JP2016013645A - インクジェット印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】中間調領域の風紋ムラを目立たなくすることにより画像劣化を防止する。
【解決手段】印刷ジョブに含まれる画像データの解像度が高解像度であり、かつ、画像データ内の各画素の濃度が同一で所定範囲である場合に、単位時間当たりにおけるノズルのインク吐出量に基づいて算出される、ノズルから吐出されたインクを印刷用紙の搬送気流に抗して直進させる自己気流の発生度合いを示す自己気流度に基づいて、画像データの解像度を低解像度に変換し、画像データ内の各画素の濃度を増加するようにインクを各ノズルから吐出させる。
【選択図】図7

Description

本発明は、インクジェット印刷装置に関する。
ライン型のインクジェット印刷装置は、搬送ベルトにより搬送される用紙に対して、用紙の搬送方向と直交する方向に複数配置されたインクジェットヘッドによりインクの液滴を吐出することにより印刷を行う。
このようなライン型のインクジェット印刷装置では、様々な要因により、インクジェットヘッドから吐出された液滴に着弾位置ズレが生じ、これにより画像劣化が生じる場合がある。
特許文献1には、複数の液滴吐出口が形成された液体吐出ヘッドの吐出面と記録面との間の距離を把握し、当該距離に基づいて記録面上での着弾位置ずれ量を特定し、この特定した着弾位置ずれ量に応じて画像データを補正して中間階調処理を行う画像記録装置に関する技術が提案されている。
特開2007−21807号公報
しかしながら、特許文献1に記載の画像記録装置では、後述する自己気流の影響を考慮していなかった。このため、自己気流が影響して画像劣化が生じるような場合に対処できなかった。具体的な説明を以下に行う。
ライン型のインクジェット印刷装置では、ヘッドの直下を搬送された用紙により気流が発生する。また、搬送方向上流側に設けられたノズルからインクが連続吐出されると、そのインク液滴は自己気流を伴い吐出されるため、搬送による気流を遮る壁のように作用する(以下、この形成された擬似的な壁をインク壁という)。
そして、搬送された用紙により発生する気流がインク壁にぶつかり、複雑に気流が乱れることがある。この乱気流により、吐出し着弾すべき位置からずれてしまうことがあり、これにより、いわゆる風紋ムラと呼ばれる濃度ムラが生じる場合があった。
この風紋ムラは、濃度が濃くもなく薄くもない中間調である中間調領域において発生した場合に最も目立つことが分かっている。濃度が濃い高濃度領域に風紋ムラが発生する場合、隣り合う画素のインクがにじみ風紋ムラが生じた箇所を埋めるため目立ちにくくなる。一方、濃度が低い低濃度領域に風紋ムラが発生する場合、元々の画像に無色の画素が多いので、目立ちにくくなる。結果的に、中間調領域において風紋ムラが発生した場合に最も目立つことになり、この中間調領域において風紋ムラを目立たなくすることが切望されていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、自己気流の影響により発生する中間調領域の風紋ムラを目立たなくするインクジェット印刷装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るインクジェット印刷装置の第1の特徴は、搬送経路の上方に配置したインクジェットヘッドに複数のノズル列を前記搬送経路上に搬送される印刷用紙の搬送方向に位置をずらして配置し、印刷ジョブに基づいて、前記各ノズル列の各ノズルからそれぞれインクを吐出して印刷用紙に印刷する際に、前記インクジェットヘッドは第1の解像度または、前記第1の解像度より高い第2の解像度で印刷可能なインクジェット印刷装置であって、前記印刷ジョブに含まれる画像データの解像度が前記第2の解像度であり、かつ、前記画像データ内の各画素の濃度が同一で所定範囲である場合に、単位時間当たりにおける前記ノズルのインク吐出量に基づいて算出される、前記ノズルから吐出されたインクを印刷用紙の搬送気流に抗して直進させる自己気流の発生度合いを示す自己気流度に基づいて、前記画像データの解像度を前記第1の解像度に変換し、前記画像データ内の各画素の濃度を増加するようにインクを各ノズルから吐出させる制御手段を備えることにある。
上記目的を達成するため、本発明に係るインクジェット印刷装置の第2の特徴は、前記画像データが、前記自己気流度に基づいて自己気流が発生し、かつ、前記印刷ジョブに含まれる画像データの解像度が前記第2の解像度であり、かつ、前記画像データ内の各画素の濃度が同一で所定範囲である制御対象画像データであるか否かを判定する判定手段と、
前記インクジェットヘッドと、前記搬送経路との間の距離を可変可能な距離可変手段とを備え、前記制御手段は、前記インクジェットヘッドと、前記搬送経路との間の距離が所定値以上の場合に、前記判定手段による判定処理を行うことにある。
上記目的を達成するため、本発明に係るインクジェット印刷装置の第3の特徴は、印刷用紙の種類に応じて前記制御対象画像データであるか否かを判定するための判定テーブルを記憶する記憶手段を備え、前記判定テーブルを参照して、前記印刷ジョブに基づいて印刷される印刷用紙の種類に基づいて、前記判定手段による判定処理を行うことにある。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第1の特徴によれば、印刷ジョブに含まれる画像データの解像度が第2の解像度であり、かつ、画像データ内の各画素の濃度が同一で所定範囲である場合に、単位時間当たりにおけるノズルのインク吐出量に基づいて算出される、ノズルから吐出されたインクを印刷用紙の搬送気流に抗して直進させる自己気流の発生度合いを示す自己気流度に基づいて、画像データの解像度を第1の解像度に変換し、画像データ内の各画素の濃度を増加するようにインクを各ノズルから吐出させる。具体的には、自己気流が発生し、この自己気流を印刷用紙の搬送により生じる搬送気流が迂回して生じる回り込み気流により、各画素の濃度が同一で所定範囲である中間調の画像データに対応する印刷領域に風紋ムラが目立ちやすくなる。このため、画像データの解像度を第1の解像度に変換して、吐出対象の画素を少なくして自己気流度を下げ、かつ、画像データ内の各画素の濃度を増加するようにインクを各ノズルから吐出させることで、回り込み気流による着弾ズレを低減させる。この結果、インクジェットヘッドから吐出されたインク液滴が重くなり、用紙の搬送により発生する搬送気流の影響を受け難くなるので、着弾位置ズレ量が小さくなり、その分風紋ムラが目立ちにくくなる。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第2の特徴によれば、インクジェットヘッドと、搬送経路との間の距離が所定値以上の場合に、画像データが、自己気流度に基づいて自己気流が発生し、かつ、印刷ジョブに含まれる画像データの解像度が第2の解像度であり、かつ、画像データ内の各画素の濃度が同一で所定範囲である制御対象画像データであるか否かを判定する。インクジェットヘッドと用紙を搬送する搬送経路との間隔は、広いほど風紋ムラが発生し易くなるので、この間隔が広い場合のみ判定処理を実行し、判定条件を満たす場合に第1の解像度で印刷することにより、極力解像度を下げることなく、風紋ムラに対して高い効果を得ることができる。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第2の特徴によれば、用紙の種類に応じて制御対象画像データであるか否かを判定するための判定テーブルを記憶しておき、判定テーブルを参照して、印刷ジョブに基づいて印刷される印刷用紙の種類に基づいて、判定手段による判定処理を行う。用紙の種類によって、インク液滴が用紙に着弾した際のにじみ方が異なるので、例えば、用紙の種類ごとに中間調濃度と判定する1画素当たりのドロップ数を、判定テーブルに予め定めておき、用紙の種類に応じて中間調濃度と判定することで、用紙に応じて風紋ムラが目立ち易い場合に、低解像度で印刷することができる。
本発明の実施例1であるインクジェット印刷装置の構成を示す構成図である。 本発明の実施例1であるインクジェット印刷装置が備えるインクジェットユニットの平面図である。 本発明の実施例1であるインクジェット印刷装置が備えるインクジェットヘッドのノズルから吐出された液滴と発生した気流を模式的に示した図である。(a)は、用紙Pの搬送方向(副走査方向)上流側から見た図であり、(b)は、斜視図である。 風紋ムラの状態を説明した説明図である。(a)は、高濃度領域の風紋ムラを示し、(b)は、中間調領域での風紋ムラを示し、(c)は、低濃度領域での風紋ムラを示している。 本発明の実施例1であるインクジェット印刷装置の機能構成を示した図である。 本発明の実施例1であるインクジェット印刷装置が備える制御部のROMに記憶された条件判定テーブルの一例を示した図である。(a)は、マット紙に対応する条件判定テーブルの一例を示した図であり、(b)は、普通紙に対応する条件判定テーブルの一例を示した図である。 本発明の実施例1であるインクジェット印刷装置の処理手順を示したフローチャートである。 本発明の実施例1であるインクジェット印刷装置における図8のフローチャートのステップS140の解像度および吐出量の変換処理を模式的に示した説明図である。(a)は、受信した印刷ジョブに含まれる制御対象画像データのドロップデータを示しており、(b)は、このドロップデータに基づいて印刷される際、風紋ムラが発生した場合におけるインク液滴の着弾位置を示した図であり、(c)は、副走査方向の解像度および吐出量を変換したドロップデータに基づいて印刷される際に、インク液滴が着弾する着弾位置を示した図であり、(d)は、(c)に示した着弾位置でインク液滴が着弾された場合において、インクが用紙ににじんだ状態を示した図である。 本発明の実施例1であるインクジェット印刷装置における図8のフローチャートのステップS140の解像度および吐出量の変換処理を模式的に示した説明図である。(a)は、受信した印刷ジョブに含まれる制御対象画像データのドロップデータを示しており、(b)は、このドロップデータに基づいて印刷される際、風紋ムラが発生した場合におけるインク液滴の着弾位置を示した図であり、(c)は、主走査方向および副走査方向の解像度および吐出量を変換したドロップデータに基づいて印刷される際に、インク液滴が着弾する着弾位置を示した図であり、(d)は、(c)に示した着弾位置でインク液滴が着弾された場合において、インクが用紙ににじんだ状態を示した図である。
以下、本発明に係るインクジェット印刷装置の実施例1について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する本発明に係る実施例1のインクジェット印刷装置1は、あくまで本発明に係るインクジェット印刷装置の一例であり、本発明の技術的思想の範囲内において適宜変更可能である。
<インクジェット印刷装置の全体構成>
本発明の実施例1では、用紙の搬送方向と直交する方向(主走査方向)に配列されたインクジェットヘッドを有し、搬送経路上で搬送された用紙に対して、画像データに基づいてインクジェットヘッドのノズルからインクを吐出して印刷するライン型のインクジェット印刷装置を例に挙げて説明する。
図1は、本発明の実施例1であるインクジェット印刷装置1の構成を示す構成図である。
図1に示すように、インクジェット印刷装置1は、サイド給紙部10と、内部給紙部20と、印刷部30と、排紙部40と、反転部50とを備えている。
サイド給紙部10は、用紙Pが積層される給紙台11と、この給紙台11から最上位置の用紙Pのみを給紙搬送路FR上へ搬送させる1次給紙部12と、この1次給紙部12によって搬送された用紙Pを循環搬送路CR上へ搬送する2次給紙部14とを備えている。
内部給紙部20は、用紙Pが積層される給紙台21aと、この給紙台21aから最上位置の用紙Pのみを給紙搬送路FR上へ搬送させる1次給紙部22aと、用紙Pが積層される給紙台21bと、この給紙台21bから最上位置の用紙Pのみを給紙搬送路FR上へ搬送させる1次給紙部22bと、用紙Pが積層される給紙台21cと、この給紙台21cから最上位置の用紙Pのみを給紙搬送路FR上へ搬送させる1次給紙部22cと、用紙Pが積層される給紙台21dと、この給紙台21dから最上位置の用紙Pのみを給紙搬送路FR上へ搬送させる1次給紙部22dとを備えている。
このように、2次給紙部14には、サイド給紙部10及び内部給紙部20から用紙Pが搬送され、さらに、後述する反転部50からも用紙Pが搬送される。
そのため、搬送方向における2次給紙部14の手前には、給紙された用紙Pの搬送経路と、一方の面が印刷された用紙が循環して搬送されてくる経路とが合流する合流地点が存在する。この合流地点を基準に、給紙機構側の経路を給紙搬送路FRと称し、それ以外の経路を循環搬送路CRと称している。
印刷部30は、複数の印字ヘッドが組み込まれたインクジェットユニット31と、インクジェットユニット31の対向面に設けられた環状の搬送ベルト133とを備えており、2次給紙部14により給紙された用紙Pは、環状の搬送ベルト133内に、用紙の搬送路面の裏面に対応して設置された吸引ファン131によって搬送ベルト133上に吸引され、所定の搬送速度で搬送されながら、インクジェットユニット31から吐出されたインクにより用紙Pに印刷される。
印刷部30により印刷された用紙Pは、循環搬送路CR上に配置された搬送ローラ等によって筐体内を循環搬送路CR上を搬送される。循環搬送路CR上には、循環搬送路CR上を搬送された用紙Pを排紙部40へ誘導するか、又は循環搬送路CR上を再循環させるかを切り替える切り替え機構43が備えられている。
切り替え機構43は、用紙Pを、後述する排紙部40又は反転部50のいずれか1方へ誘導するために、切り替える。
排紙部40は、インクジェット印刷装置1の筐体から突出したトレイ形状をした排紙台41と、排紙台41に用紙Pを誘導する一対の排紙ローラ42とを有している。そして、切り替え機構43により排紙部40に誘導された用紙Pは、排紙ローラ42により排紙台41に搬送され、排紙台41に印刷面を下にして積載される。
反転部50は、用紙Pを反転させる反転台51と、循環搬送路CRから反転台51へ用紙Pを搬送し、又は反転台51から循環搬送路CR上へ用紙Pを搬送する反転ローラ52とを備えている。
切り替え機構43により反転部50に誘導された用紙Pは、反転ローラ52により循環搬送路CRから反転台51に搬送され、所定時間経過後、反転台51から循環搬送路CRへ搬送されることにより、循環搬送路CRに対して表裏が反転する。そして、表裏が反転された用紙Pは、循環搬送路CR上に設けられた搬送ローラ53等の複数のローラにより循環搬送路CR上を印刷部30へ向かって搬送される。
また、インクジェット印刷装置1の全体を制御する制御部80を有している。この制御部80は、サイド給紙部10と、内部給紙部20と、印刷部30と、排紙部40と、反転部50とを制御することにより、画像データに基づいて印刷処理を実行する。
図2は、本発明の実施例1であるインクジェット印刷装置1が備えるインクジェットユニット31の平面図である。
インクジェットユニット31は、主走査方向、即ち用紙Pの搬送方向と直交する方向に2列のノズルが配列されたライン型の複数のインクジェットヘッド110,112,114を有する。
そして、インクジェットユニット31の下部を用紙Pが副走査方向(用紙Pの搬送方向)に搬送されながら、複数のインクジェットヘッド110,112,114からインクが吐出されることにより印刷される。
インクジェットユニット31は、ブラック(K)のインクを貯留したインクジェットヘッド110a〜110fと、シアン(C)及びマゼンダ(M)のインクを貯留したインクジェットヘッド112a〜112fと、イエロー(Y)のインクを貯留したインクジェットヘッド114a〜114fとを備えている。なお、インクジェットヘッド110a〜110fと、インクジェットヘッド112a〜112fと、インクジェットヘッド114a〜114fとは、吐出されるインク色が異なるが、同一の物理構造を有している。
インクジェットヘッド110a〜110fは、主走査方向に対して平行になるように、300dpiの解像度を実現するピッチ間隔でノズルが配列された上流側のノズル列121と、300dpiの解像度を実現するピッチ間隔でノズルが配列された下流側のノズル列123とが配置されている。2列のノズル列121,123は、主走査方向のノズルの位置がそれぞれずらして設けられており、2列のノズル列121,123から同色(ここでは、ブラック)のインクが吐出されることにより、600dpiの解像度を実現する。
また、インクジェットヘッド110a〜110fには、ブラック(K)のインクを収容するインク室が設けられており、このインク室内にはピエゾ素子が配置されている。そして、供給された駆動信号に基づいて、ピエゾ素子にインクが吐出する駆動電圧が印加されることにより、インク室に連通するノズルからブラック(K)のインクを、ドロップ単位で吐出する。なお、図示しないが、インクジェットヘッド110a〜110fには、それぞれインクの温度を測定する温度計が備えられている。
このように、主走査方向に2列に配置されたノズル列121,123からブラック(K)のインクが吐出されることにより、600(dpi)の解像度で印字することができ、ノズル列121,123のいずれか一方からブラック(K)のインクが吐出されることにより、300(dpi)の解像度で印字することができる。すなわち、吐出するノズル列を2列とするか、または1列とするかにより、解像度を600(dpi)または300(dpi)に切り替えて印刷することができる。
一方、インクジェットヘッド112a〜112fは、主走査方向に対して平行になるように、300dpiの解像度を実現するピッチ間隔でノズルが配列されシアン(C)のインクを吐出する上流側のノズル列124と、300dpiの解像度を実現するピッチ間隔でノズルが配列されマゼンダ(M)のインクを吐出する下流側のノズル列125とが1列ずつ配置されている。
また、インクジェットヘッド112a〜112fには、それぞれシアン(C)のインクを収容するインク室と、マゼンダ(M)のインクを収容するインク室とが設けられており、このインク室内にはピエゾ素子が配置されている。そして、駆動信号に基づいてピエゾ素子にインクを吐出する駆動電圧が印加されることにより、シアン(C)、マゼンダ(M)それぞれのインク室に連通するノズルからシアン(C)、マゼンダ(M)それぞれのインクがドロップ単位で吐出される。なお、図示しないが、インクジェットヘッド112a〜112fには、それぞれインクの温度を測定する温度計が備えられている。
このように、主走査方向に2列に配置されたノズル列124,125のうち、上流側のノズル列124からシアン(C)のインクが吐出され、下流側のノズル列125からマゼンダ(M)のインクが吐出されることにより、シアン(C)、マゼンダ(M)がそれぞれ300(dpi)の解像度で印字される。
インクジェットヘッド114a〜114fは、300dpiの解像度を実現するピッチ間隔でノズルが配列されたノズル列が、主走査方向に対して平行になるように2列に配列されており、上流側にはイエロー(Y)のインクを吐出するノズル列127が配置され、下流側には、予備インクのノズル列128が配置されている。
また、インクジェットヘッド114a〜114fには、イエロー(Y)のインクを収容するインク室と、予備インクを収容するインク室とが設けられており、このインク室内にはピエゾ素子が配置されている。そして、駆動信号に基づいてピエゾ素子にインクを吐出する駆動電圧が印加されることにより、イエロー(Y)、予備インク色それぞれのインク室に連通するノズルからイエロー(Y)、予備インク色それぞれのインクがドロップ単位で吐出される。
このように、主走査方向に2列に配置されたノズル列のうち、上流側のノズル列127からイエロー(Y)のインクが吐出され、下流側のノズル列128から予備インクが吐出されることにより、イエロー(Y)、予備インク色がそれぞれ300(dpi)の解像度で印字される。
なお、予備インクは、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)でも良いし、ライトシアン(LC)やライトマゼンダ(LM)であっても良い。
また、上述したように、インクジェットヘッド110a〜110fと、インクジェットヘッド112a〜112fと、インクジェットヘッド114a〜114fとは、吐出されるインク色が異なるが、同一の物理構造を有しているので、1つのインクジェットヘッドに同色のインクを収容した場合、主走査方向の解像度を600(dpi)または300(dpi)に切り替えて印刷することができ、1つのインクジェットヘッドに異なる色のインクを収容した場合、300(dpi)の解像度で、異なる2色のインクで印刷することができる。
<気流の影響による着弾位置ズレの説明>
図3は、本発明の実施例1であるインクジェット印刷装置1が備えるインクジェットヘッドのノズルから吐出された液滴と発生した気流を模式的に示した図である。(a)は、用紙Pの搬送方向(副走査方向)上流側から見た図であり、(b)は、斜視図である。
図3(a),(b)に示すように、インクジェットヘッド110aの主走査方向中央部の3つの上流側のノズル列121からインク液滴Dが連続吐出されたとする。このとき、そのインク液滴Dは自己気流を伴い吐出されるため、搬送による気流を遮る壁のように作用し、擬似的なインク壁を形成する。
自己気流は主走査方向において連続する複数のノズルがインクをそれぞれ吐出していることより強い流れになる。また、自己気流は同じノズルが連続する複数のラインのドットに対してインクの吐出を繰り返す場合にも高くなる。即ち、単位時間当たりにおける、各ノズルのインク吐出量が高い領域が存在すると、その領域において、ノズルから吐出されたインクを印刷用紙の搬送気流に抗して直進させる自己気流の発生度合いが高くなる。
一方で、用紙Pが副走査方向に搬送されることにより、この搬送に伴って搬送気流F1〜F6が発生する。そのうち、主走査方向中央部を流れる搬送気流F3,F4については、インク液滴Dの連続吐出により形成されたインク壁(自己気流)にぶつかることになる。これにより、搬送気流F3,F4は、形成されたインク壁を回り込むような流れを形成し、さらに、回り込んだ搬送気流F3,F4が、搬送気流F2,F5に影響を及ぼしたり、回り込んだ搬送気流F3,F4同士がぶつかり合ったりして、複雑に気流が乱れることがある。この乱気流により、吐出し着弾すべき位置からずれてしまうことがあり、これにより、いわゆる風紋ムラと呼ばれる濃度ムラが生じる場合がある。
また、この風紋ムラは、高濃度でもなく低濃度でもない中間調である中間調領域において発生した場合に最も目立つことが分かっている。
図4は、風紋ムラの状態を説明した説明図である。(a)は、高濃度領域の風紋ムラを示し、(b)は、中間調領域での風紋ムラを示し、(c)は、低濃度領域での風紋ムラを示している。本図では、いずれもインクジェット印刷装置1が受信した受信ジョブに含まれる画像データは高解像度のデータであり、この画像データには、いわゆるベタ画像といわれるインクが一定間隔で連続して吐出される連続吐出領域が含まれているとする。
言い換えると、上記画像データには、自己気流が発生し、かつ、印刷ジョブに含まれる画像データの解像度が高解像度であり、かつ、画像データ内の各画素の濃度が同一で所定範囲である制御対象画像データが含まれることである。(b)の場合には、上記所定範囲が中間調の濃度範囲となる。
図4(a)に示すように、ドロップデータに変換された画像データ201は、高濃度の連続吐出領域の画像データであり、この画像データ201に基づいて印刷された画像が印刷画像211である。このとき、画像データ201は、高濃度の連続吐出領域の画像データであるので、拡大画像データ201aに示すように、高い密度で吐出する画素がb1の間隔で並ぶことになる。そして、この画像データに基づいて吐出されると、着弾位置211aに示すように、インク液滴の着弾位置ずれが発生し、着弾する画素と画素との間にb2の間隔が空くことになる。
しかしながら、着弾画素211bに示すように、インク液滴は用紙に着弾すると用紙ににじむので、隣り合う着弾画素との距離が短くなる(着弾画素211bに示した例では、接触または重なっている)。そのため、高濃度の連続吐出領域では、風紋ムラが生じたとしても、着弾画素のにじみにより目立たなくなる。
一方、図4(b)に示すように、ドロップデータに変換された画像データ202は、中間調の連続吐出領域の画像データであり、この画像データ202に基づいて印刷された画像が印刷画像212である。印刷画像212では、風紋ムラが発生した風紋ムラ領域212eが目立つように形成されている。
画像データ202は、中間調の連続吐出領域の画像データであるので、拡大画像データ202aに示すように、中程度の密度で吐出する画素が並ぶことになる。そして、この画像データに基づいて吐出されると、着弾位置212aに示すように、インク液滴の着弾位置ずれが発生し、着弾する画素と画素との間にb4の間隔が空くことになる。
そして、着弾画素212bに示すように、インク液滴は用紙に着弾すると用紙ににじむが、中程度の密度で吐出された着弾画素はb5の間隔が空いている。そのため、中間調の連続吐出領域では、風紋ムラが発生すると、濃淡が目立ち易くなるので風紋ムラ領域212eが目立つことになる。
また、図4(c)に示すように、ドロップデータに変換された画像データ203は、低濃度の連続吐出領域の画像データであり、この画像データ203に基づいて印刷された画像が印刷画像213である。このとき、画像データ203は、低濃度の連続吐出領域の画像データであるので、拡大画像データ203aに示すように、低い密度で吐出する画素がb7の間隔で並ぶことになる。そして、この画像データに基づいて吐出されると、着弾位置213aに示すように、インク液滴の着弾位置ずれが発生し、着弾する画素と画素との間にb8の間隔が空くことになる。
着弾画素213bに示すように、着弾画素211bや着弾画素212bと同様に、インク液滴は用紙に着弾すると用紙ににじむので、隣り合う着弾画素との距離が短くなる。しかしながら、低い密度で着弾すると、もともとの画素の間隔b7が広いので、風紋ムラの発生により着弾位置の間隔が間隔b8となり、着弾画素213bの間隔が間隔b9となったとしても、見た目の濃度にはほとんど影響しない。そのため、低濃度の連続吐出領域では、風紋ムラが生じたとしても、着弾画素の広い間隔により目立たなくなる。
そこで、本発明の実施例1であるインクジェット印刷装置1では、図4(b)の印刷画像212に発生する風紋ムラ領域212eを目立たないように印刷する。
<インクジェット印刷装置1の機能構成>
次に、本発明の実施例1であるインクジェット印刷装置1の機能構成について説明する。
図5は、本発明の実施例1であるインクジェット印刷装置1の機能構成を示した図である。
図5に示すように、インクジェット印刷装置1は、サイド給紙部10と、内部給紙部20と、印刷部30と、排紙部40と、反転部50と、操作パネル部70と、制御部80とを備える。これらの構成のうち、サイド給紙部10と、内部給紙部20と、印刷部30と、排紙部40と、反転部50とについては、上述したので、説明を省略する。
制御部80は、CPU81と、CPU81の動作プログラムや各種テーブル等を格納したROM82と、画像読取り部(図示せず。)が読取った画像データまたはコンピュータ装置(図示せず。)等が送信してきた画像データ、さらには操作パネル部70またはコンピュータ装置(図示せず。)からの各種印刷条件を含む印刷ジョブを記憶するRAM83を有している。
図6は、本発明の実施例1であるインクジェット印刷装置1が備える制御部80のROM82に記憶された条件判定テーブルの一例を示した図である。(a)は、マット紙に対応する条件判定テーブルの一例を示した図であり、(b)は、普通紙に対応する条件判定テーブルの一例を示した図である。この条件判定テーブルは、後述するように風紋ムラを目立たなくするために、印刷用紙の種類に応じて制御対象画像データであるか否かを判定するためのテーブルである。
図6(a),(b)ともに、主走査方向において一定間隔で連続する画素数、連続吐出する時間、搬送ベルト133により定まる副走査方向の画素の間隔、単位面積当たりのドロップ数が関連付けられて記憶されている。この主走査方向において一定間隔で連続する画素数は、主走査方向の画素の密度を示し、副走査方向の画素の間隔は副走査方向の画素の密度を示し、画像データの解像度が高解像度であるか否かの判定するための条件となる。また、連続して吐出する時間、単位時間あたりのドロップ数により、自己気流の発生度合いが高いか否かを判定するための条件、中間調領域であるか否かを判定するための条件となっている。この条件判定テーブルは、後述するように風紋ムラを目立たなくするために、低解像度に切り替えて印刷するか否かの判定に用いられる。なお、この条件判定テーブルは予め実験的に求められたものである。
図5に戻り、CPU81は、ROM82に格納された動作プログラムを実行することにより、本装置全体、すなわちサイド給紙部10と、内部給紙部20と、印刷部30と、排紙部40と、反転部50と、操作パネル部70と等の動作を制御する。また、CPU81は、判定部81aと、インク吐出制御部81bとを実装する。
判定部81aは、印刷のページごとに、印刷するための画像データが上記の制御対象画像データであるか否かを判定する。具体的には、判定部81aは、印刷するための画像データが、自己気流度に基づいて自己気流が発生し、かつ、印刷ジョブに含まれる画像データの解像度が高解像度であり、かつ、画像データ内の各画素の濃度が同一で所定範囲である制御対象画像データであるか否かを判定する。
インク吐出制御部81bは、判定部81aにより、上記の制御対象画像データと判定された場合、画像データに対して全ドロップ数を同一としつつ1画素当たりのドロップ数を増加させてインクを吐出し、かつ、低解像度で印刷するようにインクジェットヘッド110,112,114を制御する一方、判定部81aにより、上記の制御対象画像データでないと判定された場合、画像データに基づき指定された解像度で印刷するようにインクジェットヘッド110,112,114を制御する。
<インクジェット印刷装置1の作用>
次に、本発明の実施例1であるインクジェット印刷装置1の詳細な処理手順について説明する。
図7は、本発明の実施例1であるインクジェット印刷装置1の処理手順を示したフローチャートである。
図7に示すように、まず、制御部80のCPU81は、印刷ジョブを受信した場合(ステップS100“YES”)、受信したジョブに含まれるドロップデータに変換された画像データが、600(dpi)×600(dpi)で印刷するための高解像度でビットマップ化されたものか、または300(dpi)×300(dpi)で印刷するための低解像度でビットマップ化されたものかを判定する(ステップS105)。
ステップS105において、画像データが低解像度でビットマップ化されたものであると判定された場合(NO)、解像度を変換することなく、制御部80のCPU81のインク吐出制御部81bは、ステップS100において受信した印刷ジョブに含まれるドロップデータに基づいて、印刷処理を実行する(ステップS160)。
一方、画像データが高解像度でビットマップ化されたものであると判定された場合(YES)、CPU81は、受信した印刷ジョブからページごとに、ドロップデータに変換された画像データおよび用紙種類を取得する(ステップS110)。
次に、CPU81の判定部81aは、インクジェットユニット31と、インクジェットユニット31の対向面に設けられた環状の搬送ベルト133との間隔であるギャップが所定値以上か否かを判定する(ステップS120)。印刷される用紙は、用紙自体の厚みや、封筒などの用紙の形状が異なるので、用紙がインクジェットユニット31に接触することなく適切に印刷できるように、この用紙種類に応じてギャップが設定される。そこで、判定部81aは、ステップS110において取得された用紙種類に基づいてギャップを決定し、決定したギャップが所定値以上か否かを判定する。ここで、ギャップは、広いほど着弾位置ずれが発生し易くなり、風紋ムラが発生しやすくなる。
そこで、ステップS120において、ギャップが所定値未満であると判定された場合(“NO”)、着弾位置ずれが発生しにくいので、インク吐出制御部81bは、ステップS100において受信した印刷ジョブに含まれるドロップデータに基づいて、印刷処理を実行する(ステップS160)。
一方、ギャップが所定値以上であると判定された場合(ステップS120“YES”)、判定部81aは、印刷ジョブに基づいて、制御対象画像データがあるか否かを判定する(ステップS130)。具体的には、判定部81aは、ROM82に記憶された用紙種ごとの条件判定テーブルのうち、ステップS110において取得した用紙種に対応する条件判定テーブルを抽出し、印刷ジョブに含まれるドロップデータに基づいて、C、M、Y、Kのうちいずれか1色において、この抽出した条件判定テーブルの条件を満たす場合に、制御対象画像データがあると判定する。例えば、用紙種が“普通紙”の場合、Kインクにより、主走査方向にX2以上Kインクを吐出する画素を、Y2時間以上連続して吐出する場合、Kの単色のベタ領域が形成されることになる。そして、副走査方向の画素の間隔がV2以上であり、単位面積当たりのドロップ数が“3”〜“6”(ドロップ)の場合、このKのベタ領域は中間調領域となる。このような場合には、制御対象画像データと判定することができる。
ステップS130において、制御対象画像データがあると判定された場合(“YES”)、インク吐出制御部81bは、解像度および吐出量を変換する(ステップS140)。具体的には、インク吐出制御部81bは、画像データに対して全ドロップ数を同一としつつ1画素当たりのドロップ数を増加させてインクを吐出し、かつ、ドロップデータの副走査方向の解像度を600(dpi)から300(dpi)に変換する。これにより、解像度および吐出量を変換されたドロップデータは、600(dpi)×300(dpi)の解像度のドロップデータとなっている。
CPU81は、ステップS140において生成されたドロップデータに基づいて、印刷処理を実行する(ステップS160)。
図8は、本発明の実施例1であるインクジェット印刷装置1における図8のフローチャートのステップS140の解像度および吐出量の変換処理を模式的に示した説明図である。(a)は、受信した印刷ジョブに含まれる制御対象画像データのドロップデータを示しており、(b)は、このドロップデータに基づいて印刷される際、風紋ムラが発生した場合におけるインク液滴の着弾位置を示した図であり、(c)は、副走査方向の解像度および吐出量を変換したドロップデータに基づいて印刷される際に、インク液滴が着弾する着弾位置を示した図であり、(d)は、(c)に示した着弾位置でインク液滴が着弾された場合において、インクが用紙ににじんだ状態を示した図である。
図8(a)に示すように、受信した印刷ジョブに含まれる制御対象画像データのドロップデータでは、主走査方向および副走査方向に600(dpi)×600(dpi)の画像データであり、中間調の一定の濃度で印刷されるように、画素が配列されている、
そして、図8(a)に示したドロップデータに基づいて印刷する際、気流の乱れなどの影響により図8(b)に示すようなややズレた位置に、インク液滴が着弾することになる。このように、インク液滴の着弾位置ズレにより、画素と画素の間にa1のような広い間隔が空くことになり、これが風紋ムラとしてユーザに認識される。
このとき、副走査方向の解像度を600(dpi)から300(dpi)に変換されて、制御対象画像データに対して全ドロップ数を同一としつつ1画素当たりのドロップ数を増加されると、高解像度のまま吐出した場合と比較して自己気流の発生度合が低減でき、また、ドロップ数の増加で、その分インク液滴が重くなり搬送気流の影響を受けにくくなる。そのため、図8(c)に示すように、副走査方向における画素が半分に間引きされ、ドロップ数が増加された状態でインク液滴が着弾されると、搬送気流の影響を受けにくくなるので、図8(b)に示した間隔a1より狭い間隔a2でインク液滴が着弾することになる。
具体的には、図8(a)に示したドロップデータの例では、1画素当たりのドロップ数が2ドロップとすると、主走査方向に8列と副走査方向に4列の画素が配列されているので、この制御対象画像データに対して全ドロップ数は“64”ドロップとなる。
図8(c)に示した例では、副走査方向における画素が半分に間引きされているので、主走査方向に8列と副走査方向に2列の画素が配列されている。この制御対象画像データに対して全ドロップ数を“64”ドロップとするためには、1画素当たりのドロップ数を“4”ドロップとすることになる。
このように、1画素当たりのドロップ数を“4”ドロップと増加させることにより、搬送気流の影響を受けにくくしている。
さらに、図8(d)に示すように、ドロップ数が増加されているので、着弾したインク液滴が用紙ににじみ拡大し易くなり、画素と画素の間は間隔a3のように短くなるので、結果的にユーザに風紋ムラが認識され難くなる。すなわち、風紋ムラが目立ちにくくなる。
以上のように、本発明の実施例1であるインクジェット印刷装置1によれば、インク吐出制御部81bが、印刷ジョブに含まれる画像データの解像度が高解像度であり、かつ、画像データ内の各画素の濃度が同一で所定範囲である場合に、単位時間当たりにおけるノズルのインク吐出量に基づいて算出される、ノズルから吐出されたインクを用紙の搬送気流に抗して直進させる自己気流の発生度合いを示す自己気流度に基づいて、画像データの解像度を低解像度に変換し、画像データ内の各画素の濃度を増加するようにインクを各ノズルから吐出させるので、吐出されたインク液滴がインクの吐出や用紙の搬送により発生する搬送気流の影響を受け難くなるので、着弾位置ズレ量が小さくなり、その分風紋ムラが目立ちにくくなる。
また、本発明の実施例1では、制御対象画像データに対して全ドロップ数を同一としつつ1画素当たりのドロップ数を増加させるために、副走査方向の画素を半分に間引きしたが、これに限らず、主走査方向および副走査方向の半分に間引きしてもよい。
主走査方向における解像度を600(dpi)から300(dpi)にするためには、上述したように、インクジェットヘッド110a〜110fに示したように、1つのインクジェットヘッドに同色のインクが収容されている場合、上流側または下流側のノズル列のいずれか一方からインクを吐出するように制御することにより、解像度を600(dpi)または300(dpi)に切り替えて印刷することができる。すなわち、主走査方向および副走査方向を低解像度に変換することにより、600(dpi)×600(dpi)のドロップデータを、300(dpi)×300(dpi)ドロップデータにすることができる。
図9は、本発明の実施例1であるインクジェット印刷装置1における図8のフローチャートのステップS140の解像度および吐出量の変換処理を模式的に示した説明図である。(a)は、受信した印刷ジョブに含まれる制御対象画像データのドロップデータを示しており、(b)は、このドロップデータに基づいて印刷される際、風紋ムラが発生した場合におけるインク液滴の着弾位置を示した図であり、(c)は、主走査方向および副走査方向の解像度および吐出量を変換したドロップデータに基づいて印刷される際に、インク液滴が着弾する着弾位置を示した図であり、(d)は、(c)に示した着弾位置でインク液滴が着弾された場合において、インクが用紙ににじんだ状態を示した図である。
図9(a)に示すように、受信した印刷ジョブに含まれる制御対象画像データのドロップデータでは、主走査方向および副走査方向に600(dpi)×600(dpi)の画像データであり、中間調の一定の濃度で印刷されるように、画素が配列されている、
そして、図9(a)に示したドロップデータに基づいて印刷する際、気流の乱れなどの影響により図8(b)に示すようなややズレた位置に、インク液滴が着弾することになる。このように、インク液滴の着弾位置ズレにより、画素と画素の間にa1のような広い間隔が空くことになり、これが風紋ムラとしてユーザに認識される。
このとき、主走査方向および副走査方向の解像度を600(dpi)から300(dpi)に変換されて、制御対象画像データに対して全ドロップ数を同一としつつ1画素当たりのドロップ数を増加されると、副走査方向のみ300(dpi)に解像度を変換した場合に比べて、さらに、自己気流の発生度合が低くなり、かつ、インク液滴が重くなり搬送気流の影響を受けにくくなる。そのため、図9(c)に示すように、主走査方向および副走査方向における画素が半分に間引きされ、ドロップ数が増加された状態でインク液滴が着弾されると、図9(b)に示した間隔a4より狭い間隔a5でインク液滴が着弾することになる。
具体的には、図9(a)に示したドロップデータの例では、1画素当たりのドロップ数が2ドロップとすると、主走査方向に8列と副走査方向に4列の画素が配列されているので、この制御対象画像データに対して全ドロップ数は“64”ドロップとなる。
図9(c)に示した例では、主走査方向および副走査方向における画素が半分に間引きされているので、主走査方向に4列と副走査方向に2列の画素が配列されている。この制御対象画像データに対して全ドロップ数を“64”ドロップとするためには、1画素当たりのドロップ数を“8”ドロップとすることになる。
このように、1画素当たりのドロップ数を“8”ドロップと増加させることにより、さらに搬送気流の影響を受けにくくしている。
さらに、図9(d)に示すように、“8”ドロップまでドロップ数が増加されているので、着弾したインク液滴が用紙ににじみさらに拡大し易くなり、画素と画素の間は間隔a6のように短くなるので、結果的にユーザに風紋ムラが認識され難くなる。すなわち、風紋ムラが目立ちにくくなる。
以上のように、本発明の実施例1であるインクジェット印刷装置1によれば、さらに、制御対象画像データに対して全ドロップ数を同一としつつ1画素当たりのドロップ数を増加させてインクを吐出するとともに、主走査方向および副走査方向に低解像度で印刷するようにインクジェットヘッド110,112,114を制御するので、より吐出されたインク液滴が搬送気流の影響を受け難くなるので、着弾位置ズレ量が小さくなり、その分風紋ムラが目立ちにくくなる。
なお、本発明の実施例1では、制御対象画像データに単色ベタ画像がある場合に、インク吐出制御部81bが、解像度および吐出量を変換したが、単色ベタ画像に限らず、複数のインクによるベタ領域であったとしても制御対象画像データがあれば、この制御対象画像データに対して、解像度および吐出量を変換することにより風紋ムラが目立ちにくくすることができる。
また、本発明の実施例1では、制御対象画像データに対して全ドロップ数を同一としつつ1画素当たりのドロップ数を増加させるために、副走査方向の画素を半分に間引きしたり、主走査方向および副走査方向の画素を半分に間引きしたりしたが、主走査方向のみ画素を半分に間引くようにしてもよいし、間引きは半分に限らず、2/3や1/3になるように画素を間引いてもよい。
また、本発明の実施例1では、用紙の搬送方向と直交する方向(主走査方向)に配列されたインクジェットヘッドを有し、搬送経路上で搬送された用紙に対して、画像データに基づいてインクジェットヘッドのノズルからインクを吐出して印刷するライン型のインクジェット印刷装置を例に挙げて説明したが、これに限らない。
用紙の搬送方向と直交する方向(主走査方向)に移動するインクジェットヘッドを有し、搬送された用紙に対して、画像データに基づいてインクジェットヘッドのノズルからインクを吐出して印刷するシリアル型のインクジェット印刷装置でもよい。
シリアル型のインクジェット印刷装置では、用紙の搬送方向と直交する方向(主走査方向)に移動する1つのインクジェットヘッドに、用紙の搬送方向(副走査方向)に対して平行になるように複数のノズル列を配列されており、複数のノズル列毎に副走査方向のノズルの位置をそれぞれずらして設けられ、搬送された用紙が停止しているときに、インクジェットヘッドを主走査方向に移動しながら、用紙に対して複数のノズル列のうち少なくとも1列のノズル列からインクを吐出する。
このようなシリアル型のインクジェット印刷装置の場合においても、画像データが高解像度であり、かつ画像データに制御対象画像データが存在すると判定された場合、インク吐出制御部81bが、制御対象画像データに対して全ドロップ数を同一としつつ1画素当たりのドロップ数を増加させてインクを吐出するとともに、低解像度で印刷するようにインクジェットヘッド110,112,114を制御することにより、搬送気流の影響を低減させ、風紋ムラを目立たなくすることができる。
即ち、インクジェットヘッドは、複数のノズル列が平行に配列され、用紙Pに対して相対移動しながらノズル列からインクを吐出するように構成されていればよい。
1…インクジェット印刷装置
10…サイド給紙部
11…給紙台
12…1次給紙部
14…2次給紙部
30…印刷部
31…インクジェットユニット
40…排紙部
50…反転部
70…操作パネル部
80…制御部
81…CPU
81a…判定部
81b…インク吐出制御部
82…ROM
83…RAM
110,112,114…インクジェットヘッド

Claims (3)

  1. 搬送経路の上方に配置したインクジェットヘッドに複数のノズル列を前記搬送経路上に搬送される印刷用紙の搬送方向に位置をずらして配置し、印刷ジョブに基づいて、前記各ノズル列の各ノズルからそれぞれインクを吐出して印刷用紙に印刷する際に、前記インクジェットヘッドは第1の解像度または、前記第1の解像度より高い第2の解像度で印刷可能なインクジェット印刷装置であって、
    前記印刷ジョブに含まれる画像データの解像度が前記第2の解像度であり、かつ、前記画像データ内の各画素の濃度が同一で所定範囲である場合に、単位時間当たりにおける前記ノズルのインク吐出量に基づいて算出される、前記ノズルから吐出されたインクを印刷用紙の搬送気流に抗して直進させる自己気流の発生度合いを示す自己気流度に基づいて、前記画像データの解像度を前記第1の解像度に変換し、前記画像データ内の各画素の濃度を増加するようにインクを各ノズルから吐出させる制御手段を備えるインクジェット印刷装置。
  2. 前記画像データが、前記自己気流度に基づいて自己気流が発生し、かつ、前記印刷ジョブに含まれる画像データの解像度が前記第2の解像度であり、かつ、前記画像データ内の各画素の濃度が同一で所定範囲である制御対象画像データであるか否かを判定する判定手段と、
    前記インクジェットヘッドと、前記搬送経路との間の距離を可変可能な距離可変手段とを備え、
    前記制御手段は、前記インクジェットヘッドと、前記搬送経路との間の距離が所定値以上の場合に、前記判定手段による判定処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
  3. 印刷用紙の種類に応じて前記制御対象画像データであるか否かを判定するための判定テーブルを記憶する記憶手段を備え、
    前記判定テーブルを参照して、前記印刷ジョブに基づいて印刷される印刷用紙の種類に基づいて、前記判定手段による判定処理を行うことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット印刷装置。
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