JP2016194306A - 蒸気タービンの静止体及びこれを備えた蒸気タービン - Google Patents

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Abstract

【課題】混合損失の低減効果を高めることができる蒸気タービンの静止体及びこれを備えた蒸気タービンを提供する。
【解決手段】内周面8aが、蒸気が流通する主流路7を構成する蒸気タービンのダイヤフラム外輪1であって、動翼5の外周側に設けられたシュラウド6を収納する環状の溝部12と、溝部12の下流側側面からシュラウド6の下流側端面に向かって突出するように設けられ、シュラウド6の外周面より半径方向内側に位置する外周面を有する突起部16と、溝部12の内周面及び下流側側面と突起部16の外周面で区画された空間に、周方向に所定の間隔で配列された複数の遮蔽板18と、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、蒸気タービンの静止体及びこれを備えた蒸気タービンに関する。
近年、発電プラントの発電効率向上のため、タービン性能の更なる向上が強く求められている。タービン性能には、タービンの段落損失、排気損失、機械損失などが関わるものの、それらのうち段落損失を低減することが最も効果的と考えられている。
段落損失には、様々なものが含まれるが、大きく分けて、
(1)翼形状そのものに起因する翼型損失、
(2)主流に沿わない流れに起因する二次流れ損失、
(3)作動流体(蒸気やガスなど)が主流路以外へ漏洩することによって発生する漏れ損失、などがある。
上記漏れ損失は、
(a)作動流体の一部(漏れ流体)が主流路以外の隙間流路(バイパス流路)を流れて、漏れ流体の持つエネルギーが有効利用されないことで生ずるバイパス損失、
(b)隙間流路から主流路に漏れ流体が流入する際に生ずる混合損失、
(c)主流路に流入した漏れ流体が下流側の翼列に干渉して生ずる干渉損失、などからなる。
そして、近年、上記バイパス損失だけでなく、上記混合損失や上記干渉損失を低減することも、重要な課題となっている。すなわち、単に主流路から隙間流路への漏れ流体の流量(漏れ量)を減らすだけではなく、隙間流路から主流路に漏れ流体を如何に損失なく戻すかも、重要な課題となっている。
そこで、このような課題を解決するために、隙間流路の下流側に複数の案内板を設け、これら案内板によって漏れ流体の流れ方向を主流方向に合わせるように転向することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−106474号公報
しかしながら、上記従来技術には以下のような改善の余地があった。すなわち、特許文献1に記載の従来技術では、漏れ流体の流れ方向を転向するために、漏れ流体を案内板の間に通過させるだけである。そのため、案内板の数を増やして案内板の間隔を狭めなければ、漏れ流体の流れ方向を転向する効果が十分に引き出せず、混合損失の低減効果が十分に得られない可能性がある。かといって、案内板の数を増やして案内板の間隔を狭めると、接触面積が増大して摩擦損失が増加し、混合損失の低減効果を打ち消す可能性がある。
本発明の目的は、混合損失の低減効果を高めることができる蒸気タービンの静止体及びこれを備えた蒸気タービンを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、内周面が、蒸気が流通する主流路を構成する蒸気タービンの静止体であって、動翼の外周側に設けられたシュラウドを収納する環状の溝部と、前記溝部の下流側側面から前記シュラウドの下流側端面に向かって突出するように設けられ、前記シュラウドの外周面より半径方向内側に位置する外周面を有する突起部と、前記溝部の内周面及び下流側側面と前記突起部の外周面で区画された空間に、周方向に所定の間隔で配列された複数の遮蔽板と、を有する。
本発明によれば、混合損失の低減効果を高めることができる。
本発明の第1の実施形態における蒸気タービンの部分構造を模式的に表すロータ軸方向の断面図である。 図1中II部の部分拡大断面図であり、本発明の第1の実施形態における隙間流路の詳細構造を表す。 図1中断面III−IIIにおけるロータ周方向の断面図であり、主流路内の流れを示す。 図1中断面IV−IVにおけるロータ周方向の断面図であり、主流炉内の流れとともに隙間流路内の流れを示す。 本発明の第1の実施形態及び従来技術における動翼流出角の分布をそれぞれ表す図である。 本発明の第1の実施形態及び従来技術における動翼損失係数の分布をそれぞれ表す図である。 本発明の一変形例における隙間流路の詳細構造を表す部分拡大断面図である。 本発明の他の変形例における隙間流路の詳細構造を表す部分拡大断面図である。 本発明の第2の実施形態における隙間流路の詳細構造を表す部分拡大断面図である。
以下、本発明を蒸気タービンに適用した場合の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態における蒸気タービンの部分構造(段落構造)を模式的に表すロータ軸方向の断面図である。図2は、図1中II部の部分拡大断面図であり、隙間流路の詳細構造を表す。図3は、図1中断面III−IIIにおけるロータ周方向の断面図であり、主流路内の流れを示す。図4は、図1中断面IV−IVにおけるロータ周方向の断面図であり、隙間流路内の流れを主流路内の流れとともに示す。
これら図1〜図4において、蒸気タービンは、ケーシング(図示せず)の内周側に設けられた環状のダイヤフラム外輪1(静止体)と、このダイヤフラム外輪1の内周側に設けられた複数の静翼2と、これら静翼2の内周側に設けられた環状のダイヤフラム内輪3とを備えている。なお、複数の静翼2は、ダイヤフラム外輪1とダイヤフラム内輪3との間に、周方向に所定の間隔で配列されている。
また、蒸気タービンは、回転軸Oを中心として回転するロータ4(回転体)と、このロータ4の外周側に設けられた複数の動翼5と、これら動翼5の外周側(言い換えれば、翼先端側)に設けられた環状のシュラウド6とを備えている。複数の動翼5は、ロータ4とシュラウド6との間に、周方向に所定の間隔で配列されている。
蒸気(作動流体)の主流路7は、ダイヤフラム外輪1の内周面8aとダイヤフラム内輪3の外周面9との間に形成された流路や、シュラウド6の内周面10(及びダイヤフラム外輪1の内周面8b)とロータ4の外周面11との間に形成された流路等で構成されている。主流路7には、複数の静翼2(言い換えれば、1つの静翼列)が配置されるとともに、それらの下流側(図中右側)に複数の動翼5(言い換えれば、1つの動翼列)が配置されており、これら静翼2と動翼5の組合せが1つの段落を構成している。なお、図1では、便宜上、1段しか示されていないが、一般的には、蒸気の内部エネルギーを効率よく回収するために、ロータ軸方向に複数段設けられている。
主流路7内の蒸気(主流蒸気)は、図1中白抜き矢印で示すように流れている。そして、静翼2にて蒸気の内部エネルギー(言い換えれば、圧力エネルギー等)が運動エネルギー(言い換えれば、速度エネルギー)に変換され、動翼5にて蒸気の運動エネルギーがロータ4の回転エネルギーに変換される。また、ロータ4の端部には発電機(図示せず)が接続されており、この発電機によってロータ4の回転エネルギーが電気エネルギーに変換されるようになっている。
主流路7内の蒸気の流れ(主流)について、詳しく説明する。蒸気は、静翼2の前縁側(図3中左側)から絶対速度ベクトルC1(詳細には、周方向速度成分をほぼ持たない軸方向の流れ)で流入する。そして、静翼2の翼間を通過する際に増速、転向されて絶対速度ベクトルC2(詳細には、大きな周方向速度成分を持つ流れ)となり、静翼2の後縁側(図3中右側)から流出する。静翼2から流出した蒸気の大部分は、動翼5に衝突してロータ4を速度Uで回転させる。このとき、蒸気は、動翼5を通過する際に減速、転向されて、相対速度ベクトルW2から相対速度ベクトルW3となる。したがって、動翼5から流出する蒸気は、絶対速度ベクトルC3(詳細には、絶対速度ベクトルC1とほぼ同じであって、周方向速度成分をほぼ持たない軸方向の流れ)となる。
ところで、ダイヤフラム外輪1の内周面には、シュラウド6を収納する環状の溝部12が形成されており、この溝部12とシュラウド6の間に隙間流路(バイパス流路)13が形成されている。そして、主流路7の静翼2の下流側(言い換えれば、動翼5の上流側)から隙間流路13に蒸気の一部(漏れ蒸気)が流入し、漏れ蒸気が隙間流路13を経由して主流路7の動翼5の下流側に流出する(漏れ流れ)。そのため、漏れ蒸気の内部エネルギーが有効利用されず、バイパス損失が発生する。このバイパス損失を低減するため、すなわち、主流路7から隙間流路13への漏れ蒸気の流量(漏れ量)を減らすため、隙間流路13にはラビリンスシールが設けられている。
本実施形態のラビリンスシールでは、溝部12の内周面に環状のシールフィン14A〜14Dが設けられており、これらシールフィン14A〜14Dは、ロータ軸方向に所定の間隔で配置されている。シールフィン14A〜14Dの先端部(内周側縁部)は、それらの断面が鋭角な楔形状となっている。シュラウド6の外周側には、第1段のシールフィン14Aと第4段のシールフィン14Dとの間に位置するように、環状の段差部(***部)15が形成されている。
各シールフィンの先端とこれに対向するシュラウド6の外周面との間隙寸法Dは、静止体側と回転体側の接触を防止しつつ漏れ蒸気の流量が極力小さくなるように設定されている。また、段差部15の段差寸法Dは、例えば前述した間隙寸法Dの2〜3倍程度に設定されている。そのため、シールフィン14A,14Dは、シールフィン14B,14Cより、前述した段差寸法Dのぶんだけ長くなっている。
主流路7の静翼2の下流側における主流蒸気は、上述したように大きな周方向速度成分を持つ流れ(絶対速度ベクトルC2)となっており、隙間流路13に流入する漏れ蒸気も、大きな周方向速度成分を持つ流れとなっている。そして、隙間流路13に流入した漏れ蒸気は、第1段のシールフィン14Aの先端とシュラウド6の外周面との間隙(絞り)、第2段のシールフィン14Bの先端とシュラウド6の外周面との間隙(絞り)、第3段のシールフィン14Cの先端とシュラウド6の外周面との間隙(絞り)、及び第4段のシールフィン14Dの先端とシュラウド6の外周面との間隙(絞り)を順次通過する。このとき、絞り損失により、漏れ蒸気の全圧が低下する。また、漏れ蒸気の軸方向速度が増加するものの、周方向速度がほぼ変動しない。すなわち、最終段のシールフィン14Dの先端とシュラウド6外周面との間隙を通過した漏れ蒸気は、依然として、大きな周方向速度成分を持つ流れとなっている。
一方、主流路7にて動翼5を通過した主流蒸気は、上述したように周方向速度成分をほぼ持たない流れ(絶対速度ベクトルC3)となっている。そのため、仮に、最終段のシールフィン14Dの先端とシュラウド6外周面との間隙を通過した漏れ蒸気が、大きな周方向速度成分を持つ流れのまま、主流路7の動翼5の下流側に流出すると、混合損失が大きくなる。
そこで、本実施形態の最も大きな特徴として、ダイヤフラム外輪1の溝部12の下流側側面には、シュラウド6の下流側端面に向けて突出する環状の突起部16が設けられている。これにより、隙間流路13の下流側に循環流生成室17を形成するようになっている。この循環流生成室17は、最終段のシールフィン14Dより下流側に位置する溝部12の内周面の一部分と溝部12の下流側側面と第1突起部16の外周面(径方向外側の面)で区画されたものである。そして、最終段のシールフィン14Dの先端とシュラウド6の外周面との間隙を通過した漏れ蒸気の一部が循環流生成室17に流入し、溝部12の下流側側面等に衝突して、循環流A1を生成するようになっている。
さらに、溝部12の下流側側面には(言い換えれば、循環流生成室17内には)、周方向に所定の間隔で配列された複数の遮蔽板18が固定されている。遮蔽板18は、ロータ軸方向及びロータ半径方向に延在するものであり、本実施形態では、ロータ4の回転の接線方向に対して垂直となるように配置された平板である。そして、循環流生成室17に流入した漏れ蒸気(言い換えれば、循環流A1)が遮蔽板18に衝突することにより、循環流A1の周方向速度成分を抑えるようになっている(図4参照)。このように生成された循環流A1の干渉により、隙間流路13から主流路7の動翼5の下流側に流出する漏れ蒸気の流れB1に対して、周方向速度成分を効果的に除去することができる(図4参照)。言い換えれば、例えば特許文献1に記載のように案内板の間に漏れ蒸気を通過させる場合と比べ、漏れ蒸気の周方向速度の大小にかかわらず、周方向速度成分を効果的に除去することができる。
なお、突起部16の先端は、最終段のシールフィン14Dが対向するシュラウド6の外周面より、ロータ半径方向内側に位置している。これにより、最終段のシールフィン14Dの先端とシュラウド6の外周面との間隙を通過した漏れ蒸気が循環流生成室17に流入しやすくなっている。
また、突起部16は、隙間流路13から主流路7の動翼5の下流側に流出する漏れ蒸気の流れB1に対して、径方向速度成分を抑える役割も果たしている。特に、突起部16の内周面は、ロータ軸方向の上流側(図2中左側)から下流側(図2中右側)に向かってロータ半径方向の外側(図2中上側)から内側(図2中下側)に傾斜しているので、漏れ蒸気をロータ軸方向に向けるようになっている。また、突起部16は、主流路7から隙間流路13に蒸気が逆流するのを防止する役割も果たしている。
次に、本実施形態の効果を、図5及び図6を用いながら説明する。
図5は、本実施形態における動翼流出角の分布(図中実線)及び従来技術における動翼流出角の分布(図中点線)を表す図であり、縦軸が、主流路7における翼高さ方向の位置を示し、横軸が、動翼5の流出角(言い換えれば、動翼5の下流側における蒸気の絶対流れ角)を示している。なお、動翼5の流出角は、ロータ軸方向を基準(ゼロ)とし、軸方向速度に対し周方向速度が大きくなるにつれて、流出角の絶対値が90度に近づくようになっている。図6は、本実施形態における動翼損失係数の分布(図中実線)及び従来技術における動翼損失係数の分布(図中点線)を表す図であり、縦軸が、主流路7における翼高さ方向の位置を示し、横軸が、動翼5の損失係数を示している。
上述したように、主流路7の静翼2の下流側(言い換えれば、動翼5の上流側)から隙間流路13に漏れ蒸気が流入し、漏れ蒸気が隙間流路13を経由して主流路7の動翼の下流側に流出している。このとき、主流路7の静翼2の下流側から隙間流路13に流入する漏れ蒸気は、大きな周方向速度成分を持つ流れであり、最終段のシールフィン14Dの先端とシュラウド6外周面との間隙を通過した漏れ蒸気も、大きな周方向速度成分を持つ流れとなっている。
そして、上述した突起部16や遮蔽板18を設けないような従来技術では、隙間流路13から主流路7に流出する漏れ蒸気は、大きな周方向速度成分を持つ流れとなる。一方、主流路7にて動翼5を通過した主流蒸気は、上述したように周方向速度成分をほぼ持たない流れとなっている。そのため、図5で示すように、翼先端付近以外の領域にて流れ角がほぼゼロであるものの、翼先端付近の領域にて流れ角が−90度に近づいている。また、従来技術では、突起部16が存在しないから、隙間流路13から主流路7に流出する漏れ蒸気の径方向速度が比較的大きい。そのため、図5で示すように、漏れ蒸気の影響を受ける翼高さ方向の範囲も比較的大きい。その結果、図6で示すように、混合損失が大きくなる。
これに対し、本実施形態では、隙間流路13の下流側に周方向速度成分を抑えた循環流を生成し、この循環流の干渉により、隙間流路13から主流路7の動翼5の下流側に流出する漏れ蒸気の流れに対して、周方向速度成分を効果的に除去することができる。すなわち、隙間流路13から主流路7に流出する漏れ蒸気は、周方向速度成分をほぼ持たない流れとなる。そのため、図5で示すように、翼先端付近の領域でも、流れ角がほぼゼロである。また、本実施形態では、突出部16の存在により、隙間流路13から主流路7に流出する漏れ蒸気の径方向速度を低減することができる。そのため、図5で示すように、漏れ蒸気の影響を受ける翼高さ方向の範囲も比較的小さい。その結果、図6で示すように、混合損失を低減することができ、段効率を向上させることができる。
なお、本実施形態の効果は、動翼列と静翼列の組合せである段落が単数である場合よりも複数である場合のほうが大きい。従来技術では、上述したように、翼先端付近の領域の流れ角が他の領域の流れ角と異なり、翼高さ方向で捻れた流れとなっている。そして、静翼の入口翼角は翼高さ方向で大きく変わらないため、前述した流れが下流側の静翼に流入すると、端面境界層の発達や二次流れの成長を助成して、干渉損失が生じる。これに対し、本実施形態では、上述したように、翼先端付近の領域の流れ角が他の領域の流れ角とほぼ同じであり、翼高さ方向で均一な流れとなっている。そして、前述した流れが静翼に流入しても、静翼のインシデンスが大きくずれることはなく、干渉損失の発生を抑えることができる。すなわち、下流側の静翼の二次流れ損失の増加を抑えることができ、下流側の段効率を向上させることができる。
なお、上記第1の実施形態においては、図4で示したように、遮蔽板18の周方向間隔(角度換算)が動翼5の周方向間隔(角度換算)とほぼ同じである場合(言い換えれば、遮蔽板18の数が動翼5の数と同じである場合)を例にとったが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で変形が可能である。すなわち、主流路7の静翼2の下流側から隙間流路13に流入する漏れ蒸気の周方向速度によっては、遮蔽板18の数を動翼5の数より減らしても、上記第1の実施形態と同様の効果を発揮しうる。このような場合には、遮蔽板18の数を動翼5の数より減らしてもよい。
また、上記第1の実施形態においては、主流路7の動翼5の下流側(言い換えれば、静翼2の上流側)における主流蒸気の周方向速度がほぼゼロであることから、遮蔽板18は、ロータ4の回転の接線方向に対して垂直となるように配置された場合を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で変形が可能である。すなわち、主流路7の動翼5の下流側における蒸気の周方向速度によっては、遮蔽板18を、ロータ周方向に若干傾斜させてもよい。このような場合も、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記第1の実施形態においては、図2で示したように、シュラウド6の下流側端面に突起部を設けない場合を例にとって説明したが、これに限られず、シュラウド6の下流側端面に突起部を設けてもよい。具体的には、例えば図7で示す一変形例のように、シュラウド6Aの下流側端面に、突起部16よりロータ半径方向内側(図中下側)に位置する内側突起部19を設けてもよい。この内側突起部19の外周面は、突起部16の内周面に対向しており、ロータ軸方向の上流側(図中左側)から下流側(図中右側)に向かってロータ半径方向の外側(図中上側)から内側(図中下側)に傾斜している。すなわち、突起部16の内周面と内側突起部19の外周面との間には、漏れ蒸気の案内流路が形成されている。これにより、図中矢印B2で示すように、隙間流路13から主流路7に流出する漏れ蒸気の流れ方向を、よりロータ軸方向に向けることができる。したがって、混合損失や干渉損失の低減効果をさらに高めることができ、段効率の向上を図ることができる。また、蒸気の逆流防止効果も高めることができる。
あるいは、例えば図8で示す他の変形例のように、シュラウド6Bの下流側端面に、突起部16よりロータ半径方向外側(図中上側)に位置する外側突起部20を設けてもよい。この外側突起部20の外周面は、ロータ軸方向の上流側(図中左側)から下流側(図中右側)に向かってロータ半径方向の内側(図中下側)から外側(図中上側)に傾斜している。これにより、図中矢印B3で示すように、最終段のシールフィン14Dの先端とシュラウド6Bの外周面との間隙を通過した漏れ蒸気がロータ半径方向外側に転向して、循環流生成室17に流入しやすくなる。そのため、循環流A1を高めることができ、循環流A1の干渉による周方向速度成分の除去効果を高めることができる。したがって、混合損失や干渉損失の低減効果をさらに高めることができ、段効率の向上を図ることができる。
また、上記第1の実施形態及び変形例においては、4段のシールフィン14A〜14Dと1つの段差部15を有するラビリンスシールを例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で変形可能である。すなわち、シールフィンの段数は、4つに限られず、2つ、3つ、又は5つ以上でもよい。また、段差部を有しなくともよいし、2つ以上の段差部を有してもよい。これらの場合も上記同様の効果を得ることができる。
また、上記第1の実施形態においては、最終段のシールフィン14Dをダイヤフラム外輪1の溝部12の内周面に設けており、突起部16の先端は、最終段のシールフィン14Dが対向するシュラウド6の外周面より、ロータ半径方向内側に位置するような構造を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で様々な変形が可能である。すなわち、最終段のシールフィンをシュラウド6の外周面に設けてもよい。そして、突起部16の先端の位置は、例えば最終段のシールフィンの先端(外周縁)あるいは根本(内周縁)より、ロータ半径方向内側に位置するような構造としてもよい。このような場合も、上記同様の効果を得ることができる。
本発明の第2の実施形態を図9により説明する。なお、本実施形態において、上記第1の実施形態と同等の部分は同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図9は、本実施形態における隙間流路の詳細構造を表す図である。
本実施形態では、シュラウド6Cの下流側端部には、切欠が形成されている。すなわち、シュラウド6Cは、最終段のシールフィン14Dが対向する外周面21aと、この外周面21aよりロータ半径方向外側(図中上側)に位置して、最終より1つ前の段のシールフィン14Cが対向する外周面21bと、外周面21aと外周面21bとの間で形成された段差側面22とを有している。
各シールフィンの先端とこれに対向するシュラウド6Cの外周面との間隙寸法Dは、上記第1の実施形態と同様、静止体側と回転体側の接触を防止しつつ漏れ蒸気の流量が極力小さくなるように設定されている。また、段差側面22のロータ半径方向寸法D(段差寸法)は、例えば前述した間隙寸法Dの5倍以上(本実施形態では、6〜8倍程度)に設定されている。そのため、シールフィン14Dは、シールフィン14Cより、前述した段差寸法Dのぶんだけ長くなっている。言い換えれば、シールフィン14Dの先端は、外周面21bよりロータ半径方向内側(図中下側)に位置している。
また、シールフィン14Cとシールフィン14の間のロータ軸方向寸法Hは、シールフィン14Aとシールフィン14Bの間のロータ軸方向寸法H又はシールフィン14Bとシールフィン14Cの間のロータ軸方向寸法Hの2倍以上(本実施形態では、2〜3倍程度)に設定されている。また、シールフィン14Cと段差側面22との間のロータ軸方向寸法Hは、前述した寸法H又はHより大きくなっている。
上述した構造により、最終段のシールフィン14Dと最終より1つの前の段のシールフィン14Cとそれらシールフィン14C,14Dの間に位置する溝部12の内周面の一部分とで区画された循環流生成室17Aが形成されている。そして、シールフィン14Cの先端とシュラウド6Cの外周面21bとの間隙を通過した漏れ蒸気が循環流生成室17Aに流入し、シールフィン14D等に衝突して、循環流A2を生成するようになっている。
さらに、溝部12の内周面には、シールフィン14C,14Dの間に位置するように(言い換えれば、循環流生成室17A内に位置するように)、周方向に所定の間隔で配列された複数の遮蔽板18Aが固定されている。遮蔽板18Aは、ロータ軸方向及びロータ半径方向に延在するものであり、本実施形態では、ロータ4の回転の接線方向に対して垂直となるように配置された平板である。そして、循環流生成室17Aに流入した漏れ蒸気(言い換えれば、循環流A2)が遮蔽板18Aに衝突することにより、循環流A2の周方向速度成分を抑えるようになっている。このように生成された循環流A2の干渉により、隙間流路13から主流路7の動翼5の下流側に流出する漏れ蒸気の流れB4に対して、周方向速度成分を効果的に除去することができる。言い換えれば、例えば特許文献1に記載のように案内板の間に漏れ蒸気を通過させる場合と比べ、漏れ蒸気の周方向速度の大小にかかわらず、周方向速度成分を効果的に除去することができる。
なお、本実施形態では、ダイヤフラム外輪1Aの内周面8bは、シールフィン14Dの先端より、ロータ径方向外側に位置している。これにより、隙間流路13から主流路7の動翼5の下流側に流出する漏れ蒸気を、ロータ軸方向に向けるようになっている。また、蒸気タービンの起動時などに、静止体側と回転体側の熱伸び差によって静止体側と回転体側の相対位置関係が軸方向に大きくずれる場合でも、シュラウド6Cの下流側端部とダイヤフラム外輪1が衝突しないようになっている。
以上のような本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様、混合損失等の低減効果を高めることができる。
なお、以上においては、本発明の適用対象として、軸流タービンの一つである蒸気タービンを例にとって説明したが、これに限られず、ガスタービン等に適用してもよい。この場合も、上記同様の効果を得ることができる。
1,1A ダイヤフラム外輪
2 静翼
3 ダイヤフラム内輪
4 ロータ
5 動翼
6,6A,6B,6C シュラウド
7 主流路
12 溝部
13 隙間流路
14A〜14D シールフィン
16 突起部
17,17A 循環流生成室
18,18A 遮蔽板
20 外側突起部
21a,21b 外周面
22 段差側面

Claims (3)

  1. 内周面が、蒸気が流通する主流路を構成する蒸気タービンの静止体であって、
    動翼の外周側に設けられたシュラウドを収納する環状の溝部と、
    前記溝部の下流側側面から前記シュラウドの下流側端面に向かって突出するように設けられ、前記シュラウドの外周面より半径方向内側に位置する外周面を有する突起部と、
    前記溝部の内周面及び下流側側面と前記突起部の外周面で区画された空間に、周方向に所定の間隔で配列された複数の遮蔽板と、を有することを特徴とする蒸気タービンの静止体。
  2. 請求項1記載の蒸気タービンの静止体であって、
    前記遮蔽板は、前記シュラウドと前記溝部の内周面との間に配置されたシールフィンの下流側に設けられたことを特徴とする蒸気タービンの静止体。
  3. 請求項1又は2記載の蒸気タービンの静止体と、
    前記蒸気タービンの静止体の内周側に設けられ、周方向に配列された複数の静翼と、
    回転体の外周側に設けられ、周方向に配列された複数の前記動翼と、
    前記複数の静翼が配置されるとともに、それらの下流側に前記複数の動翼が配置されて、蒸気が流通する前記主流路と、を備えることを特徴とする蒸気タービン。
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