JP2010169047A - 軸流タービン - Google Patents

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Abstract

【課題】タービン翼列部の最終段動翼の下流側に設けられる略環状の流体通路部における主流と最終段動翼の外径側から漏れ出る流れであるチップリークとの流れの方向の不整合による圧力損失が抑制され、効率に優れる軸流タービンを提供すること。
【解決手段】最終段動翼3を有するタービン翼列部4と、前記最終段動翼3の下流側に設けられ、前記最終段動翼3の外径側に一定の間隔を設けて配置される庇部6bの内面よりも内径側に突出する段差部9aを有する略環状の流体通路部9とを有する軸流タービン1において、前記段差部9aに、前記最終段動翼3の主流Mの方向に前記最終段動翼3の外径側から漏れ出る流れSの方向を略一致させるための誘導手段11を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、軸流タービンに係り、特に最終段動翼における主流とその外径側から漏れ出る流れの方向の不整合による摩擦損失が抑制され、効率に優れる軸流タービンに関する。
一般に軸流タービンにおける動翼は、タービン性能および信頼性に対してきわめて重要な影響をもち、ノズルもしくは静翼で速度エネルギーに変換された流体エネルギーを吸収して回転エネルギーに変換する役目を有している。このようなノズルもしくは静翼と動翼とが複数組み合わされて構成される部分は一般にタービン翼列部と呼称されている。例えば、軸流タービンの一種である火力発電所等に用いられる蒸気タービンは一般に蒸気条件によって高圧部、中圧部、低圧部に分類されているが、タービン翼列部はこれらの各部にそれぞれ配置されている。
軸流タービンの効率を向上させることは、エネルギー資源の有効利用、CO排出量の削減のための重要な課題となっている。軸流タービンにおける効率向上は、与えられたエネルギーを有効に機械仕事に変換することであり、このために様々な内部損失の低減が必要となる。軸流タービンの内部損失としては、例えば翼の形状に起因する損失、二次流れ損失、漏洩損失、湿り損失等のタービン翼列部内における損失、タービン翼列部の上流側あるいは下流側に接続する流体通路部における損失等が挙げられる。
流体通路部における損失、特にタービン翼列部の下流側に接続する流体通路部における損失に関し、例えばディフューザケーシングの内周面にスプリッタブレードを配設することにより、排気ディフューザにおける排気主流とティップリーケージジェット流との混合等による性能低下を抑制することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、例えば排気ディフューザの壁面近傍の効率が平均的な効率に比べて著しく低くなることから、排気ディフューザの内周に複数枚の案内翼を設けることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、例えば最終段動翼の先端側後縁に衝撃波による圧力損失が発生することから、最終段動翼の先端側後縁の下流側に半径方向内側に突出する環状の段差部を形成することが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
タービン翼列部における流れ、具体的には最終段動翼における流れは、大きく分けて、回転エネルギーに変換される主流と、最終段動翼の外径側から漏れ出る流れ(以下、チップリークと呼ぶ)とに分けられる。このうちチップリークは回転エネルギーに変換されないため、これを減らすことで内部損失を低減することができる。このようなチップリークを原因とする各種損失については、上記したように様々な提案がなされているが、必ずしも効率的に抑制できていない。また、チップリークを低減するものとして、シュラウドと呼ばれる部品が動翼の外径側に取り付けられているが(例えば、非特許文献1参照)、完全にチップリークを抑制することは困難である。
チップリークは実験的および数値解析により主流の約1〜2%程度であるといわれているが、最終段動翼の外径側に形成される狭い空間を通過するため、最終段動翼の外径側の周速度成分もつ大きなスワール流れ(旋回流れ)となっている。これに対して、定格運転中における最終段動翼の主流はほぼ軸方向となっているため、これらの合流部では方向の異なる流れが混ざり合うことになる。
特に、最終段動翼の下流側に設けられる流体通路部は、速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する機能を有しており、この内面にスワール流れの大きなチップリークが張り付くように流れ込むことで、主流との流れの方向が異なることによる大きな圧力損失が発生する。一般に、圧力損失が1%低減されると軸流タービン全体のヒートレートは0.1%向上すると言われており(例えば、非特許文献2参照)、更なる圧力損失の低減は軽視できない重要な課題となっている。
特開平8−260905号公報 特開平9−264106号公報 特開2002−327604号公報
火力発電総論、瀬間徹監修、電気学会、2002/10/25初版発行、 P135、図6.26、図6.27参照 ターボ機械、第30巻第7号
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、タービン翼列部の下流側に設けられる流体通路部における主流とチップリークとの流れの方向の不整合による摩擦損失が抑制され、効率に優れる軸流タービンを提供することを目的としている。
本発明の軸流タービンは、最終段動翼を有するタービン翼列部と、前記最終段動翼の下流側に設けられ、前記最終段動翼の外径側に一定の間隔を設けて配置される庇部の内面よりも内径側に突出する段差部を有する略環状の流体通路部とを有する軸流タービンであって、前記段差部に、前記最終段動翼の主流の方向に前記最終段動翼の外径側から漏れ出る流れの方向を略一致させるための誘導手段が設けられていることを特徴としている。
前記誘導手段は、例えば溝状であってもよいし、また例えば板状であってもよく、前記段差部の周方向に複数形成されていることが好ましい。また、前記複数の誘導手段は、形状の異なる少なくとも2以上の誘導手段を有していることが好ましい。さらに、前記複数の誘導手段は、各誘導手段がその前記段差部の周方向の位置における前記最終段動翼の主流の方向に前記最終段動翼の外径側から漏れ出る流れの方向が略一致するように形状が調整されていることが好ましい。
本発明によれば、最終段動翼の下流側に設けられる略環状の流体通路部に設けられる段差部に、該最終段動翼の主流の方向に該最終段動翼の外径側から漏れ出る流れであるチップリークの方向を略一致させるための誘導手段を設けることで、容易に主流とチップリークとの流れの方向の不整合による摩擦損失を低減し、効率に優れる軸流タービンとすることができる。
本発明の軸流タービンの一例としての蒸気タービンを示す断面図。 誘導手段を設けていない蒸気タービンを示す断面図。 誘導手段を設けていない場合の主流とチップリークとの流れの関係を示す図。 溝状の誘導手段を設けた蒸気タービンを示す断面図。 溝状の誘導手段の外観図。 図4に示す蒸気タービンにおける主流およびチップリークの流れを示す図。 図5に示す溝状の誘導手段におけるチップリークの流れを示す図。 溝状の誘導手段を設けた場合の主流とチップリークとの流れの関係を示す図。 板状の誘導手段の外観図。
以下、本発明の軸流タービンについて詳細に説明する。
図1は、本発明の軸流タービンの一例としての蒸気タービン1を示す断面図である。なお、図1については、最終段の静翼2と動翼3とのみを示しており、これら最終段の静翼2および動翼3と図示しない他の段の静翼および動翼とからタービン翼列部4が構成されている。また、図1については、図中右側が上流側、また図中左側が下流側となるように図示している。
蒸気タービン1は、ケーシング5と、ケーシング5内に回転可能に配置された回転軸8を備える。ケーシング5の内部に静翼外輪6と静翼内輪7とが配置され、これらの間に複数の静翼2が周方向に列状となるように配列されている。また、この静翼2の下流側には、外径側にシュラウド3aが設けられた複数の動翼3が回転軸8の外径側に周方向に列状となるように配列されている。
静翼外輪6は、静翼2の外径側に配置される本体部6aと、その下流側に延ばされて動翼3の外径側を覆うように配置される庇部6bとを有している。庇部6bの内径は本体部6aの内径よりも大きくされており、この内径の大きな庇部6bに動翼3の先端側、具体的にはシュラウド3aが配置されている。なお、庇部6bとシュラウド3aとの間にはわずかな間隙が設けられており、直接接触しないように構成されており、シュラウド3aの外周面と庇部6bの内周面とが対向している。
タービン翼列部4の下流側、すなわち動翼3の下流側には、排気ディフューザとも呼ばれる略環状の流体通路部9が形成されている。この流体通路部9は、例えば下流側に行くに従って徐々に拡径する、すなわち回転軸8に垂直な断面である流路断面積が大きくなるように形成されている。このような流体通路部9のうち上流側かつ外径側の内面部分には、動翼3の外径側から漏れ出る流れであるチップリーク等を抑制するために、動翼3の外径側に配置される庇部6bの内面よりも内径側、好ましくは動翼3、具体的にはシュラウド3aの外径側先端部よりも内径側に突出する段差部9aが形成されている。このような段差部9aは、例えば略環状の流体通路部9と同様、全体として略環状に形成されている。
なお、本発明における段差部9a自体は、従来より、動翼3の下流側の流体通路部9に設けられているものであり、上記したように少なくとも庇部6bの内面よりも内径側に突出するものであればよく、好ましくは動翼3、具体的にはシュラウド3aの外径側先端部よりも内径側に突出するものである。
この段差部9aは、最も内径側に突出している部分が庇部6bの内面よりも内径側に突出するものであればよい。この際、庇部6bの内面の位置が上流側と下流側とで一定でない場合、段差部9aは少なくとも庇部6bの下流側の内面(すなわち下流端部)よりも内径側に突出するものであればよい。また、段差部9aは誘導手段を兼ねるものであってもよく、例えば後述するように元々の段差部9aの大部分を研削するようにして残った部分を板状の誘導手段13とする場合、段差部9aが板状の誘導手段13となっていてもよい。このような場合、板状の誘導手段13となる段差部9aの最も内径側に突出している部分が少なくとも庇部6bの内面よりも内径側に突出するものであればよい。
本発明に係る蒸気タービン1では、このような流体通路部9の段差部9aに動翼3の外径側から漏れ出る流れであるチップリークの方向を主流の方向と略一致させるための誘導手段11が設けられていることを特徴としている。このように、流体通路部9の段差部9aに誘導手段11を形成することで、主流の方向にチップリークの方向を略一致させることができると共に、誘導手段11自体の形成も容易となる。
ここで、図2は、流体通路部9の段差部9aに誘導手段を設けていない蒸気タービン1を示したものである。また、図3は、このような蒸気タービン1における主流MとチップリークSとの関係を示したものである。なお、図3は、流体通路部9の段差部9a付近における主流MとチップリークSとの関係を径方向から見た状態として示したものである。
図2に示すように、誘導手段が設けられていない場合、シュラウド3aと庇部6bとの間隙から漏れ出るチップリークSは、段差部9aを乗り越えるようにしてその内面に沿って流体通路部9に流れ込む。このチップリークSは、シュラウド3aの回転運動の影響により、周速度成分を有するスワール流れを形成している。一方、流体通路部9には、動翼3を通過した主流Mが流れ込んでいる。従って、図3に示すように流体通路部9に流れ込む主流Mの方向に対してチップリークSの流れの方向が異なるために摩擦損失が発生する。
本発明では、流体通路部9の段差部9aに誘導手段11を形成し、流体通路部9に流れ込む主流Mの流れにチップリークSの流れを略一致させることで、摩擦損失を抑制して効率に優れるものとすることができ、また誘導手段11自体の形成も容易とすることができる。
図4は、誘導手段11の一例としての溝状の誘導手段12を設けた蒸気タービン1を示したものである。また、図5は、内径側から見た溝状の誘導手段12の状態を示す外観図である。なお、図5については、複数の溝状の誘導手段12が形成された状態を示しており、図中右側が上流側、図中左側が下流側となるように図示している。
溝状の誘導手段12は、図4に示すように流体通路部9の段差部9aの一部を研削するようにして形成されており、また図5に示すように内径側から見て屈曲するように形成されている。具体的には、上流側(図中、右側)がチップリークSの流れに合わせて略周方向に向けて形成され、上流側から下流側(図中、左側)に行く途中でチップリークSの流れを主流Mの流れに合わせるために屈曲され、下流側が略軸方向に向けて形成されている。
ここで、図6、7は、溝状の誘導手段12を設けた場合の主流MおよびチップリークSの流れを図示したものである。なお、図中、Sは溝状の誘導手段12への導入前のチップリークの流れを示し、Sは溝状の誘導手段12に導入後のチップリークの流れを示している。
溝状の誘導手段12を設けた場合、例えば図6に示すようにシュラウド3aと庇部6bとの間隙から漏れ出るチップリークS(S)が溝状の誘導手段12に導入され、この溝状の誘導手段12の内部を通して最終的に下流側から排出される(チップリークS(S))。この際、図7に示すように溝状の誘導手段12が途中で屈曲されて下流側が軸方向に向けられていることで、溝状の誘導手段12に導入されたチップリークSの流れの方向が主流Mの流れの方向に誘導され、最終的に溝状の誘導手段12から排出されるチップリークS(S)の流れが主流Mの流れの方向に略一致される。
図8は、このような溝状の誘導手段12を設けた場合の主流MとチップリークSとの関係を径方向から見た状態として示したものである。なお、図中下側が溝状の誘導手段12の上流側、図中上側が溝状の誘導手段12の下流側となっている。図8に示すように、シュラウド3aと庇部6bとの間隙から漏れ出るチップリークS(S)は溝状の誘導手段12に導入されることによって流れの方向が主流Mの流れの方向に誘導され、最終的に溝状の誘導手段12から排出されるチップリークS(S)の流れの方向が主流Mの流れの方向と略一致される。このように主流Mの流れの方向とチップリークS(S)の流れの方向とが略一致することで、摩擦損失が抑制される。なお、図中、S”は、比較のために溝状の誘導手段12を設けていない場合のチップリークの流れを示したものである。
このような溝状の誘導手段12の溝の深さ、具体的には例えば図4に示すような底面12aの上流側部分における径方向の形成位置は、必ずしも限定されるものではないものの、例えば庇部6bの内面と、段差部9aの最も内径側に突出している部分との径方向における中間部分あるいはその外径側とすることが好ましい。このように底面12aの形成位置を上記中間部分よりも外径側とすることで溝状の誘導手段12の実質的な溝の深さを十分にとることができ、チップリークSを誘導する効果が十分に得られる。
底面12aの形成位置は外径側になるにつれて溝状の誘導手段12の実質的な溝の深さが深くなり、チップリークSを誘導する効果が大きくなるため好ましいが、庇部6bの内面よりも外径側になるとチップリークSを誘導する効果が飽和し、かえって溝状の誘導手段12の加工性が低下するため、庇部6bの内面と同様な位置までとすることが好ましい。また、このような底面12aは、必ずしも限定されるものではないものの、通常は上流側から下流側にかけて回転軸8と平行になるように形成され、最終的に流体通路部9の段差部9aよりも下流側の内面9bに到達するまで設けられる。
また、溝状の誘導手段12の周方向の幅は特に限定されるものではなく、例えば上流側から下流側にかけて一定としてもよいし、また例えば上流側から下流側に向けて徐々に狭くなるようにしてもよく、主流Mの流れ等に応じて適宜決定することができる。
このような溝状の誘導手段12は、例えば図5に示すように段差部9aの周方向に複数形成されていることが好ましい。このように、溝状の誘導手段12を周方向に複数形成することで、周方向の全体に渡って主流Mの流れにチップリークSの流れを合わせることができ、摩擦損失を抑制し、効率に優れたものとすることができる。
また、溝状の誘導手段12を複数形成する場合、必ずしも各溝状の誘導手段12の位置における主流Mの流れの方向が同じではないため、各溝状の誘導手段12の位置における主流Mの流れの方向に応じて各溝状の誘導手段12の形状、具体的には内径側から見た屈曲の程度、下流側に形成される溝状部分の向き等を調整することが好ましい。このように、各溝状の誘導手段12の形状をそれらの位置に応じて調整することで、さらに周方向の全体に渡って主流Mの流れにチップリークSの流れを合わせることができ、摩擦損失を抑制し、効率に優れたものとすることができる。
なお、溝状の誘導手段12を複数形成する場合、溝状の誘導手段12の形成数、各溝状の誘導手段12の周方向の形成位置は適宜決定することができ、例えば周方向に均等な間隔を設けて溝状の誘導手段12を形成してもよいし、また例えば主流Mの流れとチップリークSの流れとが大きく異なる部分のみに溝状の誘導手段12を設けてもよい。
以上、誘導手段11の一例として溝状の誘導手段12について説明したが、誘導手段11としては板状のものであってもよい。図9は、誘導手段11の他の例としての板状の誘導手段13を示す外観図である。なお、図9に示す板状の誘導手段13は内径側から見た状態を図示したものであり、図中右側が上流側、図中左側が下流側となるように図示している。
図9に示すように、板状の誘導手段13についても段差部9aに設けられ、例えば板状の誘導手段13を残すようにして段差部9a(元々の段差部9a)を研削することにより形成されている。なお、この板状の誘導手段13については、結果的に板状の誘導手段13が段差部9aを兼ねている。
このような板状の誘導手段13については、具体的には図5に示すような溝状の誘導手段12の研削部分と非研削部分とを略反対にして形成すればよく、上流側(図中、右側)がチップリークSの流れに合わせて略周方向に向けて形成され、上流側から下流側(図中、左側)に行く途中でチップリークSの流れを主流Mの流れに合わせるために屈曲され、下流側が軸方向に向けて形成される。このような板状の誘導手段13についても、溝状の誘導手段12と同様、主流Mの方向にチップリークSの方向を略一致させることができる。
このような板状の誘導手段13の高さ、すなわちその表面13aのうち最も内径側に突出する部分の径方向の位置は、少なくとも庇部6bの内面よりも内径側に突出するものであれば特に限定されるものではなく、例えば元々の段差部9aをそのまま残すようにして、元々の段差部9aと同様な高さとすることができる。
また、板状の誘導手段13どうしの間に形成される底面9cの高さ、すなわち径方向の位置についても、必ずしも限定されるものではないものの、例えば溝状の誘導手段12の底面12aの深さの規定と略同様な理由から、庇部6bの内面と、板状の誘導手段13の表面13aのうち最も内径側に突出する部分との径方向における中間部分あるいはその外径側とすることが好ましい。このように底面9cの形成位置を上記中間部分よりも外径側とすることで板状の誘導手段13の実質的な高さを十分にとり、チップリークSを誘導する効果を十分に得ることができる。
底面9cの形成位置は外径側になるにつれて板状の誘導手段13の実質的な高さが高くなり、チップリークSを誘導する効果が大きくなるため好ましいが、庇部6bの内面よりも外径側になるとチップリークSを誘導する効果が飽和し、かえって板状の誘導手段13の加工性が低下するため、庇部6bの内面と同様な位置までとすることが好ましい。また、このような底面9cについても、必ずしも限定されるものではないものの、通常は上流側から下流側にかけて回転軸8と平行になるように形成され、最終的に流体通路部9の段差部9aよりも下流側の内面9bに到達するまで設けられる。
また、板状の誘導手段13の周方向の幅は特に限定されるものではなく、例えば上流側から下流側にかけて一定としてもよいし、また例えば上流側から下流側に向けて徐々に厚くあるいは薄くなるようにしてもよく、主流Mの流れ等に応じて適宜決定することができる。
このような板状の誘導手段13についても、溝状の誘導手段12と同様、段差部9aの周方向に複数形成されていることが好ましい。このように、溝状の誘導手段12を周方向に複数形成することで、周方向の全体に渡って主流Mの流れにチップリークSの流れを合わせることができ、摩擦損失を抑制し、効率に優れたものとすることができる。
また、板状の誘導手段13を複数形成する場合についても、必ずしも各板状の誘導手段13の位置における主流Mの流れの方向が同じではないため、各板状の誘導手段13の位置における主流Mの流れの方向に応じて各板状の誘導手段13の形状、具体的には内径側から見た屈曲の程度、下流側に形成される板状部分の向き等を調整することが好ましい。
なお、板状の誘導手段13を複数形成する場合についても、板状の誘導手段13の形成数、各板状の誘導手段13の周方向の形成位置は適宜決定することができ、例えば周方向に均等な間隔を設けて板状の誘導手段13を形成してもよいし、また例えば主流Mの流れとチップリークSの流れとが大きく異なる部分のみに板状の誘導手段13を設けてもよい。
以上、本発明の軸流タービンとして蒸気タービンを例に挙げて説明したが、このような蒸気タービンとしては高圧タービン、中圧タービン、または低圧タービンのいずれでもよく、また本発明の軸流タービンとしては必ずしも蒸気タービンに限られるものではなく、例えばガスタービンであってもよく、少なくともタービン翼列部とその下流側に設けられる略環状の流体通路部とを有するものに適用することができる。
1…蒸気タービン(軸流タービン)、2…静翼(最終段)、3…動翼(最終段)、3a…シュラウド、4…タービン翼列部、5…ケーシング、6…静翼外輪、6a…本体部、6b…庇部、7…静翼内輪、8…回転軸、9…流体通路部、9a…段差部、9b…内面、9c…底面、11…誘導手段、12…溝状の誘導手段、12a…底面、13…板状の誘導手段、13a…表面、M…主流、S…チップリーク、S…誘導手段への導入前のチップリーク、S…誘導手段に導入後のチップリーク

Claims (6)

  1. 最終段動翼を有するタービン翼列部と、前記最終段動翼の下流側に設けられ、前記最終段動翼の外径側に一定の間隔を設けて配置される庇部の内面よりも内径側に突出する段差部を有する略環状の流体通路部とを有する軸流タービンであって、
    前記段差部に、前記最終段動翼の主流の方向に前記最終段動翼の外径側から漏れ出る流れの方向を略一致させるための誘導手段が設けられていることを特徴とする軸流タービン。
  2. 前記誘導手段は溝状であることを特徴とする請求項1記載の軸流タービン。
  3. 前記誘導手段は板状であることを特徴とする請求項1記載の軸流タービン。
  4. 前記誘導手段は前記段差部の周方向に複数形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の軸流タービン。
  5. 前記複数の誘導手段は、形状の異なる少なくとも2以上の誘導手段を有していることを特徴とする請求項4記載の軸流タービン。
  6. 前記複数の誘導手段は、各誘導手段がその前記段差部の周方向の位置における前記最終段動翼の主流の方向に前記最終段動翼の外径側から漏れ出る流れの方向が略一致するように形状が調整されていることを特徴とする請求項4記載の軸流タービン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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