JP2014530201A - 抗c−Met抗体 - Google Patents

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Abstract

c−Metに結合するモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片が提供される。そのような抗体、またはその抗原結合断片は、c−Metが病因に関与する腫瘍を有する患者における診断、予後および予測目的のため、ならびに治療レジメンを最適化するために細胞表面c−Met受容体レベルを検出するためのインビボ、エキソビボまたはインビトロでの免疫化学および他の画像検査法に有用である。【選択図】なし

Description

本発明は医薬の分野に関する。より特には、本発明は、高レベルのc−Metを発現する腫瘍を有する患者を識別し、および/または抗c−Met治療を用いて彼らの治療反応を改善するのに役立つ画像化、予後もしくは予測適用などのc−Metを標識すること、マークすること、もしくは識別することを必要とする診断法に有用な検出可能なc−Met/抗c−Metモノクローナル抗体複合体を形成するためにc−Metに結合する抗体に関する。
タンパク質c−Metは、受容体チロシンキナーゼスーパーファミリー、および分散因子(SF)としても知られている肝細胞増殖因子(HGF)についての受容体のメンバーである。成熟c−Metタンパク質は、完全な細胞外アルファサブユニット、細胞外リガンド結合ドメインからなるベータサブユニット、単一膜貫通ドメイン、および細胞質チロシンキナーゼドメインから構成される。
HGFによるc−Metの活性化は、侵入性細胞表現型に関連する特性:増殖、移動、形態形成、生存(アポトーシスからの保護を含む)、およびプロテアーゼ合成を高めることが示されている。c−Metシグナル伝達経路は、ヒトの癌において最も頻繁に異常調節される経路のうちの1つであり、実質的に全ての種類の固形腫瘍において発生する(非特許文献1)。c−Metの刺激、過剰発現、または変異は、結腸、***、卵巣、肺、肝臓、前立腺、甲状腺、腎臓を含む、多くの種類の癌、ならびに黒色腫および肉腫において観察されている。HGF/c−Metシグナル伝達軸のこれらの生化学および遺伝学的異常は、癌患者における不十分な臨床転帰および薬物耐性と相関する(非特許文献2)。
腫瘍形成の初期段階、およびその後の疾患伝播を調節する際のc−Metシグナル伝達経路の役割に起因して、c−Metは、発生におけるHGFおよび/またはc−Metの低分子および抗体アンタゴニストを用いた癌治療についての魅力的な標的であるとみなされる。
非特許文献3および特許文献1は、c−Metのβ鎖の細胞外ドメイン(ECD)に結合するいくつかのモノクローナル抗体、ならびに正常および新生物ヒト組織においてc−Metの分布を検出するためのそれらの使用を開示している。
特許文献2は、ホルマリン固定およびパラフィン包埋(FFPE)腫瘍組織中でc−Metを染色できるMET4と指定されているモノクローナル抗体を開示している。
癌患者の腫瘍細胞によるc−Metの発現のレベルを評価するために、ならびに/または1種以上の治療的抗c−Met剤を用いた患者の治療の結果、腫瘍細胞による低いレベルのc−Met発現および/または少ない数のc−Met発現腫瘍細胞が生じるかどうかを決定するために、特にc−Metが治療抗c−Met剤に既に結合した場合、膜に局在化したc−Metに特異的に結合できるc−Met診断用抗体についての重要な要求が存在する。抗c−Met治療剤との本発明のc−Met抗体の二重結合は、所望の診断用の検出効果を損なうことなく、患者の処置前および後の両方の腫瘍組織の診断評価を可能とする。
国際公開第92/20792号 国際公開第2009/029591号
Knudsenら、(2008)Current Opinion in Genetics & Development 18:87−96 Liuら、Expert Opin.Investig.Drugs、17(7):997−1011(2008) Pratら、Mol.Cell.Biol.、11:5954−5962(1991)
したがって、本発明は、ヒトc−Metの細胞外ドメイン(ECD)に特異的に結合する代替の抗c−Met抗体を提供する。本発明の抗c−Met抗体は、比較的高レベルのc−Metを発現する腫瘍細胞を有する癌患者を識別するのに役立つ診断用として有用であり得る。さらに、このような抗c−Met抗体は、国際公開第2010/011538号および米国特許出願公開第2012/0028984号に記載されているc−Metの低分子アンタゴニストならびに国際公開第2010/059654号および/または米国特許第8,217,148号に記載されているものなどのc−Metの抗体アンタゴニストなどのc−Met標的治療剤を用いた癌患者の治療をモニタおよび/または最適化するために使用されてもよい。
本発明の一態様は、配列番号19に示されるアミノ酸配列からなるヒトc−MetのECDに特異的に結合するモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片に関し、前記抗体、またはその抗原結合断片は、
アミノ酸配列SVSSSISSTNLH(配列番号1)、GTSNLAS(配列番号2)、およびQQWSSYPYT(配列番号3)をそれぞれ含む、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2およびLCDR3、ならびに
アミノ酸配列GYTFTSRYIH(配列番号4)、WIYPVTGDTYYNEKFKG(配列番号5)、およびGGGMFYY(配列番号6)をそれぞれ含む、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、およびHCDR3
を含む。
本発明の別の実施形態は、配列番号19に示されるアミノ酸配列からなるヒトc−MetのECDに特異的に結合するモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片であり、前記モノクローナル抗体は、
配列番号7に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)、および
配列番号9に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)
を含む。
別の実施形態において、本発明は、配列番号19に示されるアミノ酸配列からなるヒトc−MetのECDに特異的に結合するモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片を提供し、前記モノクローナル抗体は、
配列番号11に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖、および
配列番号13に示されるアミノ酸配列を含む重鎖
を含む。
別の実施形態において、本発明は、配列番号19に示されるアミノ酸配列からなるヒトc−MetのECDに特異的に結合するモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片を提供し、前記モノクローナル抗体は2つの軽鎖および2つの重鎖を含み、各軽鎖は配列番号11のポリペプチドであり、各重鎖は配列番号13のポリペプチドである。
本発明の別の実施形態は、本発明の上述の抗c−Metモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片のうちの1つと、診断的に許容可能な担体、希釈剤、または賦形剤とを含む診断的に有用な組成物を提供する。1つのこのような実施形態において、c−Metモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片は、検出可能な部分に共有、非共有、または部分的に共有および部分的に非共有結合する。
別の実施形態において、本発明は、配列番号19に示されるアミノ酸配列からなるヒトc−MetのECDを含むポリペプチドに結合した本発明の上述の抗c−Metモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片のうちの少なくとも1つを含む組成物を含む。好ましくは、本発明の抗c−Metモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片は、配列番号15または16に示されるアミノ酸配列内のエピトープにおいて配列番号19に示されるアミノ酸配列からなるヒトc−MetのECDを含むポリペプチドに結合する。より好ましくは、配列番号19に示されるアミノ酸配列からなるヒトc−MetのECDを含むポリペプチドに結合した本発明の上述の抗c−Metモノクローナル抗体またはその抗原結合断片のうちの少なくとも1つを含む組成物は、診断的に許容可能な担体、希釈剤、または賦形剤をさらに含む。
他の実施形態において、本発明は、配列番号19に示されるアミノ酸配列からなるヒトc−MetのECDに特異的に結合するモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片を含む容器を含む、キットを提供し、前記モノクローナル抗体、またはその抗原結合断片は、
アミノ酸配列SVSSSISSTNLH(配列番号1)、GTSNLAS(配列番号2)、およびQQWSSYPYT(配列番号3)をそれぞれ含む、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、およびLCDR3、ならびに
アミノ酸配列GYTFTSRYIH(配列番号4)、WIYPVTGDTYYNEKFKG(配列番号5)、およびGGGMFYY(配列番号6)をそれぞれ含む、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、およびHCDR3
を含む。特定の実施形態において、キットは、モノクローナル抗体、またはその抗原結合断片に結合する二次抗体を含む第2の容器と、任意に、インビボ、エキソビボまたはインビトロでc−Metを検出するために、二次抗体と共に、または二次抗体を有さずにモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片を使用するための指示書とを含んでもよい。一部の実施形態において、二次抗体は免疫学的検定法において使用されることが知られている酵素にコンジュゲートされてもよい。他の実施形態において、キットはさらに、上述の酵素の発色基質を含む別の容器を含んでもよい。好ましくは、本明細書に記載される方法は、c−Met発現または過剰発現を検出するためであり、インビトロ法である。同様に、本明細書に記載されるキットは、好ましくはインビトロでc−Met発現または過剰発現を検出するために使用される。
他の実施形態において、本発明はまた、(a)前記モノクローナル抗体が細胞により発現されるc−MetのECDに結合できる時間および条件下で、細胞を、配列番号19に示されるアミノ酸配列からなるヒトc−MetのECDに特異的に結合する検出可能に標識されるモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片と接触させる工程であって、前記モノクローナル抗体、またはその抗原結合断片は、
アミノ酸配列SVSSSISSTNLH(配列番号1)、GTSNLAS(配列番号2)、およびQQWSSYPYT(配列番号3)をそれぞれ含む、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、およびLCDR3、ならびに
アミノ酸配列GYTFTSRYIH(配列番号4)、WIYPVTGDTYYNEKFKG(配列番号5)、およびGGGMFYY(配列番号6)を含む重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、およびHCDR3
を含む、工程と、(b)任意選択に、任意の非特異的に結合したモノクローナル抗体またはその抗原結合断片を除去する工程と、(c)任意の当該技術分野で公知の方法(例えばサイトメトリ技術)を使用してECDに特異的に結合する標識されたモノクローナル抗体またはその抗原結合断片の量を検出および/または定量する工程と、を含む、哺乳動物細胞により発現または過剰発現されるc−Metを検出する方法を含む。好ましくは、c−Metは、尿、腹水、リンパ液、髄液、気管支液、血清、または好ましくは血液などの癌患者由来の生物組織または体液中で検出される。
本発明はまた、尿、腹水、リンパ液、髄液、気管支液、血清、または好ましくは血液などの癌患者から得た哺乳動物生物組織または体液においてc−Metを発現または過剰発現する腫瘍細胞および/または循環腫瘍細胞を検出および/または定量する方法であって、その方法は、
検出可能なc−Met/抗c−Metモノクローナル抗体複合体の形成を可能にする条件下で、組織を、配列番号19に示されるアミノ酸配列からなるヒトc−MetのECDに特異的に結合するモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片と接触させる工程であって、前記モノクローナル抗体、またはその抗原結合断片は、
アミノ酸配列SVSSSISSTNLH(配列番号1)、GTSNLAS(配列番号2)、およびQQWSSYPYT(配列番号3)をそれぞれ含む軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、およびLCDR3、ならびに
アミノ酸配列GYTFTSRYIH(配列番号4)、WIYPVTGDTYYNEKFKG(配列番号5)、およびGGGMFYY(配列番号6)を含む重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、およびHCDR3
を含む工程と、前記複合体(複数も含む)を検出および/または定量する次の工程とを含む、方法を提供する。種々の実施形態において、接触させる工程はインビトロで実施され得る。種々の実施形態において、接触させる工程はインビボで実施され得る。例えば、種々の実施形態において、抗c−Metモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片は、注射または注入により非経口で投与されてもよい。さらに、種々の実施形態において、抗c−Metモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片は、限定されないが、上述の標識を含む、少なくとも1つの検出可能な因子で標識される。検出は、限定されないが、ガンマカウンタ、シンチレーションカウンタ、陽電子放出断層撮影画像化剤、ならびに/または例えば、蛍光測定装置、生物発光測定装置、磁気共鳴画像化(MRI)装置、磁気装置、陽電子放出断層撮影(PET)装置、コンピュータ断層撮影(CT)装置、超音波装置、光コヒーレンス断層撮影(OCT)装置、および/もしくは単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)装置を含む装置を含む、特定の検出可能な標識に適している当該技術分野において公知の方法、技術および/または装置を使用してインビトロまたはインビボで実施され得る。
別の実施形態において、本発明は、
(a)ヒト細胞中または細胞上のヒトc−Metを検出および/または定量する工程、
(b)患者におけるc−Met発現または過剰発現腫瘍細胞を検出および/または定量する工程、
(c)患者の血液試料中のc−Met発現または過剰発現循環腫瘍細胞を検出および/または定量する工程、
(d)尿、腹水、リンパ液、髄液、気管支液、血清、または血液などの癌患者由来の体液中のc−Met発現または過剰発現腫瘍細胞を検出および/または定量する工程、
(e)個体が、c−Metが発現または過剰発現される組織または器官の癌を発症する危険性を有するか、または危険性があるかどうかを評価する工程、
(f)抗c−Met治療を用いる治療に適した腫瘍を有する患者を識別する工程、
(g)抗c−Met治療抗体または化学療法剤を用いる治療に対する反応を決定する工程、ならびに/あるいは
(h)癌を治療する工程
のための、配列番号19に示されるアミノ酸配列からなるヒトc−MetのECDに特異的に結合するモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片を含むキットの使用であって、前記モノクローナル抗体、またはその抗原結合断片は、
アミノ酸配列SVSSSISSTNLH(配列番号1)、GTSNLAS(配列番号2)、およびQQWSSYPYT(配列番号3)をそれぞれ含む、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、およびLCDR3、ならびに
アミノ酸配列GYTFTSRYIH(配列番号4)、WIYPVTGDTYYNEKFKG(配列番号5)、およびGGGMFYY(配列番号6)を含む重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、およびHCDR3
を含む、使用を提供する。
好ましくは、上記の(a)〜(d)に関して、検出または定量する工程はインビトロで実施される。より好ましくは、上記の(a)〜(d)に関して、検出および定量する工程は各々インビトロで実施される。また、上記の(g)および(h)に関して、治療は好ましくは、例えば、国際公開第2010/059654号および/もしくは米国特許第8,217,148号に記載されている抗c−Met抗体などの抗c−Met治療抗体、ならびに/または国際公開第2010/011538号および米国特許出願公開第2012/0028984号に開示されている化合物、もしくはその薬学的に許容可能な塩などの抗c−Met化学療法剤の投与を含む。より好ましくは、上記の(g)および(h)に関して、治療は、配列番号19に示されるアミノ酸配列からなるヒトc−Metの細胞外ドメイン(ECD)に特異的に結合する抗c−Met治療抗体、またはその抗原結合断片の投与を含み、該抗体またはその断片は、
配列番号22、配列番号23、および配列番号24のそれぞれのアミノ酸配列を含む、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、およびLCDR3、ならびに
配列番号25、配列番号26、および配列番号27のそれぞれのアミノ酸配列を含む、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、およびHCDR3
を含む。
さらにより好ましくは、上記の(g)および(h)に関して、治療は、配列番号28に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)、ならびに配列番号29に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)を含む、抗c−Met治療抗体、またはその抗原結合断片の投与を含む。
さらにより好ましくは、上記の(g)および(h)に関して、治療は、配列番号30に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖、ならびに配列番号31または32に示されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む、抗c−Met治療抗体、またはその抗原結合断片の投与を含む。
さらにより好ましくは、上記の(g)および(h)に関して、治療は、2つの軽鎖および2つの重鎖を含む抗c−Met治療抗体であって、軽鎖の各々は配列番号30に示されるアミノ酸配列からなり、重鎖の各々は配列番号31もしくは32に示されるアミノ酸配列からなる(抗c−Met治療抗体のヒトIgG2またはヒトIgG4サブタイプのそれぞれは、国際公開第2010/059654号および/または米国特許第8,217,148号においてC8−H241と称される)、抗c−Met治療抗体または構造1および構造2として以下に示される化学療法剤もしくはその薬学的に許容可能な塩の投与を含む。
構造1:N−(3−フルオロ−4−(1−メチル−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−インダゾール−5−イルオキシ)フェニル)−1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
構造2:6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(2−メチル−2H−インダゾール−5−イルチオ)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン
本発明の別の態様は、本発明の抗c−Met抗体をコードする単離された核酸分子、その核酸分子を含む発現ベクター、およびその核酸分子を含む宿主細胞を提供する。
図1は、異なる腫瘍細胞中の細胞表面c−Metに対するmAb OptD11結合のFACS分析を示す。 図2は、グラフ形式において、c−Met捕捉抗体として抗c−Met治療抗体C8−H241(ヒトIgG4サブタイプ)およびc−Met検出抗体試薬としてビオチン化mAb OptD11(マウスIgG1サブタイプ)を使用した固相ELISAによる安定なc−Met ECD−Fc融合タンパク質についての結合曲線を示す。 図3は、表面プラズモン共鳴バイオセンサの使用により決定されるヒトc−Met−ECD−Fc−Flis融合タンパク質に対するmAb C8−H241(ヒトIgG4サブタイプ)およびOptD11の同時であるが、非競合的結合を示す。
定義
本明細書で使用する場合、「c−Met」または「ヒトc−Met」とは、他に示されない限り、任意のヒトc−Met、およびその機能的に活性な変異型を指す。c−Metの構造は以下に概略的に示される。

SEMA:セマ(Sema)ドメイン
PSI:プレキシン、セマホリン、およびインテグリンドメイン
IPT:4つの免疫グロブリン、プレキシン、および転写因子ドメイン
TM:膜貫通領域
JM:膜近傍ドメイン
KD:キナーゼドメイン
ヒトc−Met ECD(配列番号19)において、アミノ酸1〜24はシグナル配列を含む。成熟タンパク質は配列番号19のアミノ酸25で開始する。セマ(SEMA)ドメインはc−MetのN末端における約500アミノ酸残基からなり、α鎖(配列番号19のアミノ酸残基25〜307、すなわち(配列番号20)およびβ鎖(配列番号19のアミノ酸残基308〜519、すなわち(配列番号21))の一部を含有する。
本明細書で使用する場合、「抗体」という用語は、他に示されない限り、モノクローナル抗体を指す。「モノクローナル抗体」という用語、その略語「mAb」、およびその文法的形態は、例えば、任意の真核性、原核性、またはファージクローンを含む、単一コピーまたはクローンに由来する抗体を指すことを目的とし、それが産生される方法ではない。本発明のモノクローナル抗体は好ましくは、均一または実質的に均一の集団中に存在する。完全なmAbは2つの重鎖および2つの軽鎖を含む。このようなモノクローナル抗体の「抗原結合断片」には、例えば、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)断片、および一本鎖Fv断片が含まれる。本発明のモノクローナル抗体およびその抗原結合断片は、例えば、組換え技術、ファージディスプレイ技術、合成技術、例えばCDRグラフティング、またはそのような技術の組み合わせ、または当該技術分野における公知の他の技術により産生され得る。その抗原結合断片が特定されているかどうかに関わらず、本明細書で使用する場合、「抗体」および「モノクローナル抗体」という用語は、他に示されない限り、このような断片および一本鎖形態を含むと理解される。
モノクローナル抗体およびその抗原結合断片を産生および精製するための方法は当該技術分野において周知であり、例えば、HarlowおよびLane(1988)Antibodies、A Laboratory Mannual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、New York、第5〜8および15章、ISBN0−87969−314−2に見出され得る。
本明細書に開示されるc−Met抗体は、細胞中もしくは上、または組織、器官、体液中などの細胞中もしくは上、ならびに診断、予後、および/または患者をモニタリングする手順に存在するc−Metの発現、過剰発現、またはレベルを検出するのに有用である。「体液」という用語は、血液、血清、血漿、リンパ液、骨髄、尿、唾液、涙、脳脊髄液、乳、羊水、胆汁、尿、気管支液、腹水、膿汁、または任意の他の生物学的産生物などの正常または疾患被験体の身体由来の任意の流体または他の物質を指す。この用語の意味に含まれるものにはまた、器官または組織抽出物、および被験体由来の任意の細胞または組織調製物がインキュベートされる培養液がある。
本明細書で使用する場合、ヒトc−MetのECDについてのc−Met抗体の親和性に関して「特異的に結合する」という語句は、他に示されない限り、本明細書に実質的に記載されるSPRバイオセンサの使用を含む、当該技術分野において公知の一般的な方法により決定される場合、約1×10−8未満、好ましくは約1×10−9M未満、より好ましくは約1×10−8Mから約1×10−11Mの間、さらにより好ましくは約1×10−9Mから約5×10−11Mの間、さらにより好ましくは約5×10−10Mから約5×10−11Mの間、さらにより好ましくは約0.15nMから約0.05nMの間、さらにより好ましくは約0.15nMから約0.075nMの間、最も好ましくは約0.10nMのKを意味することを目的とする。
「腫瘍」という用語は、悪性または良性、ならびに全ての前癌性および癌性細胞および組織であるかどうかに関わらず、全ての腫瘍性細胞成長および増殖を指す。
「癌」および「癌性」という用語は、典型的に異常な細胞成長/増殖により特徴付けられる哺乳動物における生理学的状態を指すか、または示す。例としては、限定されないが、癌、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、および白血病が含まれる。「癌」、「癌性」、および「腫瘍」という用語は、本明細書で使用する場合、相互排他的ではない。
本明細書で使用する場合、ヒトc−Metは、ヒトc−Metの量が正常なヒト細胞または非腫瘍ヒト組織中のヒトc−Metの量よりヒト細胞、CTC、または腫瘍組織試料中で顕著に多いと決定される場合、ヒト細胞、CTC、または腫瘍組織試料中または上で「過剰発現される」。
抗体組み合わせおよび方法
本発明のc−Metモノクローナル抗体は、器官の組織に関わらず、腫瘍中でc−Metを標的とする。腫瘍細胞上でのc−Metの比較的多い発現のために、腫瘍を正常組織から識別することができる。また、腫瘍クラス(すなわち、異なる器官および器官の組織)にわたるc−Metの広範な発現のために、表面マーカーとしてのc−Metの画像化は、任意の特定の腫瘍種類に特異的ではないが、任意のc−Met発現腫瘍のために一般に使用され得る。
当業者が、安定で検出可能な抗原−抗体複合体を生成するために使用できる、当該技術分野において周知の方法が存在する(例えば、検出可能な抗原/抗体複合体の生成を可能にする条件について、Antibodies、A Laboratory Manual by Harlow and Lane(現行版)、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、New Yorkを参照のこと)。特に、国際公開第2010/059654号および/または米国特許第8,217,148号は、限定されないが、本明細書でOptD11と称されるモノクローナル抗体を含む、本発明の抗c−Metモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片を可能にし得る例示的な条件を記載している。c−MetのECDに結合した本発明の抗c−Metモノクローナル抗体を含む組成物は、本明細書に教示される方法または限定されないが、HarlowおよびLane、前出または国際公開第2010/059654号に開示されているような方法を含む、当該技術分野において一般的に知られている方法を使用して検出、標識、および/または識別され得る。
本発明の抗c−Metモノクローナル抗体または本明細書に記載されるc−Met/抗c−Metモノクローナル抗体複合体は、任意の当該技術分野において公知の手段(例えば、Antibody Engineering Volume2、Kontermann、Roland:Dubel、Stefan(Eds.)を参照のこと)を使用して検出可能に標識され得る。標識は、例えば、限定されないが、発光または光吸収剤、発色団、色原体、磁性粒子または鉄粒子、色素、蛍光剤、フルオロフォア、リン光性剤、化学発光剤、生物発光剤、放射性核種、酵素、ポジトロン放出断層撮影画像化剤、磁性マイクロビーズ、強磁性流体ナノ粒子、二次抗体、および磁性共鳴画像化剤であってもよい。
限定されないが、c−Metまたは検出可能に標識されたc−Met/抗c−Metモノクローナル抗体複合体は、インビボ、エキソビボまたはインビトロのいずれかで細胞、またはその断片上にあってもよい。例えば、限定されないが、このような細胞またはその断片は、インサイチュで、その天然に存在する状態から、または例えば、細胞ペレット、異種移植片、組織(癌性または非癌性)、器官、体液、またはそれらの任意の濃縮、精製、高濃度形態などの試料中で単離されてもよい。これらの方法のいずれかにおいて、接触させる工程および検出する工程は各々インビトロで実施されてもよく、接触させる工程はインビボで実施されてもよく、検出する工程はインビトロで実施されてもよく(または逆も同様)、または接触させる工程および検出する工程は各々インビボで実施されてもよい。
「検出可能に標識された」という用語は、本発明の抗c−Met抗体、もしくはその抗原結合断片、またはc−Met/抗c−Metモノクローナル抗体の複合体は共有または非共有結合のいずれかで有用な検出可能な標識に結合されることを意味する。直接的なコンジュゲート標識抗体方法において、例えば、補欠分子族複合体、発色団、色原体(色生成基質)、色素、蛍光化合物、蛍光性化合物、放射性同位体、常磁性同位体、ならびにポジトロン放出断層撮影(PET)および磁気共鳴画像化(MRI)により画像化され得る化合物を含む多くの異なる有用な標識が利用されてもよい。他の適切な標識は当該技術分野で周知であるか、または慣用の実験により決定され得る。間接的な方法において、二次抗体は、例えば酵素とコンジュゲートされてもよい。次いで、標識抗原に結合される一次抗体に対する二次抗体の結合は、検出可能な信号を生じるのに適切な条件下での酵素の発色基質との反応により検出され得る。
高い吸光係数を有する発色団を有する、または生じ、それにより、容易に検出可能である発色化合物を利用する、比色検出が使用されてもよい。適切な反応条件下で、後でその基質に曝露される場合、酵素は、例えば、分光光度、蛍光定量的、または視覚手段により検出され得る化学部分を生成するために基質と反応する。
この目的のために一般に使用される酵素には、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、リンゴ酸脱水素酵素、ブドウ球菌ヌクレアーゼ、Δ−V−ステロイドイソメラーゼ、酵母アルコール脱水素酵素、α−グリセロリン酸デヒドロゲナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、アスパラギナーゼ、グルコースオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコアミラーゼ、およびアセチルコリンエステラーゼが含まれる。
適切な補欠分子族複合体の例には、限定されないが、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンが含まれる。
一般的に使用される色原体には、ジアミノベンジジン(DAB);強化剤とのDAB;3−アミノ−9−エチルカルバゾール(AEC);4−クロロ−1−ナフトール(4−CN);Hanker−Yates試薬;アルファ−ナフトールピロニン;3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB);Fast Blue BB;Fast Red TR;新フクシン;BCIP−NBT;テトラゾリウム;テトラニトブルーテトラゾリウム(TNBT);および銀強化剤との免疫金が含まれる。
それらを利用するアッセイは、臨床検査室において容易に実施され、それらの検査室において一般的に利用可能な機器を用いて病理学者により評価され得るので、色原体の使用が好ましい。
酵素にコンジュゲートされる本明細書における抗c−Metモノクローナル抗体もまた、酵素免疫測定法(ELISA)において使用されてもよい。このようなアッセイは、例えば、Butler(1994)「ELISA」(第29章)、van Oss、C.J.ら、Immunochemistry、Marcel Dekker、Inc.、New York、pp.759−803に詳細に記載されている。本発明のc−Met抗体はまた、細胞表面c−Metのラジオイムノアッセイおよび蛍光活性化細胞分類(FACS)分析に使用されてもよい。
有用な蛍光標識には、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ローダミン、ダンシル基、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o−フタルアルデヒド、フルオレスカミン、およびCy5が含まれる(Haugland((1996)Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals、第6版、Molecular Probes、Eugene、OR)。
本発明の抗c−Met抗体、もしくはその抗原結合断片、またはc−Met/抗c−Metモノクローナル抗体複合体はまた、152Euなどの蛍光発光金属、またはランタニド系列の他のメンバーを使用して、それらをジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)またはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)などのこのような金属キレート基を使用して結合することにより検出可能に標識されてもよい。
本発明の抗c−Met抗体、もしくはその抗原結合断片、またはc−Met/抗c−Metモノクローナル抗体複合体はまた、それらを、化学反応の過程の間に生じるリン光または発光により後で検出され得るリン光性または化学発光性化合物に結合することにより検出可能に標識されてもよい。有用な化学発光化合物の例には、ルミノール、イソルミノール、セロマティックアクリジニウムエステル(theromatic acridinium ester)、イミダゾール、アクリジニウム塩、およびシュウ酸エステルが含まれる。同様に、ルシフェリン、ルシフェラーゼ、またはエクオリンなどの生物発光化合物が、抗体ペプチドを標識するために使用されてもよい。生物発光タンパク質の存在は発光の存在を検出することにより決定される。
インビボまたはインビトロ画像化が、他の方法により観測できない不顕性転移を含む、患者におけるc−Met発現または過剰発現腫瘍細胞(および/または循環腫瘍細胞)の増殖、移動または侵入を検出するために使用されてもよい。c−Metの発現は癌患者における疾患進行と関連し得;後期癌を有する患者は通常、それらの原発性腫瘍および転移の両方において高いレベルのc−Met発現を有する。c−Metを標的とした画像化が、非侵襲的に腫瘍の病期を分類するため、または増加したレベルのc−Metの存在に関連する別の疾患を検出するために使用されてもよい。
本発明は、融合タンパク質を生成するためにポリペプチド(または好ましくは、ポリペプチドの少なくとも:10、20、30、40、50、60、70、80、90、もしくは100個の隣接アミノ酸を含むその一部)に組み換えて融合された、または化学的にコンジュゲートされた(共有および非共有コンジュゲーションの両方を含む)抗体を含む。融合は直接的であることを必ずしも必要とされないが、リンカー配列により行われてもよい。
ポリペプチドに融合またはコンジュゲートされる抗体はまた、公知の当該技術分野の方法を使用してインビトロ免疫学的検定法および精製法において使用されてもよい(例えば、Harborら、前出、および国際公開第93/21232号;欧州特許第439,095号;Naramuraら(1994)Immunol.Lett.39:9 l−9;米国特許第5,474,981号;Gilliesら、1992PNAS89:1428−32;Fellら、1991 J.Immunol.146:2446−52を参照のこと)。
本発明はさらに、可変領域以外の抗体ドメインに融合またはコンジュゲートされるポリペプチド(またはその断片)を含む組成物を含む。ポリペプチド(またはその断片)を抗体または抗体部分に融合またはコンジュゲートする方法は公知である(例えば、米国特許第5,336,603号;同第5,622,929号;同第5,359,046号;同第5,349,053号;同第5,447,851号;同第5,112,946号;欧州特許第307,434号;欧州特許第367,166号;国際公開第96/04388号;国際公開第91/06570号;Ashkenaziら、(1991)PNAS88:10535−10539;Zhengら、(1995)J.Immunol.154:5590−5600;およびVieら、(1992)PNAS89:11337−11341を参照のこと)。
ポリペプチド、ポリペプチド断片は、インビボ半減期を増加させるために本明細書に記載される抗体またはその抗原結合断片に融合またはコンジュゲートされてもよい。さらに、ポリペプチド、ポリペプチド断片は、精製を促進するために抗体またはその抗原結合断片に融合またはコンジュゲートされてもよい。好ましい実施形態において、ポリペプチドは、pQEベクターに与えられるタグ(QIAGEN,Inc.、Chatsworth、CA)などのヘキサ−ヒスチジンペプチドであり、とりわけ、それらの多くは市販されている。ヘキサ−ヒスチジンはタンパク質の簡便な精製を提供する(Gentzら、(1989)PNAS86:821−824)。精製に有用な他のペプチドタグには、例えば、インフルエンザ血球凝集素タンパク質に由来するエピトープに対応する、「HA」タグ(例えば、Wilsonら、(1984)Cell37:767−778を参照のこと)および「フラグ」タグが含まれる。
本発明はさらに、診断または治療剤にコンジュゲートされる抗体またはその断片を含む。抗体は、例えば、所与の治療レジメンの効果を決定するために臨床試験手順の一部として腫瘍の発生または進行をモニタするために診断的に使用されてもよい。検出は、抗体を検出可能な標識に結合することにより促進されてもよい。検出可能な標識は、抗体(またはその断片)に直接または確立された技術(例えば、本発明に係る診断として使用するために抗体にコンジュゲートされ得る金属イオンについて米国特許第4,741,900号を参照のこと)を使用して中間体(例えば当該技術分野において公知のリンカーなど)を介して間接に結合またはコンジュゲートされてもよい。
本発明のモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片はまた、標的抗原の免疫学的検定法または精製に特に有用である、固体支持体に取り付けられてもよい。そのような固体支持体には、例えば、限定されないが、ガラス、セルロース、ポリ−アクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、またはポリプロピレンが含まれる。治療部分を抗体にコンジュゲートするための技術は公知である。例えば、Amonら、「Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy」、Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy、Reisfeldら、(eds.)、pp.243−56(Alan R.Liss,Inc.1985);Hellstromら、「Antibodies For Drug Delivery」、Controlled Drug Delivery(第2版)、Robinsonら(eds.)、pp.623−53(Marcel Dekker,Inc.、1987);Thorpe、「Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy:A Review」、Monoclonal Antibodies ‘84:Biological And Clinical Applications、Pincheraら(eds.)、pp.475−506(1985);「Analysis,Results,and Future Prospective of the Therapeutic Use Of Radiolabeled Antibody in Cancer Therapy」、Monoclonal Antibodies for Cancer Detection and Therapy、Baldwinら(eds.)、pp.303−16(Academic Press 1985)、ならびにThorpeら、「The Preparation and Cytotoxic Properties of Antibody−Toxin Conjugates」、Immunol.Rev.62:119−58(1982)を参照のこと。
c−Metなどの特定のタンパク質は、例えば、限定されないが、ウェスタンブロット、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素免疫測定法)、「サンドイッチ」免疫学的検定法、免疫沈降アッセイ、沈降素反応、ゲル内沈降反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体結合アッセイ、免疫放射定量測定法、蛍光免疫測定法、およびプロテインA免疫学的検定法などの技術を使用した、例えば、限定されないが、競合および非競合アッセイシステムを含む、種々の免疫学的検定法により測定され得る。一般的な免疫学および免疫学的検定手順の概説に関しては、StitesおよびTerr(eds.)(1991)Basic and Clinical Immunology(第7版)を参照のこと。さらに、本発明の免疫学的検定法は、Maggio(ed.)(1980)Enzyme Immunoassay CRC Press、Boca Raton、Florida;Gosling JP 2000 Immunoassays:A Practical Approach(Practical Approach Series)Oxford Univ Press;Diamandis & Christopoulus、1996 Immunoassay Academic Press、San Diego、CA;Tijan(1985)「Practice and Theory of Enzyme Immunoassays」、Laboratory Techniques、Biochemistry and Molecular Biology、Elsevier Science Publishers B.V.、Amsterdam;Wild,D.(Ed.)、2001 The Immunoassay Handbook(第2版)、Nature Pub Group;James T.Wu、2000 Quantitative Immunoassay:A Practical Guide for Assay Establishment、Troubleshooting,and Clinical Application、Amer Assn for Clinical Chemistry、Brousseau & Beaudet(Eds.)Manual of Immunological Methods CRC Press Boca Raton、Florida;ならびにHarlow and Lane Antibodies、A Laboratory Manual、前出において広範に概説されている多くの構成において実施されてもよい。また、Chan(ed.)(1987)Immunoassay:A Practical Guide Academic Press、Orlando、FL;PriceおよびNewman(eds.)(1991)Principles and Practice of Immunoassays Stockton Press、NY;ならびにNgo(ed.)(1988)Non−isotopic Immunoassays Plenum Press、NYも参照のこと。
測定するための免疫学的検定法は、種々の当該技術分野で公知の方法により実施されてもよい。つまり、c−Met ECDを測定するための免疫学的検定法は、競合または非競合結合アッセイのいずれであってもよい。競合結合アッセイにおいて、分析される試料は、固体表面に結合した捕捉剤上の特異的結合部位について、標識された検体と競合する。好ましくは、捕捉剤は、本明細書に記載されるc−Met ECDと特異的に反応する抗体である。捕捉剤に結合した標識された検体の濃度は、試料中に存在する遊離検体の量と反比例する。
競合結合免疫学的検定法において、試料中に存在する標的タンパク質(すなわち、c−Met ECD)は、本発明の抗体またはその抗原結合断片に対する結合について、標識されたタンパク質と競合する。本発明の抗体、またはその抗原結合断片は、未結合の標識タンパク質から結合標識タンパク質の分離をもたらすように固体表面に結合されてもよい。あるいは、競合結合アッセイは液相で行われてもよく、当該技術分野において公知の種々の技術が、未結合の標識タンパク質から結合標識タンパク質を分離するために使用されてもよい。分離後、結合標識タンパク質の量が決定される。試料中に存在するタンパク質の量は、結合している標識タンパク質の量に反比例する。
あるいは、分離工程が必要とされない均一の免疫学的検定法が実施されてもよい。これらの免疫学的検定法において、タンパク質における標識は、その特異的結合組成物に対するタンパク質の結合により変更される。標識タンパク質のこの変更は、標識により発せられる信号の減少または増加を生じるので、免疫学的検定法の終わりにおける標識の測定はタンパク質の検出または定量を可能とする。
競合アッセイはまた、細胞が接触し、125I−抗体などのタンパク質に対する既知の結合親和性を有する標識抗体とインキュベートされる場合、特に有用であり、結合組成物に対する試験試料の結合親和性が測定される。次いで結合したおよび無標識の結合組成物がタンパク質結合の程度を評価するために分離される。結合した試験化合物の量は、既知の源に結合する標識された結合パートナーの量と反比例する。多くの技術のうちの任意の1つが、タンパク質結合の程度を評価するために遊離タンパク質からの結合を分離するために使用されてもよい。この分離工程は典型的に、フィルタに対する接着、続いて洗浄、プラスチックに対する接着、続いて洗浄、または細胞膜の遠心分離などの手順を含んでもよい。生存細胞もまた、c−Met媒介性機能に対する薬物の効果(例えば、第2のメッセンジャーレベル、例えば細胞増殖など;イノシトールリン酸プールの変化、ルシフェラーゼ−タイプアッセイを使用した転写など)についてスクリーニングするために使用されてもよい。一部の検出方法は、分離工程、例えば、近接高感度システムの除去を可能とする。
c−Metの定性的または定量的分析もまた、本発明の抗体、またはその抗原結合断片を使用して種々の非競合的免疫学的検定法により決定されてもよい。例えば、2つの部位の固相サンドイッチ免疫学的検定法が使用されてもよい。この種のアッセイにおいて、抗体は固体支持体に結合される。抗体でもあり得、異なる部位にてタンパク質に結合する第2のタンパク質結合組成物が標識される。タンパク質が発生する両方の部位で結合した後、未結合の標識された結合組成物が除去され、固相に結合した標識された結合組成物の量が測定される。結合した標識された結合組成物の量は、試料中のタンパク質の量と正比例する。
特定の抗原を免疫沈降させる対象の抗体の能力は、例えばウェスタンブロット分析により評価されてもよい。当業者は、抗原に対する抗体の結合を増加させ、(例えば、セファロースビーズを用いて細胞溶解物を予備洗浄することにより)バックグラウンドを減少させるためにパラメータが修飾可能であることを認識しているだろう。免疫沈降プロトコルのさらなる説明は、例えば、Ausubelら、eds.、1994、Current Protocols in Molecular Biology、Vol.1、John Wiley & Sons,Inc.、New Yorkに見出され得る。
ELISAアッセイは、抗原を調製すること、96ウェルマイクロタイタープレートのウェルを抗原でコーティングすること、酵素基質(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)などの検出可能な化合物にコンジュゲートされた対象の抗体をウェルに添加すること、および一定時間インキュベートすること、および抗原の存在を検出することを含む。ELISAにおいて、対象の抗体は、検出可能な化合物にコンジュゲートされなくてもよく、代わりに、検出可能な化合物にコンジュゲートされる二次抗体(対象の抗体を認識する)がウェルに添加されてもよい。さらに、ウェルを抗原でコーティングする代わりに、抗体がウェルにコーティングされてもよい。この場合、検出可能な化合物にコンジュゲートされる二次抗体は、コーティングされたウェルへの対象の抗原の添加後に添加されてもよい。当業者は、例えば、信号を増加させるためにどのパラメータを調節するか、およびELISAについてどの他の変更を使用すべきかについて過度の実験を必要とせずに決定できる(例えば、Ausubelら、eds.、1994、Current Protocols in Molecular Biology、Vol.1、John Wiley & Sons,Inc.、New Yorkを参照のこと)。例えば、OptD11は、限定されないが、C8−H241(例えば、Chemical Abstracts Service #1365287−97−3を参照のこと)として当該技術分野において公知のc−Metモノクローナル抗体を含む、当該技術分野において公知のc−Metモノクローナル抗体などのc−Met ECD捕捉抗体と共に使用される場合、ヒト腫瘍、腫瘍溶解物、および血液などの体液中の全c−Met ECDを測定するためのc−Met ECD検出抗体として有用であり得る。あるいは、OptD11は、限定されないが、C8−H241として当該技術分野において公知のc−Metモノクローナル抗体を含む、当該技術分野において公知のc−Metモノクローナル抗体などのc−Met ECD検出抗体と共に使用される場合、ヒト腫瘍、腫瘍溶解物、または血液などの体液中の全c−Met ECDを測定するためのc−Met ECD捕捉抗体として有用であり得る。さらに、OptD11は、HRPにコンジュゲートされる抗ホスホ−チロシン抗体(例えば、R&D Systems、Minneapolis、MN;カタログ番号#841403)または抗ホスホ−c−Met pYpYpY1230/1234/1235c−Metポリクローナル抗体(例えば、Invitrogen、Carlsbad、CA;カタログ番号44−888G)などの検出抗体と共に使用される場合、ヒト腫瘍、腫瘍溶解物、または血液などの体液中のリン光体−c−Metを測定するためのc−Met ECD捕捉抗体として有用であり得る。
抗原に対する抗体の結合親和性ならびに抗体−抗原相互作用の会合および解離速度は、例えば、競合結合アッセイを使用することにより決定され得る。1つの非限定的な例は、増加した量の未標識の抗原の存在下で対象の抗体と共に(例えば、Hまたは125Iを使用して)標識された抗原をインキュベートすること、次いで標識された抗原に結合した抗体の量を検出することを含むラジオイムノアッセイである。特定の抗原についての対象の抗体の親和性および結合解離速度は、例えば、スキャッチャードプロット分析によりデータから決定され得る。二次抗体との競合もまた、例えば、ラジオイムノアッセイを使用して決定されてもよい。
ガンマカウンタ、シンチレーションカウンタ、PET走査、またはオートラジオグラフィーにより簡単に検出される、有用な放射標識には、H、124I、125I、131I、35S、および14Cが含まれる。インビボ診断に関して、放射性核種は、直接またはDTPAおよびEDTAなどのキレート剤を使用して間接のいずれかでmAbまたは抗原結合断片に結合され得る。このような放射性核種の例には、99Tc、123I、125I、131I、111In、97Ru、67Cu、67Ga、68Ga、72As、89Zr、90Yおよび201Tlが含まれる。一般に、インビボ診断用途における検出可能性に必要とされる標識されるmAbの量は、患者の年齢、病態、性別、疾患の程度、もしあれば禁忌、および他の可変物に応じて変化し、担当医または診断医により容易に調節され得る。好ましい診断方法は、好ましくは、連続した全身のガンマカメラ画像を生じ、定量的「関心領域」(ROI)分析により局所活性の測定を可能にする様式で実施される放射免疫シンチグラフィーである。
別の実施形態において、本発明のモノクローナル抗体は循環腫瘍細胞(CTC)を検出するために使用されてもよい。CTCは、移動している間に血流内で生存し、別の部位で新たな成長を開始する腫瘍から取り除いた腫瘍細胞である。腫瘍が検出される前に、CTCは患者において見出され得るので、CTCを検出することは有用である。腫瘍細胞の循環はまた、癌が再発する場合、かなりの割合の患者で見られ、CTCは、一部の患者において、原発性腫瘍の除去後に生き残る。証拠により、CTCは、原発性腫瘍および転移性腫瘍におけるクローン由来であり、それらは腫瘍進行の全ての段階で負荷されている腫瘍を反映し得ることが示唆されている。したがって、早期診断および予後における潜在的な役割に加えて、CTCは、腫瘍進行に関する遺伝的および表現型変化を特徴付けるのに主要な役割を果たし得るので、標的療法を誘導するのに役立つ。より特に、本発明の抗c−Metモノクローナル抗体は、例えば、CellSearch(登録商標)CTC試験(Veridex LLC、San Diego、CA)、磁性活性化細胞分類システム(Magnetic Activated Cell Sorting System)(MACS(登録商標)、Miltenyi Biotec GmbH、Germany)、Dynal Magnetic Beads(登録商標)(Invitrogen)、EasySep(登録商標)(Stem Cell Technologies、Vancouver Canada)、CTCチップ(On−Q−ity、Waltham、MA)、またはSleijferら、Circulating tumour cell detection on its way to routine diagnostic implementation? Eur J Cancer、43(18):2645−50(2007);Lacroix M.、Significance、detection and markers of disseminated breast cancer cells.Endocr Relat Cancer.、13(4):1033−67(2006);およびPantelら、Detection、clinical relevance and specific biological properties of disseminating tumour cells.Nat Rev Cancer、8(5):329−40(2008))に記載されているものなどのCTCを単離および検出するための当該技術分野において公知の任意の他の試験などのCTCを捕捉、識別、および/または定量できるアッセイにおいて有用であり得る。現在、CellSearch(登録商標)CTCが、循環腫瘍細胞を検出し、数え上げるための自動化試験としてUSFDAにより承認されている唯一の診断試験である(Fed.Reg.69(91):26036−38(2004))。CellSearch(登録商標)試験からの結果が、転移性前立腺癌(Danilaら、Circulating tumor cell number and prognosis in progressive castration−resistant prostate cancer.Clin Cancer Res.、13(23):7053−58(2007))、結腸直腸癌(Cohenら、Isolation and characterization of circulating tumor cells in patients with metastatic colorectal cancer.Clin Colorectal Cancer 6(2):125−32(2006))、および乳癌(Cristofanilliら、Circulating tumor cells,disease progression,and survival in metastatic breast cancer.N Engl J Med.,351(8):781−91(2004))における疾患進行および治療効果をモニタするために使用されている。本発明の抗c−Met抗体、またはその抗原結合断片、例えばOptD11が、このような方法、例えばCellSearch(登録商標)試験に使用されてもよく、一部の場合、c−Met媒介性癌についての治療の開始および治療過程の間の任意の時間に実施される。好ましくは、本発明の抗c−Met抗体、またはその抗原結合断片は、限定されないが、EPCAM、DAPI、CD45、および/またはサイトケラチン(限定されないが、サイトケラチン7、8、18および/または19を含む)を含む、他のポリペプチドに特異的な抗体と共にこのような方法で使用され得る。このような試験から生成される情報は、例えば、疾患進行および治療効果のモニタリングを可能にすることにより、その予後値にとって有用であり得、早期(および継続中)の治療の決定を可能にできる。さらに、本発明の検出可能に標識された抗体および治療抗c−Met抗体(国際公開第2010/059654号および/または米国特許第8,217,148号に開示されているものなど)の同時結合を可能にすることによって、治療用抗c−Met抗体での治療の中断、例えば、診断用抗体をc−Metに結合できる治療抗体の「洗い出し」が必要とされない。その結果、本発明の抗c−Met抗体は、必要な場合、診断的モニタリングと同時に、中断せずに治療的治療を可能にする。
インビボでの適用に関して、検出可能に標識された、本発明の抗c−Met抗体、またはその抗原結合断片は、投与に簡便な形態で製剤化されてもよい。診断のために、検出可能に標識された、本発明の抗c−Met抗体、または抗原結合断片は、全身的に、例えば注射または注入により非経口的に投与されてもよい。このような注射または注入は、任意の公知の経路、好ましくは、静脈注射または注入、皮下注射、筋肉内、頭蓋内、または髄膜注射もしくは注入、または腹腔内投与であってもよい。注射物質は、溶液もしくは懸濁液として、または固体形態のいずれかとして従来の形態で調製されてもよい。このような組成物は当該技術分野において周知の方法により調製されてもよく(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第19版、(1995)、A.Gennaroら、Mack Publishing Coを参照のこと)、本明細書に開示される抗c−Met抗体と、薬学的または診断的に許容可能な担体、希釈剤、または賦形剤とを含む。
用量は0.01mg/kg〜100mg/kg体重で変更してもよい。診断的画像化のための適切な用量に関するさらなるガイドラインは、Smithら(1977)Antibodies in Human Diagnosis and Therapy、Haberら、eds.、Raven Press、New York、365−389ページに見出され得る。
インビボでのc−Met検出目的に関して、本発明の抗c−Metモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片の「有効量」という用語は、患者への単回または複数回投与により、インビボでc−Metを検出する能力を与える抗体化合物の量を指す。
製造物品およびキット
本発明はまた、c−Met陽性腫瘍および非癌性細胞を診断、検出、定量、および/または画像化するのに有用な組成物を含有する製造物品およびキットを提供する。製造物品は標識を有する容器を含んでもよい。容器は、検出可能に標識された、または未標識である、本発明の抗c−Metモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片を含む組成物を保持できる。容器上の標識は、組成物が、癌を予後もしくはモニタリングするため、またはc−Metを発現する特定の種類の癌もしくは腫瘍を診断もしくはモニタリングするため、またはc−Metレベルもしくは代謝回転を予測するため、または治療についての効果的な標的を予想するために使用されることを示してもよい。別の実施形態において、標識は、組成物がc−Metを検出および/または定量するのに有用であることを示してもよく、また、インビボもしくはインビトロでのいずれかの使用についての指示を示してもよい。
本発明のキットはまた、二次抗体またはさらにc−Met抗原を含む容器を含んでもよく、好ましくは、抗原は、配列番号19に示されるアミノ酸配列からなるヒトc−Metの細胞外ドメイン(ECD)を含む。二次抗体は酵素でコンジュゲートされてもよい。酵素の発色性基質もまた、キットに含まれてもよい。キットはさらに、緩衝液、希釈剤、充填剤、注射針、注射器、およびインビボ、インビトロもしくはその両方での使用のための指示書を有するパッケージ挿入物を含む、市販および使用者の観点から望ましい他の物質を含んでもよい。
異常HGFおよび/またはc−Metシグナル伝達は臨床転帰と逆相関し、広範囲のヒト悪性腫瘍において実証されている。c−Metの不適切な発現は多くのヒト腫瘍における不十分な患者の予後と相関する。診断手順に有用なc−Metに結合する本発明のモノクローナル抗体およびその抗原結合断片は、癌患者を識別し、階層化するため、および慣用の標準物より回収される組織試料を使用することによってc−Met標的治療に対する患者の反応をモニタリングするために使用されてもよく、これにより、患者の不快感を最小限にする。
したがって、本発明の方法は、腫瘍の原発組織に依存することなく、所与の腫瘍が後で侵入または転移する可能性が高いかまたは低いかを評価するために非侵襲性手段を使用する転移の危険性の階層化の形態を、新たに診断される癌患者に提供する。このような情報は、個々の患者に基づいて適切なモニタリングおよび治療プロトコルを設計する能力を改善する。
本発明のc−Met抗体またはc−Met/抗c−Metモノクローナル抗体複合体および本明細書に開示される方法は種々の哺乳動物種の診断に有用であり得、ヒトまたは獣医用医薬の実施に同様に適用可能である。したがって、これらの抗体、複合体、および方法は、家畜および市販の動物、最も好ましくはヒトに使用されてもよい。
本発明の別の態様は、上述の抗c−Met抗体のいずれかをコードする単離された核酸分子、その核酸分子を含む発現ベクター、およびその核酸分子を含む宿主細胞に関する。本発明はさらに、上述抗c−Met抗体のいずれかを精製する方法を提供する。
ベクターの形質転換および本発明の抗体の発現のための好ましい宿主細胞は、哺乳動物細胞、例えばNS0細胞(非分泌(0)マウス骨髄腫細胞)、293、SP20およびCHO細胞ならびにリンパ腫、骨髄腫、またはハイブリドーマ細胞などのリンパ系起源の他の細胞株である。酵母などの他の真核生物宿主が代替として使用されてもよい。
抗c−Met抗体に関して「単離された」抗体は、その天然環境の成分から識別および分離および/または回収されているものである。その天然環境の汚染成分は、抗体についての診断または治療的用途を妨げる物質であり、酵素、ホルモン、および他のタンパク性または非タンパク性溶質を含んでもよい。好ましい実施形態において、本発明の抗体は、(1)Lowry法により決定した場合、95重量%超、より好ましくは99重量%超の抗体に、(2)スピニングカップシークエネータの使用によりN末端または内部アミノ酸配列の少なくとも15残基を得るのに十分な程度に、あるいは(3)クマシーブルーまたは好ましくは銀染色を使用して還元もしくは非還元条件下でSDS−PAGEにより均一に精製される。本発明の抗c−Met抗体に関して「単離された」という用語は、抗体の天然環境の少なくとも1つの成分が存在しないので、組換え細胞内のインサイチュでの抗体を含んでもよい。本発明の抗c−Met抗体は、硫酸アンモニウムまたは硫酸ナトリウムによる沈殿、その後の生理食塩水に対する透析、イオン交換クロマトグラフィー、限定されないが、プロテイン−Aアフィニティクロマトグラフィーを含む、アフィニティまたはイムノアフィニティクロマトグラフィー、およびゲル濾過またはゾーン電気泳動を含む、当該技術分野において公知の任意の方法により単離または精製されてもよい。
さらに、本発明は、発現配列、プロモーターおよび/またはエンハンサー配列などの制御配列に作動可能に連結される、以前に記載されているポリヌクレオチド配列を含有する発現ベクターを提供する。細菌などの原核細胞系ならびに限定されないが、酵母および哺乳動物細胞培養系を含む真核細胞系における抗体ポリペプチドの効果的な合成のための種々の発現ベクターが開発される。本発明のベクターは、染色体、非染色体および合成DNA配列のセグメントを含んでもよい。
本発明はまた、以前に記載されている組換えベクターを含有する組換え宿主細胞を提供する。本発明の抗体はハイブリドーマ中以外の細胞株中で発現され得る。本発明に係る抗体をコードする配列を含む核酸が、適切な哺乳動物宿主細胞の形質転換のために使用されてもよい。
特定の好ましい細胞株は、対象のタンパク質の高レベルの発現、構成的発現および宿主タンパク質由来の最小の汚染物質に基づいて選択される。発現のための宿主として利用可能な哺乳動物細胞株は、当該技術分野において周知であり、限定されないが、COS−7細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞などの多くの不死化細胞、ならびにリンパ腫、骨髄腫、またはハイブリドーマ細胞などのリンパ系起源の細胞株を含む多くの他のものを含む。
実施例1
抗体発現および精製
限定されないが、OptD11を含む、本発明の抗c−Met抗体は、標準的なトランスフェクション手順を使用してHEK293EBNA細胞(Edge BioSystems、Gaithersburg、MD)内で一過性に発現できる。トランスフェクト細胞は、トランスフェクション後、37℃にて48時間〜120時間、ジェネティシン(G418)およびトブラマイシンを含有する標準的な無血清培地中で培養する。抗c−Met抗体は、製造業者の指示書に従って、60mlのrプロテインAセファロースカラム(例えば、GE Healthcare、Piscataway、NJ;カタログ番号17−1279−04)上で精製でき、さらに濃縮でき、移動相としてリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、pH7.4を用いてサイズ排除クロマトグラフィー(XK50/60Superdex200、GE Healthcare)により精製できる。次に、抗体調製物を、Millev−GV、PVDF膜、0.22μm、33mm(Millipore;#SLGV033RS)を使用して濾過でき、4〜8℃で保存できる。
実施例2
抗体OptD11の結合キネティクスおよび親和性
ヒトおよびカニクイザルc−Met配列の細胞外ドメイン(ECD)は、配列番号17および18に示される、FcのC末端においてフラグ−およびHis−タグ(Flis−タグ)を有するFc融合タンパク質として発現できる。これらのc−Met ECD Fc融合タンパク質は、HEK293EBNAにおいて別々に一過性に発現でき、実質的に実施例1に記載されているように精製できる。
ヒトおよび/またはカニクイザルc−Met ECDに対する本発明の抗c−Metモノクローナル抗体の結合キネティクスは、当該技術分野において公知の方法に従ってBIAcore(登録商標)2000、BIAcore(登録商標)3000、またはBIAcore(登録商標)T100(GE Health Care、Piscataway、NJ)などの表面プラズモン共鳴バイオセンサの使用により決定できる。示しているものを除いて、全ての試薬および材料はBiacore(登録商標)から購入でき、測定は25℃で実施できる。
簡潔に記載すると、本発明の抗c−Metモノクローナル抗体は、HBS−EP緩衝液(pH7.4における150mMの塩化ナトリウム、3mMのEDTA、0.005%(w/v)の界面活性剤P−20、および10mMのN−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES);#BR−1001−88)中に溶解できる。ヤギ抗マウスFc抗体は、抗c−Met抗体を捕捉するためにアミンカップリング化学を使用して4000反応単位(RU)のレベルにおいてCM5センサチップのフローセル1〜4上で固定する。
複数の分析サイクルを使用して結合は評価できる。各サイクルは50μl/分の流速で実施し、以下のステップからなってもよい:40〜100RUの捕捉を目的として10μg/mlにて抗c−Metモノクローナル抗体の約10μlの注入、250μlのヒトまたはカニクイザルc−Met−Flis−Fc ECDの注入(100nMで開始し、各サイクルについて2倍連続希釈を使用する)、続いて解離について20分、および約30μlの10mM塩酸グリシン、pH1.5を使用して再生。各サイクルについての会合および解離速度は、BIA評価ソフトウェア4.1において「1:1(ラングミュア)結合」モデルを使用して評価できる。
本発明の抗c−Metモノクローナル抗体、OptD11を、配列番号17および18に示される、FcのC末端においてフラグ−およびHis−タグ(Flis−タグ)を有するFc融合タンパク質として発現されるヒトおよびカニクイザルc−MetのECDに対するその結合キネティクスについて試験した。表2に示すように、OptD11は、非常に高い結合親和性(K)でヒトおよびカニクイザルc−Met−Flis−Fc ECDに結合する。表2はまた、konおよびkoffデータを示す。
実施例3
mAb OptD11を使用したFACS分析による細胞表面上のc−Metの検出
細胞表面c−Met受容体を測定するように設計したインビトロアッセイは、c−Met抗体が、細胞表面上のヒトおよびカニクイザルc−Metの両方を染色できるかどうかを決定するために行うことができる。Alexa Fluor488標識を有する二次抗マウスIgG1抗体を、蛍光活性化細胞表面(FACS)分析により細胞表面c−Met受容体を検出するためにこのアッセイにおいて使用できる。
簡潔に記載すると、6ウェルの組織培養プレートに、RPMI−1640培地(Life Technologies、Grand Island、NY;カタログ番号11835);10%FBS(Life Technologies;カタログ番号10082);2mMのL−グルタミン(Life Technologies;カタログ番号25030);100U/500mLのペニシリンGおよび100μg/500mLのストレプトマイシン(Life Technologies;カタログ番号15140)中の1.5×10細胞/ウェル/2mlにてMKN45細胞(c−Metを過剰発現するヒト胃腫瘍細胞;Japan Tumor Bank;#JCRB0254)を播種できる。播種した細胞は、37℃、95%相対湿度、5%(v/v)COにて24時間インキュベートできる。NIH3T3細胞(ATCC;#CRL−1658)は、DMEM(Life Technologies;カタログ番号11995);10%のウシ血清(Life Technologies;カタログ番号30−2030);2mMのL−グルタミン(Life Technologies;カタログ番号25030);100U/500mLのペニシリンGおよび100μg/500mLのストレプトマイシン(Life Technologies;カタログ番号15140)中で培養できる。
カニクイザルc−Metはレトロウイルス媒介性遺伝子導入によりNIH3T3細胞中に組み込むことができ、カニクイザルc−Metを過剰発現するいくつかの安定なクローンを確立できる。NIH3T3−cyno−c−Met細胞は、80%コンフルエンシーまで6ウェル組織培養プレート中で培養できる。1mlの酵素を含まない細胞解離溶液(EMD Millipore、Billerica、Massachusetts;カタログ番号S−014−B)は各ウェルに加えることができ、細胞を分散させるために室温にて5分間そのままにできる。次に、細胞を上下にピペットで取ることができ、遠心分離管内に回収できる。その細胞を培地中で一度洗浄でき、続いて、結合緩衝液(ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)/1%ウシ血清アルブミン(BSA)/0.01%アジ化ナトリウム)中でもう1回洗浄する。c−Met抗体は、製造業者の指示書に従ってAlexa Fluor488モノクローナル抗体標識キット(Molecular Probes、Eugene、OR;カタログ番号A−20181)を使用してAlexa Fluor488で標識できる。細胞表面c−Met受容体は、氷上で60分間、2μg/mlのAlexa Fluor488で標識したc−Met抗体を含有する100μlの結合緩衝液で染色できる。次に、細胞を結合緩衝液で1回洗浄でき、2μg/mlのヨウ化プロピジウム(PI;死細胞を染色するため)を含有するDPBS中に再懸濁できる。生細胞上の細胞表面c−Met受容体はFACS分析により分析でき、各試料について10,000事象を獲得できる。データ分析のために、平均蛍光を使用して、抗c−Met抗体で処理した試料を、IgGアイソタイプで処理した対照と比較できる。
実質的にこの実施例に記載したように実施した細胞表面上のc−Met発現のFACS分析において、OptD11 c−Met抗体は、ヒト腫瘍細胞上の細胞表面c−MetおよびNIH3T3細胞上で発現されたカニクイザルc−Metを染色する。したがって、OptD11抗体を使用して腫瘍生検の流体由来の細胞表面c−Metを染色でき、このような試料のFACS分析を可能にする。
これらのデータは、癌の治療についての診断および予後目的のため、ならびにc−Metを標的とした治療を最適化するために、OptD11 c−Met抗体を使用して、細胞表面c−Met受容体レベルを検出できることを示している。
実施例4
mAb OptD11を使用したヒトc−Met ECD ELISA
ヒトc−Met ECDに対するOptD11 mAbのインビトロ結合は、酵素免疫測定法(ELISA)においてヒトc−Met ECDタンパク質に対する抗体の反応性を測定することにより決定できる。
簡潔に記載すると、96ウェルマイクロタイターELISAプレートのウェル(Greiner Bio−One GmbH;カタログ番号655081)は、c−Met ECDα鎖(例えば、配列番号20)および/またはβ鎖(例えば、配列番号21の残基1〜67または1〜92)内のエピトープに特異的に結合するc−Met捕捉抗体でコーティングできる。より特には、c−Met捕捉抗体は、1倍の市販のコーティング緩衝液(例えば、SurModics IVD(Eden Prairie、MN)製のBioFXカタログ番号COAT−1000−01)中で2μg/mlに希釈できる。およそ110μLの希釈したc−Met捕捉抗体を96ウェルマイクロタイターELISAプレートの各ウェルに加えることができる。次いでプレート(複数も含む)を覆い、4℃にて一晩インキュベートできる。4℃での一晩のインキュベーション後、ウェルは吸引でき、自動プレート洗浄器を使用して200μLの洗浄緩衝液(BioFX;カタログ番号WSH−1000−01)で2回洗浄できる。次に、およそ200μlの遮断緩衝液(1倍の洗浄緩衝液+2%BSA)(Sigma−Aldrich Co.、St.Louis、MO、カタログ番号A7979)をELISAプレートの各ウェルに加えることができ、室温にて1時間インキュベートできる。次に、プレートのウェルは、自動プレート洗浄器を使用しておよそ200μLの洗浄緩衝液で2回洗浄できる。(例えば、配列番号17に示すように)FcのC末端においてフラグ−およびHis−タグ(Flis−タグ)を有するFc融合タンパク質として発現されるヒトc−Metの100マイクロリットル(μL)の連続希釈した(許容可能な希釈液、例えば遮断緩衝液中)ECDはELISAプレート(複数も含む)に加えることができ、室温にて振盪しながら2時間インキュベートできる。連続希釈は、例えば20pg/mLに下げた2倍希釈を用いて1280pg/mLにて開始できる。次に、100μLの0.5μg/mLのビオチン化OptD11 c−Met抗体(許容可能な希釈液、例えば遮断緩衝液中)は、c−Met検出抗体として加えることができ、室温にて振盪しながら2時間インキュベートできる。次いでプレートは吸引でき、自動プレート洗浄器を使用して洗浄緩衝液で4回洗浄できる。次に、希釈液中の100μLの83ng/mLのペルオキシダーゼがコンジュゲートしたストレプトアビジン(Jackson Immunoresearch、West Grove、PA;カタログ番号#016−030−084)は全てのウェルに加えることができ、プレートは、室温にて振盪しながら2時間インキュベートできる。次に、プレートのウェルは吸引でき、自動プレート洗浄器を使用して洗浄緩衝液で6回洗浄できる。プレートを洗浄した後、100μLのTMB(BioFXカタログ番号TMBW−1000−01)は各ウェルに加えることができ、プレートは室温にて10分間インキュベートできる。反応を停止させるために、100μLの停止溶液を各ウェル(BioFX;カタログ番号LSTP−1000−01)に加えることができる。比色分析信号を発生でき、570nm補正を用いて450nmにてプレートリーダーを使用して読み取ることができる。
モノクローナル抗体OptD11を、実質的に上記に記載したELISAにおいて、Fcに融合した組換えヒトc−Met ECDタンパク質に対する結合について試験した。より具体的には、c−Met捕捉抗体として抗c−Met抗体C8−H241(ヒトIgG4サブタイプ)およびc−Met検出抗体試薬としてビオチン化mAb OptD11を使用して、mAb OptD11は、高い感受性(可能な限り低い20pg/mlでc−Met ECDを検出する)および広範囲のc−Met ECD検出(すなわち、20pg/ml〜1280pg/ml)を提供する(図2を参照のこと)。ELISA実験の結果は、OPtD11が、組換えヒトc−Met ECD融合タンパク質に結合し、診断、予後および予測目的のために、c−Met受容体のECDを検出するための、限定されないが、ELISAを含む、インビトロ免疫化学的法において有用であり得ることを示す。
実施例5
mAb OptD11およびmAb C8−H241はヒトc−MetのECDに同時に結合する
本発明の抗c−Met抗体(OptD11など)が、抗c−Met治療抗体(例えば、国際公開第2010/059654号および/または米国特許第8,217,148号に開示されているC8−H241など)と同時にヒトc−MetのECDに結合できるかどうかを決定するために、当該技術分野において公知の方法に従って、BIAcore(登録商標)2000、BIAcore(登録商標)3000、またはBIAcore(登録商標)T100(GE Health Care、Piscataway、NJ)などの表面プラズモン共鳴バイオセンサを使用して結合実験を実施できる。示したものを除いて、全ての試薬および物質はBIAcore(登録商標)から購入できる。全ての試薬および物質は、他に示されない限り、BIAcore(登録商標)から購入できる。全ての測定は、ランニングおよび試料緩衝液の両方としてHBS−EP(150mMの塩化ナトリウム、3mMのEDTA、0.005%(w/v)の界面活性剤P−20、および10mMのHEPES、pH7.4)を使用して25℃にて実施できる。マウスIgG1抗ポリヒスチジン抗体(R&D systems、Mab050)は、アミン結合キットを使用して7000反応単位(Rus)のレベルにてCM5センサチップのフローセル1〜4上で固定できる。次に、ヒトc−Met−ECD−Fc−Flisをフローセル2に注入でき、次いでmAb C8−H241などの抗c−Met抗体(500nM)を、フローセル1および2を介して注入できる(5分間、50μL/分)。注入の終わりまでに、結合は飽和でき、結合反応単位を使用して結合化学量論を算出できる。
実質的にこの実施例5に記載されているように実施した実験において、各c−Met−ECD−Fc−Flis二量体は0.9 C8−H241(ヒトIgG4サブタイプ)抗c−Met抗体に結合する。mAb OptD11(マウスIgG1サブタイプ)の後の注入により、c−Met−ECD−Fc−Flisに対するさらなる結合が観測された(図3を参照のこと)。さらなる結合の化学量論もまた、およそ0.9であり、抗c−Met mAb OptD11(マウスIgG1サブタイプ)もまた、抗C−met mAb C8−H241(ヒトIgG4サブタイプ)により結合されるc−Met−ECD−Fc−Flisに完全に結合することを示す。
ヒトc−Met−ECD−Fc−Flisに対する抗c−Met mAb C8−H241(ヒトIgG4サブタイプ)およびOptD11(マウスIgG1サブタイプ)の同時結合が結合順序に独立しているかどうかを決定するために、チップ表面を再生して、結合サイクルを反復する前にc−Met−ECD−Fc−Flisおよび両方のc−Met抗体を除去した。結合のさらなるサイクルは上記のように反復したが、抗体の結合順序は反対にした(すなわち、mAb C8−H241の前にmAb OptD11)。同様の結果を得た(図3を参照のこと)。
これらのデータは、mAb OptD11(マウスIgG1サブタイプ)およびmAb C8−H241(ヒトIgG4サブタイプ)が、ヒトc−Met−ECD−Fc−Flisに同時結合できることを示す。さらに、そのデータは、これらの2つの抗c−Met抗体のエピトープが異なることを強く示唆している。

Claims (40)

  1. 配列番号19に示されるアミノ酸配列からなるヒトc−Metの細胞外ドメイン(ECD)に特異的に結合するモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片であって、前記抗体、またはその抗原結合断片は、
    アミノ酸配列SVSSSISSTNLH(配列番号1)、GTSNLAS(配列番号2)、およびQQWSSYPYT(配列番号3)をそれぞれ含む軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、およびLCDR3、ならびに
    アミノ酸配列GYTFTSRYIH(配列番号4)、WIYPVTGDTYYNEKFKG(配列番号5)、およびGGGMFYY(配列番号6)をそれぞれ含む重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、およびHCDR3
    を含む、モノクローナル抗体、またはその抗原結合断片。
  2. アミノ酸配列SVSSSISSTNLH(配列番号1)、GTSNLAS(配列番号2)、およびQQWSSYPYT(配列番号3)からそれぞれなる軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2、およびLCDR3、ならびに
    アミノ酸配列GYTFTSRYIH(配列番号4)、WIYPVTGDTYYNEKFKG(配列番号5)、およびGGGMFYY(配列番号6)からそれぞれなる重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2、およびHCDR3
    を含む、請求項1に記載のモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片。
  3. 配列番号7に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)、および配列番号9に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)を含む、請求項1または2に記載のモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片。
  4. 配列番号11に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖、および配列番号13に示されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片。
  5. 検出可能な標識をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片。
  6. 前記検出可能な標識が、発色団、色原体、色素、蛍光剤、蛍光発生剤、リン光性剤、化学発光剤、生物発光剤、放射性核種、陽電子放出断層撮影画像化剤、および磁気共鳴画像化剤からなる群から選択される、請求項5に記載のモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片。
  7. 2つの軽鎖および2つの重鎖を含み、前記軽鎖の各々は配列番号11に示されるアミノ酸配列からなり、前記重鎖の各々は配列番号13に示されるアミノ酸配列からなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体。
  8. 検出可能な標識をさらに含む、請求項7に記載のモノクローナル抗体。
  9. 前記検出可能な標識が、発色団、色原体、色素、蛍光剤、蛍光発生剤、リン光性剤、化学発光剤、生物発光剤、放射性核種、陽電子放出断層撮影画像化剤、および磁気共鳴画像化剤からなる群から選択される、請求項8に記載のモノクローナル抗体。
  10. 抗c−Met治療抗体または化学療法剤を用いて癌治療反応の診断、予後または予測に使用するための、請求項1〜6のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片。
  11. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片と、配列番号19に示されるアミノ酸からなるヒトc−MetのECDを含むポリペプチドとを含む組成物であって、前記抗体、またはその抗原結合断片が前記ポリペプチドに結合する、組成物。
  12. 前記抗体、またはその抗原結合断片が、配列番号15または16に示されるアミノ酸配列内のエピトープにおいてヒトc−MetのECDを含むポリペプチドに結合する、請求項11に記載の組成物。
  13. 抗c−Met治療抗体または化学療法剤を用いて癌治療反応の診断、予後または予測に使用するための、請求項7〜9のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体。
  14. 請求項7〜9のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体と、配列番号19に示されるアミノ酸配列からなるヒトc−MetのECDを含むポリペプチドとを含む、組成物であって、前記抗体は前記ポリペプチドに結合する、組成物。
  15. 前記抗体が、配列番号15または16に示されるアミノ酸配列内のエピトープにおいてヒトC−MetのECDを含むポリペプチドに結合する、請求項14に記載の組成物。
  16. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片を含む容器と、任意に、細胞ペレット、異種移植片試料、組織試料、器官試料、または体液試料中のインビトロでc−Met発現または過剰発現を検出するために前記モノクローナル抗体、またはその抗原結合断片を使用するための指示書と、を含むキット。
  17. 前記モノクローナル抗体、またはその抗原結合断片に結合する二次抗体を含む容器と、任意に、細胞ペレット、異種移植片試料、組織試料、器官試料、または体液試料中のインビトロでc−Metを検出するために前記二次抗体と共にまたは前記二次抗体なしで前記モノクローナル抗体、またはその抗原結合断片を使用するための指示書と、をさらに含む請求項16に記載のキット。
  18. 前記二次抗体が酵素にコンジュゲートされる、請求項17に記載のキット。
  19. 前記酵素の発色基質を有する容器をさらに含む、請求項18に記載のキット。
  20. 請求項7〜9のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体を含む容器と、任意に、細胞ペレット、異種移植片試料、組織試料、器官試料、または体液試料中のインビトロでc−Met発現または過剰発現を検出するためにモノクローナル抗体を使用するための指示書と、を含むキット。
  21. 前記モノクローナル抗体に結合する二次抗体を含む容器と、任意に、細胞ペレット、異種移植片試料、組織試料、器官試料、または体液試料中のインビトロでc−Metを検出するために前記二次抗体と共にまたは前記二次抗体なしで前記モノクローナル抗体を使用するための指示書と、をさらに含む、請求項20に記載のキット。
  22. 前記二次抗体が酵素にコンジュゲートされる、請求項21に記載のキット。
  23. 前記酵素の発色基質を有する容器をさらに含む、請求項22に記載のキット。
  24. 哺乳動物細胞により発現または過剰発現されるc−Metを検出する方法であって、
    (a)請求項1〜6のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片がECDに結合できる時間および条件下で、前記細胞を、前記モノクローナル抗体、またはその抗原結合断片と接触させる工程と、
    (b)任意選択に、任意の非特異的に結合したモノクローナル抗体またはその抗原結合断片を除去する工程と、
    (c)ECDに特異的に結合する前記モノクローナル抗体またはその抗原結合断片の量を検出および/または定量する工程と、
    を含む、方法。
  25. 抗c−Met治療抗体または化学療法剤を用いる治療に適した腫瘍を有する患者を識別する方法であって、
    (a)請求項1〜6のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片がECDに結合できる時間および条件下で、前記腫瘍由来の少なくとも1つの細胞を、前記モノクローナル抗体、またはその抗原結合断片と接触させる工程と、
    (b)任意選択に、任意の非特異的に結合した前記モノクローナル抗体、またはその抗原結合断片を除去する工程と、
    (c)ECDに特異的に結合する前記モノクローナル抗体またはその抗原結合断片の量を検出および/または定量する工程であって、ECDに特異的に結合する前記抗体、またはその抗原結合断片の存在が、前記抗c−Met治療抗体または化学療法剤を用いる治療に適した患者を識別する、工程と、
    を含む方法。
  26. 哺乳動物細胞により発現または過剰発現されるc−Metを検出する方法であって、
    (a)請求項7〜9のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体がECDに結合できる時間および条件下で、前記細胞を、前記モノクローナル抗体と接触させる工程と、
    (b)任意選択に、任意の非特異的に結合したモノクローナル抗体を除去する工程と、
    (c)ECDに特異的に結合するモノクローナル抗体の量を検出および/または定量する工程と、
    を含む、方法。
  27. 抗c−Met治療抗体または化学療法剤を用いる治療に適した腫瘍を有する患者を識別する方法であって、
    (a)請求項7〜9のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体がECDに結合できる時間および条件下で、前記腫瘍由来の少なくとも1つの細胞を、前記モノクローナル抗体と接触させる工程と、
    (b)任意選択に、任意の非特異的に結合したモノクローナル抗体を除去する工程と、
    (c)ECDに特異的に結合した前記モノクローナル抗体の量を検出および/または定量する工程であって、ECDに特異的に結合する前記モノクローナル抗体の存在が、前記抗c−Met治療抗体または化学療法剤を用いる治療に適した患者を識別する、工程と、
    を含む方法。
  28. 前記細胞が単離細胞であるか、または細胞ペレット、異種移植片試料、組織試料、器官試料、もしくは体液試料中に存在する、請求項24〜27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記接触させる工程および前記検出する工程が各々、インビトロで実施される、請求項24〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記接触させる工程がインビボで実施される、請求項24〜28のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記c−Metが細胞膜に局在している、請求項24〜30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記検出する工程が、ガンマカウンタ、シンチレーションカウンタを使用して、陽電子放出断層撮影画像化剤により、またはオートラジオグラフィーにより実施される、請求項24〜31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記組織試料が組織生検により得られる、請求項24〜32のいずれか一項に記載の方法。
  34. (a)細胞中または細胞上のc−Metを検出および/または定量する工程、
    (b)患者におけるc−Met発現または過剰発現腫瘍細胞を検出および/または定量する工程、
    (c)患者の血液試料中のc−Met発現循環腫瘍細胞を検出および/または定量する工程、
    (d)尿、腹水、リンパ液、髄液、気管支液、血清、または血液などの癌患者由来の体液中のc−Met発現または過剰発現腫瘍細胞を検出および/または定量する工程、
    (e)個体が、c−Metが発現または過剰発現される組織または器官の癌を発症する危険性を有するか、または危険性があるかどうかを評価する工程、
    (f)抗c−Met治療を用いる治療に適した腫瘍を有する患者を識別する工程、
    (g)抗c−Met治療抗体または化学療法剤を用いる治療に対する反応を決定する工程、あるいは
    (h)癌を治療する工程
    のための請求項1〜6のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片を含むキットの使用。
  35. (a)細胞中または細胞上のc−Metを検出および/または定量する工程、
    (b)患者におけるc−Met発現または過剰発現腫瘍細胞を検出および/または定量する工程、
    (c)患者の血液試料中のc−Met発現循環腫瘍細胞を検出および/または定量する工程、
    (d)尿、腹水、リンパ液、髄液、気管支液、血清、または血液などの癌患者由来の体液中のc−Met発現または過剰発現腫瘍細胞を検出および/または定量する工程、
    (e)個体が、c−Metが発現または過剰発現される組織または器官の癌を発症する危険性を有するか、または危険性があるかどうかを評価する工程、
    (f)抗c−Met治療を用いる治療に適した腫瘍を有する患者を識別する工程、
    (g)抗c−Met治療抗体または化学療法剤を用いる治療に対する反応を決定する工程、あるいは
    (h)癌を治療する工程
    のための請求項7〜9のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体を含むキットの使用。
  36. 抗c−Met治療抗体または化学療法剤の投与に対する反応を予測する方法であって、
    (a)抗c−Met診断用の請求項1〜6のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片がECDに結合できる時間および条件下で、腫瘍由来の少なくとも1つの細胞を、前記抗診断用のモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片と接触させる工程と、
    (b)任意選択に、任意の非特異的に結合した診断用モノクローナル抗体、またはその抗原結合断片を除去する工程と、
    (c)ECDに特異的に結合する前記診断用モノクローナル抗体、またはその抗原結合断片の量を検出および/または定量する工程であって、前記治療抗体または化学療法剤の個体への投与に対する反応が、ECDに特異的に結合する前記診断用抗体、またはその抗原結合断片の存在に基づいて予測される、工程と、
    を含む方法。
  37. 抗c−Met治療抗体または化学療法剤の投与に対する反応を予測する方法であって、
    (a)抗c−Met診断用の請求項7〜9のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体がECDに結合できる時間および条件下で、前記腫瘍由来の少なくとも1つの細胞を、前記診断用モノクローナル抗体と接触させる工程と、
    (b)任意選択に、任意の非特異的に結合した診断用モノクローナル抗体を除去する工程と、
    (c)ECDに特異的に結合する前記診断用モノクローナル抗体の量を検出および/または定量する工程であって、前記治療抗体または化学療法剤の個体への投与に対する反応が、ECDに特異的に結合する前記診断用抗体の存在に基づいて予測される、工程と、
    を含む方法。
  38. 抗c−Met治療抗体または化学療法剤の投与に対する反応を測定する方法であって、
    (a)抗c−Met診断用の請求項1〜6のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片がECDに結合できる時間および条件下で、抗c−Met治療抗体または化学療法剤の投与前(i)および投与後(ii)に個体から得た腫瘍由来の少なくとも1つの細胞を、前記モノクローナル抗体、またはその抗原結合断片と接触させる工程と、
    (b)任意選択に、任意の非特異的に結合したモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片を除去する工程と、
    (c)ECDに特異的に結合する前記診断用のモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片の量を検出および/または定量する工程と、
    (d)(c)において検出または定量した前記診断用のモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片の量が(ii)と比較して(i)において多い場合、治療抗体または化学療法剤の個体への投与に対する反応を測定する工程と、
    を含む方法。
  39. 抗c−Met治療抗体または化学療法剤の投与に対する反応を測定する方法であって、
    (a)抗c−Met診断用の請求項7〜9のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体がECDに結合できる時間および条件下で、抗c−Met治療抗体または化学療法剤の投与前(i)および投与後(ii)に個体から得た腫瘍由来の少なくとも1つの細胞を、前記モノクローナル抗体と接触させる工程と、
    (b)任意選択に、任意の非特異的に結合したモノクローナル抗体を除去する工程と、
    (c)ECDに特異的に結合する前記診断用のモノクローナル抗体の量を検出および/または定量する工程と、
    (d)(c)において検出または定量した前記診断用のモノクローナル抗体の量が(ii)と比較して(i)において多い場合、治療抗体または化学療法剤の個体への投与に対する反応を測定する工程と、
    を含む方法。
  40. 前記接触させる工程および前記検出する工程が各々インビトロで実施される、請求項25〜26のいずれか一項に記載の方法。
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