JP5795042B2 - 圧力変動緩衝機構及び塗布具 - Google Patents
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Description
図1に示すように、塗布具2は、前後方向に長く延びた棒状の塗布具本体100と、塗布具本体100の前端部にて着脱自在に設けられるキャップ200と、を備える。
キャップ200は、アウターキャップ210と、アウターキャップ210の内側に配されたインナーキャップ220と、アウターキャップ210の内側において、インナーキャップ220を付勢するインナーキャップ用バネ230と、を有する。アウターキャップ210やインナーキャップ220は、合成樹脂、例えば、PP(ポリプロピレン)から形成される。
図1〜2に示すように、塗布具本体100は、円筒状の中軸110と、中軸110の前端側に配されたブラシ120と、中軸110の前端側の開口に装着されブラシ120を保持するブラシ保持部材130と、中軸110の後端側の開口に装着された塗料タンク140と、塗料と共に塗料タンク140内に収容された撹拌部材150と、塗料タンク140に収容された塗料をブラシ120へ供給する塗料フィーダ160(塗料供給芯)と、中軸110の内部空間に配され塗料フィーダ160を保持する塗料フィーダ保持筒170と、塗料タンク140内の圧力変動を緩衝する圧力変動緩衝機構180と、塗料タンク140を覆うようにして、中軸110に装着される外軸190と、を備える。
中軸110は、円筒状に形成される。中軸110において軸方向Aの中途部分110Cの外周面には係合突起111が形成される。係合突起111は、キャップ200の開口端や、外軸190の開口端と係合する。中軸110の前方筒部110Fは、前方に向かうにしたがって外径が小さくなっており、指で握りやすい形状となっている。一方、中軸110の後方筒部110Bは、前方から後方までその径はほぼ一定となっている。
塗料タンク140には、塗料が収容される。塗料としては、筆記具用途のインクや液状アイライナー等がある。筆記具用途のインクとしては、例えば、生インク(粘度が、例えば10poise以下のもの)、ゲルインク(粘度が、例えば100poise〜3000poiseのもの)、高粘度インク(粘度が、例えば10000poise〜100000poiseのもの)などがあり、液状アイライナーとしては、油性タイプ、水性皮膜タイプ、水性非皮膜タイプなどがある。
撹拌部材150は、塗料と共に塗料タンク140内に収容されるため、塗布具2を軸方向Aに揺らすことにより、塗料タンク140内の塗料を撹拌することができる。なお、撹拌部材150の形状としては、球体、多面体(立方体、直方体等)などいずれでもよい。また、塗料の種類によっては、撹拌部材150を省略してもよい。
図2〜3に示すように、ブラシ120は、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の合成樹脂からなる繊維状の集合体である。なお、図示する塗布部材としてブラシ120を用いたが、本発明の塗布部材としては、ブラシ120以外のもの(例えば、ボールペンタイプ、繊維の収束体を用いたサインペンタイプ、内部に塗料の誘導孔を有するプラスチックペンタイプ、焼結ペンタイプの他、多孔質のウレタンから形成されたもの)でもよい。
ブラシ保持部材130は、円筒状に形成される。ブラシ保持部材130は、ブラシ120の基部側と係合するブラシ係合部131を内周面に有し、中軸110と係合する中軸係合部132を外周面に有する。このため、ブラシ保持部材130は、中軸110の前端側においてブラシ120を保持することができる。
図4〜5に示すように、塗料フィーダ保持筒170は、中軸110の軸方向Aに延びる。塗料フィーダ保持筒170の内部空間の寸法は、塗料フィーダ160が収容可能なものとなっている。塗料フィーダ保持筒170の後端部170Bには、塗料フィーダ160が圧入される圧入孔170BXが形成される。塗料フィーダ160が圧入孔170BXに圧入されることによって、塗料フィーダ保持筒170は、塗料フィーダ160の後端部を保持する。塗料フィーダ保持筒170は、例えば、ポリエステル等から形成される。
図3に示すように、圧力変動緩衝機構180は、塗料タンク140に対して直接的にまたは間接的に連通する接続空間Kを形成するためのものである。また、塗料フィーダ保持筒170と、圧力変動緩衝機構180とは一体形成されている。図4〜5に示すように、圧力変動緩衝機構180は、接続空間Kを形成するための接続空間形成部材181と、接続空間Kを第1接続空間K1及び第2接続空間K2を仕切る仕切部材182と、所定の流路を有する第1接続空間K1を形成するための第1接続空間形成部材183と、所定の流路を有する第2接続空間K2を形成するための第2接続空間形成部材184と、第1接続空間K1と塗料フィーダ保持筒170の内部空間とを連通させる第1つなぎ流路185と、第2接続空間K2と塗料フィーダ保持筒170の内部空間とを連通させる第2つなぎ流路186と、を有する。
接続空間形成部材181は、塗料フィーダ保持筒170において、軸方向Aに所定の間隔を空けて並ぶように設けられる。例えば、一方の接続空間形成部材181は、塗料フィーダ保持筒170の前端部170Fに設けられ、他方の接続空間形成部材181は、塗料フィーダ保持筒170の中途部170Cに設けられる。それぞれの接続空間形成部材181は、塗料フィーダ保持筒170の外周面から起立し中軸110の内周面に向かって延びる。こうして、少なくとも2つの接続空間形成部材181の間には、塗料フィーダ保持筒170の外周面から中軸110の内周面にかけて接続空間Kが形成される。
仕切部材182は、前方の接続空間形成部材181と後方の接続空間形成部材181との間の塗料フィーダ保持筒170に設けられる。仕切部材182は、塗料フィーダ保持筒170の外周面から起立し中軸110の内周面に向かって延びる。仕切部材182により、接続空間Kは、第1接続空間K1と第2接続空間K2とに仕切られる。
図4、6に示すように、第1接続空間形成部材183は、円環状の第1凸板183Tを複数有する。複数の第1凸板183Tは、所定の間隔を空けて軸方向Aにおいて並ぶとともに、それぞれ、塗料フィーダ保持筒170の外周面から起立し中軸110の内周面に向かって延びる。第1接続空間K1において、複数の第1凸板183Tの間にはそれぞれ第1周溝183Sが形成される(図7A参照)。
図5〜6に示すように、第1つなぎ流路185は、塗料用切欠き部183TBの切欠き面から塗料フィーダ保持筒170の内周面まで貫通するように形成される。第1つなぎ流路185により、第1接続空間K1と、塗料フィーダ保持筒170に挿入された塗料フィーダ160との間で塗料の流通が可能になる。第1つなぎ流路185の数は、1つまたは2つ以上のいずれでもよい。
図4、8に示すように、第2接続空間形成部材184は、円環状の第2凸板184Tを複数有する。複数の第2凸板184Tは、所定の間隔を空けて軸方向Aにおいて並ぶとともに、それぞれ、塗料フィーダ保持筒170の外周面から起立し中軸110の内周面に向かって延びる。こうして、第2接続空間K2において、複数の第2凸板184Tの間にはそれぞれ第2周溝184Sが形成される(図9A参照)。
図5、8に示すように、第2つなぎ流路186は、第2周溝184Sの溝面から塗料フィーダ保持筒170の内周面まで貫通する。第2つなぎ流路186により、第2接続空間K2と、塗料フィーダ保持筒170に挿入された塗料フィーダ160との間で塗料の流通が可能になる。第2つなぎ流路186の数は、1つまたは2つ以上のいずれでもよい。
100 塗布具本体
110 中軸
110B 後方筒部
110C 中途部分
110F 前方筒部
111 係合突起
120 ブラシ
130 ブラシ保持部材
131 ブラシ係合部
132 中軸係合部
140 塗料タンク
141 尾筒
142 尾栓
150 撹拌部材
160 塗料フィーダ
170 塗料フィーダ保持筒
170B 後端部
170BX 圧入孔
170C 中途部
170E エアタイト部
170F 前端部
170TX 塗料タンク連通路
180 圧力変動緩衝機構
181 接続空間形成部材
181FX ブラシ連通孔
182 仕切部材
182FX スリット
183 第1接続空間形成部材
183A エア用縦溝
183B 塗料用連通溝
183S 周溝
183T 凸板
184 第2接続空間形成部材
184A 隙間
184B 塗料用連通溝
185 第1つなぎ流路
186 第2つなぎ流路
190 外軸
192 外部接続機構
192A 接続孔
192X 前端隙間
192XC クランク構造
Claims (17)
- 塗料が流通する塗料流通空間を介して塗布部材に接続する接続空間を備え、前記塗料流通空間と前記接続空間との間における塗料及びエアの流通によって前記塗料流通空間の圧力変動を緩衝する圧力変動緩衝機構であって、
前記接続空間において第1の接続空間を形成する第1の接続空間形成部材と、
前記接続空間において第2の接続空間を形成する第2の接続空間形成部材と、を備え、
前記第1の接続空間及び前記塗料流通空間の間における前記塗料は、前記第2の接続空間及び前記塗料流通空間の間における前記塗料よりも流れやすいことを特徴とする圧力変動緩衝機構。 - 前記第2の接続空間は前記塗布部材に対して直接接続していることを特徴とする請求項1記載の圧力変動緩衝機構。
- 前記第1の接続空間形成部材は、
前記第1の接続空間に配され第1の塗料流通路を形成する第1の塗料流通路形成部材と、
前記第1の接続空間に配され第1のエア流通路を形成する第1のエア流通路形成部材と、を有し、
前記第2の接続空間形成部材は、
前記第2の接続空間に配され第2の塗料流通路を形成する第2の塗料流通路形成部材と、
前記第2の接続空間に配され第2のエア流通路を形成する第2のエア流通路形成部材と、を有し、
前記第1の塗料流通路における前記塗料は、前記第2の塗料流通路における前記塗料よりも流れやすいことを特徴とする請求項1または2記載の圧力変動緩衝機構。 - 前記圧力変動緩衝機構は、
第1の塗料用切欠きが形成されるとともに所定の間隔で並ぶ複数の第1の板と、
第2の塗料用切欠きが形成されるとともに所定の間隔で並ぶ複数の第2の板と、を有し、
前記第1の塗料流通路は、前記第1の板の間と前記第1の塗料用切欠きとによって形成され、
前記第1のエア流通路は前記第1の板の周囲に形成され、
前記第2の塗料流通路は前記第2の板の間と前記第2の塗料用切欠きとによって形成され、
前記第2のエア流通路は前記第2の板の周囲に形成されることを特徴とする請求項3記載の圧力変動緩衝機構。 - 前記複数の第1の板にはそれぞれ第1のエア用切欠きが形成され、
前記第1のエア用切欠きが前記第1のエア流通路を形成することを特徴とする請求項4記載の圧力変動緩衝機構。 - 前記第2の塗料流通路は前記塗布部材に対して開口していることを特徴とする請求項3ないし5のうちいずれか1項記載の圧力変動緩衝機構。
- 前記第2の接続空間形成部材は、
前記第2のエア流通路を外部空間に接続する外部接続流路と、
前記外部接続流路に設けられ前記塗料を貯める塗料溜め部と、を有することを特徴とする請求項3ないし6のうちいずれか1項記載の圧力変動緩衝機構。 - 前記塗料流通空間は、
前記塗料を収容する塗料収容空間と、
前記塗料収容空間から前記塗布部材へ前記塗料の供給を行う塗料供給空間と、を有し、
前記第1の接続空間形成部材は、前記第1の接続空間と前記塗料供給空間とをつなぐ第1のつなぎ流路を有し、
前記第2の接続空間形成部材は、前記第2の接続空間と前記塗料供給空間とをつなぐ第2のつなぎ流路を有する
ことを特徴とする請求項1ないし7のうちいずれか1項記載の圧力変動緩衝機構。 - 前記第2のつなぎ流路は、前記第1のつなぎ流路と前記塗布部材との間に位置することを特徴とする請求項8記載の圧力変動緩衝機構。
- 前記塗料供給空間には、前記塗料収容空間から前記塗布部材までの前記塗料の供給を行う塗料供給芯が収容されることを特徴とする請求項8または9記載の圧力変動緩衝機構。
- 前記第1の接続空間と前記第2の接続空間とのうち少なくとも一方にはエア溜まり部が形成され、
前記エア溜まり部は、前記第1の接続空間に形成された第1の塗料流通路を介して前記第1のつなぎ流路に対向する、または、前記第2の接続空間に形成された第2の塗料流通路を介して前記第2のつなぎ流路に対向することを特徴とする請求項8ないし10のうちいずれか1項記載の圧力変動緩衝機構。 - 前記エア溜まり部と対向する前記第1のつなぎ流路、または、前記エア溜まり部と対向する前記第2のつなぎ流路は、前記塗料の流通路であるとともに、前記エアの流通路であることを特徴とする請求項11項記載の圧力変動緩衝機構。
- 前記塗料流通空間は、
前記塗料を収容する塗料収容空間と、
前記塗料収容空間から前記塗布部材へ前記塗料の供給を行う塗料供給空間と、を有し、
前記第1の接続空間及び前記第2の接続空間は、前記塗料供給空間に位置することを特徴とする請求項1ないし7のうちいずれか1項記載の圧力変動緩衝機構。 - 塗料が流通する塗料流通空間を介して塗布部材に接続する接続空間を備え、前記塗料流通空間と前記接続空間との間における塗料及びエアの流通によって前記塗料流通空間の圧力変動を緩衝する圧力変動緩衝機構であって、
前記接続空間は前記塗布部材に対して直接接続していることを特徴とする圧力変動緩衝機構。 - 塗料が流通する塗料流通空間を介して塗布部材に接続する接続空間を備え、前記塗料流通空間と前記接続空間との間における塗料及びエアの流通によって前記塗料流通空間の圧力変動を緩衝する圧力変動緩衝機構であって、
前記接続空間を形成する接続空間形成部材を備え、
前記塗料流通空間は、
前記塗料を収容する塗料収容空間と、
前記塗料収容空間から前記塗布部材へ前記塗料の供給を行う塗料供給空間と、を有し、
前記接続空間形成部材は、前記接続空間と前記塗料供給空間とをつなぐつなぎ流路を有し、
前記接続空間にはエア溜まり部が形成され、
前記エア溜まり部は、前記接続空間に形成された塗料流通路を介して前記つなぎ流路に対向することを特徴とする圧力変動緩衝機構。 - 前記エア溜まり部と対向する前記つなぎ流路は、前記塗料の流通路であるとともに、前記エアの流通路であることを特徴とする請求項15項記載の圧力変動緩衝機構。
- 請求項1ないし16のうちいずれか1項記載の圧力変動緩衝機構を備えたことを特徴とする塗布具。
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