JP2016049573A - 硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆切削工具 - Google Patents

硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆切削工具 Download PDF

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Abstract

【課題】高速断続切削加工ですぐれた耐チッピング性、耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具を提供する。【解決手段】硬質被覆層は、TiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層を少なくとも含み、該層を(Ti1−xAlx)(CyN1−y)で表した場合、Alの含有割合XaveおよびCの含有割合Yave(x、yはいずれも原子比)は、0.60≦Xave≦0.95、0≦Yave≦0.005を満足し、該層は平均含有量0.1〜0.5原子%の塩素を含有し、該層は、平均粒子幅Wが0.1〜2μm、平均アスペクト比Aが2〜10の立方晶構造の結晶粒からなる柱状組織を有し、該柱状組織の粒界部には、平均粒径Rが0.01〜0.3μmの六方晶構造の微粒結晶粒が存在し、各々のAlに対する塩素のピーク強度比に関して、六方晶構造を有する微粒結晶粒のピーク強度比Ihの立方晶構造の結晶粒のピーク強度比Icに対する比Ih/Icが5より大きい。【選択図】図1

Description

本発明は、高熱発生を伴うとともに、切刃に対して衝撃的な負荷が作用する合金鋼、鋳鉄等の高速断続切削加工等で、硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆切削工具(以下、被覆工具という)に関するものである。
従来、一般に、炭化タングステン(以下、WCで示す)基超硬合金、炭窒化チタン(以下、TiCNで示す)基サーメットあるいは立方晶窒化ホウ素(以下、cBNで示す)基超高圧焼結体で構成された基体(以下、これらを総称して基体という)の表面に、硬質被覆層として、Ti−Al系の複合窒化物層を物理蒸着法により被覆形成した被覆工具が知られている。このような被覆工具は、すぐれた耐摩耗性を発揮することが知られており、マシニングセンタや複合加工機など、さまざまな用途への利用が進んでいる。
しかしながら、従来のTi−Al系の複合窒化物層を被覆形成した被覆工具は、比較的耐摩耗性にすぐれるものの、高速断続切削条件で用いた場合にチッピング等の異常損耗を発生しやすいことから、硬質被覆層の改善についての種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、TiCl、AlCl、NHの混合反応ガス中で、650〜900℃の温度範囲において化学蒸着を行うことにより、Alの含有割合Xの値が0.65〜0.95である(Ti1−XAl)N層を成膜できることが記載されているが、この文献では、この(Ti1−XAl)N層の上にさらにAl層を被覆し、これによって断熱効果を高めることを目的とするものであって、Xの値を0.65〜0.95まで高めた(Ti1−XAl)N層の形成によって、切削性能へ如何なる影響があるかという点については解明されていない。
また、特許文献2には、上部層がTi1−xAlN、Ti1−xAlC、および/またはTi1−xAlCNで形成されており、0.65≦x≦0.9、好ましくは0.7≦x≦0.9であり該上部層は100〜1100MPaの間、好ましくは400〜800MPaの間の圧縮応力を有し、前記上部層の下には、TiCN層またはAl層が設けられた硬質被覆層が化学蒸着法で形成された被覆工具が、すぐれた耐熱性およびサイクル疲労強度を有することが開示されている。
さらに、特許文献3には、工具基体と、その基体上に形成された硬質被覆層とを備える表面被覆切削工具であって、硬質被覆層は、AlまたはCrのいずれか一方または両方の元素と、周期律表4a,5a,6a族元素およびSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と、炭素、窒素、酸素およびホウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とにより構成される化合物と、塩素とを含むことにより、硬質被覆層の耐摩耗性と耐酸化性とを飛躍的に向上することが開示されている。
特表2011−516722号公報 特表2011−513594号公報 特開2006−82207号公報
近年の切削加工における省力化および省エネ化の要求は強く、これに伴い、切削加工は一段と高速化、高効率化の傾向にあり、被覆工具には、より一層、耐チッピング性、耐欠損性、耐剥離性等の耐異常損傷性が求められるとともに、長期の使用に亘ってすぐれた耐摩耗性が求められている。
しかし、前述した特許文献1,2に記載される化学蒸着法で被覆形成した(Ti1−XAl)N層については、Al含有量Xを高めることができ、また、立方晶構造を形成させることができることから、所定の硬さを有し耐摩耗性にはすぐれた硬質被覆層が得られるものの、基体との密着強度は十分でなく、また、靭性に劣ることから、合金鋼、鋳鉄等の高速断続切削加工用被覆工具として用いた場合には、チッピング、欠損、剥離等の異常損傷が発生しやすく、満足できる切削性能を発揮するとはいえない。
一方、前述した特許文献3に記載される被覆工具は、(Ti1−XAl)N層からなる硬質被覆層が物理蒸着法で成膜され、膜中のAl含有量Xを高めることができないため、例えば、合金鋼、鋳鉄等の高速断続切削に供した場合には、耐チッピング性が十分でないという課題があった。
そこで、本発明は、高速断続切削加工等に供した場合であっても、硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮するとともに、長期の使用に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮する被覆工具を提供することを目的とする。
本発明者らは、前述の観点から、TiとAlの複合炭窒化物(以下、「(Ti1−xAl)(C1−y)」あるいは「TiAlCN」で示すことがある)からなる硬質被覆層を化学蒸着で被覆形成した被覆工具の耐チッピング性、耐摩耗性の改善をはかるべく、鋭意研究を重ねた結果、次のような知見を得た。
WC基超硬合金、TiCN基サーメットまたはcBN基超高圧焼結体のいずれかで構成された基体の表面に、熱CVD法等の化学蒸着法により成膜されたTiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層を少なくとも含む表面被覆切削工具であって、該TiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層は、組成式:(Ti1−xAl)(C1−y)で表した場合、AlのTiとAlの合量に占める平均含有割合XaveおよびCのCとNの合量に占める平均含有割合Yave(但し、Xave、Yaveはいずれも原子比)が、それぞれ、0.60≦Xave≦0.95、0≦Yave≦0.005を満足し、前記複合窒化物または複合炭窒化物層の層中に含有される塩素の平均塩素含有量は、0.1〜0.5原子%であり、前記複合窒化物または複合炭窒化物層について、該層の縦断面方向から観察した場合、立方晶構造の結晶粒からなる柱状組織を有し、個々の立方晶構造の結晶粒の平均粒子幅Wが0.1〜2μm、平均アスペクト比Aが2〜10であり、前記複合窒化物または複合炭窒化物層の立方晶構造の結晶粒からなる柱状組織の粒界部に六方晶構造を有する微粒結晶粒が存在し、該微粒結晶粒の平均粒径Rは0.01〜0.3μmであり、立方晶構造の結晶粒および立方晶構造の結晶粒からなる柱状組織の粒界部に六方晶構造を有する微粒結晶粒に対して透過型電子顕微鏡(TEM,Transmission− Electron−Microscope)を用いて、エネルギー分散型X線分光法(EDS)による組成分析を行い、各々のAlに対する塩素のピーク強度比に関して、六方晶構造を有する微粒結晶粒の該ピーク強度比Ihの立方晶構造の結晶粒の該ピーク強度比Icに対する比Ih/Icが5より大きく、好ましくは、前記複合窒化物または複合炭窒化物層において、立方晶構造の結晶粒および立方晶構造の結晶粒からなる柱状組織の粒界部に六方晶構造を有する微粒結晶粒に対して透過型電子顕微鏡を用いて、エネルギー分散型X線分光法(EDS)による組成分析を行い、微粒六方晶結晶粒における含有塩素量Clhaveが1.0〜3.0原子%である場合に、硬質被覆層がすぐれた靭性、潤滑性を備え、高速断続切削加工等に供した場合に、硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性、耐摩耗性を発揮することを見出した。
したがって、前述のような硬質被覆層を備えた被覆工具を、例えば、合金鋼、鋳鉄等の高速断続切削等に用いた場合には、チッピング、欠損、剥離等の発生が抑えられるとともに、長期の使用に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮することができる。
本発明は、前記知見に基づいてなされたものであって、
「(1) 炭化タングステン基超硬合金、炭窒化チタン基サーメットまたは立方晶窒化ホウ素基超高圧焼結体のいずれかで構成された工具基体の表面に、硬質被覆層を設けた表面被覆切削工具において、
(a)前記硬質被覆層は、化学蒸着法により成膜された平均層厚1〜20μmのTiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層を少なくとも含み、組成式:(Ti1−xAl)(C1−y)で表した場合、AlのTiとAlの合量に占める含有割合XaveおよびCのCとNの合量に占める含有割合Yave(但し、Xave、Yaveはいずれも原子比)が、それぞれ、0.60≦Xave≦0.95、0≦Yave≦0.005を満足し、
(b)前記複合窒化物または複合炭窒化物層の層中に含有される平均塩素含有量は、0.1〜0.5原子%であり、
(c)前記複合窒化物または複合炭窒化物層について該層断面側から観察した場合、複合窒化物または複合炭窒化物層は、立方晶構造の結晶粒からなる柱状組織を有し、個々の立方晶構造の結晶粒の平均粒子幅Wが0.1〜2μm、平均アスペクト比Aが2〜10であり、
(d)前記複合窒化物または複合炭窒化物層には、立方晶構造の結晶粒からなる柱状組織の粒界部に六方晶構造を有する微粒結晶粒が存在し、該微粒結晶粒の平均粒径Rは0.01〜0.3μmであり、
(e)前記複合窒化物または複合炭窒化物層中の立方晶構造の結晶粒および立方晶構造の結晶粒からなる柱状組織の粒界部に六方晶構造を有する微粒結晶粒に対して透過型電子顕微鏡を用いて、エネルギー分散型X線分光法(EDS)による組成分析を行い、各々のAlに対する塩素のピーク強度比に関して、六方晶構造を有する微粒結晶粒の該ピーク強度比Ihが立方晶構造の結晶粒の該ピーク強度比Icに対する比Ih/Icが5より大きいことを特徴とする表面被覆切削工具。
(2) 前記複合窒化物または複合炭窒化物層において、前記複合窒化物または複合炭窒化物層中の立方晶構造の結晶粒および立方晶構造の結晶粒からなる柱状組織の粒界部に六方晶構造を有する微粒結晶粒に対して透過型電子顕微鏡を用いて、エネルギー分散型X線分光法(EDS)による組成分析を行い、微粒六方晶結晶粒における含有塩素量Clhavgが1.0〜3.0原子%であることを特徴とする前記(1)に記載の表面被覆切削工具。
(3) 前記複合窒化物または複合炭窒化物層に存在する六方晶構造を有する微粒結晶粒が硬質被膜層に占める割合が30面積%以下であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の表面被覆切削工具。
(4) 前記炭化タングステン基超硬合金、炭窒化チタン基サーメットまたは立方晶窒化ホウ素基超高圧焼結体のいずれかで構成された工具基体と、前記TiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層の間に、Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上からなり、かつ、0.1〜20μmの合計平均層厚を有するTi化合物層を含む下部層が存在することを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
(5) 前記複合窒化物または複合炭窒化物層の上部に、少なくとも1〜25μmの平均層厚を有する酸化アルミニウム層を含む上部層が存在することを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
(6) 前記複合窒化物または複合炭窒化物層は、少なくとも、トリメチルアルミニウムを反応ガス成分として含有する化学蒸着法により成膜されたものであることを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の表面被覆切削工具。」
に特徴を有するものである。
つぎに、本発明の被覆工具の硬質被覆層について、より具体的に説明する。
硬質被覆層の平均層厚:
本発明における硬質被覆層は、その平均層厚が1μm未満では、長期の使用に亘っての耐摩耗性を十分確保することができず、一方、その平均層厚が20μmを越えると、高熱発生を伴う高速断続切削で熱塑性変形を起し易くなり、これが偏摩耗の原因となる。したがって、その平均層厚は1〜20μmとすることが好ましく、より好ましくは1〜10μmとする。
また、炭化タングステン基超硬合金、炭窒化チタン基サーメットまたは立方晶窒化ホウ素基超高圧焼結体のいずれかで構成された工具基体とTiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層の間に形成するTiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層の平均合計層厚に関しては、0.1μm未満では層厚が薄いため、長期の使用に亘って耐摩耗性が確保されず、一方、平均層厚が20μmより大きくなると、工具基体およびTiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層との付着強度が低下し、耐剥離性が低下するため、その平均層厚は0.1〜20μmとするのが望ましい。
上部層として、酸化アルミニウム層を含む場合、酸化アルミニウム層の合計平均層厚が1μm未満であると、層厚が薄いため長期の使用に亘って耐摩耗性が確保されず、25μmを超えると結晶粒が粗大化し易くなり、チッピングを発生しやすくなることから、酸化アルミニウム層を含む上部層の層厚は、1〜25μmとすることが望ましい。
TiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層((Ti1−xAl)(C1−y)層)の組成:
本発明の硬質被覆層の主たる層を構成する(Ti1−xAl)(C1−y)層は、Alの含有割合Xave(原子比)の値が0.60未満になると、高温硬さが不足し耐摩耗性が低下するようになり、一方、Xave(原子比)の値が0.95を超えると、相対的なTi含有割合の減少により、(Ti1−xAl)(C1−y)層自体の高温強度が低下し、チッピング、欠損を発生しやすくなる。したがって、Alの含有割合Xave(原子比)の値は、0.60以上0.95以下とすることが必要である。
また、前記(Ti1−xAl)(C1−y)層において、C成分には硬さを向上させ、一方、N成分には高温強度を向上させる作用があるが、C成分の含有割合Yave(原子比)が0.005を超えると、高温強度が低下する。したがって、C成分の含有割合Yave(原子比)は、0≦Yave≦0.005と定めた。
なお、通常、物理蒸着法によって前記組成、即ち、Alの含有割合Xave(原子比)が0.60以上0.95以下の(Ti1−xAl)(C1−y)層を成膜した場合は、結晶構造は六方晶構造となる。
しかし、本発明では、後述する化学蒸着法によって成膜していることから、立方晶構造を維持し、かつ、柱状組織を有する前述したような組成の(Ti1−xAl)(C1−y)層を得ることができ、これにより、硬質被覆層の高い耐摩耗性を確保することができる。
TiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層((Ti1−xAl)(C1−y)層)に含有される塩素の平均含有量:
本発明のTiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層((Ti1−xAl)(C1−y)層)は、層中に、平均塩素含有量0.1〜0.5原子%の塩素を含有するが、含有する塩素量が微量である場合に限り、層の靭性を低下させずに潤滑性を高めることができる。しかし、平均塩素含有量が0.1原子%未満であると潤滑性向上効果は少なく、一方、平均塩素含有量が0.5原子%を超えると、耐チッピング性が低下することから、平均塩素含有量は0.1〜0.5原子%とする。
なお、図1に本発明の硬質被覆層の縦断面の概略模式図を示すが、本発明の硬質被覆層は、立方晶構造の柱状組織結晶粒と、該柱状組織結晶粒の粒界部に存在する六方晶構造の微粒結晶を有するが、該立方晶構造の結晶粒および立方晶構造の結晶粒からなる柱状組織の粒界部に六方晶構造を有する微粒結晶粒に対して透過型電子顕微鏡を用いて、エネルギー分散型X線分光法(EDS)による組成分析を行い、各々のAlに対する塩素のピーク強度比に関して、六方晶構造を有する微粒結晶粒の該ピーク強度比Ihの立方晶構造の結晶粒の該ピーク強度比Icに対する比Ih/Icが5より大きい場合には、柱状立方晶結晶粒の硬さを損なうことなく、柱状立方晶の粒界に存在する微粒六方晶結晶粒の靱性が高くなるため、硬質被覆層の耐チッピング性を向上させることができる。
さらに、好ましくは立方晶構造の柱状組織結晶粒と立方晶構造の結晶粒からなる柱状組織の粒界部に六方晶構造を有する微粒結晶粒に対して透過型電子顕微鏡を用いて、エネルギー分散型X線分光法(EDS)による組成分析を行ったとき、微粒六方晶結晶粒における含有塩素量Clhaveが1.0〜3.0原子%である場合、柱状組織立方晶結晶粒界面に存在する微粒六方晶結晶粒が耐チッピング性が低下することなく、潤滑性を向上させることができる。
TiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層((Ti1−xAl)(C1−y)層)内の柱状組織を有する立方晶構造の結晶粒の平均粒子幅W、平均アスペクト比A:
本発明の硬質被覆層は、TiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層((Ti1−xAl)(C1−y)層)内の柱状組織を有する立方晶構造の結晶粒の平均粒子幅Wが0.1〜2μm、平均アスペクト比Aが2〜10となる柱状組織となるように構成する。
すなわち、柱状組織を有する立方晶構造の結晶粒の平均粒子幅Wを0.1〜2μmとしたのは、0.1μm未満では、被覆層表面に露出した原子におけるTiAlCN結晶粒界に属する原子の占める割合が相対的に大きくなることにより、被削材との反応性が増し、その結果、耐摩耗性を十分に発揮することができず、また、2μmを超えると被覆層全体におけるTiAlCN結晶粒界に属する原子の占める割合が相対的に小さくなることにより、靭性が低下し、耐チッピング性を十分に発揮することができなくなる。
したがって、柱状組織を有する立方晶構造の結晶粒の平均粒子幅Wは0.1〜2μmとする。
なお、本発明でいう平均粒子幅Wとは、走査型電子顕微鏡を用い被覆層の縦断面観察を行った際に硬質被覆層の層厚の半分の箇所において基体表面と平行な線を少なくとも100μm描き、その平行線の線分長を該平行線と交差する結晶粒界の数で除した数として定義される。
また、柱状組織を有する立方晶構造の結晶粒の平均アスペクト比Aが2未満の場合、十分な柱状組織となっていないため、アスペクト比の小さな等軸結晶の脱落を招き、その結果、十分な耐摩耗性を発揮することができない。一方、平均アスペクト比Wが10を超えると結晶粒そのものの強度を保つ事が出来ず、かえって、耐チッピング性が低下するため好ましくない。
したがって、柱状組織を有する立方晶構造の結晶粒の平均アスペクト比Aは2〜10とする。
なお、本発明では、平均アスペクト比Aとは、走査型電子顕微鏡を用い、幅100μm、高さが硬質被覆層全体を含む範囲で硬質被覆層の縦断面観察を行った際に、各結晶粒について粒子径の最も長い長さを長軸とし該長軸の長さおよび前記長軸と直交する方向の最大長さを求め、長軸の長さを長軸と直交する方向の最大長さで除することにより、各結晶粒のアスペクト比を算出し、更に各結晶粒の面積を重みとしアスペクト比の加重平均として算出した値として定義される。
TiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層((Ti1−xAl)(C1−y)層)内の立方晶構造の結晶粒からなる柱状組織の粒界部に存在する六方晶構造を有する微粒結晶粒の平均粒径R:
本発明の硬質被膜層(Ti1−xAl)(C1−y)層について、電子線後方散乱回折装置を用いて個々の結晶粒の結晶方位を、硬質被覆層の縦断面方向から解析した場合、立方晶結晶格子の電子後方散乱回折像が観測される立方晶結晶相と六方晶結晶格子の電子後方散乱回折像が観測される。
そして、六方晶結晶相は、立方晶構造の結晶粒からなる柱状組織の粒界部に、六方晶構造を有する微粒結晶粒として形成されるが、柱状組織の粒界部に存在する六方晶構造を有する微粒結晶粒は、粒界滑りを抑制し、靭性を向上させる。
ただし、六方晶構造を有する微粒結晶粒の平均粒径Rが0.01μm未満であると靱性向上の効果が少なく、一方、平均粒径Rが0.3μmを超えると、硬さが低下し、耐摩耗性が損なわれるため、立方晶構造の結晶粒からなる柱状組織の粒界部に存在する六方晶構造を有する微粒結晶粒の平均粒径Rは0.01〜0.3μmとする。
また、立方晶構造の結晶粒からなる柱状組織の粒界部に形成される、六方晶構造を有する微粒結晶粒が硬質被膜層に占める割合に関して、30面積%を超えると相対的にNaCl型の面心立方構造の結晶相の割合が減少するため硬さが低下し好ましくない。
なお、電子線後方散乱回折装置を用いて、TiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層からなる硬質被覆層の工具基体に垂直な方向の断面を研磨面とした状態で、電界放出型走査電子顕微鏡の鏡筒内にセットし、前記研磨面に70度の入射角度で15kVの加速電圧の電子線を1nAの照射電流で、前記断面研磨面の測定範囲内に存在する結晶粒個々に照射し、工具基体と水平方向に長さ100μm、工具基体表面と垂直な方向の断面に沿って膜厚以下の距離の測定範囲内に亘り硬質被覆層について0.01μm/stepの間隔で、電子線後方散乱回折像を測定し、個々の結晶粒の結晶構造を解析することでNaCl型の面心立方構造を有する結晶粒からなる柱状組織の粒界部に存在する微粒結晶粒が六方晶構造であることを同定し、その微粒結晶粒の占める面積割合を求めることができる。さらに微粒結晶粒の平均粒径Rは、微結晶粒が見出される柱状組織の粒界のうち、0.5μm以上の粒界長さを有する部位を複数の観察視野から3ヶ所見出し、おのおの0.5μmの線分上に存在する粒界数を数え上げて、1.5μmを3か所での合計粒界数で割ることにより得る事が出来る。
下部層および上部層:
本発明は、工具基体と前記TiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層((Ti1−xAl)(C1−y)層)の間に、Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上のTi化合物層からなり、かつ、0.1〜20μmの合計平均層厚を有する下部層を設けた場合、あるいは、前記TiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層((Ti1−xAl)(C1−y)層)の上部に、1〜25μmの平均層厚を有する酸化アルミニウム層を含む上部層を設けた場合には、これらの層が奏する効果と相俟って、一層すぐれた特性を創出することができる。
Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上のTi化合物層からなる下部層を設ける場合、下部層の合計平均層厚が0.1μm未満では、下部層の効果が十分に奏されず、一方、20μmを超えると結晶粒が粗大化し易くなり、チッピングを発生しやすくなることから、下部層の合計平均層厚は、0.1〜20μmとすることが望ましい。
また、酸化アルミニウム層を含む上部層の平均層厚が1μm未満では、上部層の効果が十分に奏されず、一方、25μmを超えると結晶粒が粗大化し易くなり、チッピングを発生しやすくなることから、上部層の平均層厚は1〜25μmとすることが望ましい。
硬質被覆層の成膜:
本発明のTiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層((Ti1−xAl)(C1−y)層)は、例えば、工具基体表面上に、もしくは、通常の化学蒸着法によって成膜したTiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上を含む下部層表面上に、以下のような、AlおよびTi原料ガス量を多くし、または、N量を多くした反応ガス中で化学蒸着することによって成膜することができる。また、Al(CHを添加することによってCを膜中に含有させることができるとともにClを含まないAlの供給源ともなり、膜中の含有塩素量を制御しながら、Alを増加させることができる。
反応ガス組成(容量%):
TiCl 1.0〜2.5%、 Al(CH0〜1%、 AlCl 2〜6%、 NH 2〜6%、N 13〜20%、 Ar 0〜3%、 残り:H
反応雰囲気温度: 700〜800℃、
反応雰囲気圧力: 2〜5kPa、
本発明の被覆工具は、熱CVD法等の化学蒸着法により、組成式:(Ti1−xAl)(C1−y)で表した場合、AlのTiとAlの合量に占める含有割合XaveおよびCのCとNの合量に占める含有割合Yave(但し、Xave、Yaveはいずれも原子比)が、それぞれ、0.60≦Xave≦0.95、0≦Yave≦0.005を満足するTiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層を含む硬質被覆層が成膜され、該層の層中に含有される平均塩素含有量は、0.1〜0.5原子%であり、該層は、立方晶構造の結晶粒からなる柱状組織を有し、個々の立方晶構造の結晶粒の平均粒子幅Wが0.1〜2μm、平均アスペクト比Aが2〜10であり、該層の立方晶構造の結晶粒からなる柱状組織の粒界部に六方晶構造を有する微粒結晶粒が存在し、該微粒結晶粒の平均粒径Rは0.01〜0.3μmであり、該立方晶構造の結晶粒および立方晶構造の結晶粒からなる柱状組織の粒界部に六方晶構造を有する微粒結晶粒に対して透過型電子顕微鏡を用いて、エネルギー分散型X線分光法(EDS)による組成分析を行い、各々のAlに対する塩素のピーク強度比に関して、六方晶構造を有する微粒結晶粒の該ピーク強度比Ihの立方晶構造の結晶粒の該ピーク強度比Icに対する比Ih/Icが5より大きいことによって、高速断続切削加工等に供した場合であっても、硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮するとともに、長期の使用に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮するという効果を奏するのである。
さらに、好ましくは、前記TiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層において、前記複合窒化物または複合炭窒化物層中の立方晶構造の結晶粒および立方晶構造の結晶粒からなる柱状組織の粒界部に六方晶構造を有する微粒結晶粒に対して透過型電子顕微鏡を用いて、エネルギー分散型X線分光法(EDS)による組成分析を行い、微粒六方晶結晶粒における含有塩素量Clhaveが1.0〜3.0原子%である場合、あるいは、工具基体と、前記複合窒化物または複合炭窒化物層の間に、0.1〜20μmの合計平均層厚のTi化合物層を含む下部層が存在する場合、また、前記複合窒化物または複合炭窒化物層の上部に、少なくとも1〜25μmの平均層厚を有する酸化アルミニウム層を含む上部層が存在する場合には、より一段とすぐれた耐チッピング性、耐摩耗性を発揮するのである。
本発明の硬質被覆層の縦断面の概略模式図を示す。
以下に、本発明の被覆工具を、実施例に基づき具体的に説明する。
原料粉末として、いずれも1〜3μmの平均粒径を有するWC粉末、TiC粉末、ZrC粉末、TaC粉末、NbC粉末、Cr32粉末、およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を、表1に示される配合組成に配合し、さらにワックスを加えてアセトン中で24時間ボールミル混合し、減圧乾燥した後、98MPaの圧力で所定形状の圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を5Paの真空中、1370〜1470℃の範囲内の所定の温度に1時間保持の条件で真空焼結し、焼結後、ISO規格SEEN1203AFSNのインサート形状をもったWC基超硬合金製の基体A〜Dをそれぞれ製造した。
また、原料粉末として、いずれも0.5〜2μmの平均粒径を有するTiCN(質量比でTiC/TiN=50/50)粉末、Mo2C粉末、ZrC粉末、NbC粉末、TaC粉末、WC粉末、Co粉末、およびNi粉末を用意し、これら原料粉末を、表2に示される配合組成に配合し、ボールミルで24時間湿式混合し、乾燥した後、98MPaの圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を1.3kPaの窒素雰囲気中、温度:1540℃に1時間保持の条件で焼結し、焼結後、ISO規格SEEN1203AFSNのインサート形状をもったTiCN基サーメット製の基体a〜bを作製した。


つぎに、これらの工具基体A〜Dおよび工具基体a〜bの表面に、通常の化学蒸着装置を用い、まず、表4に示される条件で、所定の組成を有する(Ti1−xAl)(C1−y)層を目標層厚になるまで蒸着形成することにより、表7に示される本発明被覆工具1〜15を製造した。
なお、本発明被覆工具6〜13については、表3に示される形成条件で、表6に示される下部層、上部層の少なくともいずれかを形成した。
また、比較の目的で、同じく工具基体A〜Dおよび工具基体a〜bの表面に通常の化学蒸着装置を用い、表5に示される条件で、比較例の(Ti1−xAl)(C1−y)層を目標層厚で蒸着形成することにより、表8に示される比較例被覆工具1〜13を製造した。
参考のため、工具基体Aおよび工具基体aの表面に、従来の物理蒸着装置を用いて、アークイオンプレーティングにより、参考例の(Ti1−xAl)(C1−y)層を目標層厚で蒸着形成することにより、表8に示される参考例被覆工具14,15を製造した。
なお、アークイオンプレーティングの条件は、次のとおりである。
(a)前記工具基体Aおよびaを、アセトン中で超音波洗浄し、乾燥した状態で、アークイオンプレーティング装置内の回転テーブル上の中心軸から半径方向に所定距離離れた位置に外周部にそって装着し、また、カソード電極(蒸発源)として、所定組成のAl−Ti合金を配置し、
(b)まず、装置内を排気して10−2Pa以下の真空に保持しながら、ヒーターで装置内を500℃に加熱した後、前記回転テーブル上で自転しながら回転する工具基体に−1000Vの直流バイアス電圧を印加し、かつAl−Ti合金からなるカソード電極とアノード電極との間に200Aの電流を流してアーク放電を発生させ、装置内にAlおよびTiイオンを発生させ、もって工具基体表面をボンバード洗浄し、
(c)次に、装置内に反応ガスとして窒素ガスを導入して4Paの反応雰囲気とすると共に、前記回転テーブル上で自転しながら回転する工具基体に−50Vの直流バイアス電圧を印加し、かつ、前記Al−Ti合金からなるカソード電極(蒸発源)とアノード電極との間に120Aの電流を流してアーク放電を発生させ、前記工具基体の表面に、表8に示される目標平均組成、目標平均層厚の(Ti1−xAl)(C1−y)層を蒸着形成し、
参考例被覆工具14,15を製造した。
また、本発明被覆工具1〜15、比較例被覆工具1〜13および参考例被覆工具14,15の各構成層の縦断面を、走査電子顕微鏡を用いて測定し、観察視野内の5点の層厚を測って平均して平均層厚を求めたところ、いずれも表7および表8に示される目標平均層厚と実質的に同じ平均層厚を示した。
なお、硬質被覆層の平均Al含有割合Xave、平均C含有割合Yaveについて、二次イオン質量分析(Secondary‐Ion‐Mass‐Spectroscopy:SIMS)により求めた。イオンビームを試料表面側から70μm×70μmの範囲に照射し、スパッタリング作用によって放出された成分について深さ方向の濃度測定を行った。平均Al含有割合Xave、平均C含有割合Yaveは深さ方向の平均値を示す。
TiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層の層中に含有される塩素については、電子線マイクロアナライザ(EPMA,Electron−Probe−Micro−Analyser)を用い、試料断面を研磨し、加速電圧10kVの電子線を試料断面側から照射し、得られた特性X線の解析結果の10点平均から平均塩素含有量Claveを算出した。
また、柱状組織を有する立方晶結晶粒と微粒六方晶結晶粒に含有される塩素量の比較および微粒六方晶結晶粒の平均塩素含有量Clhaveについては、前記複合窒化物または複合炭窒化物層中の立方晶構造の結晶粒および立方晶構造の結晶粒からなる柱状組織の粒界部に六方晶構造を有する微粒結晶粒に対して透過型電子顕微鏡を用いて、加速電圧200kVで微小領域1μm×1μmに対して観察を行い、前記立方晶構造の結晶粒および立方晶構造の結晶粒からなる柱状組織の粒界部に六方晶構造を有する微粒結晶粒を同定した後に、各々の結晶粒に対してエネルギー分散型X線分光法(EDS)による組成分析を行い、前記立方晶結晶粒および六方晶結晶粒におけるAlに対する塩素のピーク強度比IcおよびIhの比較を行い、さらに柱状組織の粒界部に存在する六方晶構造の結晶粒に関して、塩素含有量を10点測定し、その平均値から微粒六方晶結晶粒中に含有される平均塩素含有量Clhaveを算出した。
なお、硬質被覆層の結晶構造については、X線回折装置を用い、Cu−Kα線を線源としてX線回折を行った場合、JCPDS00−038−1420立方晶TiNとJCPDS00−046−1200立方晶AlN、各々に示される同一結晶面の回折角度の間(例えば、36.66〜38.53°、43.59〜44.77°、61.81〜65.18°)に回折ピークが現れることを確認することによって調査した。
柱状組織を有する立方晶構造の結晶粒について、その平均粒子幅W及び平均アスペクト比Aを測定した。
平均粒子幅Wについては、走査型電子顕微鏡を用い硬質被覆層の縦断面観察を行った際に、硬質被覆層の層厚の半分の箇所において基体表面と平行な線を少なくとも100μm描き、その平行線の線分長を該平行線と交差する結晶粒界の数で除した数として、柱状組織を有する立方晶構造の結晶粒について、その平均粒子幅Wを求めた。
また、平均アスペクト比については、走査型電子顕微鏡を用い、幅100μm、高さが硬質被覆層全体を含む範囲で硬質被覆層の縦断面観察を行った際に、各結晶粒について粒子径の最も長い長さを長軸とし該長軸の長さおよび該長軸と直交する方向の最大長さを求め、長軸の長さを長軸と直交する方向の最大長さで除することにより、各結晶粒のアスペクト比を算出し、更に各結晶粒の面積を重みとしアスペクト比の加重平均として平均アスペクト比Aを求めた。
さらに、六方晶構造を有する微粒結晶粒については、その平均粒径Rと硬質被膜層に占める面積割合を求めた。
表7に、その結果を示す。
ついで、比較例被覆工具1〜13および参考例被覆工具14,15のそれぞれについても、本発明被覆工具1〜15と同様にして、硬質被覆層の平均Al含有割合Xave、平均C含有割合Yave、平均塩素含有量と微粒六方晶結晶粒における平均塩素含有量Clhave柱状組織を有する立方晶構造の結晶粒の平均粒子幅W及び平均アスペクト比A、六方晶構造を有する微粒結晶粒の平均粒径Rおよび硬質被膜層に占める面積割合を、それぞれ求めた。
表8に、その結果を示す。






つぎに、前記の各種の被覆工具をいずれもカッタ径125mmの工具鋼製カッタ先端部に固定治具にてクランプした状態で、本発明被覆工具1〜15、比較例被覆工具1〜13および参考例被覆工具14,15について、以下に示す、合金鋼の高速断続切削の一種である乾式高速正面フライス、センターカット切削加工試験(通常の回転速度、切削速度、切り込み、一刃送り量は、それぞれ、800min−1、200 m/min、1.0mm、0.08mm/刃)を実施し、切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。
被削材: JIS・SCM440幅100mm、長さ400mmのブロック材
回転速度: 955min−1
切削速度: 375m/min、
切り込み: 1.0mm、
一刃送り量: 0.12mm/刃、
切削時間: 8分、
表9に、前記切削試験の結果を示す。

原料粉末として、いずれも1〜3μmの平均粒径を有するWC粉末、TiC粉末、ZrC粉末、TaC粉末、NbC粉末、Cr32粉末、TiN粉末およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を、表10に示される配合組成に配合し、さらにワックスを加えてアセトン中で24時間ボールミル混合し、減圧乾燥した後、98MPaの圧力で所定形状の圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を5Paの真空中、1370〜1470℃の範囲内の所定の温度に1時間保持の条件で真空焼結し、焼結後、切刃部にR:0.07mmのホーニング加工を施すことによりISO規格CNMG120412のインサート形状をもったWC基超硬合金製の工具基体α〜γをそれぞれ製造した。
また、原料粉末として、いずれも0.5〜2μmの平均粒径を有するTiCN(質量比でTiC/TiN=50/50)粉末、NbC粉末、WC粉末、Co粉末、およびNi粉末を用意し、これら原料粉末を、表11に示される配合組成に配合し、ボールミルで24時間湿式混合し、乾燥した後、98MPaの圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を1.3kPaの窒素雰囲気中、温度:1500℃に1時間保持の条件で焼結し、焼結後、切刃部分にR:0.09mmのホーニング加工を施すことによりISO規格・CNMG120412のインサート形状をもったTiCN基サーメット製の工具基体δを形成した。
つぎに、これらの工具基体α〜γおよび工具基体δの表面に、通常の化学蒸着装置を用い、まず、表4に示される条件で、所定の組成を有する(Ti1−xAl)(C1−y)層を目標層厚になるまで蒸着形成することにより、表13に示される本発明被覆工具16〜30を製造した。
なお、本発明被覆工具19〜28については、表3に示される形成条件で、表12に示される下部層、上部層の少なくともいずれかを形成した。
また、比較の目的で、同じく工具基体α〜γおよび工具基体δの表面に、通常の化学蒸着装置を用い、表5に示される条件で、比較例の(Ti1−xAl)(C1−y)層を目標層厚で蒸着形成することにより、表14に示される比較例被覆工具16〜28を製造した。
なお、本発明被覆工具19〜28と同様に、比較被覆工具19〜28については、表3に示される形成条件で、表12に示される下部層、上部層の少なくともいずれかを形成した。
参考のため、工具基体βおよび工具基体γの表面に、従来の物理蒸着装置を用いて、アークイオンプレーティングにより、参考例の(Ti1−xAl)(C1−y)層を目標層厚で蒸着形成することにより、表14に示される参考被覆工具29,30を製造した。
なお、アークイオンプレーティングの条件は、実施例1に示される条件と同様の条件を用いた。
また、本発明被覆工具16〜30、比較例被覆工具16〜28および参考例被覆工具29、30の各構成層の断面を、走査電子顕微鏡を用いて測定し、観察視野内の5点の層厚を測って平均して平均層厚を求めたところ、いずれも表13および表14に示される目標平均層厚と実質的に同じ平均層厚を示した。
ついで、前記の本発明被覆工具16〜30の硬質被覆層について、硬質被覆層の平均Al含有割合Xave、平均C含有割合Yave、立方晶結晶粒および六方晶結晶粒におけるAlに対する塩素のピーク強度比Ih/Ic、微粒六方晶結晶粒の平均塩素含有量Clhave、平均塩素含有量Clave、柱状組織を有する立方晶構造の結晶粒の平均粒子幅W及び平均アスペクト比A、六方晶構造を有する微粒結晶粒の平均粒径Rおよび硬質被膜層に占める面積割合を、実施例1に示される方法と同様の方法を用い測定した。
表13に、その結果を示す。
ついで、比較例被覆工具16〜28および参考例被覆工具29、30のそれぞれについても、本発明被覆工具16〜30と同様にして、硬質被覆層の平均Al含有割合Xave、平均C含有割合Yave、微粒六方晶結晶粒の平均塩素含有量Clhaveと平均塩素含有量Clave、立方晶結晶粒および六方晶結晶粒におけるAlに対する塩素のピーク強度比Ih/Ic、柱状組織を有する立方晶構造の結晶粒の平均粒子幅W及び平均アスペクト比A、六方晶構造を有する微粒結晶粒の平均粒径Rおよび硬質被膜層に占める面積割合を、それぞれ求めた。
表14に、その結果を示す。





つぎに、前記各種の被覆工具をいずれも工具鋼製バイトの先端部に固定治具にてネジ止めした状態で、本発明被覆工具16〜30、比較被覆工具16〜28および参考被覆工具29、30について、以下に示す、合金鋼の乾式高速断続切削試験、鋳鉄の湿式高速断続切削試験を実施し、いずれも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。
≪切削条件1≫
被削材:JIS・SCM435の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度:380m/min、
切り込み:1.2mm、
送り:0.2mm/rev、
切削時間:5分、
(通常の切削速度は、220m/min)、
≪切削条件2≫
被削材:JIS・FCD700の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度:310m/min、
切り込み:1.2mm、
送り:0.15mm/rev、
切削時間:5分、
(通常の切削速度は、180m/min)、
表15に、前記切削試験の結果を示す。

原料粉末として、いずれも0.5〜4μmの範囲内の平均粒径を有するcBN粉末、TiN粉末、TiCN粉末、TiC粉末、Al粉末、Al粉末を用意し、これら原料粉末を表16に示される配合組成に配合し、ボールミルで80時間湿式混合し、乾燥した後、120MPaの圧力で直径:50mm×厚さ:1.5mmの寸法をもった圧粉体にプレス成形し、ついでこの圧粉体を、圧力:1Paの真空雰囲気中、900〜1300℃の範囲内の所定温度に60分間保持の条件で焼結して切刃片用予備焼結体とし、この予備焼結体を、別途用意した、Co:8質量%、WC:残りの組成、並びに直径:50mm×厚さ:2mmの寸法をもったWC基超硬合金製支持片と重ね合わせた状態で、通常の超高圧焼結装置に装入し、通常の条件である圧力:4GPa、温度:1200〜1400℃の範囲内の所定温度に保持時間:0.8時間の条件で超高圧焼結し、焼結後上下面をダイヤモンド砥石を用いて研磨し、ワイヤー放電加工装置にて所定の寸法に分割し、さらにCo:5質量%、TaC:5質量%、WC:残りの組成およびJIS規格CNGA120412の形状(厚さ:4.76mm×内接円直径:12.7mmの80°菱形)をもったWC基超硬合金製インサート本体のろう付け部(コーナー部)に、質量%で、Zr:37.5%、Cu:25%、Ti:残りからなる組成を有するTi−Zr−Cu合金のろう材を用いてろう付けし、所定寸法に外周加工した後、切刃部に幅:0.13mm、角度:25°のホーニング加工を施し、さらに仕上げ研摩を施すことによりISO規格CNGA120412のインサート形状をもった工具基体イ〜ニをそれぞれ製造した。

つぎに、これらの工具基体イ〜ニの表面に、通常の化学蒸着装置を用い、表3に示される条件で、本発明の(Ti1−xAl)(C1−y)層を目標層厚で蒸着形成することにより、表18に示される本発明被覆工具31〜40を製造した。なお、本発明被覆工具34〜38については、表3に示される形成条件で、表17に示される下部層、上部層の少なくともいずれかを形成した。
また、比較の目的で、同じく工具基体イ〜ニの表面に、通常の化学蒸着装置を用い表4に示される条件で、比較例の(Ti1−xAl)(C1−y)層を目標層厚で蒸着形成することにより、表19に示される比較例被覆工具31〜39を製造した。
参考のため、工具基体イの表面に、従来の物理蒸着装置を用いて、アークイオンプレーティングにより、参考例の(Ti1−xAl)(C1−y)層を目標層厚で蒸着形成することにより、表19に示される参考例被覆工具40を製造した。
なお、アークイオンプレーティングの条件は、実施例1に示される条件と同様の条件を用い、前記工具基体の表面に、表19に示される目標平均組成、目標平均層厚の(Ti1−xAl)(C1−y)層を蒸着形成し、参考例被覆工具40を製造した。
また、本発明被覆工具31〜40、比較例被覆工具31〜39および参考例被覆工具40の各構成層の断面を、走査電子顕微鏡を用いて測定し、観察視野内の5点の層厚を測って平均して平均層厚を求めたところ、いずれも表18および表19に示される目標平均層厚と実質的に同じ平均層厚を示した。
ついで、前記の本発明被覆工具31〜40の硬質被覆層について、本発明被覆工具1〜15と同様にして、硬質被覆層の平均Al含有割合Xave、平均C含有割合Yave、立方晶結晶粒および六方晶結晶粒におけるAlに対する塩素のピーク強度比Ih/Ic、微粒六方晶結晶粒の平均塩素含有量Clhave、平均塩素含有量Clave、柱状組織を有する立方晶構造の結晶粒の平均粒子幅W及び平均アスペクト比A、六方晶構造を有する微粒結晶粒の平均粒径Rおよび硬質被膜層に占める面積割合を、それぞれ求めた。
表18に、その結果を示す。
ついで、比較例被覆工具31〜39および参考例被覆工具40のそれぞれについても、本発明被覆工具31〜40と同様にして、硬質被覆層の平均Al含有割合Xavg、平均C含有割合Yavg、立方晶結晶粒および六方晶結晶粒におけるAlに対する塩素のピーク強度比Ih/Ic、六方晶結晶粒の平均塩素含有量Clhavg、平均塩素含有量Clavg、柱状組織を有する立方晶構造の結晶粒の平均粒子幅W及び平均アスペクト比A、六方晶構造を有する微粒結晶粒の平均粒径Rおよび硬質被膜層に占める面積割合を、それぞれ求めた。
表19に、その結果を示す。



つぎに、前記の各種の被覆工具をいずれも工具鋼製バイトの先端部に固定治具にてネジ止めした状態で、本発明被覆工具31〜40、比較例被覆工具31〜39および参考例被覆工具40について、以下に示す、浸炭焼入れ合金鋼の乾式高速断続切削加工試験を実施し、切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。
被削材: JIS・SCr420(硬さ:HRC62)の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度: 235m/min、
切り込み: 0.12mm、
送り: 0.12mm/rev、
切削時間: 4分、
表20に、前記切削試験の結果を示す。

表7〜9、表13〜15および表18〜20に示される結果から、本発明被覆工具1〜40は、所定組成の(Ti1−xAl)(C1−y)層が成膜され、該層は微量の塩素を含有し、柱状組織を有する立方晶構造の結晶粒は、平均粒子幅Wが0.1〜2μmおよび平均アスペクト比Aが2〜10であって、該柱状組織の粒界部には、平均粒径Rが0.01〜0.3μmの六方晶構造の微粒結晶粒が形成されていることから、合金鋼、鋳鉄などの高速断続切削加工ですぐれた耐チッピング性、耐摩耗性を発揮する。
これに対して、比較例被覆工具1〜13,16〜28、31〜39、参考例被覆工具9,10,14、15、40については、いずれも、硬質被覆層にチッピング、欠損、剥離等の異常損傷が発生するばかりか、比較的短時間で使用寿命に至ることが明らかである。
前述のように、本発明の被覆工具は、合金鋼、鋳鉄などの高速断続切削加工ばかりでなく、各種の被削材の被覆工具として用いることができ、しかも、長期の使用に亘ってすぐれた耐チッピング性、耐摩耗性を発揮するものであるから、切削装置の高性能化並びに切削加工の省力化および省エネ化、さらに低コスト化に十分満足に対応できるものである。

Claims (6)

  1. 炭化タングステン基超硬合金、炭窒化チタン基サーメットまたは立方晶窒化ホウ素基超高圧焼結体のいずれかで構成された工具基体の表面に、硬質被覆層を設けた表面被覆切削工具において、
    (a)前記硬質被覆層は、化学蒸着法により成膜された平均層厚1〜20μmのTiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層を少なくとも含み、組成式:(Ti1−xAl)(C1−y)で表した場合、AlのTiとAlの合量に占める含有割合XaveおよびCのCとNの合量に占める含有割合Yave(但し、Xave、Yaveはいずれも原子比)が、それぞれ、0.60≦Xave≦0.95、0≦Yave≦0.005を満足し、
    (b)前記複合窒化物または複合炭窒化物層の層中に含有される平均塩素含有量は、0.1〜0.5原子%であり、
    (c)前記複合窒化物または複合炭窒化物層について該層断面側から観察した場合、複合窒化物または複合炭窒化物層は、立方晶構造の結晶粒からなる柱状組織を有し、個々の立方晶構造の結晶粒の平均粒子幅Wが0.1〜2μm、平均アスペクト比Aが2〜10であり、
    (d)前記複合窒化物または複合炭窒化物層には、立方晶構造の結晶粒からなる柱状組織の粒界部に六方晶構造を有する微粒結晶粒が存在し、該微粒結晶粒の平均粒径Rは0.01〜0.3μmであり、
    (e)前記複合窒化物または複合炭窒化物層中の立方晶構造の結晶粒および立方晶構造の結晶粒からなる柱状組織の粒界部に六方晶構造を有する微粒結晶粒に対して透過型電子顕微鏡を用いて、エネルギー分散型X線分光法(EDS)による組成分析を行い、各々のAlに対する塩素のピーク強度比に関して、六方晶構造を有する微粒結晶粒の該ピーク強度比Ihの立方晶構造の結晶粒の該ピーク強度比Icに対する比Ih/Icが5より大きいことを特徴とする表面被覆切削工具。
  2. 前記複合窒化物または複合炭窒化物層において、前記複合窒化物または複合炭窒化物層中の立方晶構造の結晶粒および立方晶構造の結晶粒からなる柱状組織の粒界部に六方晶構造を有する微粒結晶粒に対して透過型電子顕微鏡を用いて、エネルギー分散型X線分光法(EDS)による組成分析を行い、微粒六方晶結晶粒における含有塩素量が1.0〜3.0原子%であることを特徴とする請求項1に記載の表面被覆切削工具。
  3. 前記複合窒化物または複合炭窒化物層に存在する六方晶構造を有する微粒結晶粒が硬質被膜層に占める割合が30面積%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の表面被覆切削工具。
  4. 前記炭化タングステン基超硬合金、炭窒化チタン基サーメットまたは立方晶窒化ホウ素基超高圧焼結体のいずれかで構成された工具基体と、前記TiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層の間に、Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上からなり、かつ、0.1〜20μmの合計平均層厚を有するTi化合物層を含む下部層が存在することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表面被覆切削工具。
  5. 前記複合窒化物または複合炭窒化物層の上部に、少なくとも1〜25μmの平均層厚を有する酸化アルミニウム層を含む上部層が存在することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の表面被覆切削工具。
  6. 前記複合窒化物または複合炭窒化物層は、少なくとも、トリメチルアルミニウムを反応ガス成分として含有する化学蒸着法により成膜されたものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表面被覆切削工具。
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