JP2011247158A - シール構造、これを備えたタービン機械およびこれを備えた発電プラント - Google Patents
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Abstract
【解決手段】主流流体が作用する複数の翼2の先端に設けられ、隣り合うそれぞれが接触して筒状となるシュラウド3aと、シュラウド3aに対向して設けられる構造体4に接続される封止手段5cと、シュラウド3aの下流側と、封止手段5cの下流側と、構造体4の下流側の壁部4bとによって形成され、翼2に作用した主流流体に連通する空間部7と、を備え、構造体4の下流側の壁部4bの端部4dが、シュラウド3aの下流側に延在するシュラウド用延長線11と、シュラウド用延長線11に対して所定の間隙を有して略平行に設けられる封止手段5cの下流側に延在する封止手段用延長線10とから離反するとともに、封止手段用延長線10から見てシュラウド用延長線11とは反対側に位置するように形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
すなわち、本発明に係るシール構造によれば、主流流体が作用する複数の翼の先端に設けられ、隣り合うそれぞれが接触して筒状となるシュラウドと、該シュラウドに対向して設けられる構造体に接続される封止手段と、前記シュラウドの下流側と、前記封止手段の下流側と、前記構造体の下流側の壁部とによって形成され、前記翼に作用した主流流体に連通する空間部と、を備え、前記構造体の下流側の前記壁部の端部が、前記シュラウドの下流側に延在するシュラウド用延長線と、該シュラウド用延長線に対して所定の間隙を有して略平行に設けられる前記封止手段の下流側に延在する封止手段用延長線とから離反するとともに、前記封止手段用延長線から見て前記シュラウド用延長線とは反対側に位置するように形成されていることを特徴とする。
なお、翼に作用した主流流体に対して漏れ出た流体を流入させる角度としては、30°以下が好適である。
なお、シュラウドの構造体に対向する側の面の傾斜角度は、漏れ出た流体が翼に作用した主流流体に合流した際に、翼に作用した主流流体の流れを大きく乱すことのない角度とされる。
なお、翼に作用した主流流体に対して漏れ出た流体を流入させる角度としては、30°以下が好適である。
図1は、第1実施形態に係る発電プラントにおけるガスタービン(タービン機械)のシール構造であり、(A)は、その概略構成図を示し、(B)は、その部分拡大図を示している。
発電プラントに設けられているガスタービンは、ガスタービン内に導かれた燃焼ガスである主流ガス(主流流体)の流れを複数の動翼(翼)2へと導く静翼(図示せず)と、静翼を通過した主流ガスが作用する動翼2と、動翼2の先端に設けられて隣り合うそれぞれが接触して筒状となる動翼シュラウド3(3a)と、動翼2および動翼シュラウド(シュラウド)3aを内包しているタービンケーシング(構造体)4とを有している。
なお、動翼シュラウド3aの形状は、ステップ形状に限られることはなく、これ以外の形状であっても良い。
ガスタービンに導かれた主流ガスは、静翼列から動翼列6へと導かれる。動翼列6に導かれた主流ガスは、各動翼2に作用してガスタービンを駆動する。動翼2に作用した後の主流ガスは、その下流側に設けられている静翼列へと導かれる。
キャビティ(空間部)7を形成しているタービンケーシング(構造体)4の下流側の壁面(壁部)4bの角部(端部)4dが、動翼シュラウド(シュラウド)3aの下流側に延在している動翼シュラウド用延長線(シュラウド用延長線)11およびそれに平行して最下流に位置するシールフィン(封止手段)5cの下流側に延在しているシールフィン用延長線(封止手段用延長線)10から離反するとともに、シールフィン用延長線10から見て動翼シュラウド用延長線11とは反対側に位置するようにした。これにより、最下流に位置するシールフィン5cと動翼シュラウド3aとの間から漏れ出たリークジェット(漏れ出た流体)がタービンケーシング4の下流側の壁面4bに衝突することを防止することができる。そのため、動翼(翼)2に作用した主流ガス(主流流体)に対してリークジェットを小さな流入角度により合流させることができる。したがって、リークジェットが主流ガスに合流することによるミキシングロスを低減することができる。
以下、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態のシール構造、これを備えたタービン機械およびこれを備えた発電プラントは、最下流に位置するシールフィン(封止手段)5cと所定の間隙を有して離反する動翼シュラウドの下流側の外周面が動翼に作用する主流ガスの流れ方向に沿って次第にタービンケーシングの内側から離反する点で第1実施形態と相違し、その他は同様である。したがって、同一の構成および同一の流れについては、同一の符号を付してその説明を省略する。
図2は、本発明の第2実施形態に係る発電プラントにおけるガスタービンのシール構造であり、(A)は、その概略構成図を示し、(B)は、その部分拡大図を示している。
また、最下流に位置するシールフィン5cと動翼シュラウド3bとの間から導出されたリークジェットは、各動翼2に作用した後の主流ガスの流れ方向に対して小さな流入角度をもって合流する。
動翼シュラウド(シュラウド)3bの下流側の外周面(タービンケーシング4に対向している側の面)は、動翼(翼)2に作用する主流ガス(主流流体)の流れ方向に沿って次第にタービンケーシング(構造体)4から離反するように傾斜させて設けることとした。これによりリークジェット(漏れ出た流体)をタービンケーシング4の下流側の壁面(壁部)4bから離反して導出することができるので、最下流に位置するシールフィン(封止手段)5cと動翼シュラウド3bとの間から漏れ出たリークジェットがタービンケーシング4の下流側の壁面4bに衝突することを防止することができる。そのため、タービンケーシング4の下流側の壁面4bにリークジェットが衝突することによって、衝突したリークジェットがタービンケーシング4の下流側の壁面4bに沿って径方向内方側に移動して、図5に示した破線のようにキャビティ7(空間部)内に時計回りの渦を形成して、動翼2に作用した主流ガスをキャビティ7内に巻き込むことを抑制することができる。すなわち、リークジェットは、図2(A)に示した破線のようにキャビティ7内を反時計回りに流れることとなる。したがって、動翼2に作用した主流ガスの流れが大きく乱れることを防止して、リークジェットが主流ガスの流れに合流することによるミキシングロスを低減することができる。
以下、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態のシール構造、これを備えたタービン機械およびこれを備えた発電プラントは、最下流に位置するシールフィン(封止手段)5cと所定の間隙を有して離反する動翼シュラウドの下流側の外周面が動翼に作用する主流ガスの流れ方向に沿って次第にタービンケーシングの内側に近づく点で第1実施形態と相違しその他は同様である。したがって、同一の構成および同一の流れについては、同一の符号を付してその説明を省略する。
図3は、本発明の第3実施形態に係る発電プラントにおけるガスタービンのシール構造であり、(A)は、その概略構成図を示し、(B)は、その部分拡大図を示している。
また、最下流に位置するシールフィン5cと動翼シュラウド3cとの間から導出されたリークジェットは、各動翼2に作用した後の主流ガスの流れ方向に対して小さな流入角度をもって合流する。
動翼シュラウド(シュラウド)3cの下流側の外周面(タービンケーシング4に対向している側の面)は、動翼(翼)2に作用する主流ガス(主流流体)の流れ方向に沿って次第にタービンケーシング(構造体)4に近づくように傾斜するように設けることとした。そのため、最下流に位置するシールフィン(封止手段)5cと動翼シュラウド3cとの間から漏れ出たリークジェット(漏れ出た流体)を動翼2に作用した主流ガスに直接合流させず、また、キャビティ(空間部)7内に動翼2に作用した主流ガスが巻き込まれることを更に抑制することができる。したがって、リークジェットが主流ガスに合流することによるミキシングロスを低減することができる。
また、上述した第1〜第3実施形態では、翼を動翼2とし、構造体をタービンケーシング4として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、翼を静翼とし、構造体を回転軸体としても良い。
回転軸体(構造体)20は、前述した静翼列(図示せず)および動翼列6(図1参照)を通過する主流ガス(主流流体)の流れ方向に延在している棒状形状とされている。回転軸体20の外周は、回転軸体20の中心軸方向に向かって凹形状になるように形成されている。回転軸体20の外周に設けられている凹形状は、静翼(翼)22の上流側の壁面(壁部)20aと、静翼22の下流側の壁面20bと、壁面20aおよび壁面20bを接続しており静翼シュラウド(シュラウド)23の径方向内方側に対向するように位置している壁面20cとによって形成されている。これにより、回転軸体20の外周に設けられている凹形状は、回転軸体20の中心軸方向に向って窪むこととなる。
各静翼22に導かれた主流ガスの一部は、静翼22の上流側から静翼シュラウド23と回転軸体20との間に漏れ出る。静翼シュラウド23と回転軸体20との間に漏れ出た主流ガスは、静翼シュラウド23と最下流に位置するシールフィン25cとの間から導出されてリークジェットとなる。
そのため、静翼22に作用した主流ガスの流れを大きく乱すことなくリークジェットを合流させることができ、リークジェットが主流ガスの流れに合流することによるミキシングロスを低減することができる。
すなわち、最下流に位置するシールフィン25cと所定の間隙を有して離反している静翼シュラウド23の下流側の内周面とは、静翼22に作用する主流ガスの流れ方向に沿って次第に回転軸体20から離反するように傾斜するものであったり、静翼22に作用する主流ガスの流れ方向に沿って次第に回転軸体20に近づくように傾斜するものであってもよい。
このように、静翼シュラウド23の下流側の内周面を傾斜させた場合、これらの傾斜角度は、リークジェットが静翼22に作用した後の主流ガスに合流した際に、主流ガスの流れを大きく乱すことのない流入角度とするために、静翼22に作用した主流ガスの流れ方向に対して30°以下がよいとされている。
3(3a,3b,3c) 動翼シュラウド (シュラウド)
4 タービンケーシング(構造体)
4b 壁面(壁部)
4d 角部(端部)
5c 最下流に位置するシールフィン(封止手段)
7 キャビティ(空間部)
10 シールフィン用延長線(封止手段用延長線)
11 動翼シュラウド用延長線(シュラウド用延長線)
Claims (6)
- 主流流体が作用する複数の翼の先端に設けられ、隣り合うそれぞれが接触して筒状となるシュラウドと、
該シュラウドに対向して設けられる構造体に接続される封止手段と、
前記シュラウドの下流側と、前記封止手段の下流側と、前記構造体の下流側の壁部とによって形成され、前記翼に作用した主流流体に連通する空間部と、を備え、
前記構造体の下流側の前記壁部の端部が、前記シュラウドの下流側に延在するシュラウド用延長線と、該シュラウド用延長線に対して所定の間隙を有して略平行に設けられる前記封止手段の下流側に延在する封止手段用延長線とから離反するとともに、前記封止手段用延長線から見て前記シュラウド用延長線とは反対側に位置するように形成されているシール構造。 - 前記シュラウドの前記構造体に対向する側の面は、前記翼に作用した主流流体の流れ方向と略平行に設けられる請求項1に記載のシール構造。
- 前記シュラウドの前記構造体に対向する側の面は、前記翼に作用する主流流体の流れ方向に沿って次第に前記構造体から離反するように傾斜する請求項1または請求項2に記載のシール構造。
- 前記シュラウドの前記構造体に対向する側の面は、前記翼に作用する主流流体の流れ方向に沿って次第に前記構造体に近づくように傾斜する請求項1または請求項2に記載のシール構造。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載のシール構造を備えるタービン機械。
- 請求項5に記載のタービン機械を備える発電プラント。
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