JP2013219527A - 画像処理装置、画像形成装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】形成対象の画像の混色状態を調整することで、当該画像に対する位置ずれの補正によって形成画像に生じうる色味ムラを低減する技術を提供する。
【解決手段】本発明の画像処理装置は、入力画像データに含まれる各色の画素値を用いて形成される各色のドットを重ね合わせた場合の混色状態を示し、各色のドットの重なり具合に応じて変化するパラメータ(並置混色度)を、入力画像データにおける画素ごとに計算する。画像処理装置は、入力画像データにおいて、細密パターンに相当する特定のパターンを検出し、当該パターンに対応する画素を検出する。画像処理装置は、更に、検出した特定の細密パターンに対応し、かつ、並置混色度が所定の適正範囲内の値を示さない画素を特定するとともに、特定した画素の並置混色度を当該適正範囲内に調整するための画像処理(ぼかし処理)を、入力画像データに対して実行する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の画像処理装置は、入力画像データに含まれる各色の画素値を用いて形成される各色のドットを重ね合わせた場合の混色状態を示し、各色のドットの重なり具合に応じて変化するパラメータ(並置混色度)を、入力画像データにおける画素ごとに計算する。画像処理装置は、入力画像データにおいて、細密パターンに相当する特定のパターンを検出し、当該パターンに対応する画素を検出する。画像処理装置は、更に、検出した特定の細密パターンに対応し、かつ、並置混色度が所定の適正範囲内の値を示さない画素を特定するとともに、特定した画素の並置混色度を当該適正範囲内に調整するための画像処理(ぼかし処理)を、入力画像データに対して実行する。
【選択図】図1
Description
本発明は、画像処理装置、画像形成装置及びプログラムに関するものである。
近年、電子写真方式、インクジェット方式等を採用したプリンタ、複写機等の画像形成装置には、出力画像の高画質化及び画像形成の高速化がますます求められている。特に、電子写真方式のマルチカラーの画像形成装置の場合、高速化を実現するために、それぞれ異なる色に対応した複数の感光体を使用する技術が知られている。このような画像形成装置は、各色の顕像を各感光体上に形成し、それらの顕像を順に感光体から転写体または記録材上に重ね合わせて転写することで、マルチカラープリントを実現するタンデム方式に対応している。
ところが、画像形成装置には、印字機構から発生する様々な要因から走査線に傾き及び湾曲が生じることがある。電子写真方式の場合には、感光体を露光する偏向走査ユニットのレンズの不均一性及び取り付け位置のずれ、並びに偏向走査ユニットの画像形成装置本体への組み付け位置のずれ等によって、偏向走査ユニットによる走査線に傾き及び湾曲が生じる。即ち、偏向走査ユニットによる実際の走査線の位置が、その理想的な位置からずれる位置ずれが発生する。特に、複数の感光体を使用するマルチカラーの画像形成装置の場合、走査線に生じる傾き及び湾曲(位置ずれ)が色ごとに異なることがある。その結果、転写体または記録材上に顕像を重ねて転写した際に、それらの像の相対的な位置がずれる色ずれが生じ、画質劣化が生じることになる。
このような走査線の位置ずれ、及びその結果として生じる色ずれに対する対処方法として、特許文献1の技術が提案されている。特許文献1では、偏向走査装置を画像形成装置本体へ組み付ける工程において、光学センサを用いて走査線の傾きの大きさを測定するとともに、その測定結果に基づき、偏向走査装置の傾きを機械的に調整することで走査線の傾きを調整する技術が提案されている。
しかし、このような機械的な調整には、高精度な調整装置及び可動部材が必要となるため、コストが高くなる可能性があり、パーソナル用途の安価な画像形成装置に対して本技術を適用することは難しい。また、マルチカラーの画像形成装置では、近年、コストダウンのために、偏向走査装置を共通化し、それぞれ異なる色に対応した複数の感光体の表面を単一の偏向走査装置がレーザ光で走査する場合もある。この場合、特許文献1に記載の技術によって、色ごとに走査線の調整を行うことは難しい。
このような機械的な調整(補正)ではなく、電気的に走査線の傾き及び湾曲を補正する方法が提案されている。特許文献2では、光学センサを用いて走査線の傾き及び湾曲の大きさを測定し、その測定結果に基づき、それらを相殺するようにビットマップ画像データを補正するとともに、補正後の画像データを用いて画像を形成する方法が提案されている。この方法では、上記の測定結果に基づいてビットマップ画像データを処理することで走査線を電気的に補正するため、機械的な調整部材や組立時の調整工程が不要となる点で、特許文献1に記載の方法よりも安価に走査線の位置ずれに対処できる。特許文献2による位置ずれの補正は、1画素単位の補正と1画素未満の補正とに分かれる。1画素単位の補正では、走査線の傾き及び湾曲についての補正量に応じて、画像データの各画素の位置を、1画素単位の補正量で副走査方向へオフセットさせる。また、1画素未満の補正では、画像データの各画素の階調値と、当該画素に対して副走査方向に隣接する画素の画素値とを調整する。この1画素未満の補正により、1画素単位の補正による補正後の画像を平滑化することができる。
しかし、特許文献2の手法による補正を、短周期に繰り返される(即ち、規則的で空間周波数の高い)、細線及びドット等のパターンを含む細密パターン画像の画像データに適用すると、形成される細密パターン画像に濃淡ムラ(濃度ムラ)が発生しうる。
図24は、細密パターン画像において生じる濃度ムラについて示している。同図では、各画素の階調値を0〜100(%)の数値で示している。図24(a)は、走査方向に沿った2ドット幅の細線(ライン画像)から成る細密パターン画像の一部に対応する画像データである。図24(a)に示すパターンは、細密パターン画像全体にわたって繰り返されている。図24(b)は、図24(a)に示す画像データに対して、特許文献2の手法による補正を適用した場合に得られる画像データの一例を示している。一般に、電子写真方式の画像形成装置では、1画素未満の階調値はパルス幅変調(PWM)によって形成される。図24(b)に示す補正後の画像データを用いて記録材上に画像を形成した場合、図24(c)に示すような画像が形成される。
図24(a)に示すように、入力画像に含まれるラインの幅(ライン画像の濃度)は走査方向に沿って一定であるにも関わらず、実際に記録材に形成されるライン画像の濃度は、図24(c)に示すように、走査方向において不均一となりうる。即ち、補正後の画像データに基づいて形成した画像では、図24(d)に示すように、走査方向における位置(走査位置)p0〜p10ごとに、ライン画像の濃度が変化してしまい、走査方向において不均一な濃度となってしまう。これは、電子写真方式の画像形成装置では、PWMによって生成されたパルスの幅とレーザの光量との関係が線形にはならないことに起因する。更に、1ドット以下のサイズのドットを形成する際に、露光−現像−転写−定着の工程を経る過程で、非線形な要因の影響を受けることに起因する。このような理由によって、画像データにおける各画素の階調値と、実際に形成されるドットサイズ及び濃度との関係が線形とはならず、形成されるラインの幅が不均一となりうる。
例えば、走査位置p0及びp10に形成される理想的なドットと比較して、走査位置p1及びp9では、階調値10%に相当する微小なドットが、電子写真特性に起因して不安定化し、最終的にはほとんど形成されず、濃度が薄くなる傾向にある。一方で、走査位置p3〜p7では、縦方向(走査方向に直交する副走査方向)に沿って隣接したドットの連結が強くなる結果、安定してドットが形成され、濃度が濃くなりすぎる傾向にある。
このようなラインの濃度の不均一性は、画像内にラインが単独で存在する場合にはそれほど目につかず、問題とならない。一方で、画像内に短い間隔で繰り返される複数のライン(細密ライン・パターン)が存在する場合、ラインを形成するドット形状の変化が濃度の変化として顕在化する。この濃度変化が画像内で周期的に生じることによって、帯状の濃淡ムラが目につくようになり、画質が劣化する問題があった。
上述のような問題に対処するために、特許文献3では、テストパターン画像をセンサで読み取って得られる測定値に基づいて、1画素未満の単位の補正量で、画像の位置を調整することで、形成される画像に生じうる濃淡ムラを低減する手法が提案されている。
ここで図25を用いて、特許文献3の技術によって、ライン画像を形成した場合に生じる濃淡ムラ(図24)を低減する方法について説明する。図24(d)によれば、走査位置p0及びp10の理想的なドットと比較して、走査位置p1及びp9のドットは薄く、p3〜p7のドットは濃くなる。このため、図24(b)に示す画像データを、図25(b)に示す値に調整する。
図25(b)では、走査位置p1及びp9では、ドットを濃くするために、ラインの縦方向(副走査方向)における重心位置のドットは変化させず、その上下に隣接した階調値90%及び10%のドットを、等比率で濃くしている。具体的には、それらのドットについて、5%程度の比率で濃度を濃くしている。また、走査位置p3〜p7では、ドットを薄くするために、ラインの縦方向の重心位置を変化させず、当該重心位置にある階調値100%のドットを、走査位置p0及びp10の理想的なドットと比べて濃くなっている分だけ薄くしている。具体的には、それらのドットについて、30%程度の比率で濃度を薄くしている。
図25(c)は、図25(b)に示す画像データに基づいて形成される画像(形成画像)であり、走査位置p5等における、ラインの重心位置にあるドットが、図24(c)に比べて少し小さくなっていることがわかる。その結果、図25(d)に示すように、走査位置p0〜10において濃度がほぼ均一となり、形成画像に生じる濃淡ムラが低減されることがわかる。
特許文献3の技術を用いて形成画像の位置を補正することによって、単色の細密パターン画像を形成する場合には上述のような濃淡ムラを低減することが可能である。しかし、それぞれ異なる色の複数の画像を重ね合わせることによって、混色状態の画像(マルチカラー画像)を形成する場合、形成画像の位置の補正に伴う混色状態の変化が、形成画像に色味ムラを発生させるおそれがある。
一般に、異なる色のドットを重ね合わせて混色された特定色のドットを形成する場合、異なる色のドットの重なり具合に依存して、形成されたドットの発色作用が変化する。例えば、異なる色のドットが完全に重なり合った、減法混色による混色状態と、異なる色のドットが並べて配置された、並置混色による混色状態とでは、並置混色よりも減法混色の方が暗い発色作用を有する色が形成される。このため、例えば入力画像において異なる色のドットの重なり具合が均一であった場合に、特許文献3のように、形成画像の位置補正のためにドットの形状を変化させると、異なる色間のドットの重なり具合が変化して、混色状態が変化する。その結果、混色されたドットの発色作用がドットごとに異なる状態に変化し、そのような発色作用の変化が形成画像に色味ムラを生じさせうる。
このような発色作用の変化は、入力画像が細密パターン画像である場合に顕在化しうる。例えば、複数の色が混色されて単独のラインが形成される場合には、色ごとの形成画像の位置ずれ補正に伴う色味の変化は、それほど目につくことはなく、問題とはなりにくい。一方で、例えば、そのようなラインが画像内で短い間隔で繰り返される細密パターン画像の場合、各ラインに沿って、ドット形状の異なる変化が色味の変化として現れるとともに、ラインの繰り返しによって、形成画像内で色味の変化が周期的に発生する。即ち、入力画像が細密パターン画像である場合、形成画像において帯状の色味ムラが発生し、画質が劣化する問題がある。
特に、入力画像が、異なる色の細密パターンが完全に重なり合っている状態(後述する並置混色度=0%)、または異なる色の細密パターンが全く重なり合っていない状態(後述する並置混色度=100%)である場合には、そのような色味ムラが発生しやすい。このような場合、色ごとの形成画像の位置ずれ補正に伴って各ドットの形状がわずかに変化したとしても、発色作用の異なる混色状態が生じてしまうためである。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものである。本発明は、形成対象の画像の混色状態を調整して、当該画像に対する位置ずれの補正によって形成画像に生じうる色味ムラを低減する技術を提供することを目的としている。
本発明は、例えば、画像処理装置として実現できる。画像処理装置は、複数の色に対応する複数の色成分データを含み、マルチカラー画像を形成するための入力画像データに対する画像処理を行う画像処理装置であって、入力画像データに含まれる各色の画素値を用いて形成される各色のドットを重ね合わせた場合の混色状態を示し、各色のドットの重なり具合に応じて変化するパラメータを、入力画像データにおける画素ごとに計算する計算手段と、入力画像データにおいて特定のパターンを検出するとともに、当該特定のパターンに対応する画素を検出する検出手段と、入力画像データにおいて、検出手段によって検出された特定のパターンに対応し、かつ、計算手段によって計算されたパラメータが所定の適正範囲内の値を示さない画素を特定する特定手段と、特定手段によって特定された画素のパラメータを所定の適正範囲内に調整するための画像処理を、入力画像データに実行する実行手段とを備えることを特徴とする
本発明によれば、形成対象の画像の混色状態を調整することで、当該画像に対する位置ずれの補正によって形成画像に生じうる色味ムラを低減する技術を提供できる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
[第1の実施形態]
第1の実施形態では、本発明の適用例として、電子写真方式による、中間転写ベルトを採用したタンデム方式の4ドラム・マルチカラー画像形成装置について説明する。
第1の実施形態では、本発明の適用例として、電子写真方式による、中間転写ベルトを採用したタンデム方式の4ドラム・マルチカラー画像形成装置について説明する。
<画像形成装置の構成>
まず、図2を参照して、画像形成装置10の構成について説明する。本実施形態において、画像形成装置10は、600dpiの解像度で画像を形成するカラー画像形成装置である。画像形成装置10では、まず、画像処理部(図4に示す画像処理部40)によってパルス幅変調(PWM)を用いて生成される露光制御信号に従って、感光ドラム(感光体)22Y,22M,22C,22K(以下、簡略化のため「22Y,M,C,K」と表記する。他の部材についても同様に表記する。)の表面に、それぞれ静電潜像が形成される。これらの静電潜像が各色のトナーを用いて現像されることで、モノカラー(単色)のトナー像が各感光ドラム(感光体)22Y,M,C,Kの表面に形成される。最終的に、これらのトナー像が記録材の表面に重ね合わせて転写されることで、当該記録材の表面にマルチカラー(多色)のトナー像が形成される。なお、画像形成装置10は、イエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色、ブラック(K)色の4色のトナーを用いてマルチカラーのトナー像を形成する。以下では、画像形成装置10が実行する画像形成動作について、より詳細に説明する。
まず、図2を参照して、画像形成装置10の構成について説明する。本実施形態において、画像形成装置10は、600dpiの解像度で画像を形成するカラー画像形成装置である。画像形成装置10では、まず、画像処理部(図4に示す画像処理部40)によってパルス幅変調(PWM)を用いて生成される露光制御信号に従って、感光ドラム(感光体)22Y,22M,22C,22K(以下、簡略化のため「22Y,M,C,K」と表記する。他の部材についても同様に表記する。)の表面に、それぞれ静電潜像が形成される。これらの静電潜像が各色のトナーを用いて現像されることで、モノカラー(単色)のトナー像が各感光ドラム(感光体)22Y,M,C,Kの表面に形成される。最終的に、これらのトナー像が記録材の表面に重ね合わせて転写されることで、当該記録材の表面にマルチカラー(多色)のトナー像が形成される。なお、画像形成装置10は、イエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色、ブラック(K)色の4色のトナーを用いてマルチカラーのトナー像を形成する。以下では、画像形成装置10が実行する画像形成動作について、より詳細に説明する。
画像形成装置10は、それぞれが異なる色のトナーで単色のトナー像を対応する複数の感光ドラム22Y,M,C,K上に形成する4個の画像形成ステーションを備える。4個の画像形成ステーションは、複数の感光ドラム22Y,M,C,Kと、一次帯電器である注入帯電器23Y,M,C,Kと、スキャナ部24Y,M,C,Kとをそれぞれ備える。4個の画像形成ステーションは、更に、トナーカートリッジ25Y,M,C,Kと、現像器26Y,M,C,Kとをそれぞれ備える。画像形成装置10は、これら4個の画像形成ステーションにおいて感光ドラム22Y,M,C,K上に形成されたトナー像が転写される中間転写体(中間転写ベルト)27を備える。
感光ドラム22Y,M,C,Kは、それぞれ異なる駆動モータ(不図示)の駆動力によって回転する。注入帯電器23Y,M,C,Kは、それぞれスリーブ23YS,MS,CS,KSを備え、それぞれ対応する感光ドラム22Y,M,C,Kを帯電させる。スキャナ部24Y,M,C,Kは、帯電した感光ドラム22Y,M,C,Kの表面をレーザ光(光ビーム)で露光することによって、対応する感光ドラム上に静電潜像を形成する。現像器26Y,M,C,Kは、スリーブ26YS,MS,CS,KSをそれぞれ備える。現像器26Y,M,C,Kは、トナーカートリッジ25Y,M,C,Kから供給されるそれぞれ異なる色のトナーで、感光ドラム22Y,M,C,K上の静電潜像を現像する。具体的には、現像器26Y,M,C,Kは、それぞれY色、M色、C色、K色のトナーを用いて各感光ドラム22Y,M,C,K上の静電潜像を可視化することで、各感光ドラムの表面に各色のトナー像を形成する。
中間転写体27は、図2に示すように、感光ドラム22Y,M,C,Kに接触する位置に配置されている。中間転写体27は、画像形成の際には、駆動ローラ16の駆動力によって回転しながら、その表面に各感光ドラム22Y,M,C,Kから単色のトナー像が順に重ねて転写(1次転写)される。これにより、中間転写体27の表面に多色のトナー像が形成される。なお、駆動ローラ16は、中間転写体27用の駆動モータ(不図示)によって駆動される。
中間転写体27上に形成された多色のトナー像は、当該中間転写体の回転に伴って、当該中間転写体と転写ローラ28との間のニップ部に搬送される。トナー像が当該ニップ部に搬送されるタイミングに合わせて、記録材11が給紙部21aまたは21bから給紙され、搬送路上を当該ニップ部まで搬送される。転写ローラ28は、当該ニップ部において、搬送された記録材11を介して中間転写体27に当接する。転写ローラ28が中間転写体27に当接している間に、中間転写体27上に形成された多色のトナー像が記録材11上に転写(2次転写)される。これにより、記録材11上に多色のトナー像が形成される。中間転写体27から記録材11への2次転写が終了すると、転写ローラ28は中間転写体27から離間する。
多色のトナー像が転写された記録材11は、その後、搬送路上を定着部30へ搬送される。定着部30は、搬送路上を搬送される記録材11上のトナー像を溶融させ、記録材11上に定着させる。定着部30は、記録材11を加熱するための定着ローラ31と、記録材11を定着ローラ31に圧接させるための加圧ローラ32とを備える。定着ローラ31及び加圧ローラ32は、中空状に形成され、内部にはそれぞれヒータ33、34が内蔵されている。表面に多色のトナー像を保持した記録材11は、定着部30において、定着ローラ31及び加圧ローラ32によって搬送ながら、熱及び圧力を加えられる。これにより、記録材11の表面にトナーが定着する。トナーの定着後、記録材11は、排出ローラ(不図示)によって排紙トレイ(不図示)に排出される。以上により、記録材11への画像形成動作が終了する。
中間転写体27の近傍に設けられたクリーニング部29は、クリーナ容器を備え、記録材11へのトナー像の2次転写後に中間転写体27上に残留したトナー(廃トナー)を回収する。クリーニング部29は、回収した廃トナーを当該クリーナ容器に蓄える。このようにして、クリーニング部29は、中間転写体27の表面をクリーニングする。
本実施形態では、中間転写体27を備えた画像形成装置10(図2)について説明するが、本発明は、感光ドラム22Y,M,C,K上に形成されたトナー像を記録材に直接転写する一次転写方式の画像形成装置に対しても適用できる。この場合、図2に示す中間転写体27は、搬送ベルトに置き換えられればよい。また、本実施形態では、感光ドラム22Y,M,C,Kのそれぞれについて異なる駆動を設いているが、すべての感光ドラムについて共通の(単一の)モータが用いられてもよい。
なお、以下では、スキャナ部24Y,M,C,Kから出力されたレーザ光による、感光ドラム22Y,M,C,Kの表面の走査方向を主走査方向、主走査方向に直交する方向を副走査方向と称する。副走査方向は、記録材11の搬送方向(=中間転写体27の回転方向)に相当する。
<画像形成装置における走査線の傾き及び湾曲>
次に、図3を参照して、画像形成装置10において起こりうる、感光ドラム22Y,M,C,Kの表面上における光ビームの走査線の傾き及び湾曲について説明する。上述したように、画像形成装置10に対するスキャナ部24Y,M,C,Kと感光ドラム22Y,M,C,Kとの取り付け位置のずれに起因して、スキャナ部24Y,M,C,Kから出力されたレーザ光による走査線に傾き及び湾曲が起こりうる。また、スキャナ部24Y,M,C,K内のレンズ(不図示)の特性の歪みに起因しても、そのような走査線の傾き及び湾曲が起こりうる。このように、レーザ光による実際の走査線に傾き及び湾曲が生じることによって、走査線の実際の位置が、その理想的な走査線の位置からずれることになる。以下では、レーザ光による実際の走査線に生じる、その理想的な走査線の位置からずれを「位置ずれ」と称する。
次に、図3を参照して、画像形成装置10において起こりうる、感光ドラム22Y,M,C,Kの表面上における光ビームの走査線の傾き及び湾曲について説明する。上述したように、画像形成装置10に対するスキャナ部24Y,M,C,Kと感光ドラム22Y,M,C,Kとの取り付け位置のずれに起因して、スキャナ部24Y,M,C,Kから出力されたレーザ光による走査線に傾き及び湾曲が起こりうる。また、スキャナ部24Y,M,C,K内のレンズ(不図示)の特性の歪みに起因しても、そのような走査線の傾き及び湾曲が起こりうる。このように、レーザ光による実際の走査線に傾き及び湾曲が生じることによって、走査線の実際の位置が、その理想的な走査線の位置からずれることになる。以下では、レーザ光による実際の走査線に生じる、その理想的な走査線の位置からずれを「位置ずれ」と称する。
図3は、感光ドラム22Yの表面がレーザ光によって走査される際の走査線に生じる傾き及び湾曲(位置ずれ)の一例を示している。同図において、水平方向が主走査方向、垂直方向が副走査方向である。水平方向に沿った走査線301は、傾き及び湾曲の生じていない、直線上の理想的な走査線を示している。走査線302は、上述した要因によって傾き及び湾曲が発生した、実際の走査線を示しており、理想的な走査線301に対して位置ずれが生じている。図3では、感光ドラム22Y上の走査線について示しているが、感光ドラム22M,C,K上にも同様の走査線が形成される。このような走査線の傾き及び湾曲(位置ずれ)が複数色について発生することによって、中間転写体27上に当該複数色のトナー像を重ねて転写した際に、各トナー像の相対的な位置がずれる「色ずれ」が発生する結果となる。
本実施形態では、感光ドラム22Y上の走査線の左端(位置A)を基準として、中央(位置B)、右端(位置C)における、理想的な走査線301と実際の走査線302との差分を、副走査方向のずれ量eY1,eY2[mm]として測定する。また、感光ドラム22M,C,Kのドラム上のずれ量についても同様に、eM1,eM2,eC1,eC2,eK1,eK2として測定する。図3に示すように、位置A,B,Cについて、位置Bを基準(0[mm])とし、位置Aを−L1[mm]、位置Cを+L2[mm]として表す。また、ポイントPa,Pb,Pcは、副走査方向の位置A,B,Cについて測定された実際の走査線302の走査位置を表す。
本実施形態では、感光ドラム22Y,M,C,K上の主走査方向の領域を、上記の複数のポイントPa,Pb,Pcを基準として複数の領域に分割し、Pa〜Pb間を領域A、Pb〜Pc間を領域Bとする。Pa〜Pb間,及びPb〜Pc間を線形補間することによって得られる直線Lab,Lbcで、領域A及びBのそれぞれにおける走査線(の傾き)を近似するものとする。2つのポイント間のずれ量の差分(領域AについてはeY1、領域BについてはeY2−eY1)に基づいて、対応する領域の走査線の傾きを判断することができる。例えば、計算した差分が正の値である場合、対応する領域の走査線は右上がりの傾きを有し、負の値である場合、右下がりの傾きを有する。
<画像処理部40の構成及び動作>
次に、図4を参照して、本実施形態に係る画像処理部40の構成及びその動作について説明する。画像形成装置10は、画像処理部40によって、複数の色に対応する複数の画像データ(Y,M,C及びK色の色成分データ)を含み、マルチカラー画像を形成するための入力画像データに対する画像処理を行う。具体的には、画像処理部40は、走査線の傾き及び湾曲(位置ずれ)を補正するための補正処理を実行し、当該補正処理を施した画像データに基づくPWMを行って、上述した露光制御信号を生成する。生成された露光制御信号は、スキャナ部24Y,M,C,Kにおける露光に用いられる。画像処理部40は、更に、かかる補正処理に起因して形成画像に発生しうる色味ムラを低減するために、入力画像の混色状態を調整する画像処理を、Y,M,C及びK色の画像データ(色成分データ)に対して予め実行する。
次に、図4を参照して、本実施形態に係る画像処理部40の構成及びその動作について説明する。画像形成装置10は、画像処理部40によって、複数の色に対応する複数の画像データ(Y,M,C及びK色の色成分データ)を含み、マルチカラー画像を形成するための入力画像データに対する画像処理を行う。具体的には、画像処理部40は、走査線の傾き及び湾曲(位置ずれ)を補正するための補正処理を実行し、当該補正処理を施した画像データに基づくPWMを行って、上述した露光制御信号を生成する。生成された露光制御信号は、スキャナ部24Y,M,C,Kにおける露光に用いられる。画像処理部40は、更に、かかる補正処理に起因して形成画像に発生しうる色味ムラを低減するために、入力画像の混色状態を調整する画像処理を、Y,M,C及びK色の画像データ(色成分データ)に対して予め実行する。
画像形成装置10がホストコンピュータ(不図示)等から受信した印刷データ(PDLデータ、ビットマップデータ等)は、画像処理部40に入力される。画像処理部40に入力された印刷データは、まず、画像生成部400に入力される。画像生成部400は、入力された印刷データの内容を解釈し、当該印刷データをビットマップデータに変換するラスタライズ処理を行う。画像生成部400は、当該ラスタライズ処理によって生成したラスタイメージ、即ちRGBの各色成分の画像信号(RGB信号)を、色変換処理部401へ送信する。
色変換処理部401は、RGB信号を画像形成装置10の色再現域に合わせたデバイスRGB信号に変換するカラーマッチング処理を実行する。さらに、色変換処理部401は、当該デバイスRGB信号を、画像形成装置10のトナー色に対応するYMCK信号(Y,M,C及びK色の画像データ)に変換する色分解処理を実行する。なお、これらのカラーマッチング処理及び色分解処理は、LOG変換、マトリクス演算等の演算によって実現されうる。あるいは、いくつかの代表点について、RGB信号からYMCK信号に変換するための変換テーブルを保持しておき、それら代表点間の色については補間演算を行うことによっても実現されうる。
画像調整部402は、位置ずれ補正部403による補正処理に起因して入力画像に発生しうる色味ムラを低減するために、入力画像の並置混色度を調整する画像処理を、Y,M,C及びK色の画像データ(色成分データ)に対して予め実行する。「並置混色度」とは、それぞれ異なる色の複数の画像から成る混色画像である入力画像の混色(並置混色)状態を示すパラメータである。本実施形態では、入力画像データに含まれる各色の画素値(階調値)を用いて形成される各色のドットを重ね合わせた場合の混色状態を示し、各色のドットの重なり具合に応じて変化するパラメータに相当する。なお、画像調整部402において実行される処理、及び並置混色度の詳細については後述する。
画像調整部402は、更に、位置ずれ補正部403Y,M,C,Kによる補正後の色成分データに対してハーフトーン処理部406Y,M,C,Kによるハーフトーン処理を施すべきか否かを示すハーフトーン(HT)フラグビットを、画素ごとに生成して出力する。HTフラグビットは、位置ずれ補正部403Y,M,C,Kを介して、画像データとともにビットマップメモリ404Y,M,C,Kに格納される。
位置ずれ補正部403Y,M,C,Kは、上述した走査線の傾き及び湾曲(位置ずれ)を補正するための補正処理として、後述する座標変換及び階調値の調整を、画像調整部402から入力されるY,M,C及びK色の画像データ(色成分データ)に実行する。その結果として、位置ずれ補正部Y,M,C,Kは、各色のトナー像が中間転写体27に転写された際に、更には記録材11に転写された際に、転写されたトナー像に色ずれが生じることを防止する。位置ずれ補正部403Y,M,C,Kは、補正処理後のY,M,C,Kの画像データ(色成分データ)を、ビットマップメモリ404Y,M,C,Kに格納する。
ビットマップメモリ404Y,M,C,Kには、位置ずれ補正部403Y,M,C,Kによる補正後の画像データが一時的に格納される。ビットマップメモリ404Y,M,C,Kには、1ページ分の画像データを格納できる。ビットマップメモリ404Y,M,C,Kに格納された画像データは、Y,M,C,Kのそれぞれの作像(画像形成または印刷)のタイミングに合わせて読み出される。読み出されたY,M,C,Kの画像データは、濃度補正処理部405Y,M,C,Kまたは例外処理部407Y,M,C,Kへ入力される。
濃度補正処理部405Y,M,C,K及びハーフトーン処理部406Y,M,C,K、または、例外処理部407Y,M,C,Kは、ビットマップメモリ404Y,M,C,Kに格納されている画像データに対して、画素ごとにそれぞれ後述する処理を実行する。セレクタ408Y,M,C,Kは、ビットマップメモリ404Y,M,C,Kに格納されているHTフラグビットに従って、ハーフトーン処理部406Y,M,C,Kまたは例外処理部407Y,M,C,Kから出力された画像データを、画素ごとに選択する。セレクタ408Y,M,C,Kは、更に、選択した画素ごとの画像データをPWM処理部409Y,M,C,Kに出力する。
PWM処理部409Y,M,C,Kは、入力された画像データに基づくPWM処理を実行する。具体的には、PWM処理部409Y,M,C,Kは、入力された画像データを、画素ごとにスキャナ部24Y,M,C,Kの露光時間TY,TM,TC,TKに変換して出力する。PWM処理部409Y,M,C,Kから出力された色ごとの露光時間TY,TM,TC,TKを示す信号(露光制御信号)は、スキャナ部24Y,M,C,Kにそれぞれ入力される。スキャナ部24Y,M,C,Kは、露光制御信号が示す露光時間TY,TM,TC,TKに応じてレーザ光を出力し、そのレーザ光で感光ドラム22Y,M,C,Kをそれぞれ露光及び走査する。
なお、本実施形態では、ビットマップメモリ404Y,M,C,Kに格納される画素ごとのデータは、8ビットの画像データと1ビットのHTフラグビットとの合計9ビットのデータである。また、濃度補正処理部405Y,M,C,Kは、各色について8ビットのデータを出力し、ハーフトーン処理部406Y,M,C,Kと例外処理部407Y,M,C,Kとは、各色について4ビットのデータを出力する。
<位置ずれ補正処理に起因した色味ムラ>
位置ずれ補正部403Y,M,C,Kによる補正処理を、入力画像データに対して実行すると、上述のように、異なる色のドットの重なり具合が変化して、ドットごとに、異なる発色作用の混色状態に変化しうる。特に、入力画像が細密パターン画像である場合には、そのような混色状態の変化による発色作用の変化が、画質劣化につながる色味ムラを形成画像に生じさせうる。以下では、図26及び図27を参照して、形成画像に生じうる色味ムラについてより詳しく説明する。
位置ずれ補正部403Y,M,C,Kによる補正処理を、入力画像データに対して実行すると、上述のように、異なる色のドットの重なり具合が変化して、ドットごとに、異なる発色作用の混色状態に変化しうる。特に、入力画像が細密パターン画像である場合には、そのような混色状態の変化による発色作用の変化が、画質劣化につながる色味ムラを形成画像に生じさせうる。以下では、図26及び図27を参照して、形成画像に生じうる色味ムラについてより詳しく説明する。
まず、図26を参照して、C及びM色のライン画像を重ね合わせた混色ライン画像において生じうる色味ムラについて説明する。なお、説明を簡単にするため、C色とM色との間の色ずれを補正するために、C色の画像が形成される位置を目標位置(理想位置)として、M色の画像が形成される位置のずれを補正するものとする。図26(a)及び(b)はそれぞれ、C及びM色のライン画像を示している。ただし、(b)に示すM色のライン画像には、位置ずれ補正部403Y,M,C,Kによる補正処理が適用されている。図26(a)及び(b)に示すように、C及びM色のライン画像には、濃度ムラは生じていない。
図26(c)は、これらC及びM色のライン画像を重ね合わせた混色ライン画像を示しており、C及びM色のドットが重なっている部分を、黒いパターンで示している。図26(c)に示すように、例えば、走査位置p0では、C及びM色のドットが完全に重なっている。一方で、走査位置p5では、C及びM色のドットの一部分が重なっており、重なっている部分の面積は、2ドット分の面積に対して約60%程度である。即ち、走査位置p0では、減法混色による混色状態となっているのに対して、走査位置p5では、並置混色による混色状態となっている。
このように、位置ずれ補正部403Y,M,C,Kによる補正処理の結果、走査位置に応じてドットの混色状態が異なる状態に変化することに起因して、図26(d)に示すように、走査位置に応じて異なる色差ΔEが生じうる。ここで、色差ΔEとは、等色色空間と称されるLab座標空間における2色間位置の距離に相当し、人間の目が見る色の差を定量的に示す指標である。(なお、ここでは混色時のターゲットとしている色は、理想的なドット形状である走査位置p0の色であり、この位置p0における色との差分としてΔEを求めている。)一般に、走査位置p0のように、C及びM色のドットを重ね合わせる状態は、減法混色と称され、暗い青色の発色作用を奏する。一方で、走査位置p5のように、C及びM色のドットの少なくとも一部分を並置する状態は、並置混色と称され、その並置の程度(ドットが重なっていない部分の面積)に応じた明るい青色の発色作用を奏する。
ここで、図27を参照して、上述の減法混色及び並置混色による発色作用の違いについて説明する。図27(a)は、C及びM色のドットが重なり合っている状態(減法混色)を、(b)は、C及びM色のドットが並置されている状態(並置混色)をそれぞれ示している。図27(a)の場合、定着部30による定着処理によって、各色のトナー層が記録材上で溶融し、圧縮され、適度に混ざり合うことで、ドットが形成される。一方、図27(b)の場合、定着処理によって、各色のトナー層がそれぞれ記録材上で溶融し、圧縮されて、各色のトナーが混ざり合うことなくドットが形成される。また、図27(c)及び(d)は、それぞれC及びM色の分光反射率を示しており、C及びM色のそれぞれ単色の発色特性に対応する。一方、図27(e)は、図27(a)の減法混色に対応する分光反射率を示している。
減法混色の場合、混ざり合った色(C及びM)が光を吸収し合う作用によって、減法混色に対応する分光反射率は、図27(e)に示すように、C及びM色のそれぞれの分光反射率を波長ごとに乗算したものとなる。一方で、並置混色の場合、C色及びM色のドットからの反射光が混合される作用によって、並置混色に対応する分光反射率は、図27(a)及び(b)に示す分光反射率を波長ごとに加算したものとなる。
これら減法混色及び並置混色による色再現の相違は、明度、彩度及び色相のそれぞれにおける差として現れる。例えば、明度では、2色の並置混色によって得られる色は、当該2色間の平均的な明度となる一方で、2色の減法混色によって得られる色は、当該2色のそれぞれの色よりも暗い色となる。このため、減法混色による混色状態と、並置混色による混色状態とでは、各色のトナーが同じ量だけ記録材上に存在したとしても、その見え方は異なる。また、彩度及び色相についても、同様に、減法混色によって得られる色と並置混色によって得られる色とで異なる。このように、混色状態が異なると発色作用も異なるため、複数色の画像を重ね合わせた混色画像は、混色状態に依存して、人間の目には異なる色に見えることになる。
したがって、位置ずれ補正部403Y,M,C,Kによる補正処理を適用した異なる色の画像を重ね合わせて混色画像を形成すると、図26(c)及び(d)に示すように、走査位置に応じて、異なる発色作用を有する混色状態に変化しうる。その結果、形成画像において、主走査方向に沿って生じる混色状態の変化に起因した発色作用の変化が、色味の変化として顕在化する。上述のように、入力画像が細密パターン画像である場合、このような色味の変化は、形成画像において帯状の色味ムラとして現れ、形成画像に画質劣化が生じることになる。特に、入力画像が、異なる色の細密パターンが完全に重なり合っている状態(後述する並置混色度=0%)、または異なる色の細密パターンが全く重なり合っていない状態(後述する並置混色度=100%)である場合には、そのような色味ムラが発生しやすい。
本実施形態では、以下で詳細に説明するように、このような色味ムラの発生を低減するために、画像調整部402において、入力画像データに対して、入力画像の混色状態を適切に調整する画像処理を実行する。
<画像調整部402の構成及び動作>
次に、図1を参照して、画像調整部402の構成及び動作について詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る画像調整部402の構成を示すブロック図である。また、図1に示すように、画像調整部402は、ビットマップメモリ101Y,M,C,K、並置混色度演算部102、パターン検出部103Y,M,C,K、フィルタ処理部104Y,M,C,K、及びビットマップメモリ105Y,M,C,Kを備える。
次に、図1を参照して、画像調整部402の構成及び動作について詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る画像調整部402の構成を示すブロック図である。また、図1に示すように、画像調整部402は、ビットマップメモリ101Y,M,C,K、並置混色度演算部102、パターン検出部103Y,M,C,K、フィルタ処理部104Y,M,C,K、及びビットマップメモリ105Y,M,C,Kを備える。
色変換処理部401から画像調整部402に入力されたY,M,C,Kの画像データ(色成分データ)は、ビットマップメモリ101Y,M,C,Kに一時的に格納される。ビットマップメモリ101Y,M,C,Kに格納される各画素のデータは、8ビットの画像データである。一方、ビットマップメモリ105Y,M,C,Kに格納される各画素のデータは、ビットマップメモリ404と同様、8ビットの画像データと1ビットのHTフラグビットとの合計9ビットのデータである。ビットマップメモリ105Y,M,C,Kには、並置混色度を調整するためのフィルタ処理が必要に応じて施された、1ページ分の画像データが、一時的に格納される。
(画像調整部402における画像処理の手順)
まず、図13のフローチャートを参照して、本実施形態に係る画像調整部402によって実行される、並置混色度を調整するための入力画像データに対する画像処理の全体の流れについて説明する。なお、図13は、第2乃至第4の実施形態においても共通して用いられる。
まず、図13のフローチャートを参照して、本実施形態に係る画像調整部402によって実行される、並置混色度を調整するための入力画像データに対する画像処理の全体の流れについて説明する。なお、図13は、第2乃至第4の実施形態においても共通して用いられる。
S1301で、画像調整部402は、画像形成の開始時に、ビットマップメモリ101Y,M,C,Kにおいて入力画像データ及びHTフラグビットが格納される記憶領域を初期化する。その際、HTフラグビットは0に初期化される。ここで、処理対象の画素(対象画素)の位置を示す主走査方向及び副走査方向の座標を、それぞれx及びyとする。次に、画像調整部402Yは、S1302で、対象画素を示す副走査方向の座標yを初期化するとともに、続いて、S1303で、対象画素を示す主走査方向の座標xを初期化する。これにより、画像調整部402は、1ライン(主走査ライン)の処理を開始する。
画像調整部402は、1ラインの処理を開始すると、S1304で、並置混色度演算部102及びパターン検出部103Y,M,C,Kによる処理対象となる対象画素における、並置混色度と各色のパターン属性値とを初期化する。その後、S1305で、並置混色度演算部102は、ビットマップメモリ101Y,M,C,K内の画像データ(色成分データ)について、画素ごとに、並置混色度を計算する。本実施形態では、並置混色度演算部102は、ビットマップメモリ101Y,M,C,K内の画像データ(色成分データ)について、対象画素(x,y)に対して規定される所定のエリア内で、後述するように、当該対象画素についての並置混色度を計算する処理を実行する。
次に、S1306で、画像調整部402は、色番号iを初期化することで、対象画素(x,y)についてのS1307及びS1308の処理を、Y,M,C,Kの色ごとに実行する。S1307で、パターン検出部103Y,M,C,Kは、ビットマップメモリ101Y,M,C,Kに格納されている入力画像データ(各色の色成分データ)に、特定のパターンを検出するとともに、当該特定のパターンに対応する画素を検出する。
更に、S1308で、フィルタ処理部104Y,M,C,Kが、並置混色度演算部102及びパターン検出部103Y,M,C,Kから出力される情報に基づいて、入力画像データにおける対象画素(x,y)について必要に応じてフィルタ処理を施す。このフィルタ処理は、後述するように、入力画像データにおける各画素の並置混色度を調整するための画像処理である。フィルタ処理部104Y,M,C,Kは、S1307で検出された特定パターンに対応し、かつ、S1305で計算された並置混色度が所定の適正範囲内にない画素を特定する。更に、フィルタ処理部104Y,M,C,Kは、その特定された画素についての混色状態を示す並置混色度を、所定の適正範囲内に調整するためのフィルタ処理を、入力画像データに実行する。
フィルタ処理部104Y,M,C,Kは、フィルタ処理後の画像データを、ビットマップメモリ105Y,M,C,Kに格納する。また、フィルタ処理部104Y,M,C,Kは、入力画像データにおける画素ごとに、フィルタ処理を実行したか否かを示す情報を、HTフラグビット(ONまたはOFF)として出力する。このHTフラグビットは、画像データとともにビットマップメモリ105Y,M,C,Kに格納される。
その後、S1309で、画像調整部402は、Y,M,C,Kの全色について、対象画素(x,y)の処理(S1307及びS1308)が終了したか否かを判定し、終了した場合には処理をS1310に進め、終了していない場合には処理をS1312に進める。S1312で、画像調整部402は、色番号iを1増加させることで次の色に対してS1307及びS1308の処理を行う。
対象画素(x,y)について全色の処理が終了すると、S1310で、画像調整部402は、1ラインに含まれる全画素について、S1304〜S1309の処理が終了したか否かを判定する。画像調整部402は、終了した場合には処理をS1311に進め、終了していない場合には処理をS1313に進める。S1313で、画像調整部402は、対象画素の主走査方向の位置を示す座標xを1増加させることで、隣の画素を対象画素として、S1304以降の処理を再び行う。
S1311で、画像調整部402は、入力画像データに含まれる全ラインのデータについて、S1303〜S1310の処理が終了したか否かを判定する。画像調整部402は、全ラインについての処理が終了していない場合には処理をS1314に進め、対象画素の副走査方向の位置を示す座標yを1増加させる。これにより、画像調整部402は、S1303以降の処理を、次のラインについて再び行う。一方で、画像調整部402は、全ラインについての処理が終了した場合には、並置混色度の調整のための、一連の画像処理を終了する。
以下では、並置混色度演算部102、パターン検出部103Y,M,C,K、及びフィルタ処理部104Y,M,C,Kによってそれぞれ実行される処理について、詳細に説明する。なお、特に明記しない限り、座標等の単位として用いる「ドット」、「ライン」または「画素」は、画像形成装置10の解像度の単位を示すこととし、画像の左上端を原点の座標とする。
(並置混色度演算部102)
図6乃至図8を参照して、並置混色度演算部102の動作(S1305)について説明する。
並置混色度演算部102は、ビットマップメモリ101Y,M,C,Kの入力画像データについて画素ごとに並置混色度を計算する。本実施形態では、並置混色度演算部102は、入力画像データに含まれる画像データ(色成分データ)のうち、特定の2色に対応する画像データを用いて、当該特定の2色間の混色状態を示す並置混色度を画素ごとに計算する。
図6乃至図8を参照して、並置混色度演算部102の動作(S1305)について説明する。
並置混色度演算部102は、ビットマップメモリ101Y,M,C,Kの入力画像データについて画素ごとに並置混色度を計算する。本実施形態では、並置混色度演算部102は、入力画像データに含まれる画像データ(色成分データ)のうち、特定の2色に対応する画像データを用いて、当該特定の2色間の混色状態を示す並置混色度を画素ごとに計算する。
上述のように、並置混色度が極端に低い又は高い画素、特に、ドットが完全に重なっている画素(並置混色度0%)、及び、その逆にドットが重なっていない画素(並置混色度100%)において、混色状態に応じた発色作用によって、色味ムラが発生しやすい。本実施形態では、入力画像データにおけるこのような並置混色度を、並置混色度演算部102が画素ごとに計算する。4色間のあらゆる組み合わせについて並置混色度を計算すると、計算処理が複雑になるため、本実施形態では、以下で説明するように、特定の2色間の並置混色度を計算することで、計算処理を簡易化する。
画像形成装置10では、4色のトナー像を重ね合わせたマルチカラーのトナー像を、定着部30によって記録材上に安定的に定着させるために、通常、定着対象となる4色のトナーの量が局所的に制限されている。例えば、各画素について、各色の階調値(各色の階調値の最大値255を100%とする。)の合計を所定の制限値(例えば、250%)以内に制限することによって、各色のトナーを重ねた際のトナー量を制限する。一例として、C色の階調値=255(100%)、M色の階調値=230(90%)、Y色の階調値=153(60%)、K色の階調値=0(0%)である場合、それらの合計は250%となる。このように、トナー量(階調値の合計)を制限する処理は、色変換処理部401によって行われる。このため、ビットマップメモリ101Y,M,C,Kに格納されている画像データにおける各画素の階調値の合計は、既に所定の制限値(250%)以下に制限された状態となっている。
一般に、混色状態に応じた発色作用による色味ムラは、青、赤及び緑等の複数の色のうちの2色が支配的な状態(即ち、階調値が大きい)にある細密パターン画像において目立つ傾向がある。このような画像において、それら2色以外の3色目がシャドー側に偏った色であったとしても、上述のトナー量の制限に起因して、3色目はかなり低い階調値(低い濃度)に制限される可能性が高い。このため、以下では、4色の組み合わせのうちで、濃度が高い(階調値が大きい)上位2色間における並置混色度を計算し、計算した並置混色度に基づく画像調整を行う場合を、並置混色度の計算の一例として説明する。
図6を参照して、S1305において並置混色度演算部102が実行する、並置混色度の計算処理について説明する。まず、S601で、並置混色度演算部102は、ビットマップメモリ101Y,M,C,Kに格納された画像データを用いて、対象画素(x,y)を中心とする所定の対象エリア701Y,M,C,Kに含まれる画素の階調値を色ごとに積分して、階調積分値(第1の積分値)を計算する。この対象エリア701Y,M,C,Kは、対象画素(x,y)に対して規定される、当該対象画素を含む所定の範囲に相当する。
図7は、対象画素700に対して、当該対象画素を中心とした13画素×13画素(主走査方向×副走査方向)の範囲を対象エリア701Y,M,C,Kとして設定した場合を示している。図7に示すように、C、M及びY色の各画像データは、それぞれ主走査方向(横方向)に沿ったラインが副走査方向に短い周期で繰り返し含まれている細密パターン画像の画像データである。ライン部分のドットでは、C及びM色の階調値が255(100%)、Y色の階調値が128(50%)である。また、C色の画像とM色の画像とでは、ライン部分のドットが相互に完全に重なっており、Y色の画像はC及びM色の画像に対して副走査方向に1ドットずれており、Y色のライン部分のドットは、C及びM色のライン部分のドットに対して一部のみが重なっている。
S601では、並置混色度演算部102は、対象エリア701Y,M,C,Kに含まれる全ての画素の階調値を積分することで、各色の階調積分値を計算する。図7では、このような積分によって、Y,M,C,Kについてそれぞれ8320、19890、19890、及び0の階調積分値が得られる。
次に、S602で、並置混色度演算部102は、計算した階調積分値が大きい上位2色を、並置混色度の計算対象となる特定の2色として決定する。図7の場合、C及びM色が階調積分値が大きい上位2色である。このため、S603以降では、C及びM色を並置混色度の計算対象の組み合わせとして、対象画素についてC色とM色との間の並置混色度を計算する。S603で、並置混色度演算部102は、計算対象の2色間で、画素ごとに階調値の絶対差分を計算するとともに、絶対差分についての階調積分値を計算する。
例えば、並置混色度演算部102は、図8(a)に示すように、計算対象のC及びM色の画像データにおける、対象エリア内の画素ごとに階調値の差分を求め、その差分の絶対値(絶対差分)を計算する。更に、並置混色度演算部102は、計算した差分の絶対値を全て積分することで、階調積分値(第2の積分値)を計算する。図8(a)では、C及びM色の差分画像における階調積分値は0となっている。このように絶対差分を計算することによって、2つの色の間でドットがずれた(2色のドットを重ねた場合に、1色のドットに対してもう1色のドットがはみ出た)状態(即ち、並置混色状態)にあるドットを検出することができる。また、このように絶対差分の積分を計算することによって、混色状態にあるドットの並置混色の程度を示す指標を得ることができる。
次に、S604で、並置混色度演算部102は、以下の式を用いて並置混色度を計算する。
並置混色度=(2色間の絶対差分の階調積分値)/(2色の階調積分値の和)
例えば、図7に示す画像では、対象画素について、
並置混色度=0/(19890+19890)=0
と計算される。この並置混色度は、対象画素に対して規定される対象エリア内では、C及びM色の画像のライン部分が完全に重なっていることを示している。このように並置混色度が極端に低い細密パターン画像は、実際に記録材に形成した場合の形成画像に色味ムラが発生しやすい混色状態にある。
並置混色度=(2色間の絶対差分の階調積分値)/(2色の階調積分値の和)
例えば、図7に示す画像では、対象画素について、
並置混色度=0/(19890+19890)=0
と計算される。この並置混色度は、対象画素に対して規定される対象エリア内では、C及びM色の画像のライン部分が完全に重なっていることを示している。このように並置混色度が極端に低い細密パターン画像は、実際に記録材に形成した場合の形成画像に色味ムラが発生しやすい混色状態にある。
一方、図7において、M色の画像データがK色の画像データと同一(即ち、対象エリア701M内の全画素の階調値が0)であった場合には、並置混色度は以下のようになる。この場合、S602において、並置混色度の計算対象はC及びY色の画像データに決定される。これにより、S603における絶対差分及びその階調積分値の計算結果は、図8(b)に示すようになる。更に、S604において、C及びY色間の並置混色度は、
並置混色度=18200/(19890+8320)=約65[%]
と計算される。この並置混色度は、対象画素に対して規定される対象エリア内では、C及びM色の画像のライン部分が部分的に重なっており、並置混色及び減法混色が均等な割合で行われた混色状態となっていることを示している。即ち、このような細密パターン画像は、実際に記録材に画像を形成した場合、形成画像には色味ムラが発生しにくい混色状態にある。
並置混色度=18200/(19890+8320)=約65[%]
と計算される。この並置混色度は、対象画素に対して規定される対象エリア内では、C及びM色の画像のライン部分が部分的に重なっており、並置混色及び減法混色が均等な割合で行われた混色状態となっていることを示している。即ち、このような細密パターン画像は、実際に記録材に画像を形成した場合、形成画像には色味ムラが発生しにくい混色状態にある。
最終的に、S605で、並置混色度演算部102は、対象画素について計算した並置混色度を、フィルタ処理部104Y,M,C,Kに対して出力する。以下では、一例として、並置混色度演算部102が、S604で計算した並置混色度の小数点以下を四捨五入した整数値(0〜100%)を出力するものとする。
なお、並置混色度については、上述の定義及び計算方法に限らず、2色以上の画像の(並置混色による)混色状態を示す定義及び計算方法であれば、他の定義及び計算方法が用いられてもよい。また、本実施形態では、上述のように、4色のうち、入力画像において濃度が大きいドットを多数含む上位2色を決定し(S602)、それらの色を並置混色度の計算対象としている。しかし、4色のうちのあらゆる組み合わせについて、2色間の並置混色度を計算するとともに、計算した複数の並置混色度のいずれかから最終的に出力する並置混色度を選択してもよい。あるいは、あらゆる組み合わせについて並置混色度を計算するのではなく、細密パターンが含まれている場合に形成画像に色味ムラが生じやすい2色を予め選択しておき(例えば、C及びM色)、それらの2色間の並置混色度を計算するようにしてもよい。また、上述の対象エリアのサイズは、13画素×13画素に限らず、任意のサイズに設定することが可能である。
(パターン検出部103Y,M,C,K)
次に、図9乃至図12を参照して、パターン検出部103Y,M,C,Kの動作(S1307)について説明する。
パターン検出部103Y,M,C,Kは、S1307で、ビットマップメモリ101Y,M,C,Kに格納されている各色の入力画像データに、特定パターン(細密パターン)が含まれているかどうかを判定するための処理を実行する。これまでに説明したように、図9の(a-1)〜(a-6)に示すような規則的なパターンを含む細密パターン画像に、後述する位置ずれ補正処理を色ごとに行うと、並置混色度に応じて色味ムラが出力画像(形成画像)に発生しうる。一方、図9の(b-1)〜(b-6)に示すような、孤立した細線を含む画像に、後述の位置ずれ補正処理を行うと、色味ムラが生じることなく高品質な出力画像を得ることができる。
次に、図9乃至図12を参照して、パターン検出部103Y,M,C,Kの動作(S1307)について説明する。
パターン検出部103Y,M,C,Kは、S1307で、ビットマップメモリ101Y,M,C,Kに格納されている各色の入力画像データに、特定パターン(細密パターン)が含まれているかどうかを判定するための処理を実行する。これまでに説明したように、図9の(a-1)〜(a-6)に示すような規則的なパターンを含む細密パターン画像に、後述する位置ずれ補正処理を色ごとに行うと、並置混色度に応じて色味ムラが出力画像(形成画像)に発生しうる。一方、図9の(b-1)〜(b-6)に示すような、孤立した細線を含む画像に、後述の位置ずれ補正処理を行うと、色味ムラが生じることなく高品質な出力画像を得ることができる。
そこで、本実施形態では、パターン検出部103Y,M,C,Kは、そのような色味ムラの原因となる特定のパターンを、入力画像(ビットマップメモリ101Y,M,C,K内の画像データ)から検出する。具体的には、パターン検出部103Y,M,C,Kは、入力画像に含まれる各画素について、特定のパターン(規則的なパターン)から成る細密パターン画像の一部であるか否かを判定する。パターン検出部103Y,M,C,Kは、判定の結果、細密パターン画像の一部である画素については、パターン属性をオン(ON)に設定する一方で、その他の画素については、パターン属性をオフ(OFF)に設定する。
以下では、図12に示すフローチャートに従って、パターン検出部103Yの動作について説明する。なお、パターン検出部103M,C,Kの動作については、パターン検出部103Yと同様であるので、説明を省略する。
図10の対象エリア1001には、1画素×20画素(主走査方向×副走査方向)の画像を切り出したものを示しており、Y0は、当該領域内の各画素におけるY色の階調値(0〜255)である。まず、S1201で、パターン検出部103Yは、対象エリア1001内に含まれる画像のエッジを検出する。パターン検出部103Yは、対象エリア1001内の画像データY0から、図10に示すように、Y1、Y2、Y3及びY4を生成する。
図10の対象エリア1001には、1画素×20画素(主走査方向×副走査方向)の画像を切り出したものを示しており、Y0は、当該領域内の各画素におけるY色の階調値(0〜255)である。まず、S1201で、パターン検出部103Yは、対象エリア1001内に含まれる画像のエッジを検出する。パターン検出部103Yは、対象エリア1001内の画像データY0から、図10に示すように、Y1、Y2、Y3及びY4を生成する。
Y1は、対象画素の階調値とその上方に隣接する画素の階調値との差分の絶対値を算出し、当該絶対値を二値化したものである。この二値化は、例えば、差分の絶対値が128以上であればY1を1とし、128未満であれば0とすることによって行う。Y2は、対象画素の階調値とその下方に隣接するその下の画素の階調値との差分の絶対値を算出し、当該絶対値を二値化したものである。この二値化はY1と同様に行えばよい。Y3は、Y1とY2との論理和(OR)である。Y3は、画像のエッジ部分に相当する。Y4は、対象画素と対象画素に対してその上方及び下方の所定数の画素とを含むウィンドウフィルタ1003内における、Y3=1(エッジ部分)の画素の個数である。図10では、当該所定数を6とし、1画素×13画素(主走査方向×副走査方向)のウィンドウフィルタ1003を用いている。
S1202で、パターン検出部103Yは、ウィンドウフィルタ1003内に含まれる画像のエッジ部分の数(以下、「エッジ数」と称する。)を計算する。この処理は、図10におけるY4を計算する処理に相当する。更に、S1203で、パターン検出部103Yは、Y4に基づいて、ビットマップメモリ101Yに格納されている入力画像データに対応する画像に、特定パターンが含まれているか否か(即ち、対象画素が特定パターンの一部であるか否か)を判定する。本実施形態では、パターン検出部103Yは、対象画素のY4が5以上(Y4≧5)の場合、対象画素は特定パターンの一部であると判定する。一方、パターン検出部103Yは、対象画素のY4が5未満(Y4<5)の場合、対象画素は特定パターンの一部ではないと判定する。このように、パターン検出部103Yは、入力画像が高い密度でエッジ部分を含んでいるか否かによって、当該入力画像が特定パターンを含んでいるか否かを判定する。
次に、S1204で、パターン検出部103Yは、対象画素について、パターン属性を設定し、パターン属性値をフィルタ処理部104Yに対して通知する。本実施形態では、パターン検出部103Yは、対象画素が特定パターンの一部である場合には、パターン属性値として1を通知し、対象画素が特定パターンの一部ではない場合いは、パターン属性値として0を通知する。
例えば、図10の対象画素1002については、階調値が0、上方に隣接する画素の階調値が255、下方に隣接する画素の階調値が0であるため、Y1=1、Y2=0、Y3=1となる。また、ウィンドウフィルタ1003内にY3=1の画素が7個含まれるため、Y4=7となる。したがって、対象画素1002ではY4≧5であるため、パターン検出部103Yは、対象画素1002が特定パターンの一部であると判定し、対象画素1002のパターン属性値として1をフィルタ処理部104Yに通知する。
図9では、Y4に基づいて対象画素が特定パターン(細密パターン)の一部であるか否かを判定するための閾値を5に設定した。これは、図9のように、短い間隔で配置される細線画像を構成する画素、または空間周波数の高い(細かい)ドットパターンを構成する画素については、通常、Y4≧5となるためである。一方で、図11に示すように、孤立細線を構成する画素、または空間周波数の低い(荒い)ドットパターンを構成する画素については、何れの画素についても、通常、Y4≦4となるためである。Y4に基づく判定にこのような閾値を用いることによって、孤立細線または荒いドットパターンを含む画像と、特定パターン(細密パターン)を含む細密パターン画像とを容易に区別することが可能である。
ただし、Y2及びY3についての二値化に用いる閾値には、128以外の値を用いてもよい。また、Y4に基づく判定の閾値についても、画像品質に適合した閾値を設定すればよく、5のみに限定されない。ウィンドウフィルタのサイズも、1画素×13画素に限られず、任意のサイズに設定されうる。また、パターン検出部103Y,M,C,Kがそれぞれ使用するウィンドウフィルタのサイズ及び判定用の閾値は、色味ムラが発生しやすい画像パターンが色ごとに異なる可能性も考慮して、色ごとに異なるものを使用してもよい。
(フィルタ処理部104Y,M,C,K)
次に、図14乃至図17を参照して、フィルタ処理部104Y,M,C,Kの動作(S1308)について説明する。
フィルタ処理部104Y,M,C,Kは、並置混色度演算部102及びパターン検出部103Y,M,C,Kにおいて得られた情報(並置混色度及びパターン属性)に基づいて、入力画像の並置混色度を調整するための処理を実行する。本実施形態で、フィルタ処理部104Y,M,C,Kは、入力画像データに対する画像処理として、検出された特定パターンに対応する画素(対象画素)についての混色状態を示す並置混色度を、所定の適正範囲内に調整可能なぼかし量によるぼかし処理を実行する。このぼかし処理は、対象画素について計算された並置混色度が、所定の適正範囲内にない場合に実行される。
次に、図14乃至図17を参照して、フィルタ処理部104Y,M,C,Kの動作(S1308)について説明する。
フィルタ処理部104Y,M,C,Kは、並置混色度演算部102及びパターン検出部103Y,M,C,Kにおいて得られた情報(並置混色度及びパターン属性)に基づいて、入力画像の並置混色度を調整するための処理を実行する。本実施形態で、フィルタ処理部104Y,M,C,Kは、入力画像データに対する画像処理として、検出された特定パターンに対応する画素(対象画素)についての混色状態を示す並置混色度を、所定の適正範囲内に調整可能なぼかし量によるぼかし処理を実行する。このぼかし処理は、対象画素について計算された並置混色度が、所定の適正範囲内にない場合に実行される。
フィルタ処理部104Y,M,C,Kには、並置混色度演算部102及びパターン検出部103Y,M,C,Kからそれぞれ並置混色度及びパターン属性が入力されるとともに、ビットマップメモリ101Y,M,C,Kに格納されている画像データが入力される。また、フィルタ処理部104Y,M,C,Kは、フィルタ処理の結果得られた画像データをHTフラグビットとともに、画素ごとにビットマップメモリ105Y,M,C,Kに出力及び格納する。
以下では、図14に示すフローチャートに従って、フィルタ処理部104Yの動作(S1308)について説明する。なお、フィルタ処理部104M,C,Kの動作については、フィルタ処理部104Yと同様であるので、説明を省略する。
まず、S1401で、フィルタ処理部104Yは、パターン検出部103Yから通知されたパターン属性値に基づいて、対象画素の画像データに対して並置混色度を調整するためのフィルタ処理が必要か否かを判定する。フィルタ処理部104Yは、必要であると判定した場合(パターン属性値=1)には、処理をS1402に進め、必要ないと判定した場合(パターン属性値=0)には処理をS1405に進める。
まず、S1401で、フィルタ処理部104Yは、パターン検出部103Yから通知されたパターン属性値に基づいて、対象画素の画像データに対して並置混色度を調整するためのフィルタ処理が必要か否かを判定する。フィルタ処理部104Yは、必要であると判定した場合(パターン属性値=1)には、処理をS1402に進め、必要ないと判定した場合(パターン属性値=0)には処理をS1405に進める。
対象画素が、パターン属性値=0であり、細密パターンの一部ではない場合には、たとえ並置混色度が0%または100%に近い(極端に低いまたは高い)値であったとしても、当該対象画素において色味ムラが発生する可能性は低いといえる。このため、フィルタ処理部104Yは、S1405で、対象画素に対応する座標(x,y)の画像データに対してフィルタ処理を適用することなく、当該画像データをそのままビットマップメモリ105Yに出力する。更に、フィルタ処理部104Yは、S1405で、HTフラグビットを1に設定してビットマップメモリ105Yに出力及び格納する。HTフラグビット=1は、濃度補正処理部405Y及びハーフトーン処理部406Yにおける処理を実行すべきことを示している。
一方、S1401からS1402に処理を進めた場合、S1402で、フィルタ処理部104Yは、並置混色度演算部102によって計算された並置混色度に基づいて、対象画素に対して並置混色度を調整するためのフィルタ処理が必要であるか否かを判定する。上述のように、並置混色度が極端に低いまたは高い値を有する画素には色味ムラが発生しやすい。このような場合、本実施形態では、そのような画素の画像データに対して並置混色度を調整するためのフィルタ処理を適用する。
具体的には、S1402で、フィルタ処理部104Yは、計算された並置混色度が、フィルタ処理の必要のない所定の適正範囲内に収まっているか否かを判定する。本実施形態では、15%<並置混色度<85%である場合に、並置混色度が所定の適正範囲内に収まっているものとしている。フィルタ処理部104Yは、対象画素の並置混色度が所定の適正範囲内に収まっている場合には、処理をS1405に進める。即ち、たとえ当該画素が細密パターンの一部であると推定される場合にも、並置混色に起因した色味ムラが発生する可能性は低いため、フィルタ処理を行わない。
一方、フィルタ処理部104Yは、対象画素の並置混色度が所定の適正範囲内に収まっていない場合(即ち、並置混色度が15%以下、または85%以上である場合)には、処理をS1403に進める。この場合には、当該画素において並置混色に起因した色味ムラが発生する可能性が高い。したがって、S1403で、フィルタ処理部104Yは、対象画素における並置混色度を、色味ムラが発生する可能性の低い(所定の適正範囲内の)並置混色度に調整するためのフィルタ処理を、当該対象画素の画像データに対して適用する。このように、本実施形態のS1401及びS1402において、フィルタ処理部104Yは、特定手段の一例として機能する。また、S1403において、フィルタ処理部104Yは、実行手段の一例として機能する。
ここで、S1403においてフィルタ処理部104Yが実行するフィルタ処理について、より詳しく説明する。本実施形態では、S1403で、フィルタ処理部104Yは、対象画素及びその近傍の画素を対象として、ぼかし効果のあるフィルタによるフィルタ処理を実行する。具体的には、フィルタ処理部104Yは、ぼかし量Bを調整可能なガウシアンフィルタを使用する。フィルタ処理部104Yは、予め設定されたぼかし量Bに対応するフィルタ係数を用いて、対象画素に対応する座標(x,y)の画像データ(画素値)に対してフィルタ処理を行う。ガウシアンフィルタ(ガウスフィルタ)の場合、フィルタ係数はガウス分布に対応した値に設定される。ここでは、ぼかし量Bはガウス分布の標準偏差に対応し、単位は画素である。
図15には、異なる複数のぼかし量Bに対応するフィルタのフィルタ係数を示している。同図では、1画素×3画素(主走査方向×副走査方向)のサイズを有するフィルタのフィルタ係数を示しており、副走査方向における中央の要素が対象画素に対応している。図15のフィルタ係数を用いたフィルタ処理を入力画像データに適用した場合、出力画像データに対応する画像には、対象画素を中心として、副走査方向に沿ってぼかし効果が現れる。また、ぼかし量Bが大きくなるほど、フィルタ係数の標準偏差が大きくなるため、対象画素の画像データ(画素値)が副走査方向に隣接する画素に拡散されることになる。即ち、ぼかし量Bを大きくなるほど、ぼかし効果が大きくなる。
図16は、2ドット幅のライン画像に対して、図15に示すフィルタ係数を用いたフィルタ処理(ぼかし処理)を適用した場合に得られる画像を示している。図16(a-1)〜(d-1)はそれぞれ、フィルタ処理部104Yが、図15の(a)〜(d)に示すぼかし量B及び対応するフィルタ係数を用いてフィルタ処理を入力画像データに適用した場合に得られる出力画像データである。また、図16(a-2)〜(d-2)は、図16(a-1)〜(d-1)に対応する画像を示している。図16に示すように、ぼかし処理前の入力画像は、2ドット幅のライン画像であるのに対して、ぼかし処理後の出力画像は、(d-1)及び(d-2)のB=0の場合を除いて、ぼかし量Bに応じてライン幅が広がる。即ち、ぼかし処理後の出力画像には、ぼかし量Bに応じたぼかし効果が現れる。
図14に戻り、S1403で、フィルタ処理部104Yは、ぼかし量B=0.7のフィルタ係数を用いたフィルタ処理を、ビットマップメモリ101に格納されている画像データ(Yの画像データ)に対して適用する。即ち、フィルタ処理部104Yは、ビットマップメモリ101Yの画像データに対して、対象画素に対応する座標(x,y)を中心として、図15(b)に示すフィルタ係数を用いたフィルタ処理を施す。フィルタ処理部104Yは、フィルタ処理後の画像データを、ビットマップメモリ105Yに出力及び格納する。
S1403では、フィルタ処理部104Y,M,C,Kは、それぞれ異なるぼかし量Bに対応したフィルタ係数を用いたフィルタ処理によって、異なるぼかし量Bによるぼかし処理を入力画像に対して施す。本実施形態では、一例として、図17に示すように、色ごとに異なるぼかし量Bを設定する。このように、色ごとに異なるぼかし量Bを設定する理由は、以下のとおりである。
S1403にフィルタ処理に基づくぼかし処理では、ぼかし量Bを大きくするほど、ぼかし処理の対象となっているドットが周辺のエリアに広がることになる。図15に示すフィルタ係数を用いた場合には、ぼかし量Bに依存して、ぼかし処理の対象となっているドットは副走査方向(上下方向)に広がる。例えば、入力画像に含まれる複数色の画像のうち、特定の色の画像と他の色の画像との間の並置混色度が極端に低い(例えば0%の)場合、特定の色の画像に対してぼかし処理を適用すると、異なる色のドット間で重なり合う部分の面積が減少する。その結果、入力画像における並置混色度が増加する。逆に、特定の色の画像と他の色の画像との間の並置混色度が極端に高い(例えば100%の)場合、特定の色の画像に対してぼかし処理を適用すると、異なる色のドット間で重なり合う部分の面積が増加する。その結果、入力画像における並置混色度が減少する。
上述のような、入力画像におけるぼかし処理に基づく並置混色度の変化は、異なる色の画像にそれぞれ適用するぼかし量Bの差分に応じて変化し、当該差分が大きくなるほど、並置混色度の変化量は大きくなる。したがって、入力画像に含まれる異なる複数の画像に対して、それぞれ異なるぼかし量Bによるぼかし処理を適用することによって、当該入力画像における並置混色度を大きく変化させることが可能になる。即ち、入力画像における並置混色度が極端に高いまたは低い場合にも、位置ずれ(色ずれ)の補正後の出力画像に生じうる色味ムラを十分に低減できる程度の適正な範囲内に、並置混色度を調整することが可能となる。
本実施形態では更に、図17に示すように、C色の画像に適用するぼかし量B(=0)とM色の画像に適用するぼかし量B(=1.0)との間で、ぼかし量Bの差分を最も大きくしている。ここで、Y,M,C及びK色のいずれか2色の組み合わせのうちで、極端な並置混色度に起因して混色画像に色味ムラが発生しやすいのは、CとM(青色)、MとY(赤色)、及びCとY(緑色)の組み合わせである。中でも、C及びM色の混色画像において並置混色度が極端に高いまたは低い場合、形成画像において色味ムラが特に目立ちやすい。したがって、C及びM色の画像にそれぞれ適用するぼかし量Bの差分を、2色の組み合わせの中で、最も大きくすると、色味ムラの低減に効果的である。
更に、3色以上の混色画像で、特に、C,M及びY色を使ってプロセスブラックと称される黒色に色変換される画像で使用される、色の比率は、C色が最も大きく、次がM色である場合が多い。3色以上の混色画像であっても、実質的にはC及びM色の混色画像に等しくなるため、C色とM色との間でぼかし量Bの差分を最も大きくすることによって、色味ムラを効果的に低減できよう。
このような理由によって、本実施形態では一例として、図17に示すように、C色、M色及びY色間で、各色の画像に適用するぼかし量Bの差分が大きくなるように、各色のぼかし量Bを設定している。ただし、図17に示すぼかし量Bはあくまで一例であり、各色のぼかし量Bはそれらに限らず、入力画像の特性に応じて設定しうる。
また、並置混色度演算部102による並置混色度の演算結果に基づいて、並置混色度が極端に高いまたは低い色の組み合わせを特定してもよい。フィルタ処理部104Y,M,C,Kは、特定された組み合わせの2色間で、ぼかし量Bの差分が大きくなるように、各色について用いるぼかし量Bを決定してもよい。この場合、フィルタ処理部104Y,M,C,Kは、決定した各色のぼかし量Bに対応するフィルタ係数を用いたフィルタ処理を、各色の入力画像データに対して適用すればよい。
また、本実施形態では、入力画像に対するぼかし処理として、ガウシアンフィルタによるフィルタ処理を用いているが、ぼかし効果のある画像処理であれば、フィルタ処理以外の画像処理が上述のフィルタ処理の代わりに用いられてもよい。更に、フィルタ処理に用いるフィルタのサイズも、上述の1画素×3画素のサイズに限らず、任意のサイズとすることができる。
図14に戻り、最終的にS1404で、フィルタ処理部104Yは、HTフラグビットを0に設定してビットマップメモリ105Yに出力及び格納する。S1405またはS2406の後、フィルタ処理部104Yは、S1308におけるフィルタ処理を終了し、処理をS1309に進める。
このように、本実施形態では、フィルタ処理部104Y,M,C,Kにおいてフィルタ処理(S1403)が適用される画素については、ハーフトーン処理部406Y,M,C,Kによるハーフトーン処理を行わないよう、HTフラグビットが0に設定される。これは、フィルタ処理部104Y,M,C,Kにおけるぼかし処理等の画像処理が適用された画像に対してハーフトーン処理をそのまま適用すると、ドットの形状及び並びが変化する結果、並置混色度の調整効果が低減することが懸念されるためである。また、入力画像に含まれる細密パターンに対してぼかし処理を適用した後に、ハーフトーン処理を適用すると、細密パターンの周期とハーフトーン周期とが干渉し、形成画像にモアレが新たに生じ、形成画像の画質が劣化するおそれがあるためである。
一方で、フィルタ処理部104Y,M,C,Kにおいてフィルタ処理(S1403)が適用されていない画素については、上述のような問題は起こりえない。このため、そのような画素については、ハーフトーン処理部406Y,M,C,Kによるハーフトーン処理が適用されるよう、HTフラグビットが1に設定される。
<位置ずれ補正部403Y,M,C,Kの構成及び動作>
次に、図18を参照して、位置ずれ補正部403Yの構成及び動作について詳細に説明する。以下では、Y,M,C,Kのトナー色のうち、Y色に対応した画像データに対する位置ずれ補正を行う位置ずれ補正部403Yの構成及び動作について説明する。なお、位置ずれ補正部403M,C,Kについての構成及び動作については、位置ずれ補正部403Yと同様であるので、説明を省略する。位置ずれ補正部403Yは、位置ずれ量格納部1801、位置ずれ補正量演算部1802、座標変換部1803、及び階調値変換部1804を備える。
次に、図18を参照して、位置ずれ補正部403Yの構成及び動作について詳細に説明する。以下では、Y,M,C,Kのトナー色のうち、Y色に対応した画像データに対する位置ずれ補正を行う位置ずれ補正部403Yの構成及び動作について説明する。なお、位置ずれ補正部403M,C,Kについての構成及び動作については、位置ずれ補正部403Yと同様であるので、説明を省略する。位置ずれ補正部403Yは、位置ずれ量格納部1801、位置ずれ補正量演算部1802、座標変換部1803、及び階調値変換部1804を備える。
(位置ずれ量格納部1801)
位置ずれ量格納部1801は、図3を用いて説明したポイントPa,Pb,Pcに対応する主走査方向の位置及びずれ量を示すデータを格納している。具体的には、位置ずれ量格納部1801には、図19に示すように、ポイントPa,Pb,Pcについて、主走査方向の位置(走査位置)と位置ずれ量とが対応付けて格納される。ここでは、ポイントPa,Pb,Pcに対して、主走査方向位置−L1,0,+L2[mm]と、位置ずれ量0,eY1,eY2[mm]とが、対応付けて位置ずれ量格納部1801に格納されている。
位置ずれ量格納部1801は、図3を用いて説明したポイントPa,Pb,Pcに対応する主走査方向の位置及びずれ量を示すデータを格納している。具体的には、位置ずれ量格納部1801には、図19に示すように、ポイントPa,Pb,Pcについて、主走査方向の位置(走査位置)と位置ずれ量とが対応付けて格納される。ここでは、ポイントPa,Pb,Pcに対して、主走査方向位置−L1,0,+L2[mm]と、位置ずれ量0,eY1,eY2[mm]とが、対応付けて位置ずれ量格納部1801に格納されている。
なお、位置ずれ量格納部1801に格納されるデータの形式及び個数は、図19に示すものに限定されることはなく、画像形成装置10の特性に応じて決定されうる。また、位置ずれ量は、画像形成装置10の製造工程において冶工具を用いて測定されてもよいし、製品の出荷後に、一定枚数の印刷が実行されるごと、または一定時間が経過するごとに繰り返し測定されてもよい。後者の場合、中間転写体27上に位置ずれ検出パターンを形成し、光学センサ等を用いた当該検出パターンの検出結果に基づいて位置ずれを検出してもよい。あるいは、記録材11上に位置ずれ検出パターンを形成し、外部スキャナ等を用いた当該検出パターンの検出結果に基づいて位置ずれを検出してもよい。図3に示すように、理想的な走査線を基準とした、実際の走査線のずれ量を位置ずれ量としてもよいし、特定の色を基準色とし、当該基準色の走査線に対する他の色の走査線のずれ量を位置ずれ量としてもよい。
(位置ずれ補正量演算部1802)
位置ずれ補正量演算部1802は、位置ずれ量格納部1801に格納されているデータに基づいて、主走査方向の各ポイントにおける位置ずれ量を算出し、その算出結果を座標変換部1803及び階調値変換部1804に入力する。
位置ずれ補正量演算部1802は、位置ずれ量格納部1801に格納されているデータに基づいて、主走査方向の各ポイントにおける位置ずれ量を算出し、その算出結果を座標変換部1803及び階調値変換部1804に入力する。
位置ずれ補正量演算部1802は、主走査方向における各座標のデータ(座標データ)をx(ドット)、副走査方向における位置ずれ量をΔy(ドット)として、Δyを位置ずれ補正量として算出する。なお、このΔyは、感光ドラム22Y,M,C,Kの表面を走査する光ビームの走査線が、当該表面における理想位置からずれることによって生じる形成画像の位置ずれを補正するための、走査線の主走査方向における画素ごとの補正値に相当する。具体的には、位置ずれ補正量演算部1802は、感光ドラム22Yの主走査ラインを複数の領域に分割し(図3に示す領域A及びB)、分割した領域ごとに、座標xにおける位置ずれ補正量Δyを、次式を用いて算出する。
領域A:Δy=x*(eY1/L1)
領域B:Δy=eY1*r+(eY2−eY1)*x/L2
ただし、rは画像形成の解像度を示し、本実施形態では、r=600/25.4[dot/mm]とする。L1、L2はそれぞれ、図3に示すように、ポイントPaからポイントPbまでの、ポイントPbからポイントPcまでの、主走査方向の距離である。eY1、eY2はそれぞれ、ポイントPb、ポイントPcにおける位置ずれ量である。
領域A:Δy=x*(eY1/L1)
領域B:Δy=eY1*r+(eY2−eY1)*x/L2
ただし、rは画像形成の解像度を示し、本実施形態では、r=600/25.4[dot/mm]とする。L1、L2はそれぞれ、図3に示すように、ポイントPaからポイントPbまでの、ポイントPbからポイントPcまでの、主走査方向の距離である。eY1、eY2はそれぞれ、ポイントPb、ポイントPcにおける位置ずれ量である。
図3では、予め測定された副走査方向の位置ずれ量は、プラス(+)方向が副走査方向の上流方向に対応している。このため、各座標xについての位置ずれ補正量Δyのプラス(+)方向は、位置ずれを相殺するために、副走査方向の下流方向に対応することになる。位置ずれ補正量演算部1802は、各座標xについて算出した位置ずれ補正量Δyを、一時的に記憶(保持)するとともに、座標変換部1803及び階調値変換部1804へ出力する。
なお、本実施形態では、各座標xについての位置ずれ補正量Δyを、上式のように簡易な線形補間によって算出しているものの、他の補間方法を用いることも可能である。例えば、線形補間よりも一般に処理時間が必要される一方で、精度が向上しうるバイキュービック補間、スプライン補間等を用いてもよい。即ち、画像形成装置10において必要とされる処理時間及び精度を考慮して、使用する補間方法を決定すればよい。
(座標変換部1803)
座標変換部1803は、位置ずれ補正量演算部1802から得られる補正量Δに基づいて、画像調整部402から内のビットマップメモリ105Yから入力される画像データに含まれる各画素データの(副走査方向の)座標の変換を行う。これにより、画像データに含まれる各画素データについて、主走査方向及び副走査方向の座標に対応して、補正量Δyの整数部分の値に基づく画像データの補正(即ち、1画素単位での位置ずれの補正)を行う。
座標変換部1803は、位置ずれ補正量演算部1802から得られる補正量Δに基づいて、画像調整部402から内のビットマップメモリ105Yから入力される画像データに含まれる各画素データの(副走査方向の)座標の変換を行う。これにより、画像データに含まれる各画素データについて、主走査方向及び副走査方向の座標に対応して、補正量Δyの整数部分の値に基づく画像データの補正(即ち、1画素単位での位置ずれの補正)を行う。
図20を参照して、座標変換部1803において実行される座標変換処理について説明する。図20(a)は、位置ずれ補正量演算部1802において得られた、線形補間を用いて直線で近似された走査線に対応した位置ずれ補正量Δyを示す。また、図20(b)は、位置ずれ補正量Δyを用いて補正(再構成)された画像データが、ビットマップメモリ404Y上で書き込まれる位置を示す。
座標変換部1803は、図20(a)に示すように、位置ずれ補正量Δyの整数部分の値に応じて、ビットマップメモリ105Yに格納された画像データの座標を、副走査方向(y方向)にライン単位でオフセットさせる。例えば、座標変換部1803は、図20(b)に示すように、副走査方向の座標がnライン目の画素データについて再構成する場合、ビットマップメモリ105Yからnライン目の1ライン分の画素データを読み出す。座標変換部1803は、主走査方向の位置を示す座標をxとすると、座標xに対応する位置ずれ補正量Δyの整数部分に相当するライン分、座標xに対応する画素データを異なるラインにオフセットさせるように、画素データの座標変換を行う。座標変換後の画素データは、ビットマップメモリ404Yにおいて変換後の座標に従ったラインに書き込まれることになる。
図20では、領域(1)については0≦Δy<1であるため、nライン目の領域(1)内の画素データは、ビットマップメモリ404Yのnライン目に書き込まれることになる。領域(2)については1≦Δy<2であるため、nライン目の領域(2)内の画素データは、副走査方向において1ライン分オフセットされた位置、即ち、ビットマップメモリ404Yの(n+1)ライン目に書き込まれることになる。同様に、領域(3)及び(4)については、nライン目の領域(3)及び(4)内の画素データは、ビットマップメモリ404Yの(n+2)及び(n+3)ライン目にそれぞれ書き込まれることになる。
このようにして、座標変換部1803は、位置ずれ補正量Δyに基づいて、入力された画像データについての座標変換処理を実行する。また、ビットマップメモリ105Yに格納されているHTフラグビットについても、同様の座標変換処理が実行され、ビットマップメモリ404Y内の、画像データと同じ位置に書き込まれる。その結果、ビットマップメモリ105Y内の画像データ及びHTフラグビットが再構成されて、ビットマップメモリ404Y内に格納された状態となる。
(階調値変換部1804)
次に、図21を参照して、階調値変換部1804において実行される位置ずれの補正処理を説明する。階調値変換部1804は、位置ずれ補正量Δyの小数点以下の値に基づいて、画像データにおける対象画素の副走査方向に隣接する(前方及び後方の)画素についての階調値を調整することで、1画素未満の位置ずれについての補正処理を実行する。
次に、図21を参照して、階調値変換部1804において実行される位置ずれの補正処理を説明する。階調値変換部1804は、位置ずれ補正量Δyの小数点以下の値に基づいて、画像データにおける対象画素の副走査方向に隣接する(前方及び後方の)画素についての階調値を調整することで、1画素未満の位置ずれについての補正処理を実行する。
図21(a)は、右上がりの傾きを有する主走査ラインのイメージを示す。図21(b)は、階調値変換部1804による階調値変換前の、主走査方向に沿って2画素のライン幅のラインを含む画像のビットマップイメージを示す。図21(c)は、図21(a)の走査線の傾きによる位置ずれを相殺するための、図21(b)の画像に対応する補正のイメージを示す。階調値変換部1804は、図21(c)の補正イメージに対応した位置ずれ補正を実現するために、対象画素に対して副走査方向に隣接した画素の画素値(階調値)を、位置ずれ補正量Δyに基づいて調整する。図21(d)は、位置ずれ補正量Δyと、階調値変換部1804における階調値変換を行うための補正係数α及びβとの関係を規定した階調値変換テーブルを示す。
図21(d)において、kは、位置ずれ補正量Δyを、負の無限大方向に丸めた値(即ち、Δyが正の場合には小数点以下を切り捨てた値、負の場合には小数点以下を切り上げ値)である。kは、副走査方向における位置ずれの、1画素単位の補正量を表し、上述の座標変換部1803はkの値に応じて各座標データのオフセットを行う。α及びβは、1画素未満の補正量で、副走査方向における位置ずれの補正を行うための補正係数である。α及びβは、位置ずれ補正量Δyの小数点以下の値に基づく、対象画素に対して副走査方向において前後に隣接する画素の階調値についての分配率を表す。α及びβは、以下のように算出される。
β=Δy−k
α=1−β
なお、αは、対象画素に対して副走査方向の上流側に隣接する画素についての分配率を表す。βは、対象画素に対して副走査方向の下流側に隣接する画素についての分配率を表す。
β=Δy−k
α=1−β
なお、αは、対象画素に対して副走査方向の上流側に隣接する画素についての分配率を表す。βは、対象画素に対して副走査方向の下流側に隣接する画素についての分配率を表す。
上述の座標変換部1803及び階調値変換部1804による処理は、以下のような式で表すことができる。ラインバッファ1007のnライン目、主走査方向の座標x(ドット)における画像データの階調値をH(x,n)とし、ビットマップメモリ404Yのnライン目、座標x(ドット)における階調値をH'(x,n)とすると、
H'(x,n+k)=H'(x,n+k)+α*H(x,n)
H'(x,n+k+1)=H'(x,n+k+1)+β*H(x,n)
と表せる。
H'(x,n+k)=H'(x,n+k)+α*H(x,n)
H'(x,n+k+1)=H'(x,n+k+1)+β*H(x,n)
と表せる。
図21(e)は、図21(d)の階調値変換テーブルの係数α及びβに従って、対象画素に対して副走査方向において前後に隣接する画素の階調値を調整する階調値変換によって得られたビットマップイメージを示す。なお、図21(e)では、図21(b)の画像データに対して、座標変換部1803による座標変換によって、画像データの各画素に対して、位置ずれ補正量Δyの整数部分の値に応じたオフセットが与えられた状態で、階調値変換が行われていることがわかる。図21(f)は、階調値変換が施されたビットマップイメージ(図21(e))に基づく、感光ドラム22Y上における露光イメージを示している。図21(e)に露光イメージによれば、上述の図21(a)に示す主走査ラインの傾きが相殺され、図21(b)のラインに沿った(傾きのない)画像がされることになる。
なお、本実施形態において、座標変換部1803は、位置ずれ補正量Δy(補正値)に応じて、画像データ内の対応する画素を1画素単位で走査線の副走査方向にオフセットさせることで、画像の位置ずれを1画素単位の補正量で補正する第1の補正手段として機能する。また、階調値変換部1804は、位置ずれ補正量Δy(補正値)に応じて、画像データ内の対応する画素の画素値と当該対応する画素に対して副走査方向に隣接する画素の画素値とをそれぞれ調整することで、画像の位置ずれを1画素未満の補正量で補正する第2の補正手段として機能する。
<画像処理部40におけるその他の処理>
位置ずれ補正部403Y,M,C,Kによる位置ずれ補正処理が行われた画像データは、ビットマップメモリ404Y,M,C,K(図4)に格納される。位置ずれ補正処理の後、ビットマップメモリ404Y,M,C,Kに格納されている画像データに対して、濃度補正処理部405Y,M,C,K及びハーフトーン処理部406Y,M,C,K、並びに例外処理部407Y,M,C,Kが、以下で説明する処理を行う。
位置ずれ補正部403Y,M,C,Kによる位置ずれ補正処理が行われた画像データは、ビットマップメモリ404Y,M,C,K(図4)に格納される。位置ずれ補正処理の後、ビットマップメモリ404Y,M,C,Kに格納されている画像データに対して、濃度補正処理部405Y,M,C,K及びハーフトーン処理部406Y,M,C,K、並びに例外処理部407Y,M,C,Kが、以下で説明する処理を行う。
(濃度補正処理部405Y,M,C,K)
濃度補正処理部405Y,M,C,Kは、入力及び出力のビット数がそれぞれ8ビットの階調(濃度)補正テーブルを保持している。濃度補正処理部405Y,M,C,Kは、当該補正テーブルを用いて、対象画素についての入力された8ビットの階調値を補正する。当該補正は、記録材11上に画素が形成される際の、異なる階調(濃度)間の関係が一定(例えば、比例関係)にするためのものである。
濃度補正処理部405Y,M,C,Kは、入力及び出力のビット数がそれぞれ8ビットの階調(濃度)補正テーブルを保持している。濃度補正処理部405Y,M,C,Kは、当該補正テーブルを用いて、対象画素についての入力された8ビットの階調値を補正する。当該補正は、記録材11上に画素が形成される際の、異なる階調(濃度)間の関係が一定(例えば、比例関係)にするためのものである。
濃度補正処理部405Y,M,C,Kは、画像形成装置10が配置された場所の温度、湿度等の環境条件、または印刷枚数等の印刷条件に対応して、複数の補正テーブルを保持していてもよい。その場合、濃度補正処理部405Y,M,C,Kは、環境条件または印刷条件に応じて適切な補正テーブルを選択してもよい。あるいは、濃度補正処理部405Y,M,C,Kは、画像形成装置10に設けられたセンサまたは外部のイメージスキャナを利用した測定に基づいて、適切な補正テーブルを生成してもよい。このように、画像形成装置10の特性等に応じて、適切な補正テーブルが濃度補正処理部405Y,M,C,Kによって使用されうる。
(ハーフトーン処理部406Y,M,C,K)
ハーフトーン処理部406Y,M,C,Kは、濃度補正処理部405Y,M,C,Kによる処理後の画像データ(階調値)に対して、組織的ディザ法等による中間調(ハーフトーン)処理を行う。これにより、濃度補正処理部405Y,M,C,Kから入力される、各画素の8ビットのデータ(階調値)を4ビットのデータ(階調値)に変換して、セレクタ408Y,M,C,Kへ出力する。図22は、ハーフトーン処理部406Yが用いるディザマトリクスの一例を示している。マトリクス2201〜2215は、15個の閾値テーブルtable1〜15に相当する。なお、図22では、マトリクス2203〜2214(table3〜14)については図示を省略している。
ハーフトーン処理部406Y,M,C,Kは、濃度補正処理部405Y,M,C,Kによる処理後の画像データ(階調値)に対して、組織的ディザ法等による中間調(ハーフトーン)処理を行う。これにより、濃度補正処理部405Y,M,C,Kから入力される、各画素の8ビットのデータ(階調値)を4ビットのデータ(階調値)に変換して、セレクタ408Y,M,C,Kへ出力する。図22は、ハーフトーン処理部406Yが用いるディザマトリクスの一例を示している。マトリクス2201〜2215は、15個の閾値テーブルtable1〜15に相当する。なお、図22では、マトリクス2203〜2214(table3〜14)については図示を省略している。
例えば、ハーフトーン処理部406Yは、Y色に対応する濃度補正処理部405Yから入力される、座標(x,y)の画素の階調値について、
x'=mod(x,4)
y'=mod(y,4)
を算出する。更に、ハーフトーン処理部406Yは、table1〜15の閾値テーブルにおける、x'列、y'行に位置する閾値と、入力された8ビットの階調値とを比較し、その比較結果に応じた階調値0〜15を出力する。ハーフトーン処理部406Yは、以下の式に従って当該比較処理を行う。
入力階調値<table1の閾値の場合、出力値=0
table15の閾値≦入力階調値の場合、出力値=15
table(n)の閾値≦入力階調値<table(n+1)の場合、出力値=n
ハーフトーン処理部406M,C,Kも、各色に対応したディザマトリクスを保持しており、ハーフトーン処理部406Yと同様の処理を行う。図23は、ハーフトーン処理部406Yによるハーフトーン処理後の画像の一例を示している。同図では、主走査方向及び副走査方向において4ドット周期で網点が形成されている。
x'=mod(x,4)
y'=mod(y,4)
を算出する。更に、ハーフトーン処理部406Yは、table1〜15の閾値テーブルにおける、x'列、y'行に位置する閾値と、入力された8ビットの階調値とを比較し、その比較結果に応じた階調値0〜15を出力する。ハーフトーン処理部406Yは、以下の式に従って当該比較処理を行う。
入力階調値<table1の閾値の場合、出力値=0
table15の閾値≦入力階調値の場合、出力値=15
table(n)の閾値≦入力階調値<table(n+1)の場合、出力値=n
ハーフトーン処理部406M,C,Kも、各色に対応したディザマトリクスを保持しており、ハーフトーン処理部406Yと同様の処理を行う。図23は、ハーフトーン処理部406Yによるハーフトーン処理後の画像の一例を示している。同図では、主走査方向及び副走査方向において4ドット周期で網点が形成されている。
(例外処理部407Y,M,C,K)
例外処理部407Y,M,C,Kは、位置ずれ補正部403Y,M,C,Kからそれぞれ入力される、各色に対応した8ビットの画像データ(階調値)を4ビットの画像データ(階調値)に変換(量子化)する。例えば、例外処理部407Y,M,C,Kは、9、26、43、・・・、247のような等間隔の15個の閾値を用いて、入力された階調値を、各閾値との比較結果に基づいて8ビット値から4ビット値に変換する。
例外処理部407Y,M,C,Kは、位置ずれ補正部403Y,M,C,Kからそれぞれ入力される、各色に対応した8ビットの画像データ(階調値)を4ビットの画像データ(階調値)に変換(量子化)する。例えば、例外処理部407Y,M,C,Kは、9、26、43、・・・、247のような等間隔の15個の閾値を用いて、入力された階調値を、各閾値との比較結果に基づいて8ビット値から4ビット値に変換する。
(セレクタ408Y,M,C,K)
セレクタ408Y,M,C,Kは、ビットマップメモリ404Y,M,C,Kに格納されている、各座標に対応するHTフラグビットを参照し、ハーフトーン処理部406Y,M,C,Kまたは例外処理部407Y,M,C,Kからの出力を、それぞれ選択する。HTフラグビットが0の場合、セレクタ408Y,M,C,Kは、ハーフトーン処理部406Y,M,C,Kからの出力を選択し、当該出力をPWM処理部409Y,M,C,Kへ出力する。一方、HTフラグビットが1の場合、セレクタ408Y,M,C,Kは、例外処理部407Y,M,C,Kからの出力を選択し、当該出力をPWM処理部409Y,M,C,Kへ出力する。
セレクタ408Y,M,C,Kは、ビットマップメモリ404Y,M,C,Kに格納されている、各座標に対応するHTフラグビットを参照し、ハーフトーン処理部406Y,M,C,Kまたは例外処理部407Y,M,C,Kからの出力を、それぞれ選択する。HTフラグビットが0の場合、セレクタ408Y,M,C,Kは、ハーフトーン処理部406Y,M,C,Kからの出力を選択し、当該出力をPWM処理部409Y,M,C,Kへ出力する。一方、HTフラグビットが1の場合、セレクタ408Y,M,C,Kは、例外処理部407Y,M,C,Kからの出力を選択し、当該出力をPWM処理部409Y,M,C,Kへ出力する。
本実施形態では、以上の処理により、画像調整部402においてぼかし処理(フィルタ処理)が行われた画素については、補正後の画像データに対して例外処理部407Y,M,C,Kによる例外処理が適用される。一方で、それ以外の画素については、補正後の画像データに対して濃度補正処理部405Y,M,C,Kによる濃度補正とハーフトーン処理部406Y,M,C,Kによるハーフトーン処理が適用される。
以上説明したように、本実施形態に係る画像処理装置10は、入力画像データに含まれる各色の画素値を用いて形成される各色のドットを重ね合わせた場合の混色状態を示し、各色のドットの重なり具合に応じて変化するパラメータ(並置混色度)を、入力画像データにおける画素ごとに計算する。また、画像処理装置10は、入力画像データにおいて、細密パターンに相当する特定のパターンを検出し、当該パターンに対応する(即ち、当該パターンの一部を構成する)画素を検出する。画像処理装置10は、更に、検出した特定の細密パターンに対応し、かつ、並置混色度が所定の適正範囲内の値を示さない画素を特定するとともに、特定した画素の並置混色度を当該適正範囲内に調整するための画像処理(ぼかし処理)を、入力画像データに対して実行する。これにより、形成対象の入力画像に対する位置ずれの補正によって形成画像に生じうる色味ムラを低減することが可能である。以下では、本実施形態における画像調整部402による画像調整の効果について、より詳しく説明する。
<画像調整部402による画像調整の効果1>
以下では、本実施形態に係る画像調整部402による入力画像に対する画像調整の効果、即ち、フィルタ処理部104Y,M,C,Kによるフィルタ処理に基づく並置混色度の調整の効果について説明する。
以下では、本実施形態に係る画像調整部402による入力画像に対する画像調整の効果、即ち、フィルタ処理部104Y,M,C,Kによるフィルタ処理に基づく並置混色度の調整の効果について説明する。
(第1の例)
まず、図28を参照して、C及びM色から成る混色(青色)の2ドット幅のラインの繰り返しから成る細密パターン画像を入力画像として、当該画像に対して位置ずれ補正部403Y,M,C,Kによる位置ずれ補正を適用した場合について説明する。図28では、C及びM色の入力画像データにおける、複数のラインのうちの1つのラインが含まれる部分に対応する画像データと、当該1つのラインに対応するドット形成イメージとを示している。ただし、入力画像には、実際には、図28に示すラインだけでなく、画像全体にわたって複数のラインのパターンが含まれている。また、Y及びC色の入力画像は画像全体が白画像(階調値=0)であるものとする。図28では、他の図面と同様、画像データの各画素値(階調値)を0〜100(%)の数値で示している。
まず、図28を参照して、C及びM色から成る混色(青色)の2ドット幅のラインの繰り返しから成る細密パターン画像を入力画像として、当該画像に対して位置ずれ補正部403Y,M,C,Kによる位置ずれ補正を適用した場合について説明する。図28では、C及びM色の入力画像データにおける、複数のラインのうちの1つのラインが含まれる部分に対応する画像データと、当該1つのラインに対応するドット形成イメージとを示している。ただし、入力画像には、実際には、図28に示すラインだけでなく、画像全体にわたって複数のラインのパターンが含まれている。また、Y及びC色の入力画像は画像全体が白画像(階調値=0)であるものとする。図28では、他の図面と同様、画像データの各画素値(階調値)を0〜100(%)の数値で示している。
図28(a-1)及び(a-2)は、それぞれC及びM色の入力画像データの一部である。これらの入力画像データは、並置混色度演算部102によって、全画素について並置混色度が0%であると計算される。また、パターン検出部103C,Mによって、全画素についてパターン属性値として1が出力される。(なお、厳密には、並置混色度及びパターン属性値は、画像の端部ではこれらの値と異なるが、説明を簡単にするために、ここでは全画素について同一であるとする。)その結果、フィルタ処理部104C,Mは、入力画像全体に対してぼかし処理を実行する。
フィルタ処理部104C,Mは、C及びM色の入力画像に対するぼかし処理として、C色についてぼかし量B=0、Mについてぼかし量B=1.0に設定し(図17)、それぞれ対応するフィルタ係数(図15)を用いて、入力画像データのフィルタ処理を行う。図28(b-1)及び(b-2)は、フィルタ処理部104C,Mによるぼかし処理の結果を示している。図28(b-1)の画像データは、ぼかし量B=0であるため、入力画像データから変化していない。一方で、図28(b-2)の画像データは、ぼかし処理の結果、2ドット幅のラインのエッジ部分がぼかされて、4ドット幅にまで広がっていることを示している。
図28(c-1)及び(c-2)は、フィルタ処理部104C,M(画像調整部402)による処理後の画像データに対して、位置ずれ補正部403C,Mによる位置ずれ補正(色ずれ補正)処理を適用した結果を示している。ここでは、説明を簡単にするため、C色については、走査線に傾き及び湾曲が生じず、位置ずれ補正量Δy=0とし、M色については、位置ずれ補正量Δyを、主走査方向に沿った異なる6個の走査位置において0.1ドット刻みで0〜0.5ドットとしている。図28(c-2)に示すように、主走査方向の各走査位置p0〜p5における位置ずれ補正量Δyに応じた位置ずれ補正処理の結果、図28(b-2)における4ドット幅から5ドット幅にライン幅が拡大していることがわかる。
なお、実際の位置ずれ補正量Δyは、1走査線における主走査方向の両端で、大きくても10ドット程度の差である。より具体的には、主走査方向におけるΔyの変化率は、A4プリンタにおける短辺(210mm)の走査線幅に相当する約4900ドットにおいて、10ドット程度である。このため、図28(c-2)に示すように、主走査方向に沿って1画素ごとに0.1ドットずつ画素の位置がずれることは実際にはありえず、この数値はあくまで説明のためのものであることに留意されたい。
次に、図28(d-1)及び(d-2)は、(c-1)及び(c-2)の画像データに基づく、PWM処理部409C,MによるPWM処理によって、記録材上に形成されるドットイメージをそれぞれ示している。同図に示すように、階調値が100%未満である画素では、形成されるドットが階調値に応じたPWM処理によって主走査方向において縮められる。また、記録材上に形成されるM色の各ドットの位置は、位置ずれ補正量Δyに応じて補正されている。
図28(e)は、(d-1)及び(d-2)に示すC及びM色のドットを重ね合わせた(即ち、混色させた)結果として得られるドット形成イメージである。同図に示すように、C色のドットとM色のドットとが、並置混色による混色状態(並置混色状態)となっていることがわかる。
ここで、比較のために、図29を参照して、本実施形態に係る画像調整部402におけるフィルタ処理部104Y,M,C,Kによるフィルタ処理に基づく並置混色度の調整を行わない場合について説明する。図29は、図28と同一の入力画像データを用い、フィルタ処理部104Y,M,C,Kによるフィルタ処理を行わない場合を示しており、このため(b-1)及び(b-2)は存在しない。
図29(d-2)に示すように、位置ずれ補正部403Mによる走査線の位置ずれ補正の結果、走査位置p0からp5にかけて、Mのドット形状が変化している。このため、図29(e)に示すように、形成画像に対応する混色ドット形成イメージでは、p0からp5にかけて、C及びM色の画像を重ねた場合の混色状態が変化している。具体的には、位置ずれ補正値Δyの大きさに応じて、M色のドットがC色のドットに対して副走査方向(上下方向)にはみ出した部分が増加している。即ち、M色のドットとC色のドットとで重なり合う部分の面積が、p0からp5にかけて走査位置ごとに変化しており、並置混色度が変化している。図29(e)に対応する形成画像では、並置混色度が0%の走査位置p0では、減法混色の発色作用によって暗い青色となり、並置混色度が25%の走査位置p5では、並置混色の発色作用が加わって明るい青色となる。したがって、形成画像には、図26及び図27を参照しながら上述したように、並置混色状態の違いに起因して走査位置ごとに発色作用に差が生じ、色味ムラが発生する。
更には、発色作用(明るさ)が走査位置ごとに変化するだけでなく、走査位置p5では、C色のドットに対して上下方向にずれた状態で重なっているM色のドットによって、オプティカルドットゲイン等の影響に起因してM色が目立つようになる。その結果、形成画像における色相が、赤みを帯びた青色となりやすいことが経験的にわかっている。したがって、並置混色度が異なる走査位置p0及びp5では、明るさ及び色相が異なるものとなり、より人間の目につきやすい色味ムラが生じてしまい、形成画像の画質が劣化する問題がある。特に、並置混色度が0%の走査位置p0のドットは、それ以外の走査位置のドットに比較して、色味の変化が大きく見えることも経験的にわかっている。
本実施形態では、このような画質劣化に対処するために、図28(c-1)及び(c-2)に対応する位置ずれ補正前に、図28(b-1)及び(b-2)に対応する、フィルタ処理部104Y,M,C,Kによるぼかし処理を実行する。これにより、上述の色味ムラを低減する。
図28(a-1)及び(a-2)に示す入力画像データでは、C及びM色のドットが互いに完全に重なり合う位置に存在している(即ち、並置混色度=0%の減法混色による混色状態)。これに対して、図28(e)では、いずれの走査位置p0〜p5においても、並置混色による同程度の混色状態となっていることがわかる。具体的には、p0からp5にかけて、並置混色度が約27〜39%の間で変化している。この並置混色度の変化量は、本実施形態に係るぼかし処理を行わない場合の図29(e)と比較して、半分以下となっている。特に、走査位置p0については、図29(e)では並置混色度が0%であるのに対して、図28(e)では、C及びM色の画像に対してぼかし処理を施した結果、並置混色度が大幅に増加している。このように、本実施形態に係るぼかし処理によって、主走査方向における並置混色度(特に、0%または100%といった極端な並置混色度)を、同程度の大きさにすることができ、走査位置における並置混色による発色作用の差を抑えることができる。その結果、画像形成の対象となる細密パターン画像に対して位置ずれ補正を適用することによって主走査方向において生じうる、混色状態に依存した色味ムラを低減することが可能である。
(第2の例)
次に、図30を参照して、ライン以外のパターンから成る細密パターン画像を入力画像として、当該画像に位置ずれ補正を適用する場合における、本実施形態に係る画像調整部402による画像調整の効果について説明する。図30では、図9(a-3)に示すような細密パターン画像を入力画像として、その一部分に対応する入力画像データとその処理結果とを示している。
次に、図30を参照して、ライン以外のパターンから成る細密パターン画像を入力画像として、当該画像に位置ずれ補正を適用する場合における、本実施形態に係る画像調整部402による画像調整の効果について説明する。図30では、図9(a-3)に示すような細密パターン画像を入力画像として、その一部分に対応する入力画像データとその処理結果とを示している。
図30(a-1)及び(a-2)は、それぞれC及びM色の入力画像データの一部である。これらの入力画像データは、並置混色度演算部102において、図28と同様、全画素について並置混色度が0であると計算される。また、パターン検出部103C,Mによって、全画素についてパターン属性値として1が出力される。その結果、フィルタ処理部104C,Mは、入力画像全体に対してぼかし処理を実行する。図30(b-1)及び(b-2)は、フィルタ処理部104C,Mによるぼかし処理の結果を示している。
次に、図30(c-2-0)〜(c-2-5)は、(b-2)に示すM色の画像データに対して位置ずれ補正処理を行った結果を示しており、主走査方向における異なる走査位置p0〜p5の近辺における、位置ずれ補正後の画像データをそれぞれ示している。同図では、図28よりも、主走査方向に沿って色ずれ補正量Δyが緩やかに変化するものとしている。なお、C色の画像データについては、図28と同様、位置ずれ補正量Δy=0としており、位置ずれ補正後の画像データは図30(b-1)に示す画像データと同様である。
また、図30(e-0)〜(e-5)は、最終的に記録材上に形成される、走査位置p0〜p5にそれぞれ対応したドット形成イメージである。このように、図28と同様、位置ずれ補正量Δyがそれぞれ異なるいずれの走査位置においても、並置混色度が同程度に調整されていることがわかる。したがって、図30(a-1)及び(a-2)に示すような細密パターン画像が画像形成の対象となる場合にであっても、細密パターン画像に対して位置ずれ補正を適用することによって主走査方向において生じうる色味ムラを、低減することが可能である。
(第3の例)
次に、図31を参照して、C及びM色の画像を重ね合わせると、C色のラインとM色のラインとが空間方向において繰り返し並置された状態となる細密パターン画像を入力画像とした場合の、本実施形態に係る画像調整の効果について説明する。即ち、図31では、図28において用いた入力画像に代えて、C及びM色のラインについての並置混色度が100%となる細密ライン画像を入力画像とした場合を示している。また、図32は、図31における入力画像に対して、本実施形態に係る画像調整(並置混色度の調整)を行わない場合を示している。したがって、図31に含まれる各要素は、図28に含まれる各要素と対応し、図32に含まれる各要素は、図29に含まれる各要素と対応する。図31及び図32の(a-1)及び(a-2)に示すように、C色のドットとM色のドットとが相互に重なるエリア(画素)が存在しないため、C及びM色の入力画像における並置混色度は100%である。
次に、図31を参照して、C及びM色の画像を重ね合わせると、C色のラインとM色のラインとが空間方向において繰り返し並置された状態となる細密パターン画像を入力画像とした場合の、本実施形態に係る画像調整の効果について説明する。即ち、図31では、図28において用いた入力画像に代えて、C及びM色のラインについての並置混色度が100%となる細密ライン画像を入力画像とした場合を示している。また、図32は、図31における入力画像に対して、本実施形態に係る画像調整(並置混色度の調整)を行わない場合を示している。したがって、図31に含まれる各要素は、図28に含まれる各要素と対応し、図32に含まれる各要素は、図29に含まれる各要素と対応する。図31及び図32の(a-1)及び(a-2)に示すように、C色のドットとM色のドットとが相互に重なるエリア(画素)が存在しないため、C及びM色の入力画像における並置混色度は100%である。
図32(e)では、走査位置p0における並置混色度は100%であるのに対して、走査位置がp0から遠ざかるにつれて(走査位置p1〜p5)、C及びM色のドットが重なるエリアが増加し、並置混色度がそれに比例して減少している。即ち、主走査方向に沿って、各走査位置における並置混色状態が変化しているため、本実施形態に係る画像調整部402による画像調整を行わない場合、走査位置に応じた発色作用の相違に起因して、形成画像に色味ムラが発生しうる。なお、色味ムラの見え方は、主走査方向に沿って、図29とは逆に、走査位置p0では並置混色の発色作用によって明るい青色となり、走査位置p5では減法混色の発色作用が加わって暗い青色となる。
一方、本実施形態に係る画像調整部402による画像調整を行った場合、図31(e)に示すように、位置ずれ補正量Δyが異なるいずれの走査位置p0〜p5においても、C及びM色のドットが重なるエリアの面積が同程度となっている。即ち、いずれの走査位置p0〜p5においても、並置混色度が同程度に調整されている。したがって、本実施形態のように、画像調整部402において、細密パターンに対応する画素にぼかし処理を適用することによって、もともとの入力画像における並置混色度が100%であったとしても、上述の効果と同様の効果を得ることができる。即ち、入力画像に対して位置ずれ補正を適用することによって主走査方向において生じうる、混色状態に依存した色味ムラを低減できる。
上述のように、位置ずれ補正等の画像処理を入力画像に適用した場合、当該入力画像に基づいて形成されるドットの形状が変化することに起因して、異なる色の間の混色状態(並置混色状態)が変化して、形成画像に色味ムラが発生するおそれがある。本実施形態によれば、このような色味ムラの発生を未然に防ぎ、色味ムラを低減することが可能である。
<画像調整部402による画像調整の効果2>
本実施形態に係る画像調整部402による画像調整は、上述のように、位置ずれ補正(色ずれ補正)等の画像処理に起因して入力画像の並置混色状態が変化だけでなく、他の要因に起因した並置混色状態の変化によって生じうる色味ムラに対しても効果がある。例えば、位置ずれ補正部403Y,M,C,Kによる補正処理を入力画像に適用すると、各色の走査線の位置ずれが補正される結果、各色の形成画像を重ねた際に生じうる色ずれを低減することが可能である。しかし、このような位置ずれ補正部403Y,M,C,Kによる補正処理によっては形成画像に生じうる色ずれを完全には補償しきれずに、色ずれが残留する可能性がある。本実施形態における画像調整によれば、以下で説明するように、このような色ずれに起因して生じうる色味ムラに対しても効果がある。
本実施形態に係る画像調整部402による画像調整は、上述のように、位置ずれ補正(色ずれ補正)等の画像処理に起因して入力画像の並置混色状態が変化だけでなく、他の要因に起因した並置混色状態の変化によって生じうる色味ムラに対しても効果がある。例えば、位置ずれ補正部403Y,M,C,Kによる補正処理を入力画像に適用すると、各色の走査線の位置ずれが補正される結果、各色の形成画像を重ねた際に生じうる色ずれを低減することが可能である。しかし、このような位置ずれ補正部403Y,M,C,Kによる補正処理によっては形成画像に生じうる色ずれを完全には補償しきれずに、色ずれが残留する可能性がある。本実施形態における画像調整によれば、以下で説明するように、このような色ずれに起因して生じうる色味ムラに対しても効果がある。
ここで、図5を参照して、それぞれ異なる色の画像(トナー像)を重ね合わせてマルチカラーの画像を形成した場合に各色の形成位置が相互にずれる色ずれに起因して、形成画像(出力画像)に生じうる色味ムラについて説明する。なお、図5では、色ずれ補正部403Y,M,C,Kによる補正処理を行わない場合について示している。図5(a)及び(b)は、C及びM色の画像をそれぞれ示しており、それぞれ、主走査方向に沿った2ドット幅のラインが、副走査方向において規則的に配置された画像である。なお、ラインに含まれる各ドットは、すべて均一の濃度で形成されるものとしている。
図5(c)は、C色の画像の形成位置を基準とした、M色の画像の形成位置のずれに対応する色ずれ量を示しており、副走査位置に応じて異なる量の色ずれが生じている様子を詞示している。具体的には、副走査位置p0近辺では、色ずれが発生していないが(色ずれ量=0)、副走査位置p10近辺では、1.0[dot]程度の量の色ずれが発生している。図5(d)は、図5(c)に示す色ずれが発生する場合に、C及びMの画像を重ね合わせて形成することで得られる混色画像を示している。図5(d)では、C及びM色のドットの重なり具合に応じて色分けする(重なっている部分を黒で示す)ことで、各ドットの混色状態を視覚的に示している。
図5(d)に示すように、副走査位置p0近辺では、減法混色の発色作用によって、ライン部分は暗い青になる。一方で、副走査位置p10近辺では、並置混色の混色状態となるドットが発生し、M及びC色のドット間で、並置混色及び減法混色の混色状態となっている部分の面積が、各ドットの面積の約50%となっている。このような混色状態の発色作用によって、副走査位置P10近辺では、ライン部分は明るい青になる。したがって、図5(d)に示すように、副走査方向において混色状態の違いに起因した色味ムラが発生する。図5に示す色ずれは、副走査方向における位置ごとに、異なる大きさで発生する不規則な色ずれである。図5(a)及び(b)に対応する形成画像にこのような色ずれが形成画像に発生すると、M及びC色の画像間で、対応するドットの形成位置が相互にずれる部分とずれない部分とが生じる結果、副走査方向において色味ムラが発生する。
このように、副走査方向において不規則に生じる色ずれは、例えば、機械的な取り付け精度や調整精度等に起因した、複数の感光ドラム22及び中間転写体27の回転ムラ(移動ムラ)によって発生しうる。なお、感光ドラム22及び中間転写体27の回転ムラは、例えば、感光ドラム22及び中間転写体27を駆動する駆動ローラ16の回転速度の変動によって発生する。このような色ずれは、例えば、副走査方向において、感光ドラム22の1回転周期(例えば、75mm)と同一の周期で発生する。
位置ずれ補正部403Y,M,C,Kによる補正処理を入力画像データに対して適用した場合、副走査方向において規則的に発生する色ずれは補償できたとしても、上述のような要因によって不規則に発生する色ずれは、完全に補償しきれない可能性がある。本実施形態に係る画像調整部402による画像調整を入力画像に対して適用することによって、以下で説明するように、このような色ずれも低減されることが期待できる。
図33は、図5に示すケースにおいて、本実施形態に係る画像調整部402による画像調整を適用した結果を示している。図33(a)及び(b)は、図5(a)及び(b)に示すC及びM色の画像に対して、フィルタ処理部104C,Mによるぼかし処理(C色についてはぼかし量B=0、M色についてはぼかし量B=1.0)を行った場合のドット形成イメージを示している。また、図33(d)は、図33(c)(図5(c)と同様)に示す色ずれが生じた、C及びM色の混色画像(混色ドット形成イメージ)を示している。図33(d)では、図5(d)と比較して、各副走査位置において、並置混色度が同程度に調整されていることがわかる。したがって、本実施形態によれば、形成画像に残留しうる不規則な色ずれに起因した色味ムラの発生も未然に防ぎ、このような要因によって発生しうる色味ムラを低減することが可能である。
特に、図5(d)では並置混色度が0%となるエリア(例えば、副走査位置p00、p01、p20及びp21の近辺)が存在しているのに対して、図33(d)では、それが解消されている。このことからも、本実施形態における画像調整は、色味ムラの発生を抑えることに効果的であることが理解できよう。
なお、上記では、図5及び図33を参照して、位置ずれ補正部403Y,M,C,Kによる補正処理を行わない場合を一例として、本実施形態の効果について説明してきた。しかし、本実施形態では、実際には図4に示す画像処理部40の構成に従って、位置ずれ補正部403Y,M,C,Kによる補正処理を行う。この場合、図33(b)に示すドット形成イメージは、実際には、位置ずれ補正部403Y,M,C,Kによる補正処理の結果、主走査方向に沿って、図31(d-2)のように変化することに注意されたい。しかし、位置ずれ補正部403Y,M,C,Kによる補正処理によって、ドットの形状が変化したとしても、副走査方向における各位置の並置混色状態に大きな変化が生じることはない。このため、本実施形態における画像調整が、副走査位置ごとに不規則に生じうる色ずれに起因した色味ムラに対しても効果的であることに変わりはない。
<特定パターンの検出の効果>
図14を用いて説明したように、本実施形態では、画像調整部402による画像調整に際して、パターン検出部103Y,M,C,Kによる、入力画像における特定パターンの検出の有無に基づいて、入力画像が細密パターン画像であるか否かを判定する。更に、入力画像が細密パターン画像ではない場合には、並置混色度とは無関係に、フィルタ処理部104によるフィルタ処理に基づくぼかし処理を、入力画像に適用しない(S1405)。この理由及び効果について、図34を参照しながら以下でより詳しく説明する。
図14を用いて説明したように、本実施形態では、画像調整部402による画像調整に際して、パターン検出部103Y,M,C,Kによる、入力画像における特定パターンの検出の有無に基づいて、入力画像が細密パターン画像であるか否かを判定する。更に、入力画像が細密パターン画像ではない場合には、並置混色度とは無関係に、フィルタ処理部104によるフィルタ処理に基づくぼかし処理を、入力画像に適用しない(S1405)。この理由及び効果について、図34を参照しながら以下でより詳しく説明する。
図34(a)は、Arialフォントの文字「E」に相当する、C及びM色の画像から成る青色の文字の画像を示している。図34(a)に示す画像に対応する画像データを画像調整部402に入力すると、パターン検出部103C,Mは、図34(a)に示す画像から細密パターンに相当する特定パターンを検出することがなく、パターン属性値=0を出力する。その結果、フィルタ処理部104C,Mは、図34(a)に示す画像に対してはフィルタ処理(ぼかし処理)を行わない。一方、図34(b)は、図34(a)に示す画像に対して、フィルタ処理部104C,Mが、パターン検出部103C,Mによる検出結果とは無関係に、フィルタ処理(ぼかし処理)を画像データに適用した場合に得られる画像を示している。ただし、C色のぼかし量B=0、M色のぼかし量B=1.0としている。
本実施形態におけるフィルタ処理は、高い空間周波数のパターンを含む細密パターン画像(高周波数パターン画像)に対して適用すると、色味ムラの低減に効果的である。しかし、図34(a)に示すような、低い空間周波数のパターンを含む画像(低周波数パターン画像)では、広いエリアで観察しても、エッジ部分の数が少なく、かつ特定のパターンの繰り返しも存在しない。このため、位置ずれ補正処理を適用したとしても、混色状態に依存した色味ムラが強調されることはなく、目立つこともない。したがって、このような画像に対しては、フィルタ処理部104Y,M,C,Kによるフィルタ処理を適用する必要はない(S1405)。
一方で、このような低周波数パターン画像に対して、S1403におけるフィルタ処理を適用すると、図34(b)に示すように、画像に含まれるエッジ部分がぼかされて、本来の画像からむしろ画質が劣化した状態になりうる。フィルタ処理に起因した画質劣化の程度は、画像に含まれるパターンに依存して異なる。例えば、図9(a−1)〜(a−6)に示すような高周波数パターン画像では、エッジ部分が空間的に高密度で繰り返されている。このため、このような高周波数パターン画像にフィルタ処理を適用したとしても、エッジ部分のぼかしは人間の目につきにくい。しかし、図9(b−1)〜(b−6)及び図34(a)に示すような低周波数パターン画像では、エッジ部分が目立ちやすい。このため、このような低周波数パターン画像にフィルタ処理を適用すると、広いエリアで見てもエッジ部分のぼかしは人間の目につきやすく、画質劣化と認識される原因となりうる。
したがって、低周波数パターン画像にS1403のフィルタ処理を適用する場合には、画質劣化と認識されない程度の結果となりうるぼかし処理が適用されるよう、ぼかし量Bを設定する必要がある。また、本実施形態のように、図34(b)に示す画像に、色ずれ補正部403Y,M,C,Kによる補正処理を適用すると、更にぼかし効果が入った画像に変化し、更なる画質劣化につながる可能性がある。このため、本実施形態のように、入力画像から特定パターンが検出されなかった場合、S1403のフィルタ処理は行わないほうが、画質劣化を極力抑えられ、より高い画質の出力画像が得られる。
<変形例>
上述の第1の実施形態は、以下のように種々に変形することが可能である。その場合にも、上述の効果と同等の効果を得ることができる。第1の実施形態では、図4に示すように、画像調整部402は、位置ずれ補正部403Y,M,C,Kの前段に配置しているが、その後段に配置されてもよい。即ち、画像調整部402による処理と、位置ずれ補正部403Y,M,C,Kによる処理とは、任意の順に実行されうる。また、画像調整部402内において実行される各処理(並置混色度演算部102、パターン検出部103Y,M,C,K等による処理)についても、任意の順に実行されうる。また、ハーフトーン処理部406Y,M,C,Kによるハーフトーン処理は、位置ずれ補正部403Y,M,C,Kによる補正処理の前段で実行されてもよい。この場合、セレクタ408Y,M,C,Kによる選択処理は必要なくなる。
上述の第1の実施形態は、以下のように種々に変形することが可能である。その場合にも、上述の効果と同等の効果を得ることができる。第1の実施形態では、図4に示すように、画像調整部402は、位置ずれ補正部403Y,M,C,Kの前段に配置しているが、その後段に配置されてもよい。即ち、画像調整部402による処理と、位置ずれ補正部403Y,M,C,Kによる処理とは、任意の順に実行されうる。また、画像調整部402内において実行される各処理(並置混色度演算部102、パターン検出部103Y,M,C,K等による処理)についても、任意の順に実行されうる。また、ハーフトーン処理部406Y,M,C,Kによるハーフトーン処理は、位置ずれ補正部403Y,M,C,Kによる補正処理の前段で実行されてもよい。この場合、セレクタ408Y,M,C,Kによる選択処理は必要なくなる。
また、画像処理部40において、入力画像から検出されうる特定パターンに応じて、ハーフトーン処理部406Y,M,C,Kによるハーフトーン処理の内容を異なる複数の選択肢から選択するようにしてもよい。その場合、画像調整部402におけるパターン検出部103Y,M,C,Kによる処理結果を、そのような選択に用いることが可能である。更に、入力画像から検出されうる特定パターンに応じて、位置ずれ補正部403Y,M,C,Kによる補正処理の内容を異なる複数の選択肢から選択するようにしてもよい。その場合にも、パターン検出部103Y,M,C,Kによる処理結果を、そのような選択に用いることが可能である。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、画像調整部402のフィルタ処理部104Y,M,C,Kにおいて使用するぼかし量Bは、各色について一定としている。本実施形態では、主走査方向における走査位置における位置ずれの程度に応じて、ぼかし量Bを適宜決定することを特徴とする。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、画像調整部402のフィルタ処理部104Y,M,C,Kにおいて使用するぼかし量Bは、各色について一定としている。本実施形態では、主走査方向における走査位置における位置ずれの程度に応じて、ぼかし量Bを適宜決定することを特徴とする。
第1の実施形態では、フィルタ処理部104Y,M,C,Kはそれぞれ一定のぼかし量Bに対応したフィルタ係数を用いたフィルタ処理を行う。その結果、図28(e)に示す混色ドットイメージでは、図29(e)に示すフィルタ処理を行わない場合と比較して、副走査方向(上下方向)に、M色のドットが広がっている。即ち、各走査位置に形成されるドットの並置混色度が調整されており、その結果として色味ムラの発生が抑制されうる。
このようなフィルタ処理によって調整される並置混色度の量が大きい場合、調整後の混色ドットに色味ムラは発生しない一方で、色味が元の色味から変化しすぎてしまうことがある。例えば、図28(e)では、C色のドットに対して完全に重なっていた(並置混色度0%の)M色のドットが、C色のドットに対して上下方向に大幅にはみ出しているため、全体的に赤みがかった色味に変化しうる。また、ラインのエッジ部分も大きくぼけてしまった場合、細密パターン画像ではそのようなぼけはあまり目立たないものの、ぼかし処理が施されたドットが広範囲にわたると、ドットが小さくなり、粒状性が劣化する結果、画質劣化の原因となりうる。
図35は、第1の実施形態における図28に示す走査位置を拡大して、入力画像に適用される位置ずれ補正値Δyの範囲として、0.1刻みで0〜2.3の範囲(走査位置でp0〜p23に対応する範囲)のドット形成イメージを示している。図35(c)の混色ドット形成イメージでは、位置ずれ補正値Δyに応じて並置混色状態が主走査方向に沿って周期的に変化している。具体的には、図35(d)に示すように、Δyが0から0.5まで増加する間に、並置混色度が最小値(0%)から最大値まで増加し、Δyが0.5から1.0まで増加する間に、並置混色度が最大値から最小値(0%)まで減少する。また、Δyが1.0から2.0まで増加する間にも、並置混色度は同様に変化する。即ち、1ドット分のΔyの変化を1周期として、ドット形成イメージの並置混色度が周期的に変化している。
図35(e)は、位置ずれ補正値Δyの小数点以下の数値Δy'(0≦Δy'<1.0)と並置混色度との関係を示しており、主走査方向における並置混色度の変化の1周期に対応している。本実施形態では、この位置ずれ補正値Δy'に対する並置混色度の変化に応じてぼかし量Bを調整することを特徴とする。具体的には、ぼかし量Bについての複数の最大値Bmaxを予め定め、当該最大値Bmaxを上限として、位置ずれ補正値Δy'に応じたぼかし量Bを色ごとに生成する。この複数の最大値Bmaxは、それぞれ異なる色に対応した値である。更に、生成したぼかし量Bによるぼかし処理を、入力画像データに対して実行する。それにより、並置混色度の変動幅を低減し、並置混色度の調整後の画像の画質をより向上させる。
図36は、本実施形態において用いるぼかし量Bを示すグラフである。同図では、Bmaxを最大値として、並置混色度の変化に応じたぼかし量Bを設定している。本実施形態では、ぼかし量Bの最大値Bmaxを、図37に示すように色ごとに個別に設定している。例えば、M色については、ぼかし量Bの最大値Bmax=0.7とし、Δy'=0でB=Bmax、Δy=0.5でB=0となるように、図36に示すように、線形補間によってぼかし量Bを設定する。図36に示すぼかし量Bの特性は、図35(e)に示す並置混色度の特性とはほぼ逆の特性となっている。これは、Δy'=0における並置混色度0%のドットの形状を、並置混色度が最大となるΔy'=0.5のドット形状と同一となるように、ぼかし量Bを調整するためである。
次に、図39を参照して、本実施形態においてフィルタ処理部104Y,M,C,Kによって使用されるぼかし量Bを決定するぼかし量決定部3900の動作について説明する。ぼかし量決定部3900は、画像調整部402内に配置される。なお、図39では、Y色に対応するぼかし量決定部3900のみを示しているが、M,C及びK色についても同様のぼかし量決定部3900が設けられている。以下では、第1の実施形態と異なる点を中心として説明する。
ぼかし量決定部3900は、位置ずれ量格納部3901と、位置ずれ補正量演算部3902と、最大ぼかし量(Bmax)格納部3903と、ぼかし量演算部3904とを含む。位置ずれ量格納部3901及び位置ずれ補正量演算部3902は、第1の実施形態における位置ずれ補正部403Yに含まれる、位置ずれ量格納部1801及び位置ずれ補正量演算部1802と、それぞれ同様の処理を実行する。即ち、位置ずれ補正量演算部3902は、対象画素に対応する座標(x,y)における位置ずれ補正量Δyを計算する。最大ぼかし量(Bmax)格納部3903には、色ごとのぼかし量Bmax(図37)が格納されている。図37に示すように、最大ぼかし量Bmaxは、後述するように、第1の実施形態で用いたぼかし量(図17)よりも小さい値に設定されている。
ぼかし量演算部3904は、最大ぼかし量格納部3903から得られる最大ぼかし量Bmaxと、位置ずれ補正量演算部3902から得られる位置ずれ補正値Δyとに基づいて、フィルタ処理部104Yで用いるぼかし量Bを決定する。ぼかし量演算部3904は、決定したぼかし量Bをフィルタ処理部104Yに提供する。具体的には、ぼかし量演算部3904は、位置ずれ補正値Δyの小数点以下の値を抽出することでΔy'を求めるとともに、図36に示すように、最大ぼかし量Bmaxに基づく線形補間を行うことで、座標(x,y)におけるY色のぼかし量Bを決定する。
なお、Δy'に応じたぼかし量Bの調整には、上述の線形補間だけでなく、バイキュービック補間、スプライン補間等の任意の補間方法を用いることも可能である。また、最大ぼかし量Bmaxも、図37に示す値だけに限らず、入力画像の特性に応じて設定しうる。また、位置ずれ量格納部3901及び位置ずれ補正量演算部3902をぼかし量決定部3900内に設けなくてもよい。この場合、位置ずれ補正部403Y内の位置ずれ補正量演算部1802によって計算されたΔyを画像調整部402に提供し、ぼかし量演算部3904は、位置ずれ補正部403Yから提供されたΔyを用いてぼかし量Bを決定すればよい。これにより、位置ずれ補正部403Yと画像調整部402において、同じ計算を重複して実行することを回避でき、計算コストを低減できよう。
次に、図38を参照して、本実施形態に係るぼかし量Bの調整による効果について説明する。図38は、第1の実施形態における図28と対応しており、図38(b-1)及び(b-2)において、走査位置に応じてぼかし量Bを決定している点が異なっている。図38(b-1)及び(b-2)では、図37に示す最大ぼかし量Bmaxが設定されている。更に、位置ずれ補正値Δyから得られるΔy'から、図36に示すように、線形補間によってぼかし量Bを決定する。フィルタ処理部104C,Mは、決定されたぼかし量Bに対応するフィルタ係数を用いたフィルタ処理を、入力画像に対して実行する。なお、ぼかし量Bに対応するフィルタ係数については、第1の実施形態(図15)と同様、異なる複数のぼかし量Bに対応するフィルタ係数を、フィルタ処理部104Y,M,C,Kにそれぞれ保持させておけばよい。
図38(e)に示すように、位置ずれ補正後に形成される混色ドット形成イメージでは、図28(e)と比較して、いずれの走査位置p0〜p5でも、C色のドットに対してM色のドットがはみ出ている(重なっていない)部分の面積が同程度となっている。即ち、いずれの走査位置p0〜p5でも、並置混色度が同程度に調整されており、ドットごとの混色状態が均一化されている。具体的には、走査位置p0〜p5において、第1の実施形態(図28)では、ぼかし処理によって並置混色度が約27〜39%に調整されているのに対して、本実施形態(図38)では、並置混色度が約25%でほぼ均一化されている。したがって、本実施形態では、第1の実施形態よりも、形成画像においてドットごとの発色作用の差に起因した色味ムラを更に低減することができる。
更には、本実施形態では、第1の実施形態よりも、位置ずれ補正後の並置混色度が全体的に低く(約25%まで)抑えられている。この並置混色度(25%)は、ぼかし処理を行わない場合(図29)の、位置ずれ補正後の画像における最大の並置混色度(走査位置p5における約25%)と同程度となっている。この数値は、第1の実施形態における位置ずれ補正後の画像の並置混色度(約27〜39%)よりも低くなっている。即ち、第1の実施形態における図28(e)と比較すると、図38(e)では、ぼかし処理に起因したドットの広がりが抑えられている。このように、第2の実施形態は、ぼかし処理によるドットの広がりを極力抑えつつ、ぼかし処理後の各ドットの並置混色度を同程度にすることを特徴としている。実際に、第1の実施形態で用いたぼかし量B(図17)とよりも、本実施形態で用いるぼかし量B(図36及び図37)は小さい値が設定されている。
本実施形態によれば、主走査方向における各走査位置における位置ずれ(位置ずれ補正量)の程度に応じて、ぼかし量Bを決定することで、第1の実施形態よりもぼかし量Bを比較的小さく設定したとしても、色味ムラを十分に抑えることが可能になる。また、並置混色度の調整のためのフィルタ処理(ぼかし処理)後の画像において、並置混色度の変動幅を低減し、並置混色度の調整後の画像の画質を更に向上させることが可能である。
なお、ぼかし量Bは、図36に示すような線形補間による方法ではなく、図35(e)に示す並置混色度の変化に基づいて、ぼかし処理後の並置混色度が一定となるように、より精度よく決定してもよい。これにより、形成画像において生じうる色味ムラを更に抑え、更に画質を向上させることが可能である。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態では、位置ずれ補正処理の対象となる画像に含まれる細密パターンの種類に応じて、ぼかし量Bを決定することを特徴としている。以下では、説明の簡略化のため、第1及び第2の実施形態と異なる部分を中心として説明する。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態では、位置ずれ補正処理の対象となる画像に含まれる細密パターンの種類に応じて、ぼかし量Bを決定することを特徴としている。以下では、説明の簡略化のため、第1及び第2の実施形態と異なる部分を中心として説明する。
第1及び第2の実施形態では、入力画像に特定パターン(細密パターン)が含まれているか否かを判定し、細密パターン画像の種類によらず、同一のぼかし量B(最大ぼかし量Bmax)によるぼかし処理を実行する。しかし、図9(a-1)〜(a-6)に示すように、細密パターンにも様々な種類のパターンが存在する。また、細密パターンの種類に依存して、ぼかし処理後の画像の並置混色度による色味ムラの見え具合が異なる。このため、入力画像の並置混色度をより精度よく調整するためには、細密パターンに応じて、ぼかし処理におけるぼかし量Bを設定することによって、形成画像における色味ムラの更なる低減と、更なる画質の向上が期待できる。
そこで、本実施形態では、それぞれ異なる複数のパターン(細密パターン)を、入力画像データから検出するとともに、検出したパターンに対応する画素を検出する。更に、当該検出したパターンに対応し、かつ、計算した並置混色度が、所定の適正範囲内にない画素を特定する。ここで、並置混色度についての適正範囲は、複数のパターンのそれぞれに対して異なる範囲が予め定められうる。更に、そのように特定した画素についての並置混色状態を、検出したパターンに対応する適正範囲内に調整するための画像処理(ぼかし処理)を、入力画像データに対して実行する。その際、ぼかし処理におけるぼかし量Bは、検出されたパターンに対応するものを使用する。
具体的には、パターン検出部103Y,M,C,Kが、入力画像データに含まれる細密パターンの種類を特定するとともに、フィルタ処理部104Y,M,C,Kが、特定されたパターンに応じて、ぼかし処理におけるぼかし量Bを決定する。本実施形態ではパターン検出部103Y,M,C,Kは、副走査方向(Y方向)の1次元ウィンドウフィルタに加えて、主走査方向(X方向)の1次元ウィンドウフィルタを用いて、2次元のパターンを検出する。
図40を参照して、本実施形態に係るパターン検出部103Yの動作(S1307)について説明する。なお、パターン検出部103M,C,Kの動作については、パターン検出部103Yと同様であるので、説明を省略する。本実施形態では、パターン検出部103Yは、図12に示すフローチャートに代えて、図40に示すフローチャートに従って動作する。
まず、S4001及びS4002の処理は、S1201及びS1202の処理と同様である。パターン検出部103Yは、S4001で、Y方向の対象エリア内に含まれる画像のエッジを検出し、S4002で、Y方向のウィンドウフィルタ1003(図10)内に含まれる画像のエッジ部分の数(エッジ数)nyを計算する。
次に、パターン検出部103Yは、S4003で、X方向の対象エリア内に含まれる画像のエッジを検出し、S4004で、Y方向のウィンドウフィルタ4103(図41)内に含まれる画像のエッジ部分の数(エッジ数)nxを計算する。ここで、図41には、図10に示す副走査方向(Y方向)における特定パターンの検出処理に対応した、主走査方向(X方向)における特定パターンの検出処理について示している。図41のX0〜X4は、図10のY0〜Y4に対応している。パターン検出部103Yは、図10を用いて上述した処理と同様の処理を、図41に示すX方向の対象エリア4101について実行する。これにより、パターン検出部103Yは、X方向のウィンドウフィルタ4103内に含まれる画像のエッジ数nxを計算する。
次に、S4005で、パターン検出部103Yは、X及びY方向の対象エリア1001及び4101に含まれる全ての画素の画素値(階調値)から、面積率rを計算する。ここで、面積率rとは、次式のように、X及びY方向の対象エリアに含まれる画素の階調値について積分して得られる階調積分値を、当該対象エリア内の全画素数と階調値の最大値255とを掛け合わせた値で割ったものに相当する。
面積率r=(対象エリアの階調積分値)/(対象エリア内の全画素数×255)
例えば、図10に示すY方向の対象エリア1001、及び図41に示すX方向の対象エリア4101の場合、
面積率r=(12×255+12×255)/(20×2×255)=60[%]
と計算される。
面積率r=(対象エリアの階調積分値)/(対象エリア内の全画素数×255)
例えば、図10に示すY方向の対象エリア1001、及び図41に示すX方向の対象エリア4101の場合、
面積率r=(12×255+12×255)/(20×2×255)=60[%]
と計算される。
次に、S4005で、パターン検出部103Yは、計算したエッジ数ny及びnx、並びに面積率rに基づいて、入力画像データに対応する画像に含まれている特定パターン(即ち、対象画素がいずれの特定パターンの一部であるか)を判定する。
本実施形態では、一例として、パターン検出部103Yは、図42に示すように、パターン属性値=0〜4に対応する5つのパターンを検出対象の特定パターンとして用いる。図42では、パターン属性値に対応するパターン画像の一例と、各パターン画像を検出するための判定式と、各判定式に基づく判定条件とを示している。図42に示す判定条件において、「○」は、判定式を満たしていること(True)、「×」は、判定式を満たしていないこと(False)、「−」は、判定式による判定結果に関係ないことをそれぞれ意味している。本実施形態では、判定式として、副走査方向(Y方向)のエッジ数ny≧5、主走査方向(X方向)のエッジ数nx≧5、及び面積率r≧20%を用いる。
パターン属性値0は、「低周波パターン」に対応し、面積率rに関係なく、エッジ数ny及びnxがいずれも5未満である場合に、本パターンが検出される。この「低周波パターン」は、細密パターンには相当しない。
パターン属性値1は、「縦ライン」の細密パターンに対応し、面積率rに関係なく、エッジ数nyが5未満で、かつ、エッジ数nxが5以上である場合に、本パターンが検出される。
パターン属性値2は、「横ライン」の細密パターンに対応し、面積率rに関係なく、エッジ数nyが5以上で、かつ、エッジ数nxが5未満である場合に、本パターンが検出される。
パターン属性値3は、「斜めライン」の細密パターンに対応し、面積率rが20%以上で、かつ、エッジ数nyが5以上で、かつ、エッジ数nxが5以上である場合に、本パターンが検出される。
パターン属性値4は、「高精細パターン」の細密パターンに対応し、面積率rが20%未満で、かつ、エッジ数nyが5以上で、かつ、エッジ数nxが5以上である場合に、本パターンが検出される。
パターン属性値1は、「縦ライン」の細密パターンに対応し、面積率rに関係なく、エッジ数nyが5未満で、かつ、エッジ数nxが5以上である場合に、本パターンが検出される。
パターン属性値2は、「横ライン」の細密パターンに対応し、面積率rに関係なく、エッジ数nyが5以上で、かつ、エッジ数nxが5未満である場合に、本パターンが検出される。
パターン属性値3は、「斜めライン」の細密パターンに対応し、面積率rが20%以上で、かつ、エッジ数nyが5以上で、かつ、エッジ数nxが5以上である場合に、本パターンが検出される。
パターン属性値4は、「高精細パターン」の細密パターンに対応し、面積率rが20%未満で、かつ、エッジ数nyが5以上で、かつ、エッジ数nxが5以上である場合に、本パターンが検出される。
パターン検出部103Yは、S4006で、対象画素について、図43に示す各判定式による判定結果を用いて、上述の判定条件に対応する特定パターンを判定する。更に、S4007で、パターン検出部103Yは、判定した特定パターンに対応するパターン属性を、対象画素のパターン属性として設定するとともに、設定したパターン属性を示すパターン属性値(0〜4)を、フィルタ処理部104Yに対して通知する。
なお、特定パターンの検出は、上述の方法に限らず、例えば、2次元の対象エリアに含まれる画素値を用いて2次元DFT(FFT)によって周波数特性を解析し、その解析結果に基づいて特定パターンを判定してもよい。また、判定対象のパターンの種類の数(図43)も、本実施形態のように5種類に限らず、より多くの種類のパターンを判定対象に加えてもよい。その場合、判定対象のパターンに対応する判定式及び判定条件を、新たに用意すればよい。
本実施形態において、フィルタ処理部104Yは、パターン検出部103Yによって判定された特定パターンを示すパターン属性値に応じた処理を実行する。フィルタ処理部104Yは、第1及び第2の実施形態と同様、図14に示すフローチャートに従った動作(S1308)を実行する。ただし、S1401及びS1403では、上述のパターン属性値(0〜4)に応じた処理を実行する。
S1401で、フィルタ処理部104Yは、パターン検出部103Yから通知されたパターン属性値に基づいて、対象画素が、特定の細密パターンの一部であるか否かを判定する。具体的には、フィルタ処理部104Yは、パターン属性値=0である場合には、対象画素は細密パターンの一部ではないと判定し、処理をS1405に進める。一方で、フィルタ処理部104Yは、パターン属性値≧1である場合には、対象画素は細密パターンの一部であると判定し、処理をS1402に進める。
S1402で、フィルタ処理部104Yは、フィルタ処理部104Yは、並置混色度演算部102によって計算された並置混色度に基づいて、対象画素に対して並置混色度を調整するためのフィルタ処理が必要であるか否かを判定する。このS1402における処理は、第1及び第2の実施形態と同様である。S1402で、フィルタ処理部104Yは、当該フィルタ処理が必要であると判定した場合には、S1403に処理を進め、必要がないと判定した場合には、処理をS1405に進める。
S1405及びS1406における処理は、第1の実施形態と同様である。一方、S1403では、パターン属性値(1〜4)に応じて色ごとにぼかし量Bを決定し、決定したぼかし量Bに対応するフィルタ係数を用いたフィルタ処理を、第1の実施形態と同様、対象画素について実行する。ここでは、フィルタ処理部104Yは、図43に示すように、パターン属性値(1〜4)に対応する、色ごとに予め定められたぼかし量Bを、対象画素について使用するぼかし量Bとして決定する。なお、色ごとに個別にぼかし量Bを定めている理由は、第1の実施形態と同様である。
(パターン属性値=1の場合)
パターン属性値1の細密パターン(縦ライン)では、他のパターン属性値2〜4の細密パターンと異なり、位置ずれ補正によるドット形状の変化が生じないため、これに起因した色味ムラが発生することがない。しかし、主走査方向に沿って生じうる、主走査位置によって変化する不規則な色ずれによって、副走査方向に沿った縦ラインの入力画像に対応する形成画像には、並置混色状態の変化に起因した色味ムラが発生する可能性がある。これは第1の実施形態で説明した、副走査方向に沿って生じうる、副走査位置によって変化する不規則な色ずれに起因した色味ムラと同様の現象(図5に示す横ライン画像を単純に90度回転させて縦ライン画像とした場合に対応する。)である。
パターン属性値1の細密パターン(縦ライン)では、他のパターン属性値2〜4の細密パターンと異なり、位置ずれ補正によるドット形状の変化が生じないため、これに起因した色味ムラが発生することがない。しかし、主走査方向に沿って生じうる、主走査位置によって変化する不規則な色ずれによって、副走査方向に沿った縦ラインの入力画像に対応する形成画像には、並置混色状態の変化に起因した色味ムラが発生する可能性がある。これは第1の実施形態で説明した、副走査方向に沿って生じうる、副走査位置によって変化する不規則な色ずれに起因した色味ムラと同様の現象(図5に示す横ライン画像を単純に90度回転させて縦ライン画像とした場合に対応する。)である。
このため、入力画像に縦ラインの細密パターンが含まれる場合には、上述の主走査方向における不規則な色ずれが発生したとしても、それによって形成画像に色味ムラが発生しないよう、フィルタ処理(ぼかし処理)によって並置混色度を調整する。なお、主走査方向における不規則な色ずれは、第1の実施形態で説明した、副走査方向における不規則な色ずれよりもその程度は小さいため、本実施形態では、ぼかし量Bの設定値は比較的小さい値に設定している。
(パターン属性値=2,3及び4の場合)
パターン属性値2,3及び4の細密パターンでは、この順に色味ムラが目立ちやすい。即ち、横ライン・パターン>斜めライン・パターン>高精細パターンの順に、位置ずれ補正による並置混色度の変化に起因して発生する色味ムラが目立ちやすいパターンである。ここで、斜めライン・パターン(パターン属性値=3)が横ライン・パターン(パターン属性値=2)よりも色味ムラが目立ちにくい理由は、以下のとおりである。斜めライン・パターンの場合、電子写真方式の非線形効果によってドット形状が横方向に広がることで、ラインの傾きに依存して、ラインの上下方向にドットが広がりうる。その結果、斜めライン・パターンの場合、形成画像における並置混色状態が、色味ムラを低減するように変化するためである。
パターン属性値2,3及び4の細密パターンでは、この順に色味ムラが目立ちやすい。即ち、横ライン・パターン>斜めライン・パターン>高精細パターンの順に、位置ずれ補正による並置混色度の変化に起因して発生する色味ムラが目立ちやすいパターンである。ここで、斜めライン・パターン(パターン属性値=3)が横ライン・パターン(パターン属性値=2)よりも色味ムラが目立ちにくい理由は、以下のとおりである。斜めライン・パターンの場合、電子写真方式の非線形効果によってドット形状が横方向に広がることで、ラインの傾きに依存して、ラインの上下方向にドットが広がりうる。その結果、斜めライン・パターンの場合、形成画像における並置混色状態が、色味ムラを低減するように変化するためである。
また、高精細パターン(パターン属性値=4)において色味ムラが目立ちにくい理由は、面積率rが比較的低いことである。即ち、高精細パターンは面積率rが低いため、位置ずれ補正によって、エッジ部分で異なる色のドットがずれる(重なる)面積が少ない。このため、位置ずれ補正に伴う並置混色度の変化が比較的小さくなりやすいため、形成画像における色味ムラが目立ちにくくなる。
上述のように、入力画像に含まれる細密パターンの種類に依存して、形成画像に生じうる色味ムラの目立ちやすさが異なる。したがって、本実施形態では、細密パターンの種類に応じて、図43に示すように、適切なぼかし量Bを選択し、選択したぼかし量Bに応じたフィルタ処理(ぼかし処理)を、入力画像に対して適用する。本実施形態によれば、成画像における色味ムラを更に低減し、画質を更に向上させることが可能である。
なお、判定対象の細密パターンの種類の数、及び各細密パターンに対応したぼかし量Bの設定値は、図42及び図43に示すものに限られない。例えば、縦ライン・パターンの細密パターン(パターン属性値=1)については、ぼかし量Bを比較的を小さい値に設定している。しかし、主走査方向において発生しうる上述の不規則な色ずれの程度が大きい場合には、ぼかし量Bをより大きな値に設定することで、そのような色ずれをより低減することができよう。
また、本実施形態では、S1402において、細密パターンとは無関係に、第1及び第2の実施形態と同様、15%<並置混色度<85%である場合に、並置混色度が適正範囲内に収まっているものとしている。しかし、細密パターンの種類に依存して、ぼかし処理後の画像の並置混色度による色味ムラの見え具合が異なるため、この並置混色度の適正範囲は、細密パターンごとに、異なる範囲に設定されてもよい。それにより、入力画像に含まれる細密パターンごとに、色ずれ補正処理によって色味ムラが発生しうる並置混色度に変化した画像を適切に判定することが可能になる。
かかる処理は、例えば、S1308における処理を、図14に代えて、図44に示すフローチャートに従って実行することによって実現されうる。図44において、S4400は、S1401における判定処理に対応する。S4400で、フィルタ処理部104Yは、パターン属性値Aを確認し、パターン属性値A=0である場合には、対象画素は細密パターンの一部ではないと判定し、処理をS1405に進める。また、フィルタ処理部104Yは、パターン属性値A=1〜4である場合には、対象画素は細密パターンの一部であると判定し、その値に応じたステップ、即ち、細密パターンに応じてステップに処理を進める。具体的には、フィルタ処理部104Yは、A=1,2,3及び4のそれぞれに対応して、処理をS4401、S4402、S4403及びS4404に進める。
このようにして、S4400では、パターン属性値A(=0〜4)に応じて、以降の処理を切り替える。上述のように、位置ずれ補正による並置混色度の変化に起因して発生する色味ムラは、横ライン・パターン(A=2)>斜めライン・パターン(A=3)>高精細パターン(A=4)、の順に目立ちやすい。このため、図44では、色味ムラが目立ちやすい順に、対象画素について計算された並置混色度が適正と判定される範囲を狭く設定している。即ち、横ライン・パターンについては20%<並置混色度<80%(S4402)、斜めライン・パターンについては15%<並置混色度<85%(S4403)、高精細パターンについては10%<並置混色度<90%(S4404)を、並置混色度の適正範囲としている。
具体的には、横ライン・パターンについては、並置混色度が比較的高いまたは低い場合に、色味ムラが目立つ傾向にある。このため、並置混色度がある程度高いまたは低い場合に並置混色度の調整が行われるよう、並置混色度の適正範囲を、上述の4つの細密パターンのうちで最も狭くしている(20%<並置混色度<80%)。一方で、高精細パターンについては、並置混色度が極端に高いまたは低い場合を除いて、色味ムラは目立ちにくい。このため、並置混色度が極端に高いまたは低い場合に並置混色度の調整が行われるよう、並置混色度の適正範囲を、上述の4つの細密パターンのうちで最も広くしている(10%<並置混色度<90%)。また、縦ライン・パターン(A=1)については、横ライン・パターン(A=2)よりは色味ムラが目立つことがない。このため、縦ライン・パターンについては、並置混色度の適正範囲を、斜めライン・パターン(A=3)と同程度の、15%<並置混色度<85%に設定している(S4401)。
S4401〜S4404で、フィルタ処理部104Yは、並置混色度演算部102によって計算された、対象画素についての並置混色度が、適正範囲内に収まっていると判定した場合には、処理をS1405に進める。一方、フィルタ処理部104Yは、並置混色度が適正範囲内に収まっていないと判定した場合には、処理をS4411〜S4414にそれぞれ進める。
S4411〜S4414で、フィルタ処理部104Yは、パターン属性値(1〜4)に応じて色ごとにぼかし量Bを決定し、決定したぼかし量Bに対応するフィルタ係数を用いたフィルタ処理を、第1の実施形態と同様、対象画素について実行する。ここでは、フィルタ処理部104Yは、図43に示すように、パターン属性値(1〜4)に対応する、色ごとに予め定められたぼかし量Bを、対象画素について使用するぼかし量Bとして決定する。
以上説明したように、本実施形態によれば、細密パターンに応じて、ぼかし処理におけるぼかし量Bを設定することによって、形成画像における色味ムラの更なる低減と、更なる画質の向上させることができる。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。第1乃至第3の実施形態では、並置混色度の調整のための画像処理として、フィルタ処理に基づくぼかし処理を入力画像に適用することを特徴としている。しかし、本発明の特徴の1つである並置混色度の調整は、別の方法でも実現できる。第4の実施形態では、座標変換処理を入力画像に適用することで、入力画像に含まれるエッジ部分の形状を変化させ、並置混色度を調整することを特徴としている。具体的には、各色について、並置混色度の調整の対象として特定された画素のデータを、色及び画素ごとに予め定められているシフト量で他の画素へシフトさせることによって、並置混色度を調整する。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。第1乃至第3の実施形態では、並置混色度の調整のための画像処理として、フィルタ処理に基づくぼかし処理を入力画像に適用することを特徴としている。しかし、本発明の特徴の1つである並置混色度の調整は、別の方法でも実現できる。第4の実施形態では、座標変換処理を入力画像に適用することで、入力画像に含まれるエッジ部分の形状を変化させ、並置混色度を調整することを特徴としている。具体的には、各色について、並置混色度の調整の対象として特定された画素のデータを、色及び画素ごとに予め定められているシフト量で他の画素へシフトさせることによって、並置混色度を調整する。
上述のように、第1乃至第3の実施形態においてフィルタ処理に基づくぼかし処理を入力画像に適用すると、図28(e)に示すように、並置混色度が調整されたドットを形成できる。このようなぼかし処理を入力画像データに適用すると、ぼかし処理を適用しない場合(図29)と比べて、ぼかし処理が適用された画素において比較的小さい階調値に基づくドットが生成される傾向がある。このような小さい階調値に基づいて記録材上に実際に形成されるドットは、電子写真方式特有の非線形性によって、不安定な特性を示す場合がある。即ち、実際の階調値に対応したサイズよりも小さいサイズのドットが形成される場合がある。その結果、濃度ムラ、粒状性の劣化等の画質劣化につながる可能性がある。特に、温度、湿度等の環境条件に依存して、ドットがより不安定になることがある。したがって、並置混色度の調整に際して、このようなドットの不安定な特性を更に改善することができれば、形成画像の画質を更に向上させることが可能である。
そこで、本実施形態では、並置混色度の調整のための画像処理の対象となる画素に対して、以下で説明する座標変換処理を適用することによって、並置混色度の調整の結果として比較的小さい階調値に基づくドットが形成されることを回避する。それにより、形成画像の画質を更に向上させる。とりわけ、本実施形態では、位置ずれ補正による並置混色度の変化に起因して発生する色味ムラが目立ちやすい、横ライン・パターンの細密パターン(パターン属性値A=2)に対して、座標変換処理を適用した場合について説明することとする。具体的には、第3の実施形態で説明した図44においてS4400からS4402に処理が進んだ場合にフィルタ処理部104Yによって実行される処理について、図45を参照しながら以下で説明する。
図45に示すように、第3の実施形態のS4402において並置混色度が適正範囲に収まっていない(並置混色度の調整が必要である)と判定された場合に、S4412ではなく、S4512の処理を実行することを特徴としている。画像処理部40において実行されるその他の処理については、第3の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
S4512では、フィルタ処理部104Yは、対象画素について、並置混色度の調整のための座標変換処理を実行する。ここで、図46及び図47を参照して、S4512の処理についてより詳しく説明する。なお、図47に示すデータは、予めフィルタ処理部104Y,M,C,Kによって保持されているものとする。本実施形態では、図47に示すデータに基づいて、各色について、並置混色度の調整の対象として特定された画素のデータを、色及び画素ごとに予め定められているシフト量で他の画素へシフトさせる。
S4512では、フィルタ処理部104Yは、図46に示すフローチャートに従って動作する。まず、S4601で、フィルタ処理部104Yは、対象画素の座標(x,y)と、図47に示す色ごとの周期β[ドット]及び位相δ[ドット]とに基づいて、当該対象画素の画素値の座標変換処理を行うか否かを判定する。具体的には、フィルタ処理部104Yは、判定式Mod(x+δ,β)=0が真(True)であるか否かを判定する。ここで、Mod(x+δ,β)は、(x+δ)をβで除算した場合の剰余を表す。
例えば、対象画素のx座標がx=120である場合、フィルタ処理部104Yは、Y色に対応するβ=6、δ=1に基づき、Mod(121,6)=1と計算し、判定式は偽(False)であると判定する。なお、色番号iが他の色に対応する場合には、同一のx座標について以下のような判定結果が得られる。フィルタ処理部104Mは、M色に対応するβ=3、δ=0に基づき、Mod(120,3)=0と計算し、判定式は真(True)であると判定する。フィルタ処理部104Cは、C色に対応するβ=1、δ=0に基づき、Mod(120,1)=0と計算し、判定式は真(True)であると判定する。フィルタ処理部104Kは、K色に対応するβ=6、δ=4に基づき、Mod(124,6)=4と計算し、判定式は偽(False)であると判定する。
S4601における判定結果に応じて、フィルタ処理部104Yは、判定結果が真(True)である場合、処理をS4602に進める一方で、判定結果が偽(False)である場合、処理をS4603に進める。
S4602では、フィルタ処理部104Yは、対象画素に対応する座標(x,y)の画素値の座標を変換せず、出力対象の座標(x,y')として決定する。即ち、フィルタ処理部104Yは、出力対象の座標(x,y')=(x,y)と決定する。一方、S4603で、フィルタ処理部104Yは、図47に示す、Y色に対応するシフト量α(=1)[ドット]に基づいて、対象画素に対応する座標(x,y)を、y座標においてαだけシフトさせた座標(x,y+α)に変換する。即ち、フィルタ処理部104Yは、出力対象の座標(x,y')=(x,y+α)と決定する。
S4602またはS4603の後、S4604で、フィルタ処理部104Yは、画像位置(x,y)のデータ(画素値)を、座標(x、y')のデータとして出力することで、ビットマップメモリ105Yに対して出力画像データを格納する。S4604の後、フィルタ処理部104Yは、処理をS1404(図45)に進める。
図48は、上述のS4512における座標変換処理によって得られる画像イメージを示している。図48(a)は、座標変換処理前の、横ライン・パターンから成る細密パターン画像の一例として、2ドット幅の細線から成る細密パターン画像を示している。ここで、座標x0〜x15は、主走査方向(X方向)に沿った位置を示し、それぞれx=120〜135の値に対応しているものとする。
図48(b)〜(e)はそれぞれ、本実施形態に係る座標変換処理(S4512)によって得られた、Y,M,C及びK色の画像イメージである。図48(d)に示すC色では、シフト量α=0であるため、座標変換処理の前後で画像イメージに変化はない。図48(c)に示すM色では、座標xに依存して3ドット周期でドットが副走査方向に1ドット分シフトしている。図48(b)に示すY色では、座標xに依存して6ドット周期でドットが副走査方向に1ドット分シフトしているが、シフトしているドットの位置は、M色に対して1ドット分位相がずれている。図48(e)に示すK色では、Y色と同様、座標xに依存して6ドット周期でドットが副走査方向に1ドット分シフトしているが、シフトしているドットの位置は、Y色に対して逆位相であり、また、M色に対して1ドット分位相がずれている。
このように、図47に示すパラメータを用いることで、副走査方向にドットが1ドット分シフトしている位置(座標x)は、主走査方向に沿って、異なる色間で周期または位相が異なるものとなる。その結果、異なる色の画像を重ね合わせた場合に、対応するドットの重なり具合が変化し、出力画像における並置混色度が入力画像から変化する。また、本実施形態では、第1乃至第3の実施形態のように、入力画像のドットに対してぼかし処理を行うのではなく、ドットの位置をシフトさせることによって、入力画像の並置混色度を変化させる。このため、本実施形態では、入力画像の並置混色度を調整する際に、ドットのサイズを変化させることはない。
したがって、本実施形態によれば、形成されるドットの特性が電子写真方式特有の非線形性によって不安定となることを回避できるとともに、上述の実施形態と同様、並置混色状態の変化に起因した色味ムラの発生を回避できる。とりわけ、入力画像に含まれるドットが100%の階調値のドットであった場合、本実施形態に係る座標変換処理の適用後も、100%の階調値のまま維持されるため、ドットが安定された状態のまま維持される。その結果、出力画像の品質は高いまま維持されることになる。
また、本実施形態によれば、簡易な処理によって入力画像の並置混色度を調整することが可能である。例えば、図48に示す例において、図48(d)に示す、座標変換を行っていないC色と、図48(c)に示す、3ドット周期で座標変換を行ったM色との間の並置混色度は約17%である。また、図48(d)に示すC色と、図48(b)に示す、6ドット周期で座標変換を行ったY色との間の並置混色度は約8%である。このように、本実施形態では、座標変換処理において使用した周期βに依存して、並置混色度が線形的に変化する。したがって、図47に示すようなパラメータを調整することによって、入力画像の並置混色度を適切な並置混色度に簡易に調整することができる。
更には、座標変換処理に使用する位相δとして、異なる色について異なる値を使用することによって、入力画像の並置混色度を簡易に調整することができる。特に、複数の色について周期βが同一であり、かつ、シフト量αも同一であった場合にも、位相δを調整することによって、並置混色度を確実に調整できる。このため、第1乃至第3の実施形態のように、ぼかし量Bに基づいて並置混色度を調整するよりも、より簡易なパラメータで並置混色度を調整することができる。
ただし、周期βの設定には、以下のような注意を要する。例えば、色ごとに異なる周期βで座標変換処理を行う場合、座標変換後の画像は、色ごとに設定した周期βの周期性を有することになり、異なる色の画像間で干渉が生じ、出力画像の品質が劣化する可能性がある。これに対処するためには、例えば、各色の周期βが整数倍の関係を有するように、各色の周期βを設定すればよい。これにより、設定した周期βに対応する周波数以外の周波数において、干渉が発生することはなくなる。
また、上述のような干渉が発生したとしても、高い周波数の干渉のみが発生するようにすることで、出力画像に発生する干渉を目立ちにくくすることも可能である。例えば、異なる2つの色の周期βをそれぞれ異なる周期(2ドット及び3ドット)に設定した場合は、6ドット周期の干渉パターンが発生する。しかし、6ドット周期の干渉パターンは、比較的高周波数の干渉成分であるため、目立ちにくい特性があり、通常の画像では問題になりにくい。あるいは、シフト量αを比較的小さい値に設定することでも、干渉パターンを目立ちにくくすることができる。この場合、たとえ干渉パターンが低周波成分であったとしても、干渉パターン強度が小さくなって目立ちにくくなりうるためである。
(変形例)
本実施形態に係る並置混色度の調整のための画像処理は、異なる方法によっても実現できる。以下では、階調値の小さな、不安定な特性を有するドットを生成せずに、並置混色度の調整のための画像処理を実行する方法として、上述の方法(図45)とは異なる方法について説明する。図49(a)は、入力画像に対して並置混色度の調整のための画像処理を適用する前の、横ライン・パターンから成る細密パターン画像の一例を示している。また、図49(b)〜(e)は、図49(a)の画像に対して異なる画像処理を適用して得られる画像を示している。
本実施形態に係る並置混色度の調整のための画像処理は、異なる方法によっても実現できる。以下では、階調値の小さな、不安定な特性を有するドットを生成せずに、並置混色度の調整のための画像処理を実行する方法として、上述の方法(図45)とは異なる方法について説明する。図49(a)は、入力画像に対して並置混色度の調整のための画像処理を適用する前の、横ライン・パターンから成る細密パターン画像の一例を示している。また、図49(b)〜(e)は、図49(a)の画像に対して異なる画像処理を適用して得られる画像を示している。
図49(b)は、周期β=4ドットで、sin波の形状にドットパターンを変化させる座標変換処理を、入力画像に対して施した結果を示している。この座標変換処理では、例えば、変換後の座標を
y'=y+Round(α×sin(2π(x+δ)/β))
のように計算すればよい。なお、Round(z)はzを整数化する関数である。当該座標変換処理は、図48における処理と比べて、対象画素に対して、副走査方向に沿って両方向にドットをシフトさせる。このため、出力画像において、ラインの副走査方向における重心位置を変化させることなく、並置混色度を変化させることができる。
y'=y+Round(α×sin(2π(x+δ)/β))
のように計算すればよい。なお、Round(z)はzを整数化する関数である。当該座標変換処理は、図48における処理と比べて、対象画素に対して、副走査方向に沿って両方向にドットをシフトさせる。このため、出力画像において、ラインの副走査方向における重心位置を変化させることなく、並置混色度を変化させることができる。
図49(c)は、図49(b)の処理において、例えば位相δが座標yに依存して周期的に変化させる座標変換処理を、入力画像に対して施した結果を示している。この座標変換処理では、例えば、
δ(y)=h×Step(sin(2π(y+j)/γ))
のような関数を用いて設定した位相δを用いる。この座標変換処理は、副走査方向にシフトするドットの位相を、副走査方向におけるy方向に応じて設定したものに相当する。なお、Step(z)はz<0で0、z≧0で1となる単位ステップ関数であり、各パラメータをh=1、j=0.1、γ=10と設定している。このような処理によれば、横ライン・パターンにおいて、座標変換後のドットパターンの、副走査方向における周期性を、図49(b)に示すパターンよりも目立ちにくくすることができ、出力画像(形成画像)においてより自然な細密パターンを表現することができる。
δ(y)=h×Step(sin(2π(y+j)/γ))
のような関数を用いて設定した位相δを用いる。この座標変換処理は、副走査方向にシフトするドットの位相を、副走査方向におけるy方向に応じて設定したものに相当する。なお、Step(z)はz<0で0、z≧0で1となる単位ステップ関数であり、各パラメータをh=1、j=0.1、γ=10と設定している。このような処理によれば、横ライン・パターンにおいて、座標変換後のドットパターンの、副走査方向における周期性を、図49(b)に示すパターンよりも目立ちにくくすることができ、出力画像(形成画像)においてより自然な細密パターンを表現することができる。
図49(a)及び(b)以外にも、図49(d)及び(e)に示すようなパターンとなるように、入力画像に含まれるドットパターンを変化させる座標変換処理を、入力画像に対して実行してもよい。図49(d)は、横ラインの副走査方向における重心位置を変化させずに、高周波でエッジ部分が変化させる座標変換処理を、入力画像に対して施した結果を示している。当該座標変換処理によれば、横ラインの直線性が保たれる結果、入力画像(a)との差異の少ない画像を得ることができる。ただし、図49(d)のように、エッジ部分を高周波で変化させると、ドットが不安定になる可能性があり、エッジ部分がある程度ぼやける可能性がある。これに対して、図49(e)に示すようなパターンに入力画像に含まれるドットパターンを変化させる座標変換処理であれば、このようなエッジ部分のぼけを低減させることができよう。即ち、ラインを構成するドットの主走査方向(横方向)の連結の度合いが図49(d)に示すパターンよりも強いため、ドットがより安定して形成され、ぼけを低減可能である。
以上説明したように、本実施形態では、入力画像から特定の細密パターン(横ライン・パターン)が検出された場合に、並置混色度を調整するための画像処理として、第1乃至第3の実施形態とは異なる画像処理を、並置混色度に応じて入力画像に適用する。具体的には、画像処理の対象となる画素について、予め定められたパラメータに基づいて座標を変化させる処理を実行する。これにより、並置混色度の調整に起因して、不安定な特性を示す小さいサイズのドットが形成されることを回避することが可能である。その結果、第1乃至第3の実施形態と比較して、形成画像の画質を更に向上させることが可能である。
また、本実施形態によれば、簡易なパラメータの設定に基づいて、並置混色度の調整を簡易に実現することも可能である。上述のパラメータは、求められる画像の品質や画像処理のコスト等に応じて選択することができるため、並置混色度の調整を行う際の、入力画像に対する画像処理を実行するユニット設計の自由度を増大させることが可能である。
なお、本実施形態では、図45に示すように、入力画像が横ライン・パターンである場合にのみ、上述の座標変換処理を実行しているが、他の特定の細密パターン画像に対して、上述の座標変換処理を実行してもよい。それにより、入力画像が、横ライン・パターン画像以外の特定の細密パターン画像である場合にも同様に、上述の効果を得ることができる。
[その他の実施形態]
上述の各実施形態において説明した、画像処理部40によって実行される処理は、画像形成装置10に限られず、画像形成装置10に画像形成のための画像データを供給するホスト・コンピュータ(ホストPC)において実行されてもよい。この場合、当該ホストPCは、本発明の画像処理装置として機能する。
上述の各実施形態において説明した、画像処理部40によって実行される処理は、画像形成装置10に限られず、画像形成装置10に画像形成のための画像データを供給するホスト・コンピュータ(ホストPC)において実行されてもよい。この場合、当該ホストPCは、本発明の画像処理装置として機能する。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワークまたは各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
Claims (17)
- 複数の色に対応する複数の色成分データを含み、マルチカラー画像を形成するための入力画像データに対する画像処理を行う画像処理装置であって、
前記入力画像データに含まれる各色の画素値を用いて形成される各色のドットを重ね合わせた場合の混色状態を示し、各色のドットの重なり具合に応じて変化するパラメータを、前記入力画像データにおける画素ごとに計算する計算手段と、
前記入力画像データにおいて特定のパターンを検出するとともに、当該特定のパターンに対応する画素を検出する検出手段と、
前記入力画像データにおいて、前記検出手段によって検出された前記特定のパターンに対応し、かつ、前記計算手段によって計算されたパラメータが所定の適正範囲内の値を示さない画素を特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された画素の前記パラメータを前記所定の適正範囲内に調整するための画像処理を、前記入力画像データに実行する実行手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 前記画像処理は、
前記特定された画素の前記パラメータを前記所定の適正範囲内に調整可能なぼかし量によるぼかし処理であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記実行手段は、前記複数の色成分データのそれぞれに対して、異なるぼかし量による前記ぼかし処理を実行する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記ぼかし量についての複数の最大値であって、それぞれ異なる色に対応した前記複数の最大値と、前記入力画像データに適用されるべき、形成画像に生じる位置ずれを補正するための画素ごとの補正値と、を記憶した記憶手段を更に備え、
前記実行手段は、
前記複数の最大値を上限として、前記記憶手段に記憶されている補正値のうち前記特定された画素に対して適用されるべき補正値に応じたぼかし量を色ごとに生成し、前記複数の色成分データのそれぞれに対して、前記生成したぼかし量による前記ぼかし処理を実行する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の画像処理装置。 - 前記検出手段は、
前記入力画像データにおいて、それぞれ異なる複数の特定のパターンを検出するとともに、前記複数の特定のパターンのうちで検出したパターンに対応する画素を検出し、
前記所定の適正範囲として、前記複数の特定のパターンのそれぞれに対して異なる範囲が予め定められており、
前記特定手段は、
前記入力画像データにおいて、前記複数の特定のパターンのうちで前記検出手段によって検出されたパターンに対応し、かつ、前記計算手段によって計算されたパラメータが、当該検出されたパターンに対応する適正範囲内の値を示さない画素を特定し、
前記実行手段は、
異なる複数のぼかし量のうち、前記検出手段によって検出されたパターンに対応するぼかし量による前記ぼかし処理を実行する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の画像処理装置。 - 前記ぼかし処理は、前記特定された画素及び当該画素の近傍の画素に対する、ガウシアンフィルタを用いたフィルタ処理として実行され、
前記ぼかし量は、前記ガウシアンフィルタにおける複数のフィルタ係数の標準偏差に対応する
ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記特定手段により、前記所定の適正範囲内の値を示すと特定された画素に、濃度補正及びハーフトーン処理を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記画像処理は、
前記複数の色のそれぞれについて、色及び画素ごとに予め定められているシフト量で、前記特定された画素のデータを他の画素へシフトさせる処理である
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記画像処理は、
前記特定された画素のデータを、隣接した画素へシフトさせる処理であることを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。 - 前記画像処理は、
前記特定された画素のデータを、周期性をもつ画素データとなるようにシフトさせる処理であることを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。 - 前記画像処理は、
色ごとに周期性を対応させて、前記特定された画素のデータを、周期性をもつ画素データとなるようにシフトさせる処理であることを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。 - 前記計算手段は、
前記入力画像データに含まれる前記複数の色成分データのうち、特定の2色に対応する色成分データを用いて、当該特定の2色間の混色状態を示す前記パラメータを画素ごとに計算する
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記計算手段は、
前記複数の色成分データのそれぞれについて、対象画素に対して規定される、当該対象画素を含む所定の範囲内の複数の画素における画素値を積分することで、積分値を計算する手段と、
前記対象画素について、前記複数の色のうち対応する前記積分値が大きい上位2色を、前記特定の2色として決定する手段と、
前記対象画素について、前記特定の2色に対応する色成分データを用いて、当該特定の2色間の混色状態を示す前記パラメータを計算する手段と
を備えることを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。 - 前記計算手段は、
前記複数の色成分データのそれぞれについて、対象画素に対して規定される、当該対象画素を含む所定の範囲内の複数の画素における画素値を積分することで、第1の積分値を計算する手段と、
前記対象画素について、前記複数の色のうち対応する前記第1の積分値が大きい上位2色を、前記特定の2色として決定する手段と、
前記対象画素に対して規定される前記所定の範囲内の複数の画素のそれぞれにおいて、前記特定の2色に対応する色成分データの画素値の差分を計算し、当該差分の絶対値を積分することで、第2の積分値を計算する手段と、
前記対象画素について、前記第2の積分値を、前記特定の2色にそれぞれ対応する前記第1の積分値の和で除算することで、当該特定の2色間の混色状態を示す前記パラメータを計算する手段と
を備えることを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。 - 感光体の表面を走査する光ビームの走査線が、前記感光体の表面における理想位置からずれることによって生じる形成画像の位置ずれを補正するための、前記走査線の主走査方向における画素ごとの補正値を保持した保持手段と、
前記保持に保持されている補正値に応じて、前記入力画像データにおける対応する画素を1画素単位で前記走査線の副走査方向にシフトさせることで、前記入力画像データに基づく形成画像に生じる位置ずれを1画素単位の補正量で補正する第1の補正手段と、
前記保持手段に保持されている補正値に応じて、前記入力画像データにおける対応する画素の画素値と当該対応する画素に対して前記副走査方向に隣接する画素の画素値とをそれぞれ調整することで、前記入力画像データに基づく形成画像に生じる位置ずれを1画素未満の補正量で補正する第2の補正手段と
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 感光体を備える画像形成装置であって、
入力画像データに対する画像処理を行う請求項1乃至15のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
前記画像処理装置によって画像処理が行われた前記入力画像データに基づく光ビームで前記感光体の表面を走査することで、当該感光体の表面を露光する露光手段と、
前記露光手段による露光によって、前記感光体の表面に形成された静電潜像を現像して、記録材に転写すべき画像を当該感光体の表面に形成する現像手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - コンピュータを、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の画像処理装置における各手段として機能させるためのプログラム。
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