JP5939209B2 - 感熱記録体及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、ロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用した感熱記録体に関するものである。
無色乃至は淡色のロイコ染料と該ロイコ染料の電子受容体として作用できる呈色剤とを、熱により反応させて発色させることにより記録像を得るようにした感熱記録体がよく知られている。
その利用分野として、例えばPOS(Point of Sales)システム用のレジ用紙及びチケット用紙等が挙げられるが、同システムの拡大と共にその使用環境、使用方法も多様化しており、厳しい条件下での使用が増加してきている。更に同用途では、領収書としても使用されるため、記録部の油や可塑剤、事務用品、ハンドクリーム等、種々の薬品に対する保存性や、捺印性が良好なことも必要となる。
支持体上にロイコ染料と呈色剤を主成分とする感熱記録層を設けた感熱記録体にあっては、発色反応が可逆的であるため、発色画像が経時的に消色することが知られている。この消色反応は高温、高湿の環境下で加速され、更に油、可塑剤等の接触によって速やかに進行し、記録画像が読取り不可能なまでに消色してしまうことがある。これらに対して、記録部の保存性を向上させるため、感熱記録層中にエポキシ化合物を添加すること(特許文献1参照)等が提案されているが、油や可塑剤に対して十分な効果が得られていない。
かかる問題に対して、呈色剤としてジフェニルスルホン架橋型化合物の少なくとも1種と特定のヒドロキシジフェニルスルホン誘導体の少なくとも1種とを併用することが提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、特許文献2に記載の感熱記録体では、油や可塑剤に対する記録部の保存性は改善されるが、非印字部の安定性(耐熱地肌カブリ性)の改善は不十分であり、スティッキングやサーマルヘッドへの粕付着が起こり易いという問題がある。
また、呈色剤として4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン等のウレアウレタン化合物が提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、特許文献3に記載の化合物は、優れた画像保存性を有する一方で、高感度が要求される用途では、感度的に不十分である。更に、特許文献3に記載の化合物は、これを含む塗液の経時的な着色による白色度低下(液カブリ)が顕著であり、その塗液を塗布することにより作製した感熱記録体の地肌部の着色(地肌カブリ)も顕著となる。更に、感熱記録体を高湿環境下で保存した場合に生ずる感熱記録体の地肌部の着色(耐湿地肌カブリ)も顕著であり、他の呈色剤と併用すると、液カブリ、耐湿地肌カブリがより一層顕著になるという問題がある。
4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを用いた感熱記録体の耐湿地肌カブリ性を改良するために、珪酸塩等の着色抑制剤の存在下で共分散した分散液を加熱処理して使用すること(特許文献4参照)が提案されている。しかしながら、特許文献4に記載の感熱記録体では記録感度が低いため、高速プリンターやバッテリー駆動のハンディターミナルプリンターにおける油や可塑剤に対する記録部の保存性は不十分である。
特開平4−286685号公報 特許第3664840号公報 国際公開WO00/14058号パンフレット 国際公開WO2005/042263号パンフレット
本発明は、記録濃度が高く、記録部の耐油性、耐可塑剤性及び高温環境下における耐熱地肌カブリ性に優れ、更に耐スティッキング性、耐ヘッド粕性に優れる感熱記録体を提供することを主な目的とする。
本発明者等は、上記従来技術に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、上記問題点を解決するに至った。即ち、本発明は、下記の感熱記録体に係る。
項1:支持体上に、少なくともロイコ染料及び呈色剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体において、前記呈色剤として、下記一般式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物、下記一般式(2)で表されるウレアウレタン化合物、及びN−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドを含有することを特徴とする感熱記録体。
Figure 0005939209
(式中、nは1〜6の整数を表す。)
Figure 0005939209
項2:前記ジフェニルスルホン架橋型化合物1質量部に対して、前記ウレアウレタン化合物が0.2〜5質量部の比率で含有される、項1に記載の感熱記録体。
項3:前記N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド1質量部に対して、前記ジフェニルスルホン架橋型化合物と前記ウレアウレタン化合物の合計含有量が0.2〜3質量部である、項1または2に記載の感熱記録体。
項4:前記呈色剤の合計量のうち、前記ジフェニルスルホン架橋型化合物及び前記ウレアウレタン化合物をそれぞれ2.5質量%以上の割合で含有し、且つN−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドを15〜90質量%の割合で含有する、項1〜3のいずれか1項に記載の感熱記録体。
項5:前記感熱記録層が増感剤としてステアリン酸アミド、2−ナフチルベンジルエーテル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン及びジフェニルスルホンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、項1〜4のいずれか1項に記載の感熱記録体。
項6:前記呈色剤として、前記ウレアウレタン化合物を塩基性無機顔料の存在下で加熱処理したものを含有する、項1〜5のいずれか1項に記載の感熱記録体。
項7:前記塩基性無機顔料がマグネシウム化合物、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、チタニウム化合物、珪酸マグネシウム、リン酸マグネシウム及びタルクからなる群から選ばれる少なくとも1種である、項6に記載の感熱記録体。
項8:前記ウレアウレタン化合物が、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンである、項1〜7のいずれか1項に記載の感熱記録体。
項9:前記支持体と感熱記録層との間にプラスチック中空粒子を含有する下塗り層を備えた、項1〜8のいずれか1項に記載の感熱記録体。
項10:前記支持体と感熱記録層との間にブレード塗布法により形成された下塗り層を備えた、項1〜9のいずれか1項に記載の感熱記録体。
項11:前記支持体上に形成された少なくとも1層がカーテン塗布法により形成されたものである、項1〜10のいずれか1項に記載の感熱記録体。
項12:前記感熱記録層が最外の層である、項1〜11のいずれか1項に記載の感熱記録体。
本発明の感熱記録体は、記録濃度が高く、記録部の耐油性、耐可塑剤性及び高温環境下における耐熱地肌カブリ性に優れ、更に耐スティッキング性、耐ヘッド粕性に優れる感熱記録体を提供することを主な目的とする。
本発明における支持体としては、特に限定しないが、例えば、中性または酸性の上質紙(中性紙、酸性紙)、合成紙、透明または半透明のプラスチックフィルム、白色のプラスチックフィルム等が挙げられる。支持体の厚みは特に限定しないが、通常、20〜200μm程度である。
本発明における支持体としては、パルプ繊維、填料及びサイズ剤を含有するパルプスラリーを抄紙して得られた中性紙または酸性紙の紙支持体がより好ましい。一般に、酸性紙の場合、感熱記録体を構成する発色性物質が紙の表面において酸性イオンと反応を起こし、長期保存期間中に地肌カブリを起こし易くなる問題がある。一方、中性紙の場合、感熱記録体を保存している間に、例えば1年と経ずして、記録前であれば発色能が低下したり、記録後であれば退色を起こして印字がかすれたり、不鮮明になったり、場合によっては殆ど見えなくなったりする問題がある。従来は、紙支持体の種類によって感熱記録層に含有させる成分を使い分けてきたが、本発明では中性紙または酸性紙のいずれにおいても、白紙保存後の耐可塑剤性に優れた効果を発揮し、地肌に耐熱性を有しながら潜在的に記録濃度の高い白紙保存性に優れた感熱記録体を得ることができる。この理由については明らかでないが、感熱記録体が保存されている間に、通常の呈色剤が中性紙に含まれるアルカリ填料と塩を形成することにより、呈色剤の性能が低下するのに対し、N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドは、中性紙及び酸性紙のいずれかによらず形態変化を起こさないためと推測される。
中性紙の種類、製法については特に限定されないが、パルプ繊維と、一般に填料として例えば炭酸カルシウム、サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)、無水アルケニルコハク酸(ASA)等、並びに定着剤としてポリアミド、アクリルアマイド、カチオン澱粉等を含むパルプスラリーを抄紙して得ることができる。かかる中性紙としては、熱水抽出pH(JIS P 8133に基づく)が6.5〜10の範囲が好ましく、7.5〜10の範囲がより好ましい。中性紙のpHを6.5以上とすることにより白紙保存における地肌カブリを効果的に抑制できる。一方、pHを10以下とすることによりパルプスラリー自体の凝集を抑制することができる。また、pHが6.5より小さくならない範囲で、必要に応じて硫酸バンドを使用して、pH調節することができ、抄紙性を向上することもできる。
酸性紙の種類、製法については特に限定されないが、パルプ繊維と、一般に填料として例えばカオリン、タルク、クロライト、サイズ剤として強化ロジン石鹸、強化ロジンエマルジョンなどのロジン系サイズ剤やアルケニルコハク酸石鹸などのいわゆる合成サイズ剤等、並びに硫酸バンド等を含むパルプスラリーを抄紙して得ることができる。かかる酸性紙としては、熱水抽出pH(JIS P 8133に基づく)が2〜6程度の範囲である。
本発明で使用されるパルプ繊維の種類、製法等については特に限定されず、例えばKP、SP、AP法等によって得られる針葉樹パルプ、広葉樹パルプ等の化学パルプやSCPの他に各種高歩留りパルプ、或いは古紙パルプ等が挙げられる。
なお、パルプスラリーには、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添助剤を紙の用途に応じて適宜添加することもできる。また、サイズプレスにおいて澱粉等を塗布することもできる。抄紙機としては、長網抄紙機、ツインワイヤー式抄紙機、円網抄紙機、ヤンキードライヤー抄紙機等を適宜使用できる。
本発明における感熱記録層には、無色乃至は淡色の各種公知のロイコ染料を含有させることができる。かかるロイコ染料の具体例としては、例えば3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、フルオラン等の青発色性染料、3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−7−N−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン等の緑発色性染料、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン等の赤発色性染料、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2,2−ビス{4−〔6’−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ〔フタリド−3,9’−キサンテン−2’−イルアミノ〕フェニル}プロパン、3−ジエチルアミノ−7−(3’−トリフルオロメチルフェニル)アミノフルオラン等の黒発色性染料、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−p−(p−クロロアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド等の近赤外領域に吸収波長を有する染料等が挙げられる。勿論、これらに限定されるものではなく、また必要に応じて2種以上を併用することもできる。なかでも、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、及び3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランは記録感度、印字保存性に優れているため、好ましく用いられる。前記ロイコ染料の含有割合は、感熱記録層の全固形量のうち、5〜25質量%程度、好ましくは7〜20質量%である。5質量%以上とすることにより発色能力を高めて、印字濃度を向上できる。25質量%以下とすることにより、耐熱性を向上できる。
本発明における感熱記録層は、呈色剤として前記一般式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物から選ばれる少なくとも1種(以下、特定のジフェニルスルホン架橋型化合物ともいう)、前記一般式(2)で表されるウレアウレタン化合物の少なくとも1種(以下、特定のウレアウレタン化合物ともいう)、及びN−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドを含有する。これにより、記録濃度が高く、記録部の耐油性、耐可塑剤性が良好であり、しかも高温環境下における耐熱地肌カブリ性に優れ、更に耐スティッキング性、耐ヘッド粕性に優れた効果を発揮する。また、白紙保存後の耐可塑剤性を高めることができる。前記一般式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物は、式中、nが1〜6の整数を表す化合物の混合物として使用してもよく、また、1種単独または2種類以上組み合わせて使用してもよい。
特定のウレアウレタン化合物の具体例としては、例えば、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン、4,4’−ビス〔(2−メチル−5−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン、4−(2−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド−4’−(4−メチル−5−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイドジフェニルスルホン等が挙げられる。これらの特定のウレアウレタン化合物は、1種単独または2種類以上組合せて使用することができる。
本発明では、呈色剤として前記一般式(2)で表される特定のウレアウレタン化合物を塩基性無機顔料の存在下で加熱処理したものを含有することが好ましい。例えば、感熱記録層が4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを含有する感熱記録層用塗液を用いて形成される場合、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンが予め塩基性無機顔料と同一液体中において、50〜90℃、好ましくは60〜80℃の温度範囲で加熱処理された分散液として感熱記録層用塗液に配合することができる。これにより、感熱記録層用塗液を塗布及び乾燥して感熱記録層を形成した後、感熱記録体としての余計な発色(地肌カブリ)が生じるのを抑制できる。処理時間は、加熱温度により適宜調整されるが、一般に2〜24時間加熱処理することが好ましい。加熱処理される前の分散液は、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを所定の粒子径に分散してから塩基性無機顔料を混合して得ることもできるし、各々を混ぜ合わせてから所定の粒子径に分散して得ることもできる。
塩基性無機顔料としては、マグネシウム化合物、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、チタニウム化合物、酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、及びタルクからなる群れから選ばれる少なくとも1種が好ましい。なかでも珪酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、タルクが塗液の安定性や塗布適性の面からも好ましく使用される。
塩基性無機顔料の使用量は、特に限定されないが、特定のウレアウレタン化合物100質量部に対して、0.5〜20質量部程度、好ましくは1〜10質量部程度である。
N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドは、記録濃度が高く、高温環境下での地肌カブリの少ない性質を有するが、記録部の耐可塑剤性が劣る問題がある。特定のジフェニルスルホン架橋型化合物と併用すると、優れた記録濃度、記録部の耐油性、耐可塑剤性を確保することができるが、耐スティッキング性、耐ヘッド粕性が低下するという問題がある。また、特定のウレアウレタン化合物と併用した場合においては、近年の高速プリンターやバッテリー駆動のハンディターミナルプリンターを想定した低エネルギー印字では、ウレアウレタン化合物の発色感度が低いため、十分な耐油性、耐可塑剤性が得られず、発色感度を向上させるために配合量を多くすると、耐スティッキング性と耐ヘッド粕性が低下するという問題がある。一方、特定のジフェニルスルホン化合物と特定のウレアウレタン化合物を併用することによって、溶融成分の粘度を低減させることができ、ヘッド粕、スティッキングを改善することが可能である。更に、特定のジフェニルスルホン化合物と特定のウレアウレタン化合物は、相互に増感効果を発揮するため、実用上十分な発色感度を得ることが可能であり、優れた耐油性、耐可塑剤性を発揮することが可能である。しかも、一般に呈色剤を数種類併用すると地肌カブリが著しく悪化するのに対して、本発明における特定のジフェニルスルホン架橋型化合物、ウレアウレタン化合物、及びN−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドの組合せによる相乗効果は、地肌カブリを悪化させないばかりでなく、80℃という高温環境下でも地肌カブリの発生がない優れたものである。
感熱記録層における特定のウレアウレタン化合物の含有量は、特定のジフェニルスルホン架橋型化合物の1質量部に対して、0.2〜5質量部程度が好ましく、0.3〜3質量部程度がより好ましく、0.5〜2質量部が更に好ましく、0.5〜1.5質量部が特に好ましい。0.2〜5質量部の範囲とすることにより、上記作用を効果的に発現させることができる。
感熱記録層における特定のジフェニルスルホン架橋型化合物及び特定のウレアウレタン化合物の合計含有量は、N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド1質量部に対して、0.2〜3質量部程度が好ましく、0.3〜2.5質量部程度がより好ましく、0.4〜2.5質量部程度が更に好ましく、0.5〜2質量部程度が特に好ましく、0.9〜1.5質量部程度が最も好ましい。0.2質量部以上とすることにより、記録部における十分な耐油性、耐可塑剤性が得られる。一方、3質量部以下とすることにより、記録濃度を向上し、高温環境下での地肌カブリの発生を抑制することができる。
本発明では、前記呈色剤の合計量のうち、前記ジフェニルスルホン架橋型化合物及び前記ウレアウレタン化合物をそれぞれ好ましくは2.5質量%以上、より好ましくは4.5質量%以上、更に好ましくは9質量%以上の割合で含有し、且つN−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドを好ましくは15〜90質量%、より好ましくは25〜75質量%の割合で含有する。また、前記ジフェニルスルホン架橋型化合物及び前記ウレアウレタン化合物をそれぞれ50質量%未満で含有することが好ましい。これら特定の呈色剤の含有量の合計が100質量%であり、上記の範囲内で調節して含有させることにより、本発明の効果を遺憾なく発揮することができるため好ましい。
感熱記録層における特定のジフェニルスルホン架橋型化合物及び特定のウレアウレタン化合物の合計含有量は、ロイコ染料1質量部に対して、0.2〜3.5質量部が好ましく、0.5〜3質量部がより好ましく、0.7〜2.5質量部が更に好ましく、0.9〜2.3質量部が特に好ましく、1〜2.2質量部が最も好ましい。0.2質量部以上とすることにより耐油性と耐可塑剤性を向上できる。3.5質量部以下とすることにより記録濃度と耐熱地肌カブリ性を向上できる。前記特定のジフェニルスルホン架橋型化合物及び特定のウレアウレタン化合物の合計含有量は、上記のN−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドに対する含有量の範囲内で調節して使用することができる。
感熱記録層におけるN−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドの含有量は、記録濃度と耐可塑剤性を向上する観点から、ロイコ染料1質量部に対して、0.5〜5質量部が好ましく、0.8〜3質量部がより好ましく、0.9〜2.5質量部が更に好まく、1.0〜2.3質量部が特に好ましく、1.0〜2.1部が最も好ましい。0.5質量部以上とすることにより記録濃度と耐熱地肌カブリ性を向上できる。5質量部以下とすることにより耐油性と耐可塑剤性を向上できる。
本発明における呈色剤は、前記一般式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物から選ばれる少なくとも1種、前記一般式(2)で表されるウレアウレタン化合物の少なくとも1種、及びN−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドであるが、必要に応じて支障のない範囲で各種公知の材料を併用することができる。具体例としては、例えば活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム等の無機酸性物質、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,4’‐ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキシ−4’−ベンジルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4−アリルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルフェニルスルホン等のフェノール性化合物、N,N’−ジ−m−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、N−(p−トルエンスルホニル)カルバモイル酸p−クミルフェニルエステル、N−(p−トルエンスルホニル)カルバモイル酸p−ベンジルオキシフェニルエステル、N−(o−トルオイル)−p−トルエンスルホアミド等の分子内に−SONH−結合を有する有機化合物、p−クロロ安息香酸、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸等の芳香族カルボン酸、及びこれら芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属との塩、更にはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等の有機酸性物質、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタン、1,5−(3−オキサペンチレン)−ビス(3−(3’−(p−トルエンスルホニル)ウレイド)ベンゾエート、1−(4−ブトキシカルボニルフェニル)−3−トシルウレア、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−フェニルウレア、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−p−トリルウレア、4,4’−ビス(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルスルホン等のスルホニルウレア化合物が挙げられる。
本発明の感熱記録体において、感熱記録層は、特定の呈色剤、ロイコ染料に加えて、更に、保存性改良剤、増感剤、その他の各種助剤等を含有していてもよい。
本発明における感熱記録層中には保存性改良剤を含有させることができる。これにより、記録部の保存性を高めることができる。保存性改良剤としては、例えば2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビス(4”−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、トリス(2,6−ジメチル−4−ターシャリーブチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−チオビス(3−メチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、4,4’−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、テレフタル酸ジグリシジル、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェイトのナトリウム塩または多価金属塩、ビス(4−エチレンイミノカルボニルアミノフェニル)メタン等が挙げられる。保存性改良剤の含有割合は、保存性改良のために有効な量とすればよいが、通常は、感熱記録層の全固形量のうち1〜30質量%程度が好ましく、5〜20質量%程度がより好ましい。
本発明における感熱記録層中には増感剤を含有させることもできる。これにより、記録感度を高めることができる。増感剤としては、例えばステアリン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミルド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エイコサン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、シュウ酸ジベンジルエステル、p−トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(3−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン、ジフェニルスルホン等が挙げられる。これらは支障のない範囲で併用できる。
本発明では、増感剤としてステアリン酸アミド、2−ナフチルベンジルエーテル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン及びジフェニルスルホンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有させることが好ましい。これらは、耐地肌カブリ性を損なうことなく、N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドの増感効果に優れているため、好ましく用いられる。また、これらの増感剤は、ヘッド粕、スティッキングを生じ易いが、本発明では特定のジフェニルスルホン化合物と特定のウレアウレタン化合物を併用することによって、溶融成分の粘度を低減させてヘッド粕、スティッキングを改善できるため、増感効果を遺憾なく発揮させることができる。
前記増感剤の含有量は、効果的に記録感度を高め、耐地肌カブリ性を抑制する観点から、N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド1.0質量部に対して、0.6〜2.5質量部程度が好ましく、0.6〜1.5質量部程度がより好ましい。増感のために有効な量とすればよいが、通常は、感熱記録層の全固形量のうち、1〜40質量%程度が好ましく、より好ましくは5〜25質量%程度であり、更に好ましくは8〜20質量%程度である。
感熱記録層は、感熱記録層用塗液を用いて、支持体上に塗布及び乾燥させることにより形成することができる。ロイコ染料、特定の呈色剤、必要により増感剤、保存性改良剤等は、共に、或いは別々に、例えば水を分散媒体としボールミル、アトライター、サンドミル等の撹拌・粉砕機により平均粒子径が2μm以下となるように微分散される。感熱記録層用塗液は、得られた分散液を顔料、バインダー、助剤等と混合・撹拌することにより調製される。感熱記録層の塗布量は、乾燥重量で2〜12g/m程度が好ましく、3〜10g/m程度がより好ましい。
本発明においては、感熱記録層の白色度向上、及び画像の均一性向上のために、白色度が高く、平均粒径が10μm以下の微粒子顔料を感熱記録層に含有させることもできる。具体例としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、焼成カオリン、無定形シリカ、珪藻土、合成珪酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、表面処理された炭酸カルシウムやシリカ等の無機顔料、並びに尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合樹脂、ポリスチレン樹脂、生澱粉粒子等の有機顔料が使用できる。顔料の含有割合は、発色濃度を低下させない程の量、即ち感熱記録層の全固形量のうち、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。
感熱記録層用塗液中には通常バインダーとして、各種の樹脂が使用される。かかるバインダーとしては、例えば澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、エチレン−アクリル酸共重合体塩、スチレン−アクリル酸共重合体塩、スチレン−ブタジエン共重合体、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらの少なくとも1種を、感熱記録層の全固形量のうち、好ましくは5〜50質量%程度、より好ましくは10〜40質量%程度の範囲で配合される。なお、感熱記録層用塗液の媒体が水の場合は、疎水性樹脂はラテックスの状態で用いればよい。
助剤としては、例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、脂肪酸金属塩等の分散剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等のワックス類、アジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジド化合物、グリオキザール、硼酸、ジアルデヒド澱粉、メチロール尿素、グリオキシル酸塩、エポキシ系化合物等の耐水化剤、消泡剤、着色染料、蛍光染料等が挙げられる。
本発明では、支持体と感熱記録層との間にプラスチック中空粒子を含有する下塗り層を有することが好ましい。これにより、記録感度をより一層高めることができる。また、プラスチック中空粒子が支持体上に留まって均一な下塗り層を形成することにより、下塗り層上に設ける塗布層の厚みを均一にすることができ、バリア性を向上することができる。
プラスチック中空粒子としては、従来公知のもの、例えば、膜材がアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等からなる中空率が50〜99%程度の粒子が挙げられる。ここで中空率は、次式(d/D)×100で求められる値である。該式中、dは有機中空粒子の内径を示し、Dは有機中空粒子の外径を示す。プラスチック中空粒子の平均粒子径は、0.5〜10μm程度が好ましく、1〜3μm程度がより好ましい。平均粒子径を10μm以下とすることにより、下塗り層用塗液をブレード塗布法で塗布する場合に、ストリークやスクラッチ等のトラブルの原因とならず、良好な塗布適性を得ることができる。
プラスチック中空粒子の含有割合は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗り層の全固形量のうち、2〜90質量%程度が好ましい。発色性の改良効果とバリア性を高める観点から、下限は5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましい。一方、サーマルヘッドへの粕付着を抑える観点から、上限は80質量%以下がより好ましく、70質量%以下が更に好ましく、60質量%以下が特に好ましく、50質量%以下が最も好ましい。
下塗り層は、サーマルヘッドへの粕付着を抑制する効果を向上する観点から、吸油量が70ml/100g以上、特に80〜150ml/100g程度の吸油性顔料を含有することが好ましい。また、熱膨張性粒子を含有することもできる。ここで、吸油量はJIS K 5101に記載の方法に従い、求められる値である。
吸油性顔料としては、各種のものが使用できるが、具体例としては、焼成カオリン、無定形シリカ、軽質炭酸カルシウム、タルク等の無機顔料が挙げられる。これら吸油性顔料の一次粒子の平均粒子径は0.01〜5μm程度、特に0.02〜3μm程度であるのが好ましい。吸油性顔料の含有割合は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗り層の全固形量のうち、2〜95質量%程度が好ましく、5〜90質量%程度がより好ましい。
吸油性無機顔料をプラスチック中空粒子と併用する場合、吸油性無機顔料とプラスチック中空粒子とは前記の含有割合の範囲で使用し、且つ吸油性無機顔料とプラスチック中空粒子の合計量が、下塗り層の全固形量のうち、5〜90質量%程度とすることが好ましく、10〜90質量%程度とすることがより好ましく、10〜80質量%程度とすることが更に好ましい。
下塗り層は、一般に水を媒体として、プラスチック中空粒子、吸油性顔料、バインダー、助剤等を混合・攪拌することにより調製された下塗り層用塗液を、支持体上に塗布及び乾燥することにより形成される。下塗り層の塗布量は、特に限定するものではないが、乾燥重量で3〜20g/m程度が好ましく、5〜12g/m程度がより好ましい。
バインダーとしては、感熱記録層に使用できるものの中から適宜選択することができる。特に、塗膜強度を向上する観点から酸化澱粉、澱粉−酢酸ビニルグラフト共重合体、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエン系ラテックス等が好ましい。バインダーの含有割合は、広い範囲で選択できるが、一般には下塗り層の全固形量のうち、5〜30質量%程度が好ましく、10〜20質量%程度がより好ましい。
本発明の感熱記録体は、可塑剤や油等の薬品に対する記録像の保存性、あるいは記録適性を改良する目的で感熱記録層上に保護層を備えてもよい。
保護層は、例えば水を分散媒体として、バインダー、耐水化剤、顔料、助剤等を混合・撹拌することにより調製された保護層用塗液を、塗布量が乾燥重量で好ましくは0.5〜15g/m程度、より好ましくは1.0〜8g/m程度となるように、感熱記録層上に塗布及び乾燥して形成される。
バインダーの具体例としては、例えば澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、アイオノマー型ウレタン系樹脂ラテックス等が挙げられる。
保護層中に含有される顔料としてはカオリン、水酸化アルミニウム、軽質炭酸カルシウム、微粒子シリカ等の顔料が挙げられる。なかでも、カオリン、水酸化アルミニウムは、可塑剤や油等の薬品に対するバリア性の低下が少なく、しかも記録濃度の低下も小さいため好ましく用いられる。
保護層は、顔料を使用することなく、バインダー及び各種助剤の1種以上を使用して形成してもよいし、バインダーと顔料とを併用して形成してもよい。併用する場合、バインダーの含有割合は、特に限定されず広い範囲から適宜選択できるが、一般には、保護層の全固形量のうち、1〜95質量%程度が好ましく、2〜80質量%程度がより好ましい。また、顔料の含有割合は、特に限定されず広い範囲から適宜選択できるが、一般には、保護層の全固形量のうち、1〜95質量%程度が好ましく、2〜90質量%程度がより好ましい。
保護層用塗液中に含有させる助剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等の滑剤、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の界面活性剤(分散剤、湿潤剤)、消泡剤、カリミョウバンや酢酸アルミニウム等の水溶性多価金属塩等が挙げられる。また、耐水性を一層向上させるためにグリオキザ−ル、硼酸、グリオキシル酸塩、ジアルデヒド澱粉、ヒドラジド化合物、エポキシ系化合物等の耐水化剤が挙げられる。
保護層中に、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等の常温で液体の紫外線吸収剤を内包したマイクロカプセルを、保護層の全固形量のうち、紫外線吸収剤が好ましくは2〜40質量%程度、より好ましくは2〜35質量%質量%程度、更に好ましくは3〜30質量%程度となるように用いると光暴露に対して地肌部の黄変や記録像の退色を著しく抑えることができる。
本発明では、必要に応じて支持体の感熱記録層とは反対側の面に顔料とバインダーを主成分とする裏面層を設けることができる。これにより、保存性を一層高めたり、カール適性やプリンター走行性を高めたりすることができる。また、裏面に粘着剤処理を施して粘着ラベルに加工したり、磁気記録層や印刷用塗被層、更には熱転写記録層やインクジェット記録層を設けたりする等、感熱記録体製造分野における各種の公知技術が必要に応じて付加し得るものである。
感熱記録層、並びに必要により設ける下塗り層、保護層及び裏面層の形成方法については特に限定されず、例えばバーコーティング、エアナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング等の適当な塗布方法により、必要により下塗り層用塗液を支持体上に塗布及び乾燥した後、下塗り層上に感熱記録層用塗液、更に保護層用塗液を塗布及び乾燥する等の方法で形成される。
下塗り層は、ブレード塗布法により形成された層であることが好ましい。これにより、支持体の凹凸を無くして均一な厚みの感熱記録層を形成し、記録感度を高めることができ、必要により設ける保護層のバリア性を向上できる。ブレード塗布法は、ベベルタイプやベントタイプに代表されるブレードを使用した塗布法に限らず、ロッドブレード法やビルブレード法等も含まれる。
本発明では、支持体上に形成された少なくとも1層がカーテン塗布法により形成された層であることが好ましい。これにより、均一な厚みを有する層を形成することができ、記録感度を高めたり、油、可塑剤、アルコール等に対するバリア性を高めたりすることができる。カーテン塗布法は、塗液を流下して自由落下させ、支持体に非接触で塗布する方法であり、スライドカーテン法、カップルカーテン法、ツインカーテン法等の公知のものを採用することができ、特に制限されるものではない。カーテン塗布法では、同時多層塗布することにより、より均一な厚みを有する層を形成することができる。同時多層塗布では、各塗液を積層した後、塗布し、その後、乾燥させて各層を形成してもよいし、下層を形成する塗液を塗布した後、乾燥することなく下層塗布面が湿潤状態のうちに、下層塗布面上に上層を形成する塗液を塗布し、その後、乾燥させて各層を形成してもよい。本発明では、感熱記録層と保護層を同時多層塗布する態様がバリア性を向上する観点から好ましい。
本発明では、記録感度を高めて、画像均一性を向上する観点から、各層を形成し終えた後、または全ての層を形成し終えた後の任意の過程で、スーパーカレンダーやソフトカレンダー等の既知の方法を用いて平滑化処理することが好ましい。
本発明においては、より製品の付加価値を高めるため、多色感熱記録体とすることもできる。一般に多色感熱記録体は、加熱温度の差、または熱エネルギーの差を利用する試みであり、一般に、支持体上に異なる色調に発色する高温発色層と低温発色層を順次積層して構成されたものであってこれらを大別すると消色型と加色型の2種類があり、マイクロカプセルを用いた方法及び有機高分子とロイコ染料からなる複合粒子を使用して多色感熱記録体を製造する方法がある。
本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、特に断わらない限り、「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例1
・下塗り層用塗液の調製
プラスチック中空粒子分散液(商品名:ローペイクSN−1055、中空率:55%、平均粒子径:1.0μm、ダウケミカル社製、固形分濃度26.5質量%)120部、焼成カオリン(商品名:アンシレックス、BASF社製)の50%水分散液(平均粒子径:0.6μm)110部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L−1571、旭化成ケミカルズ社製、固形分濃度48質量%)20部、酸化澱粉の10%水溶液50部、及び水20部からなる組成物を混合して下塗り層用塗液を得た。
・A液(ロイコ染料分散液)の調製
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセランL−3266、日本合成化学社製)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤(商品名:ノプコ1407H、サンノプコ社製)の5%エマルジョン10部、及び水90部からなる組成物を、サンドミルによりレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が0.5μmとなるまで粉砕してA液を得た。
・B液(呈色剤分散液)の調製
N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセランL−3266、前出)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤(商品名:ノプコ1407H、前出)の5%エマルジョン10部、及び水90部からなる組成物を、サンドミルによりレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなるまで粉砕してB液を得た。
・C液(呈色剤分散液)の調製
前記一般式(1)で示される化合物(商品名:D−90、日本曹達社製)100部、スルホン変性ポリビニルアルコ−ル(商品名:ゴ−セランL−3266、前出)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤(商品名:ノプコ1407H、前出)の5%エマルジョン10部、及び水90部からなる組成物を、サンドミルによりレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなるまで粉砕してC液を得た。
・D液(呈色剤分散液)の調製
前記一般式(2)で示される化合物(商品名:UU、ケミプロ化成社製)100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセランL−3266、前出)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤(商品名:ノプコ1407H、前出)の5%エマルジョン2部、及び水98部からなる組成物を、サンドミルによりレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなるまで粉砕してD液を得た。
・E液(増感剤分散液)の調製
1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセランL−3266、前出)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤(商品名:ノプコ1407H、前出)の5%エマルジョン2部、及び水98部からなる組成物を、サンドミルによりレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなるまで粉砕してE液を得た。
・感熱記録層用塗液の調製
A液20部、B液28部、C液18部、D液18部、E液25部、水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−42、平均粒子径1.0μm、昭和電工社製)15部、微粉無定形シリカ(商品名:ミズカシルP−605、平均粒子径3.0μm、水澤化学工業社製)18部、澱粉−酢酸ビニルグラフト共重合体(商品名:ペトロコートC−8、日澱化学社製)の10%水溶液120部、完全鹸化型ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノールNМ−11、日本合成化学社製)の10%水溶液20部、ステアリン酸亜鉛分散液(商品名:ハイドリンZ−8−36、固形分濃度36%、中京油脂社製)15部、及び水20部からなる組成物を混合して感熱記録層用塗液を得た。
・感熱記録体の作製
支持体として坪量53g/mの上質紙(熱水抽出pH5.3の酸性紙)の一方の面に、下塗り層用塗液を乾燥後の重量が5.5g/mとなるようにブレードコーターを用いたブレード塗布法により塗布及び乾燥して下塗り層を形成し、下塗り層上に感熱記録層用塗液を乾燥後の重量が3.5g/mとなるようにスライドホッパー型カーテン塗布装置を用いたカーテン塗布法により塗布及び乾燥した後、スーパーカレンダー処理を施し、感熱記録体を得た。
実施例2
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、C液の量を18部に代えて6部とし、D液の量を18部に代えて30部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例3
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、C液の量を18部に代えて30部とし、D液の量を18部に代えて6部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例4
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液の量を28部に代えて45部とし、C液の量を18部に代えて9部とし、D液の量を18部に代えて9部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例5
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液の量を28部に代えて19部とし、C液の量を18部に代えて23部とし、D液の量を18部に代えて23部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
・F液(呈色剤分散液)の調製
前記一般式(2)で示される化合物(商品名:UU、前出)100部、珪酸マグネシウム5部、スルホン変性ポリビニルアルコ−ル(商品名:ゴ−セランL−3266、前出)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤(商品名:ノプコ1407H、前出)の5%エマルジョン10部、及び水90部からなる組成物をサンドミルによりレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなるまで粉砕して分散液を得た。更に、該分散液を70℃で4時間加熱処理を行い、F液を得た。
実施例6
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、D液に代えてF液を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例1
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液を使用せず、C液の量を18部に代えて32部とし、D液の量を18部に代えて32部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例2
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液の量を28部に代えて64部とし、C液及びD液を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例3
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、C液の量を18部に代えて36部とし、D液を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例4
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、C液を使用せず、D液の量を18部に代えて36部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例5
実施例1のB液調製において、N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドの代わりに、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
かくして得られた感熱記録体について、以下の評価を行った。その結果は、表1に示す通りであった。
(記録濃度)
感熱記録評価機(商品名:TH−PMH、大倉電機社製)を用いて、印加エネルギー0.25mJ/dotにて各感熱記録体を印字し、記録部及び未記録部(地肌部)の光学濃度を反射濃度計(商品名:マクベス濃度計RD−918、グレタグマクベス社製)のビジュアルモードで測定した。数値が大きい程、印字の濃度が濃いことを示しており、記録部については、実用上、1.20以上であることが好ましい。一方、地肌部については数値が小さいほど好ましく、0.2を超えると、地肌カブリが問題となる。
(耐熱性)
記録前の各感熱記録体を80℃の高温環境下で2時間放置した後の未記録部(地肌部)の光学濃度を反射濃度計(商品名:マクベス濃度計RD−918、グレダグマクベス社製)のビジュアルモードで測定した。数値が小さいほど好ましく、0.2を超えると、耐熱地肌カブリ性が問題となる。
(耐油性)
記録濃度測定用で発色させた各感熱記録体の記録部にサラダ油を表面塗布し、23℃、50%RHの環境下で24時間放置後、表面をガーゼで拭いて処理した後の記録部の光学濃度を反射濃度計(商品名:マクベス濃度計RD−918、グレタグマクベス社製)のビジュアルモードで測定した。また、下記式により、記録部の保存率を求めた。処理後は、記録濃度1.0以上、保存率60%以上であることが好ましい。
保存率(%)=(処理後の記録濃度/処理前の記録濃度)×100
(耐可塑剤性)
ポリカーボネイトパイプ(40mmΦ)上にラップフィルム(商品名:ハイエスソフト、日本カーバイド工業社製)を3重に巻付け、その上に記録濃度測定用で発色させた各感熱記録体を載せ、更にその上にラップフィルムを3重に巻き付けて23℃、50%RHの環境下で24時間放置して処理した後の記録部の光学濃度を反射濃度計(商品名:マクベス濃度計RD−918、グレタグマクベス社製)のビジュアルモードで測定した。また、下記式により、記録部の保存率を求めた。処理後は、記録濃度1.0以上、保存率60%以上であることが好ましい。
保存率(%)=(処理後の記録濃度/処理前の記録濃度)×100
(耐スティッキング性)
感熱プリンター(商品名:レスプリT8、サトー社製)を用いて、2inch/sec(濃度5A)で各感熱記録体を任意の印字パターンで発色させ、印字開始から印字終了までの印字長さと印字品質に問題あるか否かを目視観察し、下記の基準で評価した。
○:印字長さ、印字品質とも問題ない。
△:印字長さは問題ないが、印字の白跳びにより印字品質が極僅かに劣るが実用上問題はない。
×:印字長さが正規の長さより短いあるいは長い、または印字の白跳びがある等、印字品質で実用上問題がある。
(耐ヘッド粕性)
感熱プリンター(商品名:レスプリT8、サトー社製)を用いて、4inch/sec(濃度3A)で各感熱記録体を90cm発色させ、サーマルヘッドの粕付着状況を目視観察し、下記の基準で評価した。
○:粕付着は全く見られない。
△:極僅かに粕付着が見られるが、実用上問題のないレベルである。
×:粕付着が見られ、実用上問題となるレベルである。
Figure 0005939209
本発明の感熱記録体は、記録濃度が高く、記録部の耐油性、耐可塑剤性が良好であり、しかも高温環境下における耐熱地肌カブリ性に優れ、更に耐スティッキング性、耐ヘッド粕性に優れるため、領収書やチケット用紙等に適するものである。

Claims (13)

  1. 支持体上に、少なくともロイコ染料及び呈色剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体において、前記呈色剤として、下記一般式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物、下記一般式(2)で表されるウレアウレタン化合物、及びN−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドを含有することを特徴とする感熱記録体。
    Figure 0005939209
    (式中、nは1〜6の整数を表す。)
    Figure 0005939209
  2. 前記ジフェニルスルホン架橋型化合物1質量部に対して、前記ウレアウレタン化合物が0.2〜5質量部の比率で含有される、請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 前記N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド1質量部に対して、前記ジフェニルスルホン架橋型化合物と前記ウレアウレタン化合物の合計含有量が0.2〜3質量部である、請求項1または2に記載の感熱記録体。
  4. 前記呈色剤の合計量のうち、前記ジフェニルスルホン架橋型化合物及び前記ウレアウレタン化合物をそれぞれ2.5質量%以上の割合で含有し、且つN−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドを15〜90質量%の割合で含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱記録体。
  5. 前記感熱記録層が増感剤としてステアリン酸アミド、2−ナフチルベンジルエーテル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン及びジフェニルスルホンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感熱記録体。
  6. 前記ウレアウレタン化合物が、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンである、請求項1〜のいずれか1項に記載の感熱記録体。
  7. 前記支持体と感熱記録層との間にプラスチック中空粒子を含有する下塗り層を備えた、請求項1〜のいずれか1項に記載の感熱記録体。
  8. 前記感熱記録層が最外の層である、請求項1〜のいずれか1項に記載の感熱記録体。
  9. 支持体上に、少なくともロイコ染料及び呈色剤を含有する感熱記録層を形成する工程を含む感熱記録体の製造方法であって、
    前記呈色剤として、下記一般式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物、下記一般式(2)で表されるウレアウレタン化合物、及びN−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドを含有することを特徴とする感熱記録体の製造方法。
    Figure 0005939209
    (式中、nは1〜6の整数を表す。)
    Figure 0005939209
  10. 前記呈色剤として、前記ウレアウレタン化合物を塩基性無機顔料の存在下で加熱処理したものを用いる、請求項9に記載の感熱記録体の製造方法。
  11. 前記塩基性無機顔料がマグネシウム化合物、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、チタニウム化合物、珪酸マグネシウム、リン酸マグネシウム及びタルクからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項10に記載の感熱記録体の製造方法。
  12. 前記支持体と感熱記録層との間にブレード塗布法により下塗り層を形成する工程を含む、請求項9〜11のいずれか1項に記載の感熱記録体の製造方法。
  13. 前記支持体上の少なくとも1層がカーテン塗布法により形成される、請求項9〜12のいずれか1項に記載の感熱記録体の製造方法。
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