JP2014091748A - ボールペン用水性インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】多糖類を剪断減粘性付与剤として使用したボールペン用水性インキ組成物に関し、ペン先を下向きに放置してもインキの漏れ出しがなく、軽く書けて筆記感が良いボールペン用水性インキ組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも水と、着色剤と、ウェランガムと、フェヌグリークガムからなるボールペン用水性インキ組成物。インキ中においてウェランガムとフェヌグリークガムを併用すると両者の結びつきにより降伏値の粘度が高くなるが、高剪断力が負荷されると剪断減粘性が発揮される。
【選択図】なし

Description

本発明は、多糖類を剪断減粘性付与剤として使用したボールペン用水性インキ組成物に関する。
ボールペンは、筆記部材となるボールと、このボールをインキ通路となる貫通孔の一端の開口部より一部突出させて回転自在に抱持するボールホルダーとから少なくともなるボールペンチップを、直接もしくは接続部材を介してインキタンクに接続している。筆記に際しては、ボールの回転に伴って、主にボール表面に付着したインキが紙などの被筆記面に転写され筆跡を形成するものである。
特許文献1には、中空のインキ収容管に直接インキを充填しても漏れないようにするために、インキにウェランガムを添加して剪断減粘性を付与し、剪断力がかかっていない貯蔵状態では高粘度で、ボールの回転による剪断力が付与されると低粘度となって軽く書けて筆記感が良い水性インキが開示されている。
また、ノック式ボールペンのように筆記しない状態でもペン先は常に外気に晒されている場合、貯蔵状態で高粘度のインキでも長期にわたりペン先を下向きに放置したり、温度や湿度などの環境が変化することによってペン先からインキが漏れ出てしまったりすることがあった(以下、「インキの漏れ出し」と称する)。インキの漏れ出しを防止する方法として、特許文献2にはインキ中にポリウレタンエマルジョンを入れることが、特許文献3にはインキ中に多孔質シリカを入れることが開示されている。特許文献4にはインキ中に膨潤ゲル分散粒子を入れることが開示されている。特許文献5にはインキ中に膨潤性球状樹脂粒子を入れることが開示されている。
特開平4−214782号公報 特開2005−029729号公報 特開2001−041266号公報 特開平7−266778号公報 特開2005−290205号公報
樹脂エマルジョンを入れて、インキの漏れ出しを防止するためには、樹脂エマルジョンの添加量を多くして皮膜を厚くする必要があり、インキの潤滑性が低下して筆記感が阻害されるものであった。
無機粒子や膨潤ゲル分散粒子や膨潤性球状樹脂粒子を入れたインキは、インキの潤滑性が低下して筆記感が阻害されるものであった。
本発明のボールペン用水性インキ組成物は、ペン先を下向きに放置してもインキの漏れ出しがなく、且つ滑らかな書き味を有するボールペン用水性インキ組成物を提供することを目的とする。
本発明は、水と、着色剤と、ウェランガムと、フェヌグリークガムとを少なくとも含有するボールペン用水性インキ組成物を要旨とする。
インキの漏れ出しは静置状態から動き始める際の粘度が高いほど生じにくく、剪断速度が0.05/sまでにインキの剪断応力が最大となる降伏値があり、降伏値の時の粘度(以下、降伏値の粘度、と称する)が30000mPa・s以上のインキは漏れにくい。
ウェランガムはインキに剪断減粘性を付与するが、降伏値の粘度を30000mPa/s以上にしてインキ漏れ出しを防止しようとすると、筆記の際の粘度低下が不十分になり筆記感が劣化してしまう。フェヌグリークガムは増粘効果が少なく単独ではインキの増粘剤にはならない。
しかし、インキ中において、ウェランガムとフェヌグリークガムを併用すると、良好な筆記感が得られるウェランガムの添加量でも、ウェランガムが形成する三次元網目構造にフェヌグリークガムが結びつき分子鎖の伸び縮みが抑制されて降伏値の粘度が高くなる。そして、ウェランガムとフェヌグリークガムの結びつきは弱いので、高剪断力が負荷されると結びつきが離れ、ウェランガムの特性である剪断減粘性によって低粘度になるものと推察され、降伏値の粘度を30000mPa/s以上のインキでも筆記感の良いインキにすることが出来る。
水はインキの主溶剤である。
本発明に使用する着色剤は、従来の水性インキに用いられる染料及び顔料が使用可能である。染料では酸性染料、直接染料、塩基性染料等のいずれも用いることができる。その一例を挙げれば、ジャパノールファストブラックDコンク(C.I.ダイレクトブラック17)、ウォーターブラック100L(同19)、ウォーターブラックL−200(同19)、ダイレクトファストブラックB(同22)、ダイレクトファストブラックAB(同32)、ダイレクトディープブラックEX(同38)、ダイレクトファストブラックコンク(同51)、カヤラススプラグレイVGN(同71)、カヤラスダイレクトブリリアントエローG(C.I.ダイレクトエロー4)、ダイレクトファストエロー5GL(同26)、アイゼンプリムラエローGCLH(同44)、ダイレクトファストエローR(同50)、アイゼンダイレクトファストレッドFH(C.I.ダイレクトレッド1)、ニッポンファストスカーレットGSX(同4)、ダイレクトファストスカーレット4BS(同23)、アイゼンダイレクトローデュリンBH(同31)、ダイレクトスカーレットB(同37)、カヤクダイレクトスカーレット3B(同39)、アイゼンプリムラピンク2BLH(同75)、スミライトレッドF3B(同80)、アイゼンプリムラレッド4BH(同81)、カヤラススプラルビンBL(同83)、カヤラスライトレッドF5G(同225)、カヤラスライトレッドF5B(同226)、カヤラスライトローズFR(同227)、ダイレクトスカイブルー6B(C.I.ダイレクトブルー1)、ダイレクトスカイブルー5B(同15)、スミライトスプラブルーBRRコンク(同71)、ダイボーゲンターコイズブルーS(同86)、ウォーターブルー#3(同86)、カヤラスターコイズブルーGL(同86)、カヤラススプラブルーFF2GL(同106)、カヤラススプラターコイズブルーFBL(同199)等の直接染料や、アシッドブルーブラック10B(C.I.アシッドブラック1)、ニグロシン(同2)、スミノールミリングブラック8BX(同24)、カヤノールミリングブラックVLG(同26)、スミノールファストブラックBRコンク(同31)、ミツイナイロンブラックGL(同52)、アイゼンオパールブラックWHエクストラコンク(同52)、スミランブラックWA(同52)、ラニルブラックBGエクストラコンク(同107)、カヤノールミリングブラックTLB(同109)、スミノールミリングブラックB(同109)、カヤノールミリングブラックTLR(同110)、アイゼンオパールブラックニューコンク(同119)、ウォーターブラック187−L(同154)、カヤクアシッドブリリアントフラビンFF(C.I.アシッドエロー7:1)、カヤシルエローGG(同17)、キシレンライトエロー2G140%(同17)、スミノールレベリングエローNR(同19)、ダイワタートラジン(同23)、カヤクタートラジン(同23)、スミノールファストエローR(同25)、ダイアシッドライトエロー2GP(同29)、スミノールミリングエローO(同38)、スミノールミリングエローMR(同42)、ウォーターエロー#6(同42)、カヤノールエローNFG(同49)、スミノールミリングエロー3G(同72)、スミノールファストエローG(同61)、スミノールミリングエローG(同78)、カヤノールエローN5G(同110)、スミノールミリングエロー4G200%(同141)、カヤノールエローNG(同135)、カヤノールミリングエロー5GW(同127)、カヤノールミリングエロー6GW(同142)、スミトモファストスカーレットA(C.I.アシッドレッド8)、カヤクシルクスカーレット(同9)、ソーラールビンエクストラ(同14)、ダイワニューコクシン(同18)、アイゼンボンソーRH(同26)、ダイワ赤色2号(同27)、スミノールレベリングブリリアントレッドS3B(同35)、カヤシルルビノール3GS(同37)、アイゼンエリスロシン(同51)、カヤクアシッドローダミンFB(同52)、スミノールレベリングルビノール3GP(同57)、ダイアシッドアリザリンルビノールF3G200%(同82)、アイゼンエオシンGH(同87)、ウォーターピンク#2(同92)、アイゼンアシッドフロキシンPB(同92)、ローズベンガル(同94)、カヤノールミリングスカーレットFGW(同111)、カヤノールミリングルビン3BW(同129)、スミノオールミリングブリリアントレッド3BNコンク(同131)、スミノールミリングブリリアントレッドBS(同138)、アイゼンオパールピンクBH(同186)、スミノールミリングブリリアントレッドBコンク(同249)、カヤクアシッドブリリアントレッド3BL(同254)、カヤクアシッドブリリドブリリアントレッドBL(同265)、カヤノールミリングレッドGW(同276)、ミツイアシッドバイオレット6BN(C.I.アシッドバイオレット15)、ミツイアシッドバイオレットBN(同17)、スミトモパテントピュアブルーVX(C.I.アシッドブルー1)、ウォーターブルー#106(同1)、パテントブルーAF(同7)、ウォーターブルー#9(同9)、ダイワ青色1号(同9)、スプラノールブルーB(同15)、オリエントソルブルブルーOBC(同22)、スミノールレベリングブルー4GL(同23)、ミツイナイロンファストブルーG(同25)、カヤシルブルーAGG(同40)、カヤシルブルーBR(同41)、ミツイアリザリンサフィロールSE(同43)、スミノールレベリングスカイブルーRエクストラコンク(同62)、ミツイナイロンファストスカイブルーB(同78)、スミトモブリリアントインドシアニン6Bh/c(同83)、サンドランシアニンN−6B350%(同90)、ウォーターブルー#115(同90)、オリエントソルブルブルーOBB(同93)、スミトモブリリアントブルー5G(同103)、カヤノールミリングウルトラスカイSE(同112)、カヤノールミリングシアニン5R(同113)、アイゼンオパールブルー2GLH(同158)、ダイワギニアグリーンB(C.I.アシッドグリーン3)、アシッドブリリアントミリンググリーンB(同9)、ダイワグリーン#70(同16)、カヤノールシアニングリーンG(同25)、スミノールミリンググリーンG(同27)等の酸性染料、アイゼンカチロンイエロー3GLH(C.I.ベーシックイエロー11)、アイゼンカチロンブリリアントイエロー5GLH(同13)、スミアクリルイエローE−3RD(同15)、マキシロンイエロー2RL(同19)、アストラゾンイエロー7GLL(同21)、カヤクリルゴールデンイエローGL−ED(同28)、アストラゾンイエロー5GL(同51)、アイゼンカチロンオレンジGLH(C.I.ベーシックオレンジ21)、アイゼンカチロンブラウン3GLH(同30)、ローダミン6GCP(C.I.ベーシックレッド1)、アイゼンアストラフロキシン(同12)、スミアクリルブリリアントレッドE−2B(同15)、アストラゾンレッドGTL(同18)、アイゼンカチロンブリリアントピンクBGH(同27)、マキシロンレッドGRL(同46)、アイゼンメチルバイオレット(C.I.ベーシックバイオレット1)、アイゼンクリスタルバイオレット(同3)、アイゼンローダミンB(同10)、アストラゾンブルーG(C.I.ベーシックブルー1)、アストラゾンブルーBG(同3)、メチレンブルー(同9)、マキシロンブルーGRL(同41)、アイゼンカチロンブルーBRLH(同54)、アイゼンダイヤモンドグリーンGH(C.I.ベーシックグリーン1)、アイゼンマラカイトグリーン(同4)、ビスマルクブラウンG(C.I.ベーシックブラウン1)等の塩基性染料が挙げられる。
顔料ではアゾ系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料、建て染め染料系顔料、媒染染料系顔料、及び天然染料系顔料等の有機系顔料、黄土、バリウム黄、紺青、カドミウムレッド、硫酸バリウム、酸化チタン、弁柄、鉄黒、カーボンブラック等の無機顔料等が挙げられ、これらは単独あるいは混合して使用することが出来る。具体例を挙げるとアニリンブラック(C.I.50440)、シアニンブラック、ナフトールエローS(C.I.10316)、ハンザエロー10G(C.I.11710)、ハンザエロー5G(C.I.11660)、ハンザエロー3G(C.I.11670)、ハンザエローG(C.I.11680)、ハンザエローGR(C.I.11730)、ハンザエローA(C.I.11735)、ハンザエローRN(C.I.11740)、ハンザエローR(C.I.12710)、ピグメントエローL(C.I.12720)、ベンジジンエロー(C.I.21090)、ベンジジンエローG(C.I.21095)、ベンジジンエローGR(C.I.21100)、パーマネントエローNCG(C.I.20040)、バルカンファストエロー5G(C.I.21220)、バルカンファストエローR(C.I.21135)、タートラジンレーキ(C.I.19140)、キノリンエローレーキ(C.I.47005)、アンスラゲンエロー6GL(C.I.60520)、パーマネントエローFGL、パーマネントエローH10G、パーマネントエローHR、アンスラピリミジンエロー(C.I.68420)、スダーンI(C.I.12055)、パーマネントオレンジ(C.I.12075)、リソールファストオレンジ(C.I.12125)、パーマネントオレンジGTR(C.I.12305)、ハンザエロー3R(C.I.11725)、バルカンファストオレンジGG(C.I.21165)、ベンジジンオレンジG(C.I.21110)、ペルシアンオレンジ(C.I.15510)、インダンスレンブリリアントオレンジGK(C.I.59305)、インダンスレンブリリアントオレンジRK(C.I.59105)、インダンスレンブリリアントオレンジGR(C.I.71105)、パーマネントブラウンFG(C.I.12480)、パラブラウン(C.I.12071)、パーマネントレッド4R(C.I.12120)、パラレッド(C.I.12070)、ファイヤーレッド(C.I.12085)、パラクロルオルトアニリンレッド(C.I.12090)、リソールファストスカーレット、ブリリアントファストスカーレット(C.I.12315)、ブリリアントカーミンBS、パーマネントレッドF2R(C.I.12310)、パーマネントレッドF4R(C.I.12335)、パーマネントレッドFRL(C.I.12440)、パーマネントレッドFRLL(C.I.12460)、パーマネントレッドF4RH(C.I.12420)、ファストスカーレットVD、バルカンファストルビンB(C.I.12320)、バルカンファストピンクG(C.I.12330)、ライトファストレッドトーナーB(C.I.12450)、ライトファストレッドトーナーR(C.I.12455)、パーマネントカーミンFB(C.I.12490)、ピラゾロンレッド(C.I.12120)、リソールレッド(C.I.15630)、レーキレッドC(C.I.15585)、レーキレッドD(C.I.15500)、アンソシンB(C.I.18030)、ブリリアントスカーレットG(C.I.15800)、リソールルビンGK(C.I.15825)、パーマネントレッドF5R(C.I.15865)、ブリリアントカーミン6B(C.I.15850)、ピグメントスカーレット3B(C.I.16105)、ボルドー5B(C.I.12170)、トルイジンマルーン(C.I.12350)、パーマネントボルドーF2R(C.I.12385)、ヘリオボルドーBL(C.I.14830)、ボルドー10B(C.I.15880)、ボンマルーンライト(C.I.15825)、ボンマルーンメジウム(C.I.15880)、エオシンレーキ(C.I.45380)、ローダミンレーキB(C.I.45170)、ローダミンレーキY(C.I.45160)、アリザリンレーキ(C.I.58000)、チオインジゴレッドB(C.I.73300)、チオインジゴマルーン(C.I.73385)、パーマネントレッドFGR(C.I.12370)、PVカーミンHR、ワッチングレッド、モノライトファストレッドYS(C.I.59300)、パーマネントレッドBL、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ(C.I.42535)、ジオキサジンバイオレット、アルカリブルーレーキ(C.I.42750A、C.I.42770A)、ピーコックブルーレーキ(C.I.42090)、ピーコックブルーレーキ(C.I.42025)、ビクトリアブルーレーキ(C.I.44045)、フタロシアニンブルー(C.I.74160)、ファストスカイブルー(C.I.74180)、インダンスレンブルーRS(C.I.69800)、インダンスレンブルーBC(C.I.69825)、インジゴ(C.I.73000)、ピグメントグリーンB(C.I.10006)、ナフトールグリーンB(C.I.10020)、グリーンゴールド(C.I.12775)、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ(C.I.42000)、フタロシアニングリーン等が挙げられる。これらの着色剤の使用量は、インキ全量に対して0.5〜30重量%が好ましい。
着色剤に顔料を用いた場合は顔料を安定に分散させるために分散剤を使用することは差し支えない。分散剤として従来一般に用いられている水溶性樹脂もしくは水可溶性樹脂や、アニオン系もしくはノニオン系の界面活性剤などの、顔料の分散剤として用いられるものが使用できる。一例として、高分子分散剤として、リグニンスルホン酸塩、セラックなどの天然高分子、ポリアクリル酸塩、スチレン−アクリル酸共重合物の塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物の塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、リン酸塩、などの陰イオン性高分子やポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどの非イオン性高分子などが挙げられる。また、界面活性剤として、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などの陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤が挙げられる。これら水可溶性樹脂及び界面活性剤は、その1種または2種以上を選択し、併用しても使用できる。その使用量は、顔料10重量部に対し0.05〜20重量部が好ましい。
顔料の場合は、更に、水性媒体に分散した水性インキベースを用いることは、顔料インキ製造上有利なことである。具体的には、FujiSP Black8031、同8119、同8167、同8276、同8381、同8406、Fuji SP Red 5096、同5111、同5193、同5220、FujiSP Bordeaux 5500、Fuji SP Blue 6062、同6133、同6134、同6401、Fuji SP Green 7051、Fuji SPYellow 4060、同4178、Fuji SP Violet 9011、Fuji SP Pink 9524、同9527、Fuji SP Orange 534、FUjiSP Brown 3074、FUJI SP RED 5543、同5544(以上、富士色素(株)製)、Emacol Black CN、Emacol Blue FBB、同FB、同KR、EmacolGreen LXB、Emacol Violet BL、Emacol Brown 3101、EmacolCarmmine FB、Emacol Red BS、EmacolOrange R、Emacol Yellow FD、同IRN、同3601、同FGN、同GN、同GG、同F5G、同F7G、同10GN、同10G、Sandye SuperBlack K、同C、Sandye Super Grey B、Sandye Super Brown SB、同FRL、同RR、SandyeSuper GreenL5G、同GXB、Sandye Super Navy Blue HRL、同GLL、同HB、同FBL−H、同FBL−160、同FBB、Sandye Super VioletBL H/C、同BL、Sandye Super Bordeaux FR、Sandye Super Pink FBL、同F5B、Sandye Super RubineFR、Sandye super Carmmine FB、SandyeSuper Red FFG、同RR、同BS、Sandye SuperOrange FL、同R、同BO、SandyeGoldYellow5GR、同R、同3R、Sandye Ywllow GG、同F3R、同IRC、同FGN、同GN、同GRS、同GSR−130、同GSN−130、同GSN、同10GN(以上、山陽色素(株)製)、RioFast BlackFx 8012、同8313、同8169、Rio Fast Red Fx8209、同8172、Rio Fast Red S Fx 8315、同8316、RioFast Blue Fx 8170、Rio FastBlue FX 8170、Rio Fast Blue S Fx 8312、Rio Fast Green SFx 8314(以上、東洋インキ(株)製)、NKW−2101、同2102、同2103、同2104、同2105、同2106、同2107、同2108、同2117、同2127、同2137、同2167、同2101P、同2102P、同2103P、同2104P、同2105P、同2106P、同2107P、同2108P、同2117P、同2127P、同2137P、同2167P、NKW−3002、同3003、同3004、同3005、同3007、同3077、同3008、同3402、同3404、同3405、同3407、同3408、同3477、同3602、同3603、同3604、同3605、同3607、同3677、同3608、同3702、同3703、同3704、同3705、同3777、同3708、同6013、同6038、同6559(以上、日本蛍光(株)製)、コスモカラーS1000Fシリーズ(東洋ソーダ(株)製)、ビクトリアエローG−11、同G−20、ビクトリアオレンジ G−16、同G−21、ビクトリアレッドG−19、同G−22、ビクトリアピンク G−17、同G−23、ビクトリアグリーンG−18、同G−24、ビクトリアブルー G−15、同G−25(以上、御国色素(株)製)、ポルックスPC5T1020、ポルックスブラックPC8T135、ポルックス レッドIT1030等のポルックスシリーズ(以上、住化カラー(株)製)などが挙げられるものであり、これらは1種又は2種以上選択して併用できるものである。
ウェランガムは、アルカリゲネス属の一種であるATCC31555として入手可能な菌株を、米国特許第4342866号に詳しく開示されている方法で産生される多糖類である。グルコース、グルクロン酸、ラムノースからなる繰返し構造の主鎖と、主鎖中の1つのグルコースにラムノース、マンノース、フコース等が分岐した構造からなっている。具体例を挙げると、K1A96(米国、CP Kelco社製)等がある。
フェヌグリークガムは、地中海を原産地とするマメ科の植物の胚乳から得られる、ガラクトースとマンノースが1:1の多糖類で、具体例を挙げると、フェンファイバー(清光薬品工業(株)製)、フェヌグリーク((株)エアーグリーン製)等がある。
ウェランガムの添加量はインキ中の0.05重量%以上2重量%以下、フェヌグリークガムの添加量はウェランガムの10重量%以上80重量%以下が望ましいが、インキの組成や製造方法によって最適範囲が変化するので、これらに限ったものではない。
低温時でのインキの凍結防止、染料の可溶化剤、顔料の分散媒等、インキの種々の品質を担うインキ溶媒として、従来公知の水溶性有機溶媒が使用できる。具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。
着色剤を紙面に定着させるためなどで各種樹脂を併用することもできる。例えば、セラック、スチレン−マレイン酸共重合体及びその塩、スチレン−アクリル酸共重合体及びその塩、メチルスチレン−アクリル酸共重合体及びその塩、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、尿素樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアセタール、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルキルエーテル、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂やその水素添加物、ケトン樹脂、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸共重合物などが挙げられる。
黴の発生を防止するために、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、安息香酸ナトリウム、モルホリン、モルホリン誘導体などの防腐防黴剤を適宜加えることもできる。
インキのpHを調整するために、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、アミノメチルプロパンジオールなどの塩基性物質や、硫酸などの酸性物質を添加してもよい。
金属製のボールペンチップペン先の防錆のために、ジシクロヘキシルアンモニュームナイトライト、ジイソプロピルアンモニュームナイトライト、ジシクロヘキシルアンモニウムカプレート、ジシクロヘキシルアンモニウムラウレート、ジシクロヘキシルアンモニウムカルボネート、ベンゾトリアゾール、アルキルベンゾトリアゾール、エチレンジアミン四酢酸などを必要に応じて1種又は2種以上混合して用いることもできる。
インキの製造方法としては従来知られている種々の方法が採用できる。例えば、ボールミル、ビーズミル、ロールミル、ヘンシェルミキサー、プロペラ撹拌機、ホモジナイザー、ニーダー等の装置を使用して作ることが出来る。濾過や遠心分離を行い粗大粒子や気体を除いても良い。製造時に加熱や冷却や加圧や減圧や不活性ガス置換をしても良い。動力は電気でも加圧空気でも良い。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、組み合わせて使用しても良い。多糖類は良く溶かすことが肝要なので、良溶媒である水や水を含む溶液で十分溶かすことが望ましい。着色剤を入れると溶解状態が分かりにくいので、着色剤を入れる前に完全に溶かすことが望ましい。ママコが出来ないようにエタノールなどの貧溶媒に分散してから水などの良溶媒を添加しても良い。多糖類を併用する際はドライブレンドしてから加えても良い。
インキを収容するインキ収容体は、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等のインキの残量を確認できる透明又は半透明な高分子化合物を使用しても良いが、不透明高分子化合物や金属を使用しても差し支えない。また、インキがインキ収容体の内壁に付着することを抑制するためなど、必要に応じてインキ収容体内面にシリコーン樹脂やフッ素樹脂などを塗布して撥インキ処理をすることもできる。後端開口するインキ収容体の場合には、インキの洩れや乾燥を抑制するためにインキ後端の界面に接触させてインキ逆流防止体を配置してもよい。インキ逆流防止体としては高粘度不揮発性液体や不揮発性液体をゲル化したものやスポンジ状のものなど各種公知のものが使用でき、フロートを併用しても良い。
ボールペンのボールを回転自在に抱持するボールホルダーの材質には金属や合成樹脂が使用できる。金属としては洋白、真鍮、ステンレス等が、また合成樹脂としてはポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ナイロン樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアクリレート樹脂等が用いられる。
ボールペンのボールは、基材としてタングステンカーバイド等からなるいわゆる超硬合金、ステンレス、セラミックス、ルビーなど、ボールホルダーより硬い材料が好適に選択され、更に酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素などを表面に有しても良い。
ボールの直径は0.1mmから2.0mm程度までがよく使用されているがこれに限定するものではない。またペン先の密閉性を高めるために、ボールホルダー内にコイルスプリング等の弾性体を配置しても良い。
ボールやボールホルダーの表面を撥水撥油剤で被覆してもよい。撥水撥油剤としては撥水または撥油効果を持たせるものであれば何を使用してもよく、具体的にはフッ素やシリコンを含有したものが好適に使用できる。撥水撥油剤にて被覆する際、ボールをボールホルダーに抱持させたボールペンチップの状態で被覆処理してもよく、あるいはボールやボールホルダーそれぞれを被覆処理してもよい。
撥水撥油剤の一例を挙げると、フッ素を含有したものでは、フッ素含有界面活性剤、フッ素樹脂、熱可塑性フッ素樹脂、フッ素系ポリマー、フッ素オイル、フッ素含有シランカップリング剤、フッ素含有芳香族化合物、有機溶剤、乳化剤、界面活性剤等を含有してなるフッ素樹脂塗料、合成樹脂溶液にフッ素樹脂を分散させた変性フッ素樹脂塗料、フッ素を含有しためっき液などが使用できる。
これらの、ボールやボールホルダー表面に撥水撥油剤を被覆させる方法には、浸積、プレー噴霧、めっき、超臨界二酸化炭素処理などが挙げられる。浸積の際にプロペラ攪拌やボールミル、超音波振動の付与などの機械的な力を付与してもよい。更にボールやボールホルダー表面に被覆した撥水撥油剤の固着処理として、電気炉や高周波誘導装置などを使用した焼き付けや紫外線照射などをしてもよい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。各実施例中単に「部」とあるのは「重量部」を表す。
実施例1
水 51.93部
K1A96(ウェランガム、CP Kelco社製) 0.20部
フェヌグリーク(フェヌグリークガム、((株)エアーグリーン製) 0.02部
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(防黴剤) 0.05部
EM Black K−14(黒色分散顔料、東洋インキ(株)製)25.00部
エチレングリコール(水溶性有機溶剤) 10.00部
グリセリン(水溶性有機溶剤) 10.00部
トリエタノールアミン(pH調整剤) 1.00部
ベンゾトリアゾール(防錆剤) 1.00部
サルコシネートOH(界面活性剤、日光ケミカルズ(株)製) 0.50部
エチレンジアミン四酢酸(キレート剤) 0.30部
水、K1A96、フェヌグリークガム、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンを混合して24時間程度放置した後、ホモジナイザー(IKA社製T−25、ジェネレーターS25N−25G、回転数3400〜24000rpm間で適宜調整。必要に応じて冷却。)で5分間攪拌する。その中に残りの材料を加え、更に5分間攪拌する。5ミクロンフィルターを通して黒色のボールペン用水性インキ組成物を得た。
実施例2
水 70.26部
K1A96 0.10部
フェヌグリーク 0.08部
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.05部
ダイワレッド103WB(赤色染料、ダイワ化成(株)製) 3.50部
Water Yellow #6C(黄色染料、オリエント化学工業(株)製)
3.50部
エチレングリコール 5.00部
グリセリン 10.00部
チオジグリコール(水溶性有機溶剤) 5.00部
トリエタノールアミン 1.00部
ベンゾトリアゾール 1.00部
フォスファノールML−220(界面活性剤、東邦化学工業(株)製)0.20部
エチレンジアミン四酢酸 0.30部
AKP−20(アルミナ、住友化学(株)製) 0.01部
K1A96とフェヌグリークガムをミキサーでドライブレンドした後、水と、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンを加え、ホモジナイザー(IKA社製T−25、ジェネレーターS25N−25G、回転数3400〜24000rpm間で適宜調整。必要に応じて冷却。)で10分間攪拌する。その中に残りの材料を加え、更に5分間攪拌する。5ミクロンフィルターを通して橙色のボールペン用水性インキ組成物を得た。
実施例3
水 31.74部
K1A96 0.50部
フェヌグリーク 0.20部
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.05部
NKW−2105E(黄色着色樹脂球、日本蛍光化学(株)製) 45.00部
グリセリン 10.00部
チオジグリコール(水溶性有機溶剤) 10.00部
トリエタノールアミン 1.00部
ベンゾトリアゾール 1.00部
サルコシネートOH 0.50部
AKP−20 0.01部
水、K1A96、フェヌグリークガム、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンを混合して、ホモジナイザー(IKA社製T−25、ジェネレーターS25N−25G、回転数3400〜24000rpm間で適宜調整。必要に応じて冷却。)で15分間攪拌する。その中に残りの材料を加え、更に5分間攪拌する。5ミクロンフィルターを通して青色のボールペン用水性インキ組成物を得た。
実施例4
水 36.97部
K1A96 0.30部
フェヌグリーク 0.18部
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.05部
Water Black 191L(黒色染料溶液、オリヱント化学工業(株)製)
10.00部
Water Black L200(黒色染料溶液、オリヱント化学工業(株)
製) 30.00部
エチレングリコール 10.00部
チオジグリコール 10.00部
トリエタノールアミン 1.00部
ベンゾトリアゾール 1.00部
フォスファノールML−220 0.20部
エチレンジアミン四酢酸 0.30部
水、K1A96、フェヌグリークガム、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンを混合して50℃に6時間程度放置した後、ホモジナイザー(IKA社製T−25、ジェネレーターS25N−25G、回転数3400〜24000rpm間で適宜調整。必要に応じて冷却。)で5分間攪拌する。その中に残りの材料を加え、更に5分間攪拌する。5ミクロンフィルターを通して黒色のボールペン用水性インキ組成物を得た。
実施例5
実施例1にて、水を51.94部、フェヌグリークを0.01部にした以外は実施例1と同様になした、黒色のボールペン用水性インキ組成物。
実施例6
実施例1にて、水を51.75部、フェヌグリークを0.20部にした以外は実施例1と同様になした、黒色のボールペン用水性インキ組成物。
比較例1
実施例1にて、フェヌグリークを除き、その分、水を加えた以外は実施例1と同様になした、黒色のボールペン用水性インキ組成物。
比較例2
実施例1にて、フェヌグリークを除き、U−3003(ウレタン樹脂エマルジョン、東邦化学(株)製)を0.02部加え、水を51.75部にした以外は実施例1と同様になした、黒色のボールペン用水性インキ組成物。
比較例3
実施例1にて、フェヌグリークを除き、ウェランガムを0.80部、水を51.35部した以外は実施例1と同様になした、黒色のボールペン用水性インキ組成物。
比較例4
実施例1にて、フェヌグリークを除き、アエロジル300(多孔質シリカ、日本アエロジル(株)製)を0.20部加え、水を51.75部にした以外は実施例1と同様になした、黒色のボールペン用水性インキ組成物。
比較例5
実施例1にて、フェヌグリークを除き、ジュンロンPW−110(架橋型ポリアクリル酸、東亜合成(株)製)を0.40部加え、水を51.55部にした以外は実施例1と同様になした、黒色のボールペン用水性インキ組成物。
比較例6
実施例1にて、フェヌグリークを除き、Salcare SC−91(膨潤性球状樹脂粒子、BASF社製)を0.30部加え、水を51.65部にした以外は実施例1と同様になした、黒色のボールペン用水性インキ組成物。
試験サンプルボールペン
ぺんてる(株)製LRN5(直径0.5mmの超硬合金製のボール、ステンレス製ボールホルダー、合成樹脂製チップホルダー、透明合成樹脂製中空パイプ(インキタンク)で構成されたノック式ボールペン用リフィル。パイプに実施例1〜4、比較例1〜3のインキを各々0.8g、シリコーンオイルインキフォロワーを0.1g充填した。300G10分間の遠心脱泡処理をして試験サンプルボールペンとした。
粘度
Anton Paar社製レオメーター Physica MC301 コーンプレート CP−25、温度25℃にて、剪断速度0.005/s〜500/sの範囲を対数比で25等分し、剪断速度毎に10秒間ずつ剪断応力を測定して粘度を算出した。降伏値の粘度が高いほどインキ漏れ出しが生じにくい。
インキ漏れ出し量
夫々の試験サンプルボールペンを上質紙(JIS P3201筆記用紙)に筆記速度7cm/秒、筆記角度70゜、筆記荷重100gの条件で、200mmの直線筆記を行い、インキ吐出を確認した後、各サンプルの重量を測定し、初期重量とする。
次いで、25℃湿度40%の環境に、ペン先を下向きにして1週間靜置した後、濾紙でペン先に付着したインキを拭き取って、各サンプルの重量を測定し、経時後の重量とする。
初期重量と経時後の重量の差をインキ漏れ出し量とし、5本の試験サンプルの最大値で評価した。少ない方が良く、特に、0.20mg以下なら書き出し時の筆跡が太くなる不具合が目立たないので実用上問題がない。
筆記抵抗値
夫々の試験サンプルボールペンを、(株)トリニティーラボ製のTRIBO−MASTER(TYPE:TL201SA)を使用して、筆記角度70°、荷重100g、筆記速度7cm/secの条件で筆記させた時の筆記方向の抵抗値(単位:gf)を測定した。1回測定する毎に120°回転させて向きを変え、計3回測定する。3本の試験サンプルを測定し、最大値で評価した。数値が大きいほど筆記抵抗が大きく書き味が悪い。抵抗値が3gf以上異なると筆記感が違うものと感じる。
Figure 2014091748
実施例1〜4は、ウェランガムとフェヌグリークガムの比率が1:0.1〜1:0.8の範囲のインキであるが、いずれも筆記抵抗値が小さく滑らかに書けて筆記感が良く、インキの漏れ出しがない。これは、降伏値の剪断速度が0.05/s以下で、降伏値の粘度が30000mPa/s以上になるインキの特性によるものである。実施例5はウェランガムとフェヌグリークガムの比率が1:0.05のインキであるが、降伏値の粘度が31200mPa・sでありインキ漏れ出し量が少し多い。実施例6はウェランガムとフェヌグリークガムの比率が1:1のインキであるが、筆記抵抗値が少し大きくなった。
比較例1は多糖類がウェランガムのみのインキであり、降伏値の粘度が18900mPa・sでインキの漏れ出しが多い。比較例2は増粘剤ウェランガムの添加量を増やして降伏値の粘度を30000mPa・s以上にしたインキであるが、筆記抵抗が大きく劣化している。比較例3は特許文献2記載の樹脂エマルジョンを添加したインキであり、比較例4は特許文献3記載の微粒子シリカを添加したインキであり、比較例5は特許文献4相当の架橋型ポリアクリル酸を入れたインキであり、比較例6は特許文献5記載の膨潤性球状樹脂粒子を入れたインキであるが、いずれも筆記抵抗が大きくなって筆記感が著しく劣化している。また降伏値の粘度が低く、インキの漏れ出し防止効果も不十分であった。
以上のように、本発明のボールペン用水性インキ組成物は、ペン先を下向きに放置してもインキの漏れ出しがなく、且つ軽く書けて筆記感が良いものである。

Claims (1)

  1. 水と、着色剤と、ウェランガムと、フェヌグリークガムとを少なくとも含有するボールペン用水性インキ組成物。
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