JP5838984B2 - 画像処理装置、および、コンピュータプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、画像中の部分領域を特定するための囲み線を用いる画像処理に関するものである。
従来から、種々の画像処理が行われている。例えば、画像中の部分領域を特定し、特定された部分領域を処理する画像処理が行われている。このような画像処理としては、例えば、画像中の閉曲線によって区分けされた領域の濃度を濃くすることによって、区分けされた領域を強調する処理が提案されている(特許文献1参照)。この処理では、ユーザが、原稿上に、マーカで閉曲線を描く。そして、その原稿をイメージスキャナで読み取ることによって得られる画像データが、処理される。
特開平9−214740号公報
上記のように、画像中の部分領域を特定するために、部分領域を囲む囲み線(例えば、閉曲線)を用いることができる。囲み線によって特定された部分領域は、強調処理に限らず、種々の画像処理に利用可能である。ところが、画像中に形成された囲み線が意図せず目立つ場合があった。例えば、囲み線の色が囲み線の周囲の領域の色とは異なる色に維持された状態で、画像が出力される場合があった。
本発明の主な利点は、画像中の囲み線が目立つことを抑制することである。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
画像処理装置であって、
対象画像データによって表される対象画像から、部分領域を特定するための囲み線を構成する第1領域と、前記囲み線を構成しない第2領域と、を特定する領域特定部と、
前記第1領域内の画素の色値を、前記第2領域に含まれる複数の画素の色値を用いて変更する、色値変更部と、
を備え、
前記第2領域は、前記第1領域の内周側の領域である内側領域と、前記第1領域の外周側の領域である外側領域と、を含み、
前記色値変更部は、
前記第1領域内の第1対象画素の色値を、前記内側領域内の第1内側画素の色値と、前記外側領域内の第1外側画素の色値と、を含む複数の画素のそれぞれの色値を用いて変更し、
前記第1領域内の第2対象画素の色値を、前記内側領域内の第2内側画素の色値と、前記外側領域内の第2外側画素の色値と、を含む複数の画素のそれぞれの色値を用いて変更する、
画像処理装置。
この構成によれば、囲み線を構成する第1領域内の対象画素の色値を、内側画素の色値と外側画素の色値との双方に適した色値に変更できるので、囲み線が目立つことを抑制できる。
[適用例2]
適用例1に記載の画像処理装置であって、
前記色値変更部は、
前記第1対象画素の色値を、前記第1内側画素の色値と前記第1外側画素の色値との間の色値に変更し、
前記第2対象画素の色値を、前記第2内側画素の色値と前記第2外側画素の色値との間の色値に変更する、
画像処理装置。
この構成によれば、内側領域と外側領域との間の第1領域(すなわち、囲み線)で、色値が不自然に変化することを抑制できるので、画像中の囲み線が目立つことを抑制できる。
[適用例3]
適用例1または2に記載の画像処理装置であって、
前記色値変更部は、
前記第1内側画素に対応付けられた第1内側基準画素と、前記第1対象画素と、の間の第1距離が小さいほど、大きい重みを前記第1内側画素の前記色値に付し、
前記第1外側画素に対応付けられた第1外側基準画素と、前記第1対象画素と、の間の第2距離が小さいほど、大きい重みを前記第1外側画素の前記色値に付すことによって、
前記第1対象画素の色値を変更する、画像処理装置。
この構成によれば、囲み線を表す第1対象画素の色値を、第1対象画素と第1内側基準画素と第1外側基準画素との位置関係に適した色値に変更できるので、画像中の囲み線が目立つことを抑制できる。
[適用例4]
適用例3に記載の画像処理装置であって、
前記第1内側基準画素は、前記第1内側画素を中心とする所定範囲内の画素であり、
前記第1外側基準画素は、前記第1外側画素を中心とする所定範囲内の画素である、
画像処理装置。
この構成によれば、第1内側画素に適した第1内側基準画素と、第1外側画素に適した第1外側基準画素と、に応じて、第1対象画素の色値を変更できるので、画像中の囲み線が目立つことを抑制できる。
[適用例5]
適用例3または4に記載の画像処理装置であって、
前記第1外側基準画素は、
前記外側領域のうちの前記第1領域と接する縁からの距離が前記第1領域の幅以下である範囲内の画素であり、
前記第1対象画素を通過する第1直線であって、前記第1対象画素と前記第1外側画素とを結ぶ直線と直交する前記第1直線で前記対象画像を二分して得られる2つの領域のうち、前記第1外側画素を含む領域から選択され、
前記第1内側基準画素は、
前記内側領域のうちの前記第1領域と接する縁からの距離が前記第1領域の幅以下である範囲内の画素であり、
前記第1対象画素を通過する第2直線であって、前記第1対象画素と前記第1内側画素とを結ぶ直線と直交する前記第2直線で前記対象画像を二分して得られる2つの領域のうち、前記第1内側画素を含む領域から選択される、
画像処理装置。
この構成によれば、第1内側画素に適した第1内側基準画素と、第1外側画素に適した第1外側基準画素と、に応じて、第1対象画素の色値を変更できるので、画像中の囲み線が目立つことを抑制できる。
[適用例6]
適用例1ないし5のいずれかに記載の画像処理装置であって、
前記色値変更部は、前記第1領域内の第1対象画素の色値を、前記第1内側画素の色値と、前記第1外側画素の色値と、に加えて、前記内側領域内の第3内側画素の色値と、前記外側領域内の第3外側画素の色値と、を用いて変更し、
前記第3内側画素と前記第3外側画素とは、前記第1内側画素と前記第1外側画素とを結ぶ線分と交差する線分の一端と他端とに、配置されている、
画像処理装置。
この構成によれば、第1内側画素と第1外側画素とのペアと、第3内側画素と第3外側画素とのペアとが、互いに交差する方向に配置されているので、第1対象画素の色値を、それら複数の方向の色の変化に適した色値に変更できる。従って、画像中の囲み線が目立つことを抑制できる。
[適用例7]
適用例1ないし6のいずれかに記載の画像処理装置であって、
前記色値変更部は、前記第1内側画素と前記第1外側画素と間の色値の第1差分と、前記内側領域内の第3内側画素及び前記外側領域内の第3外側画素の間の色値の第2差分と、のうちの比較的大きな差分に対応付けられた内側画素と外側画素とを用いて、前記第1対象画素の色値を変更する、画像処理装置。
この構成によれば、第2領域がグラデーションを表す場合に、対象画素の色値をグラデーションに適した色値に変更できるので、画像中の囲み線が目立つことを抑制できる。
[適用例8]
適用例1ないし7のいずれかに記載の画像処理装置であって、
前記色値変更部は、
前記第1内側画素として、前記第1対象画素に応じて決まる特定の範囲である内側検索範囲内の複数の画素のうちの、各画素位置を基準とする所定範囲内の色値の分散が最大である画素とは異なる画素を基準とする前記所定範囲内の画素を用い、
前記第1外側画素として、前記第1対象画素に応じて決まる特定の範囲である外側検索範囲内の複数の画素のうちの、各画素位置を基準とする所定範囲内の色値の分散が最大である画素とは異なる画素を基準とする前記所定範囲内の画素を用いる、
画像処理装置。
この構成によれば、ノイズが第1対象画素の色値に与える影響を緩和できるので、画像中の囲み線が目立つことを抑制できる。
[適用例9]
適用例8に記載の画像処理装置であって、
前記色値変更部は、前記内側検索範囲と前記外側検索範囲とを、前記対象画像の画素密度に応じて、決定する、画像処理装置。
この構成によれば、対象画素の色値を、画素密度に適した色値に変更できるので、画像中の囲み線が目立つことを抑制できる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、画像処理方法および画像処理装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体(例えば、一時的ではない記録媒体)、等の形態で実現することができる。
本発明の一実施例としての画像処理システム900を示す説明図である。 画像処理のフローチャートである。 処理される画像の概略図である。 囲み線領域の色補正処理のフローチャートである。 囲み線領域の色補正処理の説明図である。 囲み線領域の色補正処理の別の実施例を示す概略図である。 囲み線領域の色補正処理の別の実施例を示す概略図である。 囲み線領域の色補正処理の別の実施例を示す概略図である。 囲み線領域の色補正処理の別の実施例を示す概略図である。
A.第1実施例:
図1は、本発明の一実施例としての画像処理システム900を示す説明図である。この画像処理システム900は、ネットワーク500と、ネットワーク500に接続された複合機100と、ネットワーク500に接続されたサーバ300と、を備えている。複合機100は、ユーザの指示に従って、原稿をコピーする処理、具体的には、原稿を光学的に読み取り、読み取った画像を印刷する処理を、実行する。原稿は、複数のオブジェクト(例えば、文字や写真やイラスト等)を表し得る。本実施例では、ユーザは、所定の色(本実施例では、赤)のペンを用いて、原稿中のオブジェクトを囲む線(「囲み線」とも呼ぶ)を記入することができる。複合機100とサーバ300とは、読み取った画像から囲み線で囲まれたオブジェクトを消去することによって得られる画像を印刷するための画像処理を実行する(詳細は後述)。
複合機100は、複合機100の全体を制御するCPU110と、DRAM等の揮発性記憶装置120と、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶装置130と、液晶パネル等の表示部140と、タッチパネル等の操作部150と、読取実行部160と、印刷実行部170と、他の装置(例えば、サーバ300)と通信するための通信インタフェース180(例えば、IEEE802.11a/b/g/nの規格に準拠した無線通信インタフェース)と、を備えている。不揮発性記憶装置130は、プログラム132を格納している。通信インタフェース180には、ネットワーク500が接続されている。
読取実行部160は、原稿を光学的に読み取ることによって、原稿を表す画像データを生成する装置である。具体的には、読取実行部160は、図示しない光学センサ(例えば、CIS(Contact Image Sensor)を備え、読取実行部160に載置された原稿を光学的に読み取ることによって、原稿を表す画像データを生成する。以下、読取実行部160によって生成される画像データを「スキャンデータ」または「読取データ」とも呼ぶ。
印刷実行部170は、画像を印刷する装置であり、いわゆるインクジェットプリンタである。ただし、他の種類のプリンタ(例えば、いわゆるレーザプリンタ)を採用してもよい。
CPU110は、揮発性記憶装置120と不揮発性記憶装置130とを用いてプログラム132を実行することによって、後述するデータ処理を実行する。このように、CPU110と揮発性記憶装置120と不揮発性記憶装置130との全体は、データ処理を実行するデータ処理部190に対応する。図示するように、CPU110は、読取制御部210と、読取データ出力部220と、処理済データ取得部230と、印刷制御部240と、として機能する。これらの処理部の機能については、後述する。
サーバ300は、サーバ300の全体を制御するCPU310と、DRAM等の揮発性記憶装置320と、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶装置330と、他の装置(例えば、複合機100)と通信するための通信インタフェース380(例えば、IEEE802.3の規格に準拠した有線通信インタフェース)と、を備えている。不揮発性記憶装置330は、プログラム332を格納している。通信インタフェース380には、ネットワーク500が接続されている。
CPU310は、揮発性記憶装置320と不揮発性記憶装置330とを用いてプログラム332を実行することによって、後述する画像処理を実行する。このように、CPU310と揮発性記憶装置320と不揮発性記憶装置330との全体は、画像処理を実行する画像処理部390に対応する。図示するように、CPU310は、対象データ取得部410と、領域特定部420と、色値変更部430と、オブジェクト処理部440と、処理済データ出力部450と、として機能する。これらの処理部の機能については、後述する。
図2は、画像処理のフローチャートである。図中には、複合機100による処理と、サーバ300による処理とが、示されてる。この画像印刷処理は、例えば、ユーザが、複合機100に対して原稿のコピーを指示した場合に、複合機100のCPU110によって開始される。ユーザは、複合機100の操作部150を操作することによって、原稿のコピーの指示を含む種々の情報を、入力可能である。
最初のステップS100では、複合機100の読取制御部210(図1)が、読取実行部160を制御することによって、原稿を表す読取データを取得する。読取データは、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)のそれぞれの色成分値(本実施例では、256階調の階調値)で色を表すビットマップデータである。以下、赤(R)の色成分値を「R成分値」と呼び、緑(G)の色成分値を「G成分値」と呼び、青(B)の色成分値を「B成分値」と呼ぶ。また、色を表す値を「色値」とも呼ぶ(例えば、R成分値とG成分値とB成分値との全体)。
図3(A)は、読取データによって表される画像(「読取画像」と呼ぶ)の例を示す概略図である。図示された読取画像80は、4つのイラストのオブジェクト81〜84と、囲み線のオブジェクト85と、を表している。囲み線85は、予め指定された色(本実施例では、赤)のペンを用いて、ユーザによって原稿上に手書きされたオブジェクトである。
図中には、第1方向Dxと第2方向Dyとが示されている。読取画像80を表す読取データは、第1方向Dxと第2方向Dyに沿って格子状に配置された複数の画素のそれぞれの色を表している。以下、第1方向Dxのことを「+Dx方向」とも呼ぶ。また、第1方向Dxとは反対の方向を「−Dx方向」とも呼ぶ。「+Dy方向」と「−Dy方向」とについても、同様である。また、+Dx方向側を、単に「+Dx側」とも呼ぶ。他の方向側についても、同様である。
図2の次のステップS110では、読取データ出力部220(図1)は、読取データを、ネットワーク500を介して、サーバ300に出力する。次のステップS200では、サーバ300の対象データ取得部410が、複合機100からの読取データを、処理対象の画像データ(「対象画像データ」とも呼ぶ)として、取得する。続くステップS205〜S220は、読取画像80内の囲み線を特定するための処理である。
次のステップS205では、領域特定部420(図1)は、読取データに対して、二値化処理を行うことによって、二値画像データを生成する。具体的には、読取データの複数の画素のそれぞれは、囲み線の色(本実施例では赤)を示す色値を有する画素(「候補画素」と呼ぶ)と、他の色を示す色値を有する画素(「非候補画素」と呼ぶ)と、のいずれかに分類される。この二値化処理は、囲み線を表す画素が示すべき色の範囲である所定の色範囲(「囲み線色範囲」と呼ぶ)に従って、行われる。本実施例では、囲み線の色が赤であることが想定されている。従って、囲み線色範囲としては、例えば、R成分値が赤基準値Rth以上、かつ、G成分値が緑基準値Gth以下、かつ、B成分値が青基準値Bth以下である色範囲を採用可能である。囲み線色範囲に含まれる色値を有する画素は、候補画素に分類され、囲み線色範囲に含まれない色値を有する画素は、非候補画素に分類される。なお、囲み線の色としては、赤とは異なる他の色が採用され得る。囲み線色範囲としては、囲み線の色として想定されている色を含む部分色範囲を採用可能である。
図3(B)は、二値画像データによって表される二値画像80aの例を示す概略図である。二値画像80aは、互いに分離した3つの候補領域81a、84a、85aを、表している。第1候補領域81aは、第1オブジェクト81の一部を表し、第2候補領域84aは、第4オブジェクト84の一部を表し、第3候補領域85aは、囲み線85を表している。各候補領域81a、84a、85aは、それぞれ、連続する複数の候補画素によって構成されている。なお、2つの画素が連続する(すなわち、2つの画素が接する)ことの定義としては、一方の画素が、他方の画素を中心とする3行3列の範囲内に配置されていること、を採用している。この代わりに、一方の画素が、他方の画素から見て4つの方向(+Dx、−Dx、+Dy、−Dy)のいずれかの方向に隣接することを、採用してもよい。
図2の次のステップS210では、領域特定部420は、二値画像データに対して、候補領域を収縮させる収縮処理を実行することによって、収縮処理済の二値画像データを生成する。そして、領域特定部420は、収縮処理済の二値画像データに対して、収縮処理済の候補領域を膨張させる膨張処理を実行することによって、膨張処理済の二値画像データを生成する。
収縮処理は、例えば、非候補画素を基準とする所定の収縮範囲内の全ての候補画素を非候補画素に変更する処理を、二値画像データの全ての非候補画素に対して行うことによって、実現される。収縮範囲としては、例えば、処理対象の非候補画素を中心とする3行3列の範囲を採用可能である。このような収縮処理を行うことによって、非候補画素の近傍の候補画素、すなわち、候補領域の縁を形成する候補画素が、非候補画素に変更される。この結果、候補領域が収縮する。また、ノイズによって生じた小さい候補領域(図示省略。例えば、数個の候補画素で構成された候補領域)は、消去される。
膨張処理は、例えば、候補画素を基準とする所定の膨張範囲内の全ての非候補画素を候補画素に変更する処理を、二値画像データの全ての候補画素に対して行うことによって、実現される。膨張範囲としては、例えば、処理対象の候補画素を中心とする5行5列の範囲を採用可能である。このような膨張処理を行うことによって、候補画素の近傍の非候補画素、すなわち、候補領域の縁の近傍の非候補画素が、候補画素に変更される。この結果、候補領域が膨張する。また、ペンの掠れやノイズ等によって、囲み線85を表す第3候補領域85aに、断線した部分(「断線部分」と呼ぶ)が生じる場合がある(図示省略)。膨張処理は、そのような断線部分を、接続することが可能である。
図3(C)は、収縮処理済、かつ、膨張処理済の二値画像データによって表される二値画像80bの例を示す概略図である。この二値画像80bは、3つの候補領域81b、84b、85bを示している。これらの候補領域81b、84b、85bは、それぞれ、図3(B)の二値画像80aによって表される3つの候補領域81a、84a、85aに、対応している。
以上のように、収縮処理と膨張処理とを行うことによって、ノイズの消去と断線部分の接続とを実現できるので、後述するオブジェクト特定処理において、囲み線の特定の精度を向上できる。
なお、上述の収縮範囲と膨張範囲、すなわち、収縮処理による収縮の程度と、膨張処理による膨張の程度とは、一例である。収縮処理を膨張処理よりも先に実行する場合には、膨張処理の程度(すなわち、膨張範囲の大きさ)が、収縮処理の程度(すなわち、収縮範囲の大きさ)よりも、大きいことが好ましい。こうすれば、断線部分の接続を適切に実現できる。また、膨張処理を収縮処理よりも先に実行してもよい。この場合、膨張処理の程度は、収縮処理の程度よりも小さいことが好ましい。こうすれば、ノイズによる候補領域を適切に消去できる。
図2の次のステップS215では、領域特定部420は、収縮処理済かつ膨張処理済の二値画像データに対して、互いに離れた候補領域に互いに異なる識別子を割り当てるラベリング処理を行う。具体的には、領域特定部420は、連続する1以上の候補画素で構成される連続な1つの領域(すなわち、候補領域)に、1つの識別子を割り当てる。そして、領域特定部420は、互いに離れた複数の候補領域に、互いに異なる識別子を割り当てる。このようなラベリング処理によって、各候補領域が特定される。図3(C)の例では、第1候補領域81bと第2候補領域84bと第3候補領域85bとに、互いに異なる識別子が割り当てられる。領域特定部420は、このラベリング処理の結果を表す第1ラベルデータ(例えば、画素と識別子とを対応付けるデータ)を、生成する。
図2の次のステップS220では、領域特定部420は、特定された候補領域を用いて、オブジェクト特定処理を実行する。このオブジェクト特定処理では、特定された候補領域から、囲み線を表す領域が特定される。例えば、領域特定部420は、候補領域の形状がループ状である場合に、その候補領域が囲み線を表す領域であると判定する。図3(C)の例では、ループ状の第3候補領域85bが、囲み線を表す領域として、特定される。以下、囲み線を表す候補領域を「囲み線領域」とも呼ぶ。
なお、候補領域の形状がループ状であるか否かを判定する方法としては、種々の方法を採用可能である。例えば、以下の方法を採用可能である。ここで、図3(C)の二値画像80bを例として用いて、説明を行う。判定対象の候補領域を「対象領域」と呼び、対象領域に含まれる画素を「対象領域画素」と呼び、対象領域には含まれない画素を「非対象領域画素」と呼ぶ。例えば、第3候補領域85bが対象領域である場合、対象領域画素は、第3候補領域85bに含まれる画素である。非対象領域画素は、第3候補領域85bに含まれない画素である。具体的には、非対象領域画素は、第3候補領域85bの内周側の背景を表す画素と、第3候補領域85bの外周側の背景を表す画素と、対象領域85b以外の候補領域81b、84bに含まれる画素と、を含んでいる。
まず、複数の非対象領域画素が連続する領域であって、二値画像80bの端を含む領域が、特定される。特定される領域は、対象領域の外周側を全周に亘って囲む領域である(「第1種外周領域」と呼ぶ)。第3候補領域85bが対象領域である場合、第1種外周領域は、第3候補領域85bの外周側の全体、すなわち、外周側の背景を表す領域と、外周側に配置された第1候補領域81bと第2候補領域84bとの全体である。
二値画像80bから第1種外周領域を除いた残りの領域は、対象領域の最外輪郭に囲まれた領域である(「第1種判定領域」と呼ぶ)。第3候補領域85bが対象領域である場合、第1種判定領域は、第3候補領域85bの最外輪郭に囲まれた領域、すなわち、第3候補領域85bと、第3候補領域85bの内周側の背景を表す領域と、の全体である。
第1種判定領域から、複数の非対象領域画素が連続する領域が検出される場合、対象領域の形状がループ状である、と判定される。第3候補領域85bが対象領域である場合、第1種判定領域から(具体的には、第3候補領域85bの内周側から)、複数の非対象領域画素が連続する領域(すなわち、背景を表す領域)が検出される。従って、第3候補領域85bの形状はループ状であると判定される。第1種判定領域から、複数の非対象領域画素が連続する領域が検出されない場合、対象領域の形状はループ状ではない、と判定される。例えば、第1候補領域81bの形状と、第2候補領域84bの形状とは、いずれも、ループ状ではない、と判定される。
図2の続くステップS225〜S245は、囲み線によって囲まれたオブジェクトを表す領域を特定するための処理である。最初のステップS225では、領域特定部420は、ステップS220で特定された囲み線領域から、1つの囲み線領域を、処理対象の囲み線領域として選択する。以下、図3(C)の囲み線領域85bが選択されたこととして、説明を行う。
次のステップS230では、領域特定部420は、読取データから、処理対象の囲み線領域85bを包含する領域を表す部分画像データを取得する。図3(A)、図3(C)には、囲み線領域85bを包含する領域Ar(「切抜領域Ar」と呼ぶ)が示されている。本実施例では、この切抜領域Arは、囲み線領域85bに外接する外接矩形によって表される矩形領域である。領域特定部420は、読取データのうちの、図3(A)に示す切抜領域Arを表す部分を、部分画像データとして取得する。
図2の次のステップS235では、領域特定部420は、部分画像データに対して、二値化処理を行うことによって、部分二値画像データを生成する。具体的には、部分画像データの複数の画素のそれぞれは、背景の色を示す色値を有する画素(「背景画素」と呼ぶ)と、他の色を示す色値を有する画素(「オブジェクト画素」と呼ぶ)と、のいずれかに分類される。
この二値化処理は、背景を表す画素が示すべき色の範囲である背景色範囲に従って、行われる。本実施例では、まず、領域特定部420は、図3(A)の読取画像80の複数の画素のうちの、図3(C)の囲み線領域85bに隣接する複数の画素の色値の平均値を、背景色を表す色値(「背景色値」と呼ぶ)として算出する。算出される背景色値は、R成分値の平均値(「R平均値Rav」と呼ぶ)と、G成分値の平均値(「G平均値Gav」と呼ぶ)と、B成分値の平均値(「B平均値Bav」と呼ぶ)と、を含んでいる。
次に、領域特定部420は、背景色値を中心とする所定幅の色範囲を、背景色範囲として決定する。背景色範囲としては、例えば、(Rav−W)<R成分値<(Rav+W)、かつ、(Gav−W)<G成分値<(Gav+W)、かつ、(Bav−W)<B成分値<(Bav+W)である色範囲を採用可能である。ここで、幅に対応する値Wは、所定値である。
なお、背景色範囲としては、上記の範囲に限らず、読取画像80の背景部分の色を含む種々の範囲を採用可能である。例えば、上記の背景色値からの距離(例えば、RGB色空間内でのユークリッド距離)が所定の閾値以下である色の範囲を、採用してもよい。また、背景色値の算出方法としては、上記方法に限らず、種々の方法を採用可能である。例えば、読取画像80の端部に配置された複数の画素の色値の平均値を、背景色値として採用してもよい。一般に、領域特定部420は、読取画像80の解析結果に応じて背景色範囲を決定すれば、読取画像80に適した二値化処理を実現できる。ただし、背景色範囲として、所定の範囲を採用してもよい。例えば、R成分値とG成分値とB成分値とから算出される輝度値が所定の閾値以上である色の範囲を、採用してもよい。
図3(D)は、部分二値画像データによって表される部分二値画像80cの例を示す概略図である。部分二値画像80cは、互いに分離した3つのオブジェクト領域81c、82c、85cを、表している。各オブジェクト領域81c、82c、85cは、それぞれ、連続する複数のオブジェクト画素によって構成されている。第1オブジェクト領域81cは、第1オブジェクト81を表し、第2オブジェクト領域82cは、第2オブジェクト82を表し、第3オブジェクト領域85cは、囲み線85を表している。
図2の次のステップS240では、領域特定部420は、部分二値画像データに対して、ラベリング処理を行う。ラベリング処理の手順は、ステップS215のラベリング処理の手順と同じである。図3(D)の例では、第1オブジェクト領域81cと第2オブジェクト領域82cと第3オブジェクト領域85cとに、互いに異なる識別子が割り当てられる。領域特定部420は、このラベリング処理の結果を表す第2ラベルデータ(例えば、画素と識別子とを対応付けるデータ)を、生成する。
また、領域特定部420は、ステップS220で特定された囲み線領域と重なるオブジェクト領域を、囲み線領域として特定する。例えば、図3(D)の例では、第3オブジェクト領域85cが、図3(C)の囲み線領域85bと重なっているので、領域特定部420は、第3オブジェクト領域85cを、囲み線領域85cとして特定する。
図2の次のステップS245では、領域特定部420は、囲み線領域85c以外のオブジェクト領域のそれぞれについて、オブジェクト領域が囲み線領域85cに囲まれているか否かを判定する。領域特定部420は、例えば、オブジェクト領域が、囲み線領域85cの内周側の領域(「内側領域85ci」と呼ぶ)と重なっている場合に、オブジェクト領域が囲み線領域85cに囲まれている、と判定する。図3(D)の例では、第2オブジェクト領域82cは、内側領域85ciと重なっている。従って、第2オブジェクト領域82cは、囲み線領域85cに囲まれていると判定される。第1オブジェクト領域81cは、内側領域85ciとは重なっておらず、囲み線領域85cの外周側の領域(「外側領域85co」と呼ぶ)と重なっている。従って、第1オブジェクト領域81cは、囲み線領域85cに囲まれていないと判定される。また、領域特定部420は、判定結果を表す包含関係データ(例えば、オブジェクト領域の識別子と、囲み線領域85cに囲まれているか否かを表すフラグと、の対応関係を表すデータ)を生成する。
なお、オブジェクト領域が、囲み線領域85cの内周側の領域(すなわち、内側領域85ci)と重なっているか否かを判定する方法としては、種々の方法を採用可能である。例えば、以下の方法を採用可能である。ここで、図3(D)の部分二値画像80cを例として用いて、説明を行う。囲み線領域に含まれる画素を、「囲み線画素」とも呼び、囲み線画素とは異なる画素を「非囲み線画素」とも呼ぶ。図3(D)の例では、囲み線画素は、囲み線領域85cに含まれる画素である。非囲み線画素は、囲み線領域85cの画素とは異なる画素である。具体的には、非囲み線画素は、囲み線領域85cの内周側の背景を表す画素と、囲み線領域85cの外周側の背景を表す画素と、囲み線領域85c以外のオブジェクト領域81c、82cに含まれる画素と、を含んでいる。
まず、複数の非囲み線画素が連続する領域であって、部分二値画像80cの端を含む領域を、特定する。特定される領域は、囲み線領域85cの外周側を囲む領域(すなわち、外側領域85co)である(「第2種外周領域」と呼ぶ)。具体的には、第2種外周領域は、囲み線領域85cの外周側の全体、すなわち、外周側の背景を表す領域と、外周側に配置された第1オブジェクト領域81cと、の全体である。
部分二値画像80cから第2種外周領域を除いた残りの領域は、囲み線領域85cの最外輪郭に囲まれた領域である(「第2種判定領域」と呼ぶ)。具体的には、第2種判定領域は、囲み線領域85cと、内側領域85ciと、の全体である。内側領域85ciは、囲み線領域85cの内周側の背景を表す領域と、内周側に配置された第2オブジェクト領域82cと、を含んでいる。
この第2種判定領域から、オブジェクト領域の画素が検出される場合、そのオブジェクトは内側領域85ciと重なっている、すなわち、そのオブジェクトは囲み線に囲まれている、と判定される。例えば、第2種判定領域からは、第2オブジェクト領域82cの画素が検出される。従って、第2オブジェクト領域82c(すなわち、第2オブジェクト82)は、囲み線領域85c(すなわち、囲み線85)に囲まれている、と判定される。第2種判定領域から、オブジェクト領域の画素が検出されない場合、そのオブジェクトは内側領域85ciとは重なっていない、すなわち、そのオブジェクト領域は、囲み線領域85cに囲まれていないと判定される。例えば、第2種判定領域からは、第1オブジェクト領域81cの画素は検出されない。従って、第1オブジェクト領域81cは、囲み線領域85cに囲まれていないと判定される。
以上のように、領域特定部420は、囲み線85によって囲まれたオブジェクトを表すオブジェクト領域を、特定する。
図2の次のステップS250は、読取画像80から、囲み線を消去するために、囲み線領域の色を補正する処理である。次のステップS255は、読取画像80から、囲み線によって囲まれたオブジェクトを消去する処理である。図3(E)は、処理済画像90の例を示す概略図である。この処理済画像90は、ステップS250、S255の処理を読取データに対して実行することによって生成される処理済データによって表される画像である。図示するように、処理済画像90は、読取画像80から、囲み線85と、囲み線85によって囲まれた第2オブジェクト82とを、消去することによって得られる画像である。
図2のステップS250では、色値変更部430は、読取画像80の複数の画素のうち、部分二値画像80cによって表される囲み線領域85cに含まれる画素の色値を、囲み線領域85cの周囲の領域の画素の色値に合わせて変更する。この処理の結果、読取画像80中の囲み線85を表していた領域は、周囲の領域と同様に、背景を表す。なお、このステップS250の詳細については、後述する。
次のステップS255では、オブジェクト処理部440は、読取画像80の複数の画素のうち、部分二値画像80cによって表されるオブジェクト領域(具体的には、囲み線領域85cによって囲まれる第2オブジェクト領域82c)に含まれる画素の色値を、背景色値に変更する。背景色値は、上述のステップS235で算出された背景色値である。この処理の結果、読取画像80中の第2オブジェクト82を表していた領域は、背景を表す。
図2の次のステップS260では、領域特定部420は、全ての囲み線領域の処理が終了したか否かを判定する。未処理の囲み線領域が残っている場合には(S260:No)、領域特定部420は、ステップS225に戻って、未処理の囲み線領域の処理を行う。
なお、ステップS250、S255のそれぞれの処理は、読取画像80を表す読取データに対して、累積的に行われる。そして、全ての囲み線領域の処理が終了することによって得られる処理済の画像データが、最終的な処理済データとして利用される。
全ての囲み線領域の処理が終了した場合(S260:Yes)、次のステップS265で、処理済データ出力部450は、処理済データを、ネットワーク500を介して、複合機100に出力する。次のステップS120では、複合機100の処理済データ取得部230が、サーバ300からの処理済データを取得する。次のステップS130では、印刷制御部240が、処理済データを用いて印刷データを生成し、生成した印刷データを印刷実行部170に供給する。印刷実行部170は、受信した印刷データに従って、画像を印刷する。例えば、図3(E)に示す画像が印刷される。
図4は、囲み線領域の色補正処理のフローチャートである。この処理は、図2のステップS250の処理である。最初のステップS310では、色値変更部430は、処理対象の囲み線領域(例えば、図3(D)の囲み線領域85c)に含まれる複数の画素から、1つの未処理の画素を、処理対象画素として選択する。
図5(A)は、囲み線領域の色補正処理の説明図である。図中には、囲み線領域85cの一部とその周辺領域とが示されている。図中では、囲み線領域85cにハッチングが付されている。図示された画素Ptは、処理対象画素を示している(以下「第1対象画素Pt」とも呼ぶ)。
図4の次のステップS320では、色値変更部430は、読取データの処理対象画素の色値を、囲み線領域85cの周囲の非囲み線画素の色値を用いて、変更する。本実施例では、色値変更部430は、処理対象画素に応じて決まる4つの非囲み線画素の色値を用いて、処理対象画素の新たな色値を決定する。以下、処理対象画素の色値の算出に色値が利用される画素を「色値画素」とも呼ぶ。図5(A)には、第1対象画素Ptに応じて決まる4つの色値画素P1〜P4が示されている。これらの色値画素の詳細は、以下の通りである。
第1色値画素P1は、第1対象画素Ptから−Dy方向に延びる直線上の複数の非囲み線画素のうちの、第1対象画素Ptに最も近い非囲み線画素である。
第2色値画素P2は、第1対象画素Ptから+Dy方向に延びる直線上の複数の非囲み線画素のうちの、第1対象画素Ptに最も近い非囲み線画素である。
第3色値画素P3は、第1対象画素Ptから−Dx方向に延びる直線上の複数の非囲み線画素のうちの、第1対象画素Ptに最も近い非囲み線画素である。
第4色値画素P4は、第1対象画素Ptから+Dx方向に延びる直線上の複数の非囲み線画素のうちの、第1対象画素Ptに最も近い非囲み線画素である。
以上のように選択される色値画素P1〜P4は、いずれも、背景を表している。
このように、第1対象画素Ptから見て互いに直交する4つの方向に延びるライン上から、色値の算出に用いられる画素が選択される。従って、内側領域85ci内から少なくとも1つの画素(ここでは、2つの画素P2、P4)が選択され、外側領域85co内から少なくとも1つの画素(ここでは、2つの画素P1、P3)が選択される。以下、内側領域85ciから選択される画素を、「内側画素」とも呼ぶ。外側領域85coから選択される画素を、「外側画素」とも呼ぶ。
図5(B)は、4つの色値画素P1〜P4の色値P1i〜P4iから、処理対象画素Ptの色値Ptiを算出する演算式を示している。記号「i」は、赤Rと緑Gと青Bとのいずれかを特定する記号である。距離D1〜D4は、処理対象画素Ptと色値画素P1〜P4との間の距離を、それぞれ示している。なお、2つの画素間の距離としては、各画素の中心位置の間のユークリッド距離を採用可能である。
図示するように、処理対象画素Ptの色値Ptiは、4つの色値画素P1〜P4の色値P1i〜P4iの、重み付き平均値である。色値P1i〜P4iに付される重みは、距離D1〜D4が小さいほど、大きい。従って、色値変更部430は、処理対象画素Ptの色値を、処理対象画素Ptと、色値画素P1〜P4との位置関係に適した色値に変更できる。この結果、処理対象画素Ptの色値を、処理対象画素Ptの周辺の領域(例えば、背景領域)における色の変化に適した色値に、変更できる。
図4の次のステップS330では、色値変更部430は、処理対象の囲み線領域内の全ての画素の処理が終了したか否かを判定する。未処理の画素が残っている場合(S330:No)、色値変更部430は、ステップS310に戻って、未処理の画素の処理を行う。第1対象画素Pt以外の画素についても、第1対象画素Ptと同様に、処理が行われる。図5(A)には、第2対象画素Ptnが示されている。この第2対象画素Ptnからは、4つの色値画素P1n〜P4nが選択されている。第2対象画素Ptnの位置は、第1対象画素Ptの位置とは異なるので、選択される4つの色値画素P1n〜P4nは、第1対象画素Ptのために選択された4つの画素P1〜P4とは、異なり得る。
全ての画素の処理が終了した場合(S330:Yes)、色値変更部430は、図4の処理を終了する。
以上のように、色値変更部430は、囲み線領域85c内の第1対象画素Ptの色値を、内側領域85ci内の内側画素P2、P4の色値と、外側領域85co内の外側画素P1、P3の色値と、を用いて変更する。そして、色値変更部430は、囲み線領域85c内の第2対象画素Ptnの色値を、内側領域85ci内の内側画素P2n、P4nと、外側領域85co内の外側画素P1n、P3nと、を用いて変更する。このように、囲み線85を構成する囲み線領域85c内の対象画素の色値を、内側画素の色値と、外側画素の色値との双方に適した色値に変更できるので、囲み線85の色が、囲み線85の周囲の色(例えば、背景の色)とは異なる色に維持された状態で、画像が印刷されることを抑制できる。
特に、図5(B)の演算式に従えば、第1対象画素Ptの色値は、内側画素(第2画素P2と第4画素P4とのいずれか)と、外側画素(第1画素P1と第2画素P2とのいずれか)と、の間の色値に変更され得る。同様に、第2対象画素Ptnの色値は、内側画素(第2画素P2nと第4画素P4nとのいずれか)と、外側画素(第1画素P1nと第2画素P2nとのいずれか)と、の間の色値に変更され得る。従って、内側領域85ciと外側領域85coとの間で色が変化する場合に、囲み線領域85cで色が不自然に変化することを抑制できる。
また、図5(B)で説明したように、色値P1i〜P4iに付される重みは、距離D1〜D4が小さいほど、大きい。従って、色値変更部430は、処理対象画素Ptの色値を、処理対象画素Ptと、色値画素P1〜P4との位置関係に適した色値に変更できる。なお、本実施例では、位置の基準となる画素P1〜P4が、色値P1i〜P4iを得るための画素P1〜P4と、同じである。
また、図5(A)で説明したように、第1対象画素Ptの色値を算出するために用いられる第3画素P3と第4画素P4とは、第1画素P1と第2画素P2とを結ぶ線分と交差する線分の一端と他端とに配置されている。従って、第1対象画素Ptの色値を、複数の方向の色の変化に適した色値に変更できる。他の処理対象画素についても、同様である。この結果、処理済画像中で、囲み線85の跡が目立つことを抑制できる。
なお、囲み線領域85c内の画素の色値を、図4、図5で説明したように丁寧に補間する理由は、囲み線85が、元の原稿には存在しなかったオブジェクトであるからである。元の原稿には存在しなかったオブジェクトの跡が、処理済画像中で目立つ場合には、処理済画像を観察したユーザが、違和感を覚えやすい。そこで、本実施例では、処理済画像中で囲み線の跡が目立たないように、色値変更部430は、囲み線領域85c内の画素の色値を丁寧に補間する。
なお、複合機100の各処理部210、220、230、240(具体的には、CPU110)は、生成または取得したデータ(例えば、読取データと処理済データと印刷データ)を、記憶装置(例えば、揮発性記憶装置120)に格納する。そして、各処理部210、220、230、240(具体的には、CPU110)は、記憶装置に格納されたデータを参照することによって、処理に用いる情報を取得する。
同様に、サーバ300の各処理部410、420、430、440、450(具体的には、CPU310)は、生成または取得したデータ(例えば、読取データと二値画像データとラベルデータと包含関係データと処理済データ)を、記憶装置(例えば、揮発性記憶装置320)に格納する。そして、各処理部410、420、430、440、450(具体的には、CPU310)は、記憶装置に格納されたデータを参照することによって、処理に用いる情報を取得する。
B.第2実施例:
図6は、囲み線領域内の処理対象画素の色値の変更(図4:S320)の別の実施例を示す概略図である。図5に示す第1実施例からの差異は、処理対象画素から見て互いに異なる8つの方向に延びるライン上から、色値画素が選択される点である。画像処理に用いられる画像処理システムのハードウェア構成は、図1に示す画像処理システム900の構成と同じである。また、画像処理の手順は、図2、図4に示す手順と同じである。
図6(A)には、図5(A)と同じ部分画像が示されている。図中には、4つの方向+Dx、−Dx、+Dy、−Dyに加えて、さらに別の4つの方向+Ds、−Ds、+Dt、−Dtが示されている。+Ds方向は、+Dx方向と+Dy方向との間の方向であり、+Dx方向および+Dy方向のそれぞれと45度の角をなす方向である。−Ds方向は、+Ds方向の反対方向である。+Dt方向は、+Dx方向と−Dy方向との間の方向であり、+Dx方向および−Dy方向のそれぞれと45度の角をなす方向である。−Dt方向は、+Dt方向の反対方向である。
図示するように、色値変更部430は、処理対象画素Ptに応じて決まる8つの色値画素P1〜P8を選択する。4つの色値画素P1〜P4は、図5(A)に示す4つの画素P1〜P4と、それぞれ同じである。更に別の4つの色値画素P5〜P8の詳細は、以下の通りである。
第5画素P5は、処理対象画素Ptから−Ds方向に延びる直線上の複数の非囲み線画素のうちの、処理対象画素Ptに最も近い非囲み線画素である。
第6画素P6は、処理対象画素Ptから+Ds方向に延びる直線上の複数の非囲み線画素のうちの、処理対象画素Ptに最も近い非囲み線画素である。
第7画素P7は、処理対象画素Ptから+Dt方向に延びる直線上の複数の非囲み線画素のうちの、処理対象画素Ptに最も近い非囲み線画素である。
第8画素P8は、処理対象画素Ptから−Dt方向に延びる直線上の複数の非囲み線画素のうちの、処理対象画素Ptに最も近い非囲み線画素である。
このように、処理対象画素Ptから見て放射状に拡がる8つのライン上から、色値の算出に用いられる画素が選択される。従って、内側領域85ci内から少なくとも1つの画素(ここでは、3つの画素P2、P4、P6)が選択され、外側領域85coから少なくとも1つの画素(ここでは、5つの画素P1、P3、P5、P7、P8)が選択される。
図6(B)は、8つの色値画素P1〜P8の色値P1i〜P8iから、処理対象画素Ptの色値Ptiを算出する演算式を示している。記号「i」は、赤Rと緑Gと青Bとのいずれかを特定する記号である。距離D1〜D8は、処理対象画素Ptと色値画素P1〜P8との間の距離を、それぞれ示している。図6(B)の例では、処理対象画素Ptの色値Ptiは、8つの画素P1〜P8の色値P1i〜P8iの重み付き平均値に設定される。色値P1i〜P8iに付される重みは、距離D1〜D8が小さいほど、大きい。このように、色値変更部430は、処理対象画素Ptの色値を、処理対象画素Ptの周辺の領域における色の変化に適した色値に、変更できる。
以上のように、第2実施例では、第1実施例と同様に、処理対象画素Ptの色値が、処理対象画素Ptの周辺の複数の非囲み線画素の色値を用いて決定される。従って、第2実施例は、第1実施例と同様の利点を有する。さらに、第2実施例では、第1実施例と比べて、処理対象画素Ptの色値の算出に用いられる色値画素が選択される方向(処理対象画素Ptから見た方向)の数が増大している。従って、第2実施例では、囲み線領域内の画素の色値を、周辺領域の色の変化の種々の方向に適した色値に変換できる。
C.第3実施例:
図7は、囲み線領域内の処理対象画素の色値の変更(図4:S320)の別の実施例を示す概略図である。図5に示す第1実施例からの差異は、図5の4つの画素P1〜P4が、位置の基準となる基準画素P1s〜P4sとして用いられ、各基準画素P1s〜P4sに応じて、色値の算出に用いられる色値画素P1〜P4が選択される点である。このように、位置の基準となる基準画素とは異なる色値画素が色値の算出に用いられる理由は、囲み線領域85cに隣接する基準画素の色値に含まれ得るノイズの影響を緩和するためである。読取実行部160によって生成された読取データによって表される読取画像中では、囲み線等のオブジェクトのエッジの近傍の画素の色値にノイズが含まれ得る。基準画素の色値は、そのようなノイズを含み得る。そこで、ノイズの影響を緩和するために、基準画素の周辺における、色値の変化が小さい領域から選択された色値画素が、色値の算出に用いられる。画像処理に用いられる画像処理システムのハードウェア構成は、図1に示す画像処理システム900の構成と同じである。また、画像処理の手順は、図2、図4に示す手順と同じである。
図7(A)には、図5(A)と同じ部分画像が示されている。以下、第1基準画素P1sを例にとって、基準画素に応じて色値画素を選択する方法について説明する。色値変更部430は、第1基準画素P1sを、図5(A)の第1画素P1と同じ手順に従って、選択する。次に、色値変更部430は、第1基準画素P1sを中心とする第1検索範囲P1sa内の非囲み線画素の中から、第1色値画素P1を選択する。第1検索範囲P1saは、第1基準画素P1sを中心とする所定の矩形範囲であり、第1方向Dxと平行な2辺と、第2方向Dyと平行な2辺とで構成されている。第1検索範囲P1saの一辺の長さは、例えば、「2*(5*解像度/300)+1」に設定される(単位は、画素数。記号「*」は、乗算記号)。ここで、解像度は、読取データの解像度であり、単位はdpiである。解像度が300dpiである場合には、第1検索範囲P1saの1辺の長さは、11画素である。解像度が600dpiである場合には、第1検索範囲P1saの1辺の長さは、21画素である。このように、第1検索範囲P1saの大きさは、解像度におおよそ比例する。従って、検索範囲P1saを元の原稿上に重ねた場合、検索範囲P1saによって覆われる範囲は、解像度によらず、おおよそ同じである。
図7(B)は、第1検索範囲P1saと、囲み線の幅WLとの関係を示す概略図である。図示するように、第1検索範囲P1saの大きさは、第1基準画素P1sから第1検索範囲P1saの端までの最大距離Dsaが、囲み線の幅WLよりも小さくなるように、予め設定されている。囲み線の幅WLは、所定のペンによって記入された線の幅であり、解像度に応じて予め決められている。このように、第1検索範囲P1saは、第1基準画素P1sを中心として、囲み線の幅WLよりも短い距離の範囲に設定される。従って、色値画素を、内側領域85ciと外側領域85coとのうちの基準画素を含む領域とは異なる領域から選択されることを、抑制できる。例えば、第1基準画素P1sが、外側領域85coの画素である場合に、第1検索範囲P1saは、内側領域85ciを含まずに、外側領域85coを含むように、設定される。この結果、第1基準画素P1sが、外側領域85coの画素である場合には、内側領域85ciから色値画素が選択されることを防止できる。
次に、色値変更部430は、検索範囲P1sa内から、1つの非囲み線画素を、注目画素として選択する。ここで、図7(A)の第1画素P1が、注目画素として選択されたこととして、説明を行う。色値変更部430は、注目画素P1を中心とする第1算出範囲P1sr内の全ての非囲み線画素を用いて、色値の分散を算出する。本実施例では、第1算出範囲P1srは、注目画素P1を中心とする所定の矩形範囲であり、第1方向Dxと平行な2辺と、第2方向Dyと平行な2辺とで構成されている。第1算出範囲P1srの一辺の長さは、例えば、「2*(3*解像度/300)+1」に設定される(単位は、画素数。記号「*」は、乗算記号)。ここで、解像度は、読取データの解像度であり、単位はdpiである。解像度が300dpiである場合には、第1算出範囲P1srの1辺の長さは、7画素である。解像度が600dpiである場合には、第1算出範囲P1srの1辺の長さは、13画素である。
なお、本実施例では、色値が、R成分値とG成分値とB成分値とを含んでいる。そこで、色値変更部430は、R成分値の分散とG成分値の分散とB成分値の分散とを算出し、算出された3つの分散のうちの最大の分散を、色値の分散として採用する。この代わりに、色値変更部430は、特定の色成分の分散を採用してもよい。例えば、色値変更部430は、R成分値とG成分値とB成分値とから輝度値を算出し、輝度値の分散を採用してもよい。
色値変更部430は、このような分散の算出を、検索範囲P1sa内の全ての非囲み線画素のそれぞれについて、行う。そして、色値変更部430は、分散が最小である画素を、色値画素として選択する。図7(A)の例では、第1画素P1が、色値画素として選択されている。他の基準画素P2s、P3s、P4sについても、同様に、色値画素P2、P3、P4が選択される。例えば、第2色値画素P2は、基準画素P2sを基準とする第2検索範囲P2sa内から選択される。第2検索範囲P2saは、基準画素P2sを含む内側領域85ciを含み、外側領域85coを含まないように、設定される。
図7(C)は、4つの色値画素P1〜P4から得られる色値P1ia〜P4iaから、処理対象画素Ptの色値Ptiを算出する演算式を示している。図5(B)の演算式からの差異は、2つある。第1の差異は、距離D1s〜D4sが、処理対象画素Ptと色値画素P1〜P4との間の距離ではなく、処理対象画素Ptと基準画素P1s〜P4sとの間の距離である点である。例えば、第1距離D1sは、処理対象画素Ptと第1基準画素P1sとの間の距離であり、第2距離D2sは、処理対象画素Ptと基準画素P2sとの間の距離である。
第2の差異は、色値P1ia〜P4iaが、色値画素P1〜P4を中心とする算出範囲内の非囲み線画素の色値の平均値である点である。例えば、第1色値P1iaは、第1色値画素P1を中心とする第1算出範囲P1sr内の非囲み線画素の色値の平均値である。第2色値P2iaは、第2色値画素P2を中心とする第2算出範囲P2sr内の非囲み線画素の色値の平均値である。
このように色値画素P1〜P4に応じて算出される色値の平均値P1ia〜P4iaは、分散が小さい領域の色値の平均値である。従って、色値の平均値P1ia〜P4iaは、囲み線領域の周辺の領域(例えば、背景領域)の本来の色値、すなわち、ノイズの影響を受けていない色値に近い値を表していると推定される。図7(C)の演算式は、基準画素P1s〜P4sの本来の色値が、色値画素P1〜P4に応じて得られる色値P1ia〜P4iaとおおよそ同じであることを想定して、決定されている。
以上、処理対象画素Ptについて説明したが、色値変更部430は、囲み線領域85c内の他の画素についても、同様に、色値を変更する。
以上のように、第3実施例では、第1実施例と同様に、処理対象画素Ptの色値が、処理対象画素Ptの周辺の複数の非囲み線画素の色値を用いて決定される。従って、第2実施例は、第1実施例と同様の利点を有する。
さらに、図7(C)で説明したように、内側画素P2に対応付けられた基準画素P2sと処理対象画素Ptとの間の距離D2sが小さいほど、大きい重みが、内側画素P2を含む複数の画素の平均色値P2ia、すなわち、内側画素P2の色値に、付される。内側画素P4についても、同様である。さらに、外側画素P1に対応付けられた基準画素P1sと処理対象画素Ptとの間の距離D1sが小さいほど、大きい重みが、外側画素P1を含む複数の画素の平均色値P1ia、すなわち、内側画素P1の色値に、付される。外側画素P3についても、同様である。以上により、処理対象画素Ptの色値を、処理対象画素Ptと、内側の基準画素P2s、P4sと、外側の基準画素P1s、P3sと、の位置関係に適した色値に変更できる。この結果、処理済画像中で、囲み線85の跡が目立つことを抑制できる。
また、図7(A)で説明したように、第1色値画素P1は、第1基準画素P1sを中心とする所定範囲内(具体的には、第1検索範囲P1sa内)から選択される。換言すれば、第1基準画素P1sは、第1色値画素P1を中心とする所定範囲(検索範囲と同じ形状の範囲)内の画素である。同様に、第2色値画素P2は、第2基準画素P2sを中心とする所定範囲内(具体的には、第2検索範囲P2sa内)から選択される。換言すれば、第2基準画素P2sは、第2色値画素P2を中心とする所定範囲内の画素である。このように、第1色値画素P1に近い第1基準画素P1sと、第2色値画素P2に近い第2基準画素P2sと、に応じて、処理対象画素Ptの色値が変更されるので、処理済画像中で、囲み線85の跡が目立つことを抑制できる。
また、図7(A)には、処理対象画素Ptを通る2つの直線Sg1o、Sg2oが示されている。第1直線Sg1oは、処理対象画素Ptと第1色値画素P1とを通る直線Sg1と直交する直線であり、第2直線Sg2oは、処理対象画素Ptと第2色値画素P2とを通る直線Sg2と直交する直線である。
ここで、第1基準画素P1sは、読取画像を第1直線Sg1oで二分して得られる2つの領域のうち第1色値画素P1を含む領域(具体的には、第1直線Sg1oよりも−Dy側の領域)から選択されている。さらに、図7(B)で説明したように、第1基準画素P1sは、外側領域85coのうちの囲み線領域85cと接する縁に位置している(すなわち、第1基準画素P1sは、縁からの距離が、囲み線領域85cの幅WL以下の範囲内の画素である)。このように、第1色値画素P1に近い画素を、第1基準画素P1sとして利用することができる。
同様に、第2基準画素P2sは、読取画像を第2直線Sg2oで二分して得られる2つの領域のうち第2色値画素P2を含む領域(具体的には、第2直線Sg2oよりも+Dy側の領域)から選択されている。さらに、図7(B)で説明したように、第2基準画素P2sは、内側領域85ciのうちの囲み線領域85cと接する縁に位置している(すなわち、第2基準画素P2sは、縁からの距離が、囲み線領域85cの幅WL以下の範囲内の画素である)。このように、第2色値画素P2に近い画素を、第2基準画素P2sとして利用することができる。
以上により、処理済画像中で、囲み線85の跡が目立つことを抑制できる。
また、図7(A)で説明したように、第1色値画素P1としては、第1基準画素P1s(すなわち、処理対象画素Pt)に応じて決まる第1検索範囲P1sa内の複数の非囲み線画素のうちの、各画素位置を基準とする算出範囲内の色値の分散が最小である画素が用いられる。同様に、第2色値画素P2としては、第2基準画素P2s(すなわち、処理対象画素Pt)に応じて決まる第2検索範囲P2sa内の複数の非囲み線画素のうちの、各画素位置を基準とする算出範囲内の色値の分散が最小である画素が用いられる。従って、ノイズが処理対象画素Ptの色値に与える影響を緩和できるので、処理済画像中で、囲み線85の跡が目立つことを抑制できる。
また、図7(A)で説明したように、色値変更部430は、検索範囲(例えば、第1検索範囲P1saと第2検索範囲P2sa)を、読取画像の解像度(すなわち、画素密度)に応じて、決定する。従って、色値変更部430は、処理対象画素Ptの色値を、画素密度に適した色値に変更できるので、処理済画像中で、囲み線85の跡が目立つことを抑制できる。
また、図7(A)に示すように、第3基準画素P3sと第4基準画素P4sとは、第1基準画素P1sと第2基準画素P2sとを結ぶ線分と交差する線分の一端と他端とに配置されている。これにより、処理対象画素Ptの色値を算出するために用いられる第3画素P3と第4画素P4も、第1画素P1と第2画素P2とを結ぶ線分(図示省略)と交差する線分(図示省略)の一端と他端とに配置される。従って、第1対象画素Ptの色値を、複数の方向の色の変化に適した色値に変更できる。他の処理対象画素についても、同様である。この結果、処理済画像中で、囲み線85の跡が目立つことを抑制できる。
D.第4実施例:
図8は、囲み線領域内の処理対象画素の色値の変更(図4:S320)の別の実施例を示す概略図である。図6に示す第2実施例からの差異は、以下の通りである。まず、色値変更部430は、処理対象画素Ptの色値の算出のための8つの画素P1〜P8を、処理対象画素Ptを通る同一直線上に配置される2つの画素で構成される画素ペアに分類する。これにより、8つの画素P1〜P8が、4組の画素ペアに、分類される。そして、色値変更部430は、4組の画素ペアのうちの色値の差分が大きい一部の画素ペアを用いて、処理対象画素Ptの色値を算出する。画像処理に用いられる画像処理システムのハードウェア構成は、図1に示す画像処理システム900の構成と同じである。また、画像処理の手順は、図2、図4に示す手順と同じである。
図8(A)には、図6(A)と同じ部分画像が示されている。図中には8つの色値画素P1〜P8が示されている。図8(B)は、4つの画素ペアPr1〜Pr2と、色値の差dC1〜dC4と、選択される画素ペアと、の説明図である。図示するように、4組の画素ペアPr1、Pr2、Pr3、Pr4は、それぞれ、P1−P2のペアと、P3−P4のペアと、P5−P6のペアと、P7−P8のペアである。色値変更部430は、各画素ペアPr1〜Pr4のそれぞれの画素ペアの間の色値の差分dC1〜dC4を算出する。色値変更部430は、特定の色成分の差分を採用する。例えば、色値変更部430は、R成分値とG成分値とB成分値とから輝度値を算出し、輝度値の差分を採用してもよい。
次に、色値変更部430は、4つの画素ペアのうちの差分が比較的大きい画素ペアを選択する。具体的には、色値変更部430は、差分が最も大きい画素ペアと、差分が2番目に大きい画素ペアとを、選択する。以下、差分が最も大きい画素ペアの画素を、画素Pm1、Pm2と呼び、差分が2番目に大きい画素ペアの画素を、画素Pn1、Pn2と呼ぶ。
図8(C)は、選択された2つの画素ペア(すなわち、4つの色値画素Pm1、Pm2、Pn1、Pn2)の色値Pm1i、Pm2i、Pn1i、Pn2iから、処理対象画素Ptの色値Ptiを算出する演算式を示している。記号「i」は、赤Rと緑Gと青Bとのいずれかを特定する記号である。距離Dm1、Dm2、Dn1、Dn2は、処理対象画素Ptと画素Pm1、Pm2、Pn1、Pn2との間の距離を、それぞれ示している。
図示するように、処理対象画素Ptの色値Ptiは、4つの色値画素P1〜P4の色値Pm1i、Pm2i、Pn1i、Pn2iの、重み付き平均値である。色値Pm1i、Pm2i、Pn1i、Pn2iに付される重みは、距離Dm1、Dm2、Dn1、Dn2が小さいほど、大きい。従って、色値変更部430は、処理対象画素Ptの色値を、処理対象画素Ptと、色値画素Pm1i、Pm2i、Pn1i、Pn2iとの位置関係に適した色値に変更できる。この結果、色値変更部430は、処理対象画素Ptの色値を、処理対象画素Ptの周辺の領域(例えば、背景領域)における色の変化に適した色値に、変更できる。
また、第4実施例では、色値変更部430は、4つの画素ペアのうち、比較的大きな差分に対応付けられた2つの画素ペアの画素を用いて、処理対象画素Ptの変更後の色値を算出する。この結果、囲み線領域85cの周辺領域(例えば、背景領域)が、グラデーションを表す場合であっても、処理対象画素Ptの色値が、グラデーションに起因する色値の変化が大きい画素ペアを用いて算出されるので、処理済画像中で、囲み線85の跡が目立つことを抑制できる。
また、図8(A)の例では、4つの画素ペアPr1〜Pr4のうちの3つの画素ペアPr1、Pr2、Pr3は、それぞれ、外側領域85coの画素と内側領域85ciの画素とを含む。そして、それら3つの画素ペアPr1、Pr2、Pr3のうちの差分が比較的大きい一部の画素ペアのみが、処理対象画素Ptの色値の算出に利用される。従って、特定の方向に沿って色が変化する場合に、色値変更部430は、囲み線領域85c内の画素の色値を、色の変化に適した色値に、変更することができる。
なお、図8(A)に示すように、4つの画素ペアは、処理対象画素Ptから見て、等方的に配置されている。従って、図8(A)に示すように、曲線を描く囲み線領域85cのうちの曲率が小さい部分においては、3以上の画素ペアが、外側領域85coの画素と内側領域85ciの画素とを含み得る。本実施例では、色値変更部430は、外側領域85coの画素と内側領域85ciの画素とを含む画素ペアのうちの比較的大きな差分に対応付けられた一部の画素ペアを用いるので、外側領域85coから内側領域85ciに向かって色が変化する場合に、囲み線領域85c内の画素の色値を、色の変化に適した色値に、変更することができる。
E.第5実施例:
図9は、囲み線領域内の処理対象画素の色値の変更(図4:S320)の別の実施例を示す概略図である。図7に示す実施例からの差異は、基準画素P1s〜P4sとして、囲み線領域85cから離れた位置の画素が選択されている点である。具体的には、第1基準画素P1sは、処理対象画素Ptから−Dy方向に延びる直線上の複数の非囲み線画素から囲み線領域85cと連続する画素を除いた残りの画素のうちの、処理対象画素Ptに最も近い画素である。他の基準画素P2s〜P4sについても、同様に、囲み線領域85cから離れた画素が選択される。色値画素P1〜P4の選択と、処理対象画素Ptの色値の算出と、のそれぞれの手順は、図7の実施例の手順と同じである。
このように、位置の基準である基準画素P1s〜P4sとしては、囲み線領域85cから離れた画素を採用可能である。囲み線領域85cから遠い画素は、囲み線85のエッジから遠いので、色値に含まれるノイズの影響(具体的には、エッジ近傍に生じ得るノイズの影響)が小さい。従って、囲み線領域85cから離れた基準画素P1s〜P4sに応じて、色値画素P1〜P4を選択すれば、色値に対するノイズの影響を抑制できる。ただし、基準画素P1s〜P4sと囲み線領域85cとの距離が過剰に長い場合には、変更後の囲み線領域85cの色が、囲み線領域85cの周囲の色と異なる可能性がある。従って、処理済画像中で、囲み線85の跡が目立つことを抑制するためには、基準画素P1s〜P4sは、囲み線領域85cに近いことが好ましい。例えば、内側領域85ci内の色値画素P2、P4としては、内側領域85ciのうちの囲み線領域85cと接する縁からの距離が囲み線領域85cの幅WL以下である範囲内の画素を採用することが好ましい。同様に、外側領域85co内の色値画素P1、P3としては、外側領域85coのうちの囲み線領域85cと接する縁からの距離が囲み線領域85cの幅WL以下である範囲内の画素を採用することが好ましい。
ところで、読取実行部160によって生成される読取画像中には、囲み線等のオブジェクトのエッジ(例えば、輪郭)の近傍に、ぼけが生じる場合がある。図7に示す第3実施例と、図9に示す第5実施例とでは、色値変更部430は、囲み線領域から離れた画素の色値を用いて、囲み線領域内の画素の色値を算出する。従って、ぼけが、算出される色値に与える影響を緩和できるので、処理済画像中で囲み線の跡が目立つことを、適切に、抑制できる。
F.変形例:
(1)色値変更部430による囲み線領域の色補正処理としては、上記各実施例の処理に限らず、囲み線領域の色を囲み線領域の周囲の領域の色に近づける種々の処理を採用可能である。例えば、図7、図9に示す実施例において、分散と平均色値との少なくとも一方を算出する場合に、算出範囲内の複数の画素の一部が間引かれてもよい。例えば、偶数行の画素が間引かれても良い。また、色値変更部430は、算出範囲内の色値の平均値を用いる代わりに、分散が最小である画素の色値を、そのまま、用いてもよい。例えば、図7(C)の色値P1iaとして、平均値ではなく、第1色値画素P1の色値を採用可能である。一般には、色値変更部430は、処理対象画素Ptの色値を算出するために、算出範囲内の少なくとも1つの画素の色値を用いればよい。また、色値変更部430は、算出範囲の基準となる色値画素P1〜P4として、検索範囲内の分散が最小である画素に限らず、検索範囲内の分散が最大である画素とは異なる種々の画素を採用可能である。また、検索範囲としては、矩形範囲に限らず、任意の形状の範囲を採用可能である。例えば、基準画素を中心とする円状の範囲を採用可能である。いずれの場合も、検索範囲としては、基準画素を含む範囲を採用することが好ましい。算出範囲としても、矩形範囲に限らず、注目画素を中心とする円状の範囲等の、任意の形状の範囲を採用可能である。いずれの場合も、算出範囲としては、注目画素を含む範囲を採用することが好ましい。
(2)図5〜図9に示す各実施例において1つの処理対象画素Ptの色値の算出に用いられる色値画素の総数としては、2以上の任意の数を採用可能である。例えば、図5(A)の実施例において、処理対象画素Ptの色値が、2つの色値画素P1、P2から算出されてもよい。また、色値画素の選択方法としては、図5〜図9の実施例の方法に限らず、任意の方法を採用可能である。例えば、処理対象画素Ptを中心とする所定範囲内の非囲み線画素の全てを用いることとしてもよい。
また、複数の色値画素の色値を用いて処理対象画素Ptの色値を算出する方法としては、図5〜図9の実施例で説明した方法に限らず、種々の方法を採用可能である。例えば、重みを用いずに単純平均を採用してもよい。
(3)図5、図6、図7、図9の実施例において、図8の実施例と同様に、複数の画素ペアのうちの、色値の差分が大きい一部の画素ペアを用いて、処理対象画素Ptの色値を算出してもよい。利用される画素ペアの総数としては、1以上の任意の数を採用可能であり、また、予め決定された値を採用可能である。
(4)領域特定部420は、色値変更部430によって利用される囲み線領域として、ステップS240で特定された囲み線領域85cの代わりに、ステップS220で特定された囲み線領域85bを採用してもよい。
(5)画像処理の手順としては、図2に記載の手順に限らず、種々の手順を採用可能である。例えば、対象画像から、囲み線を構成する領域(すなわち、囲み線領域)と、囲み線を構成しない領域と、を特定する方法としては、図2のステップS205〜S240で説明した方法に限らず、他の種々の方法を採用可能である。例えば、ステップS210を省略してもよい。また、典型的な囲み線領域を表す所定のパターンを用いるパターンマッチングによって、対象画像中の囲み線領域を特定してもよい。また、ステップS255の処理としては、囲み線によって囲まれたオブジェクトを消去する処理に限らず、囲み線によって囲まれたオブジェクトを用いる任意の処理を採用可能である。例えば、囲み線によって囲まれたオブジェクトを残して他のオブジェクトを消去する処理を採用してもよい。いずれの場合も、オブジェクトを消去する場合には、ステップS250の処理と同様に、オブジェクトを表す画素の色を補間してもよい。
(6)処理済データの用途としては、印刷に限らず、任意の用途を採用可能である。例えば、複合機100の処理済データ取得部230は、取得した処理済データを、将来に利用するために、不揮発性記憶装置130に格納してもよい。また、処理済データ出力部450による処理済データの出力先の装置としては、複合機100に限らず、任意の装置を採用可能である。例えば、処理済データ出力部450は、ネットワーク500に接続された他のサーバ(図示省略)に、処理済データを出力してもよい。
(7)対象画像データとしては、読取実行部160によって読み取られた読取データに限らず、例えば、デジタルカメラなどで撮影された撮影画像データを採用してもよく、また、文書やイラストなどを作成するためのアプリケーションプログラムを用いて生成された画像データを採用してもよい。また、囲み線は、例えば、ペンを用いて記入された囲み線に限られず、上記アプリケーションプログラムを用いて、画像内に描画された囲み線であっても良い。
(8)図1に示す実施例において、画像処理のための機能(例えば、画像処理部390の機能。具体的には、処理部410、420、430、440、450の機能)は、サーバ300と異なる種類の装置(例えば、デジタルカメラ、スキャナ、パーソナルコンピュータ、携帯電話)によって実現されてもよい。また、ネットワークを介して互いに通信可能な複数の装置(例えば、コンピュータ)が、画像処理部390の機能を一部ずつ分担して、全体として、画像処理部390の機能を提供してもよい(これらの装置を備えるシステムが画像処理装置に対応する)。
上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、図1の領域特定部420の機能を、論理回路を有する専用のハードウェア回路によって実現してもよい。
また、本発明の機能の一部または全部がコンピュータプログラムで実現される場合には、そのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(例えば、一時的ではない記録媒体)に格納された形で提供することができる。プログラムは、提供時と同一または異なる記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に格納された状態で、使用され得る。「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、メモリーカードやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種ROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスクドライブ等のコンピュータに接続されている外部記憶装置も含んでいる。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
80...読取画像、80a...二値画像、80b...二値画像、80c...部分二値画像、81...第1オブジェクト、81a...第1候補領域、81b...第1候補領域、81c...第1オブジェクト領域、82...第2オブジェクト、82c...第2オブジェクト領域、84...第4オブジェクト、84a...第2候補領域、84b...第2候補領域、85...囲み線、85a...第3候補領域、85b...第3候補領域(囲み線領域)、85c...第3オブジェクト領域(囲み線領域)、85ci...内側領域、85co...外側領域、90...処理済画像、100...複合機、110...CPU、120...揮発性記憶装置、130...不揮発性記憶装置、132...プログラム、140...表示部、150...操作部、160...読取実行部、170...印刷実行部、180...通信インタフェース、190...データ処理部、210...読取制御部、220...読取データ出力部、230...処理済データ取得部、240...印刷制御部、300...サーバ、310...CPU、320...揮発性記憶装置、330...不揮発性記憶装置、332...プログラム、380...通信インタフェース、390...画像処理部、410...対象データ取得部、420...領域特定部、430...色値変更部、440...オブジェクト処理部、450...処理済データ出力部、500...ネットワーク、900...画像処理システム

Claims (10)

  1. 画像処理装置であって、
    対象画像データによって表される対象画像から、部分領域を特定するための囲み線を構成する第1領域と、前記囲み線を構成しない第2領域と、を特定する領域特定部と、
    前記第1領域内の画素の色値を、前記第2領域に含まれる複数の画素の色値を用いて変更する、色値変更部と、
    を備え、
    前記第2領域は、前記第1領域の内周側の領域である内側領域と、前記第1領域の外周側の領域である外側領域と、を含み、
    前記色値変更部は、
    前記第1領域内の第1対象画素の色値を、前記内側領域内の第1内側画素の色値と、前記外側領域内の第1外側画素の色値と、を含む複数の画素のそれぞれの色値を用いて変更し、
    前記第1領域内の第2対象画素の色値を、前記内側領域内の第2内側画素の色値と、前記外側領域内の第2外側画素の色値と、を含む複数の画素のそれぞれの色値を用いて変更する、
    画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置であって、
    前記色値変更部は、
    前記第1対象画素の色値を、前記第1内側画素の色値と前記第1外側画素の色値との間の色値に変更し、
    前記第2対象画素の色値を、前記第2内側画素の色値と前記第2外側画素の色値との間の色値に変更する、
    画像処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の画像処理装置であって、
    前記色値変更部は、
    前記第1内側画素に対応付けられた第1内側基準画素と、前記第1対象画素と、の間の第1距離が小さいほど、大きい重みを前記第1内側画素の前記色値に付し、
    前記第1外側画素に対応付けられた第1外側基準画素と、前記第1対象画素と、の間の第2距離が小さいほど、大きい重みを前記第1外側画素の前記色値に付すことによって、
    前記第1対象画素の色値を変更する、画像処理装置。
  4. 請求項3に記載の画像処理装置であって、
    前記第1内側基準画素は、前記第1内側画素を中心とする所定範囲内の画素であり、
    前記第1外側基準画素は、前記第1外側画素を中心とする所定範囲内の画素である、
    画像処理装置。
  5. 請求項3または4に記載の画像処理装置であって、
    前記第1外側基準画素は、
    前記外側領域のうちの前記第1領域と接する縁からの距離が前記第1領域の幅以下である範囲内の画素であり、
    前記第1対象画素を通過する第1直線であって、前記第1対象画素と前記第1外側画素とを結ぶ直線と直交する前記第1直線で前記対象画像を二分して得られる2つの領域のうち、前記第1外側画素を含む領域から選択され、
    前記第1内側基準画素は、
    前記内側領域のうちの前記第1領域と接する縁からの距離が前記第1領域の幅以下である範囲内の画素であり、
    前記第1対象画素を通過する第2直線であって、前記第1対象画素と前記第1内側画素とを結ぶ直線と直交する前記第2直線で前記対象画像を二分して得られる2つの領域のうち、前記第1内側画素を含む領域から選択される、
    画像処理装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の画像処理装置であって、
    前記色値変更部は、前記第1領域内の第1対象画素の色値を、前記第1内側画素の色値と、前記第1外側画素の色値と、に加えて、前記内側領域内の第3内側画素の色値と、前記外側領域内の第3外側画素の色値と、を用いて変更し、
    前記第3内側画素と前記第3外側画素とは、前記第1内側画素と前記第1外側画素とを結ぶ線分と交差する線分の一端と他端とに、配置されている、
    画像処理装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の画像処理装置であって、
    前記色値変更部は、前記第1内側画素と前記第1外側画素と間の色値の第1差分と、前記内側領域内の第3内側画素及び前記外側領域内の第3外側画素の間の色値の第2差分と、のうちの大きい方の差分に対応付けられた内側画素と外側画素とを用いて、前記第1対象画素の色値を変更する、画像処理装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の画像処理装置であって、
    前記色値変更部は、
    前記第1内側画素として、前記第1対象画素に応じて決まる特定の範囲である内側検索範囲内の複数の画素のうちの、各画素位置を基準とする所定範囲内の色値の分散が最大である画素とは異なる画素を基準とする前記所定範囲内の画素を用い、
    前記第1外側画素として、前記第1対象画素に応じて決まる特定の範囲である外側検索範囲内の複数の画素のうちの、各画素位置を基準とする所定範囲内の色値の分散が最大である画素とは異なる画素を基準とする前記所定範囲内の画素を用いる、
    画像処理装置。
  9. 請求項8に記載の画像処理装置であって、
    前記色値変更部は、前記内側検索範囲と前記外側検索範囲とを、前記対象画像の画素密度に応じて、決定する、画像処理装置。
  10. コンピュータプログラムであって、
    対象画像データによって表される対象画像から、部分領域を特定するための囲み線を構成する第1領域と、前記囲み線を構成しない第2領域と、を特定する領域特定機能と、
    前記第1領域内の画素の色値を、前記第2領域に含まれる複数の画素の色値を用いて変更する、色値変更機能と、
    をコンピュータに実現させ、
    前記第2領域は、前記第1領域の内周側の領域である内側領域と、前記第1領域の外周側の領域である外側領域と、を含み、
    前記色値変更機能は、
    前記第1領域内の第1対象画素の色値を、前記内側領域内の第1内側画素の色値と、前記外側領域内の第1外側画素の色値と、を含む複数の画素のそれぞれの色値を用いて変更する機能と、
    前記第1領域内の第2対象画素の色値を、前記内側領域内の第2内側画素の色値と、前記外側領域内の第2外側画素の色値と、を含む複数の画素のそれぞれの色値を用いて変更する機能と、を含む、コンピュータプログラム。
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