JP5211884B2 - 液体噴射方法、液体噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体噴射方法、液体噴射装置に関する。
液体噴射装置として、紙や布などの媒体にノズルからインクを吐出して印刷を行うインクジェットプリンタが知られている。インクジェットプリンタでは、インクの増粘やゴミの付着などによりノズルが目詰まりすると、インクが正常に噴射されなくなってしまう。このような噴射不良のノズルを用いて印刷を行うと、画質が劣化する。
そこで、複数のヘッドユニットを設けて、あるヘッドユニットのノズルに噴射不良が発生した場合には、別のヘッドユニットのノズルにて液体を噴射する方法が提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−255067号公報
しかし、特許文献1に記載のプリンタでは、あるノズルが不良ノズルであった場合に、その不良ノズルから液体を噴射すべきであった媒体上の領域に対して、別のノズルから液体を噴射するために、複数のヘッドユニットを設けなければならない。その結果、装置が大型化し、コストが高くなるという課題が発生する。
本発明では、不良ノズルによる画質劣化を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、複数の画素から構成される画像データに基づいて、同じノズルに割り当てられる画素群ごとに、液体を噴射すべき前記画素の数である液体噴射画素数を算出するステップと、複数の前記ノズルの中から噴射不良が発生する不良ノズルを検出するステップと、前記液体噴射画素数と前記不良ノズルの位置とに基づいて、複数の前記ノズルから液体を噴射することにより形成される画像の媒体上の位置を調整するステップと、を有する液体噴射方法である。
さらに、複数の画素から構成される画像データに基づいて、同じノズルに割り当てられる画素群ごとに、液体を噴射すべき前記画素の数である液体噴射画素数を算出し、複数の前記ノズルの中から噴射不良が発生する不良ノズルを検出し、前記液体噴射画素数と前記不良ノズルの位置とに基づいて、複数の前記ノズルから液体を噴射することにより形成される画像の媒体上の位置を調整し、複数の前記不良ノズルを検出した場合に、各前記不良ノズルに割り当てられる前記液体噴射画素数と、少なくとも前記液体の種類、又は前記不良ノズルの噴射不良の状況に基づいて前記不良ノズルに設定された重み付け値と、を乗じた値に基づいて、前記画素群に割り当てる前記ノズルの位置を調整する、液体噴射方法であってもよい。
さらに、ノズルを複数有するヘッドと、複数の画素から構成される画像データに基づいて、同じノズルに割り当てられる画素群ごとに、液体を噴射すべき前記画素の数である液体噴射画素数と、複数の前記ノズルの中から噴射不良が発生する不良ノズルとのデータを取得し、前記液体噴射画素数と前記不良ノズルの位置とに基づいて、複数の前記ノズルから液体を噴射することにより形成される画像の媒体上の位置を調整するコントローラと、を備え、前記コントローラは、複数の前記不良ノズルを検出した場合に、各前記不良ノズルに割り当てられる前記液体噴射画素数と、少なくとも前記液体の種類、又は前記不良ノズルの噴射不良の状況に基づいて前記不良ノズルに設定された重み付け値と、を乗じた値に基づいて、前記画素群に割り当てる前記ノズルの位置を調整する、液体噴射装置であってもよい。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
即ち、複数の画素から構成される画像データに基づいて、同じノズルに割り当てられる画素群ごとに、液体を噴射すべき前記画素の数である液体噴射画素数を算出するステップと、複数の前記ノズルの中から噴射不良が発生する不良ノズルを検出するステップと、前記液体噴射画素数と前記不良ノズルの位置とに基づいて、複数の前記ノズルから液体を噴射することにより形成される画像の媒体上の位置を調整するステップと、を有する液体噴射方法を実現すること。
このような液体噴射方法によれば、不良ノズルに割り当てられる液体噴射画素数が出来る限り小さくなるように調整することで、不良ノズルによりドット抜け等してしまう領域が小さくなり、画質劣化を抑制できる。
かかる液体噴射方法であって、前記不良ノズルに割り当てられる前記液体噴射画素数が最も小さくなるように、前記画素群に割り当てる前記ノズルの位置を調整すること。
このような液体噴射方法によれば、画質劣化を抑制できる。
かかる液体噴射方法であって、複数の前記不良ノズルを検出した場合に、各前記不良ノズルに割り当てられる前記液体噴射画素数のうちの最大値が最も小さくなるように、前記画素群に割り当てる前記ノズルの位置を調整すること。
このような液体噴射方法によれば、画質劣化を抑制できる。
かかる液体噴射方法であって、複数の前記不良ノズルを検出した場合に、各前記不良ノズルに割り当てられる前記液体噴射画素数の合計値が最も小さくなるように、前記画素群に割り当てる前記ノズルの位置を調整すること。
このような液体噴射方法によれば、画質劣化を抑制できる。
かかる液体噴射方法であって、複数の前記不良ノズルを検出した場合に、各前記不良ノズルに割り当てられる前記液体噴射画素数と、その前記不良ノズルに設定された重み付け値と、を乗じた値に基づいて、前記画素群に割り当てる前記ノズルの位置を調整すること。
このような液体噴射方法によれば、不良ノズルによって画質劣化への影響度が異なるため、これを考慮することによって、より画質劣化を抑制できる。
かかる液体噴射方法であって、前記不良ノズルから噴射される液体の種類に応じて前記重み付け値を設定すること。
このような液体噴射方法によれば、例えば、濃い色の液体を噴射する不良ノズルは淡い色の液体を噴射する不良ノズルに比べて、画質劣化への影響度が大きい。そこで、淡い色の液体を噴射する不良ノズルよりも濃い色の液体を噴射する不良ノズルの方が、重み付け値が高くなるように設定する。その結果、より画質劣化を抑制できる。
かかる液体噴射方法であって、前記不良ノズルの噴射不良の状況に応じて前記重み付け値を設定すること。
このような液体噴射方法によれば、例えば、全く液体が噴射されない不良ノズルは液体の着弾位置がずれる不良ノズルに比べて、画質劣化への影響度が大きい。そこで、画質劣化への影響度が大きい不良ノズルの方が、重み付け値が高くなるように設定する。その結果、より画質劣化を抑制できる。
かかる液体噴射方法であって、前記画像を形成するために使用する前記ノズルよりも多くの前記ノズルを有する液体噴射装置にて、前記媒体上に前記画像を形成すること。
このような液体噴射方法によれば、不良ノズルに割り当てられる液体噴射画素数が小さくなるように、画素群に割り当てるノズルの位置を調整できる。
===ラインヘッドプリンタについて===
本実施形態では、「液体噴射装置」として、インクジェット方式のプリンタの中の「ラインヘッドプリンタ」を例に挙げて説明する。まず、ラインヘッドプリンタ(以下、プリンタ1)について説明する。
図1は、プリンタ1の全体構成のブロック図である。図2Aは、プリンタ1の断面図である。図2Bは、プリンタ1が用紙S(媒体)を搬送する様子を示す図である。外部装置であるコンピュータ50から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ10により、各ユニット(搬送ユニット20、ヘッドユニット30)を制御し、用紙Sに画像を形成する。また、プリンタ1内の状況を検出器群40が監視し、その検出結果に基づいて、コントローラ10は各ユニットを制御する。
コントローラ10は、プリンタ1の制御を行うための制御ユニットである。インターフェース部11は、外部装置であるコンピュータ50とプリンタ1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU12は、プリンタ1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ13は、CPU12のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。CPU12は、メモリ13に格納されているプログラムに従ったユニット制御回路14で各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、用紙Sを印刷可能な位置に送り込み、印刷時には搬送方向に所定の搬送量で用紙Sを搬送させる。給紙ローラ23は、紙挿入口に挿入された用紙Sをプリンタ1内の搬送ベルト22上に自動的に給紙するためのローラである。そして、輪状の搬送ベルト22が搬送ローラ21A及び21Bにより回転し、搬送ベルト22上の用紙Sは搬送される。なお、用紙Sは搬送ベルト22に静電吸着又はバキューム吸着している。
ヘッドユニット30は、用紙Sにインクを吐出するためのものであり、紙幅方向に並ぶ複数のヘッド31を有する。ヘッド31は、インク吐出部であるノズルを複数有する。そして、各ノズルには、インクが入った圧力室(不図示)と、圧力室の容量を変化させてインクを吐出させるための駆動素子(ピエゾ素子PZT)が設けられている。
図3Aは、ヘッドユニット30の下面のヘッド31の配列を示し、図3Bは、各ヘッド31の下面のノズルの配列を示す。ヘッドユニット30は、複数のヘッド31を有し、複数のヘッド31は紙幅方向に千鳥状に配置されている。紙幅方向の左側のヘッド31ほどかっこ内に若い番号を付す。各ヘッド31の下面には、イエローインクノズル列Yと、マゼンタインクノズル列Mと、シアンインクノズル列Cと、ブラックインクノズル列Kが形成され、各ノズル列はノズルを360個ずつ備えている。360個のノズルのうち、左側のノズルほど若い番号を付す(#i=1〜360)。そして、各ノズル列のノズルは、紙幅方向に一定の間隔360dpiで整列している。また、紙幅方向に並ぶ2つのヘッド(31(2)と31(3))のうち、左側のヘッド31(2)のノズル#360と、右側のヘッド31(3)のノズル#1との間隔が360dpiとなるように、各ヘッド31が配置されている。即ち、複数のノズルが紙幅方向に一定間隔(360dpi)おきに並んでいることになる。
検出器群40には、給紙時に用紙Sを検出するセンサや、用紙Sを所定の搬送量だけ搬送するためのロータリー式エンコーダや、不良ノズルを検出するための検出センサ41(後述)などがある。不良ノズルの検出センサ41はヘッドユニット30の搬送方向の下流側に設けられている。
このようなプリンタ1では、コントローラ10が印刷データを受信すると、コントローラ10は、まず、給紙ローラ23を回転させ、印刷すべき用紙Sを搬送ベルト22上まで送る。その後、用紙Sは、搬送ベルト22上を一定速度で停まることなく搬送され、ヘッドユニット30の下を搬送される。ヘッドユニット30の下を用紙Sが搬送される間に、各ノズルからインクが断続的に吐出される。その結果、用紙S上には搬送方向に沿った複数のドットからなるドット列が形成され、画像が印刷される。
===不良ノズルについて===
長時間ノズルからインク(液体)が噴射されなかったり、ノズルに紙粉などの異物が付着したりすると、ノズルが目詰まりすることがある。このようにノズルが目詰まりすると噴射不良が発生する。また、ノズルの製造精度の問題によっても噴射不良が発生する。「噴射不良」とは、例えば、インクが噴射されるべき時にノズルからインクが噴射されなかったり、既定量のインクが噴射されなかったりすることである。その他、ノズルから噴射されるインク滴が用紙に対して垂直方向に噴射されず(飛行曲がり)、媒体上の正規の位置にインク滴が着弾しないことも噴射不良と言える。印刷中に「噴射不良」が発生すると、ドット抜けやドットの位置ずれした部分が画像上にスジとなって目立ち、画質劣化の原因となる。以下、このような噴射不良が発生するノズルを「不良ノズル」と言う。
図4Aは、不良ノズルのないヘッド31にて印刷された画像を示し、図4Bは、不良ノズルのあるヘッド31にて印刷された画像を示す。説明のため、ノズル数を減らして描いる。また、印刷データ上の1つの画素と対応する用紙上の領域を「画素領域」とし、1つの画素領域に1つのドットが形成されるとする。図中の左側の画像は、全ての画素領域に対してドットが形成された画像であり、図中の右側の画像は、2個おきの画素領域に対してドットが形成された画像である。以下では、液体を噴射するように指示している画素データを「噴射画素」と言い、液体を噴射しないように指示している画素データを「非噴射画素」と言う。また、「噴射画素」が対応する媒体上の画素領域を「噴射画素領域」と言い、「非噴射画素」が対応する媒体上の画素領域を「非噴射画素領域」と言う。
本実施形態のプリンタ1はラインヘッドプリンタであり、ヘッドユニット30を1つ有するため、印刷データ上において搬送方向に対応する方向に並ぶ画素データ(以下、画素列データ)に対して1つのノズル(インクYMCKごとに1つのノズル)が割り当てられる。その結果、搬送方向に並ぶ画素領域には1つのノズルにてドットが形成される。ここで、図4Bに示すように、ノズル#3が不良ノズルであるとする。そうすると、ノズル#3に割り当てられてられた画素領域(太線で囲われた領域)に対応する画素データが「噴射画素」であっても、ドットが形成されなくなってしまう。
左側の画像では、ノズル#3に割り当てられた10個の画素領域のうちの全ての画素領域が「噴射画素領域」である。しかし、ノズル#3が不良ノズルであるため、10個の噴射画素領域には1個もドットが形成されない。一方、右側の画像では、ノズル#3に割り当てられた10個の画素領域のうちの3個が「噴射画素領域」であり、この3個の噴射画素領域にドットが形成されないことになる。ここで、図4Aと図4Bを比べる。そうすると、左側の画像、即ち、全ての画素領域にドットが形成される画像の方が、右側の画像、即ち、2個おきの画素領域にドットが形成される画像よりも、不良ノズル#3によりドットが形成されない画素領域が目立ち易い。つまり、不良ノズル#3に割り当てられる「噴射画素」の数が多いほど、画像上にてドットが形成されないこと(ドット抜け)が目立ち、画質が更に劣化してしまう。
なお、ノズルの目詰まりによる噴射不良は、クリーニング動作を行うことで回復させることができる。クリーニング動作とは、例えば、ノズルからインク受け部に向けて強制的にインクを噴射させるフラッシング動作や、インク受け部の底面に接続したチューブにポンプを設けて圧力室内のインクを強制的に吸引する動作などがある。このようなクリーニング動作を行う前には、搬送ベルト22などを汚さないためにノズル面をインク受け部と対向させる必要がある。本実施形態のプリンタ1のように複数のヘッド31が紙幅方向に並んだラインヘッドプリンタでは、例えば、非印刷領域にインク受け部を設け、ヘッドユニット30を非印刷領域に移動させたり、ヘッドユニット30を回転させて、上方に設けられたインク受け部とノズル面を対向させたりしなければならない。そのため、印刷中に不良ノズルが発生したとしても、インク受け部とヘッドユニット30のノズル面を対向させるためには時間がかかり、印刷中にクリーニング動作を行うことは難しい。
また、仮に、プリンタ1が図3に示すヘッドユニット30を2つ備えるとする。そうすると、搬送方向に並ぶ画素領域に対して2つのノズルからインクを噴射させることができる。そのため、一方のノズルに噴射不良が発生したら、一方のノズルからインクを噴射すべきであった画素領域に対して、他方のノズルからインクを噴射させることができる。このように不良ノズルによる噴射不良を他のノズルにより補完することで、不良ノズルによる画質劣化を防止できる。但し、搬送方向に並ぶ画素領域に割り当てられた2つのノズルが共に不良ノズルであった場合には、画質劣化を防止できない。また、ヘッドユニット30を2つ備えさせることで、装置が大型化し、コストもかかってしまう。
そこで、本実施形態では、印刷中にクリーニング動作を行わずに、また、不良ノズルの噴射不良を他のノズルにて補完を行わないプリンタ1において、不良ノズルによる画質劣化の抑制を目的とする。
===画質劣化の抑制方法の概要について===
前述の図4に示すように、不良ノズルに割り当てられる「噴射画素」の数が多いほど、画質がより劣化する。そこで、本実施形態では、不良ノズルに割り当てられる「噴射画素」の数(液体噴射画素数に相当)を出来る限り少なくすることで、画質劣化を抑制する。そのために、印刷範囲よりも広い範囲に亘ってノズルを設け(画像を形成するために使用するノズルよりも多くのノズルを設け)、同じノズル(1つのノズル)に割り当てられるべき画素データ群(画素群に相当)を、どのノズルに割り当てるかを調整する。即ち、噴射画素の数と不良ノズルの位置とに基づいて、形成する画像の媒体上の位置を調整する。
図5は、ヘッドユニット30のノズル面における予備ノズルの位置を示す図である。前述の通り、本実施形態のプリンタ1では、多数のノズルが紙幅方向に360dpiの間隔で並んでいる。そして、プリンタ1が印刷可能な最大サイズの用紙の紙幅、即ち、最大印刷範囲よりも広い範囲に亘ってノズルが並んでいる。この最大印刷範囲よりも広い範囲に位置し、紙幅方向に並ぶノズル列の左右端に位置するノズルを「予備ノズル」と言う。また、予備ノズル以外のノズルを「印刷ノズル」と言う。そして、予備ノズルが紙幅方向に並ぶ範囲を「調整範囲」と言う。例えば、ノズル間隔が360dpiで、左右端にそれぞれ2mm程度の調整範囲を設けるとすれば、紙幅方向に並ぶノズルのうちの左右端のそれぞれ約30個のノズルが予備ノズルとなる。
図6A及び図6Bは、不良ノズルによる画質劣化の抑制方法の概要を示す図である。説明の簡略のため、印刷ノズル#1〜#8を8個とし、予備ノズルL1〜L3,R1〜R3を左右にそれぞれ3個ずつ設けるとする。そして、用紙S上の1つのマス目を画素領域とし、搬送方向に並ぶ画素領域を「列」で表し、紙幅方向に並ぶ画素を「行」で表す。印刷データ上において搬送方向に対応する方向に並ぶ画素(以下、画素列データと言う)に1つのノズルが割り当てられるため、用紙S上において搬送方向に並ぶ画素領域(以下、画素領域列)には1つのノズルにてドットが形成される。また、全ての画素領域にドットを形成するとする。
ところで、本実施形態の印刷システムでは、プリンタ1に接続されたコンピュータ50がプリンタドライバに従って印刷データを作成する(詳細は後述)。このとき、コンピュータ50は、各画素列データをどのノズルに割り当てるかを決定する。図6では、1列目の画素列をノズル#1に割り当て、2列目の画素列をノズル#2に割り当て、というように、左の画素列から順に若い番号のノズルを割り当てる。
ここで、ノズル#3が不良ノズルであると検出されたとする。そうすると、ノズル#3に割り当てられた3列目の画素領域には全くドットが形成されず、画像上にスジが現れ、画質が劣化してしまう。そこで、本実施形態では、不良ノズルに割り当てられる「噴射画素数」が出来る限り少なくなるように(好ましくはゼロとなるように)、各画素列データに割り当てるノズル位置を調整する。
本実施形態のプリンタ1では、ノズル列の左右端に予備ノズルを設けているため、予備ノズルにも画素列データを割り当てることで、不良ノズルに割り当てられる画素列データを調整することができる。図6では、印刷範囲に位置する印刷ノズル#1〜#8の紙幅方向の左右端に予備ノズルが3個ずつ設けられている。そのため、8個の画素列データから構成される印刷データを、左側の予備ノズルL1〜L3側に3ノズル分だけずらして割り当てることができる。同様に、印刷データを右側の予備ノズルR1〜R3側に3ノズル分だけずらして割り当てることができる。そして、不良ノズル#3に割り当てられる噴射画素数を少なくするためには、図6Bに示すように、印刷データ(各画素列データ)を右側の予備ノズル側に3ノズル分だけずらして割り当てるとよい。印刷データを右側に3ノズル分だけずらした結果、8列目の画素列データは予備ノズルR3に割り当てられ、1列目の画素列データが印刷ノズル#4に割り当てられる。そして、不良ノズル#3には画素列データ自体が割り当てられず、不良ノズル#3に割り当てられる噴射画素数はゼロとなる。その結果、図6Bでは全ての画素領域にドットが形成され、画質劣化を防止できる。
このように、予備ノズルが位置する調整範囲内にて、印刷データ(各画素列データ)を割り当てるノズル位置を調整し、不良ノズルに割り当てられる噴射画素数を出来る限り少なくする。そうすることで、画質劣化を抑制する。なお、搬送ベルト22上に給紙される用紙Sに対するノズルの位置は固定されている。そのため、印刷データ(各画素列データ)を割り当てるノズル位置を紙幅方向の左右にずらすことで、用紙S上に形成される画像の位置も紙幅方向にずれることになる。即ち、予備ノズルが位置する調整範囲が、印刷する画像の媒体上の位置の調整範囲となる。なお、図6Bでは、説明の為に、用紙Sに印刷される画像が大きく右側に寄って印刷されてしまっている。しかし、実際には調整範囲は2〜3mm程度であり、用紙上に印刷される画像が2〜3mmだけ紙幅方向の一方側に寄って形成されたとしても、人には視認されず問題ないと言える。
以下、不良ノズルに割り当てられる「噴射画素数」が出来る限り少なくなるように、印刷データを調整する方法を具体的に説明する。
===印刷データの調整方法について===
<印刷データの作成方法>
図7は、印刷データの作成フローを示す図である。まず、コンピュータ50による印刷データの作成方法について説明する。コンピュータ50は、各アプリケーションソフトから印刷するように指示された画像データを受信すると(S001)、メモリに記憶されているプリンタドライバに従って印刷データを作成する。
解像度変換処理(S002)は、画像データを用紙Sに印刷する際の解像度に変換する処理である。本実施形態のプリンタ1はノズルピッチが360dpiであるため、360dpi以下の解像度の画像データに変換する。なお、解像度変換処理後の画像データは、RGB色空間により表される256階調のデータ(RGBデータ)である。
色変換処理(S003)は、RGBデータを、プリンタ1のインクに対応したCMYK色空間により表されるCMYKデータに変換する処理である。
ハーフトーン処理(S004)は、高階調数のデータ(例:256階調)を、プリンタ1が形成可能な階調数(例:4階調)のデータに変換する処理である。
噴射画素数の算出処理(S005)は、画像データを構成する画素データ(画素)のうちの同じノズル(1つのノズル)に割り当てられる画素データ群(画素群)ごとに、噴射画素数(液体噴射画素数)を算出する処理である。本実施形態では、データ上において搬送方向に対応する方向に並ぶ画素列(画素列データ)に対して、各ノズル列YMCKの中からそれぞれ1つのノズル(計4ノズル)が割り当てられる。そのため、1つの画素列データごとに、インク(YMCK)別に「噴射画素数」を算出する(詳細は後述)。
ラスタライズ処理(S006)は、マトリクス状の画像データをプリンタ1に転送すべきデータ順に並べ替えられる処理である。これらの処理を経て生成された印刷データは、印刷方式に応じたコマンドデータ(搬送量など)と共に、プリンタドライバによりプリンタ1に送信される。
<不良ノズルの検査方法>
本実施形態では、印刷開始前や印刷中に不良ノズルの検査を行うとする。ヘッドユニット30の下流側に設けられている検出センサ41(図2)により、実際に印刷された画像結果に基づいて検査を行う。検出センサ41はセンサ部と光源部から成り、光源部からの光を画像結果(印刷面)に当てて、その反射光をセンサ部が読み取る。センサ部は、ノズル列と同様に紙幅方向に長いラインセンサ(例:CCDセンサ)により構成される。そして、読み取り結果からドット抜けやドット形成位置のずれ等を確認し、不良ノズルの有無を検査する。
印刷開始前に不良ノズルの検査を行う場合には、印刷用紙とは別の用紙や用紙の余白部分に印刷したテストパターンを検出センサ41に読み取らせるとよい。また、印刷中に不良ノズルの検査を行う場合には、実際の印刷結果を検出センサ41に読み取らせるとよい。なお、本実施形態のプリンタ1は検出センサ41を備えているが、これに限らず、外部装置のスキャナなどに印刷結果を読み取らせ、不良ノズルを検出しても良い。
<印刷データの調整例1>
本実施形態では、プリンタ1のコントローラ10が、同じノズル(1つのノズル)に割り当てられる画素列データのうちの「噴射画素数」と「不良ノズルの位置」のデータを取得し、噴射画素数と不良ノズルの位置とに基づいて、不良ノズルに割り当てられる「噴射画素数」が少なくなるように、各画素列データをどのノズルに割り当てるか調整するとする。
図8は、印刷画像とノズルの対応関係と、噴射画素数の算出結果を示す図である。以下、説明のため、14個の印刷ノズル#1〜#14と、印刷ノズルの左右端に3個ずつ設けられた予備ノズルL1〜L3,R1〜R3により、画像を印刷する例を挙げて説明する。印刷する画像は、図中の真ん中に示すように、14列の画素列領域から構成され、斜線のマス目を「噴射画素領域」とし、白いマス目を「非噴射画素領域」とする。そして、噴射画素領域に記される文字(YMCK)が、その噴射画素領域に形成されるドットの色を示している。また、図中の下部には、コンピュータ50が、噴射画素数の算出処理にて、画素列データごとにインク(YMCK)別に算出した噴射画素数の結果を示す。
各画素列データに割り当てるノズル位置の調整を行う前には、コンピュータ50は、図示するように、1列目の画素列データから順に、紙幅方向の左側の印刷ノズルから割り当てる。例えば、1列目の画素列データには印刷ノズル#1が割り当てられ、2列目の画素列データには印刷ノズル#2が割り当てられている。プリンタ1は、各印刷ノズル#1〜#14に割り当てられた画素列データや噴射画素数のデータをコンピュータ50から受信すると、検出センサ41による不良ノズルの検出結果と噴射画素数に基づいて、不良ノズルに割り当てられる噴射画素数が出来る限り少なくなるように、各画素列データに割り当てるノズル位置を調整する(印刷データを調整する)。なお、不良ノズルが検出されなかった場合には、各画素列データに割り当てるノズル位置を調整することなく、コンピュータ50から送信された印刷データ通りに印刷を行う。
まず、不良ノズルが1つ検出された場合の印刷データの調整方法について説明する。
図9Aは、ブラックKのノズル#1が不良ノズルとして検出された場合の図を示し、図9B及び図9Cは、各画素列データに割り当てるノズル位置を調整する様子を示す図である。調整前の印刷データでは、図9Aに示すように、ブラックの不良ノズル#1に1列目の画素列データが割り当てられ、不良ノズル#1に5個の噴射画素が割り当てられている。そのため、印刷データを調整することなく印刷を行うと、本来であればブラックインクにて文字「A」が印刷されるところを、太線にて囲われた画素領域にドットが形成されないため、画質が悪く、文字「A」が印刷されたと判別することができない。
そこで、不良ノズル#1に割り当てられる噴射画素数が最も小さくなるように、各画素列データ(画素群)に割り当てるノズル位置を調整し、印刷される画像の媒体上の位置を調整する。ここでは、印刷ノズルの左右端に予備ノズルを3個ずつ設けているため、各画素列データに割り当てるノズル位置を左右に3ノズル分までずらして割り当てることができる。図9Bは、各画素列データに割り当てるノズル位置を紙幅方向の左側の予備ノズル側に1ノズル分だけずらした様子を示す図である。この場合、1列目の画素列データが予備ノズルL3に割り当てられ、2列目の画素列データが不良ノズル#1に割り当てられる。そのため、不良ノズル#1に割り当てられる噴射画素数が「2個」となり、調整前よりも不良ノズル#1に割り当てられる噴射画素数を少なくすることができる。
なお、不図示であるが、各画素列データに割り当てるノズル位置を更に左側へ1ノズル分ずらすことができ、その結果、不良ノズル#1に3列目の画素列データが割り当てられ、不良ノズル#1に割り当てられる噴射画素数が「2個」となる。同様に、各画素列データに割り当てるノズルを更に左側へ1ノズル分ずらすことができ、不良ノズル#1には4列目の画素列データが割り当てられ、不良ノズル#1に割り当てられる噴射画素数が「3個」となる。
また、図9Cに示すように、紙幅方向の右側にも3個の予備ノズルR1〜R3が設けられているため、各画素列データに割り当てるノズル位置を右側の予備ノズル側へずらすことができる。図9Cは、各画素列データに割り当てるノズル位置を右側へ1ノズル分ずらした様子を示す図である。この場合、14列目の画素列データが予備ノズルR1に割り当てられ、1列目の画素列データがノズル#2に割り当てられ、不良ノズル#1には画素列データが割り当てられなくなる。そのため、不良ノズル#1には「噴射画素」が割り当てられず、不良ノズル#1を使用することなく画像が印刷される。その結果、全て正常なノズルにより画像が印刷される。
以上の結果より、ノズル#1が不良ノズルとして検出された場合には、各画素列データに割り当てるノズル位置を左側にずらすよりも(図9B)、各画素列データに割り当てるノズル位置を右側にずらす方が(図9C)、不良ノズル#1に割り当てられる噴射画素数を削減できることが分かる。また、各画素列データに割り当てるノズル位置を右側にずらすことで(図9C)、印刷データの調整前よりも(図9A)、不良ノズル#1に割り当てられる噴射画素数を削減できる。そのため、プリンタ1のコントローラ10は、画素列データに割り当てるノズル位置を右側に1ノズルずらし、印刷ノズル#2から右側の予備ノズルR1を用いて画像を形成する。このように、各画素列データに割り当てるノズル位置を調整し、不良ノズルに割り当てられる噴射画素数を出来る限り少なくする。そうすることで、画像上にて、不良ノズルによるドット抜けやドットが位置ずれした領域が小さくなり、画質劣化を抑制できる。
なお、図9Cに示すように、各画素列データに割り当てるノズル位置を1ノズル分だけ右側にずらすに限らず、2ノズル分又は3ノズル分右側へずらしても、不良ノズル#1に割り当てられる噴射画素数を「0個」にできる。しかし、各画素列データに割り当てるノズル位置は出来る限りずらさない方が、用紙S上にて画像が左右に寄ってしまうことを防止できる。そのため、各画素列データに割り当てるノズル位置を調整する際に、不良ノズルに割り当てられる噴射画素数が同じであれば、ずらし量を小さくし、画像を出来る限り用紙Sの中央に印刷する。
まとめると、本実施形態のプリンタ1では、プリンタ1が印刷可能な最大サイズ紙の紙幅方向の長さよりも長い範囲に亘ってノズルを配置し、予備ノズルを設けることで、各画素列データに割り当てるノズルの位置調整を可能にし、不良ノズルに割り当てられる噴射画素数を出来る限り少なくできる。その結果、不良ノズルによる画質劣化を抑制できる。
また、本実施形態のプリンタ1では、印刷中にクリーニング動作を行わずとも画質劣化を抑制できるため、印刷処理時間が長くなってしまうことを防止できる。また、プリンタ1に図3に示すようなヘッドユニットを複数設けさせて、ある不良ノズルによるドット抜けやドットの位置ずれを他のノズルに補完させなくとも、ノズル列の左右端に2〜3mm程度に亘って予備ノズルを設けるだけで、画質劣化を抑制できる。そのため、装置が大型化せず、コストも抑えられる。
<印刷データの調整例2>
次に、不良ノズルが複数検出された場合の印刷データの調整方法について説明する。
図10Aは、ブラックKのノズル#1とイエローYのノズル#9が不良ノズルとして検出された場合の図を示し、図10B及び図10Cは、各画素列データに割り当てるノズル位置を調整する様子を示す図である。ここで、ブラックKのノズル#1とイエローYのノズル#9の2つの不良ノズルが検出されたとする。そして、印刷データの調整前では(図10A)、ブラックの不良ノズル#1に割り当てられる噴射画素数は「5個」であり、イエローの不良ノズル#9に割り当てられる噴射画素数も「5個」である。この2つの不良ノズルに割り当てられた噴射画素数が出来る限りする少なくなるように、各画素列データに割り当てるノズル位置を調整する。
ところで、前述の図9のように不良ノズルが1個である場合には、その不良ノズルに割り当てられる噴射画素数が最も少なくなるように、各画素列データに割り当てるノズル位置を調整すればよい。しかし、不良ノズルが複数ある場合には、不良ノズルによって、割り当てられる噴射画素数が最も少なくなるような印刷データの調整方法が異なる。例えば、一方の不良ノズルでは各画素列データに割り当てるノズル位置を右側へずらした方が良いが、他方の不良ノズルは左側へずらした方が良いということがある。搬送ベルト22上に給紙される用紙Sに対してヘッドユニット30の位置は固定されているため、各画素列データに割り当てるノズル位置のずらし量は一方向に一定のずらし量でなければならない。そこで、本実施形態では、複数の不良ノズルが検出された場合には、各不良ノズルに割り当てられる噴射画素数のうちの最大噴射画素数(最大値)が最も小さくなるように、各画素列データに割り当てるノズル位置を調整する。
なお、これに限らず、複数の不良ノズルが検出された場合に、例えば、各不良ノズルに割り当てられる噴射画素数の合計値を比較してもよい。そして、各不良ノズルに割り当てられる噴射画素数の合計値が最も少なくなるように、各画素列データに割り当てるノズル位置を調整するとよい。
図10Bは、各画素列データに割り当てるノズル位置を左側の予備ノズル側に1ノズル分だけずらした様子を示す図である。その結果、ブラックの不良ノズル#1には、2列目の画素列データが割り当てられ、割り当てられる噴射画素数が「2個」となる。一方、イエローの不良ノズル#9には、10列目の画素列データが割り当てられ、割り当てられる噴射画素数が「0個」となる。
同様に、各画素列データに割り当てるノズル位置を左側へ2のズル分ずらすと、ブラックの不良ノズル#1に割り当てられる噴射画素数は「2個」となり、イエローの不良ノズル#9に割り当てられる噴射画素数は「0個」となる。更に、各画素列データに割り当てるノズル位置を左側へ3ノズル分ずらすと、ブラックの不良ノズル#1に割り当てられる噴射画素数は「3個」となり、イエローの不良ノズル#9に割り当てられる噴射画素数は「0個」となる。
図10Cは、各画素列データに割り当てるノズル位置を右側の予備ノズル側に1ノズル分だけずらした様子を示す図である。その結果、ブラックの不良ノズル#1には、画素列データが割り当てられず、噴射画素も割り当てられない。一方、イエローの不良ノズル#9には、8列目の画素列データが割り当てられ、割り当てられる噴射画素数が「3個」となる。
同様に、各画素列データに割り当てるノズル位置を右側へ2ノズル分ずらすと、ブラックの不良ノズル#1に割り当てられる噴射画素数は「0個」であり、イエローの不良ノズル#9に割り当てられる噴射画素数は「3個」となる。更に、各画素列データに割り当てるノズル位置を右側へ3ノズル分ずらすと、ブラックの不良ノズル#1に割り当てられる噴射画素数は「0個」であり、イエローの不良ノズル#9に割り当てられる噴射画素数は「4個」となる。
以上の結果をまとめると、画素列データに割り当てるノズル位置を左側に1ノズル分ずらした場合に(図10B)、各不良ノズル(ブラックのノズル#1とイエローのノズル#9)に割り当てられる噴射画素数(2個と0個)のうちの最大噴射画素数「2個」を最も小さくすることができる。そのため、プリンタ1のコントローラ10は、画素列データに割り当てるノズル位置を左側に1ノズルずらし、左側の予備ノズルL3から印刷ノズル#13を用いて画像を形成する。その結果、印刷データの調整前には(図10A)2つの不良ノズルに噴射画素がそれぞれ5個ずつ割り当てられていたのに対して、印刷データの調整後には、ブラックの不良ノズル#1に割り当てられる噴射画素数を「2個」に削減でき、また、イエローの不良ノズル#9に割り当てられる噴射画素数を「0個」にできる。そのため、不良ノズルによるドット抜けやドットの位置ずれが目立ち難くなり、画質劣化を抑制できる。
<印刷データの調整例3>
プリンタ1が印刷可能なインクの色YMCKのうち、イエローのような淡い色は、シアン・マゼンタ・ブラックに比べて、一般に視認性の低い色として知られている。そのため、イエローのドットがドット抜けしていても人に視認され難い。一方、ブラックのような濃いインクのドットがドット抜けしていると、他の色に比べてドット抜けが目立ち易い。そのため、ブラックの不良ノズルに割り当てられる噴射画素数とイエローの不良ノズルに割り当てられる噴射画素数が同じであっても、ブラックの不良ノズルによるドット抜けやドットの位置ずれによる画質劣化の方がイエローの不良ノズルによる画質劣化よりも目立ちやすい。そこで、この調整例3では、異なるインク(ノズル列)の不良ノズルが検出された場合には、インクごと(ノズル列ごと)に、不良ノズルによる画質劣化への影響度を考慮して、各画素列データに割り当てるノズルの位置調整を行う。
具体的には、噴射画素数に対する重み付け値を設定し、インクの色ごとに重み付け値を異ならせる。即ち、不良ノズルから噴射される液体の種類に応じて重み付け値を設定する。ブラックの不良ノズルは画質劣化への影響度が大きいため、重み付け値を「1.0」とし、イエローの不良ノズルは画質劣化への影響度が小さいため、重み付け値を「0.5」とする。シアンとマゼンタの不良ノズルによる画質劣化への影響度は、ブラックとイエローの不良ノズルの中間であるため、重み付け値を「0.7」とする。そして、不良ノズルに割り当てられた噴射画素数とその不良ノズルに設定された重み付け値を乗じた値を「画質劣化の影響度」として算出する。この画質劣化の影響度が小さくなるように、各画素列データに割り当てるノズル位置を調整する。そして、各不良ノズルの画質劣化の影響度のうちの最大影響度が最も小さくなるように、各画素列データに割り当てられるノズル位置を調整する。なお、ここに示す重み付け値は具体例であり、画質劣化が抑制されるような重み付け値を適宜設定するとよい。
図11A及び図11Bは、インクごとに画質劣化の影響度を考慮して、各画素列データに割り当てるノズル位置を調整する様子を示す図である。ここで、図10Aと同様に、ブラックインクノズル列のノズル#1とイエローインクノズル列のノズル#9が不良ノズルとして検出されたとする。そのため、印刷データの調整前では(図10A)、ブラックの不良ノズル#1に割り当てられる噴射画素数は「5個」であり、イエローの不良ノズル#9に割り当てられる噴射画素数も「5個」であるとする。
まず、図11Aに示すように、各画素列データを左の予備ノズル側に1ノズル分だけずらしたとする。そうすると、ブラックの不良ノズル#1には、2列目の画素列が割り当てられ、割り当てられる噴射画素数が「2個」となる。一方、イエローの不良ノズル#9には、10列目の画素列が割り当てられ、割り当てられる噴射画素数が「0個」となる。ここで、調整例3では、各不良ノズルに割り当てられた噴射画素数に重み付け値を乗ずる。その結果、ブラックの不良ノズル#1の画質劣化の影響度は「2(=2個×1.0)」となり、イエローの不良ノズル#9の画質劣化の影響度は「0(=0個×0.5)」となる。
同様に、各画素列データに割り当てるノズル位置を左側へ2ノズル分ずらすと、ブラックの不良ノズル#1の画質劣化の影響度は「2(=2個×1.0)」となり、イエローの不良ノズル#9の画質劣化の影響度は「0(=0個×0.5)」となる。更に、各画素列データに割り当てるノズル位置を左側へ3ノズル分ずらすと、ブラックの不良ノズル#1の画質劣化の影響度は「3(=3個×1.0)」となり、イエローの不良ノズル#9の画質劣化の影響度は「0(=0個×0.5)」となる。
図11Bは、各画素列データを右の予備ノズル側に1ノズル分だけずらした様子を示す。そうすると、ブラックの不良ノズル#1には画素列データが割り当てられず、画質劣化の影響度は「0(=0個×1.0)」となる。一方、イエローの不良ノズル#9には8列目の画素列データが割り当てられ、画質劣化の影響度は「1.5(=3個×0.5)」となる。
同様に、各画素列データに割り当てるノズル位置を右側へ2ノズル分ずらすと、ブラックの不良ノズル#1の画質劣化の影響度は「0(=0個×1.0)」となり、イエローの不良ノズル#9の画質劣化の影響度は「1.5(=3個×0.5)」となる。更に、各画素列データに割り当てるノズル位置を右側へ3ノズル分ずらすと、ブラックの不良ノズル#1の画質劣化の影響度は「0(=0個×1.0)」となり、イエローの不良ノズル#9の画質劣化の影響度は「2(=4個×0.5)」となる。
以上の結果より、画素列データに割り当てるノズル位置を右側に1ノズルずらした場合に(図11B)、各不良ノズル(ブラックのノズル#1とイエローのノズル#9)の画質劣化の影響度(1.5と0)のうちの最大影響度「1.5」を最も小さくすることができる。そのため、プリンタ1のコントローラ10は、画素列データに割り当てるノズル位置を右側に1ノズルずらし、印刷ノズル#2から右側の予備ノズルR1を用いて、画像を形成する。そうすることで、画質劣化をより抑制できる。
なお、不良ノズルに割り当てられる最大噴射画素数だけを比較すると、各画素列データに割り当てるノズルを右側に1ノズル分ずらすよりも(図11B・イエローの不良ノズル#9の「3個」)、左側に1ノズル分ずらす方が(図11A・ブラックの不良ノズル#1の「2個」)、最大噴射画素数を小さくなる。しかし、インクごとに設定した重み付け値によると、3個の画素領域にてイエローのドットがドット抜けしてしまうよりも(図11B)、2個の画素領域にてブラックのドットがドット抜けしてしまう方が(図11A)、ドット抜けが目立ちやすいと言える。そのため、この調整例3では、図11Bに示すように各画素列データに割り当てるノズルを右に1ノズル分ずらす。
このように、異なるインクのノズル列から不良ノズルが複数検出された場合には、不良ノズルに割り当てられる噴射画素数だけでなく、インクごとの画質劣化の影響度も考慮して、各画素列データに割り当てるノズル位置を調整する。その結果、画質劣化をより抑制できる。
<印刷データの調整例4>
不良ノズルによって、ドットを形成すべき画素領域に全くドットが形成されない場合と、指示されたドットよりも小さいドット又は大きいドットが形成される場合と、ドットを形成すべき画素領域と隣接する画素領域に寄ってドットが形成される場合とがある。ドットを形成すべき画素領域の少なくとも一部にドットが形成されている方が、ドットを形成すべき画素領域に全くドットが形成されない場合に比べて、画質劣化が目立ち難い。
そこで、この調整例4では、複数の不良ノズルが検出された場合に、不良ノズルの噴射不良の状況によって、画質劣化への影響度を考慮し、各画素列データに割り当てるノズル位置を調整する。具体的には、前述の調整例3と同様に、噴射不良の状況によって重み付け値を設定し、不良ノズルに割り当てられた「噴射画素数」と「重み付け値」を乗じて、「画質劣化の影響度」を算出する。そして、各不良ノズルの画質劣化の影響度のうちの最大影響度が最も小さくなるように、各画素列データに割り当てるノズル位置を調整する。そうすることで、各不良ノズルに割り当てられる噴射画素数だけでなく、不良ノズルの噴射不良の状況の違いによる画質劣化への影響度も考慮されるため、画質劣化をより抑制できる。
なお、重み付け値としては、例えば、ドットを形成すべき画素領域に全くドットが形成されない場合には、その画素領域に割り当てられた不良ノズルの重み付け値を「1.0」とし、ドットを形成すべき画素領域の少なくとも一部にドットが形成されている場合には、その画素領域に割り当てられた不良ノズルの重み付け値を「0.7」とする。実際には、プリンタ1のコントローラ10が、不良ノズルの検出センサ41による画像の読取結果に基づいて、不良ノズルの位置を特定し、また、その不良ノズルの噴射不良の状況を判断する。例えば、媒体の地色を読み取った時と同じ読取結果である画素領域には全くドットが形成されなかったと判断し、その画素領域に割り当てられたノズルを「不良ノズル」とし、その不良ノズルの重み付け値を「1.0」とする。また、画素領域に正常にドットが形成された時よりも読取結果が高い値や低い値を示す画素領域には、正規のインク量が噴射されなかったか、ドットが位置ずれしたと判断し、その画素領域に割り当てられたノズルを「不良ノズル」とし、その不良ノズルの重み付け値を「0.7」とすればよい。また、「不良ノズルから噴射されるインクの色」と「噴射不良の状況」に応じて重み付け値を設定しているがこれに限らず、各不良ノズルの画質劣化の影響度の違いによって重み付け値を設定するとよい。また、これらを組み合わせて重み付け値を設定しても良い。
===第2実施形態(予備ノズルについて)===
図12Aは、予備ノズルを設けないプリンタの例を示す図である。前述の実施形態のプリンタ1では印刷可能な最大サイズ紙の紙幅よりも長い範囲に亘ってノズルを設け(図5)、最大印刷範囲内に位置する印刷ノズルの他に、ノズル列の左右端に「予備ノズル」を設けている。そうすることで、不良ノズルが検出された場合に、各画素列データ(同じノズルに割り当てられる画素データ群)に割り当てるノズル位置を調整することを可能としている。そして、不良ノズルに割り当てる噴射画素数を出来る限り少なくすることで、画質劣化を抑制している。しかし、プリンタ1が印刷可能な最大サイズ紙の紙幅の範囲にのみノズルが並んでおり、予備ノズルを設けないプリンタであってもよい。
例えば、プリンタが印刷可能な最大サイズ紙よりも小さいサイズの用紙を印刷するときに、不良ノズルに割り当てられる「噴射画素数」が少なくなるように、各画素列データに割り当てるノズル位置を調整してもよい。具体的には、図12Aに示すように、プリンタが印刷可能な最大サイズ紙をA3サイズ紙(297mm×420mm)とし、プリンタは用紙の左右端にそれぞれ5mmの余白を設けて印刷するとする。そうすると、プリンタが有するノズルは紙幅方向に287mmに亘って並ぶことになる。そして、A3サイズ紙よりも小さいB4サイズ紙(257mm×364mm)を印刷する場合には、B4サイズ紙の紙幅よりも長い範囲に亘ってノズルが並ぶことになる。即ち、A3サイズ紙を印刷する際には使用するが、B4サイズ紙を印刷する際には使用しないノズルを「予備ノズル」として、各画素列データに割り当てるノズル位置を調整するとよい。そうすることで、プリンタが印刷可能な最大サイズ紙の紙幅よりも長い範囲に亘ってノズルを設ける必要がなく、コストを抑えられる。
図12Bは、フチ無し印刷を行う場合の印刷データを示す図である。フチ無し印刷を行うプリンタでは、用紙の端部にまで確実にインクが塗布されるように、プリンタが印刷可能な最大サイズ紙の紙幅よりも長い範囲に亘ってノズルが並んでいる。この最大サイズ紙の印刷範囲外に位置するノズルを「打ち漏らし用のノズル」と言う。そして、フチ無し印刷を行う場合には、印刷用紙よりも大きい範囲に亘ってノズルからインクを噴射する。そのため、フチ無し印刷を行う場合には、用紙幅に合わせた画像データ(以下、元データと言う)の周辺に、打ち漏らし用画素データを加える。
このときに、本実施形態では、コンピュータ50は、打ち漏らし用のノズル(図中ではノズル#1,#2とノズル#13,#14)よりも多い数の打ち漏らし用画素データを加える。例えば、元データの左右にそれぞれ4個の打ち漏らし用の画素データを加える。そうすることで、プリンタ1のコントローラ10が検出センサ41にて不良ノズルを検出した際に、その不良ノズルに割り当てられる噴射画素数が少なくなるように、打ち漏らし用の画素データおよび元データを割り当てるノズル位置を紙幅方向の左右に調整することができる。その結果、画質劣化を抑制できる。
即ち、前述の実施形態では、ノズルの数が、ノズルに割り当てる画素列データ数よりも、予備ノズル分だけ多かったがこれに限らない。このフチ無し印刷のように、ノズルに割り当てる画素列データ数の方がノズルの数よりも多くてもよい。この場合にも、不良ノズルに割り当てられる噴射画素数が出来る限り少なくなるように、各画素列データに割り当てるノズル位置を調整できる。言い換えれば、このフチ無し印刷では、ノズルに割り当てられない画素列データの選び方によって、不良ノズルに割り当てられる噴射画素数が少なくなるように調整できる。
===第3実施形態(シリアル式のプリンタについて)===
図13は、シリアル式のプリンタにおける印刷データの調整方法を示す図である。前述の実施形態では、紙幅に亘ってノズルが並び、ノズルの下を用紙が搬送されることにより画像が形成されるラインヘッドプリンタを例に挙げて説明しているが、これに限らない。例えば、ヘッド31が紙幅方向(移動方向)に移動しながら画像を形成する動作と、用紙が搬送方向に搬送される搬送動作と、を交互に繰り返すシリアル式プリンタでもよい。
シリアル式のプリンタでは用紙の搬送方向にノズルが並ぶ。そのため、搬送方向に沿ったノズル列の上流側と下流側に予備ノズルを設ける(D1,D2,U1,U2)。シリアル式のプリンタでは、図示するように、1ページ分の画像データごとに、同じノズル(1つのノズル)に割り当てられる画素データ群のうちの噴射画素数を算出する。例えば、シリアル式のプリンタでは、移動方向に並ぶ画素の列(以下、画素列)に対して1つのノズルが割り当てられる。そのため、例えば、パス1の印刷範囲の最下流側の画素列と、パス2の印刷範囲の最下流側の画素列と、パス3の印刷範囲の最下流側の画素列が、同じノズル(1つのノズル)に割り当てられ、そのノズルに割り当てられる噴射画素数は図中では「9個」となる。また、調整前の印刷データによれば、各パスの印刷範囲における搬送方向の最下流側の画素列(移動方向に並ぶ画素の列)から順に、若い番号のノズルが割り当てられる。例えば、調整前の印刷データによれば、ノズル#1に割り当てられる噴射画素数は「9個」となる。
ここで、ノズル#4が不良ノズルとして検出されたとする。調整前の印刷データでは、不良ノズル#4に割り当てられる噴射画素数は「11個」である。そこで、各画素列データを割り当てるノズルの位置を搬送方向の下流側か上流側にずらし、不良ノズル#4に割り当てられる噴射画素数を出来る限り少なくする。その結果、図示するように、各画素列データに割り当てられるノズル位置を搬送方向の下流側に2ノズル分だけずらす。そうすることで、不良ノズル#4に割り当てられる噴射画素数を「3個」に削減でき、画質劣化を抑制できる。
なお、予備ノズルを設けなくともよい。例えば、最後のパスは一部のノズルだけしか使用されない場合が多い。そこで、最後のパスにて使用しないノズルの範囲内において、各画素データ群(同じノズルに割り当てられる画素データ群)に割り当てるノズル位置を調整することができる。即ち、最後のパスにて使用しないノズルが予備ノズルに相当する。また、不良ノズルが検出されなかった場合には、各画素列データに割り当てるノズル位置を調整する必要がなくなるため、予備ノズルも印刷ノズルとして用いてもよい。この場合、1回のパスにおける印刷範囲が4画素列分だけ増えるため、印刷時間を短縮できる。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主としてプリンタについて記載されているが、その中には、印刷装置、記録装置、液体の吐出装置、印刷方法、記録方法、液体の吐出方法、印刷システム、記録システム、コンピュータシステム、プログラム、プログラムを記憶した記憶媒体、印刷物の製造方法、等の開示が含まれていることは言うまでもない。
また、一実施形態としてのプリンタ等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<液体吐出装置について>
前述の実施形態では、液体吐出方法を実施する液体吐出装置(一部)としてインクジェットプリンタを例示していたが、これに限らない。液体吐出装置であれば、プリンタ(印刷装置)ではなく、様々な工業用装置に適用可能である。例えば、布地に模様をつけるための捺染装置、カラーフィルター製造装置や有機ELディスプレイ等のディスプレイ製造装置、チップへDNAを溶かした溶液を塗布してDNAチップを製造するDNAチップ製造装置等であっても、本件発明を適用することができる。
また、液体の吐出方式は、駆動素子(ピエゾ素子)に電圧をかけて、インク室を膨張・収縮させることにより液体を吐出するピエゾ方式でもよいし、発熱素子を用いてノズル内に気泡を発生させ、その気泡によって液体を吐出させるサーマル方式でもよい。
<複数のヘッドユニット30について>
前述の実施形態のプリンタ1では、1つの画素列に1つのノズル(ノズル列ごとに1つのノズル)を割り当てているがこれに限らない。例えば、図3に示すヘッドユニット30を複数設けて、1つの画素列に2つのノズルを割り当てても良い。この場合、搬送方向に対応する方向に並ぶ画素列データのうちの一方のノズルに割り当てられる画素データ群の中から「噴射画素数」を算出し、他方のノズルに割り当てられる画素データ群の中から「噴射画素数」を算出する。そうして、不良ノズルが検出された場合には、その不良ノズルに割り当てられる噴射画素数が少なくなるように、各画素データ群に割り当てるノズル位置を調整することで、画質劣化を抑制する。なお、複数のヘッドユニット30を有するプリンタであれば、1つの画素列に複数のノズルが割り当てられるため、一方のノズルが不良ノズルであった場合に、その一方のノズルに割り当てられた画素領域に対して他方のノズルから液体を噴射することができる。しかし、1つの画素列に割り当てられる2つのノズルが共に不良ノズルであったら、画質劣化を抑制することができなくなってしまう。そのため、不良ノズルに割り当てられる噴射画素数が少なくなるように、各画素データ群に割り当てるノズル位置を調整することで、確実に画質劣化を抑制できる。
<コンピュータ50について>
前述の実施形態では、画素列データを割り当てるノズル位置の調整処理をプリンタ1のコントローラ10が行うとしているが、これに限らず、コンピュータ50が行っても良い。この場合、コンピュータ50は、不良ノズルの検出センサ41により検出された不良ノズルの位置情報をプリンタ1から取得する。そして、コンピュータ50は、印刷データの作成の際に、噴射画素数の算出処理を行った後、その噴射画素数と不良ノズルの位置とに基づいて、画素列データを割り当てるノズル位置を調整する。
プリンタ1の全体構成のブロック図である。 図2Aはプリンタの断面図であり、図2Bはプリンタが用紙を搬送する様子を示す図である。 図3Aはヘッド31の配列を示し、図3Bはノズルの配列を示す。 図4Aは不良ノズルのないヘッドにて印刷された画像を示し、図4Bは不良ノズルのあるヘッドにて印刷された画像を示す。 ヘッドユニットのノズル面における予備ノズルの位置を示す図である。 図6A及び図6Bは画質劣化の抑制方法の概要を示す図である。 印刷データの作成フローを示す図である。 印刷画像とノズルの対応関係と噴射画素数の算出結果を示す図である。 図9Aはブラックのノズル#1が不良ノズルとして検出された場合の図を示し、図9B及び図9Cはノズル位置を調整する様子を示す図である。 図10Aはブラックのノズル#1とイエローのノズル#9が不良ノズルとして検出された場合の図を示し、図10B及び図10Cはノズル位置を調整する様子を示す図である。 図11A及び図11Bは、インクごとに画質劣化の影響度を考慮して、各画素列データに割り当てるノズル位置を調整する様子を示す図である。 図12Aは予備ノズルを設けないプリンタの例を示す図であり、図12Bはフチ無し印刷を行う場合の印刷データを示す図である。 シリアル式のプリンタにおける印刷データの調整方法を示す図である。
符号の説明
1 プリンタ、10 コントローラ、11 インターフェース部、
12 CPU、13 メモリ、14 ユニット制御回路、
20 搬送ユニット、21A〜21B 搬送ローラ、22 搬送ベルト、
23 給紙ローラ、30 ヘッドユニット、31 ヘッド、
40 検出器群、41 検出センサ、50 コンピュータ

Claims (6)

  1. 複数の画素から構成される画像データに基づいて、同じノズルに割り当てられる画素群ごとに、液体を噴射すべき前記画素の数である液体噴射画素数を算出し、
    複数の前記ノズルの中から噴射不良が発生する不良ノズルを検出し、
    前記液体噴射画素数と前記不良ノズルの位置とに基づいて、複数の前記ノズルから液体を噴射することにより形成される画像の媒体上の位置を調整し、
    複数の前記不良ノズルを検出した場合に、
    各前記不良ノズルに割り当てられる前記液体噴射画素数と、
    少なくとも前記液体の種類、又は前記不良ノズルの噴射不良の状況に基づいて前記不良ノズルに設定された重み付け値と、
    を乗じた値に基づいて、前記画素群に割り当てる前記ノズルの位置を調整する、
    液体噴射方法。
  2. 請求項1記載の液体噴射方法であって、
    前記不良ノズルに割り当てられる前記液体噴射画素数と、前記不良ノズルに設定された重み付け値と、を乗じた値が最も小さくなるように、前記画素群に割り当てる前記ノズルの位置を調整する、
    液体噴射方法。
  3. 請求項1又は2に記載の液体噴射方法であって、
    複数の前記不良ノズルを検出した場合に、
    各前記不良ノズルに割り当てられる前記液体噴射画素数と、前記不良ノズルに設定された重み付け値と、を乗じた値のうちの最大値が最も小さくなるように、前記画素群に割り当てる前記ノズルの位置を調整する、
    液体噴射方法。
  4. 請求項1又は2に記載の液体噴射方法であって、
    複数の前記不良ノズルを検出した場合に、
    各前記不良ノズルに割り当てられる前記液体噴射画素数と、前記不良ノズルに設定された重み付け値と、を乗じた値の合計値が最も小さくなるように、前記画素群に割り当てる前記ノズルの位置を調整する、
    液体噴射方法。
  5. 請求項1からのいずれか記載の液体噴射方法であって、
    前記画像を形成するために使用する前記ノズルよりも多くの前記ノズルを有する液体噴射装置にて、前記媒体上に前記画像を形成する、
    液体噴射方法。
  6. ノズルを複数有するヘッドと、
    複数の画素から構成される画像データに基づいて、同じノズルに割り当てられる画素群ごとに、液体を噴射すべき前記画素の数である液体噴射画素数と、複数の前記ノズルの中から噴射不良が発生する不良ノズルとのデータを取得し、前記液体噴射画素数と前記不良ノズルの位置とに基づいて、複数の前記ノズルから液体を噴射することにより形成される画像の媒体上の位置を調整するコントローラと、
    を備え、
    前記コントローラは、複数の前記不良ノズルを検出した場合に、
    各前記不良ノズルに割り当てられる前記液体噴射画素数と、
    少なくとも前記液体の種類、又は前記不良ノズルの噴射不良の状況に基づいて前記不良ノズルに設定された重み付け値と、
    を乗じた値に基づいて、前記画素群に割り当てる前記ノズルの位置を調整する、
    液体噴射装置。
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