JP2017033849A - 有機電界発光素子、有機電界発光素子の製造方法、および照明装置 - Google Patents

有機電界発光素子、有機電界発光素子の製造方法、および照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】より単純な構造でありながらも同一領域から異なる形状の画像を表示することが可能な有機電界発光素子を提供する。【解決手段】透明電極と、反射電極と、有機材料を用いて構成された発光層を有し前記透明電極と前記反射電極との間に重ねて配置された複数の発光機能層と、前記発光機能層と発光機能層との間に挟持された光透過性を有する中間電極とを備え、前記複数の発光機能層のそれぞれは、パターニングされた発光領域と非発光領域とを有し、前記複数の発光機能層のうち前記透明電極側に位置する第1発光機能層は、前記反射電極側に位置する第2発光機能層よりも、光透過率が上限値に達する波長が短波長側である有機電界発光素子である。【選択図】図1

Description

本発明は有機電界発光素子、有機電界発光素子の製造方法、および照明装置に関し、特にはパターニングされた発光領域を有する有機電界発光素子およびその製造方法に関する。
有機材料のエレクトロルミネッセンス(electroluminescence:以下ELと記す)を利用した有機電界発光素子(いわゆる有機EL素子)は、2枚の電極間に有機機能層を挟持した構成であり、有機機能層で生じた発光光は電極を透過して外部に取り出される。近年、このような有機電界発光素子の製造方法として、一対の電極と有機機能層とで構成された発光ユニットに光を照射して特定の発光パターンを付与した後、発光パターンが付与された各発光ユニットを積層することにより、同一領域において異なる形状の画像を表示する有機電界発光素子の製造方法が提案されている(下記特許文献1参照)。
特開2015−46364号公報
しかしながら、上述した製造方法では、2枚の電極を有する発光ユニットを積層する構成であるため厚みが大きく、また電極数も多く素子構成が複雑なものとなっていた。
そこで本発明は、より単純な構造でありながらも同一領域から異なる形状の画像を表示することが可能な有機電界発光素子を提供すること、さらにはこの有機電界発光素子の製造方法、およびこの有機電界発光素子を用いた照明装置を提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本発明は、透明電極と、反射電極と、有機材料を用いて構成された発光層を有し前記透明電極と前記反射電極との間に重ねて配置された複数の発光機能層と、前記発光機能層と発光機能層との間に挟持された光透過性を有する中間電極とを備え、前記複数の発光機能層のそれぞれは、パターニングされた発光領域と非発光領域とを有し、前記複数の発光機能層のうち前記透明電極側に位置する第1発光機能層は、前記反射電極側に位置する第2発光機能層よりも、光透過率が上限値に達する波長が短波長側である有機電界発光素子である。
また本発明は、上記構造の有機電界発光素子の製造方法、およびこの有機電界発光素子を用いた照明装置である。
このような本発明によれば、同一領域から異なる形状の画像を表示することが可能な有機電界発光素子の構造を単純化することが可能であり、これにより低コスト化を図ることが可能になる。
実施形態の有機電界発光素子の概略を示す断面構成図である。 実施形態の有機電界発光素子の構成を説明するための要部平面図である。 実施形態の有機電界発光素子における発光機能層の光透過スペクトルである。 実施形態の有機電界発光素子の製造方法を示す断面工程図である。
以下、本発明の実施形態を、有機電界発光素子、有機電界発光素子の製造方法、照明装置の順に、図面に基づいて詳細に説明する。
≪有機電界発光素子≫
図1は、実施形態の有機電界発光素子1の概略を示す断面構成図である。また図2は、実施形態の有機電界発光素子の構成を説明するための要部平面図である。
これらの図に示す有機電界発光素子1は、透明基板10の一主面上に設けられており、透明基板10側から順に、透明電極11、第1発光機能層13、中間電極15、第2発光機能層17、および反射電極19が積層されている。これらの第1発光機能層13および第2発光機能層17は、それぞれが発光領域13a,17aと非発光領域13b,17bとを有している。また、透明電極11と中間電極15との間には電源23が設けられ、中間電極15と反射電極19との間には電源27が設けられており、それぞれ独立に制御される構成となっている。
以上のような有機電界発光素子1は、透明基板10の他主面を光取り出し面10aとし、第1発光機能層13の発光領域13aで得られた第1発光光h1と、第2発光機能層17の発光領域17aで得られた第2発光光h2とが、透明基板10側から取り出されるボトムエミッション型として構成されている。
そして特に、この有機電界発光素子1においては、第1発光機能層13および第2発光機能層17が、それぞれ個別の光学特性を有する材料を用いて構成されているところが特徴的である。
以下、この有機電界発光素子1を構成する各構成要素の詳細を、透明基板10側から順に説明する。
<透明基板10>
透明基板10は、可視光のうち特に第1発光機能層13で発生させた第1発光光h1、および第2発光機能層17で発生させた第2発光光h2に対する光透過性を有する。また透明基板10は、第1発光機能層13および第2発光機能層17のパターン加工に用いる第1加工光L1および第2加工光L2に対する光透過性を有する。尚、これらの第1加工光L1および第2加工光L2については、以降の製造方法において詳細に説明する。
以上のような透明基板10を構成する透明な基板材料としては、例えばガラス、石英、樹脂基板を挙げることができるが、これらに限定されない。特に好ましい透明基板10は、これを用いて構成される有機電界発光素子にフレキシブル性を与えることが可能な樹脂基板である。樹脂基板は、必要に応じてガスバリア層を設けた構成であってもよい。
本発明において、樹脂基板を構成する樹脂材料は、従来公知の樹脂材料が用いられ、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ナイロン(Ny)、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホネート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリオレフィン、エポキシ樹脂等の各樹脂フィルムが挙げられ、さらに、シクロオレフィン系やセルロースエステル系のものも用いることができる。また、有機無機ハイブリッド構造を有するシルセスキオキサンを基本骨格とした耐熱透明フィルム(製品名Sila−DEC、チッソ株式会社製)、更には前記樹脂材料を二層以上積層して成る樹脂フィルム等を挙げることができる。
<透明電極11>
透明電極11は、第1発光機能層13に対する陽極または陰極として設けられるものであり、中間電極15が陰極の場合には陽極として用いられ、中間電極15が陽極の場合には陰極として用いられる。
また透明電極11は、可視光のうち特に第1発光機能層13で発生させた第1発光光h1および第2発光機能層17で発生させた第2発光光h2に対する光透過性を有する。また透明電極11は、第1発光機能層13および第2発光機能層17の加工に用いる第1加工光L1および第2加工光L2に対する光透過性を有する。
このような透明電極11は、それぞれに適切な導電性材料のなかから、上述した光透過性に優れた導電性材料を用いて構成される。透明電極11の構成に好適に用いられる導電性材料としては、例えばITO、ZnO、TiO2、SnO2等の酸化物半導体などの透明導電性材料が挙げられる。
この他にも、透明電極11は、金属を主成分とした金属薄膜として構成されたものであってもよい。ここで言う金属薄膜とは、厚さが8〜30nmの範囲内の薄膜である。金属薄膜として構成された透明電極11に含まれる金属は、導電性の高い金属であれば特に制限されず、例えば銀、銅、金、白金族、チタン、クロム等が例示される。透明電極11には、これらの金属が1種のみ含まれてもよく、2種以上含まれてもよい。導電性が高いとの観点から、透明電極11は、銀を主成分として構成され、銀または銀を主成分とする合金で構成されていることが好ましい。
透明電極11を構成する銀(Ag)を主成分とする合金としては、例えば、銀マグネシウム(AgMg)、銀銅(AgCu)、銀パラジウム(AgPd)、銀パラジウム銅(AgPdCu)、銀インジウム(AgIn)等が挙げられる。
また透明電極11が金属薄膜として構成されたものである場合、この透明電極11は、ここでの図示を省略した下地層を介して設けられていることが好ましい。下地層は、透明電極11の透明基板10側に設けられる層である。下地層を構成する材料としては、特に限定されるものではなく、例えば銀または銀を主成分とする合金からなる透明電極11の成膜に際し、銀の凝集を抑制できるものであれば良く、一例として窒素原子を含んだ含窒素化合物、または硫黄含有化合物等が挙げられる。
また透明電極11が金属薄膜として構成されたものである場合、この透明電極11を半反射層とし、反射電極19との間で第1発光光h1または第2発光光h2に対する共振器構造を構成してもよい。
以上のような材料で構成された透明電極11は、シート抵抗が30Ω/sq.以下であることが好ましく、10Ω/sq.以下であることがより好ましい。また透明電極11は、波長550nmにおける光透過率が30%以上であることが好ましく、50%以上であることが好ましい。
また透明電極11は、電源23を介して中間電極15と電気的に接続された状態となっている。
<第1発光機能層13>
第1発光機能層13は、有機材料を用いて構成された発光層を有する複数の発光機能層のうち透明電極11側に設けられたものである。この第1発光機能層13は、少なくとも有機材料で構成された発光層を含む積層体であって、全体的な積層構造が限定されることはなく、下記(i)〜(vi)に一例を示すような一般的な積層構造の何れかであってよく、さらに必要に応じた層を有していてもよい。
(i)(陽極)/正孔注入輸送層/発光層/電子注入輸送層/(陰極)
(ii)(陽極)/正孔注入輸送層/発光層/正孔阻止層/電子注入輸送層/(陰極)
(iii)(陽極)/正孔注入輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子注入輸送層/(陰極)
(iv)(陽極)/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/(陰極)
(v)(陽極)/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/(陰極)
(vi)(陽極)/正孔注入層/正孔輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/(陰極)
尚、これらの各層の構成材料の詳細は、以降に詳細に説明する。
この第1発光機能層13は、発光領域13aと非発光領域13bとがパターン形成されているところが特徴的である。このような第1発光機能層13における発光領域13aおよび非発光領域13bは、第1発光機能層13を構成する少なくとも何れかの1層が、特定波長の第1加工光L1の照射によって部分的に変質することによってパターニングされた領域である。
また第1発光機能層13は、第2発光機能層17とは異なる光学特性を有している。図3は、発光機能層の光透過スペクトルであり、波長[λ]に対する光透過率(T)のグラフである。図3に示すように、有機材料を用いて構成された第1発光機能層13および第2発光機能層17は、可視光および一般的な有機材料のパターン加工に用いられる光を含む波長領域において、長波が大きくなるほど透過率が上昇する。このような透過率スペクトルは、発光機能層を構成する複数層のうち、光透過率[T]が上限値に達する波長が最も長波長側に位置する層によって特徴づけられる。
そして特に本実施形態においては、第1発光機能層13の光透過率[T]が上限値[Tmax]に達する波長を第1波長[λ1]とし、第2発光機能層17の光透過率[T]が上限値[Tmax]に達する第2波長[λ2]とした場合、第1波長[λ1]<第2波長[λ2]であるところが特徴的である。
尚、第1発光機能層13および第2発光機能層17の光透過スペクトルは、透明な基板上にそれぞれの層構造体を形成して、分光器(例えばU−3310:日立ハイテク社製、オーシャンオプティクス社製:HR2000+/4000)等で測定することができる。
この他にも、下記(A)〜(C)の積層構造の透過率を測定し、(B)−(C)の値と(A)の値とを比較することで、第1発光機能層13と第2発光機能層17の透過率大小が判断できる。
(A)第2発光機能層17/中間電極15の透過率、
(B)第2発光機能層17/中間電極15/第1発光機能層13/透明電極11の透過率
(C)透明電極11の透過率を測定し、
また第1発光機能層13における第1波長[λ1]は、第1波長[λ1]よりも短波長側の領域内に、第1発光機能層13のパターニングに適する第1加工光L1の波長λ(L1)を含む値であ。また第1波長[λ1]は、第1波長[λ1]以上の長波長側の域内に、第2発光機能層17のパターニングに適する第2加工光L2の波長λ(L2)を含む値である。
これにより、第1発光機能層13は、第1波長[λ1]以上の長波長側の光を、第2発光機能層17のパターニングの際の第2加工光L2とした場合に、この第2加工光L2を吸収することなく透過するものとなっている。
また、第1発光機能層13は、第1波長[λ1]以下の短波長側の第1加工光L1を良好に吸収して変質する少なくとも1層を有し、この層の変質によって非発光領域13bがパターン形成されたものとなっている。
第1発光機能層13において、このように変質した部分を有する層として、例えば正孔輸送層が適用され、この正孔輸送層が、第1発光機能層13の光透過スペクトルを特徴づける層となっている。このような第1発光機能層13は、第1波長[λ1]よりも長波長領域に吸収波長を有することの無い、すなわち、より短波長側の発光光を発生するものであり、例えば青〜緑色発光(発光ピーク500nm以下)の発光層として構成されている。
<中間電極15>
中間電極15は、第1発光機能層13に対する陽極または陰極として設けられるものであり、透明電極11が陽極の場合には陰極として用いられ、透明電極11が陰極の場合には陽極として用いられる。また中間電極15は、第2発光機能層17に対する陽極または陰極としても用いられるものであり、反射電極19が陽極の場合には陰極として用いられ、反射電極19が陰極の場合には陽極として用いられる。
さらに中間電極15は、可視光のうち特に第2発光機能層17で発生させた第2発光光h2に対する光透過性を有すると共に、第2発光機能層17の加工に用いる第2加工光L2に対する光透過性を有する。また以降において説明する反射電極19での反射による光取り出し効率の向上を考慮した場合、この中間電極15は、第1発光機能層13で発生させた第1発光光h1に対する光透過性を有する。
このような中間電極15は、先に例示した透明電極11に適する材料の中から、上述した光透過性に優れた導電性材料を用いて構成され、透明電極11と同程度のシート抵抗および光透過率を備えていることが好ましい。また、中間電極15が金属薄膜として構成されたものである場合、この中間電極15を半反射層とし、反射電極19との間で第1発光光h1または第2発光光h2に対する共振器構造を構成してもよい。
また中間電極15は、電源23を介して透明電極11と電気的に接続され、かつ電源27を介して反射電極19と電気的に接続された状態となっている。
<第2発光機能層17>
第2発光機能層17は、有機材料を用いて構成された発光層を有する複数の発光機能層のうち第1発光機能層13よりも反射電極19側に積層されたものである。この第2発光機能層17は、第1発光機能層13と同様に少なくとも有機材料で構成された発光層を含む積層体であって、全体的な積層構造が限定されることはなく、上記(i)〜(vi)に一例を示すような一般的な積層構造の何れかであってよく、さらに必要に応じた層を有していてもよい。また第2発光機能層17は、第1発光機能層13とは異なる積層構造であってもよく、上記(i)〜(vi)の積層順が逆であってもよい。
このような第2発光機能層17は、発光領域17aと非発光領域17bとがパターン形成されているところが特徴的である。この発光領域17aのパターンは、第1発光機能層13の発光領域13aとは異なる平面形状であってよく、重なって配置されていてもよい。
このような第2発光機能層17における発光領域17aおよび非発光領域17bは、第2発光機能層17を構成する何れかの少なくとも1層が、特定波長の第2加工光L2の照射によって部分的に変質することによってパターニングされた領域である。
また先に説明したように、第2発光機能層17は、第1発光機能層13とは異なる光学特性を有しており、図3に示したように、第1波長[λ1]<第2波長[λ2]である。この第2発光機能層17における第2波長[λ2]は、第2波長[λ2]よりも短波長側の領域内に、第2発光機能層17のパターニングに適する第2加工光L2の波長λ(L2)を含む値である。
また、第2発光機能層17は、第2波長[λ2]以下の短波長側の第2加工光L2を良好に吸収して変質する少なくとも1層を有し、この層の変質によって非発光領域17bがパターン形成されたものとなっている。
第2発光機能層17において、このように変質した部分を有する層として、例えば発光層が適用され、この発光層が、第2発光機能層17の光透過スペクトルを特徴づける層となっている。この場合、第2発光機能層17の発光層は、第1波長[λ1]から第2波長[λ2]までの間に、吸収波長を有するものである。このため、第1発光機能層13の発光層が青〜緑色発光の発光層である場合、第2発光機能層17の発光層は、これよりも長波長の発光光が得られるものであり、例えば緑〜赤色発光(発光ピーク540nm〜640nm)の発光層として構成されている。
また以上のように第2波長[λ2]以下の波長を有する第2加工光L2の照射によって変質する発光層は、発光層と比較してドーパントの含有率が高いことがこのましく、例えば15vol%以上の含有率でドーパントを含有していることとする。これにより、光照射によって変質し易い構成となっている。
<反射電極19>
反射電極19は、第2発光機能層17に対する陽極または陰極として設けられるものであり、中間電極15が陰極の場合には陽極として用いられ、中間電極15が陽極の場合には陰極として用いられる。
また反射電極19は、可視光のうち特に第1発光機能層13で発生させた第1発光光h1および第2発光機能層17で発生させた第2発光光h2に対して、良好は反射特性を有していることが好ましい。このような反射電極19は、陰極またや陽極として適切な導電性材料のなかから、反射特性に優れた金属材料を用いて構成され、例えば金、白金、銀、銅、アルミニウム等によって構成される。
また反射電極19は、電源27を介して中間電極15と電気的に接続された状態となっている。
<電源23および電源27>
電源23,27のうち、一方の電源23は、透明電極11と中間電極15とに接続されている。この電源23は、透明電極11および中間電極15のうち、第1発光機能層13に対する陽極側にプラス極が接続され、陰極側にマイナス極を接続されている。また、他方の電源27は、中間電極15と反射電極19とに接続されている。この電源27は、中間電極15および反射電極19のうち、第2発光機能層17に対する陽極側にプラス極が接続され、陰極側にマイナス極を接続されている。
図示した例においては、第1発光機能層13に対して、透明電極11を陽極として電源23がプラス極が接続され、中間電極15を陰極として電源23のマイナス極が接続されている。また第2発光機能層17に対して、中間電極15を陽極として電源27のプラス極が接続され、反射電極19を陰極として電源27のマイナス極が接続されている。尚、第1発光機能層13の積層構造が逆の場合は、電源23の接続状態を逆にすればよく、第2発光機能層17の積層構造が逆の場合は、電源27の接続状態を逆にすればよい。
またこれらの電源23,27は、ここでの図示を省略した制御部を備え、この制御部によって透明電極11、中間電極15、および反射電極19に印加する電圧および電流が制御される構成となっている。
この制御部は、例えばコンピュータによって構成することができる。これにより、第1発光機能層13と第2発光機能層17の発光割合や発光量を制御することができ、調光性・調色性を高めることができる。また、第1発光機能層13と第2発光機能層17とを個別に発光制御することも可能である。
また制御部は、第1発光機能層13および第2発光機能層17に供給する電流の合計を一定にする制御を行ったり、あるいは視感度の大きい発光機能層の電流を一定にする制御を行ったりすることができる。それにより、効果的に調光・調色を行うことができる。
尚、この有機電界発光素子1は、少なくとも2つの電源23,27を有していればよいが、さらに多数の電源を有していてもよい。しかしながら、装置を複雑化させないため、電源は電極の数より少ないことが好ましい。
<その他の構成要素>
以上の他、有機電界発光素子1は、透明基板10との間に、透明電極11〜反射電極19および封止材を挟んで保護部材を設けても良い。この保護部材は、有機電界発光素子1を機械的に保護するためのものであり、特に封止材が封止膜である場合には、有機電界発光素子1に対する機械的な保護が十分ではないため、このような保護部材を設けることが好ましい。
以上のような保護部材は、ガラス板、ポリマー板、これよりも薄型のポリマーフィルム、金属板、これよりも薄型の金属フィルム、またはポリマー材料膜や金属材料膜が適用される。このうち特に、軽量かつ薄膜化ということからポリマーフィルムを用いることが好ましい。
また有機電界発光素子1は、第1発光機能層13および第2発光機能層17において発生させた第1発光光h1および第2発光光h2を、効率良く取り出すための光取り出し層を、必要に応じて必要部分に設けたものであっても良い。
さらに有機電界発光素子1は、発光領域13a,17aと重なることのない位置において、透明電極11および中間電極15に対して導電性の良好な補助電極を接続させても良い。このような補助電極を形成する材料は、金、白金、銀、銅、アルミニウム等の抵抗が低い金属が好ましい。
<有機電界発光素子1の駆動>
以上のように構成された有機電界発光素子1は、透明電極11−中間電極15間に所定状態で電圧を印加することにより、第1発光機能層13の発光領域13aにおいて第1発光光h1が発生する。この第1発光光h1は、透明電極11および透明基板10を透過し、透明基板10の光取り出し面10aにおいて、発光領域13aの形状の発光が観察される。また中間電極15−反射電極19間に所定状態で電圧を印加することにより、第2発光機能層17の発光領域17aにおいて第2発光光h2が発生する。この第2発光光h2は、透明電極11および透明基板10を透過し、透明基板10の光取り出し面10aにおいて、発光領域17aの形状の発光が観察される。
また、透明電極11、中間電極15、および反射電極19に所定状態で電圧を印加した場合であれば、第1発光機能層13の発光領域13aおよび第2発光機能層17の発光領域17aを重ね合わせた形状の発光が観察される。
なお、有機電界発光素子1の駆動は、交流電圧の印加によってもよく、印加する交流の波形は任意で良い。
<その他の変形構成>
以上説明した有機電界発光素子1は、第1発光機能層13および第2発光機能層17の2つの発光機能層を積層した構成とした。しかしながら、本発明の有機電界発光素子は、さらに複数の発光機能層を積層した構成であってもよい。この場合であっても、透明電極11側の発光機能層と、それよりも反射電極19側の発光機能層との光学特性の関係が、上述した第1発光機能層13と第2発光機能層17との関係であればよい。
また以上説明した有機電界発光素子1は、第1発光機能層13の光透過特性を特徴づける層であって、その一部を変質させる層として正孔輸送層を例示した。また第2発光機能層17の光透過特性を特徴づける層であって、その一部を変質させる層として発光層を例示した。しかしながらこのような層は、正孔輸送層や発光層であることに限定されず、他の層であってもよく複数の層であってもよい。この場合、各発光機能層の発光領域から、同一の波長領域の発光光を得るような構成にもできる。
<第1発光機能層13および第2発光機能層17を構成する各層の材料>
第1発光機能層13および第2発光機能層17を構成する各層の構成材料の詳細は次のようである。ただし、第1発光機能層13および第2発光機能層17は、以下に示す材料の中から、有機電界発光素子1の構成に適する材料が選択して用いられていることとする。
[発光層]
本発明に用いられる発光層には、発光材料としてリン光発光化合物が含有されていることが好ましい。尚、発光材料として、蛍光材料が使用されても良いし、リン光発光化合物と蛍光材料とを併用しても良い。
発光層は、陰極側から注入された電子と、陽極側から注入された正孔とが再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接する層との界面であっても良い。
このような発光層としては、含まれる発光材料が発光要件を満たしていれば、その構成には特に制限はない。また、同一の発光スペクトルや発光極大波長を有する層が複数層あっても良い。この場合、各発光層間には、非発光性の中間層(図示略)を有していることが好ましい。
発光層の膜厚の総和は1〜100nmの範囲内にあることが好ましく、より低い駆動電圧を得ることができることから1〜40nmの範囲内であることがより好ましい。
尚、発光層の膜厚の総和とは、発光層間に非発光性の中間層が存在する場合には、当該中間層も含む膜厚である。但し、複数の発光層ユニットを、中間コネクター部を介し積層する、いわゆるタンデム型素子の場合には、ここでいう発光層とは各発光ユニット内の発光層部分を指す。
複数層を積層した構成の発光層の場合、個々の発光層の膜厚としては、1〜50nmの範囲内に調整することが好ましく、更に、1〜20nmの範囲内に調整することがより好ましい。積層された複数の発光層が、青、緑、赤のそれぞれの発光色に対応する場合、青、緑、赤の各発光層の膜厚の関係については、特に制限はない。
以上のような発光層は、公知の発光材料やホスト化合物を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェット法等の公知の薄膜形成方法により成膜して形成することができる。
また、発光層は、複数の発光材料を混合しても良い。
発光層の構成として、ホスト化合物(発光ホスト等ともいう)、発光材料(発光ドーパントともいう)を含有し、発光材料より発光させることが好ましい。
本発明に適用可能な発光ドーパントとしては、例えば、国際公開第2005/076380号、国際公開第2010/032663号、国際公開第第2008/140115号、国際公開第2007/052431号、国際公開第2011/134013号、国際公開第2011/157339号、国際公開第2010/086089号、国際公開第2009/113646号、国際公開第2012/020327号、国際公開第2011/051404号、国際公開第2011/004639号、国際公開第2011/073149号、特開2012−069737号公報、特開2009−114086号公報、特開2003−81988号公報、特開2002−302671号公報、特開2002−363552号公報等に記載の化合物を挙げることができる。
また、ホスト化合物としては、例えば、特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報、米国特許公開第2003/0175553号明細書、米国特許公開第2006/0280965号明細書、米国特許公開第2005/0112407号明細書、米国特許公開第2009/0017330号明細書、米国特許公開第2009/0030202号明細書、米国特許公開第2005/238919号明細書、国際公開第2001/039234号、国際公開第2009/021126号、国際公開第2008/056746号、国際公開第2004/093207号、国際公開第2005/089025号、国際公開第2007/063796号、国際公開第2007/063754号、国際公開第2004/107822号、国際公開第2005/030900号、国際公開第2006/114966号、国際公開第2009/086028号、国際公開第2009/003898号、国際公開第2012/023947号、特開2008−074939号公報、特開2007−254297号公報、EP第2034538号明細書等に記載されている化合物を挙げることができる。
[正孔注入層/電子注入層]
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と発光層の間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に、その詳細が記載されており、正孔注入層と電子注入層とがある。
注入層は、必要に応じて設けることができる構成層である。正孔注入層であれば、陽極と発光層または正孔輸送層の間、電子注入層であれば陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させても良い。
正孔注入層15eは、特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニン層、酸化バナジウムに代表される酸化物層、アモルファスカーボン層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子層等が挙げられる。また、特表2003−519432号公報に記載される材料を使用することも好ましい。
電子注入層は、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属層、フッ化カリウムに代表されるアルカリ金属ハライド層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物層、酸化モリブデンに代表される酸化物層等が挙げられる。本発明においては、電子注入層はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるがその膜厚は1nm〜10μmの範囲が好ましい。
[正孔輸送層]
正孔輸送層は、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入または輸送、電子の障壁性のいずれかの特性を有するものであり、有機物、無機物のいずれであっても良い。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また、導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
正孔輸送材料としては、上記のものを使用することができるが、更に、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。
芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、例えば、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(略称:TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、さらには米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(略称:NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(略称:MTDATA)等が挙げられる。
さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。
また、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.,Applied Physics Letters,80(2002),p.139に記載されているようないわゆる、p型正孔輸送材料を用いることもできる。本発明においては、より高効率の発光素子が得られることから、これらの材料を用いることが好ましい。
正孔輸送層は、上記正孔輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。この正孔輸送層は、上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であっても良い。
また、正孔輸送層の材料に不純物をドープして輸送性を高くすることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
[電子輸送層]
電子輸送層は、電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層(図示略)も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層構造または複数層の積層構造として設けることができる。
単層構造の電子輸送層、及び、積層構造の電子輸送層において、発光層に隣接する層部分を構成する電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していれば良い。このような材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン、アントロン誘導体及びオキサジアゾール誘導体等が挙げられる。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送層の材料として用いることができる。さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(略称:Alq3)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(略称:Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、GaまたはPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送層の材料として用いることができる。
その他、メタルフリー若しくはメタルフタロシアニン、またはそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送層の材料として好ましく用いることができる。また、発光層の材料としても例示されるジスチリルピラジン誘導体も電子輸送層の材料として用いることができるし、正孔注入層、正孔輸送層と同様にn型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送層の材料として用いることができる。
電子輸送層は、上記材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。電子輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。電子輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であっても良い。
また、電子輸送層に不純物をドープし、輸送性を高くすることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、同10−270172号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。さらに電子輸送層には、カリウムやカリウム化合物などを含有させることが好ましい。カリウム化合物としては、例えば、フッ化カリウム等を用いることができる。このように電子輸送層のn性を高くすると、より低消費電力の素子を作製することができる。
また電子輸送層の材料(電子輸送性化合物)として、上述した下地層を構成する材料と同様のものを用いても良い。これは、電子注入層を兼ねた電子輸送層であっても同様であり、上述した下地層を構成する材料と同様のものを用いても良い。
[電子阻止層/正孔阻止層]
電子阻止層/正孔阻止層は、例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔阻止層とは、広い意味では、電子輸送層の機能を有する。正孔阻止層は、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、前記電子輸送層の構成を必要に応じて、正孔阻止層として用いることができる。正孔阻止層は、発光層に隣接して設けられていることが好ましい。
一方、電子阻止層とは、広い意味では、正孔輸送層の機能を有する。電子阻止層は、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、前記正孔輸送層の構成を必要に応じて電子阻止層として用いることができる。本発明において、正孔阻止層の膜厚としては、好ましくは3〜100nmの範囲内であり、さらに好ましくは5〜30nmの範囲内である。
<有機電界発光素子1の効果>
以上のような構成の有機電界発光素子1は、それぞれ個別に発光領域13a,17aがパターン形成された第1発光機能層13と第2発光機能層17とによって中間電極15を共有した構成である。このため、2枚の電極によって発光機能層を挟持してなる複数の発光ユニットを積層する従来の構成と比較して、電極数を減らすことができる。この結果、同一領域から異なる形状の画像を表示することが可能な有機電界発光素子1の構造が単純化され、これにより有機電界発光素子1の薄型化および低コスト化を図ることが可能になる。
≪有機電界発光素子の製造方法≫
図4は、実施形態の有機電界発光素子の製造方法を示す断面工程図である。この図に示す製造方法は、図1〜図3を用いて説明した有機電界発光素子1の製造方法である。以下、図4に基づいて有機電界発光素子の製造方法を説明する。尚、図1〜図3を用いて説明した有機電界発光素子1の構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
<積層工程>
先ず図4Aに示すように、透明基板10上に、透明電極11、全領域が発光領域13aである第1発光機能層13’、中間電極15、全領域が発光領域17aである第2発光機能層17’、および反射電極19をこの順に成膜する。また、透明電極11および中間電極15の成膜の前には、必要に応じて下地層の成膜を行う。
これらの各部材の成膜に際しては、各部材に適する成膜方法をそれぞれ適用すればよい。成膜方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を例示することができる。
各部材の成膜に際しては、必要に応じてマスクを用いた成膜を実施することにより、各部材を所定形状にパターニングされたものとすることができる。また各部材は、それぞれを成膜した後に、成膜された各層を所定形状にパターニングするようにしても良い。また透明電極11および中間電極15の成膜の前後には、必要に応じて補助電極のパターン形成を行っても良い。
また以上の積層工程は、1回の真空引きで一貫して透明電極11〜反射電極19までを成膜する手順で実施されることが好ましい。
<封止工程>
次に、ここでの図示は省略したが、反射電極19側からの封止を行う。ここでは、透明電極11、中間電極15、および反射電極19の端子部分を露出させた状態で、透明基板10との間に透明電極11〜反射電極19の積層体を覆うように封止材を設け、また必要に応じて封止材を介した保護部材を貼り合わせる。
<第1発光機能層13のパターニング工程>
その後、図4Bに示すように、透明基板10側からの第1加工光L1の照射により、第1発光機能層13’を構成する少なくとも1層を部分的に変質させ、この変質させた領域を非発光領域13bとするパターニング工程を行う。
ここで用いる第1加工光L1は、図3に示したように、第1発光機能層13’の光透過率[T]が上限値[Tmax]に達する第1波長[λ1]よりも短波長側の波長λ(L1)の光である。この第1加工光L1は、第1発光機能層13’を構成する何れかの層において吸収されてこの層を変質させる。
このような第1加工光L1は、第1発光機能層13’における発光層での吸収が効率的に行われるように、より低波長のものであることが好ましい。例えば、第1発光機能層13’において、青〜緑色発光(発光ピーク500nm以下)の発光層を変質させる場合、第1加工光L1として波長300nm〜500nm程度の紫外〜青色光の光が用いられる。また第1加工光L1は、さらに短波長側の光を含有していてもよい。
またここでは、第1発光機能層13’に発光領域13aを設定し、この発光領域13aを反転させた領域に対して、選択的に第1加工光L1を照射する。この際、図示したように、発光領域13aを覆う遮光マスク31を介して第1加工光L1を一括照射するか、または照射領域内を塗りつぶすようにスポット形状の第1加工光L1を描画照射する。
第1加工光L1の照射条件としては、発光層における第1加工光L1の照射部分が十分に変質して非発光領域13bとなるのに十分な照射量で行われることとする。具体的な一例としては、非発光領域13bの輝度と発光領域13aの輝度とが、少なくとも1:10以上の差、好ましくは1:50以上の差となるようる照射量で行われる。またこのような第1加工光L1の照射は、第1加工光L1の照射によって透明基板10が変色しない範囲で行われる。
以上により、第1発光機能層13’を構成する少なくとも1層を部分的に変質させた非発光領域13bと、その他の発光領域13aとで構成された第1発光機能層13を形成する。
<第2発光機能層17のパターニング工程>
次いで、図4Cに示すように、透明基板10側からの第2加工光L2の照射により、第2発光機能層17’を構成する少なくとも1層を部分的に変質させ、この変質させた領域を非発光領域17bとするパターニング工程を行う。
ここで用いる第2加工光L2は、図3に示したように、第1発光機能層13の光透過率[T]が上限値[Tmax]に達する第1波長[λ1]以上で、第2発光機能層17’の光透過率[T]が上限値[Tmax]に達する第2波長[λ2]よりも短波長側の波長λ(L2)の光である。この第2加工光L2は、第2発光機能層17’を構成する何れかの層において吸収されてこの層を変質させる。
このような第2加工光L2は、第2発光機能層17’における発光層での吸収が効率的に行われるように、より低波長のものであることが好ましい。例えば、第2発光機能層17’において、緑〜赤色発光(発光ピーク540nm〜640nm)の発光層を変質させる場合、第2加工光L2として波長500nm〜650nm程度の緑色光〜赤色光の光が用いられる。
またここでは、第2発光機能層17’に発光領域17aを設定し、この発光領域17aを反転させた領域に対して、選択的に第2加工光L2を照射する。この際、図示したように、発光領域17aを覆う遮光マスク35を介して第2加工光L2を一括照射するか、または照射領域内を塗りつぶすようにスポット形状の第2加工光L2を描画照射する。遮光マスク35を用いた照射を行う場合、この遮光マスク35は、第2加工光L2よりも短波長側の光をカットするためのバンドパスフィルタ35aと、これに積層された遮光パターン35bとで構成されている。
第2加工光L2の照射条件は、第1発光機能層13のパターニング工程と同様である。
以上により、第2発光機能層17’を構成する少なくとも1層を部分的に変質させた非発光領域17bと、その他の発光領域17aとで構成された第2発光機能層17を形成する。
尚、第2発光機能層17のパターニング工程は、第1発光機能層13のパターニング工程の前に行ってもよい。
<パターニング工程に用いられる光源>
以上に説明したパターニング工程で用いられる第1加工光L1および第2加工光L2の光源としては、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、水素(重水素)ランプ、希ガス(キセノン、アルゴン、ヘリウム、ネオンなど)放電ランプ、アルゴンレーザー、窒素レーザー、エキシマレーザー(XeCl,XeF,KrF,KrClなど)、水素レーザー、ハロゲンレーザー、各種可視(LD)、赤外レーザーの高調波(YAGレーザーのTHG(Third HarmonicGeneration)光など)等が挙げられる。
また、気体レーザ光源として、例えばCOレーザ(10.6μm、9.4μm)、エキシマレーザ(XeCl308nm、KrF248nm、ArF193nm)が例示される。さらに固体レーザ光源として、YAGレーザ(1064nm、SHG532nm、THG355nm、FHG266nm)、YVO4レーザ(1064nm、SHG532nm、THG355nm、FHG266nm)、YLFレーザ(1064nm、SHG532nm、THG355nm、FHG266nm)、ファイバーレーザ(1070nm、SHG532nm)が例示される。
各パターニング工程においては、これらの光源の中から、第1加工光L1および第2加工光L2として適切な波長のレーザ光を発生する光源を選択して用いることとする。
<有機電界発光素子の製造方法の効果>
以上説明した製造方法は、光学特性の異なる第1発光機能層13と第2発光機能層17とを、光透過性を有する中間電極15を介して所定順に積層することにより、その後、特定波長の第1加工光L1および第2加工光L2を一方向から照射することによって、第1発光機能層13と第2発光機能層17とを個別にパターニングして発光領域13a,17aを形成することを可能とした手順である。
したがって、同一領域から異なる形状の画像を表示することを可能とした有機電界発光素子の製造において、連続した工程で透明基板10上に、透明電極11〜反射電極19までの全ての層を成膜することができるため、製造工程を単純化することができる。また、第1加工光L1および第2加工光L2の照射は、透明基板10側からのみであることからも、製造工程の単純化が図られている。これにより、製造コストの削減を図ることが可能になる。
≪照明装置≫
以上のようにして得られる実施形態の有機電界発光素子1は、面状の照明装置として利用することができる。
また照明装置は、複数の有機電界発光素子1を用いることにより、発光面を大面積化することもできる。この場合、複数の有機電界発光素子1を支持基板上に配列する(すなわち、タイリングする)ことによって発光面を大面積化する。支持基板は、封止材を兼ねるものであってもよく、この支持基板と有機電界発光素子1の透明基板10との間に、透明電極11〜反射電極19の積層体を挟持する状態で、有機電界発光素子1をタイリングする。支持基板と透明基板10との間には接着剤を充填し、これによって有機電界発光素子1の透明電極11〜反射電極19を封止してもよい。なお、支持基板の周囲には、透明電極11、中間電極15、および反射電極19の端子を露出させておく。
このような構成の照明装置では、複数の有機電界発光素子1に形成した発光領域13a,17aをつなぎ合わせた大面積の発光領域をパターン表示することができる。尚、このような構成においては、各有機電界発光素子1の繋ぎ目に非発光領域が発生する。このため、特に有機電界発光素子1間において発光領域13a,17aの繋ぎ目となる部分に、非発光領域からの光取出し量を増加させるための光取出し部材を、光取出し面の非発光領域に設けてもよい。光取出し部材としては、集光シートや光拡散シートを用いることができる。
以下、図4を参照した実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。
≪有機電界発光素子の作製≫
以下のようにして、5cm×5cmの素子面積を有する有機電界発光素子を作製した。
(1)透明電極11の形成
先ず透明基板10として、厚さ0.7mmのガラス基板を準備した。この透明基板10をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。そして、この透明基板10上に、Ag(銀)を20nmの厚さでマスク蒸着して、陽極となる透明電極11を形成した。
(2)第1発光機能層13’の形成
次に、透明電極11を形成した透明基板10を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定した。そして、第1発光機能層13’を構成する各層の材料を、真空蒸着装置内の各蒸着用るつぼに素子作製に最適な量を充填した。各蒸着用るつぼとして、モリブデン製又はタングステン製の抵抗加熱用材料で作製された蒸着用るつぼを用いた。
(2.1)正孔注入層の形成
真空度1×10−4Paまで減圧した後、下記化合物(HAT−CN: ヘキサアザトリフェニレンヘキサカルボニトリル)の入った蒸着用るつぼに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で透明電極上に蒸着し、層厚5nmの正孔注入層を形成した。
(2.2)正孔輸送層の形成
次に、下記化合物1−A(ガラス転移点(Tg)=140℃)を層厚65nmになるように蒸着し、正孔輸送層を形成した。
Figure 2017033849
(2.3)電子阻止層の形成
次に、下記化合物1−Bを、層厚20nmになるように蒸着し、電子阻止層を形成した。
Figure 2017033849
化合物1−Bは、後述する発光層を構成する化合物2−A及び化合物2−Bよりも、LUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)が浅く、かつ、最低励起3重項エネルギー(T1)が高い材料である。つまり、LUMOのエネルギー準位において、LUMO(1−B)>LUMO(ホスト化合物)、及び、LUMO(1−B)>LUMO(発光ドーパント)の関係となる。また、T1において、T1(1−B)>T1(ホスト化合物)、及び、T1(1−B)>T1(発光ドーパント)の関係となる。このような関係を満たす上記化合物1−Bを、発光層と接する層に用いることにより、正孔輸送層に電子及び3重項エネルギー阻止層が形成された構成とした。
(2.4)発光層の形成
次に、ホスト化合物として下記化合物2−A(Tg=189℃)が98vol%、青色蛍光発光ドーパントとして下記化合物2−Bが2vol%となるように蒸着し、青色を呈する層厚15nmの蛍光発光層を形成した。
Figure 2017033849
(2.5)電子輸送層の形成
次に、下記化合物3が86vol%、LiFが14vol%となるように発光層上に蒸着し、層厚20nmの層を形成した。さらに、化合物3が98vol%、Liが2vol%となるように蒸着し、層厚10nmの層を形成した。これにより、化合物3及びLiFと、化合物3及びLiとの2層からなる電子注入層を兼ねた電子輸送層を形成し、正孔注入層〜電子輸送層までの積層構造の第1発光機能層13’を形成した。

Figure 2017033849
(3)中間電極15の形成
次に、第1発光機能層13’上に、Agを厚さ2nmで成膜し、中間電極15を形成した。
(4)第2発光機能層17’の形成
発光層以外は、第1発光機能層13’と同様の材料を用いた同様の手順で、膜厚をそれぞれに設定して第2発光機能層17’を形成した。
(4.1)正孔注入層の形成
HAT−CNを層厚10nmになるように蒸着し、正孔注入層を形成した。
(4.2)正孔輸送層の形成
次に、化合物1−Aを層厚80nmになるように蒸着し、正孔輸送層を形成した。
(4.3)電子阻止層の形成
次に、化合物1−Bを層厚10nmになるように蒸着し、電子阻止層を形成した。
(4.4)発光層の形成
次に、ホスト化合物として下記化合物4−A(Tg=143℃)が85vol%、黄色リン光発光ドーパントとして下記化合物4−B(Ir(bzq)3)が15vol%となるように蒸着し、黄色を呈する層厚10nmのリン光発光層を形成した。
Figure 2017033849
(4.5)電子輸送性層の形成
第1発光機能層と同様の電子輸送層を形成し、正孔注入層〜電子輸送層までの積層構造の第2発光機能層17’を形成した。
(5)反射電極の形成
次に、アルミニウム150nmを蒸着して、陰極となる反射電極19を形成した。
(6)封止および電源の接続
次に、透明電極11〜反射電極19までの積層体を反射電極19側からガラスケースで覆い、ガラスケースの周辺部にエポキシ系光硬化型接着剤(東亞合成社製ラクストラックLC0629B)によるシール剤を設けた。このシール剤を介してガラスケースと透明基板10とを密着させた。その後、ガラスケース側からUV光を照射してシール剤を硬化させることで、透明電極11〜反射電極19までの積層体を封止した。ただし、透明電極11、中間電極15、および反射電極19の端子は、ガラスケースから外側に引き出された状態とし、これらの電極に電源を接続させた。
尚、ガラスケースでの封止作業は、透明電極11〜反射電極19までの積層体を大気に接触させることなく窒素雰囲気下のグローブボックス(純度99.999%以上の高純度窒素ガスの雰囲気下)で行った。
(7)パターニング−1
次に、赤色成分を分解したパターンを有するネガマスクを遮光マスク31として、透明基板10側に減圧密着させた。次いで、UVテスター(岩崎電気株式会社製、SUV−W151:100mW/cm2)を用いて、波長385nmの紫外線を第1加工光L1とし、遮光マスク31側から3時間照射した。これにより、第1発光機能層13’の発光層を変質させた非発光領域13bをパターン形成し、発光領域13aと非発光領域13bとを有する第1発光機能層13を形成した。
(8)パターニング−2
次に、紫外線成分の吸収するバンドパスフィルタ35aと赤色成分を分解したパターンを有するネガマスクの遮光パターン35bとからなる遮光マスク35を、透明基板10側に減圧密着させた。次いで、アルゴンイオンレーザー(昭和オプトロニクス株式会社:100mW/cm2)を用いて、波長514.5nmの光を第2加工光L2とし、遮光マスク35側から5時間照射した。これにより、第2発光機能層17’の発光層を変質させた非発光領域17bをパターン形成し、発光領域17aと非発光領域17bとを有する第2発光機能層17を形成した。
以上により、有機電界発光素子を作製した。
≪評価≫
作製した有機電界発光素子について、室温(25℃)において電流密度が5mA/cm2となる条件下で、第1発光機能層13および第2発光機能層17を別々に発光させた。それぞれ発光時においての発光領域13a,17aの輝度と非発光領域13b,17bの輝度を、分光放射輝度計CS−2000(コニカミノルタセンシング社製)を用いて測定した。
測定の結果、第1発光機能層13および第2発光機能層17とも、発光領域13a,17aの輝度に対する非発光領域13b、17bの輝度が1:50以上であり、発光領域13a,17aのパターンを良好に確認することができた。
1…有機電界発光素子
11…透明電極
13、13’…第1発光機能層
13a…発光領域
13b…非発光領域
[λ1]…第1波長(光透過率が上限値に達する波長)
h1…第1発光光
L1…第1加工光
15…点中間電極
17、17’…第2発光機能層
17a…発光領域
17b…非発光領域
[λ2]…第2波長(光透過率が上限値に達する波長)
h2…第2発光光
L2…第2加工光
19…反射電極

Claims (6)

  1. 透明電極と、
    反射電極と、
    有機材料を用いて構成された発光層を有し、前記透明電極と前記反射電極との間に重ねて配置された複数の発光機能層と、
    前記発光機能層と発光機能層との間に挟持された光透過性を有する中間電極とを備え、
    前記複数の発光機能層のそれぞれは、パターニングされた発光領域と非発光領域とを有し、
    前記複数の発光機能層のうち、前記透明電極側に位置する第1発光機能層は、前記反射電極側に位置する第2発光機能層よりも、光透過率が上限値に達する波長が短波長側である
    有機電界発光素子。
  2. 前記非発光領域は、前記各発光領域における前記発光層にパターン形成された
    請求項1記載の有機電界発光素子。
  3. 前記第1発光機能層の発光波長は、前記第2発光機能層の発光波長よりも短い
    請求項2記載の有機電界発光素子。
  4. 前記第1発光機能層の発光領域と、前記第2発光機能層の発光領域とは、異なる平面形状にパターニングされている
    請求項1〜3の何れかに記載の有機電界発光素子。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の有機電界発光素子を有する照明装置。
  6. 透明基板上に、透明電極、第1発光機能層、光透過性を有する中間電極、前記第1発光機能層よりも光透過率が上限値に達する波長が長波長側である第2発光機能層、および反射電極をこの順に成膜する工程と、
    前記第1発光機能層の光透過率が上限値に達する波長よりも短波長側の第1加工光を、前記透明基板側から照射することにより、当該第1発光機能層を部分的に変質させた非発光領域を当該第1発光機能層にパターン形成する工程と、
    前記第1発光機能層の光透過率が上限値に達する波長以上で、かつ前記第2発光機能層の光透過率が上限値に達する波長よりも短波長側の第2加工光を、前記透明基板側から照射することにより、当該第2発光機能層を部分的に変質させた非発光領域を当該第2発光機能層にパターン形成する工程とを備えた
    有機電界発光素子の製造方法。
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