留室131に面する部分とリザーバ室141に面する部分とで異なる形状に形成されている。貯留室131に面する部分では正八角形(図3(b)参照)、リザーバ室141に面する部分では正六角形である(図3(c)参照)。したがって貫通孔122と中継部材151との間の隙間Gは、貯留室131に面する位置では八条に分割され(隙間Ga)、リザーバ室141に面する位置では六条に分割されている(隙間Gb)。
貯留室131に面する位置で正八角形に形成された貫通孔122は途中で正六角形に形状が変換され、リザーバ室141に面する位置に至っている。したがって貯留室131に面する位置で八条に分割された隙間Gaも貫通孔122の途中で六条に減数され、リザーバ室141に面する六条の隙間Gbに至る。
作用部121bに形成される気液交換領域EAとリザーバ領域RAとについて説明する。
貯留室131に面する隙間GaにインクIKが吸引されると、インクIKは貫通孔122の奥にまで達することはなく、隙間Gaの近傍に留まる。こうしてインクIKが留まる隙間が第1の隙間G1であり、この領域に気液交換領域EAが形成される。
したがって隙間Gのうち、第1の隙間G1以外の部分が第2の隙間G2となり、この領域にリザーバ領域RAが形成される。
貯留室131に面する隙間Gaから吸引されたインクIKが留まる領域は、必ずしも八条と六条という隙間Gの数や形状に依存しない。したがってそのような隙間Gの数や形状と第1の隙間G1及び第2の隙間G2との間には因果関係があるわけではない。
これに対して図3(b)(c)からも明らかなように、八条に分割された隙間Gaの方が六条に分割された隙間Gbよりも狭い。このため隙間Gaの方が隙間Gbより毛管力が強くなる。したがって隙間Gbから始まる第1の隙間G1に生ずる毛管力と、隙間Gbに至る第2の隙間G2に生ずる毛管力とを比較すれば、第1の隙間G1に生ずる毛管力の方が第2の隙間G2に生ずる毛管力よりも強くなり、上記式1の関係が成立する。
このような構成において、本実施の形態のアイライナー101も、第1の実施の形態のアイライナー101と同様の作用効果を生ずる。
その他、本実施の形態によれば、リザーバ領域RAは、気液交換領域EAがX角の多角形(本実施の形態では八角形)である場合、各辺が中継部材151に接触するX−n角の多角形形状(本実施の形態では六角形)にして形成されている。これにより、気液交換領域EA及びリザーバ領域RAを形成する貫通孔122の形状を単純にすることができ、その製造の容易化を図ることができる。
≪第4の実施の形態≫
第4の実施の形態を図4に基づいて説明する。
第1〜第3の実施の形態と同一部分は同一の符号で示し、説明も省略する。
図4に示すように、本実施の形態は、リザーバ室141に位置させて、中継部材151に吸収体142を取り付けた。
吸収体142は複数本の繊維をからめた例えば綿によって形成されており、気液交換領域EAよりも弱い毛管力を生じさせる。
このような構成において、リザーバ領域RAの容量を超えるインクIKが隙間Gに流れ込み、リザーバ領域RAからインクIKが溢れ出してリザーバ室141に流出した場合、流出したインクIKは吸収体142に吸収されて保持される。
そして吸収体142に保持されたインクIKは、次に塗布体111で塗布動作が行われた際、毛管力がより強い中継部材151に吸引され(上記式1参照)、塗布体111に供給される。
したがって本実施の形態によれば、リザーバ室141の内部でインクIKが自由に移動してしまうという不安定な状態を解消することができ、塗布体111からのインクIKのボタ落ちをより確実に防止することができる。
≪第5の実施の形態≫
第5の実施の形態を図5(a)(b)に基づいて説明する。
第1及び第3の実施の形態と同一部分は同一の符号で示し、説明も省略する。
図5(a)に示すように、本実施の形態は、中間栓121の固定部121aに気液交換領域EAを形成し、作用部121bにリザーバ領域RAを形成したものである。
つまり大径部112aには複数本の繊維をからめた部材、例えば綿171が封入されている。綿171は繊維と繊維の間に隙間Gaを形成するので、この隙間Gaに毛管現象が生ずる。
図5(b)に示すように、本実施の形態は、作用部121bは貫通孔122の内壁を断面真円形状に形成しており、中継部材151との間に単一の隙間Gbを形成している。貫通孔122はその断面形状及び大きさをどの位置でも同じにするストレート形状に形成されているので、隙間Gbの断面形状及び大きさは、作用部121bのどの位置においても一定である。
固定部121aに形成される気液交換領域EAと、作用部121bに形成されるリザーバ領域RAとについて説明する。
中間栓121の固定部121aに封入された綿171が生成する隙間GaにインクIKが吸引されると、インクIKは綿171の全域に回り込む。したがって綿171の全域に第1の隙間G1が形成され、この領域に気液交換領域EAが形成される。
作用部121bに形成される貫通孔122と中継部材151との間の隙間Gbは、固定部121aに封入された綿171が生成する隙間Ga(第1の隙間G1)よりも弱い毛管力を発生させる。したがって貫通孔122と中継部材151との間の隙間Gbは第2の隙間G2となり、この領域にリザーバ領域RAを形成する。
このような構成において、本実施の形態のアイライナー101も、第1及び第3の実施の形態のアイライナー101と同様の作用効果を生ずる。
その他、本実施の形態によれば、綿171の圧縮の程度によって気液交換領域EAに生ずる毛管力の強さを自由に設定することができるので、上記式1に示した中継部材151と気液交換領域EAとリザーバ領域RAとの間の毛管力の関係、つまり、
CP2>CP3>CP4
の関係を容易に作り出すことができ、その微調節も容易となる。
≪第6の実施の形態≫
第6の実施の形態を図6(a)(b)に基づいて説明する。
第5の実施の形態と同一部分は同一の符号で示し、説明も省略する。
図6(a)(b)に示すように、本実施の形態は、作用部121bにおいて貫通孔122の内壁を断面六角形形状に形成し、中継部材151を接触状態で保持するようにしたものである。したがって中継部材151は、正六角形形状をした貫通孔122の六辺に接触し、貫通孔122との間に六条に分割された隙間Gbを形成する。
貫通孔122はその断面形状及び大きさをどの位置でも同じにするストレート形状に形成されているので、隙間Gbの断面形状及び大きさは、作用部121bのどの位置においても一定である。
このような六条に分割された隙間Gbも、第5の実施の形態の単一の隙間Gbと同様に、固定部121aに封入された綿171が生成する隙間Ga(第1の隙間G1)よりも弱い毛管力を発生させる。したがって隙間Gbは第2の隙間G2となり、この領域にリザーバ領域RAを形成する。
このような構成において、本実施の形態のアイライナー101も、第1、第3及び第5の実施の形態のアイライナー101と同様の作用効果を生ずる。
その他、本実施の形態によれば、リザーバ領域RAは、少なくとも二個以上のN個(本実施の形態では六個)に分割された第2の隙間G2を形成するN箇所(本実施の形態では六箇所)の位置で中継部材151に接触し、中継部材151を位置決めするので、第2の隙間G2の大きさを正確に定めることができ、気液交換領域EAの毛管力のバラツキを極力少なくすることができる。
≪変形例≫
以上説明した第1〜第6の実施の形態については、各種の変形や変更が可能である。
例えば気液交換領域EA及びリザーバ領域RAのいずれか一方又は両方については、中間栓121の貫通孔122を断面楕円形状に形成し、二個に分割された第2の隙間G2を形成する二箇所の位置で中継部材151に接触し、中継部材151を位置決めするようにしてもよい。
また上記第1〜第6の実施の形態はアイライナー101の各種の例を示したが、サインペンやマーキングペンなどの筆記具、スタンプ、薬剤塗布容器などに適用してもよいことは言うまでもない。
その他、あらゆる変形や変更が許容される。
111・・・塗布体
131・・・貯留室
141・・・リザーバ室
142・・・吸収体
151・・・中継部材
EA・・・気液交換領域
G1・・・第1の隙間
G2・・・第2の隙間
IK・・・インク(液体)
RA・・・リザーバ領域
本発明の塗布具は、液体を貯留する貯留室と、供給された液体を毛管現象によって吸引して一面に導く塗布体と、前記塗布体よりも弱い力の毛管現象の作用で当該塗布体に液体を導く棒状の中継部材と、前記塗布体を下向きにした状態で前記貯留室に貯留された液体に下方から面する気液交換用の隙間を開けて前記中継部材を囲繞し、前記貯留室から前記気液交換用の隙間に液体を前記中継部材よりも弱い力の毛管現象で吸引して保持し、前記中継部材に導く気液交換領域と、前記気液交換領域と連絡する位置で隙間を開けて前記中継部材を囲繞し、前記貯留室から押し出されて前記気液交換領域を通過した液体を前記気液交換領域よりも弱い力の毛管現象の作用で一時的に保持するリザーバ領域と、前記気液交換領域から前記リザーバ領域を経て前記貯留室を大気に連絡させる吸気通路と、を備えることによって上記課題を解決する。
こうして中間栓121の貫通孔122と中継部材151との間に形成された隙間Gは、その全長に渡ってインクIKに毛管現象を生じさせる。ただし六条に分割された隙間Gaは単一の隙間Gbよりも断面積が小さく、しかも貯留室131に面する部分からリザーバ室141に面する部分に向かってテーパー状に拡がっていくので、リザーバ室141に近づくほど毛管力は弱まっていく。
リザーバ領域RAは、気液交換領域EAに連絡させて設けられ、第1の隙間G1よりも弱い力の毛管現象を生じさせる隙間G2(以下「第2の隙間G2」と呼ぶ)を開けて中継部材151を囲繞する領域である。
前述したとおり、貯留室131に面する隙間Gaから毛管現象によって吸引されたインクIKは隙間Gaの近傍に留まり、貫通孔122の奥にまで達しない。貫通孔122はテーパー状に形成され、中継部材151との間の隙間Gを徐々に拡げていくために、隙間Gbに近づくほど毛管力が弱くなるからである。本実施の形態では、こうしてインクIKが回り込まない隙間を第2の隙間G2と呼び、この第2の隙間G2が形成する領域をリザーバ領域RAと呼んでいる。
こうしてリザーバ領域RAは、例えば綿のような不定形のものではなく、樹脂成形品という形が定まった定形の部材と中継部材151との間に生ずる第2の隙間G2によって形成されている。
このようなリザーバ領域RAは、何らかの原因、例えば内圧の高まりなどによって貯留室131からインクIKが押し出された場合、押し出されて気液交換領域EAを通過したインクIKを一時的に保持する役割を担う。

Claims (11)

  1. 液体を貯留する貯留室と、
    供給された液体を毛管現象によって吸引して一面に導く塗布体と、
    前記塗布体よりも弱い力の毛管現象の作用で当該塗布体に液体を導く棒状の中継部材と、
    前記貯留室から供給された液体を前記中継部材よりも弱い力の毛管現象で吸引して保持し、前記中継部材に導く気液交換領域と、
    前記気液交換領域と連絡する位置で隙間を開けて前記中継部材を囲繞し、前記貯留室から押し出されて前記気液交換領域を通過した液体を一時的に保持するリザーバ領域と、
    を備えることを特徴とする塗布具。
  2. 前記気液交換領域は、液体を吸引して保持する気液交換用の隙間を開けて前記中継部材を囲繞する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の塗布具。
  3. 前記気液交換領域は、少なくとも二個以上のN個に分割された前記気液交換用の隙間を形成するN箇所の位置で前記中継部材に接触し、当該中継部材を位置決めする、
    ことを特徴とする請求項2に記載の塗布具。
  4. 前記気液交換領域は、前記中継部材に各辺が接触する多角形形状に形成されている、
    ことを特徴とする請求項3に記載の塗布具。
  5. 前記リザーバ領域は、前記中継部材を囲繞する内面形状を前記気液交換領域の側からテーパー状に拡げている、
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の塗布具。
  6. 前記リザーバ領域は、前記気液交換領域がX角の多角形である場合、前記中継部材に対してXよりも接触箇所が少ない多角形形状を有する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の塗布具。
  7. 前記気液交換領域は、前記中継部材に接触させた繊維をからめた部材によって形成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の塗布具。
  8. 前記リザーバ領域は、少なくとも二個以上のN個に分割された前記隙間を形成するN箇所の位置で前記中継部材に接触し、当該中継部材を位置決めする、
    ことを特徴とする請求項7に記載の塗布具。
  9. 前記リザーバ領域は、前記中継部材に各辺が接触する多角形形状に形成されている、
    ことを特徴とする請求項8に記載の塗布具。
  10. 前記リザーバ領域から漏れ出た液体を貯留するリザーバ室を備える、
    ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一に記載の塗布具。
  11. 前記リザーバ室内で前記中継部材に接触し、前記栓体の気液交換領域よりも弱い力の毛管現象の作用で液体を保持する吸収体を備える、
    ことを特徴とする請求項10に記載の塗布具。
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