JP2004330710A - 液体容器 - Google Patents

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芳男 野口
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Kotobuki and Co Ltd
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Abstract

【課題】ペン先からの液体漏れを確実に防ぐことができる液体容器を提供する。
【解決手段】液体が収納されたタンク18を有する本体12と、本体12の先端側にあって液体を供給するペン先20と、タンク18とペン先20との間を連結してタンク18からの液体をペン先20へと誘導する中継芯24と、タンク18からの余剰液体を貯溜する液体溜部と、を備え、中継芯24は、タンク18内において中空管である内栓22の小径筒部22cによって包囲されてタンク18内を延びて、タンク18の中央部または後部においてタンク内空間に面しており、小径筒部22cの外周面にはタンク18内の液体を吸引する毛細管力を有するスリット22eが設けられて、スリット22eは中継芯24に繋がっている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体が収納されたタンクを有する液体容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、外気圧と内部気圧との気圧差の変動等に起因する空気の膨張によって収納する液体が漏れて、液体容器先端の液体供給部からボタ落ちが発生するなどの問題があり、かかる問題を防止するために液体溜部を備えた液体容器が多数、知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。このような従来の液体容器では、液体を収容するタンク内の空気が気圧等の変化によって膨張すると、タンク内の液体がタンク外へと押し出され、押し出された液体は液体溜部の蛇腹等の貯溜タンク内に一時的に貯溜される。
【0003】
【特許文献1】
実開平5−2989号公報(図1〜図4)
【特許文献2】
特表平11−512668号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の液体容器においても、押し出された液体全てが蛇腹等の貯溜タンク内に流れるのではなく、誘導部を介して先端供給体であるペン先へも流れるため、その先端供給体からのボタ落ちを完全に防止することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みなされたもので、その目的は、先端供給体からの液体漏れを確実に防ぐことができる液体容器を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、液体が収納されたタンクを有する本体と、本体の先端側にあって液体を供給する先端供給体と、タンクと先端供給体との間を連結する誘導路に設けられてタンクからの液体を先端供給体へと誘導する誘導部と、タンクからの余剰液体を貯溜する液体溜部と、を備えた液体容器において、
前記誘導部は前記タンク内において中空管によって包囲されてタンク内を延びて、タンクの中央部または後部においてタンク内空間に面しており、前記中空管の外周面にはタンク内の液体を吸引する毛細管力を有する手段が設けられて、該毛細管力を有する手段は前記誘導部に繋がることを特徴とする。
【0007】
タンク内に残っている液体が少ない場合には、誘導部がタンクの中央部または後部においてタンク内空間に面しているため、先端供給体を下向きにした状態で、誘導部はタンク内の液体の液面から露出してタンク内の液体とは直接連通しない。よって液体が誘導部から押し出されて先端供給体へと向かうことはない。逆に、気圧変化に伴って膨張した空気が誘導部または誘導路を通り、先端供給体またはその周囲から外部へと排出される。これにより先端供給体へ液体が送られることはなく、先端供給体からの液体のボタ落ちを防止することができる。また、液体溜部へ流れ出す余剰液体量は少なくなる。
【0008】
一方、タンク内に残っている液体量がそれほど少なくない場合には、タンク内に存在する空気が少なく、気圧変化に伴う空気膨張量は少ないため、先端供給体からの液体漏れの危険性は少ないと考えられる。また、先端供給体を下向きにした状態で、誘導部はタンク内空間に面した部分においてタンク内の液体と直接連通するが、その部分にはタンク内の液体の一部のみの重量が作用し、作用する重量は軽減できる。そのために、先端供給体へと液体が押し出される危険性が一層軽減される。また、仮に、空気膨張が起こり、タンクから液体が押し出された場合であっても、その余剰液体を液体溜部で貯溜し、タンク内の液体が減少して誘導部がタンク内の液体の液面から露出すると、前述のように気圧変化に伴って膨張した空気が誘導部を通り、先端供給体またはその周囲から外部へと排出されるので、先端供給体からの液体のボタ落ちを確実に防ぐことができる。
【0009】
液体容器を使用するときにタンク内に残っている液体が少ない場合には、先端供給体を下向きにした状態で、誘導部のタンク内空間に面した部分はタンクの液面から露出して液体とは連通しないが、毛細管力を有する手段がタンク内の液体を吸引し、その液体が毛細管力を有する手段から誘導部へと伝わるために、先端供給体へと液体が供給されて、使用に供することができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のものにおいて、毛細管力を有する手段が、中空管の外周面に形成されたスリットであることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のものにおいて、毛細管力を有する手段が、中空管の外周面に設けられた液体吸収部材であることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のものにおいて、毛細管力を有する手段が、前記液体溜部にも繋がることを特徴とする。気圧変化に伴ってタンク内の空気膨張が起こり、タンクから液体が押し出された場合は、毛細管力を有する手段がタンク内の液体を吸引して、その余剰液体を液体溜部で貯溜することにより、先端供給体からの液体のボタ落ちを防ぐことができる。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の液体溜部が、外部と連通するエア流通口、前記毛細管力を有する手段またはタンクと繋がる液体流通口、及びタンクからの溢出する液体を貯溜する貯溜タンクを有することを特徴とする。この構成により、気圧変化に伴ってタンク内の空気膨張が起こり、タンクから溢出した液体は、液体溜部の流体連通口から貯溜タンクへと移動して貯溜タンクに貯溜される。気圧が元に戻ると、貯溜タンクに貯溜された液体は、エア流通口を通じて導入される外気からの圧力により、貯溜タンクから液体流通口を通りタンクに戻る。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の液体溜部の貯溜タンクが、タンクの外周側に配設されて、前記液体流通口よりも反先端供給体側で液体を貯溜することを特徴とする。この構成により、液体容器を使用するために先端供給体を下向きにすると、貯溜タンクに溜まった液体は、重力及びエア流通口を通じて導入される外気からの圧力により、液体流通口へと向かい、タンクへと戻る。貯溜タンクは、液体流通口よりも反先端供給体側で液体を貯溜するために、貯溜タンクに貯溜された液体は全て重力により液体流通口に向かい、液体流通口より毛細管現象によってタンク内へ導かれることによって使用される。こうして、貯溜タンクに溜まった液体を完全に使用することができるようになる。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の前記液体溜部が、誘導路に面して設けられることを特徴とする。誘導路に面した液体溜部において、タンクからの溢出した液体を貯溜することができるために、先端供給体からの液体のボタ落ちを一層確実に防止することができる。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の液体溜部が、液体を収納可能な形状、または液体を吸収可能な液体保持部材を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項5または6記載の液体溜部とは別に、誘導路に面して設けられる第2の液体溜部が設けられており、前記液体溜部と第2の液体溜部とは誘導路を介さずに連結されることを特徴とする。2つの液体溜部によって確実に余剰液体を貯溜し、且つ一方の液体溜部で液体が溢出した液体を他方の液体溜部で貯溜することができる。
【0018】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の第2の液体溜部が、液体を収納可能な形状、または液体を吸収可能な液体保持部材を備えることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
図1ないし図3は、それぞれ、本発明に係る液体容器の第1実施形態を表す全体図(キャップを取り外した状態)、その縦断面図及び一部のみ断面とした部分縦断面図である。
【0021】
この液体容器10は本体12を備えており、該本体12は、外軸14と、該外軸14内に同心的に挿入される液体収納管16とから構成される。液体収納管16の内部空間の一部がタンク18を構成しており、該タンク18内に、文具用、画材用、化粧用、医薬用等の液体が収納される。
【0022】
外軸14の先端部に設けられた先端開口14aの内周面には複数のリブ14bが形成されている。そして、複数のリブ14bの間に、使用時に液体を所定の箇所に供給する先端供給体であるペン先20がはめ込まれて、その先端が先端開口14aから突出している。尚、本発明の先端供給体であるペン先としては、図示した形態のものに限らず、万年筆ペン先、ボールペン先、フェルトペン先、筆先等の任意のペン先とすることができる。
【0023】
ペン先20の後端には、誘導部を構成する中継芯24が連結されている。中継芯24は、ペン先20とタンク18とを連結する誘導路としての内栓22の中心孔22aを通り、その後端がタンク18の途中、即ち中央部または後部まで延びており、そこで、タンク18内空間に面している。尚、ペン先20と中継芯24を一体品で構成することも可能である。
【0024】
前記内栓22は、液体収納管16の先端内部に嵌め込まれており、図4に示すように、大径筒部22b、小径筒部22c及びその段差部22dを有しており、大径筒部22b及び小径筒部22cを貫通して中心孔22aがそれら中心部を軸方向に穿設されている。大径筒部22bには、液体保持部材26が保持されている。大径筒部22b内には、複数のリブ22jが形成されており、このリブ22jによって液体保持部材26と大径筒部22bの内周面との間にエア流通用の隙間が形成されるようになっている。
【0025】
また、内栓22の小径筒部22cは、誘導部である中継芯24を包囲する中空管を構成するもので、その外周面には、軸方向に伸びる多数の幅の細いスリット22eが形成されている。このスリット22eは、毛細管力を有する手段として機能しており、その毛細管力によって、タンク18内の液体を吸引することができる。スリット22eは、内栓22の後端部において、小径筒部22cの径方向を貫通して中心孔22aに連通しており、タンク18の中央部または後部において、中心孔22aを貫通する中継芯24に繋がっている。スリット22eは、小径筒部22cのみならず段差部22dにまで連続して形成されている。スリット22eは、スリット22fを介して大径筒部22bの外周面に形成された環状溝22gに連通している。また、大径筒部22bの外周面には別の環状溝22hが形成されており、この環状溝22hの溝底からエア連通孔22iが形成されている。
【0026】
前記環状溝22gに連通するようにして、液体収納管16の周面には液体流通口16aが穿設されている(図5参照)。尚、ここで、環状溝22gが全周にわたり形成されているために、内栓22と液体収納管16との周方向位置合わせを行わなくとも、必ず、環状溝22gを介してスリット22fと液体流通口16aとの連通が確保されるようになっている。この液体流通口16aに連続して、ペン先20と反対側である後側の液体収納管16の外周面には、1本のオーバーフロー液体流路16bが形成される。このオーバーフロー液体流路16bは外軸14の内周面と共に、貯溜タンク28を構成するもので、液体収納管16の外周面に形成された溝である。その溝の長さを長く、即ち貯溜タンクの容量を確保するべく、オーバーフロー液体流路16bは、液体収納管16の外周面を周方向に行ったり来たり往復しながら軸方向に進む形状で延設されている。オーバーフロー液体流路16bの形状としては、図示した以外にも螺旋状に延設することも可能である。
【0027】
この貯溜タンク28は、タンク18の外周側を、液体収納管16によってタンク18と隔離されて、配設される。そして、オーバーフロー液体流路16bの後端は、エア流通口16cとなる。さらに、エア流通口16cに続いて、液体収納管16の外周面には、1本の直線状のエア流通路16dが形成される。このエア流通路16dは外軸14の内周面と共に、エア流通路を構成するもので、液体収納管16の外周面のオーバーフロー液体流路16bの形成されていない部分に形成され軸方向に直線状に伸びる細い溝である。このエア流通路16dは、液体収納管16の前部に形成されたエア流通孔16eによって流体収納管16の内部に連通し、そこで、前述の内栓22の環状溝22hを介してエア連通孔22iに連通する。尚、ここでも、環状溝22hが全周にわたり形成されているために内栓22と液体収納管16との周方向位置合わせを行わなくとも、必ず、環状溝22hを介してエア流通孔16eとエア連通孔22iとの連通が確保されるようになっている。
【0028】
また、エア連通孔22iは、液体保持部材26と大径筒部22bの内周面との間に形成された隙間を介して、さらに、外軸14のリブ14b(図6参照)のない部分とペン先20との間に形成された隙間を介して、外部と連通している。以上の液体流通口16a、貯溜タンク28及びエア流通口16cから第1液体溜部が構成される。オーバーフロー液体流路16bは、液体流通口16aに近いほど、溝幅が小さく、言い換えれば、エア流入力が大きくなるようになっており、貯溜タンク28に流れ込んだ余剰液体がタンク18へ戻りやすくなっている。
【0029】
また、前記液体保持部材26は、中綿、スポンジ等の液体を吸収することができる材質から構成することができ、または、公知の蛇腹状の構成体とすることもでき、中心孔22a及び中継芯24と面している。液体保持部材26と内栓22の大径筒部22bとによって誘導路に面する第2液体溜部が構成される。
【0030】
符号30はキャップであり、外キャップ部30aと内キャップ部30bとから構成される。ペン先20を密閉する内キャップ部30bの容積を小さくすることで、タンク18内の圧力とのバランスをとることができる。
【0031】
次に、液体容器10の作用を説明する。以上のように構成される液体容器10において、図8に示すようにタンク18内に残っている液体が少ない場合には、中継芯24がタンク18の中央部または後部においてタンク18内空間に面しているため、ペン先20を下向きにした状態で、中継芯24はタンク18内の液体の液面から露出してタンク18内の液体とは直接連通しない。よって液体が中継芯24から押し出されてペン先20へと向かうことはない。逆に、気圧変化に伴って膨張した空気が中継芯24を通り、第2液体溜部へと向かい、そこで、液体保持部材26と大径筒部22bの内周面との間に形成された隙間を介して、さらに、外軸14のリブ14bのない部分とペン先20との間に形成された隙間を介して、外部へと排出される(図8の矢印参照)。これによりペン先20へ液体が送られることはなく、ペン先20からの液体のボタ落ちを防止することができる。また、貯溜タンク28へ流れ出す余剰液体量は少ない。
【0032】
一方、図7に示すように、タンク18内に残っている液体が多く、タンク18内に存在する空気容量が少ない場合には、気圧変化に伴う空気膨張量が少ないためペン先20からのインク漏れの危険性は少ない。また、液体容器10のペン先20を下に向けたときに、中継芯24のタンク18に面している部分は、タンク18の中央部に位置しておりタンク18内の液体と直接連通するが、中継芯24にはタンク18内の液体の一部のみの重量が作用し、作用する重量は軽減できる。このことによっても、中継芯24を通りペン先20からの液漏れの危険性が軽減されている。これは、従来の液体容器のように、中継芯24がタンク18内の前部にあって、ペン先20を下に向けたときに中継芯24に液体のほぼ全重量が作用し、ペン先20からの液漏れが発生しやすい構成とは、対照的である。
【0033】
仮に、タンク18内の気圧の過度の上昇があった場合でも、タンク18から溢出した液体は、内栓22のスリット22e、スリット22f及び環状溝22gを通り、液体流通口16aからオーバーフロー液体流路16bへと移動する。これにより、余剰液体が貯溜タンク28に退避される。こうして、貯留タンク28に退避されると、タンク18内の液体が減少して、中継芯24がタンク18内の液体の液面から露出してタンク18内の液体とは直接連通しなくなり、気圧変化に伴って膨張した空気が中継芯24を通り、第2液体溜部へと向かい、そこで、液体保持部材26と大径筒部22bの内周面との間に形成された隙間を介して、さらに、外軸14のリブ14bのない部分とペン先20との間に形成された隙間を介して、外部へと排出される(図7の矢印参照)。こうして、ペン先20へと液体が流れ出ることはなく、ペン先20からのボタ落ちを防止することができる。
【0034】
また、タンク18から溢出した液体が中継芯24を伝わっていった場合であっても、中継芯24に面する液体保持部材26が液体を吸収するために、ペン先20からのボタ落ちを確実に防止することができる。
【0035】
こうして、液体流通口16a、貯溜タンク28及びエア流通口16cから構成される第1液体溜部と、液体保持部材26と内栓22の大径筒部22bから構成される第2液体溜部とで、余剰液体を貯溜する。タンク18内の圧力または外気圧が元に戻ると、貯溜タンク28に貯溜された液体は、貯溜タンク28から液体流通口16a、環状溝22g、スリット22f及び内栓22のスリット22eを通りタンク18に戻る。尚、ここで、第1液体溜部に多くの余剰液体が貯溜されて、貯溜タンク28から溢れ出た場合には、液体が貯溜タンク28からエア流通口16c、エア流通路16d、エア流通孔16eを介して第2液体溜部へと流れ、そこで液体保持部材26に吸収させることができる。
【0036】
次に、この液体容器10を使用するときには、キャップ30を外して、ペン先20を下方に向けると、ペン先20から液体が供給されて、所望の部分に液体を塗布することができる。
【0037】
図7に示すように、タンク18内における液体の残量が多い場合には、ペン先20を下方に向けても、中継芯24の後端部がタンク18内の液体に連通するので、ペン先20から液体が消費されるに連れて、タンク18内の液体が中継芯24を介してペン先20へと誘導される。このとき、第1液体溜部に余剰液体が貯溜されていた場合、エア流通口16cを通じて外気がタンク18へと導入されることになり、貯溜タンク28に溜まった液体は、液体流通口16aへと向かい、スリット22eを通りタンク18内へと送り込まれる。結果として、貯溜タンク28に溢出した液体は完全に使用される。
【0038】
一方、図8に示すように、タンク18内における液体の残量が少ない場合、ペン先20を下方に向けると、中継芯24の内栓22から突出した部分が液体の液面から露出し、液体と連通しないが、タンク18内の液体は、スリット22eの毛細管力によって、中継芯24へと流れて、中継芯24を介してペン先20へと誘導される。
【0039】
こうして、タンク18内の液体量の多少にかかわらず、液体を供給することができる。
【0040】
図9は、毛細管力を有する手段として機能するスリット22eの様々な形状を表す図である。図9(a)は上記実施形態におけるスリット22eの形状であり、複数のスリットの深さ方向が径方向に一致しているが、これに限るものではなく、図9(b)に示すように、複数のスリット22eが互いに平行な方向に形成されることもでき、任意の構成とすることができる。
【0041】
図10は、毛細管力を有する手段としてスリット22e以外のものとした実施形態であり、第1実施形態と同様の部材・部分は同一の符号を付し、その説明を省略する。この実施形態では、毛細管力を有する手段として、内栓22の小径筒部22cの外周面に取り付けられた中空の液体吸収部材23を用いた例である。この液体吸収部材23としては、中空の中綿、スポンジ、不織布等を用いることができる。小径筒部22cの後端部には、スリット22e’が形成されており、スリット22e’を介して液体吸収部材23が中継芯24と繋がり、液体吸収部材23に吸引されたタンク18内の液体は、スリット22e’を通り中継芯24へと供給される。
【0042】
図11は、図10の変形例であり、中継芯24の内栓22の小径筒部22cよりも突出した部分を拡径させた拡径部24aとし、この拡径部24aを液体吸収部材23の後端に直接接触させている。液体吸収部材23が中継芯24と直接繋がり、液体吸収部材23に吸引されたタンク18内の液体は、中継芯24へと供給される。
【0043】
毛細管力を有する手段の種類または構造、即ち具体的には図2の例においてはスリット22eの形状及び寸法、図10及び図11の例においては液体吸収部材23の種類及び構造によって、並びに液体の濡れ性及び密度によって、タンク18内を延ばすことができる中継芯24の長さ、言い換えれば、小径筒部22cの長さは異なってくるが、タンク18の約1/4〜1/2程の長さがあれば十分な機能を果たせると考えられる。
【0044】
毛細管力を有する手段は、毛細管力が強ければ、それだけ中継芯24の長さを長くすることができる。そして、中継芯24の長さが長ければ長い程、上向きでの筆記が可能となる。また、中継芯24がタンク18の残っている液体の液面より突出して、タンク18内にある空気部に露出することができるようになるために、空気の膨張に対する影響をより小さくすることができる。
【0045】
一方、毛細管力を有する手段は毛細管力が弱ければ、液体の吸引する力が弱くなるため、中継芯24の長さを長くすることはできないが、中継芯24がタンク18の液体内に浸漬されることが多いので、液体の供給切れのおそれを防ぐことができる。
【0046】
尚、以上の実施形態では、液体溜部が、液体流通口16a、貯溜タンク28及びエア流通口16cからなる第1液体溜部と、液体保持部材26及び内栓22の大径筒部22bからなる第2液体溜部と、から構成されており、第1液体溜部と第2液体溜部とは、エア流通路16d、エア流通孔16e及びエア連通孔22iを介して誘導路以外で連結されていたが、この構成に限るものではなく、いずれか一方の液体溜部のみしか備えない構成とすることも可能である。
【0047】
図12は、1つの液体溜部のみを備える別の実施形態の全体縦断面図である。図12に示した液体容器31は、液体が収納されたタンク38を有する本体32と、本体32の先端側にあって液体を供給する先端供給体であるペン先40と、ペン先40とタンク38とを連結する誘導路としての中心孔42aを備えた内栓42と、中心孔42aを貫通して、タンク38からの液体をペン先40へと誘導する誘導部としての中継芯44と、内栓42の先端に嵌合されてペン先40を支持する先具46と、を備える。さらに内栓42は、図13に示したように、大径筒部42bと、中空管を構成する小径筒部42cとを備えており、小径筒部42cの外周面には、軸方向に伸びる多数の幅の細い、毛細管力を有するスリット42eが形成されている。
【0048】
また、大径筒部42bは、タンク38に繋がる液体流通口42f、蛇腹溝42g、エア流通口42h及び気液交換溝42iを有している。エア流通口42hは、本体32と先具46との間に形成されたエア流通口47に連通している。蛇腹溝42gと本体32によって貯溜タンク48が形成され、これら液体流通口42f、貯溜タンク48及びエア流通口42hによって、蛇腹タイプの液体溜部が構成される。
【0049】
以上のように構成される液体容器31においては、タンク38から溢出した液体は、液体流通口42fから貯溜タンク48へと移動して退避され、また、タンク38内の圧力または外気圧が元に戻ると、貯留タンク48に退避された液体は、液体流通口42fからタンク38内へと戻る。それ以外の点は、第1実施形態と同様に作用し、中継芯44がタンク38の途中、即ち中央部または後部まで延びており、そこでタンク38内空間に面しており、それ以外は小径筒部42cによって包囲されているために、ペン先40からの液体のボタ落ちを防止することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、誘導部がタンクの中央部または後部においてタンク内空間に面しているため、先端供給体を下向きにした状態で、誘導部はタンク内の液体の液面から露出してタンク内の液体とは直接連通しない。よって液体が誘導部から押し出されて先端供給体へと向かうことはなく、逆に、気圧変化に伴って膨張した空気が誘導部を通り、先端供給体またはその周囲から外部へと排出される。これにより先端供給体へ液体が送られることはなく、先端供給体からの液体のボタ落ちを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液体容器の第1実施形態を表す全体図(キャップを取り外した状態)である。
【図2】第1実施形態の縦断面図である。
【図3】第1実施形態の一部のみ断面とした縦断面図である。
【図4】(a)は内栓の平面図、(b)は(a)を中心軸の回りに90度回転した状態の縦断面図、(c)は(b)のc方向から見た図、(d)は(b)のd方向から見た図である。
【図5】(a)は液体収納管の平面図、(b)は底面図、(c)は縦断面図である。
【図6】外軸の先端部分の断面図である。
【図7】タンク内に残っている液体が多い場合の作用を説明する図である。
【図8】タンク内に残っている液体が少ない場合の作用を説明する図である。
【図9】毛細管力を有する手段として機能する内栓の小径筒部の様々な形状を表す図である。
【図10】他の毛細管力を有する手段を有する実施形態を表す縦断面図である。
【図11】さらに他の毛細管力を有する手段を有する実施形態を表す縦断面図である。
【図12】本発明に係る液体容器のさらに別の実施形態を表す全体縦断面図(キャップを取り外した状態)である。
【図13】(a)は図12の内栓の平面図、(b)は(a)のb方向から見た図である。
【符号の説明】
10、31 液体容器
12、32 本体
14 外軸
16 液体収納管
16a、42f 液体流通口
16b オーバーフロー液体流路
16c、42h エア流通口
16d エア流通路
18、38 タンク
20、40 ペン先(先端供給体)
22、42 内栓
22c、42c 小径筒部(中空管)
22e、42e スリット(毛細管力を有する手段)
23 液体吸収部材(毛細管力を有する手段)
24、44 中継芯(誘導部)
26 液体保持部材
28、48 貯溜タンク

Claims (10)

  1. 液体が収納されたタンクを有する本体と、本体の先端側にあって液体を供給する先端供給体と、タンクと先端供給体との間を連結する誘導路に設けられてタンクからの液体を先端供給体へと誘導する誘導部と、タンクからの余剰液体を貯溜する液体溜部と、を備えた液体容器において、
    前記誘導部は前記タンク内において中空管によって包囲されてタンク内を延びて、タンクの中央部または後部においてタンク内空間に面しており、前記中空管の外周面にはタンク内の液体を吸引する毛細管力を有する手段が設けられて、該毛細管力を有する手段は前記誘導部に繋がることを特徴とする液体容器。
  2. 前記毛細管力を有する手段は、中空管の外周面に形成されたスリットであることを特徴とする請求項1記載の液体容器。
  3. 前記毛細管力を有する手段は、中空管の外周面に設けられた液体吸収部材であることを特徴とする請求項1記載の液体容器。
  4. 前記毛細管力を有する手段は、前記液体溜部にも繋がることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液体容器。
  5. 前記液体溜部は、外部と連通するエア流通口、前記毛細管力を有する手段またはタンクと繋がる液体流通口、及びタンクからの溢出する液体を貯溜する貯溜タンクを有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液体容器。
  6. 前記液体溜部の貯溜タンクは、タンクの外周側に配設されて、前記液体流通口よりも反先端供給体側で液体を貯溜することを特徴とする請求項5記載の液体容器。
  7. 前記液体溜部は、誘導路に面して設けられることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液体容器。
  8. 前記液体溜部は、液体を収納可能な形状、または液体を吸収可能な液体保持部材を備えることを特徴とする請求項7記載の液体容器。
  9. 前記液体溜部とは別に、誘導路に面して設けられる第2の液体溜部が設けられており、前記液体溜部と第2の液体溜部とは誘導路を介さずに連結されることを特徴とする請求項5または6記載の液体容器。
  10. 前記第2の液体溜部は、液体を収納可能な形状、または液体を吸収可能な液体保持部材を備えることを特徴とする請求項9記載の液体容器。
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