JP2015150764A - 感熱記録体 - Google Patents

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教郎 山根
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和之 坂本
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Abstract

【課題】本発明は、記録感度が高く、画像安定性に優れ、高温保存下の地肌カブリが良好であり、粘着剤成分の影響による経時保管後の発色不良のない感熱記録体を提供することを主な目的とする。【解決手段】支持体上に顔料とバインダーを含有する下塗り層、下塗り層上にロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層を備えた感熱記録体において、サイズ剤としてアニオン性のスチレン−アクリル共重合樹脂及びスチレン−マレイン酸共重合樹脂から選ばれる少なくとも1種を下塗り層に含有し、呈色剤としてN−[2−(3-フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドを含有することを特徴とする感熱記録体。サイズ剤がN−[2−(3-フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド1質量部に対して、0.1〜1.0質量部で含有されることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、ロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用した感熱記録体に関するものである。
ロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用した感熱記録体は、比較的安価であり、また記録機器がコンパクトで且つその保守も比較的容易であるため、ファクシミリやレジ用紙、各種プリンタ等の記録媒体としてのみならず、幅広い分野において使用されている。その利用分野の拡大と記録機器の多様化や高性能化に伴い、記録媒体の使用環境や保存環境も過酷になりつつあり、高い記録感度や画像安定性が求められているが、その中でも、裏面に粘着剤層及び剥離紙を積層したラベル用途としての感熱記録体においては、加工後の長期保管による感度低下の起こらないものが特に要望されている。感熱記録ラベルの粘着剤層を構成する粘着剤としては、ゴム系、アクリル系といったエマルジョン型、溶剤型、ホットメルト型等が使用されており、安全面・品質面・コスト面からアクリル系エマルジョン型粘着剤が広く使用されている。これらの粘着剤層に含まれる低分子量オリゴマー、界面活性剤等が感熱記録層へマイグレートして記録感度を低下させ、印字の白抜け等によるバーコードの読取り不良を起こすといった問題が発生することが知られている。
粘着剤成分の影響を抑制することを目的として、感熱記録層を設けた面とは反対側の支持体面に、ガラス転移点10℃以下で、且つ0.01重量%水溶液の280nmにおける透過率が2.0%以下であるスチレン−アクリル系樹脂を含有するバックコート層を設けた感熱記録ラベル(特許文献1参照)、支持体裏面のバックコート層と粘着剤層の間に熱可塑性樹脂を主体としたフィラーを含有する粘着アンダーコート層を設けた感熱記録用粘着ラベルも提案されている(特許文献2参照)。また、呈色剤として4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン等のウレアウレタン化合物を使用することも提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、これらも、粘着剤成分による発色不良の抑制効果については十分なものではないか、或いは十分な効果を得るためには製造工程が複雑になり生産効率が低下してしまうといった課題がある。
特開2009−255309号公報 特開2009−190263号公報 特開2001−246859号公報
本発明は、記録感度が高く、画像安定性に優れ、高温保存下の地肌カブリが良好であり、粘着剤成分の影響による経時保管後の発色不良のない感熱記録体を提供することを主な目的とする。
本発明者らは、上記の従来技術に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、上記の問題点を解決するに至った。即ち、本発明は下記の感熱記録体に係る。
項1:支持体上に顔料とバインダーを含有する下塗り層、下塗り層上にロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層を備えた感熱記録体において、サイズ剤としてアニオン性のスチレン−アクリル共重合樹脂及びスチレン−マレイン酸共重合樹脂から選ばれる少なくとも1種を下塗り層に含有し、前記呈色剤としてN−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドを含有することを特徴とする感熱記録体。
項2:前記サイズ剤が前記N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド1質量部に対して、0.1〜1.0質量部で含有される、項1に記載の感熱記録体。
項3:前記支持体の感熱記録層を備えた面とは反対側の面、または感熱記録層を備えた面に粘着剤層を備えた、項1または2に記載の感熱記録体。
項4:前記サイズ剤が前記下塗り層の全固形量中1〜20質量%の割合で含有される、項1〜3のいずれか1項に記載の感熱記録体。
項5:前記呈色剤として、更に下記一般式(1)によって表されるウレアウレタン化合物を含有する、項1〜4のいずれか1項に記載の感熱記録体。
Figure 2015150764
項6:前記一般式(1)によって表されるウレアウレタン化合物が、前記N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド1質量部に対して、0.03〜2.5質量部で含有される、項5に記載の感熱記録体。
項7:前記一般式(1)によって表されるウレアウレタン化合物が、塩基性無機顔料と同一液体中において加熱処理したものである、項5または6に記載の感熱記録体。
項8:前記塩基性無機顔料が、マグネシウム化合物、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、チタニウム化合物、珪酸マグネシウム、リン酸マグネシウム及びタルクからなる群から選ばれる少なくとも1種である、項7に記載の感熱記録体。
項9:前記下塗り層がプラスチック中空粒子を含有する、項1〜8のいずれか1項に記載の感熱記録体。
項10:前記支持体と前記感熱記録層との間にブレード塗布法により形成された下塗り層を備えた、項1〜9のいずれか1項に記載の感熱記録体。
項11:前記支持体上に形成された少なくとも1層がカーテン塗布法により形成したものである、項1〜10のいずれか1項に記載の感熱記録体。
本発明の感熱記録体は、記録感度が高く、画像安定性に優れ、高温保存下の地肌かぶりが良好であり、粘着剤成分の影響による経時保管後の発色不良がない。
本発明は、支持体上に、少なくともロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層を備えた感熱記録体を提供するものであるが、感熱記録体の層構成は、支持体、感熱記録層の構成だけに限るものではなく、支持体と感熱記録層の間に下塗り層を有する構成、支持体の感熱記録層を有する面とは反対の面に粘着剤層、剥離紙等を備えた構成、感熱記録層上に保護層を備えた構成等を包含することができる。
本発明における支持体としては、特に限定しないが、例えば、中性または酸性の上質紙(中性紙、酸性紙)、合成紙、透明または半透明のプラスチックフィルム、白色のプラスチックフィルム等が挙げられる。支持体の厚みは特に限定しないが、通常、20〜200μm程度である。
本発明における支持体としては、パルプ繊維、填料及びサイズ剤を含有するパルプスラリーを抄紙して得られた中性紙または酸性紙の紙支持体がより好ましい。一般に、酸性紙の場合、感熱記録体を構成する発色性物質が紙の表面において酸性イオンと反応を起こし、長期保存期間中に地肌カブリを起こし易くなる問題がある。一方、中性紙の場合、感熱記録体を保存している間に、例えば1年と経ずして、記録前であれば発色能が低下したり、記録後であれば退色を起こして印字がかすれたり、不鮮明になったり、場合によっては殆ど見えなくなったりする問題がある。従来は、紙支持体の種類によって感熱記録層に含有させる成分を使い分けてきたが、本発明では中性紙または酸性紙のいずれにおいても、白紙保存後の耐可塑剤性に優れた効果を発揮し、地肌に耐熱性を有しながら潜在的に記録濃度の高い白紙保存性に優れた感熱記録体を得ることができる。この理由については明らかでないが、感熱記録体が保存されている間に、通常の呈色剤が中性紙に含まれるアルカリ填料と塩を形成することにより、呈色剤の性能が低下するのに対し、N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドは、中性紙及び酸性紙のいずれかによらず形態変化を起こさないためと推測される。
中性紙の種類、製法については特に限定されないが、パルプ繊維と、一般に填料として例えば炭酸カルシウム、サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)、無水アルケニルコハク酸(ASA)等、並びに定着剤としてポリアミド、アクリルアマイド、カチオン澱粉等を含むパルプスラリーを抄紙して得ることができる。かかる中性紙としては、熱水抽出pH(JIS P 8133に基づく)が6.5〜10の範囲が好ましく、7.5〜10の範囲がより好ましい。中性紙のpHを6.5以上とすることにより白紙保存における地肌カブリを効果的に抑制できる。一方、pHを10以下とすることによりパルプスラリー自体の凝集を抑制することができる。また、pHが6.5より小さくならない範囲で、必要に応じて硫酸バンドを使用して、pH調節することができ、抄紙性を向上することもできる。
酸性紙の種類、製法については特に限定されないが、パルプ繊維と、一般に填料として例えばカオリン、タルク、クロライト、サイズ剤として強化ロジン石鹸、強化ロジンエマルジョン等のロジン系サイズ剤やアルケニルコハク酸石鹸等の所謂合成サイズ剤等、並びに硫酸バンド等を含むパルプスラリーを抄紙して得ることができる。かかる酸性紙としては、熱水抽出pH(JIS P 8133に基づく)が2〜6程度の範囲である。
本発明で使用されるパルプ繊維の種類、製法等については特に限定されず、例えばKP、SP、AP法等によって得られる針葉樹パルプ、広葉樹パルプ等の化学パルプやSCPの他に各種高歩留りパルプ、或いは古紙パルプ等が挙げられる。
なお、パルプスラリーには、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添助剤を紙の用途に応じて適宜添加することもできる。また、サイズプレスにおいて澱粉等を塗布することもできる。抄紙機としては、長網抄紙機、ツインワイヤー式抄紙機、円網抄紙機、ヤンキードライヤー抄紙機等を適宜使用できる。
本発明における感熱記録層には、無色乃至は淡色の各種公知のロイコ染料を含有させることができる。かかるロイコ染料の具体例としては、例えば3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、フルオラン等の青発色性染料、3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−7−N−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン等の緑発色性染料、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン等の赤発色性染料、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2,2−ビス{4−〔6’−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ〔フタリド−3,9’−キサンテン−2’−イルアミノ〕フェニル}プロパン、3−ジエチルアミノ−7−(3’−トリフルオロメチルフェニル)アミノフルオラン等の黒発色性染料、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−p−(p−クロロアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド等の近赤外領域に吸収波長を有する染料等が挙げられる。勿論、これらに限定されるものではなく、また必要に応じて2種以上を併用することもできる。なかでも、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、及び3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランは発色感度、印字保存性に優れているため、好ましく用いられる。前記ロイコ染料の含有割合は、感熱記録層の全固形量中、5〜25質量%程度、好ましくは7〜20質量%である。5質量%以上とすることにより発色能力を高めて、印字濃度を向上できる。25質量%以下とすることにより、耐熱性を向上できる。
本発明における感熱記録層は、呈色剤としてN−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドを含有する。これにより、記録濃度が高く、画像安定性に優れ、高温保存下の地肌カブリが良好であり、粘着剤成分の影響による経時保管後の発色不良のない感熱記録体を得ることができる。
本発明では、N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドの体積平均粒子径が2μm以下であることが好ましい。本発明における呈色剤の組合せは、高温環境下における耐熱地肌カブリ性に優れるため、粒子径を小さくすることができ、記録濃度を高める効果に優れる。体積平均粒子径は、分散時間の長期化による生産効率の低下や地肌カブリ低下の観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.2μm以上である。一方、記録濃度を向上する観点から1.0μm以下がより好ましく、0.6μm以下が更に好ましい。呈色剤は、特定の体積平均粒子径を有する分散液として感熱記録層中に含有させればよい。
本発明における感熱記録層は、呈色剤として、更に前記一般式(1)で表されるウレアウレタン化合物(以下、特定のウレアウレタン化合物ともいう)を含有することが好ましい。これにより、画像安定性に優れ、高温保存下の地肌カブリが良好であり、粘着剤成分の影響による経時保管後の発色不良に対して優れた効果を発揮する。特定のウレアウレタン化合物の具体例としては、例えば、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン、4,4’−ビス〔(2−メチル−5−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン、4−(2−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド−4’− (4−メチル−5−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイドジフェニルスルホン等が挙げられる。これらの特定のウレアウレタン化合物は、1種単独または2種類以上組合せて使用することができる。
本発明では、前記一般式(1)によって表されるウレアウレタン化合物が、塩基性無機顔料と同一液体中において加熱処理したものであることが好ましい。例えば、感熱記録層が4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを含有する感熱記録層用塗液を用いて形成される場合、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンが予め塩基性無機顔料と同一液体中において、50〜90℃、好ましくは60〜80℃の温度範囲で加熱処理された分散液として感熱記録層用塗液に配合することができる。これにより、感熱記録層用塗液を塗布及び乾燥して感熱記録層を形成した後、感熱記録体としての余計な発色(地肌カブリ)が生じるのを抑制できる。処理時間は、加熱温度により適宜調整されるが、一般に2〜24時間加熱処理することが好ましい。加熱処理される前の分散液は、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを所定の粒子径に分散してから塩基性無機顔料を混合して得ることもできるし、各々を混ぜ合わせてから所定の粒子径に分散して得ることもできる。
塩基性無機顔料としては、マグネシウム化合物、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、チタニウム化合物、酸マグネシウム、リン酸マグネシウム及びタルクからなる群れから選ばれる少なくとも1種が好ましい。なかでも珪酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、タルクが塗液の安定性や塗布適性の面からも好ましく使用される。
塩基性無機顔料の使用量は、特に限定されないが、特定のウレアウレタン化合物100質量部に対して、0.5〜20質量部程度、好ましくは1〜10質量部程度である。
感熱記録層における特定のウレアウレタン化合物の含有量は、N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド1質量部に対して、0.03〜2.5質量部程度であることが好ましく、より好ましくは0.05〜2.0質量部程度である。0.03質量部以上とすることにより、記録部における十分な耐可塑剤性が得られる。一方、2.5質量部以下とすることにより、高温環境下での地肌カブリを向上できる。
感熱記録層における特定のウレアウレタン化合物の含有量は、ロイコ染料1質量部に対して、0.1〜3.0質量部であることが好ましく、より好ましくは0.2〜2.5質量部であり、更に好ましくは0.5〜2.0質量部である。前記N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドに対する含有量の範囲で調節して使用することができる。
感熱記録層におけるN−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドの含有量は、ロイコ染料1質量部に対して、0.5〜5質量部であることが好ましく、より好ましくは0.8〜4質量部であり、更に好ましくは1〜4質量部であり、特に好ましくは1.2〜3.5質量部である。
本発明における呈色剤は、N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドであるが、必要に応じて支障のない範囲で各種公知の材料を併用することができる。具体例としては、例えば活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム等の無機酸性物質、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキシ−4’−ベンジルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4−アリルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルフェニルスルホン等のフェノール性化合物、N,N’−ジ−m−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、N−(p−トルエンスルホニル)カルバモイル酸p−クミルフェニルエステル、N−(p−トルエンスルホニル)カルバモイル酸p−ベンジルオキシフェニルエステル、N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、N−(o−トルオイル)−p−トルエンスルホアミド等の分子内に−SONH−結合を有する有機化合物、p−クロロ安息香酸、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸等の芳香族カルボン酸、及びこれら芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属との塩、更にはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等の有機酸性物質、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタン、1,5−(3−オキソペンチレン)−ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート、1−(4−ブトキシカルボニルフェニル)−3−トシルウレア、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−フェニルウレア、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−p−トリルウレア、4,4’−ビス(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルスルホン等のスルホニルウレア化合物、下記一般式(2)で表されるジフェニルスルホン誘導体等が挙げられる。
Figure 2015150764
(式中、nは1〜6の整数を表す。)
感熱記録層用塗液中には通常バインダーとして、各種の樹脂が使用される。かかるバインダーとしては、例えば澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体塩、エチレン−アクリル酸共重合体塩、スチレン−ブタジエン共重合体、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらの少なくとも1種を、感熱記録層の全固形量中、好ましくは5〜50質量%程度、より好ましくは10〜40質量%程度の範囲で配合される。なお、感熱記録層用塗液の媒体が水の場合は、疎水性樹脂はラテックスの形態で使用される。
本発明の感熱記録体において、感熱記録層は、特定の呈色剤、ロイコ染料、及びバインダーに加えて、更に保存性改良剤、増感剤、その他の各種助剤を含有していてもよい。
本発明における感熱記録層中には保存性改良剤を含有させることができる。これにより、記録部の保存性を高めることができる。保存性改良剤としては、例えば2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、トリス(2,6−ジメチル−4−ターシャリーブチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−チオビス(3−メチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、4,4’−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、テレフタル酸ジグリシジル、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェイトのナトリウムまたは多価金属塩、ビス(4−エチレンイミノカルボニルアミノフェニル)メタン等が挙げられる。保存性改良剤の含有割合は、保存性改良のために有効な量とすればよいが、通常は、感熱記録層の全固形量中、1〜30質量%程度が好ましく、5〜20質量%程度がより好ましい。
本発明における感熱記録層中には増感剤を含有させることもできる。これにより、記録感度を高めることができる。増感剤としては、例えば、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミルド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、ジフェニルスルホン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、シュウ酸ジベンジルエステル、p−トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(3−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン等が挙げられる。これらは支障のない範囲で併用できる。なかでも、ステアリン酸アミド、ジフェニルスルホン、2−ナフチルベンジルエーテル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタンは発色感度に優れているため、好ましく用いられる。増感剤の含有割合は、増感のために有効な量とすればよいが、通常は、感熱記録層の全固形量中、2〜40質量%程度が好ましく、5〜25質量%程度がより好ましい。
助剤としては、例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、脂肪酸金属塩等の分散剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等のワックス類、アジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジド化合物、グリオキザール、硼酸、グリオキシル酸塩、ジアルデヒドデンプン、メチロール尿素、エポキシ系化合物等の耐水化剤、消泡剤、着色染料、蛍光染料、及び顔料等が挙げられる。
本発明においては、感熱記録層の白色度向上、及び画像の均一性向上のために、白色度が高く、平均粒子径が10μm以下の微粒子顔料を感熱記録層に含有させることもできる。具体例としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、焼成カオリン、無定形シリカ、珪藻土、合成珪酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、表面処理された炭酸カルシウムやシリカ等の無機顔料、並びに尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合樹脂、ポリスチレン樹脂、生澱粉粒子等の有機顔料が使用できる。顔料の含有割合は、発色濃度を低下させない程の量、即ち感熱記録層の全固形量中、50質量%以下であることが好ましい。
感熱記録層は、例えば水を分散媒体とし、ロイコ染料、特定の呈色剤、必要により増感剤、保存性改良剤等を共に、或いは別々にボールミル、アトライター、サンドミル等の撹拌・粉砕機により平均粒子径が2μm以下となるように微分散した分散液、必要により顔料、バインダー、助剤等を混合撹拌することにより調製された感熱記録層用塗液を、塗布量が、乾燥重量で好ましくは2〜12g/m程度、より好ましくは3〜10g/m程度となるように、支持体上に塗布し、乾燥して形成される。
本発明では、支持体上に顔料とバインダーを含有する下塗り層を備えている。更に下塗り層は、サイズ剤を含有している。サイズ剤としては、アニオン性であり、スチレン−アクリル共重合樹脂及びスチレン−マレイン酸共重合樹脂から選ばれる少なくとも1種である。好ましくは、アニオン性のスチレン−マレイン酸共重合樹脂である。これにより、支持体として中性紙または酸性紙を使用した場合でも、地肌カブリや白紙保存性に優れる。また、粘着ラベル加工された場合でも、粘着剤成分の影響による経時保管後の発色不良を抑制し、保管前の初期の記録濃度で発色させることができる。この理由は定かではないが、下塗り層のバリア性を高めて、感熱記録層中の増感剤や呈色剤が、支持体中のアルカリ填料もしくは酸性イオン、または粘着剤に含まれる界面活性剤等と接触するのを抑え、本願発明における特定の呈色剤の効果を遺憾なく発揮できるためと考えられる。
下塗り層における前記サイズ剤の含有量は、特に限定されないが、N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド1質量部に対して、0.1〜1.0質量部が好ましく、0.1〜0.7質量部がより好ましく、0.2〜0.7質量部が更に好ましい。
本発明におけるサイズ剤は、アンモニウム塩の形態であることが好ましい。アンモニウム塩とすることにより、例えばナトリウム塩等でサーマルヘッドが電気腐蝕を起こす等の恐れがない。さらに、その形態が溶液型であることが好ましい。エマルジョン型であれば下塗り層の乾燥過程で上方にブリードし、顔料が支持体側に沈み込んで均一な層を形成することが難しく、粘着剤層に対するバリア性を損なう恐れがあるが、溶液型とすることにより、均一な層を形成しバリア性を発揮できる。
下塗り層中のサイズ剤の含有量としては、特に限定されないが、下塗り層の全固形量中、1〜20質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましく、4〜10質量%が更に好ましい。1質量%以上とすることにより、十分なバリア性を得ることができ、20質量%以下とすることにより十分な記録感度を得ることができる。
本発明で下塗り層に含有されるサイズ剤は、アニオン性のスチレン−アクリル共重合樹脂及びスチレン−マレイン酸共重合樹脂から選ばれる少なくとも1種であるが、必要に応じて支障のない範囲で各種公知の材料を併用することができる。具体例としては、ロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマーサイズ剤、アルケニル無水コハク酸、カチオンポリマーサイズ剤、ロジン系中性サイズ剤、オレフィン系サイズ剤、ワックス系サイズ剤、シリコン系サイズ剤等、一般に製紙用サイズ剤と称される親水基と疎水基を有しているものであり、単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。
本発明では、支持体と感熱記録層との間にプラスチック中空粒子を含有する下塗り層を有することが好ましい。これにより、記録感度をより一層高めることができる。また、プラスチック中空粒子が支持体上に留まって均一な下塗り層を形成することにより、下塗り層上に設ける塗布層の厚みを均一にすることができ、バリア性を向上することができる。
プラスチック中空粒子としては、従来公知のもの、例えば、膜材がアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等からなる中空率が50〜99%程度の粒子が挙げられる。ここで中空率は、次式(d/D)×100で求められる値である。該式中、dは有機中空粒子の内径を示し、Dは有機中空粒子の外径を示す。プラスチック中空粒子の平均粒子径は、0.5〜10μm程度が好ましく、1〜3μm程度がより好ましい。平均粒子径を10μm以下とすることにより、下塗り層用塗液をブレード塗布法で塗布する場合に、ストリークやスクラッチ等のトラブルの原因とならず、良好な塗布適性を得ることができる。
プラスチック中空粒子の含有割合は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗り層の全固形量中、2〜90質量%程度が好ましい。発色性の改良効果とバリア性を高める観点から、下限は5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましい。一方、サーマルヘッドへの粕付着を抑える観点から、上限は80質量%以下がより好ましく、70質量%以下が更に好ましく、60質量%以下が特に好ましく、50質量%以下が最も好ましい。
下塗り層は、サーマルヘッドへの粕付着を抑制する効果を向上する観点から、吸油量が70ml/100g以上、特に80〜150ml/100g程度の吸油性顔料を含有することが好ましい。また、熱膨張性粒子を含有することもできる。ここで、吸油量はJIS K 5101に記載の方法に従い、求められる値である。
吸油性顔料としては、各種のものが使用できるが、具体例としては、焼成カオリン、無定形シリカ、軽質炭酸カルシウム、タルク等の無機顔料が挙げられる。これら吸油性顔料の一次粒子の平均粒子径は0.01〜5μm程度、特に0.02〜3μm程度であるのが好ましい。吸油性顔料の含有割合は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗り層の全固形量中、2〜95質量%程度が好ましく、5〜90質量%程度がより好ましい。
吸油性無機顔料をプラスチック中空粒子と併用する場合、吸油性無機顔料とプラスチック中空粒子とは前記の含有割合の範囲で使用し、且つ吸油性無機顔料とプラスチック中空粒子の合計量が、下塗り層の全固形量中、5〜90質量%程度とすることが好ましく、10〜90質量%程度とすることがより好ましく、10〜80質量%程度とすることが更に好ましい。
下塗り層は、一般に水を媒体として、特定のサイズ剤、プラスチック中空粒子、吸油性顔料、バインダー、助剤等を混合、攪拌することにより調製された下塗り層用塗液を、支持体上に塗布し、乾燥して形成される。下塗り層の塗布量は、特に限定するものではないが、乾燥重量で3〜20g/m程度が好ましく、5〜12g/m程度がより好ましい。
バインダーとしては、塗膜強度を向上する観点から酸化澱粉、澱粉−酢酸ビニルグラフト共重合体、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエン系ラテックス等が好ましい。バインダーの含有割合は、広い範囲で選択できるが、一般には下塗り層の全固形量中、5〜30質量%程度が好ましく、10〜20質量%程度がより好ましい。
本発明においては、感熱記録層上に、必要に応じて少なくとも1層以上の保護層を設けてもよい。保護層は、従来から公知の感熱記録体に使用されている保護層を利用できる。保護層は、顔料とバインダーを主体として構成され、これらを含有する保護層用塗液を塗布し、乾燥して形成することができる。特に保護層には、サーマルヘッドに対するスティッキングを防止する目的で、ポリオレフィンワックス、ステアリン酸亜鉛のような滑剤を添加することが好ましく、紫外線吸収剤を含むこともできる。また光沢のある保護層を設けることにより、製品の付加価値を高めることもできる。
保護層は、バインダーとして水溶性高分子及び/または合成樹脂エマルジョンを主成分とすることが好ましい。
水溶性高分子としては、例えば、完全鹸化または部分鹸化ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、及び珪素変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系樹脂、ゼラチン、カゼイン、エチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩等が挙げられる。合成樹脂エマルジョンとしては、例えば、スチレン−ブタジエン系ラテックス、アクリル系ラテックス、ウレタン系ラテックス等のラテックスが挙げられる。これらの中でも、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール及びジアセトン変性ポリビニルアルコールは、表面のバリア性を向上させ、耐薬品性等の保存性を向上させることができ、好ましく用いられる。
水溶性高分子及び/または合成樹脂エマルジョンの含有割合は、総計で、保護層の全固形量中、10〜80質量%程度が好ましく、特に20〜75質量%程度がより好ましい。10質量%以上とすることにより、バリア性が向上し、表面強度を高めて、紙粉を減らすことができる。一方、80質量%以下とすることにより、耐スティッキング性を向上できる。
水溶性高分子と合成樹脂エマルジョンを併用する場合、その使用比率は、水溶性高分子100質量部に対して合成樹脂エマルジョンが5〜100質量部程度が好ましい。
顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、無定形シリカ、合成マイカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、クレー、焼成カオリン等の無機顔料、ナイロン樹脂フィラー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生澱粉粒子等の有機顔料が挙げられる。これらの中でも、カオリン、水酸化アルミニウムは可塑剤や油等の薬品に対するバリア性の低下が少なく、しかも記録濃度の低下も小さいため、好ましい。
顔料の使用割合は、保護層の全固形量中、5〜80質量%程度が好ましく、10〜70質量%程度がより好ましい。5質量%以上とすることにより、サーマルヘッドとの滑りを向上し、耐スティッキング性、耐ヘッド粕性を向上できる。一方、80質量%以下とすることにより、バリア性を向上し、保護層としての機能を大幅に高めることができる。
助剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等の滑剤、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、スルホン変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウムアセチレングリコール系化合物、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、エーテル型界面活性剤、或いはベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等の両性系界面活性剤等の界面活性剤、グリオキザール、硼酸、ジアルデヒド澱粉、メチロール尿素、エポキシ系化合物、ヒドラジン系化合物等の耐水化剤(架橋剤)、疎水性ポリカルボン酸共重合物、紫外線吸収剤、蛍光染料、着色染料、離型剤、酸化防止剤等が挙げられる。助剤の使用量は、広い範囲から適宜設定することができる。
保護層用塗液の塗布量は特に制限はなく、乾燥重量で0.3〜10g/m程度、特に0.5〜8g/m程度であれば所望の品質を達成できる。なお、保護層は必要に応じて2層以上に分けることができ、各層の組成、塗工量を変えることもできる。
本発明では、支持体の感熱記録層を設けた面とは反対側の面、または感熱記録層を備えた面に粘着剤層を備えていることが好ましい。粘着剤層を備えた粘着ラベルに加工された感熱記録体とすることにより、本発明における優れた効果を遺憾なく発揮できる。本発明に使用される粘着剤としては、例えば、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソブチレンゴム、イソプレンゴム等によるゴム系物質を主成分とするもの、ビニルエーテル系物質を主成分とするもの、2−エチルヘキシルアクリレートを主モノマーとする共重合ポリマー等のアクリル系物質を主成分とするもの、ゴム状シロキサンと樹脂状シロキサンとを主成分とするもの等が挙げられる。これらは、エマルジョンや溶剤乃至無溶剤型の各種粘着剤として用いることができる。
剥離シートを用いる場合、粘着剤は、支持体上に直接塗布して粘着剤層を設けてもよいし、剥離シートの剥離剤表面に粘着剤を塗布して粘着剤層を設けた後、支持体の感熱記録層とは反対側に貼着し、粘着剤層を転写して設けてもよい。いずれも場合も、粘着剤層は使用時以外での不要な粘着を防ぐために剥離シートを貼合し、所望により剥がして使用することが望ましい。一方、剥離シートを用いないノーセパレートタイプにおいては、感熱記録層と粘着剤層とが、それらの間に離形層等を挟んで積層されており、巻き取り状態で支持体と粘着剤層とが接触して粘着剤成分の影響が及ぶため、本発明の効果を遺憾なく発揮させることができる。
剥離シートとしては、グラシン紙のような高密度原紙、クレーコート紙、クラフト紙や、または上質紙等にポリエチレン等をラミネートしたポリラミネート紙等の剥離基紙に、剥離剤としてフッ素樹脂やシリコーン樹脂等が乾燥重量で0.05〜3g/m程度の範囲で付着された剥離面を有するものが好ましい。粘着剤の塗布方法としては、例えばロールコーター、ナイフコーター、バーコーター、スロットダイコーター等が使用され、塗布量は、乾燥重量で5〜50g/m程度の範囲で調節される。
本発明では、必要に応じて支持体の感熱記録層を設けた面とは反対側の面に顔料とバインダーを主成分とする裏面層を設けることができる。これにより、保存性を一層高めたり、カール適性やプリンタ走行性を高めたりすることができる。また、裏面に磁気記録層や印刷用塗被層、更には熱転写記録層やインクジェット記録層を設けたりする等、感熱記録体製造分野における各種の公知技術が必要に応じて付加し得るものである。
前記の各塗液を塗布する方法としては、特に限定されず、例えばエアナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング等の既知の塗布方法のいずれを利用してもよい。また、各塗液は1層ずつ塗布及び乾燥して各層を形成してもよく、同一の塗液を2層以上に分けて塗布してもよい。更に2つ以上の層を同時に塗布する同時多層塗布を行ってもよい。本発明では、各層を形成し終えた後、また、全ての層を形成し終えた後の任意の過程でスーパーカレンダー等による平滑化処理を施すこともできる。
下塗り層用塗液の塗布方法としては、下塗り層の表面性を向上する観点から、ピュアブレードコーティングやロッドブレードコーティングが好ましい。また、感熱記録層及び保護層の形成については、カーテンコーティングで同時多層塗布することが好ましい。これにより、均一な塗布層を形成して保護層のバリア性を向上でき、しかも生産性を高めることができる。カーテンコーティングとは、塗液を流下して自由落下させ支持体に非接触で塗布する方法であり、スライドカーテン法、カップルカーテン法、ツインカーテン法等の公知のものを採用することができ、特に制限されるものではない。また、特開2006−247611号公報に記載のように、カーテンヘッドから塗液を下向きに噴出させて斜面上で塗液層を形成させ、斜面の終端部の下向きのカーテンガイド部から塗液のカーテンを形成してウエブ面上に塗液層を移行させることもできる。ここで、同時多層塗布とは、2層以上の層を塗布するに際し、上下層を同時に塗布する方法であり、下層を塗布した後に乾燥することなく上層を塗布する方法を含む。
本発明では、記録感度を高めて、画像均一性を向上する観点から、各層を形成し終えた後、または全ての層を形成し終えた後の任意の過程で、スーパーカレンダーやソフトカレンダー等の既知の方法を用いて平滑化処理することが好ましい。
本発明においては、より製品の付加価値を高めるため、多色感熱記録体とすることもできる。一般に多色感熱記録体は、加熱温度の差、または熱エネルギーの差を利用する試みであり、一般に、支持体上に異なる色調に発色する高温発色層と低温発色層を順次積層して構成されたものであって、これらを大別すると消色型と加色型の2種類、マイクロカプセルを用いた方法及び有機高分子とロイコ染料からなる複合粒子を使用して多色感熱記録体を製造する方法がある。
本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、特に断らない限り、例中の「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例1
・下塗り層用塗液の調製
プラスチック中空粒子分散液(商品名:ローペイクSN−1055、中空率:55%、平均粒子径:1.0μm、ダウケミカル社製、固形分濃度26.5質量%)115部、焼成カオリン(商品名:アンシレックス、BASF社製)の50%水分散液(体積平均粒子径:0.6μm)100部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L−1571、旭化成ケミカルズ社製、固形分濃度48質量%)20部、サイズ剤としてアニオン性のスチレン−マレイン酸共重合樹脂(商品名:ポリマロンWR300DS、荒川化学社製、固形分濃度20質量%の水溶液、アンモニウム塩)20部、酸化澱粉の10%水溶液30部、及び水20部からなる組成物を混合・攪拌して下塗り層用塗液を得た。
・A液(ロイコ染料分散液)の調製
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセランL−3266、日本合成化学工業社製)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤(商品名:ノプコ1407H、サンノプコ社製)の5%エマルジョン10部、及び水90部からなる組成物を、サンドミルによりレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が0.5μmとなるまで粉砕してA液を得た。
・B液(呈色剤分散液)の調製
N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセランL−3266、前出)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤(商品名:ノプコ1407H、前出)の5%エマルジョン10部、及び水90部からなる組成物を、サンドミルによりレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が0.6μmとなるまで粉砕してB液を得た。
・C液(増感剤分散液)の調製
1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセランL−3266、前出)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤(商品名:ノプコ1407H、前出)の5%エマルジョン2部、及び水98部からなる組成物を、サンドミルによりレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなるまで粉砕してC液を得た。
・感熱記録層用塗液の調製
A液35部、B液70部、C液35部、水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−42、昭和電工社製)24部、鹸化度98モル%、重合度1000のポリビニルアルコールの10%水溶液120部、アジピン酸ジヒドラジドの35%水分散液5部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩の10%水溶液2部、及び水35部からなる組成物を混合して感熱記録層用塗液を得た。
・D液(カオリン分散液)の調製
カオリン〔商品名:UW−90(登録商標)、BASF社製〕50部、微粒子無定形シリカ(商品名:ミズカシールP−527、水澤化学工業社製)4部、ポリアクリル酸ナトリウムの40%水溶液(商品名:アロンT−50、東亞合成社製)0.4部、及び水81部からなる組成物を混合してD液を得た。
・保護層用塗液の調製
D液135部、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマーZ−200、重合度1000、日本合成化学工業社製)の10%水溶液250部、ステアリン酸亜鉛水分散液(商品名:ハイドリンZ−8−36、固形分濃度36%、中京油脂社製)20部、アイオノマー型ウレタン系樹脂ラテックス〔商品名:ハイドラン(登録商標)AP−30F、DIC社製、固形分濃度20%〕45部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩の10%水溶液1部からなる組成物を混合して保護層用塗液を得た。
・感熱記録体の作製
坪量64g/mの上質紙(酸性紙)の一方の面に、下塗り層用塗液を乾燥後の重量が7g/mとなるようにブレードコーターを用いたブレード塗布法により塗布し、乾燥して下塗り層を形成し、下塗り層上に感熱記録層用塗液を乾燥後の重量が3.5g/mとなるようにスライドホッパー型カーテン塗布装置を用いたカーテン塗布法により塗布し、乾燥して感熱記録層を形成し、感熱記録層上に乾燥後の塗布量が2.5g/mとなるように保護層用塗液をカーテン塗布法により塗布し、乾燥して保護層を形成した後、スーパーカレンダー処理を施し、感熱記録体を得た。
・粘着ラベル加工された感熱記録体の作製
アクリル系樹脂の粘着剤を主成分する粘着剤層を剥離基紙の剥離面に20g/m設け、粘着剤層と上質紙の他方の面を貼り合わせて粘着ラベル加工された感熱記録体を得た。
実施例2
実施例1の下塗り層用塗液の調製において、サイズ剤の量を20部に代えて10部とした以外は、実施例1と同様にして粘着ラベル加工された感熱記録体を得た。
実施例3
実施例1の下塗り層用塗液の調製において、サイズ剤の量を20部に代えて50部とした以外は、実施例1と同様にして粘着ラベル加工された感熱記録体を得た。
実施例4
実施例1の下塗り層用塗液の調製において、サイズ剤の種類と量をアニオン性のスチレン−アクリル酸共重合樹脂(商品名:ポリマロンE−100、荒川化学社製、固形分濃度30質量%)13.5部に代えた以外は、実施例1と同様にして粘着ラベル加工された感熱記録体を得た。
・E液(呈色剤分散液)の調製
前記一般式(2)で示される化合物(商品名:UU、ケミプロ化成社製)100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセランL−3266、前出)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤(商品名:ノプコ1407H、前出)の5%エマルジョン2部、及び水98部からなる組成物を、サンドミルによりレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなるまで粉砕してE液を得た。
実施例5
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、更にE液の25部を追加した以外は、実施例1と同様にして粘着ラベル加工された感熱記録体を得た。
実施例6
実施例5の感熱記録層用塗液の調製において、B液の量を70部に代えて90部とし、E液の量を25部に代えて5部とした以外は、実施例5と同様にして粘着ラベル加工された感熱記録体を得た。
実施例7
実施例5の感熱記録層用塗液の調製において、B液の量を70部に代えて35部とし、E液の量を25部に代えて60部とした以外は、実施例5と同様にして粘着ラベル加工された感熱記録体を得た。
・F液(呈色剤分散液)の調製
4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン100部、珪酸マグネシウム5部、スルホン変性ポリビニルアルコ−ル(商品名:ゴ−セランL−3266、日本合成化学社製)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤(商品名:ノプコ1407H、サンノプコ社製)の5%エマルジョン10部、及び水90部からなる組成物をサンドミルによりレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなるまで粉砕して分散液を得た。更に、該分散液を70℃で4時間加熱処理を行い、F液を得た。
実施例8
実施例5の感熱記録層用塗液の調製において、E液に代えてF液とした以外は、実施例5と同様にして粘着ラベル加工された感熱記録体を得た。
比較例1
実施例1のB液調製において、N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドに代えて、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを使用した以外は、実施例1と同様にして粘着ラベル加工された感熱記録体を得た。
比較例2
実施例1の下塗り層用塗液の調製において、サイズ剤としてアニオン性のスチレン−マレイン酸共重合樹脂を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして粘着ラベル加工された感熱記録体を得た。
比較例3
実施例1の下塗り層用塗液の調製において、サイズ剤としてアニオン性のスチレン−マレイン酸共重合樹脂の20部に代えて、カチオン性アルキルケテンダイマー系エマルジョン(商品名:サイズパインK921、20%濃度、荒川化学工業社製)20部を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着ラベル加工された感熱記録体を得た。
かくして得られた感熱記録用粘着ラベルについて、以下の評価を行なった。その結果は、表1に示す通りであった。
(記録濃度)
感熱記録評価機(商品名:TH−PMH、大倉電機社製)を用いて、印加エネルギー0.16mJ/dotおよび0.28mJ/dotにて各感熱記録体を印字し、記録部の光学濃度を反射濃度計(商品名:マクベス濃度計RD−918、グレタグマクベス社製)のビジュアルモードで測定した。数値が大きい程、印字の濃度が濃いことを示している。
(耐アルコール性)
感熱記録評価機(商品名:TH−PMH、大倉電機社製)を用いて、印加エネルギー0.28mJ/dotで発色させた各感熱記録体を20%エタノール液に30分間浸漬して、乾燥させた処理の後に、記録部の光学濃度を反射濃度計(商品名:マクベス濃度計RD−918、グレタグマクベス社製)のビジュアルモードで測定した。また、下記式により、記録部の保存率を求めた。
保存率(%)=(処理後の記録濃度÷処理前の記録濃度)×100
(耐可塑剤性)
ポリカーボネイトパイプ(40mmΦ)上にラップフィルム(商品名:ハイラップKMA−W、三井化学社製)を3重に巻付け、その上に記録濃度測定用で発色させた各感熱記録体を載せ、更にその上にラップフィルムを3重に巻き付けて40℃の環境下で24時間放置して処理した後の記録部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社)のビジュアルモードで測定した。また、下記式により、記録部の保存率を求めた。
保存率(%)=(処理後の記録濃度÷処理前の記録濃度)×100
(長期保存後の発色性)
長期保存による記録感度の変化を評価するため、加速試験として、感熱記録体を50℃、90%RHの環境下で3日間保存した後、感熱記録評価機(商品名:TH−PMH、大倉電機社製)を用いて、印加エネルギー0.16mJ/dotおよび0.28mJ/dotにて各感熱記録体を印字し、記録部の光学濃度を反射濃度計(商品名:マクベス濃度計RD−918、グレタグマクベス社製)のビジュアルモードで測定した。保存前との記録濃度差が小さいほど発色不良がなく、白紙保存性に優れている。
Figure 2015150764
本発明により得られた感熱記録体は、記録感度が高く、画像安定性に優れ、高温保存下の地肌かぶりが良好であり、粘着剤成分の影響による経時保管後の発色不良のない感熱記録体が得られるため、ラベル用途として好適に使用することができる。

Claims (11)

  1. 支持体上に顔料とバインダーを含有する下塗り層、下塗り層上にロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層を備えた感熱記録体において、サイズ剤としてアニオン性のスチレン−アクリル共重合樹脂及びスチレン−マレイン酸共重合樹脂から選ばれる少なくとも1種を下塗り層に含有し、前記呈色剤としてN−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドを含有することを特徴とする感熱記録体。
  2. 前記サイズ剤が前記N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド1質量部に対して、0.1〜1.0質量部で含有される、請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 前記支持体の感熱記録層を備えた面とは反対側の面、または感熱記録層を備えた面に粘着剤層を備えた、請求項1または2に記載の感熱記録体。
  4. 前記サイズ剤が前記下塗り層の全固形量中1〜20質量%の割合で含有される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱記録体。
  5. 前記呈色剤として、更に下記一般式(1)によって表されるウレアウレタン化合物を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感熱記録体。
    Figure 2015150764
  6. 前記一般式(1)によって表されるウレアウレタン化合物が、前記N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド1質量部に対して、0.03〜2.5質量部で含有される、請求項5に記載の感熱記録体。
  7. 前記一般式(1)によって表されるウレアウレタン化合物が、塩基性無機顔料と同一液体中において加熱処理したものである、請求項5または6に記載の感熱記録体。
  8. 前記塩基性無機顔料が、マグネシウム化合物、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、チタニウム化合物、珪酸マグネシウム、リン酸マグネシウム及びタルクからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項7に記載の感熱記録体。
  9. 前記下塗り層がプラスチック中空粒子を含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の感熱記録体。
  10. 前記支持体と前記感熱記録層との間にブレード塗布法により形成された下塗り層を備えた、請求項1〜9のいずれか1項に記載の感熱記録体。
  11. 前記支持体上に形成された少なくとも1層がカーテン塗布法により形成したものである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の感熱記録体。
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